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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】ガス乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/04 20060101AFI20221222BHJP
   D06F 58/02 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
D06F58/04
D06F58/02 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018211336
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020075015
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390027421
【氏名又は名称】株式会社東京洗染機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三科 道利
(72)【発明者】
【氏名】今井 紀博
(72)【発明者】
【氏名】薬袋 雄介
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-140481(JP,A)
【文献】特開2017-205585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 21/00-25/00
D06F 33/00-34/34
D06F 37/00-39/14
D06F 58/02-58/08
D06F 58/20-58/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥機本体と、
乾燥機本体内に固定された乾燥外胴体と、
乾燥外胴体内に回転自在に配置されて被乾燥物が投入される乾燥ドラムと、
前記乾燥外胴体内に供給される乾燥風を生成する乾燥風生成部と、
乾燥風生成部で生成された乾燥風を前記乾燥外胴体内に供給するとともに乾燥外胴体内から導出された乾燥風を前記乾燥風生成部に循環させる乾燥風循環部と、を備えたガス乾燥機であって、
前記乾燥風生成部は、
循環された乾燥風の一部が取り込まれる循環風取入口と外気が取り込まれる外気取入口とが形成された外気取入室と、
外気取入室内に流入した外気と循環された乾燥風の一部とを加熱するガスバーナーと、を備え、
前記外気取入室は箱形形状で外周面に前記外気取入口が形成され、該外気取入口は前記外気取入室の側面に設けられた第1取入口と、前記外気取入室の天板に設けられた第2取入口と、からなり、
前記第1取入口が設けられた前記外気取入室の側面に対向する側面側に前記循環風取入口が設けられ、
前記第1取入口には、該第1取入口を開閉可能で前記外気取入室内に取り込んだ外気を前記外気取入室内の下部側に導く第1ダンパが設けられ、
前記第2取入口には、該第2取入口を開閉可能で前記外気取入室内に取り込んだ外気を前記第1取入口から取り入れられた外気側に導く第2ダンパが設けられていることを特徴とするガス乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥風生成部は、
一側が前記外気取入室と連通し他側が前記乾燥外胴体と連通し乾燥風を前記乾燥外胴体内に供給する乾燥風供給口が設けられ前記ガスバーナーが内部に配置された外筒と、
前記ガスバーナーの火炎を包みこむように前記外気取入室側の基端部から前記乾燥風供給口側の熱風吐出口まで長尺状に形成され前記外筒の内壁との間に加熱通路部を形成する内筒とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のガス乾燥機。
【請求項3】
前記乾燥風循環部は、
前記乾燥外胴体内から前記被乾燥物を乾燥させた後の導出乾燥風を導出させるブロワーと、
前記ブロワーによって前記乾燥外胴体内から導出された導出乾燥風が排出される排出口と前記循環風取入口と連通する循環口とが設けられた排気循環ダクトと、
