IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本エアードライヤー販売株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】圧縮空気の凝縮装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 45/08 20060101AFI20221222BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20221222BHJP
   F04B 39/16 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B01D45/08 Z
B01D53/26 100
F04B39/16 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020197264
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085528
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】517138812
【氏名又は名称】日本エアードライヤー販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085110
【弁理士】
【氏名又は名称】千明 武
(72)【発明者】
【氏名】川真田 博康
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-151650(JP,A)
【文献】特開2011-094507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0192536(US,A1)
【文献】特開2018-066319(JP,A)
【文献】特開2014-088855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D45/00-45/18
B01D53/26-53/28
F01M13/04
F02M35/10
F04B39/16
F22B37/26-37/32
F25B39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空筒状の凝縮ユニットを同軸状に複数連結した凝縮管の上流側端部から圧縮空気を導入可能に設け、各凝縮ユニット内の上流側に圧縮空気を衝突可能な円板状の衝突板を軸方向に直交配置し、該衝突板の外周と凝縮ユニットの内面との間に環状の狭小通路を設け、該狭小通路を凝縮ユニット内の空気移動室に連通可能に形成し、圧縮空気を下流側の凝縮ユニット内に順次移動して圧縮空気を凝縮し断熱膨張可能に設け、前記衝突板の上流側に多数の通気孔を形成した複の通気板を凝縮ユニット内に離間して配置し、凝縮ユニットに導入した圧縮空気を通気板に衝突して凝縮可能に設けるとともに、圧縮空気を通気孔から衝突板側へ噴出して断熱膨張可能に設け、かつ圧縮空気を通気板と衝突板に複数回衝突可能に設けた圧縮空気の凝縮装置において、隣接する通気板の通気孔を互いに位相をずらせて配置したことを特徴とする圧縮空気の凝縮装置。
【請求項2】
多数の通気孔を通気板と同心円状に配置し、その最外郭位置の通気孔を凝縮ユニットの内周壁に沿って配置した請求項1記載の圧縮空気の凝縮装置。
【請求項3】
前記最外郭位置の通気孔から排出した凝縮水を凝縮ユニットの内面に沿って底部に排出可能に設けた請求項2記載の圧縮空気の凝縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の凝縮ユニットを連結して凝縮管を構成し、該凝縮管によって従来のエアードライヤに比べ、構成を簡潔化し部品点数を低減して小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図れるとともに、精密な凝縮効果と断熱膨張効果によって卓越した除湿能力を得られ、また凝縮ユニットの連結数を加減することによって、使用環境や使用条件に応じた最適の凝縮ないし除湿能力を容易かつ自由に得られ、更に凝縮管内のドレンの回収を合理的かつ容易に行なえる新規なエアードライヤを提案し得る、圧縮空気の凝縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアーコンプレッサから吐出された圧縮空気には凝縮水や油分が混在し、この圧縮空気をエアードライバーやインパクトレンチ等のエアーツールへ供給すると、空気導管の内部が錆びたりエアーツール内部の構成部品が錆びて、機能が低下し故障を起こす惧れがあるため、圧縮空気の供給管路にエアードライヤを取付けて水分を除去し、除湿・乾燥した圧縮空気をエアーツールへ供給するようにしている。
【0003】
例えば、中空円筒体の上部に上カバーを取付け、また前記中空円筒体の内部に中空円筒状の仕切り管を取付け、該仕切り管の内側に略円錐状の複数の仕切り構造を上下に積み重ね、これを長尺のボルトを介してエアー案内子に連結するとともに、各仕切り構造内の上部に凹み空間と透孔を形成し、上カバーから中空円筒体内に圧縮空気を導入し、これを下方の仕切り構造から上方の仕切り構造へ移動し、透孔から上部の凹み空間へ噴出して、圧縮空気を断熱膨張し水分を除去するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、前記装置は中空円筒体の内側に仕切管を配置し、この仕切管内に複数の異形の仕切り構造を積み重ねて配置し、各仕切り構造に小孔状の透孔を形成しているため、部品点数が多く、また仕切り構造に凹み空間と小孔状の透孔の形成を要して製作が複雑で難しく、更に中空円筒体に圧縮空気を導入後、仕切管内や仕切り構造内に移動させているため、中空円筒体や仕切管が大径になって大形化し、しかも仕切り構造を通しボルトで固定しているため、仕切り構造の数が通