(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
A63F5/04 661
A63F5/04 511E
A63F5/04 631
(21)【出願番号】P 2019173203
(22)【出願日】2019-09-24
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-086759(JP,A)
【文献】特開2018-175804(JP,A)
【文献】特開2009-017905(JP,A)
【文献】特開2015-146867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択図柄の組み合わせが抽選結果に応じた組み合わせとなるように当該選択図柄を複数種の候補図柄のうちから選択して示す図柄表示ゲームを実行するゲーム実行手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者に対し、前記操作手段の操作を促す操作演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記複数種の候補図柄には、前記操作演出を示唆する態様を含む操作図柄
および当該操作図柄と共通する図柄要素を含む特定図柄が含まれ、
前記選択図柄の組み合わせが、前記操作図柄および前記特定図柄を含み、それ以外の図柄を含まないものとなることを条件として、前記操作演出が実行され、
前記複数種の候補図柄を含む複数の候補図柄群が設定されており、前記複数の候補図柄群のうちの一つである対象候補図柄群に前記操作図柄が、当該対象候補図柄群とは異なる特定候補図柄群に前記特定図柄が含まれ、
前記対象候補図柄群から選択される前記選択図柄に前記操作図柄が含まれるかどうかは、当該対象候補図柄群の変動を停止させるストップボタンが操作されるタイミングに応じて決まり、
前記抽選結果のうちの一つとして、遊技者が所定利益を得る可能性が生じる特定結果が設定されており、前記対象候補図柄群から選択される前記選択図柄に前記操作図柄が含まれるかどうかは関係なく、前記特定候補図柄群から選択される前記選択図柄に前記特定図柄が含まれるかどうかに応じ、遊技者が実際に前記所定利益を得ることできるかどうかが決まることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作演出において、前記操作手段の操作が所定条件を満たしたものとならない限り、次の抽選結果についての前記図柄表示ゲームに移行しないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
複数種の前記操作図柄が設定されており、前記選択図柄として選択された前記操作図柄の種類に応じ、前記操作演出にて遊技者に対して促される前記操作手段の操作態様が異なることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者が操作可能な操作手段を備え、遊技者に対して操作手段の操作を促す操作演出を実行することが可能な遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作手段を用いて遊技の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、選択図柄の組み合わせが抽選結果に応じた組み合わせとなるように当該選択図柄を複数種の候補図柄のうちから選択して示す図柄表示ゲームを実行するゲーム実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し、前記操作手段の操作を促す操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記複数種の候補図柄には、前記操作演出を示唆する態様を含む操作図柄が含まれ、前記操作図柄が前記選択図柄として選択されることを条件として、前記操作演出が実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機は、操作手段を用いて遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】各リールにおける候補図柄の配列、および操作図柄を拡大して示した図である。
【
