(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】空気処理装置
(51)【国際特許分類】
A62B 7/10 20060101AFI20221221BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A62B7/10
H04R1/10 101B
(21)【出願番号】P 2021526676
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(86)【国際出願番号】 GB2019053117
(87)【国際公開番号】W WO2020120930
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-05-14
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ムーン ジョージ ジョセフ
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202017107526(DE,U1)
【文献】中国実用新案第203852759(CN,U)
【文献】国際公開第2017/103246(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/181080(WO,A1)
【文献】特表2018-504159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0193676(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0318650(US,A1)
【文献】国際公開第2020/021233(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/021232(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/021231(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/021230(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/00 - 33/00
H04R 1/10
F16L 37/00 - 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドウェアラブル空気清浄機を含む空気処理装置であって、
前記ヘッドウェアラブル空気清浄機が、
ユーザの第1の耳に装着するように配置された第1のスピーカー組立体と、前記ユーザの第2の耳に装着するように配置された第2のスピーカー組立体と、を備え、
前記第1のスピーカー組立体は、スピーカーと、フィルタ組立体と、前記フィルタ組立体を通る空気流を生成するための空気流発生器と、前記フィルタ組立体の下流で前記第1のスピーカー組立体から濾過された空気流を放出するための空気出口と、を含み、
前記空気流発生器は、モータによって駆動されるインペラを備え、
前記ヘッドウェアラブル空気清浄機が更に、
前記第1のスピーカー組立体の前記空気出口から前記濾過された空気流を受け取るように配置された空気入口と前記ヘッドウェアラブル空気清浄機から受け取った前記濾過された空気流を放出するように配置された空気出口とを含むノズル
と、
前記ノズルが前記第1のスピーカー組立体に結合された時点を検出するように構成されたセンサと、
を備え、
前記ノズルは、前記ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと、前記第1のスピーカー組立体に設けられたスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメントによって前記第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合さ
れ、
前記ヘッドウェアラブル空気清浄機が更に、前記ノズルが前記第1のスピーカー組立体に結合されていないことを前記センサが検知すると前記空気流発生器の前記モータを停止するように構成された、センサ制御回路を備えている、
空気処理装置。
【請求項2】
前記ノズルの前記空気入口は、前記ノズル・スピーカーコネクタによって提供され、前記第1のスピーカー組立体の前記空気出口は、前記スピーカー・ノズルコネクタによって提供される、請求項1に記載の空気処理装置。
【請求項3】
前記ノズル・スピーカーコネクタ及び前記スピーカー・ノズルコネクタの一方が、オスコネクタ要素を含み、前記ノズル・スピーカーコネクタ及び前記スピーカー・ノズルコネクタの他方が、前記オスコネクタ要素を受け入れるように配置されたメスコネクタ要素を含む、請求項2に記載の空気処理装置。
【請求項4】
前記オスコネクタ要素は、前記メスコネクタ要素内に配置されたときに回転できるように配置される、請求項3に記載の空気処理装置。
【請求項5】
前記ノズル・スピーカーコネクタが、前記ノズルの空気入口の周りに
位置する前記オスコネクタ要素を含み、前記スピーカー・ノズル
コネクタが、前記第1のスピーカー組立体の空気出口の周りに
位置する前記メスコネクタ要素を含む、請求項3又は4に記載の空気処理装置。
【請求項6】
前記磁気アタッチメントは、少なくとも1つの磁石及び磁性材料によって提供され、前記磁石は、前記ノズル・スピーカーコネクタ及び前記スピーカー・ノズルコネクタの一方に設けられ、前記磁性材料が、前記ノズル・スピーカーコネクタ及び前記スピーカー・ノズルコネクタの他方に設けられる、請求項1から5の何れか1項に記載の空気処理装置。
【請求項7】
前記スピーカー・ノズルコネクタが磁性材料のリングを含み、前記ノズル・スピーカーコネクタが少なくとも1つの磁石を含む、請求項1から6の何れか1項に記載の空気処理装置。
【請求項8】
前記ノズル・スピーカーコネクタが、前記ノズル・スピーカーコネクタの周りに半径方向に間隔を置いて配置された複数の磁石を含む、請求項7に記載の空気処理装置。
【請求項9】
前記ノズル・スピーカーコネクタが環状磁石を含む、請求項7又は8に記載の空気処理装置。
【請求項10】
前記スピーカー・ノズルコネクタは、メスコネクタ要素を含み、前記メスコネクタ要素は、磁性材料のリングを含み、前記ノズル・スピーカーコネクタは更に、オスコネクタ要素の周囲に半径方向に間隔を置いて配置された複数の磁石を含む、請求項8又は9に記載の空気処理装置。
【請求項11】
前記第2のスピーカー組立体は、スピーカー、フィルタ組立体、前記フィルタ組立体を通る空気流を生成するためのインペラ、前記インペラを駆動するように構成されたモータ、及び前記第2のスピーカー組立体から濾過された気流を放出するためのフィルタ組立体の下流の空気出口を備える、請求項1から10の何れか1項に記載の空気処理装置。
【請求項12】
前記ノズルは、前記第2のスピーカー組立体の前記空気出口から前記濾過された空気流を受け取るように配置された更なる空気入口を含み、前記ノズルは、前記ノズルに設けられた更なるノズル・スピーカーコネクタと、前記第2のスピーカー組立体に設けられた更なるスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメントによって前記第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合される、請求項11に記載の空気処理装置。
【請求項13】
前記空気入口は、前記ノズルの第1の端部によって提供され、前記更なる空気入口は、前記ノズルの対向する第2の端部によって提供される、請求項12に記載の空気処理装置。
【請求項14】
前記ノズルの前記更なる空気入口は、前記更なるノズ
ル・スピーカーコネクタによって提供され、前記第2のスピーカー組立体の空気出口は、前記更なるスピーカー・ノズルコネクタによって提供される、請求項13に記載の空気処理装置。
【請求項15】
前記更なるノズル・スピーカーコネクタ及び前記更なるスピーカー・ノズルコネクタの一方が、オスコネクタ要素を含み、前記更なるノズル・スピーカーコネクタ及び前記更なるスピーカー・ノズルコネクタの他方が、前記オスコネクタ要素を受け入れるように配置されたメスコネクタ要素を含む、請求項14に記載の空気処理装置。
【請求項16】
前記第1のスピーカー組立体が、ヘッドバンドの第1の端部に取り付けられ、前記第2のスピーカー組立体が、前記ヘッドバンドの反対側の第2の端部に取り付けられ、前記ヘッドバンドは、ユーザの頭部に装着されるように構成される、請求項1から15の何れか1項に記載の空気処理装置。
【請求項17】
ヘッドウェアラブル空気清浄機を含む空気処理装置であって、
前記ヘッドウェアラブル空気清浄機が、
ユーザの第1の耳に装着するように配置された第1のスピーカー組立体と、前記ユーザの第2の耳に装着するように配置された第2のスピーカー組立体と、を備え、
前記第1のスピーカー組立体及び前記第2のスピーカー組立体が各々、スピーカーと、フィルタ組立体と、前記フィルタ組立体を通る空気流を生成するための空気流発生器と、前記フィルタ組立体の下流で前記濾過された空気流を放出するための空気出口と、を含み、
前記ヘッドウェアラブル空気清浄機が更に、
ノズルを備え、前記ノズルは、前記第1のスピーカー組立体の前記空気出口から濾過された空気流を受け取るように配置された、前記ノズルの第1の端部に設けられた第1の空気入口と、前記第2のスピーカー組立体の前記空気出口から濾過された空気流を受け取るように配置された、前記ノズルの反対側の第2の端部に設けられた第2の空気入口と、前記ヘッドウェアラブル空気清浄機から受け取った前記濾過された空気流を放出するように配置された空気出口と、を含み、
前記ノズルの第1の端部は、前記ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと、前記第1のスピーカー組立体に設けられたスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメントによって、前記第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合され、前記ノズルの第2の端部は、前記ノズルに設けられた更なるノズル・スピーカーコネクタと、前記第2のスピーカー組立体に設けられた更なるスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメントによって、前記第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合される、空気処理装置。
【請求項18】
前記ノズルの前記第1の空気入口が、前記ノズル・スピーカーコネクタによって提供され、前記ノズルの前記第2の空気入口が、前記更なるノズル・スピーカーコネクタによって提供される、請求項17に記載の空気処理装置。
【請求項19】
前記第1のスピーカー組立体の前記空気出口は、前記スピーカー・ノズルコネクタによって提供され、前記第2のスピーカー組立体の前記空気出口は、前記更なるスピーカー・ノズルコネクタによって提供される、請求項17又は18に記載の空気処理装置。
【請求項20】
ヘッドウェアラブル空気清浄機を含む空気処理装置用のノズルであって、
前記ヘッドウェアラブル空気清浄機が、ユーザの第1の耳に装着するように配置された第1のスピーカー組立体と、前記ユーザの第2の耳に装着するように配置された第2のスピーカー組立体とを含み、
前記ノズルが、
前記第1のスピーカー組立体から第1の濾過された空気流を受け取るように配置された、前記ノズルの第1の端部に設けられた第1の空気入口と、
前記第2のスピーカー組立体から第2の濾過された空気流を受け取るように配置された、前記ノズルの反対側の第2の端部に設けられた第2の空気入口と、
前記ノズルから受け取った前記濾過された空気流を放出するように配置された空気出口と、を備え、
前記ノズルの第1の端部は、前記ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと前記第1のスピーカー組立体との間の磁気アタッチメントによって前記第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合されるように配置され、前記ノズルの第2の端部は、前記ノズルに設けられた更なるノズル・スピーカーコネクタと前記第2のスピーカー組立体との間の磁気アタッチメントによって、前記第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合される、ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気処理装置の分野に関する。より具体的には、ウェアラブル空気清浄機、特に、頭部装着空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
大気汚染はますます問題となっており、様々な大気汚染物質が人間の健康に有害な影響を及ぼしていることが分かっているか、疑いがある。大気汚染によって引き起こされる可能性のある悪影響は、汚染物質のタイプ及び濃度、並びに汚染された空気への暴露時間によって異なる。例えば、大気汚染レベルが高いと、心血管疾患や呼吸器疾患の悪化などの健康上の問題が直ちに発生する可能性があるが、長期間にわたって汚染された空気に晒されると、肺活量の喪失及び肺機能の低下などの永続的な健康への影響、並びに喘息、気管支炎、肺気腫、及び場合によっては癌などの病気の発症をもたらす可能性がある。
【0003】
