(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】電子線滅菌設備
(51)【国際特許分類】
A61L 2/08 20060101AFI20221222BHJP
B65B 55/08 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
A61L2/08 108
B65B55/08 B
(21)【出願番号】P 2019037100
(22)【出願日】2019-03-01
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横林 孝康
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-19805(JP,A)
【文献】特開2015-81133(JP,A)
【文献】国際公開第2013/062006(WO,A1)
【文献】特開2002-186912(JP,A)
【文献】特開2013-234010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/08
B65B 55/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌対象物を連続して搬送しながら電子線の照射により滅菌するとともに、当該滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する電子線滅菌設備であって、
前記滅菌対象物を電子線の照射により滅菌する上流側電子線滅菌装置と、
前記上流側電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する上流側リジェクト装置と、
前記滅菌対象物の電子線が照射されなかった部分を異なる電子線の照射により滅菌する下流側電子線滅菌装置と、
前記下流側電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する下流側リジェクト装置とを具備することを特徴とする電子線滅菌設備。
【請求項2】
上流側電子線滅菌装置で滅菌された滅菌対象物を案内する上流側案内部材と、
下流側電子線滅菌装置で滅菌された滅菌対象物を案内する下流側案内部材とを具備し、
前記上流側案内部材が、案内している滅菌対象物における、前記上流側電子線滅菌装置で滅菌された部分に接触するものであり、
前記下流側案内部材が、案内している滅菌対象物における、前記下流側電子線滅菌装置で滅菌された部分に接触するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子線滅菌設備。
【請求項3】
上流側電子線滅菌装置が、滅菌対象物の下面およびそれ以外のうちいずれか一方に電子線を照射するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子線滅菌設備。
【請求項4】
滅菌対象物を連続して搬送する連続搬送機を具備し、
下流側電子線滅菌装置が、前記滅菌対象物の電子線が照射されなかった部分に異なる電子線を照射する下流側電子線出射機を備え、
前記下流側電子線出射機が、前記連続搬送機における、上流側電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物に接触する部分にも電子線を出射するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子線滅菌設備。
【請求項5】
連続搬送機が、滅菌対象物を保持しないで連続して搬送するものであることを特徴とする請求項4に記載の電子線滅菌設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滅菌対象物を電子線の照射により滅菌する電子線滅菌装置と、この電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物を排出するリジェクト装置とを具備する電子線滅菌設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子線滅菌装置は、飲食品用または医療用の容器など、高い滅菌の精度が要求される滅菌対象物の滅菌に用いられている。しかしながら、電子線滅菌装置は、装置である以上、何らかの問題により滅菌対象物の滅菌が不十分になることもある。このため、前記電子線滅菌装置を具備する電子線滅菌設備には、当該電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物を排出するリジェクト装置も必要である(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、その
図3に示すように、電子線滅菌装置に相当する電子線照射機構7と、リジェクト装置に相当する除去部19とが記載されている。
【0003】
