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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】ライター着火補助具
(51)【国際特許分類】
   F23Q 2/28 20060101AFI20221223BHJP
【FI】
F23Q2/28 118F
F23Q2/28 118L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021215523
(22)【出願日】2021-12-15
【審査請求日】2021-12-15
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592051202
【氏名又は名称】有限会社コスモ研究所
(72)【発明者】
【氏名】小泉 達也
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-037930(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02553490(GB,A)
【文献】特開2000-055364(JP,A)
【文献】特開2013-032891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23Q 2/28
F23Q 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部と、後面部と、左右両側面部と、上面部と、底面部とからなる縦長形状の直方体に形成されており、前記上面部の前位置に火口部を備え、かつ、前記上面部の後位置に点火ボタンを備えた圧電着火式ライターを装着するライター着火補助具であって、
前記圧電着火式ライターの前面部及び底面部を支持する本体支持具であって、その長手方向の全長が圧電着火式ライターよりも短く構成された本体支持具と、
前記本体支持具の上端部に設置された回転軸により回動可能に取付けられ、圧電着火式ライターの着火ボタンを押し下げる着火ハンドルであって、その全長が前記回転軸と着火ボタンとの距離の2倍以上3倍以内の長さに構成され、その長手方向を前記本体支持具に対してほぼ一直線となる位置から前記着火ボタンを押し下げて圧電着火式ライターが着火した状態で前記本体支持具の長手方向にほぼ直交する位置まで回動可能に取付けられた着火ハンドルと、
前記本体支持具における前記着火ハンドルを回動可能に支持する前記回転軸の設置位置よりも下端側の位置に、前記本体支持具の長手方向に対して直交する方向にその長手方向を配置しており、その全長が前記着火ハンドルと同等な長さに構成された着火補助ハンドルであって、前記本体支持具に装着された圧電着火式ライターの左右両側面を支える着火補助ハンドルと、
から構成したことを特徴とするライター着火補助具。
【請求項2】
前記着火補助ハンドルは、本体支持具に対して回動可能に設置され、その長手方向にほぼ直行する断面形状がコ字型断面をなし、前記本体支持具を収納可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のライター着火補助具。
【請求項3】
前記着火ハンドルは、その長手方向にほぼ直行する断面形状がコ字型断面をなし、前記着火補助ハンドルを収納可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2記載のライター着火補助具。
【請求項4】
前記着火補助ハンドルは、対向配置された側壁部と、両側壁部をつなぐ中間部とから構成されており、前記中間部が両側壁部より短く構成されており、着火補助ハンドルを本体支持具に取付けた状態で本体支持具と両側壁部及び中間部とで構成された開口部に圧電着火式ライターを保持する構成とした
ことを特徴とする請求項1記載のライター着火補助具。
【請求項5】
前記着火補助ハンドルの中間部の幅寸法は、前記本体支持具のライター支持部の幅寸法より広く構成されており、
前記着火ハンドルの中間部の幅寸法は、前記着火補助ハンドルの中間部の幅寸法より広く構成されており、
前記本体支持具に対して前記着火補助ハンドルを折り畳み可能に構成され、 かつ、前記着火補助ハンドルに対して前記着火ハンドルを折り畳み可能に構成されており、
前記着火ハンドルを回動可能に支持する回転軸にコイル部を設置し、跳ね上げ部を着火ハンドルに係合させ、かつ、基端部を前記本体支持具に係合させた着火ハンドル跳ね上げばねと、
前記着火補助ハンドルを回動可能に支持する回転軸にコイル部を設置し、跳ね上げ部を着火補助ハンドルに係合させ、かつ、基端部を前記本体支持部に係合させた着火補助ハンドル跳ね上げばねと、
