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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-21
(45)【発行日】2023-01-04
(54)【発明の名称】風力ブレード構成要素の接着治具
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/10 20160101AFI20221222BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
F03D13/10
F03D1/06 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021518858
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2019036745
(87)【国際公開番号】W WO2019241371
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】62/684,031
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520005303
【氏名又は名称】ティーピーアイ コンポジッツ,インコーポレーティッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520489396
【氏名又は名称】ヴィラー,マイケル,ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラー,マイケル,ピー.
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0175807(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0369209(US,A1)
【文献】国際公開第2017/121450(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/06
F03D 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンブレードを成形する型に載置されたブレードに対してブレード構成要素を組み立てるための装置であって、
相互接続された複数の支柱を含む本体部分と、
相互接続された複数の支柱を含み、前記本体部分から前記型の前縁まで延在し、且つ、前記型の前縁に係合するように構成された、少なくとも一つのアームと、
相互接続された複数の支柱を含み、前記本体部分から前記型の後縁まで延在し、且つ、前記型の後縁に係合するように構成された、少なくとも一つのレッグと、
前記ブレード構成要素を保持するように構成されたテンプレートと、前記ブレード構成要素が前記ブレードに押し付けられるよう前記ブレード構成要素に力を加えるように構成されたアクチュエータとを含み、前記本体部分に取り付けられたアクチュエータガイドと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記ブレード構成要素がフラットバック挿入物である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクチュエータによって加えられる前記力が、前記ブレードの後縁に向けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのアームが、前記本体部分に対して回転することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのアームが、二つのアームを含み、第1のアームが、前記本体部分の第1の端部に配置され、第2のアームが、前記第1のアームから離間され、且つ、前記第1のアームを超える長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのレッグが、前記少なくとも一つのアームから長手方向に離間される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのレッグが、前記本体部分に取外し可能に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
垂直巻上げ機構に係合するように構成されたシャックルを前記本体部分の頂面上にさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記本体部分が、第1の側面及び第2の側面を有し、前記第1の側面及び前記第2の側面の両方が、前記型の前記前縁及び前記後縁の内側に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記本体部分の底面に接続された少なくとも一つのアクチュエータをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つのアクチュエータが、前記テンプレートに接続される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのアクチュエータが、隣接するアクチュエータから等距離のところに配置された複数のアクチュエータを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つのアクチュエータが、空気圧式ピストンである