(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】収容対象の液体を用いた最終形状容器の成形方法および装置
(51)【国際特許分類】
B29C 49/46 20060101AFI20221222BHJP
B29C 49/12 20060101ALI20221222BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20221222BHJP
B29C 49/22 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B29C49/46
B29C49/12
B29C49/06
B29C49/22
(21)【出願番号】P 2021182237
(22)【出願日】2021-11-09
(62)【分割の表示】P 2020538790の分割
【原出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-11-09
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595155303
【氏名又は名称】ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ベック,クリストフ シモン ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ウィッツ,ジャン-クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ラッシェ,セバスチャン
【審査官】清水 研吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-210142(JP,A)
【文献】米国特許第04880593(US,A)
【文献】特開2000-000877(JP,A)
【文献】特開2014-188854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0031659(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/161878(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/223920(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/236524(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/46085(US,A1)
【文献】米国特許第5290506(US,A)
【文献】特開平2-36922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を使用してプリフォーム(50、300、300’)から最終形状容器(15)を同時に成形および充填する方法(500)であって、前記液体は、前記最終形状容器(15)内に収容される製品であり、前記方法(500)は、
内表面(242)を有するモールドキャビティ(240)内に前記プリフォーム(50、300、300’)を配置すること(510)と、
前記プリフォーム(50、300、300’)の開口にノズル(220)を密封可能に接続すること(520)と、
前記ノズル(220)を通って、前記プリフォーム(50、300、300’)の開口内へ延伸ロッド(210、210’、210”、410、410’、410”)を挿入すること(530)であって、少なくとも前記延伸ロッド(210、210’、210”、410、410’、410”)の下部(212、212’、412)は、前記プリフォーム(50、300、300’)の内部表面(302)と密封可能に接続してゲート部(36、336、336’)を少なくとも部分的に隔離する、挿入すること(530)と、
前記ノズル(220)を通って前記液体で前記プリフォーム(50、300、300’)の内部を充填すること(550)と、前記延伸ロッド(210、210’、210”、410、410’、410”)を前記ゲート部(36、336、336’)内へさらに先に延出させること(560)とによって、前記プリフォーム(50、300、300’)を前記モールドキャビティ(240)の内表面(242)に合致するように延伸させること(540)と、
を含
み、
前記延伸ロッド(410、410’、410”)は、延出したときに前記プリフォーム(50)のゲート部(36)を前記液体から少なくとも部分的に隔離するように構成された変形自在部材(420、420’、420”)を含み、
前記ノズル(220)を通って、前記液体で前記プリフォーム(50)の内部を充填するときに、前記液体は、前記変形自在部材(420、420’、420”)を前記延伸ロッド(410、410’、410”)から外側に延出させて一時的な密封を形成するように前記プリフォーム(50)の内部表面に接触させ、前記ゲート部(36)を前記液体から少なくとも部分的に隔離させること、
を含む方法(500)。
【請求項2】
前記変形自在部材(420、420’、420”)は、前記延伸ロッド(410)の下部(212、212’、412)の周りに配されたゴムカップ(420)である、請求項
1に記載の方法(500)。
【請求項3】
前記ゴムカップ(420)は、前記延伸ロッド(410)から半径方向に延出する、請求項
2に記載の方法(500)。
【請求項4】
前記変形自在部材(420、420’、420”)は、係合構成と係合解除構成との間で再位置決め可能であり、前記係合解除構成において、前記変形自在部材(420、420’、420”)は、前記プリフォーム(50)のネック開口を通過するように寸法決めされる、請求項
2に記載の方法(500)。
【請求項5】
前記変形自在部材(420、420’、420”)は、前記プリフォーム(50)の内部を充填する前記液体の圧力によって、前記係合構成に再位置決めされる、請求項
4に記載の方法(500)。
【請求項6】
前記変形自在部材(420、420’、420”)は、前記プリフォーム(50)の内部を充填する前記液体の圧力の減少によって、前記係合解除構成に再位置決めされる、請求項
4に記載の方法(500)。
【請求項7】
前記延伸ロッド(410’)は、前記プリフォーム(50)のゲート部(36)を前記液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離するために、制御可能に延出自在な密封部材(420’)を含み、
前記方法(500)は、
前記制御可能に延出自在な密封部材(420’)を前記延伸ロッド(410’)から外側に延出するように作動させて前記プリフォーム(50)の内部表面に接触させ、前記ゲート部(36)を少なくとも部分的に隔離するための一時的な密封を形成させることをさらに含む、
請求項1に記載の方法(500)。
【請求項8】
前記制御可能に延出自在な密封部材(420’)は、前記延伸ロッド(410’)に動作可能に接続された機械制御ユニットによって作動する、請求項
7に記載の方法(500)。
【請求項9】
前記延伸ロッド(210”)は、選択的に加熱可能な先端部(214)を含み、
前記方法(500)は、前記プリフォーム(300)を延伸させることの前に、少なくとも前記プリフォーム(300)のゲート部(336)を加熱するために、前記選択的に加熱可能な先端部(214)を起動させることをさらに含む、
請求項1に記載の方法(500)。
【請求項10】
前記プリフォーム(50、300、300’)を前記モールドキャビティ(240)の内表面(242)に合致するように延伸させることの前に、
前記プリフォーム(50、300、300’)を部分的な延伸構成にモールディングすることによって、前記プリフォーム(50、300、300’)の予備的な延伸を実行すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法(500)。
【請求項11】
前記変形自在部材(420、420’、420”)は、前記延伸ロッド(410”)の下部の周りに配されたゴム製空気袋(420”)である、請求項
1に記載の方法(500)。
【請求項12】
前記ゴム製空気袋(420”)は、係合構成と係合解除構成との間で再位置決め可能であり、
前記係合解除構成において、前記ゴム製空気袋(420”)は、前記プリフォーム(50)のネック開口を通過するように寸法決めされ、
前記ゴム製空気袋(420”)は、前記ゴム製空気袋(420”)を膨張させることにより、前記係合解除構成から前記係合構成に変換される、
請求項
11に記載の方法(500)。
【請求項13】
前記延伸ロッド(410”)は、前記プリフォーム(50)のゲート部(36)を前記液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離するために、制御可能に変形自在なゴム製空気袋(420”)を含み、
前記方法(500)は、
前記制御可能に変形自在なゴム製空気袋(420”)を膨張させて前記プリフォーム(50)の内部表面に接触するように前記延伸ロッド(410”)から外側に延出させて、前記ゲート部(36)を少なくとも部分的に隔離するための一時的な密封を形成させることをさらに含む、
請求項1に記載の方法(500)。
【請求項14】
液体を使用してプリフォーム(50、300、300’)から最終形状容器(15)を同時に成形および充填するための装置(200、400)であって、前記液体は、前記最終形状容器(15)内に収容される製品であり、前記装置(200、400)は、
前記プリフォーム(50、300、300’)から前記最終形状容器(15)を成形するためのモールドキャビティ(240)と、
少なくとも前記モールドキャビティ(240)の外部の後退位置と前記モールドキャビティ(240)の内部の前進位置との間で移動可能で、前記プリフォーム(50、300、300’)を延伸させるための延伸ロッド(210、210’、210”、410、410’、410”)と、
前記プリフォーム(50、300、300’)のゲート部(36、336、336’)を少なくとも部分的に隔離するために前記プリフォーム(50、300、300’)の内部表面(302)と密封可能に接続するように構成された前記延伸ロッド(210、210’、210”、410、410’、410”)の下部(212、212’、412)と、
前記プリフォーム(50、300、300’)の開口と密封可能に接続するためのノズル(220)であって、前記ノズル(220)は、
前記モールドキャビティ(240)に合致するように前記プリフォーム(50、300、300’)を拡張し、かつ前記モールドキャビティ(240)内に前記容器(15)を成形するために、前記液体の輸送用に前記プリフォーム(50、300、300’)の内部と流体連通するチャンネル(224)を含み、
前記チャンネル(224)は、そこを通って前記延伸ロッド(210、210’、210”、410、410’、410”)を受け入れるようにさらに構成される、
