(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】水中油型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A23D 7/00 20060101AFI20221222BHJP
A23D 7/005 20060101ALI20221222BHJP
A23G 9/40 20060101ALI20221222BHJP
A23G 9/48 20060101ALN20221222BHJP
A21D 13/32 20170101ALN20221222BHJP
A21D 13/80 20170101ALN20221222BHJP
【FI】
A23D7/00 510
A23D7/005
A23G9/40
A23G9/48
A21D13/32
A21D13/80
(21)【出願番号】P 2019008317
(22)【出願日】2019-01-22
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000114318
【氏名又は名称】ミヨシ油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 宜隆
(72)【発明者】
【氏名】浜本 絵梨子
(72)【発明者】
【氏名】岡安 弘純
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-023362(JP,A)
【文献】特開2017-079718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D
A23L
A23C
A23G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油型乳化組成物であって、
前記水中油型乳化組成物が、融点が15℃未満である乳脂分別軟質部
と、油溶性香料とを含
み、
前記油溶性香料が、前記水中油型乳化組成物における油相中に含まれる、
水中油型乳化組成物。
【請求項2】
さらに液状油脂を含む、請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
前記乳脂分別軟質部の質量:前記液状油脂の質量の比率が9:1~5:5である、請求項2に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
前記油溶性香料の含有量が、前記油相に含まれる油脂(乳脂分別軟質部を含む)の総量に対して、0.5質量%以上である、請求項1から3のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
前記水中油型乳化組成物が、冷菓用水中油型乳化組成物である、請求項1から4のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アイスクリームやヨーグルト等の冷菓や、それをサンドした製菓及び製パン等の風味を向上させるために、乳化香料(香料を含有する水中油型乳化物)等が使用されている。しかし、乳化香料に従来配合されてきた油脂は、低温下では結晶量が多く、硬くなる。そのため、このような油脂を含む乳化香料が配合された冷菓や、それをサンドした製菓及び製パンには、喫食時に風味を感じにくく、食感が硬いという問題があった。
【0003】
かかる問題を解決する方法としては、長鎖不飽和脂肪酸含量の多い油脂を乳化香料に配合すること等が挙げられるものの、このような油脂を使用すると、風味が弱くなる可能性や、冷蔵保存や常温使用での温度変化にともない乳化安定性が損なわれる可能性がある。したがって、低温下でも風味を発現し、乳化安定性を有する乳化香料や、その代用品に対するニーズがある。
【0004】
特許文献1には、乳脂の低融点画分である乳脂分別軟質部を流動状の油脂として使用することが記載されている。しかし、この乳脂分別軟質部を食品中へそのまま添加しても分散性が悪く、十分な風味を発現できない可能性がある。
【0005】
特許文献2には、乳脂の低融点画分及びバターミルクを含む水中油型乳化物を乳酸発酵させてなる発酵風味材が記載されている。この文献に具体的に開示されている低融点画分の融点は高く(15℃)、この低融点画分を含む風味材を冷菓等の低温食品に使用すると、喫食時に風味を感じにくい可能性がある。また、このような高い融点の油脂を配合すると、経時的に結晶化してしまい、乳化安定性が低下してしまう可能性ある。
【0006】
特許文献3には、ラウリン酸系油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する乳風味付与用水中油型乳化組成物が記載されている。しかし、この文献に具体的に開示されている油脂も融点が高く、特許文献2と同様の問題を有している可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-79718号公報
