(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
F25C 1/04 20180101AFI20221222BHJP
F25C 1/22 20180101ALI20221222BHJP
【FI】
F25C1/04 301
F25C1/22 301A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019143374
(22)【出願日】2019-08-02
【審査請求日】2020-10-13
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ホシザキ アメリカ, インク.が、キューブ エア リフリジレーション(住所:アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92040, レイクサイド, チャンネル ロード9933)にて、特願2019-143374の主題を具体化した製氷機を、2018年8月13日に販売。
(73)【特許権者】
【識別番号】519283842
【氏名又は名称】ホシザキ アメリカ, インク.
【氏名又は名称原語表記】Hoshizaki America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100154449
【氏名又は名称】谷 征史
(72)【発明者】
【氏名】ハカビー, サンドラ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ, マシュー, ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン, キム
(72)【発明者】
【氏名】クレイトン, ルーサー エル. ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】榊原 英記
(72)【発明者】
【氏名】ワヒード, アブドゥル
(72)【発明者】
【氏名】ペリー, ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】メルトン, グレン
(72)【発明者】
【氏名】レロバ, ジェレミー
【審査官】嶋田 研司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/070278(WO,A1)
【文献】実開昭56-132584(JP,U)
【文献】実開昭63-083582(JP,U)
【文献】実開昭54-028755(JP,U)
【文献】米国特許第05182925(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0013781(US,A1)
【文献】特表2016-502062(JP,A)
【文献】特開平07-310966(JP,A)
【文献】実開昭58-110791(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0370097(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/00 ー 5/20
F25D 23/02 ー 23/08
F25D 41/06
F25D 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥区画と、
前記乾燥区画に隣接する湿潤区画と
を有し、
前記湿潤区画は、蒸発器を受け入れるような大きさに作られた蒸発器ケースを含み、
前記蒸発器ケースは、
複数の内側パネルと、
複数の外側パネルと
を含み、
前記複数の内側パネルは、互いに接合され、蒸発器壁を構成し、
前記複数の内側パネルの接合部位の少なくとも1つは、複数の壁端部を
備えており、かつ、前記複数の内側パネルの間に形成された複数の継目のそれぞれは、発泡体密シール及び水密シールを
形成し、
前記複数の壁端部の少なくとも1つは、前記内側パネルの
パネル本体から張り出した壁と、
前
記張り出した壁から離れて設けられた複数の溝
底壁と、
前記溝
底壁から突出した複数の突出部と、
を備え、
前
記張り出した壁と前記内側パネルの
パネル本体と前記
複数の突出部は、
溝状の隙間を形成し、
前記複数の外側パネルの少なくとも1つは、
前記内側パネルの
パネル本体に対向する前記外側パネルの
パネル本体と、
前記外側パネルの
パネル本体から折れ曲った縁部と
を有し、
前記折れ曲った縁部は、前記内側パネルの前記溝
状の隙間内にスライドジョイントとして挿入されており、
前記内側パネルの
パネル本体と、前記外側パネルの
パネル本体と、前記溝
底壁とは、発泡断熱材が配置された断熱材用空洞を
形成しており、
前記溝
底壁と、前記外側パネルの
パネル本体と、前記外側パネルの
パネル本体から折れ曲った縁部と前記複数の突出部は、
前記断熱材用空洞で液体発泡体が膨張する際に、前記断熱材用空洞からオーバフローした断熱材が漏れる
ための、複数のオーバフロー断熱材用空洞を
形成している、
アイスメーカ。
【請求項2】
前記外側パネルの折れ曲がった縁部と、前記内側パネルの複数の突出部との間に間隙を有する、請求項1に記載のアイスメーカ。
【請求項3】
前記間隙は、前記オーバフロー断熱材用空洞の前記溝
底壁と前記外側パネルの折れ曲がった縁部との間隙よりも小さい、請求項2に記載のアイスメーカ。
【請求項4】
前記複数の溝
底壁のうち少なくとも2つの溝
底壁の間において、
前記外側パネルの折れ曲った縁部は、前記内側パネルの前
記張り出した壁に向けて折り曲げられたタブを有し、
前記内側パネルの前
記張り出した壁は、前記タブが嵌まる凹みで形成されたポケットを有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項5】
前記内側パネルの
パネル本体は、突起を有し、
前記外側パネルの折れ曲った縁部は、前記内側パネルの前記突起と、前記内側パネルの前
記張り出した壁との間に配置された、
請求項1から4のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項6】
前記蒸発器ケースは、前記アイスメーカによる氷の製作のために用いられる水を収容するタンクと、
前記蒸発器ケースの底に配置されたタンク基部と
を備え、
前記複数の外側パネルのうち少なくとも一つの外側パネルの底部と、タンク基部と、前記タンクとは、前記タンクの周りに前記断熱材用空洞の一部を形成している、
請求項1から5のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項7】
前記内側パネルの
パネル本体と、前記内側パネルの溝
底壁と、前記外側パネルの
パネル本体とによって
形成された断熱材用空洞と、
前記タンクの周りに
形成された断熱材用空洞の一部とは、繋がっている、
請求項6に記載のアイスメーカ。
【請求項8】
前記タンク基部は、
溝底壁と、
前記
溝底壁の縁から離れた位置から立ち上がった
基部本体と、
前記タンク基部の、前記
基部本体から延び、前記
溝底壁から離れて設けられた複数の溝上壁と、
前記溝上壁から延び、前記
溝底壁に向けて突出した複数の突出部と、
を備え、
前記タンク基部の前記
溝底壁と、
基部本体と、
複数の突出部とは、溝
状の隙間を形成し、
前記複数の外側パネルのうち少なくとも一つの外側パネルは、前記外側パネルの前記
パネル本体から折れ曲った底部の縁部を有し、
前記底部の縁部は、前記タンク基部の溝
状の隙間に挿入されており、
前記外側パネルの
パネル本体と前記底部の縁部と、前記タンク基部の溝上壁と
基部本体とは、前記断熱材用空洞からオーバフローした断熱材が漏れる
ための、複数のオーバフロー断熱材用空洞を
形成している、
請求項6または7に記載のアイスメーカ。
【請求項9】
前記外側パネルの前記底部の縁部と、前記タンク基部の前記突出部との間に間隙を有する、請求項8に記載のアイスメーカ。
【請求項10】
前記外側パネルの前記底部の縁部と、前記タンク基部の前記突出部との間の間隙は、
前記外側パネルの
パネル本体と前記底部の縁部と、前記タンク基部の溝上壁と
基部本体とによって
形成される前記オーバフロー断熱材用空洞の前記溝上壁と前記外側パネルの前記底部の縁部との間隙よりも小さい、請求項9に記載のアイスメーカ。
【請求項11】
前記複数の溝上壁のうち少なくとも2つの溝上壁の間において、
前記外側パネルの底部の縁部は、前記タンク基部の前記
溝底壁に向けて折り曲げられたタブを有し、
前記
溝底壁は、前記底部の縁部のタブが嵌まる凹みで形成されたポケットを有する、
請求項8から10のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項12】
前記タンク基部の
基部本体は、突起を有し、
前記外側パネルの前記底部の縁部は、前記
基部本体の前記突起と、前記
溝底壁との間に配置された、
請求項8から11のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項13】
前記蒸発器ケースの複数の前記内側パネルは、
第1の蒸発器壁と、
前記蒸発器ケースの後部継目において、第1セットのジョイントにより前記第1の蒸発器壁に接合された第2の蒸発器壁と、
第2セットのジョイントにより前記第1の蒸発器壁に接合されかつ第3セットのジョイントにより前記第2の蒸発器壁に接合されたタンクと、を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項14】
前記第1セットのジョイント、前記第2セットのジョイント、および前記第3セットのジョイントの少なくとも1つは、スナップフィットジョイントを含み、
前記スナップフィットジョイントは、タブを含み、かつ、前記蒸発器ケースの各相手部品にスロットを
備える、請求項13に記載のアイスメーカ。
【請求項15】
前記第1セットのジョイント、前記第2セットのジョイント、および前記第3セットのジョイントは、それぞれ、スナップフィットジョイントを含み、
前記スナップフィットジョイントは、タブを含み、かつ、前記蒸発器ケースの各相手部品にスロットを
備える、請求項13に記載のアイスメーカ。
【請求項16】
前記スナップフィットジョイントの前記タブのそれぞれは、前記スナップフィットジョイントの対応するスロットと係合されるフック部を
備える、請求項14または15に記載のアイスメーカ。
【請求項17】
前記第1の蒸発器壁、前記第2の蒸発器壁および前記タンクのそれぞれは一体形成されている、請求項13から16のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項18】
前記タンクは、前記タンクの前端部から水平の向きの片側に対して下方に勾配した斜面を
備え、
前記斜面は、前記第1の蒸発器壁の前端部及び前記第2の蒸発器壁の前端部に隣接しかつ前記第1の蒸発器壁の前記前端部と前記第2の蒸発器壁の前記前端部との間に配置されており、
前記斜面は、前記アイスメーカのクリーニング作業中に前記タンクにより
構成される水リザーバにクリーニング溶液を導くように構成されている、請求項13から17のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項19】
前記蒸発器ケースは、前記アイスメーカによる氷の製作のために用いられる水を収容するタンクを含み、
前記タンクは、前記タンクから垂直方向に延びかつ前記タンクと一体的に形成された第3突出部を含み、
前記アイスメーカは、
前記第3突出部の両側に面しかつ前記第3突出部に固定されたフロートスイッチ取付台と、
前記フロートスイッチ取付台に固定され、かつ、前記タンク内の前記水の水位を検知するように構成されたフロートスイッチと、を更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項20】
前記蒸発器ケースの上端部に隣接しかつ前記蒸発器の上方に配置されかつ前記蒸発器に結合されたスプレーチューブを含み、
前記スプレーチューブは、
上半分と、前記上半分に永久的且つ封止可能に接合された下半分と、を含み、
前記上半分と前記下半分とは、前記スプレーチューブのチューブ部分の水平幅の半分超にわたって延びる開口部を
有し、
前記スプレーチューブは、氷を製作するために前記蒸発器に水を噴霧するように構成されている、請求項1から19のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項21】
前記蒸発器ケースの上端部に前記蒸発器を固定する蒸発器ブラケットと、
前記蒸発器ケースの前記上端部に隣接しかつ前記蒸発器の上方に配置されたスプレーチューブと、を更に含み、
前記スプレーチューブは、前記蒸発器ブラケットと係合されるレバーアームを含む、請求項1から19のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項22】
前記蒸発器は、複数の一体形成された蒸発器ブラケットに固定されており、
前記蒸発器ケースの第1の蒸発器壁及び第2の蒸発器壁のそれぞれは、内棚に水密ポケットを
有し、各前記蒸発器ブラケットのタブは、前記第1の蒸発器壁及び前記第2の蒸発器壁のうちの対応する蒸発器壁の前記水密ポケット内に受け入れられている、請求項1から12のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項23】
前記蒸発器の上端部に面しかつ前記蒸発器ケースの第1の蒸発器壁と第2の蒸発器壁との間に受け入れられた上部断熱材を更に含み、
前記上部断熱材は、前記上部断熱材の断熱材前端部の両側から延びるタブを含み、
前記タブのそれぞれは、前記第1の蒸発器壁及び前記第2の蒸発器壁のそれぞれに
形成される切り欠き部内に受け入れられ、
前記タブは、前記上部断熱材を前記第1の蒸発器壁と前記第2の蒸発器壁とに固定する、請求項1から12のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項24】
メインコントローラを含む電気回路と、
前記蒸発器を含む冷却回路と、
水回路と、をさらに含み、
前記水回路は、
前記アイスメーカに入る水を受け入れかつ調整するように構成された入口水弁と、
前記アイスメーカを出る水を受け入れかつ調整するように構成された排水弁と、
前記入口水弁と前記排水弁との間に配置されたクリーニング弁と、を含み、
前記入口水弁、前記排水弁、及び前記クリーニング弁のそれぞれは、前記メインコントローラと電気通信しかつ前記メインコントローラによって制御され、
前記水回路内の水は、前記メインコントローラによる前記入口水弁、前記排水弁、及び前記クリーニング弁それぞれの動作によって、氷形成サイクル中に氷を製作し、クリーニングサイクル中に前記蒸発器をクリーニングするように構成されている、請求項1から23のいずれか一項に記載のアイスメーカ。
【請求項25】
蒸発器ケースの複数の内側パネルを用意する工程と、
複数の外側パネルを用意する工程と、
前記複数の内側パネルを互いに組み付けることと、
前記内側パネル間の接続部により
形成される継目に発泡体密シール及び水密シールを形成することと、
前記複数の外側パネルを、スライドジョイントにより、各スライドジョイントの折れ曲った縁を前記スライドジョイントの対応する溝
状の隙間に挿入することによって前記内側パネルに組み付けることと、
複数の前記外側パネルと複数の前記内側パネルとによって
形成された断熱材用空洞内に配置された発泡断熱材により前記蒸発器ケースを断熱することと、
を含み、
ここで、
前記複数の内側パネルは、互いに接合され、蒸発器壁を構成し、
前記複数の内側パネルの接合部位の少なくとも1つは、複数の壁端部を
備えており、かつ、前記複数の内側パネルの間に形成された複数の継目のそれぞれは、発泡体密シール及び水密シールを
備え、
前記複数の壁端部の少なくとも1つは、前記内側パネルの
パネル本体から張り出した壁と、
前
記張り出した壁から離れて設けられた複数の溝
底壁と、
前記溝
底壁から突出した複数の突出部と、
を備え、
前
記張り出した壁と前記内側パネルの
パネル本体と前記