ノズル(220)と、
を備え
、
前記延伸ロッド(410)は、延出したときに前記プリフォーム(50)のゲート部(36)を前記液体から少なくとも部分的に隔離するように構成された変形自在部材(420)を備え、
前記液体は、前記変形自在部材(420)を前記延伸ロッド(410)から外側に延出させて一時的な密封を形成するように前記プリフォーム(50)の内部表面に接触させ、前記ノズル(220)を通って前記液体で前記プリフォーム(50)の内部を充填するときに前記液体から前記ゲート部(36)を少なくとも部分的に隔離させる、装置(200、400)。
【請求項15】
前記チャンネル(224)は、ブローモールディングによって前記プリフォーム(50、300、300’)の予備的な延伸を実行するための加圧空気源とさらに流体連通する、請求項
14に記載の装置(200、400)。
【請求項16】
前記変形自在部材(420)は、断熱材料から少なくとも部分的に作製される、請求項
14に記載の装置(400)。
【請求項17】
前記変形自在部材(420)は、少なくとも部分的に低い熱伝導率を有する材料から作製される、請求項
14に記載の装置(400)。
【請求項18】
低い熱伝導率を有する前記材料は、ポリマーおよびゴムのうち1つである、請求項
17に記載の装置(400)。
【請求項19】
前記延伸ロッド(410’)は、前記延伸ロッド(410’)の下部を前記プリフォーム(50)の内部表面と密封可能に接続するための制御可能に延出自在な密封部材(420’)であって、延出したときに前記プリフォーム(50)のゲート部(36)を前記液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離する、制御可能に延出自在な密封部材(420’)を備え、
前記装置(400)は、前記制御可能に延出自在な密封部材(420’)を延出させるためのアクチュエータ(425)をさらに備える、
請求項
14に記載の装置(400)。
【請求項20】
前記制御可能に延出自在な密封部材(420’)は、断熱材料から少なくとも部分的に作製される、請求項
19に記載の装置(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に容器をモールディングするための、より具体的には、液体、すなわち最終形状容器内に収容される製品である液体を使用してプリフォームを最終形状容器にモールディングするための方法、装置、システムおよびプリフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの典型的なモールディングプロセスにおいて、モールディングプロセスは、モールディングされる物品を画定する特徴部を備えたモールド部品を保持する2つまたは3つの相補的なモールド部分を近接または直接接触させるサイクルを含む。一般に、相補的な部品のうち一方は静止しており、他方は静止部品に対して可動である。モールディングプロセス中に、(生産されつつあるモールド品の一例として)プリフォームを生産することができる。プリフォームは、最終形状容器の前の形である。プリフォームは、延伸ブローモールディングプロセスによって再加熱され、最終形状容器に成形され得る。このような2段階のプロセス(最初にプリフォームを作製し、次にプリフォームを最終形状容器に再モールディングする)は、特に、プリフォームの生産と最終形状容器の充填が空間的および/または時間的に分離されている様々な状況において有用である。
【0003】
当技術分野では、プリフォームの生産が最初のエンティティ(通常は「コンバーター」として知られている)によって実行され、最終形状容器の成形および最終形状容器内への内容物の充填が、別のエンティティ(通常は「フィラー」として知られている)によって実施されるのが典型的である。
【0004】
当技術分野では、最終形状容器を成形するために液体、具体的には最終形状容器内に収容される液体製品を使用できることが、知られている。このプロセスは、一般に、プリフォームからの最終形状容器の「液体成形」または「成形充填」と呼ばれている。
【0005】
このようなプロセスの一例は、米国特許第9,259,887号(2016年2月16日にFevreらに付与された)に開示されている。容器(18)を成形する方法が開示されており、該方法は、容器(18)が加圧ブローガス(G)で充填される期間である部分拡張第1ステップ(E1)と、出口オリフィス(34)を通ってブローイングガス(G)を排出する充填液(L)で容器(18)が充填される期間である容器(18)充填の第2のステップ(E2)と、容器(18)をその最終状態(18D)に適合させるように容器(18)の内容物が圧力(HP)下に置かれる期間である第3ステップ(E3)と、を含み、充填第2ステップ(E2)の間では、この第2ステップ(E2)の間に容器(18)を拡張し続けることができるように流入充填液(L)の流量と放出ブローガス(G)の流量との比率が制御されることを特徴とする。
【発明の概要】
【0006】
本技術の開発者は、液体を使用して最終形状容器を成形すること、特に、延伸するプリフォームのゲート部が液体の拡張により急速に冷却されるのを防止することのための従来技術の取り組みに伴う少なくとも1つの技術的問題の認識に基づいて、その様々な実施形態を開発した。
【0007】
任意の具体的な理論に束縛されることを望まないが、本技術の実施形態は、液体を使用してブローモールディングを実行するときにプリフォームのゲート部が過度に急速に冷却する可能性があるという前提に基づいて開発された。この液体、一般的には最終形状容器(一例として飲料など)内に収容される液体製品は、一般に延伸をプリフォームのネック部から開始させ、徐々にプリフォームの底部に向かって「移動」させる。プリフォームのゲート部が液体延伸の使用により急速に冷却される場合では、最終容器の底部(ゲート部と、潜在的にプリフォームの本体部の下部を含む)は、最終形状容器に要求される形状に完全に成形されない(つまり、延伸キャビティのキャビティに完全に「篏合しない」)可能性があるか、または欠陥を伴って(例えば、いくつかの部分を過剰延伸することによって、あるいは結晶化欠陥を伴って)成形される可能性がある。
【0008】
したがって、最終形状容器内に収容される予定の液体を使用してプリフォームからモールディングするときに、最終形状容器の底部の形状不良を防止するのに役立つ解決策が必要である。
【0009】
そういうわけで、本技術の第1の大まかな態様によれば、液体を使用して最終形状容器を成形および充填する方法が提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。該方法は、射出モールディング機において射出モールディングすることによりプリフォームを成形することと、アーム先端ツールによって射出モールディング機からプリフォームを取り除くことと、プリフォームのベース部を延伸サイズに至るまでブローすることにより、段取りされたプリフォームを成形することであって、延伸サイズは、最終形状容器のベースのサイズよりも小さい、ことと、段取りされたプリフォームを、最終形状容器内に収容される液体を使用して同時に成形および充填するための成形機の成形用キャビティに再配置することであって、成形用キャビティは内表面を有する、ことと、段取りされたプリフォームの開口にノズルを密封可能に接続することと、ノズルを通って液体でプリフォームの内部を充填することにより、段取りされたプリフォームを成形用キャビティの内表面に合致するように延伸させることであって、段取りされたプリフォームに進入する液体の圧力により、段取りされたプリフォームが拡張される、ことと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、アーム先端ツールは、段取りされたプリフォームを成形するように適合した成形用キャビティを含み、アーム先端ツールにより射出モールディング機からプリフォームを取り除くことは、プリフォームを成形用キャビティ内に位置決めすることを含み、段取りされたプリフォームを成形することは、アーム先端ツールによって延伸サイズに至るまでベース部をブローすることを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、アーム先端ツールにより射出モールディング機からプリフォームを取り除くことは、プリフォームを段取りステーションの成形用キャビティ内に位置決めすることをさらに含み、段取りステーションは、成形機およびアーム先端ツールから離れており、段取りされたプリフォームを成形することは、段取りステーションによって延伸サイズに至るまでベース部をブローすることを含む。
【0012】
したがって、本技術の別の大まかな態様によれば、液体を使用してプリフォームから最終形状容器を同時に成形および充填する方法が提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。該方法は、内表面を有するモールドキャビティ内にプリフォームを配置することと、プリフォームの開口にノズルを密封可能に接続することと、ノズルを通ってプリフォームの開口内へ延伸ロッドを挿入することであって、延伸ロッドの少なくとも下部は、プリフォームの内部表面と密封可能に接続してゲート部を少なくとも部分的に隔離する、ことと、ノズルを通って液体でプリフォームの内部を充填することと、延伸ロッドをゲート部内へさらに先に延出させることとによって、プリフォームをモールドキャビティの内表面に合致するように延伸させることと、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、延伸ロッドは、延出したときにプリフォームのゲート部を液体から少なくとも部分的に隔離するように構成された変形自在部材を含み、ノズルを通って、液体でプリフォームの内部を充填するときに、液体は、変形自在部材を延伸ロッドから外側に延出させて一時的な密封を形成するようにプリフォームの内部表面に接触させ、ゲート部を液体から少なくとも部分的に隔離させる。
【0014】
いくつかの実施形態では、変形自在部材は、延伸ロッドの下部の周りに配されたゴムカップである。
【0015】
いくつかの実施形態では、ゴムカップは、延伸ロッドから半径方向に延出する。
【0016】
いくつかの実施形態では、変形自在部材は、係合構成と係合解除構成との間で再位置決め可能であり、係合解除構成において、変形自在部材は、プリフォームのネック開口を通過するように寸法決めされる。
【0017】
いくつかの実施形態では、変形自在部材は、プリフォームの内部を充填する液体の圧力によって、係合構成に再位置決めされる。
【0018】