【文献】国際公開第2005/120254号
【文献】特開2015-97495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、低温での特性変化が抑制され、乳風味の発現性が良好な分別乳脂含有水中油型乳化組成物を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らの検討の結果、融点が15℃未満である乳脂分別軟質部を配合し、水中油型乳化組成物として調製された分別乳脂含有組成物によれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0010】
(1) 融点が15℃未満である乳脂分別軟質部を含む水中油型乳化組成物。
【0011】
(2) さらに液状油脂を含む、(1)に記載の水中油型乳化組成物。
【0012】
(3) 前記乳脂分別軟質部の質量:前記液状油脂の質量の比率が9:1~5:5である、(2)に記載の水中油型乳化組成物。
【0013】
(4) さらに香料を含む、(1)~(3)のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、低温での特性変化が抑制され、乳風味の発現性が良好な分別乳脂含有水中油型乳化組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0016】
<水中油型乳化組成物>
本発明の水中油型乳化組成物は、油相に、融点が15℃未満である乳脂分別軟質部を含む。本発明者らの検討の結果、このような乳脂分別軟質部が配合された水中油型乳化組成物は、意外にも、低温での特性変化が抑制され、乳風味の発現性が良好であることが見出された。
【0017】
さらに、本発明者らの検討の結果、上記乳脂分別軟質部が配合された水中油型乳化組成物においては、乳脂分別軟質部が、連続相中に均一、かつ、相対的に高濃度で分散した状態で存在することが見出された。そして、このような分布により、本発明の水中油型乳化組成物を添加した食品に対し、乳脂分別軟質部由来の風味を良好に付与できることが見出された。なお、上記効果は、乳脂分別軟質部を乳化させずに、食品に直接配合した場合には認められなかった。
【0018】
本発明において、「低温での特性変化が抑制される」とは、本発明の水中油型乳化組成物又はこれを含む食品等を低温(例えば-20~10℃)にさらしても、各種特性(例えば、分離状態、粘度、メディアン径、外観)の変化が抑制されていることを意味する。分離状態が抑制されていること、メディアン径の変化が抑制されていること、外観変化が抑制されていることは、それぞれ乳化安定性が高いことを意味する。粘度の変化が抑制されていることは、流動性が高く、作業性が良好であることを意味する。各種特性は、実施例に示した方法で評価できる。
【0019】
本発明において、「乳風味の発現性が良好である」とは、本発明の水中油型乳化組成物又はこれを含む食品等において、分別乳脂由来の風味が良好に発現していることを意味する。乳風味の発現性は、実施例に示した方法で評価できる。
【0020】
(油相)
油相は、少なくとも乳脂分別軟質部を含む。油相は、乳脂分別軟質部からなるものでもよいが、乳脂分別軟質部とともに、後述する香料や、通常の水中油型乳化組成物に配合できる任意の油脂(好ましくは、食用油脂)を含んでいてもよい。
【0021】
[乳脂分別軟質部]
乳脂分別軟質部は乳脂から分別される、分別乳脂の一種である。乳脂分別軟質部を調製するための乳脂としては、乳等省令で定められるバター又はクリームからほとんどすべての乳脂肪以外の成分を除去(脂肪率99.3質量%以上、水分5質量%以下)した乳脂や、牛乳から分離したクリームを転相し、濃縮、真空乾燥することで、脂肪率99.9質量%以上の無水乳脂肪(anhydrous milk fat AMF)を使用することができる。
【0022】
上記乳脂を分別して乳脂分別軟質部を得る方法としては、乾式分別、溶剤分別、界面活性剤(乳化)分別があり、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて分別を行うことができる。
【0023】
乾式分別では、高融点と低融点のトリグリセリドの融点差を利用して、完全に溶解した油脂を徐々に冷却し、生成した結晶部分と液体部分とをろ別して分離し得ることができる。また乾式分別では、温度を段階的に低下させる一段分別、二段分別、又は多段分別により分別油を得ることができる。
【0024】
溶剤分別では、各種有機溶剤(アルコール、アセトン、ヘキサン等)に対する溶解度差を利用して、油脂を溶剤に溶解し、冷却することで、溶剤に対して溶解度の低い高融点部、次いで中融点部の順に結晶を析出させる。結晶を十分成長させた後、結晶部分と液油部分とに分離し、溶媒を留去して、液油部分を分別油として得ることができる。
