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▶ グリップ・ホールディングズ・エルエルシーの特許一覧

<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】ファスナー・エキストラクター
(51)【国際特許分類】
   B25B 27/18 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
B25B27/18
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021506655
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 IB2019056348
(87)【国際公開番号】W WO2020039281
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】16/107,842
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/733,507
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/255,341
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518381042
【氏名又は名称】グリップ・ホールディングズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100139778
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 潔
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ククカ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ステファン・ククカ
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-146842(JP,A)
【文献】特表平08-505819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0282337(US,A1)
【文献】米国特許第06016727(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102012104298(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0246733(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00930132(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B25/00-33/00
B25B13/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシャンク本体と、
駆動ヘッドと、
少なくとも1つのトルクツール本体と、
少なくとも1つの外部ネジ山と、
管状スリーブと、
内部ネジ山とを含み、
前記内部ネジ山は、前記外部ネジ山と係合し、
前記内部ネジ山は、前記管状スリーブ内に配置されており、
前記駆動ヘッドは、前記シャンク本体に終端的かつ同心的に接続されており、
前記トルクツール本体は、前記駆動ヘッドと反対側に、前記シャンク本体に沿って配置されており、
前記トルクツール本体は、前記シャンク本体に終端的かつ同心的に接続されており、
前記外部ネジ山は、前記トルクツール本体と駆動ヘッドの間で、前記シャンク本体に沿って延び、
前記外部ネジ山は、前記シャンク本体の側面に接続されており、
前記トルクツール本体は、複数の側壁と、少なくとも1つの係合部とを含み、
前記複数の側壁は、前記トルクツール本体の回転軸に対して放射状に配置されており、
前記係合部は、前記複数の側壁のうちの特定の側壁に統合されている、
ファスナー・エキストラクター。
【請求項2】
前記内部ネジ山は、前記管状スリーブに沿って延びており、
前記内部ネジ山は、前記状スリーブに対して切られており、
前記シャンク本体は、前記管状スリーブ内に同心的に配置されている、
請求項1に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項3】
さらに、ナットを含み、
前記ナットは、前記管状スリーブに終端的かつ同心的に接続されており、
前記シャンク本体は、ナット内に配置されている、
請求項2に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項4】
さらに、複数の係合部を含み、
前記複数の係合部は前記トルクツール本体の前記回転軸に対して放射状に配置されており、
前記複数の係合部のそれぞれは、複数の側壁のうちの対応する側壁に統合されている、