、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つのアクチュエータが、前記前縁と前記後縁との間に配置される、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つのアクチュエータが、前記本体部分に対して距離を調整することができる、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記テンプレートが、前記ブレード構成要素の上縁に沿って前記ブレード構成要素に係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記本体部分の底部に接続されるブレード構成要素ホルダをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも一つのレッグが、前記本体部分から側方に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも一つのアームが、前記本体部分から側方に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記本体部分、前記少なくとも一つのアーム、及び前記少なくとも一つのレッグが、別個の組立体である、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月12日に出願した仮出願第62/684,031号に対して、米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示される主題は、例えば風力タービンブレードといった繊維強化ポリマー複合製造物の製造のためのシステム及び対応する方法に関する。具体的には、開示される本主題は、より優れたブレード効率と強化されたエネルギー捕捉とを提供する、後縁挿入物(insert)又はフラットバック(flatback)を含む様々なタービンブレード構成要素の接着を促進するためのシステム及び方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
代替的な又は「クリーンな」エネルギー源として風力タービンの使用が増加し続けるにつれて、当技術分野における技術的進歩により、風力タービンのサイズの増大、及び風力タービン構成要素の新たな設計が可能になってきた。しかし、風力タービンの物理的なサイズ及び利用可能性が増大するにつれて、風力が他のエネルギー源に対してコスト競争力があるものになることをさらに可能にするために、風力タービンの製造と運用のコストのバランスを取る必要も増大する。ローターブレードのサイズ、形状、及び重量は、風力タービンのエネルギー効率に影響する因子である。例えば、ローターブレードのサイズの増大は、風力タービンのエネルギー生産を増進させるが、重量の減少もまた、風力タービンの効率を引き上げる。
【0004】
さらに、ローターブレードのサイズが大きくなるにつれて、ローターブレードの構造的完全性に対してさらなる注意が払われる必要がある。現在、大型の事業用風力タービンは、1.5メガワットから5メガワットの間の電力を生成することが可能である。したがって、ローターブレードの空気動力学を改善することとともに、ローターブレードのサイズの増大、ローターブレードの重量の減少、及びローターブレードの強度の向上への取り組みが、風力タービン技術の継続的な成長及び代替エネルギー源としての風力エネルギーの採用に役立つ。
【0005】
年間エネルギー生産量が増大した、より高性能なブレードを得るために、「フラットバック」翼が、ブレードの内側セクションに用いられてきた。従来の厚く鋭い後縁翼と比較すると、同じ厚さを有するフラットバック翼は、揚力の増大、及び付着物に対する感度の低下を示す。これらの以前の設計は、翼の後縁を反り曲線に沿って一様に広げることにより、フラットバックの概念を外板に取り入れてきた。これらの以前の設計の構造は、改善された性能を提供するが、あらゆる状況で信頼できるものではない。
【0006】
フラットバック構成要素を含む幾つかの例示的な翼設計が、米国特許第9,151,270号及び第8,092,187号で開示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。これらのフラットバック構成要素の導入及び組立ては、これらのフラットバック構成要素が典型的には手動力を介して持ち上げられてブレード外板の接着表面に押し付けられるという点で、多くの課題を提示する。これは、不均等な力をもたらし、したがって、組み立てられる構成要素間にペースト空隙(paste void)を生じさせる。
【0007】
したがって、風力タービンブレードの製造を促進するために、フラットバック構成要素を取り扱い且つ組み立てるための効率的且つ経済的な方法及びシステムが、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
開示される主題の目的及び利点は、以下の説明に明記され且つ以下の説明から明らかになるだけでなく、開示される主題を実践することによって学ばれるであろう。開示される主題のさらなる利点は、本明細書及び請求項において具体的に指摘される方法及びシステムによって、並びに添付の図面から、認識され達成されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記その他の利点を達成するために、また、開示される主題の目的によれば、具現化されまた概括的に説明されるように、開示される主題は、相互接続された複数の支柱を含む本体部分と、相互接続された複数の支柱を含み、且つ、型の前縁に係合するように構成された少なくとも一つのアームと、相互接続された複数の支柱を含み、且つ、型の後縁に係合するように構成された少なくとも一つのレッグと、ブレード構成要素を保持するように構成されたテンプレート(template)と、ブレード構成要素に力を加えるように構成されたアクチュエータと、を備える、風力タービンブレード構成要素を組み立てるための装置を含む。
