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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】洗濯処理液タンク及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
D06F39/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019184230
(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公開番号】P2021058375
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】野上 洋登
(72)【発明者】
【氏名】高中 健太
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-037356(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0050272(KR,A)
【文献】特開2019-150391(JP,A)
【文献】特表2001-513471(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0233928(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F39/00-39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯処理液が貯留されるタンク本体と、
前記タンク本体内の底部側に開口していて外部に連通し前記洗濯処理液の吐出口となる吐出部と、
前記洗濯処理液を透過させるメッシュまたはスリットが形成され前記タンク本体内で前記吐出部の開口の周囲を覆うタンクフィルタと、
前記タンクフィルタの上下方向の中間位置と前記開口の上部の所定位置との間を掛け渡すように設けられ、前記タンク本体内の前記タンクフィルタで仕切られた前記開口側の空間を上側と下側とに仕切る仕切り部材とを備え、
前記メッシュまたはスリットは、前記タンクフィルタの前記中間位置より下方に設けられていて、
前記タンクフィルタは、厚さ方向の断面形状が屈曲していて当該屈曲による凸方向が前記開口側とは逆方向であり、かつ、前記タンクフィルタの幅方向の両側部には山形の側板がそれぞれ設けられ、前記屈曲による最も凹形状をしている部分とこれと直交する部分にリブが形成されていることを特徴とする洗濯処理液タンク。
【請求項2】
前記仕切り部材は、前記中間位置から延出して前記所定位置に接するまたは前記所定位置から延出して前記中間位置に接するリブであることを特徴とする請求項1に記載の洗濯処理液タンク。
【請求項3】
前記所定位置は、前記開口の直上部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗濯処理液タンク。
【請求項4】
前記メッシュまたはスリットは、その上端縁が前記開口の上端縁と洗濯機装着時に略同じ高さであり、
前記仕切り部材は、その板幅方向が洗濯機装着時に水平であることを特徴とする請求項3に記載の洗濯処理液タンク。
【請求項5】
洗濯槽と、
請求項1乃至請求項の何れかの一項に記載の洗濯処理液タンクと、
前記吐出部を介して前記タンク本体内の前記洗濯処理液を前記洗濯槽内に供給する供給装置とを備えていることを特徴とする洗濯機。
【請求項6】
前記供給装置は、ピストンポンプであることを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯処理液タンク及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開平2018-11618号公報(特許文献1)がある。この公報には、「筐体と、前記筐体内部に設けられた水槽と、前記水槽内に洗濯処理液を供給する洗濯処理液自動投入手段と、前記水槽内に洗濯処理液を供給する洗剤投入口と、前記洗濯処理液自動投入手段及び前記洗剤投入口に給水する給水手段と、前記洗濯処理液供給手段の制御をする制御手段と、を備え、前記洗濯処理液供給手段は、前記洗濯処理液を内部に保持するタンクと、前記洗濯処理液を前記タンクの内部から前記タンクの外部まで搬送する搬送ポンプと、を有し、前記洗濯処理液自動投入手段は、前記筐体の上側に配置されると共に、前記洗剤投入口と前記給水手段の間に配置することを特徴とする。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-11618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、液体洗剤、柔軟剤など、洗濯槽内の水に投入されて洗濯物に洗浄、柔軟仕上げ等の効果をもたらす液剤(本明細書において、「洗濯処理液」と呼ぶ)を貯留するタンクについて開示されている。このタンクは洗濯機に設けられ、タンク内の洗濯処理液は、タンクの底部側に設けられた吐出部から所定の装置によって必要量が吐出されて洗濯槽内に投入される。