ところで、前記特許文献1に記載の電子線照射装置1(電子線滅菌設備)では、前記
図3に示すように、電子線照射機構7の1箇所でプラスチック空容器P(滅菌対象物)に電子線が照射されている。すなわち、前記特許文献1では、プラスチック空容器Pを電子線の1回のみの照射により滅菌するので、プラスチック空容器Pに過剰に電子線が照射されがちである。
【0004】
このため、滅菌対象物への電子線の照射を複数回に分け、それぞれの電子線の照射が滅菌対象物の異なる部分となるようにした電子線滅菌設備が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の電子線滅菌設備では、その
図3から明らかなように、ペットボトルB(滅菌対象物)の外面を外面滅菌室4で電子線の照射により滅菌した後、ペットボトルBの内面を内面滅菌室5で電子線の照射により滅菌する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4420237号公報
【文献】特開2016-137895号公報
【発明の概要】
【0006】
前記特許文献2に記載の電子線滅菌設備では、その
図3に示すように、滅菌が不十分なペットボトルBを、内面滅菌室5より下流側の選別室9における排出口92からリジェクト装置により排出する。このような電子線滅菌設備10では、外面滅菌室4でのペットボトルBの滅菌が不十分な場合、当該外面滅菌室4から排出口92までの経路を、当該ペットボトルBの外面から菌の落下により汚染するおそれがある。
【0007】
特許文献2に記載の電子線滅菌設備を簡略化した図面で説明すると、概略平面図である
図14に示すように、連続して搬送される滅菌対象物10は、上流側で一方側が電子線3Eの照射により滅菌され、下流側で他方側が異なる電子線6Eの照射により滅菌される。そして、
図15に示すように、上流側で滅菌対象物10に照射される電子線3Eが不十分である場合、つまり上流側での滅菌対象物10の滅菌が不十分な場合、当該滅菌対象物10がリジェクト装置7により排出されるまでの経路、特に下流側で電子線6Eが照射されるまでの経路を、当該滅菌対象物10から菌の落下により汚染するおそれがある。このため、従来の電子線滅菌設備には、滅菌対象物10の十分な滅菌のために改善の余地があった。
【0008】
そこで、本発明は、滅菌対象物を十分に滅菌することが可能な電子線滅菌設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、第1の発明に係る電子線滅菌設備は、滅菌対象物を連続して搬送しながら電子線の照射により滅菌するとともに、当該滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する電子線滅菌設備であって、
前記滅菌対象物を電子線の照射により滅菌する上流側電子線滅菌装置と、
前記上流側電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する上流側リジェクト装置と、
前記滅菌対象物の電子線が照射されなかった部分を異なる電子線の照射により滅菌する下流側電子線滅菌装置と、
前記下流側電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する下流側リジェクト装置とを具備するものである。
【0010】
また、第2の発明に係る電子線滅菌設備は、上流側電子線滅菌装置で滅菌された滅菌対象物を案内する上流側案内部材と、
下流側電子線滅菌装置で滅菌された滅菌対象物を案内する下流側案内部材とを具備し、
前記上流側案内部材が、案内している滅菌対象物における、前記上流側電子線滅菌装置で滅菌された部分に接触するものであり、
前記下流側案内部材が、案内している滅菌対象物における、前記下流側電子線滅菌装置で滅菌された部分に接触するものである。
【0011】
さらに、第3の発明に係る電子線滅菌設備は、第1または第2の発明に係る電子線滅菌設備における上流側電子線滅菌装置が、滅菌対象物の下面およびそれ以外のうちいずれか一方に電子線を照射するものである。
【0012】
加えて、第4の発明に係る電子線滅菌設備は、第1乃至第3のいずれかの発明に係る電子線滅菌設備において、滅菌対象物を連続して搬送する連続搬送機を具備し、
下流側電子線滅菌装置が、前記滅菌対象物の電子線が照射されなかった部分に異なる電子線を照射する下流側電子線出射機を備え、
前記下流側電子線出射機が、前記連続搬送機における、上流側電子線滅菌装置での滅菌が不十分な滅菌対象物に接触する部分にも電子線を出射するものである。
【0013】
また、第5の発明に係る電子線滅菌設備は、第4の発明に係る電子線滅菌設備における連続搬送機が、滅菌対象物を保持しないで連続して搬送するものである。
【発明の効果】
【0014】