図4】特定組み合わせおよび非特定組み合わせを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明の一実施形態にかかる回胴式遊技機(パチスロ遊技機)(以下、単に遊技機1と称することもある)の基本構成について説明する。なお、基本構成は公知の遊技機1と同じとすることができるから詳細な説明は省略する。また、以下の説明における方向(左右、上下、前後等)は、遊技機1を遊技する遊技者にとっての方向をいうものとする。また、以下の説明において「画像」というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。
【0009】
〇機械的構成
遊技機1は、筐体90内部にリール10を備える。本実施形態では、左リール10L、中リール10C、右リール10Rの三つが設けられている(
図1参照)。各リール10の表面には複数種の図柄(以下、候補図柄20と称することもある)が描かれている(図柄が直接リール10に描かれたものとしてもよいし、図柄が描かれた部材(テープ)がリール10に固定されたものとしてもよい)(
図2参照)。候補図柄20は、リール10の周方向に沿って等間隔に並ぶ。本実施形態では、一つのリール10に20個の候補図柄20が配置されている。つまり、いわゆる「コマ数」は20ということである。
【0010】
各リール10は、図示しないステッピングモータによりそれぞれが別個独立して回転することが可能なものである。各リール10の回転中心軸は一致するものであり、左右方向に沿う。リール10の駆動機構は周知であるから説明を省略する。
【0011】
筐体90の前側には、透過性材料で構成された有効窓901が設けられている(
図1参照)。当該有効窓901を通じて、停止したリール10の一部(候補図柄20の一部)を視認することができる。当該有効窓901を通じて視認される図柄が後述する選択図柄20sとなる。本実施形態では、一つのリール10につき、少なくとも三つの図柄が視認可能となるような大きさに有効窓901が形成されている。つまり、全てのリール10が停止した状態においては、3×3のマトリクス状に並んだ計9個の選択図柄20sが有効窓901を通じて視認可能となる。以下の説明においては、各選択図柄20sを「位置」にて表すことがある。具体的には、左リール10Lについては、上から順に、左上、左中、左下と、中リール10Cについては、上から順に、中上、中中、中下と、右リール10Rについては、上から順に、右上、右中、右下とする。
【0012】
筐体90の前側左寄りには、スタートレバー92が設けられている。また、筐体90の前側右寄りには、遊技媒体であるメダルを投入するメダル投入口93が設けられている。さらに、各リール10に対応するように三つのストップボタン94(左ストップボタン94L、中ストップボタン94C、右ストップボタン94R)が設けられている。また、クレジットは最大50枚であり、当該クレジット内のメダルをベットするベットボタン95(マックスベットボタン)が設けられている(
図1参照)。図示しないがクレジットの枚数を表示するクレジット表示器も設けられている。
【0013】
筐体90における有効窓901の上方には、表示装置91(例えば、液晶表示装置)が設けられている(
図1参照)。当該表示装置91にて、当否抽選結果を報知する演出等、種々の演出が実行される。
【0014】
筐体90における有効窓901の下方には、操作手段30が設けられている(
図1参照)。本実施形態における操作手段30は、いわゆる押しボタン(遊技者が下方に押すことで沈むボタン)である。
【0015】
〇遊技方法、遊技性等
本実施形態における遊技機1は、「3枚掛け専用機」である。つまり、メダル投入口93から投入されたメダルを3枚ベットした上で、スタートレバー92を操作することで当否抽選が実行される。この当否抽選の結果を、後述する有効ラインに沿う選択図柄20sの組み合わせで示すのが「図柄表示ゲーム」(以下、単に「ゲーム」と称することもある)である。所定枚数のメダルをベットした上で、スタートレバー92を操作することを契機として実行されるのが「図柄表示ゲーム」であるということである。また、スタートレバー92の操作を契機として各リール10も回転する。なお、「3枚掛け専用機」とするのはあくまで一例である。1枚掛けや2枚掛けで遊技することが可能なものとしてもよい(1枚掛けや2枚掛けの場合、有効ラインが少なくなるようにするのが一般的である)。
