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特許7198405リース契約システム及びリース契約プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】リース契約システム及びリース契約プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20221222BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019135730
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2021018757
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519268986
【氏名又は名称】イチロウホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【弁理士】
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】緒方 幸一郎
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-357325(JP,A)
【文献】特開2001-195516(JP,A)
【文献】特開2010-033617(JP,A)
【文献】特開2009-271866(JP,A)
【文献】特開2015-069584(JP,A)
【文献】特開2019-046218(JP,A)
【文献】特開2014-146120(JP,A)
【文献】国際公開第2013/014987(WO,A1)
【文献】特開2018-060300(JP,A)
【文献】特開2018-045300(JP,A)
【文献】特開2016-197353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末及び該端末とネットワークを介して接続されて前記端末を介して前記ユーザによる車両のリース契約の申し込みを受け付けるサーバを備えるリース契約システムにおいて、
前記サーバは、
前記リース契約の申し込みに関するリース契約申込データが入力される入力モジュールと、
該入力モジュールに入力された前記リース契約申込データと予め設定された基準とに基づいて審査が実行されて該審査の結果に応じて前記ユーザに対して保証金を請求する保証金請求データを生成する保証金請求データ生成モジュールと、
該保証金請求データ生成モジュールで生成された前記保証金請求データに基づいた送金処理が実行された後に前記リース契約に関する契約関連データを前記ユーザの前記端末に提供する契約関連データ提供モジュールと、
を備えることを特徴とするリース契約システム。
【請求項2】
前記審査は、
前記ユーザと前記リース契約を締結するか否かを自律的に判断する人工知能プログラムによって実行されることを特徴とする請求項1に記載のリース契約システム。
【請求項3】
前記リース契約申込データは、
前記ユーザの所得に関する情報を有し、
前記人工知能プログラムは、
前記ユーザの前記所得が予め設定された所得以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のリース契約システム。
【請求項4】
前記審査の結果が前記端末及び前記サーバに送信されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のリース契約システム。
【請求項5】
前記車両は、
最初に車両登録を行ったときから6年以内であって走行距離が10万kmを超えた中古車両であって、
前記保証金請求データは、
前記中古車両の車両評価額に基づいて設定されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のリース契約システム。
【請求項6】
前記リース契約の締結後に任意の一定期間ごとに前記リース契約に基づくリース費用請求データを生成するリース費用請求データ生成モジュールを備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のリース契約システム。
【請求項7】
前記リース契約の締結後に前記車両に関連する車両関連情報が前記ユーザの前記端末に提供されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のリース契約システム。
【請求項8】
測位衛星から測位信号を受信する測位装置が前記車両に搭載されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のリース契約システム。
【請求項9】
前記ユーザが前記リース契約で定められた事項に反した場合に前記車両の始動を停止する車両停止装置が前記車両に搭載されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のリース契約システム。