前記電子線滅菌設備によると、上流側電子線滅菌装置による滅菌が不十分な滅菌対象物は上流側リジェクト装置により排出されることで、当該上流側リジェクト装置から下流側の経路が汚染されにくいので、滅菌対象物を十分に滅菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る電子線滅菌設備を示す概略平面図である。
【
図2】同電子線滅菌設備の上流側リジェクト装置で滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する状態を示す概略平面図である。
【
図3】同電子線滅菌設備の下流側リジェクト装置で滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する状態を示す概略平面図である。
【
図4】本発明の実施例に係る電子線滅菌設備を示す概略平面図である。
【
図5】同電子線滅菌設備の下面電子線滅菌装置および下面滅菌後リジェクト装置の概略側面図である。
【
図6】同下面滅菌後リジェクト装置およびノズル式の電子線出射機の拡大平面図であり、リジェクト板が通常位置にある状態または通常位置から下降した状態を示す。
【
図7】
図5に相当する概略側面図であり、リジェクト板が通常位置から下降した状態を示す。
【
図8】
図6に相当する拡大平面図であり、リジェクト板が滅菌位置にある状態を示す。
【
図9】
図5に相当する概略側面図であり、リジェクト板が滅菌位置にある状態を示す。
【
図10】
図4における下流側搬送装置およびその近傍を示す拡大平面図であり、上側面滅菌後リジェクト装置で滅菌が不十分な滅菌対象物を排出しない状態を示す。
【
図11】
図4における下流側搬送装置およびその近傍を示す拡大平面図であり、上側面滅菌後リジェクト装置で滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する状態を示す。
【
図12】
図10に相当する拡大平面図であり、リジェクトガイドが上流側に反転するようにした変形例を示す。
【
図13】
図10に相当する拡大平面図であり、滅菌対象物を案内する下流側ガイドが存するようにした変形例を示す。
【
図14】従来の電子線滅菌設備を示す概略平面図である。
【
図15】同電子線滅菌設備のリジェクト装置で滅菌が不十分な滅菌対象物を排出する状態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る電子線滅菌設備について、図面に基づき説明する。
【0017】
概略平面図である
図1に示すように、前記電子線滅菌設備1は、滅菌対象物10を連続して搬送しながら電子線3E,6Eの照射により滅菌するとともに、当該滅菌が不十分な滅菌対象物10を排出する設備である。
【0018】
前記電子線滅菌設備1は、前記滅菌対象物10を電子線3Eの照射により滅菌する上流側電子線滅菌装置3と、前記上流側電子線滅菌装置3での滅菌が不十分な滅菌対象物10を排出する上流側リジェクト装置4とを具備する。また、前記電子線滅菌設備1は、前記滅菌対象物10の電子線3Eが照射されなかった部分を異なる電子線6Eの照射により滅菌する下流側電子線滅菌装置6と、前記下流側電子線滅菌装置6での滅菌が不十分な滅菌対象物10を排出する下流側リジェクト装置7とを具備する。以下では、滅菌対象物10が搬送される元および先を、それぞれ上流側および下流側と称する。すなわち、前記電子線滅菌設備1の構成は、上流側から順に、上流側電子線滅菌装置3、上流側リジェクト装置4、下流側電子線滅菌装置6および下流側リジェクト装置7である。勿論、前記電子線滅菌設備1の構成は、これらの構成以外にも、図示しないが、さらなる電子線滅菌装置およびリジェクト装置を具備してもよい。
【0019】
前記滅菌対象物10は、滅菌が必要な物であれば特に限定されないが、例えば、目薬容器またはバイアルなど、高い滅菌の精度が要求される物などである。
【0020】
前記電子線滅菌設備1は、滅菌対象物10を連続して搬送する連続搬送機50を具備することが好ましい。前記連続搬送機50としては、滅菌対象物10を載置して搬送する機器の例としてベルトコンベア50またはターンテーブルなどが挙げられ、滅菌対象物10を押して搬送する機器の例としてスターホイールまたは移動式のグリッパなどが挙げられる。前記連続搬送機50は、前記滅菌対象物10を保持しないで連続して搬送するものであることが好ましい。なぜなら、前記連続搬送機50は、前記滅菌対象物10を保持しないことにより、当該滅菌対象物10と接触する面積が小さくなるので、当該滅菌対象物10に照射される電子線3E,6Eを妨げにくくなるからである。このような連続搬送機50は、例えば、ベルトコンベア50、ターンテーブルまたはスターホイールなどである。ここで、滅菌対象物10を連続して搬送するとは、1つの搬送手段で複数の滅菌対象物10を搬送することである。滅菌対象物10を連続して搬送するに該当するためには、隣り合う滅菌対象物10の間隔が必ずしも一定である必要は無く、また、複数の滅菌対象物10のそれぞれ搬送される速度が異なってもよい。例えば、滅菌対象物10が間欠的に(一時停止しながら)搬送され、または、搬送される速度が途中で変更されても、1つの搬送手段で複数の滅菌対象物10が搬送されるのであれば、滅菌対象物10が連続して搬送されると言える。なお、出射される電子線3E,6Eの軸心またはその近傍で、搬送されている滅菌対象物10の一時停止または減速をすれば、当該滅菌対象物10に電子線3E,6Eが十分に照射される。
