(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】点灯装置、灯具、車両、制御方法、及び制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/48 20200101AFI20221223BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20221223BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20221223BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20221223BHJP
H05B 45/54 20200101ALI20221223BHJP
H05B 47/23 20200101ALI20221223BHJP
H05B 47/25 20200101ALI20221223BHJP
H05B 45/52 20200101ALI20221223BHJP
H05B 45/36 20200101ALI20221223BHJP
H05B 45/34 20200101ALI20221223BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20221223BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20221223BHJP
B60Q 11/00 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
H05B45/48
H05B45/375
H05B45/38
H05B47/105
H05B45/54
H05B47/23
H05B47/25
H05B45/52
H05B45/36
H05B45/34
H05B45/345
B60Q1/04 E
B60Q11/00 610B
B60Q11/00 615A
(21)【出願番号】P 2021501843
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 JP2020004472
(87)【国際公開番号】W WO2020175072
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】P 2019036930
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神原 隆
(72)【発明者】
【氏名】稲田 義之
(72)【発明者】
【氏名】森脇 淑也
(72)【発明者】
【氏名】小井関 雅彦
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-197495(JP,A)
【文献】特開2017-210099(JP,A)
【文献】特開2018-170255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/48
H05B 45/375
H05B 45/38
H05B 47/105
H05B 45/54
H05B 47/23
H05B 47/25
H05B 45/52
H05B 45/36
H05B 45/34
H05B 45/345
B60Q 1/04
B60Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに電気的に直列接続された第1光源部及び第2光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する電力変換部と、
前記第2光源部に電気的に並列接続されたバイパススイッチと、
前記バイパススイッチを制御するスイッチ制御部と、
前記電力変換部を制御する電力制御部と、を備え、
前記電力変換部は、
前記バイパススイッチのオン/オフの状態に応じて前記出力電流の大きさを切り替えて前記光源ユニットに電力を供給し、
前記電力制御部は、
前記第2光源部の状態が、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる
前記第2光源部の接続状態から、前記第2光源部が電気的に短絡されている
前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を
前記第2光源部の前記接続状態から
前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有
し、
前記電力制御部は、
前記バイパススイッチの切替以前に前記出力電流の電流値を、前記第2光源部の前記短絡状態における前記出力電流の第1目標値及び前記第2光源部の前記接続状態における前記出力電流の第2目標値の両方よりも小さい電流値とし、
前記バイパススイッチの切替以後に前記出力電流の電流値を、前記第1目標値及び前記第2目標値のうち、切替後の前記第2光源部の状態における前記出力電流の目標値とする、
点灯装置。
【請求項2】
互いに電気的に直列接続された第1光源部、第2光源部及び第3光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する電力変換部と、
前記第2光源部に電気的に並列接続されたバイパススイッチと、
前記第3光源部に電気的に並列接続された第3光源部用バイパススイッチと、
前記バイパススイッチ及び前記第3光源部用バイパススイッチを制御するスイッチ制御部と、
前記電力変換部を制御する電力制御部と、を備え、
前記電力変換部は、
前記バイパススイッチのオン/オフの状態及び前記第3光源部用バイパススイッチのオン/オフの状態に応じて前記出力電流の大きさを切り替えて前記光源ユニットに電力を供給し、
前記電力制御部は、
前記第2光源部の状態が、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる前記第2光源部の接続状態から、前記第2光源部が電気的に短絡されている前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有し、
前記電力制御部は、