複数の突出部は、溝
状の隙間を形成し、
前記複数の外側パネルの少なくとも1つは、
前記内側パネルの
パネル本体に対向する前記外側パネルの
パネル本体と、
前記外側パネルの
パネル本体から折れ曲った縁部と
を有し、
前記折れ曲った縁部は、前記内側パネルの前記溝
状の隙間内にスライドジョイントとして挿入されており、
前記内側パネルの
パネル本体と、前記外側パネルの
パネル本体と、前記溝
底壁は、発泡断熱材が配置された断熱材用空洞を
形成しており、
前記溝
底壁と、前記外側パネルの
パネル本体と、前記外側パネルの
パネル本体から折れ曲った縁部と前記複数の突出部は、
前記複数の突出部は、前記断熱材用空洞に注入された液体発泡体が膨張する際に、前記断熱材用空洞からオーバフローした断熱材が漏れる
ための、複数のオーバフロー断熱材用空洞を
形成している、
アイスメーカの製造方法。
【請求項26】
前記蒸発器ケースの底部を
構成するタンクに突出部を形成することであって、前記突出部は前記タンクから垂直に延び、前記タンクと一体的に形成される、ことと、
フロートスイッチをフロートスイッチ取付台に固定することと、
前記フロートスイッチ取付台を前記突出部に固定することであって、組み付け後、前記フロートスイッチ取付台は前記突出部の両側に面しており、前記フロートスイッチは、前記タンク内の水位を検知するように構成されている、ことと、
を更に含む、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記蒸発器ケースの複数の前記内側パネルを互いに組み付けることには、前記蒸発器ケースの複数の前記内側パネルを、各スナップフィットジョイントのタブを前記スナップフィットジョイントの対応するスロットに挿入することによるスナップフィットジョイントにより、組み付けることが含まれる、請求項25または26に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月3日に出願された米国仮特許出願第62/714,414号明細書、及び2018年8月3日に出願された米国仮特許出願第62/714,412号明細書の利益を主張する。これら両方は、参照によりそれらの全体が本明細書中に特に組み込まれる。
【0002】
本開示は製氷機に関する。より具体的には、本開示は、アイスメーカ及び貯蔵容器、特に、一体形成された構成要素を用いたスナップフィット(スナップ嵌合)又はスライドフィット(滑り嵌め)蒸発器ケースアセンブリを組み込むアイスメーカを有する製氷機、並びにこれらのより合理化されたクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的なアイスメーカ、特に、大量の氷を連続して何時間、何日、及び何年も製作するように構成された商用アイスメーカは、製氷機自体の構造を考慮していない少なくとも4つの回路、すなわち、冷媒を循環させる冷却回路と、いくつかの態様では冷却回路の一部として、冷却回路内に冷却空気若しくは水を循環させる空気回路又は水回路と、氷を形成するための、及び時としてアイスメーカをクリーニングするための水を循環させる水回路と、電流を循環させる電気回路とを有する。通常、例えば、いずれの水回路の水も電気回路に又は冷却回路の発泡体断熱壁に漏れてはいけない、高温空気は冷却空気及び水が氷の形成を促進する領域に漏れてはいけない、電気は水に漏れてはいけない(逆の場合も同様である)、という点から3つの回路を分離することが重要である。アイスメーカを氷貯蔵容器に組み付ける際、更により多くの複雑さが導入される。様々な回路を分離すると同時にこれらの間の調和の取れた相互作用を促すために、製氷機の様々な副部品を一貫して且つしっかりと組み付けると同時に、適宜、副部品を互いに分離すると有利であり得る。
【0004】
アイスメーカが稼働することの多い困難な環境に耐えるアイスメーカを構築するのに必要な配慮は、アイスメーカ及びその使用に多大なコスト及び複雑さを付加する可能性がある。単なる例として、アイスメーカの部品を結合する又は組み付けるために更なる材料及び締結具を使用することで、大幅により多くの労力が必要になり得るとともに、特殊技能が必要になり得る。加えて、これら同要素を考慮していないアイスメーカクリーニング手順には、ユーザによる手動介入が必要となる場合があり、ユーザを他の任務から奪う可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概要は、本開示の網羅的な概要ではないことは理解されたい。本発明の概要は例示であり限定ではなく、本開示の主要な若しくは重要な要素を特定すること又はその範囲を詳述することを意図するものではない。本発明の概要の唯一の目的は、以下の完全且つ網羅的な詳細な説明の導入として本開示の特定の概念を説明し、例示することである。
【0006】
開示されるのは、乾燥区画と、乾燥区画に隣接する湿潤区画とを含み、蒸発器を受け入れるような大きさに作られた蒸発器ケースであって、蒸発器ケースは、スナップフィットジョイントにより互いに接合された複数の内側パネルであって、スナップフィットジョイントのそれぞれはタブを含み、且つスロットを画定し、内側パネルの間に形成された複数の継目のそれぞれは発泡体密シール(foam-tight)及び水密シールを画定する、複数の内側パネルと、複数の外側パネルであって、複数の外側パネルのそれぞれは、スライドジョイントによって複数の内側パネルのうちの相手内側パネルに接合されている、複数の外側パネルと、を含み、蒸発器ケースは、複数の外側パネルと複数の内側パネルとによって画定される、及び複数の外側パネルと複数の内側パネルとの間に画定される断熱材用空洞内に配置された吹込み発泡断熱材によって一体的に断熱されている、蒸発器ケースを含む、アイスメーカである。
【0007】
また、開示されるのは、アイスメーカを製造する方法であって、蒸発器ケースの複数の内側パネルを、スナップフィットジョイントにより、各スナップフィットジョイントのタブをスナップフィットジョイントの対応するスロットに挿入することによって互いに組み付けることと、内側パネル間の接続部により画定される継目に発泡体密シール及び水密シールを形成することと、複数の外側パネルを、スライドジョイントにより、各スライドジョイントのリップをスライドジョイントの対応する溝に挿入することによって内側パネルに組み付けることであって、溝は、各内側パネル内に画定される複数の勾配した突出部の1つによって少なくとも部分的に画定される、ことと、複数の外側パネルと複数の内側パネルとによって画定される、及び複数の外側パネルと複数の内側パネルとの間に画定される断熱材用空洞内に配置された吹込み発泡断熱材により蒸発器ケースを断熱することと、を含む、方法である。
【0008】
また、開示されるのは、アイスメーカを使用する方法であって、アイスメーカの蒸発器上に氷を形成することであって、蒸発器は、アイスメーカの蒸発器ケース内に収容されている、ことと、蒸発器から氷を回収することと、蒸発器をクリーニングすることであって、蒸発器をクリーニングすることは、全体的なクリーニング手順を開始するために、全体的なクリーニング手順の第1の手動介入においてアイスメーカのスイッチを作動させることと、第2の手動介入が必要なことをユーザに通知するために聴覚警報を鳴らすことと、第2の手動介入において蒸発器ケースのタンクにクリーニング流体を注ぐことと、第2の手動介入の完了時にクリーニング段階及び消毒段階のうちの1つを自動的に開始し、完了することであって、クリーニング段階及び消毒段階のうちの1つを自動的に開始することは、アイスメーカの水回路のクリーニング弁をアイスメーカのメインコントローラによって動作させることを含む、ことと、すすぎ段階を自動的に開始し、完了することと、を含む、蒸発器をクリーニングすることとを含む、方法である。
【0009】
本開示に記載される様々な実装形態は、本明細書中に必ずしも特に開示されないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を考察すると当業者には明らかとなるだろう更なるシステム、方法、特徴、及び利点を含み得る。そのような全てのシステム、方法、特徴、及び利点は本開示内に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。そのような実装形態の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に特に示されるシステム、方法、特徴によって実現され、得られ得る。これら及び他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう、又は以下で説明するそのような例示的な実装形態の実施によって学習され得る。
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部分を成す添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示し、明細書とともに、本開示の様々な原理を説明する役割を果たす。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれない。図の全体を通し、対応する特徴及び構成要素は、一貫性及び明確さを目的として、一致する参照符号で示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一態様による、アイスメーカと貯蔵容器とを含む製氷機の正面斜視図である。
【
図2A】アイスメーカの外部ケーシングを取り外した、
図1のアイスメーカの正面斜視図である。
【
図2B】アイスメーカの蒸発器ケースの前部断熱材及び上部断熱材並びにアイスメーカの圧縮器基部の基部ケースカバーを更に取り外した、
図1のアイスメーカの正面斜視図である。
【
図2C】
図1のアイスメーカの水回路のスプレーチューブ、水ポンプ、及び他の構成要素の正面斜視分解図である。
【
図3】
図1のアイスメーカの冷却回路及び水回路を示す回路図である。
【
図4】
図1のアイスメーカによって製作される例示的な角氷の斜視図である。
【
図5B】
図5Aに示される線5B-5Bに沿って取られた
図2Bの蒸発器ケースの側断面図である。
【
図6A】
図5Aの蒸発器ケースのタンク内のフロートスイッチの斜視図である。
【
図7】前部断熱材のリップが上部断熱材に係合している、
図5Aの蒸発器ケースの詳細断面図である。
【
図8】前部断熱材のリップがタンクのタンク上端部に係合している、
図5Aの蒸発器ケースの詳細断面図である。
【
図9】蒸発器ケースの蒸発器壁のリップが上部断熱材の断熱材後端部に係合している、
図5Aの蒸発器ケースの詳細断面図である。
【
図10】上部断熱材が部分的に取り外された又は係脱された、部分的に組み立てられた状態の
図5Aの蒸発器ケースの正面斜視図である。
【
図11】上部断熱材が蒸発器壁間のほぼ所定の位置に着座されかつ蒸発器壁に未だ固定されていない、
図5Aの蒸発器ケースの正面斜視図である。
【
図12】上部断熱材が完全に着座している、
図5Aの蒸発器ケースの詳細正面斜視図である。
【
図13】前部断熱材及び上部断熱材が取り外されている、
図5Aの蒸発器ケースの正面上部斜視図である。
【
図14】
図13の詳細14から取られた、
図5Aの蒸発器ケースのタンクの詳細正面上部斜視図である。
【
図15】スプレーチューブが取り外されている、
図5Aの蒸発器ケースの上部斜視図である。
【
図16】アイスメーカのスプレーチューブ、水ポンプ、及び断熱管が取り外されている、
図5Aの蒸発器ケースの正面斜視図である。
【
図18】
図17のスプレーチューブのマニホールド端部を示す、
図13の詳細18から取られた
図5Aの蒸発器ケースの詳細正面斜視図である。
【
図19】マニホールド端部を示し、水回路の供給チューブと組み立てられた状態で示される、
図17のスプレーチューブの詳細底面斜視図である。
【
図20】供給チューブが取り外されている、
図17のスプレーチューブの詳細底面斜視図である。
【
図22】上部断熱材と、蒸発器ブラケットと、蒸発器壁とを示す、
図5Aの蒸発器ケースの詳細正面斜視図である。
【
図23】蒸発器壁から部分的に取り外された又は係脱された蒸発器ブラケットを示す、
図5Aの蒸発器ケースの詳細正面斜視図である。
【
図25】
図22の蒸発器ブラケットの上向き底面斜視図である。
【
図26】外部ケーシングの前面パネルアセンブリが取り外されている、蒸発器ケースの組み立て前の、
図1のアイスメーカの詳細正面角斜視図である。
【
図27】蒸発器ケースの左サイドパネルのパネル上端部に注目した
図26のアイスメーカの詳細斜視図である。
【
図28A】
図5Aの蒸発器ケースの蒸発器壁の第2のポケットの斜視図である。
【
図28B】
図28Aの線28B-28Bから取られた、蒸発器ケースの蒸発器壁に組み付けられた左サイドパネルのパネル上端部を示す、
図5Aの蒸発器ケースの詳細断面図である。
【
図29A】蒸発器ケースの左サイドパネルの底部水平リップとタンク基部により画定される溝とを示す
図5Aの蒸発器ケースの詳細斜視図である。
【
図29B】
図29Aの線29B-29Bから取られた、蒸発器ケースの蒸発器壁に組み付けられた左サイドパネルのパネル下端部を示す、
図5Aの蒸発器ケースの詳細断面図である。
【
図29C】
図1のアイスメーカの断熱壁の一般的な態様の内部の一部分の詳細斜視図である。
【
図29D】蒸発器ケースのバックパネルに向かって見た、
図5Aの蒸発器ケースの蒸発器区画の断面斜視図である。
【
図29E】タンクに向かって見た蒸発器区画の上部断面斜視図である。
【
図31】後部パネル及び内部サイドパネルが蒸発器ケースに取り付けられた状態で示される、
図5Aの蒸発器ケース及び
図2Bの圧縮器基部のライナーの後面斜視図である。
【
図32】
図5Aの蒸発器ケースの蒸発器壁及びタンクの正面上部分解斜視図である。
【
図33】
図32の詳細33から取られたタンク及び蒸発器壁の壁下端部の詳細正面分解斜視図である。
【
図34】
図5Aの蒸発器ケースのタンク及び蒸発器壁の壁下端部の詳細分解斜視図である。
【
図35】互いに固定された蒸発器壁の壁下端部及びタンクのタンク上端部の詳細斜視図である。
【
図36A】組み付け中の
図5Aの蒸発器ケースの蒸発器壁及びタンクの後面分解斜視図である。
【
図36B】組み付け後の
図36の蒸発器壁及びタンクの後面斜視図である。
【
図37A】タブ-スロット組み合わせ部の位置における、
図34のタンクのタンク上端部の溝と係合された蒸発器壁の壁下端部のリップの詳細断面図である。
【
図37B】タブ-スロット組み合わせ部の位置における、
図37Aに示される構造の詳細断面図である。
【
図38】
図1のアイスメーカのメーカ下端部の底面斜視図である。
【
図40】前面パネルアセンブリを取り外し、制御ボックスを露出させた、
図1のアイスメーカの前面側斜視図である。
【
図41】
図1のアイスメーカのコントローラの全体的な動作を示す動作フローチャートである。
【
図42】
図1のアイスメーカのクリーニング又は消毒のいずれかのプロセスにおける第1の段階を示す第1のクリーニングフローチャートである。
【
図43】
図1のアイスメーカのクリーニング又は消毒のいずれかのプロセスにおける第2の段階を示す第2のクリーニングフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、以下の詳細な説明、実施例、図面、及び特許請求の範囲、並びに前述及び後述の説明を参照することによってより容易に理解することができる。しかしながら、本デバイス、システム及び/又は方法の開示及び記載に先だって、本開示は、特に指示のない限り、開示される特定のデバイス、システム及び/又は方法に限定されず、したがって、当然、変更することができることを理解されたい。本明細書中で使用される専門用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、限定を目的とするものではないことも理解されたい。
【0013】
