(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】研修支援システム、研修支援方法及び研修支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20221222BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20221222BHJP
【FI】
G06Q50/20
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2020140314
(22)【出願日】2020-08-21
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】517018983
【氏名又は名称】株式会社GRCS
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】有我 建彦
(72)【発明者】
【氏名】松永 恵珠
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-358264(JP,A)
【文献】特開2011-039570(JP,A)
【文献】特開2016-115005(JP,A)
【文献】特開2004-054054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に接続される制御部を備えた研修支援システムであって、
前記制御部が、
研修希望者のユーザ端末でオフィス経験を行なう対象企業の
社員構成を取得し、
前記対象企業の社員のSNSサイトから、前記社員のメッセージに含まれるキーワードを用いて、前記社員の特徴量を算出し、
前記対象企業のオフィス内に設置されたカメラにより撮影した録画データを用いて、オフィス環境の特徴量を算出し、
前記
社員の特徴量に基づいて、
前記対象企業の社員構成に応じた人数の社員アバター及び動作情報を生成し、
前記オフィス環境の特徴量に基づいて、前記ユーザ端末でオフィス経験を行なう対象企業の仮想オフィスを生成し、
前記社員アバターを
前記仮想オフィスに配置して、前記社員アバターを前記動作情報により動作させた仮想現実画像を、前記ユーザ端末に出力
し、
前記ユーザ端末において、前記研修希望者に応じて設定された研修テーマで、前記社員アバターとともに研修を受講させることを特徴とする研修支援システム。
【請求項2】
前記制御部が、前記
社員構成を、対象企業の企業サイトから取得することを特徴とする請求項1に記載の研修支援システム。
【請求項3】
前記制御部が、
前記研修の修了を検知した場合、前記オフィス経験の利用者のフィードバック情報を取得
することを特徴とする請求項1
又は2に記載の研修支援システム。
【請求項4】
ユーザ端末に接続される制御部を備えた研修支援システムを用いて、研修支援を行なうための方法であって、
前記制御部が、
研修希望者のユーザ端末でオフィス経験を行なう対象企業の
社員構成を取得し、
前記対象企業の社員のSNSサイトから、前記社員のメッセージに含まれるキーワードを用いて、前記社員の特徴量を算出し、
前記対象企業のオフィス内に設置されたカメラにより撮影した録画データを用いて、オフィス環境の特徴量を算出し、
前記
社員の特徴量に基づいて、
前記対象企業の社員構成に応じた人数の社員アバター及び動作情報を生成し、
前記オフィス環境の特徴量に基づいて、前記ユーザ端末でオフィス経験を行なう対象企業の仮想オフィスを生成し、
前記社員アバターを
前記仮想オフィスに配置して、前記社員アバターを前記動作情報により動作させた仮想現実画像を、前記ユーザ端末に出力
し、
前記ユーザ端末において、前記研修希望者に応じて設定された研修テーマで、前記社員アバターとともに研修を受講させることを特徴とする研修支援方法。
【請求項5】
ユーザ端末に接続される制御部を備えた研修支援システムを用いて、研修支援を行なうためのプログラムであって、
前記制御部を、
研修希望者のユーザ端末でオフィス経験を行なう対象企業の
社員構成を取得し、
前記対象企業の社員のSNSサイトから、前記社員のメッセージに含まれるキーワードを用いて、前記社員の特徴量を算出し、
前記対象企業のオフィス内に設置されたカメラにより撮影した録画データを用いて、オフィス環境の特徴量を算出し、
前記
社員の特徴量に基づいて、
前記対象企業の社員構成に応じた人数の社員アバター及び動作情報を生成し、
前記オフィス環境の特徴量に基づいて、前記ユーザ端末でオフィス経験を行なう対象企業の仮想オフィスを生成し、
前記社員アバターを
前記仮想オフィスに配置して、前記社員アバターを前記動作情報により動作させた仮想現実画像を、前記ユーザ端末に出力
し、