【0025】
界面活性剤(乳化)分別では、油脂を溶解し、冷却して結晶化後、界面活性剤(乳化剤)の水溶液を添加して結晶部分に混在している液体部を大きな液滴とし、液状油、固体脂と水溶液の懸濁液、過剰の水溶液の三層に分離し分別油を得ることができる。
【0026】
乳脂分別軟質部のうち、融点が15℃未満であるものを得るためには、乾式分別という方法を採用できる。乳脂分別軟質部の融点は、実施例に示した方法で特定する。
【0027】
本発明の水中油型乳化組成物には、融点が15℃未満である乳脂分別軟質部が含まれていればよく、本発明の効果が阻害されない範囲で融点が15℃以上の乳脂分別軟質部が含まれる態様は排除されない。ただし、本発明の効果が奏されやすいという観点から、本発明の水中油型乳化組成物に含まれる乳脂分別軟質部は、融点が15℃未満である乳脂分別軟質部のみであることが好ましい。
【0028】
乳脂分別軟質部の融点は、15℃未満であればよいが、融点が低いほど本発明の効果が奏されやすいという観点から、好ましくは12℃以下である。下限としては、3℃以上であってもよく、5℃以上であってもよい。
【0029】
乳脂分別軟質部は、本発明の効果が奏されやすいという観点から、60℃に加熱後、10℃で7日間保存後における固体脂含量(SFC)が1%以下であってもよい。固体脂含量は、実施例に示した方法で特定する。このような乳脂分別軟質部は、乳脂特有の風味が特に強く、乳風味発現性が良好である。また、このような乳脂分別軟質部は、低温での結晶量が少ないため、低温や常温での流動性に優れ、乳化物に調製する際の作業性が良好である。さらには、これを添加した食品は自然な乳風味の発現性が良好で、かつ低温や常温で保管したときにもその持続性が良好であり、用途に応じた各種特性の向上も図ることができる。
【0030】
乳脂分別軟質部は、長期にわたり結晶が析出しないものであると、硬さの経時変化が起こりにくく、作業性、食品の風味・食感の持続性も良好である。そのため、乳脂分別軟質部は、60℃に加熱後、10℃で3週間保存後における固体脂含量(SFC)が1%以下であることがより好ましい。
【0031】
[油脂]
本発明の水中油型乳化組成物の油相は、乳脂分別軟質部とともに、他の油脂を配合することもできる。このような油脂としては、植物性油脂、動物性油脂、合成油脂が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせた調合油を用いてもよい。油相に含まれる油脂としては、風味が良好な水中油型乳化組成物が得られやすいという観点から、植物性油脂が好ましい。
【0032】
植物性油脂としては、エゴマ油、亜麻仁油、サフラワー油、シソ油、菜種油、大豆油、パーム油及びその分別油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、綿実油、コーン油、ヒマワリ油、紅花油、ゴマ油、米油等が挙げられる。パーム油の分別油としては、パーム分別中融点油、パーム分別硬質油、パーム極度硬化油等が挙げられる。
【0033】
動物性油脂としては、魚油(マグロ、サバ、イワシ、カツオ、ニシン等)、豚脂、牛脂、乳脂、羊脂等が挙げられる。
【0034】
合成油脂としては、中鎖脂肪酸油が挙げられる。
【0035】
油脂としては、上記の油脂に対して所望の処理を施した加工油脂であってもよい。このような処理としては、分別(例えば、分別乳脂低融点部、パームスーパーオレイン等の分別)、硬化、エステル交換等が挙げられる。油脂に対しては、1又は2以上の処理を施してもよい。
【0036】
油相に液状油脂を配合すると用途に応じた各種特性の向上を図ることができ、例えば、低温下における結晶析出をさらに抑制し、より一層良好な乳化安定性を得ることができるので好ましい。
【0037】
本発明において「液状油脂」とは、5℃で流動状を呈する油脂を意味する。例えば、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、コーン油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、パーム油を分別したスーパーオレイン等が挙げられる。これらのうち、菜種油が好ましい。
【0038】
[香料]
本発明の水中油型乳化組成物は、乳脂分別軟質部とともに、香料(油溶性香料)が配合されていてもよい。香料を配合することで、乳脂分別軟質部による乳風味発現性を増強することができる。
【0039】