【0016】
有効ライン(
図1参照)は、以下の5ラインである。
1)中段ラインL1「左中-中中-右中」
2)上段ラインL2「左上-中上-右上」
3)下段ラインL3「左下-中下-右下」
4)右下がりラインL4「左上-中中-右下」
5)右上がりラインL5「左下-中中-右上」
いずれかの有効ラインに沿う選択図柄20sの組み合わせが抽選結果に応じた組み合わせとなる。すなわち、いずれかの有効ラインに沿う選択図柄20sの組み合わせが「当選役」を示すものとなる。なお、本実施形態では、各リール10の最大の滑りコマ数は「4コマ」とされている。ストップボタン94が操作された時点から図柄単位で「0~4」の範囲でリール10が停止する。当選役に応じた候補図柄20を選択図柄20sとして引き込むことができない箇所でストップボタン94が操作された場合には、当該当選役の「取りこぼし」が発生することになる。
【0017】
本実施形態では、当選役としてビッグボーナス役、レギュラーボーナス役、スイカ小役、ベル小役、チェリー役、リプレイ役の六種類が設定されている。ビッグボーナス役およびレギュラーボーナス役は(小役に比して)多くのメダルが獲得できるボーナス役である。ビッグボーナス役は、有効ラインにて「7図柄」の三つ揃いが発生した場合に提供される当選役である。レギュラーボーナス役は、有効ラインにて「BAR図柄」の三つ揃いが発生した場合に提供される当選役である。ビッグボーナス役およびレギュラーボーナス役は「当たり」に相当する当選役である。ビッグボーナス役の方がレギュラーボーナス役よりも当たり遊技にて得られるメダル枚数が多くなるように設定されている。
【0018】
スイカ小役は、有効ラインにて「スイカ図柄」の三つ揃いが発生した場合に提供される当選役である。ベル小役は、有効ラインにて「ベル図柄」の三つ揃いが発生した場合に提供される当選役である。各小役の払い出し枚数等は適宜設定すればよい。
【0019】
チェリー小役は、有効ラインの左に「チェリー図柄」が停止した場合に提供される当選役である。つまり、左リール10Lの「チェリー図柄」が選択図柄20sとされた場合に提供される小役である。チェリー小役は、上記スイカ小役やベル小役と異なり、有効ラインにて同じ図柄の三つ揃いとならなくても入賞となるという点で異なる。
【0020】
リプレイ小役は、有効ラインにて「リプレイ図柄」の三つ揃いが発生した場合に提供される当選役である。リプレイ小役は、メダルの払い出しは発生しないが、メダルを投入することなく次回のゲームを行うこと(スタートレバー92の操作を契機とした再度の当否抽選を行うこと)が可能になる役である。
【0021】
本実施形態では、当否抽選の結果として、ボーナス役と小役の同時当選が発生しうる。小役のうち、スイカ小役とチェリー小役は、当該同時当選が発生しうるチャンス小役として設定されている。本実施形態では、チェリー小役は、同時当選となる確率が最も高い(スイカ小役よりも高い)小役である。したがって、チェリー小役が成立したときには、ボーナス役の成立にも期待することになる。なお、本実施形態では、チャンス小役以外の小役について、同時当選は発生しないように設定されている。ただし、チャンス小役以外の小役について、同時当選が発生しうるように設定することを否定するわけではない。また、「設定」に応じて同時当選確率が異なるものとしてもよい。
【0022】
2)操作演出
遊技者に操作手段30の操作を促す演出である。本実施形態では、表示装置91に表示される画像により遊技者は操作手段30を操作すべき状況であることを把握することになる。具体的には、操作演出においては、操作手段30を表した操作画像および要求する操作態様を示す指示画像が表示装置91に表示される。操作演出としては、操作手段30を一回のみ操作することを要求する単発操作演出(
図3(a-1)参照)、操作手段30を複数回操作することを要求する連続操作演出(
図3(a-2)参照)、操作手段30が操作された状態を維持することを要求する維持操作演出(
図3(a-3)参照)等を例示することができる。操作手段30が押しボタンである場合、単発操作演出は単発操作を要求する演出(例えば指示画像として「押せ」といった文字を含む画像が表示される)であり、連続操作演出はいわゆる連打操作を要求する演出(例えば指示画像として「連打」といった文字を含む画像が表示される)であり、維持操作演出はいわゆる長押し操作を要求する演出(例えば指示画像として「長押し」といった文字を含む画像が表示される)である。操作演出においては、操作手段30の操作が有効となる時間(操作有効時間)が設定されてもよい。なお、各操作演出において、その他の演出用の画像(図示省略)が表示されるようにしてもよい。