以下の説明は、本デバイス、システム、及び/又は方法の可能な教示を、その最良の、現在知られている態様として提供する。この目的のために、当業者であれば、本開示の有益な結果をなお得ながらも、本明細書中に記載される本デバイス、システム及び/又は方法の様々な態様に多くの変更を施すことができることは認識し、理解するであろう。本開示の所望の利点のいくつかは、本開示の特徴のいくつかを選択することにより、他の特徴を用いることなく得られ得ることも明らかであろう。したがって、当業者であれば、本開示に対する多くの修正及び改変は可能であり、それどころか特定の状況においては望ましい場合があり、且つ本開示の一部分であることは認識するであろう。したがって、以下の説明は、本開示の原理の例証として提供され、これを限定するものではない。
【0014】
全体を通して使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈で別段の明確な指示のない限り複数形指示物を含む。したがって、例えば、「1つの要素(an element)」への言及は、文脈で別段の指示のない限り、2つ以上のそのような要素を含み得る。加えて、本明細書中に記載される要素のいずれも、第1のそのような要素、第2のそのような要素等(例えば、「ウィジェット」のみが参照されている場合であっても第1のウィジェット及び第2のウィジェット)であり得る。
【0015】
本明細書中において、範囲は、「約(about)」1つの特定値から及び/又は「約」別の特定値までと表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の態様は、1つの特定値から及び/又は他の特定値までを含む。同様に、値が前置詞「約(about)」又は「実質的に(substantially)」の使用により概算値として表現されるとき、特定値は別の態様を成すことは理解されるであろう。各範囲の終点は他の終点に対して、及び他の終点から独立して、の両方において有意であることは更に理解されるであろう。
【0016】
本開示の目的で、特定の測定尺度で約X又は実質的にXである材料の性質又は寸法は、Xプラス特定測定値の業界標準上限公差とXマイナス特定測定値の業界標準下限公差との間の範囲内である。公差は異なる材料、プロセス間、及び異なるモデル間で異なり得るため、特定の構成要素の特定の測定値の公差は、様々な公差の範囲内にあり得る。
【0017】
本明細書で使用する場合、「任意の(optional)」又は「任意選択的に(optionally)」という用語は、続いて記載されるイベント又は状況が起こり得る又は起こり得ないこと、及びこの記載が前記イベント又は状況が起こる例と起こらない例とを含むことを意味する。
【0018】
本明細書で使用する場合、「又は(or)」という語は、特定の一覧の任意の1つの部材を意味し、又、その一覧の部材の任意の組み合わせを含む。本明細書で使用する場合、「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」という文言は、「Aのみ、Bのみ、又はA及びBの両方(only A,only B,or both A and B)」を意味し、「A及びBのうちの1つ(one of A and B)」という文言は、「A又はB(A or B)」を意味する。
【0019】
開示されるのは、開示される方法及びシステムを実施するために使用され得る構成要素である。これら及び他の構成要素は本明細書中に開示され、これら構成要素の組み合わせ、部分集合、相互作用、群等が開示される一方で、これらの各様々な個々の及び集合的な組み合わせ及び順列の特定の参照が明示的に開示されない場合、全ての方法及びシステムについて、そのそれぞれは本明細書中に具体的に企図され、記載されるものであることは理解される。このことは、開示される方法の工程を含むがこれに限定されない本出願の全ての態様に当てはまる。したがって、実施され得る様々な付加的な工程がある場合、これら付加的な工程のそれぞれは、開示される方法の任意の特定の態様又は態様の組み合わせとともに実施され得ることは理解される。
【0020】
本明細書中に開示される様々な要素の説明を簡略化するために、「左(left)」、「右(right)」、「前部(front)」、「後部(rear)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「内側(inside)」、「外側(outside)」、「内側(inboard)」、「外側(outboard)」、「水平(horizontal)」及び/又は「垂直(vertical)」の規則について言及し得る。特に明記しない限り、「前部」は、製氷機のユーザに最も近く且つこのユーザによって占められる製氷機の端部を表し、「後部」は、前部の反対側又は遠位の端部であり、「左」は、製氷機の前に立ち、前部の方に向いている人物の左側、又は左に面する側であり、「右」は、この同じ人物の右側、又は右に面する側である。「水平」又は「水平の向き(horizontal orientation)」は、左から右に延び、地平線と整列した平面内にあることを表す。「垂直」又は「垂直の向き(vertical orientation)」は、水平に対して90度の角度を成す平面内にあることを表す。
【0021】
開示されるのは、製氷機、並びに関連する方法、システム、デバイス、及び様々な装置である。製氷機は、アイスメーカと貯蔵容器とを含み得る。開示される製氷機は、多くの態様の中のほんのいくつかの例示的な態様について記載されることは当業者には理解されるであろう。特定の専門用語又は記載が、本開示又はそれにより発生する任意の請求項の範囲を限定するものと考えるべきではない。
【0022】
図1は、本開示の一態様による製氷機100の正面斜視図である。製氷機100は、アイスメーカ110と貯蔵容器190とを含み得る。アイスメーカ110は氷を製作するように構成することができ、氷は、重力によって下方に貯蔵容器190へと供給され得る。貯蔵容器190は、貯蔵容器区画内の低温を維持し、氷が溶けるのを防ぐために断熱され得る。いくつかの態様では、貯蔵容器190は冷却することが可能であり、他の態様では、貯蔵容器190は冷却されないことが可能である。
【0023】
アイスメーカ110は外部ケーシング120を含むことができ、外部ケーシング120は、アイスメーカ110及びその内部構成要素を収容するように構成され得る。図示されているように、外部ケーシングは、前部パネルアセンブリ122を含み得る。前部パネルアセンブリ122は、アイスメーカ110のメーカ上端部112からメーカ下端部114まで、及びアイスメーカ110のメーカ左側部116aからメーカ右側部116bまで延びることができる。前部パネルアセンブリ122は、空気入口開口部180を画定することができ、エアフィルタ124を含み得る。空気入口開口部180及びエアフィルタ124はアイスメーカ110の外部から清浄空気の形態でアイスメーカ110の通気を提供するように構成され得る。
【0024】
貯蔵容器190は容器上端部192を画定することができ、容器上端部192上に、アイスメーカ110のメーカ下端部114が取り付けられ得る。貯蔵容器190は、容器上端部192に近接して位置する容器扉194を含むことができ、容器扉194は、貯蔵容器190内に画定される容器貯蔵区画(図示せず)へのアクセスを提供することができる。
【0025】
図2Aは、外部ケーシング120(
図1に示される)を取り外した
図1のアイスメーカ110の正面斜視図である。本態様では、アイスメーカ110は、例えば空気入口開口部180(
図1に示される)を通じて外部ケーシング120内に空気を循環させることにより冷却され得る空冷式モデルであり得る。いくつかの態様では、アイスメーカ110は水冷式モデルであり得る、又は冷却用の遠隔凝縮ユニットに結合され得る。本態様では、アイスメーカ110は、アイスメーカ110内に空気を循環させるように構成され得るファンアセンブリ280を含み得る。アイスメーカ110及びその本体200は、外部ケーシング120の下又は内部において、湿潤区画202と乾燥区画204とに区画化することができ、フレーム201及び基部ケース205を更に含み得る。湿潤区画202は主に、断熱され得る蒸発器ケース206によって画定され得る。蒸発器ケース206は、アイスメーカ110に送られ且つその中を循環する液体水から氷を形成するように構成され得るアイスメーカ110の水回路450(
図3に示される)の構成要素の大部分を収容することができる。蒸発器ケース206の蒸発器区画306(
図2Bに示される)は断熱され得る。蒸発器ケース206は、例えば、限定されることなく、蒸発器区画306を部分的に収容し、断熱することができる取り外し可能な前部断熱材208及び取り外し可能な上部断熱材210を含み得る。前部断熱材208又は上部断熱材210のいずれかはパネル又は断熱パネルであり得る。加えて、以下で更に記載するように、タンク214(水タンクであり得る)と蒸発器ケース206の蒸発器壁207a、b(207aは
図2Bに示される)は一体的に断熱され得る。「一体的に断熱される(integrally insulated)」とは、アイスメーカ110又はその断熱部が発泡成形ジグ又はモールド内に支持されている間にアイスメーカ110の壁に液体発泡断熱材が充填され得ることである。そのような断熱材は、例えば、限定されることなく、アイスメーカ110の壁を通って流れ、固まり、硬化して、壁が断熱特性を生じることになり得る水発泡又は冷媒発泡高圧又は低圧発泡体であり得る。そのような発泡体の圧力は14psi又は大気圧を上回るほどに達し得る。タンク214、蒸発器壁207a、b、及び例えば、限定されることなく、
図31に示される圧縮器基部226の成形内側パネルなどの、蒸発器ケース206又は基部ケース205の内部の一部分を形成する任意の他のパネルのそれぞれが、内側パネルとなり得る。
【0026】
水回路450は、蒸発器区画306の外部の位置においてタンク214上に又はタンク214に隣接して取り付けられ得る水ポンプ212を含み得る。水ポンプ212を収容するタンク214の一部分は、断熱されないことが可能である。タンク214は蒸発器壁207a、bの下に配置され得る。水ポンプ212は、タンク214から上方に、水が氷へと形成され得る蒸発器区画306内に水を圧送するように構成され得る。
【0027】
乾燥区画204内には、例えば、限定されることなく、圧縮器220、乾燥器222、及び凝縮器224を含む、アイスメーカ110の冷却回路400(
図4に示される)の構成要素の大部分が収容され得る。圧縮器220は圧縮器基部226に取り付けることができ、圧縮器基部226は、圧縮器をより直接的に取り付けることができる水平圧縮器基部パネルを含み得る。圧縮器基部226は基部ケースカバー228を含み得る。乾燥区画204内において、冷却回路400内を流れる冷媒は圧縮器220によって圧縮することができ、その後、温度自動膨張弁などの膨張デバイス240(
図3に示される)を通って供給される前、蒸発器区画306内に収められた蒸発器310に供給される前に、凝縮器224内で液体状態に冷却することができる。付加的に、コントローラ232を含み得るアイスメーカ110の制御ボックス230は乾燥区画204内に収められ得る。コントローラ232は制御盤であり得る。
【0028】
超音波容器センサ290は乾燥区画204内に設置することができるとともに、圧縮器基部226内に延びることができる。超音波容器センサ290は、貯蔵容器190(
図1に示される)内に蓄積された角氷490(
図4に示される)のレベルを監視するように構成され得る。超音波容器センサ290は、超音波を氷に向かって下方に送信し、角氷490から反射された超音波を受信することにより近接センサとして機能し得る。超音波容器センサ290の出口により画定されるレベル位置から角氷490のレベルにより画定されるレベル位置までの距離は、リターン超音波の移動時間から決定され得る。超音波容器センサ290は制御ボックス230と電子通信することができる。貯蔵容器190内の角氷490のレベルが、所望の、及び技術者又はアイスメーカ110のユーザによって設定された予定値であり得る停止高さに達すると、超音波容器センサ290からの信号を制御ボックス230により受信することができ、制御ボックス230は氷作製プロセスを止め、それにより、角氷490の更なる製作を停止することができる。氷が溶ける又は氷が貯蔵容器190から取り出されるにつれて、レベルは補充高さに達し得る。貯蔵容器190内の角氷490のレベルが補充高さに達すると、超音波容器センサ290は制御ボックス230に信号を送ることができ、制御ボックス230は氷作製プロセスを再開して貯蔵容器190に角氷490を補充することができる。「満杯」高さ又はレベルは、所望の、及び技術者又はアイスメーカ110のユーザによって設定された予定値であり得る、又は「満杯」高さはコントローラ232にプログラムされ得る。
【0029】
図2Bは、蒸発器ケース206の前部断熱材208及び上部断熱材210並びに圧縮器基部226の基部ケースカバー228を更に取り外した
図2のアイスメーカ110の正面斜視図である。前部断熱材208及び上部断熱材210を取り外すことにより、蒸発器区画306を露出させることができる。蒸発器310及びスプレーチューブ312は、蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間の蒸発器区画306内に収容され得る。スプレーチューブ312は、蒸発器ケース206の上端部に近接し、且つ蒸発器310の上方に配置され、蒸発器310に結合され得る。
【0030】
冷却回路400は蒸発器310を含むことができ、蒸発器310内で液体冷媒を気相に蒸発させることより蒸発器区画306を水の凍結温度未満に冷却することができる。液体水は水ポンプ212によりスプレーチューブ312まで圧送することができ、そこで液体水を蒸発器310に向かって噴霧し、氷を形成することができる。吸引ホース560は、氷を製作するための水の供給源を提供するために、水ポンプ212をタンク214に結合することができる。本体200、具体的には、少なくとも基部ケース205は、アイスメーカ110のメーカ下端部114に底部開口部3814を画定することができる。
【0031】
図2Cは、水回路450のスプレーチューブ312、水ポンプ212、及び水回路450の他の構成要素の正面斜視分解図を示す。水回路450は1つ以上の弁350を含むことができ、1つ以上の弁350のそれぞれは、コントローラ232により動作される電磁弁であり得る。より具体的には、水回路450は、入口水弁352と、クリーニング弁354と、排水弁356とを含み得る。水回路450は、供給チューブ入口パイプ362によって入口水弁352とクリーニング弁354とに結合され得る供給チューブ1930を含み得る。一方、入口水弁352は、水入口372においてアイスメーカ110に入り、入口水弁入口パイプ364を通る水と流体連通することができる。水回路450は、排水弁出口パイプ368によって排水弁356に結合することができるとともに水出口374においてアイスメーカ110から水を排出することを可能にし得るドレンパイプ又はドレンホース366を含み得る。水回路450はフロートスイッチ690を含み得る。
【0032】
図3は、
図1のアイスメーカ110の冷却回路400の各様々な構成要素と水回路450の各様々な構成要素との間の相互作用及び相互接続を示す回路図である。
【0033】
図4は、例示的な一態様における角氷490の斜視図を示す。いくつかの態様では、図示されるように、角氷490は、少なくとも一部、三日月形を画定することができる。いくつかの態様では、角氷490は非三日月形を画定することができる。角氷490は、高さH、幅W、及び深さDを画定することができる。いくつかの態様では、高さHは、約1.5インチ(約38.1ミリメートル)とすることができ、幅Wは、約1.125インチ(約28.6mm)とすることができ、深さDは、約0.5インチ(約12.7mm)とすることができる。他の態様では、角氷490は、任意の寸法をより小さく又はより大きくすることができ、且つ角氷490が同一でないように様々な形状を有することができる。
【0034】
図5Aは、