【請求項10】
ユーザの端末とネットワークを介して接続されて前記端末を介して前記ユーザによる車両のリース契約の申し込みを受け付けるサーバに格納されるリース契約プログラムにおいて、
前記リース契約の申し込みに関するリース契約申込データが入力される入力モジュールと、
該入力モジュールに入力された前記リース契約申込データと予め設定された基準とに基づいて審査が実行されて該審査の結果に応じて前記ユーザに対して保証金を請求する保証金請求データを生成する保証金請求データ生成モジュールと、
該保証金請求データ生成モジュールで生成された前記保証金請求データに基づいた送金処理が実行された後に前記リース契約に関する契約関連データを前記ユーザの前記端末に提供する契約関連データ提供モジュールと、
を備えることを特徴とするリース契約プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リース契約システム及びリース契約プログラム、特に、ユーザの端末及び端末とネットワークを介して接続されて端末を介してユーザによる車両のリース契約の申し込みを受け付けるサーバを備えるリース契約システム、及びユーザの端末及び端末とネットワークを介して接続されて端末を介してユーザによる車両のリース契約の申し込みを受け付けるサーバに格納されるリース契約プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のうち自動車は、陸上の移動手段として最も普及しており、特に、大都市圏に比べて鉄道網やバス交通網が発展していない地方では、単に日常生活の利便性を向上させる手段に留まるものではなく、通勤や買い物といった日常生活に欠かせない手段となっている。
【0003】
ユーザが自動車を利用する形態としては、ユーザが自ら自動車を購入して利用する形態のほか、例えば半日や1日といった比較的短期な利用時間に応じて予め定められた料金の支払いにより自動車をレンタルして利用する形態や、例えば月単位で一定額を支払ういわゆるリース契約で比較的長期な一定期間に亘って自動車を利用する形態等が存在する。
【0004】
これらの利用形態のうち、リース契約で自動車を利用する形態は、これまでは法人利用が中心であったが、近年は、ライフスタイルや価値観の変化に伴って、自動車の利用が日常生活に欠かせない個人のユーザにも広く利用されるようになってきている。
【0005】
特許文献1には、車両代金やリース期間分の自動車税等に基づいて設定されるパッケージ料金からリース金額を算出し、リース金額からリース月額を算出して徴収し、リース期間の終了後に車両の引き取りあるいはユーザによる買い取りがなされるカーリースシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-242733公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、リース契約で自動車を利用する形態の場合は、手続の簡便化の観点から、インターネットウェブサイトを介した申し込みに基づいてリース契約の手続が開始される場合があるが、リース契約の申し込み後の手続について、更なる効率化が要望されるところである。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、リース契約で車両を利用する場合の手続を効率的に行うことができるリース契約システム及びリース契約プログラムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るリース契約システムは、ユーザの端末及び端末とネットワークを介して接続されて端末を介してユーザによる車両のリース契約の申し込みを受け付けるサーバを備えるリース契約システムにおいて、サーバは、リース契約の申し込みに関するリース契約申込データが入力される入力モジュールと、入力モジュールに入力されたリース契約申込データと予め設定された基準とに基づいて審査が実行されて審査の結果に応じてユーザに対して保証金を請求する保証金請求データを生成する保証金請求データ生成モジュールと、保証金請求データ生成モジュールで生成された保証金請求データに基づいた送金処理が実行された後にリース契約に関する契約関連データをユーザの端末に提供する契約関連データ提供モジュールと、を備えることを特徴としている。
【0010】
このリース契約システムにおいて、審査は、ユーザとリース契約を締結するか否かを自律的に判断する人工知能プログラムによって実行されることを特徴としている。
【0011】
これによれば、ユーザに入力されたリース契約申込データに基づいて人工知能プログラムによる審査が実行され、審査の結果に応じて生成される保証金請求データに基づいた送金処理が実行されると、ユーザに契約関連データが提供されることから、リース契約の申し込みからリース契約の締結まで、スムーズかつ効率的な手続が進められる。
【0012】
さらに、リース契約システムのリース契約申込データは、ユーザの所得に関する情報を有し、人工知能プログラムは、ユーザの所得が予め設定された所得以下であるか否かを判定することを特徴としている。