しかしながら、タンク内の洗濯処理液の量が減り、その水位(液位)が低下した際には、吐出部から吐出される洗濯処理液に空気が混入して、洗濯機の制御系が適量と判断した量よりも少ない洗濯処理液しか洗濯槽内に供給されないという不具合が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、洗濯槽内に供給する洗濯処理液に空気が混入するのを抑制して適正な量の洗濯処理液を洗濯槽内に供給することができる洗濯処理液タンク及び洗濯機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、洗濯処理液が貯留されるタンク本体と、前記タンク本体内の底部側に開口していて外部に連通し前記洗濯処理液の吐出口となる吐出部と、前記洗濯処理液を透過させるメッシュまたはスリットが形成され前記タンク本体内で前記吐出部の開口の周囲を覆うタンクフィルタと、前記タンクフィルタの上下方向の中間位置と前記開口の上部の所定位置との間を掛け渡すように設けられ、前記タンク本体内の前記タンクフィルタで仕切られた前記開口側の空間を上側と下側とに仕切る仕切り部材とを備え、前記メッシュまたはスリットは、前記タンクフィルタの前記中間位置より下方に設けられていて、前記タンクフィルタは、厚さ方向の断面形状が屈曲していて当該屈曲による凸方向が前記開口側とは逆方向であり、かつ、前記タンクフィルタの幅方向の両側部には山形の側板がそれぞれ設けられ、前記屈曲による最も凹形状をしている部分とこれと直交する部分にリブが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、洗濯槽内に供給する洗濯処理液に空気が混入するのを抑制して適正な量の洗濯処理液を洗濯槽内に供給することができる洗濯処理液タンク及び洗濯機を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例に係る洗濯機の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る洗濯機の上部に内蔵されている洗剤等投入装置を示す斜視図である。である。
図3】本発明の一実施例に係る洗濯機の洗濯処理液タンクの縦断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る洗濯機の洗濯処理液タンクの蓋体を外した状態の上面図である。
図5】本発明の一実施例に係る洗濯機の洗濯処理液タンクの蓋体を外した状態の側面図である。
図6】本発明の一実施例に係る洗濯機の洗濯処理液タンクを蓋体を外した状態で上側から視た斜視図である。
図7図4のA-A断面図である。
図8図7のB部分の拡大図である。
図9】本発明の一実施例に対する第1の変形例に係る洗濯機のタンクフィルタ及び仕切り部材等を中心とした部分の拡大縦断面図である。
図10】本発明の一実施例に対する第2の変形例に係る洗濯機のタンクフィルタの上側から視た斜視図である。
図11】本発明の一実施例に対する第2の変形例に係る洗濯機の下側から視た斜視図である。
図12図11のC-C断面図である。
図13】本発明の一実施例に対する第2の変形例に係る洗濯機の図10図12のタンクフィルタを装着した洗濯処理液タンクの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、図面には洗濯機から見た上下左右前後の方向を適宜矢印で示している。
図1は、本発明の一実施例に係る洗濯機の外観を示す斜視図である。この例に示す洗濯機1は、ドラム式の洗濯機であるが、縦型の洗濯機として本発明を実施してもよい。また、洗濯機1は、乾燥機の機能を備えていてもいなくてもよい。この洗濯機1の筐体1aの前面には、洗濯機1内部の洗濯槽4の開閉ドア2が設けられている。開閉ドア2は手動で開閉可能であり、外形が略円形である。開閉ドア2のドア枠3には、洗濯槽4を外部から覗くことが可能な透明なドアガラス5が設けられている。
【0010】
筐体1aの上部には、ユーザからの各種操作を受け付け、各種メッセージを表示する操作パネル6が設けられている。筐体1aの上部には、後記するタンク収納部11(図2)の上部を開閉するタンク開閉蓋7も設けられている。筐体1aの上部には、後記する洗剤投入口12を開閉する洗剤投入口開閉蓋8も設けられている。
【0011】