しボルトの長さで制約され、圧縮空気の凝縮能力が制限されて水分を充分に除去することができないという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するものとして、圧縮空気の供給管路に介挿した気液分離装置に、蓋体に連結した筒状容器を設け、該筒状容器内に筒状仕切り体と、該仕切り体内に配置した胴体部を設け、該胴体部の周面に複数の鍔部を設けるとともに、その一の鍔部に負圧用中空室に連通する気体流量制御小孔部を設け、胴体部に導入した圧縮空気を前記制御小孔部から負圧用中空室へ移動させて気液分離させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、前記気液分離装置は構造が複雑で製作が難しく、しかも単一または複数の制御小孔部では気液の分離能率が低く、圧縮空気を十分に除湿し乾燥させることができなかった。
【0007】
そこで、出願人は、圧縮空気の移動路に一または複数の凝縮ユニットを配置し、該凝縮ユニットは内部に圧縮空気を衝突させる衝突板と、圧縮空気を噴出させる狭小通路と、凝縮管内に噴出した圧縮空気を閉塞した圧縮通路に押し込み、押し戻された圧縮空気を衝突板の他側面に衝突させ、前記衝突板と狭小通路と圧縮通路と衝突板の他側面とで圧縮空気を繰り返し凝縮し断熱膨張させて気液分離後、出口管へ移動して隣接する下流側の凝縮ユニットへ導入し、圧縮空気を精密に除湿し乾燥させるようにした圧縮空気の凝縮装置を開発し、これを既に提案している(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
しかし、前記圧縮空気の凝縮装置は、圧縮空気の導入時に衝突板に衝突させて凝縮させた後、その外周の環状通路に移動させて凝縮管内に噴出して断熱膨張させていたが、衝突板による圧縮空気の凝縮効果が概して低く、しかも押し戻された圧縮空気を衝突板の他側面に衝突させる際の圧縮空気の凝縮効果も概して低く、十分な気液分離効果を得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平10-235132号公報
【文献】特許第5467180号公報
【文献】特開2020-151650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような問題を解決し、複数の凝縮ユニットを連結して凝縮管を構成し、該凝縮管によって従来のエアードライヤに比べ、構成を簡潔化し部品点数を低減して小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図れるとともに、精密な凝縮効果と断熱膨張効果によって卓越した除湿能力を得られ、また凝縮ユニットの連結数を加減することによって、使用環境や使用条件に応じた最適の凝縮ないし除湿能力を容易かつ自由に得られ、更に凝縮管内のドレンの回収を合理的かつ容易に行なえる新規なエアードライヤを提案し得る、圧縮空気の凝縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、中空筒状の凝縮ユニットを同軸状に複数連結した凝縮管の上流側端部から圧縮空気を導入可能に設け、各凝縮ユニット内の上流側に圧縮空気を衝突可能な円板状の衝突板を軸方向に直交配置し、該衝突板の外周と凝縮ユニットの内面との間に環状の狭小通路を設け、該狭小通路を凝縮ユニット内の空気移動室に連通可能に形成し、圧縮空気を下流側の凝縮ユニット内に順次移動して圧縮空気を凝縮し断熱膨張可能に設け、前記衝突板の上流側に多数の通気孔を形成した複の通気板を凝縮ユニット内に離間して配置し、凝縮ユニットに導入した圧縮空気を通気板に衝突して凝縮可能に設けるとともに、圧縮空気を通気孔から衝突板側へ噴出して断熱膨張可能に設け、かつ圧縮空気を通気板と衝突板に複数回衝突可能に設けた圧縮空気の凝縮装置において、隣接する通気板の通気孔を互いに位相をずらせて配置し、通気孔から噴出した圧縮空気を隣接する通気板に確実に衝突させ、効率良い凝縮効果と液化作用を得られるようにしている。
【0012】
請求項2の発明は、多数の通気孔を通気板と同心円状に配置し、その最外郭位置の通気孔を凝縮ユニットの内周壁に沿って配置し、通気板を通過して生成され凝縮ユニット内の底部に流下した凝縮水を、凝縮ユニットの下流側に確実に排出させるようにしている。
請求項3の発明は、前記最外郭位置の通気孔から排出した凝縮水を凝縮ユニットの内面に沿って底部に排出可能に設け、凝縮水を合理的に排出するようにしている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明は、隣接する通気板の通気孔を互いに位相をずらせて配置したから、通気孔から噴出した圧縮空気を隣接する通気板に確実に衝突させることができ、効率良い凝縮効果と液化作用を得ることができる。
【0017】
請求項2の発明は、多数の通気孔を通気板と同心円状に配置し、その最外郭位置の通気孔を凝縮ユニットの内周壁に沿って配置したから、通気板を通過して生成され凝縮ユニット内の底部に流下した凝縮水を、凝縮ユニットの下流側に確実に排出させることができる
請求項3の発明は、前記最外郭位置の通気孔から排出した凝縮水を凝縮ユニットの内面に沿って底部に排出可能に設けたから、凝縮水を合理的に排出させることができる
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態における凝縮管の設置状況を示す説明図で、エアーコンプレッサ収容室内の冷凍式エアードライヤと、その下流のエアードライヤユニットとの間に凝縮管を配置している。
図2図1の凝縮管の設置状況を拡大して示す正面図である。
図3図2のA-A線に沿う拡大断面図である。
図4】本発明に適用した凝縮ユニットを拡大して示す断面図である。同図のX-X線は、凝縮管の最下流側の凝縮ユニットの改変用切断線である。
図5図4のB-B線に沿う断面図である。
【0022】
図6図4のC-C線に沿う断面図である。
