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特許7199036照明システム、照明器具および照明システムの制御方法
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  • 特許-照明システム、照明器具および照明システムの制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】照明システム、照明器具および照明システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/18 20200101AFI20221223BHJP
【FI】
H05B47/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019029510
(22)【出願日】2019-02-21
(65)【公開番号】P2020136132
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 幸夫
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-029090(JP,U)
【文献】特開2016-181454(JP,A)
【文献】特開2016-136500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具を備える照明システムであって、
前記複数の照明器具は、コントローラから出力される照明制御信号が伝送される同一のネットワークに接続された第1および第2照明器具を含み、
前記第1照明器具は、
ユーザが動作設定を行うための操作部と、
前記操作部が受けた動作設定に従って、自己の動作設定を行う第1設定部と、
前記第1設定部によって設定された動作設定を示す専用信号を生成する信号生成部と、
前記信号生成部によって生成された専用信号を、前記ネットワークに送信する第1通信部とを備え、
前記第2照明器具は、
前記ネットワークから前記専用信号を受信する第2通信部と、
前記専用信号が示す動作設定を、自己の動作設定として設定する第2設定部とを備えることを特徴とする照明システム。
【請求項2】
請求項1記載の照明システムにおいて、
前記信号生成部は、前記専用信号を前記照明制御信号と同一のプロトコルで生成することを特徴とする照明システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の照明システムにおいて、
前記第1照明器具は、前記第1設定部によって自己の動作設定が行われたとき、前記専用信号を前記ネットワークに送信することを特徴とする照明システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の照明システムにおいて、
前記第1照明器具は、前記専用信号を送信するか否かを設定可能に構成されていることを特徴とする照明システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の照明システムにおいて、
前記第2照明器具は、前記専用信号が示す動作設定を、自己の動作設定として設定するか否かを設定可能に構成されていることを特徴とする照明システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載の照明システムにおいて、
前記動作設定は、ネットワークにおける通信アドレスの設定、前記照明制御信号が遮断された場合の動作設定、制御チャンネルモードの設定、色補正モードの有無の設定、調光カーブの設定、調光レベル表示方式の設定、点灯状態の設定、調光分解能の設定、放熱ファンのON/OFFの設定、ランプチェックのON/OFFの設定、および色温度の設定のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする照明システム。
【請求項7】
コントローラから出力される照明制御信号が伝送されるネットワークに接続される照明器具であって、
ユーザが動作設定を行うための操作部と、
前記操作部が受けた動作設定に従って、自己の動作設定を行う設定部と、
前記設定部によって設定された動作設定を示す専用信号を生成する信号生成部と、
前記信号生成部により生成された専用信号を、前記ネットワークに送信する通信部とを備えることを特徴とする照明器具。
【請求項8】
請求項7記載の照明器具において、
前記通信部は、前記ネットワークから、他の照明器具から送信された、当該他の照明器具の動作設定を示す前記専用信号を受信し、
前記設定部は、前記専用信号が示す動作設定を、自己の動作設定として設定することを特徴とする照明器具。
