(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】成形食品、食品素材結着剤、食品素材結着剤用こんにゃく粉、および食品素材結着剤用こんにゃく粉の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 29/244 20160101AFI20221222BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20221222BHJP
A23L 29/20 20160101ALI20221222BHJP
A21D 13/00 20170101ALN20221222BHJP
【FI】
A23L29/244
A23L19/00 102Z
A23L29/20
A21D13/00
(21)【出願番号】P 2022013534
(22)【出願日】2022-01-31
【審査請求日】2022-05-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000118615
【氏名又は名称】伊那食品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻原 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 芙季
(72)【発明者】
【氏名】倉内 達弘
(72)【発明者】
【氏名】根橋 怜美
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-072304(JP,A)
【文献】特開2003-204772(JP,A)
【文献】特開2005-176800(JP,A)
【文献】特開平02-119763(JP,A)
【文献】特開2005-040039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 29/244
A23L 19/00
A23L 29/20
A21D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
こんにゃく粉が水に分散した分散液からなる食品素材結着剤の原料として用いられる食品素材結着剤用こんにゃく粉であって、
前記こんにゃく粉は、該こんにゃく粉を水に分散させた分散液を加熱するとゲルを形成するように
pH11以上のアルカリ条件になるように曝露された改質こんにゃく粉であり、
前記改質こんにゃく粉を2質量パーセント濃度で水に分散させた分散液を85℃で1時間加熱して形成させたゲルを、10℃で24時間冷却して製造した試料ゲルが、以下の特性(1)を有すること
を特徴とする食品素材結着剤用こんにゃく粉。
(1) 直径70mm、高さ80mmの円柱状の前記試料ゲルに対して、テクスチャーアナライザを用いて、直径2cmの円柱状プランジャを20mm/分の速さで軸方向に進入させて前記試料ゲルが破断したときの応力が30g/cm
2~1000g/cm
2の範囲である。
【請求項2】
請求項1記載の食品素材結着剤用こんにゃく粉が水に分散した分散液からなる食品素材結着剤。
【請求項3】
請求項
2記載の食品素材結着剤によって結着された食品素材が成形されてなる成形食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形食品、食品素材結着剤、食品素材結着剤用こんにゃく粉、および食品素材結着剤用こんにゃく粉の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末、小粒、小片、小塊、フレーク、ペレット等の様々な形態の食品素材同士を結着させるための食品素材結着剤が知られている。食品素材結着剤は、一例として、穀類、種実類、豆類、干し果物、これらの粉末等を結着させて成形してなるシリアルバー、グラノーラバー、プロテインバー等といった名称で知られるバー食品の製造や、挽肉、粒状大豆、おから、豆腐片等を結着させて成形してなるハンバーグ、つくねといった食品の製造等に用いられる。
【0003】
従来の食品素材結着剤としては、ゼラチン、澱粉、プルラン等が知られている。一例として、特許文献1(特開昭63-185341号公報)には、食品素材である穀類の表面をゼラチンおよび糖質の水溶液で被覆し、それを型に入れて成形するシリアルバーの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の食品素材結着剤の問題点として、特許文献1に例示されるゼラチン等では、結着力が不十分であり、結着対象によっては食品素材結着剤に加えて所定量の糖質を添加しないと食品素材同士を結着させられないという問題がある。また、それ自体の保形性が低く、食品素材の成形に型が必要になることがあるという問題もある。
【0006】