従来、乳脂分別軟質部が、これを配合した食品において乳風味を発現させることができることが知られていた。しかし、本発明者らによる検討の結果、乳脂分別軟質部を香料とともに水中油型乳化組成物(乳化香料)として調製し、これを食品に配合すると、極めて良好な乳風味を発現するだけではなく、水中油型乳化物中で相対的に高濃度に分散した香料が食品中に均一に分散することにより、乳脂分別軟質部由来の乳風味に香料由来の風味が加わり、より一層風味が良好に発現することが見出された。このような効果は、乳脂分別軟質部と香料とを別個に食品に配合した場合には認められなかった。水中油型乳化組成物において、香料は油相及び水相のいずれに分散させてもよいが、とりわけ、油相中に香料を分散させると、一層良好な効果を得ることができる。
【0040】
油相に配合できる香料としては、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、ゆず、ベルガモット、マンダリン等の柑橘系精油類;ラベンダー、ハイビスカス、ローズ、バイオレット等の花精油類;ペパーミント、スペアミント、シナモン等の各種精油類;オールスパイス、アニスシード、バジル、ローレル、カルダモン、セロリ、クローブ、ガーリック、ジンジャー、マスタード、オニオン、パプリカ、パセリ、ブラックペッパー等のスパイス系の各種精油類;豆(コーヒー、カカオ、バニラ、ローストピーナッツ等)由来の抽出油類;紅茶、緑茶、ウーロン茶等のエキストラクト類;カスタードフレーバー、バニラフレーバー、ミルクフレーバー、プリンフレーバー、ヨーグルトフレーバー、バターフレーバー;合成香料類(リモネン、リナロール、ゲラニオール、メントール、オイゲノール、バニリン等)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
[その他の成分]
油相には本発明の効果を阻害しない範囲で、通常食品等に添加可能な油溶性成分が含まれていてもよい。このような成分として、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、大豆レシチン、卵黄レシチン、スフィンゴ脂質、植物ステロール類、トマト糖脂質等)、油溶性抗酸化剤、増粘剤、防腐剤、着色剤等が挙げられる。これらの成分や含量は、得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。
【0042】
[油相の組成]
油相の組成は、上述の乳脂分別軟質部が含まれていれば特に限定されないが、乳脂分別軟質部の含量の下限は、風味が特に良好となりやすいという観点から、油相に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、一層好ましくは50質量%以上、殊更好ましくは60質量%以上、特に好ましくは65質量%以上となるように調整してもよい。乳脂分別軟質部の含量の上限は、乳化安定性が特に良好となりやすいという観点から、油相に対して、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下となるように調整してもよい。
【0043】
香料の含量の下限は、風味が特に良好となりやすいという観点から、油相に含まれる油脂(乳脂分別軟質部を含む)の総量に対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上となるように調整してもよい。香料の含量の上限は、風味が強くなりすぎないという観点から、油相に含まれる油脂(乳脂分別軟質部を含む)の総量に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、一層好ましくは20質量%以下、殊更好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下となるように調整してもよい。
【0044】
油脂(乳脂分別軟質部以外のその他の油脂)の含量の下限は、結晶化を抑制できるという観点から、油相に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上となるように調整してもよい。油脂(乳脂分別軟質部以外のその他の油脂)の含量の上限は、乳化が良好になるという観点から、油相に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下となるように調整してもよい。とりわけ、油脂として液状油脂を上記範囲で使用した場合に本発明の効果が得られやすい。
【0045】
乳化及び乳化安定性が特に良好となりやすく、風味も良好となりやすいという観点から、乳脂分別軟質部及び液状油脂は、乳脂分別軟質部の質量:液状油脂の質量の比率が9:1~5:5となるように油相に配合することが好ましい。該比率の下限は、より好ましくは6:4である。該比率の上限は、より好ましくは8:2である。
【0046】
(水相)
