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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】折りたたみ式脚立
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/383 20060101AFI20221222BHJP
   E06C 1/18 20060101ALI20221222BHJP
   E06C 1/22 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
E06C1/383 B
E06C1/18
E06C1/22
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022554274
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 JP2022030916
【審査請求日】2022-09-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399019559
【氏名又は名称】有限会社とまと不動産
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 正広
(72)【発明者】
【氏名】樽見 正志
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/035959(WO,A1)
【文献】実開昭49-054636(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第00136904(EP,A2)
【文献】米国特許第05158151(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/00-9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折りたたみ式脚立であって、
2つのはしごと、
前記2つのはしごを回動可能に連結するヒンジと、を備え、
前記2つのはしごは、それぞれ、
第1方向に延在する中空の第1支持脚であって、前記第1方向の一方から他方に向かって、間隔を空けて配置された第1ピン、第2ピン及び第3ピンを有する第1支持脚と、
第2方向に延在する中空の第2支持脚であって、前記第2方向の前記一方から前記他方に向かって間隔を空けて配置された第4ピン及び第5ピンを有する第2支持脚と、
前記第1支持脚及び前記第2支持脚の間に架け渡された天板であって、
前記第1支持脚の前記第1ピンとスライド可能に連結された第1レールを有する第1天板と、
前記第2支持脚に固定された第2天板と、
前記第1天板と前記第2天板とを回動可能に連結する連結部とを備える天板と、
一端において前記第1支持脚の前記第2ピンと回動可能に連結された第1踏みざんであって、前記第2支持脚の前記第4ピンとスライド可能に連結された第2レールを有する第1踏みざんと、
一端において前記第1支持脚の前記第3ピンと回動可能に連結された第2踏みざんであって、前記第2支持脚の前記第5ピンとスライド可能に連結された第3レールを有する第2踏みざんと、を備え、
記折りたたみ式脚立を折りたたんだときには、前記第1方向と前記第2方向が平行となり、且つ、前記天板の第1天板、前記第1踏みざん及び前記第2踏みざんが前記第1方向に延在し、且つ、前記第1天板及び前記第1踏みざんが、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に並んだ状態で、前記第1支持脚及び前記第2支持脚の中空の部分に収容され、
前記折りたたみ式脚立を折りたたんだときの前記折りたたみ式脚立の前記第1方向の長さは、前記第1支持脚の前記第1方向の長さと同じであることを特徴とする折りたたみ式脚立。
【請求項2】
前記第1支持脚と前記第2支持脚の、前記第2踏みざんと重なる位置には、前記第2踏みざんを外部に露出するための開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式脚立。
【請求項3】
前記第1支持脚の前記第1方向の他端と、前記第2支持脚の前記第2方向の他端には、それぞれ、第1支持脚及び前記第2支持脚に対して回動可能に形成された延長脚が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の折りたたみ式脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたみ式脚立に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折りたたみ式脚立として、踏み脚を支持脚の内側にたたむことができる脚立が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-349612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の折りたたみ式脚立は、踏みざんを支持脚内部に収納するようにして折りたたむことができる。これにより、使用状態よりもコンパクトにすることができる。しかしながら、特許文献1に記載の折りたたみ式脚立は、折りたたみ式脚立を折りたたんだ状態であっても支持脚が上下方向にずれた状態になっている。これにより、脚立の長さは折りたたむ前よりもむしろ長尺になっている。
