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特許7198399工事用シートの折り畳み方法および工事用シート
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  • 特許-工事用シートの折り畳み方法および工事用シート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】工事用シートの折り畳み方法および工事用シート
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/24 20060101AFI20221222BHJP
   B65H 45/14 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
E04G21/24 A
B65H45/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018241571
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020101061
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】513061286
【氏名又は名称】パレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147854
【弁理士】
【氏名又は名称】多賀 久直
(72)【発明者】
【氏名】大島 在俊
【審査官】佐藤 史彬
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-023447(JP,A)
【文献】登録実用新案第3181091(JP,U)
【文献】実開昭58-075779(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/24
B65H 45/14
A47G 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の工事用シートにおける片側半分を、該片側半分の端が該工事用シートの中央線を越えないようにずらして折り返した後、前記片側半分の折り目が該片側半分の端を越えないようにずらして該片側半分を折り返し、更に、前記片側半分を、折り返して形成される折り目が該片側半分の端を越えないようにずらして折り畳む第1ステップと、
前記第1ステップで折り畳んだ前記片側半分が下になるように前記工事用シートの中央線で折り返した後に、残りの片側半分を該第1ステップと同じように折り畳む第2ステップと、
前記第1ステップおよび前記第2ステップを経て得られた長尺体を、その長手方向の中央線を挟む略半分ずつをそれぞれ折り畳んだ後に、折り畳んだ半分同士を重ねるように該長手方向の中央線で折り返す第3ステップと、を備えている
ことを特徴とする工事用シートの折り畳み方法。
【請求項2】
前記第1ステップおよび前記第2ステップにおいて、前記工事用シートの中央線とずらして配置される端を含む縁部に設けられたハトメが露出するように折り畳む請求項1記載の工事用シートの折り畳み方法。
【請求項3】
矩形状に折り畳まれた工事用シートであって、
該工事用シートの中央線で折り返して形成された折り目と、
前記折り目を挟んで配置され、展開状態にある該工事用シートにおいて平行する一対の端と、を備え、
前記折り目および前記一対の端が、折り畳まれた工事用シートにおける同じ側に露出すると共に、該一対の端よりも該折り目が出っ張るように配置されている
ことを特徴とする工事用シート。
【請求項4】
前記端を含む縁部に設けられたハトメが露出している請求項3記載の工事用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工事用シートの折り畳み方法およびこの折り畳み方法で折り畳まれた工事用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブルーシートなどの工事用シートを折り畳む場合、工事用シートの中央で折り返して端同士を重ね合わせて、重ね合わせたものの中央で折り返して端同士を重ね合わせることを繰り返して、まず一方を折り畳む。こうして得られる長尺体を、その長手方向の中央で折り返して端同士を重ね合わせて、重ね合わせたものの中央で折り返して端同士を重ね合わせることを繰り返して、コンパクトに折り畳まれている。そして、工事用シートは、折り畳んだ状態で流通し、現場に提供されている。
【0003】
例えば、枠組壁工法は、基礎を構築した後に1階床を施工してから1階外壁および2階を組み立て、最後に屋根を取り付ける順序で建物を作っている。屋根を取り付けられていない施工中の現場で雨が降った場合、1階や2階の床面が濡れてしまうことを回避するため、仮に屋根になるもので覆うことが行われている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-36306号公報
【文献】特開2013-87613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2に開示の構成は、コストがかかってしまうので、ブルーシート等の工事用シートを屋根代わりに用いられているのが実際のところである。この場合、前述した半分半分に折り畳む方法で折り畳まれた工事用シートであると、工事用シートの中心が判らないので、工事用シートを一旦展開してから、建物に合わせて位置合わせを行う必要があり、使い勝手が悪い。