請求項1に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項5】
前記係合部が係合キャビティであり、
前記トルクツール本体は、さらに、第1の基部と第2の基部とを含み、
前記係合キャビティの断面全体が、前記第1の基部および前記第2の基部に対して平行であり、
前記複数の側壁のそれぞれが、第1の側壁縁部と第2の側壁縁部とブレース面とを含み、
前記第1の側壁縁部と前記第2の側壁縁部は、前記ブレース面を挟んで互いに対向するように配置されており、
前記シャンク本体は、前記第1の基部とは反対側の前記第2の基部に隣接して接続されており、
前記係合キャビティは、前記特定の側壁のブレース面に食い込む形状である、
請求項1に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項6】
前記係合キャビティの断面全体が、湾曲部と直線部とから成り、
前記湾曲部は、前記特定の側壁の前記第1の側壁縁部に隣接して配置されており、
前記直線部は、前記湾曲部に隣接して、前記特定の側壁の前記第1の側壁縁部に対向して配置されており、
前記直線部は、前記湾曲部から前記特定の側壁の前記第2の側壁縁部まで延びている、
請求項5に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項7】
前記係合部が、係合突起であり、
前記トルクツール本体は、さらに、第1の基部と第2の基部とを含み、
複数の側壁のそれぞれが、第1の側壁縁部と第2の側壁縁部とブレース面とを含み、
前記特定の側壁の前記第1の側壁縁部と前記第2の側壁縁部とは前記ブレース面を挟んで互いに対向するように配置されており、
前記シャンク本体は、前記第1の基部と反対側に、前記第2の基部に隣接して接続されており、
前記係合突起は、前記特定の側壁のブレース面に横方向に連結されており、
前記係合突起は、前記第1の基部から前記第2の基部に向かって延び、
前記係合突起は、前記特定の側壁の前記第1の側壁縁部と前記特定の側壁の前記第2の側壁縁部との間に中心的に配置されている、
請求項1に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項8】
前記係合突起の断面全体が、前記第1の基部と前記第2の基部と平行である、
請求項に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項9】
前記係合突起の断面全体が、部分円のプロファイルであり、
前記部分円のプロファイルは、前記特定の側壁の前記第1の側壁縁部から前記特定の側壁の前記第2の側壁縁部を結ぶ線に対して凸状である、
請求項に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項10】
前記トルクツール本体は、さらに、第1の基部と第2の基部とを含み、
前記シャンク本体は、前記第1の基部とは反対の位置で前記第2の基部に隣接して接続されており、
前記トルクツール本体は、前記第2の基部から前記第1の基部に向かってテーパ-状を成す、
請求項1に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項11】
前記第1の基部と前記複数の側壁のそれぞれとの間の横方向の端部が面取りされている、
請求項5に記載のファスナー・エキストラクター。
【請求項12】
前記少なくとも1つのシャンク本体は、第1のシャンク本体と第2のシャンク本体とを含み、
前記少なくとも1つのトルクツール本体は、第1のトルクツール本体と第2のトルクツール本体とを含み、
前記少なくとも1つの外部ネジ山は、第1の外部ネジ山と第2の外部ネジ山とを含み、
前記第1のシャンク本体および前記第2のシャンク本体は、前記駆動ヘッドを挟んで互いに対向するように配置されており、
前記第1のトルクツール本体は、前記駆動ヘッドと反対側で前記第1のシャンク本体に終端的かつ同心的に接続されており、
前記第1の外部ネジ山は、前記第1のシャンク本体に沿って、前記第1のトルクツール本体と前記駆動ヘッドとの間に延びており、
前記第1の外部ネジ山は、前記第1のシャンク本体の側面に接続されており、
前記第2のトルクツール本体は、前記駆動ヘッドとは反対側で前記第2のシャンク本体に終端的かつ同心的に接続されており、
前記第2の外部ネジ山は、前記第2のシャンク本体に沿って、前記第2のトルクツール本体と前記駆動ヘッドとの間に延びており、
前記第2の外部ネジ山は、前記第2のシャンク本体の側面横方向に接続されている、
請求項1に記載のファスナー・エキストラクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、一般に、ファスナー(締結具)、特にボルトやナットを引き抜く(除去する)ために設計された様々な工具に関し、より具体的には、損傷したファスナーを除去するように設計された滑り止め機構を備えたエキストラクター(引抜器具)の様々な構成が開示される。
【背景技術】
【0002】
