(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】微小重力空間用トイレ
(51)【国際特許分類】
B64G 1/60 20060101AFI20221222BHJP
A47K 11/00 20060101ALI20221222BHJP
E03D 11/02 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B64G1/60
A47K11/00
E03D11/02 Z
(21)【出願番号】P 2019074396
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】515087972
【氏名又は名称】株式会社イノフィス
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【氏名又は名称】若林 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏
(72)【発明者】
【氏名】前田 拓己
【審査官】藤井 浩介
(56)【参考文献】
【文献】特開平1-153398(JP,A)
【文献】実開平1-65796(JP,U)
【文献】実開平2-29895(JP,U)
【文献】特開平4-247133(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105569149(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/60
A47K 11/00
E03D 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部に開口を備えた略筒形状の取付部と、全体形状が略筒状に形成されると共に前記取付部に接続されて排泄物を収容可能な収容部と、を備えた回収容器と、
前記収容部の前記取付部の側の外周部に、前記収容部の径方向外側かつ前記取付部の側へ向けて傾斜して取り付けられると共に、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成され、前記回収容器の内周面を前記取付部の側から底部側へ向けて螺旋状に旋回するように前記回収容器へ空気を流入させる流入部と、
前記収容部の前記取付部の側の前記外周部に傾斜して取り付けられると共に、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成され、前記回収容器の内部の空気を流出させる流出部と、
空気を循環させる送風機を備え、一端部が前記流入部と接続されると共に、他端部が前記流出部と接続された循環手段と、
を備えた微小重力空間用トイレ。
【請求項2】
略中心部に便座孔部が形成されると共に上面側から人体の臀部が載置される便座部を備え、前記回収容器の前記取付部は、前記便座部に対して着脱可能とされている請求項1に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項3】
前記収容部の全体形状は、前記取付部と接続する側の外径が、反対側の端部の外径よりも小さい略円錐台状に形成された請求項1又は請求項2に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項4】
前記流出部は、前記収容部の外周部に、前記収容部の径方向外側かつ前記取付部の側へ向けて傾斜して取り付けられた請求項1から請求項3の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項5】
前記収容部は、全体形状が略筒状に形成された外筒部と、前記外筒部の内周側に配置され、前記取付部へ向けて開放された開口を有すると共に前記流入部と前記流出部に各々接続する複数の接続口を有して袋状に形成された袋部と、を含んで構成された請求項1から請求項4の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項6】
前記袋部は、前記取付部へ向けて開放された開口を有する側の端部が、前記回収容器の前記取付部の側の端部に取り付けられた請求項5に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項7】
前記外筒部は、前記取付部と接続する側と反対側の端部に貫通形成された孔を備える請求項6に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項8】
前記回収容器の前記取付部は、外周部に貫通形成されると共に前記循環手段と接続され、前記循環手段から送られた空気を前記回収容器へ流入させる補助気流流入部を備える請求項1から請求項7の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項9】
前記回収容器の前記収容部は、前記取付部に対して着脱可能とされた請求項1から請求項8の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項10】
前記循環手段の前記送風機は、手動により駆動可能な請求項1から請求項9の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレ。
【請求項11】