【0006】
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、使い勝手のよい工事用シートの折り畳み方法および工事用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る工事用シートの折り畳み方法は、
矩形状の工事用シートにおける片側半分を、該片側半分の端が該工事用シートの中央線を越えないようにずらして折り返した後、前記片側半分の折り目が該片側半分の端を越えないようにずらして該片側半分を折り返し、更に、前記片側半分を、折り返して形成される折り目が該片側半分の端を越えないようにずらして折り畳む第1ステップと、
前記第1ステップで折り畳んだ前記片側半分が下になるように前記工事用シートの中央線で折り返した後に、残りの片側半分を該第1ステップと同じように折り畳む第2ステップと、
前記第1ステップおよび前記第2ステップを経て得られた長尺体を、その長手方向の中央線を挟む略半分ずつをそれぞれ折り畳んだ後に、折り畳んだ半分同士を重ねるように該長手方向の中央線で折り返す第3ステップと、を備えていることを要旨とする。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る工事用シートは、
矩形状に折り畳まれた工事用シートであって、
該工事用シートの中央線で折り返して形成された折り目と、
前記折り目を挟んで配置され、展開状態にある該工事用シートにおいて平行する一対の端と、を備え、
前記折り目および前記一対の端が、折り畳まれた工事用シートにおける同じ側に露出すると共に、該一対の端よりも該折り目が出っ張るように配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る工事用シートの折り畳み方法および工事用シートによれば、使い勝手をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係る折り畳み状態にある工事用シートを模式的に示す斜視図である。
図2】実施例の工事用シートを展開状態で示す平面図である。
図3】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は縦端側から見た側面図である。
図4】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は縦端側から見た側面図である。
図5】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は縦端側から見た側面図である。
図6】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は縦端側から見た側面図である。
図7】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示す平面図である。
図8】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示し、縦端側から見た側面図である。
図9】実施例の工事用シートの折り畳み工程において得られる長尺体を模式的に示す斜視図である。
図10】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は横端側から見た側面図である。
図11】実施例の工事用シートの折り畳み工程を模式的に示す説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は横端側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る工事用シートの折り畳み方法および工事用シートにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例
【0012】
図2に示すように、実施例に係る工事用シート10は、1枚に広げた展開状態において正方形であり、4辺の縁部のそれぞれに、複数のハトメ12が所定間隔で設けられている所謂ブルーシートである。工事用シート10において、横方向中央を縦方向へ通って、展開したときの基準となる仮想ラインを基準中央線(中央線)Cといい、基準中央線Cと平行する端を横端16といい、基準中央線Cと交差する端を縦端18という。
【0013】
図1に示すように、工事用シート10は、矩形状に折り畳まれた折り畳み状態が荷姿であり、この折り畳み状態で搬送されて、工事現場などの使用場所に提供される。折り畳み状態にある工事用シート10は、該工事用シート10の基準中央線C(図2参照)で折り返して形成された中央折り目(折り目)14と、中央折り目14を挟んで配置されて、展開状態にある該工事用シート10において平行する一対の横端(端)16,16とを備えている。折り畳み状態の工事用シート10は、中央折り目14および該中央折り目14を挟む一対の横端16,16が、折り畳まれた工事用シート10における同じ側面に露出すると共に、一対の横端16,16よりも中央折り目14が出っ張るように配置されている。また、折り畳み状態の工事用シート10は、横端16を含む縁部に設けられたハトメ12が露出している。
【0014】
次に、折り畳み状態において、中央折り目14が一対の横端16,16の間から出っ張って配置される工事用シート10の折り畳み方法について、図3図11を参照して説明する。