図7図4のD-D線に沿う断面図である。
図8図4のE-E線に沿う断面図である。
図9図2のF-F線に沿う拡大断面図で、凝縮管の最下流側の凝縮ユニットの改変状況を示している。
図10】本発明に適用した冷凍式エアードライヤを示す説明図である。
図11図2のG-G線に沿う拡大断面図である。
【0023】
図12】本発明に適用したエアードライヤユニットの凝結器を示す正面図である。
図13図12のH-H線に沿う拡大断面図である。
図14図12のI-I線に沿う拡大断面図である。
図15図13のJ-J線に沿う断面図である。
図16図15のK-K線に沿う拡大断面図である。
【0024】
図17】本発明の第2の実施形態の要部を示す断面図である。
図18図17のL-L線に沿う拡大断面図で、第2通気板の通気孔と通気板の通気孔との配置(位相)状況を示している。
図19】本発明の第3の実施形態の要部を示す断面図である。
図20】本発明の第4の実施形態の要部を示す断面図で、若干傾斜して配置した凝縮管の最下流側の改変した凝縮ユニットと、エアードライヤユニットの凝結器との接続状況を拡大して示している。
図21図20の○部を拡大して示す断面図である。
【0025】
図22】本発明の第5の実施形態を示す斜視図で、複数の凝縮管を筒状容器の外周面に沿って垂直に配置して空冷している。
図23図22の平面図で拡大して示している。
図24図22のM-M線に沿う拡大断面図である。
図25】本発明の第6の実施形態を示す斜視図で、複数の凝縮管を筒状容器の内側に垂直に配置し、筒状容器に収容した冷却水に浸漬して水冷している。
図26図22のN-N線に沿う拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を圧縮空気の供給導管に冷凍式エアードライヤを介挿した第1の実施形態について説明すると、図1乃至図16において1は工場の敷地に設けたエアーコンプレッサ収容室で、このコンプレッサ収容室1内にエアーコンプレッサ2と、生成した高温高圧の圧縮空気を貯留する円筒状のエアータンク3が上下位置に離間して配置され、それらを空気導管4によって接続している。図中、5はエアータンク3の直下に設置したエアータンク3の支持フレームである。
【0027】
前記エアーコンプレッサ収容室1は、薄厚の鋼板またはアルミニウム板によって横長の筐体に形成され、その背面または前面に開閉パネル(図示略)をビス等で着脱可能に取付け、内部に収容したエアーコンプレッサ2とエアータンク3、および後述する冷凍式エアードライヤとエアードライヤユニット、該ユニットの凝結器とエアードライヤ等のメンテナンスを実行可能にしている。
【0028】
前記エアータンク3の一側に圧縮空気を送出する空気導管6が接続され、その他側に圧縮空気を冷却し除湿ないし乾燥可能な冷凍式エアードライヤ7が接続され、該冷凍式エアードライヤ7の送出側に凝縮管8の上流側端部が接続されている。
前記凝縮管8は後述する凝縮ユニットを複数連結して構成され、その下流側端部にエアードライヤユニット9が接続されている。
実施形態の凝縮管8は、6個の凝縮ユニット10を連結して所定長さに形成しているが、設置環境や設置スペースに対応して可及的に多数の凝縮ユニット10を連結し、圧縮空気の凝縮効果を上げて除湿し水分を能率良く除去することが望ましい。
【0029】
前記凝縮ユニット10は図3および図4のように、上流側の一端に雌ネジ部12を形成した入口管11を突設し、その他端の下流側に雄ネジ部13を周面に形成した出口管14を内側に配置し、該出口管14の内側端部を、凝縮ユニット10内の上流側端面から離間して配置している。
前記入口管11を隣接する上流側の凝縮ユニット10の下流側端部に配置し、その雌ネジ部12を当該位置の出口管14の雄ネジ部13にねじ込み、相隣接する凝縮ユニット10,10を連結している。
【0030】
前記凝縮ユニット10は、合成樹脂またはアルミダイカスト、若しくは各構成部をステンレス鋼板で折り曲げ加工し、それらを溶接して中空円筒状に成形され、その下流側の出口管14の外側に環状孔15を開口し、該孔15の外周を肉厚の係合壁16で区画して、隣接する凝縮ユニット10,10の端部を強固かつ密接して連結可能にしている。
前記係合壁16の端面は出口管14の端面と同一面上に配置され、また前記環状孔15の内面は円錐状の仕切壁17で区画され、その奥部の狭小部を出口管14の上流側端部に連結している。
【0031】
前記凝縮ユニット10内に、仕切壁17と出口管14との略円錐台形状の区画スペースが形成され、該区画スペースの外側に異形の空気移動室18を形成している。
前記空気移動室18は、内部に前記区画スペースが占有していて、凝縮ユニット10の周壁と区画スペースとの間に、環状の空気移動スペースが形成されている。前記空気移動スペースの環状幅は、下流側に向かって漸減し、その下流側端部に狭隘な空気圧縮室19が形成され、導入した圧縮空気を狭隘部に押し込んで圧縮し、これを上流側に押し出して空気移動室18へ押し戻し、後述する衝突板に衝突可能にしている。
【0032】
一方、凝縮ユニット10内の上流側端面の離間位置に、合成樹脂またはアルミダイカスト製の薄厚の通気板20が配置され、該通気板20の外周は凝縮ユニット10の周壁10aに密着して固定され、該通気板20の下流側の離間位置に合成樹脂またはアルミダイカスト製の円板状の衝突板21が配置されている。
図中、22は通気板20と衝突板21との間に介在した支持脚、23は凝縮ユニット10の周壁10aと衝突板21の間に形成した環状通路、24は凝縮ユニット10の上流側端面と通気板20との間に形成した衝突室である。
【0033】
前記通気板20にドレン排出孔を兼ねる多数の小孔である通気孔25が形成され、該通気孔25から圧縮空気を空気移動室18へ噴出可能にしている。実施形態の場合、通気孔25は直径2mmに形成されている。この場合、通気板20の板厚と通気孔25の大きさ、並びにその数量を加減調整して、通気孔25における圧力損失、噴出速度、凝縮効率を調整可能にしている。
