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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】小動物用運動器具
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/02 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
A01K15/02 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019108668
(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公開番号】P2020198826
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 康富
(72)【発明者】
【氏名】塩野 俊二
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-288289(JP,A)
【文献】米国特許第5125361(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に形成される開口部と、背面側に形成される壁面部と、この壁面部に形成される貫通孔とを有する回転輪と、
前記貫通孔に背面から取り付けられる軸受ホルダーと、
前記軸受ホルダーに取り付けられる軸受と、
前記軸受ホルダーに前面側から結合されて、軸受ホルダーを回転輪の前記壁面部に固定するためのキャップ部材と、
前記軸受の中心に挿入される回転支持部材と、を備え、
前記回転輪の回転に対してブレーキをかけることが可能なブレーキ機構が設けられていることを特徴とする小動物用運動器具。
【請求項2】
前記ブレーキ機構は、前記軸受の回転部分と非回転部分の間にブレーキをかけるものであることを特徴とする小動物用運動器具。
【請求項3】
前記ブレーキ機構は、前記軸受の内輪及び外輪を覆うブレーキパッドを備えることを特徴とする請求項2に記載の小動物運動器具。
【請求項4】
前記ブレーキ機構は、前記軸受の内輪及び玉シールドを覆うブレーキパッドを備えることを特徴とする請求項2に記載の小動物運動器具。
【請求項5】
前記ブレーキパッドによるブレーキの程度を調整可能であることを特徴とする請求項3又は4に記載の小動物運動器具。
【請求項6】
前記ブレーキパッドはネジにより前記回転支持部材に結合されることを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の小動物運動器具。
【請求項7】
前記ブレーキパッドと前記ネジの間にワッシャーを介在させていることを特徴とする請求項6に記載の小動物運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転輪とその取り付け支持機構を有する小動物用運動器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる小動物用運動器具として、下記特許文献1開示されるものが公知である。この小動物用運動器具は、回転輪に乗った小動物(ハムスター、リスなど)が走りながら回転輪を回すことで、狭い飼育ケージ内における小動物の運動不足を解消できるようにするものである。
【0003】
特許文献1に開示される小動物用運動器具は、ホイール本体(回転輪)が回転支持ユニットにより回転自在に支持されている。この回転支持ユニットは、ホイール本体に取り付けられる回転部材と、軸受と、支持部材とを備えている。回転部材は、軸受を保持するホルダーとしての機能を有している。支持部材の軸部は、軸受の内輪に挿入されて抜け止め部材により軸受に結合される。かかる構成によりホイール本体は、軸受によりスムーズな回転を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6491781号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の先行技術において、回転輪の回転があまりスムーズすぎると、回転輪を止めて小動物が下りようとするときに踏み外してしまう可能性があり小動物にとって危険である。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、小動物にとって安全な回転輪を有する小動物用運動器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明に係る小動物用運動器具は、