【0023】
操作演出において操作手段30の操作が所定条件を満たすものとなることを契機として、その結果が示される。具体的には、遊技者に有利な事象が発生することを示す成功結果(
図3(b-1)参照)、および有利な事象が発生しないことを示す失敗結果(
図3(b-2)参照)の一方が実行される。例えば、ボーナス役が成立している場合には成功結果となり、ボーナス役が成立していない場合には失敗結果となるような操作演出が発生する。所定条件は、操作演出毎に変化する。例えば、単発操作演出は、操作手段30が一回操作されることが所定条件の成立となる。連続操作演出は、操作手段30が所定回数操作されることが所定条件の成立となる。維持操作演出は、操作手段30が操作された状態が所定時間に到達することが所定条件の成立となる。
【0024】
3)操作図柄
候補図柄20の一種として、操作図柄21が設けられている(
図2参照)。操作図柄21は、操作演出の発生を示唆するような部分を含む図柄である。本実施形態における操作図柄21は、操作手段30(本実施形態では押しボタン)を表した部分(以下、「操作要素部211」と称する)と、他の候補図柄20と共通する図柄要素を表した部分(以下、「図柄要素部212」と称する)とを含むものである。操作要素部211を見た遊技者は操作手段30を想起するであろうから、当該操作要素部211は操作演出を示唆するものであるといえる。また、本実施形態における操作図柄21が含む図柄要素部212は、「チェリー」を表したものである。したがって、操作図柄21は、チェリー図柄の一種であると遊技者は把握することになる。このように、本実施形態における操作図柄21は、操作手段30(押しボタン)とチェリーとが複合されたかのような態様を呈する図柄である。なお、操作図柄21は、チェリー図柄の一種(チェリー図柄の下位概念)であるが、以下の説明において単にチェリー図柄というときは、操作図柄21ではないチェリー図柄のことをいうものとする。
【0025】
また、本実施形態における操作図柄21は、操作態様部213を含む。操作態様部213は、「単発」「連打」「長押し」のいずれかの文字を含むものである。後述するように、当該操作態様部213が表す内容に応じ、その後発生する操作演出の種類が決まる。以下の説明においては、「単発」の操作態様部213を含む操作図柄21を単発操作図柄21aと、「連打」の操作態様部213を含む操作図柄21を連打操作図柄21bと、「長押し」の操作態様部213を含む操作図柄21を長押し操作図柄21cと称することとする。
【0026】
本実施形態では、操作図柄21は、右リール10Rに設けられており、左リール10Lや中リール10Cには設けられていない。右リール10Rには、単発操作図柄21a、連打操作図柄21b、長押し操作図柄21cがそれぞれ一つずつ設けられている。単発操作図柄21aと連打操作図柄21bの間、連打操作図柄21bと長押し操作図柄21cの間には4つの候補図柄20が存在し、単発操作図柄21aと長押し操作図柄21cの間には9つの候補図柄20が存在するような配列となっている。なお、右リール10Rには、操作図柄21以外のチェリー図柄は設けられていない。
【0027】
4)操作図柄と操作演出
本実施形態では、操作演出の一種として、操作図柄21が選択図柄20sとなることを条件として発生する演出が設定されている。以下、当該演出について説明する。本実施形態では、有効ラインに、「チェリー図柄・チェリー図柄・操作図柄」と並ぶ組み合わせが表示された場合に操作演出が発生する。チェリー図柄(本発明における特定図柄に相当する)および操作図柄21は、共通する図柄要素である「チェリー」を含むものである(操作図柄21はチェリー図柄の一種である)から、有効ラインにチェリー図柄が三つ並んだ(チェリー図柄の三つ揃い(三連チェリー)が発生した)場合に操作演出が発生するとみることもできる。
【0028】