図2の蒸発器ケース206の正面斜視図である。図示されるように、蒸発器壁207bは冷却ポート506を画定することができ、冷却ポート506は、蒸発器壁207b内に画定され、蒸発器壁207bを通って蒸発器区画306まで延びることができる。冷却器ポート506は、冷却回路400のライン(
図3に示される)が蒸発器310(
図2Bに示される)に到達するためのアクセスを提供することができる。蒸発器壁207bは、壁上端部507bと、壁上端部507bの反対側に配置された壁下端部508bとを画定することができる。タンク214は、タンク上端部514と、タンク上端部514の反対側に配置されたタンク下端部515とを画定することができる。図示されるように、及び
図32~
図37Bに関して以下で更に説明するように、タンク上端部514は、スナップ又はスナップフィット接続によって壁下端部508bに取り付けることができる。上部断熱材210は壁上端部507b上に載ることができ、上部断熱材210は蒸発器壁207aと蒸発器壁207b(207aは
図2Bに示される)との間から内側及び外側に水平に摺動することができる。
【0035】
タンク214は、タンク外側部530aと、タンク外側部530aの反対側に配置されたタンク内側部530bとを画定することができる。タンク内側部530bは、蒸発器壁207bと実質的に位置合わせされ得る。タンク214は、タンク上端部514に近接して配置された取り外し可能な角氷ガイド550を含み得る、又は取り外し可能な角氷ガイド550により少なくとも部分的に覆われ得る若しくは囲まれ得る。角氷ガイド550は、タンク外側部530aからタンク内側部530bまで下方に勾配し得る。角氷ガイド550は、タンク内側部530bにより画定される角氷用開口部552に通じることができる。角氷ガイド550は、角氷ガイド550が角氷用開口部552のリップ553の後ろ又は下にセットされるまで角氷ガイド550を角氷用開口部552内に滑らせることによりタンク214内に摺動させることができる。角氷ガイド550を取り外すために、角氷ガイド550をリップ553の上に持ち上げ、角氷用開口部552を通してタンク214から外側に摺動させることができる。角氷ガイド550は、角氷ガイド550の取り外しを容易にすることができる穴551を画定することができる。例えば、ユーザは、穴551に指を滑り込ませ、角氷ガイド550をリップ553の上に持ち上げるのを補助することができる。
【0036】
角氷ガイド550は、重力下で蒸発器ケース206から下方に出て角氷用開口部552を出る角氷490を案内するように構成され得る。角氷用開口部552を通って出る角氷490は、圧縮器基部226(
図2Aに示される)の下に、底部開口部3814(
図38に示される)を通って排出され得る。アイスメーカ110(
図1に示される)は、貯蔵容器190の開口部(図示せず)を圧縮器基部226の下に、及び底部開口部3814と位置合わせすることができるように、貯蔵容器190(
図1に示される)の上に配置され得る。角氷用開口部552から落下する角氷490は圧縮器基部226の下に落ちて底部開口部3814を通り、貯蔵容器190の開口部に入って貯蔵容器190を満たすことができる。
【0037】
水リザーバ614(
図5Bに示される)は、角氷ガイド550の下、及びタンク外側部530aとタンク内側部530bとの間に画定され得る。吸引ホース560は、タンク内側部530bを介して水リザーバ614と流体連通し、水ポンプ212と流体連通して水ポンプ212に水を供給することができる。したがって、水ポンプ212は、水を、タンク上端部514を通して上方に、断熱管512を通じて蒸発器区画306へと排出することができる。
【0038】
蒸発器壁207bは、前端部509bと、前端部509bの反対側に配置された後端部510bとを画定することができる。前部断熱材208は、蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間の前端部509bに配置され得る。前部断熱材208は、断熱材上端部520と、断熱材上端部520の反対側に配置された断熱材下端部521とを画定することができる。断熱材上端部520は、上部断熱材210に係合することができるリップ620(
図5Bに示される)を画定することができ、断熱材下端部521は、タンク上端部514に係合して前部断熱材208を蒸発器ケース206に固定することができるリップ621(
図5Bに示される)を画定することができる。前部断熱材208を取り外すために上部断熱材210を取り外すことができ、したがって、前部断熱材208が解放されるまで、断熱材下端部521をタンク上端部514を中心に旋回させる間、断熱材上端部520を前端部509bから離すように回転させることができる。前部断熱材208は、断熱材上端部520を前端部509bから離すように回転させるための把持面を提供するように構成されているプルタブ522を画定することができる。上部断熱材210が完全に設置された状態でのプルタブ522の前進によって、リップ620は、上部断熱材210を捕らえ、押し、それにより上部断熱材210の取り外しを容易にすることができる。リップ620、621を含め、前部断熱材208とタンク上端部514と上部断熱材210との間の係合を、
図5Bにおいて更に示す。
【0039】
図5Bは、
図5Aに示される線5B-5Bに沿って取られた、
図2Bの蒸発器ケース206の側断面図である。この断面平面は、断熱管512を実質的に二分し得る。上部断熱材210は、断熱材前端部610と、断熱材前端部610の反対側に配置された断熱材後端部612とを画定することができる。断熱材後端部612は、蒸発器壁207aの壁上端部507aと、蒸発器壁207bの壁上端部507b(
図5Aに示される)とにより画定されるリップ613によって垂直に捕捉され得る。蒸発器壁207aは、蒸発器壁207bの前端部509b、後端部510b、及び壁下端部508b(それぞれ
図5Aに示される)に対応し得る前端部509a、後端部510a、及び壁下端部508aを更に画定することができる。図示されるように、及び
図10~
図12に関して以下で記載されるように、断熱材前端部610は蒸発器壁207a、bに固定され得る。
【0040】
断熱管512は水ポンプ212からスプレーチューブ312に水を運ぶことができる。スプレーチューブ312は前端部509aから後端部510aまで延びることができるとともに、スプレーチューブ312はその長さに沿った様々な箇所から、蒸発器310の蒸発器プレート650により画定される一連のチャネル640へと下方に水を噴霧するように構成され得る。蒸発器310は管652を更に含むことができ、管652は、蒸発器プレート650と隣接する蒸発器プレート650との間を蛇行路で前方及び後方に縫うように進み、管652と隣接し且つ対向する蒸発器プレート650との間の熱交換を促進することができる。蒸発器310内を流れる液体冷媒が気体状態に蒸発し始めると、冷媒は、スプレーチューブ312により蒸発器プレート650の外側に対して噴霧された水から熱を吸収し、これにより、チャネル640内に角氷490(
図4に示される)を形成することができる。角氷490が十分に大きくなると(これは氷形成サイクル中の所定の氷製作インターバルの経過により決定され得る)、回収サイクルの開始によって角氷490を蒸発器から取り出すことができる。回収サイクル中に蒸発器310を加熱している間、角氷490は下方に落下して角氷ガイド550により方向転換され得る。角氷ガイド550は開口部を画定することができるため、角氷490は角氷ガイド550により角氷用開口部552の方に方向転換される一方で、蒸発器プレート650を滴る凍っていない液体水は角氷ガイド550を通って水リザーバ614に戻ることができる。
【0041】
フロートスイッチ690は、タンク214の水リザーバ614内に配置され得る。フロートスイッチ690は、水リザーバ614内の水の水位を測定することができる。水位が設定最小値を下回ると、フロートスイッチ690は、より多くの水をタンク214に供給するようにコントローラ232(
図2Aに示される)に信号を送ることができる。
【0042】
図示されるように、蒸発器ケース206はタンク基部602を更に含み得る。タンク基部602は、タンク214により画定される支柱606を受け入れ且つ摩擦的に係合するように構成され得るスプリットカラー604を画定することができる。支柱606とスプリットカラー604との間の摩擦係合は、ツール不要の押し合わせ式の接続(tool-less,push-together connection)を提供することにより蒸発器ケース206の組み立てを容易にすることができる。
【0043】
図6Aは、タンク214内のフロートスイッチ690の斜視図である。フロートスイッチ690は、フロートスイッチ取付台691に取り付けられ得る。フロートスイッチ取付台691は、支持アーム692及び取付ブラケット694を含み得る。支持アーム692は開口部693(
図6Bに示される)を画定することができ、フロートスイッチ690はナット又は他の締結具などにより開口部693を通して固定され得る。取付ブラケット694は取付チャネル695を画定することができる。取付チャネル695は、タンク214により画定される突出部696を受け入れることができる。タンク214は射出成形法により形成することができ、射出成形法の利点の1つは、突出部696、ボス1050(
図10に示される)、及び本明細書に記載されるような蒸発器ケース206の他の特徴などの詳細な特徴を、別個の構成要素として取り付けるよりもむしろ一体的に、すなわち、継ぎ目なしに形成する能力である。「継ぎ目なし(monolithic)」とは、単一部品として少なくとも鋳造される、成形される、又は形成されることを意味する。より具体的には、各継ぎ目なしの構成要素は、継ぎ目なしである又は継ぎ目なしに形成されると表される特徴を少なくとも接合するためのねじ切り、フランジ、締結具、締まり嵌め、接着剤、ろう付け、はんだ付け、若しくは他の機械的な接続方法などのいかなる溶接部又は機械的な接続部もなしに、単一材料から単一操作で形成することができる。突出部696は上方にわずかにテーパすることができ、取付チャネル695は、フロートスイッチ取付台691を突出部696にしっかりと固定するための相補的な形状を画定することができる。
【0044】
図6Bは、タンク214内のフロートスイッチ取付台691の斜視図である。図示されるように、取付ブラケット694は突出部696上に配置することができ、取付チャネル695は、取付ブラケット694を突出部696上に下ろすことにより取付ブラケット694を突出部696上に設置することができるように突出部696と位置合わせされ得る。図示されるように、突出部はポケット697を画定することができ、取付ブラケット694はポケット697に係合するように構成されたラッチ式アーム698を画定することができ、それにより取付ブラケット694を突出部696に固定する。
【0045】
図6Cは、取付ブラケット694に面しているフロートスイッチ取付台691の背面図である。図示されるように、ラッチ式アーム698は取付チャネル695を少なくとも部分的に画定することができる。ラッチ式アーム698はまた、取付チャネル695内に延びることができる位置決めタブ699を画定することができる。位置決めタブ699は、突出部696(
図6Bに示される)の上の取付ブラケット694の位置を水平方向及び垂直方向に固定し、定着させるために、ポケット697(
図6Bに示される)に係合するように構成され得る。
【0046】
図7は、上部断熱材210に係合している前部断熱材208のリップ620の詳細断面図である。前部断熱材208のリップ620は図示されるように上部断熱材210に干渉しているが、その最終組立位置において、リップ620は上部断熱材210の段730の間に配置され得る。上部断熱材210は、上部断熱材ライナー710と上部断熱材シート720とを含み得る。
図8は、タンク214のタンク上端部514に係合する前部断熱材208のリップ621の詳細断面図である。
図9は、上部断熱材210の断熱材後端部612に係合する蒸発器壁207aのリップ613の詳細断面図である。
【0047】
図10~
図12は、蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間の所定の位置に摺動させた上部断熱材210を示す。
図10では、上部断熱材210の断熱材後端部612は蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間に配置することができ、断熱材前端部610は蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間から側方外側に延びることができる。上部断熱材210は、上部断熱材210の一方の側のレール1010により示されるように、上部断熱材210の各側に沿って長手方向に延び得る一対のレールを画定することができる。
【0048】
図11は、蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間のほぼ所定の位置に着座しているが、蒸発器壁207a、bに未だ固定されていない上部断熱材210を示す。レール1010により示されるように、一対のレールは蒸発器壁207a、bの壁上端部507a、b(507aは
図5Bに示される)に沿って載ることができる。蒸発器壁207bにより示されるように、蒸発器壁207a、bは、壁上端部507a、b(507aは
図5Bに示される)及び前端部509a、bの隅の近辺に配置された切り欠き部1107を画定することができる(蒸発器壁207aにより画定される切り欠き部は図示せず)。切り欠き部1107は、前端部509a、bの厚みから、この厚みを通って側方内側に延びることができる。上部断熱材210は、断熱材前端部610の両側にタブ1110を画定することができる。本図では、タブ1110は切り欠き部1107と位置合わせされ得るが切り欠き部1107から係脱され得る。
【0049】
図12は、上部断熱材210を、設置及び固定された構成で示す蒸発器ケース206の詳細正面斜視図である。図示されるように、上部断熱材210は蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間に完全に配置することができるとともに、タブ1110は切り欠き部1107に挿入することができ、それにより、断熱材前端部610を蒸発器壁207a、bに固定する。
【0050】
図13は、前部断熱材208及び上部断熱材210が取り外されている、
図2Aの蒸発器ケース206の正面上部斜視図である。各蒸発器壁207a、bは実質的にL字形であることができ、後端部510aと後端部510bとは共に接続され、蒸発器ケース206のバックパネル1307を形成することができる。蒸発器ケース206は、一対の蒸発器ブラケット1320a、bを含み得る。蒸発器ブラケット1320aは前端部509a、bに近接して配置することができ、蒸発器ブラケット1320bは後端部510a、bに近接して配置することができる。蒸発器ブラケット1320a、bは蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間を垂直下方に摺動し、蒸発器ブラケット1320a、bを蒸発器区画306内に固定することができる。
【0051】
蒸発器ブラケット1320a、bは、スプレーチューブ312及び蒸発器310を支持することができる。スプレーチューブ312は、蒸発器ブラケット1320aと前端部509a、bとの間に配置されたマニホールド端部1310を画定することができる。スプレーチューブ312はまた、マニホールド端部1310から分割して蒸発器ブラケット1320aと蒸発器ブラケット1320bとの間に延び得る2つのチューブ部分1312a、bを画定することができる。マニホールド端部1310は断熱管512に接続することができ、水ポンプ212から上方に圧送された水を、マニホールド端部1310を介してチューブ部分1312a、bに方向転換することができる。アイスメーカ110が氷を製作しているとき、チューブ部分1312a、bは水を蒸発器310内に下に噴霧することができる。これに対し、供給チューブ1930(