六角ボルト、ナット、ネジなどのネジ部品(ファスナー)は、雌ネジと呼ばれる相補的ネジに係合することにより、複数の部材を固定して保持するために使用される。一般に、これらのタイプのファスナーは、外部ネジ山と、一端にヘッドが設けられた円筒形のシャフトから成る。外部ネジ山は、穴またはナットにタップされた相補的な雌ネジのネジ山と係合し、ファスナーを所定の位置に固定し、関連する部材を一緒に固定する。ヘッドは、外部からのトルク力を受け、ファスナーを雌ネジに対して回す(駆動する)ための手段である。レンチなどの外部工具がファスナーを回転させて、相補的な雌ネジに係合させるためめの相応のトルクをファスナーにかけられるよう、ヘッドは特別な形状をしている。このタイプのファスナーは、シンプルで、非常に効果的で、安価であり、現代の建設で広く使用されている。
【0003】
雄ネジであれ雌ネジであれ、これらのタイプのファスナーを使用する上で最も一般的な問題の1つは、外部工具がヘッド部分で滑ることである。これは、一般的に、ファスナーや工具の摩耗や腐食、過度の締め付け、または、ファスナーのヘッド部分の損傷によって引き起こされる。ファスナーの取り外しには様々な方法が使用されるが、その中には他の方法よりも破壊的なものもある。ファスナーの頭部が損傷した場合は、固着したファスナーを取り外すために、より破壊的な方法を実施する必要がある。ファスナーのドリルアウトは、一部のユーザーによって使用される一般的な方法である。この方法は、いくつかのシナリオでは有効であるが、穴の内部ネジ山を損傷する危険性が高い。本願発明は、スリップの可能性を実質的に排除したファスナー引抜(除去)システム(エキストラクター)を提供する。この設計では、ファスナーの頭部に食い込む一連の一体型スプラインを使用し、引抜工具ビットとファスナーのヘッド部分との間の効率的なトルク伝達を可能にする。従来型のファスナー・エキストラクターを使用する際のもう一つの共通の問題は、ファスナーの一部または全体が引抜工具に付着したままになることである。本願発明によれば、ユーザーは、残っているファスナーの一部または全体をエキストラクターから容易に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本願発明の斜視図である。
図2】本願発明の開放状態の斜視図である。
図3】本願発明に係るトルクツール本体の拡大図である。
図4】本願発明のシャンク本体、駆動ヘッド、および、トルクツール本体の上面図である。
図5】本願発明の代替の実施例のシャンク本体、駆動ヘッド、トルクツール本体の斜視図である。
図6】本願発明の代替の実施例のシャンク本体、駆動ヘッド、トルクツール本体の上面図である。
図7】本願発明の代替の実施例のシャンク本体、駆動ヘッド、トルクツール本体の斜視図である。
図8】本願発明の代替の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
すべての図面は、本願発明の特定の態様を説明するためのものであり、本願発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0006】
本願発明は、広くは、エキストラクター(ネジ引抜工具)、および、その付属品に関し、より具体的には、雄型および雌型の両方の実施形態を含む、様々な引抜器ビットを開示する。エキストラクターから損傷したファスナーを除去することが困難なことがある。本願発明は、エキストラクターに組み込まれたリリース・スリーブを提供することにより、この問題を解決することを目的としており、特に、エキストラクターに残った破損したファスナーの断片を除去できるようユーザーを支援するように設計されている。
【0007】
図1および図2に示すように、本願発明に係るエキストラクターは、シャンク本体(1)、駆動ヘッド(2)、トルク工具本体(3)、外部ネジ山(15)、管状スリーブ(16)、内部ネジ山(17)、および、ナット(18)を含む。シャンク本体(1)および駆動ヘッド(2)により、本願発明に係るエキストラクターが外部トルクツールに取り付け可能になり、それにより、従来の設計と同様に、トルク工具本体(3)を介して、引き抜きのためにソケット・ファスナーにトルク力を加えることが可能になる。外部トルクツールには、電動ドリル、トルクレンチ、空気圧ドリル、ソケットネジドライバー、および他の類似のトルクツールが含まれるが、これらに限定されない。駆動ヘッド(2)は、外部トルクツールと係合するための構成要素として機能する。具体的には、駆動ヘッド(2)は、ナット状の要素であり、シャンク本体(1)に終端的かつ同心的に連結されている。駆動ヘッド(2)の好ましい水平断面は六角形プロファイルであるが、その他の形状であってもよい。たとえば、一実施形態では、駆動ヘッド(2)は、正方形の水平断面を有する。別の実施形態では、駆動ヘッド(2)の底部はドーム型である。底部とは、具体的には、駆動ヘッド(2)を挟んでシャンク本体(1)に対向する位置にある駆動ヘッド(2)の一部である。このようなドーム形状とすることで、トルク工具本体(3)を強制的に引き出す対象物に挿入するための衝撃力が作用する打撃面が形成される。この打撃面はドーム型に限定されるものではない。