【0013】
さらに、リース契約システムは、審査の結果が端末及びサーバに送信されることを特徴としている。
【0014】
このリース契約システムにおいて、車両は、最初に車両登録を行ったときから6年以内であって走行距離が10万kmを超えた中古車両であってもよく、保証金請求データは、中古車両の車両評価額に基づいて設定されることを特徴としている。
【0015】
リース契約システムは、リース契約の締結後に任意の一定期間ごとにリース契約に基づくリース費用請求データを生成するリース費用請求データ生成モジュールを備えることを特徴としている。
【0016】
しかも、リース契約システムは、リース契約の締結後に車両に関連する車両関連情報がユーザの端末に提供されることを特徴としている。
【0017】
さらに、このリース契約システムでは、測位衛星から測位信号を受信する測位装置が車両に搭載されるものであってもよいし、ユーザがリース契約で定められた事項に反した場合に車両の始動を停止する車両停止装置が車両に搭載されるものであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係るリース契約プログラムは、ユーザの端末とネットワークを介して接続されて端末を介してユーザによる車両のリース契約の申し込みを受け付けるサーバに格納されるリース契約プログラムにおいて、リース契約の申し込みに関するリース契約申込データが入力される入力モジュールと、入力モジュールに入力されたリース契約申込データと予め設定された基準とに基づいて審査が実行されて審査の結果に応じてユーザに対して保証金を請求する保証金請求データを生成する保証金請求データ生成モジュールと、保証金請求データ生成モジュールで生成された保証金請求データに基づいた送金処理が実行された後にリース契約に関する契約関連データをユーザの端末に提供する契約関連データ提供モジュールと、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、リース契約の申し込みからリース契約の締結まで、スムーズかつ効率的な手続が進められる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係るリース契約システムの構成の概略を説明する図である。
図2】同じく、本実施の形態に係るリース契約システムのサーバの構成の概略を説明するブロック図である。
図3】同じく、本実施の形態に係るリース契約システムのサーバのストレージの構成の概略を説明するブロック図である。
図4】同じく、本実施の形態に係るリース契約システムで処理されるリース契約申込データの構成の概略を説明する図である。
図5】同じく、本実施の形態に係るリース契約システムで処理される契約関連データの構成の概略を説明する図である。
図6】同じく、本実施の形態に係るリース契約システムの管理システムに格納される人工知能プログラムの処理の概略を説明するブロック図である。
図7】同じく、本実施の形態に係るリース契約システムの運用の概略を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図1図7に基づいて、本発明の実施の形態に係るリース契約システムについて説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るリース契約システムの構成の概略を説明する図である。図示のように、リース契約システム10は、ユーザ1の端末であるスマートフォン20、スマートフォン20とネットワークを介して接続されるサーバ30、サーバ30及びスマートフォン20とネットワークを介して接続される管理システム40を主要構成として備える。
【0023】
サーバ30は、本実施の形態では、ユーザ1との間のリース契約に基づいて車両である自動車50をユーザ1にリースする事業を運営するリース事業者2に配備される。
【0024】
一方、管理システム40は、本実施の形態では、リース契約に関する審査を実行するとともにリース契約に基づいて発生する費用の金銭処理を実行する金融機関3に配備される。
【0025】
次に、本実施の形態に係るリース契約システム10の各部の構成の概略について説明する。
【0026】
スマートフォン20には、本実施の形態では、表示面への接触によって情報の入出力が可能であって抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される表示部を介して入出力が可能なアプリケーションソフトウェア21が格納される。
【0027】
図2は、サーバ30の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、サーバ30は、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34、及び入出力部35を主要構成として備え、これらが互いにバス36を介して電気的に接続される。
【0028】