【0021】
前記上流側電子線滅菌装置3は、連続して搬送されている滅菌対象物10に電子線3Eを照射する上流側電子線出射機35を備える。
【0022】
前記上流側リジェクト装置4は、上流側電子線滅菌装置3での滅菌対象物10の滅菌が不十分であると判断すれば、当該滅菌対象物10を排出するものである。例えば、前記上流側リジェクト装置4は、前記上流側電子線出射機35の電圧値および/または電流値などの出射される電子線3Eの出力に影響がある値を監視し、当該値が閾値を超えた際に、上流側電子線滅菌装置3での滅菌が不十分と判断して、当該滅菌対象物10を排出するものである。
【0023】
前記下流側電子線滅菌装置6は、連続して搬送されている滅菌対象物10に電子線6Eを照射する下流側電子線出射機65を備える。この下流側電子線滅菌装置6は、前記滅菌対象物10の電子線3Eが照射されなかった部分に異なる電子線6Eを照射するものである。
図1に示す例の場合、滅菌対象物10は、図面における下半分に上流側電子線出射機35で電子線3Eが照射され、図面における上半分に下流側電子線出射機65で電子線6Eが照射される。勿論、前記下流側電子線滅菌装置6は、前記滅菌対象物10の電子線3Eが照射された部分にも異なる電子線6Eを照射するものであってもよい。
【0024】
前記下流側リジェクト装置7は、下流側電子線滅菌装置6での滅菌対象物10の滅菌が不十分であると判断すれば、当該滅菌対象物10を排出するものである。例えば、前記下流側リジェクト装置7は、前記下流側電子線出射機65の電圧値および/または電流値などの出射される電子線6Eの出力に影響がある値を監視し、当該値が閾値を超えた際に、下流側電子線滅菌装置6での滅菌が不十分と判断して、当該滅菌対象物10を排出するものである。
【0025】
前記上流側電子線出射機35および下流側電子線出射機65(以下では、まとめて電子線出射機35,65と略す)は、滅菌対象物10の滅菌が可能な程度以上に電子線3E,6Eを出射するものであれば、特に限定されない。滅菌対象物10が搬送される経路と電子線出射機35,65との距離は、小型化のためにも小さい方が好ましい。前記電子線出射機35,65は、先端部から電子線3E,6Eを出射する電子線出射ノズルを有するノズル式であることが好ましい。ノズル式の電子線出射機は、他の電子線出射機よりも小型なので、採用されることで上流側電子線出射機35および下流側電子線出射機65が全体として小型化に繋がるからである。
【0026】
後述する実施例で詳しく説明するが、前記上流側電子線出射機35は、前記滅菌対象物10の下面およびそれ以外のうちいずれか一方に電子線3Eを照射するものであることが好ましい。なぜなら、電子線3Eの照射が困難な部分である滅菌対象物10の下面と、それ以外とに分けて電子線3E,6Eを照射することで、滅菌対象物10の下面も十分に滅菌されるからである。
【0027】
前記下流側電子線出射機65は、前記連続搬送機50における、上流側電子線滅菌装置3での滅菌が不十分な滅菌対象物10に接触する部分にも電子線6Eを出射するものであることが好ましい。なぜなら、当該滅菌対象物10から付着した菌が不活性化されて、前記連続搬送機50で下流側電子線出射機65よりも下流側を汚染しないからである。
【0028】
以下、前記電子線滅菌設備1の作用について説明する。
【0029】
図1に示すように、連続して搬送されている滅菌対象物10は、上流側電子線滅菌装置3により滅菌される。この滅菌が十分であれば、滅菌対象物10は上流側リジェクト装置4により排出されることなく下流側電子線滅菌装置6まで搬送される。一方で、
図2に示すように、前記滅菌が不十分であれば、滅菌対象物10は上流側リジェクト装置4により排出される。このため、上流側電子線滅菌装置3での滅菌が不十分な滅菌対象物10は、上流側リジェクト装置4から下流側に搬送されないので、上流側リジェクト装置4から下流側の経路が汚染されにくい。
【0030】
図1に示すように、下流側電子線滅菌装置6まで搬送されている滅菌対象物10は、電子線3Eが照射されなかった部分に異なる電子線6Eが照射されることで、下流側電子線滅菌装置6により滅菌される。この滅菌が十分であれば、滅菌対象物10は下流側リジェクト装置7からさらに下流側に搬送される。一方で、
図3に示すように、前記滅菌が不十分であれば、滅菌対象物10は下流側リジェクト装置7により排出される。
【0031】
このように、前記電子線滅菌設備1によると、上流側電子線滅菌装置3による滅菌が不十分な滅菌対象物10は上流側リジェクト装置4により排出されることで、当該上流側リジェクト装置4から下流側の経路が汚染されにくいので、滅菌対象物10を十分に滅菌することができる。