【0008】
トルク工具本体(3)は、固着したファスナーを外すためのトルクを加えるためのシャンク状部材であり、固着したソケットネジ、ソケットボルトなどのソケット・ファスナー、または、壊れたスタッド、若しくは、任意のネジ山が切られたシャンク内の特定サイズの穿孔された穴に係合する。トルク工具本体(3)は、シャンク本体(1)に沿って駆動ヘッド(2)に対向して配置されている。図3に示すように、トルク工具本体(3)は、複数の側壁(4)、少なくとも1つの係合部(8)、第1の基部(13)、および、第2の基部(14)を含む。広く言えば、トルク工具本体(3)は、シャンク本体(1)に終端的かつ同心的に接続された強靭な金属から成る角柱である。複数の側壁(4)の各々は、外部トルクツールのトルク力をソケット・ファスナーに効率的に伝達するために、ソケット・ファスナー内で係合し、ソケット・ファスナーを把持する。複数の側壁(4)は、ソケット・ファスナーの幾何学的形状に適合するように、トルク工具本体(3)の回転軸(12)に対して放射状に配置されている。複数の側壁(4)内の数は、様々なソケット・ファスナーの形状や断面に適合するように変更されてよい。本願発明の一実施形態では、複数の側壁(4)の数は6であり、その結果トルク工具本体(3)の幾何学的断面は六角形である。本願発明の別の実施形態では、複数の側壁(4)の数は4であり、結果として得られるトルク工具本体(3)の幾何学的断面は正方形である。
【0009】
第1の基部(13)と第2の基部(14)は、複数の側壁(4)に沿って互いに対向して配置されている。ここで、シャンク本体(1)は、第2の基部(14)に隣接して、第1の基部(13)に対向する位置に接続されている。さらに、第1の基部(13)および第2の基部(14)は、複数の側壁(4)のそれぞれに対して垂直に配向されており、それにより、トルク工具本体(3)の多角形形状を構成する。より具体的には、第1の基部(13)が平坦な表面から成り、複数の側壁(4)のそれぞれに対して垂直に配向されていることが好ましい。また、第1の基部(13)と複数の側壁(4)のそれぞれとの間の横方向の端部が面取りされていることが好ましい。さらに、第1の基部(13)は、パンチ工具に類似した食い込み点を提供するように、円錐状に形成されていてもよい。衝撃力が駆動ヘッド(2)に加えられると、係合部(8)は、取り除かれるべき対象物の側壁に切り込むように設計されている。係合部(8)は、複数の側撃(4)とソケット・ファスナーとの間の摩擦力・連結力を増加させ、相互の滑りを防止する。このように、係合部(8)は、複数の側壁(4)のうちの特定の側壁と一体化されている。ここで、特定の側壁とは複数の側壁(4)のうちの任意のものを指す。
【0010】
管状スリーブ(16)は、シャンク本体(1)の外径に相補的な内径を有する細長い管状構造体である。管状スリーブ(16)、内部ネジ山(17)、外部ネジ山(15)、および、ナット(18)は、任意の余分な材料、または、ソケット・ファスナーをトルク工具本体(3)から除去するための抜け止め機構として機能する。好ましい管状スリーブ(16)の設計は、管状スリーブ(16)の第1の端部において管状スリーブ(16)に沿った直径のステップアップを含む(ここで、管状スリーブの第1の端部はトルク工具本体(3)に隣接して配置される)。これは、管状スリーブ(16)とトルク工具本体(3)に付着した異物との間の追加の係合面を提供する。一般に、管状スリーブ(16)は、ソケット・ファスナー(異物)が外れるまで、トルク工具本体(3)上のソケット・ファスナーに圧力を加えるために、シャンク本体(1)に沿って並進する。具体的には、外部ネジ山(15)は、トルク工具本体(3)と駆動ヘッド(2)との間でシャンク本体(1)に沿って延びている。さらに、外部ネジ山(15)は、シャンク本体(1)に横方向に切られている。内部ネジ山(17)は、外部ネジ山(15)とかみ合うように相補的に設計されている。内部ネジ山(17)は、管状スリーブ(16)内に配置され、管状スリーブ(16)に沿って延びている。さらに、内部ネジ山(17)は、管状スリーブ(16)内を横方向に切られている。動作時には、シャンク本体(1)は、内部ネジ山(17)が外部ネジ山(15)に機械的に係合された状態で、管状スリーブ(16)内に同心的に配置される。これにより、シャンク本体(1)と管状スリーブ(16)とが互いに相対的に回転するときに、管状スリーブ(16)がシャンク本体(1)に沿ってスライドすることができる。トルク工具本体(3)を使用して焼き付いたソケット・ファスナーを取り外した後、ユーザーは、トルク工具本体(3)からソケット・ファスナーを取り外す必要があるかもしれない。そのためには、ユーザーは、管状スリーブ(16)をシャンク本体(1)にタイして回転させて、管状スリーブ(16)がソケット・ファスナーに押し付けられてソケット・ファスナーが外れるまで管状スリーブ(16)をトルク工具本体(3)に向かってスライドさせるだけでよい。