プロセッサ31は、サーバ30の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0029】
このプロセッサ31は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ33に格納されてメモリ32に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0030】
メモリ32は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。
【0031】
このメモリ32は、プロセッサ31の作業領域として使用される一方、管理サーバ30の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0032】
ストレージ33は、アプリケーションプログラムや各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。ストレージ33の構成については、後述する。
【0033】
送受信部34は、サーバ30をネットワークに接続する。この送受信部34は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0034】
入出力部35には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0035】
バス36は、接続したプロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34及び入出力部35の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0036】
図3は、サーバ30のストレージ33の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ストレージ33は、リース契約プログラム33A、及びストレージ33の記憶領域によって実現されるデータベース33Bを備える。
【0037】
リース契約プログラム33Aは、本実施の形態では、入力モジュール33a、保証金請求データ生成モジュール33b、契約関連データ提供モジュール33c及びリース費用請求データ生成モジュール33dを備える。
【0038】
このリース契約プログラム33Aは、本実施の形態では、サーバ30のディスプレイに表示されてサーバ30で情報の入出力が可能な画面インターフェースによって実装される。
【0039】
入力モジュール33aは、本実施の形態では、リース契約申込データD1、審査結果データD2、保証金送金データD3及び費用送金データD4が入力されるモジュールである。
【0040】
図4は、リース契約申込データD1の構成の概略を説明する図である。図示のように、リース契約申込データD1は、ユーザ1の氏名、性別、生年月日/年齢、住所、希望車種、職業、所得(年収)、免許証番号等の複数の情報によって構成される。
【0041】
このリース契約申込データD1のうち、例えば所得(年収)についての情報は、ユーザ1の源泉徴収票をスマートフォン20のカメラで撮像した画像情報であってもよいし、免許証番号についての情報も、ユーザ1の免許証をスマートフォン20のカメラで撮像した画像情報であってもよい。
【0042】
このリース契約申込データD1は、本実施の形態では、ユーザ1によってスマートフォン20のアプリケーションソフトウェア21及びスマートフォン20とサーバ30とを接続するネットワークを介して入力モジュール33aに入力される。
【0043】
入力モジュール33aに入力されたリース契約申込データD1は、本実施の形態では、金融機関3の管理システム40に送信されるとともにデータベース33Bに格納される。
【0044】
図3で示すように、審査結果データD2は、ユーザ1とリース事業者2との間のリース契約に関する審査の結果の情報、すなわちユーザ1とリース契約を締結する旨の情報、あるいはユーザ1とリース契約を締結しない旨の情報によって構成され、本実施の形態では、管理システム40に格納される後述する人工知能プログラムによって生成される。
【0045】
この審査結果データD2は、本実施の形態では、管理システム40とサーバ30とを接続するネットワークを介して入力モジュール33aに入力されるとともに、ユーザ1のスマートフォン20にも送信される。
【0046】
保証金送金データD3は、ユーザ1の指示に基づいて後述する保証金請求データに従った送金処理が金融機関3からリース事業者2に対して実行された旨の情報によって構成され、本実施の形態では、管理システム40によって生成される。
【0047】
この保証金送金データD3は、本実施の形態では、管理システム40とサーバ30とを接続するネットワークを介して入力モジュール33aに入力される。
【0048】
費用送金データD4は、ユーザ1の指示に基づいて後述するリース費用請求データに従った送金処理が金融機関3からリース事業者2に対して実行された旨の情報によって構成され、本実施の形態では、管理システム40によって生成される。