大気汚染のレベルが特に高い場所では、多くの人々が、これらの汚染物質への暴露を最小限に抑えることの利点を認識しており、従って、汚染物質が口及び鼻に届く前に空気中に存在する汚染物質の少なくとも一部を濾過する目的でフェイスマスクを着用している。これらのフェイスマスクは、単に比較的大きなダスト粒子を濾過する基本的な防塵マスクから、空気がフィルタ要素又はカートリッジを通過する必要があるより複雑な濾過式呼吸保護具までに及ぶ。しかしながら、これらのフェイスマスクは通常、少なくともユーザの口及び鼻を覆うので、通常の呼吸をより困難にする可能性があり、またユーザが他の人と話す能力に問題を引き起こす可能性があり、従って、このようなフェイスマスクの潜在的な利点にもかかわらず、これらを日常的に使用することに対する抵抗感が幾分ある。
【0004】
その結果、ユーザが着用できるが、ユーザの口及び鼻を覆う必要のない空気清浄機を開発するための様々な試みがなされてきた。例えば、ユーザの首の周りに装着し、ユーザの口及び鼻に向かって上向きに配向される空気の噴流を生成するウェアラブル空気清浄機について、様々な設計が存在する。これらはより社会的に受け入れられる可能性があるが、一般に、最良のパフォーマンスを発揮する顔面装着フィルタに比べて、空中を浮遊する汚染物質へのユーザの暴露を制限するのにあまり効果的ではない。これは主として、空気の噴流をユーザの口及び鼻に送達する精度に欠けること、並びに濾過されていない空気の流れがユーザの口及び鼻に到達できることに起因する。
【0005】
国際公開第2017/120992号、中国特許出願公開第103949017号明細書、韓国特許第10-1796969号公報、及び中国実用新案第203852759号明細書は全て、フェイスマスクと首装着清浄機の両方に対する代替形態を提供する頭部装着浄化装置について記載している。国際公開第2017/120992号、中国特許出願公開第103949017号明細書、及び韓国特許第10-1796969号公報の各々は、ヘッドバンドの反対側にイヤホンのペアと、イヤホンの一方から延びるアームの端部に設けられたマイクロホンとを有するヘッドセットについて記載している。
【0006】
国際公開第2017/120992号では、別個の空気濾過ユニット(5)が、パイプ(6)によって、マイクロホン(2)を支持するアームに設けられた空気出口(1)に接続されている。濾過された空気は、空気濾過ユニット(5)によって生成され、パイプ(6)を介してポンプ送給され、空気出口(1)から排出される。この頭部装着清浄機は、従来のヘッドセットの形態をしており、ユーザの口及び鼻を完全に覆うわけではなく、従って、フェイスマスクよりも社会的に受け入れられる可能性が高い。加えて、従来のマイクロホンアームの端部に空気送給出口を設けることにより、この頭部装着清浄機は、首装着清浄機よりも、ユーザの鼻及び口に清浄な空気をより正確に送給することができるようになる。しかしながら、この頭装着型清浄機では、少なくない量の未濾過空気がユーザの口及び鼻に依然として届くことができる。更に、別個の空気濾過ユニットが必要なため、清浄機がより複雑で、ユーザにとって煩雑になる。
【0007】
中国特許出願公開第103949017号明細書では、ファン(6)がイヤホン(8)の1つに組み込まれ、このファン(6)は、ダクト(7)を介して、マイクロホン(3)を支持するアームの端部に設けられた空気浄化装置(5)に空気をポンプ送給するのに使用される。この頭部装着清浄機は、ヘッドセットに空気清浄機能を組み込んでいるが、ファンによって供給される空気から汚染物質を濾過するためと、濾過された空気をユーザに送給するための両方に利用できるスペースが小さいことに起因して、空気浄化及び送給性能は限定的である。特に、利用可能な小さなスペースは、利用可能なフィルタエリアが小さいことに起因して、最大流量及び濾過効率の両方を大幅に制限することになる。更に、国際公開第2017/120992号に記載されている頭部装着清浄機と同様に、この頭部装着清浄機は、大量の未濾過の空気がユーザの口及び鼻に到達することを依然として可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2017/120992号
【文献】中国特許出願公開第103949017号明細書
【文献】韓国特許第10-1796969号公報
【文献】中国実用新案第203852759号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来のウェアラブル空気清浄機と比較したときに、改善された空気浄化及び空気送給性能を提供するウェアラブル空気清浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様によれば、ヘッドウェアラブル空気清浄機を含む空気処理装置が提供される。ヘッドウェアラブル空気清浄機は、ユーザの第1の耳に装着するように配置された第1のスピーカー組立体と、ユーザの第2の耳に装着するように配置された第2のスピーカー組立体とを備える。第1のスピーカー組立体は、スピーカー、フィルタ組立体、フィルタ組立体を通る空気流を生成するための空気流発生器、及び第1のスピーカー組立体から濾過された空気流を放出するためフィルタ組立体の下流側の空気出口を備える。ヘッドウェアラブル空気清浄機は更に、第1のスピーカー組立体の空気出口から濾過された空気流を受け取るように配置された空気入口と、ヘッドウェアラブル空気清浄機から受け取った濾過空気流を放出するように配置された空気出口とを有するノズルを備え、ノズルは、ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと、第1のスピーカー組立体に設けられたスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメント又はカップリングによって、第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合される。ノズルが第1のスピーカー組立体に結合されると、ノズルの空気入口は、第1のスピーカー組立体の空気出口と位置合わせされる。空気流発生器は、モータ駆動インペラを備えることができる。
【0011】
ノズルは、分離可能な接続によって第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合することができる(すなわち、ノズルは、第1のスピーカー組立体への分離可能な接続を有する)。分離可能な接続は、ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと、第1のスピーカー組立体に設けられたスピーカー・ノズルコネクタとを含むことができる。次に、ノズル・スピーカーコネクタは、スピーカー・ノズルコネクタに取り外し可能に結合するように配置することができる。ノズルの空気入口は、ノズル・スピーカーコネクタによって提供され、第1のスピーカー組立体の空気出口は、スピーカー・ノズルコネクタによって提供することができる。
【0012】
ノズル・スピーカーコネクタ及びスピーカー・ノズルコネクタの一方は、オスコネクタ要素を含むことができ、ノズル・スピーカーコネクタ及びスピーカー・ノズルコネクタの他方は、オスコネクタ要素を受けるように配置されたメスコネクタ要素を含むことができる。オスコネクタ要素は、メスコネクタ要素内に配置されたときに回転できるように配置することができる。オスコネクタ要素とメスコネクタ要素の両方は、環状とすることができる。ノズル・スピーカーコネクタは、ノズルの空気入口の周りに延在し且つ空気入口を定めるオスコネクタ要素を含むことができ、スピーカー・ノズルコネクタは、第1のスピーカー組立体の周りに延在し且つ空気出口を定めるメスコネクタ要素を含むことができる。ノズルの空気入口と第1のスピーカー組立体の空気出口の両方は、円形の断面を有することができる。
【0013】
磁気アタッチメント又はカップリングは、少なくとも1つの磁石と磁性材料との間の協働によって提供することができ、磁石は、ノズル・スピーカーコネクタ及びスピーカー・ノズルコネクタのうちの一方に設けられ、磁性材料は、ノズル・スピーカーコネクタとスピーカー・ノズルコネクタの他方に設けられる。
【0014】
スピーカー・ノズルコネクタは、磁性材料のリングを含むことができ、ノズル・スピーカーコネクタは、少なくとも1つの磁石を含むことができる。ノズル・スピーカーコネクタは、ノズル・スピーカーコネクタの周りに半径方向に間隔を置いて配置された複数の磁石を含むことができる。ノズル・スピーカーコネクタは、環状の磁石を含むことができる。
【0015】
スピーカー・ノズルコネクタは、メスコネクタ要素を含むことができる。メスコネクタ要素は、磁性材料のリングを含むことができる。ノズル・スピーカーコネクタは更に、オスコネクタ要素の周囲に半径方向に間隔を置いて配置された複数の磁石を含むことができる。
【0016】
空気処理装置は更に、ノズルが第1のスピーカー組立体に結合された時点を検出するように構成されたセンサと、ノズルのノズルが第1のスピーカー組立体に結合されていない時点をセンサが検出したときに、モータを停止するように構成された制御回路とを備えることができる。
【0017】
第2のスピーカー組立体は、スピーカー、フィルタ組立体、フィルタ組立体を通じて空気流を生成するためのインペラ、インペラを駆動するように配置されたモータ、及び第2のスピーカー組立体から濾過された空気流を放出するためのフィルタ組立体の下流側の空気出口を含むことができる。第1のスピーカー組立体と第2のスピーカー組立体は、実質的に同じとすることができる。次に、ノズルは、第1のスピーカー組立体及び第2のスピーカー組立体の両方の空気出口から濾過された空気流を受け取るように配置することができ、ノズルは、ヘッドウェアラブル空気清浄機から受け取った濾過された空気流を放出するように配置された空気出口を備える。次に、ノズルは、第2のスピーカー組立体の空気出口からの濾過された空気流を受け取るように配置された更なる空気入口を含むことができ、ノズルは、第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合されている。ノズルが第2のスピーカー組立体に結合されている場合、ノズルの更なる空気入口は、第2のスピーカー組立体の空気出口と位置合わせすることができる。空気入口は、ノズルの第1の端部によって提供することができ、更なる空気入口は、ノズルの反対側の第2の端部によって提供することができる。
【0018】
ノズルは、ノズルに設けられた更なるノズル・スピーカーコネクタと、第2のスピーカー組立体に設けられた更なるスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメント又はカップリングによって、第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合することができる。ノズルは、分離可能な接続によって第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合することができる(すなわち、ノズルは、第2のスピーカー組立体への分離可能な接続を有する)。更なる分離可能な接続は、ノズルに設けられた更なるノズル・スピーカーコネクタ、及び第2のスピーカー組立体に設けられた更なるスピーカー・ノズルコネクタを含むことができる。追加のノズル・スピーカーコネクタは、追加のスピーカー・ノズルコネクタに取り外し可能に結合するように配置することができる。ノズルの更なる空気入口は、更なるノズル・スピーカーコネクタによって提供することができ、第2のスピーカー組立体の空気出口は、更なるスピーカー・ノズルコネクタによって提供することができる。
【0019】
更なるノズル・スピーカーコネクタ及び更なるスピーカー・ノズルコネクタの一方は、オスコネクタ要素を含むことができ、更なるノズル・スピーカーコネクタ及び更なるスピーカー・ノズルコネクタの他方は、オスコネクタ要素を受け入れるように配置されたメスコネクタ要素を含むことができる。
【0020】
第1のスピーカー組立体は、ヘッドバンドの第1の端部に取り付けることができ、第2のスピーカー組立体は、ヘッドバンドの反対側の第2の端部に取り付けることができ、ヘッドバンドは、ユーザの頭部に装着されるように配置される。
【0021】
第2の態様によれば、ヘッドウェアラブル空気清浄機を含む空気処理装置が提供される。ヘッドウェアラブル空気清浄機は、ユーザの第1の耳に装着するように配置された第1のスピーカー組立体と、ユーザの第2の耳に装着するように配置された第2のスピーカー組立体とを備える。第1のスピーカー組立体及び第2のスピーカー組立体は各々、スピーカー、フィルタ組立体、フィルタ組立体を通じて空気流を生成するための空空気流発生器、及びフィルタ組立体の下流側にある濾過された空気流を放出するための空気出口を備える。ヘッドウェアラブル空気清浄機は更に、ノズルの第1の端部に設けられ、第1のスピーカー組立体の空気出口から濾過された空気流を受け取るように配置された第1の空気入口と、ノズルの反対側の第2の端部に設けられ、第2のスピーカー組立体の空気出口から濾過された空気流を受け取るように配置された第2の空気入口と、ヘッドウェアラブル空気清浄機から受け取った濾過された空気流を放出するように配置された空気出口とを有するノズルを備える。ノズルの第1の端部は、ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと第1のスピーカー組立体に設けられたスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメントによって第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合され、ノズルの第2の端部は、ノズルに設けられた別のノズル・スピーカーコネクタと、第2のスピーカー組立体に設けられた別のスピーカー・ノズルコネクタとの間の磁気アタッチメントによって第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合される。空気流発生器は、モータ駆動のインペラを備えることができる。