また、澱粉、プルラン等では、結着力を発揮させるためには、製品中の含水率を所定以下に設定しなければならない。したがって、含水率の高い瑞々しい成形食品を製造することが困難であるという問題がある。また、含水率を低くすると共に乾燥効率を上げるために糖質が添加されることがあり、その場合、製品の味が制限されるという問題もある。
【0007】
さらに、従来の食品素材結着剤は、原料粉末を溶解させる際に加熱が必要なものや、ゲル化しないように温度調整が必要なものがあり、作製に手間がかかって取扱性が悪いという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これに対して、本発明者は、こんにゃく粉が改質されて所定の特性を有する改質こんにゃく粉が食品素材結着剤の原料として好適に適用し得ることを見出して、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、原料を用いて簡易に作製可能で取扱性が良い食品素材結着剤であって、優れた成形性および保形性、ならびに十分な結着力を有し、食品素材が十分に結着されて且つ含水率の高い瑞々しい成形食品が製造できる食品素材結着剤および成形食品、ならびに、当該食品素材結着剤用のこんにゃく粉およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0011】
本発明に係る食品素材結着剤用こんにゃく粉は、こんにゃく粉が水に分散した分散液からなる食品素材結着剤の原料として用いられる食品素材結着剤用こんにゃく粉であって、前記こんにゃく粉は、該こんにゃく粉を水に分散させた分散液を加熱するとゲルを形成するようにpH11以上のアルカリ条件になるように曝露された改質こんにゃく粉であり、前記改質こんにゃく粉を2質量パーセント濃度で水に分散させた分散液を85℃で1時間加熱して形成させたゲルを、10℃で24時間冷却して製造した試料ゲルが、以下の特性(1)を有することを特徴とする。
【0012】
すなわち、特性(1)は、直径70mm、高さ80mmの円柱状の前記試料ゲルに対して、テクスチャーアナライザを用いて、直径2cmの円柱状プランジャを20mm/分の速さで軸方向に進入させて前記試料ゲルが破断したときの応力が30g/cm2~1000g/cm2の範囲となる特性である。
【0013】
また、本発明に係る食品素材結着剤用こんにゃく粉の製造方法は、こんにゃく粉を該こんにゃく粉の良溶媒と貧溶媒との混合溶媒に分散させた分散液をアルカリ性に調整すること、または、こんにゃく粉にアルカリ溶液を噴霧すること、によって前記こんにゃく粉をアルカリに曝露させることを特徴とする。このとき、前記こんにゃく粉をpH10.0以上のアルカリに曝露させることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る食品素材結着剤は、本発明に係る食品素材結着剤用こんにゃく粉が水に分散した分散液からなる。
【0015】
本発明に係る食品素材結着剤によれば、本発明に係る食品素材結着剤用こんにゃく粉を、温度調整を行っていない例えば室温の水に添加して攪拌するだけで水に分散して、手間がかからず作製することができ、取扱性が良い。また、食品素材結着剤を食品素材と混合するだけで、型を使用することなく当該食品素材を所望の形状に成形することができる。成形した食品素材は、結着対象である食品素材や製品である成形食品の種類に応じて煮沸したり焼成したりすることができ、成形を保つことができる。また、加熱することで熱不可逆性のゲルを形成し、含水率に関わらず食品素材同士を強固に結着させることができる。
【0016】
また、本発明に係る成形食品は、本発明に係る食品素材結着剤によって結着された食品素材が成形されてなる。本発明に係る成形食品は、含水率が20%以上の製品とすることができる。なお、本願でいう成形食品の「含水率」は、加熱乾燥式水分計を用いて加熱温度130℃で測定した水分率[%]とし、実施例においてもこの方法で含水率を測定した。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、原料を用いて簡易に作製可能で取扱性が良い食品素材結着剤であって、優れた成形性および保形性、ならびに十分な結着力を有する食品素材結着剤が実現できると共に、これを実現可能にする食品素材結着剤用こんにゃく粉を提供できる。また、食品素材が十分に結着されて且つ含水率の高い瑞々しい成形食品が製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本実施形態に係る食品素材結着剤は、本実施形態に係る食品素材結着剤用こんにゃく粉が水に分散した分散液であるこんにゃくゾルからなる。すなわち、本実施形態に係る食品素材結着剤は、本実施形態に係る食品素材結着剤用こんにゃく粉を、温度調整を行っていない例えば室温の水に添加して攪拌するだけで水に分散して、手間がかからず作製でき、食品素材結着剤として使用できる。したがって、取扱性に優れ、例えば、予め作り置きもし易く、作り置いたものをそのまま使用できて製品の連続生産にも適する。なお、ここでいう「こんにゃく粉が水に分散した分散液であるこんにゃくゾル」とは、詳しくは、こんにゃく粉の主成分であるグルコマンナンが水に分散したヒドロゾルをいい、粉末自体は水に溶解していて目視できなかったり、もしくはダマ(溶け残り)が確認できたりする状態である。