前記第3光源部の状態が、前記第3光源部が前記第1光源部及び前記第2光源部の少なくとも一方に電気的に接続されており前記第3光源部に前記出力電流が流れる前記第3光源部の接続状態から、前記第3光源部が電気的に短絡されている前記第3光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記接続状態から前記第3光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を更に有する、
点灯装置。
【請求項3】
前記電力制御部は、
前記第3光源部が前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を更に有する、
請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記電力制御部は、
前記バイパススイッチの切替以前に前記出力電流の電流値を、前記第2光源部の前記短絡状態における前記出力電流の第1目標値及び前記第2光源部の前記接続状態における前記出力電流の第2目標値のうちのいずれか小さいほうの電流値とし、
前記バイパススイッチの切替以後に前記出力電流の電流値を、前記第1目標値及び前記第2目標値のうち、切替後の前記第2光源部の状態における前記出力電流の目標値とする、
請求項2又は3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記電力制御部は、
前記第2光源部が前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を更に有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記第2光源部の前記接続状態では、前記バイパススイッチがオフ状態であり、
前記第2光源部の前記短絡状態では、前記バイパススイッチがオン状態である、
請求項5に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記スイッチ制御部は、
前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替える場合、前記バイパススイッチが前記オフ状態から前記オン状態になるように前記バイパススイッチを制御し、
前記電力制御部は、
前記第2光源部が前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを前記オフ状態から前記オン状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える、
請求項6に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記スイッチ制御部は、
前記第2光源部を前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替える場合、前記バイパススイッチが前記オン状態から前記オフ状態になるように前記バイパススイッチを制御し、
前記電力制御部は、
前記第2光源部が前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを前記オン状態から前記オフ状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える、
請求項6又は7に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記第1光源部に電気的に並列接続された第1バイパススイッチを更に備え、
前記第1バイパススイッチは、前記第2光源部に電気的に並列接続された前記バイパススイッチである第2バイパススイッチとは別体であり、
前記スイッチ制御部は、前記第1バイパススイッチを制御し、
前記電力変換部は、
前記第1バイパススイッチのオン/オフの状態に応じて前記出力電流の大きさを切り替えて前記光源ユニットに電力を供給し、
前記電力制御部は、
前記第1光源部の状態が、前記第1光源部が前記第2光源部に電気的に接続されており前記第1光源部に前記出力電流が流れる第1状態から、前記第1光源部が電気的に短絡されている第2状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第1バイパススイッチを制御して前記第1光源部を前記第1状態から前記第2状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を更に有する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項10】
前記電力制御部は、
前記第1光源部が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第1バイパススイッチを制御して前記第1光源部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を更に有する、
請求項9に記載の点灯装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の点灯装置と、
前記第1光源部と、
前記第2光源部と、
前記第1光源部及び前記第2光源部を収納するハウジングと、を備える、
灯具。
【請求項12】
請求項11に記載の灯具と、
前記灯具を搭載する車体と、を備える、
車両。
【請求項13】
互いに電気的に直列接続された第1光源部、第2光源部及び第3光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する電力変換部と、前記第2光源部に電気的に並列接続されたバイパススイッチと、前記第3光源部に電気的に並列接続された第3光源部用バイパススイッチと、を制御する制御方法であって、
前記第2光源部の状態が、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる前記第2光源部の接続状態から、前記第2光源部が電気的に短絡されている前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップと、
前記第2光源部が前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップと、
前記第3光源部の状態が、前記第3光源部が前記第1光源部及び前記第2光源部の少なくとも一方に電気的に接続されており前記第3光源部に前記出力電流が流れる前記第3光源部の接続状態から、前記第3光源部が電気的に短絡されている前記第3光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記接続状態から前記第3光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップと、