【0010】
幾つかの実施形態では、ブレード構成要素は、フラットバック挿入物であり、アクチュエータによって加えられる力は、ブレードの後縁に向けられる。
【0011】
幾つかの実施形態では、アームは、本体部分に対して回転することができる。幾つかの実施形態では、二つのアームが含まれ、第1のアームは、本体部分の第1の端部に配置され、第2のアームは、第1のアームから離間され、且つ、第1のアームを超える長さを有する。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのレッグが、少なくとも一つのアームから長手方向に離間される。
【0012】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのレッグが、本体部分に取外し可能に取り付けられる。
【0013】
幾つかの実施形態では、垂直巻上げ機構に係合するように構成されたシャックルが、本体の頂面上に含まれる。
【0014】
幾つかの実施形態では、本体は、第1の側面及び第2の側面を有し、第1及び第2の側面の両方が、型の前縁及び後縁の内側に配置される。
【0015】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのアクチュエータが、本体部分の底面に接続される。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのアクチュエータは、テンプレートに接続される。幾つかの実施形態では、複数のアクチュエータが、隣接するアクチュエータから等距離のところに配置される。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのアクチュエータは、空気圧式ピストンである。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのアクチュエータは、前縁と後縁との間に配置される。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのアクチュエータは、本体部分に対して距離を調整することができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、テンプレートは、ブレード構成要素の上縁に沿ってブレード構成要素に係合する。幾つかの実施形態では、ブレード構成要素ホルダが、本体部分の底部に接続される。
【0017】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つのレッグが、本体部分から側方に延在する。幾つかの実施形態では、少なくとも一つのアームは、本体部分から側方に延在する。幾つかの実施形態では、本体部分、少なくとも一つのアーム、及び少なくとも一つのレッグは、別個の組立体である。
【0018】
上記の一般説明と以下の詳細説明は両方とも、例示的なものであり、開示される主題をさらに説明することを意図するものであることを理解されたい。
【0019】
本明細書に組み込まれてその一部分を構成する添付の図面は、開示される主題の方法及びシステムを図示してそのさらなる理解を提供するために含まれるものである。図面は、記述とともに、開示される主題の原理を説明するのに役立つ。
【0020】
本明細書において説明される主題の様々な態様、特徴、及び実施形態の詳細説明が、以下に簡潔に説明される添付の図面を参照しながら提供される。図面は、例示的なものであって、必ずしも原寸に比例して描かれておらず、一部の構成要素及び特徴は明瞭性のために強調されている。図面は、本主題の様々な態様及び特徴を示し、且つ、本主題の一つ以上の実施形態又は例を全体的に又は部分的に示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】典型的な半体ブレード型及びフラットバック構成要素を含むブレード組立て装置の例示的な実施形態の図である。
図2】フラットバック構成要素を含む(即ち、明瞭性のためにブレード型が取り除かれた)ブレード組立て装置の例示的な実施形態の図である。
図3】フラットバック構成要素を含む(即ち、明瞭性のためにブレード型が取り除かれた)ブレード組立て装置の例示的な実施形態の図である。
図4】フラットバック構成要素を含む(即ち、明瞭性のためにブレード型が取り除かれた)ブレード組立て装置の例示的な実施形態の図である。
図5】フラットバック構成要素を含む(即ち、明瞭性のためにブレード型が取り除かれた)ブレード組立て装置の例示的な実施形態の図であり、図4の底面斜視図である。
図6】本明細書において開示される組立て装置の本体の例示的な図である。
図7】本明細書において開示される組立て装置のレッグの例示的な図である。
図8】本明細書において開示される組立て装置のレッグの例示的な図である。
図9】本明細書において開示される組立て装置のレッグの例示的な図である。
図10】本明細書において開示される組立て装置のアームの例示的な図である。