使用する際の人体の人体左右方向及び人体上下方向へ移動可能に形成され、当該人体の大腿部を保持する体固定機構を備えた請求項1から請求項10の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小重力空間用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、便器の上部に設けられ、空気供給装置に連絡すると共に下向きに開放された空気吹込部と、便器内に駆動装置によって回転可能に配置され、上部開口が排泄口に対向する上下開口の内筒部と、を備えた微小重力空間用便所装置が開示されている。また、便器の排出口は、吸引装置を備える汚物収容スペースに連絡されている。このため、排泄物に吸引力とその吸引方向に排泄物を押し遣る空気の加圧力を働かせ、便器内に排出口へ向けた空気の流れを形成することにより排泄物を空中に飛散させることなく便器から汚物収容スペースへ排出処理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された微小重力空間用便所装置では、便器自体の機構が複雑になると共に内筒部を回転させるための所定の電力が必要となる。また、空気を循環させる流路内に汚物収容スペースが設けられているため、空気を循環させる流路全体の容積が大きくなると共に、容積の大きな流路内に空気を循環させるための電力が大きくなる。以上のことから、微小重力空間用トイレにおいて、便器を簡易な構成とした上で空気を循環させるための電力の使用を抑制する観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、便器を簡易な構成とした上で空気を循環させるための電力の使用を抑制できる微小重力空間用トイレを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の微小重力空間用トイレは、両端部に開口を備えた略筒形状の取付部と、全体形状が略筒状に形成されると共に前記取付部に接続されて排泄物を収容可能な収容部と、を備えた回収容器と、前記収容部の前記取付部の側の外周部に、前記収容部の径方向外側かつ前記取付部の側へ向けて傾斜して取り付けられると共に、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成され、前記回収容器の内周面を前記取付部の側から底部側へ向けて螺旋状に旋回するように前記回収容器へ空気を流入させる流入部と、前記収容部の前記取付部の側の前記外周部に傾斜して取り付けられると共に、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成され、前記回収容器の内部の空気を流出させる流出部と、空気を循環させる送風機を備え、一端部が前記流入部と接続されると共に、他端部が前記流出部と接続された循環手段と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の微小重力空間用トイレによれば、回収容器は、収容部の取付部側の外周部に、収容部の径方向外側かつ取付部側へ向けて傾斜して取り付けられ、回収容器へ空気を流入させる流入部と回収容器の内部の空気を流出させる流出部を備える。このため、回収容器を回転させることなく回収容器の内周面を取付部の側から底部側へ向けて螺旋状に旋回するように回収容器へ空気を流入させることができる。これにより、回収容器を簡易な構成とすることができる。
【0008】
さらに、請求項1に記載の微小重力空間用トイレによれば、収容部の取付部側の外周部に、収容部の径方向外側かつ取付部側へ向けて傾斜して取り付けられると共に、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成された流入部が備えられている。流入部からは、回収容器の内周面を取付部側から底部側へ向けて螺旋状に旋回するように回収容器へ空気が流入される。このため、取付部側から底部側へ向けて螺旋状に旋回するように流入された空気によって、収容部に収容された排泄物は、収容部の底部側へ滞留される。また、収容部の取付部側の外周部には、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成され、回収容器の内部の空気を流出させる流出部が、傾斜して取り付けられている。このため、空気を循環させる流路の外側に排泄物を滞留させた状態で空気を循環させることができる。これにより、空気を循環させる流路の容積の増加を抑制すると共に効率よく排泄物を収容部に滞留させることができるため、空気を循環させるための電力の使用を抑制できる。
【0009】
請求項2に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1に記載の微小重力空間用トイレにおいて、略中心部に便座孔部が形成されると共に上面側から人体の臀部が載置される便座部を備え、前記回収容器の前記取付部は、前記便座部に対して着脱可能とされている。
【0010】
請求項2に記載の微小重力空間用トイレによれば、回収容器は、便座部に対して着脱可能とされている。このため、トイレを使用する人は、便座部に着座した安定した姿勢で排泄物を排出することができると共に、収容部に収容された排泄物を、便座部から回収容器を取り外すことにより簡便に処理することができる。
【0011】
請求項3に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1又は請求項2に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記収容部の全体形状は、前記取付部と接続する側の外径が、反対側の端部の外径よりも小さい略円錐台状に形成されている。
【0012】