前記第3光源部が前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップと、を有する、
制御方法。
【請求項14】
互いに電気的に直列接続された第1光源部、第2光源部及び第3光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する電力変換部と、前記第2光源部に電気的に並列接続されたバイパススイッチと、前記第3光源部に電気的に並列接続された第3光源部用バイパススイッチと、を制御する制御装置であって、
前記バイパススイッチ及び前記第3光源部用バイパススイッチを制御するスイッチ制御部と、
前記電力変換部を制御する電力制御部と、を備え、
前記電力制御部は、
前記第2光源部の状態が、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる前記第2光源部の接続状態から、前記第2光源部が電気的に短絡されている前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能と、
前記第2光源部が前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える機能と、
前記第3光源部の状態が、前記第3光源部が前記第1光源部及び前記第2光源部の少なくとも一方に電気的に接続されており前記第3光源部に前記出力電流が流れる前記第3光源部の接続状態から、前記第3光源部が電気的に短絡されている前記第3光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記接続状態から前記第3光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能と、
前記第3光源部が前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える機能と、を有する、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に点灯装置、灯具、車両、制御方法、及び制御装置に関する。本開示は、より詳細には、複数の光源部を点灯させる点灯装置、点灯装置を備える灯具、灯具を備える車両、複数の光源部の点灯を制御する制御方法、及び、複数の光源部の点灯を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直列に接続されたロービーム用ライトとハイビーム用ライトとを点灯させる点灯回路が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の点灯回路(点灯装置)は、複数の光源ブロック(光源部)を電源に直列接続している。そして、特許文献1の点灯回路は、複数の光源ブロックの一部を短絡すると同時に、残余の光源ブロックの数に応じて電源からの供給電力を調整する。
【0004】
ところで、近年、複数の光源部のうち短絡されていない光源部の組合せに応じて、短絡されていない光源部への出力電流の電流値を切り替える機能が要求されている。例えば、複数の光源部の全てが接続されている状態(複数の光源部の全てが短絡されていない状態)と、複数の光源部のうちの少なくとも1つが短絡されている状態とで、出力電流の電流値を切り替えることが要求されている。一例として、複数の光源部のうちの少なくとも1つが短絡されている状態において、複数の光源部の全てが接続されている状態よりも、出力電流の電流値を大きくすることが要求されている。
【0005】
ところが、特許文献1に記載された従来の点灯装置では、複数の光源部のうちの少なくとも1つの光源部の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる際に、接続状態から短絡状態に切り替わった光源部に過電流が流れるおそれがあった。接続状態は、上記光源部が他の光源部に電気的に接続されており上記光源部に出力電流が流れる状態である。短絡状態は、上記光源部が電気的に短絡されている状態である。
【0006】
より詳細には、特許文献1に記載された従来の点灯装置では、上記光源部の状態を接続状態から短絡状態に切り替えるタイミングと点灯装置から出力される出力電流を変えるタイミングとがずれる場合があった。この場合、上記光源部の状態を接続状態から短絡状態に切り替える際に、上記光源部に対して許容されている電流値よりも大きな過電流が上記光源部に流れる可能性があるという問題があった。例えば、上記光源部の状態を接続状態から短絡状態に切り替えるタイミングよりも前に、点灯装置から出力される出力電流の電流値を、上記光源部に対して許容されている電流値よりも大きくした場合、上記光源部に対して許容されている電流値よりも大きな過電流が上記光源部に流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【0008】
本開示は上記の点に鑑みてなされた開示であり、本開示の目的は、光源部に過電流が流れることを抑制できる点灯装置、灯具、車両、制御方法、及び制御装置を提供することにある。
【0009】
本開示の一態様に係る点灯装置は、電力変換部と、バイパススイッチと、スイッチ制御部と、電力制御部とを備える。前記電力変換部は、互いに電気的に直列接続された第1光源部及び第2光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する。前記バイパススイッチは、前記第2光源部に電気的に並列接続されている。前記スイッチ制御部は、前記バイパススイッチを制御する。前記電力制御部は、前記電力変換部を制御する。前記電力変換部は、前記バイパススイッチのオン/オフの状態に応じて前記出力電流の大きさを切り替えて前記光源ユニットに電力を供給する。前記電力制御部は、前記第2光源部の状態が前記第2光源部の接続状態から前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有する。前記第2光源部の前記接続状態は、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる状態である。前記第2光源部の前記短絡状態は、前記第2光源部が電気的に短絡されている状態である。前記電力制御部は、前記バイパススイッチの切替以前に前記出力電流の電流値を、前記第2光源部の前記短絡状態における前記出力電流の第1目標値及び前記第2光源部の前記接続状態における前記出力電流の第2目標値の両方よりも小さい電流値とし、前記バイパススイッチの切替以後に前記出力電流の電流値を、前記第1目標値及び前記第2目標値のうち、切替後の前記第2光源部の状態における前記出力電流の目標値とする。