【0022】
ノズルの第1の端部が第1のスピーカー組立体に結合されている場合、ノズルの第1の空気入口は、第1のスピーカー組立体の空気出口と位置合わせすることができ、ノズルの第2の端部が第2のスピーカー組立体に結合されている場合、ノズルの第2の空気入口は、第2のスピーカー組立体の空気出口と位置合わせすることができる。
【0023】
ノズルは、第1の分離可能な接続によって第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合することができ(すなわち、ノズルの第1の端部は、第1のスピーカー組立体への分離可能な接続を有する)、第2の分離可能な接続によって第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合することができる(すなわち、ノズルの第2の端部は、第1のスピーカー組立体への分離可能な接続を有する)。第1の分離可能接続及び第2の分離可能接続は各々、ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと、対応するスピーカー組立体に設けられたスピーカー・ノズルコネクタとを含むことができる。ノズル・スピーカーコネクタは、スピーカー・ノズルコネクタに取り外し可能に結合するように配置することができる。ノズル・スピーカーコネクタは、ノズルの対応する空気入口を提供することができ、スピーカー・ノズルコネクタは、対応するスピーカー組立体の空気出口を提供することができる。
【0024】
第3の態様によれば、ヘッドウェアラブル空気清浄機を備えた空気処理装置用のノズルが提供され、ヘッドウェアラブル空気清浄機は、ユーザの第1の耳に装着されるように配置された第1のスピーカー組立体と、ユーザの第2の耳に装着されるように配置された第2のスピーカー組立体とを備える。ノズルは、ノズルの第1の端部に設けられ、第1のスピーカー組立体から第1の濾過された空気流を受け入れるように配置されたた第1の空気入口と、ノズルの反対側の第2の端部に設けられ、第2のスピーカー組立体からの第2のフィルタ処理された空気流を受け入れるように配置された第2の空気入口とを含む。ノズルは更に、受け取った濾過された空気流をノズルから放出するように配置された空気出口を備える。ノズルの第1の端部は、ノズルに設けられたノズル・スピーカーコネクタと第1のスピーカー組立体との間の磁気アタッチメントによって第1のスピーカー組立体に取り外し可能に結合されるように配置され、ノズルの第2の端部は、ノズルに設けられた別のノズル・スピーカーコネクタと第2のスピーカー組立体との間の磁気アタッチメントによって、第2のスピーカー組立体に取り外し可能に結合される。
【0025】
ここで、本発明の実施形態を、一例として添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1a】本明細書に記載されたヘッドウェアラブル空気清浄機の一実施形態の正面斜視図である。
【
図1b】
図1aのヘッドウェアラブル空気清浄機の正面図である。
【
図1c】ヘッドバンド上にノズルが収納された、
図1aのヘッドウェアラブル空気清浄機の正面斜視図である。
【
図1d】
図1aのヘッドウェアラブル空気清浄機の側面図である。
【
図2】
図1aのヘッドウェアラブル空気清浄機の断面図である。
【
図3a】
図1aのヘッドウェアラブル空気清浄機のスピーカー組立体の側面図である。
【
図3b】
図1aのヘッドウェアラブル空気清浄機のスピーカー組立体の斜視図である。
【
図4】線A~Aに沿った
図1dのスピーカー組立体の断面図である。
【
図5a】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図5b】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図5c】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図5d】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図5e】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図5f】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図5g】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図5h】様々な構造レベルでの
図3a及び3bのスピーカー組立体の斜視図である。
【
図6a】
図3a及び3bのスピーカー組立体のインペラケーシングの斜視図である。
【
図6b】
図6aのインペラケーシングの断面図である。
【
図6c】
図6aのインペラケーシングの断面図である。
【
図6d】
図6aのインペラケーシングの断面図である。
【
図6e】
図6aのインペラケーシングの後部ケーシングセクションの斜視図である。
【
図6f】
図6aのインペラケーシングの前部ケーシングセクションの斜視図である。
【
図7】スピーカーハウジング内に取り付けられたインペラケーシングの上面図である。
【
図8】
図3a及び3bのスピーカー組立体のスピーカーシャーシの断面図である。
【
図9】弾性支持体を備えた
図6aのインペラケーシングの断面図である。
【
図11】
図1aのヘッドウェアラブル空気清浄機から取り外されたときのノズルの斜視図である。
【
図14a】本明細書に記載のヘッドウェアラブル空気清浄機の代替の実施形態の正面斜視図である。
【
図14b】ノズルが取り外された状態の
図14aのヘッドウェアラブル空気清浄機の正面斜視図である。
【
図14c】ノズルが取り外された状態の
図14aのヘッドウェアラブル空気清浄機の正面図である。
【
図15】
図14aのヘッドウェアラブル空気清浄機のノズルの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、従来のウェアラブル空気清浄機に比べて複数の利点を提供するヘッドウェアラブル空気清浄機について説明する。本明細書で使用される「空気清浄機」という用語は、空気から汚染物質を除去して、精製又は濾過された供給空気を放出することができるデバイス又はシステムを意味する。本明細書では、「ヘッドウェアラブル」という用語は、ユーザの頭部に装着可能又は装着するのに好適なアイテムを定義するのに使用される。
【0028】
ヘッドウェアラブル空気清浄機は、ヘッドバンドに取り付けられたスピーカー組立体のペアを含むヘッドホンシステムを含む。第1のスピーカー組立体は、ヘッドバンドの第1の端部に取り付けられ、第2のスピーカー組立体は、ヘッドバンドの反対側の第2の端部に取り付けられる。第1のスピーカー組立体及び第2のスピーカー組立体の一方又は両方は、フィルタ組立体、フィルタ組立体を通る空気流を生成するためのインペラ、インペラを駆動するように配置されたモータ、及びフィルタ組立体の下流にあってスピーカー組立体からの濾過された空気流を放出する空気出口を備えている。インペラは、略円錐形又は円錐台形を有する混合流インペラであり、インペラ及びモータの両方は、略円錐台形のインペラケーシング内に配置される。次に、ヘッドウェアラブル空気清浄機は更に、第1のスピーカー組立体及び第2のスピーカー組立体の一方又は両方から濾過された空気流を受け取るように配置されたノズルを含み、ノズルは、ヘッドウェアラブル空気清浄機から受け取った濾過された空気流を放出するように配置された空気出口を含む。
【0029】
本明細書で使用される「ヘッドホン」という用語は、ユーザの頭部又はその周囲に装着するように設計されたヘッドバンドによって連結される小型ラウドスピーカー又はスピーカーのペアを指す。通常、スピーカーは、電気信号を対応するサウンドに変換する電気音響トランスデューサによって提供される。フルサイズ又はオーバーイヤーヘッドホンと呼ばれることが多いサーカムオーラルヘッドホンは、耳全体を包み込むように閉ループ(例えば、円形、楕円形など)の形状のイヤパッドを有する。これらのヘッドホンは、耳の周りを完全に囲むので、サーカムオーラルヘッドホンは、頭を完全に密閉して外部ノイズを減衰させるように設計することができる。スープラオーラルヘッドホンは、オンイヤーヘッドホンと呼ばれることが多く、耳の周りではなく耳に押し付けるイヤパッドを有する。このタイプのヘッドホンは、一般的に、サーカムオーラルヘッドホンよりも小型で軽量となる傾向があり、結果として外部ノイズの減衰が低下することになる。
【0030】
本明細書で使用される「円錐形」という用語は、錐体の形状を有する物体を指す。本明細書で使用される「錐体」という用語は、平らな底面(必須ではないが、多くの場合は円形)から頂部又は頂点と呼ばれる点まで滑らかに先細になった3次元幾何学的形状を指す。通常、「錐体」という用語は、円形の底面と、底面の中心をその平面に対して直角に通過する軸を有する直円錐を指すのに使用される。錐体の底面の外周は「準線」と呼ばれ、直軸と頂点の間の各線は、錐体の円錐面の「母線」又は「生成線」である。本明細書で使用される「円錐台形」という用語は、フラストコーンの形状を有する物体を指す。本明細書で使用する「フラストコーン」という用語は、その頂点を含む領域が錐体の底面に平行な切断面によって切り取られたときに残る錐体の部分を指す。「フラストコーン」という用語は「円錐台」という用語の同義語であり、通常は、円形の底端部と円形の上端部とを有し、円形の底端部の直径が、円形の上端部の直径よりも大きい、直円錐台を指すのに使用され、切頭円錐面が底端部と上端部との間に延びる。
【0031】
図1a、1b及び1cは、ヘッドウェアラブル空気清浄機1000の一実施形態の外観図である。ヘッドウェアラブル空気清浄機1000は、弓状ヘッドバンド1200によって接続された略円筒形のスピーカー組立体1100a、1100bのペアと、スピーカー組立体1100a、1100bの間に延在し且つこれらの両方に両端で接続されたノズル1300と、を備える。
図2は、ヘッドバンド1200の軸線に沿った空気清浄機1000の断面図であり、弓状ノズル1300の軸線を通る断面を示しており、湾曲部の軸線は、湾曲部を直角に二等分し、湾曲部を2つの対称部分に分割する直線である。
図3aは、
図1a~1cの空気清浄機1000のスピーカー組立体1100の側面図を示し、
図3bは、
図1a~1cの空気清浄機1000のスピーカー組立体1100の斜視図を示し、
図4は、線A-Aに沿った
図3のスピーカー組立体1100の断面図である。
【0032】
図示の実施形態では、ヘッドバンド1200の各端部は、ヘッドバンド1200に垂直である弓状支持アーム1201a、1201bを備えている(すなわち、弓状ヘッドバンド1200の長さに平行な平面が、弓状支持アーム1210の長さに平行な平面に垂直であるようになる)。各支持アーム1201a、1201bの第1の端部は、支持アーム1201a、1201bがヘッドバンド1200から後方且つ下方に延びるように、ヘッドバンド1200の背面に取り付けられている。各支持アーム1201a、1201bの反対側の第2の端部には、前方に向いたソケット又はガジオン1202a、1202bが設けられている。
【0033】
次に、
図3aに示されるように、円筒形スピーカー組立体1100の各々は、スピーカー組立体1100の外面から突出する取付突起又はピントル1101を備えている。支持アーム1201の各々に設けられたソケット/ガジオン1202a、1202bは、対応するスピーカー組立体1100の外面から突出する突起/ピントル1101を受け入れて保持するように構成されている。従って、支持アーム1201に設けられたソケット1202内の突起1101の係合は、ヘッドバンド1200の端部に取り付けられたときにスピーカー組立体1100を枢動可能に支持するジンバル又はヒンジを形成する。
【0034】
図4に示されるように、スピーカー組立体1100のペアの各々は、空気入口1103及び空気出口又は排出ポート1104を有するスピーカーハウジング又はエンクロージャ1102、ハウジング1102内のスピーカー又はドライバユニット1105、及びスピーカー1105を囲みユーザの耳を包囲又は押し付けるように配置されたイヤパッド1106を更に備える。更に、スピーカー組立体1100のペアの各々は、スピーカーハウジング1102内のフィルタ組立体1107と、スピーカーハウジング1102内のインペラケーシング1108とを更に備える。インペラケーシング1108内には、フィルタ組立体1107を通る空気流を生成するためのインペラ1190と、インペラ1190を駆動するように配置されたモータ1110とが配置される。空気出口又は排出ポート1104は、フィルタ組立体1107の下流(すなわち、インペラ1109によって生成される空気流に対して)にあり、スピーカー組立体1100から濾過/精製された空気流を放出するように配置されている。図示の実施形態では、各スピーカー組立体1100の空気出口又は排出ポート1104は、スピーカー組立体1100の側部に設けられ、ヘッドバンド1200の端部に取り付けられたときに、両方のスピーカー組立体1100a、1100bの空気出口又は排出ポート1104は、互いに略平行である。
【0035】
図5aから5hは、様々な構造レベルでの
図2のスピーカー組立体の斜視図である。
図4及び
図5aから5dに示されるように、スピーカーハウジング1102は、スピーカー/ドライバユニット1105が取り付けられるスピーカーシャーシ1111と、スピーカー1105上でスピーカーシャーシ1111に取り付けられる略円錐台形のスピーカーカバー1112とを備える。図示の実施形態では、スピーカーシャーシ1111は、円筒形の外側壁1111bと外側壁1111b内に同心円状に隣接して配置された弓状の内側壁1111cとによって囲まれる略円形のベース1111aを備え、弓状の内側壁1111cと円筒形の外側壁1111bの隣接する部分との間に弓状のスロットが定められるようになる。次に、空気出口又は排出ポート1104は、弓状の内側壁1111c及び円筒形の外側壁1111bの両方に形成された、対応する整列した開口によって定められる。
