(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】屋外用収納棚
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20221223BHJP
A47B 43/00 20060101ALI20221223BHJP
A47G 29/124 20060101ALI20221223BHJP
A47G 29/122 20060101ALI20221223BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
E04H1/02
A47B43/00 A
A47G29/124
A47G29/122 D
E04B1/00 503
(21)【出願番号】P 2019102510
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 仁史
(72)【発明者】
【氏名】飯村 慶子
(72)【発明者】
【氏名】角 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】川手 隆
(72)【発明者】
【氏名】山本 政博
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅純
(72)【発明者】
【氏名】林 伸昭
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-325(JP,A)
【文献】登録実用新案第3122288(JP,U)
【文献】特開平6-299773(JP,A)
【文献】特許第4138454(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00
E04H 1/02
E04F 13/08
E04F 19/08
A47B 43/00
A47G 29/00-29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、
複数の直線部を含んで形成される枠体と、
前記枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、
前記枠体の側方を覆う化粧パネルと、を備え、
前記枠体は溝を有し、前記溝には建物の構造躯体に取り付けるための固定具がスライド可能に挿入され、
前記固定具は、前記構造躯体に対し連結具により、前記構造躯体の下地補強位置で連結される、
屋外用収納棚。
【請求項2】
請求項1に記載の屋外用収納棚において、
前記連結具は、ワイヤーと、前記ワイヤーに連結され、前記構造躯体の前記下地補強位置に固定可能な金具とを含んで構成される、
屋外用収納棚。
【請求項3】
請求項1に記載の屋外用収納棚において、
前記固定具は、T字形の突っ張り金具であり、
前記連結具は、前記突っ張り金具の軸部の一端が固定され、ネジにより前記構造躯体の前記下地補強位置に固定可能な固定部材を含んで構成される、
屋外用収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されているように、住宅の玄関先に設置される収容ボックス付き支柱が記載されている。この支柱は、2つの板状の柱部が直交するように連結され、その上端と下側とに天板及びベース部が連結されている。そして、2つの柱部に挟まれるようにハウジング、郵便ポスト、宅配ボックスが上下に並んで支持されている。支柱は下端部が地中に埋設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成では、支柱が地中に埋設されるので、設置作業に手間を要する。特に、埋設位置のコンクリート等の基礎部が完成した後で支柱を設置する場合には、基礎部に穴を形成する等、埋設のための作業の手間が大きくなる。
【0005】
本開示の目的は、設置作業が容易であり、かつ倒れにくい屋外用収納棚を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の屋外用収納棚は、玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、複数の直線部を含んで形成される枠体と、枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、枠体の側方を覆う化粧パネルと、を備え、枠体は溝を有し、溝には建物の構造躯体に取り付けるための固定具がスライド可能に挿入され、固定具は、構造躯体に対し連結具により、構造躯体の下地補強位置で連結される、屋外用収納棚である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る屋外用収納棚によれば、枠体の側では、溝に固定具をスライドさせることにより、枠体が、連結具を介して構造躯体の下地補強位置で連結された構造を実現できる。これにより、収納棚の設置作業が容易であり、かつ倒れにくい構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の屋外用収納棚の設置状態の1例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す屋外用収納棚において脚部を省略して示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す屋外用収納棚において、一部を省略し、一部の棚板を取り付ける直前の状態であって、鍵付き扉を開いている状態を示す図である。
