(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】小物部品の計数供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20221222BHJP
B65G 65/48 20060101ALI20221222BHJP
B65G 47/80 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B65G47/14 102B
B65G65/48 A
B65G47/80 A
(21)【出願番号】P 2018191131
(22)【出願日】2018-10-09
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2017197118
(32)【優先日】2017-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515248001
【氏名又は名称】株式会社マイス
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】酒井 高雄
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-115624(JP,U)
【文献】実開平02-064532(JP,U)
【文献】特開2015-205760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
B65G 65/48
B65G 47/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物部品を
計数して供給する
計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されて
おり、
前記収容ポケット部材の側面の一部が、前記回転盤の軸方向に対して平行な平面部となっている小物部品の
計数供給装置。
【請求項2】
小物部品を計数して供給する計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されており、
前記収容ポケット部材は、前記貫通穴に入り込んでいる凸部と、前記凸部よりも大径に形成されている本体部と、を有し、前記ポケット穴は、前記凸部と前記本体部とに亘って前記収容ポケット部材を貫通しており、
前記本体部の上面が前記回転盤の下面に当接しており、
前記凸部の上端面と前記回転盤の上面とが互いに面一に配置されてい
る小物部品の
計数供給装置。
【請求項3】
小物部品を計数して供給する計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されており、
前記回転盤の径方向に延在する弾性部材により構成され、前記回転盤の回転に連動して回転する攪拌部材を備えてい
る小物部品の
計数供給装置。
【請求項4】
前記貫通穴及び前記収容ポケット部材の数がそれぞれ2個であり、
前記貫通穴及び前記収容ポケット部材が、前記回転盤の周方向において180度間隔で配置されており、
前記攪拌部材の延在方向が、前記収容ポケット部材どうしを結ぶ直線に対して直交している請求項
3に記載の小物部品の
計数供給装置。
【請求項5】
小物部品を計数して供給する計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されており、
当該
計数供給装置は、前記小物部品として、一方向に長尺な形状のものを
計数して供給するものであり、
前記ポケット穴は、一方向に長尺に形成されているか、又は、それぞれ一方向に長尺な複数の長尺形状部が互いに交差する状態で組み合わされた形状に形成されている
小物部品の計数供給装置。
【請求項6】
小物部品を計数して供給する計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されており、
前記回転盤は傾斜して配置されており、
前記収容ポケット部材の上端面と前記回転盤の上面とが互いに面一に配置されており、
当該
計数供給装置は、
前記回転盤の上方において、前記回転盤と同じ方向に傾斜して、前記回転盤と対向して配置されているカバー部材と、
前記排出穴と対向する位置において前記回転盤の上面に沿って配置された盤状の収容量規制部材と、
弾性材料により構成され、前記収容量規制部材を前記貯留部に対して直接又は間接に連結している連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記回転盤の径方向に沿って延在しており、
前記貯留部内の前記小物部品は、前記貯留部の側壁と前記カバー部材の傾斜方向下端との間から、前記回転盤上に供給されるようになっており、
前記カバー部材と前記収容量規制部材との間には、前記連結部材の長手軸周りにおける前記収容量規制部材の傾動を許容するクリアランスが存在してい
る小物部品の
計数供給装置。
【請求項7】
前記小物部品が前記ポケット穴に保持された状態で、前記小物部品が前記ポケット穴から上方に突出するようになっており、
前記クリアランスは、前記小物部品が前記ポケット穴に保持された状態で前記小物部品が前記ポケット穴から上方に突出する突出長よりも大きい寸法に設定されている請求項
6に記載の小物部品の
計数供給装置。
【請求項8】
小物部品を計数して供給する計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されており、
前記排出穴は前記ポケット穴よりも前記回転盤の周方向に長い形状に形成されてい
る小物部品の
計数供給装置。
【請求項9】
前記収容ポケット部材の上端面と前記回転盤の上面とが互いに面一に配置されており、
当該
計数供給装置は、
前記排出穴と対向する位置において前記回転盤の上面に沿って配置された盤状の収容量規制部材と、
弾性材料により構成され、前記収容量規制部材を前記貯留部に対して直接又は間接に連結している連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記回転盤の径方向に沿って延在しており、
前記収容量規制部材に外力が作用していない状態において、当該
計数供給装置を前記回転盤の軸方向に視たときに、前記回転盤の周方向における前記排出穴の両端部がそれぞれ前記収容量規制部材からはみ出している請求項
8に記載の小物部品の
計数供給装置。
【請求項10】
前記排出穴は、円を前記回転盤の周方向に移動させたときの移動軌跡の形状に形成されている請求項
8又は
9に記載の小物部品の
計数供給装置。
【請求項11】
小物部品を計数して供給する計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されており、
前記貫通穴及び前記収容ポケット部材の数がそれぞれ2個であり、
前記貫通穴及び前記収容ポケット部材が、前記回転盤の周方向において180度間隔で配置されており、
当該
計数供給装置は、
前記回転盤の回転制御を行う制御部であって、前記回転盤を180度回転させる度に前記回転盤の回転方向を反転させる制御を行う制御部と、
前記回転盤と連動して回転移動する被検出部材と、
前記回転盤の面直方向に前記被検出部材に向けて光を照射し、前記回転盤の回転角度を検出する角度センサと、
を備え
る小物部品の
計数供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物部品の計数供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小物部品の定量供給を行うための装置としては、例えば、特許文献1に記載の定量供給装置がある。
この定量供給装置は、複数の小物部品を貯留する貯留部(同文献の容器)と、略水平な回転軸周りに回転可能に貯留部に設けられた回転盤と、回転盤の前面に設けられていて貯留部内の小物部品を吸着するマグネットと、回転盤の前面に近接して設けられマグネットに吸着された部品をマグネットから分離させる分離部と、マグネットから分離して落下する部品を受け取る受皿と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の定量供給装置では、マグネットに吸着する小物部品しか定量供給することができない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、小物部品の材料が樹脂等の非磁性材料である場合にも小物部品を計数して供給することが可能な、小物部品の計数供給装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、小物部品を計数して供給する計数供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されており、