前記排出口から排出される導出乾燥風の量と前記循環口から前記外気取入室内に循環される導出乾燥風の量とを調節可能な排気循環ダンパーとで形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス乾燥機。
【請求項4】
前記乾燥機本体は、被乾燥物を内部に投入するとともに取り出す投入取出口が設けられた前面部と、側部を閉塞する側面部と、上面側を閉塞する天板部とで形成され、
前記天板部に、前記乾燥風循環部と、この乾燥風循環部に隣設して乾燥風生成部とが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のガス乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーツ、枕カバー、タオル等のリネン製品やモップ、マット等の洗濯後の被乾燥物をガスバーナーを用いた乾燥風により被乾燥物を乾燥させるガス乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
シーツ、枕カバー、タオル等のリネン製品やモップ、マット等の洗濯後の被乾燥物を乾燥させる乾燥機は、乾燥機本体内に固定された乾燥外胴体に乾燥ドラムが回転自在に支持され、乾燥外胴体内に乾燥風を供給することで乾燥ドラム内の被乾燥物を乾燥させている。
【0003】
乾燥外胴体内に供給される乾燥風としてPTCヒータ等の電気を用いたヒータの熱源で外気を温めて生成されるものが、特許文献1で開示されている。
【0004】
ところが、一般家庭では長時間にわたり乾燥機を使用することはないが、上記したリネン製品やモップ、マット等を洗濯・乾燥させるリネンサプライ業者のリネン工場では、連続して長時間にわたりリネン品を乾燥させる。このため、電気を用いたヒータ熱源では、電気の使用量が多くなり、被洗物を乾燥させるための乾燥コストが高くつく。
【0005】
そこで、特許文献2では、ガスバーナーを用いて外気を暖めて乾燥風を生成し、この乾燥風により被洗物を乾燥させるガス乾燥機が提案されている。このガス乾燥機は、重油等の燃料を用いているので、連続して長時間にわたり乾燥風を生成しても乾燥風の生成のためのコストが電気を用いたヒータに比較して安く、設備も簡単でコストが安い。また、高温の蒸気を用いて外気を加熱し乾燥風を形成するスチームヒータと比較しても外気温を加熱する場合、昇温速度が早く、乾燥風を高温にすることができる。
【0006】
ところが、ガスバーナーで外気を加熱する場合、ガスバーナーの火炎近傍に供給された外気は急速に高温になるが、火炎から離れた位置に供給された外気は高温になるまで時間がかかる。このため温度の異なる外気を混ぜ合わせて均一な温度となる乾燥風とするために、長尺なダクト内で温度が異なる外気を混ぜ合わせて外気の温度を均一にしている。そして、均一な温度にダクト内で混合した外気は、ガスバーナーで所定の温度まで加熱することで温度ムラのない乾燥風が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平11-4999号公報
【文献】特開2010-213973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、温度ムラのない乾燥風を生成するためには取り込んだ外気を均一にする必要から長尺なダクトを必要とし、長尺なダクトや、外気を加熱するガスバーナーを配置するため乾燥機が大型になり、大型の乾燥機を設置するための広い設置スペースを必要とする。
【0009】
そこで、本発明は、ガスバーナーを熱源として乾燥風を生成する際に、温度ムラが少なく均一な温度の乾燥風を供給することができるとともに、乾燥機の設置面積を広くとることがなくコンパクトなガス乾燥機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、乾燥機本体と、乾燥機本体内に固定された乾燥外胴体と、乾燥外胴体内に回転自在に配置されて被乾燥物が投入される乾燥ドラムと、前記乾燥外胴体内に供給される乾燥風を生成する乾燥風生成部と、乾燥風生成部で生成された乾燥風を前記乾燥外胴体内に供給するとともに乾燥外胴体内から導出された乾燥風を前記乾燥風生成部に循環させる乾燥風循環部と、を備えたガス