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  • 特許-地下茎作物の掘り取り装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】地下茎作物の掘り取り装置
(51)【国際特許分類】
   A01D 17/02 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
A01D17/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019109939
(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公開番号】P2020198847
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】戸舘 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】長畑 友之
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-134065(JP,A)
【文献】特開平07-059422(JP,A)
【文献】実開昭56-145917(JP,U)
【文献】実開昭53-042947(JP,U)
【文献】実開昭57-100839(JP,U)
【文献】実開昭62-064224(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1942767(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 13/00 - 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下茎作物の下方部を通過させて掘り上げる掘削刃部と、
前記掘削刃部後方に位置して掘り上げた地下茎作物を斜め上後方に搬送しながら土を振るい落とす搬送体を有するコンベア部と、
前記コンベア部の下方に位置し、前記コンベア部の終端部から掘り上げた地下茎作物を落下させるとともに進行方向の前方から後上がりに斜設させ、地下茎作物の落下を受け止めた後に後方に搬送するベルトコンベアと、
前記コンベア部の進行方向に対する左右側方のそれぞれに設けた地面と接するための接地手段と、
前記進行方向に対する左右に設けた接地手段のそれぞれを繋ぐとともに、前記ベルトコンベアを有する球根搬送部を着脱自在にするための取付部を有した梁部材と、を備えた地下茎作物の掘り取り装置において、
前記コンベア部は、軸芯方向を進行方向と直交する方向に向け、前方から斜め上後方に向け一定間隔で配置して、それぞれ回転駆動されて掘り上げられた地下茎作物が上方に向け搬送されることができるゴム状弾性材からなる複数の突起を放射状に設けたフィンガーロールと、
を備えたことを特徴とする地下茎作物の掘り取り装置。
【請求項2】
前記ベルトコンベアの搬送長は前記コンベア部の搬送長より長く設定されるとともに、前記ベルトコンベアの搬送角度は前記コンベア部の搬送角度より同じか大きく設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下茎作物の掘り取り装置。
【請求項3】
前記コンベア部の上方には、前記コンベア部の前部に位置させた走行機体に装着するための装着部と、
前記装着部の近傍に位置し、前記走行機体から回転動力を獲得するための入力軸を有し、前記コンベア部へ回転動力を伝達するギヤボックスと、
前記入力軸から回転動力を獲得し、前記ベルトコンベアを駆動させるためのエネルギ発生装置と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の地下茎作物の掘り取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下茎作物を掘り取る掘削刃を有し、この掘削刃によって掘り上げられたニンニク等の収穫物を、土を篩い落としながら搬送するコンベア部を有した地下茎作物の掘り取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地下茎作物を掘り取る掘削刃を有し、この掘削刃によって掘り上げられたニンニク等の収穫物を、土を篩い落としながら搬送するコンベア部を有した地下茎作物の掘り取り装置として、特許文献1に記載の地下茎作物の掘り取り装置が開示されている。この装置のコンベア部は、突起を放射状に設けた複数のフィンガーロールを回転駆動することによって掘り上げられた地下茎作物を上方に向け搬送する。