(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】インクジェットプリンティング装置、双極子整列方法および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20221221BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20221221BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20221221BHJP
B05C 9/14 20060101ALI20221221BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20221221BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20221221BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20221221BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221221BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20221221BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B41J2/01 125
B05C5/00 101
B05C11/00
B05C9/14
B05C11/10
B41J2/01 307
B41J2/01 451
B41J2/01 303
H01L33/00 L
H01L33/62
G09F9/30 338
G09F9/33
G09F9/00 338
B41J2/01 501
(21)【出願番号】P 2021523020
(86)(22)【出願日】2019-03-13
(86)【国際出願番号】 KR2019002867
(87)【国際公開番号】W WO2020141652
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0000203
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】イ, ビョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ヒュンチョル
(72)【発明者】
【氏名】フ, ミュンス
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミンス
(72)【発明者】
【氏名】リム, ジェハ
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0019377(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107331788(CN,A)
【文献】特開2015-107656(JP,A)
【文献】特開2005-246130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0212750(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138549(US,A1)
【文献】国際公開第2012/008253(WO,A1)
【文献】特開2020-155428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B05C 5/00
B05C 11/00
B05C 9/14
B05C 11/10
H01L 33/00
H01L 33/62
G09F 9/30
G09F 9/33
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージを含むステージユニットと、
前記ステージ上に双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する少なくとも一つのインクジェットヘッドを含むインクジェットヘッドユニットと、
前記ステージ上に噴射された前記溶媒を除去する熱処理装置と、
前記インクジェットヘッドで前記ステージ上に噴射されたインクの位置を測定する第1センシングユニットと、
前記インクジェットヘッドの位置を測定する第2センシングユニットと、
前記ステージ上に噴射された前記双極子の位置を測定する第3センシングユニットを含む、インクジェットプリンティング装置。
【請求項2】
前記インクジェットヘッドは互いに離隔して配置された第1インクジェットヘッドおよび第2インクジェットヘッドを含み、
前記インクジェットヘッドユニットは前記第1インクジェットヘッドと前記第2インクジェットヘッドを移動させる少なくとも一つのヘッド駆動部を含む、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項3】
前記ヘッド駆動部は、前記インクジェットヘッドを第1方向に移動させる第1ヘッド駆動部および前記第1方向と垂直な方向である第2方向に移動させる第2ヘッド駆動部を含む、請求項2に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項4】
前記第1センシングユニットは、前記第1インクジェットヘッドで前記ステージ上に噴射された第1インクおよび前記第2インクジェットヘッドで前記ステージ上に噴射された第2インクの位置を測定する、請求項2に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項5】
前記第1センシングユニットは、前記第1インクおよび前記第2インクの直径を測定する、請求項4に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項6】
前記第3センシングユニットは、前記双極子が延びた一方向と前記第1方向とがなす鋭角を測定する、請求項3に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項7】
前記第3センシングユニットは、前記ステージ上に噴射された前記双極子の単位面積あたりの数を測定する、請求項6に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項8】
前記インクジェットヘッドユニット、前記第3センシングユニットおよび前記熱処理装置は第3方向に沿って配置され、前記ステージユニットは前記第3方向に移動する、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項9】
前記インクジェットヘッドは前記第3方向に垂直である第4方向に互いに離隔して配置され、
前記第1センシングユニットは前記第4方向に移動する第1移動部を含み、
前記第2センシングユニットは前記第4方向に移動する第2移動部を含む、請求項8に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項10】
前記第3センシングユニットは、前記第3方向に移動する少なくとも一つの第3移動部および前記第4方向に移動する少なくとも一つの第4移動部を含む、請求項9に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項11】
前記ステージユニットは、前記ステージ上に電界を生成するプローブユニットをさらに含む、請求項8に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項12】
対象基板上に双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する段階と、
前記対象基板上に電界を生成して前記電界により前記双極子が前記対象基板上に配置される段階と、
前記溶媒を除去して前記対象基板上に配置された前記双極子の位置を測定する段階を含む、双極子整列方法。
【請求項13】
前記インクはインクジェットヘッドで噴射され、
前記インクを噴射する段階前に前記対象基板上に噴射される前記インクの位置を調整する段階をさらに含む、請求項12に記載の双極子整列方法。
【請求項14】
前記インクジェットヘッドは第1ヘッドおよび第2ヘッドを含み、
前記噴射されるインクの位置を調整する段階は、
前記第1ヘッドで噴射されたインクと前記第2ヘッドで噴射されたインクの位置を測定する段階と、
前記測定されたインクの位置を利用して前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの位置を調整する段階を含む、請求項13に記載の双極子整列方法。
【請求項15】
前記対象基板は
所定の方向に延びた第1電極および第2電極を含み、
前記双極子の位置を測定する段階は、
前記双極子の配向方向を測定して前記双極子の配向方向と前記
所定の方向
に垂直である方向とがなす鋭角を測定する段階を含む、請求項14に記載の双極子整列方法。
【請求項16】
前記双極子の位置を測定する段階は、前記対象基板上に配置された前記双極子の単位面積あたりの数を測定する段階をさらに含む、請求項15に記載の双極子整列方法。
【請求項17】
前記対象基板上に配置された前記双極子の位置に対する基準設定値を設定し、前記双極子の位置を測定する段階で測定された前記鋭角および前記双極子の単位面積当たりの数と前記基準設定値を比較する段階をさらに含む、請求項16に記載の双極子整列方法。
【請求項18】
第1電極および第2電極が形成された対象基板に発光素子および前記発光素子が分散した溶媒を含むインクを噴射する段階と、
前記第1電極および前記第2電極上に前記発光素子を配置し、前記対象基板上に噴射された前記溶媒を除去する段階と、
前記第1電極および前記第2電極上に配置された前記発光素子の位置を測定する段階を含む、表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1電極および前記第2電極は
所定の方向に延び、
前記発光素子の位置を測定する段階は前記発光素子が延びた一方向と前記
所定の方向
に垂直である方向とがなす鋭角を測定する段階を含む、請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記対象基板は複数の画素を含み、
前記第1電極と前記第2電極は前記画素ごとに備えられ、
前記発光素子の位置を測定する段階は前記各画素に配置された前記発光素子の数を測定する段階を含む、請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットプリンティング装置、双極子整列方法および表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置はマルチメディアの発達と共にその重要性が増大している。これに応じて有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display,OLED)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCD)などのような様々な種類の表示装置が使われている。
【0003】
表示装置の画像を表示する装置として有機発光表示パネルや液晶表示パネルのような表示パネルを含む。その中で発光表示パネルとしては発光素子を含み得るが、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)の場合、有機物を蛍光物質として利用する有機発光ダイオード(OLED)、無機物を蛍光物質として利用する無機発光ダイオードなどがある。
【0004】
蛍光物質として無機物半導体を利用する無機発光ダイオードは高温の環境でも耐久性を有し、有機発光ダイオードに比べて青色光の効率が高い長所がある。また、既存の無機発光ダイオード素子の限界として指摘されていた製造工程においても、誘電泳動(Dielectrophoresis,DEP)法を用いた転写方法が開発された。そのため有機発光ダイオードに比べて耐久性および効率に優れた無機発光ダイオードに対する研究が持続されている。
【0005】
一方、誘電泳動法を用いて無機発光ダイオード素子を転写したり表示装置に含まれる有機物層を形成したりするために、インクジェットプリンティング装置が用いられる。任意のインクや溶液をインクジェットでプリンティングした後、後処理工程を行って前記無機発光ダイオード素子を転写したり有機物層を形成したりすることもできる。インクジェットプリンティング装置は所定のインクや溶液がインクジェットヘッドに供給され、インクジェットヘッドは所定の基板上に前記インクや溶液を噴射する工程を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、インクの噴射と双極子の整列および双極子整列度検査を連結された工程として遂行できるインクジェットプリンティング装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明はプリンティング工程中に発生するインクの量および双極子整列状態などの誤差を工程実行中に調整できるインクジェットプリンティング装置を提供することができる。
【0008】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための一実施形態によるインクジェットプリンティング装置は、ステージを含むステージユニット、前記ステージ上に双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する少なくとも一つのインクジェットヘッドを含むインクジェットヘッドユニット、前記ステージ上に噴射された前記溶媒を除去する熱処理装置、前記インクジェットヘッドで前記ステージ上に噴射されたインクの位置を測定する第1センシングユニット、前記インクジェットヘッドの位置を測定する第2センシングユニットおよび前記ステージ上に噴射された前記双極子の位置を測定する第3センシングユニットを含む。
【0010】
前記インクジェットヘッドは互いに離隔して配置された第1インクジェットヘッドおよび第2インクジェットヘッドを含み、前記インクジェットヘッドユニットは前記第1インクジェットヘッドと前記第2インクジェットヘッドを移動させる少なくとも一つのヘッド駆動部を含み得る。
【0011】
前記ヘッド駆動部は、前記インクジェットヘッドを第1方向に移動させる第1ヘッド駆動部および前記第1方向と垂直な方向である第2方向に移動させる第2ヘッド駆動部を含み得る。
【0012】
前記第1センシングユニットは、前記第1インクジェットヘッドで前記ステージ上に噴射された第1インクおよび前記第2インクジェットヘッドで前記ステージ上に噴射された第2インクの位置を測定し得る。
【0013】
前記第1センシングユニットは、前記第1インクおよび前記第2インクの直径を測定し得る。
【0014】
前記第3センシングユニットは、前記双極子が延びた一方向と前記第1方向とがなす鋭角を測定し得る。
【0015】
前記第3センシングユニットは、前記ステージ上に噴射された前記双極子の単位面積あたりの数を測定し得る。
【0016】
前記インクジェットヘッドユニット、前記第3センシングユニットおよび前記熱処理装置は第3方向に沿って配置され、前記ステージユニットは前記第3方向に移動し得る。
【0017】
前記インクジェットヘッドは前記第3方向に垂直である第4方向に互いに離隔して配置され、前記第1センシングユニットは前記第4方向に移動する第1移動部を含み、前記第2センシングユニットは前記第4方向に移動する第2移動部を含み得る。
【0018】
前記第3センシングユニットは、前記第3方向に移動する少なくとも一つの第3移動部および前記第4方向に移動する少なくとも一つの第4移動部を含み得る。
【0019】
前記ステージユニットは、前記ステージ上に電界を生成するプローブユニットをさらに含み得る。
【0020】
前記課題を解決するための一実施形態による双極子整列方法は、対象基板上に双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する段階、前記対象基板上に電界を生成して前記電界によって前記双極子が前記対象基板上に配置される段階および前記溶媒を除去して前記対象基板上に配置された前記双極子の位置を測定する段階を含む。
【0021】
前記インクはインクジェットヘッドで噴射され、前記インクを噴射する段階前に前記対象基板上に噴射される前記インクの位置を調整する段階をさらに含み得る。
【0022】
前記インクジェットヘッドは第1ヘッドおよび第2ヘッドを含み、前記噴射されるインクの位置を調整する段階は、前記第1ヘッドで噴射されたインクと前記第2ヘッドで噴射されたインクの位置を測定する段階および前記測定されたインクの位置を利用して前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの位置を調整する段階を含み得る。
【0023】
前記対象基板は第1方向に延びた第1電極および第2電極を含み、前記双極子の位置を測定する段階は、前記双極子の配向方向を測定して前記双極子の配向方向と前記第1方向がなす鋭角を測定する段階を含み得る。