乾燥機であって、前記乾燥風生成部は、循環された乾燥風の一部が取り込まれる循環風取入口と外気が取り込まれる外気取入口とが形成された外気取入室と、外気取入室内に流入した外気と循環された乾燥風の一部とを加熱するガスバーナーと、を備え、前記外気取入室は箱形形状で外周面に前記外気取入口が形成され、該外気取入口は前記外気取入室の側面に設けられた第1取入口と、前記外気取入室の天板に設けられた第2取入口と、からなり、前記第1取入口が設けられた前記外気取入室の側面に対向する側面側に前記循環風取入口が設けられ、前記第1取入口には、該第1取入口を開閉可能で前記外気取入室内に取り込んだ外気を前記外気取入室内の下部側に導く第1ダンパが設けられ、前記第2取入口には、該第2取入口を開閉可能で前記外気取入室内に取り込んだ外気を前記第1取入口から取り入れられた外気側に導く第2ダンパが設けられていることを特徴とする。
【0011】
前記乾燥風生成部は、
一側が前記外気取入室と連通し他側が前記乾燥外胴体と連通し乾燥風を前記乾燥外胴体内に供給する乾燥風供給口が設けられ前記ガスバーナーが内部に配置された外筒と、
前記ガスバーナーの火炎を包みこむように前記外気取入室側の基端部から前記乾燥風供給口側の熱風吐出口まで長尺状に形成され前記外筒の内壁との間に加熱通路部を形成する内筒とを備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、前記乾燥風循環部は、前記乾燥外胴体内から前記被乾燥物を乾燥させた後の導出乾燥風を導出させるブロワーと、前記ブロワーによって前記乾燥外胴体内から導出された導出乾燥風が排出される排出口と前記循環風取入口と連通する循環口とが設けられた排気循環ダクトと、前記排出口から排出される導出乾燥風の量と前記循環口から外気取入室内に循環される導出乾燥風の量とを調節可能な排気循環ダンパーとで形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、前記乾燥機本体は、被乾燥物を内部に投入するとともに取り出す投入取出口が設けられた前面部と、側部を閉塞する側面部と、上面側を閉塞する天板部とで形成され、前記天板部に、前記乾燥風循環部と、この乾燥風循環部に隣設して乾燥風生成部とが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1取入口から外気取入室内に取り入れられた外気は第1ダンパによって外気取入室の下部側へ導かれ、第2取入口から外気取入室内に取り入れられた外気は第2ダンパにより第1取入口から取り入れられた外気側に導かれる。
【0015】
外気取入室の下部側に導かれた外気は外気取入室の内壁に沿って流れ、外気取入室内で旋回し、旋回した外気には第2取入口から取り入れられた外気が加わることにより旋回した外気はガスバーナー側に移動する。さらに、旋回しつつガスバーナー側に移動する外気には、循環された乾燥風の一部と混合されてガスバーナーによって加熱される。
【0016】
したがって、外気取入室内に取り込まれた外気と循環された乾燥風の一部は旋回しつつガスバーナーによって加熱されるので、温度ムラが少なく均一な乾燥風を供給することができる。
【0017】
また、外気取入室内に取り込まれた外気と循環された乾燥風の一部は旋回しつつガスバーナーにより加熱されるので、長尺なダクト内で温度が異なる外気を混ぜ合わせて外気の温度を均一にする必要がないので長尺なダクトが不要になり、乾燥風生成部の大きさを小型にすることができるので、全体として、乾燥機の設置面積を広くとることがなくコンパクトなガス乾燥機となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係るガス乾燥機の全体を示す斜視図。
図2】本発明の実施の形態に係るガス乾燥機の内部を示す概略図。
図3】本発明の実施の形態に係るガス乾燥機の上部を示す上面図。
図4】本発明の実施の形態に係るガス乾燥機の乾燥風生成部の概略を示す概略透視斜視図。
図5】本発明の実施の形態に係るガス乾燥機の空気取入室内の空気の流れを説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るガス乾燥機の実施の形態について詳細に説明する。本発明に係るガス乾燥機は、シーツ、枕カバー、タオル等のリネン製品やモップ、マット等の洗濯後の被乾燥物を、ガスバーナーを用いた乾燥風により乾燥させる。