さらにコンベア部後方のバケットに地下茎作物を収納するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-134065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の地下茎作物の掘り取り装置は、バケットに地下茎作物を収納した後、満杯になるまでの一定量を収納後、バケットを回動させて地下茎作物を地上に落下させる。その後、地上に落ちた地下茎作物を作業者によって回収される。しかし、地上に落ちたものを再度、別の収納容器に回収することは、作業が増加する要因である。この別の収納容器は、地下茎作物の掘り取り装置の後方等の近傍で伴走させることは可能であるので、このことは別の収納容器に直接コンベア部から地上に落とさずに搬送できる搬送部があれば、作業が容易になる。この反面、コンベア後方に別の収納容器を設置させるとしても、十分な設置スペースが必要である課題が生じる。特に、狭い圃場で地下茎作物の収穫をする場合は、収穫機械は極力、掘り取りのみの機能に特化させた小型である方が望まれている。
【0005】
したがって、本発明は上記課題に着眼してなされたものであり、連続的な地下茎作物の収穫作業を可能にするとともに、圃場への適応性を向上させることができる地下茎作物収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、地下茎作物の下方部を通過させて掘り上げる掘削刃部と、掘削刃部後方に位置して掘り上げた地下茎作物を斜め上後方に搬送しながら土を振るい落とす搬送体を有するコンベア部と、コンベア部の下方に位置し、コンベア部の終端部から掘り上げた地下茎作物を落下させるとともに進行方向の前方から後上がりに斜設させ、地下茎作物の落下を受け止めた後に後方に搬送するベルトコンベアと、コンベア部の進行方向に対する左右側方のそれぞれに設けた地面と接するための接地手段と、進行方向に対する左右に設けた接地手段のそれぞれを繋ぐとともに、ベルトコンベアを有する球根搬送を着脱自在にするための取付部を有した梁部材と、を備えた地下茎作物の掘り取り装置において、コンベア部は、軸芯方向を進行方向と直交する方向に向け、前方から斜め上後方に向け一定間隔で配置して、それぞれ回転駆動されて掘り上げられた地下茎作物が上方に向け搬送されることができる、ゴム状弾性材からなる複数の突起を放射状に設けたフィンガーロールと、を備えたことを特徴とする地下茎作物の掘り取り装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、連続的な地下茎作物の収穫作業を可能にするとともに、圃場への適応性を向上させることができる地下茎作物の掘り取り装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明を実施した地下茎作物の掘り取り装置の側面図である。
図2】本発明を実施した地下茎作物の掘り取り装置の正面図である。
図3】本発明を実施した地下茎作物の掘り取り装置の球根搬送部を切欠するとともに保護カバーを外した状態のコンベア部駆動部を示した側面図である。
図4】本発明のコンベア駆動部を断面して送りローラー部を背面から見た背面図である。
図5】本発明の掘り取り装置のフィンガーロールの斜視図である。
図6】本発明の掘り取り装置の球根搬送部の取り付けを背面で示した要部背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態をトラクタに装着して使用される地下茎作物の掘り取り装置を例として、図面に基いて説明する。説明においては、図1に示す左側を進行方向前方側、図2に示す左側を進行方向右側、図2に示す右側を進行方向左側として説明する。
【0010】
この発明の実施形態である地下茎作物の掘り取り装置は、トラクタなどの走行装置に装着して進行しながらニンニク等の地下茎作物を掘り上げる。この発明の実施形態である地下茎作物の掘り取り装置は、地下茎作物が栽培されている畝の両側の2つの畝間の地面をそり状のシュー36によって接地させ高さを一定にして進行しつつ、走行方向と直角方向に設けられる掘削刃部2によって畝の土中に栽培されているニンニク等の地下茎作物の球根部を掘り起こす。そして、掘削刃部2に近接した後方に設けられた搬送体であるコンベア部3によって後方に搬送する。コンベア部3は、後方斜め上方に向け設けられていて、搬送途中の掘り上げられた地下茎作物に付着した土を払落しながら後方に搬送する。搬送された地下茎作物は、コンベア部3の後端から下方に設けた球根搬送部7に落下し、その後、球根搬送部7によって後方斜め上方に搬送され、終端部から地下茎作物が落下する。