図11】本明細書において開示される組立て装置のアームの例示的な図である。
図12】本明細書において開示される組立て装置のアクチュエータの例示的な図である。
図13】本明細書において開示される組立て装置のアクチュエータの例示的な図である。
図14】フラットバックを保持するための、本明細書において開示される組立て装置のテンプレートの例示的な図である。
図15】フラットバックを保持するための、本明細書において開示される組立て装置のテンプレートの例示的な図である。
図16】フラットバックを保持するための、本明細書において開示される組立て装置のテンプレートの例示的な図である。
図17】フラットバックを保持するための、本明細書において開示される組立て装置のテンプレートの例示的な図である。
図18】フラットバックを保持するための、本明細書において開示される組立て装置のテンプレートの例示的な図である。
図19】フラットバックを保持するための、本明細書において開示される組立て装置のテンプレートの例示的な図である。
図20】本明細書において開示される組立て装置の保管ラックの例示的な図である。
図21】型フランジに係合するための、本明細書において開示される組立て装置のレッグの接続部材の例示的な図である。
図22】ブレード型の上方且つ内側に位置決めされた、本明細書において開示される組立て装置の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、添付の図面にその例が示されている、開示される主題の例示的な実施形態を詳細に参照する。開示される主題の方法及び対応するステップは、システムの詳細な説明と併せて説明される。
【0023】
発電で使用するためのブレードは、前縁及び後縁を有する。ブレードの第1のシェル部分が、前縁から後縁まで延在する。ブレードの第2のシェル部分もまた、前縁から後縁まで延在する。ブレードの根元部分が、風力タービンに近接して位置決めされ、ブレードの先端部分が、風力タービンから離れるように根元部分から延在する。幾つかの風力ブレード設計では、後縁挿入物、又は「フラットバック」が、第1のシェル部分と第2のシェル部分との間に位置決めされる。
【0024】
フラットバック輪郭を提供するための後縁挿入物の使用は、翼の空力性能の著しい向上、及び根元設計領域でのエネルギー捕捉の増大を含むがこれらに限定されない、多くの利点を有する。後縁挿入物の利用はまた、ブレードに構造的剛性を付加する。さらに、後縁挿入物の使用は、短い翼弦長及び厚い翼弦輪郭を利用することによってより優れたブレード効率を可能にする、高揚力の空力設計を提供する。ブレード性能要求がさらに高められるにつれて、この設計は、より低重量のパッケージにおいて、特に根元領域の近くで、向上された性能を提供する。
【0025】
後縁挿入物の使用は、風力タービンブレードでの使用に対して説明されるが、後縁挿入物は、他のブレード構造において、また、流体などの他の環境で動作するブレードに対して、使用され得る。さらに、本明細書において開示される治具は、様々な風力タービンブレード構成要素、例えばけたキャップやシアウェブといった様々な風力タービンブレード構成要素の据付けを促進するために用いることができ、フラットバックの据付けに限定されない。本明細書における「フラットバック」への言及は、限定のためではなく、便宜のため及び例示の目的のためのものである。
【0026】
図1に示されるように、風力タービンブレードの加圧側シェル100(及び、下層の型)が、前縁102及び後縁104を有して示される。後縁挿入物、又は「フラットバック」200が、周期的に離間された接着剤接合部により、加圧側シェル部分100に取り付けられる。同様に、後縁挿入物200は、周期的に離間された接着剤接合部により、吸込み側シェル部分に取り付けられる。幾つかの実施形態では、接着剤接合部は、型の内側のフラットバック200上又はブレードの外板上の所望の箇所に接着剤の連続的なビードを分注することによって形成される。さらに、又はその代わりに、ブレード外板へのフラットバック200の接着は、ブレード外板にペーストを塗布する際にそこを通してペーストシュー(paste shoe)が案内される、ガイドレールの使用を含み得る。この案内は、手動で又は遠隔的に提供され得る。これらの接着剤接合部は、複合材料を接合するための当技術分野で知られている接着剤組成物又は他の物質との接触を介して、表面間に形成される。適切な接着剤組成物には、エポキシ、ポリエステル、アクリル酸メチル、ビニルエステル、又は他の接着樹脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
本開示の一態様によれば、治具(1000)が提供され、この治具(1000)は、保管庫からフラットバック挿入物(200)を取り出し、フラットバックを型(1)の後縁側(104)へ配送し、且つ、フラットバックを接着及び最終組立のための型(1)内の適切な位置に導入する。さらに、治具(1000)は、フラットバック(200)をブレード(104)及び/又は型(1)に対して一定の配向に維持することができる。例えば、治具(1000)は、アタッチメントを通して型枠上に受け止められる治具のレッグ(1002)を介して、フラットバック(200)をブレードの表面に対して維持することができる。空気圧シリンダからのフラットバック(200)の押しに対抗するために、ストッパも設けられ得る。
【0028】