【0020】
[ガス乾燥機の全体構成と実施例の特徴]
本実施の形態のガス乾燥機1は、乾燥機本体2と、乾燥機本体2内に固定された乾燥外胴体3と、乾燥外胴体3内に回転自在に配置されて被乾燥物が投入される乾燥ドラム4と、乾燥外胴体3内に供給される乾燥風を生成する乾燥風生成部5と、乾燥風生成部5で生成された乾燥風を乾燥外胴体3内に供給するとともに乾燥外胴体3内から導出された乾燥風を乾燥風生成部5に循環させる乾燥風循環6部と、を備えている。
【0021】
[乾燥機本体]
乾燥機本体2は、図1に示すように前面部7と、背面部8と、側面9、9と、天板10と、底面11とで箱形形状に形成されている。前面部7には、被乾燥物を内部に投入するとともに、乾燥後の被乾燥物を取り出す投入取出口12が設けられている。この投入取出口12は、前面部7に上下動可能に設けられた開閉扉13によって開閉される。開閉扉13には、2つの円形確認窓14が設けられている。また、乾燥機本体2は、底面11の四隅を支持する4本の脚部15、15、15、15により床16上に設置される。この乾燥機本体2内には、投入取出口12から被乾燥物が乾燥外胴体3の内部に投入される。
【0022】
[乾燥外胴体]
乾燥外胴体3は、乾燥機本体2の内壁に固定されている。乾燥外胴体3は、筒状で、軸方向の一方に乾燥機本体2の投入取出口12と連通する開口が形成されている。開閉扉13により投入取出口12を閉塞した状態では乾燥外胴体3内は密封状態となっている。また、乾燥外胴体3の上部一側に乾燥風導入口17が設けられ、上部他側に乾燥風導出口18が設けられている。この乾燥外胴体3の内部に、乾燥ドラム4が回転自在に配置されている。
【0023】
[乾燥ドラム]
乾燥ドラム4は、筒状で外周面(側面)全体に小径の穴が、パンチング等により形成されている。また、軸方向の一方は乾燥機本体2の投入取出口12と連通している。また、乾燥ドラム4は、駆動ローラ19、19で乾燥外胴体3内に回転自在に支持されている。駆動ローラ19、19には、乾燥機本体2の下部に支持された駆動モータ20の回転駆動力が図示しない伝達手段によって伝達される。この乾燥ドラム4は回転しながら、乾燥風生成部5により生成され乾燥外胴体3内に供給された乾燥風により被乾燥物を乾燥させる。
【0024】
[乾燥風生成部]
乾燥風生成部5は、図1及び図2に示すように、乾燥機本体2の天板10上に載置され、天板10の上下方向の投影面内に設置されている。図4に示すように、乾燥風生成部5は、外気取入室21と、一側が外気取入室21と連通する外筒22と、外筒22内に火炎を放射するガスバーナー23と、外筒22内に設けられてガスバーナー23の火炎を包み込む内筒24とで形成されている。
【0025】
外気取入室21は箱形形状で外気取入口25が外周面に形成されている。外気取入口25は、外気取入室21の側面26aに設けられた第1取入口27と、外気取入室21の天板26bに設けられた第2取入口28とで形成されている。第1、第2取入口27、28には、それぞれ第1、第2取入口27、28を開閉可能な外気取込ダンパである第1ダンパ29、第2ダンパ30がそれぞれ設けられている。これらの第1、第2ダンパ29、30は、第1、第2取入口27、28の開口縁部に回動可能にそれぞれ支持されており、図示しない駆動手段によって回動自在となっている。これらの第1、第2ダンパ29、30の回動角度によって第1、第2取入口27、28の開口面積が変化し、外気取入室21内への外気の取り込み量を調整することができる。
【0026】
また、第1ダンパ29は、図5に示すように、第1取入口27から外気取入室21に取り込まれた外気を外気取入室21内の下部側に導き、第2ダンパ30は、第2取入口28から外気取入室21に取り込まれた外気を第1取入口27から取り込まれた外気側に導く。これにより、第1、第2取入口27、28から取り込まれた外気は、外気取入室21内で旋回しながら、外気取入室21内から後述する外気流通口32を通って外筒22内へ流れる。
【0027】