前面側に形成される開口部と、背面側に形成される壁面部とを有する回転輪と、
前記回転輪に取り付けられる軸受ホルダーと、
前記軸受ホルダーに取り付けられる軸受と、
前記軸受の中心に挿入される回転支持部材と、を備え、
前記回転輪の回転に対してブレーキをかけることが可能なブレーキ機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
かかる構成を有する小動物用運動器具の作用・効果を説明する。回転輪は、軸受ホルダーが取り付けられ、この軸受ホルダーに軸受が取り付けられる。軸受の中心には回転支持部材が挿入される。この軸受により回転輪をスムーズに回転させることができる。一方、回転輪の回転に対してブレーキをかけるブレーキ機構が設けられており、これにより、スムーズな回転をする回転輪にブレーキを掛けることができる。その結果、小動物が回転輪から不用意に踏み外してしまう危険性を抑制し安全な回転輪を有する小動物用運動器具を提供することができる。
【0009】
本発明に係る前記ブレーキ機構は、前記軸受の回転部分と非回転部分の間にブレーキをかけるものが好ましい。
【0010】
これにより、スムーズな回転をする回転輪にブレーキを掛けることができる。
【0011】
本発明に係る前記ブレーキ機構は、前記軸受の内輪及び外輪を覆うブレーキパッドを備えることが好ましい。
【0012】
この構成によると、軸受の内輪と外輪の間にブレーキパッドによりブレーキを掛けることができる。内輪と外輪はいずれか一方が回転部分であり、いずれか他方が非回転部分である。
【0013】
本発明に係る前記ブレーキ機構は、前記軸受の内輪及び玉シールドを覆うブレーキパッドを備えることが好ましい。
【0014】
かかる構成によると、内輪と玉シールドの間にブレーキを掛けることができる。
【0015】
本発明において、前記ブレーキパッドによるブレーキの程度を調整可能であることが好ましい。これにより、適切な大きさのブレーキを付与することができる。
【0016】
本発明において、前記ブレーキパッドはネジにより前記回転支持部材に結合されることが好ましい。これにより、ブレーキパッドを確実に結合することができる。
【0017】
本発明において、前記ブレーキパッドと前記ネジの間にワッシャーを介在させていることが好ましい。これにより、ワッシャーを介してブレーキパッドを適切に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る小動物用運動器具をスタンドに取り付けた状態を示す前面側からみた外観斜視図
図2】本実施形態に係る小動物用運動器具をスタンドに取り付けた状態を示す背面側からみた外観斜視図
図3図1に示す小動物用運動器具の分解斜視図
図4A図1に示す小動物用運動器具を組み立てた状態の縦断面図
図4B図4Aの部分拡大図
図5】軸受ホルダーを前面側から見た図(平面図)
図6】軸受ホルダーの側面図
図7】軸受ホルダーの断面図
図8A】軸受ホルダーに軸受を組み込んだ状態の平面図
図8B】軸受の平面図
図9】シャフト部材の側面図
図10】シャフト部材を前面側から見た平面図
図11】キャップ部材の外観斜視図
図12】キャップ部材の断面図
図13】第2実施形態に係る小動物用運動器具にブレーキパッドを組み込んだ状態を示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る小動物用運動器具(以下、運動器具と略)の好適な実施形態(第1実施形態)をまず説明する。図1は、運動器具をスタンド(取付体に相当)に取り付けた状態を示す前面側から見た外観斜視図である。図2は、同じく背面側から見た外観斜視図である。図3は、運動器具の分解斜視図である。図4Aは、運動器具を組み立てた状態の縦断面図である。図4Bは、図4Aの部分拡大図であり、主要部の拡大図でもある。図5図12は、各部品を個別に示す図である。
【0020】
<運動器具の構成>
スタンド100は、小動物を飼育するゲージ内に設置されるものである。スタンド100は、載置部101と、立ち上がり部102と、取り付け部103が樹脂により一体形成される。取り付け部103は、立ち上がり部102の中央において上方に突出しており、垂直方向にスリット(長穴)104が形成される。このスリット104を利用して運動器具の取り付け高さを調整しながら取り付けることができる。取り付け部103は、スリット104が形成される前壁面103aと、左右両側に側壁面103bが形成される。