前記本体支持具に対して、前記着火補助ハンドル及び前記着火ハンドルを折り畳んだ状態で固定する固定具と、
から構成したことを特徴とする請求項1記載のライター着火補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電着火式ライターに装着するライター着火補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電着火式ライターとしては、特許文献1に示すものが知られている。この圧電着火式ライターは、使い捨てライターとも呼ばれ、低価格のため広く普及している。また、この圧電着火式ライターは、子供のように適切な使い方を知らない者が不用意に着火するのを防止するため、操作荷重を大きくする工夫がなされている。
【0003】
一方、このような圧電着火式ライターにおいては、手指の力即ち握力が弱い老人等が使用する場合、上手く着火できない状況が想定される。このような状況を改善するために、特許文献2に示されたライター点火補助具が開発されている。なお、本ライター点火補助具に用いられる圧電着火式ライターは、基本的な形状が細長い棒状をなし、かつ、大人が握った手の中に納まる大きさであり、縦長状をなした直方体型を成している。
【0004】
特許文献2のライター点火補助具においては、縦長状ケース部材と、揺動レバーと、門型スライド部材を備え、門型スライド部材と揺動レバーを連結して、揺動レバーの閉揺動によって門型スライド部材を下方へスライドさせて点火する構成となっている。
【0005】
このライター点火補助具においては、ライターの点火動作時に、使用者が縦長状ケース部材及び揺動レバーのどの位置を握って操作するかが明確でないため、手指が火口に近い位置で揺動レバーを握ると、火口と手指が近い状態で点火される恐れがある。また、立てた蝋燭等に火を点す場合に、ライターを水平に保持して点火する際に、火炎と手指との距離が近くなることが予想される。
【0006】
一方、ライター点火時の火炎と手指との間隔を保つためにライター自体の構造を改良した点火棒状型ライターも開発されている。この点火棒状型ライターについても、点火ボタンの操作荷重を大きくして悪戯防止を図った構造となっている。このような点火棒状型ライターについても、容易に着火させることが可能な特許文献3に示されたライター点火補助具が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2001-343122号公報
【文献】特開2014-219177号公報
【文献】特開2015-10719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に示されたライター点火補助具を用いる点火棒型ライターは、点火火口を先端に有する棒状延長部と、棒状延長部の基端側に直列状に配置される把持部と、棒状延長部と把持部の間に配置され内部に点火ボタンが設けられた指挿入窓部が開口しているライター操作部とを有した構造であり、着火操作時に手指と火口の距離が離れた配置となっており、火炎と手指との距離が保たれた構造となっている。ところで、前記点火棒状型ライターは、小型の縦長状の直方体型のライターに比べて構造が複雑で価格も高価なものが多い。
【0009】
一方、小型で縦長状をなした直方体型の圧電着火式ライターは、安価で大量に出回っており、特許文献2のライター点火補助具との組合せにより、点火を容易に行うことが可能になっている。しかしながら、特許文献2のライター点火補助具においては、前述のように、ライターの点火動作時に、使用者が不用意に縦長状ケース部材及び揺動レバーの火口に近い位置を握って操作した場合に、手指と火炎との距離が近づくことになり火傷を負う心配がある。また、ライターを横向き即ち長手方向を水平にして保持し点火した場合にも、火炎と手指との間隔が近くなる恐れがある。
【0010】
