(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】マップデータ生成システム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20221222BHJP
G01C 21/32 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G01C21/32
(21)【出願番号】P 2022015261
(22)【出願日】2022-02-02
【審査請求日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2021028386
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521082190
【氏名又は名称】株式会社大和田測量設計
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大和田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】皆川 昇
(72)【発明者】
【氏名】塚野 大介
(72)【発明者】
【氏名】芥川 一則
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特許第6785933(JP,B1)
【文献】特許第6296444(JP,B2)
【文献】特開2020-046411(JP,A)
【文献】特開2017-156704(JP,A)
【文献】特開2002-333828(JP,A)
【文献】特開2002-074323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00,
G01C 1/00- 1/14,
5/00-15/14,
21/00-21/36,
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始点Aから終点Bまで車両で移動するときの移動ルートを算出するためのマップデータを生成するマップテータ生成システムであって、
飛行体搭載のレーザースキャナーにより始点Aおよび終点Bを含む地表面領域を3次元計測して3次元座標点群データを取得する3次元座標データ取得部と、
前記レーザースキャナーにより地表面に照射したレーザー光の反射強度を検出して、地物・地表面の状態に対応した分類情報を特定し、該分類情報を前記3次元座標点群データに属性データとして付与する属性データ付与部と、
前記属性データにおける地物・地表面の状態に対応した分類情報に基づき移動可否を判断するための移動情報を特定し、該移動情報を前記3次元座標点群データに経路生成付加データとして付与する経路生成データ付与部と、
前記マップデータとして、前記3次元座標点群データと、
前記3次元座標点群データに付与された前記属性データおよび前記経路生成付加データと、を含むデータを記憶するマップデータ記憶部と、
を備え、
前記属性データ付与部において付与された前記属性データには、「車道」、「田んぼ」を含む地物の分類情報、さらに「車道」の場合に平坦、上り坂、下り坂のいずれであるかの地表面の状態に対応した分類情報が含まれるとともに、
前記経路生成データ付与部において付与された前記経路生成付加データは、前記3次元座標点群データにおける隣接する少なくとも3点の属性データに含まれる地物の分類情報が同一となる場合のみ付与される、
ことを特徴とするマップテータ生成システム。
【請求項2】
請求項1に記載のマップテータ生成システムにおいて、
前記属性データ付与部において付与された前記属性データについて、地物の分類情報が車道の場合に、車道の移動可否を判断する情報として、車道の凍結状態、車道の凹凸状態、および車道の横方向の傾き状態、を含む地表面の状態に対応した分類情報を付与または変更可能とする属性データ変更処理部を備えたことを特徴とするマップデータ生成システム。
【請求項3】
請求項1又は
請求項2に記載のマップテータ生成システムにおいて、