本実施形態では、チェリー小役が成立したゲームであっても、左ストップボタン94Lを押したタイミングによっては、左リール10Lのチェリー図柄が選択図柄20sとして表示されない可能性がある。すなわち、左リール10Lにおいてはチェリー図柄の取りこぼしが発生しうる。取りこぼした場合には、メダルの払い出しはない。左リール10Lのチェリー図柄が選択図柄20sとして表示された場合(
図4(a)参照)には、チェリー小役に応じたメダルの払い出しが生じる。
【0029】
中リール10Cには、4つの候補図柄20を間に挟むようにして計4つのチェリー図柄が配置されている(
図2参照)。左リール10Lのチェリー図柄が選択図柄20sとして表示された場合には、中ストップボタン94Cを押したタイミングによらず、いずれかの有効ラインに沿って左リール10Lのチェリー図柄と中リール10Cのチェリー図柄が並ぶ(「連チェリー」となる)ように制御される(
図4(a)参照)。なお、左ストップボタン94L、右ストップボタン94R、中ストップボタン94Cの順で操作した場合(いわゆる「ハサミ打ち」した場合)も、同様に左リール10Lのチェリー図柄と中リール10Cのチェリー図柄が並ぶように制御される。
【0030】
上述した通り、右リール10Rには、3つの操作図柄21が設けられている。単発操作図柄21aと連打操作図柄21bの間、連打操作図柄21bと長押し操作図柄21cの間には4つの候補図柄20が存在し、単発操作図柄21aと長押し操作図柄21cの間には9つの候補図柄20が存在するような配列となっている(
図2参照)ため、左リール10Lのチェリー図柄が選択図柄20sとして表示された場合には、いずれかの有効ラインに沿って、以下のような組み合わせが表示されうることになる。つまり、右ストップボタン94Rを押したタイミングに応じ、いずれかの有効ラインに沿って、以下の組み合わせのいずれかが表示されることになる。
(1)第一特定組み合わせ・・・「チェリー図柄・チェリー図柄・単発操作図柄」(
図4(b-1)参照)
(2)第二特定組み合わせ・・・「チェリー図柄・チェリー図柄・連打操作図柄」(
図4(b-2)参照)
(3)第三特定組み合わせ・・・「チェリー図柄・チェリー図柄・長押し操作図柄」(
図4(b-3)参照)
(4)非特定組み合わせ・・・「チェリー図柄・チェリー図柄・操作図柄以外の図柄」(
図4(b-4)参照)
(1)~(3)は有効ラインに沿って選択図柄20sとしてのチェリー図柄(右リール10Rは操作図柄21)が三つ並ぶ特定組み合わせであり、(4)は選択図柄20sとしてのチェリー図柄が三つ並ばない非特定組み合わせである。なお、特定組み合わせであっても、非特定組み合わせであっても、左リール10Lの選択図柄20sとしてチェリー図柄が表示されていれば同じ枚数の払い出しがある。
【0031】
特定組み合わせが形成された場合には、操作演出が発生する(チェリー小役が成立したゲームで操作演出が発生する)。第一特定組み合わせが形成された場合には単発操作演出(
図3(a-1)参照)が、第二特定組み合わせが形成された場合には連続操作演出(
図3(a-2)参照)が、第三特定組み合わせが形成された場合には長押し操作演出(
図3(a-3)参照)が発生する。つまり、特定組み合わせを構成する操作図柄21の種類に応じた操作演出が発生する。選択図柄20sとして表示されて特定組み合わせを構成する操作図柄21の種類に応じ、操作演出にて遊技者に要求される操作手段30の操作態様が異なるということである。
【0032】
操作演出は、ボーナス役が成立しているかどうかを報知するものとされる。上述した通り、チェリー小役はチャンス小役であり、ボーナス役が同時当選している可能性があるから、ボーナス役の当選の有無が操作演出により報知される。単発操作演出の場合には一回の操作手段30の操作を契機として、連続操作演出の場合には所定回数の操作手段30の操作を契機として、長押し操作演出の場合には操作手段30が操作された状態が所定時間に到達することを契機としてボーナス役が成立しているかどうかが報知される。すなわち、ボーナス役が成立している場合には操作演出は成功結果(
図3(b-1)参照)となり、ボーナス役が成立していない場合には操作演出は失敗結果(
図3(b-2)参照)となる。なお、操作演出にて条件を満たす操作手段30の操作がなされなかった場合に、次のゲームにて結果が示される構成としてもよい。
【0033】
特定組み合わせが形成されなかった、換言すれば非特定組み合わせが形成された場合(すなわち、操作図柄21が選択図柄20sとして引き込まれない位置で右ストップボタン94Rが操作された場合)(