【0005】
本発明の目的は、持ち運びしやすい形状に折りたたむことができ、折りたたんだときの脚立の長さが、折りたたむ前と比べて長尺にならない折りたたみ式脚立を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、
折りたたみ式脚立であって、
2つのはしごと、
前記2つのはしごを回動可能に連結するヒンジと、を備え、
前記2つのはしごは、それぞれ、
第1方向に延在する中空の第1支持脚であって、前記第1方向の一方から他方に向かって、間隔を空けて配置された第1ピン、第2ピン及び第3ピンを有する第1支持脚と、
第2方向に延在する中空の第2支持脚であって、前記第2方向の前記一方から前記他方に向かって間隔を空けて配置された第4ピン及び第5ピンを有する第2支持脚と、
前記第1支持脚及び前記第2支持脚の間に架け渡された天板であって、
前記第1支持脚の前記第1ピンとスライド可能に連結された第1レールを有する第1天板と、
前記第2支持脚に固定された第2天板と、
前記第1天板と前記第2天板とを回動可能に連結する連結部とを備える天板と、
一端において前記第1支持脚の前記第2ピンと回動可能に連結された第1踏みざんであって、前記第2支持脚の前記第4ピンとスライド可能に連結された第2レールを有する第1踏みざんと、
一端において前記第1支持脚の前記第3ピンと回動可能に連結された第2踏みざんであって、前記第2支持脚の前記第5ピンとスライド可能に連結された第3レールを有する第2踏みざんと、を備え、
前記折りたたみ式脚立を前記使用状態にしたときには、前記第1方向と前記第2方向は交差しており、
前記折りたたみ式脚立を折りたたんだときには、前記第1方向と前記第2方向が平行となり、且つ、前記天板の第1天板、前記第1踏みざん及び前記第2踏みざんが前記第1方向に延在し、且つ、前記第1天板及び前記第1踏みざんが、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に並んだ状態で、前記第1支持脚及び前記第2支持脚の中空の部分に収容され、
前記折りたたみ式脚立を折りたたんだときの前記折りたたみ式脚立の前記第1方向の長さは、前記第1支持脚の前記第1方向の長さと同じであることを特徴とする折りたたみ式脚立が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の折りたたみ式脚立は、折りたたんだ際に、第1支持脚、第2支持脚、天板の第1天板、第1踏みざん、第2踏みざんが全て平行になる。さらに、第1天板及び前記第1踏みざんが、第1、第2支持脚の延在方向に直交する方向に並んだ状態で第1支持脚及び第2支持脚の中空部分に収容される。これにより、折りたたみ式脚立の持ち運びが容易になる。また、折りたたみ式脚立を折りたたんだときの前記折りたたみ式脚立の前記第1方向の長さは、前記第1支持脚の前記第1方向の長さと同じであるので、折りたたみ式脚立をコンパクトに折りたたむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、使用状態の折りたたみ式脚立1を左方から見たときの概略図である。
図2図2は、使用状態の折りたたみ式脚立1を前方から見たときの概略図である。
図3図3は、折りたたみ式脚立1の第2形状を説明するための概略図である。
図4図4は、折りたたみ式脚立1の第2形状と、第3形状との間の中間的な状態を説明するための概略図である。
図5図5は、折りたたみ式脚立1の第3形状を説明するための概略図である。
図6図6は、折りたたみ式脚立1の第4形状を説明するための概略図である。
図7図7は、変更形態にかかる折りたたみ式脚立1を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る折りたたみ式脚立1について図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書においては、図1において矢印で示される前後方向及び上下方向と、図2において矢印で示される左右方向及び上下方向に基づいて各方向が定義される。
【0010】
図1は、使用状態の折りたたみ式脚立1を左方から見た図である。図2は、使用状態の折りたたみ式脚立1を前方から見たときの概略図である。なお、折りたたみ式脚立1を左方から見た図は、右方から見た図と同じであり、折りたたみ式脚立1を前方から見た図は、後方から見た図と同じである。
【0011】