【0036】
ベース1111aの中央部分は、スピーカー/ドライバユニット1105を配置することができるドライバ支持プレート1111dを提供する。スピーカーシャーシ1111のドライバ支持プレート1111dは、スピーカー/ドライバユニット1105によって生成されたサウンドがスピーカーシャーシ1111を通過してイヤパッド1106によって囲まれた空間に入ることができるようにするためのアパーチャのアレイを備えている。また、ドライバ支持プレート1111dは、スピーカーシャーシ1111のベース1111aの周辺部分に対して角度が付けられ、又は傾斜している。ドライバ支持プレート1111dの角度又は傾斜は、ヘッドウェアラブル空気清浄機1000が、ユーザの耳を覆ってスピーカー組立体1100と共にユーザの頭部に装着されたときに、スピーカー/ドライバユニット1105が耳と実質的に平行になるように選択される。例えば、図示の実施形態では、ベース1111aの周辺部分に対するドライバ支持プレート1111dの角度は、10度から15度である。
【0037】
スピーカーシャーシ1111はまた、少量の空気がスピーカー組立体1100の外側とスピーカー/ドライバユニット1105の後方空間との間を通過することを可能にするように構成された複数のポート1111eを備えることができる。図示の実施形態では、ポート1111eは、スピーカーシャーシ1111のベース1111aに設けられ、ドライバ支持プレート1111dを提供する中央部分に隣接したスピーカーシャーシ1111内の点からベース1111aを通って円筒形の外側壁1111bの外面に延びる。
【0038】
更に、アクティブノイズキャンセリング(ANC)用のフィードバックマイクロホン1113をスピーカーシャーシ111に設けることができる。フィードバックマイクロホン1113は、制御回路1114にデータを提供するように配置され、制御回路1114は、スピーカー/ドライバユニット1105を制御する際にアクティブノイズキャンセリング(ANC)を実施するように構成される。図示の実施形態では、フィードバックマイクロホン1113は、ドライバ支持プレート1111cに設けられた対応するアパーチャ1111f内に配置されている。アクティブノイズキャンセリング(ANC)アプリケーションでは、フィードバックマイクロホン1113が、スピーカー/ドライバユニット1105に隣接するイヤパッド1106の内部に設けられており、ユーザに到達するサウンドを取得して、何れかの望ましくないノイズを識別して相殺することができるようにする。スピーカー組立体1100にフィードバックマイクロホン1113を備えるようにすることは、モータ1110及び/又はインペラ1109によって生成されたノイズがフィードバックマイクロホン1113によって検出されて、他の何れかの望ましくない背景ノイズ又は周囲ノイズと共に相殺できるので、特に有用である。
【0039】
図示の実施形態では、制御回路1114は、スピーカーシャーシ1111の周辺部分に配置又は取り付けられている。従って、制御回路1114は、スピーカー/ドライバユニット1105がドライバ支持プレート1111dに取り付けられているときに、スピーカー/ドライバユニット1105を少なくとも部分的に取り囲む(すなわち、スピーカー/ドライバユニット1105の周辺の外部/付近に配置される)。図示の実施形態では、制御回路1114は、2つの弓状回路基板1114a、1114bを備えるが、しかしながら、代替の構成では、制御回路1114は、3以上の弓状回路基板又は単一の弓状もしくは環状の回路基板を等しく備えることができる。
【0040】
制御回路1114は、ユーザから受け取った制御入力に基づいて、モータ1110及びスピーカー/ドライバユニット1105の両方を制御する。制御回路1114はまた、清浄機1000がWi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)又は他の形態の無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を使用して1又は2以上の無線ネットワークに接続可能にする1又は2以上の無線通信モジュールを提供する。その後、清浄機1000のユーザは、パーソナルコンピュータデバイスを使用して、清浄機1000と無線で接続及び通信することができ、これにより清浄機1000との間でデータを送受信し、ユーザ入力などを提供することができる。制御回路1114はまた、タッチスクリーン及び/又は清浄機1000に設けられ及び/又はユーザがアクセス可能な1又は2以上の物理的ユーザ制御デバイス(図示せず)への有線接続(図示せず)を有することができる。
【0041】
スピーカー組立体1100はまた、スピーカーハウジング1102から延在し、スピーカー組立体1100の空気出口1104をノズル1300の空気入口に接続するように配置された中空の剛体出口ダクト1115を備えている。剛体出口ダクト1115は更に、スピーカーハウジング1102の周囲の少なくとも一部の周りで、スピーカーハウジング1102に対して回転できるように更に配置され、その結果、ノズル1300とヘッドバンド1200との間の角度を変更することができ、
図1cに示されるように、使用されていないときにノズル1300をヘッドバンド1200上に収納できるようにする。
【0042】
有利には、スピーカー組立体1100は、スピーカーハウジング1102の周囲の周りの剛体出口ダクト1115の回転がインペラケーシング1108から独立し、その結果、スピーカーハウジング1102とインペラケーシング1108の両方に対して回転できるように配置される。この配置は、スピーカーハウジング1102の内部にある構成要素がスピーカーハウジング1102に対して回転可能として、スピーカー組立体1100の構造を複雑になることを必要とせずに、使用されていないときにノズル1300をヘッドバンド1200に向かって回転させ、ヘッドバンド1200上に収納できるようにする。
【0043】
更に、スピーカー組立体1100は、スピーカーハウジング1102の周囲の周りの剛体出口ダクト1115の回転により、剛体出口ダクト1115がイヤパッド1106から離れて移動させるように配置されている。この配置は、ノズル1300がヘッドバンド1200に向かって回転すると、第1のスピーカー組立体1100a及び第2のスピーカー組立体1100bの各々から延びる剛体出口ダクト1115が互いに離れるように移動し、収納位置にあるときに、ノズル1300の両端が外に広がり/離間して広がって、ノズル1300がヘッドバンド1200に適合できるようになる。好ましくは、スピーカー組立体1100は、スピーカーハウジング1102の周囲の周りの剛体出口ダクト1115の回転により、剛体出口ダクト1115がその長手方向軸の周りに回転して、ノズル1300の両端を更に広げるように配置される。回転時のノズル1300のこの広がりは、使用時にノズル1300がユーザの顔により密接に適合することができ、収納位置に移動すると拡張して、ノズル1300をヘッドバンド1200に適合させることができるので有利である。
【0044】
図示の実施形態では、剛体出口ダクト1115は、第1の端部位置と第2の端部位置との間で回転できるように配置されている。第1の端部位置では、
図1aに示されるように、剛体出口ダクト1115は、スピーカー組立体1100の空気出口1104とほぼ位置合わせされている。具体的には、第1の端部位置において、剛体出口ダクト1115の第1の開放端部(すなわち、スピーカー組立体1100の空気出口1104に近位/隣接した)は、スピーカー組立体1100の空気出口1104とほぼ位置合わせされ、スピーカー組立体1100の空気出口1104から放出された空気流が、剛体出口ダクト1115に入ることになる。第2の端部位置では、剛体出口ダクト1115は、ヘッドバンド1200と略平行であり、従って、
図1cに示されるように、スピーカー組立体1100の空気出口1104と位置合わせされない。従って、清浄機1000はまた、第1のスピーカー組立体1100a及び第2のスピーカー組立体1100bの一方又は両方の剛体出口ダクト1115が対応する空気出口1104と位置合わせされていないことを検出して、自動的にモータ1110をオフにするセンサ(図示せず)を備えている。
【0045】
スピーカー組立体1100a、1100bからの清浄化された空気の流れを維持しながら、ヘッドバンド1200に対するノズル1300の位置を調整できるようにするために、剛体出口ダクト1115の第1の開放端部の角度拡張は、スピーカー組立体1100の空気出口1104の拡張よりも大きい。これにより、剛体出口ダクト1115が第1の端部位置から小さな角度/距離だけ回転した場合でも、剛体出口ダクト1115とスピーカー組立体1100の空気出口1104との間の流体接続を維持できるようになる。例えば、図示の実施形態では、剛体出口ダクト1115の弓状の第1の開放端部の中心角は、スピーカー組立体1100の弓状の空気出口1104の中心角よりも10度から15度大きい。
【0046】
図示の実施形態では、剛体出口ダクト1115の第1の開放端部は、剛体出口ダクト1115の第1の開放端部の周囲の周りに突出し、弓状内側壁1111cと円筒形の外側壁1111bの隣接部分との間に定められる弓状スロット内で適合及び滑動するように配置されたフランジ(図示せず)を備えている。従って、弓状スロット内での剛体出口ダクト1115の滑動は、インペラケーシング1108の対応する回転なしに、スピーカーハウジング1102の周囲の一部の周りの剛体出口ダクト1115の回転をもたらす。
【0047】
従って、空気出口1104を部分的に定める円筒形の外側壁1111bに形成されたアパーチャは、スピーカーハウジング1102の円周の周りに部分的に延びて、スピーカーハウジング1102の一部の周囲の周りでの剛体出口ダクト1115の回転を案内するトラック1146を定める。トラック1146は、第1の端部位置から第2の端部位置まで延びるときにイヤパッド1106から離れて移動するように配置され、ノズル1300がヘッドバンド1200に向かって回転すると、第1のスピーカー組立体1100a及び第2のスピーカー組立体1100bの各々から延びる剛体出口ダクト1115が互いに離れて移動するようになる。その結果、
図1cに示すように、ノズル1300がヘッドバンド1200に向かってこのように回転することにより、ノズル1300の両端が外に広がり/離間して広がり、収納位置にあるときにノズル1300がヘッドバンド1200に適合するようになる。
【0048】
次に、略円錐台形のスピーカーカバー1112は、スピーカー/ドライバユニット1105がスピーカーカバー1112によって覆われるように、ドライバ支持プレート1111cの全体にわたってスピーカーシャーシ1111に取り付けられる。図示の実施形態では、スピーカーカバー1112は、ドライバ支持プレート1111cのみを覆うように配置され、ベース1111aの周辺部分及びその上に取り付けられた2つの弓状回路基板1114a、1114bが、スピーカーカバーで覆われないが、ポート1111eの内端がスピーカーカバー1112によって覆われるようにする。図示の実施形態では、スピーカーカバー1112は、スピーカーカバー1112の振動を最小限に抑えるためにスピーカーカバー1112の剛性を高める複数の凹状の窪み又はディンプル112aで形成されている。
【0049】
図4、5e及び5fに示されるように、次に、インペラ1190及びモータ1110の両方を含む略円錐台形のインペラケーシング1108は、スピーカー/ドライバユニット1105が、インペラケーシング1108の後部/後部によって定められた窪み又はキャビティ内に入れ子になるように、スピーカーカバー1112上に配置される。従って、スピーカーカバー1112及びスピーカー/ドライバユニット1105は両方とも、インペラケーシング1108の背面/後部によって定められる凹部内に部分的に配置される。
【0050】
図6aは、インペラ1190及びモータ1110を含まないインペラケーシング1108の斜視図を示し、
図6bは、
図6aの断面図である。
図6cは、インペラ1109及びモータ1110を含まないインペラケーシング1108の断面側面図であり、
図6dは、インペラ1109とモータ1110の両方が内部に配置されたインペラケーシング1108の断面側面図である。インペラケーシング1108は、略円錐台形であり、インペラケーシング1108の背面/裏面は、開いた大径端部と閉じた小径端部とを有する略円錐台形の窪み1116を定める。窪み1116の開いた大径端部は、インペラ1109の後縁に近接しており、一方、窪み1116の閉じた小径端部は、インペラ1190の前縁に近接している。
【0051】
具体的には、インペラケーシング1108は、インペラ1109及びモータ1110を取り囲む略円錐台形のインペラハウジング1117と、インペラハウジング1117のベースに流体接続され、インペラハウジング1117空気から排出される空気を受け入れるように配置された環状渦巻き部1118とを備える。インペラハウジング1117の背面/後面は、略円錐台形の窪み1116の内部を定め、窪み1116の閉じた小径の端部を備える。インペラハウジング1117は、インペラ1190によって空気を引き込むことができる空気入口1119と、空気がインペラハウジング1117から環状渦巻き部1118に放出される空気出口1120とを備えている。インペラハウジング1117の空気入口1119は、インペラハウジング1117の小径端部のアパーチャ/開口によって提供され、空気出口1120は、インペラハウジング1117の大径端部又は基部の周りに形成された環状スロットによって提供される。図示の実施形態では、インペラハウジング1117の空気出口1120とインペラハウジング1117の中心軸(X)との間の角度(θ2)は約54度であるが、この角度(θ2)は、40から70度とすることができ、好ましくは45から65度であり、より好ましくは50から60度である。