外気取入室21は、前面31側で外筒22の一側と外気流通口32によって連通されている。また、外気取入室21には、乾燥風循環部6によって循環される乾燥風の一部が流入する循環風取入口44の一部が設けられている。この循環風取入口44の他部は、外筒22に設けられている。すなわち、循環風取入口44は、外気取入室21と外筒22に向けて開口している。
【0028】
外筒22は、半筒状の外周壁33と、平板状の底壁34とで長尺な形状に形成されている。一側、すなわち外気取入室21側には上記外気流通口32が形成され、他側には底壁34に乾燥風供給口35が設けられている。乾燥風供給口35からは、生成された乾燥風が乾燥外胴体3内に供給される。この外筒22の一側には、空気取入室21を貫通して設けられたガスバーナー23の火炎吐出口36が開口している。
【0029】
ガスバーナー23は、図3に示すように、外気取入室21の背面37側に設けた火炎発生部38と、この火炎発生部38で発生した火炎を空気取入室21を貫通して外筒22内に導く火炎ノズル39とで形成されている。火炎ノズル39の先端側が火炎吐出口36となっている。そして、火炎発生部38によって発生させた火炎を火炎ノズル39の火炎吐出口36から外筒22の乾燥風供給口35側に向けて放射する。外筒22内に放射された火炎は、外筒22内の中心部に設けられた内筒24によって包み込まれた状態で放射される。
【0030】
内筒24は、筒状で火炎ノズル39の火炎吐出口36から放射されたガスバーナー23の火炎を包みこむように外気取入室21側の基端部から乾燥風供給口35側まで長尺状に形成されている。また、内筒24の乾燥風供給口35側の開口が、火炎によって高温となった熱風が吐出する熱風吐出口40となっている。また、内筒24の外壁は、外筒22の内壁との間に加熱通路部41を形成している。
【0031】
そして、図5に示すように、第1取入口27から外気取入室21内に流入した外気は、外気取入室21内で旋回した状態で、外気流通口32から内筒24の下部側に流れ、第2取入口28から外気取入室21に流入した外気は、外気流通口32から内筒24の上部側に流れる。内筒24の下部側と上部側に流れる外気は、乾燥風循環部6によって循環される乾燥風と外筒22内で加熱通路部41を旋回した状態で通過することにより混ぜ合わされ、加熱される。すなわち、外気取入室21内に取り入れられた外気と循環された乾燥風は、内筒24の回りを竜巻(トルネード)のように旋回しながら乾燥風供給口35側に流れる。
【0032】
[乾燥風循環部]
乾燥風循環部6は、乾燥外胴体3内で被乾燥物を乾燥させた後の乾燥風を乾燥外胴体3内から導出させる2つのブロワー42、42と、ブロワー42、42によって乾燥外胴体3内から導出された乾燥風が排出される排出口43及び循環風取入口44と連通する循環口45とが設けられた排気循環ダクト46と、排出口43から排出される乾燥風の量と循環口45から外気取入室21、外筒22内に循環される乾燥風の量とを調節可能な排気循環ダンパー47とで形成されている。
【0033】
排気循環ダクト46は、図3に示すように、乾燥風生成部5の外筒22に隣接して配置されている。排気循環ダクト46には、外筒22と外気取入室21に跨がって開口し、循環される乾燥風が外筒22と外気取入室21内に取り入れられる循環口45が設けられている。この循環口45は循環風取入口44と連通している。循環口45の開口縁部には、排気循環ダンパー47が回動可能に設けられている。この排気循環ダンパー47の回動位置によって、外筒22、外気取入室21内へ循環される乾燥風の量が調節される。
【0034】
排気循環ダクト46を挟んで外筒22の反対側に、2つのブロワー42、42が設けられている。これらのブロワー42、42は、乾燥外胴体3の乾燥風導出口18から、乾燥外胴体3内で被乾燥物を乾燥させた後の乾燥風を排気循環ダクト46内に導出させる。また、乾燥外胴体3内で被乾燥物を乾燥させた後の乾燥風を乾燥外胴体3内から導出させることで、乾燥風生成部5から温度調節された乾燥風が乾燥風導入口17を通って乾燥外胴体3内に供給される。これにより、乾燥風生成部5によって生成された乾燥風が、乾燥外胴体3、排気循環ダクト46、外筒22を循環する。
【0035】