前記経路生成データ付与部において付与された前記経路生成付加データについて、気象条件と車両を運転するユーザの特性とを含む条件に応じて変更可能とする経路生成付加データ変更処理部を備えたことを特徴とするマップデータ生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザースキャナーにて計測された計測対象の3次元座標点群データから経路生成に必要なマップデータを生成するマップテータ生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マップデータを生成する装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のマップデータ生成装置は、航空機にレーザスキャナを搭載して行う航空レーザ計測にて、レーザスキャンにより3次元座標点群データを取得し、さらに、レーザパルスの反射強度を属性情報として取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1の記載のマップデータ生成装置で生成されたマップデータでは、属性情報が付加されていても、3次元座標点群データのデータ数が膨大で、経路生成などの処理負荷が大きくなってしまうという問題があった。
【0005】
ここで、データ数を間引くことも考えられるが、安易にデータ数を減らすと経路生成の精度が低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡易かつ確実に経路生成に供するマップデータを生成するマップテータ生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明のマップテータ生成システムは、始点Aから終点Bまで車両で移動するときの移動ルートを算出するためのマップデータを生成するマップテータ生成システムであって、
飛行体搭載のレーザースキャナーにより始点Aおよび終点Bを含む地表面領域を3次元計測して3次元座標点群データを取得する3次元座標データ取得部と、
前記レーザースキャナーにより地表面に照射したレーザー光の反射強度を検出して、地物・地表面の状態に対応した分類情報を特定し、該分類情報を前記3次元座標点群データに属性データとして付与する属性データ付与部と、
前記属性データにおける地物・地表面の状態に対応した分類情報に基づき移動可否を判断するための移動情報を特定し、該移動情報を前記3次元座標点群データに経路生成付加データとして付与する経路生成データ付与部と、
前記マップデータとして、前記3次元座標点群データと、前記3次元座標点群データに付与された前記属性データおよび前記経路生成付加データと、を含むデータを記憶するマップデータ記憶部と、
を備え、
前記属性データ付与部において付与された前記属性データには、「車道」、「田んぼ」を含む地物の分類情報、さらに「車道」の場合に平坦、上り坂、下り坂のいずれであるかの地表面の状態に対応した分類情報が含まれるとともに、
前記経路生成データ付与部において付与された前記経路生成付加データは、前記3次元座標点群データにおける隣接する少なくとも3点の属性データに含まれる地物の分類情報が同一となる場合のみ付与される、
ことを特徴とする。
【0013】
第2発明のマップテータ生成システムは、第1発明において、
前記属性データ付与部において付与された前記属性データについて、地物の分類情報が車道の場合に、車道の移動可否を判断する情報として、車道の凍結状態、車道の凹凸状態、および車道の横方向の傾き状態、を含む地表面の状態に対応した分類情報を付与または変更可能とする属性データ変更処理部を備えたことを特徴とする。
【0016】
第3発明のマップテータ生成システムは、第1発明又は第2発明において、
前記経路生成データ付与部において付与された前記経路生成付加データについて、気象条件と車両を運転するユーザの特性とを含む条件に応じて変更可能とする経路生成付加データ変更処理部を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態のマップデータ構造を生成管理するマップデータ生成システムを示す図である。
【
図2】レーザスキャナでスキャンしている状態を示す概略図である。
【
図3】レーザスキャナでスキャンしている状態を示す概略図である。
【
図4】レーザスキャナでスキャンしている状態を示す概略図である。
【
図5】3次元座標点群データ(夏)を示す図である。
【
図6】3次元座標点群データ(夏)に基づいて生成したマップデータ構造(ポリゴン)である。
【
図7】3次元座標点群データ(冬)を示す図である。
【
図8】3次元座標点群データ(冬)に基づいて生成したマップデータ構造(ポリゴン)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るマップデータ生成システム10について説明する。
【0021】
図1に示すように、マップデータ生成システム10は、システムを統括的に制御するとともに、レーザスキャナRSにて計測された計測対象の3次元座標点群データを有するマップデータ構造を生成する制御装置として機能する。