【0049】
この費用送金データD4は、本実施の形態では、管理システム40とサーバ30とを接続するネットワークを介して入力モジュール33aに入力される。
【0050】
保証金請求データ生成モジュール33bは、本実施の形態では、ユーザ1とリース契約を締結する旨の審査結果データD2が入力モジュール33aに入力された場合に、保証金請求データD5を生成するモジュールである。
【0051】
保証金請求データD5は、本実施の形態では、ユーザ1にリースする自動車50の車両評価額に基づいて設定され、車両評価額は、自動車50をリース事業者2が取得した際の価格、すなわち仕入原価に基づいて設定される。
【0052】
保証金請求データD5が設定される基礎となる車両評価額は、例えば、ユーザ1にリースする自動車50の車種に応じて仕入原価が異なる場合は、複数が設定されるものであってもよい。
【0053】
生成された保証金請求データD5は、本実施の形態では、ユーザ1のスマートフォン20に送信される。
【0054】
契約関連データ提供モジュール33cは、本実施の形態では、保証金送金データD3が入力モジュール33aに入力された場合に、契約関連データD6をユーザ1のスマートフォン20に提供するモジュールである。
【0055】
例えば、ユーザ1のスマートフォン20のアプリケーションソフトウェア21を介して契約関連データD6をユーザ1がダウンロードをすることが可能となるように提供してもよいし、契約関連データD6をユーザ1のスマートフォン20に直接的に送信することによって提供してもよい。
【0056】
図5は、契約関連データD6の構成の概略を説明する図である。図示のように、契約関連データD6は、契約書データd1及び委任状データd2によって構成される。
【0057】
契約書データd1は、ユーザ1とリース事業者2との間のリース契約に関する複数の条項が規定されたデータであって、各条項に同意してリース契約を締結する意思のあるユーザ1によって電子的な署名がなされると、サーバ30に送信される。
【0058】
委任状データd2は、例えば自動車保管場所証明書(車庫証明書)の取得の代理や自動車登録業務等についての代理といった複数の委任事項が規定されたデータであって、各委任事項に同意して行政書士に委任する意思のあるユーザ1によって紙媒体に印刷されて署名及び押印がなされると、リース事業者2に郵送される。
【0059】
図3で示すように、リース費用請求データ生成モジュール33dは、ユーザ1とリース事業者2との間でリース契約が締結された後で、例えば1ヶ月ごとといった任意の一定期間ごとにリース費用請求データD7を生成するモジュールである。
【0060】
生成されたリース費用請求データD7は、本実施の形態では、ユーザ1のスマートフォン20に送信される。
【0061】
このリース費用請求データD7は、本実施の形態では、リース契約に基づいて予め定められた1ヶ月のリース費用に応じて設定され、リース費用は、例えば、自動車50の1ヶ月あたりの任意の自動車保険料及び保険代理店の手数料に基づいて設定される。
【0062】
データベース33Bには、本実施の形態では、車両関連情報D8が格納される。この車両関連情報D8は、例えば、自動車50のオイル交換の時期を連絡するオイル交換情報や、自動車50の定期点検を案内する定期点検情報、あるいは自動車50の車検を案内する自動車検査案内情報等で構成される。
【0063】
この車両関連情報D8は、ユーザ1とリース事業者2との間でリース契約が締結された後に、ユーザ1のスマートフォン20に任意に提供される。ユーザ1は、例えば、提供された自動車検査案内情報に基づいて、スマートフォン20を介して自動車検査の申し込みを24時間のいつでも行うことができる。
【0064】
図6は、管理システム40に格納される人工知能プログラムの処理の概略を説明するブロック図である。図示のように、人工知能プログラム41は、本実施の形態では、予め収集された複数のリース契約の申し込みに関する情報のうち職業及び所得(年収)に関する情報に基づいて、学習データLを生成する。
【0065】
さらに、人工知能プログラム41は、職業及び所得(年収)に関して予め設定された審査基準Sを教師データとして、生成した学習データLで機械学習をすることによって、学習済みモデルMを生成する。
【0066】
機械学習を行う手法としては、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、SVM(support vector machine)等、各種のアルゴリズムが適宜用いられる。
【0067】
続いて、人工知能プログラム41は、生成した学習済みモデルMとユーザ1のリース契約申込データD1とに基づいて、ユーザ1とリース事業者2とがリース契約を締結するか否かを自律的に判断することによって審査結果データD2を生成し、審査を実行する。
【0068】
次に、本実施の形態に係るリース契約システム10で処理されるリース契約に基づいてユーザ1にリースされる自動車50の概略を説明する。
【0069】