【請求項9】
コントローラから出力される照明制御信号が伝送されるネットワークに接続される照明器具であって、
前記ネットワークから、他の照明器具から送信された、当該他の照明器具の動作設定を示す専用信号を受信する通信部と、
前記専用信号が示す動作設定を、自己の動作設定として設定する設定部とを備えることを特徴とする照明器具。
【請求項10】
複数の照明器具を備える照明システムの制御方法であって、
前記複数の照明器具は、コントローラから出力される照明制御信号が伝送される同一のネットワークに接続された第1および第2照明器具を含み、
前記第1照明器具は、
ユーザからの動作設定を受け、
ユーザから受けた動作設定に従って、自己の動作設定を行い、
設定した自己の動作設定を示す専用信号を生成し、
生成した専用信号を、前記ネットワークに送信し、
前記第2照明器具は、
前記ネットワークから前記専用信号を受信し、
受信した専用信号が示す動作設定を、自己の動作設定として設定することを特徴とする照明システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の照明器具を備える照明システムにおける照明器具の動作設定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コントローラから各照明器具に照明制御信号を送信して、照明器具を制御する照明システムが知られている。特許文献1では、広域ネットワークのそれぞれのアクセスポイントを介して、別々のローカルエリアネットワークに接続されている照明負荷の調光制御を行うことができる調光制御端末装置(コントローラ)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-140026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、照明器具には、各種の動作設定(例えば、通信アドレスの設定や照明制御信号断絶時の設定等)を行うことができるものがある。このような照明器具は、一般に、所定の動作設定に設定された状態で生産される。このため、ユーザは、照明器具を照明システムに設置する際に、照明器具の動作設定を好みの動作設定に設定する必要がある。
【0005】
同一の照明システムに設置される照明器具には、同じ動作設定が行われることが多いため、照明器具ごとに動作設定を行わなければならないとすると、非常に手間である。特に、照明システム内の照明器具の設置台数が多い場合には、動作設定の設定ミスが生じやすい。
【0006】
また、RDM(Remote Device Management)システムを用いれば、各照明器具に対して同時に同じ動作設定を行うことも可能であるが、RDMシステムを構築するために、別途装置(例えば、コンピュータ、および、RDM/イーサネット(登録商標)変換器)が必要となり、コストが掛かる。
【0007】
そこで、本発明は、複数の照明器具を備えた照明システムにおいて、各照明器具の動作設定を容易に設定することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、複数の照明器具を備える照明システムであって、前記複数の照明器具は、コントローラから出力される照明制御信号が伝送される同一のネットワークに接続された第1および第2照明器具を含む。前記第1照明器具は、ユーザが動作設定を行うための操作部と、前記操作部が受けた動作設定に従って、自己の動作設定を行う第1設定部と、前記第1設定部によって設定された動作設定を示す専用信号を生成する信号生成部と、前記信号生成部によって生成された専用信号を、前記ネットワークに送信する第1通信部とを備える。前記第2照明器具は、前記ネットワークから前記専用信号を受信する第2通信部と、前記専用信号が示す動作設定を、自己の動作設定として設定する第2設定部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、複数の照明器具を備えた照明システムにおいて、各照明器具の動作設定を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る照明システムのブロック図。
図2】本実施形態に係る照明システムの全体構成図。
図3】DMX-512規格に従って生成された信号の波形図。
図4】照明システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0012】
(第1実施形態)
(照明システムの全体構成)
図1は本実施形態に係る照明システムのブロック図であり、図2は本実施形態に係る照明システムの全体構成図である。なお、図2では、コントローラ1および照明器具2の内部構成を省略して図示している。