前記ユーザ端末において、前記研修希望者に応じて設定された研修テーマで、前記社員アバターとともに研修を受講させる手段として機能させることを特徴とする研修支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業における研修を支援するための研修支援システム、研修支援方法及び研修支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して多様なコンテンツが提供されている。このコンテンツの中には、VR(virtual reality)を利用する技術もある(例えば、特許文献1,2参照。)。この特許文献1に記載された販売システムは、顧客側コンピュータと販売側コンピュータとにネットワークを介して接続され、仮想現実空間における潜在顧客と販売スタッフとの活動を実現させる。サーバシステムは、顧客アバターと販売アバターとを仮想現実空間内において管理する。そして、予め告知された所定の場所に来場した顧客アバターであって予め設定された行動を行なった者である見込み客を検出し、その見込み客の属性情報に基づいて複数の販売スタッフの中から特定の販売スタッフを選択する。また、特許文献2に記載された技術では、仮想空間において行われる作業の訓練において、訓練者の周囲を確認する行動を評価する。具体的には、訓練システムは、仮想空間における訓練者の位置から作業の対象に向かう方向を基準方向として、この基準方向からの視野に含まれる訓練者の視線方向の変化量に基づいて、訓練者の周囲を確認する行動を評価する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-8638号公報
【文献】特開2020-52281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、新しい職場環境で就業するための研修においては、業務知識の研修だけでは十分ではない。また、就業先によって業務環境が異なるので、この業務環境になじめなければ、的確な業務遂行が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する研修支援システムは、ユーザ端末に接続される制御部を備える。そして、前記制御部が、ユーザ端末でオフィス経験を行なう対象企業の企業情報を取得し、前記企業情報に基づいて、社員アバター及び動作情報を生成し、前記社員アバターを仮想空間に配置して、前記社員アバターを前記動作情報により動作させた仮想現実画像を、前記ユーザ端末に出力する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、職場環境に応じた研修を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】実施形態の情報記憶部に記録された情報の説明図であって、(a)は企業情報記憶部、(b)はアバター情報記憶部、(c)はオフィス情報記憶部、(d)は参加者情報記憶部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図4に従って、研修支援システム、研修支援方法及び研修支援プログラムを具体化した実施形態を説明する。本実施形態では、新たな職場環境(就業先)で業務遂行のための研修を行なう場合を想定する。
ここでは、
図1に示すように、情報提供装置10、支援サーバ20、ユーザ端末30を用いる。
【0009】
(ハードウェア構成の説明)
図2を用いて、情報提供装置10、支援サーバ20、ユーザ端末30を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0010】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0011】
入力装置H12は、ユーザ等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。
記憶装置H14は、情報提供装置10、支援サーバ20、ユーザ端末30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0012】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、情報提供装置10、支援サーバ20、ユーザ端末30における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各サービスのための各種プロセスを実行する。
【0013】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0014】
(各機能部の説明)
情報提供装置10は、就業先企業に関する情報を提供するコンピュータシステムである。この情報提供装置10としては、例えば、企業サイト11、SNSサイト12、録画システム13を用いることができる。
【0015】
企業サイト11は、企業情報を発信するウェブページを管理するコンピュータシステムである。このウェブページには、経営方針(経営者のメッセージ等)、会社情報(会社概要、沿革、役員構成、社員構成、組織図等)、財務情報(決算資料等)が含まれる。
【0016】
SNSサイト12は、ソーシャルネットワークサービス(メッセージサービス)において、各ユーザのメッセージを管理するコンピュータシステムである。このSNSサイト12は、SNSアカウント、発信日時に関連付けられたメッセージを、インターネットを介して発信する。
【0017】