前記収容ポケット部材の側面の一部が、前記回転盤の軸方向に対して平行な平面部となっている小物部品の計数供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小物部品を所定数ずつ収容するポケット穴に小物部品が取り込まれ、回転盤の回転に伴って小物部品が排出穴と重なる位置に移動することにより、小物部品が下側部材の排出穴を介して下方に排出される。よって、小物部品が磁性材料であるか否かにかかわらず、小物部品を計数して供給することが可能となる。つまり、小物部品の材料が樹脂等の非磁性材料である場合にも小物部品を計数して供給することが可能である。
そして、回転盤と収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されているので、収容ポケット部材が回転盤と一体形成されている場合と比べて、収容ポケット部材の加工が容易となり、また、各種の形状やサイズの小物部品に対応する複数種類の計数供給装置を製造するに際して、回転盤は同形状かつ同寸法のものを共用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る小物部品の
計数供給装置(定量供給装置
)の正面断面図である。
【
図2】実施形態に係る小物部品の定量供給装置の部分拡大の正面断面図である。
【
図3】実施形態に係る小物部品の定量供給装置の一部分を回転盤の上方から回転盤の面直方向に視た図である。
【
図4】実施形態に係る小物部品の定量供給装置の部分拡大の正面断面図であり、
図2の状態と比べて回転盤の角度が90度異なる状態を示す。
【
図5】実施形態に係る小物部品の定量供給装置の一部分を回転盤の上方から回転盤の面直方向に視た図であり、
図3の状態と比べて回転盤の角度が90度異なる状態を示す。
【
図6】
図2の矢印A方向から視た小物部品の定量供給装置の構造を示す図である。
【
図7】
図7(a)、
図7(b)及び
図7(c)の各々は実施形態に係る小物部品の定量供給装置の収容ポケット部材を示す図であり、このうち
図7(a)は収容ポケット部材を当該収容ポケット部材の軸方向に視た図、
図7(b)は側面図、
図7(c)は断面図である。
【
図8】実施形態に係る小物部品の定量供給装置のブロック図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)の各々は実施形態に係る小物部品の定量供給装置の一連の動作を説明するための模式図であり、このうち
図9(a)は
図3及び
図5と同じ方向に定量供給装置を視た図、
図9(b)は
図9(a)のB-B線に沿った断面図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)の各々は実施形態に係る小物部品の定量供給装置の一連の動作を説明するための模式図であり、このうち
図10(a)は
図9(a)と同じ方向に定量供給装置を視た図であって
図9(a)の状態から回転盤が90度回転した状態を示し、
図10(b)は
図10(a)のB-B線に沿った断面図である。
【
図11】
図11(a)及び
図11(b)の各々は実施形態に係る小物部品の定量供給装置の一連の動作を説明するための模式図であり、このうち
図11(a)は
図10(a)と同じ方向に定量供給装置を視た図であって
図10(a)の状態から更に回転盤が90度近く回転した状態を示し、
図11(b)は
図11(a)のB-B線に沿った断面図である。
【
図12】
図12(a)及び
図12(b)の各々は実施形態に係る小物部品の定量供給装置の一連の動作を説明するための模式図であり、このうち
図12(a)は
図10(a)及び
図11(a)と同じ方向に定量供給装置を視た図であって
図10(a)の状態から更に回転盤が90度回転した状態を示し、
図12(b)は
図12(a)のB-B線に沿った断面図である。
【
図14】変形例1に係る小物部品の定量供給装置の一部分を回転盤の上方から回転盤の面直方向に視た図である。
【
図15】
図15(a)は変形例1に係る小物部品の定量供給装置の収容ポケット部材のポケット穴を回転盤の面直方向に視たときの形状を示す図であり、
図15(b)は変形例1に小物部品の定量供給装置によって定量供給される小物部品を当該小物部品の長手方向に対して直交する方向に視た図である。
【
図16】変形例2に係る小物部品の定量供給装置の収容ポケット部材のポケット穴を回転盤の面直方向に視たときの形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0010】
図1は実施形態に係る小物部品の定量供給装置100(以下、単に定量供給装置100と称する)の正面断面図である。
図2は定量供給装置100の部分拡大の正面断面図(
図3のA-A線に沿った断面図)である。
図3は定量供給装置100の一部分を回転盤20の上方から回転盤20の面直方向に視た図である。
図4は定量供給装置100の部分拡大の正面断面図(
図5のA-A線に沿った断面図)であり、
図2の状態と比べて回転盤20の角度が90度異なる状態を示す。
図5は定量供給装置100の一部分を回転盤20の上方から回転盤20の面直方向に視た図であり、
図3の状態と比べて回転盤の角度が90度異なる状態を示す。
なお、
図3及び
図5においては、カバー部材57及びカバー固定部材58の図示を省略している。
図1から
図3は回転盤20の回転角度が互いに等しく、
図4と
図5は回転盤20の回転角度が互いに等しい。
図6は
図4の矢印A方向から視た定量供給装置100の構造を示す図である。
図7(a)、
図7(b)及び
図7(c)の各々は定量供給装置100の収容ポケット部材30を示す図であり、このうち
図7(a)は収容ポケット部材30を当該収容ポケット部材30の軸方向に視た図、
図7(b)は側面図、
図7(c)は
図7(a)のA-A線に沿った断面図である。
図8は定量供給装置100のブロック図である。
図9(a)から
図12(b)の各々は定量供給装置100の一連の動作を説明するための模式図であり、このうち
図9(a)は
図3及び
図5と同じ方向に定量供給装置100を視た図、
図9(b)は
図9(a)のB-B線に沿った断面図である。ただし、
図9(a)及び
図9(b)の状態における回転盤20の回転角度は、
図5の状態と比べて90度異なっている。
図10(a)は
図9(a)と同じ方向に定量供給装置100を視た図であって
図9(a)の状態から回転盤20が右回りに90度回転した状態を示し、
図10(b)は
図10(a)のB-B線に沿った断面図である。
図11(a)は
図10(a)と同じ方向に定量供給装置100を視た図であって
図10(a)の状態から更に回転盤20が右回りに90度近く回転した状態を示し、
図11(b)は
図11(a)のB-B線に沿った断面図である。
図12(a)は
図10(a)及び
図11(a)と同じ方向に定量供給装置100を視た図であって
図10(a)の状態から更に回転盤20が右回りに90度回転した状態を示し、
図12(b)は
図12(a)のB-B線に沿った断面図である。
図9(a)から
図12(b)の各図においては、カバー部材57の図示を省略している。
図9(a)、
図11(a)及び
図12(a)に示すB-B線は、収容ポケット部材30の移動経路に沿った弧状に延在している。
図13(a)、
図13(b)、
図13(c)及び
図13(d)の各々は小物部品90の例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る定量供給装置100
(計数供給装置)は
、小物部品90(
図9(a)等)を
計数して供給する定量供給装置100であって、複数の小物部品90を貯留する貯留部18と、貯留部18内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤20であって当該回転盤20を貫通する貫通穴21(
図2等)が形成されている回転盤20と、貫通穴21に設けられている収容ポケット部材30であって当該収容ポケット部材30を貫通しているとともに小物部品90を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品90を下方に排出するポケット穴31(
図2等)が形成されている収容ポケット部材30と、回転盤20の下方に配置されている下側部材40であって当該下側部材40を貫通する排出穴41(
図2等)が形成されている下側部材40と、を備えている。収容ポケット部材30のポケット穴31に小物部品90が取り込まれ、且つ、ポケット穴31の下端が下側部材40により塞がれているときには、小物部品90がポケット穴31に保持され、小物部品90が排出穴41と重なる位置に移動することにより小物部品90が排出穴41を介して下方に排出されるようになっている。
そして、回転盤20と収容ポケット部材30とが互いに別部材により構成されている。
より詳細には、例えば、回転盤20はステンレス等の金属により構成されており、収容ポケット部材30は樹脂により構成されている。
【0012】