【0022】
本実施形態の計測対象は、例えば、領域A1の地物及び地表面であり、例えば、広葉樹HW、小屋HT、田んぼPF、車道RW(歩道)(
図2~
図4参照)等を含む。また、本実施形態では、領域A1は、例えば、前後方向200m、左右方向270mの領域である。
【0023】
マップデータ生成システム10は、3次元座標データ取得部20と、属性データ付与部30と、属性データ参照DB31と、属性データ変更処理部32と、経路生成データ付与部40と、経路生成データ参照DB41と、経路生成付加データ変更処理部42と、マップデータ記憶部50とを備える。
【0024】
3次元座標データ取得部20は、レーザスキャナRSにて計測された計測対象の3次元座標点群データを取得する。
【0025】
属性データ付与部30は、属性データ参照DB31を参照して、取得した3次元座標点群データの各3次元座標点データのそれぞれに、計測対象に含まれる地物及び地表面を表すポリゴンを生成するための属性データを付与する。
【0026】
属性データ参照DB31は、属性データ付与部30が属性データを付与する属性の参照データを記憶する。例えば、属性参照データとしては、色調、反射率などの座標点データと、属性との対応テーブルなどである。
【0027】
属性データ変更処理部32は、属性データをユーザやユーザの用途・目的に応じて、変更可能とする変更処理部である。
【0028】
経路生成データ付与部40は、経路生成データ参照DB41を参照して、ポリゴンを構成する各点に経路生成に供する経路生成付加データを次のルールで付与する。
【0029】
すなわち、ポリゴンを構成する隣接する少なくとも3点の属性データが同一であることを条件に、この3点に同一の経路生成付加データを付与する。
【0030】
経路生成データ参照DB41は、経路生成データ付与部40が経路生成付与データとして参照する付与参照データを記憶する。例えば、付与参照データとしては、主として、属性データと経路として選択可能な移動可能性との対応テーブルである。
【0031】
経路生成付加データ変更処理部42は、経路生成付与データ(移動可能性)を季節や気象条件のほか、ユーザの特性(年齢など)により変更可能とする変更処理部である。
【0032】
マップデータ記憶部50は、上述の一連の処理部による処理により、3次元座標データおよびこれに付与された属性データおよび経路生成付加データを記憶保持する。
【0033】
レーザスキャナRSは、周知のものであり、その詳細な説明は簡略化するが、計測対象である領域Aにレーザパルスを照射し、その反射を受けて計測するものであり、無人航空機、例えば、ドローンDR(
図2~
図4)に搭載されている。なお、
図2~
図4では、ドローンDRを簡易的に図示し、広葉樹HWを拡大して表示している。
【0034】
本実施形態では、レーザスキャナRSは、例えば、リーグルジャパン株式会社のRIEGLVUX-1UAVが使用され、ドローンDRは、例えば、株式会社プロドローンのPRODRONEPD6B-Type2が使用される。
【0035】
レーザスキャナRSは、ドローンDRの進行方向に直交する方向の横断測量を行うようにレーザ光を照射すると同時に、ドローンDRを移動させることによって下方や周囲に存在する地物及び地表面(広葉樹HW、小屋HT、田んぼPF、車道RW(歩道))までの方向と距離を観測し、領域A1の3次元座標点群データ(
図5参照)として表現する。
【0036】
また、レーザスキャナRSは、照射した地形・地物から反射してきたレーザ光の強度を検出して、反射強度が異なる地形・地物を分類することが可能となり、この特性を利用した地形図作成に利用することができる。
【0037】
[マップデータ生成]
次に、3次元座標点群データを有するマップデータを生成する処理の流れについて説明を行う。
【0038】
先ず、ドローンDRの飛行計画として、領域A1を、例えば、飛行高度80m、飛行速度4.5m/sで飛行させ、レーザスキャナRSを、例えば、5cm格子で1点の3次元座標点データを取得する(レーザスキャンする)ように駆動する。
【0039】
本実施形態では、例えば、ドローンDRを領域A1の
図2における右前端から右後端まで上方向に飛行させた後に、左方向に所定距離(例えば、75m)飛行させる。そして、前方向に前端まで移動させた後に、左方向に所定距離(例えば、75m)飛行させる。この上方向への飛行、左方向への飛行、前方向への飛行、左方向への飛行を繰り返し行うことで、領域A1内を5cm格子で1点の3次元座標点データを取得する。
【0040】