【0019】
本実施形態に係る食品素材結着剤の原料として用いられる本実施形態に係る食品素材結着剤用こんにゃく粉は、こんにゃく粉が改質されて所定の特性を有する改質こんにゃく粉である。すなわち、本実施形態に係る改質こんにゃく粉は、こんにゃく芋由来のグルコマンナンを主成分とする粉体としてのこんにゃく粉が後述の方法によりアルカリに曝露されることで改質されて製造される。
【0020】
その結果、本実施形態に係る改質こんにゃく粉は、これを水に分散させた分散液を加熱するだけでアルカリを添加することなくゲルを形成するように改質されている。当該改質こんにゃく粉は、こんにゃく粉が改質されて主成分であるグルコマンナンのアセチル基が一部脱離していることを特徴とする。改質されていない通常のこんにゃく粉は、吸水したグルコマンナンの膨潤体がアルカリ条件下で加熱されることで脱アセチル反応が起こり、露出した水酸基が水素結合することによってゲル化する。これに対して、改質こんにゃく粉は、吸水した膨潤体が緩やかな水素結合により相互作用することから、当該こんにゃくゾルに保形性が生じる。また、この水素結合は比較的緩やかな結合であることから、比較的容易に切断、再結合が可能である。そのため、当該こんにゃくゾルは結着対象を柔軟に成形可能な高い成形性も有する。さらに、加熱されると、グルコマンナン分子同士が接近して強固な水素結合を作ることで熱不可逆性のゲルを形成し、結着対象を強固に結着させることができる。
【0021】
このことから、本実施形態に係る改質こんにゃく粉が水に分散した分散液からなる本実施形態に係る食品素材結着剤は、優れた成形性および保形性、ならびに十分な結着力を有している。したがって、食品素材結着剤を食品素材と混合するだけで型を使用することなく当該食品素材を所望の形状に成形することができる。成形した食品素材は、結着対象である食品素材や製品である成形食品の種類に応じて煮沸したり焼成したりすることができ、成形を保つことができる。また、糖質等の添加物が添加されていなくても、加熱により強力な結着力を発揮して、食品素材同士を強固に結着させることができる。乾燥工程を設ける等の含水率を調整することなく強力な結着力を発揮して、食品素材同士を強固に結着させられるため、一例として、含水率が20%以上、より高くは30%以上もしくは40%以上の瑞々しい成形食品が製造できる。実施例によれば、含水率80%の結着性および食感共に優れたバー食品を製造できた。
【0022】
また、他の例として、本実施形態に係る食品素材結着剤によれば、高加水率の保形しにくい生地や、米粉や大豆粉のようなグルテンフリーの食品素材を原料とする結着しにくい生地に対しても、高い結着性、成形性および保形性を生じさせて、所望の形状に成形すると共に、焼成後もだれることなく高さのあるパン、パンケーキ、ケーキスポンジ等を製造することができる。
【0023】
ここで、上記のように、本実施形態に係る食品素材結着剤である改質こんにゃく粉を水に分散した分散液は、加熱されることで熱不可逆性の強固なゲルを形成する。このことから、本実施形態に係る改質こんにゃく粉は、以下の特性(1)で規定される。
【0024】
すなわち、特性(1)は、直径70mm、高さ80mmの円柱状の試料ゲルに対して、テクスチャーアナライザを用いて、直径2cmの円柱状プランジャを20mm/分の速さで軸方向に進入させて当該試料ゲルが破断したときの応力である「ゲル強度(ゲル破断強度)」が、30g/cm2~1000g/cm2の範囲となる特性である。
【0025】
ここでいう「試料ゲル」は、改質こんにゃく粉を2質量パーセント濃度で水に分散させた分散液を85℃で1時間加熱して形成させたゲルを、10℃で24時間冷却したものをいう。
【0026】
また、特性(1)に対して、同条件で測定されるゲル強度(ゲル破断強度)が、50g/cm2~1000g/cm2の範囲であるとより好適であり、50g/cm2~800g/cm2の範囲であるとより好適であり、100g/cm2~700g/cm2の範囲であるとより好適であり、250g/cm2~700g/cm2の範囲であるとより好適であり、250g/cm2~600g/cm2の範囲であるとさらに好適である。
【0027】