【0024】
前記双極子の位置を測定する段階は、前記対象基板上に配置された前記双極子の単位面積あたりの数を測定する段階をさらに含み得る。
【0025】
前記対象基板上に配置された前記双極子の位置に対する基準設定値を設定し、前記双極子の位置を測定する段階で測定された前記鋭角および前記双極子の単位面積当たりの数と前記基準設定値を比較する段階をさらに含み得る。
【0026】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置の製造方法は、第1電極および第2電極が形成された対象基板に発光素子および前記発光素子が分散した溶媒を含むインクを噴射する段階、前記第1電極および前記第2電極上に前記発光素子を配置し、前記対象基板上に噴射された前記溶媒を除去する段階および前記第1電極および前記第2電極上に配置された前記発光素子の位置を測定する段階を含む。
【0027】
前記第1電極および前記第2電極は第1方向に延び、前記発光素子の位置を測定する段階は前記発光素子が延びた一方向と前記第1方向がなす鋭角を測定する段階を含み得る。
【0028】
前記対象基板は複数の画素を含み、前記第1電極と前記第2電極は前記画素ごとに備えられ、前記発光素子の位置を測定する段階は前記各画素に配置された前記発光素子の数を測定する段階を含み得る。
【0029】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0030】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置は、インクジェットヘッド装置、熱処理装置および整列度検査装置を含んで一つの工程で双極子を含むインクを噴射し、インクを乾燥させた後双極子の整列度を検査することができる。そのため、インクジェットプリンティング装置を利用して表示装置を製造するとき、対象基板上に配置された双極子の整列度を向上させることができる。
【0031】
また、インクジェットプリンティング装置は、複数のセンシングユニットを含んでインクジェットプリンティング工程中にインクジェットヘッドで噴射されるインク、対象基板上に配置された双極子の整列度などを感知することができる。これによりプリンティング工程中に発生する噴射されるインクの量および双極子整列状態の誤差を最小化することができる。
【0032】
実施形態による効果は以上で例示した内容によって制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な斜視図である。
【
図2】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な斜視図である。
【
図3】一実施形態による吐出量検査装置の平面図である。
【
図4】一実施形態による吐出量検査装置の概略的な断面図である。
【
図5】一実施形態による検査用基板上に噴射されたインクを示す概略図である。
【
図6】一実施形態によるサブステージユニットの概略的な断面図である。
【
図7】一実施形態によるインクジェットヘッド装置の平面図である。
【
図8】一実施形態によるインクジェットヘッドでインクが吐出されることを示す概略図である。
【
図9】一実施形態によるインクジェットヘッド装置の第2センシングユニットがインクジェットヘッドの位置を検査することを示す概略図である。
【
図10】一実施形態によるインクジェットヘッドユニットの平面図である。
【
図11】一実施形態によるステージユニットの平面図である。
【
図12】一実施形態によるプローブユニットの状態を示す概略図である。
【
図13】一実施形態によるプローブユニットの状態を示す概略図である。
【
図14】一実施形態によるプローブユニットによって対象基板上に電界が形成されたことを示す概略図である。
【
図15】一実施形態による熱処理装置の断面図である。
【
図16】一実施形態による熱処理装置の駆動を示す概略図である。
【
図17】一実施形態による整列度検査装置の平面図である。
【
図18】一実施形態による整列度検査装置の第3センシングユニットの駆動を示す概略図である。
【
図19】一実施形態による整列度検査装置の第3センシングユニットの駆動を示す概略図である。
【
図20】他の実施形態による整列度検査装置を示す平面図である。
【
図21】一実施形態によるインク供給装置を示す概略図である。
【
図22】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を利用した双極子整列方法を示すフローチャートである。
【
図30】他の実施形態によるインクジェットプリンティング装置のインクジェットヘッド装置を示す概略図である。
【
図31】一実施形態による発光素子の概略図である。
【
図32】他の実施形態による発光素子の概略図である。
【
図33】一実施形態による方法で製造された表示装置の平面図である。
【
図34】
図33のI-I’線に沿って切った表示装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施例は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0035】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称する場合、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。これと同様に、「下(below)」、「左(left)」および「右(right)」と称されるものは他の素子のすぐ隣に介在する場合または中間に他の層または他の素材を介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を称する。
【0036】
第1、第2などが多様な構成要素を叙述するために使われるが、これら構成要素はこれら用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使う。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得ることはもちろんである。
【0037】
以下、添付する図面を参照して実施形態について説明する。
【0038】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、所定のインク(
I,
図4に図示)を対象基板上に噴射し、前記インクI内に分散した粒子、例えば双極子のような粒子を前記対象基板上に整列させることができる。ここで、インクジェットプリンティング装置1000は前記インクを一定の量で噴射し、各工程でインク内に同じ量の粒子数を維持するために、複数の検査装置を含み得る。前記検査装置はインクジェットプリンティング装置1000で噴射されたインクと整列した粒子の状態を検査し、その結果をフィードバックしてインクジェットプリンティング装置1000の信頼度を向上させることができる。
【0039】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、吐出量検査装置100、インクジェットヘッド装置300、ステージユニット500、整列度検査装置700および熱処理装置900を含み得る。
【0040】
図1および
図2は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な斜視図である。
【0041】
図面で第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3が定義されている。第1方向D1と第2方向D2は一平面上に位置して互いに直交する方向であり、第3方向D3は第1方向D1と第2方向D2にそれぞれ垂直である方向である。
【0042】
図1および
図2は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000の構成を説明するための例示的な図面であり、インクジェットプリンティング装置1000の構造および配置が
図1および
図2に制限されるものではない。インクジェットプリンティング装置1000はより多くの部材を含むことができ、
図1および
図2と異なる構造を有してもよい。
【0043】
図1および
図2を参照すると、インクジェットプリンティング装置1000は、吐出量検査装置100、インクジェットヘッド装置300およびステージユニット500、整列度検査装置700および熱処理装置900を含む。
図1はインクジェットプリンティング装置1000の吐出量検査装置100、インクジェットヘッド装置300およびステージユニット500を示しており、
図2はステージユニット500、整列度検査装置700および熱処理装置900を示している。
図2は
図1のステージユニット500が位置を移動したものであり、インクジェットプリンティング装置1000は一つのステージユニット500を含み得る。ただし、これに制限されずインクジェットプリンティング装置1000はステージユニット500が一つ以上配置されてもよい。
【0044】
図面では分離して示されているが、インクジェットプリンティング装置1000は吐出量検査装置100、インクジェットヘッド装置300、整列度検査装置700および熱処理装置900が同じ行に沿って順次配置されて連結された構造を有してもよい。すなわち、インクジェットプリンティング装置1000は一方向、例えば第2方向D2に延びた第1レールRR1および第2レールRR
2を含み、複数の装置は第1および第2レールRR1,
RR2に沿って第2方向D2に配置され得る。
図1の第1レールRR1および第2レールRR2は第2方向D2に延びてそれぞれ
図2の第1レールRR1および第2レールRR2と連結され、
図1と
図2に示された装置は一つのインクジェットプリンティング装置1000を構成することができる。以下では各装置または構成について詳しく説明する。
【0045】
図3は一実施形態による吐出量検査装置の平面図である。
図3は吐出量検査装置100を第3方向D3、例えば上部から見た平面図である。
【0046】
図1および
図3を参照すると、一実施形態による吐出量検査装置100は、第1ベースフレーム110、第1センシングユニット150およびサブステージユニット180を含み得る。吐出量検査装置100は第1センシングユニット150を含んでインクジェットプリンティング装置1000で噴射されるインクIの液滴量および弾着位置を検査することができる。
【0047】
一方、一実施形態で、インクIは溶媒SVと溶媒SV内に含まれた複数の双極子DPを含み得る。例示的な実施形態で、インクIは溶液またはコロイド(colloid)状態で提供されることができる。例えば、溶媒SVはアセトン、水、アルコール、トルエン、プロピレングリコール(Propylene glycol,PG)またはプロピレングリコールメチルアセテート(Propylene glycol methyl acetate,PGMA)などであり得るが、これに制限されない。複数の双極子DPは溶媒SV内に分散した状態で含まれてインクジェットヘッド装置300に供給されて吐出され得る。
【0048】
第1ベースフレーム110は第1方向D1に延びた第1ベース部111と、第1ベース部111の両端部に連結されて第3方向D3に延びて第1ベース部111を支持する第1支持台112を含み得る。第1ベースフレーム110の形状は特に制限されない。ただし、第1ベースフレーム110は第1方向D1に延びた第1ベース部111を含み、吐出量検査装置100の第1センシングユニット150は第1ベース部111上で第1方向D1に移動する動作を行うことができる。
【0049】
一方、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、複数のベースフレーム、例えば第1ないし第5ベースフレーム110,310,710,720,910を含み、各ベースフレーム110,310,710,720,910は第1方向D1に延びた第1ないし第5ベース部111,311,711,721,911と第1ないし第5ベース部111,311,711,721,911の両端部に配置されて第1ないし第5ベース部111,311,711,721,911を支持する第1ないし第5支持台112,312,712,722,912を含み得る。第1ないし第5ベースフレーム110,310,710,720,910の形状は実質的に同一であるが、ベース部の延びた長さが部分的に相異してもよい。ただし、これに制限されない。以下ではベースフレームに係る詳しい説明は省略して叙述する。
【0050】
第1センシングユニット150は第1ベースフレーム110の第1ベース部111に配置され得る。第1センシングユニット150は複数個であり得、
図1では4個の第1センシングユニット150が配置された場合を示している。ただし、これに制限されない。第1センシングユニット150はサブステージユニット180と離隔してサブステージユニット180上に配置される所定の物質を感知することができる。
【0051】
一実施形態によれば、第1センシングユニット150は第1ベースフレーム110に連結され、一方向に移動できる第1移動部151、第1移動部151の一面に配置された第1支持部153および第1支持部153に配置される第1センサ部155を含み得る。
【0052】
第1センシングユニット150の第1移動部151は第1ベースフレーム110の第1ベース部111に取り付けられ、一例として、第1移動部151は第1ベース部111が延びた第1方向D1に移動し得る。第1移動部151が第1方向D1に移動するに伴い、第1センシングユニット150の第1センサ部155は第1方向D1に沿って配列された所定の物質を感知することができる。
【0053】
第1支持部153は第1移動部151の下面で連結されるように配置され、第2方向D2に延びた形状を有することができる。第1支持部153の一端部は第1移動部151と連結され、第2方向D2の他端部は下面に第1センサ部155が配置され得る。そのため、第1センシングユニット150は第1ベースフレーム110から第2方向D2に突出した形状を有することができる。ただし、これに制限されるものではない。
【0054】
第1センサ部155は第1支持部153の下面に配置される。第1センサ部155はサブステージユニット180と対向し、サブステージユニット180上に配置される物質を感知することができる。一例として、第1センサ部155は高解像度カメラであり得るが、これに制限されない。上述したように、第1センシングユニット150の第1移動部151は第1方向D1に移動して往復運動をすることができる。第1移動部151の移動に伴い第1センサ部155も移動してサブステージユニット180上に配置される物質の直径や位置、およびこれらの間の誤差を感知することができる。
【0055】
サブステージユニット180は第1ベースフレーム110下で第1レールRR1および第2レールRR2上に配置され得る。サブステージユニット180は第1レールRR1および第2レールRR2上で第2方向D2に移動することができ、インクジェットヘッド装置300と吐出量検査装置100の間を往復運動することができる。サブステージユニット180は所定の幅を有して第1方向D1に延びた形状を有することができる。サブステージユニット180上には第1センシングユニット150により感知または検査される物質が配置され得る。吐出量検査装置100はサブステージユニット180上に検査用基板ISUBを準備し、インクジェットヘッド装置300で噴射されたインクIを検査することができる。
【0056】
図4は一実施形態による吐出量検査装置の概略的な断面図である。
図5は一実施形態による検査用基板上に噴射されたインクを示す概略図である。
【0057】
図4および
図5を参照して具体的に説明すると、吐出量検査装置100のサブステージユニット180上には検査用基板ISUBが準備され、サブステージユニット180が第2方向D2に移動してインクジェットヘッド装置300でインクIが吐出される。吐出されたインクIは検査用基板ISUB上に噴射され、サブステージユニット180は再び第2方向D2に移動して第1ベースフレーム110下に位置する。インクジェットヘッド装置300でインクIが吐出されることに係る詳しい説明は後述する。
【0058】
検査用基板ISUB上に噴射されたインクIは第1センシングユニット150により検査され得る。第1センシングユニット150は少なくとも一つ以上配置されて検査用基板ISUB上に噴射されたインクIを検査することができる。例示的な実施形態で、一つの第1センシングユニット150は第1方向D1に移動しながらインクIのうち少なくとも一部を検査することができる。図面では4個の第1センシングユニット150がそれぞれ検査用基板ISUB上に噴射されたインクIを部分的に検査することを示しているが、これに制限されるものではない。第1センシングユニット150の数はこれに制限されず、場合によってさらに多いかまたは少なくてもよい。
【0059】
一実施形態によれば、第1センシングユニット150は検査用基板ISUB上に噴射されたインクIの直径および噴射位置を感知し、複数のインクIの直径と噴射位置の誤差を測定することができる。
図4および