本開示の一態様に係る点灯装置は、電力変換部と、バイパススイッチと、第3光源部用バイパススイッチと、スイッチ制御部と、電力制御部とを備える。前記電力変換部は、互いに電気的に直列接続された第1光源部、第2光源部及び第3光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する。前記バイパススイッチは、前記第2光源部に電気的に並列接続されている。前記第3光源部用バイパススイッチは、前記第3光源部に電気的に並列接続されている。前記スイッチ制御部は、前記バイパススイッチ及び前記第3光源部用バイパススイッチを制御する。前記電力制御部は、前記電力変換部を制御する。前記電力変換部は、前記バイパススイッチのオン/オフの状態及び前記第3光源部用バイパススイッチのオン/オフの状態に応じて前記出力電流の大きさを切り替えて前記光源ユニットに電力を供給する。前記電力制御部は、前記第2光源部の状態が前記第2光源部の接続状態から前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有する。前記第2光源部の前記接続状態は、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる状態である。前記第2光源部の前記短絡状態は、前記第2光源部が電気的に短絡されている状態である。前記電力制御部は、前記第3光源部の状態が前記第3光源部の接続状態から前記第3光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記接続状態から前記第3光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を更に有する。前記第3光源部の前記接続状態は、前記第3光源部が前記第1光源部及び前記第2光源部の少なくとも一方に電気的に接続されており前記第3光源部に前記出力電流が流れる状態である。前記第3光源部の前記短絡状態は、前記第3光源部が電気的に短絡されている状態である。
【0010】
本開示の一態様に係る灯具は、前記点灯装置と、前記第1光源部と、前記第2光源部と、ハウジングとを備える。前記ハウジングは、前記第1光源部及び前記第2光源部を収納する。
【0011】
本開示の一態様に係る車両は、前記灯具と、車体とを備える。前記車体は、前記灯具を搭載する。
【0012】
本開示の一態様に係る制御方法は、電力変換部と、バイパススイッチと、第3光源部用バイパススイッチと、を制御する制御方法である。前記電力変換部は、互いに電気的に直列接続された第1光源部、第2光源部及び第3光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する。前記バイパススイッチは、前記第2光源部に電気的に並列接続されている。前記第3光源部用バイパススイッチは、前記第3光源部に電気的に並列接続されている。前記制御方法は、前記第2光源部の状態が前記第2光源部の接続状態から前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップを有する。前記第2光源部の前記接続状態は、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる状態である。前記第2光源部の前記短絡状態は、前記第2光源部が電気的に短絡されている状態である。前記制御方法は、前記第2光源部が前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップを有する。前記制御方法は、前記第3光源部の状態が前記第3光源部の接続状態から前記第3光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記接続状態から前記第3光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップを有する。前記第3光源部の接続状態は、前記第3光源部が前記第1光源部及び前記第2光源部の少なくとも一方に電気的に接続されており前記第3光源部に前記出力電流が流れる状態である。前記第3光源部の前記短絡状態は、前記第3光源部が電気的に短絡されている状態である。前記制御方法は、前記第3光源部が前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替えるステップを有する。
【0013】
本開示の一態様に係る制御装置は、電力変換部と、バイパススイッチと、第3光源部用バイパススイッチと、を制御する制御装置である。前記電力変換部は、互いに電気的に直列接続された第1光源部、第2光源部及び第3光源部を含む光源ユニットに出力電流を出力して電力を供給する。前記バイパススイッチは、前記第2光源部に電気的に並列接続されている。前記第3光源部用バイパススイッチは、前記第3光源部に電気的に並列接続されている。前記制御装置は、スイッチ制御部と、電力制御部とを備える。前記スイッチ制御部は、前記バイパススイッチ及び前記第3光源部用バイパススイッチを制御する。前記電力制御部は、前記電力変換部を制御する。前記電力制御部は、前記第2光源部の状態が前記第2光源部の接続状態から前記第2光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記接続状態から前記第2光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有する。前記第2光源部の前記接続状態は、前記第2光源部が前記第1光源部に電気的に接続されており前記第2光源部に前記出力電流が流れる状態である。前記第2光源部の前記短絡状態は、前記第2光源部が電気的に短絡されている状態である。前記制御装置は、前記第2光源部が前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記バイパススイッチを制御して前記第2光源部を前記第2光源部の前記短絡状態から前記第2光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有する。