【0021】
図3の分解斜視図にも示すように、運動器具は、回転輪1、軸受ホルダー2、軸受3.キャップ部材4、シャフト部材5、ブレーキ機構6により構成される。回転輪1は、前面側に開口部10が形成され、この開口部10から小動物が回転輪1に入り込む。説明の便宜上、図4において、小動物が入り込む左側を前面側と定義し、右側を背面側と定義する。
【0022】
回転輪1は、大径部11と小径部12が、例えば、透明樹脂により一体形成される。大径部11は、開口部10に近くなるほど径が少しずつ大きくなる。大径部11の内壁面には、円周方向に沿って多数の直線状の突起11aが形成されている。小径部12は、前面側からみると凹部として形成されており、この空間にキャップ部材4等が収容される。キャップ部材4は、凹部から飛び出さないように凹部の深さやキャップ部材4の高さが設定されている。すなわち、小動物が回転輪1を回転させて運動するときにキャップ部材4等の部品が邪魔にならないようにしている。
【0023】
図5は、軸受ホルダー2を前面側から見た図(平面図)である。図6は、同じく側面図であり、図7は、同じく断面図である。図8Aは、軸受ホルダーに軸受を組み込んだ時の前面側から見た図である。図8Bは、軸受の平面図である。
【0024】
図4にも示すように、軸受ホルダー2は、回転輪1の背面側(図4の右)から組み込まれる。軸受ホルダー2は、第1平面部20と、円筒部21とが樹脂により一体形成される。第1平面部20は円形のプレート状である。第1平面部20の中央には貫通孔22が形成され、後述のシャフト部材5のシャフト52がここを貫通する。
【0025】
円筒部21の外周には雄ねじ23が形成される。円筒部21の内部は、軸受3を取り付けるための収容部24である。収容部24の内壁面には6カ所の突起25が形成されている。突起25は、軸方向に沿って所定の長さを有する。軸受3を挿入するときに軸受3の外輪30が突起25に圧接し、軸受3を収容部24に圧入することで固定する。突起25の個数や形状、突出量は圧入作業のやりやすさや取り付け強度を考慮して適宜決めることができる。
【0026】
軸受3は、ボールベアリングであり、外輪30と内輪31とその間に配置される多数のボール33と、ボール33が見えないようにシールドする玉シールド32などにより構成される。軸受3は、一般的なものを使用することができる。軸受3の内輪31の内径は、貫通孔22の内径よりも少し小さくなるように設定される。玉シールド32は、金属製であり、板バネ等により形成される。本実施形態において、内輪31は回転部に相当し、外輪30および玉シールド32は非回転部分に相当する。
【0027】
軸受ホルダー2の円筒部21の外周面であって、第1平面部20の位置に、2カ所180゜対称的に位置決め凸部26が形成される。これに対応して、図1に示すように、回転輪1の小径部12には貫通孔13が形成されており、この貫通孔13に位置決め凸部26が嵌合する位置決め凹部14が2カ所形成されている。これにより、軸受ホルダー2を回転輪1に組み込んだ時に軸受ホルダー2が不用意に回転しないので安定した状態で結合することができる。
【0028】
ブレーキ機構6は、ネジ60、ワッシャー61、ブレーキパッド62により構成される。このブレーキ機構6は、回転輪1の回転にブレーキをかける機能を有する。回転輪1は、軸受3により回転させることにより、スムーズな回転を実現している。その一方で、回転輪1の回転があまりスムーズすぎると、回転輪1を止めて小動物が下りようとするときに踏み外してしまう可能性があり小動物にとって危険である。そこで、ブレーキ機構6を設けて回転輪1の回転にブレーキをかける構成を採用している。
【0029】
ブレーキパッド62は、シリコンゴム等の素材で形成され、摩擦力を付与する。ブレーキパッド62は、リング状のプレートとして形成される。図4Bに示すようにブレーキパッド62は、内輪31と玉シールド32にまたがって両方に当接できるような大きさ(直径)を有する。なお、径を更に大きくして外輪30にも当接するようにしてもよい。なお、玉シールド32がない軸受3の場合は、内輪31と外輪30にまたがって当接させるようにする。
【0030】
ブレーキパッド62は、金属製のワッシャー61を介してネジ60によりシャフト部材5に結合される。シャフト部材5にはあらかじめ袋穴54が形成されており、これを利用してネジ60を締結することができる。