【
図4】一部を省略して示している
図3のA部拡大図である。
【
図6】実施形態において、枠体の溝に固定具をスライドさせ、固定具を連結具により構造躯体に連結する状態を、一部を切断して示す図である。
【
図7】別例の2例の化粧パネルを示す斜視図である。
【
図8】実施形態の別例の屋外用収納棚の設置状態の1例を示す斜視図である。
【
図9】実施形態の別例において、枠体の溝に固定具をスライドさせ、固定具を連結具により構造躯体に連結する状態を示す図である。
【
図10】複数の収納棚を連結する状態の1例において、化粧パネルを省略して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、屋外用収納棚の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0010】
図1は、実施形態の屋外用収納棚10の設置状態の1例を示す斜視図である。
図2は、屋外用収納棚10において脚部90(
図3)を省略して示す斜視図である。
図3は、屋外用収納棚10において、一部を省略し、一部の棚板30を取り付ける直前の状態であって、前側扉31を開いている状態を示す図である。
図4は、一部を省略して示している
図3のA部拡大図である。
図5は、
図4のC-C断面図である。
図6は、実施形態において、枠体12の後側端の柱部20の溝20aに第1固定具50をスライドさせ、第1固定具50を連結具60により構造躯体100aに連結する状態を、一部を切断して示す図である。
【0011】
図1に示すように、屋外用収納棚10は、住宅等の建物100の玄関先の屋外に設置される。本例では、屋外用収納棚10は、例えば玄関先の壁101に近接して設置される。以下では屋外用収納棚10を収納棚10と記載する場合がある。また、以下では、収納棚10の被収納物の取り出し方向であり開口91がある前側をF、その反対側である後側をBで示し、前側Fから見た右側、左側をR,Lで示す場合がある。
【0012】
後述するように、収納棚10は、後側B端で、建物100の構造躯体100a(
図6)に対し、固定具50(
図6)と連結具60とにより、壁101の外壁パネル102の裏側で構造躯体100aの下地補強位置である間柱106(
図6)で連結される。
【0013】
図2に示すように、収納棚10には、例えば被収納物として、郵便ポスト103、及び宅配ボックス104が収納される。
図2では、郵便ポスト103の投函口103aが、収納棚10の左側L端の化粧パネル40に形成された開口41から露出している。また、その化粧パネル40の外側にはインターフォン105が取り付けられている。宅配ボックス104は、略直方体状であり、宅配荷物を無人で受け取り可能である。宅配ボックス104は、宅配業者が内部の荷物室に荷物を入れた状態で扉が施錠される。収納棚10を所有する等の、建物の住人である荷物の受取人は、宅配ボックス104の扉に配置された鍵穴部に鍵を入れて解錠することで、扉を開放し、荷物を取り出すことが可能である。本例では、収納棚10の最下端の後述の棚板30上に宅配ボックス104が設置されることにより、宅配ボックス付き収納棚が形成される。
【0014】
収納棚10は、枠体12と、複数の棚板30と、2つの化粧パネル40と、前側扉31とを含んで構成される。
図1では、棚板30、化粧パネル40及び前側扉31の図示を省略している。枠体12は、複数の直線部を含んで形成される直方体状である。具体的には、
図3に示すように、枠体12は、四隅に配置された4本の上下方向に延びる柱部14、20と、4本の柱部14、20の上下方向の2つの位置を連結し水平方向に延びる複数の連結部18とを有する。柱部14、20及び連結部18は直線部に相当する。
図3に示す前側F端の2つの柱部14は、
図4に示すように上下方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、上下方向に延びる溝14a、14b、14c、14dが形成されている。
図3に示す後側B端の2つの柱部20は、
図6に示すように上下方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、上下方向に延びる溝20a、20b、20c、20dが形成されている。柱部20の中心部には上下方向の貫通孔21が形成され軽量化が図られている。さらに、柱部20の溝の幅方向両側の開口端には、上下方向全長にわたって幅方向内側に延びる鍔部22が形成される。これにより後述のようにT字形の第1固定具50(
図6)を挿入したときに溝20a、20b、20c、20d内での第1固定具50の頭部51b(