前記制御装置は、前記第3光源部の状態が前記第3光源部の接続状態から前記第3光源部の短絡状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記接続状態から前記第3光源部の前記短絡状態に切り替えた後に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有する。前記第3光源部の前記接続状態は、前記第3光源部が前記第1光源部及び前記第2光源部の少なくとも一方に電気的に接続されており前記第3光源部に前記出力電流が流れる状態である。前記第3光源部の前記短絡状態は、前記第3光源部が電気的に短絡されている状態である。前記制御装置は、前記第3光源部が前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替えられる場合、前記スイッチ制御部が前記第3光源部用バイパススイッチを制御して前記第3光源部を前記第3光源部の前記短絡状態から前記第3光源部の前記接続状態に切り替える前に、前記出力電流の大きさを切り替える機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る点灯装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の点灯装置を備える灯具の概略構成図である。
【
図3】
図3は、同上の点灯装置が搭載される車両の概略構成図である。
【
図4】
図4は、同上の点灯装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、同上の点灯装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、同上の点灯装置の動作説明図である。
【
図7】
図7は、同上の点灯装置の動作説明図である。
【
図8】
図8は、同上の点灯装置の動作説明図である。
【
図9】
図9は、同上の点灯装置の動作説明図である。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る点灯装置の動作を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態3に係る点灯装置の動作を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、実施形態4に係る点灯装置のブロック図である。
【
図21】
図21は、実施形態5に係る点灯装置のブロック図である。
【
図23】
図23は、実施形態1の変形例に係る点灯装置の動作説明図である。
【
図24】
図24は、実施形態1の他の変形例に係る点灯装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0016】
(実施形態1)
(1)構成
本実施形態の点灯装置1について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0017】
本実施形態の点灯装置1は、自動車などの車両200(
図3参照)に搭載される前照灯装置である灯具100(
図2参照)に用いられる。
図1~
図3に示すように、点灯装置1は、複数の光源部2として第1光源部21及び第2光源部22を点灯させる。第1光源部21は、すれ違い用(ロービーム用)前照灯として用いられ、第2光源部22は、走行用(ハイビーム用)前照灯として用いられる。第1光源部21は、直列接続された複数のLED(Light Emitting Diode)で構成されている。第2光源部22は、直列接続された複数のLEDで構成されている。なお、第1光源部21は、2以上の直列回路が並列接続された構成であってもよい。第1光源部21における各直列回路は、直列接続された複数のLEDで構成されている。第2光源部22は、複数のLEDの直列回路が並列接続された構成であってもよい。第2光源部22における各直列回路は、直列接続された複数のLEDで構成されている。第1光源部21が有するLEDの個数と、第2光源部22が有するLEDの個数とは、互いに異なっていてもよいし、互いに同じであってもよい。
【0018】
図1に示すように、点灯装置1は、第1入力端子P11及び第2入力端子P12と、第1出力端子P21~第3出力端子P23と、を備えている。ここでいう「端子」とは、電線等を接続するための部品(端子)でなくてもよく、例えば電子部品のリード、又は、回路基板に含まれる導体の一部であってもよい。
【0019】
第1入力端子P11及び第2入力端子P12は、直流電源E1の両端と電気的に接続されている。具体的には、第1入力端子P11は、直流電源E1の正極と電気的に接続され、第2入力端子P12は、直流電源E1の負極と電気的に接続されている。直流電源E1は、車両200(
図3参照)に搭載されたバッテリである。
【0020】
第1出力端子P21~第3出力端子P23は、第1光源部21及び第2光源部22と電気的に接続されている。具体的には、第1出力端子P21と第2出力端子P22との間に、第1光源部21と第2光源部22との直列回路が電気的に接続されている。第3出力端子P23は、第1光源部21と第2光源部22との接続点と電気的に接続されている。つまり、第1出力端子P21と第3出力端子P23との間に、第1光源部21が電気的に接続されており、第3出力端子P23と第2出力端子P22との間に第2光源部22が電気的に接続されている。
【0021】
点灯装置1は、電力変換部3と、バイパススイッチQ1と、制御部4(制御装置)と、平滑コンデンサC1と、を備えている。点灯装置1は、複数のコンデンサC2として、第1コンデンサC21及び第2コンデンサC22を更に備えている。
【0022】
電力変換部3は、バイパススイッチQ1のオン/オフの状態に応じて出力電流I1を切り替えて第1光源部21及び第2光源部22に電力を供給する。より詳細には、電力変換部3は、第1入力端子P11及び第2入力端子P12を介して直流電源E1と電気的に接続されている。電力変換部3は、直流電源E1から供給される直流電力を直流変換するDC/DCコンバータである。電力変換部3は、第1光源部21及び第2光源部22に直流電力を供給することにより、第1光源部21及び第2光源部22を点灯させる。電力変換部3は、昇圧コンバータ回路31と降圧コンバータ回路32と、を備えている。
【0023】