このような定量供給装置100によれば、小物部品90を所定数ずつ収容するポケット穴31に小物部品90が取り込まれ、回転盤20の回転に伴って小物部品90が排出穴41と重なる位置に移動することにより、小物部品90が下側部材40の排出穴41を介して下方に排出される。よって、小物部品90が磁性材料であるか否かにかかわらず、小物部品90の定量供給が可能となる。つまり、小物部品90の材料が樹脂等の非磁性材料である場合にも小物部品90の定量供給が可能である。
そして、回転盤20と収容ポケット部材30とが互いに別部材により構成されているので、収容ポケット部材30が回転盤20と一体形成されている場合と比べて、収容ポケット部材30の加工が容易となり、また、各種の形状やサイズの小物部品90に対応する複数種類の定量供給装置100を製造するに際して、回転盤20は同形状かつ同寸法のものを共用することができる。
また、収容ポケット部材30が回転盤20に対して着脱可能である場合には、小物部品90の形状やサイズに応じて異なる形状のポケット穴31を有する収容ポケット部材30を回転盤20に取り付けて用いることによって、定量供給装置100を複数種類の形状やサイズの小物部品90に対して共用することができる。
【0013】
なお、所定数の小物部品90を排出穴41から下方に排出する動作を所定回数(1回以上)繰り返すことによって、定量の小物部品90を供給することができる。「所定数」と「定量」は、互いに同数であってもよいし、所定数よりも定量が多い数であってもよい。
本実施形態の場合、定量供給装置100は一度に1個の小物部品90を排出穴41から下方に排出するように構成されている。このため、例えば、定量が5個の場合には、排出穴41から小物部品90を排出する動作が5回繰り返されることによって、定量の小物部品90を供給することができる。
小物部品90は、例えば、後述するように、取出皿81に供給される(払い出される)。
【0014】
小物部品90は、特に限定されないが、小物部品90は、例えば、非磁性材料により構成されたものとすることができ、本実施形態の場合、小物部品90は樹脂製のものである。小物部品90としては、自動車部品などの部品どうしの固定に用いられるプラスチックファスナーが好適に用いられる。
【0015】
以下、定量供給装置100の各部の構成について、より詳細に説明する。
【0016】
定量供給装置100は、筐体10を備えており、筐体10内に各種の構成要素が収容されている。
筐体10は、例えば、直方体形状の箱型に形成されており、当該筐体10の上端に開口10aが形成されている。
筐体10は、それぞれ平板状に形成されていて互いに対向して配置されている左右一対の第1壁部11及び第2壁部12と、それぞれ平板状に形成されていて互いに対向して配置されている前後一対の第3壁部及び第4壁部14と、平板状に形成されていて水平に配置され、当該筐体10の下端を塞いでいる底板部15と、を備えている。第1壁部11、第2壁部12、第3壁部及び第4壁部14の各々の板面は鉛直に配置されており、第1壁部11及び第2壁部12の板面と、第3壁部及び第4壁部14の板面とは、互いに直交して配置されている。
【0017】
回転盤20は、例えば、平板な円盤状に形成されており、水平面に対して傾斜した姿勢で筐体10内に配置されている。本実施形態の場合、回転盤20は、例えば、
図1に示すように、右上がりに傾斜して配置されており、且つ、前後方向には傾斜を持たないように配置されている。
【0018】
回転盤20は、当該回転盤20の盤面方向に回転可能な状態、すなわち、当該回転盤20の盤面に対して直交する回転軸周りに回転可能な状態で、筐体10によって間接的に保持されている。
より詳細には、例えば、回転盤20に回転動力を付与する回転モータ73が、固定枠77等を介して間接的に筐体10によって保持されており、回転モータ73のモータ軸73aの上端部が、回転盤20に連結されているとともに回転盤20を保持している。モータ軸73aの軸方向は、回転盤20の軸方向と一致している。
図2に示すように、回転盤20の中央部には、中心穴22が形成されており、この中心穴22にモータ軸73aの上端部が差し込まれている。モータ軸73aの上端部は、Dカット形状に形成されており、中心穴22は、モータ軸73aと適合するDカット形状に形成されている。
【0019】
回転盤20において、中心穴22から外周側にオフセットした位置には、当該回転盤20を貫通している貫通穴21が形成されている。本実施形態の場合、回転盤20の周方向において180度間隔で2つの貫通穴21が配置されている。各貫通穴21は、例えば、円形に形成されている。これら貫通穴21は、互いに同じ寸法のものである。
各貫通穴21には、それぞれ収容ポケット部材30が設けられている。
【0020】
図7(a)、
図7(b)及び
図7(c)に示すように、収容ポケット部材30には、当該収容ポケット部材30を貫通するポケット穴31が形成されている。ポケット穴31の内腔領域は、例えば、円柱状である。つまり、回転盤20の上面20aに対して直交する方向にポケット穴31を視たときのポケット穴31の形状は、例えば、円形である。ただし、この方向にポケット穴31を視たときのポケット穴31の形状は、この例に限らず、正方形又は長方形などの多角形状や、角丸の正方形や角丸の長方形などの角丸の多角形状であってもよい。
収容ポケット部材30は、本体部32と、本体部32よりも小径に形成されていて本体部32から突出している凸部33と、を備えている。本体部32からの凸部33の突出方向は、ポケット穴31の軸方向における一方向である。ポケット穴31は、本体部32から凸部33に亘って収容ポケット部材30を貫通している。凸部33は、円盤状(高さが低い円柱状)に形成されており、ポケット穴31と同軸に配置されている。本体部32は、円盤(高さが低い円柱)から、当該円盤の一側部を、ポケット穴31の軸方向に対して平行な平面に沿って削ぎ落としたような形状である。なお、本体部32の弧状に湾曲した側面(側周面)は、凸部33及びポケット穴31と同軸に配置されている。
【0021】
ここで、収容ポケット部材30は、
図2に示すように、ポケット穴31の軸方向が回転盤20の軸方向に対して平行となる姿勢(ポケット穴31の軸方向が回転盤20の板面に対して直交する姿勢)で、回転盤20に固定されている。このため、収容ポケット部材30の側面の一部が、回転盤20の軸方向に対して平行な平面部30aとなっている。
収容ポケット部材30は平面部30aを有するため、収容ポケット部材30を安定的にチャッキングした状態でポケット穴31等を精度良く加工(切削加工、研磨加工など)することができ、収容ポケット部材30の製造性が良好となる。
【0022】
ポケット穴31の軸方向における凸部33の寸法は、回転盤20の厚み寸法と同等の寸法に設定されている。
本体部32には、例えば、ビス(不図示)により収容ポケット部材30を回転盤20に固定するための一対の固定穴34が形成されている。固定穴34の下端部には、ビスの頭部を収容する座繰部34aが形成されている。
【0023】
図2に示すように、凸部33が回転盤20の下側から貫通穴21に嵌入し、本体部32の上面32aが回転盤20の下面20bに当接している。図示しないビスが各固定穴34を通して回転盤20に螺入されることで、収容ポケット部材30が回転盤20に固定されている。この状態で、ビスの頭部の全体が座繰部34aに収容されている。
【0024】
また、この状態で、凸部33の上端面33aは、回転盤20の上面20aと面一に配置されている。すなわち、収容ポケット部材30は、貫通穴21に入り込んでいる凸部33と、凸部33よりも大径に形成されている本体部32とを有し、ポケット穴31は、凸部33と本体部32とに亘って収容ポケット部材30を貫通しており、本体部32の上面32aが回転盤20の下面20bに当接しており、凸部33の上端面33aと回転盤20の上面20aとが互いに面一に配置されている。
【0025】
図3及び
図5に示すように、回転盤20の板面に対して直交する方向に視たときに、平面部30aは回転盤20の外形線に沿って配置されており、収容ポケット部材30は後述する上側固定板25の開口25aの内側に配置されている。より詳細には、平面部30aは、回転盤20の外形線の弦となる位置関係となっている。
【0026】
下側部材40は、例えば、平板状に形成されており、回転盤20に対して平行に対向して配置されている。つまり、下側部材40は、水平面に対して、回転盤20と同じ方向に傾斜して配置されている。
下側部材40は、筐体10に対して間接的に固定されている。従って、回転盤20は、回転モータ73の駆動によって、下側部材40及び筐体10に対して相対的に回転する。
図2から
図5に示すように、排出穴41は、下側部材40の傾斜方向における上端部に配置されている。
【0027】
図3及び
図9(a)等に示すように、回転盤20の板面に対して直交する方向に視たときに、排出穴41は、ポケット穴31よりも回転盤20の周方向に長い形状に形成されている。
このため、ポケット穴31に取り込まれた小物部品90を、より確実に、排出穴41を介して下方に排出することができるようになっている。