いくつかの実施形態では、変形自在部材は、プリフォームの内部を充填する液体の圧力の減少によって、係合解除構成に再位置決めされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、延伸ロッドは、プリフォームのゲート部を液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離するために、制御可能に延出自在な密封部材を含み、該方法は、制御可能に延出自在な密封部材を延伸ロッドから外側に延出するように作動させてプリフォームの内部表面に接触させ、ゲート部を少なくとも部分的に隔離するための一時的な密封を形成させることをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、制御可能に延出自在な密封部材は、延伸ロッドに動作可能に接続された機械制御ユニットによって作動する。
【0021】
いくつかの実施形態では、延伸ロッドは、選択的に加熱可能な先端部を含み、該方法は、プリフォームを延伸させることの前に、少なくともプリフォームのゲート部を加熱するために、選択的に加熱可能な先端部を起動させることをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、該方法は、プリフォームをモールドキャビティの内表面に合致するように延伸させることの前に、プリフォームを部分的な延伸構成にモールディングすることによって、プリフォームの予備的な延伸を実行することをさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、変形自在部材は、延伸ロッドの下部の周りに配されたゴム製空気袋である。
【0024】
いくつかの実施形態では、ゴム製空気袋は、係合構成と係合解除構成との間で再位置決め可能であり、係合解除構成において、ゴム製空気袋は、プリフォームのネック開口を通過するように寸法決めされ、ゴム製空気袋は、ゴム製空気袋を膨張させることにより、係合解除構成から係合構成に変換される。
【0025】
いくつかの実施形態では、延伸ロッドは、プリフォームのゲート部を液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離するために、制御可能に変形自在なゴム製空気袋を含み、該方法は、制御可能に変形自在なゴム製空気袋を膨張させてプリフォームの内部表面に接触するように延伸ロッドから外側に延出させて、ゲート部を少なくとも部分的に隔離するための一時的な密封を形成させることをさらに含む。
【0026】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用してプリフォームから最終形状容器を同時に成形および充填する方法が提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。該方法は、内表面を有するモールドキャビティ内にプリフォームを配置することと、プリフォームの開口にノズルを密封可能に接続することと、ノズルを通ってプリフォームの開口内に延伸ロッドを挿入することであって、延伸ロッドは、選択的に加熱可能な先端部を含む、ことと、少なくともプリフォームのゲート部を加熱するために、選択的に加熱可能な先端部を加熱することと、ノズルを通って液体でプリフォームの内部を充填することと、延伸ロッドをゲート部内へ延出させることとによって、プリフォームをモールドキャビティの内表面に合致するように延伸させることと、を含む。
【0027】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用して最終形状容器を同時に成形および充填する方法が提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。該方法は、モールドコアとモールドキャビティ部との間に少なくとも部分的に画定されたモールドキャビティ内に、射出モールディングによって、プリフォームを成形することと、プリフォームをモールドキャビティ部から取り除くことであって、プリフォームは、モールドコア上に残っておる、ことと、モールドコアと、その上に配されたプリフォームとを、内表面を有する容器モールド内に配置することと、モールドコアにより画定されたチャンネルを通って液体でプリフォームの内部を充填することにより、プリフォームをモールドキャビティの内表面に合致するように延伸させることであって、モールドコアを通ってプリフォームに進入する液体の圧力により、プリフォームが拡張される、ことと、を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、配置することおよび延伸させることは、プリフォームが閾値温度に冷却される前に実行される。
【0029】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用してプリフォームから最終形状容器を同時に成形および充填するための装置が提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。該装置は、プリフォームから最終形状容器を成形するためのモールドキャビティと、少なくともモールドキャビティの外部の後退位置とモールドキャビティの内部の前進位置との間で移動可能で、プリフォームを延伸させるための延伸ロッドと、プリフォームのゲート部を少なくとも部分的に隔離するためにプリフォームの内部表面と密封可能に接続するように構成された延伸ロッドの下部と、プリフォームの開口と密封可能に接続するためのノズルであって、ノズルは、モールドキャビティに合致するようにプリフォームを拡張し、かつモールドキャビティ内に容器を成形するために、液体の輸送用にプリフォームの内部と流体連通するチャンネルを含み、チャンネルは、そこを通って延伸ロッドを受け入れるようにさらに構成される、ノズルと、を備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、チャンネルは、ブローモールディングによってプリフォームの予備的な延伸を実行するための加圧空気源とさらに流体連通する。
【0031】
いくつかの実施形態では、延伸ロッドは、延出したときにプリフォームのゲート部を液体から少なくとも部分的に隔離するように構成された変形自在部材を備え、液体は、変形自在部材を延伸ロッドから外側に延出させて一時的な密封を形成するようにプリフォームの内部表面に接触させ、ノズルを通って液体でプリフォームの内部を充填するときに液体からゲート部を少なくとも部分的に隔離させる。
【0032】
いくつかの実施形態では、変形自在部材は、断熱材料から少なくとも部分的に作製される。
【0033】
いくつかの実施形態では、変形自在部材は、少なくとも部分的に低い熱伝導率を有する材料から作製される。
【0034】
いくつかの実施形態では、低い熱伝導率を有する材料は、ポリマーおよびゴムのうち1つである。
【0035】
いくつかの実施形態では、延伸ロッドは、延伸ロッドの下部をプリフォームの内部表面と密封可能に接続するための制御可能に延出自在な密封部材であって、延出したときにプリフォームのゲート部を液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離する、制御可能に延出自在な密封部材を備え、該装置は、制御可能に延出自在な密封部材を延出させるためのアクチュエータをさらに備える。
【0036】
いくつかの実施形態では、制御可能に延出自在な密封部材は、断熱材料から少なくとも部分的に作製される。
【0037】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用してプリフォームから最終形状容器を同時に成形および充填するための装置が提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。該装置は、プリフォームから最終形状容器を成形するためのモールドキャビティと、少なくともモールドキャビティの外部の後退位置とモールドキャビティの内部の前進位置との間で移動可能で、プリフォームを延伸させるための延伸ロッドであって、選択的に加熱可能な先端部を含む、延伸ロッドと、プリフォームの開口と密封可能に接続するためのノズルであって、ノズルは、モールドキャビティに合致するようにプリフォームを拡張し、かつモールドキャビティ内に容器を成形するために、液体の輸送用にプリフォームの内部と流体連通するチャンネルを含み、チャンネルは、そこを通って延伸ロッドを受け入れるようにさらに構成される、ノズルと、を備える。
【0038】
いくつかの実施形態では、選択的に加熱可能な先端部は、少なくとも延伸ロッドの下部を加熱させるための内部抵抗器を備える。
【0039】
いくつかの実施形態では、延伸ロッドは、プリフォームの内部および加圧空気源と流体連通する少なくとも1つのチャンネルを画定し、延伸ロッドは、液体の輸送前にプリフォームの部分的ブローモールディング用に構成される。
【0040】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用する最終形状容器の後続の同時成形および充填に適したプリフォームが提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。プリフォームは、ネック部と、ゲート部と、ネック部とゲート部との間に延出する本体部と、を備え、ネック部、ゲート部、および本体部は、プリフォームの内側表面を画定し、内方に延出する内側表面の一部分は、その中に挿入された延伸ロッドと密封可能に接続するように適合して、最終形状容器の後続の同時成形および充填中に液体から少なくともゲート部を隔離する。
【0041】
いくつかの実施形態では、内側表面の一部分は、内側表面から内方に延出する突起であり、突起は、後続の同時成形および充填中にプリフォームに挿入された延伸ロッドで密封を生成するように構成され、突起は、ゲート部と本体部との間の境界の近くに配置される。
【0042】
いくつかの実施形態では、突起は、本体部とゲート部との間の境界、および境界からゲート部のゲートナブ部に向かって延出する内側表面の領域、のうち一方に沿って配置される。
【0043】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用してプリフォームから最終形状容器を同時に成形および充填するためのシステムが提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。該システムは、プリフォームであって、ネック部と、ゲート部と、ネック部とゲート部との間に延出する本体部と、を備え、ネック部、ゲート部、および本体部は、プリフォームの内側表面を画定する、プリフォームと、プリフォームを延伸させるための延伸ロッドであって、少なくともモールドキャビティの外部の後退位置とモールドキャビティの内部の前進位置との間で移動可能な、延伸ロッドと、を備え、内方に延出するプリフォームの内側表面の一部分は、その中に挿入された延伸ロッドと密封可能に接続するように適合して、最終形状容器の同時成形および充填中に液体から少なくともゲート部を隔離する。