昇圧コンバータ回路31は、例えばインダクタ、スイッチング素子、ダイオード等を有する昇圧チョッパ回路である。昇圧コンバータ回路31は、第1入力端子P11及び第2入力端子P12を介して直流電源E1と電気的に接続されている。昇圧コンバータ回路31は、スイッチング素子がオン/オフされることにより、直流電源E1の出力電圧(例えば12V)を所定電圧(例えば60V)に昇圧して降圧コンバータ回路32に出力する。昇圧コンバータ回路31のスイッチング素子は、後述する電力制御部41によって制御される。
【0024】
降圧コンバータ回路32は、例えば、インダクタ、スイッチング素子、ダイオードを有する降圧チョッパ回路である。降圧コンバータ回路32は、スイッチング素子がオン/オフされることにより、昇圧コンバータの出力電圧を降圧する。降圧コンバータ回路32の一対の出力端P31,P32は、それぞれ第1出力端子P21及び第2出力端子P22と電気的に接続されている。降圧コンバータ回路32のスイッチング素子は、後述する電力制御部41によって制御される。
【0025】
平滑コンデンサC1は、降圧コンバータ回路32の一対の出力端P31,P32間に電気的に接続されている。言い換えれば、平滑コンデンサC1は、第1出力端子P21と第2出力端子P22との間に電気的に接続されている。平滑コンデンサC1は、電力変換部3(降圧コンバータ回路32)の出力電流I1のリップルを抑制することができる。これにより、点灯装置1と複数の光源部2とを電気的に接続するケーブル等から放射される輻射ノイズを抑制することができる。
【0026】
バイパススイッチQ1は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成されている。バイパススイッチQ1は、第2出力端子P22と第3出力端子P23との間に電気的に接続されている。具体的には、バイパススイッチQ1は、ドレインが第3出力端子P23と電気的に接続され、ソースが第2出力端子P22と電気的に接続されている。また、バイパススイッチQ1は、ゲートが制御部4と電気的に接続されており、後述するスイッチ制御部42によって制御される。
【0027】
つまり、バイパススイッチQ1は、第2光源部22と電気的に並列接続されている。バイパススイッチQ1がオン状態である場合、第2光源部22が短絡される。この場合、電力変換部3の出力電流I1は、バイパススイッチQ1にバイパスされて、第2光源部22には流れない。つまり、バイパススイッチQ1がオン状態である場合、第2光源部22が消灯状態となり、第1光源部21のみが点灯状態となる。また、バイパススイッチQ1がオフ状態である場合、電力変換部3の出力電流I1が第2光源部22に流れるので、第1光源部21及び第2光源部22の両方が点灯状態となる。
【0028】
第1コンデンサC21は、第1出力端子P21と第3出力端子P23との間に電気的に接続されている。つまり、第1コンデンサC21は、第1光源部21と電気的に並列接続されている。
【0029】
第2コンデンサC22は、第2出力端子P22と第3出力端子P23との間に電気的に接続されている。つまり、第2コンデンサC22は、第2光源部22と電気的に並列接続されている。
【0030】
第1コンデンサC21と第2コンデンサC22との直列回路は、電力変換部3(降圧コンバータ回路32)の出力端P31,P32間に電気的に接続されている。したがって、第1コンデンサC21と第2コンデンサC22との合成容量によって、電力変換部3(降圧コンバータ回路32)の出力電流I1のリップルを抑制することができる。これにより、点灯装置1と複数の光源部2とを電気的に接続するケーブル等から放射される輻射ノイズを抑制することができる。
【0031】
なお、第1コンデンサC21の容量と第2コンデンサC22の容量とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、平滑コンデンサC1の容量と第1コンデンサC21の容量とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。平滑コンデンサC1の容量と第2コンデンサC22の容量とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。つまり、第1コンデンサC21と第2コンデンサC22と平滑コンデンサC1とは、互いに同じ容量であってもよいし、互いに異なる容量であってもよい。
【0032】
制御部4は、プロセッサ及びメモリを主構成とするコンピュータシステム(例えばマイクロコントローラ)である。制御部4は、メモリに格納されているプログラムをプロセッサで実行することにより、電力制御部41、及びスイッチ制御部42としての機能を実現する。プログラムは、メモリにあらかじめ記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0033】
電力制御部41は、電力変換部3を制御するように構成されている。具体的には、電力制御部41は、昇圧コンバータ回路31の出力電圧を監視しており、昇圧コンバータ回路31の出力電圧が一定となるように、昇圧コンバータ回路31のスイッチング素子を制御する。つまり、電力制御部41は、昇圧コンバータ回路31を定電圧制御する。
【0034】
また、電力制御部41は、降圧コンバータ回路32の出力電流を監視しており、降圧コンバータ回路32の出力電流が目標値となるように、降圧コンバータ回路32のスイッチング素子を制御する。つまり、電力制御部41は、電力変換部3の出力電流I1が目標値となるように定電流制御する。
【0035】
電力制御部41は、例えば、点灯スイッチSW1(
図2及び
図3参照)の状態に基づいて、電力変換部3を制御することにより、第1光源部21及び第2光源部22の点灯/消灯を制御する。点灯スイッチSW1は、車両200(
図3参照)の運転席に設けられており、運転手が、第1光源部21及び第2光源部22の点灯/消灯を指示するための操作スイッチである。電力制御部41は、点灯スイッチSW1がオン状態である場合、電力変換部3(昇圧コンバータ回路31、降圧コンバータ回路32)を動作させる。これにより、バイパススイッチQ1がオフ状態であれば、第1光源部21と第2光源部22との両方が点灯し、バイパススイッチQ1がオン状態であれば、第1光源部21のみが点灯する。また、電力制御部41は、点灯スイッチSW1がオフ状態である場合、電力変換部3(昇圧コンバータ回路31、降圧コンバータ回路32)を停止させる。これにより、第1光源部21及び第2光源部22が消灯状態となる。