レーザスキャナRSは、ドローンDRの進行方向に直交する方向の横断測量を行うようにレーザ光を照射すると同時に、ドローンDRを移動させることによって下方や周囲に存在する地物及び地表面(広葉樹HW、小屋HT、田んぼPF、車道RW(歩道))までの方向と距離を観測し、さらに、反射強度を検出して、領域A1の3次元座標点群データ(
図5参照)を取得する。
【0041】
レーザスキャナRSで取得された3次元座標点群データは、マップデータ生成システム10に送られ、3次元座標データ取得部20を介してデータ取得がなされる。
【0042】
属性データ付与部30は、3次元座標点群データの各3次元座標点データのそれぞれに、計測対象に含まれる地物及び地表面を表すポリゴンを生成するための属性データを、属性データ参照DB31を参照して付与する。
【0043】
この属性データとしては、例えば、地物及び地表面のいずれであるかを表す情報、地表面(例えば、車道)である場合、平坦、上り坂、下り坂のいずれであるか、季節、対象の色情報等が挙げられる。なお、平坦、上り坂、下り坂のいずれであるかは、隣り合う3次元座標点データとの比較により決定される。
【0044】
属性データの付与としては、照射した地形・地物から反射してきたレーザ光の強度を受光して、反射強度に基づいて属性データを特定して付与する。なお、
図5及び
図7において、属性データの色情報の表示を省略している。
【0045】
経路生成データ付与部40は、ポリゴンを構成する各点に経路生成付加データを付与する。本実施形態では、経路生成付加データとしては、例えば、属性データが車道RW(歩道)で夏である場合には、車両による移動可能である情報であり、属性データが車道RW(歩道)で下り坂・上り坂で冬である場合、属性データが小屋HT、田んぼPFの場合には、車両による移動が不可であることを示す情報である。
【0046】
経路生成データ付与部40は、経路生成付加データが、ポリゴンを構成する隣接する少なくとも3点の属性データが同一となるように付与する。すなわち、ポリゴンを構成する隣接する少なくとも3点の属性データが同一であることを条件に、この3点に同一の経路生成付加データが付与される。
【0047】
そのため、3点の属性データが異なる部分では、経路生成付加データが付与されず、このようにして付与された経路生成付加データによれば、境界領域での経路生成に伴うデータ処理を行う必要がなく、経路生成の際のデータ処理量を大幅に圧縮することができる。
【0048】
ここで、ポリゴンは、少なくとも3点により構成されていくため、これらが同一となる組み合わせのみを経路生成付加データとしておくことで、ポリゴンの自体の精度が低下することもない。
【0049】
そして、属性データと経路生成付加データとが付与された3次元座標点群データ(
図5参照)は、マップデータ記憶部50に記憶される。本実施形態では、3次元座標点群データは、例えばnetCDFフォーマットで記憶される。
【0050】
なお、
図2~
図5では、簡易的に、左右方向中心で前端から後端までの各3次元座標点データを、30点のデータ(D1~D30)として図示しているが、実際には、前後方向200mを5cm格子で1点の3次元座標点データを取得するので、前端から後端までで、4000点程度の3次元座標点データを取得する。
【0051】
図6に示すように、マップデータ生成システム10は、周知の生成方法により、属性データ及び経路生成付加データを含む3次元座標点群データ(夏)を有し、ポリゴンデータで表されるマップデータを生成する。
【0052】
マップデータ生成システム10は、始点(D1)から終点(D30)まで車両で移動する場合の移動ルートを周知の算出方法により算出する。
図6に示すマップデータでは、始点(D1)から終点(D30)まで車両で移動可能(
図5参照)であるので、マップデータ生成システム10は、始点(D1)から終点(D30)まで前後方向に移動する移動ルートR2を算出する。なお、D18~D23は、下り坂であるため移動注意(例えば、アクセルオフ指示)であること、D24~D27は、上り坂であるため移動注意(例えば、アクセルオン指示)であることを、マップデータに表示するようにしてもよい。
【0053】
一方、
図7に示すように、3次元座標点群データ(冬)では、経時変化により、属性データ変更処理部32を介して、属性データが、夏から冬に変更になる。冬の場合、車道が凍結している恐れがあり、凍結した上り坂及び下り坂を車両で移動するのは難しいため、夏には移動可能であったD18~D27の経路生成付加データが、経路生成付加データ変更処理部42を介して、移動可能から移動不可に変更になる。
【0054】