図1に示されるように、本実施形態にかかる折りたたみ式脚立1は、第1はしご11と、第2はしご12とを備える(図2参照)。第1はしご11及び第2はしご12が、本発明の2つのはしごに対応する。図1において、第1はしご11は第2はしご12の前方に配置されている。第1はしご11の上端部分と第2はしご12の上端部分とは、ヒンジ13により連結されている。これにより、第1はしご11と第2はしご12とが接触するように折りたたみ式脚立1を折りたたむことができる。つまり、第1はしご11の後端と第2はしご12の前端とが接触するように、折りたたみ式脚立1を折りたたむことができる。また、第1はしご11の上端と第2はしご12の上端とが接触するように、第2はしご12を第1はしご11の上方に回動させることができる。これにより、第1はしご11と第2はしご12とを連結して、1つの長いはしごとして用いることもできる。
【0012】
図1に示されるように、使用状態において、第1はしご11と第2はしご12との角度が開きすぎることを防ぐために、第1はしご11と第2はしご12との間には開き止め用のロック機構14が設けられている。ロック機構14は、一端にコの字型の溝が設けられた長尺の板状のフック板14aと、フック板14aの他端を第1はしご11に回動可能に固定するピン14bと、第2はしご12に設けられており、フック板14aのコの字型の溝に嵌合するロックピン14cとを備える。フック板14aのコの字型の溝を、ロックピン14cに嵌合させることにより、第1はしご11と第2はしご12との開く角度を固定することができる。
【0013】
次に、第1はしご11の構造について説明する。なお、第2はしご12の構造は第1はしご11の構造と同じであるので、説明を省略する。
【0014】
図2に示されるように、第1はしご11は、天板20と、上踏みざん30(本発明の第1踏みざんの一例)と、下踏みざん40(本発明の第2踏みざんの一例)と、一対の支持脚50とを備える。後述のように、第1はしご11は、図2に示される第1形状と、図3に示される第2形状と、図5に示される第3形状と、図6に示される第4形状とに形状を変化させることができる。なお、図4は、第2形状(図3参照)と、第3形状(図5参照)との間の中間的な状態を示している。なお、第4形状が本発明における、折りたたみ式脚立を折りたたんだときの形状に対応する。
【0015】
<天板20>
天板20は、1対の支持脚50の上端部分に架け渡された、略直方体形状の部材である。天板20は、一対の支持脚50のうち、左側の支持脚(以下、第1支持脚50Lと呼ぶ)に連結された第1天板120と、一対の支持脚50のうち、右側の支持脚(以下、第2支持脚50Rと呼ぶ)に連結された第2天板220とを備えている。
【0016】
第1天板120は、中空の四角柱状の部材であり、中空部分には第2天板220の一部がスライド可能に挿入されている。第1天板120の外壁部分には、左右方向に延びる第1レール121が設けられている。第1レール121は、第1支持脚50Lに固定されたスライドピン151(本発明の第1ピンの一例)と嵌合している。これにより、第1天板120は第1支持脚50Lに対して、スライド可能に連結されている。
【0017】
第2天板220は、固定用の複数のビス152により第2支持脚50Rに固定された第1部分222と、第1天板120の内部にスライド可能に収容される第2部分223と、第1部分222に対して第2部分223を回動可能に連結する連結部224(図3参照)とを備える。第2天板220は、図2に示される第1位置から、図3に示される第2位置まで、第1天板120の内部をスライド可能である。第2天板220が第1位置にあるとき天板20の、天板220の左右方向の長さは、天板220が第2位置にあるときの天板220の左右方向の長さよりも短い(図2、3参照)。詳細には、図2に示されるように、第2天板220が第1位置にあるときは、一対の支持脚50の第1支持脚50Lと第2支持脚50Rはハの字に向かい合った形状となり、折りたたみ式脚立1は使用状態となる。図3に示されるように、第2天板220が第2位置にあるときには、一対の支持脚50の第1支持脚50Lと第2支持脚50Rは互いに平行になる。
【0018】
<上踏みざん>
図2に示されるように、上踏みざん30は、1対の支持脚50の略中央部に架け渡された、略直方体形状の中空の部材である。上踏みざん30の左端は、第1支持脚50Lに固定された回転軸ピン153(本発明の第2ピンの一例)により、第1支持脚50Lに対して回動可能に連結されている。上踏みざん30の外壁部分には、上踏みざん30の長手方向(図2の左右方向)に延びる第2レール131が設けられている。第2レール131は、第2支持脚50Rに固定されたスライドピン154(本発明の第4ピンに対応)に嵌合している。これにより、上踏みざん30は第2支持脚50Rに対して、スライド可能に連結されている。
【0019】
<下踏みざん40>