録画システム13は、企業のオフィス内に設置されたカメラにより撮影した音声や画像を含む録画データや、ウェブ会議を撮影した録画データを管理するコンピュータシステムである。
【0018】
支援サーバ20は、ユーザ(参加者)の研修を支援するコンピュータシステムである。この支援サーバ20は、制御部21、企業情報記憶部22、アバター情報記憶部23、オフィス情報記憶部24、参加者情報記憶部25を備える。
【0019】
制御部21は、情報取得段階、分析段階、生成段階、研修支援段階等の各処理等を行なう。このため、支援サーバ20には、研修支援アプリケーションが格納されている。研修支援アプリケーションを起動することにより、制御部21は、情報取得部211、分析部212、生成部213、研修支援部214として機能する。
【0020】
情報取得部211は、情報提供装置10やユーザ端末30から各種情報を取得する処理を実行する。
分析部212は、情報提供装置10から取得した情報を分析して、企業の社員構成やオフィス雰囲気の特徴量を特定する処理を実行する。オフィス雰囲気の特徴量の算出には、例えば、画像や音声を入力して、特徴量を算出する関数を用いることができる。この関数には、例えば、深層学習により算出した予測モデルを用いてもよい。
【0021】
生成部213は、社員構成やオフィス雰囲気に応じて、社員アバターや仮想オフィスを生成する処理を実行する。
研修支援部214は、仮想オフィスにおいて、社員アバターを用いて、オフィスを疑似体験させた研修(オフィス経験情報)の提供を支援する処理を実行する。
【0022】
図3(a)に示すように、企業情報記憶部22には、各企業についての企業管理レコード220が記録される。この企業管理レコード220は、企業登録が行なわれた場合に記録される。企業管理レコード220には、企業ID、アクセス先、社員構成、オフィス雰囲気、利用オブジェクト等に関するデータが記録される。
【0023】
企業IDデータ領域には、各企業を特定するための識別子に関するデータが記録される。
アクセス先データ領域には、この企業についての情報を取得するためのアクセス先に関するデータが記録される。このアクセス先には、例えば、この企業の企業サイト11や、この企業の社員がメッセージを発信するSNSサイト12、録画システム13のアドレス(URL)を用いる。
【0024】
社員構成データ領域には、この企業についての社員の雰囲気に関するデータが記録される。社員構成としては、例えば、社員構成(男女比、年齢層)を用いることができる。
【0025】
オフィス雰囲気データ領域には、この企業のオフィス雰囲気に関するデータが記録される。オフィス雰囲気としては、社員の雰囲気(性格や多様性等)を評価した特徴量、オフィス環境(環境音、色調、雰囲気等)を評価した特徴量を用いることができる。
【0026】
利用オブジェクトデータ領域には、この企業の研修で用いるオブジェクト(アバター、仮想オフィス)を特定するための識別子(アバターID、性格ID、オフィスID)に関するデータが記録される。
【0027】
企業情報記憶部22には、企業管理レコード220に関連付けて研修管理レコード221が記録されている。この研修管理レコード221は、研修内容が登録された場合に記録される。研修管理レコード221は、研修テーマ、研修コンテンツに関するデータが記録される。
【0028】
研修テーマデータ領域には、この企業において行なわれる研修(講義や討論等)のテーマを特定するための識別子に関するデータが記録される。
研修コンテンツデータ領域には、この研修テーマにおいて、参加者に提供される研修の内容に関するデータが記録される。
【0029】
図3(b)に示すように、アバター情報記憶部23には、企業の社員の雛形についてのアバター管理レコード230、性格管理レコード231が記録される。このアバター管理レコード230、性格管理レコード231は、アバターの雛形を登録した場合に記録される。
【0030】
アバター管理レコード230には、アバターID、特徴量、アバター画像等に関するデータが記録される。
アバターIDデータ領域には、各アバターを特定するための識別子に関するデータが記録される。
特徴量データ領域には、このアバターの画像の特徴量(性別、年齢、雰囲気等)に関するデータが記録される。
アバター画像データ領域には、このアバターの人物画像に関するデータが記録される。
【0031】
性格管理レコード231には、性格ID、特徴量、動作に関するデータが記録される。
性格IDデータ領域には、各性格を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0032】
特徴量データ領域には、この性格の特徴量(例えば、積極性、発言の多さ等)に関するデータが記録される。
動作データ領域には、この性格に応じてアバターを動作(例えば、身振り、発言等)させるための情報が記録される。
【0033】
図3(c)に示すように、オフィス情報記憶部24には、各オフィスの雛形についてのオフィス管理レコード240が記録される。このオフィス管理レコード240は、仮想オフィス空間の雛形を登録した場合に記録される。オフィス管理レコード240には、オフィスID、特徴量、仮想オフィス空間等に関するデータが記録される。
【0034】