図2は、洗濯機の上部に内蔵されている洗剤等投入装置を示す斜視図である。洗濯機1における筐体1aの上部の下には、一点鎖線で模式的に示すように洗剤等投入装置13が設けられている。洗剤等投入装置13は、自動洗濯処理液投入装置14と、洗剤投入口12とを備えている。洗剤投入口12は、洗剤投入口開閉蓋8を開くことで開口し、自動洗濯処理液投入装置14を介さずにユーザが手作業で外部から洗剤等を洗濯槽4に投入することを可能とする投入口である。
【0012】
自動洗濯処理液投入装置14は、その内部に貯留されている洗濯処理液を自動で洗濯槽4内に投入する装置である。この装置により自動投入することができる洗濯処理液の種類は1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。本実施例では、2種類であり、具体的には、例えば液体洗剤と柔軟剤である。自動洗濯処理液投入装置14は、タンク収納部11を備えている。タンク収納部11はトレイ状の容器であり、内部に洗濯処理液タンクを着脱自在に収容することができる。洗濯処理液タンクは、自動洗濯処理液投入装置14で自動投入可能な洗濯処理液の種類と同数だけ用意されている。すなわち、1台の洗濯処理液タンクは1種類の洗濯処理液に対応している。本実施例では、洗濯処理液として液体洗剤と柔軟剤の2種類の投入が可能であるため、洗濯処理液タンクも、洗濯処理液タンク15と洗濯処理液タンク16の2台がタンク収納部11内に着脱自在に収納されている。なお、洗濯処理液タンク15と洗濯処理液タンク16とのうち、どちらが液体洗剤用であってもよいし、どちらが柔軟剤用であってもよい。洗濯処理液タンク15,16は、何れもそれぞれに対応した種類の洗濯処理液が内部に貯留される。
【0013】
洗濯処理液タンク15,16は、洗濯処理液を内部にそれぞれ貯留するタンク本体15a,16aと、タンク本体15a,16aの上部全体をそれぞれ覆う蓋体15b,16bと、各蓋体15b,16bに設けられた開閉蓋15c,16cとを備えている。開閉蓋15c,16cは、それぞれ開くことでタンク本体15a,16a内に洗濯処理液を投入して貯留させることを可能とする蓋体である。また、蓋体15b,16bは、タンク本体15a,16aの上部に固定されていても、着脱自在とされていてもよい。
【0014】
自動洗濯処理液投入装置14は、洗濯処理液タンク15,16それぞれの内部に貯留されている各洗濯処理液を当該洗濯処理液タンク15,16から吐出させて、当該吐出させた洗濯処理液を洗濯槽4に投入する駆動源となる供給装置17を備えている。供給装置17としては、ピストンポンプなどを用いることができる。この供給装置17は、洗濯処理液タンク15,16内の洗濯処理液を所定の液体流通系統を介して洗濯槽4に投入する。洗濯機1は、図示しない制御装置の制御により、各洗濯処理液を洗濯物の重量等に応じた所定量だけ所定のタイミングで洗濯槽4内に投入する(公知技術であるため、詳細は省略する)。
【0015】
図3は、洗濯処理液タンクの縦断面図である。洗濯処理液タンク15と洗濯処理液タンク16の構成や作用効果は基本的には同様であるため、以下では代表して洗濯処理液タンク15についてのみ説明する。洗濯機1には、洗濯処理液タンク15の内部の洗濯処理液の量を検出する液量検出装置29が設けられている。液量検出装置29は、支持軸21、浮き22、磁気センサ24などから構成されている。
【0016】
洗濯処理液タンク15内部の上部には、支持軸21の一端部が上下に回動自在に支持されている(破線でも示している)。支持軸21の他端部には浮き22が取り付けられている。浮き22には磁石27が設けられている。図3において図示しないタンク収納部11の下部には磁気センサ24が設けられている。浮き22はその浮力によってタンク本体15a,16a内の洗濯処理液上を浮く。そのため、浮き22の高さはタンク本体15a内の洗濯処理液の量を示している。タンク本体15a内の洗濯処理液が多くて浮き22の高さが高いときは磁石27が磁気センサ24から遠ざかって磁気センサ24の検出する磁力が弱く、洗濯処理液が少なくて浮き22の高さが低いとき磁石27が磁気センサ24に近づいて磁気センサ24の検出する磁力が強くなる。これによって、磁気センサ24はタンク本体15a内の洗濯処理液の水位レベル、ひいては液量を検出することができる。この水位レベルが基準値以下に下がったと検出したときは、操作パネル6にメッセージを表示したり、音声を発したりしてユーザに報知する。
【0017】
ところで、供給装置17としてピストンポンプを用いる場合、必要量の洗濯処理液を洗濯処理液タンク15からピストンポンプのシリンダに吸引することで洗濯処理液タンク15から洗濯処理液を吐出させる。そして、この吸引した洗濯処理液を洗濯槽4に投入する。この吸引する洗濯処理液の量は洗濯物の重量等に応じて洗濯機1の図示しない制御系が決定する。