【0013】
照明システムAは、コントローラ1と、複数の照明器具2(2A,2B,2C)とを備える。コントローラ1および複数の照明器具2は、同一のネットワーク4に接続されており、ネットワーク4を介して、通信可能である。ネットワーク4は、例えば、DMX(Digital Multiplex)ケーブル等で構成された通信網である。コントローラ1は、ネットワーク4を介して、各照明器具2に照明制御信号を送信する。照明器具2は、ネットワーク4を介して受信した照明制御信号に含まれる制御値に基づいて、自己の光源25の態様(光源の色彩、強度、向き等)を変化させる。
【0014】
(コントローラ1の構成)
コントローラ1は、操作部11と、制御部12と、通信部13とを備える。
【0015】
操作部11は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作部11は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、フェーダ等の入力装置であり、各照明器具2の光源25の態様(光源の色彩、強度、向き等)を変化させるために行われたユーザの操作入力を検出し、検出結果に応じた信号を制御部12に出力する。なお、コントローラ1に表示部を設けて、この表示部に各照明器具2の光源25の態様を表示するようにしてもよい。
【0016】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリ等を含むマイクロコンピュータで構成される。制御部12は、各種プログラムを実行することにより、各照明器具2との間で照明制御信号の送受信を行う。具体的に、制御部12は、操作部11から入力された信号に応じて、各照明器具2の光源25の態様を示す制御値を含む照明制御信号を生成する。そして、制御部12は、通信部13に照明制御信号を出力する。
【0017】
通信部13は、例えば、電気回路等で構成され、制御部12から入力される照明制御信号をネットワーク4に出力する。
【0018】
(照明器具の構成)
照明器具2は、通信部21と、操作部22と、記憶部23と、制御部24と、光源25とを備える。
【0019】
通信部21は、例えば、電気回路等で構成され、ネットワーク4を介して、コントローラ1から出力される照明制御信号を受信する。通信部21は、受信した照明制御信号を制御部24に出力する。
【0020】
また、通信部21は、ネットワーク4を介して、専用信号(詳しくは後述する)の送受信を行う。具体的に、通信部21は、制御部24から入力される専用信号を、ネットワーク4に出力する。また、通信部21は、ネットワーク4を介して、他の照明器具2から送信された専用信号を受信する。通信部21は、受信した専用信号を制御部24に出力する。
【0021】
操作部22は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作部22は、例えば、ボタン、スイッチ、キーボード、タッチパネル等の入力装置であり、自己の動作設定を設定するために行われたユーザの操作入力を検出し、ユーザの操作入力に応じた信号を制御部24に出力する。なお、照明器具2に表示部を設けて、この表示部に自己の動作設定を表示するようにしてもよい。
【0022】
記憶部23は、ROM、RAM、HDDおよびSSD等によって構成された記憶媒体である。記憶部23には、制御部24によって実行される各種プログラムが記憶されている。また、記憶部23には、自身に設定された動作設定が記憶されている。記憶部23に記憶される動作設定として、例えば、ネットワーク4における通信アドレスの設定、照明制御信号が遮断された場合の動作設定、制御チャンネルモードの設定(調光色数の設定)、色補正モード(光源25同士の色合わせを行うモード)の有無の設定、調光カーブの設定、調光レベル表示方式(例えば、調光レベルを100段階または255段階で表示する)の設定、点灯状態(例えば、点灯、点滅、ストロボまたはフラッシュ)の設定、調光分解能(例えば、8bit制御または16bit制御)の設定、放熱ファンのON/OFFの設定、ランプチェックのON/OFFの設定、および色温度(例えば、2700K,4000Kまたは6500K)の設定が挙げられる。
【0023】
制御部24は、例えば、CPUおよび半導体メモリ等を含むマイクロコンピュータで構成される。制御部24は、記憶部23に記憶された各種プログラムを実行することにより、自己の光源25の態様を変化させる。制御部24は、通信部21から入力される照明制御信号に含まれる制御値に基づき、光源25に供給される電力を制御し、自己の光源25の態様を変化させる。
【0024】