【0044】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用する最終形状容器の後続の同時成形および充填に適したプリフォームが提供され、液体は、最終形状容器内に収容される製品である。プリフォームは、ネック部と、ゲート部と、ネック部とゲート部との間に延出する本体部と、を備え、少なくともゲート部は、第1のポリマー材料から成る内側外層および外側外層と、少なくとも内側外層と外側外層の一部分の間に配された第2のポリマー材料のコア層と、を含み、内側外層、外側外層、およびコア層のうち少なくとも1つは、ゲート部の熱冷却速度を遅くするように構成された断熱材料から成る。
【0045】
いくつかの実施形態では、ゲート部の各層は、ゲート部の熱冷却速度を遅くするように構成された断熱材料から成る。
【0046】
したがって、本技術のさらに別の大まかな態様によれば、液体を使用する最終形状容器の後続の同時成形および充填に適したプリフォーム、最終形状容器内に収容される製品である液体。プリフォームは、ネック部と、ゲート部と、ネック部とゲート部との間に延出する本体部と、を備え、少なくともゲート部は、第1のポリマー材料から成る内側外層および外側外層と、少なくとも内側外層と外側外層の一部分の間に配された第2のポリマー材料のコア層と、を含み、内側外層、外側外層、およびコア層のうち少なくとも1つは、ゲート部の熱加熱速度を増加させるように構成された熱吸収材料から成る。
【0047】
いくつかの実施形態では、添加剤は着色剤である。
【0048】
いくつかの実施形態では、添加剤は急速再加熱添加剤である。
本技術、ならびにその他の態様およびさらなる特徴をよりよく理解するために、添付の図面と併せて使用されるべき以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】従来技術で知られているような液体製品を使用して最終形状容器を成形するステップを概略的に示している。
【
図1B】従来技術で知られているような液体製品を使用して最終形状容器を成形するステップを概略的に示している。
【
図1C】従来技術で知られているような液体製品を使用して最終形状容器を成形するステップを概略的に示している。
【
図1D】従来技術で知られているような液体製品を使用して最終形状容器を成形するステップを概略的に示している。
【
図1E】従来技術で知られているような液体製品を使用して最終形状容器を成形するステップを概略的に示している。
【
図1F】従来技術で知られているような液体製品を使用して最終形状容器を成形するステップを概略的に示している。
【
図2】従来技術で知られているプリフォームの断面図である。
【
図3】本技術の非限定的な一実施形態によるプリフォームおよび成形機の側断面概略図を示す。
【
図4A】
図3のプリフォーム、および成形機の延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図4B】
図3のプリフォーム、および成形機の延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図5A】本技術の別の非限定的な実施形態によるプリフォームおよび延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図5B】本技術の別の非限定的な実施形態によるプリフォームおよび延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図6】
図3の延伸ロッドと共に使用するための本技術の別の非限定的な実施形態によるプリフォームの側断面概略図を示す。
【
図7A】本技術の別の非限定的な実施形態による、
図3の成形機のプリフォームおよび延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図7B】本技術の別の非限定的な実施形態による、
図3の成形機のプリフォームおよび延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図8】
図2のプリフォーム、および本技術の別の非限定的な実施形態による成形機の側断面概略図を示す。
【
図9A】
図8のプリフォーム、および成形機の延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図9B】
図8のプリフォーム、および成形機の延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図10】本技術の別の非限定的な実施形態による、
図2のプリフォームおよび延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図11】本技術の別の非限定的な実施形態による、
図2のプリフォームおよび延伸ロッドの側断面概略図を示す。
【
図12】
図2のプリフォーム、および本技術の別の非限定的な実施形態による成形機の側断面概略図を示す。
【
図13】本技術による方法の非限定的な実施形態の概略フローチャートである。
【
図14A】本技術の別の非限定的な実施形態によるプリフォームの側断面概略図である。
【
図14B】本技術のさらに別の非限定的な実施形態によるプリフォームの側断面概略図である。
【
図15】本技術のさらに別の非限定的な実施形態によるプリフォームの側断面概略図である。
【
図16】モールディング機で使用されるモールドスタックの一部分の断面図を示す(モールドスタックは、本技術のさらに別の非限定的な実施形態によって実装される)。
【
図17】モールディング機で使用されるモールドスタックの一部分の断面図を示す(モールドスタックは、本技術のさらに別の非限定的な実施形態によって実装される)。
【
図18】モールディング機で使用されるモールドスタックの一部分の断面図を示す(モールドスタックは、本技術のさらに別の非限定的な実施形態によって実装される)。
【
図19】本技術のさらに別の非限定的な実施形態による、最終形状容器を生成するプロセスを概略的に示す。
【
図20】
図19のプロセスを実装するために使用されるアーム先端ツールの非限定的な実施形態を示す。
【
図21】本技術による方法の別の非限定的な実施形態の概略フローチャートである。
【
図22】本技術の非限定的な実施形態を実装するように適合し得る射出モールディングシステムを概略的に示す。
【0050】
図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、仮想線、図表示、および部分図で例示されている場合がある。場合によっては、実施形態の理解に不要な詳細、または他の詳細を見え難くする詳細が、省かれている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0051】
ここで、プリフォーム、およびプリフォームを最終形状容器に再構成するための液体成形システムの様々な非限定的実施形態を詳細に参照する。本明細書に開示された非限定的な実装を考慮して、当業者には他の非限定的な実装、修正、および同等物が明白であることと、これらの変形は添付の特許請求の範囲内であると見なされるべきであることと、が理解されるべきである。さらに、当業者は、以下で論じられる非限定的な実装の特定の構造上および動作上の詳細が、完全に修正または省略され得る(すなわち、本質的でない)と認識するであろう。他の例では、よく知られている方法、手順、および構成要素が、詳細に説明されていない。
【0052】
プリフォームおよび液体成形システムならびにその構成要素は、本技術の例示的な実装としてのみ示されていることをさらに明確に理解されたい。したがって、以下に続くそれらについての説明は、本技術の単に例示的な例の説明に過ぎないことを意図している。この説明は、本技術の範囲を定義したり、本技術の境界を示したりすることを意図したものではない。いくつかの場合において、プリフォームおよび液体成形システムならびに/またはその構成要素への修正の有用な例であると確信されるものも以下に示され得る。これは単に理解を助けるために行われるものであり、繰り返すが、本技術の範囲を定義したり、本技術の境界を示したりするものではない。これらの修正は網羅的なリストではなく、当業者が理解するように、他の修正も可能性が高い。
【0053】
また、これが行われていない場合(つまり、修正の例が示されていない場合)、いかなる修正も可能ではなく、かつ/または説明されているものが本技術のその要素を実装する唯一の方式であると解釈されるべきではない。当業者が理解するように、これはおそらく当てはまらないであろう。加えて、プリフォームおよび液体成形システムならびに/またはその構成要素が、特定の例では本技術の簡単な実施形態を提供することができることと、そのようなことが当てはまるならば、それらは理解を助けるためにこのように提示されていることと、を理解されたい。当業者が理解するように、本技術の様々な実装は、より複雑化していると言える。さらに、異なる実装の具体的な詳細が個別の実施形態を参照して提示される場合、このような組み合わせが以下に本明細書に明示的に開示され得なくても、当業者には、1つの個別の実施形態の具体的な実装の詳細を別の個別の実施形態の具体的な実装の詳細と組み合わせることが期待される。
【0054】
モールディングシステム
図22を参照すると、本技術の実施形態を実装するように適合し得るモールディングシステム100の非限定的な実施形態が示されている。例示のみを目的として、モールディングシステム100は、例えばPETなどのモールディング材料を処理して、その後、最終形状容器にモールディングされるプリフォームを作製するための射出モールディングシステムを備えると想定される。しかしながら、代替的な非限定的実施形態では、モールディングシステム100は、圧縮モールディングシステム、圧縮射出モールディングシステム、転写モールディングシステム、金属モールディングシステムなどであるがこれらに限定されない他のタイプのモールディングシステムを含み得ることを理解されたい。
【0055】
本技術の実施形態は、任意のタイプのプリフォームを生産するための任意のマルチキャビテーションモールド(multi-cavitation mold)を組み込んだモールディングシステム100に適用可能であることをさらに理解されたい。
【0056】
図22の非限定的な実施形態では、モールディングシステム100は、固定プラテン102および可動プラテン104を備える。本技術のいくつかの実施形態では、モールディングシステム100は、第3の非可動プラテン(図示せず)を含み得る。代替的または追加的に、モールディングシステムは、タレットブロック、回転キューブ、ターニングテーブルなど(すべて図示されていないが当業者に知られている)を含み得る。
【0057】
モールディングシステム100は、モールディング材料の可塑化および射出のための射出ユニット106をさらに備える。射出ユニット106は、単段または2段の射出ユニットとして実装することができる。
【0058】