しかしながら、洗濯処理液タンク15内の洗濯処理液の量が減り、その液位が低下した際には、洗濯処理液タンク15から吐出される洗濯処理液に空気が混入して、洗濯機1の制御系が適量と判断した量よりも少ない洗濯処理液しか洗濯槽4内に供給されないという不具合が生じるおそれがある。
【0018】
そこで、本発明は、洗濯槽4内に供給する洗濯処理液に空気が混入するのを抑制して適正な量の洗濯処理液を洗濯槽4内に供給することができる洗濯処理液タンク15及び洗濯機1について説明する。なお、洗濯処理液タンク16についても同様である。
【0019】
図4は、洗濯処理液タンクの蓋体を外した状態の上面図、図5は、同側面図である。洗濯処理液タンク15のタンク本体15aは上面視で略長方形状のタンクである。その底板15a1は、前側から後側にかけてなだらかに下り傾斜している。取っ手28は、洗濯処理液タンク15をタンク収納部11に着脱するためにユーザが把持するための部材であり、その両端部は、タンク本体15aの前後の側板15a2,15a3の上部に回動自在に取り付けられている。底板15a1における下面の前後の端部側には、洗濯処理液タンク15をテーブル上などに底部側を下にして自立させる脚部30がそれぞれ設けられている。
【0020】
図6は、洗濯処理液タンクを蓋体を外した状態で上側から視た斜視図、図7は、図4のA-A断面図、図8は、図7のB部分の拡大図である。タンク本体15aの底板15a1の後方には、タンク本体15a内の底部側に開口していて外部に連通し洗濯処理液の吐出口となる吐出部23が設けられている。吐出部23は、タンク本体15a内の洗濯処理液を吸引する開口23aと、この吸引した洗濯処理液を洗濯処理液タンク15外に排出する排出口23bとを備え、開口23aと排出口23bとの間の流路には逆止弁25が設けられている。供給装置17(図3参照)としてピストンポンプでタンク本体15a内の洗濯処理液を吸引したときは、タンク本体15a内から洗濯処理液が吐出(排出)される。逆止弁25は、ピストンポンプのピストンが戻されたときにピストンポンプ側の空気がタンク本体15a側に逆流しないようにしている。
【0021】
タンク本体15a内には、タンクフィルタ31が設けられている。タンクフィルタ31は、例えば略矩形板形状であり、側板15a3の内面から底板15a1の内面にかけて縦断面形状が斜めに傾斜するようにしてタンク本体15a内にはめ込まれている。タンクフィルタ31は、吐出部23のタンク本体15a内側における開口23aの周囲を覆うように設けられている。タンクフィルタ31の下方部分には、タンクフィルタ31を板厚方向に貫通するメッシュ31a(またはスリットなどでもよい。以下同様。)が形成されている。タンク本体15a内の洗濯処理液はメッシュ31aのみを介して開口23aに流入する。メッシュ31a以外の部分からは開口23aに洗濯処理液が流入しないように、タンクフィルタ31は開口23aを閉鎖している。
【0022】
仕切り部材32は、タンクフィルタ31の上下方向の中間位置と開口23aの上部の所定位置との間を掛け渡すように設けられ、タンク本体15a内のタンクフィルタ31で仕切られた開口23a側の空間を上側と下側とに仕切る例えばリブ状の部材である。
仕切り部材32は、タンクフィルタ31の上下方向の中間位置から延出して開口23aの上部の所定位置に接するか、または、前記所定位置から延出して前記中間位置に接する部材である。図8の例では、仕切り部材32の板幅方向は、タンクフィルタ31の板幅方向と略直角をなし、仕切り部材32は、タンクフィルタ31側から開口23a側に下り傾斜している。
【0023】
メッシュ31aは、タンクフィルタ31の上下方向の前記中間位置、すなわち、仕切り部材32の位置よりも下方に設けられている。
仕切り部材32が位置する開口23aの上部の所定位置は、開口23aの直上位置である。
【0024】
次に、本実施例の作用効果について説明する。
洗濯処理液を内部に貯留した洗濯処理液タンク15をタンク収納部11内に装着することで、洗濯処理液を、供給装置17を駆動源として所定量を所定のタイミングで洗濯槽4内に投入することができる。
【0025】
洗濯処理液タンク15のメッシュ31aによって、タンク本体15aの水槽内側の異物は遮られ、洗濯槽4側には流れない。
図8に示すように、仕切り部材32は、タンクフィルタ31の上下方向の中間位置と開口23aの上部の所定位置との間を掛け渡すように設けられ、タンク本体15a内のタンクフィルタ31で仕切られた開口23a側の空間を上側と下側とに仕切っている。そして、メッシュ31aは、タンクフィルタ31の上下方向の中間位置より下方に設けられている。そのため、タンク本体15a内の洗濯処理液が相当程度減少しても、その水位がメッシュ31aの上端よりも低下するまでは、供給装置17としてピストンポンプでタンク本体15a内の洗濯処理液を吸引しても、洗濯処理液の水面上の空気を吸い込んでしまうことを抑制できる。この場合、吸引されるとしても、せいぜい仕切り部材32とタンクフィルタ31とで仕切られた上側の空間35内の空気だけに限られる。係る空気は仕切り部材32の先端部と前記中間位置または前記所定位置との間の僅かな隙間から吸引される。