そこで、本発明の目的とするところは、小型の縦長状の直方体型の圧電着火式ライターに用いるライター着火補助具において、点火動作時に、火炎と手指との間隔を適正に保ち、かつ、握力の弱い利用者でも容易に点火することとができるライター点火補助具を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、前面部と、後面部と、左右両側面部と、上面部と、底面部とからなる縦長形状の直方体に形成されており、前記上面部の前位置に火口部を備え、かつ、前記上面部の後位置に点火ボタンを備えた圧電着火式ライターを装着するライター着火補助具であって、前記圧電着火式ライターの前面部及び底面部を支持する本体支持具であって、その長手方向の全長が圧電着火式ライターよりも短く構成された本体支持具と、前記本体支持具の上端部に設置された回転軸により回動可能に取付けられ、圧電着火式ライターの着火ボタンを押し下げる着火ハンドルであって、その全長が前記回転軸と着火ボタンとの距離の2倍以上3倍以内の長さに構成され、その長手方向を前記本体支持具に対してほぼ一直線となる位置から前記着火ボタンを押し下げて圧電着火式ライターが着火した状態で前記本体支持具の長手方向にほぼ直行する位置まで回動可能に取付けられた着火ハンドルと、前記本体支持具における前記着火ハンドルを回動可能に支持する前記回転軸の設置位置よりも下端側の 位置に、前記本体支持具の長手方向に対して直交する方向にその長手方向を配置しており、その全長が前記着火ハンドルと同等な長さに構成された着火補助ハンドルであって、前記本体支持具に装着された圧電着火式ライターの左右両側面を支える着火補助ハンドルとから構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のライター着火補助具によれば、小型の縦長状の直方体型の圧電着火式ライターの点火動作時に、火炎と手指との間隔を適切に保ち、かつ、握力の弱い利用者であっても容易に点火することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】 本発明による第一実施形態のライター着火補助具に圧電着火式ライターを装着して着火した状態を示す側面図である。
図2図1に示したライター補助具を折畳んだ状態を示す側面図である。
図3図1に示したライター着火補助具に圧電着火式ライターを装着する状況を示す側面図である。
図4図1に示したライター着火補助具に圧電着火式ライターを装着し着火する直前の状況を示す側面図である。
図5図1に示したライター着火補助具のライター着火状態における図6のY-Y位置に相当する断面図である。
図6図4のX-X方向から見た図1に示すライター着火補助具の正面図である。
図7図4のZ-Z方向から見た図1に示すライター着火補助具の平面図である。
図8図1に示したライター着火補助具における本体支持具を示す斜視図である。
図9図1に示したライター着火補助具における着火補助ハンドルを示す斜視図である。
図10図1に示したライター着火補助具における着火ハンドルを示す斜視図である。
図11】 本発明による第二実施形態のライター着火補助具に圧電着火式ライターを装着する状況を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第一実施形態について、図1乃至図10により説明する。
圧電着火式ライター10は、前面部と後面部と左右両側面部、底面部及び上面部からなる縦長状をなした薄い直方体に構成されている。上面部には、前位置に火口部12が配置されており、後位置に点火ボタン11が配置されている。なお、前面部及び後面部は、長手方向に直行する断面において前後方向に突出した円弧面に形成されている構造のものもある。また、左右両側面についても、長手方向に直行する断面において外側に突出した円弧面に形成されているものもある。
【0015】
圧電着火式ライター10の着火を補助するライター着火補助具50は、本体支持具20と、着火補助ハンドル30と、着火ハンドル40とから構成されている。
本体支持具20は、図8に示すようにコ字型断面のアルミ製型材から構成されている。本体支持具20は、コ字型断面の中央部を成すライター支持部21と、コ字型断面におけるライター支持部21の両側に形成された側面部22及び側面部23とから構成されている。ライター支持部21の背面側で、圧電着火式ライター10の前面部を受ける構成となっている。側面部22及び側面部23には、後述する回転軸S3、回転軸S4及び支持軸S5を取付ける取付け穴H3、取付け穴H4及び取付け穴H5が設けられている。
【0016】
側面部22及び側面部23には、後述する着火補助ハンドル30及び着火ハンドル40をそれぞれ回動可能に支持する回転軸S3と回転軸S4が取付け穴H3と取付け穴H4を貫通して設けられている。また、支持軸S5が取付け穴H5を貫通して設けられている。ライター支持部21の下端部には、圧電着火式ライター10の底面部を支持する底壁24が側面部22及び側面部23に対して逆方向に突出するように構成されている。底壁24は、圧電着火式ライター10の着火時に、点火ボタン11を押圧した際の反力を受けるために必要な強度を確保した構成となっている。底壁24は、ライター支持部21の下端部分を折り曲げて形成するか、又は、断面L字状の別部材を取付けることにより構成される。
【0017】