図1に示されるように、治具1000は、変動する寸法のブレードに対応するために、様々な構成で接合された複数の相互接続トラス部材を含む。治具(1000)は、本体部分(1001)と、本体部分から延在して型(1)の前縁に係合するアーム(1012)と、型(1)の外側に配置され且つ下方に延在して型の前縁(及び、場合により床)に係合する複数のレッグ(1002)と、(治具(1000)を上昇/下降させるための)複数のシャックル(1003)と、(治具を型(1)に対して上昇及び下降させるためにシャックル(1003)に係合するための)ダブルリムチェーンリギング(double limb chain rigging)と、ガイド(guider)(1050)を含むアクチュエータと、フラットバックホルダ(1006)と、フラットバック保管ラック(1007)と、を含む。
【0029】
治具1000は、以下でさらに詳細に説明されるように、前縁に沿って型(1)のフランジに係合する調節可能なアーム(1012)と型の後縁上のフランジに係合する調節可能なレッグ(1002)とによりブレード型(1)の内側且つ上方に位置決めされ、且つ、ブレード後縁に対するフラットバックの正確な位置決め及び据付けを可能にするように、構成される。
【0030】
治具本体部分(1001)
治具本体部分は、風力タービンブレードの種々の構成要素に関連する重量を支持するのに十分な構造的完全性を有して、様々な材料及びサイズで構築され得る。例えば、治具本体(1001)は、図1~3に示されるような全体的に矩形の構造を形成するように一緒に溶接され得る、金属製の、例えば鋼鉄製の、複数のトラスで形成され得る。治具(1000)は、示されるように、フラットバック挿入物(200)の長さに対応する長さを有するサイズとなされ得る。幾つかの実施形態では、治具は、フラットバック挿入物(200)の境界を越えて延在し、且つ、ブレードの根元から先端にまで及び得る。
【0031】
本体(1001)は、一連の(例えば、図示のように六つの)垂直なフレーム(1001b)に接合する、長手方向に(例えば、スパン方向に)延在する支柱(1001a)を有して形成され得る。さらに、図1~6に示されるように、ねじれ抵抗梁(1001c)が、フレーム間に斜めに延在し得る。示された例示的な実施形態では、フレーム(1001b)は、本体(1001)の長さに沿って均等に離間される。
【0032】
治具アーム(1012)
治具はまた、本体から型(1)の前縁まで延在するアーム(1012)を含む。アーム(1012)は、型の前縁に結合するための取付けブラケットを含み得る。このアーム(1012)は、フラットバック挿入物(200)の取扱い及び据付けの間、安定化力として機能する。さらに、アーム(1012)は、外板型に対して治具を位置決めし、且つ、治具に取り付けられる他の位置決め器具を参照するための基準として機能し得る。
【0033】
示された例示的な実施形態では、治具長さに沿って分散された二つのアーム(1012)が設けられている。第1のアーム(1012)が、治具(1000)の前方端部に配置されており、第2のアームは、(図6に示されるように)本体(1001)の第4のフレーム(1001b)の位置と一致して、前方端部から距離を置かれている。したがって、アームの長さは、様々な型/翼弦に適応するように変化してよく、第1のアーム(1012a)は、先端のより近く(即ち、型/翼弦がブレードの根元領域の近位よりも大きいところ)に配置された第2のアーム(1012b)よりも短い。
【0034】
各アームは、図10~11に示されるように、本体(1001)の頂面から頂面と同一平面上に延在する第1の部分と、型(1)の前縁に向かって下方に傾斜する第2の部分とを含む。アーム(1012)は、示されるように、支柱間に斜めに延在する斜め方向ねじれ抵抗梁(1012c)を含む一対の平行な支柱を有して形成され得る。幾つかの実施形態では、アーム(1012)の全ての支柱及び梁は、同一平面上にあるように垂直に位置合わせされ得る(例えば、単一の垂直面を占める)。
【0035】
必要に応じて、剛性を高めるため、及び/又は型に対するフラットバック挿入物(200)の適切な位置決めを保証する追加の基準点を提供するために、追加のアームが用いられ得る。また、幾つかの実施形態では、アーム(1012)は、本体(1001)に対して再位置決めされてもよく、例えば、アーム(1012a)は、必要に応じて、図6の第3又は第4のフレーム(1001b)へ再配置され得る。
【0036】
また、アーム1012は、アームが治具の本体に対しておおよそ90度の角度まで回転することを可能にするために、アームと治具ボディ(1001)との結合部分にヒンジ又は枢動機構を含み得る。さらに、アーム1012は、移動及び保管により良く適したよりコンパクトな構成を提供するために、ボディトラス(1001a)に対して平行な配向であるように回転され得る。動作にあたっては、治具(1000)が型のフレーム内へ下降されるときに、アーム(1012)は、型フランジの前縁に係合する位置へ外向きに回転される。
【0037】
治具レッグ(1002)
治具はまた、本体(1001)から型(1)の後縁まで延在するレッグ(1002)を含む。レッグ(1002)は、型の後縁に結合するための取付けブラケットを含み得る。
【0038】
示された例示的な実施形態では、治具長さに沿って分散された三つのレッグ(1002)が設けられている。第1のレッグ(1002a)が、第1のアーム(1012)と一致して治具(1000)の前方端部に配置されており、第2のレッグは、(図6に示されるように)本体(1001)の第3のフレーム(1001b)の位置と一致して、前方端部から距離を置かれており、第3のレッグ(1002c)は、本体(1001)の遠位(先)端部に配置されている。上記のアームと同様に、レッグ(1002)の寸法は、様々な型/翼弦に適応するように変化し得る。