【0028】
排出穴41は、円を回転盤20の周方向に弧状に移動させたときの移動軌跡の形状に形成されている。このため、排出穴41は、長軸に沿った一対の腹のうち一方の腹が内向きに窪んだ楕円形のような形状となっている。
これにより、排出穴41に対して相対的に円弧状に移動するポケット穴31に取り込まれている小物部品90を、スムーズに排出穴41を介して下方に排出できるようになっている。
【0029】
排出穴41はポケット穴31よりも大きいことが好ましい。
図3に示すように、ポケット穴31が排出穴41と重なる位置に移動した際に回転盤20の面直方向に視ると、排出穴41がポケット穴31を包含するようになっている。
【0030】
図2等に示すように、下側部材40の中央部には、当該下側部材40を貫通している中央開口42が形成されている。回転モータ73のモータ軸73aは、中央開口42を貫通して配置されている。また、
図2等に示すように、後述する背面側固定部材55の下端部が中央開口42内に配置されていてもよい。
【0031】
回転盤20が回転する際には、収容ポケット部材30の本体部32は、回転盤20と下側部材40との対向間隔において弧状に移動する。本体部32の下面と下側部材40とは、互いに摺動しても良いが、非接触状態に維持されることが好ましい。
本体部32の下面と下側部材40の上面とのクリアランスは、ポケット穴31から下方に排出された小物部品90が本体部32の下面と下側部材40との間に挟まらない程度の小さい寸法に設定されている。
【0032】
下側部材40の下方には、下側固定板45が配置されている。下側固定板45は、例えば、平板状に形成されており、下側部材40を間に挟んで回転盤20と平行に配置されている。下側固定板45は、筐体10に対して間接的に固定されている。
下側固定板45には、後述する第1排出スロープ16を配置するためのスロープ配置用開口46と、中央開口47とが形成されている。
回転モータ73のモータ軸73aは、中央開口47に挿通されている。
下側固定板45には固定枠77が固定されており、この固定枠77に回転モータ73が固定されている。
【0033】
ここで、
図2及び
図3等に示すように、定量供給装置100は、回転盤20と同一平面上に配置された上側固定板25を備えている。
上側固定板25には、当該上側固定板25を貫通した円形の開口25aが形成されており、開口25a内に回転盤20が配置されている。回転盤20の上面20aは、上側固定板25の上面と面一に配置されている。
図3に示すように、上側固定板25は矩形状に形成されている。
上側固定板25は、筐体10に対して固定されている。
筐体10内の空間は、上側固定板25及び回転盤20によって上下に仕切られている。筐体10のうち、上側固定板25及び回転盤20よりも上側の部分が、小物部品90を貯留する貯留部18を構成している。貯留部18には、互いに同一の形状及びサイズの複数の小物部品90が収容される。
【0034】
図1に示すように、下側部材40は、例えば、ボルト及びナットなどにより構成された止着具48を介して、上側固定板25に対して固定されている。
同様に、下側固定板45は、例えば、ボルト及びナットなどにより構成された止着具49を介して、上側固定板25に対して固定されている。
【0035】
図3から
図5等に示すように、定量供給装置100は、回転盤の回転に連動して貯留部18内において回転する攪拌部材50を備えている。攪拌部材50は、弾性変形可能な弾性部材により構成されており、回転盤20の上面20aに沿って回転盤20の径方向に延在している。攪拌部材50は、例えば、コイルバネにより構成されており、当該攪拌部材50の軸方向が回転盤20の径方向に延在している。
このように、定量供給装置100は、回転盤20の径方向に延在する弾性部材により構成され、回転盤20の回転に連動して回転する攪拌部材50を備えている。
攪拌部材50が弾性部材により構成されているため、小物部品90を適度に且つ十分に攪拌することができる。よって、回転盤20上に存在する小物部品90の流動が困難となる状態(小物部品90どうしがブリッジした状態)の発生を抑制することができる。
【0036】
回転盤20の上面20aの中央部には、攪拌部材50の基端部52を保持する固定部材53が固定されている。固定部材53は、例えば、円柱形状に形成されており、回転盤20と同軸に配置されている。攪拌部材50は、基端部52が固定部材53内に差し込まれることによって、固定部材53によって保持されている。
このため、回転盤20の回転に伴って、固定部材53及び攪拌部材50が回転するようになっている。
例えば、基端部52は、固定部材53の半径の長さ以上に亘って、固定部材53内に差し込まれている。これにより、固定部材53によって攪拌部材50をより安定的に保持でき、攪拌部材50の持つ弾性的な反撥力を十分に発揮しつつ、攪拌部材50によって小物部品90を攪拌することができる。
【0037】
図3及び
図5に示すように、攪拌部材50の先端51は、例えば、回転盤20の外形線の近傍に配置されている。
先端51は、回転盤20の外形線を越えていることも好ましく、このようにすることによって、より広範囲を攪拌部材50によって攪拌することができる。
【0038】
図2に示すように、回転盤20の中央部を間に挟んで固定部材53と対向する位置には、背面側固定部材55が配置されている。固定部材53は、ビス等の止着部材54(例えば一対の止着部材54)によって、回転盤20を介して背面側固定部材55に固定されている。すなわち、固定部材53と背面側固定部材55とは回転盤20を間に挟んで止着部材54により相互に締結されている。背面側固定部材55は、例えば、円柱形状に形成されており、固定部材53と同軸に配置されている。
背面側固定部材55の中央部には、当該背面側固定部材55を貫通する貫通穴55aが形成されており。貫通穴55aは、中心穴22と同様にDカット形状に形成されている。貫通穴55aの延長上に中心穴22が配置されている。回転モータ73のモータ軸73aは、貫通穴55aから中心穴22に亘って挿通されている。
なお、止着部材54は、貫通穴55a及び中心穴22(及びモータ軸73a)と干渉しないよう、固定部材53及び背面側固定部材55の軸中心部を避けて配置されている。
【0039】
上記の説明から分かるように、貫通穴21及び収容ポケット部材30の数はそれぞれ2個であり、貫通穴21及び収容ポケット部材30が、回転盤20の周方向において180度間隔で配置されている。
本実施形態の場合、
図5に示すように、攪拌部材50の延在方向が、収容ポケット部材30どうしを結ぶ直線Lに対して直交している。
このような構成により、2つの収容ポケット部材30どうしの間の領域の小物部品90を攪拌部材50によりバランス良く攪拌することができるため、双方の収容ポケット部材30に対してそれぞれスムーズに小物部品90を供給することが可能となる。
【0040】
図1から
図5に示すように、定量供給装置100は、排出穴41と対向する位置において回転盤20の上面20aに沿って配置された盤状の収容量規制部材60と、収容量規制部材60を貯留部18に対して直接又は間接に連結している連結部材61と、を備えている。収容量規制部材60は、ポケット穴31内における小物部品90の収容量を所定数(本実施形態の場合、1個)に規制するためのものである。連結部材61は、弾性材料により構成されている。より詳細には、連結部材61は、コイルバネにより構成されている。
収容量規制部材60は、回転盤20側の面(下面)が平坦な形状であり、より詳細には、例えば、扁平な円柱形状である。
【0041】
連結部材61の一端部は、収容量規制部材60の側周面から当該収容量規制部材60内に差し込まれて、当該収容量規制部材60に対して固定されている。
連結部材61の他端部は、例えば、上側固定板25から起立した板状の起立部26(起立片)に対して固定されている。起立部26の板面は、前後を向いている。起立部26には当該起立部26の板面を貫通する固定穴26aが形成されている。
連結部材61の他端部に形成されたフック状の部分が、固定穴26aに挿通されたボルトと当該ボルトと螺合するナット等により構成された止着具27によって、起立部26に固定されている。
連結部材61は、回転盤20の傾斜方向に沿って延在している。つまり、連結部材61も回転盤20と同様に右上がりに傾斜して配置されている。
【0042】
収容量規制部材60は、連結部材61の弾性変形が許容する範囲で、回転盤20の上面20aに沿って弧状に揺動可能となっている(
図9(a)の矢印Cを参照)。
また、収容量規制部材60は、連結部材61の長手軸周りにおいて傾動可能となっている(
図9(b)の矢印Dを参照)。
【0043】
図1、
図2及び
図4に示すように、定量供給装置100は、更に、回転盤20の上方に配置されたカバー部材57を備えている。カバー部材57は、例えば、平板状に形成されており、回転盤20と同じ方向に傾斜して、回転盤20及び上側固定板25と対向して配置されている。