【0034】
したがって、入口管11から凝縮ユニット10内に導入された圧縮空気は、衝突室24を経て通気板20に衝突し、その一部が凝縮されて液化され、更に通気孔25から噴出して断熱膨張後、衝突板21の一側面に衝突して凝縮され、一部が液化された後、衝突板21に沿って周壁10a側へ移動し、狭小な環状通路23から空気移動室18へ噴出して断熱膨張し、一部を凝縮かつ冷却して液化するようにしている。
【0035】
この後、圧縮空気は環状通路21から空気移動室18へ流入し、該室18の外周に沿って下流側へ移動し、先端の狭隘な空気圧縮室19に押し込まれて圧縮され、凝縮されて一部を液化後、テーパ状の仕切壁17の外側面に沿って空気移動室18へ押し戻されるようにされている。
空気移動室18へ押し戻された圧縮空気は、衝突板21の他側面に衝突して凝縮し、その一部を液化するとともに、衝突後に出口管14内に導かれて、隣接する下流側の凝縮ユニット10へ移動可能にされている。
【0036】
図中、26は凝縮ユニット10内の底面に形成したドレン排出孔で、該排出孔にオートまたは簡易なドレントラップ27を取付け、凝縮ユニット10内の底部に滞留したドレン28を排出可能にしている。
この場合、ドレン排出孔26はドレン28の発生量に応じて、例えば各凝縮ユニット10に、または一つ若しくは二つ置きの凝縮ユニット10に形成しても良い。
【0037】
前記冷凍式エアードライヤ7は、実施形態では市販のものを使用し、これは筐体29の内部に空気導管6を配管し、該空気導管6の中流域に冷却室30を配置し、該冷却室30に連通管31を配管し、該連通管31の下流側端部に凝縮管8の上流側端部を接続している。
前記筐体29内に冷凍回路の冷媒導管32が配管され、該冷媒導管32に冷媒圧縮機33と、コンデンサ34と膨張弁35と蒸発器36が介挿され、該蒸発器36を前記冷却室30内に配置し、冷却室30で冷却した圧縮空気を、連通管31を介して筐体29の外側の後述する凝結器とエアードライヤへ導入可能にしている。
【0038】
図中、37は冷却室30内の片側の底部に滞留したドレンで、該ドレン37にセンサ(図示略)を付設したドレン排出管38の下端部が没入して配置され、前記ドレン37をドレン排出管38の上部に配置した排出弁39を介して、外部へ排出可能にしている。
【0039】
前述したエアードライヤユニット9は凝結器41とエアードライヤ42を備え、これらを中継管43を介して近接配置し、このうち凝結器41をエアードライヤ42よりも上流側に配置している。
前記凝結器41とエアードライヤ42は、略同径の円筒体で構成され、それらの処理能力ないし空気流量は4000l/mimで、従来の約13~14倍に構成され、それらの直下にオートまたは簡易なドレントラップ44,45を接続し、そのドレンをドレンチューブ46,47を介して室外へ排出可能にしている。
【0040】
実施形態の凝結器41は、外径90mm(従来の1.2倍)、長さ約430mm(従来
の2.3倍)の中空円筒体で構成され、その下半部は中空に構成されていて、後述するインレットから筒状容器内への圧縮空気の導入と、該筒状容器から凝結シリンダへの圧縮空気の導入と衝突の円滑化を図っている。
【0041】
前記凝結器41は、アルミニウム管若しくはステンレス鋼管または合成樹脂管製の筒状容器48と、その上端部に着脱可能に取付けたアルミダイカストまたは合成樹脂製のヘッドカバー49と、該ヘッドカバー49に上端部を連結し、かつ筒状容器48の内側に配置した中空筒状のアルミニウム管若しくはステンレス鋼管または合成樹脂管製の凝結シリンダ50と、から構成されている。
【0042】
前記筒状容器48は、外径90mm、長さ430mmの円管状に構成され、その上端部にネジ部が形成され、このネジ部に、ヘッドカバー49の下端部内面に形成したネジ部51がねじ込まれている。
前記筒状容器48の下端部は漏斗状に形成され、その中央の通孔52にアルミニウム管若しくはステンレス鋼管または合成樹脂管製のネジパイプ53が接続され、該ネジパイプ53を介して、筒状容器48の底部に流下したドレンを前記ドレントラップ44へ移動可能にしている。
【0043】
前記ヘッドカバー49の周面の対向位置に、インレット54とアウトレット55が設けられ、インレット54の端部のネジ孔56に、凝縮ユニット10の出口管14の雄ネジ部13をねじ込み、アウトレット55の端部のネジ孔57に中継管43の雄ネジ部58をねじ込んでいる。
実施形態では製作の便宜上、凝縮管8の最下流位置の凝縮ユニット10の下流側端部を、出口管14を残して図4のX-X線のカットライン(切断線)に沿って切断し、切り残した出口管14の雄ネジ部13をインレット54のネジ孔56にねじ込んでいる。
【0044】
前記インレット54とアウトレット55は仕切壁59で区画され、インレット54の奥部に筒状容器48に連通する通路60が形成され、またアウトレット55の奥部にネジ孔61が形成されていて、該ネジ孔61に、凝結シリンダ50の上端部に突設した連結管62のネジ部63がねじ込まれている。
【0045】
前記凝結シリンダ50は筒状容器48の内径よりも小径の中空筒状に形成され、その長さは筒状容器48の略1/2に形成され、その下端部を筒状容器48の中間位置に配置し、凝結シリンダ50と筒状容器48との間に環状の通気路64を形成している。
そして、インレット54から導入した圧縮空気を通路60を介して通気路64へ導き、その下方から反転して凝結シリンダ50へ導入し、該シリンダ50内の上面に衝突して凝縮し、その一部を液化するとともに、凝結シリンダ50の上部から連結管62を経てアウトレット55へ移動し、該アウトレット55から中継管43へ移動可能にしている。
【0046】
前記エアードライヤ42は外観上、凝結器41と同様に構成され、このエアードライヤ42はアルミニウム管若しくはステンレス鋼管または合成樹脂管製の筒状容器65と、その上端部に着脱可能に取付けたアルミダイカストまたは合成樹脂製のヘッドカバー66と、該ヘッドカバー66に上端部を連結し、かつ筒状容器65の内側に配置した中空筒状のアルミニウム管若しくはステンレス鋼管または合成樹脂管製の除湿シリンダ67と、から構成されている。