請求項3に記載の微小重力空間用トイレによれば、収容部の全体形状は、取付部と反対側の端部の外径が、取付部側端部の外径よりも大きい略円錐台状に形成されている。このため、回収容器の便座部側から底部側へ向けて螺旋状に旋回するように流入された空気は、底部側へ向かうにつれて、流速が低下すると共に回収容器の水平方向に沿った円軌道で旋回する。これにより、回収容器の底部に滞留された排泄物を回収容器の取付部側へ押し遣ろうとする力が生じないため、排泄物を回収容器の底部に安定して滞留させることができる。
【0013】
請求項4に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記流出部は、前記収容部の外周部に、前記収容部の径方向外側かつ前記取付部の側へ向けて傾斜して取り付けられている。
【0014】
請求項4に記載の微小重力空間用トイレによれば、流出部は、収容部の外周部に、収容部の径方向外側かつ取付部側へ向けて傾斜して取り付けられている。このため、流入部から回収容器の内周面を便座部側から底部側へ向けて螺旋状に旋回するように流入された空気が流出部側に分散して流れることを抑制することができる。これにより、空気を効率よく回収容器の便座部側から底部側へ向けて螺旋状に旋回させることができるため、空気を循環させるための電力の使用を抑制できる。
【0015】
請求項5に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記収容部は、全体形状が略筒状に形成された外筒部と、前記外筒部の内周側に配置され、前記取付部へ向けて開放された開口を有すると共に前記流入部と前記流出部に各々接続する複数の接続口を有して袋状に形成された袋部と、を含んで構成されている。
【0016】
請求項5に記載の微小重力空間用トイレによれば、収容部は、全体形状が略筒状に形成された外筒部の内周側に、取付部へ向けて開放された開口を有して袋状に形成された袋部が配置されている。また、袋部は、流入部と流出部に各々接続する複数の接続口を有している。このため、排泄物を袋部に収容することができると共に、排泄物を袋部の底部に滞留させることができる。さらに、袋部を処分することにより排泄物を簡便に処分することができる。
【0017】
請求項6に記載の微小重力空間用トイレは、請求項5に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記袋部は、前記取付部へ向けて開放された開口を有する側の端部が、前記取付部の前記便座部の側の端部に取り付けられている。
【0018】
請求項6に記載の微小重力空間用トイレによれば、袋部の開口を有する側の端部は、取付部の便座部に取り付けられる側の端部に取り付けられている。このため、排泄物を確実に袋部の内部に収容することができると共に、取付部から袋部を取り外すことにより排泄物を簡便に処分することができる。
【0019】
請求項7に記載の微小重力空間用トイレは、請求項6に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記外筒部は、前記取付部と接続する側と反対側の端部に貫通形成された孔を備えている。
【0020】
請求項7に記載の微小重力空間用トイレによれば、外筒部は、取付部と接続する側と反対側の端部に貫通形成された孔を備えているため、回収容器の外周側の底部は開放されている。このため、空気が流入された袋部を回収容器の底部側で制限されることなく膨張させることができる。これにより、排泄物を袋部の底部に安定して滞留させることができる。
【0021】
請求項8に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1請求項7の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記回収容器の前記取付部は、外周部に貫通形成されると共に前記循環手段と接続され、前記循環手段から送られた空気を前記回収容器へ流入させる補助気流流入部を備えている。
【0022】
請求項8に記載の微小重力空間用トイレによれば、循環手段と接続された補助気流流入部から流入された空気は、回収容器の取付部側から底部側へ向けて流下する。このため、回収容器の取付部側から底部側へ向けた風圧力が増加する。これにより、排泄物を回収容器の底部に安定して滞留させることができる。
【0023】
請求項9に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1請求項8の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記回収容器の前記収容部は、前記取付部に対して取外可能とされている。
【0024】
請求項9に記載の微小重力空間用トイレによれば、回収容器の収容部は、取付部に対して取外可能とされている。このため、排泄物が収容された収容部をだけを取り外して排泄物を簡便に処理することができる。
【0025】
請求項10に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1請求項9の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレにおいて、前記循環手段の前記送風機は、手動により駆動可能とされている。
【0026】
請求項10に記載の微小重力空間用トイレによれば、循環手段の送風機は、手動により駆動することができる。このため、電力を使用することなく、空気を循環させることができる。
【0027】