圧電着火式ライター10は、本体支持具20に対して図1図3図4図5に示すように装着される。本体支持具20のライター支持部21に圧電着火式ライター10の前面部を押し当て、かつ、本体支持部20の底壁24に圧電着火式ライター10の底面部を押し当てることにより、本体支持部20に対して圧電着火式ライター10を装着している。本体支持具20の全長は、圧電着火式ライター10の底面部が底壁24に接した状態で、火口部12が本体支持具20の上端部から露出する長さに構成されている。したがって、本体支持具20の全長は、圧電着火式ライター1の長手方向の長さ寸法より短く構成されている。
【0018】
着火補助ハンドル30は、図9に示すようにコ字型断面のアルミ製型材から構成されている。着火補助ハンドル30は、着火動作時に、操作者の指からの力を受けるコ字型断面における中間部31と、中間部31の両側に形成され本体支持具20に対して回動可能に取付けられる側壁部32及び側壁部33とから構成されている。対向配置された側壁部32及び側壁部33のそれぞれの回動基端側には、本体支持具20の回転軸S3に嵌合する取付け穴34が設けられている。また、側壁部32及び側壁部33の回転基端側の取付け穴34の上側には、本体支持具20に設けられた支持軸S5に係合して、着火補助ハンドル30を本体支持具20に対してほぼ直角な位置で保持する係合部35が構成されている。
【0019】
着火補助ハンドル30における側壁部32と側壁部33との間隔即ち中間部31の幅寸法は、本体支持具20のライター支持部21の幅寸法より広く構成されている。したがって、図2に示すように、圧電着火式ライター10を本体支持具20に装着していない状態において、本体支持具20に対して着火補助ハンドル30を重ね合せて折り畳むことができる構造となっている。本体支持具20と着火補助ハンドル30の幅寸法については、図6にも示されているとおり、本体支持具20より着火補助ハンドル30の幅寸法が若干広くなっており、本体支持具20に対して着火補助ハンドル30を重ねて折り畳める構成となっている。着火補助ハンドル30は、中間部31を下向きとし、コ字型断面の開口部側を上方側即ち着火ボタン側に向けて本体支持具20に取付けられる。
【0020】
着火補助ハンドル30における側壁部32と側壁部33との間隔は、装着される圧電着火式ライター10の左右両側面部間の幅を考慮して形成されている。即ち、圧電着火式ライター10を本体支持具20に装着する際に、着火補助ハンドル30の側壁部32及び側壁部33によって圧電着火式ライター10の両側面を支えることになる。したがって、側壁部32と側壁部33との間隔は、圧電着火式ライター10の左右両側面間の厚さ寸法よりも広く、圧電着火式ライター10を収納可能な寸法に構成されている。また、側壁部32と側壁部33の間隔は、圧電着火式ライター10の前面部と後面部との前後方向の幅寸法よりも狭く構成され、側壁部32と側壁部33の間に設置された圧電着火式ライター10が横向きになることを防止可能な寸法に構成されている。この構成により、側壁部32と側壁部33との間に装着された圧電着火式ライター10がその前面部を本体支持具20のライター支持部21に確実に向けられるように構成されている。
【0021】
図9に示すように、着火補助ハンドル30の中間部31は、側壁部32及び側壁部33よりその長手方向の長さが寸法L3だけ短く構成されている。即ち、中間部31の先端部31Eは、取付け穴34から寸法L3に相当する部分を切除して構成されている。この寸法L3は、図5に示した回転軸S3から底壁24の先端部までの寸法L2よりも若干長くなるように構成されている。このように着火補助ハンドル30の寸法L3に相当する部分を切除して、先端部31Eを形成することにより、着火補助ハンドル30を本体支持具20に対して図1に示した状態から図2に示すように折畳むことができる。図5に示した圧電着火式ライター10を点火する状況において、着火補助ハンドル30の側壁部32及び側壁部33と、本体支持具20のライター支持部21とによって、圧電着火式ライター10を挿入する開口部が形成される。
【0022】
また、底壁24は、圧電着火式ライター10の着火動作時に問題なく保持できる最小限の突出寸法に形成されている。即ち、底壁24の突出寸法が長い場合には、前記寸法L2が長くなるため、着火補助ハンドル30の寸法L3を長くする必要があり、着火補助ハンドル30の全長を長くする等の影響が懸念されるためである。
【0023】