動作中、可動プラテン104は、ストロークシリンダ(図示せず)または任意の他の好適な手段によって、固定プラテン102に向かっておよびそこから離れるように移動する。型締力(閉鎖または型閉荷重とも呼ばれる)は、例えば、タイバー108、110(通常、4つのタイバー108、110がモールディングシステム100に存在する)およびタイバー型締め機構112、ならびに(典型的には)タイバー型締め機構112に通常関連する関連油圧システム(図示せず)を使用することにより、モールディングシステム100内で発生させることができる。型締め荷重は、例えば、カラムベース型締め機構、トグル型締め装置(図示せず)などを使用する代替手段を使用して発生し得ることが理解されよう。
【0059】
第1のモールド半体114は、固定プラテン102と関連付けることができ、第2のモールド半体116は、可動プラテン104と関連付けることができる。
図22の非限定的な実施形態では、第1のモールド半体114は、1つまたは複数のモールドキャビティ118を含む。当業者には理解されるように、1つまたは複数のモールドキャビティ118は、適切なモールドインサート(キャビティインサート、ゲートインサートなど)または任意の他の適切な手段を使用して成形することができる。したがって、第1のモールド半体114は、一般に「モールドキャビティ半体」と考えることができる。
【0060】
第2のモールド半体116は、1つまたは複数のモールドキャビティ118に相補的な1つまたは複数のモールドコア120を備える。当業者には理解されるように、1つまたは複数のモールドコア120は、適切なモールドインサートまたは任意の他の適切な手段を使用して成形することができる。したがって、第2のモールド半体116は、一般に「モールドコア半体」と考えることができる。
図22には図示されていないが、第1のモールド半体114は、射出ユニット106から1つまたは複数のモールドキャビティ118のそれぞれにモールディング材料を分配するために、一般にホットランナとして知られている溶融物分配ネットワークにさらに関連付けることができる。また、モールディングシステム100がプリフォームを生産するように構成されるこれらの実施形態では、第2のモールド半体116にネックリング(図示せず)を設けることができる。
【0061】
第1のモールド半体114は、適切な締結具(図示せず)などの任意の適切な手段によって固定プラテン102に結合し得る。第2のモールド半体116は、適切な締結具(図示せず)などの任意の適切な手段によって可動プラテン104に結合し得る。本技術の代替的な非限定的実施形態では、第1のモールド半体114および第2のモールド半体116の位置を逆にすることができ、こういうわけで、第1のモールド半体114を可動プラテン104に関連付けることができ、第2のモールド半体116は固定プラテン102と関連付けることができることを理解されたい。
【0062】
本技術の代替的な非限定的実施形態では、固定プラテン102は静止している必要はなく、モールディングシステム100の他の構成要素に対して移動可能であってもよい。
【0063】
図22は、いわゆる「型開位置」にある第1のモールド半体114および第2のモールド半体116を示し、その位置では可動プラテン104が一般に固定プラテン102から離れて位置決めされ、したがって、第1のモールド半体114が一般に第2のモールド半体116から離れて位置決めされている。例えば、型開位置では、モールド品(図示せず)を第1のモールド半体114および/または第2のモールド半体116から取り除くことができる。いわゆる「型閉位置」(図示せず)では、第1のモールド半体114および第2のモールド半体116は(可動プラテン104が固定プラテン102に向かって移動することにより)一緒に付勢され、協働して(少なくとも部分的に)モールディング用キャビティ(図示せず)を画定し、当業者に知られているように、その中に溶融プラスチック(または他の適切なモールディング材料)を注入することができる。
【0064】
第1のモールド半体114および第2のモールド半体116のうち1つは、例えば、1つまたは複数のリーダピン(図示せず)および1つまたは複数のリーダブッシング(leader bushing)(図示せず)などの多くの追加のモールド要素に関連付けることができ、当業者に知られているように、1つまたは複数のリーダピンが1つまたは複数のリーダブッシングと協働して、第1のモールド半体114を第2のモールド半体116と型閉位置で整列させるのを助けることを理解されたい。
【0065】
モールディングシステム100は、固定プラテン102に動作可能に結合したロボット122(「アーム先端ツール」とも呼ばれる)をさらに備えることができる。当業者は、ロボット122をどのように固定プラテン102に動作可能に結合し得るかを容易に理解するであろう。そういうわけで、ここではそれについて詳細に説明しない。ロボット122は、取り付け構造124と、取り付け構造124に結合した作動アーム126と、作動アーム126に結合した取出しプレート128とを備える。取出しプレート128は、複数のモールド品収容器130を備える。
【0066】
一般的に言えば、複数のモールド品収容器130の目的は、1つまたは複数のモールドコア120(または1つまたは複数のモールドキャビティ118)からモールド品を取り除くこと、および/またはモールド品のモールド後冷却を実装することにある。本明細書に例示される非限定的な例では、複数のモールド品収容器130は、複数のモールディングされたプリフォームを受け入れるための複数の冷却管を含む。しかしながら、複数のモールド品収容器130が他の構成を有してもよいことを明確に理解すべきである。複数のモールド品収容器130の正確な数は、特別に限定されない。
【0067】
図22に概略的に示されているのは、サイドエントリータイプのロボット122である。しかしながら、本技術の代替的な非限定的実施形態では、ロボット122は、トップエントリータイプであり得ることが理解されるべきである。「ロボット」という用語は、単一の操作を実行する構造だけでなく、複数の操作を実行する構造をも包含することを意図していると明確に理解されるべきである。
【0068】
モールディングシステム100は、可動プラテン104に動作可能に結合したモールド後処理デバイス132をさらに備える。当業者は、モールド後処理デバイス132がどのように可動プラテン104に動作可能に結合し得るかを容易に理解するであろう。そういうわけで、ここではそれについて詳細に説明しない。モールド後処理デバイス132は、モールド後処理デバイス132を可動プラテン104に結合させるために使用される取り付け構造134を備える。モールド後処理デバイス132は、取り付け構造134に結合したプレナム129をさらに備える。プレナム129には、複数の処理ピン133が結合している。複数の処理ピン133内の処理ピンの数は、一般に、複数のモールド品収容器130内の収容器の数に対応する。
【0069】
モールディングシステム100は、コントローラ140をさらに備え、コントローラは、ヒューマンマシンインターフェース(番号は別々に付与せず)すなわち略してHMIを含む。一般的に言えば、コントローラ140は、モールディングシステム100の1つまたは複数の動作を制御するように構成される。コントローラ140のHMIは、任意の適切なインターフェースで実装することができる。一例として、コントローラ140のHMIは、多機能タッチスクリーンに実装することができる。本技術の非限定的な実施形態を実装するために使用することができるHMIの例は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、共有の米国特許第6,684,264号に開示されている。
【0070】
当業者は、コントローラ140が、事前にプログラムされたハードウェアまたはファームウェア要素(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)など)、またはその他の関連構成要素を使用して実装され得ることを理解するであろう。他の実施形態では、コントローラ140の機能性は、コンピューティング装置の動作のためのコンピュータ可読プログラムコードを格納するコードメモリ(図示せず)にアクセスするプロセッサを使用して達成することができ、その場合、コンピュータ可読プログラムコードは、様々なネットワークエンティティ(例えば、リムーバブルディスケット、CD-ROM、ROM、固定ディスク、USBドライブ)によって直接固定され、有形で読み取り可能な媒体に保存することができるか、またはコンピュータ可読プログラムコードをリモートで保存することができるが、非無線媒体(例えば、交通信回線またはアナログ通信回線)または無線媒体(例えば、マイクロ波、赤外線または他の伝送方式)またはそれらの組み合わせのいずれであってもよい、伝送媒体上でネットワーク(インターネットを含むがこれに限定されない)に接続されたモデムまたは他のインターフェースデバイス(例えば、通信アダプタ)を介してコントローラ140に送信可能である。
【0071】
本技術の代替的な非限定的実施形態では、HMIは、コントローラ140に物理的に取り付けられる必要はない。実際、コントローラ140のためのHMIは、別個のデバイスとして実装することができる。いくつかの実施形態では、HMIは、「ペアリング」されるか、そうでなければコントローラ140に通信可能に結合する無線通信デバイス(例えば、スマートフォンなど)として実装することができる。
【0072】
液体成形プロセスの概要
本技術は、最終形状容器内に収容される予定の液体を使用してプリフォームから最終形状容器を成形するための方法、装置、およびシステムに対する様々な改良を含む。本技術の非限定的な実施形態を実装することによって達成できる様々な改善をよりよく理解するために、最終形状容器の液体成形の一般的なプロセスを、
図1Aおよび
図1Bを参照して説明する。
【0073】
該プロセスは、モールディングシステム100によって生産されたものなどのプリフォーム50から始まる。プリフォーム50の様々な実装は、以下でより詳細に説明される。第1のステップは、ブローモールディングの場合のように、プリフォーム50が変形すると思われる温度までプリフォーム50をもっていくために、ヒータ21内でプリフォーム50を加熱することを含む。次に、加熱されたプリフォーム50は、モールド26(「成形用モールド」と考えることもできる)に配置され、その内部表面は、モールディングされる最終形状容器の所望の最終形状に対応する。モールド26は、開閉されるように構成された3つの部分23(2つのモールド半体とベース部)からなる分割モールドとして実装される(以下でより詳細に説明する)。
【0074】
ノズル30は、プリフォーム50に挿入され、ノズル30の一部分は、プリフォーム50の開口と密封可能に接続される。大まかに言えば、モールド26に合致するようにプリフォーム50を拡張し、かつモールド26内に容器を成形するために、ノズル30は、液体の輸送用にプリフォーム50の内部と流体連通するチャンネル(図示せず)を含む。液体は、結合部32を介して液体リザーバ(番号は別々に付与せず)から供給される。
【0075】
いくつかのプロセスでは、チャンネルは、それを通って延伸ロッド40を受け入れるように構成される。言い換えると、ノズル30は、プリフォーム50をモールド26の成形用キャビティの内表面に合致するように延伸させるように構成される、