図4(b-4)参照)には、当該チェリー小役が成立したゲームにて操作演出が実行されない。端的に言えば、右リール10Rにてチェリー図柄(操作図柄21)が選択図柄20sとして引き込まれない位置で右ストップボタン94Rが操作され、「チェリーの取りこぼし」(メダルの払い出しは得られるため厳密には「取りこぼし」ではない。あくまで図柄が引き込まれなかったという意味である)が発生した場合には、操作演出が実行されない(操作演出によりボーナス役の当選の有無が報知されない)。ボーナス役が同時当選していた場合であっても、次ゲーム以降にてボーナス役の当選が報知される。
【0034】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、操作図柄21が選択図柄20sとして表示されることを条件として操作手段30を用いた操作演出が発生する(操作図柄21が選択図柄20sとして表示されなければ操作演出が発生しない)。つまり、選択図柄20sの組み合わせ(出目)と演出がリンクする遊技性を実現することが可能である。
【0035】
本実施形態では、操作図柄21を含めた「三連チェリー」が成立すれば操作演出が発生し、成立しなければ操作演出が発生しないというものであるため、操作演出が発生するかどうかが分かりやすい。また、右リール10Rの候補図柄群を「対象候補図柄群」とすれば、対象候補図柄群の配置は操作図柄21(チェリー図柄)の「取りこぼし」が発生しうるようなものとなっており、「三連チェリー」が成立するかどうかは右ストップボタン94Rが操作されるタイミングによる。したがって、操作演出を発生させたいと考える遊技者は右リール10Rにて操作図柄21(チェリー図柄)を狙う必要があることになり、遊技の面白みが増す。
【0036】
また、本実施形態では、チェリー小役が成立するという当否抽選結果(本願発明における特定結果に相当する)の発生により、所定枚数のメダルが得られる可能性が生じる。当該所定枚数のメダルが得られるかどうか(メダルの払い出しが発生するかどうか)は、左リール10Lのチェリー図柄が選択図柄20sとして表示されるかどうかであって、右リール10Rのチェリー図柄(操作図柄21)が選択図柄20sとして表示されるかどうかは関係がない。具体的には、左リール10Lの候補図柄群を「特定候補図柄群」とし、右リール10Rの候補図柄群を「対象候補図柄群」とすれば、対象候補図柄群から選択される選択図柄20sに操作図柄21(チェリー図柄)が含まれるかどうかは関係なく、特定候補図柄群から選択される選択図柄20sにチェリー図柄が含まれるかどうかに応じ、遊技者が実際に所定枚数のメダルを得ることできるかどうかが決まるというものである。つまり、右リール10Rにおけるチェリー図柄(操作図柄21)の「取りこぼし」の有無は、操作演出の発生の有無に影響を与えるだけであって、実質的な利益の有無(実害の有無)に影響を与えるものではない。なお、いわゆる「目押し」ができない遊技者でも安心して遊技できる設計とするのであれば、左リール10Lにて、チェリー小役の取りこぼしが発生しないような候補図柄20の配置(チェリー図柄が必ず選択図柄20sとして引き込まれる配置)とすればよい。
【0037】
また、本実施形態では、選択図柄20sとして表示されて特定組み合わせを構成する操作図柄21の種類に応じ、操作演出にて遊技者に要求される操作手段30の操作態様が異なる。つまり、右ストップボタン94Rを押すタイミング(出目)に応じ、操作演出にて要求される操作手段30の操作態様が変化するという面白みのあるものである。遊技者によっては、ある種類の操作図柄21を狙って停止させ、好みの操作演出(好みの操作態様)を発生させるという楽しみ方もできる。
【0038】
5)以下、上記操作演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0039】
〇第一具体例
上記実施形態では、三種類の操作図柄21(単発操作図柄21a・連打操作図柄21b・長押し操作図柄21c)が設定され、それに応じた三種類の操作演出(単発操作演出・連打操作演出・長押し操作演出)が設定されていることを説明したが、操作図柄21が選択図柄20sとして表示されることを契機として発生する操作演出の種類は一種類のみであってもよい。
【0040】
〇第二具体例