【0026】
従って、相当程度タンク本体15a内の洗濯処理液が減少しても、供給装置17で空気を吸引してしまうことを抑制することができ、もって、洗濯機1の図示しない制御系が予定していた量の洗濯処理液を洗濯槽4内に供給することができる。
また、仕切り部材32の基端部となる、または、仕切り部材32の先端部が当接するのが開口23aの直上部であるため、仕切り部材32の位置を下げることができる。これによって、タンク本体15a内の空気を開口23aに吸い込まないようにする限界となる洗濯処理液の水位を下げ、多量の洗濯処理液がタンク本体15a内に残っているにもかかわらず空気を開口23aに吸い込んでしまう事態を防止できる。
【0027】
次に、前記した本実施例の変形例を複数例説明する。以下に説明する変形例において前記実施例と同様の部材等については、前記実施例と同様の符号を用い、詳細な図示、説明は省略する。図9は、前記実施例の第1の変形例に係る洗濯機のタンクフィルタ及び仕切り部材等を中心とした部分の拡大縦断面図である。本第1変形例が前記実施例と異なるのは、まず、前記タンクフィルタ31とは異なり、タンクフィルタ31Aのメッシュ31aAは、その上端縁31A1が開口23aの上端縁23a1と、洗濯処理液タンク15の洗濯機1への装着時に略同じ高さである点である。また、前記仕切り部材32とは異なり、仕切り部材32Aは、その板幅方向が洗濯処理液タンク15の洗濯機1への装着時に略水平であることも異なる。これによって、前記実施例よりも仕切り部材32Aのメッシュ31aA側の高さを下げることができる。
【0028】
これによって、タンク本体15a内の空気を開口23aに吸い込まないようにする限界となる洗濯処理液の水位を前記実施例よりも更に下げ、多量の洗濯処理液がタンク本体15a内に残っているにもかかわらず空気を開口23aに吸い込んでしまう事態を更に防止できる。
【0029】
図10は、前記実施例の第2変形例に係る洗濯機のタンクフィルタの上側から視た斜視図であり、図11は、同下側から視た斜視図であり、図12は、図11のC-C断面図であり、図13は、図10図12のタンクフィルタを装着した洗濯処理液タンク15の縦断面図である。
【0030】
本第2変形例が前記実施例と異なるのは、タンクフィルタ31Bは、厚さ方向の断面形状が屈曲していることである。本例では、図12に示すように、くの字形に屈曲しているが、この屈曲形状は様々に実施することができる。また、図10図11に示すように、タンクフィルタ31Bの両側部には、山形の側板41,41が設けられている。そして、図11に示すように、タンクフィルタ31Bの裏面42の最も凹形状をしている部分に一直線にリブ43が形成され、タンクフィルタ31Bの左右方向の中央部にもリブ43と直行するように一直線にリブ44が形成されている。そして、前記タンクフィルタ31とは異なり、タンクフィルタ31Bは、タンク本体15aにおける一方の長手方向の側板15aB1の内側の面と底板15a1の内底面との間に掛け渡されている。これによって、図示されていないが、開口23aの全体を覆っている。このとき、タンクフィルタ31Bの凸部45がタンク本体15a内の水槽側を向いており、タンクフィルタ31Bの裏面42が開口23a側を向いている。なお、図10以下には図示していないが、本第2変形例においても、仕切り部材32がタンクフィルタ31Bの中間高さと開口23aの上部との間に掛け渡されている。
【0031】
このように、タンクフィルタ31Bは、くの字形に屈曲していること、側板41,41、リブ43,44を備えていることによって、前記タンクフィルタ31よりも高い強度を備えている。
また、タンクフィルタ31Bにおける、くの字形に屈曲している凸部45がタンク本体15a内の水槽側を向いているため、タンク本体15a内の水槽側から押圧されても高い強度で変形を防止することができる。
【0032】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 洗濯機
15,16 洗濯処理液タンク
15a,16a タンク本体
17 供給装置(ピストンポンプ)
23 吐出部
23a 開口
31,31A,31B タンクフィルタ
31a メッシュ
32 仕切り部材
45 凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13