図6)のスライドを可能とするとともに、溝からの頭部51bの抜け防止が図られる。なお、枠体12の前側F端の2つの柱部14において、
図6の柱部20と同様に鍔部を有する形状とすることもできる。
【0015】
一方、
図4、
図5に示すように、連結部18は、水平方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、水平方向に延びる溝18a、18b、18c、18dが形成されている。
【0016】
図3の上側の4本の連結部18は、4本の柱部14、20の上端部を矩形の枠状に連結している。下側の4本の連結部18は、4本の柱部14、20の下端部を矩形の枠状に連結している。これにより、枠体12は直方体の各辺からなるような形状となっている。柱部14、20及び連結部18は、それぞれ鉄、アルミニウム合金等の金属により形成される。枠体12の軽量化と強度確保を図る面からは枠体12の各部はアルミニウム合金等の軽量な金属により形成することが好ましい。枠体12の下端の四隅には、脚部90(
図3)が連結される。
【0017】
図2に示すように、枠体12の右側R端及び左側L端には、2つの格子状の化粧パネル40が取り付けられる。これにより、枠体12の両側の側方が2つの化粧パネル40により覆われる。化粧パネル40は、上下両端に配置されて横方向に延びる2つの支持部(図示せず)と、2つの支持部の外側に連結された複数の格子要素44とを有する。格子要素44は、上下方向に延びる断面矩形の柱状であり、複数の格子要素44は、略等間隔で平行に配置される。格子状の化粧パネル40を用いる場合、風が当たっても風の多くを格子要素44間の隙間を通じて収納棚10を通過させることができる。これにより、風による収納棚10の転倒の可能性を低くできる。
【0018】
枠体12の右側R及び左側Lの両端外側の一部または上下方向複数位置に、水平方向(前後方向)に延びる枠体バー(図示せず)が取り付けられてもよい。この枠体バーに化粧パネル40が取り付けられてもよい。
【0019】
図2では4つの棚板30が枠体12の内側の上下方向に離れた4つの位置に固定するように配置される。棚板30は4つに限定せず2つまたは3つまたは5つ以上としてもよい。棚板30には被収納物が設置可能である。棚板30は、鉄、アルミニウム合金等の金属により形成される。
【0020】
なお、
図4と異なり、上側、下側のそれぞれの連結部18のみで矩形の枠を形成し、柱部14の上端及び下端をそれぞれの枠の下端及び上端に連結することで枠体を形成してもよい。
【0021】
さらに、
図2に示すように、前側扉31は、最上端の棚板30の上側にある内部空間120の前側を塞いでいる。例えば前側扉31は、上下両端で横方向に延びる直線状の支持部(図示せず)の外側に複数の格子要素31aが固定される。格子要素31aは、上下方向に延びる断面矩形の柱状であり、複数の格子要素31aは、略等間隔で平行に配置される。前側扉31の支持部及び格子要素31aは、アルミニウム合金等の金属により形成される。
【0022】
前側扉31は、枠体12の前側F端において、内部空間120の前方を覆うように取り付けられる。
図4に示すように、前側扉31は、右側R端部で例えばヒンジ等により枠体12に支持されることにより、枠体12に対し内部空間120の前方を開閉可能に取り付けられる。これにより、前側扉31は、収納棚10において側方に直交する方向の一方側である前方を覆うように上下方向の一部に取り付けられる。前側扉31の内側の内部空間120(
図2)には、
図3に示すように分電盤46や屋外コンセント48等の通常触られたくない機器が設置されてもよい。なお、前側扉31は省略してもよい。
【0023】
上記の収納棚10は、
図1、
図6に示すように壁101の裏側の構造躯体100a(
図6)に、4つの連結位置で連結される。このために、収納棚10は、4つの連結位置に応じて
図6に示す第1固定具50と連結具60とを、4つずつ備える。第1固定具50は、建物100の構造躯体100aに取り付けるための金具であり、T字形の本体部51と、本体部51に固定されたリング部52とを有する。本体部51は、軸部51aと、軸部51aの先端に固定され、軸部51aの直径より幅方向(
図6の左右方向)の張り出し長さが大きくなった頭部51bとを有する。軸部51aの直径は、柱部20の対向する鍔22の間隔より小さいが、頭部51bの張り出し長さはこの間隔より大きい。これにより、第1固定具50は、鍔22の間に軸部51aを貫通させ頭部51bを溝20a内に配置した状態で、溝20aにスライド可能に挿入される。
【0024】
連結具60は、無端ループ状に形成されたワイヤー61と、ワイヤー61に連結された金具である第2固定具62とを含む。第2固定具62は、第1固定具50の頭部51bがない形状と同様である。ワイヤー61が、第1固定具50のリング部52と、第2固定具62のリング部63とに通されることにより、第1固定具50と第2固定具62とがワイヤー61で連結される。第2固定具62の軸部64には、構造躯体100aに結合するためのネジ部が形成される。これにより、第2固定具62は、構造躯体100aの下地補強位置にねじ込みによって固定可能である。そして、第1固定具50は、構造躯体100aに対し連結具60により、構造躯体100aの下地補強位置で連結される。