図5に示すように、第1センシングユニット150は検査用基板ISUB上に噴射されたインクIの直径W
I1,W
I2または液滴量、およびインクIの間の間隔P
I1,P
I2を測定することができる。後述するように、インクジェットヘッド装置300で吐出されるインクIは数回工程を繰り返しても対象基板SUBまたは検査用基板ISUB上に同じ量のインクIを同じ位置に噴射する必要がある。吐出量検査装置100はインクジェットプリンティング装置1000を駆動する前、インクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの直径W
I1,W
I2および間隔P
I1,P
I2を基準設定値に近接するように調節することができる。
【0060】
具体的には、第1センシングユニット150で感知されたインクIの直径W
I1,W
I2と間隔P
I1,P
I2はインクジェットヘッド装置300に伝達され、前記伝達された情報に基づいてインクジェットヘッド装置300のインク吐出部材を整列することができる。
図5のように、インクジェットヘッド装置300で吐出されたインクIは直径W
I1,W
I2と間隔P
I1,P
I2が互いに一致しないこともある。第1センシングユニット150はこのような誤差を感知してインクジェットヘッド装置300に伝達し、インクジェットヘッド装置300はインク吐出部材を整列する。
【0061】
また、上述したようにインクIは双極子DPを含むことができ、吐出量検査装置100は噴射されたインクIの直径WI1,WI2を測定して1回吐出されるインクI内に分散した双極子DPの数を調節することができる。インクIの直径WI1,WI2が互いに異なる場合、インクジェットプリンティング装置1000として製造された製品の信頼度が不良であり得る。インクIの直径WI1’,WI2’を一致させて1回吐出されたインクI内双極子DPの数を維持することができる。
【0062】
図面のように、第1センシングユニット150を利用した検査とインクジェットヘッド装置300の整列工程は各インクIの直径WI1’,WI2’と間隔PI1’,PI2’または双極子DPの数などがインクIごとに均一であるかまたは基準設定値に一致または近接するように繰り返され得る。前記「基準設定値」はインクジェットプリンティング装置1000を駆動することにおいてインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIに求められる特性であり得る。例えば、インクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの量、インクI間の間隔、インクIに含まれた双極子DPの数などであり得、これに制限されない。より詳しい説明は後述する。
【0063】
一方、一実施形態で、検査用基板ISUBは有機フィルム(film)であり、サブステージユニット180は検査用基板ISUBを固定させる少なくとも一つの吸着装置を含み得る。
【0064】
図6は一実施形態によるサブステージユニットの概略的な断面図である。
【0065】
図6を参照すると、一実施形態によるサブステージユニット180は、下部基板181、下部基板181と離隔して対向する上部基板182および下部基板181と上部基板182の間に配置される複数の吸着装置183,184,185を含み得る。
【0066】
サブステージユニット180は第1方向D1に延びた下部基板181および上部基板182を含む。下部基板181はサブステージユニット180の複数の部材を支持し得る。上部基板182は下部基板181と離隔し、上部基板182上には検査用基板ISUBが準備される。例示的な実施形態で検査用基板ISUBはガラス、フィルムなどであり得、その種類は特に制限されない。好ましくは、検査用基板ISUBは有機物フィルムであり得る。
【0067】
下部基板181上には複数の吸着装置183,184,185が配置され得る。吸着装置は第1吸着装置183、第2吸着装置184および第3吸着装置185を含み得る。第1吸着装置183および第2吸着装置184は下部基板181の第1方向D1の両端部上に配置されて第2方向D2に延び得る。第3吸着装置185は下部基板181の第2方向D2の端部上に配置されて第1方向D1に延び得る。すなわち、吸着装置183,184,185は下部基板181の外郭部に配置され、第3方向D3に駆動され得る。そのため、検査用基板ISUBが上部基板182上に準備されると、吸着装置183,184,185が第3方向D3に移動して検査用基板ISUBを固定させることができる。例示的な実施形態で、吸着装置183,184,185は真空装置、クランプ装置などであり得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0068】
一方、一実施形態で、サブステージユニット180は複数のロールWR1,WR2をさらに含み得る。検査用基板ISUBは複数のロールWR1,WR2に巻かれて上部基板182上に準備されてから、インクジェットプリンティング装置1000が駆動されるときにはロールWR1,WR2が回転して除去され得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0069】
インクジェットヘッド装置300はインクジェットプリンティング装置1000の駆動時、所定のインクIを対象基板SUB上に噴射し得る。インクジェットヘッド装置300はインクジェットヘッドユニット330と第2センシングユニット350を含み、第2センシングユニット350はインクジェットヘッドユニット330に含まれたインク吐出部材の整列状態および吐出されるインクIの量などを検査することができる。
【0070】
図7は一実施形態によるインクジェットヘッド装置の平面図である。
図7はインクジェットヘッド装置300を第3方向D3、例えば上部から見た平面図である。
【0071】
図1および
図7を参照すると、一実施形態によるインクジェットヘッド装置300は、第2ベースフレーム310、インクジェットヘッドユニット330および第2センシングユニット350を含み得る。インクジェットヘッド装置300は第2センシングユニット350でインクジェットヘッドユニット330に含まれたインク吐出部材の整列度と吐出されるインクIの量などを検査し、インク吐出部材を介してインクIを対象基板SUB上に噴射し得る。
【0072】
第2ベースフレーム310は、第1方向D1に延びた第2ベース部311と第2ベース部311の両端部に連結されて第3方向D3に延びて第2ベース部311を支持する第2支持台312を含み得る。第2ベースフレーム310に係る詳しい説明は第1ベースフレーム110を参照して上述した内容と同様である。
【0073】
インクジェットヘッドユニット330は第2ベースフレーム310の第2ベース部311に配置され得る。図面に示していないが、インクジェットヘッドユニット330は別途のインク貯蔵庫と連結されてインクIを提供され、後述するインクジェットヘッド335を介してインクIを対象基板SUB上に噴射することができる。ただし、これに制限されない。
【0074】
一実施形態によれば、インクジェットヘッドユニット330はヘッドベース331、ヘッドベース331の一面に配置された複数のジグ部333およびジグ部333に配置されて複数のノズルNZを含む少なくとも一つのインクジェットヘッド335を含み得る。
【0075】
インクジェットヘッドユニット330のヘッドベース331は第2ベースフレーム310の第2ベース部311に取り付けられ、一例としてヘッドベース331は第1方向D1に延びた形状を有することができる。ヘッドベース331はステージユニット500から一定間隔離隔し得る。例示的な実施形態で、ヘッドベース331は移動部材をさらに含み、第2ベースフレーム310の第2ベース部311が延びた方向、すなわち第1方向D1に移動することもできる。
【0076】
ヘッドベース331の一面、例えば第3方向D3の下面には複数のジグ部333が配置され、ジグ部333には少なくとも一つのインクジェットヘッド335が配置される。複数のジグ部333は一方向に互いに離隔して配置され得る。複数のジグ部333は一方向に配置されて一つの列または複数の列に配列され得る。図面ではジグ部333が2列に配置されて各列のジグ部333が互いにすれるように配置された場合を示している。ただし、これに制限されず、ジグ部333はより多くの数の列に配列されることができ、互いにすれることなく重なるように配置されることもできる。ジグ部333の形状は特に制限されないが、一例としてジグ部333は四角形の形状を有することができる。
【0077】
一実施形態で、ジグ部333は一方向および他方向に移動できる複数のヘッド駆動部AM1,AM2を含んで各ジグ部333の位置およびこれらの間の間隔を調整することができる。ジグ部333に配置されるインクジェットヘッド335で噴射されるインクIの弾着位置を調整するために、ジグ部333はヘッド駆動部AM1,AM2を備えてジグ部333間の間隔を調整することができる。これに係る詳しい説明は後述する。
【0078】
インクジェットヘッド335はジグ部333に配置される。インクジェットヘッド335は少なくとも一つ、例えば2個のインクジェットヘッド335が一つのパック(pack)を形成して一つのジグ部333に配置され得る。すなわち、一つのジグ部333には2個のインクジェットヘッド335が配置され得る。ただし、一つのパックに含まれるインクジェットヘッド335の数はこれに制限されず、一例として一つのパックに含まれるインクジェットヘッド335の数は1個ないし5個であり得る。
【0079】
また、図面にはインクジェットヘッドユニット330に複数のジグ部333とインクジェットヘッド335が配置された場合を示しているが、ジグ部333とインクジェットヘッド335の数はこれに制限されない。例示的な実施形態でジグ部333およびインクジェットヘッド335の数は128個ないし1800個であり得る。
【0080】
インクジェットヘッド335は複数のノズルNZを含み、ヘッドベース331からインクIの伝達を受けて対象基板SUBに噴射し得る。インクジェットヘッド335の底面に位置するノズルNZはインクジェットヘッド335の内部管IPに連結されて内部管IPに伝達される。インクIはヘッドベース331からインクジェットヘッド335に移動して内部管IPに沿って流れてから各ノズルNZを介して吐出され得る。
【0081】
図8は一実施形態によるインクジェットヘッドでインクが吐出されることを示す概略図である。
【0082】
図8を参照すると、インクジェットヘッド335はインクIが伝達される内部管IPおよびインクIが吐出される複数のノズルNZを含み、インクIはノズルNZで吐出されて対象基板SUB上に噴射され得る。ノズルNZを介したインクIの噴射量は各ノズルNZに印加される電圧によって調節されることができる。一実施形態で、各ノズルNZで1回に吐出されるインクIの量は1ないし50pl(picolitter)であり得るが、これに制限されるものではない。図面には示していないが、インクIは複数の双極子DPを含み、双極子DPはノズルNZでインクIとともに吐出され得る。対象基板SUB上に噴射されたインクIには双極子DPが含まれ、後続工程によって溶媒SVは揮発して双極子DPは対象基板SUB上にランディングまたは印刷され得る。
【0083】
一方、インクジェットヘッド335は内部管IPと連結されずインクIが吐出されないダミーノズル(DN、
図10に図示)を含み得る。ダミーノズルDNはインクジェットヘッド335の下面で最外郭の側面に位置し得る。後述する第2センシングユニット350は各インクジェットヘッド335のダミーノズルDNの位置を測定して各インクジェットヘッド335の位置やこれらの間の間隔を計算することができる。
【0084】
一実施形態によれば、第2センシングユニット350は第2ベースフレーム310に配置され、一方向に移動できる第2移動部351、第2移動部351の一面に配置された第2支持部353および第2支持部353上に配置される第2センサ部355を含み得る。
【0085】
第2センシングユニット350の第2移動部351は第2ベース部311に取り付けられる。第1センシングユニット150とは異なり、第2センシングユニット350は第2移動部351が第2ベース部311の底面に取り付けられ得る。第2移動部351は第2ベース部311が延びた第1方向D1に移動し得る。第2センシングユニット350は第2移動部351が移動しながら第2ベース部311に取り付けられたインクジェットヘッドユニット330の下部を経て移動し得る。第2センシングユニット350はインクジェットヘッドユニット330の底面に配置されるインクジェットヘッド335の位置を測定することができる。
【0086】
第2支持部353は第2移動部351の下面で連結されるように配置され、第2方向D2に延びた形状を有することができる。第2支持部353の一端部は第2移動部351と連結され、第2方向D2の他端部は上面に第2センサ部355が配置され得る。すなわち、第2センサ部355はインクジェットヘッド335と対向するように配置され得る。第2センシングユニット350は全般的に第2ベースフレーム310から第2方向D2に突出するように配置され得る。第2センシングユニット350の第2ベースフレーム310から突出した領域に第2センサ部355が位置し、インクジェットヘッド335の位置を検査することができる。
【0087】
第2センサ部355は第2支持部353の上面に配置される。第2センサ部355は第2移動部351の移動に伴いインクジェットヘッドユニット330の下面を経て移動することができ、インクジェットヘッド335の位置や整列状態を検査することができる。さらに、第2センサ部355はインクジェットヘッド335で吐出されるインクIの量、インクジェットヘッド335上に生じるシミや乾燥されたインクIなどをモニタリングすることができる。図面では第2センサ部355の形状を概略的に図示し、一つの感知部材が配置されている。ただし、第2センサ部355はこれに制限されるものではなく、第2センサ部355はインクジェットヘッド335の整列度を検査するために多様な形状を有することができる。例えばインクジェットヘッド335が複数の列に配列されるので、第2センサ部355も複数個の感知部材を含み、前記感知部材が複数の列に配列されることもできる。
【0088】
また、一実施形態で、第2センサ部355は第2支持部353上で少なくとも第1方向D1または第2方向D2に移動し得る。インクジェットヘッド335が複数個配置されて2列以上配列される場合、第2センサ部355は第1方向D1または第2方向D2に移動して各インクジェットヘッド335の位置やこれらの間の間隔を測定することができる。ただし、これに制限されるものではない。
【0089】
図9は一実施形態によるインクジェットヘッド装置の第2センシングユニットがインクジェットヘッドの位置を検査することを示す概略図である。
図10は一実施形態によるインクジェットヘッドユニットの平面図である。
図10はインクジェットヘッドユニット330の第3方向D3、例えば下部から見た平面図である。
【0090】
図9および
図10を参照してインクジェットヘッド装置300の第2センシングユニット350の動作を説明すると、インクジェットヘッド335が対象基板SUBまたは検査用基板ISUB上にインクIを噴射する前に、第2センシングユニット350はインクジェットヘッドユニット330のインクジェットヘッド335の整列度およびインクジェットヘッド335に生じるシミなどを検査することができる。上述したように、第2センシングユニット350は第2移動部351を備えて第1方向D1に移動し得る。第2移動部351が第1方向D1に移動すると、第2支持部353と第2センサ部355はインクジェットヘッドユニット330の下面を経て移動し得る。第2支持部353上に配置されて上面を見る第2センサ部355はインクジェットヘッドユニット330の下面でインクジェットヘッド335の位置やインクジェットヘッド335間の間隔、インクジェットヘッド335にシミのような異物が形成されているかどうか、インクジェットヘッド335で吐出されるインクIの量などをモニタリングすることができる。
【0091】
特に、第2センシングユニット350を介して測定されたインクジェットヘッド335の位置、間隔、および吐出量検査装置100を介して測定されたインクIの弾着位置や大きさなどの情報によりインクジェットヘッドユニット330はインクジェットヘッド335を整列させることができる。
【0092】
具体的には
図10に示すように、インクジェットヘッド335が配置されたジグ部333は複数のヘッド駆動部、例えば第1ヘッド駆動部AM1と第2ヘッド駆動部AM2を含み、第1および第2ヘッド駆動部AM1,AM2の動作によってジグ部333およびインクジェットヘッド335の位置や間隔を調整することができる。
【0093】
インクジェットヘッド335は両側部に位置するダミーノズルDNを含み、第2センシングユニット350はダミーノズルDNの位置を感知してインクジェットヘッド335の整列状態を測定することができる。第2センシングユニット350がダミーノズルDNの位置を感知すると、各インクジェットヘッド335のダミーノズルDNが配置された位置を介してインクジェットヘッド335間の間隔HP1,HP2を測定することができる。第2センシングユニット350が測定したインクジェットヘッド335間の間隔HP1,HP2と、吐出量検査装置100の第1センシングユニット150が測定したインクIの直径WI1,WI2および間隔PI1,PI2を介してヘッド駆動部AM1,AM2を作動してジグ部333とインクジェットヘッド335を整列させる。