【0032】
また、上流側電子線滅菌装置3が、前記滅菌対象物10の下面およびそれ以外のうちいずれか一方に電子線3Eを照射するものであることにより、電子線の照射が困難な部分である滅菌対象物10の下面も十分に滅菌することができる。
【0033】
さらに、前記下流側電子線出射機65が、前記連続搬送機50における、上流側電子線滅菌装置3での滅菌が不十分な滅菌対象物10に接触する部分にも電子線6Eを出射することにより、下流側電子線出射機65よりも下流側が汚染されないので、滅菌対象物10をさらに十分に滅菌することができる。
【0034】
加えて、連続搬送機50が滅菌対象物10を保持しないで連続して搬送するものであることにより、当該滅菌対象物10に照射される電子線3E,6Eが妨げられにくくなるので、滅菌対象物10をさらに十分に滅菌することができる。
【実施例】
【0035】
以下、前記実施の形態をより具体的に示した実施例に係る電子線滅菌設備1について、図面に基づき説明する。本実施例では、前記実施の形態とは異なる構成に着目して説明するとともに、前記実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図4に示すように、この電子線滅菌設備1は、上流側から順に、上流側電子線滅菌装置3まで連続して滅菌対象物10を搬送する上流側搬送装置2と、前記上流側電子線滅菌装置3と、この上流側電子線滅菌装置3での滅菌が不十分な滅菌対象物10を排出する上流側リジェクト装置4とを具備する。ここで、前記上流側電子線滅菌装置3は、下方からの電子線3Eにより滅菌対象物10の下面を滅菌するものであるから、以下では下面電子線滅菌装置3と称する。また、前記上流側リジェクト装置4は、下面が滅菌された滅菌対象物10のうち滅菌が不十分なものを排出するものであるから、以下では下面滅菌後リジェクト装置4と称する。さらに、前記電子線滅菌設備1は、上流側から順に、前記下面滅菌後リジェクト装置4で排出されなかった(適切に滅菌された)滅菌対象物10を搬送する下流側搬送装置5と、下流側搬送装置5に搬送されている滅菌対象物10の上面および側面を電子線6Eの照射により滅菌する下流側電子線滅菌装置6と、この下流側電子線滅菌装置6での滅菌が不十分な滅菌対象物10を排出する下流側リジェクト装置7とを具備する。ここで、前記下流側電子線滅菌装置6は、上方および側方からの電子線6Eにより滅菌対象物10の上面および側面を滅菌するものであるから、以下では上側面電子線滅菌装置6と称する。また、前記下流側リジェクト装置7は、上面および側面が滅菌された滅菌対象物10のうち滅菌が不十分なものを排出するものであるから、以下では上側面滅菌後リジェクト装置7と称する。
【0037】
前記上流側搬送装置2は、上流側から連続して搬送されてきた滅菌対象物10を載置して円経路に搬送するターンテーブル21と、このターンテーブル21で円経路に搬送されている滅菌対象物10を当該ターンテーブル21の上で適切に案内する固定式のターンテーブル上ガイド22とを備える。滅菌対象物10は、ターンテーブル21の上では隣り合うものと互いに接触することになるが、下面電子線滅菌装置3では隣り合うものと互いに接触しない。このため、滅菌対象物10は、ターンテーブル21から下面電子線滅菌装置3に受け渡されるにあたって、隣り合うものと間隔を有する必要がある。この間隔を生じさせる機器として、前記上流側搬送装置2は、ターンテーブル上ストッパ23を備えてもよい。なお、ターンテーブル上ストッパ23が前記間隔を生じさせる機能を備えなくても、後述するスターホイール板132の形状により、前記間隔が生ずるようにしてもよい。いずれであっても、本実施例に係る下面電子線滅菌装置3では、滅菌対象物10が隣り合うものと間隔を有するように連続して搬送される。
【0038】
以下、本実施例に係る下面電子線滅菌装置3(上流側電子線滅菌装置3の一例)、下面滅菌後リジェクト装置4(上流側リジェクト装置4の一例)、上側面電子線滅菌装置6(下流側電子線滅菌装置6の一例)および上側面滅菌後リジェクト装置7(下流側リジェクト装置7の一例)について詳細に説明する。
【0039】
前記下面電子線滅菌装置3は、連続搬送手段としてのスターホイール131と、このスターホイール131に搬送されている滅菌対象物10に上面で接する固定式の固定板33とを備える。
図5に示すように、前記下面電子線滅菌装置3は、この固定板33の下方に配置されて上方に向けて電子線3Eを出射する下面電子線出射機35を備える。この下面電子線出射機35は、ノズル式の電子線出射機135である。前記固定板33には、下方からの電子線3Eを通過させる多数のスリット34が形成されている。これらスリット34を前記電子線3Eが下方から上方に通過することで、当該スリット34を有する固定板33の上面に接して搬送されている滅菌対象物10の下面13全面に、当該電子線3Eが照射される。
【0040】