また、制御部24は、記憶部23に記憶された動作設定に基づき、自己(照明器具2)を動作させる。例えば、制御部24は、記憶部23にネットワーク4における通信アドレスの設定が記憶されている場合、照明制御信号に含まれる制御値のうち、設定された通信アドレスに含まれる制御値に従って、光源25の態様を変化させる。
【0025】
また、制御部24は、設定部26と、信号生成部27とを備える。
【0026】
設定部26は、操作部22から入力された信号(自己の動作設定に関する情報を含む)、または、通信部21が受信した専用信号に基づいて、自己の動作設定を行う。具体的には、設定部26は、操作部22から制御部24に信号が入力された場合、この信号に従って自己(照明器具2)の動作設定を行う。すなわち、設定部26は、操作部22が受けた動作設定に従って、自己の動作設定を行う。また、設定部26は、通信部21から制御部24に専用信号が入力された場合、専用信号が示す動作設定を自己の動作設定として設定する。設定部26によって行われた動作設定は、記憶部23に記憶される。
【0027】
信号生成部27は、操作部22により設定された動作設定を示す専用信号を生成する。具体的には、信号生成部27は、操作部22により自己の動作設定が設定された場合、記憶部23に記憶された自己の動作設定を読み出して、自己の動作設定を示す専用信号を生成する。信号生成部27は、生成した専用信号を通信部21に出力する。
【0028】
光源25は、例えば、ハロゲンランプ、蛍光灯およびLED等で構成される。光源25は、例えば、赤色(Red)、緑色(Green)および青色(Blue)の発光素子を有するものや、赤色、緑色、青色および白色(White)の発光素子を有するものを含む。
【0029】
(専用信号について)
照明システムAでは、照明制御信号および専用信号は、いずれも、DMX-512規格に従って、生成される。DMX-512規格では、デジタル形式で信号が生成され、1つの信号に512個の制御値を含むことができる。
【0030】
図3はDMX-512規格に従って生成された信号(以下、DMX信号ということがある)の波形図を示す。DMX-512規格では、信号の開始位置に、所定時間LOW状態が継続するブレイクタイムが設けられている。ブレイクタイムの後に、信号の種類を示す制御値が含まれる8bitのスタートコード領域が設けられており、このスタートコード領域の後に、複数のデータ領域が設けられている。
【0031】
照明制御信号は、スタートコード領域に所定情報(例えば、「00」,「CC」等)を含む。また、照明制御信号は、複数のデータ領域に、各照明器具2の光源25の態様を示す制御値を含む。各データ領域に、いずれの照明器具2の光源25の制御値が含まれるかは、予め定められており、コントローラ1の制御部12は、各データ領域に、対応する光源25の制御値を含んだ照明制御信号を生成する。
【0032】
また、専用信号は、スタートコード領域に所定情報とは異なる専用情報(例えば、「AA」等)を含む。専用信号は、複数のデータ領域に、自己の動作設定に関する情報を含む。各データ領域に、いずれの動作設定が含まれるかは予め定められており(例えば、専用信号の1番目のデータ領域に、照明制御信号が遮断された場合の動作に関する情報を含む等)、照明器具2の信号生成部27は、各データ領域に、対応する動作設定の制御値を含んだ専用信号を生成する。
【0033】
すなわち、本照明システムでは、同一のプロトコル(DMX-512規格)に従って、照明制御信号および専用信号が生成される。また、コントローラ1と照明器具2との間において、照明制御信号および専用信号は、同一のネットワーク4を介して、送受信される。照明器具2は、受信したDMX信号のスタートコード領域に含まれる情報が所定情報か専用情報かによって、照明制御信号であるか専用信号であるかの判別を行う。
【0034】
(照明システムの動作)
図1図4を参照しつつ、本照明システムの動作を説明する。図4は本照明システムの動作を示すフローチャートである。なお、図2において、照明器具2Aがユーザからの動作設定を受け付け、照明器具2Bに専用信号を送信するものとする。
【0035】
ステップS1において、照明器具2Aは、ユーザからの動作設定に関する操作を受け付ける。具体的には、照明器具2Aの操作部22は、ユーザからの操作入力を検出して、ユーザの操作入力に応じた(自己の動作設定に関する情報を含む)信号を、制御部24に出力する。
【0036】
ステップS2において、照明器具2Aは、自己の動作設定を行う。具体的に、照明器具2Aの設定部26は、操作部22から入力された信号に基づき、自己(照明器具2A)の動作設定を行う。また、設定部26は、自己の動作設定を記憶部23に記憶する。
【0037】