図8に示すように、マップデータ生成システム10は、周知の生成方法により、属性データ及び経路生成付加データを含む3次元座標点群データ(冬)を有し、ポリゴンデータで表されるマップデータを生成する。
【0055】
マップデータ生成システム10は、始点(D1)から終点(D30)まで車両で移動する場合の移動ルートを算出する。
図8に示すマップデータでは、始点(D1)から終点(D30)まで前後方向に直線で移動した場合、始点(D1)からD17までは、経路生成付加データとして移動可能の情報が付与されており移動可能であるが、D18で経路生成付加データとして移動不可の情報が付与されており、D17からD18に移動することができない。
【0056】
このため、マップデータ生成システム10は、周知の算出方法により、D13で左方向に移動し、左側の車道RW(歩道)で後方向に移動し、後側の車道RW(歩道)で右側にD29まで移動し、D29から終点(D30)まで移動する移動ルートR2を算出する。
【0057】
このように、3次元座標点群データ(冬)では、D18~D27の経路生成付加データが、移動可能から移動不可に変更になるので、D18~D27を通らない移動ルートR2が算出される。
【0058】
本実施形態では、夏にレーザスキャンして生成したマップデータに基づいて、冬に変化した場合のマップデータを生成することができる。これにより、冬にレーザスキャンしてマップデータを生成する必要がなく、マップデータ生成に係る費用を削減することができる。
【0059】
以上詳しく説明したように、実施形態のマップデータ生成システム10により生成されたマップデータ構造によれば、経路生成に供する経路生成付加データは、ポリゴンを構成する隣接する少なくとも3点の属性データが同一となるように付与される。そのため、経路生成付加データにより経路生成を行う際には、経路生成の際のデータ処理量を大幅に圧縮することができる。
このように、実施形態のマップデータ構造によれば、簡易かつ確実に経路生成に供するマップデータ構造を提供することができる。
【0060】
なお、上記実施形態では、3次元座標点群データ(冬)では、D18~D27の経路生成付加データが、移動可能から移動不可に変更になるようにしているが、移動可能から変更されればよく、例えば、移動可能から移動注意に変更するようにしてもよい。この場合、移動ルートR1及びR2の両方のルートを算出し、移動ルートR1は、移動可能ではあるが移動注意であること、移動ルートR2を推奨することをマップデータに表示することが好ましい。さらに、移動注意であることを表示する場合には、上り坂の場合にはアクセルオン、下り坂の場合にはアクセルオフを経路生成付加データに付与して、マップデータに表示するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、属性データとして、車道が、平坦、上り坂、下り坂のいずれであるかの情報を付与しているが、属性データとして付与する情報は適宜変更可能であり、例えば、車道の凹凸状態や、車道の横方向の傾き等を属性データとして付与するようにしてもよい。いずれの場合も、経路生成付加データは、属性データに応じて変更可能に設けられる。
【0062】
さらに、属性データとして、広葉樹が周辺に存在することを、属性データとして付与するようにしてもよい。この場合、例えば、夏の場合には、広葉樹で周囲が隠れるため、経路生成付加データを移動不可又は移動注意にし、冬の場合には、広葉樹が落葉樹になるため、属性データが広葉樹から落葉樹に変更され、落葉樹では、周囲が隠れることが抑制されるため、経路生成付加データが、移動不可又は移動注意から移動可能に変更される。
【0063】
また、本実施形態では、ポリゴンとして、多角形のポリゴンデータで表されるマップデータを生成しているが、三角網のデータで表されるマップデータを生成するようにしてもよい。
【0064】
さらに、本実施形態において、マップデータ生成システム10は、マップデータ記憶部50に記憶されマップデータ構造の経路生成付加情報で移動可能な全経路を繋いたルートマップデータを有するように構成してもよい。これにより、経路生成の際には、ルートマップデータの中から経路生成を行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
10…マップデータ生成システム、20…3次元座標データ取得部、30…属性データ付与部、31…属性データ参照DB、32…属性データ変更処理部、40…経路生成データ付与部、41…経路生成データ参照DB、42…経路生成付加データ変更処理部、50…マップデータ記憶部、DR…ドローン、RS…レーザスキャナ。