カバー部材57は、筐体10に対して直接固定されていてもよいが、本実施形態の場合、カバー固定部材58を介して筐体10に固定されている。カバー固定部材58は、カバー部材57の傾斜方向における上端部と第2壁部12とを相互に連結している。
貯留部18内の小物部品90は、貯留部18の側壁(本実施形態の場合、筐体10の第1壁部11)とカバー部材57の傾斜方向下端との間(
図1等に示す流下開口19)から、回転盤20上に供給されるようになっている。
このため、回転盤20上に供給される小物部品90の数を適度に抑制できる。よって、回転盤20上に存在する小物部品90が多すぎて回転盤20上で小物部品90の流動が困難となる状態(小物部品90どうしがブリッジした状態)の発生を抑制することができる。
なお、貯留部18内の領域のうちカバー部材57及びカバー固定部材58よりも上方の領域からカバー部材57及びカバー固定部材58よりも下方の領域へと小物部品90が移動可能な開口は、流下開口19のみとなっている。このため、貯留部18内においてカバー部材57及びカバー固定部材58よりも上方の領域に存在する小物部品90は、流下開口19のみから回転盤20上に供給されるようになっている。
【0044】
ここで、カバー部材57と収容量規制部材60との間には、連結部材61の長手軸周りにおける収容量規制部材60の傾動を許容するクリアランスD(
図2)が存在している。
このように、回転盤20は傾斜して配置されており、収容ポケット部材30の上端面(上端面33a)と回転盤20の上面20aとが互いに面一に配置されており、定量供給装置100は、回転盤20の上方において回転盤20と同じ方向に傾斜して回転盤20と対向して配置されているカバー部材57と、排出穴41と対向する位置において回転盤20の上面20aに沿って配置された盤状の収容量規制部材60と、弾性材料により構成され収容量規制部材60を貯留部18に対して直接又は間接に連結している連結部材61と、を備えている。連結部材61は、回転盤20の径方向に沿って延在している。貯留部18内の小物部品90は、貯留部18の側壁(第1壁部11)とカバー部材57の傾斜方向下端との間(流下開口19)から回転盤20上に供給されるようになっている。そして、カバー部材57と収容量規制部材60との間には、連結部材61の長手軸周りにおける収容量規制部材60の傾動を許容するクリアランスDが存在している。
【0045】
ここで、本実施形態の場合、
図11(b)に示すように、小物部品90がポケット穴31に保持された状態で、小物部品90がポケット穴31から上方に突出するようになっている。そして、上記のクリアランスDは、小物部品90がポケット穴31に保持された状態で小物部品90がポケット穴31から上方に突出する突出長L1よりも大きい寸法に設定されている。
これにより、
図11(b)に示すように収容量規制部材60がポケット穴31内の小物部品90に乗り上げて傾動したときに、収容量規制部材60と下側部材40との間に小物部品90を噛み込んでしまうことを抑制できる。
【0046】
より好ましくは、小物部品90における最大長さをLmax(不図示)とし、ポケット穴31の深さ寸法すなわちポケット穴31の軸方向における当該ポケット穴31の寸法をD1(不図示)とすると、クリアランスDは、D>(Lmax-D1)を満たす寸法に設定されている。
なお、小物部品90が
図13(a)に示す形状である場合、Lmaxは、
図13(a)における小物部品90の上下寸法である。また、小物部品90が
図13(c)又は
図13(d)に示す形状である場合、Lmaxは、
図13(c)又は
図13(d)における小物部品90の左右幅寸法である。
【0047】
図5等に示すように、(小物部品90などから)収容量規制部材60に外力が作用していない状態において、定量供給装置100を回転盤20の軸方向(回転盤20の盤面に対して直交する方向)に視たときに、回転盤20の周方向における排出穴41の両方の端部41aがそれぞれ収容量規制部材60からはみ出している。
このように、収容ポケット部材30の上端面(上端面33a)と回転盤20の上面20aとが互いに面一に配置されており、定量供給装置100は、排出穴41と対向する位置において回転盤20の上面に沿って配置された盤状の収容量規制部材60と、弾性材料により構成され収容量規制部材60を貯留部18に対して直接又は間接に連結している連結部材61と、を備え、連結部材61は回転盤20の径方向に沿って延在しており、収容量規制部材60に外力が作用していない状態において定量供給装置100を回転盤20の軸方向に視たときに、回転盤20の周方向における排出穴41の両端部(両方の端部41a)がそれぞれ収容量規制部材60からはみ出している。
ただし、本実施形態の場合、回転盤20の傾斜方向における排出穴41の両端部は、収容量規制部材60によって覆われている。
【0048】
図3等に示すように、回転盤20の面直方向に視たときの収容量規制部材60の外形寸法は、ポケット穴31よりも大きく、収容量規制部材60がポケット穴31に落ち込むことが無いようになっている。
【0049】
なお、カバー固定部材58に対するカバー部材57の固定位置を、カバー部材57の傾斜方向において調節可能となっていることも好ましい。このようにすることによって、小物部品90の形状やサイズ、或いは、回転盤20上への小物部品90の所望の供給量に応じて、流下開口19の寸法を調節することが可能となる。
【0050】
図1等に示すように、定量供給装置100は、排出穴41から下方に排出された小物部品90を筐体10の外部に払い出すための第1排出スロープ16及び第2排出スロープ17を備えている。
【0051】
図2等に示すように、第1排出スロープ16は、排出穴41の下方に配置されている。第1排出スロープ16は、例えば、前後一対の壁部16aと、これら壁部16aの下端どうしを接続している傾斜底面16bと、を備えている。傾斜底面16bは、例えば、回転盤20の傾斜方向とは反対方向に、水平面に対して傾斜している。
第1排出スロープ16の上端部(一対の壁部16aの上端部)は、下側固定板45のスロープ配置用開口46を介して下側固定板45の上方に突出している。第1排出スロープ16における上端部を除く部分は、下側固定板45の下方に位置している。
【0052】
図1に示すように、第2排出スロープ17は、第1排出スロープ16の傾斜底面16bの傾斜方向下流側に、第1排出スロープ16と連接して配置されている。
第2排出スロープ17は、例えば、前後一対の壁部17aと、これら壁部17aの下端どうしを接続している傾斜底面17bと、を備えている。傾斜底面17bは、第1排出スロープ16の傾斜底面16bよりも低段に配置されている。傾斜底面17bは、例えば、傾斜底面16bに対して平行に配置されている。
第2排出スロープ17の下流部、すなわち一対の壁部17a及び傾斜底面17bの右端部は、第2壁部12に形成された図示しない開口を介して、筐体10の外部に突出している。
【0053】
排出穴41から下方に排出された小物部品90は、先ず、第1排出スロープ16の傾斜底面16bに捕捉されて、該傾斜底面16bに沿って流下した後、引き続き第2排出スロープ17の傾斜底面17bに沿って流下し、第2壁部12の開口を介して筐体10の外部に払い出される。
【0054】
定量供給装置100は、更に、筐体10の外部に設けられた取出皿81を備えている。
取出皿81は、第2排出スロープ17の下流端の下方に配置されている。取出皿81は、第2排出スロープ17を介して筐体10の外部に払い出された小物部品90を受容する(捕捉し保持する)。
このように、定量供給装置100は、排出穴41から排出された小物部品90が取り出される取出部(例えば、取出皿81)を備える。
取出皿81は、半球状(球の下半分の形状)に形成されている。
【0055】
取出皿81は、例えば、正面視L字状に配置された2つの板状部材82a、82bを組み合わせて構成された支持部材82によって支持されている。
板状部材82aは水平に配置されており、第2壁部12から右方に突出している。板状部材82bは第2壁部12の外面に沿って起立した状態に配置されている。板状部材82aの左端部が板状部材82bの下端部に対して固定されている。板状部材82aによって取出皿81が支持されている。
【0056】
ここで、例えば、第2壁部12の内面側には、作業者によって取出皿81から小物部品90が取り出されたことを検出するための取出判定用スイッチ84が設けられている。取出判定用スイッチ84は、板状部材82bと対向する位置に配置されている。板状部材82bには、取出判定用スイッチ84を押圧するための突起であるスイッチ押圧部83が設けられている。スイッチ押圧部83は、例えば、板状部材82bを貫通した状態に当該板状部材82bに固定されたボルトなどにより構成することができる。スイッチ押圧部83は、第2壁部12に形成された図示しない開口を介して、取出判定用スイッチ84を押圧するようになっている。