管状スリーブ(16)の回転は、ユーザーの手で行ってもよいが、さらに力が必要な場合には、レンチなどの外部トルクツールを2つ使用してもよい。一方のレンチは、駆動ヘッド(2)を介してシャンク本体(1)に機械的に係合され、他方のレンチは、ナット(18)を介して管状スリーブ(16)に機械的に係合される。このために、ナット(18)は、管状スリーブ(16)に終端的かつ同心的に接続されている。管状スリーブ(16)と同様に、シャンク本体(1)もナット(18)内に配置される。ナット(18)の好ましい形状は六角形であるが、代替の形状も使用してもよい。管状スリーブ(16)とナット(18)のサイズ、長さ、および、素材は、ユーザーのニーズや嗜好に応じて変更してよい。
【0011】
図3および図4に示すように、本願発明の一実施形態では、係合部(8)は、係合キャビティである。参考までに、複数の側壁(4)の各々は、第1の側壁縁部(5)、第2の側壁縁部(6)、および、ブレース面(7)からなる。ブレース面(7)は、ソケット・ファスナーを(より具体的にはソケット・ファスナーのヘッド部分の側方側壁に対して)物理的に押圧する。第1の側壁縁部(5)と第2の側壁縁部(6)は、ブレース面(7)を挟んで互いに対向するように配置されている。上方または下方のいずれかから見た場合、複数の側壁(4)のそれぞれの第1の側壁縁部(5)および第2の側壁縁部(6)は、トルク工具本体(3)の角部を構成する。係合キャビティは、法線に沿って特定の側壁のブレース面(7)の中に入り込み、ブレース面(7)上に追加の把持点(歯)を形成する。把持点は、係合キャビティとブレース面(7)とによって形成される。本願発明の一実施形態では、係合キャビティは、第1の基部(13)から第2の基部(14)に向かってトルク工具本体(3)内を延びている。これにより、追加の把持点がトルク工具本体(3)の長さに沿って延伸し、最大のグリップ係合が保証される。本願発明の別の実施形態では、図3に示すように、係合キャビティは、第1の基部(13)から第2の基部(14)に向かってテーパー状になっている。最大のグリップ係合をさらに確実にするために、係合キャビティの断面(9)全体が第1の基部(13)および第2の基部(14)と平行に配向していることが好ましい。
【0012】
本願発明の一実施形態では、係合キャビティの断面(9)は全体的に、部分円プロファイルであり、特定の側壁の第1の側壁縁部(5)から特定の側壁の第2の側縁部(6)を結ぶ直線に対して凹状である。部分円プロファイルは、トルク工具本体(3)に高い応力点がほとんどないことを確実にし、ツールの全体的寿命を増加させる。本願発明の別の実施形態では、係合キャビティの断面(9)全体は三角形プロファイルであり、三角形プロファイルは、特定の側壁の第1の側壁縁部(5)から特定の側壁の第2の側縁部(6)を結ぶ直線に対して凹状である。係合キャビティに、半正方形プロファイル、半長方形プロファイル、および、半楕円プロファイルなどを使用してもよい。三角形、正方形、半正方形のプロファイルの内部の角部は、強度を追加するために丸められていることが好ましい。
【0013】
図4に示すように、本願発明の一実施形態では、係合キャビティの断面(9)の全体は、湾曲部(10)と直線部(11)とから成る。その結果得られる把持点は、ソケット・ファスナーの角に食い込む鋭い係合歯を形成するために独特の形状をしており、ファスナーソケットの内部側面からの材料を係合キャビティに取り込むことができ、その結果、単に材料を押しのけるように設計されている従来の工具よりも高いグリップ力を得ることができる。これは、特に、摩耗または損傷したファスナーソケットに当てはまる。湾曲部(10)は、特定の側壁の第1の側壁縁部(5)に隣接して配置される部分的に円形の湾曲形状である。直線部は、湾曲部(10)に隣接して、特定の側壁の第1の側壁縁部(5)に対向して配置されている。直線部(11)は、ソケット・ファスナーの一部を、形成された係合歯に押し付けるようにガイドする。そのため、直線部(11)は、湾曲部(10)から特定の側壁の第2の側方縁部(6)まで延びている。具体的には、直線部(11)は、湾曲部(10)から始まり、特定の側壁の第2の側方縁部(6)で終わる。本実施形態は、時計回り向けの構成で実施してもよいし、湾曲部(10)と直線部(11)との位置関係を反転させて反時計回り向けの構成で実施してもよい。
【0014】
本願発明の別の実施形態では、係合キャビティは、特定の側壁のブレース面(7)上の中央に位置している。特に、係合キャビティは、特定の側壁の第1の側壁縁部(5)から第1の距離だけオフセットして配置され、特定の第2の側壁縁部(6)から第2の距離だけオフセットして配置される(ここで、第1の距離は第2の距離に等しい)。代替の実施形態では、第1の距離は第2の距離に等しくなくてもよい。これにより、係合キャビティを滑りの可能性が最も少ない、最も効率的なトルク伝達ができるよう、ソケット・ファスナーの内部側壁と係合するように位置決めする。さらに、この実施形態は、ソケット・ファスナーを時計回り方向または反時計回り方向に回転させるために使用されてもよい。