オフィスIDデータ領域には、研修に用いる各オフィスを特定するための識別子に関するデータが記録される。
特徴量データ領域には、このオフィス環境の特徴量(例えば、色調や環境音等)に関するデータが記録される。
仮想オフィス空間データ領域には、研修に用いる仮想オフィスのオブジェクトの雛形に関するデータが記録される。
【0035】
図3(d)に示すように、参加者情報記憶部25には、研修に参加する各ユーザについての参加者管理レコード250が記録される。この参加者管理レコード250は、参加者のユーザ登録(利用受付)が行なわれた場合に記録される。参加者管理レコード250には、参加者ID、個人情報、研修先、研修履歴、フィードバック等に関するデータが記録される。
【0036】
参加者IDデータ領域には、各参加者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
個人情報データ領域には、この参加者の個人情報に関するデータが記録される。この個人情報には、例えば、性別、年齢等の属性、職歴、スキル、趣味や興味がある分野等の趣向に関する情報が含まれる。
【0037】
研修先データ領域には、参加者が研修を受ける企業を特定するための識別子に関するデータが記録される。
研修履歴データ領域には、この参加者が受講した研修の履歴に関するデータが記録される。この研修履歴には、研修テーマ、開始日、終了日に関する情報が含まれる。
フィードバックデータ領域には、研修に参加した参加者の感想等のフィードバックに関するデータが記録される。
【0038】
図1に示すユーザ端末30は、研修に参加する参加者が用いるコンピュータ端末である。このユーザ端末30には、HMD(Head Mounted Display)が接続されている。このHMDを用いることにより、仮想空間の中で、コンテンツを疑似体験することができる。
【0039】
次に、
図4を用いて、研修支援処理を説明する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、企業各種情報の取得処理を実行する(ステップS101)。具体的には、制御部21の情報取得部211は、情報提供装置10にアクセスし、企業情報を取得する。例えば、情報取得部211は、企業情報記憶部22の企業管理レコード220に記録されているアクセス先を用いて、企業サイト11にアクセスし、ウェブページに掲載された会社方針、会社情報を取得する。また、情報取得部211は、企業管理レコード220に記録されているアクセス先を用いて、この企業の社員が利用するSNSサイト12にアクセスし、社員が発信したメッセージを取得する。また、情報取得部211は、企業管理レコード220に記録されているアクセス先を用いて、録画システム13にアクセスし、この企業のオフィスやウェブ会議を撮影した録画データを取得する。
【0040】
次に、支援サーバ20の制御部21は、社員情報の取得処理を実行する(ステップS102)。具体的には、制御部21の情報取得部211は、企業サイト11から取得した会社情報に基づいて社員構成(社員数、男女比率、年齢層等)を取得する。
【0041】
次に、支援サーバ20の制御部21は、オフィス雰囲気の特定処理を実行する(ステップS103)。具体的には、制御部21の分析部212は、情報提供装置10から取得した企業各種情報を用いて、オフィス雰囲気を評価して、特徴量を算出する。
例えば、分析部212は、経営者のメッセージに含まれるキーワードを用いて、経営者の雰囲気(保守性、積極性等)を評価して、特徴量を算出する。
また、分析部212は、SNSサイト12から取得した社員のメッセージに含まれるキーワードを用いて、社員の雰囲気(快活度、活動量、多様性等)を評価して、特徴量を算出する。
また、分析部212は、録画データを用いて、オフィス内の社員の雰囲気を評価して、特徴量を算出する。社員の雰囲気は、服装の自由度(多様性)、社員の会話状況(会話の頻度や声の大きさ等)を用いることができる。
また、分析部212は、録画データを用いて、オフィス内の状況(雑然や整然)、色調等を評価して、オフィス環境の特徴量を算出する。そして、分析部212は、特定したオフィス環境の特徴量を、企業情報記憶部22の企業管理レコード220に、オフィス雰囲気として記録する。
【0042】
次に、支援サーバ20の制御部21は、アバター画像の生成処理を実行する(ステップS104)。具体的には、制御部21の生成部213は、企業情報記憶部22に記録された社員構成を取得する。更に、オフィス雰囲気における社員の特徴量を算出する。次に、生成部213は、算出した社員の特徴量に対応するアバター管理レコード230を、アバター情報記憶部23において特定し、特定したアバター管理レコード230のアバターIDを、企業情報記憶部22の企業管理レコード220に利用オブジェクトとして記録する。この場合、参加人数に対して、社員構成に応じた男女比、年齢層のアバター画像を用いる。
【0043】
次に、支援サーバ20の制御部21は、アバター性格の生成処理を実行する(ステップS105)。具体的には、制御部21の生成部213は、算出した社員の特徴量に対応する性格管理レコード231を、アバター情報記憶部23において特定し、特定した性格管理レコード231の性格IDを、企業情報記憶部22の企業管理レコード220に利用オブジェクトとして記録する。