また、第2壁部12の外面側には、直接又は間接に蝶番85が設けられている。蝶番85は、第2壁部12の外面側に固定されている固定部85aと、固定部85aに対して回転可能な回転部85bと、を備えている。固定部85aに対する回転部85bの回転の軸は、第2壁部12の外面に沿う方向で、且つ、水平方向となっている。
そして、蝶番85の回転部85bには、支持部材82の板状部材82bの上端部が固定されている。
【0057】
図8に示すように、定量供給装置100は、当該定量供給装置100の動作制御を行う制御部70と、回転盤20の回転角度を検出するための角度センサ71、72と、回転盤20を駆動させる回転モータ73と、排出穴41を介して下方に排出された小物部品90を検出するカウントセンサ74と、上記の取出判定用スイッチ84と、を備えている。
【0058】
図6に示すように、モータ軸73aの下端部には、支持部材78が設けられており、支持部材78には、角度センサ71によって検出される被検出部材75と、角度センサ72によって検出される被検出部材76と、が設けられている。支持部材78、被検出部材75及び被検出部材76は、モータ軸73aの回転に伴って回転する。
【0059】
図3及び
図5に示すように、被検出部材75及び被検出部材76は扇形の板状部材である。被検出部材75及び被検出部材76の板面は、回転盤20の軸方向に対して直交している。被検出部材75と被検出部材76とは、回転盤20の盤面に対して直交する方向において、互いに重なる位置に配置されている。回転盤20から被検出部材75までの距離は、回転盤20から被検出部材75までの距離よりも短い。
【0060】
角度センサ71、72は、下側固定板45に固定された固定枠77の内面に固定されている。角度センサ71と角度センサ72とは、モータ軸73aを基準として互いに180度対向する位置に配置されている。ただし、回転盤20から角度センサ71までの距離は、回転盤20から角度センサ72までの距離よりも短い。
角度センサ71は、発光部と、当該発光部と対向して配置された受光部とを有する光学式センサである。角度センサ71の発光部からの光の照射方向は、回転盤20の盤面に対して直交する方向である。角度センサ71の受光部は、角度センサ71の発光部から出力される光が被検出部材75によって遮られないときには当該光を検出する旨の信号を制御部70に出力し、当該光が被検出部材75によって遮られるときには当該光を検出しない旨の信号を制御部70に出力する。
角度センサ72は、角度センサ71と同様の光学式センサである。角度センサ72の発光部からの光の照射方向も、回転盤20の盤面に対して直交する方向である。角度センサ72の受光部は、角度センサ72の発光部から出力される光が被検出部材76によって遮られないときには当該光を検出する旨の信号を制御部70に出力し、当該光が被検出部材75によって遮られるときには当該光を検出しない旨の信号を制御部70に出力する。
【0061】
制御部70は、角度センサ71及び72から入力される信号に基づいて、回転盤20の回転角度を認識し、当該認識結果に基づいて回転モータ73の動作制御を行う。
より詳細には、制御部70は、回転盤20を180度回転させる度に回転盤20の回転方向を反転させる制御を行う。これにより、回転盤20に設けられた2つの収容ポケット部材30によって効率よく小物部品90を1個ずつ下方に排出させることができる。
【0062】
このように、貫通穴21及び収容ポケット部材30の数がそれぞれ2個であり、貫通穴21及び収容ポケット部材30が回転盤20の周方向において180度間隔で配置されており、定量供給装置100は、回転盤20の回転制御を行う制御部70であって回転盤20を180度回転させる度に回転盤20の回転方向を反転させる制御を行う制御部70と、回転盤20と連動して回転移動する被検出部材75、76と、回転盤20の面直方向に被検出部材75、76に向けて光を照射し、回転盤20の回転角度を検出する角度センサ71、72と、を備える。
【0063】
図2等に示すように、カウントセンサ74は、第1排出スロープ16の上端部と対応する位置に配置されており、排出穴41から下方に排出された小物部品90を検出する。
カウントセンサ74としては、例えば、近接センサを用いることができるが、光学式センサなどのその他のセンサを用いてもよい。
カウントセンサ74は、小物部品90を1個検出する度にその旨を示す信号を制御部70に出力する。
したがって、上述した定量が例えば5個の場合、制御部70は、カウントセンサ74によるカウント数が5個に達したら、回転モータ73による回転盤20の往復回転動作を停止させる。
【0064】
また、制御部70は、回転モータ73の動作を停止させるとともに、図示しないランプ等の報知部に対し、報知信号を出力し、報知信号を受けた報知部が発光動作等の報知動作を行うようになっている。
この報知動作により、作業者は、取出皿81上に所定数の小物部品が排出されたことを認識できる。
【0065】
取出判定用スイッチ84は、通常時には、取出皿81及び支持部材82の重みによってスイッチ押圧部83により押圧されて、オン状態となるようになっている。
取出皿81上に排出された小物部品90が作業者の手によって取出皿81上から掴み上げられる際に、取出皿81が
図1において左方に引っ張られることにより、回転部85b、支持部材82及び取出皿81が固定部85aに対して回転し、取出判定用スイッチ84からスイッチ押圧部83が浮き上がる。これにより、取出判定用スイッチ84が一時的にオフ状態となるようになっている。
後述する制御部70は、取出判定用スイッチ84の状態を監視しており、取出判定用スイッチ84がオン状態からオフ状態に切り替わったタイミングから起算して所定時間後(例えば2秒後)に、回転モータ73の駆動を開始させる。すなわち回転盤20を上記のように往復回転動作させることによる小物部品90の排出動作を再開させる。
こうして、貯留部18から取出皿81への所定数の小物部品90の排出動作と、報知部による報知動作と、作業者による取出皿81からの所定数の小物部品90の取り出し動作と、を繰り返し実行することが可能となっている。
【0066】
なお、
図1においては制御部70の図示を省略しているが、制御部70は、例えば、筐体10内の下部領域に配置されている。より詳細には、制御部70は、例えば、下側固定板45よりも下方で、回転モータ73を収容した固定枠77よりも下方の領域に配置されている。
【0067】
定量供給装置100は、以上のように構成されている。
【0068】
ここで、小物部品90の例を説明する。
【0069】
図13(a)の例では、小物部品90は、第1部材91と第2部材92とを相互に組み付けて構成されている。第1部材91は、一方向に長尺な軸部91aと、軸部91aの一端に設けられていて軸部91aに対して直交している平板状の頭部91bと、を備えている。第2部材92は、平板状の板状部92aと、板状部92aの中央部から板状部92aに対して直交する方向に一方向に延びている複数の爪部92bと、を備えている。第1部材91の軸部91aは、第2部材92の板状部92aの中央部に形成された貫通穴を貫通している。軸部91aにおいて板状部92aを基準として頭部91bとは反対側に位置する部分の周囲に複数の爪部92bが放射状に配置されている。これら複数の爪部92bの総体は筒状をなしており、軸部91aは、これら複数の爪部92bにより形成されている筒部を貫通している。各爪部92bは、軸部91aの径方向外方に向けて弾性変形可能となっている。第1部材91を第2部材92に対して相対的に
図13(a)における下方に押し込むと、複数の爪部92bが軸部91aの径方向外方に向けて弾性変形し、軸部91aの外面に対して係合したロック状態となる。これにより、頭部91bと板状部92aとが互いに近接した状態に維持される。
【0070】
図13(b)の例では、小物部品90は、平板状の板状部93と、板状部93の中央部から板状部93に対して直交する方向に一方向に延びている一対の突出係合部94と、を備えている。
図13(c)の例では、小物部品90は、平板状の板状部93と、板状部93の中心から板状部93に対して直交する方向に一方向に延びている1本の突出係合部94と、を備えている。突出係合部94の外周面には複数の返し(フック形状部)が形成されている。
図13(d)の例では、小物部品90は、平板状の板状部93と、板状部93から僅かに離間して配置されている1つの突出係合部94と、を備えている。板状部93と突出係合部との間には括れ形状の括れ部が形成されている。
【0071】
ただし、小物部品90の形状は、これらの例に限らない。
【0072】
次に、
図9(a)から
図12(b)を用いて、定量供給装置100の動作例についてより詳細に説明する。これらの図には、小物部品90が
図13(a)に示す形状である場合を示している。
【0073】
制御部70の制御下で回転モータ73が回転駆動されることにより、回転盤20は、
図9(a)の状態から、
図10(a)及び
図11(a)の状態を経て
図12(a)の状態となるまで、右回りに180度回転し、その後、引き続き、