【0025】
収納棚10の設置時には、設置作業者が、収納棚10において第1固定具50と連結具60とを除く部分を、壁101の外壁パネル102に接近して屋外に配置する。この状態で、後側端の2つの柱部20において後端面に形成された溝20aに、上端から2つずつ第1固定具50の頭部51bを順に挿入して下側にスライドする。そして、所望の取り付け位置で、それぞれの第2固定具62のネジ部を、外壁パネル102とその裏側の外壁下地である胴縁107とに貫通させてその裏側の間柱106にねじ込んで結合する。取付位置は、第2固定具62の取り付け作業のしやすさや、構造躯体100aを構成する間柱106の下地補強位置の状況を考慮して設定することができる。この作業を、後側端の左右両側2つの柱部20について行って、横方向に離れた2つの間柱106に対し、2つずつの連結具60により、2つずつの第1固定具50を下地補強位置で連結する。
【0026】
上記の収納棚10によれば、枠体12の側では、溝20aに第1固定具50をスライドさせることにより、枠体12が、連結具60を介して構造躯体100aの下地補強位置で連結された構造を実現できる。これにより、収納棚10の設置作業が容易であり、かつ倒れにくい構造を実現できる。また、特許文献1に記載された構造と異なり、収納棚10の下端部を地中に埋設する必要がない。さらに、溝20aに対する第1固定具50のスライド位置を調整することにより、構造躯体100aに対する連結位置を上下方向に調整できる。
【0027】
図7は、別例の2例の化粧パネル70,72を示す斜視図である。
図7(a)の化粧パネル70は、板状部材の外面に模様が描かれたり、凹凸が形成された外装材により形成される。
図7(b)の化粧パネル72は、アルミニウム等の金属板の複数位置に全体的に分散して穴73が形成されたパンチングメタルにより形成される。化粧パネルは外面が無地の平坦な板材から形成されてもよい。上記の
図1~
図6に示した構成では、2つの格子状の化粧パネル40の一方または両方の代わりに、
図7(a)または
図7(b)またはその他の化粧パネル70,72が用いられてもよい。
【0028】
図8は、実施形態の別例の収納棚10aの設置状態の1例を示す斜視図である。
図9は、実施形態の別例において、枠体12の連結部80の溝80aに突っ張り金具92をスライドさせ、突っ張り金具92を連結具96により庇108に連結する状態を示す図である。
【0029】
本例の収納棚10aは、上端部で前後の両端に位置する2本の連結部80にスライドして挿入された突っ張り金具92と、連結具96とによって、建物100の構造躯体である庇108に対し庇108の下地補強位置である桟109で連結される。突っ張り金具92は固定具に相当する。庇108は、玄関先で外側に突出する。桟109は、庇108の裏側(下側)に固定される。具体的には、枠体12の前後両端2本の連結部80の長手方向両端位置に、左右方向両端2本の連結部18が連結されて矩形の枠状部材が形成される。前後両端の2本の連結部80の形状は、
図6の柱部20と全長が異なる以外は同様である。具体的には、連結部80は、
図9に示すように水平方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、水平方向に延びる溝80a、80b、80c、80dが形成されている。連結部80の溝の幅方向両側の開口端には、水平方向全長にわたって幅方向内側に延びる鍔部82が形成される。
【0030】
さらに、収納棚10aは、2本の連結部80それぞれ2つの連結位置に応じて、
図9に示す突っ張り金具92と連結具96とを、4つずつ備える。突っ張り金具92は、収納棚10aを庇108に取り付けるためのT字形の金具である。突っ張り金具92は、軸部93と、軸部93の先端に固定され、軸部93の直径より幅方向の張り出し長さが大きくなった頭部94とを有する。軸部93には連結具96に固定するためのネジ部が形成される。
【0031】
連結具96は、固定部材97と、ネジ98とを含む。固定部材97は、長尺矩形状の板部97aの長手一端部から厚み方向に筒部97bが突出する。板部97aの長手方向他端部には穴97cが形成される。穴97cにネジ98が貫通され、そのネジ98が庇108の裏側の桟109にねじ込まれることで連結具96が桟109に固定可能である。連結具96が桟109に固定された状態で、筒部97bは、下側に突出する。筒部97bにはネジ孔が形成され、そのネジ孔に突っ張り金具92の軸部93がねじ込まれることで、軸部93の一端が固定される。この状態で突っ張り金具92の頭部94が前後方向に延びた状態で下端に配置される。そして、突っ張り金具92は、庇108に対し連結具96により、庇108の下地補強位置である桟109で連結される。
【0032】