前記スターホイール131は、円板の外周囲に当該円板よりも小さい円弧の切欠きが連続して等間隔で多数形成されたスターホイール板132と、このスターホイール板132を回転させる回転機構133とを有する。スターホイール板132の回転により、前記円弧の切欠きに保持された滅菌対象物10が固定板33の上面で連続して搬送されるだけでなく、下面滅菌後リジェクト装置4の構成部材であるリジェクト板41の上面でも連続して搬送される。すなわち、前記スターホイール131は、前記実施の形態における連続搬送機50(正確には連続搬送機50の上流側部分)に相当する。スターホイール131に搬送されている隣り合う滅菌対象物10は、前記スターホイール板132の外周囲における円弧状の切欠きにより一定の間隔で切出されるので、互いに接触しない。なお、前記ターンテーブル上ガイド22のうちターンテーブル21の上で内側に位置する方は、前記スターホイール131で搬送されている滅菌対象物10を円経路に案内するアウターガイドとして、前記固定板33およびリジェクト板41を介して下流側搬送装置5まで渡されている。このようなアウターガイドを設けない場合、スターホイール板132の外周囲における円弧状の切欠きには、円経路に案内する滅菌対象物10を吸着させるための真空吸着パットが付けられる。
【0041】
図4に示すように、前記固定板33に形成された多数のスリット34は、それらの長手方向を、前記滅菌対象物10が搬送される方向である前記スターホイール板132の回転円周方向に対して傾斜させている。また、各スリット34は、前記スターホイール131で搬送される滅菌対象物10の軌跡を完全に横断する長さを有する。さらに、
図5に示すように、各スリット34の短手方向における幅は、搬送されている滅菌対象物10の側面の一部および隣り合うスリット34の間の上面の一部にも電子線3Eを照射させる程度である。
【0042】
前記ノズル式の電子線出射機135である下面電子線出射機35は、電子線3Eを発生させる電子線発生器136と、この電子線発生器136を内部に配置した真空チャンバ137と、この真空チャンバ137に気密に接続されて先端部から電子線3Eを出射する電子線出射ノズル138とを有する。
【0043】
前記下面滅菌後リジェクト装置4は、前記下面電子線滅菌装置3での滅菌が不十分か否かを判断する下面滅菌後判断部43と、前記スターホイール131に搬送されている滅菌対象物10に上面で接するリジェクト板41とを備える。また、前記下面滅菌後リジェクト装置4は、前記下面滅菌後判断部43により下面電子線滅菌装置3での滅菌が不十分と判断された際において、当該滅菌が不十分な滅菌対象物10を排出するリジェクト部44と、前記下面電子線出射機35からの電子線3Eが照射される位置にリジェクト板41を移動させる移動機構47とを備える。
【0044】
前記下面滅菌後判断部43は、前記下面電子線出射機35の出射される電子線3Eの出力に影響がある値である電圧値および電流値を監視し、当該値が閾値を超えた際に、下面電子線滅菌装置3での滅菌が不十分と判断するものである。
【0045】
前記リジェクト板41には、前記固定板33に形成された多数のスリット34と同じ多数のスリット141が形成されている。これら多数のスリット141は、前記リジェクト板41の下面に照射された電子線3Eを上面まで回り込ませるものである。すなわち、前記リジェクト板41は、前記多数のスリット141が形成されていることにより、下面に電子線3Eが照射されても、上面にも電子線3Eが照射されることになる。
【0046】
前記リジェクト部44は、滅菌対象物10を排出する排出口45が形成された下面滅菌後排出管145と、この下面滅菌後排出管145の上方に配置された規制部材46とを有する。この規制部材46は、前記移動機構47によるリジェクト板41の移動を妨げない位置に配置された丸棒である。この丸棒は、前記リジェクト板41の直下方よりも上流側に配置された部分を有する。
【0047】
前記移動機構47は、
図6および
図7に示すようにリジェクト板41を通常位置から下降させて、さらに
図8および
図9に示すように当該リジェクト板41を滅菌位置まで上流側に移動させる機能を有する。
【0048】
図10に示すように、前記下流側搬送装置5は、パンチングメタルからなるベルトを無端状に形成した穴あきベルトコンベア51である。この穴あきベルトコンベア51は、前記実施の形態における連続搬送機50(正確には連続搬送機50の下流側部分)に相当する。前記穴あきベルトコンベア51は、前記スターホイール131よりも高速で滅菌対象物10を搬送するものである。
【0049】
前記上側面電子線滅菌装置6は、下流側電子線出射機65の一例として、第1上側面電子線出射機65Lと、第2上側面電子線出射機65Rとを備える。第1上側面電子線出射機65Lは滅菌対象物10の左側における上側面に電子線6Eを照射するものであり、第2上側面電子線出射機65Rは滅菌対象物10の右側における上側面に電子線6Eを照射するものである。これら第1上側面電子線出射機65Lおよび第2上側面電子線出射機65Rは、いずれもノズル式の電子線出射機である。前記第1上側面電子線出射機65Lは、スターホイール板132の外周囲にも、具体的には滅菌対象物10を下流側搬送装置5に搬送し終えた小さい円弧の切欠き部分にも、電子線6Eを照射する位置に配置される。