請求項11に記載の微小重力空間用トイレは、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の微小重力空間用トイレにおいて、使用する際の人体の人体左右方向及び人体上下方向へ移動可能に形成され、当該人体の大腿部を保持する体固定機構を備えている。
【0028】
請求項11に記載の微小重力空間用トイレによれば、微小重力空間用トイレを使用する際の人体の人体左右方向及び人体上下方向へ移動可能に形成され、当該人体の大腿部を保持する体固定機構を備えている。このため、微小重力空間用トイレを使用する人の姿勢を安定させることができ、排泄物を確実に回収容器の収容部に排出させることができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明に係る微小重力空間用トイレは、便器を簡易な構成とした上で空気を循環させるための電力の使用を抑制できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本実施形態に係る微小重力空間用トイレの斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る微小重力空間用トイレの内部の斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る微小重力空間用トイレの内部の側面図である。
【
図4】
図3に示された4-4線に沿って切断された微小重力空間用トイレの縦断面図である。
【
図6】本実施形態に係る体固定機構の水平回動部のロック機構を表す斜視図である。
【
図8】本実施形態に係る袋部が取り付けられた取付部の上端部を示す正面図である。
【
図9】本実施形態に係る微小重力空間用トイレの回収容器の内部の空気流を表す説明図である。
【
図10】本実施形態に係る微小重力空間用トイレの回収容器のテーパー角と空気流の関係を表す流線図である。
【
図11】本実施形態に係る微小重力空間用トイレ内部の気流の流れを表す説明図である。
【
図12】本実施形態に係る微小重力空間用トイレの循環装置の側面図である。
【
図13】本実施形態に係る体固定機構の使用者が着座する前と着座した後の状態を示す平面図である。
【
図14A】本実施形態に係る体固定機構の使用者の体格に合わせて調整した状態を示す側面図である。
【
図14B】本実施形態に係る体固定機構の使用者の体格に合わせて調整した状態を示す平面図である。
【
図15】変形例に係る微小重力空間用トイレの内部の斜視図である。
【
図17】変形例に係る微小重力空間用トイレの回収容器の内部の空気流を表す説明図である。
【
図18】変形例に係る微小重力空間用トイレ内部の気流の流れを表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、
図1~
図18を用いて、本発明の実施形態の一例であるトイレ装置10について説明する。以下の図において、矢印FRは装置前方側を示し、矢印UPは装置上方側を示し、矢印Wは装置幅方向を示している。
【0032】
(トイレ装置10)
図1には、微小重力空間用トイレとしてのトイレ装置10の斜視図が示されている。トイレ装置10を使用する人体としての使用者P(
図1中二点鎖線)は、トイレ装置10の上面に着座して、排泄物を排出する。トイレ装置10は、後述する体固定機構12の太腿保持部40以外の各構成部分が、筐体14の内部に配置されている。
【0033】
筐体14は、
図1及び
図2に示されるように、骨組み部分を構成するフレーム部20と、フレーム部20を覆うカバー部26と、を含んで構成されている。
図2に示されるように、フレーム部20は、装置下方側を構成し、全体形状が略直方体形状の下側フレーム部22と、下側フレーム部22の装置上方側を構成し、全体形状が略円錐台形状の上側フレーム部24と、を含んで金属製の棒材により構成されている。
【0034】
図1に示されるように、カバー部26は、下側フレーム部22の外側部を覆うと共に金属平板で形成された下側カバー部28と、上側フレーム部24の外側部を覆うと共に金属平板で形成された上側カバー部30と、を含んで構成されている。
【0035】
下側カバー部28の装置前面側を形成する前面下部28Aは、ノブ32が取り付けられると共に開閉可能に構成されている。また、上側カバー部30の装置前面側を形成する前面上部30Aは、上側フレーム部24の上端部側に、図示しないヒンジを介して取り付けられている。このため、前面上部30Aは、前面下部28Aが開けられた状態で、ヒンジに取り付けられた軸回りに装置上下方向へ向けて回動可能に構成されている。
【0036】
(体固定機構12)
図2に示されるように、トイレ装置10の装置幅方向両端部には、金属製の一対の体固定機構12が配置されている。体固定機構12は、下側フレーム部22の上端部に固定された高さ調整部36と、湾曲パイプ部38と、太腿保持部40と、を含んで構成されている。
【0037】
高さ調整部36は、下側フレーム部22に接合され、装置正面視で略T字状に形成された上側パイプ固定部42と、上側パイプ固定部42の装置下方側に、上側パイプ固定部42と略同一形状に形成された下側パイプ固定部44と、を備えている。また、高さ調整部36は、装置上下方向に沿って延在されると共に上側パイプ固定部42と下側パイプ固定部44に貫通して配置され、略円筒状に形成された固定パイプ46を備えている。固定パイプ46の内側には、略円筒状に形成されたスライド部48が、固定パイプ46にスライド可能に挿入されている。
【0038】