【0094】
第1ヘッド駆動部AM1はジグ部333の第1方向D1に位置して第1方向D1、またはX軸方向の位置を整列するための駆動部であり、第2ヘッド駆動部AM2はジグ部333の第2方向D2に位置して第2方向D2、またはY軸方向の位置を整列するための駆動部であり得る。インクジェットヘッドユニット330は第1センシングユニット150および第2センシングユニット350により測定された情報の提供を受けると、第1ヘッド駆動部AM1と第2ヘッド駆動部AM2を作動してジグ部333およびインクジェットヘッド335を整列させることができる。一例として、第2センシングユニット350が図面上左下側に位置する一つのジグ部333に配置されたインクジェットヘッド335のダミーノズルDNを原点に設定し、第1ヘッド駆動部AM1と第2ヘッド駆動部AM2が他のインクジェットヘッド335のダミーノズルDNを基準としてこれらの位置および間隔を調整することができる。これにより、インクジェットヘッド装置300はインクジェットプリンティング装置1000を利用して対象基板SUB上に双極子DPを含むインクIを噴射する前に、インクジェットヘッド335およびインクIが噴射される位置を整列する段階を行うことができる。
【0095】
一方、第2センシングユニット350はインクジェットヘッド335の状態や噴射されるインクIの量などをモニタリングすることができる。図面には示していないが、インクジェットヘッド装置300はインクジェットヘッド335のノズルNZを洗浄するためのクリーニングユニットをさらに含むこともできる。前記クリーニングユニットは第2センシングユニット350が感知する情報に基づいてインクジェットプリンティング装置1000の工程中にインクジェットヘッド335を洗浄する工程を行うこともできる。すなわち、第2センシングユニット350がインクジェットヘッド335に生じるシミやノズルNZが詰まる現象を感知すると、クリーニングユニットはインクジェットヘッド335のノズルNZを洗浄する工程を行うことができる。ただし、これに制限されるものではない。
【0096】
ステージユニット500はインクジェットプリンティング装置1000内で第2方向D2に移動し得る。ステージユニット500は上部に対象基板SUBが準備され、対象基板SUB上にインクIが噴射されるとインクIに電界を形成することができる。対象基板SUB上に形成された電界によってインクI内の双極子DPは一方向に配向されることができる。
【0097】
図11は一実施形態によるステージユニットの平面図である。
【0098】
再び、
図1および
図11を参照すると、ステージユニット500はステージ510、サブステージ520、プローブ支持台530、プローブユニット550およびアライナ580を含み得る。
【0099】
ステージ510はステージユニット500に配置される部材を支持し得る。ステージ510は第1レールRR1および第2レールRR2上に配置されてインクジェットプリンティング装置1000内で第2方向D2に移動して往復運動をすることができる。図面に示していないが、ステージ510の下面には所定の移動部材が配置され、前記移動部材が第1および第2レールRR1,RR2と締結されてステージ510を一方向に移動させることができる。インクジェットプリンティング装置1000の工程中にステージ510の移動に応じて各装置が駆動し、インクジェットプリンティング装置1000の工程順序に従いステージ510は移動し得る。ステージ510の形状は特に制限されないが、一例として、ステージ510は図面に示すように両辺が第1方向D1および第2方向D2に延びた四角形の形状を有することができる。
【0100】
サブステージ520はステージ510上に配置され得る。サブステージ520は対象基板SUBが配置される空間を提供することができる。また、サブステージ520上にはプローブ支持台530、プローブユニット550およびアライナ580が配置され得る。サブステージ520の形状は実質的にステージ510と同一であるが、その面積はより小さくてもよい。ただし、サブステージ520の全般的な平面形状は対象基板SUBの平面上形状によって変わる。例えば対象基板SUBが平面上長方形の場合、図面に示すようにサブステージ520の形状は長方形であり得、対象基板SUBが円形の平面を有する場合、サブステージ520も平面上形状が円形であり得る。
【0101】
アライナ580はサブステージ520上に少なくとも一つ配置され得る。アライナ580はサブステージ520の各辺上に配置され、複数のアライナ580がなす領域は対象基板SUBが配置される領域であり得る。図面ではサブステージ520の各辺上に2個のアライナ580が離隔して配置され、サブステージ520上には合計8個のアライナ580が配置された場合が示されている。ただし、これに制限されず、アライナ580の数と配置などは対象基板SUBの形状または種類によって変わる。
【0102】
プローブ支持台530およびプローブユニット550はサブステージ520上に配置される。プローブ支持台530はサブステージ520上でプローブユニット550が配置される空間を提供することができる。具体的にはプローブ支持台530はサブステージ520上の少なくとも一側に配置され、一側部が延びた方向に沿って延び得る。一例として、図面に示すようにプローブ支持台530はサブステージ520上の左右側側部で第2方向D2に延びて配置され得る。ただし、これに制限されず、プローブ支持台530はより多くの数が含まれてもよく、場合によってはサブステージ520の上下側にも配置されてもよい。すなわち、プローブ支持台530はステージユニット500に含まれるプローブユニット550の数、または配置や構造などによってその構造が変わる。
【0103】
プローブユニット550はプローブ支持台530上に配置されてサブステージ520に準備される対象基板SUB上に電界を形成することができる。プローブユニット550はプローブ支持台530のように一方向、例えば第2方向D2に延びて前記延びた長さは対象基板SUB全体をカバーすることができる。すなわち、プローブ支持台530とプローブユニット550の大きさおよび形状は対象基板SUBによって変わる。
【0104】
一実施形態で、プローブユニット550はプローブ支持台530上に配置されるプローブ駆動部553、プローブ駆動部553と連結されて対象基板SUBと接触できるプローブパッド558およびプローブパッド558に連結されて電気信号を伝達する複数のプローブジグ551,552を含み得る。
【0105】
プローブ駆動部553はプローブ支持台530上に配置されてプローブパッド558を移動させることができる。例示的な実施形態で、プローブ駆動部553はプローブパッド558を水平方向および垂直方向、例えば水平方向である第1方向D1および垂直方向である第3方向D3に移動させることができる。プローブ駆動部553の駆動によってプローブパッド558は対象基板SUBと連結または分離することができる。インクジェットプリンティング装置1000の工程中に、対象基板SUBに電界を形成する段階ではプローブ駆動部553が駆動してプローブパッド558を対象基板SUBに連結させ、それ以外の段階ではプローブ駆動部553が再び駆動してプローブパッド558を対象基板SUBと分離させることができる。これに係る詳しい説明は他の図面を参照して後述する。
【0106】
プローブパッド558はプローブジグ551,552から伝達される電気信号により対象基板SUB上に電界を形成することができる。プローブパッド558は対象基板SUBに連結されて前記電気信号を伝達して対象基板SUB上に電界を形成することができる。一例として、プローブパッド558は対象基板SUBの電極または電源パッドなどに接触し、プローブジグ551,552の電気信号は前記電極または電源パッドに伝達されることができる。対象基板SUBに伝達された前記電気信号は対象基板SUB上に電界を形成することができる。
【0107】
ただし、これに制限されるものではなく、プローブパッド558はプローブジグ551,552から伝達された電気信号により電界を形成する部材であり得る。すなわち、プローブパッド558で前記電気信号の伝達を受けて電界を形成する場合、プローブパッド558は対象基板SUBと連結されなくてもよい。
【0108】
プローブパッド558の形状は特に制限されないが、例示的な実施形態で、プローブパッド558は対象基板SUB全体をカバーするように一方向に延びた形状を有することができる。
【0109】
プローブジグ551,552はプローブパッド558に連結され、別途の電圧印加装置と連結され得る。プローブジグ551,552は前記電圧印加装置で伝達される電気信号をプローブパッド558に伝達して対象基板SUB上に電界を形成することができる。プローブジグ551,552に伝達される電気信号は電界を形成するための電圧、一例として交流電圧であり得る。
【0110】
プローブユニット550は複数個のプローブジグ551,552を含み得、その数は特に制限されない。図面では2個のプローブジグ551,552が配置された場合を示しているが、プローブユニット550はより多くの数のプローブジグ551,552を含んで対象基板SUB上により高い密度を有する電界を形成することもできる。
【0111】
一実施形態によるプローブユニット550はこれに制限されない。図面ではプローブユニット550がプローブ支持台530、すなわちステージユニット500に配置された場合を示しているが、場合によってプローブユニット550は別途の装置として配置されることもできる。ステージユニット500は電界を形成できる装置を含んで対象基板SUB上に電界を形成できれば、その構造や配置は制限されない。
【0112】
図12および
図13は一実施形態によるプローブユニットの状態を示す概略図である。
【0113】
上述したように、プローブユニット550のプローブ駆動部553はインクジェットプリンティング装置1000の工程段階に応じて動作する。
図12および
図13を参照すると、ステージユニット500に対象基板SUBが準備されていない第1状態ではプローブユニット550はプローブ支持台530上に配置されてサブステージ520と離隔し得る。プローブユニット550のプローブ駆動部553は水平方向である第1方向D1と垂直方向である第3方向D3に駆動してプローブパッド558をサブステージ520と離隔させることができる。
【0114】
次に、ステージユニット500上に対象基板SUBが準備され、対象基板SUB上に電界を形成する第2状態ではプローブユニット550のプローブ駆動部553が駆動してプローブパッド558を対象基板SUBと連結させることができる。プローブ駆動部553が垂直方向である第3方向D3と水平方向である第1方向D1に駆動してプローブパッド558は対象基板SUBと接触し得る。プローブユニット550のプローブジグ551,552はプローブパッド558に電気信号を伝達し、対象基板SUB上には電界が形成され得る。
【0115】
一方、図面ではステージユニット500の両側にプローブユニット550がそれぞれ一つずつ配置され、二つのプローブユニット550が同時に対象基板SUBに連結される場合を示している。ただし、これに制限されるものではなく、複数のプローブユニット550はそれぞれ別に駆動されることもできる。例えば、サブステージ520上に対象基板SUBが準備され、インクIが噴射されると、任意の第1プローブユニット550が先に対象基板SUB上に電界を形成し、第2プローブユニット550は対象基板SUBに連結されなくてもよい。その後、第1プローブユニット550が対象基板SUBから分離されて第2プローブユニット550が対象基板SUBと連結されて電界を形成することもできる。すなわち、複数のプローブユニット550は同時に駆動して電界を形成したり、それぞれ順次駆動して順次に電界を形成したりすることもできる。
【0116】
図14は一実施形態によるプローブユニットによって対象基板上に電界が形成されたことを示す概略図である。
【0117】
上述したように、対象基板SUB上には電界が形成され得るが、対象基板SUB上に噴射されたインクIは双極子DPを含み得る。双極子DPは対象基板SUB上に形成された電界によって一方向に配向し得る。
【0118】
双極子DPは一端部が第1極性を帯びて、他端部が第1極性と異なる第2極性を帯びる物体であり得る。例えば、双極子DPの一端部は陽の極性を帯びて、双極子DPの他端部は陰の極性を帯び得る。両端部に他の極性を有する双極子DPは所定の電界に置かれた時電気的な力(引力と斥力)を受けて配向方向が制御され得る。
【0119】
図14を参照すると、インクIは双極子DPを含んでインクジェットヘッド335のノズルNZから吐出され得る。ノズルNZで吐出されたインクIは対象基板SUBに向かって噴射され、インクIは対象基板SUB上に供給され得る。この時、対象基板SUB上に電界IELが形成されると、第1極性および第2極性を有する双極子DPはノズルNZから対象基板SUB上にインクIが供給されるときまで電気的力を受け得る。前記電気的力によって双極子DPは配向され、一例として双極子DPの配向方向は電界IEL方向に向かうことができる。
【0120】
図面ではインクIがノズルNZから噴射されるときプローブユニット550で電界IELを形成する場合を示している。そのため双極子DPはノズルNZで吐出されて対象基板SUBに到達するときまで電界IELにより力を受けることができる。ただし、これに制限されず、場合によってプローブユニット550はインクIが対象基板SUBに噴射された後に電界IELを形成されることもできる。この場合、双極子DPはランダムな配列方向を有して対象基板SUBに噴射され、その後に噴射されたインクI内で電界IELにより一方向に配列されることもできる。
【0121】
図面ではプローブユニット550が対象基板SUB上にインクIが噴射されるとこれと同時に対象基板SUB上に電界IELを形成する場合を示している。ただし、これに制限されず、プローブユニット550は後述する段階でステージユニット500が熱処理装置900に移動した後に電界IELを形成することもできる。すなわち、プローブユニット550はインクIが噴射される時点またはインクIの溶媒SVが除去される時点において電界IELを形成することができる。
【0122】
また、図面には示していないが、サブステージ520上には電界生成部材がさらに配置され得る。電界生成部材は後述するプローブユニット550のように上部(すなわち、第3方向D3)、または対象基板SUB上に電界を形成することができる。例示的な実施形態で、電界生成部材はアンテナユニットや、複数の電極を含む電界形成装置などが適用されることができる。
【0123】
一方、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、対象基板SUB上にインクIが噴射されて双極子DPが整列された後にはインクIの溶媒S
Vを揮発させて対象基板SUB上に双極子DPが整列された状態を検査する工程が行われる。すなわち、ステージユニット500は
図2に示す熱処理装置900を先に通過した後、再び整列度検査装置700に移動され得る。以下では熱処理装置900と整列度検査装置700について詳細に説明する。
【0124】
図15は一実施形態による熱処理装置の断面図である。
図15は熱処理装置900の第2方向D2、例えば正面から見た図である。
【0125】
図2および
図15を参照すると、一実施形態による熱処理装置900は第5ベースフレーム910および熱処理ユニット950を含み得る。熱処理ユニット950は第5ベースフレーム910の第5ベース部911に取り付けられたベース部材930の下面に配置され得る。熱処理装置900は熱処理ユニット950で熱または赤外線(Infrared)を照射して対象基板SUB上に噴射されたインクIの溶媒SVを除去することができる。熱処理装置900を通過した対象基板SUB上には双極子DPが配置され得る。
【0126】
ベース部材930は第5ベースフレーム910の第5ベース部911に配置される。ベース部材930は第1方向D1に延びた形状を有し、熱処理ユニット950が配置される空間を提供することができる。ベース部材930は対象基板SUBの一辺、例えば第1方向D1に延びた一辺をカバーすることができる。すなわち、ベース部材930の第1方向D1に延びた長さは少なくとも対象基板SUBの第1方向D1に延びた一辺より長い。そのためベース部材930の下面に配置される熱処理ユニット950も第1方向D1に延びた形状を有して対象基板SUBの一辺全体をカバーすることができる。
【0127】
熱処理ユニット950はベース部材930の下面に配置され、対象基板SUBと所定距離離隔し得る。熱処理ユニット950は照射される熱または赤外線によって対象基板SUB上に配置された他の部材が損傷しない程度に離隔し得る。熱処理ユニット950と対象基板SUBが離隔した間隔は熱処理ユニット950またはベース部材930の第3方向D3に測定された長さによって変わる。熱処理ユニット950の種類は特に制限されないが、一例として熱処理ユニット950はIR照射装置であり得る。また、一例として熱処理ユニット950の下面には遮蔽装置がさらに配置されてもよい。前記遮蔽装置は対象基板SUBが損傷しないように熱処理ユニット950から照射される熱または赤外線を部分的に遮断することもできる。