上記実施形態における操作演出は、操作手段30の操作が所定条件を満たすことを契機として、遊技者に有利な事象(ボーナス役の成立)が発生するかどうかに応じ、成功結果となるか失敗結果となるかが決まるものであることを説明したが、このように有利な事象の発生を直接的に示す態様としなくてもよい。
【0041】
例えば、遊技者に有利な事象が発生する蓋然性(信頼度)が操作演出の結果により示唆されるような構成とすることが考えられる。操作手段30の操作が所定条件を満たすことを契機として、「・・・」(
図5(b-1)参照)、「?」(
図5(b-2)参照)、「チャンス」(
図5(b-3)参照)、「激熱」(
図5(b-4)参照)のうちのいずれかの文字を含む画像が表示されるものとする。つまり、操作手段30の操作が所定条件を満たすことを契機として、四つの結果のうちのいずれかが実行されるものとする。当該結果は、ボーナス役が成立している蓋然性(チェリー小役との同時当選が発生している蓋然性)を示唆する。例えば、「・・・」、「?」、「チャンス」、「激熱」(最も高い)の順で、ボーナス役が成立している蓋然性が高くなるように制御する。なお、実際にボーナス役が成立しているか否かは、次回以降の図柄表示ゲームにて報知されるようにすればよい。
【0042】
〇第三具体例
特定組み合わせが成立して操作演出が発生した(
図6(a)参照)場合、操作演出にて操作手段30の操作が所定条件を満たしたものとならない限り、次の図柄表示ゲームに移行しないようにする(操作演出をスキップすることができないようにする)。すなわち、操作手段30の操作が所定条件を満たし、操作演出の結果(
図6(b)参照)が出現しない(操作演出が終了しない)までの間は、次の図柄表示ゲームのためのベットができないようにする。操作手段30の操作が所定条件を満たすまでの間、各リール10はフリーズ状態(完全に停止した状態または遊技者には停止しているように見える擬似停止状態(例えばわずかに揺れている状態))にあればよい。操作演出の結果(
図6(b)参照)が出現した後は、次の図柄表示ゲームが開始可能となる(
図6(c)参照)。
【0043】
このように、操作演出に参加しなければ次の図柄表示ゲームが開始されないようにすることで、遊技者は選択図柄20sの組み合わせ(出目)と演出がリンクしているということが分かりやすくなる。
【0044】
なお、本例のような構成とする場合、所定条件を満たすよう操作手段30を操作しなければ次の図柄表示ゲームが開始されないことに遊技者が苛立ってしまうおそれもある。このような状況の発生を懸念するのであれば、所定条件を満たすのに必要な操作手段30の操作は簡単なものとするとよい。例えば、操作図柄21が選択図柄20sとして表示されることを契機として発生する操作演出は単発操作演出に限られる設定とする。このようにすれば、操作手段30を一回操作することで所定条件が満たされることになるから、比較的簡単に次の図柄表示ゲームが開始可能な状態となる(遊技者の苛立ちが抑制される)。
【0045】
〇第四具体例
上記実施形態にかかる遊技機1は回胴式遊技機であるが、一部の事項についてはその他の遊技機にも転用可能である。例えば、回胴式遊技機のようなリール10を備えたぱちんこ遊技機に対しても適用可能である。また、上記実施形態にて説明した各リール10は有体物であるが、リール10に相当するような画像(無体物)を表示し、回胴式遊技機のような遊技(演出)を実行することが可能な遊技機に対しても適用可能である。
【0046】
〇第五具体例
上記実施形態では、操作図柄21が含む操作態様部213は、操作手段30の操作態様を直接的に示すものである(「単発」「連打」「長押し」のいずれかの文字を含むものである)ことを説明したが、このような直接的に表現するものでなくてもよい。操作図柄21の種類の違いを、態様の違いとして顕在化させる部分であればよい。例えば、図柄を構成する所定の要素について、単発操作図柄21aは丸形状を呈し(
図7(a)参照)、連打操作図柄21bは三角形状を呈し(
図7(b)参照)、長押し操作図柄21cは四角形状を呈する(
図7(c)参照)ものとする。かかる違いにより、操作図柄21の種類が区別されるものとする。
【0047】
6)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0048】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0049】
・手段1