【0036】
スイッチ制御部42は、バイパススイッチQ1に駆動信号を出力することにより、バイパススイッチQ1を制御するように構成されている。スイッチ制御部42は、例えば、切替スイッチSW2(
図2及び
図3参照)の状態に基づいて、バイパススイッチQ1をオン/オフする。切替スイッチSW2は、車両200(
図3参照)の運転席に設けられており、運転手が、点灯スイッチSW1のオン状態において第2光源部22の点灯/消灯を指示するための操作スイッチである。スイッチ制御部42は、切替スイッチSW2がオフ状態である場合、バイパススイッチQ1をオン状態にする。これにより、第2光源部22が消灯状態となる。また、スイッチ制御部42は、切替スイッチSW2がオン状態である場合、バイパススイッチQ1をオフ状態にする。これにより、第2光源部22が点灯状態となる。なお、点灯装置1は、切替スイッチSW2と直接的に接続されていなくてもよく、例えば車両200に搭載されたECU(Electronic Control Unit)等を介して間接的に接続されていてもよい。この場合、点灯装置1の制御部4は、ECUから切替スイッチSW2の状態を示す情報を取得する。
【0037】
上記のような点灯装置1において、電力制御部41は、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1を制御して第2光源部22の状態を接続状態から短絡状態に切り替えた後に、出力電流I1の大きさを切り替える機能を有する。
【0038】
電力制御部41は、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1を制御して第2光源部22の状態を短絡状態から接続状態に切り替える前に、出力電流I1の大きさを切り替える機能を更に有する。
【0039】
ここで、接続状態は、第2光源部22が第1光源部21に電気的に接続されており第2光源部22に出力電流I1が流れる状態である。短絡状態は、第2光源部22が電気的に短絡されている状態である。接続状態では、バイパススイッチQ1がオフ状態である。短絡状態では、バイパススイッチQ1がオン状態である。
【0040】
スイッチ制御部42は、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる場合、バイパススイッチQ1がオフ状態からオン状態になるようにバイパススイッチQ1を制御する。電力制御部41は、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替えた後に、出力電流I1の大きさを切り替える。
【0041】
スイッチ制御部42は、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる場合、バイパススイッチQ1がオン状態からオフ状態になるようにバイパススイッチQ1を制御する。電力制御部41は、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える前に、出力電流I1の大きさを切り替える。
【0042】
ここで、点灯装置1の負荷である光源ユニット10について
図1を参照して説明する。
【0043】
光源ユニット10は、
図1に示すように、第1光源部21と、第2光源部22と、光源情報出力部11とを備える。
【0044】
光源情報出力部11は、光源情報出力部11に電力が供給されたときに第1光源部21及び第2光源部22の発光特性を示す光源情報を出力する。
【0045】
光源情報出力部11は、例えば抵抗器R10を含む。第1光源部21及び第2光源部22は、その発光特性に応じて複数の段階に分かれており、複数の段階のそれぞれで光源情報出力部11を構成する抵抗器R10の抵抗値があらかじめ決められている。第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる場合と、第1光源部21のみを点灯させる場合との組合せにおいて、抵抗器R10の抵抗値があらかじめ決められている。例えば製造時などに発光特性が決定され、発光特性に応じた抵抗値の抵抗器R10が光源情報出力部11として光源ユニット10に設けられている。
【0046】
光源情報出力部11に電流が出力されると、抵抗器R10の両端間に抵抗器R10の抵抗値に応じた電圧が発生し、この電圧値が第1光源部21及び第2光源部22の発光特性に対応した光源情報となる。ここにおいて、「光源情報」とは、第1光源部21及び第2光源部22の発光特性に対応した情報であり、光源情報をもとに第1光源部21及び第2光源部22の発光特性を特定することができる。第1光源部21及び第2光源部22の発光特性は、例えば第1光源部21及び第2光源部22の仕様(光源ユニット10の仕様)を表す情報である。第1光源部21の仕様は、第1光源部21への入力電流、入力電圧及び入力電力の少なくとも1つに関する情報を含む。第2光源部22の仕様は、第2光源部22への入力電流、入力電圧及び入力電力の少なくとも1つに関する情報を含む。なお、上記の入力電流に関する情報には、第1光源部21及び第2光源部22の光源定格電流値の情報を含む。本実施形態では、第1光源部21及び第2光源部22の仕様は、第1光源部21及び第2光源部22の入力電流に関する情報として光源定格電流値の情報を含んでいる。
【0047】
点灯装置1では、制御部4の電力制御部41は、第1光源部21及び第2光源部22の光源定格電流値に応じて、昇圧コンバータ回路31の出力電圧の目標電圧値を設定する。電力制御部41は、昇圧コンバータ回路31の出力電圧が目標電圧値となるように、昇圧コンバータ回路31のスイッチング素子を制御する。つまり、電力制御部41は、昇圧コンバータ回路31の出力電圧が目標電圧値となるように、昇圧コンバータ回路31を定電圧制御する。また、電力制御部41は、第1光源部21及び第2光源部22の光源定格電流値に応じて、電力変換部3の出力電流I1の目標電流値を設定する。電力制御部41は、降圧コンバータ回路32の出力電流(電力変換部3の出力電流I1)が目標電流値になるように、降圧コンバータ回路32のスイッチング素子を制御する。つまり、電力制御部41は、降圧コンバータ回路32の出力電流が目標電流値となるように、降圧コンバータ回路32を定電流制御する。
【0048】
上述した点灯装置1は、
図2に示すように、車両200(