自動車50は、本実施の形態では、最初に自動車登録を行ったときから6年以内であって走行距離が10万kmを超えた、中古車両の取引市場において取得される、有効期間が2年の自動車検査が済んだ中古車両である。
【0070】
一般に、自動車の型式の変更は2年~6年で行われることが多いことから、最初に自動車登録を行ったときから6年以内の自動車であれば、その自動車と同じ車種の現在の型式の一つ前程度の比較的新しい型式であることも多く、そのような型式であれば、中古車両であっても、その仕様は現在の型式の自動車の仕様と同程度であると想定される。
【0071】
一方、現在の型式の一つ前程度の比較的新しい型式の自動車であっても、走行距離が10万kmを超えている場合は、中古車両の取引市場において安価で取得することができる。
【0072】
したがって、本実施の形態の自動車50は、その仕様は現在の型式の自動車の仕様と同程度でありつつ、安価な仕入原価で取得することができることから、車両評価額を低く設定することができる。
【0073】
図1で示すように、このような自動車50には、本実施の形態では、測位装置51及び車両停止装置52が搭載される。
【0074】
測位装置51は、測位衛星から測位信号を受信する装置であって、この測位装置51によって、自動車50が所在する位置が測位される。測位衛星は、本実施の形態では、GPS(Global Positioning System)で運用される人工衛星である。
【0075】
車両停止装置52は、ユーザ1がリース契約で定められた事項に反した場合に、自動車50の始動を停止する装置であって、本実施の形態では、EMS(Engine Management System)によって実装される。
【0076】
例えば、ユーザ1がスマートフォン20からアプリケーションソフトウェア21を削除したり、リース費用を任意の一定期間に亘って支払わなかったりする場合に、車両停止装置52によって自動車50の始動が停止される。
【0077】
次に、本実施の形態に係るリース契約システム10の運用について説明する。
【0078】
図7は、本実施の形態に係るリース契約システム10の運用の概略を説明するフローチャートである。図示のように、ステップS1において、ユーザ1は、スマートフォン20のアプリケーションソフトウェア21を介して、性別、生年月日/年齢、住所、希望車種、職業、所得(年収)、免許証番号等からなるリース契約申込データD1を、入力モジュール33aに入力する。
【0079】
ユーザ1が入力モジュール33aに入力したリース契約申込データD1は、金融機関3の管理システム40に送信されるとともにデータベース33Bに格納される。
【0080】
リース契約申込データD1が、金融機関3の管理システム40に送信されると、ステップS2において、管理システム40に格納された人工知能プログラム41によって、ユーザ1とリース事業者2との間でリース契約を締結するか否かが自律的に判断されて審査結果データD2が生成され、審査が実行される。
【0081】
生成された審査結果データD2は、スマートフォン20及びサーバ30のそれぞれに送信される。
【0082】
ステップS3において、審査結果データD2がユーザ1とリース契約を締結する旨の情報であった場合は、審査に合格したとして、ステップS4において、保証金請求データD5が生成されて、ユーザ1のスマートフォン20に送信される。
【0083】
保証金請求データD5がスマートフォン20に送信されたユーザ1の指示に基づいて、保証金請求データD5に従った送金処理が金融機関3からリース事業者2に対して実行されると、保証金送金データD3が生成されてサーバ30に送信される。
【0084】
保証金送金データD3がサーバ30に送信されると、ステップS5において、契約関連データD6がユーザ1のスマートフォン20に提供される。本実施の形態では、契約関連データD6は、スマートフォン20のアプリケーションソフトウェア21を介してダウンロードをすることが可能となるように提供される。
【0085】
契約関連データD6がユーザ1に提供されてリース事業者2との間でリース契約が成立し、車庫証明書の取得等の必要な手続が完了した後、ユーザ1に自動車50が提供される。
【0086】
ユーザ1に自動車50が提供された後、ステップS6において、例えば1ヶ月ごとといった任意の一定期間ごとにリース費用請求データD7が生成されて、ユーザ1のスマートフォン20に送信される。
【0087】
リース費用請求データD7がスマートフォン20に送信されたユーザ1の指示に基づいて、リース費用請求データD7に従った送金処理が金融機関3からリース事業者2に対して実行されると、費用送金データD4が生成されてサーバ30に送信される。
【0088】
これにより、リース事業者2は、ユーザ1からのリース費用の送金を適切に管理することができる。
【0089】
ステップS7において、リース契約の存続期間中にユーザ1がリース契約に違反することなく適正に自動車50を使用する場合は、ユーザ1は、リース契約の存続期間において引き続き自動車50を使用することができる。