図2に示されるように、下踏みざん40は、1対の支持脚50の、上踏みざん30の下部に架け渡された、略直方体形状の中空の部材である。下踏みざん40の左端には、左右方向に延びるスリット141が設けられている。スリット141には、第1支持脚50Lに固定された回転軸ピン155(本発明の第3ピンの一例)により、第1支持脚50Lに対して回動可能且つスライド可能に連結されている。下踏みざん40の外壁部分には、下踏みざん40の長手方向(図2の左右方向)に延びる第3レール142が設けられている。第3レール142は、第2支持脚50Rに固定されたスライドピン156(本発明の第5ピンの一例)に嵌合している。これにより、下踏みざん40は第2支持脚50Rに対して、スライド可能に連結されている。また、下踏みざん40の左右方向の長さは、上踏みざん30の左右方向の長さよりも長い。そのため、図3に示されるように、第1支持脚50Lと第2支持脚50Rとを平行にした場合、下踏みざん40の左右方向の長さは、第1支持脚50Lと第2支持脚50Rとの間の左右方向の長さよりも長くなる。そこで、第1支持脚50Lと第2支持脚50Rの、左右方向から見て下踏みざん40と重なる位置には、開口158が設けられている(図1参照)。これにより、図3に示されるように、第1支持脚50Lと第2支持脚50Rとを平行にした場合、下踏みざん40の両端は、開口158から第1支持脚50L、50Rの外側に露出する。
【0020】
<折りたたみ式脚立1の折りたたみ方法>
次に、折りたたみ式脚立1を折りたたむ方法について説明する。折りたたみ式脚立1が使用状態にある場合、図1に示されるように、ロック機構14により、第1はしご11と第2はしご12との間の開く角度が固定されている。そこで、まず、フック板14aをロックピン14cから外して、ロック機構14のロックを解除する。その後、第1はしご11の後端と第2はしご12の前端とが接触するように、折りたたみ式脚立1を折りたたむ。
【0021】
その後の、折りたたみ式脚立1を折りたたむ工程は、第1はしご11と第2はしご12とが前後方向に重なった状態で、第1はしご11、第2はしご12の両方を同時に同じように変形させて行われる。そこで、以下の説明においては、図2図6を参照しつつ、第1はしご11を折りたたむことに着目して説明する。
【0022】
図2に示されるように、第1形状の第1はしご11においては、第2天板220の第2部分223と連結部224とは、第1天板120の内部に収容されている。そこで、第2天板220を第1天板120から引き出すように、第2天板220を右方にスライド移動させる。これにより、第1支持脚50Lの上端と第2支持脚50Rの上端との左右方向の間隔が広くなる。同時に、回転軸ピン155をスリット141に沿って右方にスライドさせ、且つ、スライドピン156を第3レール142に沿って左方にスライドさせる。これにより、第1支持脚50Lの下端と第2支持脚50Rの下端との左右方向の間隔が狭くなる。また、下踏みざん40の両端は、開口158から第1支持脚50L、第2支持脚50Rの外側に露出する。このようにして、第1形状の第1はしご11及び第2はしご12を、第1支持脚50Lと第2支持脚50Rとが平行な第2形状に変化させる(図3参照)。
【0023】
次に、図4に示されるように、スライドピン151及び回転軸ピン153、155を軸として、天板20、上踏みざん30、下踏みざん40を反時計回りに回動させるように、第2支持脚50Rを上方に移動させる。これにより、第2支持脚50Rが第1支持脚50Lよりも上方に位置するとともに、第2形状に比べて、第1支持脚50Lと第2支持脚50Rとの間の左右方向の距離が短くなる。なお、図4に示されるように、第1天板120と第2天板220とは、連結部224において屈曲する。
【0024】
さらに、スライドピン151及び回転軸ピン153、155を軸として、天板20、上踏みざん30、下踏みざん40を反時計回りに回動させるように、第2支持脚50Rを上方に移動させる。これにより、第1はしご11及び第2はしご12を第3形状に変化させることができる(図5参照)。図5に示されるように、第3形状においては、第1支持脚50L、第2支持脚50R、上踏みざん30、下踏みざん40が上下方向に平行になる。このとき、上踏みざん30の第2レール131及び下踏みざん50の第3レール142も上下方向に平行となる。なお、第3形状においては、第2支持脚50Rのスライドピン154は、上踏みざん30の第2レール131の上端側に位置しており、スライドピン156は、下踏みざん40の第3レール142の上端側に位置している。また、第1支持脚50Lのスライドピン151は、第1天板120の第1レール121の下端側に位置している。そのため、第2支持脚50Rの上端は、第1支持脚50Lの上端よりも上方に位置している。つまり、第3形状における折りたたみ式脚立1の上下方向の長さは、第1形状及び第2形状における折りたたみ式脚立1の上下方向の長さよりも長い。
【0025】