【0044】
次に、支援サーバ20の制御部21は、仮想オフィスの生成処理を実行する(ステップS106)。具体的には、制御部21の生成部213は、企業情報記憶部22に記録されたオフィス環境の特徴量を取得する。次に、生成部213は、オフィス環境の特徴量に対応するオフィス管理レコード240を、オフィス情報記憶部24において特定し、特定したオフィス管理レコード240のオフィスIDを、企業情報記憶部22の企業管理レコード220に利用オブジェクトとして記録する。
【0045】
次に、支援サーバ20の制御部21は、利用受付処理を実行する(ステップS107)。具体的には、制御部21の研修支援部214は、研修を希望する参加者のユーザ端末30からアクセスを受け付ける。この場合、情報取得部211は、ユーザ端末30に、利用受付画面を出力する。この利用受付画面には、参加者の個人情報(属性、趣向等)、研修先の入力欄が設けられている。そして、情報取得部211は、利用受付画面に入力された各種情報を取得する。この場合、情報取得部211は、参加者IDを付与した参加者管理レコード250を生成し、参加者情報記憶部25に記録する。この参加者管理レコード250には、個人情報、研修先に関するデータを含める。
【0046】
次に、支援サーバ20の制御部21は、テーマ設定処理を実行する(ステップS108)。具体的には、制御部21の研修支援部214は、ユーザ端末30に、研修画面を出力する。この研修画面には、研修先の企業情報記憶部22の企業管理レコード220に記録された研修テーマの選択欄が設けられている。ここで、研修支援部214は、参加者管理レコード250の研修履歴において、研修実績が記録されている研修テーマについては、研修画面から削除したり、表示の優先順位を下げたりしてもよい。また、参加者情報記憶部25に記録されている個人情報(趣向や職歴)に応じて、表示の優先順位を変更するようにしてもよい。また、趣向対応する研修テーマを優先させるようにしてもよい。また、職歴においてスキルがある研修テーマを削除するようにしてもよい。そして、研修支援部214は、ユーザ端末30から、選択された研修テーマを取得し、参加者管理レコード250の研修履歴に開始日を記録する。
【0047】
次に、支援サーバ20の制御部21は、仮想オフィスでの研修処理を実行する(ステップS109)。具体的には、制御部21の研修支援部214は、オフィス情報記憶部24に記録された仮想オフィスに、アバター情報記憶部23に記録された社員アバターを配置する。この場合、各社員アバターは、企業情報記憶部22に記録された利用オブジェクトの性格IDを取得する。そして、研修支援部214は、この性格IDに対応して、アバター情報記憶部23に記録された動作でアバター画像を動かす。そして、参加者は、ユーザ端末30のHMDを用いて、仮想オフィスで、社員アバターとともに、研修(オフィス経験情報)を受講する。
【0048】
次に、支援サーバ20の制御部21は、参加者のフィードバック処理を実行する(ステップS110)。具体的には、制御部21の研修支援部214は、研修の修了を検知した場合、参加者管理レコード250の研修履歴に、終了日を記録する。そして、研修支援部214は、ユーザ端末30にアンケート画面を出力する。その後、研修支援部214は、ユーザ端末30から、アンケート画面に入力されたフィードバックを参加者情報記憶部25に記録する。このフィードバックを、企業や支援サーバ20の管理者に提供することにより、研修テーマや研修コンテンツを修正したり、変更したりすることができる。
【0049】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、企業各種情報の取得処理を実行する(ステップS101)。これにより、研修を行なう企業の雰囲気を特定することができる。更に、SNSサイト12を用いることにより、社員が発信するメッセージを取得することができる。更に、録画システム13を用いることにより、オフィスや会議の雰囲気を特定することができる。
【0050】
(2)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、社員情報の取得処理を実行する(ステップS102)。これにより、仮想オフィスで用いる社員アバターの構成を特定することができる。
【0051】
(3)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、オフィス雰囲気の特定処理を実行する(ステップS103)。これにより、実際の企業の雰囲気に応じた仮想オフィスを生成することができる。
【0052】
(4)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、アバター画像の生成処理(ステップS104)、アバター性格の生成処理(ステップS105)を実行する。これにより、社員の構成やオフィス雰囲気に応じた社員アバターを生成することができる。
【0053】
(5)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、利用受付処理(ステップS107)、テーマ設定処理(ステップS108)を実行する。これにより、参加者の状況を考慮した研修を設定することができる。