なお、本実施形態に係る食品素材結着剤の結着対象となる食品素材は特に限定されず、例えば、穀類、種実類、豆類、果物、野菜、魚介類、調味料、可食性インク等を含む。本実施形態に係る食品素材結着剤によれば、粉末、小粒、小片、小塊、フレーク、ペレット等のような比較的細かい形態の食品素材同士を結着して、これらが集合した一形態を形成させる。そのため、元々の大きさに関わらず、例えば細かい形態に加工されることであらゆる大きさの食品素材が結着対象になり得る。また、液状物あっても、例えばゲル状等に加工されることで結着対象になり得る。さらに、可食性インク等も、結着対象になり得る。すなわち、本実施形態に係る食品素材結着剤は、加熱により固化すると共に強力な結着力を発揮することから、例えば、フードプリンタ(3Dフードプリンタを含む)に使用するバインダとして適用できる。
【0028】
続いて、本実施形態に係る改質こんにゃく粉の製造方法について詳しく説明する。先ず、改質こんにゃく粉の原料としてのこんにゃく粉は、こんにゃく芋由来のグルコマンナンを主成分とする粉体である。したがって、この原料としてのこんにゃく粉には、こんにゃく芋が粉状に加工された粉体のうち、アルコール洗浄や精製により所定の不純物が除去されたり、グルコマンナンの純度が高められたりしたものが含まれる。すなわち、市販の製品でいえば、「こんにゃく粉」(荒粉、製粉等)として流通する製品に限らず、こんにゃく粉を原料とする「グルコマンナン」として流通する製品も含まれる。
【0029】
次に、本実施形態に係る改質こんにゃく粉は、上記の原料としてのこんにゃく粉がアルカリに曝露されることで改質されて製造される。ここでいう「アルカリに曝露される」とは、pH>7.0の条件下に曝されることをいう。
【0030】
具体的には、第1の方法として、原料のこんにゃく粉を、こんにゃく粉の良溶媒と貧溶媒との混合溶媒に分散させた後、アルカリ(アルカリ性物質)またはアルカリ溶液を添加して、分散液をアルカリ性(pH>7.0)に調整する方法を用いることができる。この方法によれば、分散媒を良溶媒と貧溶媒との混合溶媒とすることで、こんにゃく粉すなわちグルコマンナンは膨潤が抑制された状態で反応する。その結果、グルコマンナンのアセチル基を一部脱離させることができる。
【0031】
良溶媒としては水を用いるとよく、貧溶媒としてはアルコールを用いるとよい。すなわち、これらの混合溶媒としては、アルコール水溶液を用いるとよい。また、アルカリ(アルカリ性物質)としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を用いるとよい。
【0032】
本方法の一例として、所定濃度のエタノール水溶液に原料のこんにゃく粉を分散させた後、水酸化ナトリウムを添加して、分散液をアルカリ性に調整することで、当該こんにゃく粉をアルカリに曝露させることができる。
【0033】
また、第2の方法として、原料のこんにゃく粉にアルカリ溶液を噴霧する方法を用いることもできる。この方法によれば、こんにゃく粉にアルカリ溶液を噴霧することで、こんにゃく粉に対するアルカリ溶液の曝露を必要限度に抑えることができる。したがって、例えば、こんにゃく粉の良溶媒に溶解させたアルカリ溶液を噴霧した場合でも、こんにゃく粉すなわちグルコマンナンは殆ど膨潤することなく反応する。その結果、グルコマンナンのアセチル基を一部脱離させることができる。
【0034】
本方法の一例として、原料のこんにゃく粉に所定濃度のアルカリ水溶液を噴霧することで、当該こんにゃく粉をアルカリに曝露させることができる。ただし、当該アルカリ水溶液に代えて、こんにゃく粉の良溶媒と貧溶媒との混合溶媒(例えば、所定濃度のエタノール水溶液)に溶解させたアルカリ溶液等を用いることもできる。
【0035】
以上の方法により原料のこんにゃく粉をアルカリに曝露させて、これを水に分散させた分散液を加熱すると熱可逆性のゲルを形成するように改質させることができる。このとき、グルコマンナンの脱アセチル反応を進行させるために、アルカリに曝露された状態のこんにゃく粉(第1の方法では、アルカリ性に調整したこんにゃく粉の分散液。第2の方法では、アルカリ溶液が噴霧されて付着しているこんにゃく粉)を加熱しもしくは攪拌し、または加熱しながら攪拌するとよい。
【0036】
この加熱温度や攪拌時間は、曝露するアルカリのpHによって適宜調整すればよいが、相対的に強いアルカリに曝露させると、相対的に加熱、攪拌の条件を緩和できてより手間をかけず短時間で改質でき、且つより安定的に改質できる。このような観点では、こんにゃく粉をpH10.0以上のアルカリに曝露させると好ましく、pH11.0以上がより好ましい。一例として、実施例によれば、第1の方法において、pH10.0以上のアルカリに曝露させる条件では、40℃以上で6分以上攪拌すると十分に脱アセチル反応が進行し、本発明の目的を達し得る所定のゲル強度を有するこんにゃく粉に改質される。
【0037】