図2Cに示される)は、以下に記載するクリーニングサイクル又は消毒サイクル中にアイスメーカ110が自身でクリーニングするときに水を蒸発器310(スプレーチューブ312からの水が入らない蒸発器310の部分を含む)内に噴霧することができる。
【0052】
図14は、蒸発器ケース206のタンク214の詳細正面上部斜視図である。タンク上端部514は、勾配したスパウト1414を画定することができる。スパウト1414は、蒸発器壁207a、bの前端部509a、bに近接して配置されたタンク214の前端部から角氷ガイド550に向かって下方に勾配し得る。以下により詳細に記載されるように、アイスメーカ110(
図1に示される)のクリーニング中、タンク214内の水リザーバ614(
図5Bに示される)を排液し、クリーニング溶液を補充することができる。スパウト1414は、水リザーバにクリーニング溶液を充填するのを補助することができる。クリーニング溶液はスパウト1414上に注がれ、スパウト1414に沿って下方に、角氷ガイド550を通って誘導され、水リザーバ614を満たすことができる。クリーニング溶液は、その後、水ポンプ212によって水回路450(
図3に示される)内に循環させることができる。
【0053】
図15は、スプレーチューブ312が取り外されている蒸発器ケース206の上部斜視図である。図示されるように、蒸発器310は、対にして2つの蒸発器プレートアセンブリ1550a、bにすることができる4つの蒸発器プレート650を含み得る。蒸発器プレートアセンブリ1550a、bは蒸発器ブラケット1320aと蒸発器ブラケット1320bとの間に延びて、蒸発器区画306内に蒸発器310を固定することができる。2つの管回路1552a、bが、各蒸発器プレートアセンブリ1550a、bの隣接する蒸発器プレート650間に延び得る。管回路1552a、bはそれぞれ、蒸発器ブラケット1320aと蒸発器ブラケット1320bとの間に後方及び前方に延びる蛇行パターンで構成され得る。管回路1552a、b及び蒸発器プレート650はそれぞれ、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、黄銅などの熱伝導性材料、又は任意の他の好適な材料を含むことができる。例えば、限定されることなく、管回路1552a、bは銅管を含むことができ、蒸発器プレート650はステンレス鋼を含むことができる。各蒸発器プレートアセンブリ1550a、bは熱交換器として動作することができる。より具体的には、蒸発器プレート650からの熱は、管回路1552a、b内を循環する冷媒を蒸発させることにより吸収され、蒸発器310を水の凝固点未満に冷却することができる。
【0054】
各蒸発器プレート650は、複数のチャネル640を画定することができる。動作時、スプレーチューブ312(
図13に示される)の2つのチューブ部分1312a、b(
図13に示される)はそれぞれ、蒸発器プレート650の2つの蒸発器プレートアセンブリ1550a、bと位置合わせすることができる。チューブ部分1312a、bはそれぞれ、各蒸発器プレートアセンブリ1550a、bの各側の蒸発器プレート650により画定される複数のチャネル640とそれぞれ位置合わせされ得る複数のスプレーノズル1910(
図19に示される)を画定することができる。スプレーノズル1910は、角氷490を個々に形成することができるチャネル640に沿って水を噴霧することができる。
【0055】
図16は、スプレーチューブ312、水ポンプ212、及び断熱管512が取り外されている蒸発器ケース206の正面斜視図である。図示されるように、蒸発器プレート650の各蒸発器プレートアセンブリ1550a、bは、蒸発器ブラケット1320aにより示されるような複数の締結具1650によって蒸発器ブラケット1320a、b(1320bは
図15に示される)に固定され得る。加えて、管回路1552a、bはクロスオーバーチューブ1652により流体連通して接続され、単一ループの冷却回路400(
図4に示される)を形成することができる。加えて、蒸発器ブラケット1320aによって示されるように、蒸発器ブラケット1320a、bの各1つは、一対のチューブ開口部1612a、bを画定することができる。各チューブ開口部1612a、bは、スプレーチューブ312(
図13に示される)のチューブ部分1312a、b(
図13に示される)のうち異なるものをそれぞれ受け入れ、支持するように構成され得る。
【0056】
水ポンプ212をタンク214の圧送区画1660から取り外すことにより、圧送区画1660のドレンポート1662を露出させることができる。ドレンポート1662はタンク基部602(
図6に示される)に通じており、圧送区画1660内に集まる可能性のあるあらゆる水を圧送区画1660からアイスメーカ110の外に排出することができる。
【0057】
図17は、
図3のスプレーチューブ312の上面図である。スプレーチューブ312は一対のレバーアーム1712a、bを含むことができ、レバーアーム1712a、bのそれぞれは、互いに対向するチューブ部分1312a、bのうちの異なるものに取り付けることができる。レバーアーム1712a、bは弾性且つ可撓性であり得るとともに、レバーアーム1712a、bは、各チューブ部分1312a、bから外側に、マニホールド端部1310に向かって延びるように付勢され得る。各レバーアーム1712a、bはそれぞれ、係合切り欠き部1714a、b及び端部1716a、bを画定することができる。スプレーチューブ312はまた、マニホールド端部1310の反対側でチューブ部分1312a、bを密閉することができる一対のキャップ1710a、bを含み得る。
【0058】
図18は、
図3のスプレーチューブ312のマニホールド端部1310に注目した蒸発器ケース206の詳細正面斜視図である。前述のように、各チューブ部分1312a、bはそれぞれ、チューブ開口部1612a、bのうちの異なるものを通って延びることができ、蒸発器ブラケット1310aはスプレーチューブ312のマニホールド端部1310を支持することができる。レバーアーム1712a、bはまた、各取り付けられたチューブ部分1312a、bとともに、チューブ開口部1612a、bを通って延びることができる。係合切り欠き部1714a、bはそれぞれ、チューブ開口部1612a、bのうちの異なるものの縁部に係合することができ、それにより、スプレーチューブ312を蒸発器ブラケット1310aに側方で固定し、チューブ部分1312a、bがチューブ開口部1612a、bから外れるのを防止する。レバーアーム1712a、bは、端部1716a、bをマニホールド端部1310に向かって内側に押すことによってチューブ開口部1612a、bから係脱することができる。レバーアーム1712a、bがチューブ開口部1612a、bから係脱されると、スプレーチューブ312のクリーニング又は保守を容易にするなどのために、スプレーチューブ312は蒸発器ブラケット1310aから側方外側に引くことができる。
【0059】
図19は、マニホールド端部1310に注目した、
図3のスプレーチューブ312の詳細底面斜視図である。図示されるように、各チューブ部分1312a、bは複数のスプレーノズル1910を画定することができる。スプレーノズル1910は、蒸発器プレート650(
図15に示される)により画定されるチャネル640(
図15に示される)と位置合わせするように構成され得る。一対のスプレーガイド1912a、bがスプレーチューブ312の下に配置され得る。スプレーガイド1912a、bはそれぞれ、チューブ部分1312a、bの底面に沿って延び得る。各スプレーガイド1912a、bは、スプレーノズル1910のうちの異なるものと位置合わせすることができる複数のチャネルガイド1914を画定することができる。チャネルガイド1914は、各チャネル640に沿って液体水を案内するために、チャネル640のうちの異なるものとそれぞれ位置合わせするように構成され得る。
【0060】
図20において以下でより良く示されるように、各チューブ部分1312a、bは2つの行のスプレーノズル1910を画定することができ、各スプレーガイド1912a、bはそれぞれ2つの行1916a~dのチャネルガイド1914を画定することができる。加えて、供給チューブ1930はスプレーチューブ312の下に配置され得る。供給チューブ1930は接続部1942を有する供給マニホールド端部1940を画定することができる。供給チューブ1930はまた、一対の供給チューブ部分1932a、bを含み得る。各供給チューブ部分1932a、bは、チャネルガイド1914の隣接する行1916a~dの間に、チューブ部分1312a、bのうちの1つに沿って延び得る。例えば、供給チューブ部分1932aは、チャネルガイド1914の隣接する行1916aと行1916bとの間に、チューブ部分1312aに沿って延び得る。供給チューブ部分1932a、bはそれぞれ、複数の供給ノズル1934を画定することができ、複数の供給ノズル1934は、アイスメーカのクリーニング及び消毒中に、蒸発器プレートアセンブリ1550a、b(
図15に示される)の蒸発器プレート650(
図15に示される)間にクリーニング流体、消毒流体、及び水を噴霧し、クリーニングすることが困難なはずの蒸発器310の領域を、それぞれ、クリーニングする、消毒する、及びすすぐことができる。
【0061】
図20は、供給チューブ1930及びスプレーガイド1912a、bを除いて示す、
図19のスプレーチューブ312の詳細底面斜視図である。前述のように、スプレーノズル1910はそれぞれ各々のチューブ部分1312a、bに沿って2つの行2012a~dに配置され得る。例えば、スプレーノズル1910の2つの行2012a、bはチューブ部分1312aに沿って延び得る。加えて、ガイドタブ2014の2つの行2016a~dは各チューブ部分1312a、bに沿って延びることができ、ガイドタブ2014はスプレーノズル1910の間に間隔を開けて配置され得る。ガイドタブ2014は、スプレーガイド1912a、b(
図19に示される)をスプレーノズル1910と位置合わせするのを補助することができる。
【0062】
図21は、供給チューブ1930及びスプレーガイド1912a、bを除いて示す、
図19のスプレーチューブ312の側面斜視図である。従来典型的に行われてきたように、スプレーチューブ312は、ブロー成形などの方法を使用して単一部品から一体的に又は継ぎ目なしに形成することができる。これに対し、スプレーチューブ312は上部パネル2112及び底部パネル2114を含み得る。上部パネル2112と底部パネル2114は、例えば、限定されることなく、射出成形などにより別々に形成された部品であり得る。上部パネル2112と底部パネル2114とは、例えば、限定されることなく、振動溶接等の技法などにより、継目2116により互いに取り付けることができる。振動溶接は、部品を溶着することができる迅速且つ化学物質を使用しない技法である。上部パネル2112と底部パネル2114とを振動形成ツールにより圧力下で擦り合わせて摩擦を形成することができ、これによりパネル2112、2114の母材を溶着することができる。次いで、溶接部は冷却させることができる。
【0063】
本態様では、キャップ1710a、bはまた、端部開口部2110a、bを露わにするために各チューブ部分1312a、bから取り外すことができる。各端部開口部2110a、bを画定する典型的には小さなざらざらした仕上げの(rough-edged)穴を持つブロー成形スプレーチューブとは対照的に、パネル2112、2114から形成されたスプレーチューブ312の端部開口部2110a、bは、ブラシ又は高圧スプレー流などによる、クリーニングのための簡単なアクセスを可能にするように構成された広い開放スロットであり得る。本態様では、キャップ1710a、bは、組立及び保守を容易にするためのツールなしに、端部開口部2110a、bを覆ってしっかりと嵌まるように構成され得る。
【0064】
図22は、蒸発器ケース206の上部断熱材210、蒸発器ブラケット1310a、及び蒸発器壁207a、bの詳細正面図である。図示されるように、蒸発器ブラケット1310aは、上部フランジ2210を画定することができる。上部フランジ2210は、上部フランジ2210の両側に一対の羽根2212a、bを画定することができる。蒸発器壁207a、bはそれぞれ、内棚2207a、bを画定することができ、上部断熱材210は内棚2207a、b上に載ることができる。蒸発器壁207aによって示されるように、内棚2207aは、壁上端部507aの下に画定され得る。蒸発器ブラケット1310a(蒸発器ブラケット1310bは
図13に示される)は、蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間から蒸発器ブラケット1310a、bを取り外すために、垂直上方に持ち上げられるように構成され得る。上部断熱材210が所定の位置にあることにより、蒸発器ブラケット1310a、bを垂直に持ち上げることができないように、蒸発器ブラケット1310a、bを妨げることができる。
【0065】
図23は、蒸発器ブラケット1310aが蒸発器壁207a、bから部分的に取り外されている、蒸発器ケース206の蒸発器ブラケット1310a及び蒸発器壁207a、bの詳細正面斜視図である。蒸発器ブラケット1310aを垂直上方に持ち上げることにより、羽根2212a、bは、それぞれ蒸発器壁207a、bの内棚2207a、bに延びて画定される一対の水密ポケット2307a、bから係脱することができる。従来典型的に行われてきたように、蒸発器壁207a、bが真空成形法を使用して形成される場合とは対照的に、ポケット2307a、bは、蒸発器壁207a、bの背後に存在するいかなる吹込み発泡体(blown foam)又は他の断熱材も露出させることなく形成され得る。
【0066】
図24は、蒸発器壁207aのポケット2307aの詳細斜視図である。図示されるように、ポケット2307aは、内棚2207aに沿って長手方向に延びる溝2402と、溝2402から内側に、蒸発器区画306へと延びる垂直切り欠き部2404を画定することができる。本態様では、蒸発器壁207a、b(207bは
図23に示される)は射出成形によって形成することができ、ポケット2307aは蒸発器壁207a内に一体形成され得る。上で提案したように、本態様では、ポケット2307aは蒸発器壁207a内に延びず、それにより、ポケット2307aからの発泡断熱材の水密保護を提供する。
【0067】
図25は、
図13の蒸発器ブラケット1310aの上向き底面斜視図である。図示されるように、羽根2212aは、溝2402(
図24に示される)に係合するように構成され得る長手方向のタブ2502と、垂直切り欠き部2404(
図24に示される)に係合するように構成されている垂直隆起部2504とを画定することができる。
【0068】
上述のように、蒸発器壁207a、bは、従来、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などのポリマー材料から真空成形法を使用して形成されてきた。しかしながら、真空成形部品は、部品の全体にわたり様々な程度で厚みが異なり得る且つ必然的に異なり、様々な製造条件における様々な縮みによって、射出成形法を使用して形成される部品よりも更に大幅に寸法が部品毎に異なる場合がある。個々の真空成形部品の形成後、部品は、典型的には、溶剤溶接法を使用して接合される。溶剤溶接中、アセトンなどの溶剤、又はアセトンなどの溶剤を含むモノマー混合物、及び部品を形成する粉砕(すなわち、小さな破片に低減された)原料(例えば、粉砕ABS)の混合物を、例えば、限定されることなく、パネル2112、2114の材料を軟化するために使用することができ、パネル2112、2114は、材料が再び固まり、硬化するまで押し合わせることができる。溶剤溶接中に使用されるモノマーは数分以内に固化することができるが、24時間の硬化時間が通常は必要であり、溶剤溶接により接合された接合部の品質は、蒸発器壁207a、b及びタンク214などの部品を組み立てるオペレータの技能に応じて大きく異なり得る。更に、溶剤溶接には、多くの場合、使用中に不快な蒸気を発生させる可能性のある化学物質を伴う。