スライド部48の上端は、装置前方側へ向けて解放された略U字状に湾曲されると共に略円筒状に形成された湾曲パイプ部38が、スライド部48と一体で形成されている。湾曲パイプ部38の装置上方側端部は、太腿保持部40の端部を形成するアーム接続部52と装置上下方向を軸方向として配置されたヒンジ部50を介して接続されている。このため、太腿保持部40は、ヒンジ部50を回転軸として装置水平方向に沿って回動可能に構成されている。
【0039】
太腿保持部40のアーム接続部52には、装置水平方向に沿って延在されると共に略円筒状に形成された水平パイプ部54が固定されている。水平パイプ部54のアーム接続部52と反対側の端部には、ボールジョイント56が配置され、ボールジョイント56には、その装置上方側へ向けて湾曲して配置された略板状の保持板40Aが取り付けられている。このため、保持板40Aは、ボールジョイント56を介して、装置上下方向及び装置水平方向へ回動可能に構成されている。
【0040】
図6に示されるように、アーム接続部52には、ロック機構52Aが設けられている。具体的には、アーム接続部52のヒンジ部50が連結された側と装置幅方向の反対側に、装置前方側端部に係止爪52B1を備えて棒状に形成されると共に装置上下方向に回動可能に構成された係止部52Bが設けられている。係止部52Bの装置下方側には、付勢手段(バネ)52Cが取り付けられている。また、アーム接続部52には、係止爪52B1と係合する係合部52Dが形成されている。このため、係止爪52B1が、係合部52Dと係合することにより、アーム接続部52のヒンジ部50を回転軸とした回動が拘束される。また、係止部52Bの装置後方側端部を付勢手段(バネ)52Cに逆らって押し下げることにより、係止爪52B1の係合部52Dとの係合を解除することができ、アーム接続部52を回動させることができる。
【0041】
また、
図1及び
図2に示された水平パイプ部54のボールジョイント56側の端部には、装置上方側へ向けて形成された孔に挿入された略円形の棒形状の図示しないロックピンが挿入されている。ロックピンは、抜き差し可能に形成されると共に孔に装入されることにより水平パイプ部54の内部に配置された棒状部材をボールジョイント56へ向けて突出させるように構成されている。このため、使用者Pの大腿部FEに合わせて位置(角度)が決定された保持板40Aの回動を拘束することができる。これにより、保持板40Aは、使用者Pの大腿部FEを安定して保持することができる。
【0042】
(循環装置60)
図3及び
図4に示されるように、下側フレーム部22の装置背面側かつ装置下方側には、循環手段としての循環装置60が配置されている。循環装置60は、循環装置カバー62と、送風機としての遠心ファン64と、組み合わせギア部66(
図12参照)と、を含んで構成されている。
【0043】
図4に示されるように、遠心ファン64は、その軸方向を装置前後方向として配置されている。遠心ファン64の径方向外側には、全体形状が、装置正面視で略円板状に形成されると共に内部が空洞に形成された循環装置カバー62が配置されている。遠心ファン64は、循環装置カバー62内部の中心部に配置されている。このため、遠心ファン64を回転させることにより、循環装置カバー62の内部に、その周方向に沿って空気の流れを発生させることができる。循環装置カバー62の装置上方側かつ径方向外側には、循環装置カバー62と接続された空気吹出口68が形成されている。空気吹出口68は、循環装置カバー62の内側及び外側と連通した略筒状に形成されている。
【0044】
図4に示されるように、遠心ファン64の装置前方側において、循環装置カバー62の装置前方側の中心部は、装置前方側へ向けて開放され、空気吸込口70が形成されている。
図3に示されるように、空気吸込口70には、後述する回収容器100と接続する吸込用パイプ72が取り付けられている。
【0045】
図12に示されるように、循環装置カバー62の装置後方側には、組み合わせギア部66が配置されている。組み合わせギア部66の装置前方側は、遠心ファン64の回転軸64Aと連結されている。また、組み合わせギア部66の装置後方側には、かさ歯車74が組み合わされた、動力連結部76が配置されている。動力連結部76には、かさ歯車74の回転軸と直結する動力連結部76を備えている。このため、動力連結部76に、例えば、電動モータの回転軸や後述する一方の端部にハンドル(クランクハンドル)78を取り付けたフレキシブルシャフト80等を連結することにより、動力を遠心ファン64の回転軸64Aへ伝達することができる。
【0046】
(便座部84)
図2に示されるように、上側フレーム部24の上端部に形成された略正方形状の上枠部24Aの上面には、便座部84が配置されている。便座部84は、座板部86と、クッション部88と、を含んで構成されている。座板部86は、例えば、透明のアクリル板により全体形状が平面視で上枠部24Aと略同一になるように形成されると共に、上枠部24Aの上面において上側フレーム部24にボルト締結されている。なお、以下の説明では、座板部86は、透明のアクリル板により形成されているとして説明するが、これに限らず、座板部は、不透明のアクリル板により形成されてもよい。
【0047】
座板部86の略中心部には、略円孔状の便座孔部86Aが貫通形成されている。便座孔部86Aは、内周形状が、後述する回収容器100の取付部102の外周形状と略同一の略円形状に形成されると共に、その内周に沿って図示しないゴム製のシールが取り付けられている。これにより、取付部102は、便座孔部86Aの装置下方側から圧入可能に構成されている。
【0048】