曝露するアルカリのpHを調整したり、アルカリに曝露された状態のこんにゃく粉の加熱、攪拌の条件を調整したりすることで、本発明の目的を達し得る範囲において改質の度合いを調整することができ、改質こんにゃく粉の特性(ゲル強度)を調整することができる。
【0038】
こんにゃく粉を改質した後は、適宜クエン酸等の酸(酸性物質)もしくは酸性溶液で所望のpHに中和した後、第1の方法では分散液をろ過して乾燥させて、第2の方法ではこんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉を回収することができる。
【実施例】
【0039】
1.こんにゃく粉の改質
(試験1)
こんにゃく粉(伊那食品工業(株)製、「イナゲル マンナン100A」(イナゲルは、登録商標))を、アルカリに曝露させて改質し、テクスチャーアナライザ(Stable Micro Systems製)を用いて、ゲル強度(ゲル破断強度)を測定した。
【0040】
改質こんにゃく粉1
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH10.0に調整した。これを非加熱で6分間撹拌した後、クエン酸4.5gを添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉1を得た。
【0041】
改質こんにゃく粉2
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH12.0に調整した。これを非加熱で6分間撹拌した後、クエン酸を5.0g添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉2を得た。
【0042】
改質こんにゃく粉3
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH13.5に調整した。これを非加熱で6分間撹拌した後、クエン酸を7.0g添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉3を得た。
【0043】
改質こんにゃく粉4
精製水1L中に水酸化ナトリウムを添加してpH12.0に調整した。この水酸化ナトリウム水溶液をこんにゃく粉3kgに噴霧した。これを60℃で30分間加熱した後、20質量パーセント濃度のクエン酸水溶液を噴霧して中和した。その後、50℃で3時間乾燥させて、改質こんにゃく粉4を得た。
【0044】
改質こんにゃく粉5
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH11.0に調整した。これを40℃で10分間撹拌した後、クエン酸を5.0g添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉5を得た。
【0045】
改質こんにゃく粉6
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH11.0に調整した。これを50℃で15分間撹拌した後、クエン酸を5.0g添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉6を得た。
【0046】
改質こんにゃく粉7
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH12.0に調整した。これを40℃で6分間撹拌した後、クエン酸を6.0g添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉7を得た。
【0047】
改質こんにゃく粉8
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH13.0に調整した。これを40℃で6分間撹拌した後、クエン酸を6.5g添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉8を得た。
【0048】
改質こんにゃく粉9
45vol%エタノール水溶液1L中にこんにゃく粉250gを添加した後、水酸化ナトリウムを添加してpH13.5に調整した。これを40℃で10分間撹拌した後、クエン酸を7.0g添加した。その後、液体をろ過して、取得した改質こんにゃく粉を乾燥させて、改質こんにゃく粉9を得た。
【0049】
測定したゲル強度(ゲル破断強度)は、前述の通り、直径70mm、高さ80mmの円柱状の試料ゲルに対して、直径2cmの円柱状プランジャを20mm/分の速さで軸方向に進入させて当該試料ゲルが破断したときの応力である。試料ゲルの製造に当たっては、先ず、改質こんにゃく粉12gを精製水588gにダマにならないように注意しながら分散した。その後、20℃で30分間放置して十分に水と馴染ませた後、ミキサーを用いてビーターで1分間攪拌して分散液を製造した。次に、当該分散液を内径70mmの円柱状の容器に高さ80mmまで収容し、収容物がこぼれ出ることのない蓋をして、容器ごと85℃の温浴で1時間加熱してゲルを製造した。その後、容器ごと10℃の水浴で24時間冷却して試料ゲルとした。改質こんにゃく粉のゲル強度を表1に示す。