水相の構成は、通常の水中油型乳化組成物において採用されるものであってもよい。例えば、水相は、水性溶媒(水等)や、通常食品等に添加可能な水溶性成分を含んでいてもよい。このような水溶性成分として、水溶性香料、乳化剤(加工澱粉、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、サポニン、脱脂粉乳、カゼイン類、大豆タンパク質、えんどうタンパク質、小麦タンパク質、米タンパク質、アラビアガム、ガティガム、ゼラチン、胆汁末等)、賦形剤(デキストリン等)、抗酸化剤、増粘剤、防腐剤、着色剤等が挙げられる。これらの成分や含量は、得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。
【0047】
水相に配合できる香料としては、ブルーベリー、ラズベリー、クランベリー、ストロベリー等のベリー系の水溶性香料;オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等の柑橘系の水溶性香料組成物;アップル、プラム、ピーチ等のソフトフルーツ系の水溶性香料;ミルクフレーバーが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
(水相と油相との割合)
水中油型乳化組成物において、油相を1とした場合の水相の割合(質量比)は、好ましくは1~6、より好ましくは1.5~5、さらに好ましくは2~4である。
【0049】
<水中油型乳化組成物の製造方法>
本発明の水中油型乳化組成物は、上述の水相及び油相を混合することで得られる。混合方法としては、乳化物を製造できる任意の方法を採用できる。例えば、水相を撹拌しながら油相を添加する方法、油相を撹拌しながら水相を添加する方法、水相及び油相を同時に添加して混合する方法等が挙げられる。
【0050】
混合のために使用する装置としては、公知の撹拌機、乳化機等が挙げられる。
【0051】
<水中油型乳化組成物の性質>
本発明の水中油型乳化組成物は、低温での各種特性(例えば、分離状態、粘度、メディアン径、外観)の変化が抑制されている。各種特性は、実施例に示した方法で評価できる。
【0052】
本発明の水中油型乳化組成物の粘度は、特に限定されないが、流動性が特に良好となりやすいという観点から、実施例で示した方法によって測定される10℃での粘度が、好ましくは25mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下である。
【0053】
本発明の水中油型乳化組成物の遊離脂肪酸量は、特に限定されないが、風味が特に良好となりやすいという観点から、好ましくは0.05wt%以下、より好ましくは0.04wt%以下である。
【0054】
本発明の水中油型乳化組成物中の油脂の酸価は、特に限定されないが、日持ちが特に良好となりやすいという観点から、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下である。
【0055】
本発明の水中油型乳化組成物中の油脂の過酸化物価は、特に限定されないが、日持ちが特に良好となりやすいという観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下である。
【0056】
<水中油型乳化組成物の用途>
本発明の水中油型乳化組成物は、長期にわたり硬さの経時変化が起こりにくく、低温や常温での流動性、作業性に優れることから、あらゆる飲食品に配合できる。例えば、食品への練り込み等に好適に使用できる。
【0057】
(冷菓)
本発明の水中油型乳化組成物は、冷菓に好適に使用される。
【0058】
冷菓としては、アイスクリーム、シャーベット、プリン、ムース、ババロア、ゼリー、ヨーグルト等が挙げられる。
【0059】
本発明の水中油型乳化組成物を使用した冷菓は、乳脂分別軟質部を相対的に高濃度に含有している油滴が、冷菓中に均一に分散することで、コクや乳風味が強く感じられる。
【0060】
(製菓の練り込み)
本発明の水中油型乳化組成物は、製菓の練り込みに好適に使用される。菓子類としては、スポンジケーキ、バターケーキ、パウンドケーキ、ケーキドーナツ、ブッセ、ホットケーキ、ワッフル等のケーキ、ビスケット、クッキー等の菓子等が挙げられる。
【0061】
本発明の水中油型乳化組成物を使用した焼き菓子は、乳脂分別軟質部を相対的に高濃度に含有している油滴が、菓子生地中に均一に分散することで、コクや乳風味が強く感じられる。
【0062】
菓子生地は、通常穀粉を主成分とする生地である。穀粉としては、ベーカリー製品の生地に通常配合されるものであれば、特に限定されないが、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等が挙げられる。
【0063】