【0050】
前記上側面滅菌後リジェクト装置7は、前記上側面電子線滅菌装置6での滅菌が不十分か否かを判断する上側面滅菌後判断部73と、前記穴あきベルトコンベア51に搬送されている滅菌対象物10が案内される方向を変更可能なリジェクトガイド74と、滅菌対象物10を排出する上側面滅菌後排出管75を備える。また、前記上側面滅菌後リジェクト装置7は、前記上側面滅菌後判断部73により上側面電子線滅菌装置6での滅菌が不十分と判断された際において、前記リジェクトガイド74により滅菌対象物10が案内される方向を穴あきベルトコンベア51から上側面滅菌後排出管75に変更する回動機構77とを備える。
【0051】
前記上側面滅菌後判断部73は、前記下流側電子線出射機65の出射される電子線6Eの出力に影響がある値である電圧値および電流値を監視し、当該値が閾値を超えた際に、上側面電子線滅菌装置6での滅菌が不十分と判断するものである。
【0052】
以下、前記電子線滅菌設備1の作用について説明する。
【0053】
図4に示すように、上流側搬送装置2で下面電子線滅菌装置3まで連続して搬送されてきた滅菌対象物10は、下面電子線滅菌装置3のスターホイール131により、固定板33の上面および下面滅菌後リジェクト装置4のリジェクト板41の上面を介して、下流側搬送装置5まで連続して搬送される。
【0054】
固定板33の上面では、当該固定板33の上面に滅菌対象物10が接しながら連続して搬送される。一方で、固定板33の下方から下面電子線出射機35が電子線3Eを上方に向けて出射しているので、当該電子線3Eが多数のスリット34を通過して搬送されている滅菌対象物10の下面13に照射される。下面に電子線3Eが照射されている滅菌対象物10は多数のスリット34に対して相対的に移動しているので、前記電子線3Eの照射により当該下面に生じる固定板33からの影が移動することになる。さらに、各スリット34の長手方向が滅菌対象物10の搬送されている方向に対して傾斜しているので、滅菌対象物10の下面13全面に十分に電子線3Eが照射される。
【0055】
また、
図5に示すように、下面電子線出射機35からの電子線3Eは、滅菌対象物10の下面13を照射するだけでなく、滅菌対象物10の側面の一部および隣り合うスリット34の間の上面の一部も照射する。
【0056】
前記下面電子線滅菌装置3では、滅菌対象物10と固定板33とを搬送以外に相対移動させないので、当該相対移動のための別途の機器が不要である。このため、当該相対移動の前後の位置で滅菌対象物10に電子線3Eが照射されるようにすることも不要になるので、電子線3Eを照射する領域が小さくて済む。また、固定板33は、固定式であり移動式ではないので、万一のために下面電子線出射機35から十分に離しておくことも不要である。
【0057】
前記下面滅菌後リジェクト装置4では、下面電子線滅菌装置3での滅菌が不十分か否かについて、下面滅菌後判断部43により判断される。
【0058】
前記下面滅菌後判断部43により下面電子線滅菌装置3での滅菌が不十分と判断されない際(つまり滅菌が十分と判断された際)に、リジェクト板41は通常位置にあるので、滅菌対象物10はスターホイール131により下流側搬送装置5まで搬送される。
【0059】
前記下面滅菌後判断部43により下面電子線滅菌装置3での滅菌が不十分と判断された際に、スターホイール131を停止するタイミングが当該判断から遅れると、滅菌の不十分な滅菌対象物10がリジェクト板41の上面まで搬送されてくる。この場合、滅菌の不十分な滅菌対象物10から菌がリジェクト板41の上面に付着してしまう。
【0060】
続いて、
図6および
図7に示すように、移動機構47により、リジェクト板41を通常位置から下降させた後に、
図8および
図9に示すように、当該リジェクト板41を上流側に滅菌位置まで移動させる。この上流側への移動の際に、規制部材46に当たった滅菌対象物10は、当該上流側への移動が規制されることでリジェクト板41から下面滅菌後排出管145に落ちる。一方で、滅菌位置まで達したリジェクト板41の下面は、下面電子線出射機35からの電子線3Eが照射される。この電子線3Eは、リジェクト板41の下面から、当該リジェクト板41に形成された多数のスリット141を回り込んで、当該リジェクト板41の上面まで達する。すなわち、滅菌位置のリジェクト板41の上面では、下面から回り込んだ電子線3Eが照射されることにより、通常位置で滅菌の不十分な滅菌対象物10から付着した菌が不活性化される。
【0061】