【0039】
各レッグ(1002)は、本体(1001)に取り付くように構成された垂直に延在する支柱の対を有する垂直支柱を含む。図7に示されるように、垂直支柱の底部は、型の前縁に結合するための取付けブラケットを含む。図7に示されるように、第1のレッグ(1002a)は、F字形状の構造を有することができ、一方で、第2及び第3のレッグ(1002b、1002c)は、さらなる剛性のために含まれる追加の垂直支柱(1002')を有する。レッグ(1002)は、例えば図7に示されるようなブラケットとピンの接続を介して、本体(1001)に取り外し可能に取り付けられ得る。幾つかの実施形態では、アーム(1012)の全ての支柱及び梁は、同一平面上にあるように位置合わせされ得る。
【0040】
必要に応じて、剛性を高めるため、及び/又は型に対するフラットバック挿入物(200)の適切な位置決めを保証する追加の基準点を提供するために、追加のレッグが用いられ得る。また、幾つかの実施形態では、レッグ(1002)は、本体(1001)に対して再位置決めされてもよく、例えば、レッグ(1002)は、必要に応じて、図6の第2、第4、又は第5のフレーム(1001b)へ再配置され得る。
【0041】
シャックル(1003)
図1~2及び22に最も良く示されるように、治具は、治具(1000)が持ち上げられて型(1)上の所望の位置に降ろされることを可能にする、複数の接続部材、例えばシャックル(1003)を含む。治具は、例えばケーブル及び滑車システムを介して持ち上げられ、型(1)の上方の所望の位置まで搬送されて、フラットバック200の据付けのための型フランジに係合するように下降される。示された例示的な実施形態では、第1の接続部材(1003)の対が、本体の第1の端部に配置され(例えば、フレーム1001bの頂面に結合され)、第2の接続部材(1003)の対が、本体の反対側の端部に配置される。宙に吊されたときの治具に追加の荷重分配チャネルを提供することが望まれるのであれば、本体に沿って追加の接続部材(1003)が用いられてもよい。
【0042】
本開示の一態様によれば、治具(1000)は、ブレード外板と接触しない代わりに、外側型フランジの上に載るだけである。垂直移動は、治具が使用されていないとき、及び/又は作業現場でメンテナンスが行われる必要があるときに、撤去及び高い位置での保管を可能にするという点で、有利であり得る。
【0043】
幾つかの実施形態では、治具(1000)は、フラットバック(200)をブレードに取り付けるための所定の位置に配置されるように、ブレード型(1)の全長に沿って並進され得る。さらに、又はその代わりに、治具は、ブレード型の周りに構築され(例えば、床に係合する足場として建てられ)得る。
【0044】
ダブルリムチェーンリギング
図22に示されるように、治具(1000)の吊上げ及び搬送中の支持を容易にするために、チェーン又はケーブルが含まれ得る。幾つかの実施形態では、チェーンは、相互接続されたリンクのダブルリムシリーズ(double limb series of interconnected links)である。他の実施形態では、ケーブル又はロープが提供される。吊上げ機構(チェーン、ロープ、ケーブル、等)は、治具(1000)が水平に即ち現場の床に平行に配向されたままであるように、接続部材(シャックル1003)に係合し且つ調和して上昇/下降されるように両端部に設けられ得る。
【0045】
幾つかの実施形態では、治具(1000)は、最初にレッグ(1002)が後縁型フランジと係合され得、続いて二番目にアーム(1012)が前縁型フランジに係合するように、又はその逆であるように、傾けられた配向で下降され得る。同様に、治具(1000)は、治具の根元側が治具の先端側よりも先に型に係合するように、角度を付けられた配向で下降され得る。
【0046】
アクチュエータガイド(1050)
図1に示されるように、治具は、治具(1000)のスパンに沿って離間された複数のアクチュエータガイド(1050)を含む。示された例示的な実施形態では、六つのアクチュエータガイド(1050)が、治具長さに沿って等距離間隔で分散されている(例えば、本体のフレーム(1001b)ごとに一つのアクチュエータガイド(1050)が配置される)が、アクチュエータガイド(1050)の数及び分布(例えば、一様、勾配、等)は、他の幾何形状のブレード及び/又はフラットバック挿入物に適応するように、所望に応じて変更され得る。
【0047】
図12~13に示されるように、アクチュエータガイドは、アクチュエータの運動に動力を供給するためのシリンダ(1051)を含む。幾つかの実施形態では、シリンダは、空気圧源又は液圧源により運動に動力を供給することができる。幾つかの実施形態では、シリンダは、電源(electronic source)を介して運動に動力を供給することができる。シリンダ(1051)の端部には、フラットバック挿入物(200)を保持するためのテンプレート(1052)がある。テンプレート(1052)は、フラットバック挿入物200に対する相補的な外形を有して構成される。テンプレート(1052)の設計の幾つかの例示的な実施形態が、図14~19に示されている。合成ブレードに形成された複合曲線に適応するために、複数のテンプレートが開示されている。本開示の一態様によれば、テンプレート(1052)は、ピストン1051からの力の印加に先立って、適切且つ一様な表面接触を保証するために、合成ブレードの形状及び外形と嵌合する形で一致するように設計される。