収納棚10aの設置時には、予め上記のように突っ張り金具92が固定された4つの連結具96の板部97aをネジ98で庇108の横方向に離れた2つの桟109に固定する。このとき、4つの突っ張り金具92のうち、2つの突っ張り金具92は、庇108の先端側に横方向に分かれて配置し、残りの2つの突っ張り金具92は、先端側の2つの突っ張り金具92より壁101側に、横方向に分かれて配置する。そして、設置作業者が収納棚10aにおいて突っ張り金具92と連結具96とを除く部分を、屋外で庇108の下側に配置する。この状態で、前後両端の2つの連結部80において上端面に形成された溝80aに、長手方向一方側からそれぞれ2つずつの突っ張り金具92の頭部94を挿入して左右方向にスライドするように、収納棚10aを左右方向に移動させて、所望の設置位置に設置する。これにより、4つの突っ張り金具92が、庇108に対し連結具96により、下地補強位置で連結される。
【0033】
本例の構成の場合も、
図1~
図8の構成と同様に、枠体12の側では、溝80aに突っ張り金具92をスライドさせることにより、枠体12が、連結具96を介して構造躯体の下地補強位置で連結された構造を実現できる。これにより、収納棚10aの設置作業が容易であり、かつ倒れにくい構造を実現できる。本例の場合は、突っ張り金具92で枠体12が支持されるので、
図1~
図8の構成のようにワイヤー61(
図6)で支持する場合に比べて倒れにくくなる。また、収納棚10aを壁101から離れて配置できる。このため、玄関の扉110に対向させて庇108の下側に収納棚10aを設置することができる。この場合には、収納棚10aに対し、扉110を開放した場合において道路側からの目隠しの機能を持たすことができる。さらに、連結具96の取り付け位置を調整することにより、庇108に対する連結位置を容易に調整できる。本例においてその他の構成及び作用は、
図1~
図8の構成と同様である。
【0034】
図1~
図8の構成において、壁101に収納棚10を接近させて、本例の突っ張り金具92と連結具96とで、収納棚10を構造躯体の下地補強位置に連結することもできる。逆に、本例のように、庇108の下側に収納棚10aを配置して、
図1~
図8の第1固定具50(
図6)と連結具60(
図6)とによって、収納棚10aを庇108の下地補強位置に連結することもできる。
【0035】
図10は、複数の収納棚を連結する状態の1例において、化粧パネル40(
図1)を省略して示す斜視図である。
図10に示すように、収納棚の枠体12は横方向に複数個を1列に連結することにより、横方向に長い収納棚を形成することができる。このとき、横方向に隣り合う化粧パネルを連結してもよいが、各収納棚の枠体12で前側F端及び後側B端の連結部18、80の下端に柱部14、20の上端または下端を連結し、前側F端及び後側B端の連結部18、80の両端を化粧パネルより側方に突出させ、隣り合う収納棚で対向する連結部18、80の端部を連結してもよい。このとき、前側F端及び後側B端の連結部18、80の長手方向両端面に凹部または凸部を形成し、対向する連結部18、80で凹凸嵌合させてもよい。このように横長の収納棚を形成した場合、
図8、
図9に示した構成において、上記のように扉110(
図8)の前側に対向させて配置した場合の目隠しの機能を高くできる。
【0036】
また、照明装置を構成する直線状の導光棒53を枠体12の下端の連結部18と一部の棚板30とに形成した溝に配置してもよい。導光棒53は、アクリル樹脂等の透光性を有する樹脂材料またはガラス等から形成される。これにより、導光棒53が収納棚に固定されると共に、導光棒53が収納棚の外側または内側に大きく突出することを抑制できる。導光棒53の一端には発光ダイオード等を有する光源(図示せず)を対向させて導光棒53を全体的に発光させることができる。光源は白熱電球等としてもよい。光源を連結部18及び棚板30の溝に配置することで枠体12に固定してもよい。
【0037】
上記では、枠体12の両側の側方が化粧パネルにより覆われる場合を説明した。一方、枠体12の側方及びこの側方に直交する後方のみを化粧パネルにより覆ったり、枠体12の側方の一方側端のみに化粧パネルを取り付けてもよい。
【0038】
上記では、枠体の柱部14、20及び連結部18、80は、四面に溝が形成された構成を説明したが、溝は、柱部及び連結部の一部の面だけに形成されてもよく、また、一部の柱部及び連結部は、全ての面に溝がない形状としてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10,10a 屋外用収納棚(収納棚)、12 枠体、14 柱部、14a,14b,14c,14d 溝、18 連結部、18a,18b,18c、18d 溝、20 柱部、20a,20b,20c,20d 溝、30 棚板、31 前側扉、40 化粧パネル、46 分電盤、48 屋外コンセント、50 第1固定具、60 連結具、61 ワイヤー、62 第2固定具、80 連結部、80a,80b,80c、80d 溝、92 突っ張り金具、96 連結具、100 建物、101 壁、102 外壁パネル、106 間柱、108 庇、109 桟、110 扉。