【0052】
環状渦巻き部1118は、インペラハウジング1117から排出された空気を受け取り、空気を渦巻き部1118の空気出口1131に導くように配置されたらせん状(すなわち、徐々に広がる)ダクトを備える。次に、渦巻き部1118の空気出口1131は、スピーカー組立体1100の空気出口1104に流体接続される。本明細書で使用される「渦巻き部」という用語は、インペラによってポンプ送給される流体を受け取り、排出ポートに近づくにつれて面積が増加するスパイラルファンネルを指す。従って、渦巻き部1118の空気出口1131は、インペラハウジング1117の空気出口1120を形成する円周環状スロットから排出される空気を収集するための効率的で静かな手段を提供する。図示の実施形態では、環状渦巻き部1118は、部分的に平面の前面1118aを含み、インペラハウジング1117の中心軸に対する渦巻き部の前面1118aの平面部分の角度は鋭角である。従って、環状渦巻き部1118は、非円形の断面を有する。図示の実施形態では、渦巻き部1118の前面の平面部分とインペラハウジング1117の中心軸(X)との間の角度(θ3)は約60度である。しかしながら、この角度(θ3)は、40から70度とすることができ、好ましくは45から65度であり、より好ましくは50から60度である。図示の実施形態では、環状渦巻き部1118は更に、部分的に平面の背面/後面1118bを含み、背面/後面1118bの平面部分は、インペラハウジング1117の中心軸(X)に略垂直である。
【0053】
図6aから6dに示される実施形態では、インペラケーシング1108は、背部/後部ケーシングセクション1122に取り付けられた前部ケーシングセクション1121を備え、インペラハウジング1117及び渦巻き部1118が互いに一体的に形成されるようにする。従って、
図6eは、背部/後部ケーシングセクション1122の斜視図を示し、一方、
図6fは、前部ケーシングセクション1121の斜視図を示している。
【0054】
図6dに示すように、インペラ1109及びモータ1110は、前部ケーシングセクション1121と背部/後部ケーシングセクション1122との間に配置され、その結果、インペラ1109及びモータ1110は、前部ケーシングセクション1121及び背部/後部ケーシングセクション1122の間に定められた空間内に収納/収容される。従って、前部ケーシングセクション1121は、インペラ1109の前部を覆って配置されるように構成され、背部/後部ケーシングセクション1122は、インペラ1109及びモータ1109の背面に配置されるように構成される。特に、前部ケーシングセクション1121と後部ケーシングセクション1122の両方は、略円錐台形であり、前部ケーシングセクション1121は、インペラ1109の前部にぴったりと適合するように構成され、一方、後部ケーシングセクション1122は、インペラ1109の背面に略共形となり、同時にモータ1110を収容するためのスペースを提供する。従って、前部ケーシングセクション1121はまた、インペラケーシング1108の空気入口1119を提供するアパーチャを含み、一方、後部ケーシングセクション1122は、略円錐台形の窪み1116を定めるインペラケーシング1108の背面/後面を形成する。
【0055】
図6eに示されるように、後部ケーシングセクション1122は、略円形であり、中央に円形の貫通穴1124が設けられた略円錐台形に隆起した中央部分1123を備える。後部ケーシングセクション1122はまた、リム1125の第1の端部とリム1125の反対側の第2の端部との間にギャップが存在するように、後部ケーシングセクション1122の周囲の約4分の3付近に延びる隆起したリム1125を備えている。従って、隆起した中央部分1124及び隆起したリム1125は、これらの間に、リム1125の第1の端部とリム1125の第2の端部との間のギャップによって提供される開口に向かって外向きにらせん状となる(すなわち、徐々に広がる)窪み又はトラフ1126を定める。
【0056】
図6fに示されるように、前部ケーシングセクション1121はまた、略円形であり、中央に円形の貫通穴1128が設けられた略円錐台形に隆起した中央部分1127を備える。次に、前部ケーシングセクション1121は、らせん状の窪み1129により前部ケーシングセクション1121の周囲の周りに形成されたリム1130のギャップによって提供される開口に向かって隆起した中央部分1127の周りで外向きにらせん状になった(すなわち、徐々に広がる)圧痕又は窪み1129を備える。リム1130は、前部ケーシングセクション1121の周囲の約4分の3に延び、リム1130の第1の端部とリム1130の反対側の第2の端部との間にギャップが形成されるようにする。
【0057】
上記のように、前部ケーシングセクション1121及び後部ケーシングセクション1122によって形成されるインペラハウジング1117は、インペラ1190及びモータ1110を収容する。従って、図示の実施形態では、インペラ1109及びモータ1110は、後部ケーシングセクション1122の円錐台形の隆起した中央部分1123及び前部ケーシングセクション1121の円錐台形の隆起した中央部分1127によって定められるインペラハウジング1117内に収容される。後部ケーシングセクション1122の円錐台形の隆起した中央部分1123と前部ケーシングセクション1121の円錐台形の隆起した中央部1127との間の空間は、インペラ1109とモータ1110を収容するのに十分であり、インペラ1109が前部ケーシングセクション1121の円錐台形の隆起した中央部分1127の内面に近接しているが、接触していないような形状にされる。従って、後部ケーシングセクション1122の円錐台形に隆起した中央部分1123の中心は、モータ1110が配置されるモータ支持シートを提供し、一方、前部ケーシングセクション1121の中央に提供される円形貫通穴1128は、インペラ1190によって空気をインペラケーシング1108に引き込むことができる空気入口1119を提供する。
【0058】
次に、前部ケーシングセクション1121及び後部ケーシングセクション1122が互いに接続されて渦巻き部1118の空気出口1131を形成するときに、前部ケーシングセクション1121及び後部ケーシングセクション1122のリム1130、1125にそれぞれ形成されたギャップは、互いに位置合わせされ、渦巻き部1118の空気出口1131は、スピーカー組立体1100の空気出口1104に流体接続される。また、前部ケーシングセクション1121及び後部ケーシングセクション1122が互いに接続されると、後部ケーシングセクション1122に形成されるらせん状窪み1126と前部ケーシングセクション1121に形成されるらせん状圧痕1129が一体となって、インペラハウジング1117から排出された空気を受け取り、空気を渦巻き部1118の空気出口1131に導くように配置された渦巻き部1118の螺旋ダクトを定める。
【0059】
上記のように、インペラ1109は、略円錐形又は円錐台形の混合流インペラである。インペラ1190は、中空であり、インペラ1109の背面/裏面は、開いた大径端部と閉じた小径端部とを有する略円錐台形の窪み1132を定める。窪み1132の開いた大径端部は、インペラ1109の後縁に近接しており、窪みの閉じた小径端は、インペラ1109の前縁に近接している。次に、モータ1110は、窪み1132の閉じた小径端部内に入れ子/配置される。好ましくは、インペラ1190は、セミオープン/セミクローズド混合流インペラであり、すなわち、後部シュラウド1133のみを有する。次に、インペラの後部シュラウド1133は、モータ1110が入れ子/配置される窪み1132を定める。図示の実施形態では、モータ1110は、制御回路1114によって可変の速度を有するDCブラシレスモータである。
【0060】
図示の実施形態では、インペラ1109の後縁とインペラ1109の中心軸(X)との間の角度は、インペラハウジング1117の空気出口1120とインペラハウジング1117の中心軸(X)との間で定められる角度(θ2)に対応する/同じである。従って、インペラ1190の後縁とインペラ1109の中心軸(X)との間の角度(θ2)は約54度であるが、この角度(θ2)は、40から70度とすることができ、好ましくは45から65度であり、より好ましくは50から60度である。
【0061】
図示の実施形態では、インペラ1109の後部シュラウド1133は、前縁から後縁に向かって外側に広がるか又はフレア状になるように湾曲している。特に、図示の実施形態では、インペラ1109の後部シュラウド1133の閉じた小径端部は、略円筒形であり、これは、略円筒形のモータ1110にぴったりと適合する。従って、閉じた小径端部に隣接するインペラ1109の後部シュラウド1133の部分は、略円筒形の小径端部を定めるように、インペラ1109の中心軸(X)と略平行である。次に、インペラ1109の後部シュラウド1133は、中心軸(X)に対するインペラ1109の後部シュラウド1133の角度が、インペラ1109の後縁に向かって徐々に増加するように、外向きに湾曲する。
【0062】
次に、インペラケーシング1108は、インペラケーシング1108からスピーカーハウジング1102への振動の伝達を低減する複数の弾性支持体1134によって、スピーカーハウジング1102内に支持/懸下される。このために、複数の弾性支持体1134は各々、エラストマー又はゴム材料などの弾性材料を含む。図示の実施形態では、スピーカーハウジング1102とインペラケーシング1108との間の唯一の直接接続が、弾性支持体1134によって提供される。
【0063】
図示の実施形態では、複数の弾性支持体1134は、3つの下部弾性支持体1134a、1134b及び3つの上部弾性支持体1134cを備える。3つの下部弾性支持体1134a、1134bは、スピーカーハウジング1102の内面/側壁とインペラケーシング1108の外面との間で半径方向に延びる。具体的には、3つの下部弾性支持体1134a、1134bは、スピーカーハウジング1102の内面/側壁と環状渦巻き部1118の外周面との間で半径方向に延びる。次に、3つの上部弾性支持体1134a、1134bは、インペラケーシング1108の外面と、インペラケーシング1108上に配置されたフィルタ組立体1107の下面との間で半径方向に延び、これについては、以下でより詳細に説明する。
【0064】
次に、3つのより低弾性支持体のうちの2つは各々、半径方向に減衰するプロファイルダンパー1134aを備える。本明細書で使用される「プロファイルダンパー」という用語は、デバイスのプロファイルの変形によって運動エネルギー、特に振動を放散するように配置されたデバイスを指す。従って、半径方向に減衰するプロファイルダンパーは、半径方向に変形するように配置されたプロファイルダンパーであり、軸方向に減衰するプロファイルダンパーは、軸方向に変形するように配置されたプロファイルダンパーである。
【0065】
図7及び8に示されるように、各半径方向に減衰するプロファイルダンパー1134aは、スピーカーハウジング1102の内面/側壁に接続/取り付けられ、次いでインペラケーシング1108の外面を押し付け/圧縮する弾性材料の管体を備える。特に、弾力性材料の管体は、管体の外面の第1の位置でスピーカーハウジング1102の内面/側壁に接続/取り付けられ、次いで、管体の外面の正反対の第2の位置でインペラケーシング1108の外面を押し付け/圧縮する。図示の実施形態では、各半径方向に減衰するプロファイルダンパー1134aは、矩形の断面を有する弾性材料の非円形管体を含むが、各プロファイルダンパーは、代替として、円形又は他の四角形断面を有する弾性材料の管体を含むことができる。
【0066】
図7及び9に示されるように、次に、下部弾性支持体の3番目は、インペラケーシング1108の空気出口1131の周りに密封され(例えば、インペラケーシング1108の空気出口1131を囲む表面に又はそれに対して密封され)、インペラケーシング1108の空気出口1131からスピーカーハウジング1102の空気出口1104に向かって延びる弾性ダクト1134bによって提供される。弾性ダクト1134bはまた、スピーカーハウジング1102の空気出口1104の周りにシールを形成し、その結果、インペラ1109によって生成された空気流は、インペラケーシング1108からスピーカーハウジング1102の空気出口1104を通って外部に運ばれる。図示の実施形態では、弾性ダクト1134bは、インペラケーシング1108の空気出口1131の周りに接続される接続部分1134b1と、スピーカーハウジング1102の空気出口1104を囲む表面に接触するように配置されてスピーカーハウジング1102の空気出口1104の周りにシールを形成するスカート部分1134b2とを備える。加えて、弾性ダクト1134bは更に、インペラケーシング1108からスピーカーハウジング1102への振動の伝達を低減するように構成された減衰部分1134b3を備える。この減衰部分1134b3は、弾性ダクト1134bの円周の周りに形成されたバルジ又は拡張部によって提供される一体型の軸方向減衰プロファイルダンパーを備える。
【0067】