座板部86の上面には、内周側に装置平面視で便座孔部86Aよりも大きな略円形孔が貫通形成されたクッション孔部88Aを備えたクッション部88が配置されている。クッション部88は、クッション孔部88Aの中心が、便座孔部86Aの中心と装置平面視で略同一位置となるように配置されている。クッション部88は、例えば、硬質ウレタン等により構成され、その上面にトイレ装置10の使用者Pの臀部BT(
図1参照)を載置可能に形成されている。
【0049】
(補助気流生成部90)
図3及び
図5に示されるように、座板部86の装置下方側には、全体形状が、略直方体状に形成された補助気流生成部90が配置されている。補助気流生成部90は、装置上方側へ向けて開放された上面側の部分を座板部86の下面に当接させている。
【0050】
図5に示されるように、補助気流生成部90の底面の装置後方側には、略円形状の補助気流吹出口92が貫通形成されている。補助気流吹出口92は、循環装置60の空気吹出口68とパイプPPを介して接続されており、循環装置60からの空気が補助気流生成部90の内部に流入可能に形成されている。
【0051】
補助気流生成部90の底面の装置前方側には、略円形状の取付部挿入口94が貫通形成されている。取付部挿入口94の内周形状は、後述する回収容器100の取付部102の外周形状と略同一に形成されている。また、取付部挿入口94の内周に沿って図示しないゴム製のシールが取り付けられている。これにより、取付部102は、取付部挿入口94の装置下方側から圧入可能に構成されている。
【0052】
(回収容器100)
図2に示されるように、座板部86の便座孔部86Aと補助気流生成部90の取付部挿入口94の装置下方側から回収容器100が挿入されている。回収容器100は、その装置上方側を形成する取付部102と、装置下方側を形成する収容部104と、を含んで構成されている。
【0053】
図5に示されるように、取付部102は、上下開口の略筒形状に形成され、座板部86の便座孔部86Aに挿入されている。回収容器100は、取付部102を便座孔部86Aから抜き取ることができ、座板部86に対して着脱可能に構成されている。また、取付部102の外側部には、略円状の補助気流流入部108が、貫通形成されている。なお、以下において、取付部102には、補助気流流入部108が形成されているとして説明するが、これに限らず、取付部は、補助気流流入部を設けられない構成とされてもよい。
【0054】
取付部102の装置下方側には、その内周に沿って図示しないゴム製のシールが取り付けられると共に、全体形状が、略円錐台状に形成された収容部104が挿入されている。収容部104は、全体形状が略円錐台状に形成されると共に上面と下面が開口されている。なお、以下において、収容部104は、取付部102と別体で形成されたものとして説明するが、これに限らず、回収容器は、収容部と取付部が一体で形成されてもよい。
【0055】
収容部104は、収容部104の外側部分を形成する外筒部110と、外筒部110の内周側に配置された袋部としてのビニールバッグ112と、を含んで構成されている。
図7に示されるように、ビニールバッグ112は、例えば、シリコンゴムのような所定の厚みを有する素材で構成されると共に、取付部102側(装置上方側)へ向けて開放されたバッグ開口部112Aを有する袋状に形成されている。また、ビニールバッグ112の装置下方側には、排泄物を収容するための底部112Bが形成されている。ビニールバッグ112は、空気が流入されることにより膨張した状態で、装置上方側の外周形状が、取付部102の内周形状と略同一となるように形成されると共に装置下方側の外周形状が、外筒部110の内周形状と略同一となるように形成されている。なお、以下において、外筒部110(収容部104)は、装置下方側端部に開口を備えているとして説明するが、これに限らず、外筒部は、装置下方側端部に開口を設けない構成とされてもよい。
【0056】
ビニールバッグ112の取付部102側の外周部には、循環装置60から送風された空気を流入させる接続口としての流入部側接続口116とビニールバッグ112内部の空気を循環装置60へ流出させる接続口としての流出部側接続口118が形成されている。流入部側接続口116は、ビニールバッグ112が膨張した際の外周形状が、後述する流入部120の内周形状と略同一となるように形成されている。また、流出部側接続口118は、ビニールバッグ112が膨張した際の外周形状が、後述する流出部122の内周形状と略同一となるように形成されている。
【0057】
ビニールバッグ112のバッグ開口部112Aの外周部には、外周に沿って輪状ゴム114が取り付けられている。これにより、
図8に示されるように、ビニールバッグ112は、バッグ開口部112Aの輪状ゴム114を、取付部102の装置上方側の外周部に取り付けた状態で回収容器100の内側に配置されている。
【0058】
収容部104の装置上方側(取付部102側)の外周部には、収容部104の径方向外側かつ取付部102側へ向けて傾斜して取り付けられると共に、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成された流入部120が配置されている。
【0059】
流入部120は、循環装置60の空気吹出口68とパイプPPを介して接続されており、循環装置60からの空気が流入部120を介してビニールバッグ112の内部に流入可能に構成されている。
【0060】