着火ハンドル40は、図10に示すようにコ字型断面のアルミ製型材から構成されている。着火ハンドル40は、着火動作時に、操作者の指からの力を受けるコ字型断面における中間部41と、中間部41の両側に形成され本体支持具20に対して回動可能に取付けられる側壁部42及び側壁部43とから構成されている。対向配置された側壁部42及び側壁部43のそれぞれの回動基端側には、本体支持具20の回転軸S4に嵌合する取付け穴44が設けられている。着火ハンドル40の側壁部42と側壁部43との間隔即ち中間部41の幅寸法は、着火補助ハンドル30の幅寸法より広く構成されている。したがって、図2に示すように、圧電着火式ライター10を本体支持具20に装着していない状態において、本体支持具20及び着火補助ハンドル30に対して着火ハンドル40を重ね合せて折り畳むことができる構造となっている。
【0024】
着火補助ハンドル30と着火ハンドル40の幅寸法については、図6にも示されているとおり、着火補助ハンドル30より着火ハンドル40の幅寸法が若干広くなっており、着火補助ハンドル30に対して着火ハンドル40を重ねて折り畳める構成となっている。着火ハンドル40は、中間部41を上向きとし、コ字型断面の開口部側を下方側即ち着火補助ハンドル30側に向けて設置されている。
【0025】
図10に示すように、着火ハンドル40の中間部41は、その長手方向の長さが各側壁部42,43より寸法L4だけ短く構成されている。前記寸法L4は、本体支持具20の回転軸S4に着火ハンドル40を回動可能に取付けた状態で、本体支持具20に装着された圧電着火式ライター10の着火ボタン11に対応した位置に中間部41の先端部41Eが位置する長さに構成されている。したがって、本体支持具20に装着された圧電着火式ライター10の着火ボタン11に対して着火ハンドル4を回動させ、その中間部41の先端部41Eを押し当てることにより着火させることができる構造となっている。着火ハンドル40の側壁部42及び側壁部43の上辺、即ち、中間部41の先端部41Eよりも回動基端側に伸びる側壁部42及び側壁部43の上辺部は、それぞれの幅寸法が回動基端部側に行くにしたがって狭くなるように構成されている。着火ハンドル40の全長は、圧電着火式ライター10の着火ボタン11と回転軸S4との距離の2倍以上3倍以内の長さに構成されている。即ち、着火ハンドル40の回動先端部が図2に示した折り畳んだ状態における本体支持具20の底壁24の位置とほぼ重なる長さとするのが実用的である。なお、着火ハンドル40の全長をさらに長くする場合でも、図2に示す折り畳んだ状態において着火補助ハンドル30の端部より突出する長さとするのは実用的でない。
【0026】
本体支持具20に対して着火ハンドル40を回動可能に取付けるための回転軸S4は、本体支持具20の上端部に設置されており、かつ、ライター支持部21に近い位置に設けられている。また、回転軸S4は、着火ハンドル40の中間部41が圧電着火式ライター1の着火ボタン11を押し下げて着火した状態で、着火ハンドル40が本体支持具20に対してほぼ直交する位置となるように配置されている。回転軸S4に回動可能に取付けられた着火ハンドル40は、図2に示すように折畳んだ状態で、後述する回転軸S3及び支持軸S5と着火ハンドル40の側壁部42,43が重ならないようにライター支持面21に近い位置に配置されている。
【0027】
本体支持具20の長手方向における回転軸S3と回転軸S4の配置は、図1に示すように配置されている。回転軸S3は、本体支持具20の長手方向の中央部より上端側に配置されている。回転軸S4は、回転軸S3より更に上端側であって、本体支持部20の上端に近い位置に配置されている。この回転軸S3と回転軸S4の配置は、図1に示すように圧電着火式ライター10が着火した状態において、着火補助ハンドル30と着火ハンドル40がほぼ平行な配置となるよう構成されている。また、回転軸S3に対して、支持軸S5は、側壁部32及び側壁部33の回転穴34と係合部35との間隔に対応して配置されている。支持軸S5は、回転軸S3よりも本体支持具20の上端側に配置されており、着火補助ハンドル30が回転軸S3を中心に回動して本体支持具20に対してほぼ直交する位置となった状態で係合部35を受ける配置となっている。
【0028】
したがって、回転軸S4と、回転軸S3及び支持軸S5とは、図1及び図5に示すように、着火補助ハンドル30を本体支持具20に対して直交する位置に固定し、着火ハンドル40を着火位置に押下げた状態で、着火補助ハンドル30と着火ハンドル40がほぼ平行となるように配置されている。回転軸S4、回転軸S3及び支持軸S5は、図6及び図7に示すようにビスとナットとの組合せにより構成されている。
【0029】