次に、フィルタ組立体1107は、スピーカーシャーシ111に取り付けられ、フィルタ組立体1107がインペラ1109の上流に設けられ、インペラケーシング1108上に入れ子になるように配置されるようになる。フィルタ組立体1107は、1又は2以上のフィルタ要素1136、1137を支持するフィルタシート1135を備える。フィルタシート1135は、フィルタシート1135の前面からフィルタシート1135の背面/後面に空気が通過することを可能にする複数のアパーチャ1138を備えており、前面は、複数のアパーチャ1138にわたるフィルタ要素1136、1137を支持するように配置されている。次に、フィルタシート1135は更に、フィルタシート1135の背面/後面と、空気をインペラケーシング1108の空気入口1119に導くように配置されたインペラケーシング1108の空気入口1119との間に空気通路又はチャネル1139を定める。この空気通路1139は、フィルタシート1135の背面/後面とインペラケーシング1108の前面との間に定められたキャビティによって提供される。従って、空気は、フィルタシート1135のアパーチャ1138を通過して、インペラケーシング1108の空気入口1119につながる空気通路1139に入る前に、フィルタ要素1136、1137を通過しなければならない。
【0068】
図示の実施形態では、フィルタシート1135は、スピーカーシャーシ1111に取り付けられ、インペラハウジング1117の上に配置され、インペラハウジング1117は、フィルタシート1135の背面によって定められる容積内に部分的に配置される。特に、フィルタシート1135は、略円錐台形周辺部1135aと、略円筒形中央部1135bとを備える。フィルタシート1135の略円錐台形周辺部1135aは、複数のアパーチャ1138を備え、複数のアパーチャ1138上で1又は2以上の略円錐台形フィルタ要素1136、1137を支持するように配置されている。次いで、インペラハウジング1117は、フィルタシート1135の略円筒形中央部1135b内に少なくとも部分的に配置される。特に、インペラハウジング1117の空気入口1119は、フィルタシート1135の円筒形中央部1135bの背面によって定められる容積内に配置される。
【0069】
図10a及び10bに示されるように、略円錐台形フィルタ要素1136、1137は、フィルタシート1135に適合し、その上に支持されるように配置される。このために、1又は2以上の略円錐台形フィルタ要素1136、1137が開いている。言い換えると、フィルタ要素1136、1137は、開放端部を有する中空フラスタコーンとして提供され、その結果、フィルタ要素1136、1137は各々、開放大径端部と、及びフィルタ要素1136、1137の中央アパーチャを形成する開放小径端部を有する。加えて、円錐台形周辺部1135aとフィルタシート1135の中心軸(Y)との間の角度(θ
4)は、略円錐台形フィルタ要素1136、1137の各々の上面及び下面と、略円錐台形フィルタ要素1136、1137の中心軸(Y)との間の角度(θ
4)と同じである。
【0070】
図示の実施形態では、円錐台形周辺部1135aとフィルタシート1135の中心軸(Y)との間の角度(θ4)は、渦巻き部1118の前面の平面部分とインペラハウジング1117の中心軸(X)との間の角度(θ3)とほぼ同じである。そのため、円錐台形周辺部1135aとフィルタシート1135の中心軸(Y)との間の角度(θ4)は約60度であるが、この角度(θ4)は、40から70度とすることができ、好ましくは45から65度であり、より好ましくは50から60度である。
【0071】
図示の実施形態では、フィルタ組立体1107は、粒子フィルタ要素1136及び化学フィルタ要素1137の両方を含み、粒子フィルタ要素1136は、化学フィルタ要素1137に対して上流に配置されている。略円錐台形粒子フィルタ要素1136は、プリーツ付き粒子フィルタ媒体1136aを備え、プリーツ付き粒子フィルタ媒体1136aは、プリーツ付きフィルタ媒体1136aのプリーツ/折り目が中心軸(θ4)に対して鋭角(θ4)であり、プリーツ付きフィルタ媒体1136aの内側及び外側端部/縁部の両方が粒子フィルタ要素1136の中心軸(Y)に平行である状態で円錐台形であるように配置される。次に、プリーツ付きフィルタ媒体1136aの両端部/縁部の全体が、粒子フィルタ要素1136の中心軸(Y)に平行に延びる弾性材料のシール1136b内に配置される。例えば、弾性材料は、合成ゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィン(PO)などの何れかとすることができる。
【0072】
図3a、3b及び4に示されるように、スピーカーハウジング1102は更に、スピーカーシャーシ1111に取り付けられた外側カバー1140を備える。この外側カバー1140は、フィルタ組立体1107に適合するように配置され(従って、略共形となる)、空気が外側カバー1140を通過することを可能にし、従って外側カバー1140の空気入口を定めるアパーチャ1141のアレイを備えている。これらのアパーチャ1141は、より大きな粒子がフィルタ組立体1107を通過して、フィルタ要素1136、1137をブロックするか又は損傷するのを防ぐようなサイズになっている。或いは、空気を通過できるようにするために、外側カバー1140は、外側カバー1140の窓内に取り付けられた1又は2以上のグリル又はメッシュを備えることができる。また、アレイの代替パターンは本発明の範囲内で想起されることは明らかであろう。
【0073】
外側カバー1140は、フィルタ組立体1107を覆うように、スピーカーシャーシ1111に解除可能に取り付けられている。例えば、外側カバー1140は、外側カバー1140及びスピーカーシャーシ1111に設けられた協働ねじ山を使用して及び/又は何らかのキャッチ機構を使用して、スピーカーシャーシ1111に取り付けることができる。スピーカーシャーシ1111に取り付けられると、外側カバー1140は、例えば輸送中の損傷からフィルタ要素1136、1137を保護し、また、フィルタ組立体1107を覆う視覚的に魅力的な外面を提供し、これは、清浄機1000の全体の外観と一致している。更に、外側カバー1140は、スピーカーシャーシ1111に取り付けられたときに、外側カバー1140が、フィルタシート1135に対して粒子フィルタ要素1136のプリーツ付きフィルタ媒体1136aの端部/縁部を囲む弾性縁部シール1136bを圧縮するように配置されている。これらの縁部シール1136bの圧縮は、空気が最初にフィルタ要素1136、1137を通過することなく、フィルタシート1135に設けられたアパーチャ1138に到達するのを防ぐ。
【0074】
図示の実施形態では、外側カバー1140は、開放端部を有する中空フラスタコーンとして提供される。外側カバー1140の開放大径端部は、フィルタ組立体1107の大径端部の外周に適合するように配置され、外側カバー1140の開放小径端部は、フィルタ組立体1107の小径端部の外周及びフィルタシート1135の略円筒形中央部1135bの両方に適合するように配置されている。従って、フィルタシート1135の略円筒形中央部1135bの円形前面1135cは、外側カバー1140の開放小径端部内に露出され、これによりスピーカー組立体1100の外面の一部を形成する。好ましくは、フィルタシート1135の円形前面1135cは、透明であり、これによりユーザがインペラケーシング1108の空気入口1119を通してインペラ1190の回転を見ることができる窓を形成する。これにより、ユーザは、インペラ1190の速度を視覚的にチェックし、インペラ1109が適切に機能していることを確認することができる。
【0075】
更に、図示の実施形態では、アクティブノイズキャンセリング(ANC)用のフィードフォワードマイクロホン1142が、フィルタシート1135の円形前面1135cの内面に設けられている。フィードフォワードマイクロホン1142は、制御回路1114にデータを提供するように配置され、制御回路1114は、スピーカー/ドライバユニット1105を制御するときにアクティブノイズキャンセリング(ANC)を実施するように構成される。アクティブノイズキャンセリング(ANC)アプリケーションでは、バックグラウンドノイズ又は周囲ノイズを検出して、スピーカーが生成するサウンドを使用してこれを相殺できるようにするために、スピーカー組立体の外部に向けてフィードフォワードマイクロホンが設けられている。スピーカー組立体1100にフィードフォワードマイクロホン1142を備えることは、モータ1110及び/又はインペラ1109によって生成されたノイズをフィードフォワードマイクロホン1142によって検出して、他の望ましくない背景ノイズ又は周囲ノイズと共に相殺できるので、特に有用である。フィードバックマイクロホン1113とフィードフォワードマイクロホン1142の両方が存在する場合、フィードフォワードとフィードバックの両方の手法を組み合わせて、ハイブリッドANCを実装することができ、これは、独立したフィードフォワード手法及びフィードバック手法よりも相乗的なパフォーマンス向上を示す。
【0076】
上述のように、インペラケーシング1108は、図示の実施形態では、3つの下部弾性支持体1134a、1134b及び3つの上部弾性支持体1134cを含む複数の弾性支持体1134によって、スピーカーハウジング1102内に支持/懸下される。3つの上部弾性支持体1134cは、インペラケーシング1108の外面と、インペラケーシング1108上に配置されたフィルタ組立体1107の背面/後面との間で半径方向に延びる。
【0077】
3つの上部弾性支持体1134cは各々、半径方向に減衰するプロファイルダンパーを備える。これらの半径方向に減衰するプロファイルダンパー1134cの各々は、インペラケーシング1108の外面とフィルタ組立体1107の下面/内面との間に取り付けられた弾性材料の管体を含む。図示の実施形態では、各半径方向に減衰するプロファイルダンパー1134cは、円形断面を有する弾性材料の管体を含むが、各プロファイルダンパーは、代替として、非円形断面を有する弾性材料の管体を含むことができる。
【0078】
図示の実施形態では、弾性材料の管体1134cの各々は、インペラケーシング1108の前面上に配置された内側カラー/リング1143と、フィルタ組立体1107の背面/後面に接触する外側カラー/リング1144との間に接続される。特に、弾性材料1134cの各管体は、管体の周囲の第1の位置で内側リング1143に接続され、管体の周囲の正反対の第2の位置で外側リング1144に接続される。内側リング1143は、インペラケーシング1108の周囲の周り、具体的にはインペラケーシング1108の円錐台形の隆起した中央部1127の周囲の周りに形成された凹部1145内に配置され、これによりインペラケーシング1108の前面に保持される。凹部1145は、内側リング1143の少なくとも実質的な割合を受け入れて含むように構成され、これが空気通路1139を通る空気の流れを妨げないようにする。
【0079】
次に、中空ノズル1300が、第1のスピーカー組立体1100a及び第2のスピーカー組立体1100bの両方に取り付けられ、第1のスピーカー組立体1100aによって生成される濾過された空気流と第2のスピーカー組立体1100bによって生成される濾過された空気流の両方を受け入れることができるように配置される。従って、空気清浄機1000は、取り付けられたノズル1300が、第1のスピーカー組立体1100aの空気出口1104aと第2のスピーカー組立体1100bの空気出口1104bの両方に流体接続できるように配置されている。
【0080】
図11は、スピーカー組立体1100a、1100bから取り外されたときのノズル1300の斜視図を示している。図示の実施形態では、ノズル1300は、第1のスピーカー組立体1100aの空気出口1104aと第2のスピーカー組立体1100bの空気出口1104bとの間に流体接続できるように配置された細長い中空管体を本質的に含み、第1の空気入口又は吸入ポート1301は、ノズル1300の第1の開放端部によって提供され、第2の空気入口又は吸入ポート1302は、ノズル1300の反対側の第2の開放端部によって提供される。従って、ノズル1300の第1の空気入口又は吸入ポート1301は、第1のスピーカー組立体1100aの空気出口1104aから放出される濾過された空気流を受け入れることができるように配置され、ノズル1300の第2の空気入口又は入口ポート1302は、第2のスピーカー組立体1100bの空気出口1104bから放出された濾過された空気流を受け取ることができるように配置されている。
【0081】
図1aから1cに示されるように、ノズル1300の第1の開放端部1301は、第1のスピーカー組立体1100aのスピーカーハウジング1102から延びる剛体出口ダクト1115に接続されている。次に、ノズル1300は、第1のスピーカー組立体1100aから離れて延在し、弓状の形状を取り、ノズル1300の反対側の第2の端部1302が、第2のスピーカー組立体1100bのスピーカーハウジング1102から延在する剛体出口ダクト1115に接続する。従って、ノズル1300の少なくとも一部は、第1及び第2のスピーカー組立体1100a、1100bが互いに対して移動するときにノズル1300が撓み及び屈曲できるように、可撓性/弾性材料で形成されるのが好ましい。例えば、図示の実施形態では、中央部分1303(すなわち、ノズル1300の長さの中点の周りに位置する部分)は、ポリウレタンなどの可撓性の透明なプラスチックで形成され、一方、2つの末端部分1304、1305は各々、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)などの硬質で透明なプラスチックで形成される。或いは、ノズル1300全体は、1又は2以上の可撓性/弾性材料から形成することができる。
【0082】
上述のように、図示の実施形態では、剛体出口ダクト1115は、剛体出口ダクト1115の第1の開放端部が対応するスピーカー組立体の空気出口1104と整列する第1の端部位置と、剛体出口ダクト1115がスピーカー組立体1100の空気出口1104と位置合わせされていない第2の端部位置との間で回転できるように配置される。従って、取り付けられたノズル1300は、第1のスピーカー組立体1100aの空気出口1104a及び第2のスピーカー組立体1100bの空気出口1104bの両方に流体接続されている第1の端部位置と、第1のスピーカー組立体1100aの空気出口1104a又は第2のスピーカー組立体1100bの空気出口1104bの何れにも流体接続されていない第2の端部位置との間で移動することができる。