【0054】
(6)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、仮想オフィスでの研修処理を実行する(ステップS109)。これにより、新しい職場環境に応じた仮想空間において、研修を行なうことができる。従って、参加者は、仮想空間内の疑似体験により、企業のオフィス雰囲気に慣れることができる。
【0055】
(7)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、参加者のフィードバック処理を実行する(ステップS110)。これにより、研修実績に応じて、研修テーマや研修コンテンツを調整することができる。
【0056】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、企業各種情報の取得処理(ステップS101)、オフィス雰囲気の特定処理(ステップS103)を実行する。ここでは、情報提供装置10(企業サイト11、SNSサイト12、録画システム13)から、企業各種情報を取得する。企業各種情報の情報源は、これらに限定されるものではない。例えば、経営者や社員へのインタビュー、アンケート、口コミサイトからの評判情報等を用いて、オフィス雰囲気を特定することも可能である。
【0057】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、社員情報の取得処理を実行する(ステップS102)。ここでは、企業サイト11の会社情報の社員構成を用いる。社員構成を特定できれば、社員情報の取得方法は、企業サイト11を用いる場合に限定されるものではない。例えば、支援サーバ20の制御部21は、録画システム13から取得した録画データに基づいて、オフィス内の社員や会議に参加している社員の画像認識により、社員構成を特定するようにしてもよい。
【0058】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、アバター画像の生成処理を実行する(ステップS104)。ここでは、アバター情報記憶部23に記録されたアバターの雛形を用いる。アバター画像の生成方法は、これに限定されるものではない。例えば、録画データに含まれる社員画像を加工して、アバター画像を生成するようにしてもよい。
【0059】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、仮想オフィスの生成処理を実行する(ステップS106)。ここでは、オフィス情報記憶部24に記録された仮想オフィスの雛形を用いる。仮想オフィスの生成方法は、これに限定されるものではない。例えば、録画データに含まれるオフィス画像を加工して、オフィス画像を生成するようにしてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、テーマ設定処理を実行する(ステップS108)。ここでは、参加者が、ユーザ端末30を用いて、研修テーマを選択する。研修テーマの設定方法は、参加者の選択に限定されるものではない。例えば、研修テーマの内容に関するキーワードを関連付けて記録しておき、参加者の個人情報とキーワードとを照合して、一致度が高い(優先順位の高い)研修テーマを機械的に設定するようにしてもよい。
【0061】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、仮想オフィスでの研修処理を実行する(ステップS109)。この場合、ユーザ端末30のHMDを用いる。研修方法は、HMDを用いる方法に限定されるものではなく、オフィス雰囲気を経験できるものであればよく、例えばデスクトップの画面を用いて研修を行なってもよい。
【0062】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、参加者のフィードバック処理を実行する(ステップS110)。ここでは、アンケート画面により、参加者のフィードバックを取得する。フィードバック方法は、参加者の入力に限定されるものではない。例えば、研修参加時の参加者の状況(発言や表情等)を録画して、参加者の感情や心証を取得し、フィードバックとして用いてもよい。また、ウェアラブル端末を用いて、研修参加時の参加者の生体情報を取得して、フィードバックとして用いてもよい。
【0063】
・上記実施形態では、情報提供装置10、支援サーバ20、ユーザ端末30を用いる。ハードウェアの構成は、これに限定されるものではない。例えば、企業のオフィス雰囲気を分析する装置と、研修を実施する装置とを分けて構成してもよい。また、支援サーバ20とユーザ端末30とを、一体で構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10…情報提供装置、20…支援サーバ、21…制御部、211…情報取得部、212…分析部、213…生成部、214…研修支援部、22…ユーザ情報記憶部、23…アバター情報記憶部、24…オフィス情報記憶部、25…参加者情報記憶部、30…ユーザ端末。