・ ノズル30を通ってプリフォームの内部を液体で充填して、プリフォーム50に進入する液体の圧力がプリフォーム50を拡張させることにより、そして
・ さらに、本技術のいくつかの実施形態では、この延伸させることは、延伸ロッド40によって支援される。
【0076】
いったんプリフォーム50が最終形状容器15(
図1Bを参照)内に延伸すると、これはまた、最終形状容器15内に収容される液体で効果的に充填される。このように、このプロセスは、例えば、最終形状容器15を成形することと、最終形状容器15を充填することと、は、同時にではなく順次に行われるブローモールディングと比較してより少ないステップを含む。この時点で、モールド26の3つのモールド部分23は、最終形状容器15をそこから取り除くことができるように型開き構成に分離される。
【0077】
最終形状容器15はまた、閉鎖部17でふさがれ、閉鎖部は、最終形状容器15内に収容される液体に基づいて構造化および構成される。既知のように、非炭酸飲料に使用される閉鎖部17は、炭酸飲料または熱間充填飲料(hot fill beverage)(例えば、飲用ヨーグルトなど)に使用される閉鎖部とは異なって実装される。
【0078】
本技術の非限定的な実施形態を実装するために、液体成形に使用される液体は、最終形状容器内に収容される製品である。一部の非限定的な実施形態では、製品は飲料(例えば、非発泡性水性飲料(still water beverage)、ジュースなど)である。他の実施形態では、製品は飲用可能なヨーグルトであり得る。本技術の他の非限定的な実施形態では、製品は、人間が消費するためのものではなく、例えば、液体接着剤、ペンキ、シャンプーなどであり得る。
【0079】
プリフォームの説明
図2を参照すると、一例として、モールディングシステム100によって生産された従来のプリフォーム50が示されている。従来技術のプリフォーム50について本明細書で説明して後続の液体モールディングに適したモールド品の一般的な構造を提供し、本技術に係るモールド品の詳細について以下で詳しく説明する。モールディングシステム100を任意のタイプのモールディング機として実装することができると想起されるべきであり、したがって、プリフォーム50を任意のタイプのモールディングシステム100(例えば、射出モールディング機、射出圧縮モールディング機、転写モールディングなど)として生産することができると考えられるべきである。
【0080】
プリフォーム50は、ネック部32、ゲート部36、およびネック部32とゲート部36との間に延出する本体部34からなる。ゲート部36は、痕跡部(vestige portion)38で終端する実質的に球状の形状を伴う。当然のことながら、ゲート部36は、別の形状因子(実質的に円錐形、切頭円錐形など)で実施され得る。プリフォーム50の本体部34は、単層または多層構造であり得る。
図2の例示では、プリフォーム50は、多層構成、すなわち3層構成で示されている。プリフォーム50の3層構成は、プリフォームの1つの例示的な実装として提示されている。本技術の様々な態様は、プリフォーム50の多層構成に適用可能であり得る一方、他の態様は、2層または1層の材料から構築されたプリフォームのほうが適用可能であり得る。
【0081】
外側部において、本体部34は、外側外部スキン層20および内側外部スキン層25を有する。スキン層20、25は、様々な材料で作製することができる。例えば、飲料容器を作製するための多層プリフォーム50では、スキン層20、25は、食品と接触して使用するための、FDAによって承認されているバージンポリエチレンテレフタレート(PET)で作製されている。当業者には理解されるように、スキン層20、25は、任意の適切なポリマー樹脂および熱可塑性プラスチックを含む、様々な他の材料で作製できると考えられる。
【0082】
スキン層20、25は、コア層39を取り囲む。コア層39は、一般に、スキン層20、25とは異なる材料、または同じ材料の異なる状態で作製される。プリフォーム50の最上端では、コア層39は、前縁42で始まる。プリフォーム50のゲート部では、コア層39が後縁44で終端する。プリフォーム50のいくつかの代替的な実装では、コア層39は、ゲート部36を通って延出して、閉じたドーム構造を形成し得ると考えられる。
【0083】
以下で部分的に説明するように、コア層39は、プリフォーム50に異なる特性を付与するために使用される。コア層39は、いくつかの実施形態では、プリフォーム50からブローされた最終的なブローモールディング容器内のバリア層として機能することができる。そのような場合、バリア層は、例えば、ブローモールディング容器の内部への酸素または光の透過を防止するのに役立ち得る。コア層39はまた、当業者に理解されるように、適切な各種の熱可塑性プラスチックおよびポリマー樹脂のうち任意の1つから作製され得る。コア層39はまた、プリフォーム50の異なる特性に影響を与えるための様々な添加剤、着色剤、または特性調節剤を含有することができると考えられる。
【0084】
プリフォームおよび延伸ロッド(密封の形成)の説明
図3~
図4Bを参照して、いくつかの非限定的な実施形態によって最終形状容器を同時に成形および充填するための装置200、方法500、およびプロセスをここで説明する。装置200は、本明細書において以下「成形装置」、「成形機」または「成形システム」と呼ぶこともできる。
【0085】
図3は、内表面242を有するモールドキャビティ240を示す。モールドキャビティ240は、「容器キャビティ」とも呼ばれ、最終形状容器15の所望の形状に造形される。モールドキャビティ240は、2つの相補的な半体(番号は別々に付与せず)で作製されているという意味で分割モールドとして実装される。この2つの相補的な半体は互いに合わさって(
図3の閉構成へ)および離れて(開構成へ、図示せず)作動可能である。
【0086】
モールドキャビティ240内に位置決めされているのはプリフォーム300であり、プリフォーム300は内表面302(内部スキン302と呼ばれることもある)を有する。プリフォーム300は、プリフォームが最終形状容器15に造形される前の、モールディング直前状態で示されている。
【0087】
本技術の非限定的な実施形態を実装するように構成されたノズル組立体220も示されている。ノズル組立体220は、プリフォーム300の上部密封面(TSS)(番号は別々に付与せず)で密封するためのTSS密封部材222を備える。ノズル組立体220は、そこから液体を受け入れるための液体リザーバ250に流体的に結合したチャンネル224を画定する。使用中の位置では、チャンネル224はまた、ノズル組立体220が位置決めされるプリフォーム300の内部と流体連連通している。チャンネル224は、それを通って延伸ロッド210を受け入れるように構成される。
【0088】
図示の実施形態内では、プリフォーム幾何形状の一部分と延伸ロッド210が協働するように構成されて、プリフォーム300のゲート部を、液体成形に使用される液体と接触しないように少なくとも部分的に隔離する。
図4Aを特に参照すると、プリフォーム300は下部336を含む。下部336は、一般に、モールディングシステム100のゲートインサートによって画定されるプリフォームの一部分に対応する(この場合、下部336はプリフォーム300のゲート部に対応できるが、そうしなくてもよい)。そのために、下部336は、ゲートナブ(番号は別々に付与せず)を始点とし、ゲート部と本体部との間の推移点を終点とする。
【0089】
例示の実施形態では、下部336は、プリフォーム300の本体部の内径と比較して、より小さい内径を伴う。
【0090】
下部336の内径は、延伸ロッド210の下部212と協働するように構成されて、最終形状容器へのプリフォーム300の液体成形プロセスの特定の期間中に、リフォーム300の下部336を液体と接触しないように密封する。本技術のいくつかの実施形態では、下部336の内径と、延伸ロッド210の下部212は、サイズオンサイズの関係で寸法決めされる(
図4Bで最もよくわかる)。
【0091】
プリフォーム内側スキンと延伸ロッド210との間の上記の密封は、水密である必要がない(すなわち、いくらかの漏れが発生する可能性がある)ことに留意されたい。密封は、とりわけ、下部336の加圧/冷却を遅らせるように構成される。したがって、密封は、下流部分を時期尚早の加圧および/または冷却から隔離する「遮断物」と考えることができる。
【0092】
本技術のいくつかの実施形態では、延伸ロッド210は、密封を支援するために追加の密封部材(Oリングなど)を備えることができる。
【0093】
密封/遮断の正確な配置は、特に限定されないことに留意されたい。図示の実施形態では、それはプリフォーム300のゲート部と本体部間との推移部(とともに下部336の全体に沿って)に配置されるが、これは本技術のすべての代替的な実施形態ではそうである必要はない。密封の場所は、ベース/本体の厚みのある領域への推移によって画定されてもよく、液体成形用のプリフォーム300の残りの部分と比較して、追加の材料は、最終形状容器のベースが適切に成形されることを確実にする(すなわち、完全に成形されるように厚さが薄すぎたり、または冷却が速すぎることがない)。
【0094】
本技術のいくつかの非限定的な実施形態によれば、最終形状容器を同時に成形および充填するプロセスは、以下のように実装され得る。
図13を参照すると、本技術のいくつかの非限定的な実施形態に従って実装される方法500のフローチャートが示されている。該方法500は、コントローラ140の制御下で実装することができる。
【0095】
ステップ510
内表面242を有するモールドキャビティ240内にプリフォーム300を配置すること。
【0096】
ステップ520
ノズル組立体220をプリフォーム300の開口に密封可能に接続すること。
【0097】
ステップ530
ノズル組立体220を通ってプリフォーム300の開口に延伸ロッド210を挿入することであって、下部336を少なくとも部分的に隔離するために少なくとも延伸ロッド210の下部212は、プリフォーム300の内表面302と密封可能に接続する、こと。
【0098】
ステップ540
以下によって、モールドキャビティ240の内表面242に合致するようにプリフォーム300を延伸させること、
・ サブステップ550において、ノズル組立体220を通って液体でプリフォーム300の内部を充填することと、
・ サブステップ560において、延伸ロッド210を下部336内へさらに先に延出させること。
【0099】
本技術のいくつかの実施形態では、サブステップ550は、サブステップ560と少なくとも部分的に重複する。本技術のいくつかの実施形態では、サブステップ560は、ステップ550が始まった後の所定の時点で始まる。
【0100】
図5Aおよび
図5Bを参照して、延伸ロッド210’の別の実施形態が説明される。これらの代替的な実施形態によれば、延伸ロッド210’は、その下部212’の最下端でスカラップ幾何形状を含む。