【0015】
(第1ステップ)
図3に示すように、第1ステップの第1段階において、矩形状の工事用シート10における片側半分を、該片側半分の横端16が該工事用シート10の基準中央線Cを越えないようにずらして折り返す。図4に示すように、第1ステップの第2段階において、第1段階で形成された片側半分の横折り目(折り目)20が該片側半分の横端16を越えないようにずらして、工事用シート10における片側半分を折り返す。第2段階では、工事用シート10の基準中央線Cとずらして配置される横端16を含む縁部に設けられたハトメ12が露出するように折り畳む。更に、図5に示すように、第1ステップの第3段階において、工事用シート10における片側半分を、折り返して形成される横折り目(折り目)20が該片側半分の横端16を越えないようにずらして折り畳む。実施例の第3段階では、工事用シート10を巻くように折り返して、第3段階で形成される内側の横折り目20を、第2段階で横端16とずらして配置された横折り目20と揃うように配置している。このように、第2段階および第3段階では、工事用シート10における片側半分を折り返す際に、第1段階で基準中央線Cに沿わせて配置された横端16を含む縁部に設けられたハトメ12に重ならないように折り畳まれる。なお、第1ステップでは、工事用シート10の折り返した片側半分は、縦端18同士を揃えて重ねている。
【0016】
(第2ステップ)
図6に示すように、第2ステップでは、第1ステップで折り畳んだ片側半分が下になるように工事用シート10の基準中央線Cで折り返す。次に、図7および図8に示すように、工事用シート10における残りの片側半分を第1ステップと同じように折り畳む。これにより、図9に示すように、工事用シート10が横方向に折り畳まれて、縦方向に長い長尺体22になる。このとき、長尺体22は、基準中央線Cで折り曲げて形成された中央折り目14を上下に挟んで一対の横端16,16が中央折り目14からずらして配置されて、各横端16からずらして横折り目20が配置されている。また、長尺体22は、中央折り目14および一対の横端16,16が該長尺体22における同じ側に配置される。更に、長尺体22は、中央折り目14が一対の横端16,16よりも出っ張ると共に、一対の横端16,16が横折り目20よりも出っ張っている。
【0017】
(第3ステップ)
図10に示すように、第3ステップの第1段階において、前記第1ステップおよび前記第2ステップを経て得られた長尺体22を、その長手方向の縦中央線(中央線)24を挟む略半分ずつをそれぞれ折り畳む。実施例の長尺体22は、略半分を内側から山折り・谷折りを繰り返す所謂蛇腹折りで折り畳んでおり、略半分の折り畳み部分同士の間隔をあけている。図11に示すように、第3ステップの第2段階において、第1段階で折り畳んだ半分同士を重ねるように、縦中央線(中央線)24で折り返すことで、工事用シート10は前述した折り畳み状態になる。
【0018】
次に、前述した折り畳み状態にある工事用シート10の使用方法について説明する。第3ステップの第2段階で折った縦中央線24を、工事用シート10を展開したときの中心としたい位置に置く。次に、蛇腹折りにした長尺体22の半分ずつを、縦中央線24を基準としてそれぞれ展開する。長尺体22の一側面に出っ張っている中央折り目14を、工事用シート10を展開したときの中心としたい位置に合わせる。長尺体22における同じ一側面に配置されている一対の横端16,16を持って、中央折り目14を基準として、第1ステップおよび第2ステップで折り畳んだ部分をそれぞれ展開する。これにより、展開状態にある工事用シート10を、配置したい位置に中心を合わせて簡単に敷設することができる。
【0019】
前述した折り畳み状態にある工事用シート10は、展開状態になったときに中心となる位置が判り易いので、位置合わせを簡単に行うことができる。すなわち、建築中の建物に対して屋根代わりに敷設するときなど、足場が不安定な状態であっても、位置合わせを簡単にでき、工事用シート10を展開した後に位置調節する手間を省くことができる。また、基準中央線Cを折った中央折り目14と対となる横端16,16が同じ側面に位置しているので判り易く、中央折り目14が出っ張っているので、基準中央線Cを簡単に判別することができる。しかも、一対の横端16,16も他の横折り目20より出っ張って露出しているので、横端16を簡単に掴むことができる。しかも、横端16に沿って設けられたハトメ12も、他の横折り目20よりずれて露出しているので、ハトメ12へ紐を結びつけたりするなどの作業も行い易い。このように、前述した折り畳み状態にある工事用シート10は、使い勝手に非常に優れている。
【0020】
(変更例)
前述した構成に限らず、例えば以下のように変更してもよい。
(1)工事用シートとして、ブルーシートを例示したが、防音シート、塗装用シート、防炎シートなど、その他のシートやメッシュであってもよい。
(2)第3ステップでは、蛇腹折りを例示したが、巻くように折り畳むなど、その他の折り畳み方法であってもよい。
(3)工事用シートは、正方形に限らず、長方形などであってもよい。
【符号の説明】
【0021】
10 工事用シート,12 ハトメ,16 横端(端),20 横折り目(折り目),
22 長尺体,24 縦中央線(中央線),C 基準中央線(中央線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11