【0011】
機体前方の中央部には、装着部である上方部にトップリンクピン11と、同じく装着部である下方左右にはロアリンピン10が設けられていて、トラクタの3点リンク機構部に連結するためのものである。トップリンクピン11は、トラクタの3点リンク機構部のトップリンクに、ロアリンクピン10は左右のロアリンクに連結される。トラクタの3点リンク機構は、連結された掘り取り装置を昇降可能である。機体前方の中央部には、ギヤボックス5が設けられていて、ギヤボックス5からは前方に向け突設された入力軸4が備えられている。図示していないがトラクタPTO軸とユニバーサルジョイントにて入力軸4が連結され、ギヤボックス5にトラクタの動力が伝動される。
【0012】
機体前方下方端部には掘削刃部2の掘削刃23が設けられている。掘削刃23は、前方端縁に側面視鋭角の刃を設けた左右方向の平板状で、後方後ろ上がりに傾斜している。また、後端縁には、後方に延設された丸棒状の案内棒が左右方向に複数設けられ、地下茎作物を後方に誘導する。掘削刃23の左右端部は、前方に端面を向けた平板状の掘削刃側部アーム20が固着され保持されている。掘削刃側部アーム20は、掘削刃23から上方に立ち上げられ、上方端部はさらに左右水平方向に設けたパイプ状の掘削刃フレーム21に固着されている。掘削刃フレーム21は、掘削刃フレーム21の前方側に設けた左右水平方向の掘削刃フレーム揺動軸22を中心に下方端側、即ち、掘削刃23部が前後方向に揺動自在である。掘削刃フレーム21の中央部には、後方に向けて設けられたアームが設けられ、アーム端部と、ギヤボックス5前方部の入力軸4に設けたクランク部とロッドで回動自在に連結される。クランク部の偏心部により、掘削刃フレーム21を前後に揺動振動させ、掘削刃フレーム21に固定される掘削刃23も同時に前後に揺動振動させる。掘削刃23は進行方向と直行する方向に掛け渡され、地下茎作物の下方部を通過して根を切断するとともに、土壌を膨軟にして地下茎作物を浮き上がらせ、後方のコンベア部3に地下茎作物が走行と共に移動される。
【0013】
搬送体であるコンベア部3は、突起300を星形の放射状に設けた図6に示すフィンガーロール30を、左右水平方向に複数並べて設けた送りローラー32を、後方斜め上方に向け一定間隔で複数設けている。この複数の送りローラー32は、それぞれコンベア部3の上面に載せられた地下茎作物が上方及び後方に移動する方向に回転させて構成されている。コンベア部3の上面に載せられた地下茎作物は、回転するフィンガーロール30の突起300によって跳ね上げられながら後方に移動し、地下茎作物に付着した土が払い落とされ後方に移動する。送りローラー32の間隔は、側面視フィンガーロール30の突起300の回転軌跡が重合するように設けられ、正面視において、互いに左右方向の位置が重ならないように設けられている。掘り上げられた地下茎作物とともにコンベア部3に乗せられた土壌や、地下茎作物から払い落とされた土壌は、フィンガーロール30の突起300の隙間から下方に落下して、地下茎作物が後方に搬送される。
【0014】
送りローラー(搬送軸)32は、左右に立設させた側板31の下方側にそれぞれ左右端部を軸受によって回転自在に保持されていて、本例においては、側板31の左側外側に突設させた軸端部にそれぞれスプロケット60を固着させ、隣り合うスプロケット60間にそれぞれローラチェーン62を巻着させ、それぞれの送りローラー(搬送軸)32は一体に回転するようになっている。入力軸4に入力された動力はギヤボックス5内のベベルギヤによって、ギヤボックス5の左右に固着して設けたパイプフレーム50の左側内を通る出力軸51に伝動され、出力軸51の左端部の側板31の外側に固着させた出力軸スプロケット52を回転させる。出力軸スプロケット52と前記送りローラー(搬送軸)32の最前列のスプロケット60とローラチェーンを介して連動されていて、入力軸4が回転するとコンベア部3が回転駆動されるようにコンベア部駆動部6が構成されている。
【0015】
コンベア部3で後方に搬送された地下茎作物は、コンベア部3の後方から下方の球根搬送部7に落下する。
球根搬送部7は、左右両側に配置した板状のコンベアフレーム70に挟んで配置されるとともに、コンベアフレーム70前後の両端部に水平に配置した回転軸に巻き掛けた無端状のベルトコンベア71が、後方斜め上方に向かうように配置している。ベルトコンベア71は、周回駆動することで落下した地下茎作物を後方側に搬送させることができ、搬送面となる外周面に搬送方向に面を向けた板材712を立てて配置している。この板材712によって、傾斜がかかったベルトコンベア71の搬送面を地下茎作物が、下方に転がり落ちることを防止する。