【0090】
リース契約を遵守して自動車50を使用する限り、ユーザ1はリース契約の存続期間の経過後にリース契約を更新して、引き続き自動車50を使用することができ、あるいは車種を変更して乗り換えることもできる。
【0091】
一方、ステップS7において、リース契約の存続期間中にユーザ1がリース契約に違反した場合、例えばスマートフォン20からアプリケーションソフトウェア21を削除したり、リース費用を任意の一定期間(例えば6ヶ月)に亘って支払わなかったりすると、ステップS8において、車両停止装置52によって自動車50の始動が停止される。
【0092】
なお、リース契約の存続期間中にユーザ1がリース契約に違反した場合に備えて、本実施の形態では、ユーザ1の所在を検知するための一つの方策として、測位装置51によって、自動車50が所在する位置が測位される。
【0093】
ところで、ステップS3において、審査結果データD2がユーザ1とリース契約を締結しない旨の情報であった場合は、ユーザ1とリース事業者2との間でリース契約が締結されることがなく、ユーザ1に自動車50がリースされることがない。
【0094】
このように、ユーザ1に入力されたリース契約申込データD1に基づいて人工知能プログラム41による審査が実行され、審査の結果に応じて生成される保証金請求データD5に基づいた送金処理が実行されると、ユーザ1に契約関連データD6が提供される。
【0095】
したがって、ユーザ1がリース契約を申し込んだ後、ユーザ1とリース事業者2とが直接的に対面することなくリース契約の締結に至ることから、リース契約の申し込みからリース契約の締結まで、スムーズかつ効率的な手続が進められる。
【0096】
さらに、ユーザ1にとっても、リース事業者2と直接的に対面しないでリース契約を締結して自動車50を利用することができることから、リース契約の締結に対する心理的な障壁が緩和されて、リース契約に基づく自動車50の利用が促進される。
【0097】
一方、リース契約の基礎となる保証金を請求する保証金請求データD5は、自動車50の車両評価額に基づいて設定されるところ、自動車50の車両評価額は、本実施の形態では、比較的新しい型式でありつつ安価な仕入原価で取得した中古車両であることから、リースされる自動車50に関してユーザ1に満足感が与えられるとともに、ユーザ1の経済的な負担が軽減される。
【0098】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。上記実施の形態では、人工知能プログラム41が、職業及び所得(年収)に関して予め設定された審査基準Sを教師データとすることを説明したが、このとき、審査基準Sのうち所得(年収)に関する基準を予め定められた所得以下とすることもできる。
【0099】
例えば、予め定められた所得を180万円とした場合、所得が180万円以上のユーザ1に対しては、審査においてリース契約を締結しない旨の審査結果データD2が生成され、所得が180万円以下のユーザ1に対しては、審査においてリース契約を締結する旨の審査結果データD2が生成される。
【0100】
このように、比較的所得の少ない潜在的なユーザ1を対象としたリース事業に特化することによって、このようなユーザ1が入居する各種の更生施設との提携を図ることができる。
【0101】
これにより、比較的所得の少ない潜在的なユーザ1は、更生施設を退去した後にスムーズにリース契約を締結することができ、自動車50を速やかに使用することができる。
【0102】
上記実施の形態では、任意の一定期間ごとにリース費用請求データD7が生成されて、ユーザ1のスマートフォン20に送信される場合を説明したが、例えば、リース費用請求データD7が生成されることなく、任意の一定期間ごとにリース費用がユーザ1の口座から振替で引き落とされるように構成してもよい。
【0103】
上記実施の形態では、審査が金融機関3の管理システム40の人工知能プログラム41によって実行される場合を説明したが、リース事業者2に人工知能プログラム41を配置してリース事業者2のもとで審査を実行するように構成することもできるし、人工知能プログラム41を導入しないで人的に審査を行うこともできる。
【0104】
上記実施の形態では、車両が自動車50である場合を説明したが、原動機付き自転車であってもよい。このとき、車両評価額は更に低廉となることが想定される。
【符号の説明】
【0105】
1 ユーザ
2 リース事業者
3 金融機関
10 リース契約システム
20 スマートフォン(端末)
21 アプリケーションソフトウェア
30 サーバ
33A リース契約プログラム
33a 入力モジュール
33b 保証金請求データ生成モジュール
33c 契約関連データ提供モジュール
33d リース費用請求データ生成モジュール
D1 リース契約申込データ
D2 審査結果データ
D5 保証金請求データ
D6 契約関連データ
D7 リース費用請求データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7