【0048】
アクチュエータガイド(1050)はまた、本体(1001)のトラスに取り外し可能に結合され得る接続板(1053)を含む。さらに、接続板(1053)は、アクチュエータシリンダ(1051)に取り外し可能に結合され得る。したがって、アクチュエータガイドは、治具の長さに沿った任意の所望の位置に再位置決めされ得る。幾つかの実施形態では、接続板(1053)は、アクチュエータシリンダ(1051)を取り囲むハウジングとして構成され得る。この板は、治具フレームに対するアクチュエータシリンダ(1051)の傾斜及び横軸の調整を可能にする。図12に示されるように、板(1053)が取り付けられ得る位置にチャネル(1054)が形成されている。これは、板(1053)の高さ調整を可能にする。また、参照番号(1055)は、治具のボディ(1001)に結合するための主要な接続位置を示す。
【0049】
図12にさらに示されるように、アクチュエータガイドはまた、フラットバック挿入物をテンプレート(1052)に対して取り外し可能に固定するためのクランプ(1056)を含む。クランプ(1056)は、テンプレート(1052)と相互作用してクランプをテンプレートに対して所定の位置にロックする幾何形状(例えば、さねはぎ係合又は蟻継ぎ係合)を有して構成され得る。
【0050】
動作にあたっては、テンプレートフラットバック組立体を後縁に位置する型外板に向かって押し付けるために、シリンダ(1051)内のピストンが(例えば空気圧によって)作動されて、アクチュエータアーム(1058)をガイドレール(1059)に通して伸張させるように駆動される。これにより、根元から先端まで一貫した力が印加され、したがって、例えばペースト空隙といった欠陥がフラットバック挿入物とブレード外板との間に形成されることが防がれる。さらに、アクチュエータガイドは、根元から先端(又はその任意の所望の小区)まで、一貫し且つ安定した力の印加に起因する、一貫した接着間隙を維持し得る。図1に示されるように、例示的な実施形態では、複数のアクチュエータガイド(1050)が含まれる。これらのアクチュエータガイド(1050)は、各アクチュエータガイドにわたって同じ力が同時に印加されるように、連携して動作され得る。さらに、又はその代わりに、アクチュエータガイドは、互いに独立に動作されてもよい。
【0051】
動作中、フラットバック(200)は、成形される側において頂縁上に保持される。フラットバック(200)の接着表面は、自由で邪魔のない状態を維持するようにいかなるアタッチメント又は治具もなく、したがって、いつでもブレードの後縁に接着できる状態である。接着剤ガイド(又は「ペーストシュー」)が、フラットバック及び後縁ブレードモデルの特定の幾何形状に従って選択位置へ接着剤/ペーストを配送するために、フラットバック及び後縁に対して位置決めされる。接着剤が塗布された後、アクチュエータは、フラットバックと後縁との間での接着剤の分散を促進するために圧縮力を印加するように、また、二つの構造物に沿って均一な力を印加するように、動作される。
【0052】
フラットバックホルダ(1006)
再び図1を参照すると、治具は、後縁への位置決め及び接着のためにフラットバックに足場を設ける、フラットバックホルダ(1006)を含む。
【0053】
例示的な実施形態では、フラットバック(200)の加圧側(PS)の非接着表面は、テンプレート(ブレードのタイプ/幾何形状に従って選択され且つ位置決めされた、図14~19の適切なテンプレート)のスロットに入る。各テンプレートは、フラットバック(200)の形状に従うように、特定の位置ごとに角度を付けられる。フラットバック(200)は、バイスグリップクランプ(1056)によりテンプレートに係止される。各テンプレート(1052)は、独立に、又は相互接続された一連のものとして、アクチュエータ(1051)に取り付けられる。テンプレート(1052)は、アクチュエータシリンダ(1051)がフラットバック(200)と外板接着表面との間の間隙を閉じるために伸張している間、フラットバック(200)を保持する。型側には、フラットバック(200)接着表面を外板接着表面に対して平らに保つために、アクチュエータ(1051)に対向するホルダが存在する。テンプレートはフラットバック(200)の上部に取り付けられるので、フラットバック(200)が外板表面に押し付けられてペーストを押し出すときに、部品を回転させる傾向がある。これは、モーメント力を生じさせ、ホルダ(1006)は、このモーメントに対向するように位置決めされる。ホルダ(1006)は、接着中にフラットバック挿入物とブレード外板との間から接着ペーストが押し出されているときに接着ペーストで汚染されるのを回避するように、型フランジ上に位置決めされる。
【0054】
フラットバック保管ラック(1007)
フラットバック保管ラック(1007)もまた、主な治具内に含まれ、このフラットバック保管ラック(1007)は、一つ以上のフラットバックを組立て時に局所的に保管することができ、したがって、在庫からフラットバックを手作業で操作及び積込みする必要性を低減することにより、サイクル時間を短縮し且つ負傷の危険性を低下させる。
【0055】
例示的な実施形態では、保管ラック(1007)は、使用していないときにフラットバックを保持する、車輪付きの二台のカートとして構成され得る。各カートは、フラットバック(200)のそれぞれの端部上に設置される。フラットバック(200)は、荷重下で動作するのを回避するために、治具がカート上にある間に据え付けられる。カートはまた、フラットバックの接着が必要とされる最も近い型までフラットバック治具を搬送するために使用される。これは、クレーンの利用を減少させ、DLを減少させ、且つ、サイクル時間を短縮する。