【0083】
ノズル1300は、第1のスピーカー組立体1100aがユーザの第1の耳の上にあり、第2のスピーカー組立体1100bがユーザの第2の耳の上にあり、ノズル1300が第1の端部位置にあって、清浄機1000がユーザにより装着されたときに、ノズル1300がユーザの顔の周りで一方の側から他方の側にユーザの口の前方に延びるように配置される。特に、ノズル1300は、ユーザの顔の口、鼻、又は周囲の領域と接触することなく、一方の頬に隣接してから他方の頬に隣接してユーザの顎の周りに延びる。従って、ノズル1300の少なくとも一部は、ユーザの口がノズル1300を通して見えるように透明又は部分的に透明な材料で形成されて、ユーザが他の人と明確に話す能力を制限されないようにすることが好ましい。例えば、図示の実施形態では、中央部分1303は、ポリウレタンなどの可撓性の透明なプラスチックから形成され、一方、2つの末端部分1304、1305は各々、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)などの剛体の透明なプラスチックから形成されている。或いは、ノズル1300全体は、単一の透明又は部分的に透明な材料から形成することができる。
【0084】
空気清浄機1000は、第1の端部位置にあるときに、ノズル1300が、ヘッドバンド1200に対して95から115度の角度(θ1)で(すなわち、ノズルの長さに平行な平面と弓状のヘッドバンドの長さに平行な平面との間の角度が95から115度であるように)、スピーカー組立体1100a、1100bの空気出口1104a、1104bから離れて延びるように配置される。この点に関して、第1のスピーカー組立体1100aがユーザの第1の耳の上にあり、第2のスピーカー組立体1100bがユーザの第2の耳の上にある状態で清浄機1000がユーザによって装着されたときに、少なくともユーザの口の前方にノズル1300を配置するために95から115度の角度が適切であることが見出された。従って、スピーカー組立体1100の取付突起1101及び空気出口1104は、ヘッドバンド1200とノズル1300との間の角度(θ1)が95から115度の範囲内にあるように配置される。
【0085】
ノズル1300内で所望の圧力降下を達成するために、中空ノズル1300によって定められる内部通路1306の断面積は、好ましくは150mm2から170mm2であり、好ましくは約160mm2である。また、ノズル1300の高さ(H)は、35から65mmであることが好ましく、ノズル1300がユーザの口及び鼻に十分に空気を供給しながら外部の空気流からの保護も提供するのを確実にするためにはより好ましくは40から60mmである。従って、ノズル1300の高さは、ユーザの顔の周りを一方の側から他方の側に延びるノズル1300の少なくとも一部が35から65mmの最小高さを有するという条件下で、その長さに沿って変化することができる。この点に関して、ノズル1300の高さは、ノズル1300の上縁と下縁との間の距離であり、ここで、上縁は、ヘッドバンド1200がユーザの頭部に装着されたときに略上向きに面するものであり、下縁は、ヘッドバンド1200がユーザの頭部に装着されたときに略下向きに面するものである。
【0086】
図2に示されるように、ノズル1300は、略平坦な第1の外面1307と、略平坦な中央部分及び湾曲部が第1の外面1307の縁と交わる縁部とを含む第2の外面1308と、を含む略D字型の断面を有する。第1のスピーカー組立体1100aと第2のスピーカー組立体1100bとの間に接続される場合、第1の外面1307は、第1のスピーカー組立体1100a及び第2のスピーカー組立体1100bから外向きに面し、第2の外面1308は、第1のスピーカー組立体1100a及び第2のスピーカー組立体1100bに向かって内向きに面する。
【0087】
ノズル1300は、濾過された空気をユーザに放出/送給するための空気出口1310を備えている。図示の実施形態では、ノズル1300の空気出口1310は、ノズル1300のセクションに形成されたアパーチャのアレイを含み、これらのアパーチャは、ノズル1300によって定められる内部通路1306からノズル1300の外面まで延びる。或いは、ノズル1300の空気出口1310は、ノズル1300の窓内に取り付けられた1又は2以上のグリル又はメッシュを含むことができる。また、本発明の範囲内で、空気出口アレイの代替のパターンが想定されることも明らかであろう。
【0088】
空気出口1310を提供するアパーチャのアレイは、スピーカー組立体1100a、1100bに面するノズル1300の第2の外面1308の中心を中心とするノズル1300のセクションに形成される。従って、アパーチャは、清浄機1000がユーザによって着用されたときに、ユーザの口及び鼻の方に面するノズル1300のセクションにのみ存在する。図示の実施形態では、アパーチャのアレイを備えたノズル1300のセクションは、ノズル1300の第2の外面1308の略平坦な中央部分にわたって少なくとも部分的に、及び第2の外面1308の湾曲した縁部の1つにわたって部分的に延びる。
【0089】
使用中、清浄機1000は、第1のスピーカー組立体1100aがユーザの第1の耳の上にあり、第2のスピーカー組立体1100bがユーザの第2の耳の上にある状態で、ユーザによって装着され、その結果、第1の端部位置にあるときに、ノズル1300は、ユーザの顔の周りで片方の耳から他方の耳まで、少なくともユーザの口を覆って延びることになる。各スピーカー組立体1100a、1100b内では、モータ1110によるインペラ1109の回転により、空気流がインペラケーシング1108を介して生成され、この空気流により、外側カバー1140のアパーチャ1141を介してスピーカー組立体1100に空気が引き込まれる。次いで、この空気の流れは、外側カバー1140とフィルタシート1135との間に配置されたフィルタ要素1136、1137を通過し、これにより空気流を濾過及び/又は浄化することになる。次に、結果として生じる濾過された空気流は、フィルタシート1135の円錐台形部1135aに設けられたアパーチャ1138を通過し、インペラケーシング1108とフィルタシート1135の反対側の面との間の空間によって設けられた空気通路1139に入り、次いで、空気通路1139では、空気流をインペラケーシング1108の空気入口1119に導く。次に、インペラ1190は、濾過された空気流を、インペラハウジング1117の空気出口1120を提供する環状スロットから出して、インペラケーシング1108の渦巻き部1118に流入させる。次いで、渦巻き部1118は、濾過された空気流を、スピーカー組立体1100の空気出口1104を通して、ノズル1300の開放端部の1つによって提供される空気入口1301、1302を通ってノズル1300に導く。
【0090】
第1の空気入口1301を提供するノズル1300の第1の開放端部は、第1のスピーカー組立体1100aに接続され、第2の空気入口1302を提供するノズル1300の第2の開放端部は、第2のスピーカー組立体1100bに接続され、第1のスピーカー組立体1100aによって生成された第1の濾過された空気流及び第2のスピーカー組立体1100bによって生成された第2の濾過された空気流は、対向する両端部からノズル1300に入ることになる。従って、第1及び第2の濾過された空気流は、ノズル1300の中心の近く又は中心に向かって(すなわち、ノズル1300の長さの中点)衝突するまで、ノズル1300の内部通路1306内を反対方向に移動することになる。第1の濾過された空気流と第2の濾過された空気流との間の衝突により、両方の空気流の方向が変化し、空気出口1310を提供するノズル1300に形成されたアパーチャを通ってユーザの口及び鼻に向かって配向される組み合わされた濾過された空気流の形成が生じることになる。
【0091】
従って、ヘッドウェアラブル空気清浄機は、濾過されていない周囲又は外部の空気流の全てではないにしてもほとんどがユーザの口及び鼻の領域に到達するのを遮断するノズルを提供する。そうすることで、ヘッドウェアラブル空気清浄機は、ユーザにより吸入される濾過されていない空気の量を低減するだけでなく、さもなければユーザへの清浄化された空気流の効果的な送給を妨げるであろうこれらの外部空気流が空気清浄機によって供給される空気流と干渉するのを防ぐ。更に、ノズルの少なくとも一部が透明な材料で形成されている実施形態では、ヘッドウェアラブル空気清浄機組立体はまた、濾過されていない外部又は周囲の空気流を遮断するようにユーザの口を覆っているにもかかわらず、ユーザが他の人と明確に話す能力を制限するのを避けるために、ユーザの口は依然としてノズルを通して見えるようになっている。
【0092】
更に、清浄化された空気の2つの空気流を衝突させ、これによってユーザに向けられる組み合わされた空気流を生成する単一のノズルの使用は、ノズルの内部通路内で空気流の方向を変えるために必要となるはずの構造(例えば、ベーン、バッフルなど)をノズルに備える必要性を排除する。ノズル内にこのような構造を設けると、ユーザに送給できる空気流の圧力が低下し、ノズルの透明性の可能性が制限される。
【0093】
更に、ノズルの両端に清浄化された空気流を供給するために、2つの別々の清浄機を各スピーカーに1つずつ利用することによって、本明細書で記載するヘッドウェアラブル空気清浄機は、単一の空気清浄機を用いて両方の空気流をノズルに送給する場合に必要となるはずの追加の何れかの配管の必要性を排除する。また、2つの別個の清浄機を各スピーカーに1つずつ使用することで、各清浄機を可能な限り小さくすることができ、性能を犠牲にすることなくヘッドホンに好適に組み込むことができるようになる。特に、2つの別個の清浄機を使用すると、利用可能なフィルタエリアが増えるので、流量及び濾過効率が向上する。
【0094】
好ましい実施形態では、スピーカー組立体1100a、1100bの制御回路1114は、インペラ1109の最大回転速度が9000から18,000RPM、好ましくは10,000から14,000、より好ましくは10,000~12,000RPMであるように、モータ1110の回転速度を制御するように構成される。これらの回転速度の範囲は、典型的なアクティブノイズキャンセリング(ANC)システムによって効果的に相殺できることが分かっている周波数範囲に等しく、これによってモータ1110及び/又はインペラ1109により生成されるノイズを相殺できる範囲が改善される。しかしながら、モータ1110及びインペラ1109の最大回転速度をこれらの範囲内に制限することはまた、十分な流量を有する空気流を生成するために使用しなければならないインペラ1109のサイズに制限を課すことになる。
【0095】
これに関して、清浄化された空気をユーザに効果的に送給するために、空気清浄機によって生成される空気流の流量は、スピーカー組立体1100a、1100bの各々が少なくとも毎秒1.4リットルを供給する必要があるので、少なくとも2.8リットル/秒でなければならないことが見出された。従って、スピーカー組立体1100a、1100bの各々が、それらのインペラ速度が上記の範囲に制限されているときに少なくとも毎秒1.4リットルの空気流を供給するためには、スピーカー組立体1100a、1100bの各々のインペラ1190は、好ましくは、35mm以上、好ましくは40mm以上の先端直径(すなわち、対向するインペラブレードの後縁の中点間の距離)を有することが好ましいことが見出された。
【0096】
別の好ましい実施形態では、スピーカー組立体1100a、1100bの各々は、非対称断面を有するイヤパッド2106を備える。この点に関して、サーカムオーラル及びスープラオーラル型ヘッドホンは、耳全体又は外耳道の開口部のみを囲むように閉ループの形状のイヤパッドを有し、上記の実施形態に示されるように、従来のイヤパッドは、イヤパッドの深さが周囲の周りで連続しているような対称的な断面を有している。この代替の実施形態では、イヤパッド2106の深さ/厚さ(D)がイヤパッド2106の周囲の周りで徐々に変化するようにイヤパッド2106が配置され、イヤパッド2106の最も深い/最も厚い部分2106aは、
図12及び13に示されるように、イヤパッド2106の最も薄い/最も浅い部分2106bとは正反対である。従って、
図12及び13に示される実施形態では、イヤパッド2106の外面は、スピーカーハウジング1102に取り付けられたイヤパッド2106の内面に対して(及び従ってスピーカーハウジング1102のベースに対して)約5度の角度(θ
5)を定めるが、この角度(θ
5)は5~15度の何れかとすることができる。これには幾つかの利点がある。
【0097】
第1に、スピーカー/ドライブユニット1105はユーザの耳と平行であることが好ましく、これは通常、スピーカー/ドライバユニット1105が、上記の実施形態に示されるように、取り付けられるスピーカーハウジング1102のベースに対して10から15度の角度で取り付けられることを必要とする。この角度は、ユーザの頭部の先細りの形状に起因してスピーカー組立体1100が回転するときに、スピーカー/ドライバユニット1105がユーザの耳と略平行であるようにする。非対称断面を有するイヤパッド2106の使用は、スピーカーハウジング1102のベースに対するスピーカー/ドライバユニット1105の角度が10度未満に減少させることができ、スピーカーハウジング1102のベースに対するイヤパッド2106の外面の角度に応じて、スピーカーハウジング1102のベースに対するイヤパッド2106の外面は、スピーカーハウジング1102に対するスピーカー/ドライバユニット1105の角度付けの必要を排除することができる。このことは、スピーカーハウジング1102に対するスピーカー/ドライバユニット1105の角度の減少により、スピーカー/ドライバユニット1105の後部に必要とされるスペースが減少し、これによってスピーカー組立体1100の内部構成要素を収容するのに必要な容積全体が減少するので、本明細書に記載されるヘッドウェアラブル空気清浄機1000において特に有利である。