収容部104の装置上方側(取付部102側)の外周部には、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成された流出部122が配置されている。流出部122は、循環装置60の空気吸込口70とパイプPPを介して接続されており、ビニールバッグ112の内部に流入した空気を循環装置60へむけて流出可能に構成されている。
【0061】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0062】
本実施形態に係るトイレ装置10によれば、回収容器100は、便座部84に対して着脱可能に取り付けられた略筒形状の取付部102と全体形状が略筒状に形成されると共に取付部102に接続され、排泄物を収容可能な収容部104を備えている。このため、回収容器100は、便座部84に対して取り付けるだけの簡易な構成とすることができる。これにより、便座部84側から排出され、収容部104に収容された排泄物を、便座部84から回収容器100を取り外すことにより簡便に処理することができる。
【0063】
また、本実施形態に係るトイレ装置10の収容部104には、その外筒部110の内周側に、取付部102へ向けて開放されたバッグ開口部112Aを有するビニールバッグ112が配置されている。また、バッグ開口部112A側の端部は、取付部102の便座部84側の端部に取り付けられている。このため、排泄物をビニールバッグ112の内部に確実に収容することができる。さらに、外筒部110は、取付部102側と反対側の端部に貫通形成された孔を備えているため、回収容器100の外筒部110の下端部は、装置下方側へ向けて開放されている。このため、空気が流入されたビニールバッグ112の膨張が回収容器100の外筒部110の装置下方側端部で制限されない。これにより、排泄物をビニールバッグ112の内部に安定して滞留させることができる。
【0064】
さらに、
図9に示されるように、本実施形態に係るトイレ装置10の収容部104の取付部102側の外周部に、収容部104の径方向外側かつ取付部102側へ向けて傾斜して取り付けられた流入部120を備えている。このため、流入部120からは、ビニールバッグ112の内周面を便座部84側から底部112B側へ向けて螺旋状に旋回するようにビニールバッグ112へ空気が流入される。これにより、収容部104に収容された排泄物は、ビニールバッグ112の底部112B側へ滞留される。
【0065】
また、循環装置60と接続された補助気流流入部108から流入された空気は、ビニールバッグ112の取付部102側から底部112B側へ向けて流下し、ビニールバッグ112の底部112B側へ向けた風圧力を増加させる。これらのことから、ビニールバッグ112の底部112Bに滞留された排泄物をビニールバッグ112の取付部102側へ押し上げようとする力が生じないため、排泄物をビニールバッグ112の底部112Bに安定して滞留させることができる。
【0066】
収容部104は、その全体形状が、取付部102と反対側の端部の外径は、取付部102側端部の外径よりも大きく形成された略円錘台状に形成されている。
図10には、収容部104の上面から下面にかけての傾斜角(テーパ角)を変化した場合のビニールバッグ112の内部の空気の流速分布及び流線を数値シミュレーションした結果が示されている。
図10の左端のビニールバッグ112は、傾斜角が0度の場合、すなわち、回収容器110が円筒状に形成されている場合を示し、
図10の右端のビニールバッグ112は、傾斜角がθ2度(約20度)と最も大きい場合を示す。
図10の真ん中のビニールバッグ112は、傾斜角がθ2度の半分のθ1度(約10度)の場合を示す。傾斜角(テーパ角)が大きくなるにつれて、底部112B側の流れが安定し、装置水平方向に沿った円軌道になっていることがわかる。ビニールバッグ112の内周面を便座部84側から底部112B側へ向けて螺旋状に旋回するように流入された空気は、ビニールバッグ112の底部112B側へ向かうにつれて、流速が低下すると共にビニールバッグ112の水平方向に沿った円軌道で旋回する。これらのことから、傾斜角(テーパ角)を大きくしたビニールバッグ112を形成することにより、その底部112Bに滞留された排泄物をビニールバッグ112の底部112Bに安定して滞留させることができる。
【0067】
図9及び
図11に示されるように、収容部104の取付部102側の外周部には、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成され、ビニールバッグ112の内部の空気を流出させる流出部122が、取り付けられている。流出部122は、収容部104の外周部に、収容部104の径方向外側かつ取付部102側へ向けて傾斜して取り付けられている。このため、流入部120からビニールバッグ112の内周面を便座部84側から底部112B側へ向けて螺旋状に旋回するように流入された空気を分散させることなく、ビニールバッグ112の便座部84側の空気を流出させることができる。これにより、循環装置60とビニールバッグ112の間で空気を効率よく循環させることができるため、空気を循環させるための電力の使用を抑制することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係るトイレ装置10によれば、回収容器100を簡易な構成とした上で空気を循環させるための電力の使用を抑制できる。
【0069】
さらに、本実施形態に係るトイレ装置10によれば、
図12に示されるように、循環装置60の遠心ファン64は、一方の端部にハンドル78を取り付けたフレキシブルシャフト80を動力連結部76に接続することにより、手動で駆動することができる。このため、電力を使用することなく、空気を循環させることができる。