【0047】
前記筒状容器65は、外径90mm(従来の1.2倍)、長さ430mm(従来の2.3倍)の円管状に構成され、その上端部周面にネジ部68が形成され、このネジ部68にヘッドカバー66の下端部内面に形成したネジ部69が螺着されている。
前記筒状容器65の下端部は漏斗状に形成され、その中央の通孔70にアルミニウム管若しくはステンレス鋼管または合成樹脂管製のネジパイプ71が接続され、該ネジパイプ71を介し、筒状容器65の底部に流下したドレンを前記ドレントラップ45へ移動可能にしている。
【0048】
前記ヘッドカバー66の周面の対向位置に、インレット72とアウトレット73が形成され、それらの端部のネジ孔74,75に前記中継管43の端部と、空気導管76のネジ部が接続され、該空気導管76の適宜位置に生産工場内のエアーツール77を接続している。
前記インレット72とアウトレット73は仕切壁78で区画され、インレット72の奥部に筒状容器67に連通する通路79が形成され、またアウトレット73の奥部にネジ孔80が形成されていて、該ネジ孔80に、除湿シリンダ67の上端部に突設した連結管81のネジ部82がねじ込まれている。
【0049】
前記除湿シリンダ67は筒状容器65の内径よりも小径の中空筒状に形成され、その長さは筒状容器65の略1/2に形成され、その下端部を筒状容器65の中間位置に配置し、除湿シリンダ67と筒状容器65との間に環状の通気路88を形成している。
そして、インレット72から導入した圧縮空気を通路79へ導き、その下方を移動し反転して除湿シリンダ67へ導入し、該除湿シリンダ67の上部から連結管83を経てアウトレット73へ移動し、アウトレット73から空気導管76へ移動可能にしている。
【0050】
前記除湿シリンダ67内の上端部に、連結シリンダ83を介して円板状の基板84が設けられ、該基板84の下面に6個の集気シリンダ85が等角度位置に突設されている。
前記集気シリンダ85の下端部に凹孔86が形成され、該凹孔86に小孔の通孔87の下端が開口され、該通孔87の上端が連結シリンダ83内を貫通して開口されていて、圧縮空気を通孔87から連結シリンダ83内に噴出して断熱膨張可能にし、かつその際、圧縮空気を冷却し一部を凝縮して液化可能にしている。図中、88は筒状容器65と除湿シリンダ67との間に形成した環状の通路である。
【0051】
このように構成した本発明の圧縮空気の凝縮装置は、工場の敷地にエアーコンプレッサ収容室1を設置し、その背面または前面に開閉パネル(図示略)をビス等で着脱可能に取付け、該収容室1内の一側にエアーコンプレッサ2と支持枠5を上下に離間して設置し、前記支持枠5にエアータンク3を収容して設置する。
【0052】
前記エアータンク3の一側に空気導管6の一端を接続し、その他端を冷凍式エアードライヤ7に接続する。冷凍式エアードライヤ7は市販のものを使用し、これをエアーコンプレッサ収容室1内に不動に設置し、その連通管31の送出側の端部を筐体29の内壁に配置し、これに凝縮管8の上流側端部をねじ込んで接続する。
【0053】
前記凝縮管8は凝縮ユニット10を複数接続して構成し、実施形態では6個の凝縮ユニット10を接続して構成している。
前記凝縮ユニット10は合成樹脂またはアルミダイカスト、若しくは各構成部をステンレス鋼板で折り曲げ加工し、それらを溶接して中空円筒状に成形し、その上流側の一端に雌ネジ部12を形成した入口管11を突設し、下流側の他端の周面に雄ネジ部13を形成した出口管14を配置する。
そして、出口管14の端部を凝縮ユニット10の端面と同一面上に配置し、その内側端部を凝縮ユニット10内の奥部の上流側端面から離間して配置する。
【0054】
各凝縮ユニット10は、内部の上流側端面から衝突室24を介在して、合成樹脂またはアルミダイカスト製の薄厚の通気板20を配置し、該通気板20の外周を凝縮ユニット10の周壁10aに密着して固定する。
前記通気板20の下流側の離間位置に、複数の支持脚22を介して合成樹脂またはアルミダイカスト製の円板状の衝突板21を配置し、該衝突板21の外周と凝縮ユニット10の周壁10aとの間に環状通路23を形成し、該環状通路23から空気移動室18へ圧縮空気を噴出可能にする。
【0055】
前記通気板20にドレン排出孔を兼ねる多数の小孔である通気孔25を、例えばプレス成形し、該通気孔25から圧縮空気を空気移動室18へ噴出可能にする。実施形態の場合、通気孔25を直径2mmに形成し、該通気孔25から圧縮空気を空気移動室18へ噴出可能にし、圧縮空気を断熱膨張可能にする。また、各凝縮ユニット10または一つ置きの凝縮ユニット10の下部周面にドレン排出孔26を形成し、該排出孔26にドレントラップ27を取付ける。
【0056】
この場合、通気板20は板体で構成され、これに通気孔25をプレス成形しているから、従来のように異形の成形部材に複数の通孔を孔明加工する場合に比べて、製作が容易で多数の通気孔25を均一かつ速やかに製作できる。
しかも、通気板20は周壁10aに例えば接着する等して容易に固定でき、また通気板20に支持脚22を介して衝突板21をビス止め等で容易に取付けられるから、通気板20と衝突板21の取付けを簡便に行える。
【0057】
なお、凝縮管8は冷凍式エアードライヤ7を介して、圧縮空気を直接内部に導入しているから、凝縮管8の外側に他の導入管や誘導通路を配置し、それらを介在して圧縮空気を導入する従来の構造に比べて、部品点数を低減し容易かつ安価に製作できるとともに、凝縮管8の小径化と軽量化を図れ、そのコンパクト化を実現し得る。
【0058】
したがって、入口管11から凝縮ユニット10内に導入された圧縮空気は、空隙部24を経て通気板20に衝突し、その一部が凝縮されて液化され、更に通気孔25から噴出して断熱膨張された後、衝突板21の一側面に衝突して凝縮され、一部が液化された後、衝突板21に沿って周壁10a側へ移動し、狭小な環状通路23から空気移動室18へ噴出して断熱膨張し、一部を凝縮かつ冷却して液化される。