次に、ガス乾燥機1の動作について説明する。最初にブロワー42、42を稼動させるとともに、ガスバーナー23を作動させて所定の温度の乾燥風となるまで生成し、乾燥風を乾燥外胴体3内から導出させることで循環させる。乾燥風が所定の温度に達したら、開閉扉13を開けて投入取出口12を開放した状態で被乾燥物を乾燥ドラム4内に所定量投入する。このとき乾燥ドラム4は回転せずに停止している。被乾燥物を乾燥ドラム4内に投入し、開閉扉13によって投入取出口12を閉塞した後に、回転ドラム4を所定の回転数で回転駆動させる。被乾燥物の乾燥度合いによって、排気循環ダンパー47、第1、第2ダンパ29、30の回動角度を調節し、外気の取り込み量、循環する乾燥風の循環量を変化させて乾燥風の温度を調節する。
【0036】
乾燥風生成部5で乾燥風を生成するには、ブロワー42、42を駆動して乾燥風を循環させた状態でガスバーナーを点火し、循環する乾燥風と外気とを混合し、加熱する。ブロワー42、42を駆動して乾燥風を循環させると、第1、第2取入口27、28から外気が外気取入室21内に流入する。
【0037】
この場合、第1取入口27から流入した外気は、第1ダンパ29に導かれて外気流通口32から内筒24の下部側に回り込み、第2取入口28から流入した外気は、第2ダンパ30に導かれて外気流通口から内筒24の上部側に流れる。循環風取入口44ら外気取入室21と外筒22内に流入する乾燥風は内筒24の周囲に流れ、外気と混ざり合う。循環する乾燥風と外気とが混ざり合った空気は、内筒24の周囲を旋回しながら乾燥風供給口35側へ移動する。循環する乾燥風と外気とが混ざり合った空気が内筒24の周囲の加熱通路部41を旋回することで乾燥風と外気とがより混ざり合うとともに加熱され均一な温度の乾燥風となる。
【0038】
内筒24の周囲を旋回しながら乾燥風供給口35側に移動し、均一な温度分布となった空気は、内筒24の熱風吐出口40からの熱風によってさらに加熱されて所定の温度となり、乾燥風供給口40から乾燥外胴体3内へ乾燥風導入口17を通って供給される。乾燥外胴体3内に供給された所定の温度の乾燥風は、回転ドラム4内の被乾燥物を乾燥させた後に、乾燥風導出口18から排気循環ダクト46へと排出される。そして、乾燥風生成部5で再び外気と混ぜ合わされて所定の温度の乾燥風が生成される。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態のガス乾燥機1によれば、ガスバーナー23の火炎を包み込むように長尺に形成された内筒24の周囲を外気と循環された乾燥風とが混ざり合いながら乾燥風供給口35側まで旋回して乾燥風を生成するので、温度ムラが少なく、均一な乾燥風を乾燥ドラム4内に供給することができる。
【0040】
また、本実施の形態のガス乾燥機1によれば、内筒24が乾燥風供給口35まで長尺に形成されているので、図4に示すように、内筒24の周囲を旋回しながら混ざり合った空気が内筒24の熱風吐出口40でさらに加熱される。これにより、温度ムラが少なく均一な温度の乾燥風を所定の温度に調節することができる。
【0041】
また、本実施の形態のガス乾燥機1によれば、温度ムラが少なく、均一な温度の乾燥風を生成するために従来必要であった混合のための長尺のダクトが不要になるので、乾燥風生成部5をコンパクトにすることができる。これにより、乾燥風生成部5を乾燥機本体2の天板10上に設置することができる。乾燥風生成部5を乾燥機本体2の天板10上に設置することができるため、複数台のガス乾燥機1を併設する場合には、近接して複数のガス乾燥機1を設置することができる。これにより、複数台のガス乾燥機の設置スペースを小さくすることができる。
【0042】
上述の通り、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係るガス乾燥機は、シーツ、枕カバー、タオル等のリネン製品やモップ、マット等の洗濯後の被乾燥物以外に、衣類その他の乾燥にも利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 ガス乾燥機
2 乾燥機本体
3 乾燥外胴体
4 乾燥ドラム
5 乾燥風生成部
6 乾燥風循環部
21 外気取入室
22 外筒
23 ガスバーナー
24 内筒
25 外気取入口
41 加熱通路部
図1
図2
図3
図4
図5