【0128】
熱処理ユニット950はベース部材930のように第1方向D1に延び得る。熱処理ユニット950の第1方向D1に延びた長さは少なくとも対象基板SUBの第1方向D1に延びた長さより大きくてもよい。ステージユニット500が移動しながら熱処理装置900の下面で第2方向D2に移動すると、熱処理ユニット950は対象基板SUBの第1方向D1に延びた領域をカバーしながら熱または赤外線を照射し得る。
【0129】
一実施形態によれば、熱処理装置900は熱処理ユニット950と重なる領域に熱または赤外線を照射し、熱処理ユニット950と重なる領域に位置するインクIは溶媒SVが除去され得る。すなわち、ステージユニット500が一方向、例えば第2方向D2に移動するに伴い対象基板SUB上の溶媒SVは前記一方向に沿って順次除去され得る。
【0130】
図16は一実施形態による熱処理装置の駆動を示す概略図である。
【0131】
図16を参照すると、熱処理装置900は熱処理装置900の下面で熱処理ユニット950と重なる領域に熱(H)を照射し得る。図面に示すように、対象基板SUB上で熱処理ユニット950と重なる領域にのみ熱(H)が照射される。対象基板SUB上に噴射されたインクI中、第1方向D1に噴射されたインクIは熱処理ユニット950が第1方向D1に延びることにより熱(H)が同時に照射され得る。反面、第2方向D2に噴射されたインクIはステージユニット500が熱処理ユニット950を通過することにより熱(H)が順次照射され得る。ステージユニット500が第2方向D2に移動して熱処理装置900を通過する場合、ステージユニット500が移動するに伴い対象基板SUB上に噴射されたインクIの溶媒SVは順次除去され得る。図面のように、熱処理ユニット950と重なる領域には対象基板SUB上の溶媒SVに熱(H)が照射され、熱処理ユニット950を通過した領域には溶媒SVが除去(点線領域)されて双極子DPのみが存在し得る。
【0132】
一方、図面には示していないが、ステージユニット500には対象基板SUBの上部の温度を感知して前記温度を調節する制御装置をさらに含み得る。熱処理ユニット950で照射される熱または赤外線によって対象基板SUBの温度が一定水準以上に上昇すると前記制御装置によって対象基板SUBが冷却され得る。
【0133】
ステージユニット500が熱処理ユニット950を通過して溶媒SVは除去されて対象基板SUB上に双極子DPが残ると、ステージユニット500は整列度検査装置700に移動する。整列度検査装置700は対象基板SUB上に存在する双極子DPの位置を測定して双極子DPの配向方向、単位面積当たり数などを検査することができる。
【0134】
図17は一実施形態による整列度検査装置の平面図である。
図17は整列度検査装置700の第3方向D3、例えば上部から見た平面図であり、ステージユニット500も示されている。
【0135】
図2および
図17を参照すると、整列度検査装置700は第3ベースフレーム710および第4ベースフレーム720、第3および第4ベースフレーム710,720の間を連結する第3レールRR3および第4レールRR4、および第3センシングユニット750を含み得る。
【0136】
第3ベースフレーム710と第4ベースフレーム720はそれぞれ第3ベース部711および第4ベース部721と、これらを支持する第3支持台712および第4支持台722を含み得る。第3ベースフレーム710と第4ベースフレーム720は第2方向D2に離隔し、これらの間には第3レールRR3および第4レールRR4が配置され得る。第3レールRR3および第4レールRR4は第3ベース部711と第4ベース部721の間に配置されてこれらを連結することができる。第3レールRR3および第4レールRR4は両端部が第3ベース部711および第4ベース部721、または第3支持台712および第4支持台722と連結されて互いに第1方向D1に離隔し得る。第1レールRR1および第2レールRR2のように、第3および第4レールRR3,RR4は第2方向D2に延び、これらの上に取り付けられる第3センシングユニット750は第2方向D2に移動し得る。第3レールRR3および第4レールRR4が延びた長さ、すなわち第3ベースフレーム710と第4ベースフレーム720が離隔した距離は特に制限されない。一例として、第3レールRR3および第4レールRR4が離隔してこれらそれぞれが延びて形成される領域の面積はステージユニット500の全体をカバーすることができる。ただし、これに制限されるものではない。
【0137】
第3センシングユニット750は第3支持部730上に取り付けられ得る。第3レールRR3および第4レールRR4上には第3移動部760および第4移動部770が取り付けられ、第3および第4移動部760,770は第3支持部730の両端部に連結され得る。第3支持部730は第3レールRR3および第4レールRR4が離隔した第1方向D1に延びた形状を有することができる。
【0138】
第3および第4移動部760,770は第3および第4レールRR3,RR4上に取り付けられて第2方向D2に移動し得る。第3および第4移動部760,770が移動すると第3支持部730と第3支持部730上に取り付けられた第3センシングユニット750も移動し得る。すなわち、一実施形態によれば、第3センシングユニット750は第2方向D2に移動することができ、第2方向D2に沿ってステージユニット500上に配置された双極子DPの位置、または整列度を検査することができる。
【0139】
第3センシングユニット750は第3支持部730上に取り付けられた第5移動部751、第5移動部751の下面に配置された第5支持部753および第5支持部753に配置された第3センサ部755を含み得る。
【0140】
第3センシングユニット750の第5移動部751は第3支持部730上に取り付けられ、第3支持部730が延びた第1方向D1に移動し得る。第5移動部751の下面には第5支持部753が配置され、第5支持部753の底面には少なくとも一つの第3センサ部755が配置され得る。図面では一つの第5支持部753の下面に4個の第3センサ部755が互いに離隔して配置された場合を示している。ただし、これに制限されず、第3センサ部755の数はさらに多くてもよく、場合によっては複数の第5支持部753が配置されて一つの第5支持部753に一つの第3センサ部755のみが配置されてもよい。
【0141】
第3センサ部755は第5支持部753の下面に配置され、ステージユニット500の対象基板SUBと対向し得る。例示的な実施形態で、第3センサ部755は対象基板SUB上に配置された双極子DPの位置を測定することができる。対象基板SUB上にインクIを噴射して溶媒SVを除去すると、対象基板SUB上には双極子DPのみが配置され得る。整列度検査装置700は第3センシングユニット750を備え、対象基板SUB上に配置された双極子DPの位置を測定し、双極子DPの配向方向、整列度、または単位面積当たり数などを測定することができる。
【0142】
具体的には、第3センシングユニット750は第5移動部751が第3支持部730上で第1方向D1に移動するに伴い、ステージユニット500上で第1方向D1に沿った双極子DPの位置を測定することができる。また、第3および第4移動部760,770が第2方向D2に移動するに伴い、ステージユニット500上で第2方向D2に沿った双極子DPの位置も測定することができる。
【0143】
図18および
図19は一実施形態による整列度検査装置の第3センシングユニットの駆動を示す概略図である。
図18は第3センシングユニット750が第1方向D1に移動して双極子DPを検査することを、
図19は第2方向D2に移動して検査することを示している。
【0144】
図18および
図19を参照すると、先に、第3支持部730上に取り付けられた第5移動部751は第1方向D1に往復運動し得る。第3センシングユニット750の第3センサ部755は第1方向D1に沿って対象基板SUB上に配置された双極子DPの位置を測定することができる。特に、インクジェットヘッド装置300のインクジェットヘッド335は互いに異なる複数のインクジェットヘッド335が第1方向D1に離隔して配置されるので、第3センシングユニット750は第1方向D1に沿って互いに異なるインクジェットヘッド335で噴射された双極子DPの位置を測定することができる。
【0145】
また、第3レールRR3および第4レールRR4上に取り付けられた第3および第4移動部760,770は第2方向D2に往復運動し得る。第3センシングユニット750の第3センサ部は第2方向D2に沿って対象基板SUB上に配置された双極子DPの位置を測定することができる。インクジェットヘッド装置300でインクIが噴射されるとき、ステージユニット500が第2方向D2に移動するに伴いインクIは対象基板SUB上に第2方向D2に順次噴射される。一つのインクジェットヘッド335で噴射されるインクIは工程時間によって双極子DPの分散度が変わる。すなわち、同じインクジェットヘッド335で対象基板SUBにインクIを噴射しても、対象基板SUB上で第2方向D2に沿って噴射されたインクIに偏差が生じ得る。
図18とは異なり、
図19では第3センシングユニット750が対象基板SUB上で第2方向D2に沿って双極子DPの位置を測定することによって、同じインクジェットヘッド335で噴射された双極子DPの対象基板SUBの位置による偏差を測定することができる。
【0146】
上述したように、第3センシングユニット750は双極子DPの位置を測定できるが、一実施形態によれば、第3センシングユニット750は対象基板SUB上に配置された双極子DPの配向方向を測定し、前記配向方向と一方向、例えば第1方向D1または第2方向D2となす鋭角を測定することができる。双極子DPは一方向に延びた形状を有することができ、そのため対象基板SUB上に配置されるとき前記延びた方向によって双極子DPの配向方向が決定され得る。上述したように、双極子DPを含むインクIが対象基板SUB上に噴射され、ステージユニット500のプローブユニット550で電界が形成されると双極子DPは前記電界によって一方向に配向され得る。整列度検査装置700は対象基板SUB上に配置された双極子DPの配向方向を測定したり互いに異なる双極子DP間に前記配向方向の差を計算したりすることができる。例示的な実施形態で、対象基板SUBは第1方向D1に延びて形成された電極を含むことができ、第3センシングユニット750は前記電極上に配置された双極子DPの配向方向と前記電極が延びた第1方向D1がなす鋭角を測定することができる。整列度検査装置700は対象基板SUB上に配置された双極子DPから測定された前記鋭角を基準設定値と比較して双極子DPの整列度を検査することができる。
【0147】
また、一実施形態によれば、第3センシングユニット750は対象基板SUBの単位面積あたり配置された双極子DPの数を測定することができる。インクジェットヘッド335で噴射された双極子DPは噴射された位置、対象基板SUB上で有する配向方向だけでなく、単位面積当たり数も均一である必要がある。インクジェットヘッド335で噴射されるインクIは溶媒SVと溶媒SVに分散した双極子DPを含み得るが、インクI内で双極子DPは工程時間によって分散度が変わる。一実施形態によれば、整列度検査装置700は対象基板SUB上の単位面積当たりの双極子DPの数を測定し、対象基板SUB上に配置される双極子DPの数を均一に維持することができる。これに係るより詳しい説明は後述する。
【0148】
一方、他の実施形態で、ステージユニット500上により多くの数の対象基板SUBが準備される場合、整列度検査装置700が移動し得る。
【0149】
図20は他の実施形態による整列度検査装置を示す平面図である。
図20は整列度検査装置700’を上面から見た平面図である。
【0150】
図20を参照すると、他の実施形態による整列度検査装置700’はより多くの数の移動部760’,770’と支持部730’を含み得る。
図1および
図2に比べてステージユニット500’がより大きい面積を有し、より多くの数の対象基板SUB上に双極子DPが配置される場合、整列度検査装置700’はより広い面積をカバーするように移動して双極子DPの位置を測定することができる。
【0151】
一実施形態で、ステージユニット500’上に複数の対象基板SUBが準備される場合、整列度検査装置700’はより多くの数の移動部と支持部を含んでより大きい面積を有するステージユニット500’をカバーすることができる。
【0152】
具体的には、
図20の整列度検査装置700’は第2方向D2に延びた第3ベースフレーム710’および第4ベースフレーム720’を含み、第3ベースフレーム710’上に配置された第3-1移動部761’および第4ベースフレーム720’上に配置された第4-1移動部771’を含み得る。
【0153】
第3-1移動部761’と第4-1移動部771’はそれぞれ第3ベースフレーム710’および第4ベースフレーム720’上に取り付けられ、第2方向D2に移動し得る。第3-1移動部761’と第4-1移動部771’は互いに第1方向D1に離隔し、これらの間には後述する第3センシングユニット750’が位置し得る。図面に示すように、第3-1移動部761’と第4-1移動部771’が移動するに伴い第3センシングユニット750’も第2方向D2に移動し、整列度検査装置700’はステージユニット500’の第2方向D2をカバーすることができる。
【0154】
第3-1移動部761’と第4-1移動部771’の間には第3-1支持部731’および第3-2支持部732’が連結され得る。第3-1支持部731’と第3-2支持部732’は第1方向D1に延びて第2方向D2に離隔して配置される。これらの間には第3センシングユニット750’が位置して第3センシングユニット750’が第1方向D1および第2方向D2に移動し得る。第3-1支持部731’および第3-2支持部732’には他の移動部または支持部が取り付けられ、これらが第1方向D1に移動する経路を提供することができる。
【0155】
第3-3支持部733’と第3-4支持部734’はそれぞれ第3-1支持部731’と第3-2支持部732’に取り付けられる。第3-3支持部733’と第3-4支持部734’は第1方向D1に延び、それぞれ第3-1支持部731’と第3-2支持部732’上で移動し得る。また、第3-3支持部733’と第3-4支持部734’の間には第3レールRR3と第4レールRR4が連結され、第3センシングユニット750’は第3レールRR3および第4レールRR4の間に第2方向D2に移動し得る。
図17の整列度検査装置700とは異なり、
図20の整列度検査装置700’は第3レールRR3と第4レールRR4が連結された部材、例えば第3-3支持部733’と第3-4支持部734’が第1方向D1に移動し得る。また、第3-3支持部733’と第3-4支持部734’はこれらが連結された第3-1支持部731’および第3-2支持部732’の移動によって第2方向D2にも移動し得る。
【0156】
第3-2移動部762’および第4-2移動部772’はそれぞれ第3レールRR3と第4レールRR4に取り付けられ、これらの間には第3-5支持部735’が連結される。第3センシングユニット750’は第3-5支持部735’に配置され、第1方向D1に移動し得る。すなわち、
図20の第3-2移動部762’、第4-2移動部772’および第3-5支持部735’は
図17の第3移動部760、第4移動部770および第3支持部730に対応し得る。
【0157】
図20の整列度検査装置700’は
図17の整列度検査装置700に比べてより多くの数の移動部と支持部を含み、第3センシングユニット750が取り付けられた第3レールRR3および第4レールRR4が第1方向D1と第2方向D2に移動し得る。図面に示すように、一つの対象基板SUB上で第3-2移動部762’、第4-2移動部772’および第3センシングユニット750’が移動して双極子DPの位置を測定する。以後には第3-3支持部733’と第3-4支持部734’が第1方向D1に移動して他の対象基板SUB上に第3センシングユニット750’が位置し、再び3-2移動部762’、第4-2移動部772’および第3センシングユニット750’が移動して双極子DPの位置を測定する。そのためステージユニット500’上で第1方向D1に配列された第1列の対象基板SUBを検査する。
【0158】
次に、第3-1移動部761’と第4-1移動部771’が第2方向D2に移動し、第2列の対象基板SUB上に第3センシングユニット750’が位置する。以後には上述した方法と同様に、第3センシングユニット750’が移動して第1方向D1に配列された対象基板SUBを検査することができる。第3センシングユニット750’の移動や双極子DPの位置を測定する方法などは上述した内容と同様であるため詳しい説明は省略する。
【0159】
一方、上述したように、インクジェットヘッド装置300は別途のインク供給装置400をさらに含み得る。
【0160】