【0059】
このように凝縮ユニット10内に導入された圧縮空気は、通気板20に衝突して凝縮され、通気孔25から噴出して断熱膨張され、その直後に衝突板21に衝突して凝縮され、この後、環状通路23から空気移動室18へ噴出して断熱膨張され、凝縮作用と断熱膨張作用を繰り返し受けて、効率良く集中的に液化され除湿される。
【0060】
こうして製作した複数の凝縮ユニット10を接続する場合は、凝縮ユニット10の入口管11内の雌ネジ部12に、隣接する上流側の凝縮ユニット10の出口管14の雄ネジ部13をねじ込み、出口管14の雄ネジ部13に、隣接する下流側の凝縮ユニット10の入口管11内の雌ネジ部12をねじ込んで接続する。
【0061】
また、最下流側の凝縮ユニット10は、その下流側の端部を出口管14を残して、周囲の係合壁16の周辺を図4のX-X線に沿って切断し、凝縮ユニット10の端部に出口管14を突設して製作する。
そして、前記突設した出口管14の雄ネジ部13を、この後の凝縮管8の配管の際、凝結器41のヘッドカバー49のインレット54のネジ孔56にねじ込む。
【0062】
こうして接続した凝縮管8は図2,3のようで、各凝縮ユニット10が軸方向に配置され、各係合壁16の端面が隣接する下流側の外端面に係合し、出口管14の雄ネジ部13に、隣接する下流側の入口管11の雌ネジ部12が緊密に接続される。
【0063】
この後、凝縮管8を冷凍式エアードライヤ7と、エアードライヤユニット40の凝結器41との間に配管する。
その場合、凝縮管8の一端、つまり最上流側の凝縮ユニット10の入口管11内の雌ネジ部12を、冷凍式エアードライヤ7の連通管31の送出側端部の雄ネジ部(図示略)にねじ込んで接続し、凝縮管8の他端、つまり前記改変した最下流側の凝縮ユニット10の出口管14の雄ネジ部13を、エアードライヤユニット40の凝結器41のヘッドカバー49のネジ孔56にねじ込んで接続する。この状況は図2,9のようである。
【0064】
そして、凝結器41のアウトレット55のネジ孔57に中継管43の一端の雄ネジ部58をねじ込み、中継管43の他端の雄ネジ部をエアードライヤ42のヘッドカバー66のネジ孔74にねじ込み、凝結器41にエアードライヤ42を接続する。
次に、エアードライヤ42のアウトレット73のネジ孔75に空気導管76のネジ部をねじ込み、該空気導管76の他端を工場内に配管し、その複数の適宜位置に支流導管(図示略)を接続し、各支流導管に各種のエアーツール77を接続する。
【0065】
こうして組み立てた圧縮空気の凝縮装置に、エアータンク3内の高温高圧(約50~80℃、0.1~1.5MPa)の圧縮空気を、空気導管5を介して冷凍式エアードライヤ7に送り込むと、前記圧縮空気は筐体29内の冷却室30へ移動して冷却され、圧縮空気中の水蒸気が凝結し、そのドレン37が冷却室30の一側の底部に収容され、除湿後の冷却空気が連通管31に送り出されて、筐体29の外部の凝縮管8へ移動し、最上流側の凝縮ユニット10に導入される。
【0066】
前記入口管11に導入された圧縮空気は、衝突室24を移動して通気板20に衝突し、一部が凝縮して液化されるとともに、多数の通気孔25から衝突板21側へ噴出して断熱膨張し、冷却されて一部が液化される。
その際、通気板20に衝突して凝縮し液化した凝縮水、すなわちドレンは、通気板20の下部の通気孔25から流出して通気板20の他側へ移動し、その滞留を回避されて凝縮ユニット10内の底部へ移動し、その回収を促される。
【0067】
こうして、通気孔25から噴出した圧縮空気は衝突板21に衝突し、一部が凝縮されて液化された後、衝突板21に沿って周壁10a側へ移動し、狭小な環状通路23から空気移動室18へ噴出して断熱膨張し、冷却されて一部が液化される。
【0068】
このように入口管11から凝縮ユニット10内に導入された圧縮空気は、衝突室24を経て通気板20に衝突し、その一部が凝縮されて液化され、更に通気孔25から衝突板21側へ噴出して断熱膨張し、冷却されて一部が液化された後、衝突板21の一側面に衝突して凝縮され、一部が液化された後、衝突板21に沿って周壁10a側へ移動し、狭小な環状通路23から空気移動室18へ噴出して断熱膨張し、冷却されて一部が冷却されて液化する。
したがって、前記圧縮空気は、凝縮作用と断熱膨張作用を繰り返し受けて、効率良くかつ集中的に液化されて除湿される。
【0069】
こうして液化されたドレン27は凝縮ユニット10の底部に流下し、このうち衝突室24内のドレン27は通気板20の下部の通気孔25から衝突板21側へ移動し、他のドレン27と一緒に凝縮ユニット10の底部に沿って移動し、排水孔26からドレンラップ27に収容される。
【0070】
一方、環状通路23から空気移動室18へ噴出した圧縮空気は、該移動室18の外周に沿って下流側へ移動し、先端の狭隘な空気圧縮室19に押し込まれて圧縮され、凝縮されて一部を液化され、このドレン27がテーパ状の仕切壁17の外側面に沿って下動し、凝縮ユニット10の底部に流下する。
【0071】
また、空気圧縮室19に押し込まれて圧縮された圧縮空気は、テーパ状の仕切壁17の外側面に沿って空気移動室18の上流側へ移動し、衝突板21の他側面に衝突して凝縮され、その一部が液化されて出口管14内に導かれ、隣接する下流側の凝縮ユニット10へ移動する。
その際、前記液化されたドレン27は、衝突板21の他側面に沿って凝縮ユニット10の底部に流下し、他のドレン27と一緒に凝縮ユニット10の底部に沿って移動し、排水孔26からドレンラップ27に収容される。
【0072】
こうして隣接する下流側の凝縮ユニット10へ移動した圧縮空気は、前述と同様に衝突室24を移動して通気板20に衝突し、一部が凝縮して液化されるとともに、多数の通気孔25から衝突板21側へ噴出して断熱膨張し、冷却されて一部が液化される。