【0050】
【0051】
2.食品素材結着剤の成形性、保形性、および結着性
(試験2)
次に、実施例1として、改質こんにゃく粉5を水に分散させて食品素材結着剤を作成した。温度調整していない常温の水に改質こんにゃく粉5を添加し、ミキサーを用いて1分間攪拌して粉末を溶解させて食品素材結着剤を得た。また、比較例として、未改質のこんにゃく粉(表中では、単に「こんにゃく粉」と表記する。以下の全表で同じ)および表2に示す原料粉末をそれぞれ適温の水に溶解させて食品素材結着剤を作製した。このうち、カードラン、メチルセルロースは、90℃の水に添加した後、ミキサーを用いて攪拌しながら20℃まで冷却して溶解させた。なお、一部の食品素材結着剤の保形性を補うことにあわせて、全例に糖質として所定量のグラニュー糖を加えた。
【0052】
食品素材結着剤の保形性として、作製した食品素材結着剤を内径50mm、高さ35mmのセルクルに摺り切りまで充填し、当該セルクルを外してから20℃で30分間放置した後の高さを測定した。食品素材結着剤の配合および結果を表2に示す。なお、表中の配合の単位は、[質量%]を表す(以下の全表で同じ)。また、未改質のこんにゃく粉は伊那食品工業(株)製(「イナゲル マンナン100A」(イナゲルは、登録商標))、α化澱粉は松谷化学工業(株)製、プルランは(株)林原製、カードランはDSP五協フード&ケミカル(株)製、メチルセルロースは信越化学工業(株)製のものをそれぞれ用いた(以下の全試験で同じ)。
【0053】
【0054】
表2に示すように、改質こんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤(実施例1)は、他の原料からなる食品素材結着剤(比較例1-5)と比較して、顕著に保形性が高かった。
【0055】
(試験3)
次に、改質こんにゃく粉および未改質のこんにゃく粉をそれぞれ原料とする食品素材結着剤を用いて成形食品としてつくねを製造した。各こんにゃく粉を水に分散させて(粉末を溶解させて)食品素材結着剤を作製し、これにおからおよび木綿豆腐を混合して手で捏ねた。作製した生地を手で丸く成形し、これを沸騰している水に入れて5分間加熱して、つくねを製造した。
【0056】
成形食品の結着性として、製造したつくねに対して、テクスチャーアナライザ(Stable Micro Systems製)を用いて、1cm2の円柱状プランジャを上方から20mm/分の速さで進入させて当該つくねに接触してから2cm下降したときの応力を測定した。
【0057】
測定された結着性は、下記の基準で評価した。つくねの配合および結果を表3に示す。
5:230g以上
4:200g以上230g未満
3:150g以上200g未満
2:100g以上150g未満
1:100g未満
【0058】
【0059】
表3に示すように、未改質のこんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤(比較例6)によれば、沸騰している水に生地を入れた際に結着が解けてばらばらになってしまって、結着性を測定できなかった。これに対して、改質こんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤(実施例2-10)によれば、食品素材同士をしっかりと結着させて成形食品であるつくねを製造することができた。
【0060】
表1および表3の結果から、少なくとも30g/cm2~1000g/cm2の範囲のゲル強度を有する改質こんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤(実施例2-10)であれば、所定の結着力を発揮して、食品素材同士がしっかりと結着した成形食品が製造できることが示された。さらに、より好適にはゲル強度が50g/cm2~1000g/cm2の範囲(実施例3-10)、より好適にはゲル強度が50g/cm2~800g/cm2の範囲(実施例3-9)、より好適にはゲル強度が100g/cm2~700g/cm2の範囲(実施例4-8)より好適にはゲル強度が250g/cm2~700g/cm2の範囲(実施例5-8)より好適にはゲル強度が250g/cm2~600g/cm2の範囲(実施例5-7)の改質こんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤がより好ましいといえる。
【0061】
(試験4)