ステップS3において、照明器具2Aは、自己の動作設定を示す専用信号を生成する。具体的には、設定部26により自己の動作設定が行われたとき、照明器具2Aの信号生成部27は、スタートコード領域に所定情報とは異なる専用情報を含み、かつ、所定のデータ領域に自己の動作設定を含む専用信号を生成する。
【0038】
ステップS4において、照明器具2Aは、信号生成部27により生成された専用信号をネットワーク4を介して、照明器具2Bに送信する。具体的には、照明器具2Aの通信部21は、制御部24から専用信号の入力を受け、ネットワーク4に専用信号を出力する。
【0039】
ステップS5において、照明器具2Bは、専用信号を受信する。具体的には、照明器具2Bの通信部21は、ネットワーク4を介して、照明器具2Aの通信部21から出力された専用信号を受信する。照明器具2Bの通信部21は、受信した専用信号を照明器具2Bの制御部24に出力する。
【0040】
ステップS6において、照明器具2Bは、専用信号の示す動作設定を自己の動作設定として設定する。
【0041】
以上の構成により、複数の照明器具2は、コントローラ1から照明制御信号が伝送される同一のネットワーク4に接続されている。照明器具2Aは、ユーザからの動作設定を受け付ける操作部22と、操作部22によって受け付けた動作設定に従って、自己(照明器具2A)の動作設定を行う設定部26と、設定部26により設定された動作設定を示す専用信号を生成する信号生成部27と、信号生成部27により生成された専用信号を、ネットワーク4に送信する通信部21とを備える。照明器具2Bは、ネットワーク4から専用信号を受信する通信部21と、専用信号が示す動作設定を、自己の動作設定として設定する設定部26とを備える。すなわち、照明システムAでは、照明制御信号の送受信が行われるネットワーク4を介して、専用信号の送受信が行われる。また、照明器具2Bは、照明器具2Aから送信された専用信号が示す動作設定を自己の動作設定として設定する。このため、ユーザが照明器具2Aに対して動作設定を行うことにより、照明器具2Bの動作設定を、ユーザが照明器具2Aに対して行った動作設定と同一にすることができる。したがって、一つの照明器具に対する動作設定を行うによって、他の照明器具に対して一括して動作設定を行うことができるため、別途装置を設ける必要がない。これにより、照明器具ごとに同一の動作設定を行う手間を省きつつ、別途装置を設けるコストを省くことができるため、照明システム内の照明器具の動作設定を容易に行うことができる。
【0042】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0043】
上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0044】
照明器具2Aは、設定部26により自己の動作設定が行われたとき、自己の動作設定を示す専用信号をネットワーク4に送信してもよい。
【0045】
また、照明器具2Aは、専用信号を送信するか否かを設定可能に構成されてもよい。また、照明器具2Aは、専用信号の送信を行わない設定がされているとき、信号生成部27に専用信号の生成を行わせないようにしてもよい。
【0046】
また、照明器具2は、専用信号を受信したとき、専用信号が示す動作設定を自己の動作設定として設定するか否かを設定可能に構成されてもよい。例えば、図2において、照明器具2Bは、機能ON、すなわち、専用信号を受信した場合、専用信号が示す動作設定を自己の動作設定として設定する。これに対して、照明器具2Cは、機能OFF、すなわち、専用信号を受信した場合、専用信号が示す動作設定を自己の動作設定として設定しない。これにより、照明システム内に、例えば、常設の照明器具等、動作設定を変更したくない照明器具が存在する場合に対応することができる。
【0047】
また、照明器具2は、信号生成部27を備えず、通信部21が専用信号の送信を行わなくてもよい。すなわち、照明器具2は、専用信号の送受信機能のうち、専用信号を送信する機能を備えず、専用信号を受信する機能のみを備えてもよい。
【0048】
また、照明器具2は、通信部21が専用信号を受信しなくてもよい。すなわち、照明器具2は、専用信号の送受信機能のうち、専用信号を受信する機能を備えず、専用信号を送信する機能のみを備えてもよい。
【0049】
また、コントローラ1の信号生成部27は、専用信号をDMX-512規格以外のプロトコルで生成してもよい。ただし、コントローラ1の信号生成部27は、照明制御信号と同一のプロトコルで専用信号を生成する。
【符号の説明】
【0050】
A 照明システム
1 コントローラ
2(2A~2C) 照明器具
4 ネットワーク
21 通信部
22 操作部
26 設定部
27 信号生成部
図1
図2
図3
図4