第2支持脚50Rのスライドピン154、156が、上踏みざん30の第2レール131及び下踏みざん40の第3レール142に沿って下方にスライドするように、第2支持脚50Rを下方にスライドさせる。これにより、第1はしご11及び第2はしご12を第4形状に変化させることができる(図6参照)。図6に示されるように、第4形状においては、第1支持脚50Lの上端と第2支持脚50Rの上端の上下方向の位置が同じであり、第1支持脚50Lの下端と第2支持脚50Rの下端の上下方向の位置が同じである。つまり、第4形状における折りたたみ式脚立1の上下方向の長さは、第1形状及び第2形状における折りたたみ式脚立1の上下方向の長さと同じになる。また、第4形状において、第2支持脚50Rのスライドピン154は、上踏みざん30の第2レール131の下端側に位置しており、スライドピン156は、下踏みざん40の第3レール142の下端側に位置しており、第1支持脚50Lのスライドピン151は、第1天板120の第1レール121の上端側に位置している。また、第4形状において、天板20の第1天板120は、第1支持脚50Lの中空部分の空洞において、上踏みざん30と左右方向に並ぶように配置されている。第2支持脚50Rの上端及び下端の上下方向の位置は、それぞれ、第1支持脚50Lの上端及び下端の上下方向の位置と同じである。つまり、第4形状における折りたたみ式脚立1の上下方向の長さは、第1形状及び第2形状における折りたたみ式脚立1の上下方向の長さと同じである。なお、長さ(又は位置)が同じであるという表現は、厳密に同じであることを意図しているわけではない。
【0026】
<本実施形態の効果>
本実施形態の折りたたみ式脚立1は、折りたたんだ際に、第1支持脚50L、第2支持脚50R、天板20の第1天板120、上踏みざん30、下踏みざん40が全て平行になる。さらに、第1天板120及び前記上踏みざん30が、第1支持脚50L、第2支持脚50Rの延在方向(上下方向)に直交する方向(左右方向)に並んだ状態で第1支持脚50L及び第2支持脚50Rの中空部分に収容される。これにより、折りたたみ式脚立1の持ち運びが容易になる。また、折りたたみ式脚立1を折りたたんだとき、第1支持脚50Lと第2支持脚50Rとは、両端の位置が揃った状態になる。つまり、前記折りたたみ式脚立1の上下方向の長さは、前記第1支持脚50Lの上下方向の長さと同じになる。そのため、折りたたみ式脚立をコンパクトに折りたたむことができる。
【0027】
<変更形態>
本発明に係る折りたたみ式脚立1の構成は上記の実施形態における構成に限られず、種々の変更を行うことができる。例えば、上記実施形態においては、折りたたみ式脚立1の第1はしご11及び第2はしご12には、それぞれ2つずつ踏ざん(上踏みざん30と下踏みざん40)が設けられていた。しかしながら、踏ざんの配置及び数はこのような構成には限られない。例えば、折りたたみ式脚立1の第1はしご11及び第2はしご12に、それぞれ1つずつ踏ざんが設けられていてもよく、それぞれ3つ以上の踏ざんが設けられていてもよい。また、第1はしご11と第2はしご12とで、設けられている踏ざんの数は一致してなくてもよい。
【0028】
図7に示されるように、第1支持脚50L、第2支持脚50Rの下端に、第1支持脚50L、第2支持脚50Rの長さを延長するための延長脚250が設けられていてもよい。延長脚250は、第1支持脚50L(第2支持脚50R)の下部を前後方向に挟むように配置された略平行四辺形の形状の2枚の板材251と、2枚の板材251を前後方向に連結する連結板252と、2枚の板材251を第1支持脚50L(第2支持脚50R)に対して回動可能に連結する回転軸ピン253とを備える。なお、図7においては、2枚の板材251のうち、前方の板材251のみが図示されている。第1支持脚50Lに設けられた延長脚250を回転軸ピン253の周りに反時計回りに回動させ、第2支持脚50Rに設けられた延長脚250を回転軸ピン253の周りに時計回りに回動させることにより、容易に折りたたみ式脚立1の高さ(上下方向の長さ)を伸ばすことができる。
【0029】
なお、上記の実施形態及びその変更形態は、適宜組み合わせることもできる。また、本発明に係る折りたたみ式脚立1の形状、材質等は、特定のものには限定されず、適宜変更しうる。例えば、折りたたみ式脚立1は、鉄製であってもよく、アルミ製であってもよい。必ずしも金属材料で形成されていなくてもよく、例えば、木材、プラスチックなどの非金属材料で形成することもできる。また、金属材料と非金属材料とを適宜組み合わせることもできる。
【0030】
1 折りたたみ式脚立
11 第1はしご
12 第2はしご
20 天板
30 上踏みざん
40 下踏みざん
50 支持脚
【要約】
持ち運びしやすい形状に折りたたむことができる折りたたみ式脚立を提供する。折りたたんだ際に、第1支持脚50L、第2支持脚50R、天板20の第1天板120、上踏みざん30、下踏みざん40が全て平行になる。さらに、第1天板120及び前記上踏みざん30が、第1支持脚50L、第2支持脚50Rの延在方向(上下方向)に直交する方向(左右方向)に並んだ状態で第1支持脚50L及び第2支持脚50Rの中空部分に収容される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7