図21は一実施形態によるインク供給装置を示す概略図である。
【0161】
インク供給装置400は製造されたインクIをインクジェットヘッド装置300に供給する役割を遂行し得る。インクI内の双極子DPが分散した状態に製造されると、製造されたインクIを貯蔵または運送してインクジェットプリンティング装置1000のインクジェットヘッド装置300に供給することができる。図面に示すように、インク供給装置400はインクジェットヘッド装置300と連結され得る。
【0162】
図21を参照すると、インク供給装置400はインクタンク410、インク攪拌機420、インク貯蔵庫430および循環ポンプ450を含み得る。
【0163】
インクタンク410は製造されたインクIを保存し、これをインク攪拌機420に供給する役割をすることができる。インクタンク410の形状は特に制限されず、例示的な実施形態で、インクタンク410はインクカートリッジ、インク容器(vessel)などであり得る。図面には示していないが、インクタンク410はインク攪拌機420にインクIを供給する圧力を伝達できる空圧形成装置をさらに含み得る。
【0164】
インク攪拌機420はインクタンク410から供給されたインクIを攪拌させ、双極子DPを再び分散させてインク貯蔵庫430に伝達する役割をすることができる。双極子DPは比較的比重が大きい物質を含んで製造されたインクI内で時間が経過すると共に沈殿または沈降し得る。インク攪拌機420はインクIをインク貯蔵庫430に供給する前、インクI内に沈殿した双極子DPを再び分散するようにこれを攪拌させ得る。
【0165】
例示的な実施形態で、インク攪拌機420は撹拌装置425を含んでインクI内の双極子DPを分散させることができる。撹拌装置425の種類は特に制限されない。一例として、攪拌装置425は磁力攪拌機(magnetic stirrer)、プロペラ攪拌機(propeller stirrer)などであり得る。図面では磁力攪拌機として図示されており、攪拌装置425はインクタンク410から供給されたインクI内の双極子DPを再び分散させることができる。
【0166】
インク貯蔵庫430はインク攪拌機420から供給されたインクIをインクジェットヘッド装置300に供給することができる。インク貯蔵庫430は実質的にインクタンク410と同じ機能を行うが、製造されたインクIを攪拌させるインク攪拌機420を介してインクIの供給を受け得る。そのため、インク貯蔵庫430は比較的高い分散度を有する双極子DPを含むインクIをインクジェットヘッド装置300に供給することができる。インクジェットヘッド装置300はインクタンク410から直接インクIの供給を受けず、インク貯蔵庫430を介して供給されることによってインクジェットヘッド335で1回吐出されるインクI内に含まれた双極子DPの数または分散度を制御することができる。すなわち、インクジェットプリンティング装置1000の工程により均一なインクIの品質を維持することができる。
【0167】
循環ポンプ450は一端がインクジェットヘッド装置300と連結され、他端がインク攪拌機420と連結されてインクジェットプリンティング装置1000でインクIを循環させることができる。インクジェットプリンティング装置1000の工程中、整列度検査装置700で測定された対象基板SUB上に噴射された双極子DPの数が基準設定値より小さい場合、循環ポンプ450を駆動してインクジェットヘッド装置300のインクIをインク攪拌機420に伝達し得る。すなわち、循環ポンプ450は整列度検査装置700で測定された双極子DPの整列度および数に対する情報の提供を受けてインクジェットヘッド装置300に供給されるインクIの品質を維持するために、インクIをインク攪拌機420、インク貯蔵庫430およびインクジェットヘッド装置300内で循環させることができる。これにより、整列度検査装置700から提供された情報をフィードバックしてインクジェットヘッド装置300にインクIを供給することができる。
【0168】
一方、インクジェットプリンティング装置1000は各装置で測定された情報、または感知された変化量などをフィードバックして、数回の工程を繰り返しても同一の量または品質のインクIを対象基板SUB上に噴射することができる。これにより、一実施形態によりインクジェットプリンティング装置1000を利用して表示装置を製造するとき、上述した複数のセンシングユニットを介して収集した情報を処理する過程を行うことによってインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの品質を維持することができる。そのため、インクジェットプリンティング装置1000は対象基板SUB上に配置される双極子DPの整列度を向上させるとともに単位面積当たりの双極子DPの数を一定に調節することができる。以下では一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000を利用した双極子DPの整列方法について詳しく説明する。
【0169】
図22は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を利用した双極子整列方法を示すフローチャートである。
図23ないし29は
図22の双極子整列方法を示す概略図である。
【0170】
図1、
図2および
図22ないし
図29を参照すると、一実施形態による双極子DP整列方法は対象基板SUB上に双極子DPが分散した溶媒SVを含むインクIを噴射する段階(S100)、対象基板SUB上に電界を生成して前記電界によって双極子DPが対象基板SUB上に配置される段階(S200)および溶媒SVを除去して対象基板SUB上に配置された双極子DPの位置を測定する段階(S300)を含み得る。
【0171】
一実施形態による双極子DP整列方法は、
図1および
図2を参照して上述したインクジェットプリンティング装置1000を利用することができ、対象基板SUB上に双極子DPを配置し、双極子DPの位置を測定して双極子DPを噴射するインクジェットヘッド335の位置やインクI内に分散した双極子DPの数などを調節することができる。
【0172】
対象基板SUB上にインクIを噴射する前に、インクジェットプリンティング装置1000をセットする段階を行い得る。インクジェットプリンティング装置1000をセットする段階はインクジェットプリンティング装置1000を対象工程に合わせてチューニングする段階である。精密なチューニングのために、上述した検査用基板ISUB上にインクジェットプリンティングテスト工程を行い、その結果によってインクジェットプリンティング装置1000の基準設定値を調節することができる。
【0173】
ここで、「基準設定値」は、検査用基板ISUB上に行うテスト工程によって決定され、後述する段階で第2センシングユニット350および第3センシングユニット750で測定された誤差や偏差などの基準になる。第2センシングユニット350と第3センシングユニット750はインクジェットプリンティング装置1000の工程中に測定される情報を基準設定値と比較して偏差を計算し、これをフィードバックしてその偏差を最小化することができる。基準設定値として測定される例示はインクジェットヘッド335で吐出されるインクIの量、噴射されたインクIの弾着位置、対象基板SUB上に噴射された双極子DPの整列度および単位面積当たりの数などであり得るが、これに制限されない。
【0174】
インクジェットプリンティング装置1000をセットする段階について具体的に説明すると、検査用基板ISUBを準備する。検査用基板ISUBは対象基板SUBと同じ構造を有し得るが、ガラス基板、フィルムなどのような基板が使われ得る。
【0175】
次に図面に示していないが、検査用基板ISUBの上面を撥水処理する。撥水処理はフローリン(Fluorine)コーティングまたはプラズマ表面処理などが行われ得る。
【0176】
次に
図23および24に示すように、検査用基板ISUBの上面にインクIを噴射し、第1センシングユニット150でインクI別の大きさ、液滴量、位置などを測定する。検査用基板ISUB上に噴射されたインクIの大きさW
I1’,W
I2’または液滴量と、これらの間の間隔P
I1が基準設定値と相異すると、インクジェットヘッド335の位置や電圧などを調節し、基準設定値のインクIが噴射されるように調節する。インクジェットヘッド335の位置を調節する方法は
図10を参照して上述したとおりである。このような検査方法は各インクジェットヘッド335が基準設定値に該当する液滴量または位置に噴射するときまで数回繰り返され得る。ただし、上述したインクジェットプリンティング装置1000をセットする段階は省略することもできる。
【0177】
次に、インクジェットプリンティング装置1000のセットが完了すると、
図25に示すように、対象基板SUB上に双極子DPを含むインクIを噴射(S100)とする。ここで、対象基板SUBはステージユニット500上に準備され、インクジェットヘッド装置300に移動してインクIが対象基板SUB上に噴射され得る。一例として、ステージユニット500は
図2の熱処理装置900の第2方向D2に位置し、ここで対象基板SUBが準備され得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0178】
また、例示的な実施形態で対象基板SUB上には第1電極21と第2電極22が形成されており、インクIはこれらの上部に噴射され得る。図面では一対の電極上にインクIが噴射される場合を例示的に示したが、対象基板SUB上にはより多くの数の電極対が形成されており、複数のインクジェットヘッド335が各電極対に同様の方式でインクIを噴射することができる。
【0179】
一方、図面に示していないが、第2センシングユニット350はインクジェットプリンティング装置1000の工程中にインクジェットヘッド335で吐出されるインクIの量、インクジェットヘッド335の状態などを持続的にモニタリングすることができる。第2センシングユニット350が測定した情報はインクジェットヘッド装置300、およびインク供給装置400に提供され、基準設定値との偏差が生じる場合はこれを制御することができる。例えば工程時間が経過することによりインクジェットヘッド335から吐出される量が減少する場合、インクジェットヘッド335に印加される電圧を調節し、インクジェットヘッド335のノズルNZにインクIが乾燥してシミが形成される場合はインクジェットヘッド335を洗浄する工程を行うこともできる。ただし、これに制限されるものではない。
【0180】
次に、
図26に示すように対象基板SUB上に電界Eを形成して電界Eにより双極子DPが配置される段階(S200)を行う。双極子DPは誘電泳動法(Dielectrophoresis)により配置され得る。具体的に説明すると、プローブユニット550から第1電極21と第2電極22に電気信号を印加する。プローブユニット550は対象基板SUB上に備えられた所定のパッド(図示せず)と連結され、前記パッドと連結された第1電極21と第2電極22に電気信号を印加し得る。例示的な実施形態で前記電気信号は交流電圧であり得、前記交流電圧は±(10~50)Vの電圧および10kHzないし1MHzの周波数を有し得る。前記交流電圧が第1電極21と第2電極22に印加されると、これらの間には電界Eが形成され、双極子DPには電界Eによる誘電泳動力(Dielectrophoretic Force)が作用する。誘電泳動力によって双極子DPは配向方向および位置が変わることにより第1電極21と第2電極22上に配置され得る。
【0181】
次に、
図27に示すように対象基板SUB上に噴射されたインクIの溶媒SVを除去(S300)する。溶媒SVを除去する段階は熱処理装置900を介して行われ、ここでステージユニット500はインクジェットヘッド装置300から第2方向D2に移動して熱処理装置900に位置し得る。一例として、熱処理装置900は対象基板SUB上に熱(H)または赤外線を照射することができ、溶媒SVは揮発したり気化したりし得る。熱処理装置900が熱(H)または赤外線を照射する方法は
図16を参照して上述した内容と同様である。
【0182】
対象基板SUB上に噴射されたインクIから溶媒SVが除去されることによって双極子DPの流動が防止され、電極21,22との結合力が増加し得る。これにより双極子DPは第1電極21と第2電極22上に整列することができる。
【0183】
次に、
図28および
図29に示すように、第3センシングユニット750を利用して対象基板SUB上に配置された双極子DPの位置を測定(S300)する。第3センシングユニット750が双極子DPの位置を測定する方法は
図18および
図19を参照して上述した内容と同様である。双極子DPの位置を測定する段階は双極子DPの整列度を測定したり単位面積あたりの双極子DPの数を測定したりすることができる。
【0184】
具体的には、
図29に示すように、第3センシングユニット750は一方向、例えば第1方向D1または第2方向D2に移動しながら双極子DPの位置を測定する。双極子DPの整列度は双極子DPが延びた一方向ddと第1電極21および第2電極22が延びた方向に垂直である方向とがなす鋭角(θ1,θ2,θ3)を測定することにより行われ得る。図面に示すように、第3センシングユニット750は双極子DPが延びた方向
ddと第1電極21および第2電極22が延びた方向
に垂直である方向、例えば第
1方向D
1がなす鋭角を測定して基準設定値と比較する。一例として、双極子DPの整列度の基準設定値は双極子DPが延びた一方向ddと電極21,22が延びた方向に垂直である方向がなす鋭角が0°ないし5°の範囲であり得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0185】
また、第3センシングユニット750は単位面積AA当たりの双極子DPの数を測定することができる。図面では任意の領域で定義された第1領域AA1、第2領域AA2および第3領域AA3が示されている。第3センシングユニット750は各領域AA1,AA2,AA3に配置された双極子DPの数を測定して基準設定値と比較し得る。
【0186】
一実施形態によれば、第1センシングユニット150、第2センシングユニット350および第3センシングユニット750はそれぞれが測定した情報と基準設定値と比較する段階を行って、これによりインクジェットプリンティング装置1000の部材を制御することができる。例えば、第2センシングユニット350で測定されたインクIの吐出量、第3センシングユニット750で測定された双極子DPの整列度および単位面積あたりの数に対する情報はそれぞれインクジェットヘッド装置300に伝達され得る。インクジェットヘッド装置300は前記情報の提供を受けてインクIを噴射するインクジェットヘッド335の整列状態を調節したりノズルNZを洗浄し、提供されたインクI内の双極子DPの分散度などを調節したりすることができる。
【0187】
そのため、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、少なくとも一つのセンシングユニット150,350,750を含んでインクジェットプリンティング装置1000の工程中に発生し得る誤差をリアルタイムで感知することができる。各センシングユニット150,350,750は工程中に発生する誤差および不良を感知して、工程を行うと同時にこれを補完することができる。そのため、インクジェットプリンティング装置1000は工程を数回繰り返しても最終的に製造された双極子DPを含む対象基板SUBの品質を維持することができる。
【0188】
また、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、インクジェットヘッド装置300、熱処理装置900および整列度検査装置700を含み、これらは一方向に沿って順次配置され得る。インクジェットプリンティング装置1000は対象基板SUB上にインクIを噴射してインクIの溶媒SVを除去した後、双極子DPの整列度を検査する工程中に対象基板SUBの移動を最小化することができる。そのためインクジェットプリンティング装置1000の工程時間を減少することができ、特にインクIが対象基板SUB上に噴射された後、連続的に熱処理装置900を通過して溶媒SVを揮発させることによって双極子DPの整列離脱問題を防止することができる。
【0189】
一方、インクジェットプリンティング装置1000は一つ以上のインクジェットヘッド装置300を含み得る。表示装置1を製造する工程を繰り返す場合、インクジェットヘッド335を洗浄したり再び整列したりする間、他のインクジェットヘッド装置300を利用して工程を行うことができる。
【0190】
図30は他の実施形態によるインクジェットプリンティング装置のインクジェットヘッド装置を示す概略図である。
【0191】
図30を参照すると、他の実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000_1は、一つ以上のインクジェットヘッド装置300_1を含み得る。インクジェットヘッド装置300_1は互いに対向するように配置された第1インクジェットヘッド装置301_1および第2インクジェットヘッド装置302_1を含み、これらは実質的に同じ構造を有することができる。すなわち、第1インクジェットヘッド装置301_1および第2インクジェットヘッド装置302_1はそれぞれ複数のインクジェットヘッド335を含み、それぞれ対象基板SUB上にインクIを噴射し、第2センシングユニット350を含んでインクジェットヘッド335の状態を検査することができる。