図12(a)の状態から、
図11(a)及び
図10(a)の状態を経て
図9(a)の状態まで、左回りに180度回転する。以後、取出判定用スイッチ84によるカウント数が定量(例えば5個)となるまで、回転盤20が180度回転する度に回転盤20の回転方向が反転する。
図9(a)及び
図9(b)の状態は一方の収容ポケット部材30のポケット穴31の中央部が排出穴41の中央部と重なる状態であり、
図12(a)及び
図12(b)の状態は他方の収容ポケット部材30のポケット穴31が排出穴41の中央部と重なる状態である。なお、
図10(a)のように収容量規制部材60がいずれの収容ポケット部材30のポケット穴31とも重なっていない状態では、収容量規制部材60の下面の全面が回転盤20の上面20a又は収容ポケット部材30の上端面33aに対向した状態となる(
図10(b)参照)。
【0074】
このような動作が行われる過程で、
図9(a)の状態では、例えば、
図9(b)に示すように、排出穴41上に位置する一方の収容ポケット部材30のポケット穴31には小物部品90が収容されていない。また、他方の収容ポケット部材30(
図9(a)における左側の収容ポケット部材30)のポケット穴31には、例えば、小物部品90が収容されている。この小物部品90は、下側部材40によって下側から支えられてポケット穴31に保持された状態で、ポケット穴31に伴って回転移動する(
図10(a)参照)。
その結果、小物部品90を保持したポケット穴31が排出穴41及び収容量規制部材60と重なり始めた状態を、
図11(a)及び
図11(b)に示す。
【0075】
収容量規制部材60は、ポケット穴31内の小物部品90(小物部品90a)の上や周囲に存在する他の小物部品90(小物部品90b)をはね除けることにより、当該小物部品90aに引き続き他の小物部品90bまでもが排出穴41から下方に排出されてしまうことを規制する。
すなわち、2個目以上の小物部品90(小物部品90b)がポケット穴31を通過しようとする前に、収容量規制部材60によってポケット穴31を塞ぐことができる(
図12(a)、
図12(b))。
これにより、確実に、小物部品90を1個ずつ排出穴41から下方に排出することができる。よって、カウントセンサ74による検出信号に基づく小物部品90のカウント数を信頼性の高いものとすることが可能である。
【0076】
ここで、
図11(b)に示すように、小物部品90は、ポケット穴31から僅かに上方に突出した状態となるが、収容量規制部材60は連結部材61の長手軸周りに傾動可能である。このため、収容量規制部材60と下側部材40との間、又は、収容量規制部材60とポケット穴31の内周面との間で小物部品90が挟まって回転盤20の回転が阻害されてしまうことを抑制できる。
【0077】
また、上述のように、収容量規制部材60は、回転盤20の上面20aに沿って弧状に揺動可能であり、このことによっても、収容量規制部材60と下側部材40又はポケット穴31の内周面との間で小物部品90が挟まって回転盤20の回転が阻害されてしまうことを抑制できる。
【0078】
また、連結部材61が弾性材料に構成されたコイルバネ等であるため、ポケット穴31が排出穴41と重なっても何らかの理由によりポケット穴31内の小物部品90aが排出穴41から下方に排出されなかった場合に、回転盤20の回転方向を反転させる際にも、収容量規制部材60と下側部材40又はポケット穴31の内周面との間で小物部品90が挟まってしまうことを好適に抑制できる。
【0079】
また、上述のように、回転盤20の周方向における排出穴41の両方の端部41aがそれぞれ収容量規制部材60からはみ出しているため、ポケット穴31が収容量規制部材60と重なり始めるよりも先にポケット穴31が排出穴41と重なり始めるようにできるため、ポケット穴31内の小物部品90を速やかに排出穴41に進入させ、排出穴41を介して排出することができる。
【0080】
また、攪拌部材50の延在方向が、収容ポケット部材30どうしを結ぶ直線Lに対して直交していることにより、
図9(a)の状態から
図12(a)の状態へ、並びに、
図12(a)の状態から
図9(a)へと回転盤20を交互に回転させる過程で、攪拌部材50と収容量規制部材60とが干渉することなく、攪拌部材50によって広範囲で小物部品90を攪拌することができる。
【0081】
<変形例1>
次に、
図14から
図15(b)を用いて、変形例1に係る定量供給装置100を説明する。
本変形例に係る定量供給装置100は、収容ポケット部材30のポケット穴31の形状が、上記の実施形態に係る定量供給装置100と相違しており、その他の点では上記の実施形態に係る定量供給装置100とほぼ同様に構成されている。
【0082】
本変形例の場合、ポケット穴31は、
図14及び
図15(a)に示すように、それぞれ一方向に長尺な複数の長尺形状部31a、31bが互いに交差する状態で組み合わされた形状に形成されている。
【0083】
より詳細には、回転盤20の上面20aに対して直交する方向にポケット穴31を視たときのポケット穴31の形状は、2つの長尺形状部31a、31bが、互いに直交する状態で組み合わされた形状となっている。つまり、本変形例の場合、一方の長尺形状部31aの長手方向と、他方の長尺形状部31bの長手方向と、が互いに直交している。しかも、本変形例の場合、2つの長尺形状部31a、31bが、互いの中心CPが一致する状態で組み合わされた形状となっている。このため、ポケット穴31の全体形状は、十字型でかつ回転対称形(90度回転対称形)となっている。
ただし、本発明は、この例に限らず、複数の長尺形状部の長手方向どうしのなす角度は、直角以外の角度であってもよい。また、複数の長尺形状部の中心どうしが互いにずれた位置に配置されていてもよい。
長尺形状部31a、31bの各々の形状は、例えば、長円形状とすることができるが、本発明は、この例に限らず、長尺形状部31a、31bの形状は、楕円形状、長方形状、角丸の長方形状、一方向に長い菱形形状などであってもよい。
【0084】
なお、収容ポケット部材30の本体部32には、例えば、収容ポケット部材30を回転盤20に固定するための一対の固定穴30bが形成されており、収容ポケット部材30は、図示しないビスなどの止着部材を用いて回転盤20に固定されている。
本変形例の場合、収容ポケット部材30は、周囲四方にそれぞれ平面部30aを有しており、このうち2つの平面部30aが互いに平行に配置されており、残りの2つの平面部30aも互いに平行に配置されている。このため、収容ポケット部材30をより安定的にチャッキングした状態でポケット穴31等を精度良く加工することができる。
【0085】
本変形例の場合、小物部品90としては、例えば
図15(b)に示すように、一方向に長尺な形状のものが対象となる。この小物部品90は、摺動許容鞘部92cを有する点と、一方向に長尺(
図15(b)において上下方向に長尺)な点で、
図13(a)に示す小物部品90と相違している。
摺動許容鞘部92cは、複数の爪部92bを一体的に有している。摺動許容鞘部92cは、複数の爪部92bと比べて、板状部92aからより遠くまで(
図15(b)における下方へ)突出している。摺動許容鞘部92cに対して軸部91aが当該軸部91aの軸方向に摺動可能となっている。
【0086】
このように、定量供給装置100は、小物部品90として、一方向に長尺な形状のものを定量供給するものであり、ポケット穴31は、それぞれ一方向に長尺な複数の長尺形状部31a、31bが互いに交差する状態で組み合わされた形状に形成されている。
【0087】
ここで、回転盤20の上面20aに対して直交する方向にポケット穴31を視たときのポケット穴31の形状に関して、当該ポケット穴31の各部の寸法と小物部品90の寸法との関係の例を説明する。
各長尺形状部31a、31bの長手寸法a(
図15(a))は、小物部品90の長手寸法L2(
図15(b))よりも長い。
各長尺形状部31a、31bの幅寸法b(
図15(a))は、長手寸法L2よりも短く、且つ、小物部品90の長手方向に対して直交する当該小物部品90の幅寸法W(
図15(b))よりも長い。
幅寸法bは、幅寸法Wの2倍未満であることが好ましい。
また、ポケット穴31において、長尺形状部31a、31bどうしの交差領域における最大寸法c(
図15(a))は、長手寸法L2よりも短いことが好ましい。
本変形例の場合、回転盤20の上面20aに対して直交する方向におけるポケット穴31の寸法、すなわちポケット穴31の深さ寸法は、幅寸法Wよりも大きいことが好ましい。
【0088】
本変形例の場合、一度に1個の小物部品90が、ポケット穴31の長尺形状部31a又は長尺形状部31bの一方を選択的に通過して、排出穴41から落下するようにできるため、小物部品90をより確実に1個ずつ排出穴41から下方に排出することが可能となる。よって、カウントセンサ74による検出信号に基づく小物部品90のカウント数を一層信頼性の高いものとすることが可能である。