そして、通気孔25から噴出した圧縮空気は直後に衝突板21に衝突し、一部が凝縮されて液化された後、衝突板21に沿って周壁10a側へ移動し、狭小な環状通路23から空気移動室18へ噴出して断熱膨張し、冷却されて一部が液化される。
【0073】
このように圧縮空気は隣接する下流側の凝縮ユニット10においても、各所で凝縮作用と断熱膨張作用を繰り返し受けて、効率良くかつ集中的に液化されて除湿される。
そして、液化されたドレン28は凝縮ユニット10の底部に流下し、このうち衝突室24内のドレン28は、通気板20の下部の通気孔25から衝突板21側へ移動し、他のドレン28と一緒に凝縮ユニット10の底部に沿って移動し、排水孔26からドレンラップ27に収容される。
【0074】
一方、環状通路23から空気移動室18へ噴出した圧縮空気は、前述と同様に移動室18の外周に沿って下流側へ移動し、先端の狭隘な空気圧縮室19に押し込まれて圧縮され、凝縮されて一部を液化され、このドレン28がテーパ状の仕切壁17の外側面に沿って移動し、凝縮ユニット10の底部に流下する。
【0075】
また、空気圧縮室19に押し込まれて圧縮された圧縮空気は、テーパ状の仕切壁17の外側面に沿って空気移動室18の上流側へ移動し、衝突板21の他側面に衝突して凝縮され、その一部が液化されて出口管14内に導かれ、隣接する下流側の凝縮ユニット10へ移動する。
その際、前記液化されたドレン28は、衝突板21の他側面に沿って凝縮ユニット10の底部に流下し、他のドレン28と一緒に凝縮ユニット10の底部に沿って移動し、排水孔26からドレンラップ27に収容される。
【0076】
このように、圧縮空気は各凝縮ユニット10において、凝縮作用と断熱膨張作用を繰り返し受けて、効率良くかつ集中的に液化されて除湿される。
したがって、凝縮管8は従来のエアードライヤと同等の凝縮ないし除湿効果を奏するから、新たなエアードライヤとして機能する。
【0077】
その際、凝縮して液化し、または冷却されて発生したドレン28は、凝縮ユニット10内の下部に流下して滞留し、ドレントラップ27に回収されて排出される。
また、ドレントラップ27が存在しない凝縮ユニット10では、上流側の凝縮ユニット10で発生したドレン28が圧縮空気に交じって内部を移動し、隣接の下流側の凝縮ユニット10へ移動して、該凝縮ユニット10で発生したドレン26と一緒に下部に流下して滞留し、ドレントラップ25に回収されて排出される。
こうして、複数の凝縮ユニット10内を移動した圧縮空気は、圧縮空気中の水分を確実かつ充分に取り除かれ、精密に除湿される。
【0078】
しかも、凝縮管8の下流部の最下流位置の凝縮ユニット10には、ドレントラップ27が必ず取付けられているから、凝縮管8内における水分が完全に除去されて回収され、除湿した圧縮空気をエアードライヤユニト40へ送り出す。
したがって、凝縮ユニット10ないし凝縮管8は、上流側の冷凍式エアードライヤ7による除湿作用を補完し、圧縮空気中の水分の除去を増進し、除湿効果を高める。このため、冷凍式エアードライヤ7の冷凍負荷が軽減され、その分消費電力が低減される。
【0079】
こうして凝縮管8を移動した圧縮空気は、エアードライヤユニット40の上流側の凝結器41へ送り込まれ、そのインレット54の奥部の通路60から筒状容器48内に流入し、該筒状容器48と凝結シリンダ50との間の環状の通路64を下方へ移動する。
そして、筒状容器48の下方から反転して上動し、凝結シリンダ50内に導入されて、その上面に勢い良く衝突して凝縮され、一部が液化してドレン28を生成する。
前記ドレン28は、凝結シリンダ50と筒状容器48の各内面に沿って流下し、通孔52から落下してドレントラップ44に滞留し、その溢流がドレンチューブ46に導かれて外部に排出される。
【0080】
前記凝結器41で水分を能率良く除去された圧縮空気は、中継管43に送り出されて隣接する下流のエアードライヤ42へ移動し、そのインレット72の奥部の通路79から筒状容器65内に流入し、該筒状容器65と除湿シリンダ67との間の環状の通路88を下方へ移動する。
【0081】
前記圧縮空気は筒状容器65の下方から反転して除湿シリンダ67内に導かれ、その上端部の集気シリンダ83の凹孔86へ移動し、該凹孔86に開口した通孔87から連結シリンダ83内に勢い良く噴出する。
その際、圧縮空気は断熱膨張して冷却され、かつ凝縮して一部が液化し、その液滴が集気シリンダ85および除湿シリンダ67に沿って落下し、ドレントラップ45に収容される。
【0082】
前記エアードライヤ42で除湿され冷却された圧縮空気は、連結管81を経てアウトレット73へ移動し、該アウトレット73から空気導管76へ移動して、その下流側の工場内のそれぞれのエアーツール77に供給される。
したがって、エアータンク3から供給された高温高圧の圧縮空気は、冷凍式エアードライヤ7で冷却かつ除湿され、凝縮管8の各凝縮ユニット10で凝縮作用と断熱膨張作用を繰り返し受けて冷却かつ除湿され、更にエアードライヤユニット40の凝結器41とエアードライヤ42によって、除湿および冷却されて水分を除去され、エアーツール77へ供給されるから、エアーツール77における機能低下や故障の発生を強力に防止し得る。
【0083】
一方、本発明はエアーコンプレッサ収容室1内に、エアーコンプレッサ2とエアータンク3、圧縮空気導管5、冷凍式エアードライヤ7、凝縮管8、エアードライヤユニット42を収容して、これらを外部環境から保護し、それらの良好な作動を維持し寿命の向上を図る。
しかも、エアードライヤユニット40の凝結器41とエアードライヤ42を近接配置して、エアーコンプレッサ収容室1の小形化を図れる。
【0084】
図17乃至図26は本発明の他の実施形態を示し、前述の実施形態の構成と対応する部分に同一の符号を付している。
このうち、図17および図18は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態は通気板20と衝突板21との間に第2通気板89を配置し、その外周部を周壁10aに密着して固定している。