菓子生地には、穀粉と本発明の水中油型乳化組成物以外にも、製菓の生地に通常配合されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、製菓の生地に配合される範囲を考慮して特に制限なく配合することができる。具体的には、例えば、水、乳、乳製品、タンパク質、糖質の他、卵、卵加工品、塩類、乳化剤、乳化起泡剤(乳化油脂)、可塑性油脂、粉末油脂、ベーキングパウダー、イースト(酵母)、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、アーモンドパウダー、ココナッツパウダー、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆タンパク、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色料、フレーバー等が挙げられる。
【0064】
焼き菓子は、例えば、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法、卵白別立て法等によって生地を得た後、生地を焼成することによって得ることができる。
【0065】
(製パンの練り込み)
本発明の水中油型乳化組成物は、製パンの練り込みに好適に使用される。例えば、本発明の水中油型乳化組成物を原料に用いて生地を作製し、この生地を焼成することによってパンを製造することができる。本発明の水中油型乳化組成物は、パン生地に練り込んで使用することができる。
【0066】
パン生地は、通常穀粉を主成分とする生地である。穀粉としては、ベーカリー製品の生地に通常配合されるものであれば、特に限定されないが、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等が挙げられる。
【0067】
パン生地には、穀粉と本発明の水中油型乳化組成物以外にも、製パンの生地に通常配合されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、製パンの生地に配合される範囲を考慮して特に制限なく配合することができる。具体的には、例えば、水や、乳、乳製品、タンパク質、糖質の他、卵、卵加工品、塩類、乳化剤、可塑性油脂、粉末油脂、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、アーモンドパウダー、ココナッツパウダー、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆タンパク、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色成分、フレーバー等が挙げられる。
【0068】
製パンとしては、例えば、食パン、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッド、ベーグル、ロールパン、コッペパン、シュトーレン、パネトーネ、クグロフ、ブリオッシュ、ドーナツ等のイースト菓子、デニッシュ、クロワッサン、パイ等のペストリー等が挙げられる。
【0069】
本発明の水中油型乳化組成物を使用した製パンは、乳脂分別軟質部を相対的に高濃度に含有している油滴が、パン生地中に均一に分散することで、コクや乳風味が強く感じられる。
【0070】
(飲料)
本発明の水中油型乳化組成物は、飲料に好適に使用される。
【実施例】
【0071】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0072】
<乳脂分別軟質部の作製>
乳脂より常法により分別を行い、乳脂分別軟質部を得た。乳脂分別軟質部の融点を測定し、異なる2種類の融点(10℃、18℃)を有する乳脂分別軟質部の固体脂含量を測定した。
【0073】
(乳脂分別軟質部の融点の測定)
乳脂分別軟質部の融点は、基準油脂分析法(公益社団法人日本油化学会)の「3.2.2.2-2013 融点(上昇融点)」に準じて測定した。
【0074】
(乳脂分別軟質部の固体脂含量の測定)
固体脂含量(SFC値)は、基準油脂分析法(公益社団法人日本油化学会)の「2.2.9-2013 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定した。その結果を表1に示す。
【0075】
【0076】
各乳脂分別軟質部について、5℃又は10℃で、1週間、3週間又は3ヶ月保存した後の固体脂含量も測定した。その結果を表2に示す。なお、表中の数値の単位は「%」である。
【0077】
【0078】
(乳脂分別軟質部の脂肪酸組成の測定)
各乳脂分別軟質部、及び、不分別の乳脂について、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2-2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」)に基づき、脂肪酸組成を測定した。その結果を表3に示す。なお、表中の数値の単位は「%」である。
【0079】
【0080】
<水中油型乳化組成物の作製>