【0031】
ブレーキパッド62の表面が軸受3に当接することで、軸受3(内輪31)の回転に対して摩擦力を付与してブレーキをかけることができる。摩擦力の大きさは、ブレーキパッド62の材質や表面形状などに依存するので適切な材質及び形状のものを選択することが好ましい。
【0032】
また、ネジ60の締め具合により付与する摩擦力の大きさを調整することができる。強く締めることで大きな摩擦力を付与することができる。
【0033】
図11は、キャップ部材4の外観斜視図である。図12は、キャップ部材4の断面図である。キャップ部材4は、軸受ホルダー2を回転輪1に固定するために用いられる。キャップ部材4は、第1円筒部40と第2円筒部41が一体形成されており、第1円筒部40の方が第2円筒部41よりも大径である。第1円筒部40の内面には雌ねじ42が形成されており、この雄ねじ42が軸受ホルダー2の雄ねじ23と螺合する。
【0034】
第2円筒部41の先端部は、図4にも示すように、軸受3の表面に当接可能であり、これにより、軸受3が軸方向に不用意に移動することを防止することができる。
【0035】
図9はシャフト部材5(回転支持部材に相当)の側面図であり、図10は同じく前面側から見た平面図である。シャフト部材5は、つまみ部50と、第2平面部51と、シャフト52が樹脂により一体形成されている。つまみ部50と第2平面部51の間には隙間53が形成されている。
【0036】
つまみ部50は、手でつまみやすいように細長い形状を呈している。第2平面部51は、円形のプレート状に形成されている。隙間53の大きさは、前壁面103aの厚さよりも若干小さいように設定される。これにより、つまみ部51を摩擦力で前壁面103aに保持することができる。
【0037】
シャフト52は、軸受30の内輪31に圧入される。シャフト52には、途中に大径部52aが形成されており、この大径部52aは内輪31の内径よりも少し大きくなるように設定されている。これにより、シャフト52の軸受3への挿入位置を定めることができる。
【0038】
<組立手順>
次に、運動器具の組立手順について説明する。まず、軸受ホルダー2の収容部24に軸受3を圧入する。次に、シャフト部材5のシャフト52を軸受3の内輪31に圧入する。次に、ブレーキ機構6を組み込む。具体的には、軸受3の表面にブレーキパッド62とワッシャー61をセットしてネジ60をシャフト部材5の袋穴54にねじ込めばよい。
【0039】
これら軸受3とブレーキ機構6とシャフト部材5が組み込まれた軸受ホルダー2を回転輪1の貫通孔13に背面側から挿入する。このとき、軸受ホルダー2に形成された位置決め凸部26を貫通孔13に形成された位置決め凹部14に合わせて挿入する。これにより、軸受ホルダー2は貫通孔13に回転不能な状態で挿入される。
【0040】
次に、キャップ部材4を回転輪1の前面側から挿入し、軸受ホルダー2と結合する。キャップ部材4の内側には空間部44が形成されており、ブレーキ機構6を収容するスペースを確保している。軸受ホルダー2に形成された雄ねじ23とキャップ部材4に形成された雌ねじ42を螺合することで両者は結合される。しっかりと螺合した状態では、キャップ部材4に形成された突起43が回転輪1の壁面部15に当接して、その摩擦力によりキャップ部材4が緩まないように締め付けることができる。軸受ホルダー2とキャップ部材4の結合が完了すると、運動器具の組立が完了する。組立が完了した状態では、シャフト部材5の第2平面部51と軸受ホルダー2の第1平面部20とは少し間隔を保持した状態になる。従って、回転輪1が抵抗なくスムーズに回転することができる。この時、組み込まれたブレーキ機構6により摩擦力を作用させながら回転することになる。適切な摩擦力になるようにネジ60による締結力を調整すればよい。
【0041】
上記のように組み立てられた運動器具のシャフト部材5をスタンド100の前壁面103aに結合する。具体的には、スリット104の前面側からつまみ部50を挿入する。スリット104の長手方向とつまみ部50の長手方向をあわせることでスリット104につまみ部50を挿入することができる。その後、つまみ部50を90度回転することで、つまみ部50と第2平面部51の間に形成された隙間53に前壁面103aが位置し、摩擦力によりシャフト部材5が保持される。シャフト部材5はスリット4を上下移動できるので、適切な位置にシャフト部材5を保持すればよい。
【0042】