【0069】
これに対し、また上述のように、蒸発器壁207a、bのみならず蒸発器ケース206のタンク214は、射出成形などの成形法を使用して、ABSなどの材料又は任意の他の望ましい且つ成形可能な材料から個々に形成することができる。記載されるように、その後、蒸発器ケース206の各部品は、あらゆる締結具、又は更には、あらゆる溶剤溶接法なく互いに非常にしっかりと接合され、製造プロセス中、特に、蒸発器ケース206を形成するプロセス中、水密であり、且つ接合部を通じた吹込み発泡体の漏れに耐える(すなわち、発泡体密)蒸発器ケース206を形成することができる。水発泡断熱材は、特に、低粘度を有することができるため、蒸発器ケース206などの断熱アセンブリに噴霧された後10秒以上もの間水のような状態に留まることができ、アイスメーカ110の動作中の水の侵入だけでなく、発泡成形プロセス中の蒸発器ケース206などの断熱アセンブリの継目からの水漏れに対しても、水密及び発泡体密接合部を更により有益にする。
【0070】
図26は、外部ケーシング120の前面パネルアセンブリ122(
図1に示される)が取り外されている、蒸発器ケース206の組み立て前の、
図1のアイスメーカ110の詳細正面角斜視図である。図示されるように、外部ケーシング120の左サイドパネル2620は蒸発器ケース206の蒸発器壁207aから外側にオフセットしており、外部ケーシング120の上部パネルアセンブリ2622は上部断熱材210の上方にオフセットしている。蒸発器ケース206又は基部ケース205の外側の一部分を形成している左サイドパネル及び任意の他のパネルは外側パネルであり得る。
【0071】
図27は、左サイドパネル2620のパネル上端部2720に注目した、
図26に示されるアイスメーカ110の一部分の詳細斜視図である。左サイドパネル2620は、垂直部2722と、パネル上端部2720に配置されたリップ2724(上部リップであり得る)と、前面パネル端部2732に配置されたリップ2734(側部リップであり得る)とを画定することができる。リップ2724は蒸発器ケース206に向かって内側に延び得る。蒸発器壁207aは、前端部209aから後端部210aまで延びる溝2707を画定することができる。溝2707は壁上端部507aの下に画定され得る。溝2707内において、蒸発器壁207aは、溝2707へと延び、勾配した突出部であり得る複数の上方に傾斜した突出部2709を画定することができる。上方に傾斜した突出部2709は溝2707へと上方及び内側に勾配することができる。図示されるように、上方に傾斜した突出部2709と上方に傾斜した突出部2709の間に延び得る溝底壁2790とは左サイドパネル2620に向かって同じ距離だけ延び、アセンブリの発泡成形中、左サイドパネル2620に接触し、左サイドパネル2620に対してシールを形成することができる。
【0072】
いくつかの態様では、図示及び記載されるように、溝2707は水平に方向付けることができ、リップ2724は水平に方向付けることができる。他の態様では、溝2707は垂直に方向付けることができ、リップ2724は、例えば、限定されることなく、蒸発器壁207a、b(207bは
図11に示される)の前端部509a、b(
図11に示される)に近接して、垂直に方向付けることができる。溝2707は、このため、蒸発器ケース206の任意の部分の水平溝又は垂直溝であることができ、リップ2724は任意のパネルの水平リップ又は垂直リップであり得る。同様に、蒸発器ケースの他の部分は、水平に、垂直に、又は水平の向きと垂直の向きとの間の任意の他の所望の向きに方向付けられ得る溝2707を画定することができる。
【0073】
溝2707は、左サイドパネル2620を蒸発器壁207aに取り付けるためにリップ2724を受け入れるように構成することができる。リップ2724は溝2707に挿入することができる。リップ2724は、上方に傾斜した突出部2709上を、完全に着座した位置まで摺動することができ、それにより、スライドジョイントを形成する。加えて、左サイドパネル2620は一対のタブ2730を画定することができる。本態様では、タブ2730はリップ2724から切り抜き、リップ2724から上方に且つ離れる方に、傾斜を成して可塑的に曲げられ得る。以下、
図28で示されるように、タブ2730のそれぞれは、溝2707内に画定される水密ポケット2830に係合することができる。タブ2730のそれぞれはランスタブであることが可能であり、ランスタブは、リップ2724の挿入を可能にするために、リップ2724の周囲部分の方ではなくとも、少なくともリップ2724とともに、組み付け中に弾性的に変形することができる。リップ2724の周囲部分を有する又は有しないタブ2730は、その後、その元の位置に弾性的に変形し、ポケット2830に又はポケット2830と係合することができる。
【0074】
図28Aは、
図2の蒸発器壁207aのポケット2830の斜視図である。ポケット2830は、上方に傾斜した突出部2709に対向する、溝2707の上面により画定され得る。上方に傾斜した突出部2709は、リップ2724(
図27に示される)及びタブ2730(
図27に示される)を上に押し、ポケット2830と係合させ、左サイドパネル2620のパネル上端部2720を蒸発器壁207aに固定することができる。この取付機構は、いかなるツールも必要としない単純なスナップフィットアセンブリを提供することができる。
【0075】
図28Bは、上述のスライドジョイントにおいて蒸発器ケース206の蒸発器壁207aに組み付けられた左サイドパネル2620のパネル上端部2720の詳細断面図を示す。溝2707は、溝上壁2760と溝底壁2790との間に画定され得る。図示されるように、溝底壁2790は蒸発器壁207aから外側に延び、左サイドパネル2620の垂直部2722に接触することができ、溝底壁2790は、以下に記載する起立リブ2984(
図29Bに示される)と同様に、起立リブ2884の平らな部分を画定する、蒸発器壁207aと左サイドパネル2620との間の支持部(standoff)としての役割を果たすことができる。断熱材用空洞2792が、溝底壁2790の下に、及び左サイドパネル2620の垂直部2722と蒸発器壁207aとの間に画定され得る。オーバフロー断熱材用空洞2794が、溝底壁2790の上、リップ2724の下、及び左サイドパネル2620の垂直部2722と蒸発器壁207aとの間に画定され得る。
【0076】
タブ2730は、水密及び発泡体密の閉鎖ランスが形成されるように、リップ2724の一部分をせん断してわずかに一部をリップ2724内に曲げることにより形成することができる。図示されるように、タブ130を形成するためのリップ2724のせん断及び曲げは、リップ2724の材料の厚み全体に及ばずに停止することができる。開放ランスが使用される場合でも、タブ2730の開口部は、オーバフロー断熱材用空洞2794に達した余分な発泡体が開口部を容易に通過しないような寸法にされ得る。
【0077】
前述のように、液体発泡体を断熱材用空洞2792内に噴霧又は注入することができ、液体発泡体は膨張し、硬化するにつれて固まることができる。蒸発器ケース206(
図2に示される)を完全に断熱するために、圧力下で、断熱材用空洞2792を液体発泡体で完全に満たすことができる。断熱材用空洞2792をわずかに不十分に満たすことにより断熱材中にボイドが残ること、又は断熱材用空洞2792をわずかに過充填することなく(この場合、余分な断熱材は断熱材用空洞2792から漏れ出すおそれがある)断熱材用空洞2792を正確に満たすことは困難となり得る。外部ケーシング120(
図1に示される)を通り抜けた発泡断熱材が露出することなどにより製氷機100(
図1に示される)の審美性を損なうことなく、オーバフロー断熱材用空洞2794は、過充填された発泡体がゆっくりと漏れ入り、膨張することができる(しかし、以下で説明するように壁の内側でのみ)スペースを提供することができる。例えば、断熱材用空洞2792は、所望する場合、断熱材中のボイドを防ぐために圧力下で意図的に過充填され得る、又は例えば、限定されることなく、上述の水発泡フォームなどの発泡剤は低粘度を有することができ、それでもなお、発泡成形中にアセンブリから容易に漏れ出さない。余分な発泡体は垂直部2722と溝底壁2790との間に一部漏れることができ、断熱材はオーバフロー断熱材用空洞2794内で膨張し、固まることができる。左サイドパネル2620はオーバフロー断熱材用空洞2794を隠すことができるため、ユーザはオーバフロー断熱材用空洞2794内に漏れた発泡体を見ることができない。本明細書中に記載される改良形態はまた、典型的な組み付けプロセス(例えば、接合部のテーピング、継目のコーキング、及び/又は隅におけるパテの適用)、及び構造(例えば、テープ、コーク、及びパテ)、及びアイスメーカ110の被発泡部分を発泡成形に備えるために発泡成形前に又は漏れた発泡体をクリーニングするために発泡成形後に必要な時間量を削減する又は排除することができる。
【0078】
余分な発泡体の、オーバフロー断熱材用空洞2794へのそのような移動は、リップ2724と上方に傾斜した突出部2709との間に特に画定される狭い間隙2708により提供される、オーバフロー断熱材用空洞2794への発泡体の漏れに対する抵抗力により制限することができる。間隙2708は、オーバフロー断熱材用空洞2794への入口と表することができる。オーバフロー断熱材用空洞2794への発泡体の漏れに対する抵抗力は、左サイドパネル2620の幅に沿った、左サイドパネル2620の内部表面2623と、溝底壁2790及び上方に傾斜した突出部2709のそれぞれとの間のシールによっても提供され得る。左サイドパネル2620を溝底壁2790及び上方に傾斜した突出部2709のそれぞれに対して保持するのに十分な、発泡成形ジグの壁による圧力下で、余分な発泡体は間隙2708内だけを移動することができる。更に、左サイドパネル2620の外部表面2621と蒸発器壁207aの隣接する外部表面との間のオフセット2870、及びまた、リップ2724の挿入方向における左サイドパネル2620のリップ2724の端部と蒸発器壁207aとの間のオフセット2890は、例えば、リップ2724の幅又は他の部品の任意の寸法の製造公差によるばらつきがあったとしても、左サイドパネル2620と溝底壁2790及び上方に傾斜した突出部2709のそれぞれとの間の均一な圧力を確保することができ、ばらつきはオフセット2890又はオフセット2870によって吸収することができる。
【0079】
上方に傾斜した突出部2709によってリップ2724を溝上壁2760に非常に近接させて配置することにより、オーバフロー断熱材用空洞2794に入る膨張する断熱材が左サイドパネル2620のリップ2724と蒸発器壁207aの溝上壁2760との間から漏れ出すのを防止することができる。加えて、リップ2724と内部シーリングリップ2780との間の境界面は、発泡体がリップ2724と溝上壁2760との間から外に漏れるのを防止するための付加的な保護を提供することができる。内部シーリングリップ2780は、隣接する上方に傾斜した突出部2709の間に延びることができ、リップ2724は、少なくとも部分的に内部シーリングリップ2780と溝上壁2760との間に配置され得る。これら特徴により、組立者が左サイドパネル2620と蒸発器壁207aとの間の継目にテープを貼る、継目をシールする、又は継目にパテをする(いずれにせよ、低粘度の水発泡フォームが左サイドパネル2620と蒸発器壁207aとの間に画定される継目から漏れるのを防止するのに効果的でない可能性があるが、一部の吹込み発泡体では少なくとも一部効果的となり得る対策である)必要性を排除することができる。継目にテープを貼る、シールをする、又はパテをする必要性を排除すると、断熱材用空洞2794の組み付け及び発泡成形中に多大な時間を節約することができる。
【0080】
図29Aは、左サイドパネル2620の底部リップ2920、及びタンク基部602により画定される溝2907の詳細斜視図である。溝2707(
図27に示される)と同様に、タンク基部602は、溝2907へと下方及び内側に勾配し、勾配した突出部であり得る複数の下方に傾斜した突出部2909を画定することができる。下方に傾斜した突出部2909は底部リップ2920を溝2907内で完全に着座した位置に案内することができる。加えて、底部リップ2920は、溝2907に面して示される、ポケット2830(
図28Aに示される)に類似する水密ポケット3030(
図30に示される)に係合することができるタブ2730を画定することができる。図示されるように、下方に傾斜した突出部2909と下方に傾斜した突出部2909の間に延び得る溝上壁2990とは、左サイドパネル2620に向かって同じ距離だけ延び、アセンブリの発泡成形中、左サイドパネル2620に接触し、左サイドパネル2620に対してシールを形成することができる。
【0081】
前述のように、少なくとも
図5Bと関連し、タンク基部602は、タンク214により画定される支柱606を受け入れ且つ摩擦的に係合するように構成され得るスプリットカラー604を画定することができる。スプリットカラー604は、分割部2904を画定することができ、スプリットカラー604は、支柱606を受け入れ且つこれに摩擦的に係合するように径方向外側に弾性的に撓むように構成され得る。
【0082】
図29Bは、別の上記スライドジョイントにおいてタンク基部602に組み付けられた左サイドパネル2620のパネル下端部の詳細断面図を示す。
図28Bの態様と同様に、本態様では、オーバフロー断熱材用空洞2994が左サイドパネル2620とタンク基部602との間に画定され得る。溝2907は、溝上壁2990と溝底壁2960との間に画定され得る。図示されるように、溝上壁2990はタンク基部602から外側に延び、左サイドパネル2620の垂直部2722に接触することができる。断熱材用空洞2792は、溝上壁2990の上方に、且つ左サイドパネル2620の垂直部2722から内側に画定され得る。オーバフロー断熱材用空洞2994は、溝上壁2990の下、底部リップ2920の上方、及び左サイドパネル2620の垂直部2722とタンク基部602との間に画定され得る。オーバフロー断熱材用空洞2994(
図29Bでは下方に傾斜した突出部2909の背後に配置されている)は、断熱材用空洞2792(
図28Bに示される)に類似する断熱材用空洞2994に噴霧された余分な発泡断熱材の溢れを制御することを可能にするように構成され得る。タブ2730は、ポケット3030と係合された状態で示される。
【0083】
下方に傾斜した突出部2909は、底部リップ2920を溝底壁2960に非常に近接させて配置し、膨張する断熱材が左サイドパネル2620の底部リップ2920とタンク基部602の溝底壁2960との間から漏れ出すのを防止することができる。内部シーリングリップ2980は、
図27Bの内部シーリングリップ2780と同様に、発泡体が底部リップ2920と溝底壁2960との間から外に漏れるのを防止するための付加的な保護を提供することができる。
図28Bに示される構造を含む蒸発器ケース206の他の部分と同様に、余分な発泡体の、オーバフロー断熱材用空洞2994への移動は、リップ2920と下方に傾斜した突出部2909との間に特に画定される狭い間隙2908により提供される、オーバフロー断熱材用空洞2994への発泡体の漏れに対する抵抗力により制限することができる。間隙2908は、オーバフロー断熱材用空洞2994への入口と表することができる。オーバフロー断熱材用空洞2794への発泡体の漏れに対する抵抗力は、左サイドパネル2620の幅に沿った、左サイドパネル2620の内部表面2623と、溝上壁2990及び下方に傾斜した突出部2909のそれぞれとの間のシールによっても提供され得る。左サイドパネル2620を溝上壁2990及び下方に傾斜した突出部2909のそれぞれに対して保持するのに十分な、発泡成形ジグの壁による圧力下で、余分な発泡体は間隙2908内だけを移動することができる。更に、左サイドパネル2620の外部表面2621と、蒸発器壁207aの隣接する外部表面との間のオフセット2970、及びまた、リップ2920の挿入方向における左サイドパネル2620の底部リップ2920の端部と蒸発器壁207aとの間のオフセット2990は、例えば、リップ2920の幅又は他の部品の任意の寸法の製造公差によるばらつきがあったとしても、左サイドパネル2620と溝上壁2990及び下方に傾斜した突出部2909のそれぞれとの間の均一な圧力を確保することができ、ばらつきはオフセット2990又はオフセット2970によって吸収することができる。