次に、表4に示す改質こんにゃく粉5等をそれぞれ原料とする食品素材結着剤を用いて成形食品としてプロテインバーを製造した。各原料を水に分散させて(粉末を溶解させて)食品素材結着剤を作製し、これにおからを混合して手で捏ねた。改質こんにゃく粉5では、作製したおから生地を厚さ15mmに伸ばし、15mm×70mmの幅で切り出した。切り出した成形生地を110℃のオーブンで5分間焼成し、さらに85℃の乾燥機で規定の含水率になるように乾燥させて、プロテインバーを製造した。また、改質こんにゃく粉5以外の原料では、保形性が低く、切り出しによる成形ができなかったため、おから生地を型に入れて、同様の工程で焼成、乾燥させて、プロテインバーを製造した。なお、含水率は、加熱乾燥式水分計((株)エー・アンド・デイ製、「MF-50」)を用いて加熱温度130℃で測定した(以下の全試験で同じ)。
【0062】
プロテインバーの配合を表4に示す。なお、表中に、保形性評価として、おから生地を、型を使用することなく成形できた例には「◎」、型を使用しなければ成形できなかった例には「×」を付記する。
【0063】
【0064】
成形食品の結着性として、プロテインバーの結着性を、試験2の成形食品(つくね)と同一の方法で測定し、同一の基準で評価した。結果を表5に示す。
【0065】
また、製造したプロテインバーを食し、下記の基準で食感を評価した。評価は10名のパネラーが独立して行った。最も多かった評価を、具体的な状態と共に表6に示す。
◎:プロテインバーとして非常に好ましい食感である。
○:プロテインバーとして△よりも好ましい食感である。
△:プロテインバーとして好ましい食感である。
×:プロテインバーとして好ましくない食感である。
プロテインバーとして好ましい食感は、サクサクとした食感または柔らかい食感である。プロテインバーとして好ましくない食感は、べたべたとした食感または硬すぎる食感である。
【0066】
【0067】
【0068】
表5に示すように、α化澱粉またはプルランを原料とする食品素材結着剤(比較例8、9)によれば、含水率を10%にした場合には結着力を発揮したものの、それよりも高い含水率では結着力が殆ど発揮されず、製品の結着性が悪くなった。また、未改質のこんにゃく粉(比較例7)では、含水率に関わらず結着力が殆ど発揮されず、製品の結着性が悪かった。これに対して、改質こんにゃく粉5(実施例11)では、含水率を10%にした場合にはα化澱粉およびプルランを上回る優れた結着力を示し、それより高い含水率でも十分な結着力を発揮し、さらには含水率を80%に高くした場合でも十分な結着力を発揮した。すなわち、いずれの含水率においても十分な結着力を発揮して、製品の結着性が良かった。
【0069】
また、改質こんにゃく粉5(実施例11)では、表6に示すように、含水率を10%にした場合には製品の食感はやや硬いが好ましく、それよりも含水率を高くした場合でも食感が悪くなることはなく、むしろ柔らかく非常に好ましい食感であった。
【0070】
したがって、表5および表6の結果から、改質こんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤によれば、未改質のこんにゃく粉その他の原料では実現できない含水率の高い瑞々しい成形食品が製造できることが示された。
【0071】
(試験5)
次に、表7に示す改質こんにゃく粉5等をそれぞれ原料とする食品素材結着剤を用いて成形食品として大豆ハンバーグを製造した。各原料を水に分散させて(粉末を溶解させて)食品素材結着剤を作製し、これに表7に示す他の全ての原料を混合して手で捏ねた。作製した生地を丸く成形するために包餡機にかけ、包餡機から出てきた成形生地をフライパンで5分間焼成し、大豆ハンバーグを製造した。大豆ハンバーグの配合および焼成後の大豆ハンバーグの含水率を表7に示す。
【0072】
製造した大豆ハンバーグを冷蔵で3日間保管した後、電子レンジで再加熱し、状態を確認した。
【0073】
【0074】
実施例12(改質こんにゃく粉5)においては、生地の保形性が高く、きれいに成形できた。また、結着性が高く、しっかりとしたハンバーグの形状が得られた。
【0075】
比較例10(未改質のこんにゃく粉)においては、生地の保形性が低く、うまく成形できなかった。また、結着性が低く、まとまったハンバーグの形状にならなかった。
【0076】
比較例11(α化澱粉)においては、生地の保形性が低く、うまく成形できなかった。また、焼成後の製品は、餅のような食感になってしまった。また、再加熱時にα化澱粉(食品素材結着剤)が溶けてしまい、形状が崩れてしまった。
【0077】
比較例12(プルラン)においては、生地の保形性が低く、うまく成形できなかった。また、結着性が低く、まとまったハンバーグの形状にならなかった。
【0078】
比較例13(カードラン)においては、生地の保形性がなく、成形できなかった。また、焼成後の製品が冷めてきた時にカードラン(食品素材結着剤)が溶けてしまい、形状が崩れてしまった。
【0079】