図5Bにより適切に示されるように、延伸ロッド210’のスカラップ幾何形状は、プリフォーム330の下部336の内半径と協働して、プリフォーム330のゲート部を液体から隔離するための密封を提供する。
【0101】
したがって、
図4Aおよび
図4Bならびに
図5Aおよび
図5Bの実施形態を考慮することにより、プリフォーム330の下部336および延伸ロッド210、210’のうち少なくとも1つの幾何形状が、液体からのプリフォーム330のゲート部を隔離するように構成されると言える。
図4A~
図5Bの例示された幾何形状は、非限定的な例として単に提示されたものであり、本技術の範囲内にある可能な幾何形状を限定することを意図していない。延伸ロッド210およびプリフォーム300の様々な形状が考えられる。例示のように、内側表面302の一部分は内方に延出し、延伸ロッド210、210’と密封可能に接続するように構成される。
【0102】
図6に例示される本技術のさらに別の非限定的な実施形態によれば、プリフォーム300の代わりにプリフォーム300’を使用することができる。
【0103】
プリフォーム300’は、延伸ロッド210との密封を形成するために下部336’に画定された突起339を含む。突起339は、内表面302から内方に延出し、突起は、同時成形および充填中にプリフォーム300に挿入された延伸ロッド210と密封を生成するように構成される。例示の突起339は、突起339が取り得る形態の単なる一例に過ぎない。突起339は、より大きいか、より小さいか、または異なる形状であり得ることが考えられる。突起339の形状の具体的な実装は、とりわけ、プリフォーム300’のサイズ、液体成形に使用される液体の圧力、最終形状容器のサイズなどに依存する。
【0104】
本技術の例示の実施形態によれば、突起339は、プリフォーム300のゲート部と本体部との間の境界の近くに配置される。しかしながら、本技術の代替的な非限定的実施形態では、延伸ロッド210は本体部とゲート部との間の境界、および境界から下部336’のゲートナブ部に向かって延出する内表面302の領域のうち1つと整列するように配置されている、突起339と同様の突起を含む場合もある。
【0105】
加熱可能な先端部を備えた延伸ロッドの説明
図7Aおよび
図7Bを参照して、延伸ロッド210”の別の実施形態が説明される。延伸ロッド210”は、延伸ロッド210の代わりに使用することができるが、装置200の残りの部分は不変のままであり、ここでは再度の説明はしない。
【0106】
延伸ロッド210”は、上述のプリフォーム300と併せて使用することができる。延伸ロッド210”は、先端部212”に配されたヒータ214を含む。先端部212”は、内表面302と密封係合する(例えば、
図7Bを参照)。ヒータ214(延伸ロッド210”の選択的に加熱可能な先端部を画定する)は、少なくとも延伸ロッド210”の下部を加熱させるための内部抵抗器を備える。プリフォーム300の下部336を加熱することにより、延伸ロッド210”は、下部336が時期尚早に加圧および/または冷却するのを防止するのに助けとなり得る。
【0107】
また、延伸ロッド210”は、従来のプリフォーム50と共に使用することができ、延伸ロッド210”は、プリフォーム50との密封を生成するための追加の構造を含む場合もあることが考えられる。
【0108】
本技術のいくつかの非限定的な実施形態では、延伸ロッド210、210”は、プリフォームの内部および加圧空気源と流体連通する少なくとも1つのチャンネルを画定することができ、延伸ロッド210、210”は、液体の輸送前にプリフォームの部分的ブローモールディング用に構成される。
【0109】
変形自在部材を備えた延伸ロッドおよびその使用方法の説明
図8~
図9Bを参照して、液体製品を使用してプリフォーム50から最終形状容器15を同時に成形および充填するための装置400の別の非限定的な実施形態をここで説明する。プリフォーム300が、装置400と同様に使用され得ることが考えられる。他のプリフォーム構成も使用できることに留意されたい。
【0110】
例示された実施形態では、変形自在部材420を含む延伸ロッド410がある。大まかに言えば、変形自在部材420は、最終形状容器15内へのプリフォーム50の液体成形の適切な期間中にプリフォーム50のゲート部を液体から少なくとも部分的に隔離するように構成される。大まかに言えば、変形自在部材420は、断熱材料から少なくとも部分的に作製することができる。換言すれば、変形自在部材420は、少なくとも部分的に低い熱伝導率を有する材料から作製することができる。一例として、変形自在部材420は、ポリマーまたはゴムからであり得る。
【0111】
図示の例示では、変形自在部材は、延伸ロッド410の下部412の周りに配されたゴムカップ420として実装される。ゴムカップ420は、延伸ロッド410の下部412から半径方向に延出する。
【0112】
ゴムカップ420は、
図8および
図9Aでは収縮(または係合解除)構成、ならびに
図9Bでは延出(または係合)構成で示されている。係合解除構成では、変形自在部材は、プリフォーム50のネック開口を通過する(プリフォーム50の外部から、プリフォーム50のネック部の開口を通って、プリフォーム50の本体に入る)ように寸法決めされている。係合構成では、ゴムカップ420は、プリフォーム50の内側表面と係合して最終形状容器15内へのプリフォーム50の液体成形の適切な期間中にプリフォーム50のゲート部36を液体から少なくとも部分的に隔離するように構成される。
【0113】
本技術のいくつかの非限定的な実施形態では、
図9Aの収縮(または係合解除)構成と
図9Bの延出(または係合)構成との間のゴムカップ420の作動は、以下のように実装できる。
【0114】
ノズル組立体220を通って、液体でプリフォーム50の内部を充填するときに、液体は、変形自在部材420を延伸ロッド410から外側に延出させて一時的な密封を形成するようにプリフォーム50の内部表面に接触させ、ゲート部36を液体から少なくとも部分的に隔離させる。
【0115】
ゴムカップ420は、プリフォーム50の内部を充填する液体の圧力によって、係合解除構成と係合構成との間で再位置決め可能である。係合構成から係合解除構成へのゴムカップ420の復帰は、プリフォームの内部を充填する液体の圧力の減少に応じて実施される。
【0116】
本技術の代替的な非限定的実施形態では、変形自在部材420は、一例として、収縮可能な傘の形状など、任意の他の形状で実装できることに留意されたい。変形自在部材420は、エラストマ材料などの任意の適切な材料で作製することができる。変形自在部材420用の材料を選択するときの1つの材料の考慮事項は、柔軟性および耐圧性である。代替的に、変形自在部材420は、収縮構成から延出構成に「飛び出す」金属部品で作製され得るか、またはそれを含み得る。
【0117】
代替の実装-制御可能に延出自在な密封部材
図10および
図11を参照して、液体製品を使用してプリフォーム50から最終形状容器15を同時に成形および充填するための装置400’をここで説明する。再び、プリフォーム300ならびに他のプリフォーム構成が、装置400’と同様に使用され得ることが考えられる。
【0118】
装置400’は、延伸ロッド410’を備える。延伸ロッド410’は、その下部の周りに配された制御可能に延出自在な密封部材420’を備える。制御可能に延出自在な密封部材420’は、密封部材420を実装するための別の実施形態である。したがって、制御可能に延出自在な密封部材420’および延伸ロッド410’の動作は、延伸ロッド410の動作と実質的に同様であるが、具体的な違いについて以下に説明する。制御可能に延出自在な密封部材420’は、係合解除構成と係合構成との間の制御された再構成のためにコントローラによって制御されるという意味で、「能動的に制御可能な」制御可能に延出自在な密封部材420’と考えることができる。
【0119】
制御可能に延出自在な密封部材420’は、プリフォームのゲート部を液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離するように構成される。そのために、制御可能に延出自在な密封部材420’は、
図10の収縮構成から
図11の係合構成に作動するように構成され、この場合制御可能に延出自在な密封部材420’は、プリフォーム50の内部表面に接触して、ゲート部36を少なくとも部分的に隔離するために一時的な密封を形成する。大まかに言えば、変形自在部材420と同様に、制御可能に延出自在な密封部材420’は、断熱材料から少なくとも部分的に作製することができる。もちろん、他の材料を使用して、制御可能に延出自在な密封部材420’を実装することもできる。
【0120】
本技術の実施形態では、制御可能に延出自在な密封部材420’は、電気的結合部425を介して延伸ロッド410’に動作可能に接続されたコントローラ140によって作動する。いくつかの実施形態では、制御可能に延出自在な密封部材420’がロッドインロッド機械式制御システムによって作動可能であることが考えられる。
【0121】
代替の実装-制御可能に膨張する密封部材
図12を参照して、液体製品を使用してプリフォーム50から最終形状容器15を同時に成形および充填するための装置400”をここで説明する。再び、プリフォーム300ならびに他のプリフォーム構成が、装置400”と同様に使用され得ることが考えられる。
【0122】
装置400”は、延伸ロッド410”を備える。延伸ロッド410”は、その下部の周りに配された制御可能に変形自在な密封部材420”を備える。制御可能に変形自在な密封部材420”は、密封部材420を実装するための別の実施形態である。したがって、制御可能に変形自在な密封部材420”および延伸ロッド410”の動作は、延伸ロッド410の動作と実質的に同様であるが、具体的な違いについて以下に説明する。制御可能に変形自在な密封部材420”は、係合解除構成と係合構成との間の制御された再構成のためにコントローラによって制御されるという意味で、能動的に制御可能な制御可能変形自在な密封部材420”と考えることができる。
【0123】
制御可能に変形自在な密封部材420”は、プリフォームのゲート部を液体から選択的かつ少なくとも部分的に隔離するように構成される。制御可能に変形自在な密封部材420”は、具体的には、例示の実施形態では、延伸ロッド410”の周りに配されたゴム製空気袋420”である。他の実施形態では、ゴム製空気袋420”は、異なる材料から作製されるかまたはそれを含むことができる。
【0124】
そのために、制御可能に変形自在な密封部材420”は、収縮構成(図示せず)から
図12の係合構成に作動するように構成され、この場合制御可能に変形自在な密封部材420”は、プリフォーム50の内部表面に接触してゲート部36を少なくとも部分的に隔離するために一時的な密封を形成する。密封部材420”は、延伸ロッド410”内のチャンネル(図示せず)を通って密封部材420”に注入された空気によって密封部材420”を膨張させることによって、係合解除(収縮)構成から係合構成に作動する。