【0192】
表示装置1の工程中に第2センシングユニット350により測定されたインクジェットヘッド335の状態に問題が生ずる場合はインクIの噴射を中断し、初期設定値を調整する段階を行い得る。例えば、インクジェットヘッド335で吐出されるインクIの量が一定でないかまたはノズルNZが詰まる場合はインクジェットヘッド335を洗浄し、これらの位置やインクIの吐出量を再調整する段階が必要である。
図30のインクジェットプリンティング装置1000_1は、いずれか一つのインクジェットヘッド装置300_1においてインクIを噴射する工程が中断されると、他のインクジェットヘッド装置300_1を稼動して表示装置1の製造工程を行うことができる。すなわち、
図30のインクジェットプリンティング装置1000_1は初期には第1インクジェットヘッド装置301_1を駆動し、第2インクジェットヘッド装置302_1は駆動せず、第1インクジェットヘッド装置301_1を中断する場合は第2インクジェットヘッド装置302_1を駆動することができる。
【0193】
また、第2センシングユニット350と第3センシングユニット750で測定された情報は第1インクジェットヘッド装置301_1と第2インクジェットヘッド装置302_1に提供され、これによるインクジェットヘッド335の整列をリアルタイムで反映し得る。例えば第1インクジェットヘッド装置301_1を駆動することにより第3センシングユニット750で測定された双極子DPの位置が基準設定値と異なる場合、これに対するフィードバックを第2インクジェットヘッド装置302_1に提供してプリンティング工程中にリアルタイムで反映することができる。
【0194】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、一つ以上のインクジェットヘッド装置300を含んで複数のセンシングユニット150,350,750で測定された情報をリアルタイムで反映して表示装置1または対象製品の生産性および収率を向上させることができる。
【0195】
一方、上述した双極子DPは導電型半導体を含む発光素子であり得、一実施形態によれば、インクジェットプリンティング装置1000を利用して発光素子を含む表示装置を製造することができる。
【0196】
【0197】
発光素子30は任意の不純物(例えば、p型またはn型)でドーピングされた半導体結晶を含み得る。半導体結晶は外部の電源から印加される電気信号の伝達を受け、これを特定波長帯の光として放出し得る。
【0198】
発光素子30は発光ダイオード(Light Emitting diode)であり得、具体的には発光素子30はマイクロメーター(micro-meter)またはナノメートル(nano-meter)単位の大きさを有し、無機物からなる無機発光ダイオードであり得る。発光素子30が無機発光ダイオードである場合、互いに対向する二つの電極の間において特定方向に電界を形成すると、無機発光ダイオードは極性が形成される前記二つの電極の間に整列することができる。発光素子30は電極から所定の電気信号の印加を受けて特定波長帯の光を放出し得る。
【0199】
図31を参照すると、一実施形態による発光素子30は、複数の半導体31,32、活性層33、電極物質層37および絶縁膜38を含み得る。複数の半導体31,32は発光素子30に伝達される電気信号を活性層33に伝達し、活性層33は特定波長帯の光を放出し得る。
【0200】
具体的には、発光素子30は第1半導体層31、第2半導体層32、第1半導体層31と第2半導体層32の間に配置される活性層33、第2半導体層32上に配置される電極物質層37と、これらの外面を囲むように配置される絶縁膜38を含み得る。
図31の発光素子30は第1半導体層31、活性層33、第2半導体層32および電極物質層37が長さ方向に順次形成された構造を示しているが、これに制限されない。
【0201】
電極物質層37は省略することができ、いくつかの実施形態では第1半導体層31および第2半導体層32の両側面のうち少なくともいずれか一つに配置され得る。例えば発光素子30は電極物質層37が第1半導体層31の下面にもさらに配置され得る。後述する発光素子30に係る説明は発光素子30が他の構造をさらに含んでも同様に適用されることができる。
【0202】
第1半導体層31はn型不純物でドーピングされた半導体層であり得る。一例として、発光素子30が青色波長帯の光を放出する場合、第1半導体層31はInxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料であり得る。例えば、第1半導体層31はn型不純物でドーピングされたInAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのうち一つ以上であり得る。第1半導体層31は第1ドーパントがドーピングされ、一例として第1ドーパントはSi、Ge、Snなどであり得る。第1半導体層31の長さは後述する第2半導体層32の長さより長くてもよく、1.5μmないし5μmの範囲を有し得るが、これに制限されるものではない。
【0203】
第2半導体層32はp型不純物でドーピングされた半導体層であり得る。一例として、発光素子30が青色波長帯の光を放出する場合、第2半導体層32はInxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料であり得る。例えば、第2半導体層32はp型不純物でドーピングされたInAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのうち一つ以上であり得る。第2半導体層32は第2ドーパントがドーピングされ、一例として第2ドーパントはMg、Zn、Ca、Se、Baなどであり得る。第2半導体層32の長さは0.08μmないし0.25μmの範囲を有し得るが、これに制限されるものではない。
【0204】
一方、図面では第1半導体層31と第2半導体層32が一つの層で構成された場合を示しているが、これに制限されるものではない。場合によっては後述する活性層33の物質により第1半導体層31と第2半導体層32はより多くの数の層を含むこともできる。
【0205】
活性層33は第1半導体層31および第2半導体層32の間に配置され、単一または多重量子井戸構造の物質を含み得る。活性層33が多重量子井戸構造の物質を含む場合、量子層(Quantum layer)と井戸層(Well layer)が互いに交互に複数積層された構造であり得る。活性層33は第1半導体層31および第2半導体層32を介して印加される電気信号に応じて電子-正孔対の結合により光を発光し得る。一例として、活性層33が青色波長帯の光を放出する場合、AlGaN、AlInGaNなどの物質を含み得る。特に、活性層33が多重量子井戸構造で量子層と井戸層が交互に積層された構造である場合、量子層はAlGaNまたはAlInGaN、井戸層はGaNまたはAlGaNなどのような物質を含み得る。
【0206】
ただし、これに制限されるものではなく、活性層33はバンドギャップ(Band gap)エネルギが大きい種類の半導体物質とバンドギャップエネルギが小さい半導体物質が互いに交互に積層された構造であり得、発光する光の波長帯によって異なる3族ないし5族半導体物質を含むこともできる。活性層33が放出する光は青色波長帯の光に制限されず、場合によっては赤色、緑色波長帯の光を放出することもできる。活性層33の長さは0.05μmないし0.25μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0207】
一方、活性層33から放出される光は発光素子30の長さ方向の外部面だけでなく、両側面に放出され得る。活性層33から放出される光の方向性は、一方向に制限されない。
【0208】
電極物質層37はオーミック(ohmic)接触電極であり得る。ただし、これに制限されず、ショットキー(Schottky)接触電極であり得る。電極物質層37は伝導性を有する金属を含み得る。例えば、電極物質層37はアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、インジウム(In)、金(Au)、銀(Ag)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)の中で少なくともいずれか一つを含み得る。電極物質層37は同じ物質を含んでもよく、互いに異なる物質を含んでもよく、これに制限されるものではない。
【0209】
絶縁膜38は第1半導体層31、第2半導体層32、活性層33および電極物質層37と接触してこれらの外面を囲むように形成され得る。絶縁膜38は前記部材を保護する機能を行うことができる。一例として、絶縁膜38は前記部材の側面部を囲むように形成され、発光素子30の長さ方向の両端部は露出するように形成され得る。ただし、これに制限されない。
【0210】
絶縁膜38は絶縁特性を有する物質、例えば、シリコン酸化物(Silicon oxide,SiOx)、シリコン窒化物(Silicon nitride,SiNx)、酸窒化シリコン(SiOxNy)、窒化アルミニウム(Aluminum nitride,AlN)、酸化アルミニウム(Aluminum oxide,Al2O3)などを含み得る。そのため、発光素子30と電気信号を伝達する電極とが直接接触する場合に生じ得る、活性層33の電気的短絡を防止することができる。また、絶縁膜38は活性層33を含んで発光素子30の外面を保護するので、発光効率の低下を防止することができる。
【0211】
図31では絶縁膜38が発光素子30の長さ方向に延びて第1半導体層31から電極物質層37までカバーできるように形成された場合を示しているが、これに制限されない。絶縁膜38は第1半導体層31、活性層33および第2半導体層32のみカバーしたり、電極物質層37の外面の一部のみカバーしたりして電極物質層37の一部の外面が露出させてもよい。いくつかの実施形態で絶縁膜38は第1半導体層31、活性層33および第2半導体層32の外面のみをカバーし、第1半導体層31の下面と第2半導体層32の上面に配置された電極物質層37は外面が露出してもよい。
【0212】
絶縁膜38の厚さは0.5μmないし1.5μmの範囲とし得るが、これに制限されるものではない。
【0213】
また、いくつかの実施形態で、絶縁膜38は外面が表面処理され得る。発光素子30は表示装置1の製造時、所定のインク内で分散した状態で電極上に噴射されて整列することができる。ここで、発光素子30がインク内で隣接する他の発光素子30と凝集せず分散した状態を保持するために、絶縁膜38は表面が疎水性または親水性処理され得る。
【0214】
発光素子30は一方向に延びた形状を有することができる。発光素子30はナノロッド、ナノワイヤ、ナノチューブなどの形状を有することができる。例示的な実施形態で、発光素子30は円筒形またはロッド(rod)形であり得る。ただし、発光素子30の形態がこれに制限されるものではなく、正六面体、直六面体、六角柱型など多様な形態を有することができる。
【0215】
図32は他の実施形態による発光素子の概略図である。
【0216】
図32を参照すると、発光素子30’は複数の層が一方向に積層されず、各層が他の層の外面を囲むように形成され得る。
図32の発光素子30’は各層の形状が一部相異することを除いては
図31の発光素子30と同一である。以下では同じ内容は省略して差異点について叙述する。
【0217】
一実施形態によれば、第1半導体層31’は一方向に延びて両端部が中心部に向かって傾斜して形成され得る。
図32の第1半導体層31’はロッド形または円筒形の本体部と、前記本体部の上部および下部にそれぞれ円錐形の端部が形成された形状であり得る。前記本体部の上端部は下端部に比べてさらに急な傾斜を有し得る。
【0218】
活性層33’は第1半導体層31’の前記本体部の外面を囲むように配置される。活性層33’は一方向に延びた環状の形状を有することができる。活性層33’は第1半導体層31’の上端部および下端部上には形成されない。すなわち、活性層33’は第1半導体層31’の平行な側面にのみ接触し得る。
【0219】
第2半導体層32’は活性層33’の外面と第1半導体層31’の上端部を囲むように配置される。第2半導体層32’は一方向に延びた環状の本体部との側面が傾斜するように形成された上端部を含み得る。すなわち、第2半導体層32’は活性層33’の平行な側面と第1半導体層31’の傾斜した上端部に直接接触し得る。ただし、第2半導体層32’は第1半導体層31’の下端部には形成されない。
【0220】
電極物質層37’は第2半導体層32’の外面を囲むように配置される。すなわち、電極物質層37’の形状は実質的に第2半導体層32’と同一であり得る。すなわち、電極物質層37’は第2半導体層32’の外面に全面的に接触し得る。
【0221】
絶縁膜38’は電極物質層37’および第1半導体層31’の外面を囲むように配置され得る。絶縁膜38’は電極物質層37’を含み、第1半導体層31’の下端部および活性層33’と第2半導体層32’の露出した下端部と直接接触し得る。
【0222】
一方、発光素子30は長さhが1μmないし10μmまたは2μmないし5μmの範囲を有することができ、好ましくは4μm前後の長さを有し得る。また、発光素子30の直径は30nmないし700nmの範囲を有することができ、表示装置1に含まれる複数の発光素子30は活性層33の組成差によって互いに異なる直径を有し得る。好ましくは発光素子30の直径は500nm内外の範囲を有し得る。
【0223】
一実施形態によれば、インクジェットプリンティング装置1000は
図31または
図32の発光素子30,30’をインクIに分散させて対象基板SUB上に噴射または吐出させることができ、これにより発光素子30を含む表示装置1を製造することができる。
【0224】
図33は一実施形態による方法で製造された表示装置の平面図である。
【0225】
図33を参照すると、表示装置1は複数の画素PXを含み得る。画素PXそれぞれは特定波長帯の光を放出する発光素子30を一つ以上含んで特定色を表示し得る。
【0226】
例示的な実施形態で、複数の画素PXそれぞれは発光素子30が配置されて任意の波長帯の光を放出するサブ画素PXnを含み得る。複数のサブ画素PXnは隣り合うサブ画素PXnの間に配置された隔壁、例えば第3隔壁43を基準として互いに区分され得る。
【0227】
図33に示すように、一つの画素PXは第1サブ画素PX1、第2サブ画素PX2および第3サブ画素PX3を含み得る。第1サブ画素PX1、第2サブ画素PX2および第3サブ画素PX3それぞれは第2方向D2に延びた第3隔壁43を基準として互いに区分される。ただし、これに制限されず、第3隔壁43は一つのサブ画素PXnの上部と下部で第1方向D1に延びるようにさらに配置され得、各サブ画素PXnは第3隔壁43により囲まれた領域であると理解することができる。
【0228】
第1サブ画素PX1は第1色の光を発光し、第2サブ画素PX2は第2色の光を発光し、第3サブ画素PX3は第3色の光を発光し得る。第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色であり得るが、これに制限されず、各サブ画素PXnは同じ色の光を放出することもできる。
【0229】
ただし、これに制限されず、画素PXそれぞれはより多くの数のサブ画素を含んだり、一つのサブ画素PXnのみを含んで一つのサブ画素PXnが一つの画素PXと対応する単位であったりすると理解することもできる。すなわち、上述した第1サブ画素PX1、第2サブ画素PX2および第3サブ画素PX3は一つの画素PXが3個のサブ画素PX1,PX2,PX3を含んでそれぞれが互いに異なる色の光を放出することを例示するためであり、必ずしも一つの画素PXがサブ画素PXnを含むことに限定されない。この場合、画素PXそれぞれが一つのサブ画素PXnで構成されて互いに異なる画素PXと異なる色の光を放出することができ、第3隔壁43により囲まれた領域は一つの画素PXを構成すると理解することができる。
【0230】
表示装置1の各画素PXまたはサブ画素PXnは発光領域と非発光領域とに定義される領域を含み得る。発光領域は表示装置1に含まれる発光素子30が配置されて特定波長帯の光が放出される領域と定義される。非発光領域は発光領域以外の領域で、発光素子30が配置されず光が放出されない領域と定義され得る。
【0231】
表示装置1のサブ画素PXnは複数の隔壁41,42,43、複数の電極21,22と発光素子30を含み得る。
【0232】
複数の電極21,22は発光素子30と電気的に接続され、発光素子30が発光するように所定の電圧の印加を受け得る。また、各電極21,22の少なくとも一部は発光素子30を整列するために、サブ画素PXn内に電場を形成するために活用され得る。ただし、これに制限されず、場合によって前記電場は別途の整列信号印加装置によって形成されることもできる。
【0233】