各乳脂分別軟質部、及び、不分別の乳脂を使用して、以下の方法で水中油型乳化組成物を作製した。使用した成分及び組成を表4の「配合」の項に示す。なお、表中の数値の単位は「質量%」である。なお、以下、表中、「実」は実施例の略であり、「比」は比較例の略である。「軟質部:液状油脂」は、乳脂分別軟質部の質量:液状油脂(菜種油)の質量の比率を意味する。油溶性香料としてミルクフレーバーを用いた。
(1)表に記載の水相原料を混合し、水相を調製した。
(2)表に記載の油相原料を混合し、油相を調製した。
(3)水相及び油相を65℃に加温し、水相に油相を添加し撹拌して乳化した後、ホモミキサーで予備乳化した(6000rpm、20分)。乳化液を高圧ホモゲナイザーにて均質化し、急冷し、水中油型乳化組成物を得た。
【0081】
<水中油型乳化組成物の評価>
各水中油型乳化組成物について、30℃から10℃に徐冷し、それにともなう分離状態、粘度及びメディアン径の変化を評価した。その結果を表4の「評価」の項に示す。
【0082】
(徐冷後の分離状態)
水中油型乳化組成物を恒温槽中にて12時間かけて30℃まで昇温した。その後12時間かけて10℃まで徐冷した後に、目視にて乳化液の分離状態を以下の基準で評価した。
◎+:全く分離していない
◎:乳化液がややクリーミングしているものの、分離していない
○:乳化液表面に少し油が浮いているが、目立った分離はしていない
△:乳化液の上部に分離した層が見られる
×:完全に二層に分離している
【0083】
(徐冷後の粘度の比)
製造直後の水中油型乳化組成物の10℃での粘度(製造直後の粘度)を測定した。
次いで、水中油型乳化組成物を恒温槽中にて12時間かけて30℃まで昇温した。その後12時間かけて10℃まで徐冷し、10℃での粘度(徐冷後の粘度)を測定した。
徐冷後の粘度を製造直後の粘度で除し、粘度の比を以下の基準で評価した。数値が小さいほど、徐冷後の粘度の上昇が抑えられていることを意味する。
なお、粘度はB型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。
◎+:1.0以上1.1未満
◎:1.1以上1.2未満
○:1.2以上1.3未満
△:1.3以上1.4未満
×:1.4以上
【0084】
(徐冷後のメディアン径の比)
製造直後の水中油型乳化組成物の10℃でのメディアン径(製造直後のメディアン径)を測定した。
次いで、水中油型乳化組成物を恒温槽中にて12時間かけて30℃まで昇温した。その後12時間かけて10℃まで徐冷し、10℃でのメディアン径(徐冷後のメディアン径)を測定した。
徐冷後のメディアン径を製造直後のメディアン径で除し、メディアン径の比を以下の基準で評価した。数値が小さいほど、徐冷後の乳化安定性が高いことを意味する。
なお、メディアン径は商品名「SALD-2300湿式レーザー回折装置」(島津製作所製)を用いて測定した。
◎+:1.0以上1.2未満
◎:1.2以上1.4未満
○:1.4以上1.6未満
△:1.6以上1.8未満
×:1.8以上
【0085】
<水中油型乳化組成物を用いた食品の評価>
上記で得られた各水中油型乳化組成物を用いてアイスクリーム及びアイスクリームサンドを作製し、それらの風味等を評価した。その結果を表5及び6の「評価」の項に示す。なお、表中、「乳化組成物」とともに併記された括弧内の記載は、いずれの実施例又は比較例の水中油型乳化組成物を用いたかを意味する。例えば、「乳化組成物(実1)」とは、実施例1の水中油型乳化組成物を用いたことを意味する。
また、参考例として、水中油型乳化組成物の代わりに、乳脂分別軟質部(融点10℃)、菜種油及び香料を個別に配合した(つまり、乳脂分別軟質部、菜種油、及び香料を乳化させていない)アイスクリームも調製した。
【0086】
(アイスクリームの作製)
以下の方法でアイスクリームを作製した。使用した成分及び組成を表5に示す。なお、表中の数値の単位は「質量%」である。
(1)水及びグリセリン脂肪酸エステルを混合し、80℃まで加熱して溶かした。
(2)上記(1)で得られた混合物に表5中の「A」をゆっくりと入れ、7000rpmで5分間撹拌した。
(3)鍋に卵黄及びグラニュー糖を入れ、ホイッパーで白くなるまでよく混ぜた。
(4)上記(3)で得られた混合物に牛乳を入れた。
(5)上記(4)で得られた混合物に上記(2)で得られた混合物を入れ、ナップ状態(軽く息を吹きかけると波型になる状態)になるまで軽く加熱した。
(6)上記(5)で得られた混合物を人肌まで冷ました後、アイスクリーマーにセットし、冷却してアイスクリームを得た。
【0087】
(アイスクリームの乳風味発現性及び口当たりの評価)
各アイスクリームを-20℃で1日間保管後、パネル20名で試食し、以下の基準でその乳風味及び口当たりを評価した。以下の各評価において、パネルは五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準嗅覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判断された20~40代の男性8名、女性12名を選抜した。