このように構成されたライター着火補助具50において、圧電着火式ライター10を装着する際の各部の操作方法を説明する。図2に示したライター着火補助具50を折畳んだ状態から、まず、着火ハンドル40を本体支持具20とほぼ一直線となる位置まで回動させる。次に、着火補助ハンドル30を回動させて、図3に示すように着火補助ハンドル30の係合部35が支持軸S5に係合して固定される。この状態で圧電着火式ライター10を着火補助ハンドル30の側壁部32と側壁部33との間に挿入し、本体支持具20のライター支持部21及び底壁24に押し当てて装着する。そして、図3に示した状態から着火ハンドル40を回動させ、図4に示した状態で中間部41の先端部41Eが着火ボタン11に当たる。さらに、着火ハンドル40を押し下げて、図1及び図5に示すように、着火ハンドル40と着火補助ハンドル30がほぼ平行になった状態で、圧電着火式ライター10が着火される。
【0030】
ライター着火補助具50によれば、圧電着火式ライター10の着火ボタン11を着火ハンドル40により押圧する際に、回転軸S4から着火ボタン11までの距離に対して、回転軸S4から着火ハンドル40の操作者による握り位置までの距離がほぼ2倍程度となるため、握力の弱い者であっても容易に着火することができる。また、ライター着火補助具50から圧電着火式ライター10を外しておけば、幼児などの悪戯等を防止することができる。
【0031】
ライター着火補助具50によって圧電着火式ライター10の着火を行う場合、操作者は着火ハンドル40と着火補助ハンドル30を握って着火動作を行うことになる。このため、火口12から操作者の手指までの距離が、装着した圧電着火式ライター10の後面部より離れた位置となる。即ち、着火補助ハンドル30と着火ハンドル40を操作者が握って着火を行う場合に、手指が圧電着火式ライター10の後面部に接するため、手指が火炎側へ近付くのを防止することができる。したがって、着火した圧電着火式ライター10の火炎13と手指との間隔が一定に保たれるため、火傷の心配がない。また、ライター着火補助具50によれば、圧電着火式ライター10を横向きにして蝋燭などに着火する場合にも、火炎13と手指との間隔を一定以上に保つことが可能であり、火傷の心配がない。
【0032】
また、ライター着火補助具50から圧電着火式ライター10を取外し、図2に示すように本体支持部20に対して、着火補助ハンドル30及び着火ハンドル40を折畳むことができる。このように折畳んだライター着火補助具50は、大人の手に納まる程度の大きさとすることができる。したがって、持ち運びに便利であり、嵩張ることもない。着火操作以外においては、ライター着火補助具50と圧電着火式ライター10を分離しておけば、幼児等の悪戯も防止できる。
【0033】
ところで、前記実施形態においては、着火補助ハンドルを本体支持具に対して回動可能な構成としているが、着火補助ハンドルを本体支持具に対して固定する構造も考えられる。本体支持具に対して着火補助ハンドルをほぼ直角な位置で固定し、着火ハンドルは前記実施形態と同様に取付ける構造とする。
【0034】
このような構成によれば、ライター着火補助具としては、前記ライター着火補助具50よりも携帯に不向きであるが、操作者の手指と火炎との距離を保った状態で、握力の弱い者でも楽に着火を行うことができる。
【0035】
更に、前記実施形態においては、本体支持具をコ字型断面のアルミ製型材によって構成した事例を説明したが、この本体支持具をプラスチック等の合成樹脂によって構成することも考えられる。即ち、本体支持具を合成樹脂によって構成し、回転軸S3、回転軸S4及び支持軸S5を設置可能な厚さを備えた構成とすることも考えられる。また、回転軸S3、回転軸S4及び支持軸S5が設置されている位置に、一体成型によって突出した二つの回転軸及び支持軸を構成することも考えられる。
【0036】
前記実施形態における着火補助ハンドル30及び着火ハンドル40についても、プラスチック等の合成樹脂によって構成することも考えられる。着火補助ハンドル及び着火ハンドルを合成樹脂によって構成する場合には、それぞれの側壁部及び中間部について、必要な強度を確保するためにその厚さを厚くする必要がある。
【0037】
次に、本発明の第二実施形態について、図11により説明する。図11に示すライター補助具70は、前記ライター補助具50と基本的な構造が同一であり、構成する各部材の形状も同一であり、各部材の符号も同一の符号を用いて説明する。ライター補助具70においては、回転軸S4を中心として着火ハンドル40の回動先端部側を上方へ回動させる着火ハンドル跳ね上げばね61が設けられている。着火ハンドル跳ね上げばね61は、中央部のコイル部61Cと、着火ハンドル40に沿って伸びた跳ね上げ部61Eと、本体支持具20のライター支持部21に沿って伸びた基端部61Rとから構成されている。着火ハンドル跳ね上げばね61のコイル部61Cは、回転軸S4に装着されている。跳ね上げ部61Eは、着火ハンドル40の長手方向中間位置で、その先端が着火ハンドル40に係合する構成となっている。着火ハンドル跳ね上げばね61の基端部61Rは、本体支持具20のライター支持部21に係合する構造となっている。この着火ハンドル跳ね上げばね61により、利用者が何ら操作しない状態で、着火ハンドル40は、図11に示された状態に跳ね上げられている。