【0070】
また、本実施形態に係るトイレ装置10は、
図13から
図14Bに示されるように、便座部84に着座した使用者Pの大腿部を保持する体固定機構12を備えている。
図13に示されるように、体固定機構12は、アーム接続部52を備えることにより、便座部84に着座した使用者Pに対する太腿保持部40の人体左右方向位置(装置幅方向位置)を調整可能とされている。また、
図14A及び
図14Bに示されるように、体固定機構12は、高さ調整部36を備えることにより、便座部84に着座した使用者Pに対する太腿保持部40の人体上下方向位置(装置上下方向位置)を調整可能とされている。このため、便座部84に着座した使用者Pの体型に合わせて大腿部FEを保持板40Aにより保持することができ、排泄物を確実に回収容器100の収容部104に排出させることができる。
【0071】
(変形例)
次に、
図15から
図18を用いて、本発明に係る微小重力空間用トイレの変形例について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0072】
図15には、本実施形態に係る微小重力空間用トイレとしてのトイレ装置130の一例が示されている。このトイレ装置130では、回収容器100に加えて、尿用の回収容器としての尿回収容器132が設けられている。尿回収容器132は、その装置後方側を形成する取付部134と、装置前方側を形成する収容部104と、を含んで構成されている。
【0073】
図16に示されるように、取付部134は、両端部に開口を備えた略筒状に形成されている。取付部134の装置前方側には、全体形状が、前面と後面が開口された略円錐台状に形成された収容部が取り付けられている。収容部104は、その外側部分を形成する外筒部110と、外筒部110の内周面に沿って配置された袋部としてのビニールバッグ112(
図7参照)と、を含んで構成されている。
【0074】
収容部104の装置後方側(取付部134側)の外周部には、両端部が開放された開口を有する略筒状に形成されると共に、収容部104の外周部に、収容部104の径方向外側かつ取付部134と反対側(装置前方側)へ向けて傾斜して取り付けられた流出部136が配置されている。また、流出部136は、循環装置60の空気吸込口70とパイプPPを介して接続されており、ビニールバッグ112の内部に流入した空気を循環装置60へむけて流出可能に構成されている。
【0075】
本変形例に係るトイレ装置130は、
図17に示されるように、収容部104の取付部134側の外周部に、収容部104の径方向外側かつ取付部102側へ向けて傾斜して取り付けられた流入部120を備えている。このため、流入部120からは、ビニールバッグ112の内周面を収容部104側から底部112B側へ向けて螺旋状に旋回するようにビニールバッグ112へ空気が流入される。これにより、収容部104に収容された尿(排泄物)は、ビニールバッグ112の底部112B側へ滞留される。
【0076】
また、
図18に示されるように、収容部104の取付部134側の外周部には、流出部136が、取り付けられている。流出部136は、収容部104の外周部に、収容部104の径方向外側かつ取付部134側と反対側へ向けて傾斜して取り付けられている。このため、流入部120からビニールバッグ112の内周面を取付部134側から底部112B側へ向けて螺旋状に旋回するように流入された空気を分散させることなく、ビニールバッグ112の取付部134側の空気を流出させることができる。これにより、循環装置60とビニールバッグ112の間で空気を効率よく循環させることができるため、空気を循環させるための電力の使用を抑制できる。
【0077】
さらに、本変形例に係るトイレ装置130によれば、尿回収容器132は、取付部134と取付部134に接続され、排泄物を収容可能な収容部104だけの簡易な構成とすることができる。これにより、ビニールバッグ112に収容された尿(排泄物)を、尿回収容器132からビニールバッグ112を取り外すことで簡便に処理することができる。
【0078】
なお、ここでは、トイレ装置10、130は、便座部84を備えているとして説明したが、これに限らず、例えば、男性の排尿に特化したトイレ装置として便座部を設けないトイレ装置が構成されてもよい。
【0079】
また、ここでは、トイレ装置10、130は、体固定機構12を備えているとして説明したが、これに限らず、体固定機構を設けずに、例えば、筐体に取り付けられた手すり等により使用者が自ら体を保持するトイレ装置が構成されてもよい。
【0080】
また、ここでは、回収容器100、132は、ビニールバッグ112を備えているとして説明したが、これに限らず、回収容器は、例えば、底部が閉じた容器により構成されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 トイレ装置(微小重力空間用トイレ)
12 体固定機構
60 循環装置(循環手段)
64 遠心ファン(送風機)
84 便座部
86A 便座孔部
100 回収容器
102 取付部
104 収容部
108 補助気流流入部
110 外筒部
112 ビニールバッグ(袋部)
112A バッグ開口部(開口)
112B 底部
116 流入部側接続口(接続口)
118 流出部側接続口(接続口)
120 流入部
122 流出部
130 トイレ装置(微小重力空間用トイレ)
132 尿回収容器(回収容器)
134 取付部
136 流出部
P 使用者(人体)
BT 臀部
FE 大腿部