図10に示すように、スターホイール131で下流側搬送装置5まで連続して搬送されてきた滅菌対象物10は、下流側搬送装置5である穴あきベルトコンベア51のパンチングメタルからなるベルトに載置されて、さらに下流側まで連続して搬送される。なお、穴あきベルトコンベア51の方がスターホイール131よりも高速なので、隣り合う滅菌対象物10の間隔は、穴あきベルトコンベア51の方がスターホイール131よりも広くなる。なお、当該間隔を広くする切出し装置53を設けてもよい。
【0062】
穴あきベルトコンベア51で連続して搬送されている滅菌対象物10の上側面には、第1上側面電子線出射機65Lおよび第2上側面電子線出射機65Rから電子線6Eが照射される。また、第1上側面電子線出射機65Lからの電子線6Eは、滅菌対象物10の左側における上側面を照射するだけでなく、一方で、スターホイール板132の外周囲にも照射する。
前記上側面滅菌後リジェクト装置7では、上側面電子線滅菌装置6での滅菌が不十分か否かについて、上側面滅菌後判断部73により判断される。
【0063】
前記上側面滅菌後判断部73により上側面電子線滅菌装置6での滅菌が不十分と判断されない際(つまり滅菌が十分と判断された際)に、リジェクトガイド74により滅菌対象物10が案内される方向は穴あきベルトコンベア51であり、リジェクトガイド74は滅菌対象物10に接触しないように維持される。一方で、前記上側面滅菌後判断部73により上側面電子線滅菌装置6での滅菌が不十分と判断された際に、リジェクトガイド74により滅菌対象物10が案内される方向は穴あきベルトコンベア51から上側面滅菌後排出管75に変更されるので、滅菌の不十分な滅菌対象物10は上側面滅菌後排出管75に落ちて排出される。
【0064】
このように、前記電子線滅菌設備1によると、下面電子線滅菌装置3による滅菌が不十分な滅菌対象物10は下面滅菌後リジェクト装置4による排出されることで、当該下面滅菌後リジェクト装置4から下流側の経路が汚染されにくいので、滅菌対象物10を十分に滅菌することができる。
【0065】
また、スターホイール板132の外周囲にも電子線6Eが照射されることから、下面滅菌後リジェクト装置4から下流側の経路が汚染されにくいので、滅菌対象物10をさらに十分に滅菌することができる。
【0066】
ところで、前記実施例では、下流側搬送装置5の一例として、パンチングメタルからなるベルトを無端状に形成した穴あきベルトコンベア51について説明したが、無端状のベルトはパンチングメタルからなるものに限定されず、メッシュからなるものでもよく、開口が形成されていないものでもよい。
【0067】
また、前記実施例では、上流側リジェクト装置4および下流側リジェクト装置7のうち、上流側リジェクト装置4(正確にはリジェクト板41)が電子線3Eの照射により滅菌されるとして説明したが、下流側リジェクト装置7も電子線6Eの照射により滅菌される構成でもよい。例えば、
図12に示すように、リジェクトガイド74は、穴あきベルトコンベア51で搬送される方向に垂直で且つ当該搬送される面に平行な軸79で回転可能である。すなわち、前記ベルトの上でリジェクトガイド74が前記軸79で上流側に反転するように構成される。前記軸79は、上流側に反転したリジェクトガイド74が電子線6Eの照射により滅菌される位置に配置される。
【0068】
さらに、前記実施例では、滅菌対象物10を案内する部材として、ターンテーブル上ガイド22のみ説明したが、
図13に示すように、下流側リジェクト装置7(上側面滅菌後リジェクト装置7)よりも下流側に、下流側ガイド76が存してもよい。言い換えれば、前記電子線滅菌設備1は、上流側電子線滅菌装置3(下面電子線滅菌装置3)で滅菌された滅菌対象物10を案内するターンテーブル上ガイド22(上流側案内部材)と、下流側電子線滅菌装置6(上側面電子線滅菌装置6)で滅菌された滅菌対象物を案内する下流側ガイド76(下流側案内部材)とを具備してもよい。前記ターンテーブル上ガイド22は、案内している滅菌対象物10における、前記上流側電子線滅菌装置3(下面電子線滅菌装置3)で滅菌された部分に接触するものである。前記下流側ガイド76は、案内している滅菌対象物10における、下流側電子線滅菌装置6(上側面電子線滅菌装置6)で滅菌された部分に接触するものである。
【0069】
また、前記実施の形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。前記実施の形態および実施例で説明した構成のうち「課題を解決するための手段」での第1の発明として記載した構成以外については、任意の構成であり、適宜削除および変更することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 電子線滅菌設備
3 上流側電子線滅菌装置
4 上流側リジェクト装置
6 下流側電子線滅菌装置
7 下流側リジェクト装置
65 下流側電子線出射機
65L 第1上側面電子線出射機
65R 第2上側面電子線出射機
73 上側面滅菌後判断部
74 リジェクトガイド
75 上側面滅菌後排出管
77 回動機構