【0088】
[アイスクリームの乳風味発現性の評価基準]
◎+:20名中17名以上が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
◎:20名中13~16名が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
○:20名中9名~12名が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
△:20名中5名~8名が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
×:20名中4名以下が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
【0089】
[アイスクリームの口当たりの評価基準]
◎+:20名中17名以上が、硬くなく油の染み出しも感じないと評価
◎:20名中13~16名が、硬くなく油の染み出しも感じないと評価
○:20名中9名~12名が、硬くなく油の染み出しも感じないと評価
△:20名中5名~8名が、硬くなく油の染み出しも感じないと評価
×:20名中4名以下が、硬くなく油の染み出しも感じないと評価
【0090】
(アイスクリームサンドの作製)
以下の方法でアイスクリームサンドを作製した。使用した成分及び組成を表6に示す。なお、表中の数値の単位は「質量%」である。
(1)上白糖及びショートニングをすり合わせ、全卵を徐々に加え合わせた。
(2)薄力粉をさらに加えビーターでなじませた後、手で軽く合わせ、冷蔵庫で1時間リタードした。
(3)生地を棒状に成型後リタードし、生地を厚さ10mmにスライスした。
(4)170℃のオーブンで15分間焼成後、常温まで冷まし、クッキーを得た。
(5)上記(アイスクリームの作製)の手順に沿ってアイスクリームを作製した。
(6)上記(5)で得られたアイスクリームを、上記(4)で得られたクッキー2枚で挟んだ。
(7)冷凍庫で冷やし固め、アイスクリームサンドを得た。
【0091】
(アイスクリームサンドの乳風味発現性の評価)
各アイスクリームサンドを-20℃で1日間保管後、パネル20名で試食し、以下の基準でその乳風味を評価した。以下の各評価においてパネルは五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準嗅覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判断された20~40代の男性8名、女性12名を選抜した。
◎+:20名中17名以上が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
◎:20名中13~16名が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
○:20名中9名~12名が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
△:20名中5名~8名が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
×:20名中4名以下が、口に入れた直後のトップの乳風味が強いと評価
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
表4に示されるとおり、「徐冷後の分離状態」、「徐冷後の粘度の比」、「徐冷後のメディアン径の比」の結果から、本発明の水中油型乳化組成物は、低温での特性変化が抑制されていた。この結果から、本発明の水中油型乳化組成物は低温での乳化安定性が良好であること、低温での流動性が良好であることがわかった。
【0096】
また、表5及び6に示されるとおり、本発明の水中油型乳化組成物を食品に配合することにより、食品の乳風味や食感を向上させることができた。このような向上効果は、水中油型乳化組成物に香料が配合されていると、より良好になる傾向にあった。
【0097】
本発明の水中油型乳化組成物に液状油脂を配合しても、上記効果に影響はなく、特に菜種油を用いるとより効果が良好になる傾向にあった。また、上記効果は、水中油型乳化組成物における乳脂分別軟質部の質量の比率が液状油脂の質量の比率に対して高い場合、特に、乳脂分別軟質部の質量:液状油脂の質量の比率が9:1~6:4である場合により顕著に認められた。
【0098】
他方で、融点が18℃である乳脂分別軟質部を含む水中油型乳化組成物(比較例2)や、不分別の乳脂を含む水中油型乳化組成物(比較例1)によっては、上記のような効果は認められなかった。また、融点が10℃である乳脂分別軟質部、液状油脂及び香料を乳化させずに配合した場合(参考例)も、上記のような効果は認められなかった。