【0098】
第2に、サーカムオーラル及びスープラオーラル型ヘッドホンでは、ユーザの耳の周り又は耳にイヤパッドを密閉するために、ヘッドバンドがユーザの頭部の側面に圧力を加えるように構成される必要がある。この圧力は、ユーザのヘッドホンの快適さを低下させる可能性がある。非対称断面を有するイヤパッド2106の使用はまた、ユーザの耳の周り又は耳にイヤパッド2106をシールするために必要とされるヘッドバンドによって加えられる圧力を低減でき、これによりユーザの快適さを改善するようになっている。
【0099】
次に、
図14a及び14bは、ヘッドウェアラブル空気清浄機1000の更なる実施形態の正面斜視図を示し、
図14cは、更なる実施形態の正面図を示す。この更なる実施形態では、ヘッドウェアラブル空気清浄機1000は、上記の前の実施形態のものと実質的に同じである。しかしながら、ノズル1300がスピーカー組立体1100a、1100bに対して回転して、使用されていないときにノズル1300をヘッドバンド1200上に収納できるのではなく、この更なる実施形態では、ノズル1300は、スピーカー組立体1100a、1100bに取り外し可能に結合される。従って、
図15は、スピーカー組立体1100a、1100bから取り外されたときの、この更なる実施形態のノズル1300の背面図を示している。
【0100】
図示の実施形態では、ノズル1300の第1の端部は、第1の空気入口1301を提供し、第1のスピーカー組立体1100aに取り外し可能に結合され、一方、ノズル1300の第2の端部は、第2の空気入口1302を提供し、スピーカー組立体1100bの第2の空気入口1302に取り外し可能に結合される。ヘッドウェアラブル空気清浄機1000のこの更なる実施形態は、取り外し可能なノズル1300の第1の端部が第1のスピーカー組立体1100aに結合されるときに、ノズル1300の第1の空気入口1301が、第1のスピーカー組立体1100aの空気出口1104aと整列するように、及び取り外し可能なノズル1300の第2の端部が第2のスピーカー組立体1100bに結合されるときに、ノズル1300の第2の空気入口1302が第2のスピーカー組立体1100bの空気出口1104bと整列するように構成される。
【0101】
ノズル1300は、第1の分離可能な接続によって第1のスピーカー組立体1100aに取り外し可能に結合され(すなわち、ノズル1300の第1の端部は、第1のスピーカー組立体1100aに分離可能な接続を有する)、第2の分離可能な接続によって第2のスピーカー組立体1100bに取り外し可能に結合される(すなわち、ノズル1300の第2の端部は、第2のスピーカー組立体1100bへの分離可能な接続を有する)。第1の分離可能な接続及び第2の分離可能な接続は各々、ノズル1300に設けられたノズル・スピーカーコネクタ1311、1312と、対応するスピーカー組立体1100a、1100bに設けられたスピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bとを含む。各ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312は、対応するスピーカー組立体1100a、1100bに設けられたスピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bに取り外し可能に結合されるように配置されている。各ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312は、ノズル1300の対応する空気入口1301、1302を提供し、一方、各スピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bは、対応するスピーカー組立体1100a、1100bの空気出口1104a、1104bを提供する。
【0102】
図示の実施形態では、各ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312は、環状オスコネクタ要素1313、1314を含み、一方、各スピーカー・ノズルコネクタは、対応するオスコネクタ要素1313、1314(すなわち、プラグ及びソケット配置にて)を受け入れるように配置された略環状メスコネクタ要素1151a、1151bを備える。しかしながら、別の構成では、各スピーカー・ノズルコネクタは、オスコネクタ要素を等しく含み、各ノズル・スピーカーコネクタは、対応するオスのコネクタ要素を受け入れるように配置されたメスコネクタ要素を含む。オス及びメスコネクタ要素の対応する環状形状は、オスコネクタ要素1313、1314の各々が、対応するメスコネクタ要素1151a、1151b内に配置されたときに、対応するメスコネクタ要素1151a、1151bに対して回転できるようになっている。ノズル1300とスピーカー組立体1100a、1100bとの間の分離可能な接続のこの回転は、ヘッドウェアラブル空気清浄機1000の全体的な柔軟性を高め、個々のユーザの生理学及び選好に容易に適応できるようになる。
【0103】
次に、環状オスコネクタ要素1313、1314の各々の中空中心/ボアは、ノズル1300の中空内部から延在し、環状オスコネクタ要素1313、1314の外端部は、ノズル1300の対応する空気入口1301、1302を定める。次に、環状メスコネクタ要素1151a、1151bの各々の中空中心/ボアは、対応するスピーカー組立体1100a、110b内に収容されたインペラケーシング1108の空気出口1131から延在し、略環状メスコネクタ要素1151aの外端部は、対応するスピーカー組立体1100a、1100bの空気出口1104a、1104bを定める。
【0104】
次に、ノズル1300の端部と対応するスピーカー組立体1100a、1100bとの間の分離可能な接続は、ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312の各々と対応するスピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bとの間の磁気アタッチメントによって提供される。図示の実施形態では、この磁気アタッチメントは、ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312の各々によって提供される1又は2以上の磁石1315、1316と、対応するスピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bによって提供される磁性材料のリング1151a、1151bとの間の協働によって提供される。しかしながら、別の構成では、各ノズル・スピーカーコネクタは、磁性材料のリングを含み、各スピーカー・ノズルコネクタは、1又は2以上の磁石を含む。この点に関して、磁気アタッチメントの一部のみを磁化する必要があり(すなわち、永久磁石にする必要がある)、他の部分は、磁化された部分に磁気的に引き付けられる必要がある(例えば、強磁性体を含む)。
【0105】
図示の実施形態では、ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312の各々は、ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312の環状オスコネクタ要素1313、1314の周りに半径方向に間隔を置いて配置された磁石1315、1316のペアを含み、2つの磁石が互いに正反対になっている。代替の構成では、磁石1315、1316のペアに対する代替として又はこれに加えて、各ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312の環状オスコネクタ要素1313、1314は、環状磁石を含むことができる。
【0106】
次に、スピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bは各々、スピーカーハウジング1102に形成されたアパーチャ内に取り付けられ、これによって対応するスピーカー組立体1100a、1100bの空気出口1104a、1104bを定める磁性材料の略環状リング1151a、1151bを備える。図示の実施形態では、スピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bは更に、磁性材料のリング1151a、1151bの外端部から半径方向外向きに延びるフランジを含み、このフランジは、対応するノズル・スピーカーコネクタ1311、1312によって提供される磁石1315、1316のペアによって係合できる磁気表面を提供する。磁性材料の各リング1151a、1151bは、磁性材料の固体リングとして形成でき(すなわち、磁性材料からなる)、或いは、ポリマーなどの好適な基板内に成形された磁性材料のフレークを含むことができる。一例として、磁性材料は、鋼又は鉄などの何れかの好適な材料とすることができる。
【0107】
ヘッドウェアラブル空気清浄機1000に取り外し可能なノズル1300を設けることは、装置の設計及び製造を単純化するだけでなく、使用しないときにはノズル1300をヘッドホンシステムに別個に収納/保管することを可能にし、ノズル1300の洗浄をより簡便にする。例えば、取り外し可能なノズルは、洗浄液に浸漬するか、又は食器洗い機もしくは同様の洗浄装置において取り外し可能なノズルを配置することによって洗浄することができる。更に、ノズル・スピーカーコネクタ1311、1312の各々と対応するスピーカー・ノズルコネクタ1150a、1150bとの間に磁気アタッチメントを使用して、ノズル1300と第1及び第2のスピーカー組立体1100a、1100bとの間に分離可能な接続を形成することにより、ノズル1300がヘッドホンシステムに取り付けられたときに、ノズル1300の端部及び対応する空気入口1301、1302が所定位置に保留/保持され、ノズル1300がヘッドホンから容易に取り外し且つ再取り付けできることが保証される。
【0108】
この実施形態では、清浄機1000はまた、ノズル1300が第1のスピーカー組立体1100a及び第2のスピーカー組立体1100bの一方又は両方に結合された時点を検出するセンサ(図示せず)を備えている。次に、制御回路1114は、ノズル1300がスピーカー組立体1100a、1100bの一方又は両方に結合されていないことをセンサが検出したときに、モータ1110を停止するように構成される。
【0109】
上記の個々のアイテムは、単独で、或いは図面に示されている又は明細書に記載されている他のアイテムと組み合わせて使用することができ、互いに同じ節又は互いに同じ図面にて記載されているアイテムは、互いに組み合わせて使用される必要はないことは理解されるであろう。更に、「手段」という表現は、必要に応じてアクチュエータ、システム、又はデバイスに置き換えることができる。更に、「含む」又は「からなる」への言及は、どのような方法でも限定を意図するものではなく、読者は、明細書及び特許請求の範囲をこれに応じて解釈すべきである。
【0110】
更に、本発明は上記の好ましい実施形態に関して説明されてきたが、これらの実施形態は例示にすぎないことを理解されたい。当業者は、添付の特許請求の範囲に含まれると企図される本開示を参酌して、修正及び代替を行うことができるであろう。例えば、上記の実施形態では、ヘッドウェアラブル空気清浄機は、ヘッドバンドの対向する端部に2つのスピーカー組立体が設けられたヘッドホンシステムを備える。しかしながら、ヘッドウェアラブル空気清浄機は、ユーザの第1の耳に第1のスピーカー組立体を、ユーザの第2の耳に第2のスピーカー組立体を支持するのに使用できる何らかのヘッドウェアラブル物品を同様に含むことができる。例えば、ヘッドウェアラブル空気清浄機は、自転車用ヘルメット、オートバイ用ヘルメットなどの帽子又はヘルメットの何れかを含むことができる。
【0111】
更に、上記の実施形態では、両方のスピーカー組立体がモータ駆動のインペラ及びフィルタ組立体を含み、両方のスピーカー組立体が濾過/精製された空気をノズルに提供する一方で、2つのスピーカー組立体のうちの一方のみがモータ駆動のインペラ及びフィルタ組立体を含むことも可能であり、単一のスピーカー組立体のみが、フィルタ処理/精製された空気をノズルに供給するようになる。しかしながら、このような構成は、上記の実施形態ほど効果的ではないことになる。
【0112】
更に、上記の実施形態では、インペラハウジング及び渦巻き部は、互いに一体的に形成されているが、インペラハウジング及び渦巻き部は互いに接続された別個の構成要素であってもよい。同様に、上記の実施形態では、スピーカーハウジングは、スピーカーシャーシ及びトップカバーを含むが、スピーカーハウジングは、3以上の別個の部品から等しく構成される。更なる一例として、上記の実施形態では、フィルタシート及び1又は2以上のフィルタ組立体を含むフィルタ組立体は、略円錐台形であるが、フィルタ組立体は、等しく環状であってもよい。しかしながら、環状フィルタ組立体は、濾過に利用可能な領域が小さくなり、清浄機の効果が低下することになる。
【符号の説明】
【0113】
1000 空気清浄機
1100a スピーカー組立体
1100b スピーカー組立体
1104a 空気出口
1104b 空気出口
1150a スピーカー・ノズルコネクタ
1150b スピーカー・ノズルコネクタ
1200 ヘッドバンド
1303 中央部分
1304 末端部分
1305 末端部分
1311 ノズル・スピーカーコネクタ
1312 ノズル・スピーカーコネクタ