選択図柄の組み合わせが抽選結果に応じた組み合わせとなるように当該選択図柄を複数種の候補図柄のうちから選択して示す図柄表示ゲームを実行するゲーム実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し、前記操作手段の操作を促す操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記複数種の候補図柄には、前記操作演出を示唆する態様を含む操作図柄が含まれ、前記操作図柄が前記選択図柄として選択されることを条件として、前記操作演出が実行されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、操作図柄が選択図柄として表示されることを条件として操作手段を用いた操作演出が発生するという面白みのある遊技性を実現することが可能である。
【0050】
・手段2
前記操作演出において、前記操作手段の操作が所定条件を満たしたものとならない限り、次の抽選結果についての前記図柄表示ゲームに移行しないことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このように、操作手段を操作しなければ次の図柄表示ゲームが開始されることがない(次の図柄表示ゲームを開始させるために操作手段の操作が必須となる)ようにすることで、操作図柄が選択図柄として選択されることが操作演出実行の契機となっていることを遊技者が気付きやすくなる。
【0051】
・手段3
前記複数種の候補図柄には、前記操作図柄と共通する図柄要素を含む特定図柄が含まれ、前記選択図柄の組み合わせが、前記操作図柄および前記特定図柄を含み、それ以外の図柄を含まないものとなることを条件として、前記操作演出が実行されることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
このようにすることで、操作演出が実行される条件となる選択図柄の組み合わせ(全てが共通する図柄要素を含むということ)が分かりやすくなる。
【0052】
・手段4
前記複数種の候補図柄を含む複数の候補図柄群が設定され、前記複数の候補図柄群のうちの一つである対象候補図柄群に前記操作図柄が含まれ、前記対象候補図柄群から選択される前記選択図柄に前記操作図柄が含まれるかどうかは、当該対象候補図柄群の変動を停止させるストップボタンが操作されるタイミングに応じて決まることを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、対象候補図柄群の変動を停止させるストップボタンが操作されるタイミングに応じ、操作演出が発生したり、発生しなかったりするという遊技性を実現することができる。
【0053】
・手段5
前記複数の候補図柄群のうちの一つであって、前記対象候補図柄群とは異なる特定候補図柄群に前記特定図柄が含まれ、前記抽選結果のうちの一つとして、遊技者が所定利益を得る可能性が生じる特定結果が設定されており、前記対象候補図柄群から選択される前記選択図柄に前記操作図柄が含まれるかどうかは関係なく、前記特定候補図柄群から選択される前記選択図柄に前記特定図柄が含まれるかどうかに応じ、遊技者が実際に前記所定利益を得ることできるかどうかが決まることを特徴とする手段3を引用する手段4に記載の遊技機。
このように、対象候補図柄群から選択される選択図柄に前記操作図柄が含まれるかどうかは、実際の利益とは関係がない(操作演出という演出の発生の有無に関係するに留まる)設定とすることが好ましい。
【0054】
・手段6
複数種の前記操作図柄が設定されており、前記選択図柄として選択された前記操作図柄の種類に応じ、前記操作演出にて遊技者に対して促される前記操作手段の操作態様が異なることを特徴とする手段1から手段5のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、選択図柄として示される操作図柄の種類に注目する遊技性を実現することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 遊技機
10 リール
20 候補図柄
21 操作図柄(21a 単発操作図柄、21b 連打操作図柄、21c 長押し操作図柄)
211 操作要素部
212 図柄要素部
213 操作態様部
20s 選択図柄
30操作手段
91 表示装置