【0084】
図29Cは、内部シーリングリップ2982と、内部起立リブ2884、2984と、外部リブ2986とを示す、蒸発器壁207a、bのうちの1つの隅、又は蒸発器壁207a、bの任意の他の部分の一般的な態様の詳細斜視図である。内部シーリングリップ2982は、内部シーリングリップ2780及び内部シーリングリップ2980と同様に機能するように構成され得る。内部起立リブ2884、2984は、溝底壁2790及び溝上壁2990と同様に機能するように構成され得る。外部リブ2986は、溝上壁2760及び溝底壁2960と同様に機能するように構成され得る。内部起立リブ2884、2984(及び特に、内部起立リブ2984の端部にある勾配した突出部2709、2909)と、外部パネル(例えば、
図29Aに示される左サイドパネル2620。
図29Cでは取り外されているが、蒸発器壁207aに組み付けられているときには内部起立リブ2884、2984の各端部からオフセットしている)との間の間隙2708、2908は、上述のように、断熱材用空洞2792からオーバフロー断熱材用空洞2794、2994に発泡体が流れ込むのを制限することができる。加えて、蒸発器壁207aなどの内側パネルの隅において、上述の構造は、リップ間の、リップ2734(
図27に示される)の下端部と底部リップ2920(
図29Bに示される)の前端部とが交わる場所などの交差部に形成された間隙を通って発泡体が漏れるのを防止することができる。図示されるように、分割線2900は、アイスメーカ110の接合部全体にわたり様々な内側パネル又は外側パネル上で必要に応じて調整及び配置することができ、その例示的な部分のみが明示的に示されている特徴2900aと特徴2900bとを分割することができる。
【0085】
図29Dは、蒸発器ケース206のバックパネル1307に向かって見た、蒸発器区画306の断面斜視図である。図示されるように、断熱材用空洞2792は、蒸発器壁207a、b及びタンク214の周りに延び得る。断熱材用空洞2792の第1の部分2999aは、蒸発器壁207aと左サイドパネル2620との間に画定され得る。断熱材用空洞2792の第2の部分2999bは、タンク214とタンク基部602との間に画定され得る。断熱材用空洞2792の第3の部分2999cは、蒸発器壁207bと内部サイドパネル2930との間に画定され得る。右サイドパネル又は内部サイドパネル2930は、
図26~
図29Bに関して記載したように蒸発器壁207aへの左サイドパネル2620の取り付けと同様に、蒸発器壁207bに取り付けられ得る。部分2999a~cのそれぞれは、流体連通して接続することができるとともに、発泡断熱材を1つの発泡成形操作で完全に充填することができる。
【0086】
図29Eは、タンク214に向かって見た蒸発器区画306の上部断面斜視図である。図示されるように、断熱材用空洞2792の第4の部分2999dが、バックパネル1307と外部ケーシング120の後部パネル3120との間に画定され得る。後部パネル3120は、内部サイドパネル2930と左サイドパネル2620との間に延び、断熱材用空洞2792を収容することができる。第4の部分2999dは第1の部分2999aを第3の部分2999cに接合することができる。
【0087】
図30は、
図6のタンク基部602の上面図である。スプリットカラー604は、スプリットカラー604内に複数の径方向突出部3004を画定することができる。各径方向突出部3004は、スプリットカラー604に支柱606が挿入されているとき、支柱606(
図29に示される)を全3つの寸法(X、Y及びZ)において支持することができる水平棚状部を画定することができる。スプリットカラー604の十分に広いスタンス又は直径により、発泡成形プロセス中、蒸発器ケース206及びアイスメーカ110の他の部分が発泡成形ジグ内にある間に発生し得る著しい機械的及び発泡体圧力下で、タンク214の位置を支持し、維持することができる。複数の径方向突出部3004を垂直の向きに形成することで、タンク基部602の製造、特に成形を容易にすることができるのみならず、スプリットカラー604内に示される開口部により、スプリットカラー604内に発泡体が流れることを可能とし、タンク基部602とタンク214との間の領域の全体にわたる断熱を確実にすることができる。
【0088】
前述のように、タンク基部602はポケット3030を画定することができる。タンク基部602は、加えて、基部602の後端3014の近傍にポケット3030を画定することができ、ポケット3030は、
図26~
図29の記載において左サイドパネル2620(
図26に示される)ついて上述したものと同様の取付機構によって後部パネル3120(
図31に示される)を受け入れるように構成され得る。所望のとおりに、蒸発器ケース206の任意の金属薄板又は類似の薄肉パネルを蒸発器ケース206の任意の蒸発器壁に同様に取り付けることができる。
【0089】
タンク基部602はまた、排出チャネル3010と、タンク基部602の後端3014に通じるドレンポート3012とを画定することができる。排出チャネル3010は、水ポンプ212(
図2に示される)が配置され得る圧送区画1660(
図16に示される)のドレンポート1662(
図16に示される)から水を回収するように構成され得る。
【0090】
図31は、後部パネル3120及び内部サイドパネル2930が蒸発器ケース206に取り付けられた状態で示される、蒸発器ケース206及び圧縮器基部226のライナーの後面斜視図である。
図26~
図29の記載において左サイドパネル2620(
図26に示される)について同様に記載したように、後部パネル3120及び内部サイドパネル2930は蒸発器ケース206に取り付けることができる。図示されるように、蒸発器壁207bの一対のボス3106は内部サイドパネル2930内に延びることができる。図示されるように、圧縮器基部226は、下方に及び内側に勾配することができる、下方に傾斜した突出部2909に類似する複数の下方に傾斜した突出部3109を画定することができる。下方に傾斜した突出部2909は外部ケーシング120(
図1に示される)の右サイドパネル(図示せず)に摩擦的に係合するように構成され得る。
【0091】
左サイドパネル2620(
図28Bに示される)などの複数の外側パネルと蒸発器壁207a(
図28Bに示される)などの複数の内側パネルとは共に、複数のオーバフロー断熱材用空洞2794、2994(2794は
図28Bに示され、2994は
図29Bに示される)を画定することができる。内側パネルの起立リブ2884、2984(
図28Bに示される)及び壁本体2850、2950(2850は
図28Bに示され、2950は
図29Bに示される)、及び外側パネルの外部表面2621(
図28Bに示される)は、複数のオーバフロー断熱材用空洞2794、2994のそれぞれを画定することができる。各オーバフロー断熱材用空洞2794、2994において、外側パネルの外部表面2621は、内側パネル261の起立リブ2884、2984に接触し、それらの間にシールを画定することができる。断熱材用空洞2792から各オーバフロー断熱材用空洞2794、2994への吹込み発泡断熱材の流れは、一対の間隙2708、2908を除いてオーバフロー断熱材用空洞2794、2994を断熱材用空洞2792から遮断することによって制限され得る。一対の間隙2708、2908の第1の間隙2708は、少なくとも部分的に第1の勾配した突出部2709、2909によって起立リブ2884、2984の第1の端部に画定され得る。一対の間隙2708、2908の第2の間隙2908は、少なくとも部分的に第2の勾配した突出部2709、2909によって起立リブ2884、2984の第2の端部に画定され得る。第1の間隙2709及び第2の間隙2909のそれぞれにおけるオーバフロー断熱材用空洞2794、2994の横断面積は、第1の間隙2708及び第2の間隙2908のそれぞれからオフセットした位置におけるオーバフロー断熱材用空洞2794、2994の横断面積よりも小さくてもよい。
【0092】
図32は、それぞれ
図2の蒸発器壁207a、b及びタンク214の正面上部分解斜視図である。タンク214は、水リザーバ614内に配置されたオーバフロードレン3214を画定することができる。タンク214は、タンク基部602(
図6に示される)の排出チャネル3010(
図30に示される)に通じ得るオーバフロードレン3214と流体連通する排出路3216を更に画定することができる。タンク214の溢れを防止するために、オーバフロードレン3214は、水位がオーバフロードレン3214の上端部を超えて上昇した場合に水リザーバ614から水を排出するように構成され得る。
【0093】
図33は、タンク214、及び蒸発器壁207a、bの壁下端部508a、bそれぞれの詳細正面上部分解斜視図である。タンク上端部514は、タンク214を蒸発器壁207a、bに取り付けるために、それぞれ、各々の蒸発器壁207a、bの壁下端部508a、bを受け入れるように構成され得る一対の溝3314a、bを画定することができる。溝3314a、bのそれぞれは、各溝3314a、b内に延び得る1つ以上のスロット3320を画定することができる。
【0094】
図34は、タンク214、及び蒸発器壁207aの壁下端部508aの詳細分解斜視図である。壁下端部508aは、タンク上端部514の溝3314a(
図33に示される)内に受け入れられるように構成され得るリップ3414を画定することができる。リップ3414は、タンク214により画定されるスロット3320に、示されるようなバーブにより係合するように構成され得るタブ3420を画定することができる。蒸発器壁207b(
図33に示される)は、溝3314b(
図33に示される)、及び溝3314b内に画定されるスロット3320(
図33に示される)に係合するように構成された同様のリップ及びタブを画定することができる。
【0095】
図35は、互いに固定された蒸発器壁207aの壁下端部508a及びタンク214のタンク上端部514の詳細斜視図である。本態様では、リップ3414(
図34に示される)は溝3314a(
図33に示される)内に受け入れられ得る。リップ3414が溝3314a内に受け入れられることにより、タブ3420はスロット3320に係合することができ、それにより、蒸発器壁207aをタンク214に固定する。蒸発器壁207b(
図33に示される)は同様に、タンク214に取り付けることができる。タブ3420とスロット3320の係合により、組み付けプロセス中に時間を節約することができるスナップフィット式のツールのいらないアセンブリ(snap-together,tool-free assembly)を提供することができる。
【0096】
図36Aは、
図2Aの蒸発器壁207a、b及びタンク214の後面分解斜視図である。
図13に関して上述したように、各蒸発器壁207a、bは実質的にL字形であることができ、後端部510a、bは後部継目において共に接続され、蒸発器ケース206(
図36Bに示される)のバックパネル1307(
図36Bに示される)を形成することができる。溝3314a、b(
図33に示される)と同様に、蒸発器壁207aは、スロット3320(
図33に示される)に類似し得るスロット3622を画定することができる。蒸発器壁207bはリップ3614を画定することができ、リップ3614は、タブ3420(
図34に示される)に類似するタブ3620を画定することができるリップ3414(
図34に示される)に類似する。図示されるように、溝3314aはタンク上端部514の後端部の周りに延びることができ、溝3314aは、壁下端部508a、bを受け入れるように構成され得る。
【0097】
図36Bは、タンク214に取り付けられた蒸発器ケース206のバックパネル1307の斜視背面図である。蒸発器壁207aの溝(図示せず)は、蒸発器壁207bのリップ3614(
図36Aに示される)を受け入れることができる。
【0098】
図37Aは、タンク214内に画定された溝3314a内に受け入れられた蒸発器壁207aのリップ3414を示し、
図37Bは、溝3314a(
図37Aに示される)のスロット3320と係合したリップ3414のタブ3420を示す。
図36Bに示すように、タブ3620は同様に、スロット3622に係合して後端部510a、bを共に固定し、蒸発器ケース206のバックパネル1307を形成することができる。組み立てられると、蒸発器ケース206は、上述のように、タンク214のタンク上端部514上に着座し、タンク214を蒸発器ケース206に取り付けることができる。所望のとおりに、例えば、限定されることなく、蒸発器ケース206の蒸発器壁207a、bの任意の部分などの、蒸発器ケース206の任意の2つのより厚肉の部分、又はより一般には、アイスメーカ110は、同様に構築され、接合され得る。
【0099】
図38は、
図1のアイスメーカ110のメーカ下端部114の底面斜視図である。図示されるように、タンク基部602と基部ケース205はともに、メーカ下端部114及び底部開口部3814を画定することができる。底部開口部3814は、貯蔵容器190(
図1に示される)の容器上端部192(
図1に示される)の開口部(図示せず)と位置合わせされ得る。アイスメーカ110によって製作された角氷490は、底部開口部3814を通って貯蔵容器190内に落下することができる。超音波容器センサ290は圧縮器基部226内に延び、底部開口部3814の上方に配置され得る。前述のように、貯蔵容器190内の角氷490のレベルを測定するために、超音波容器センサ290は超音波を、底部開口部3814を通して貯蔵容器190へと下方に送信することができる。
【0100】
図39は、
図1のアイスメーカ110の正面図である。前面パネルアセンブリ122は、メーカ下端部114の近辺に位置するねじなどの締結具3910によってアイスメーカ110上に保持され得る。締結具3910が緩められると、保守、クリーニング、又は任意の他の目的のためにアクセスを提供するために、前面パネルアセンブリ122をアイスメーカ110から持ち上げ、取り外すことができる。本明細書中の別の場所に記載され、図に示されるように、1つの締結具3910を取り外すことにより、ユーザがスパウト1414を含む蒸発器ケースの内部にアイスメーカの前部からツールなしでアクセスするのを容易にすることができる。
【0101】
図40は、前面パネルアセンブリ122を取り外し、制御ボックス230、前部断熱材208、及びタンク214を露出させたアイスメーカ110の斜視図である。前部断熱材208のプルタブ522を引くことによって、クリーニングなどのために湿潤区画202(
図2Aに示される)の内部部分にアクセスすることができる。制御ボックス230は、第1のスイッチ4010及び第2のスイッチ4012を含むことができ、その両方は、権限のない人物によるいたずらを思いとどまらせるために前面パネルアセンブリ122の背後に隠すことができる。スイッチ4010、4012のいずれかはトグルスイッチであり得る。第1のスイッチ4010は制御スイッチ4010であることができ、第2のスイッチ4012はモードスイッチ4012であり得る。
【0102】
アイスメーカ110をクリーニング及び消毒するために、図示されるように、前面パネルアセンブリ122(