前記第2通気板89は通気板20と同様に、通気孔25と同径の多数の通気孔90を形成しており、その固定位置を通気板20の位置よりもθ、位相をずらせて配置している。 したがって、各通気孔90は通気孔25,25の中間に位置し、圧縮空気が衝突板21に確実に衝突して凝縮し一部が液化される。
【0085】
このため、圧縮空気は最初通気板20に衝突し、次に第2通気板89に衝突し、更に衝突板21に衝突して液化するとともに、通気板20,第2通気板89の通気孔25,90から噴出して断熱膨張し液化して、精密に除湿される。
その際、通気板20、第2通気板89に衝突して凝縮し液化した凝縮水と、通気孔25,90から噴出して断熱膨張し液化した凝縮水、すなわちドレンは、通気板20,第2通気板89の下部の通気孔25,90から衝突板21側へ流出し、凝縮ユニット10の底部の滞留を回避されて、その回収を促される。
【0086】
図19は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は通気板20と衝突板21との間に第2通気板89と第3通気板91を互いに離間して配置し、それらの外周部を周壁10aに密着して固定している。
前記第3通気板91は通気板20と同様に、通気孔25と同径の多数の通気孔(図示略)を形成し、その固定位置を第2通気板89の位置よりもθ、位置をずらせて配置し、したがって通気孔(図示略)は通気板20と同相位置に配置して、衝突板21に確実に衝突し凝縮して一部が液化するようにされている。
このため、圧縮空気は通気板20、第2通気板89、第3通気板91の順に衝突し、最後に衝突板21に衝突して液化し、精密に除湿するようにしている。
【0087】
図20および図21は本発明の第4の実施形態を示し、この実施形態は冷凍式エアードライヤ7と、凝結器41のヘッドカバー49との間に、凝縮管8を下流側に斜め下向きに緩やかに配管し、各凝縮ユニット10の下部の係合壁16と、該係合壁16に係合する隣接の下流側の凝縮ユニット10の端面に、通水孔92,93を形成して連通している。
【0088】
このようにすると、各凝縮ユニット10で発生したドレン28は、凝縮ユニット10の下部底面に流下し、通水孔92,93を介して隣接する下流側の凝縮ユニット10下部底面に流入し、最下流側の凝縮ユニット10内に滞留したドレン28と一緒に、ドレントラップ27に回収されて排出される。
【0089】
すなわち、この実施形態は、前述の実施形態のように凝縮管8に複数のドレントラップ27を設け、凝縮ユニット10内における圧縮空気とドレン28の混入と残留、およびそれらによる圧縮空気の移動速度の低下と凝縮作用の低下を防止するとともに、部品点数を低減し構造を簡潔化し、またドレン28の排水構造と回収を簡潔にしてドレン28を確実に排出するようにしている。
【0090】
図22乃至図24は本発明の第5の実施形態を示し、この実施形態は中空有底の筒状容器94の外周面に同長の複数の凝縮管8を垂直方向に配置し、隣接する上下一対の端面に連通管95を接続して、凝縮管8の長尺化と配管スペースのコンパクト化を図るようにしている。
このようにすることで、例えばエアードライヤユニット40とエアーツール77を接続する空気導管76の配管スペースをコンパクト化し、また空気導管76の保護を図れる。
【0091】
したがって、凝縮管8が前述のように従来のエアードライヤと同等の作用効果を奏することから、前記構成によって長尺のエアードライヤを構成することができ、その凝縮ないし除湿作用を倍増し得る。
また、前記凝縮管8をエアーコンプレッサ収容室1内から外部に配置し、凝縮管8の周面を空冷することによって、凝縮ユニット10内の圧縮空気を冷却し、その分凝縮ないし除湿負荷を軽減し得る。
【0092】
この場合、凝縮ユニット10で発生したドレンの一部は、重力または圧縮空気によって出口管14を流下し直下の凝縮ユニット10へ移動し、最下位置の凝縮ユニット10に流下して、該凝縮ユニット10に設けたドレントラップ(図示略)から排出される。
したがって、最下位置の凝縮ユニット10以外にドレントラップの取付けを要せず、その分部品点数の低減を図れる。
【0093】
図25および至図26は本発明の第6の実施形態を示し、この実施形態は筒状容器94の内面に複数の凝縮管8を垂直方向に配置し、隣接する上下一対の端面に連通管95を接続して、凝縮管8の長尺化と配管スペースのコンパクト化を増進するようにしている。
また、筒状容器94内に冷却水96を収容して凝縮管8を浸漬し、凝縮ユニット10内の圧縮空気を冷却して除湿を促すようにしている。
このようにすることで、第5の実施形態と同様に凝縮ユニット10内の圧縮空気を冷却し、その分凝縮ないし除湿負荷を軽減するようにしている。図中、97は筒状容器94の上端部に被着した蓋体である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の圧縮空気の凝縮装置は、複数の凝縮ユニットを連結して凝縮管を構成し、該凝縮管によって従来のエアードライヤに比べ、構成を簡潔化し部品点数を低減して小形軽量化と製作の容易化並びに低廉化を図れるとともに、精密な凝縮効果と断熱膨張効果によって卓越した除湿能力を得られ、また凝縮ユニットの連結数を加減することによって、使用環境や使用条件に応じた最適の凝縮ないし除湿能力を容易かつ自由に得られ、更に凝縮管内のドレンの回収を合理的かつ容易に行なえる新規なエアードライヤを提案し得るようにしている。
【符号の説明】
【0095】
8 凝縮管
10 凝縮ユニット
11 入口管
12 雌ネジ部
13 雄ネジ部
14 出口管
17 仕切壁
18 空気移動室
【0096】
19 空気圧縮室
20 通気板
21 衝突板
23 狭小通路
25 通気孔
27 ドレントラップ
28 ドレン
【0097】
41 凝結器
42 エアードライヤー
89 第2通気板
90 通気孔
91 第3通気板
92,93 通水孔
94 筒状容器
96 冷却水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26