比較例14(メチルセルロース)においては、生地の保形性がなく、成形できなかった。また、焼成後の製品が冷めてきた時にメチルセルロース(食品素材結着剤)が溶けてしまい、形状が崩れてしまった。
【0080】
以上の結果から、改質こんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤だけが、優れた成形性および保形性を有して、その結果、生地をきれいに成形することができ、焼成後も、再加熱後も保形できた。また、高い含水率(76%)において十分な結着力が発揮されて、しっかりとした形状の製品が得られた。
【0081】
(試験6)
次に、表8に示す改質こんにゃく粉5を原料とする食品素材結着剤、もしくは未改質のこんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤を用いて、または食品素材結着剤を用いないで、成形食品として小麦粉を原料とする高加水食パンを製造した。ショートニングを除く全ての原料を混合してドウミキサーで捏ねた後、さらにショートニングを混合して捏ねた(捏ね上げ温度は、26℃)。その後、温度30℃、湿度75%の条件で80分間発酵させ、ガス抜きをした後、さらに40分間発酵させてパン生地(500g)を得た。得られた生地をほぼ均等に二分割し、30分間のベンチタイムを経て、内寸が190mm×90mm×(高さ)90mmの直方体型の食パン型に入れて成形した。その後、温度38℃、湿度85%の条件で45分間ホイロさせ(最終発酵させ)、型に蓋をせずに200℃で30分間生地を焼成し、食パンを得た。
【0082】
製造後(焼成後)のパンの含水率および高さ寸法(底面から最も高い部位までの高さ)を測定した。パンの配合および結果を表8に示す。
【0083】
【0084】
表8に示すように、本試験6では粉体に対する水分割合(加水率)を一般的な食パン生地よりも高くして、保形しにくい生地としている。これに対して、改質こんにゃく粉5を添加したもの(実施例13)では、生地の結着性および保形性が高く、だれることなく高さのあるパンを製造することができた。一方、食品素材結着剤を添加しないもの(比較例16)や未改質のこんにゃく粉を添加したもの(比較例15)では、生地の結着性および保形性が低く、だれてしまってパンに高さを出せなかった。
【0085】
(試験7)
次に、表9に示す改質こんにゃく粉5を原料とする食品素材結着剤、もしくは未改質のこんにゃく粉を原料とする食品素材結着剤を用いて、または食品素材結着剤を用いないで、成形食品として米粉および大豆粉を原料とする丸パンを製造した。ショートニングを除く全ての原料を混合してドウミキサーで捏ねた後、さらにショートニングを混合して捏ねた(捏ね上げ温度は、26℃)。その後、温度30℃、湿度75%の条件で80分間発酵させ、ガス抜きをした後、さらに40分間発酵させてパン生地(500g)を得た。得られた生地を100gずつに分割し、30分間のベンチタイムを経て、球形に成形した。その後、温度38℃、湿度85%の条件で45分間ホイロさせ(最終発酵させ)、200℃で30分間生地を焼成し、丸パンを得た。
【0086】
製造後(焼成後)のパンの含水率および高さ寸法(底面から最も高い部位までの高さ)を測定した。パンの配合および結果を表9に示す。
【0087】
【0088】
表9に示すように、本試験7ではグルテン形成タンパク質を含まない米粉および大豆粉を原料として、結着しにくい生地としている。これに対して、改質こんにゃく粉5を添加したもの(実施例14)では、生地の結着性および保形性が高く、だれることなく高さのあるパンを製造することができた。一方、食品素材結着剤を添加しないもの(比較例18)や未改質のこんにゃく粉を添加したもの(比較例17)では、生地の結着性および保形性が顕著に低く、だれてしまった。その結果、パンの高さは、改質こんにゃく粉を添加したパン(実施例14)の30%~40%程度であった。
【要約】
【課題】原料を用いて簡易に作製可能で取扱性が良い食品素材結着剤であって、優れた成形性及び保形性並びに十分な結着力を有し、食品素材が十分に結着されて且つ含水率の高い瑞々しい成形食品が製造できる食品素材結着剤及び成形食品、並びに当該食品素材結着剤用のこんにゃく粉及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る食品素材結着剤用の改質こんにゃく粉は、前記改質こんにゃく粉を2質量パーセント濃度で水に分散させた分散液を85℃で1時間加熱して形成させたゲルを、10℃で24時間冷却して製造した試料ゲルが、以下の特性(1)を有する。
(1) 直径70mm、高さ80mmの円柱状の前記試料ゲルに対して、テクスチャーアナライザを用いて、直径2cmの円柱状プランジャを20mm/分の速さで軸方向に進入させて前記試料ゲルが破断したときの応力が30g/cm2~1000g/cm2の範囲である。
【選択図】なし