【0015】
図5図6、および、図7に示すように、本願発明の一実施形態では、係合部(8)は、係合突起である。係合突起は、特定の側壁に対する追加の把持要素を形成するトルク工具本体(3)から突出した部材である。具体的には、係合突起は、特定の側壁のブレース面(7)の側方に設けられる。さらに、係合突起は、追加の把持部分がトルク工具本体(3)の全体長さに沿って延びることを確実にするために、第1の基部(13)から第2の基部(14)まで延びている。これにより、ソケット・ファスナーをより深く係合させることが可能になり、ソケット・ファスナーをに適用されるトルクを最大化することができる。さらに、係合突起は、本実施形態に係る工具が時計回りでも反時計回りでも使用できるよう、特定の側壁の第1の側壁縁部(5)と特定の側壁の第2の側壁縁部(6)との間に中央に配置されていることが好ましい。トルク工具本体(3)に沿って一貫したグリップを確保するために、係合突起の全体の断面(19)は、第1の基部(13)および第2の基部(14)と平行である。
【0016】
図6に示すように、本願発明の一実施形態では、係合突起の断面(19)の全体は、部分円のプロファイルである。具体的には、係合突起の部分円のプロファイルは、特定の側壁の第1の側壁縁部(5)から特定の側壁の第2の側壁縁部(6)を結ぶ直線に対して凸状である。著しく摩耗し、かつ剥離したソケット・ファスナーでは、ソケット・ファスナーの工具受けキャビティが拡大しているため、この実施形態が特に有用である。係合突起は、特定の側壁のブレース面(7)から出っ張り、ソケット・ファスナーの摩耗した側面を押し付けて係合する。
【0017】
図4および図6に示すように、本願発明の好ましい実施形態は複数の係合部(8)を含む。この場合、図3に示すように、複数の係合部(8)の各々が、複数の側壁(4)に一体化された状態で、回転軸(12)に対して放射状に配置されている。この構成は、複数の側壁のそれぞれに追加のグリップ機能をもたらし、本願発明に係る工具とソケット・ファスナーとの間に有効な把持力が確実に生じることを保証する、。
【0018】
図7に示すように、本願発明の一実施形態では、トルク工具本体(3)は、第2の基部(14)から第1の基部(13)に向かってテーパー状になっている。これにより、本願発明を、異なるサイズのソケット・ファスナーに使用することができる。テーパーの程度は、ユーザーのニーズや好みに応じて変更してよい。本願発明の一実施形態では、トルク工具本体(3)は、インパクトツール、油圧ネジ、レンチソケット、およびスクリュードライバなどの(これらに限定されない)様々な器具に接続されてよい。
【0019】
図8に示すように、本願発明は一実施形態ではダブルエンド構成で実施される。この実施形態では、少なくとも1つのシャンク本体(1)は、第1のシャンク本体(22)と第2のシャンク本体(23)とから成り、少なくとも1つのトルク工具本体(3)は、第1のトルク工具本体(24)と第2のトルク工具本体(25)とから成り、少なくとも1つの外部ネジ山(15)は、第1の外部ネジ山(26)と第2の外部ネジ山(27)とから成る。この実施形態は、本願発明のための両面バージョンを提供する。ここで、両面の各面は、多様性を高めるために異なる設計または方向にすることができる。具体的には、本願発明を時計回りの回転および反時計回りの回転に使用することができる。第1のシャンク本体(22)および第2のシャンク本体(23)は、駆動ヘッド(2)を挟んで互いに対向して配置されている。第1のトルク工具本体(24)は、駆動ヘッド(2)に対向して、第1のシャンク本体(22)に終端的かつ同心的に接続されている。第1の外部ネジ山(26)は、第1のトルク工具本体(24)と駆動ヘッド(2)との間で、第1のシャンク本体(22)に沿って延びており、さらに、第1の外部ネジ山(26)は、第1のシャンク本体(22)に横方向に連結されている。これは、本願発明の単一の係合面を構成する。これを鏡像的にするように、第2のトルクツール本体(25)は、駆動ヘッド(2)とは反対側の第2のシャンク本体(23)に終端的かつ同心的に接続されている。第2の外部ネジ山(27)は、第2のトルク工具本体(25)と駆動ヘッド(2)との間で、第2のシャンク本体(23)に沿って延びている。さらに、第2の外部ネジ山(27)は、第2のシャンク本体(23)に横方向に接続されている。この実施形態では、2イン1タイプの工具を提供ために、第1のトルク工具本体の係合部のタイプが第2のトルク工具本体の係合部のタイプと異なっていてもよい。
【0020】
本願発明は、その好ましい実施形態に関連して説明してきたが、請求の範囲で主張される、本願発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の多くの可能な修正および変形が可能であることを理解されたい。
図1
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図7
図8