本発明の構成によれば、回転輪1とキャップ部材4や軸受ホルダー2を切り離すことができるので洗浄するときに便利である。また、構成部品は、回転輪1、軸受ホルダー2、軸受3、キャップ部材4、シャフト部材5の5点であり、最小限の部品点数で運動器具を構成することができている。また、運動器具をすべて組み立てた状態でスタンド100に取り付けることができるので、組み立て作業性が向上する。なお、組立手順は上記に限定されるものではない。
【0043】
<別実施形態>
第2実施形態に係る小動物用運動器具について図13により説明する。すでに説明した実施形態と同じ機能をする部材には同じ符号を付している。回転輪1は一部のみ図示している。回転輪1は、第1実施形態と同様に前面側に開口部を有する。回転輪1の後面側に回転輪1を回転支持するための部材が取り付けられる。軸受3は、軸受ホルダー2により、回転輪1に取り付けられる。
【0044】
軸受3の内輪30に、回転支持部材500の軸部500aが挿入される。回転支持部材500は、スタンド110に対して取り付けられる(取り付け構造は省略)。回転支持部材500の後面側に抑え部材501がネジにより結合される。抜け止め部材502は、回転支持部材500が軸受3から抜けないように固定する。そのため、抜け止め部材502の係合凹部と軸部500aに形成された係合凸部が係合するように構成される。
【0045】
ブレーキパッド63が軸受3の内輪31と外輪30の間に跨るように設けられる。ブレーキパッド63は、軸部500aに形成された押え部500bによりブレーキパッド63の表面を押さえている。これにより、回転輪1の回転に対して摩擦力を付与してブレーキがかかるようにしている。
【0046】
本実施形態では、内輪が固定されて外輪が回転する場合について説明したが、内輪が回転して外輪が固定されるような構造を採用してもよい。
【0047】
本実施形態において、ブレーキ機構6は軸受3の内輪31と外輪30の間に作用するブレーキパッド6を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、シャフト部材5と軸受ホルダー2の間に摩擦力を付与するような部材を設けてもよい。ブレーキ(摩擦力)を付与する箇所は特定の箇所に限定されるものではない。
【0048】
ブレーキパッドの構成を採用する場合にその形状は適宜変更可能である。本実施形態のようにリング状(円形)でなくてもよく、角型や多角形型など種々の形状を採用することができる。また、ブレーキパッドの表面にも適宜の凹凸を設けるなどの工夫を採用してもよい。本実施形態ではネジ60によりブレーキパッド62を固定しているがネジ60以外の圧入ピンなどを用いてもよい。
【0049】
本実施形態において、取付体としてケージ内に設置されるスタンド100,110を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ワイヤーケージの側面に直接運動器具を取り付けるようにしてもよい。あるいは、ケージに付属する回転輪用ホルダーに取り付けて、これをケージに取り付けてもよい。なお、スタンド100やホルダー自体の構成も種々のものが考えられるので、特定の構成に限定されるものではない。
【0050】
位置決め凹部14と位置決め凸部26の凹凸の関係については逆にしてもよい。回転輪1の背面側に形成される壁面部には穴が形成されていてもよいし(第1実施形態)、穴が形成されていなくてもよい(第2実施形態)。
【0051】
本実施形態において、ブレーキの程度を調整するためにネジの締結力により調整しているが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0052】
1 回転輪
10 開口部
11 大径部
12 小径部
13 貫通孔
14 位置決め凹部
15 壁面部
2 軸受ホルダー
20 第1平面部
21 円筒部
22 貫通孔
23 雄ねじ
24 収容部
25 突起
26 位置決め凸部
3 軸受
30 外輪
31 内輪
32 玉シールド
4 キャップ部材
40 第1円筒部
41 第2円筒部
42 雌ねじ
5 シャフト部材
50 つまみ部
51 第2平面部
52 シャフト
53 隙間
54 袋穴
500 回転支持部材
6 ブレーキ機構
60 ネジ
61 ワッシャー
62 ブレーキパッド
63 ブレーキパッド
100 スタンド
103 取り付け部
103a 前壁面
104 スリット
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13