【0038】
また、ライター補助具70においては、回転軸S3を中心として着火補助ハンドル30の回動先端部側を本体支持部20に対して直交する位置に跳ね上げる着火補助ハンドル跳ね上げばね62が設けられている。着火補助ハンドル跳ね上げばね62は、中央部のコイル部62Cと、着火補助ハンドル30に沿って伸びた跳ね上げ部62Eと、本体支持具20のライター支持部21に沿って伸びた基端部62Rとから構成されている。跳ね上げ部62Eは、着火補助ハンドル30の長手方向中間位置で、その先端が着火補助ハンドル30に係合する構成となっている。着火補助ハンドル跳ね上げばね62の基端部62Rは、本体支持具20のライター支持部21に係合する構造となっている。この着火補助ハンドル跳ね上げばね62により、利用者が何ら操作しない状態で、着火補助ハンドル30は、図11に示されるように本体支持具20に対して直交する状態に跳ね上げられている。
【0039】
ライター補助具70の着火補助ハンドル30及び着火ハンドル40を収納状態に折畳むために、固定具63が設けられている。固定具63は、本体支持具20に取付けられている。固定具63の基端部は、本体支持具20の長手方向に伸びた軸に回動可能に取付けられ、その先端部は、折畳んだ着火ハンドル40に係合可能に構成されている。したがって、着火補助ハンドル30及び着火ハンドル40を本体支持部20に対して折畳んだ状態で、着火ハンドル40を固定する構造となっている。したがって、ライター補助具70に圧電着火式ライター10を装着する場合、固定具63を着火ハンドル40から外すことにより、着火ハンドル40及び着火補助ハンドル30が図11に示す状態に跳ね上がり、圧電着火式ライター10を装着可能な状態となる。このようにライター補助具70は、着火ハンドル跳ね上げばね61と着火補助ハンドル跳ね上げばね62を設けることにより、圧電着火式ライター10の装着が簡単に行える。
【0040】
10・・・圧電着火式ライター、11・・・点火ボタン、12・・・火口部、13・・・火炎、20・・・本体支持具、21・・・ライター支持部、22・・・側面部、23・・・側面部、24・・・底壁、30・・・着火補助ハンドル、31・・・中間部、32・・・側壁部 33・・・側壁部、34・・・取付穴 35・・・係合部、40・・・着火ハンドル、41・・・中間部部、41E・・・先端部、42・・・側壁部、43・・・側壁部、50・・・ライター着火補助具、61・・・着火ハンドル跳ね上げばね、61C・・・コイル部、61E・・・跳ね上げ部、61R・・・基端部、62・・・着火補助ハンドル跳ね上げばね、
62C・・・コイル部、62E・・・跳ね上げ部、62R・・・基端部、63・・・固定具、70・・・ライター着火補助具、S3・・・回転軸、S4・・・回転軸、S5・・・支持軸、H3・・・取付穴、H4・・・取付穴、H5・・・取付穴、L2・・・回転軸S3から底壁24の先端部までの長さ、L3・・・中間部31の先端部31Eから取付穴34までの長さ、L4・・・中間部41の先端部41Eから取付穴44までの長さ
【要約】      (修正有)
【課題】火炎と手指との間隔を適正に保ち、かつ、握力の弱い利用者でも容易に点火できるライター点火補助具を提供する。
【解決手段】圧電着火式ライター10を装着するライター着火補助具50であり、ライターの前面部及び底面部を支持する本体支持具20でその長手方向の全長がライターよりも短い本体支持具と、本体支持具の上端部に回動可能に取付けられライターの着火ボタン11を押し下げる着火ハンドル40で全長が回転軸S4と着火ボタンとの距離の2倍以上3倍以内の長さに構成、ライターが着火した状態で本体支持具の長手方向にほぼ直交する位置に配置される着火ハンドルと、本体支持具の着火ハンドル設置位置よりも下端側に、本体支持具の長手方向に直交する方向にその長手方向を配置、全長が着火ハンドルと同等な長さの着火補助ハンドル30で、本体支持具に装着されたライターの左右両側面を支える着火補助ハンドルとから構成する。
【選択図】図1
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