【0016】
この実施形態では、球根搬送部7の進行方向の左右に対する全幅は、上方に設けられたコンベア部3の進行方向の左右に対する全幅よりも、狭く設定している。このようにすると、球根搬送部7に係る構成部材の増加を抑制できるので、重心が後方に偏ることを抑制でき、トラクタに地下茎作物収穫機Aを装着した場合に、トラクタのタイヤ等の走行部に係る前後接地バランスを良好に保てる。また、後方部の球根搬送部7の全幅は引き抜きコンベア3の全幅より狭いので、地下茎作物収穫機Aを装着したトラクタが旋回時に、地下茎作物収穫機Aの後方部にある球根搬送部7の左右側部を他の構造物等に干渉させずに済む。
【0017】
図4に示すように、ベルトコンベア70の前端の上方には円盤状カッタ40の前端が位置していて、切断部4によって分離された地下茎作物は、ベルトコンベア71前端に落下する。ベルトコンベア71の前部上方には落下した地下茎作物をベルトコンベア71前端に集めるためのシュート72を設置している。シュート72によりコンベア部3の全幅よりも狭いベルトコンベア71の前端部に効率よく落下させる。
【0018】
ベルトコンベア71の搬送距離D2は、コンベア部3の搬送距離D1より長く設定されている。また、ベルトコンベア71の地面に対する搬送角度E2は、コンベア部3の地面に対する搬送角度E1に対して同じかそれ以上としている。このように設定することで、地下茎作物の掘り取り装置と伴走可能にされた収納容器を、球根搬送部7の下方に位置させることができる。球根搬送部7のベルトコンベア71の後端部は、後方に位置する収納容器の上方に位置させることが可能になる。結果、収納容器は、地下茎作物の掘り取り装置との前後距離を調整することで、収納容器に地下茎作物を偏りなく投入することができる。
【0019】
この実施形態において、ベルトコンベア71の搬送距離D2は、引き抜きコンベア3の搬送距離D1より1.4~1.8倍の長さを有している。また、ベルトコンベア71の搬送角度E2は、コンベア部3の最大となる前部の搬送角度E1の40度より、やや大きい45度を採用している。
【0020】
ベルトコンベア71の後部のコンベアフレーム70には排出シュート73が設けられている。排出シュート73は、後端側を上下回動自在に設けてあり、ベルトコンベア71の後端部から落下する地下茎作物の排出方向を任意に決めることができる。排出シュート73は、地下茎作物の収納容器への偏りない投入を、より一層向上させる。
【0021】
ベルトコンベア71の周回駆動は、駆動モータ75によって行われる。駆動モータ75は、ベルトコンベア71の後部の回転軸を駆動させてベルトコンベア71を搬送可能状態にさせる。駆動モータ75は、入力部(図示なし)の近傍に配置したエネルギ発生装置74で、入力部(図示なし)から回転動力を得てエネルギを発生させたエネルギを使用して駆動する。この実施形態のエネルギ発生装置74は、入力軸4とエネルギ発生装置74の前方側に設けた軸にチェーン741を巻き掛けて回転動力を獲得している。
【0022】
また、図示する実施形態では、駆動モータ75は油圧モータであり、エネルギ発生装置74は油圧ポンプを使用している。また、図示はしないが、駆動モータ75は電気モータであり、エネルギ発生装置74は発電機の構成としても良い。このようすることで、エネルギ発生装置74と駆動モータ75の間には図示しない配管あるいは配線をするのみで、駆動モータ75を駆動することが可能となる。したがって、チェーン、シャフト、ギヤ等の駆動に係る機構部材を廃することができるので、駆動モータ75の設置に対する自由度が向上する。
【0023】
駆動モータ75である油圧モータは、配管経路の途中にスピードコントローラを設置している。これにより、ベルトコンベア71を作業者の所望する搬送速度に調整することが可能である。駆動モータ75が電機モータであっても、電気回路の途中にスピードコントローラを設置することで同様の効果がある。
【0024】
球根搬送部7は、進行方向左右両側からそれぞれ下方に向けた柱材を配置したシューフレーム37に、進行方向左右に架け渡すように取付けた梁部材8を介して固定されている。梁部材8は、進行方向に対し左右水平に配置したパイプ81を有し、このパイプ81の左右にシューフレーム37の下部に固定するための矩形状の固定部82によって、進行方向左右に架け渡すように水平に固定されている。この実施形態の場合、梁部材8は、前後に2個設けている。固定部82とシューフレーム37との固定は鋲螺によって固定されているので、接地手段35と梁部材8の固定は強固である。また、梁部材8はシューフレーム37に対して鋲螺による固定であるので、着脱が自在である。シューフレーム37の下部にはシュー36が取付けられる。