【0089】
また、ポケット穴31は、複数の長尺形状部31a、31bが互いに交差する状態で組み合わされた形状に形成されているため、ポケット穴31を構成する長尺形状部の数が1つの場合と比べて、小物部品90がポケット穴31に収容される確率が増大するため、より高速で且つ安定的な速度で、小物部品90を排出穴41から下方に排出することが可能となる。
【0090】
<変形例2>
図16に示すように、本変形例の場合、上記変形例1とは異なり、ポケット穴31は、単一の長尺形状部31aにより構成されている。すなわち、定量供給装置100は、小物部品90として、一方向に長尺な形状のものを定量供給するものであり、ポケット穴31は、一方向に長尺に形成されている。より詳細には、ポケット穴31の全体形状は、一文字型の長円形となっている。
その他の点では、本変形例に係る定量供給装置100は、上記の変形例1に係る定量供給装置100と同様に構成されている。
本変形例の場合も、一度に1個の小物部品90がポケット穴31を通過して排出穴41から落下するようにできるため、上記変形例1と同様に、小物部品90をより確実に1個ずつ排出穴41から下方に排出することが可能となる。
【0091】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0092】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)定量の小物部品を供給する定量供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に配置されていて盤面方向に回転する回転盤であって、当該回転盤を貫通する貫通穴が形成されている回転盤と、
前記貫通穴に設けられている収容ポケット部材であって、当該収容ポケット部材を貫通しているとともに前記小物部品を所定数ずつ収容し当該収容した小物部品を下方に排出するポケット穴が形成されている収容ポケット部材と、
前記回転盤の下方に配置されている下側部材であって、当該下側部材を貫通する排出穴が形成されている下側部材と、
を備え、
前記収容ポケット部材の前記ポケット穴に前記小物部品が取り込まれ、且つ、前記ポケット穴の下端が前記下側部材により塞がれているときには、前記小物部品が前記ポケット穴に保持され、前記小物部品が前記排出穴と重なる位置に移動することにより、前記小物部品が前記排出穴を介して下方に排出されるようになっており、
前記回転盤と前記収容ポケット部材とが互いに別部材により構成されている小物部品の定量供給装置。
(2)前記収容ポケット部材の側面の一部が、前記回転盤の軸方向に対して平行な平面部となっている(1)に記載の小物部品の定量供給装置。
(3)前記収容ポケット部材は、前記貫通穴に入り込んでいる凸部と、前記凸部よりも大径に形成されている本体部と、を有し、前記ポケット穴は、前記凸部と前記本体部とに亘って前記収容ポケット部材を貫通しており、
前記本体部の上面が前記回転盤の下面に当接しており、
前記凸部の上端面と前記回転盤の上面とが互いに面一に配置されている(1)又は(2)に記載の小物部品の定量供給装置。
(4)前記回転盤の径方向に延在する弾性部材により構成され、前記回転盤の回転に連動して回転する攪拌部材を備えている(1)から(3)のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
(5)前記貫通穴及び前記収容ポケット部材の数がそれぞれ2個であり、
前記貫通穴及び前記収容ポケット部材が、前記回転盤の周方向において180度間隔で配置されており、
前記攪拌部材の延在方向が、前記収容ポケット部材どうしを結ぶ直線に対して直交している(4)に記載の小物部品の定量供給装置。
(6)当該定量供給装置は、前記小物部品として、一方向に長尺な形状のものを定量供給するものであり、
前記ポケット穴は、一方向に長尺に形成されているか、又は、それぞれ一方向に長尺な複数の長尺形状部が互いに交差する状態で組み合わされた形状に形成されている(1)から(5)のいずれか一項に記載の定量供給装置。
(7)前記回転盤は傾斜して配置されており、
前記収容ポケット部材の上端面と前記回転盤の上面とが互いに面一に配置されており、
当該定量供給装置は、
前記回転盤の上方において、前記回転盤と同じ方向に傾斜して、前記回転盤と対向して配置されているカバー部材と、
前記排出穴と対向する位置において前記回転盤の上面に沿って配置された盤状の収容量規制部材と、
弾性材料により構成され、前記収容量規制部材を前記貯留部に対して直接又は間接に連結している連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記回転盤の径方向に沿って延在しており、
前記貯留部内の前記小物部品は、前記貯留部の側壁と前記カバー部材の傾斜方向下端との間から、前記回転盤上に供給されるようになっており、
前記カバー部材と前記収容量規制部材との間には、前記連結部材の長手軸周りにおける前記収容量規制部材の傾動を許容するクリアランスが存在している(1)から(6)のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
(8)前記小物部品が前記ポケット穴に保持された状態で、前記小物部品が前記ポケット穴から上方に突出するようになっており、
前記クリアランスは、前記小物部品が前記ポケット穴に保持された状態で前記小物部品が前記ポケット穴から上方に突出する突出長よりも大きい寸法に設定されている(7)に記載の小物部品の定量供給装置。
(9)前記排出穴は前記ポケット穴よりも前記回転盤の周方向に長い形状に形成されている(1)から(8)のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
(10)前記収容ポケット部材の上端面と前記回転盤の上面とが互いに面一に配置されており、
当該定量供給装置は、
前記排出穴と対向する位置において前記回転盤の上面に沿って配置された盤状の収容量規制部材と、
弾性材料により構成され、前記収容量規制部材を前記貯留部に対して直接又は間接に連結している連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記回転盤の径方向に沿って延在しており、
前記収容量規制部材に外力が作用していない状態において、当該定量供給装置を前記回転盤の軸方向に視たときに、前記回転盤の周方向における前記排出穴の両端部がそれぞれ前記収容量規制部材からはみ出している(9)に記載の小物部品の定量供給装置。
(11)前記排出穴は、円を前記回転盤の周方向に移動させたときの移動軌跡の形状に形成されている(9)又は(10)に記載の小物部品の定量供給装置。
(12)前記貫通穴及び前記収容ポケット部材の数がそれぞれ2個であり、
前記貫通穴及び前記収容ポケット部材が、前記回転盤の周方向において180度間隔で配置されており、
当該定量供給装置は、
前記回転盤の回転制御を行う制御部であって、前記回転盤を180度回転させる度に前記回転盤の回転方向を反転させる制御を行う制御部と、
前記回転盤と連動して回転移動する被検出部材と、
前記回転盤の面直方向に前記被検出部材に向けて光を照射し、前記回転盤の回転角度を検出する角度センサと、
を備える(1)から(11)のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
【符号の説明】
【0093】
10 筐体
10a 開口
11 第1壁部
12 第2壁部
14 第4壁部
15 底板部
16 第1排出スロープ
16a 壁部
16b 傾斜底面
17 第2排出スロープ
17a 壁部
17b 傾斜底面
18 貯留部
19 流下開口
20 回転盤
20a 上面
20b 下面
21 貫通穴
22 中心穴
25 上側固定板
25a 開口
26 起立部
26a 固定穴
27 止着具
30 収容ポケット部材
30a 平面部
30b 固定穴
31 ポケット穴
31a、31b 長尺形状部
32 本体部
32a 上面
33 凸部
33a 上端面
34 固定穴
34a 座繰部
40 下側部材
41 排出穴
41a 端部
42 中央開口
45 下側固定板
46 スロープ配置用開口
47 中央開口
48、49 止着具
50 攪拌部材
51 先端
52 基端部
53 固定部材
54 止着部材
55 背面側固定部材
55a 貫通穴
57 カバー部材
58 カバー固定部材
60 収容量規制部材
61 連結部材
70 制御部
71、72 角度センサ
73 回転モータ
73a モータ軸
74 カウントセンサ
75、76 被検出部材
77 固定枠
78 支持部材
81 取出皿
82 支持部材
82a、82b 板状部材
83 スイッチ押圧部
84 取出判定用スイッチ
85 蝶番
85a 固定部
85b 回転部
90、90a、90b 小物部品
91 第1部材
91a 軸部
91b 頭部
92 第2部材
92a 板状部
92b 爪部
93 板状部
94 突出係合部
100 小物部品の定量供給装置(計数供給装置)