【0056】
幾つかの実施形態では、保管ラック/キャスタは、予め定められた位置までまた予め定められた持続時間にわたって装置を床の方々に走らせるために、プログラム可能なサーボモータを含み得る。さらに、又はその代わりに、保管ラック/キャスタは、治具の適切な位置決めを確認し、もしずれていた場合は警告を発するために、作業現場上に設置されたマーカと通信するセンサを含み得る。
【0057】
典型的には、フラットバック(200)は、型/ブレードの加圧側の根元までは延在しない。例示的な実施形態では、フラットバック(200)は、ブレード/型における扇形状への円筒形状移行部が存在する場所から始まる。フラットバック(200)は、動作中のヒンジ運動(hinging movement)に適応するために、ブレードの後縁として機能し、且つ、フラットバックの水平表面上でブレード外板に接着する。ブレードの円筒形状は、フラットバックとは別体の垂直表面を通じて接着される。
【0058】
動作にあたっては、フラットバック(200)は、型の後縁の加圧側上の予め位置決めされ且つ較正された受けと一致させることにより、ブレードの仕様に従って配置される。較正プロセスは、セットアップ後に始まってもよく、セットアップそのものは、治具のレッグ(1002)と治具組立体とをぴったり合わせるための型フレームへの受けの導入を含む。アクチュエータは、フラットバック(200)の形状に従うようにセットアップされ、ホルダアタッチメントが、型フレームに溶接される。較正は、注入された外板が加圧側の型上に存在する間に行われてもよく、且つ、以下のことを含む:
1.治具が受け上に配置された状態で、治具の高さ及び角度を調整する。ここで、調整は、受けによってもたらされ、また、3Dモデルとの一致を保証するために、レーザ追跡システムが用いられ得る。
2.アクチュエータを最大長さまで伸張させ、外板までの距離を調べる。フラットバック治具が外板表面に押し付けられたときにペーストが押し出されるのを確実とするのに十分な圧力がなおも存在するように、アクチュエータの距離を調整する。幾つかの実施形態では、フラットバック上にスペーサを置くことにより、5mmの接着間隙が維持され得る。
3.ステップ2の設定に従ってホルダを調整する。
4.接着表面間に粘土を使用して間隙を調べることにより、作業を進める。
5.アクチュエータ及びホルダのスライダ及びプレートを通じて、相応に調整する。
【0059】
本開示の別の態様によれば、この取付け装置及び作業方法は、加圧側に特に関連したシアウェブ接着プロセスが存在しない限り、シアウェブ接着プロセスとは独立して機能し得る。
【0060】
さらに、完成したブレードの中に据え付けられるフラットバック200は、外板が後縁において離間されて鈍い後縁を形成するように、加圧側外板と吸込み側外板との間に延在し得る。
【0061】
本開示の技法の好ましい設定は、エポキシ及びポリエステル樹脂部品の製造におけるものである。例示的な実施形態は、風力タービンブレードの製造に主眼を置くが、このプロセスは、他の複合部品、例えば、船用機器、輸送用機器、乗り物用機器、彫刻用機器、航空/軍事用機器、公共インフラストラクチャ用機器、建設用機器、電化製品/商業用機器、消費者用機器、耐食性機器、及び電気部品設備の製作で使用され得る。
【0062】
開示された主題は、特定の好ましい実施形態に関して本明細書において説明されたが、当業者は、開示された主題に対してその範囲から逸脱することなく様々な修正及び改良が行われ得ることを認識するであろう。さらに、開示された主題の一つの実施形態の個々の特徴が、本明細書において論じられるか又は一つの実施形態の図面に示され、他の実施形態では示されない場合があるが、一つの実施形態の個々の特徴は、別の実施形態の一つ以上の特徴又は複数の実施形態の特徴と組み合わせられ得ることが、明白なはずである。
【0063】
以下の特許請求の範囲に記載の特定の実施形態に加えて、開示される主題は、以下の特許請求の範囲に記載の従属的な特徴と上記で開示された特徴との任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態をも対象とする。したがって、従属請求項において提示される特定の特徴及び上記で開示された特定の特徴は、開示される主題は任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態も特に対象とするものと認識されるように、開示される主題の範囲内で他の形で互いに組み合わせられ得る。したがって、開示される主題の特定の実施形態に関する前述の説明は、例示及び説明の目的のために提示された。完全を期すこと又は開示される主題をそれらの開示された実施形態に限定することを意図したものではない。
【0064】
開示される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなしに、開示される主題の方法及びシステムにおいて様々な修正及び変形がなされ得ることが、当業者には明らかになるであろう。したがって、開示される主題は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれる修正形態及び変形形態、並びにそれらの均等物を含むことが、意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図22