【0025】
パイプ81の中央部の2箇所には、球根搬送部7を取り付けて固定するための部材である取付部83を設けている。取付部83は、板部材は垂直に立てた板部材831に、複数のピン832を進行方向の左右いずれかの側方に向けて突出させている。この実施形態の場合、進行方向右側の水平方向にピン832を複数突出させるとともに固着している。球根搬送部7に設けているコンベアフレーム70の下部には取付孔701を複数個所に設けている。ピン832に取付孔701を差し込むことで、球根搬送部7は取付部83と固定状態となり、梁部材8とともに地下茎作物収穫機Aと一体となる。
【0026】
梁部材8は球根搬送部7の下方に位置していて、ベルトコンベア71の搬送を阻害することがないため、球根搬送部7によって連続作業ができる。また、ピン832の端部には図示しない抜け止めがされており、球根搬送部7は容易に抜け落ちることがないため、地下茎作物収穫機Aによって安定した作業が可能である。また、梁部材8に複数設けたピン832と、コンベアフレーム70の複数設けた取付孔701の係合によって、複数個所を固定しているので、地下茎作物収穫機A及び梁部材8に対して、球根搬送部7は固定が安定する。梁部材8は接地手段35に対して強固に固定が可能であるので、より一層球根搬送部7の固定が安定する。さらに、梁部材8は接地手段35に対して着脱自在であり、球根搬送部7は梁部材8に対して着脱自在であるので、梁部材8及び球根搬送部7は、それぞれ個別に接地手段35、梁部材8、球根搬送部7に対して取り付けあるいは取り外しが可能である。
【0027】
球根搬送部7を梁部材8に対して取り外す場合は、取付孔701をピン832の係合から外して固定を解除することで、取り外しが完了する。
【0028】
取付部83には、ピン832を使用して球根搬送部7を梁部材8に固定する形態で説明したが、ピン832に代えて、ボルト、ナット等の鋲螺を用いて締結しても良い。
【0029】
次に、この発明の実施形態である地下茎作物の掘り取り装置による掘り取り作業について説明する。この発明の実施形態である地下茎作物の掘り取り装置は、トラクタなどの走行装置に装着して走行しながらニンニク等の地下茎作物を掘り取りする。
【0030】
この発明の実施形態である地下茎作物の掘り取り装置を、地下茎作物が栽培されている畝の両側の2つの畝間にトラクタの走行輪とそり状のシュー36を位置させ走行しつつ、掘削刃部2の掘削刃23を畝の土中に栽培されているニンニク等の地下茎作物の球根部の下方を通過させる。掘削刃23は前後に揺動振動して、地下茎作物の下方部を通過して根を切断するとともに、土壌を膨軟にして地下茎作物を浮き上がらせ、後方のコンベア部3に地下茎作物が走行と共に移動される。
【0031】
コンベア部3によって搬送されてくる地下茎作物は、前方から後方に斜め上方に向け多数設けた送りローラー(搬送軸)32の星形のフィンガーロール30によって跳ね上げられながら後方に移送され、付着した土が篩い落とされ、コンベア部3の後端部から自然落下して球根搬送部7に移動する。
【0032】
球根搬送部7の前部の搬送面に移動した地下茎作物は、駆動するベルトコンベア71によってさらに後方斜め上方に移動する。ベルトコンベア71の後端部に移動した地下茎収穫機は、排出シュート73によって案内されながら下方に位置する収納容器に収容される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明は、ニンニク等の地下茎作物の掘り取り装置に利用すると効率よい作業が行える。
【符号の説明】
【0034】
2 掘削刃部
20 掘削刃側部アーム
21 掘削刃フレーム
22 掘削刃フレーム揺動軸
23 掘削刃
3 コンベア部(搬送体)
30 フィンガーロール
300 突起
301 ボス部
31 側板
32 送りローラー(搬送軸)
35 接地手段
36 シュー
37 シューフレーム
4 入力軸
5 ギヤボックス
50 パイプフレーム
51 出力軸
52 出力軸スプロケット
6 コンベア部駆動部
60 スプロケット
62 ローラチェーン
7 球根搬送部
70 コンベアフレーム
71 ベルトコンベア
8 梁部材
81 パイプ
82 固定部
83 取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6