図39に示される)は、まず、取り外すことができる。特に指示のない限り、この工程及び以下の手動工程のいずれかは、製氷機100のユーザ又は技術者によって実施され得る。制御スイッチは、その後、3分間「オフ」位置に切り替えられ得る一方、モードスイッチ4012は「氷」位置にある。制御スイッチ4010は、その後、「オン」位置に移動させることができ、前面パネルアセンブリ122は交換することができる。3分後、前面パネルアセンブリ122は再度取り外すことができ、制御スイッチ4010は「オフ」位置に切り替えることができる。その後、貯蔵容器190(
図1に示される)は氷が取り出されて空にされ、適宜、クリーニングに備えるためにオフにされ得る。
【0103】
次に、モードスイッチ4012は「クリーニング」位置に切り替えることができ、その後、制御スイッチ4010は「オン」位置に移動させることができる。この時点で、1回の短いビープの3秒後に1回の長いビープが続くことによって、「オン」位置に切り替えられた制御スイッチ4010の自動確認が行われ得る。その後、前面パネルアセンブリ122は交換することができる。この時間の間、タンク214の水リザーバ614(
図6に示される)はアイスメーカ110によって自動的に排出され、充填され得る。制御ボックス230のコントローラ232は、次に、ビープ音(2ビープシーケンス、すなわち、ビープ、ビープ、一時停止、その後、繰り返しの形態であり得る)を発することができ、この時、前面パネルアセンブリ122は取り外すことができ、制御スイッチ4010は「オフ」位置に切り替えることができる。前部断熱材208は取り外すことができ、その後、例えば、限定されることなく、10.4fl.oz.のHoshizaki SCALE AWAYクリーニング流体などの、ある量のクリーニング流体を水リザーバ614内にスパウト1414(
図14に示される)を通して注ぐことができる。いくつかの態様では、クリーニング流体は1ガロンあたり5.4オンスの洗浄剤を含み得る。制御スイッチ4010は、その後、「オン」位置に切り替えることができ、この時、上述の1回の短いビープの3秒後に1回の長いビープが続くことによって自動確認を再び行うことができ、前面パネルアセンブリ122は交換することができる。この時点で、クリーニング流体と水との混合物(「クリーニング溶液」)を水回路450(
図4に示される)内に再循環させることができる。クリーニング溶液の過度の発泡を避けるために、各サイクルの前に1分の遅延を自動的に開始することができる。クリーニング溶液を水回路450内に30分間自動的に循環させた後、アイスメーカ110は3回のすすぎサイクルを連続で自動的に実施することができる。コントローラ232が再びビープ(5ビープシーケンスの形態であり得る)を開始すると、前面パネルアセンブリ122は取り外すことができ、制御スイッチ4010は「オフ」位置に切り替えることができる。アイスメーカ110が悪い又は厳しい水条件に曝される用途では、アイスメーカ110の電源をオフにすることができ、角氷ガイド550(
図5に示される)、フロートスイッチ690(
図6に示される)、給水チューブ、スプレーチューブ312(
図3に示される)、及びスプレーガイド1912a、b(
図19に示される)を取り外し、クリーニングし、すすぎ、再び取り付けることができる。例えば、限定されることなく、構成要素は暖水の溶液中でクリーニングすることができ、この水に、1ガロンの暖水に対してクリーニング溶液5oz.の割合でHoshizaki SCALE AWAYクリーニング流体を添加することができる。
【0104】
アイスメーカ110を消毒するために、モードスイッチ4012は「クリーニング」位置に置くことができ、その後、制御スイッチ4010は「オン」位置に移動させることができ、この時、上述の1回の短いビープの3秒後に1回の長いビープが続くことによって自動確認を再び行うことができる。その後、前面パネルアセンブリ122は交換することができる。この時間の間、タンク214の水リザーバ614は自動的に排出され、補充することができる。制御ボックス230がビープ(上述の2ビープシーケンスの形態であり得る)を開始すると、前面パネルアセンブリ122は取り外すことができ、制御スイッチ4010は「オフ」位置に移動させることができる。前部断熱材208は取り外すことができ、その後、消毒流体として、例えば、限定されることなく、0.6fl.oz.の8.25%次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素漂白剤)などをタンク214の水リザーバ614内にスパウト1414を通して添加することができる。いくつかの態様では、消毒流体は、タンクサイズ及び溶液中の活性成分の濃度をベースに200百万分率の次亜塩素酸ナトリウム溶液を含み得る。前部断熱材208は交換することができ、制御スイッチ4010は「オン」位置に移動させることができ、この時、上述の1回の短いビープの3秒後に1回の長いビープが続くことによって自動確認をもう一度行うことができる。次に、アイスメーカ110の前面パネルアセンブリ122を交換することができる。過度の発泡を避けるために、サイクル間に自動的な1分の遅延があり得る。消毒溶液を水回路450内に約30分間自動的に循環させた後、アイスメーカ110は、その後、3回のすすぎサイクルを連続で自動的に実施することができる。コントローラ232がビープ(再度、上述の5ビープシーケンスの形態であり得る)を開始すると、前面パネルアセンブリ122は取り外すことができ、制御スイッチ4010は「オフ」位置に移動させることができる。その後、氷貯蔵容器190は中性洗浄剤でクリーニングし、完全にすすぐことができる。その後、モードスイッチ4012は「氷」位置に再び切り替えることができ、その後、制御スイッチ4010は、氷の製作を再開するために「オン」位置に再び切り替えることができる。その後、前面パネルアセンブリ122はアイスメーカ110に再び取り付けることができる。
【0105】
図41から
図43は、アイスメーカの全体的なクリーニング手順の少なくともクリーニング機能及び消毒機能に関する制御ボックス230のコントローラ232の動作を示すフローチャートを示す。以下に記載する各フローチャートにわたる全サイクルは、クリーニングサイクル又は消毒サイクルのいずれかを示し得る。
図41に示すように、全体的な動作フローチャート4100は、クリーニング及び消毒に関連する工程4110及び工程4120を含み得る。工程4110は、モードスイッチ4012が「クリーニング」位置にあるかどうかをコントローラ232が決定することを含み得る。答えがいいえであれば、工程4120は、クリーニング工程がすすぎであるかどうかをコントローラ232が決定することを含み得る。加えて、答えがいいえであれば、クリーニングサイクルはコントローラ232により開始されない。工程4110又は工程4120のいずれかの答えがはいであれば、第1のクリーニングフローチャート4200(
図42に示される)に示される工程から始まるクリーニングサイクルが開始される。
【0106】
図42に示すように、第1のクリーニングフローチャート4200は、工程4210~4290を含み得る。工程4210は、コントローラ232が制御ボックス230内の全ての継電器をオフにすることを含み得る。工程4220は、モードスイッチ4012が(なお)クリーニング位置にあるかどうかを決定することを含み得る。答えがいいえであれば、第1のクリーニングフローチャート4200の任意の後の工程は省略することができ、コントローラ232は第2のクリーニングフローチャート4300の工程に飛ぶことができる。答えがはいであれば、工程4230はブザーを1秒間鳴らすことを含み得る。工程4240は、クリーニング工程が開始であるかどうかをコントローラ232が決定することを含み得る。答えがいいえであれば、再度、第1のクリーニングフローチャート4200の任意の後の工程は省略することができ、コントローラ232は第2のクリーニングフローチャート4300の工程に飛ぶことができる。答えがはいであれば、工程4250は、フローチャートに又は上で例示的に記載されるように、水回路450内に水を循環させることを含み得る。より具体的には、工程4250は、クリーニング弁354(
図3に示される)をオンにすることと、入口水弁352(
図3に示される)及び排水弁356(
図3に示される)をオフにすることとを含み得る。工程4260は、フローチャートに又は上で例示的に記載されるように、水リザーバ614から排液することを含み得る。より具体的には、工程4260は、排水弁356をオンにすること、入口水弁352及びクリーニング弁354をオフにすることを含み得る。工程4270は、フローチャートに又は上で例示的に記載されるように、水リザーバ614を充填することを含み得る。より具体的には、工程4270は、入口水弁352をオンにすることと、クリーニング弁354及び排水弁356をオフにすることとを含み得る。工程4280は、コントローラ232がクリーニング工程を溶液に設定することを含み得る。工程4290は、ユーザが次の工程(クリーニング流体(クリーニングサイクルの場合)を注ぐこと又は消毒流体(消毒サイクルの場合)を注ぐこと)に進むための合図として、コントローラ232が5秒毎に2回の短いビープを鳴らすことを含み得る。実際、ユーザがクリーニング流体又は消毒流体を注ぐための合図まで、及びこの合図を含むことで、ユーザの介入が必要ないように、工程4220~4290の任意の部分集合又は全てを自動化することができる。その後、第1のクリーニングフローチャート4200は第2のクリーニングフローチャート4300に移行することができる。
【0107】
図43に示すように、第2のクリーニングフローチャート4300は、ユーザのクリーニング流体の注入に後続し得る工程4310~4390を含み得る。工程4310は、クリーニング工程が溶液であるかどうかをコントローラ232が決定することを含み得る。答えがはいであれば、工程4320は、コントローラ232が1分の遅延タイマを開始することを含み得る。工程4330は、コントローラ232がクリーニング工程をすすぎに設定することを含み得る。工程4340は、コントローラ232が、30分などの時間にわたり水回路450にクリーニング溶液を循環させることを含み得る。30分の時間の最後の3分間、又は同様の循環時間の任意の他の所望の部分の間、コントローラ232は水ポンプを脈動又はパルスさせることができ、急激な圧力タップ(rapid pressure tap)を事実上使用し、水垢、カルシウム堆積物、及びその他の汚染物質を水回路の表面から取り除くことによって水回路450の表面をより強力にクリーニングするのを補助することができる。工程4350は、コントローラ232が水リザーバ614から排液することを含み得る。工程4310の答えがいいえであれば、コントローラ232は工程4340及び工程4350に直接飛ぶことができる(すなわち、コントローラ232はすすぎ工程を省略することができる)。工程4360~4380は、1回のすすぎサイクルを含み得る。より具体的には、工程4360は、コントローラ232が水回路450に水リザーバ614を充填させることを含むことができ、工程4370は、コントローラ232が水ポンプに、水回路450内に水を循環させることを含むことができ、工程4380は、コントローラ232が水ポンプに水リザーバ614を排液させることを含むことができる。工程4390は、第3のすすぎサイクルが完了するまでコントローラ232が工程4360~4380を繰り返すことを含み得る。工程4392は、コントローラ232がクリーニング工程を開始に再び設定すること(将来の、次の完全クリーニングサイクルに備えるために)を含み得る。工程4394は、クリーニングサイクルが完了したことをユーザに知らせるためにコントローラ232が10秒毎に5回の長いビープを鳴らすことを含み得る。更に、ユーザの介入が必要ないように、工程4310~4394の任意の部分集合又は全ては自動化することができる。第1のクリーニングフローチャート4200及び第2のクリーニングフローチャート4300の上述の工程は消毒サイクルを実施するために繰り返すことができる。
【0108】
アイスメーカ110をクリーニング及び消毒するプロセスは、角氷490の品質(例えば、サイズ、硬さ、及び透明度)を維持するのに有用であり得るとともに、また、緑膿菌などの細菌をシステムから除去するのに有用であり得る。内部及び規制当局(National Sanitation Foundation、すなわちNSFなど)の試験では、本明細書中に記載されるプロセスは、衛生に関する規制要件を満たすことができるだけでなく、クリーニング及び消毒後、水回路450内の水の望ましいpHレベル(例えば、7プラス又はマイナス0.5のpH値であり得る)を維持することもできることが見出された。
【0109】
いくつかの利点を本明細書中に記載されるクリーニング及び消毒プロセスにおいて実現することができる。いくつかの態様ではユーザによるある程度の手動干渉が必要な場合があるものの、既に示したように、従来実施されているプロセスにおいて手動で時間調整されていた及び/又は開始されていた多くの工程がここでは自動になっている。クリーニング段階では、例えば、9つの基本工程が5工程になっており、全ての時間調整工程がコントローラ232に組み込まれている(ユーザに対する様々なビープ音合図で明らかなとおり)。消毒段階では、クリーニング段階に続く14の基本工程が同様の5工程になっており、同様に、全ての時間調整工程がコントローラ232に組み込まれている(ユーザに対する様々なビープ音合図で明らかなとおり)。従来実施されているプロセスでは、水ポンプホースを各段階の間に複数回取り外し、再接続する必要があり、クリーニング弁もまた各段階の間に複数回開閉する必要があり、全体的なクリーニング及び消毒プロセスの常時監視に数時間かかり得ることとなっていたが、本明細書中に記載される方法では、ユーザはその場を離れ、制御盤のビープ音により促されたときに戻ることができるため、2時間のクリーニングプロセスであっても常時監視する必要はない。水回路450の複雑さも大幅に低減されている。従来必要であった50個を超える部品は現在ではわずか約22個の部品しか必要なく、50%を超える部品削減である。これは、従来の実装形態の手動クリーニング弁を
図2Cに示すような弁352、354、356に交換すること、及び弁352、354、356をコントローラ232で制御することによって可能である。
【0110】
とりわけ、「できる(can、could)」、「し得る(might、又はmay)」などの条件付き文言は、特に明記されない限り、或いは使用される文脈内で理解されない限り、一般に、特定の態様が特定の特徴、要素及び/又は工程を含む一方で、他の態様はこれらを含まないことを伝達することを意図していることに留意されたい。したがって、そのような条件付き文言は、一般に、特徴、要素及び/若しくは工程が1つ以上の特定の態様に多少なりとも必要であること、又はこれら特徴、要素及び/若しくは工程が任意の特定の態様に含まれる若しくはこの特定の態様で実行されるかどうかを、ユーザ入力若しくはプロンプトあり若しくはなしで、決定するための論理を1つ以上の特定の態様が必ずしも含むことを示唆するものではない。
【0111】
上述の態様は、本開示の原理の明確な理解のために単に述べる単なる実装形態例であることを強調されたい。本開示の当業者には理解されるように、流れ図内の任意のプロセス記述又はブロックは、プロセス内の特定の論理的機能又は工程を実施するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又はコードを表すものと理解すべきであり、機能は含まれなくても又は全く実行されなくてもよく、含まれる機能性に応じて実質的に同時若しくは反対の順序を含む、図示される又は記載される順序から外れて実行されてもよい代替実装形態が含まれる。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく上述の態様に多くの変更及び修正を施してもよい。更に、本開示の範囲は、上述の全ての要素、特徴、及び態様の一切の組み合わせ及び副組み合わせを包含することを意図する。そのような修正及び変更は全て、本明細書中の、本開示の範囲内に含まれ、個々の態様又は要素若しくは工程の組み合わせに対する可能な全ての請求項は、本開示により支持されるものである。