【0125】
大まかに言えば、変形自在部材420と同様に、制御可能に変形自在な密封部材420”は、断熱材料から少なくとも部分的に作製することができる。もちろん、他の材料を使用して、制御可能に変形自在な密封部材420”を実装することもできる。
【0126】
ベース部加熱層
図14Aおよび
図14Bを参照すると、最終形状容器15内に収容される液体製品を使用して最終形状容器15を成形および充填するシステムで使用するためのプリフォーム600およびプリフォーム600’の追加の実施形態が示されている。
図14Aに例示される実施形態では、コア層640はプリフォーム600のゲート部636にのみ画定される。しかしながら、コア層640は、プリフォーム600の断面の多少の範囲にわたって延出し得ると考えられる。例えば、コア層640は、プリフォーム600の本体部の少なくとも一部分を通って、および/またはプリフォーム600のネック部の少なくとも一部分を通って、延出し得ると考えられる。プリフォーム600は、例示の実施形態に示されているコア層640に加えて、プリフォーム50のコア層39などの追加のコア層を含むことが可能であるとも考えられる。
【0127】
コア層640は、ゲート部636の熱冷却速度を遅くするように構成された断熱材料を含む。このようにして、ゲート部636は、モールディングプロセス中に必ずしも液体から隔離される必要はない(しかし、隔離され得る)が、代わりにゲート部636自体の材料特性は、プリフォーム600の冷却を遅くする。
【0128】
コア層640に例示されているが、断熱材料は、プリフォーム50などの多層プリフォームの内側層または外側層に配することも可能であろうと考えられる。
【0129】
図14Bに例示されているように、プリフォーム600’の別の実施形態は、ゲート部636’の熱冷却速度を遅くするように構成された断熱材料で完全に構成されるゲート部636’を含む。このようにして、ゲート部636’は、モールディングプロセス中に必ずしも液体から隔離される必要はないが、代わりにゲート部636’自体の材料特性は、プリフォーム600’の冷却を遅くする。
【0130】
ベース部吸熱層
図15を参照すると、最終形状容器15内に収容される液体製品を使用して最終形状容器15を成形および充填するシステムで使用するためのプリフォーム650のさらに別の実施形態が示されている。
【0131】
例示の実施形態では、コア層690は、スキン材料680の層間で、プリフォーム650のゲート部686に含まれる。しかしながら、コア層690は、プリフォーム650の断面の多少の範囲にわたって延出し得ると考えられる。例えば、コア層690は、プリフォーム650の本体部の少なくとも一部分を通って、および/またはプリフォーム650のネック部の少なくとも一部分を通って、延出し得ると考えられる。プリフォーム650は、例示の実施形態に示されているコア層690に加えて、プリフォーム50のコア層39などの追加のコア層を含むことが可能であるとも考えられる。
【0132】
この実施形態では、コア層690は、コア層690にスキン材料680よりも多くの赤外放射線および/または熱エネルギーを吸収させる添加剤を含有し、添加剤は、ゲート部686の熱加熱速度を変化させるように構成される。このようにして、ゲート部686は、モールディングプロセス中に必ずしも液体から隔離される必要はない。代わりに、ゲート部686自体がプリフォーム650の残りの部分よりも高い温度で始まり、これによりゲート部686がプリフォームの残りの部分ほど速く硬化温度に冷却されない。
【0133】
いくつかの実施形態では、添加剤は、周囲のスキン層よりも多くの熱エネルギーを吸収する着色剤とすることも可能であろう。コア層690は、一般に、PETまたは他の既知のプリフォーム材料で、着色添加剤をそれに加えて、作製されることも可能であろう。場合によっては、着色剤はゲート部686の熱特性に影響を与える可能性がある一方、最終モールド品の美観を改良する働きもする。
【0134】
いくつかの他の実施形態では、添加剤は、ゲート部686が熱エネルギーをより効率的に吸収してゲート部686の加熱を高めることを可能にする急速再加熱添加剤とすることも可能であろう。採用可能な急速再加熱添加剤のいくつかの非限定的な例として、Fast Reheat Additive U1(Polytrade Global GmbHの製品)およびColorMatrix(商標)Joule(商標)RHB Fast Reheat Dispersions(PolyOne Corporationの製品)が含まれるが、これらに限定されない。
【0135】
いくつかの実施形態では、コア層690がより多くの赤外光エネルギーを吸収することによって、コア層690が同じ照明源下でスキン材料680以上に加熱されるように、コア層690は、着色されるか否かを問わず、異なる吸収スペクトルを有する添加剤を含むことも可能である。
【0136】
コア層690に例示されているが、断熱材料は、プリフォーム50などの多層プリフォームの内側層または外側層に配することも可能であろうと考えられる。
【0137】
チャンネルを備えるコア
図16~
図18を参照すると、本技術のさらに別の実施形態が示されており、モールドスタック700は、最終形状容器15内に収容される液体製品を使用して最終形状容器15を成形および充填するように構成される。
【0138】
モールドスタック700の全体的な構造は当業者によく知られており、したがって、本技術の実施形態の実装のために特に適合したモールドスタック700の構成要素のみを以下に説明する。
【0139】
本技術のこれらの非限定的な実施形態によれば、プリフォーム50は、モールディングシステム100内に位置決めされたモールドスタック700を使用して成形される。より具体的には、プリフォーム50は、モールディングシステム100のモールドコア710とモールドキャビティ部730(ならびにネックリング720)との間に少なくとも部分的に画定されたモールドキャビティ内でモールディングされる。
【0140】
次に、プリフォーム50は、モールドキャビティ部730から取り除かれ、プリフォームは、モールドコア710上に残っておる。モールドコア710(プリフォーム50がまだその上に配されている)は、次に、内表面775(上述したものと同様である。
図18を参照)を有する容器モールド770内に配置される。
【0141】
次に、プリフォーム50は、モールドコア710に画定されたチャンネル715を通って液体でプリフォーム50の内部を充填することにより、モールドキャビティ770の内表面775に合致するように延伸し、モールドコア710通じてプリフォーム50に進入する液体の圧力により、プリフォーム50が拡張される。
【0142】
本技術のいくつかの実施形態では、配置するステップおよび延伸させるステップは、プリフォーム50が閾値温度に冷却される前に実行される。
【0143】
プリフォーム-プリブロー-液体成形
図19~
図21を参照すると、最終形状容器15内に収容される液体製品を使用して最終形状容器15を成形および充填するためのプロセス800および方法900のさらに別の実施形態が示されている。
【0144】
図19を参照して、プロセス800をより詳細に説明する。
【0145】
ステージ820
本技術のこれらの非限定的な実施形態によれば、プリフォーム50は、モールディングシステム100を使用して成形される。より具体的には、プリフォーム50は、モールディングシステム100のモールドコアとモールドキャビティ部(ならびにネックリング)との間に少なくとも部分的に画定されたモールドキャビティ内でモールディングされる。
【0146】
次に、プリフォーム50は、モールドキャビティ部から取り除かれ、プリフォームは、モールドコア上に残っておる。次に、プリフォーム50は、ロボット122によってモールドコアから取り除かれる。
【0147】
ステージ840
次に、プリフォーム50は、プリフォームのベース部を延伸サイズに至るまでブローすることによって段取りされたプリフォームへ前処理され、延伸サイズは、最終形状容器のベースのサイズよりも小さい。他の実施形態では、プリフォームは、ベース部とは異なる部分、またはプリフォームの追加の部分を部分的にブローすることによって段取りすることができる。
【0148】
本技術のいくつかの実施形態では、前処理はロボット122において行うことができる(例えば、
図20を参照)。そのような実施形態では、ロボット122は、段取りされたプリフォームを成形するように適合した成形用キャビティ(
図20、番号は別々に付与せず)を含むことも可能であろう。ロボット122に必要とされるかもしれない修正のいくつかの例は、
図20に示されている。
【0149】
本技術の他の実施形態では、前処理は、段取りステーションの成形用キャビティ内で行うことができ、段取りステーションは、成形機およびロボット122とは別個である。
【0150】
ステージ860
次に、段取りされたプリフォームは、最終形状容器15内に収容される液体を使用して同時に成形および充填するための成形機の成形用キャビティに再配置され、成形用キャビティは内表面を有する。
【0151】
図21を参照すると、最終形状容器を成形および充填するための方法900のフローチャートが示されている。
【0152】
ステップ910
モールディングシステム100において、射出モールディングによりプリフォーム50をモールディングすること。
【0153】
ステップ920
ロボット122によってモールディングシステム100からプリフォーム50を取り除くこと。
【0154】
ステップ930
プリフォーム50のベース部を延伸サイズに至るまでブローすることにより、段取りされたプリフォームを成形することであって、延伸サイズは、最終形状容器15のベースのサイズよりも小さい、こと。
【0155】
いくつかの実施形態では、ステップ930において段取りされたプリフォームを成形することは、ロボット122によって実行される。他の実施形態では、ステップ930において段取りされたプリフォームを成形することは、ロボット122および成形システムとは別個の別のデバイスによって実行される。
【0156】
ステップ940
段取りされたプリフォームを、最終形状容器内に収容される液体を使用して同時に成形および充填するための成形機の成形用キャビティに再配置することであって、成形用キャビティは内表面を有する、ことと。
【0157】
ステップ950
ノズルを段取りされたプリフォームの開口に密封可能に接続すること。
【0158】
ステップ960
ノズルを通って液体でプリフォームの内部を充填することにより、段取りされたプリフォームを成形用キャビティの内表面に合致するように延伸させることであって、段取りされたプリフォームに進入する液体の圧力により、段取りされたプリフォームが拡張される、こと。
【0159】
具体的な実装に応じて、上記の装置またはシステムのいずれも、段取りされたプリフォームを延伸させるように適合させることも可能であろう。