図33を参照して具体的に説明すると、複数の電極21,22は第1電極21および第2電極22を含み得る。例示的な実施形態で、第1電極21はサブ画素PXnごとに分離した画素電極であり、第2電極22は各サブ画素PXnに沿って共通して連結された共通電極であり得る。第1電極21と第2電極22のいずれか一つは発光素子30のアノード(Anode)電極であり、他の一つは発光素子30のカソード(Cathode)電極であり得る。ただし、これに制限されず、その逆の場合であり得る。
【0234】
第1電極21と第2電極22はそれぞれ第1方向D1に延びて配置される電極幹部21S,22Sと、電極幹部21S,22Sから第1方向D1と交差する方向である第2方向D2に延びて分枝する少なくとも一つの電極枝部21B,22Bを含み得る。
【0235】
具体的には、第1電極21は第1方向D1に延びて配置される第1電極幹部21Sと第1電極幹部21Sで分枝するが、第2方向(Y軸方向)に延びる少なくとも一つの第1電極枝部21Bを含み得る。
【0236】
任意の一画素の第1電極幹部21Sは両端が各サブ画素PXnの間で離隔して終止するが、同一行に属する(例えば、第1方向D1に隣接する)隣り合うサブ画素の第1電極幹部21Sと実質的に同一直線上に置かれ得る。そのため、各サブ画素PXnに配置される第1電極幹部21Sは各第1電極枝部21Bに互いに異なる電気信号を印加することができ、第1電極枝部21Bはそれぞれ別に駆動され得る。
【0237】
第1電極枝部21Bは第1電極幹部21Sの少なくとも一部で分枝し、第2方向D2に延びて配置され、第1電極幹部21Sに対向して配置される第2電極幹部22Sと離隔した状態で終止し得る。
【0238】
第2電極22は第1方向D1に延びて第1電極幹部21Sと離隔して対向するように配置される第2電極幹部22Sと第2電極幹部22Sで分枝するが、第2方向D2に延びて配置される第2電極枝部22Bを含み得る。ただし、第2電極幹部22Sは他端部が第1方向D1に隣接する複数のサブ画素PXnに延び得る。そのため、任意の一画素の第2電極幹部22Sは両端が各画素PXの間で隣接する画素の第2電極幹部22Sに連結され得る。
【0239】
第2電極枝部22Bは第1電極枝部21Bと離隔して対向し、第1電極幹部21Sと離隔した状態で終止し得る。すなわち、第2電極枝部22Bは一端部が第2電極幹部22Sと連結され、他端部は第1電極幹部21Sと離隔した状態でサブ画素PXn内に配置され得る。
【0240】
図面では二つの第1電極枝部21Bが配置され、その間に第2電極枝部22Bが配置された場合を示しているが、これに制限されない。
【0241】
複数の隔壁41,42,43は各サブ画素PXn間の境界に配置される第3隔壁43、各電極21,22の下部に配置される第1隔壁41および第2隔壁42を含み得る。図面では第1隔壁41および第2隔壁42が示されていないが、第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの下部にはそれぞれ第1隔壁41と第2隔壁42が配置され得る。
【0242】
第3隔壁43は各サブ画素PXn間の境界に配置され得る。複数の第1電極幹部21Sは各端部が第3隔壁43を基準として互いに離隔して終止し得る。第3隔壁43は第2方向D2に延びて第1方向D1に配列されたサブ画素PXnの境界に配置され得る。ただし、これに制限されず、第3隔壁43は第1方向D1に延びて第2方向D2に配列されたサブ画素PXnの境界にも配置され得る。複数のサブ画素PXnは第3隔壁43を基準として区分され得る。第3隔壁43は第1隔壁41および第2隔壁42と同じ材料を含んで実質的に同じ工程で形成され得る。
【0243】
図面には示していないが、各サブ画素PXnには第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bを含むサブ画素PXnを全面的に覆う第1絶縁層51が配置され得る。第1絶縁層51は各電極21,22を保護すると同時にこれらが直接接触しないように相互絶縁させ得る。
【0244】
第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの間には複数の発光素子30が整列し得る。複数の発光素子30のうち少なくとも一部は一端部が第1電極枝部21Bと電気的に接続され、他端部が第2電極枝部22Bと電気的に接続され得る。
【0245】
複数の発光素子30は第2方向D2に離隔し、実質的に互いに平行であるように整列し得る。発光素子30が離隔する間隔は特に制限されない。場合によっては複数の発光素子30が隣接するように配置されて群をなし、他の複数の発光素子30は一定間隔離隔した状態で群をなすこともでき、不均一な密集度を有するが、一方向に配向されて整列することもできる。
【0246】
第1電極枝部21Bと第2電極枝部22B上にはそれぞれ接触電極26が配置され得る。ただし、接触電極26は実質的に第1絶縁層51上に配置され、接触電極26の少なくとも一部が第1電極枝部21Bおよび第2電極枝部22Bと接触したり電気的に接続されたりし得る。
【0247】
複数の接触電極26は第2方向D2に延びて配置され、第1方向D1に互いに離隔して配置され得る。接触電極26は発光素子30の少なくとも一端部とコンタクトされることができ、接触電極26は第1電極21または第2電極22とコンタクトされて電気信号の印加を受け得る。そのため、接触電極26は各電極21,22から伝達される電気信号を発光素子30に伝達することができる。
【0248】
接触電極26は第1接触電極26aと第2接触電極26bを含み得る。第1接触電極26aは第1電極枝部21B上に配置され、発光素子30の一端部とコンタクトされ、第2接触電極26bは第2電極枝部22B上に配置され、発光素子30の他端部とコンタクトされ得る。
【0249】
第1電極幹部21Sと第2電極幹部22Sはそれぞれコンタクトホール、例えば第1電極コンタクトホールCNTDおよび第2電極コンタクトホールCNTSを介して表示装置1の回路素子層と電気的に接続され得る。図面には複数のサブ画素PXnの第2電極幹部22Sに一つの第2電極コンタクトホールCNTSが形成されたことを示している。ただし、これに制限されず、場合によってはサブ画素PXnごとに第2電極コンタクトホールCNTSが形成され得る。
【0250】
また、図面には示していないが、表示装置1は各電極21,22および発光素子30の少なくとも一部を覆うように配置される第2絶縁層(52,図
34に図示)およびパッシベーション層(55,図
34に図示)を含み得る。これらの間の配置と構造などは
図34を参照して後述する。
【0251】
図34は
図33のI-I’線に沿って切った表示装置の部分断面図である。
【0252】
図34は第1サブ画素PX1の断面図のみを示しているが、他の画素PXまたはサブ画素PXnの場合にも同様に適用することができる。
図34は任意の発光素子30の一端部と他端部を横切る断面を示す。
【0253】
一方、
図34には示していないが、表示装置1は各電極21,22の下部に位置する回路素子層をさらに含み得る。回路素子層は複数の半導体層および複数の導電パターンを含み、少なくとも一つのトランジスタと電源配線を含み得る。ただし、以下ではこれに係る詳しい説明は省略する。
【0254】
図34を参照すると、表示装置1はビア層20とビア層20上に配置される電極21,22、発光素子30などを含み得る。ビア層20の下部には回路素子層(図示せず)がさらに配置され得る。ビア層20は有機絶縁物質を含んで表面平坦化機能をすることができる。
【0255】
ビア層20上には複数の隔壁41,42,43が配置される。複数の隔壁41,42,43は各サブ画素PXn内で互いに離隔して配置され得る。複数の隔壁41,42,43はサブ画素PXnの中心部に隣接して配置された第1隔壁41および第2隔壁42、サブ画素PXn間の境界に配置された第3隔壁43を含み得る。
【0256】
第3隔壁43は表示装置1の製造時、上述した
図1および
図2のインクジェットプリンティング装置1000を利用してインクIを噴射するとき、インクIがサブ画素PXnの境界を越えないように遮断する機能をすることができる。または、表示装置1が他の部材をさらに含む場合、第3隔壁43上に前記部材が配置されて第3隔壁43がこれを支持する機能をすることもできる。ただし、これに制限されるものではない。
【0257】
第1隔壁41と第2隔壁42は互いに離隔して対向するように配置される。第1隔壁41上には第1電極21が、第2隔壁42上には第2電極22が配置され得る。
図33と
図34では第1隔壁41上には第1電極枝部21Bが、第2隔壁42上には第2電極枝部22Bが配置されたものと理解することができる。
【0258】
上述したように、第1隔壁41、第2隔壁42および第3隔壁43は実質的に同じ工程で形成されることができる。そのため、隔壁41,42,43は一つの格子型パターンをなし得る。複数の隔壁41,42,43はポリイミド(Polyimide,PI)を含み得る。
【0259】
複数の隔壁41,42,43はビア層20を基準として少なくとも一部が突出した構造を有することができる。隔壁41,42,43は発光素子30が配置された平面を基準として上部に突出してもよく、前記突出した部分は少なくとも一部が傾斜を有し得る。突出した構造の隔壁41,42,43の形状は特に制限されない。図面に示すように、第1隔壁41と第2隔壁42は同じ高さで突出するが、第3隔壁43はさらに高い位置まで突出した形状を有することができる。
【0260】
第1隔壁41と第2隔壁42上には反射層21a,22aが配置され、反射層21a,22a上には電極層21b,22bが配置され得る。反射層21a,22aと電極層21b,22bはそれぞれ電極21,22を構成することができる。
【0261】
反射層21a,22aは第1反射層21aと第2反射層22aを含む。第1反射層21aは第1隔壁41を覆い、第2反射層22aは第2隔壁42を覆う。反射層21a,22aの一部はビア層20を貫くコンタクトホールを介して回路素子層と電気的に接続される。
【0262】
反射層21a,22aは反射率が高い物質を含んで発光素子30から放出される光を反射させることができる。一例として、反射層21a,22aは銀(Ag)、銅(Cu)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)などのような物質を含み得るが、これに制限されるものではない。
【0263】
電極層21b,22bは第1電極層21bと第2電極層22bを含む。電極層21b,22bは実質的に反射層21a,22aと同じパターンを有することができる。第1反射層21aおよび第1電極層21bは第2反射層22aおよび第2電極層22bと互いに離隔するように配置される。
【0264】
電極層21b,22bは透明性導電性物質を含んで発光素子30から放出される放出光ELが反射層21a,22aに入射し得る。一例として、電極層21b,22bはITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)などのような物質を含み得るが、これに制限されるものではない。
【0265】
いくつかの実施形態で、反射層21a,22aと電極層21b,22bはITO、IZO、ITZOなどのような透明導電層と銀、銅のような金属層がそれぞれ一層以上積層された構造をなすことができる。一例として、反射層21a,22aと電極層21b,22bはITO/銀(Ag)/ITO/IZOの積層構造を形成することもできる。
【0266】
一方、いくつかの実施形態で、第1電極21と第2電極22は一つの層で形成され得る。すなわち、反射層21a,22aと電極層21b,22bが一つの単一層で形成されて発光素子30に電気信号を伝達すると同時に光を反射し得る。例示的な実施形態で、第1電極21と第2電極22は反射率が高い導電性物質を含み得る。一例として、第1電極21および第2電極22はアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ランタン(La)などを含む合金であり得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0267】
第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22を部分的に覆うように配置される。第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22の上面をほぼ覆うように配置され、第1電極21と第2電極22の一部を露出させ得る。第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22が離隔した領域と、第1電極21および第2電極22の前記領域の反対側も部分的に覆うように配置され得る。
【0268】
第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22の比較的平坦な上面が露出するように配置され、各電極21,22が第1隔壁41と第2隔壁42の傾斜した側面と重なるように配置される。第1絶縁層51は発光素子30が配置されるように平坦な上面を形成し、前記上面が第1電極21と第2電極22に向かって一方向に延びる。第1絶縁層51の前記延びた部分は第1電極21と第2電極22の傾斜した側面で終止する。そのため、接触電極26は前記露出した第1電極21および第2電極22と接触し、第1絶縁層51の平坦な上面で発光素子30と円滑に接触することができる。
【0269】
第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22を保護すると同時にこれらを相互絶縁させ得る。また、第1絶縁層51上に配置される発光素子30が他の部材と直接接触して損傷することを防止することもできる。
【0270】
発光素子30は第1絶縁層51上に配置され得る。発光素子30は第1電極21と第2電極22の間の第1絶縁層51上に少なくとも一つ配置され得る。発光素子30はビア層20に水平な一方向に複数の層が配置され得る。一実施形態による表示装置1の発光素子30は前記第1半導体層31、活性層33、第2半導体層32および電極物質層37がビア層20に水平な一方向に順次配置され得る。ただし、これに制限されない。発光素子30の複数の層が配置された順序は反対方向であり得、場合によっては発光素子30が他の構造を有する場合、複数の層はビア層20に垂直である方向に配置されることもできる。
【0271】
第2絶縁層52は発光素子30上に部分的に配置され得る。第2絶縁層52は発光素子30を保護すると同時に表示装置1の製造工程で発光素子30を固定させる機能をすることもできる。第2絶縁層52は発光素子30の外面を囲むように配置され得る。すなわち、第2絶縁層52の材料の一部は発光素子30の下面と第1絶縁層51の間に配置されてもよい。第2絶縁層52は平面上第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの間において第2方向D2に延びた島状または線状の形状を有することができる。
【0272】
接触電極26は各電極21,22および第2絶縁層52上に配置される。接触電極26は第1電極21上に配置される第1接触電極26aと第2電極22上に配置される第2接触電極26bを含む。第1接触電極26aと第2接触電極26bは第2絶縁層52上で互いに離隔して配置される。そのため、第2絶縁層52は第1接触電極26aと第2接触電極26bを相互絶縁させることができる。
【0273】
第1接触電極26aは少なくとも第1絶縁層51がパターニングされて露出した第1電極21および発光素子30の一端部と接触し得る。第2接触電極26bは少なくとも第1絶縁層51がパターニングされて露出した第2電極22および発光素子30の他端部と接触し得る。第1および第2接触電極26a,26bは発光素子30の両端部の側面、例えば第1半導体層31、第2半導体層32または電極物質層37にそれぞれ接触し得る。上述したように、第1絶縁層51は平坦な上面を形成することによって、接触電極26が発光素子30の側面に円滑に接触し得る。
【0274】
接触電極26は導電性物質を含み得る。例えば、ITO、IZO、ITZO、アルミニウム(Al)などを含み得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0275】
パッシベーション層55は第2絶縁層52および接触電極26の上部に形成され、ビア層20上に配置される部材を外部環境に対して保護下は機能をすることができる。
【0276】
上述した第1絶縁層51、第2絶縁層52およびパッシベーション層55それぞれは無機物絶縁性物質または有機物絶縁性物質を含み得る。例示的な実施形態で、第1絶縁層51およびパッシベーション層55はシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)などのような物質を含み得る。第2絶縁層52は有機物絶縁性物質としてフォトレジストなどを含み得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0277】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。