図3参照)に搭載される前照灯装置である灯具100に用いられる。本実施形態の灯具100は、点灯装置1と、第1光源部21と、第2光源部22と、ハウジング101と、を備える。
【0049】
ハウジング101は、第1光源部21及び第2光源部22を収納する。灯具100は、第1光源部21又は第2光源部22が取り付けられる複数(
図2では5つ)の灯体110を備えている。第1光源部21のLED211が取り付けられる各灯体110には、レンズ111と、反射板112とが設けられている。また、第2光源部22のLED221が取り付けられる各灯体110には、レンズ111が設けられている。
【0050】
本実施形態の車両200は、
図3に示すように、左右一対の灯具100を車体201に搭載している。各灯具100の点灯装置1は、車両200の運転席に設けられた点灯スイッチSW1及び切替スイッチSW2と電気的に接続されている。点灯スイッチSW1のみがオンすると、すれ違い用の前照灯(各灯具100の第1光源部21)が点灯する。点灯スイッチSW1及び切替スイッチSW2の両方がオンすると、走行用の前照灯(各灯具100の第1光源部21及び第2光源部22)が点灯する。
【0051】
(2)動作例
次に、実施形態1の点灯装置1の動作例(制御方法)について
図4及び
図5を参照して説明する。
【0052】
まず、第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる接続状態から、第1光源部21のみを点灯させる短絡状態に切り替える場合について
図4を参照して説明する。つまり、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える場合における点灯装置1の動作例について説明する。
【0053】
第2光源部22を消灯するために、運転手が、切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作を行う。切替スイッチSW2がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、まず、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS1)。これにより、第2光源部22が短絡する。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を切り替える(ステップS2)。
【0054】
次に、第1光源部21のみを点灯させる短絡状態から、第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる接続状態に切り替える場合について
図5を参照して説明する。つまり、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える場合における点灯装置1の動作例について説明する。
【0055】
第2光源部22を点灯するために、運転手が、切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作を行う。切替スイッチSW2がオフ状態からオン状態に切り替わった場合、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を切り替える(ステップS11)。この段階では、第2光源部22が短絡したままである。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS12)。
【0056】
次に、短絡状態における出力電流I1の目標値(第1目標値I11)が接続状態における出力電流I1の目標値(第2目標値I12)よりも大きい場合について
図6及び
図7を参照して説明する。上記の場合とは、第1光源部21及び第2光源部22の両方が用いられるときの出力電流I1よりも、第1光源部21のみが用いられるときの出力電流I1の方が大きい場合である。
【0057】
最初に、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる際の動作について
図6を参照して説明する。切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作が行われると、
図6に示すように、まず、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t11)。このとき、出力電流I1が第2目標値I12で一定のまま、出力電圧V1が第1光源部21のみに印加されるため、出力電圧V1が低下する。その後、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第2目標値I12から第1目標値I11に切り替える(時点t12)。
【0058】
上記より、時点t11でバイパススイッチQ1がオン状態になったことにより、時点t11以降では第2光源部22には出力電流I1が流れなくなる。これにより、時点t11から時点t12までの期間T11において、第2光源部22に過電流(第2目標値I12よりも大きい第1目標値I11の出力電流I1)が流れることを抑制できる。一方、バイパススイッチQ1がオン状態になる前に、出力電流I1が第1目標値I11になると、本来流れることを想定していない第1目標値I11の出力電流I1が過電流として第2光源部22に流れる。なお、期間T11は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0059】
次に、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる際の動作について
図7を参照して説明する。切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作が行われると、
図7に示すように、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第1目標値I11から第2目標値I12に切り替える(時点t13)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t14)。このとき、負荷が第1光源部21と第2光源部22との両方になるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1の電流値を第2目標値I12に保つ。
【0060】
上記より、時点t13から時点t14までの期間T12において、時点t14でバイパススイッチQ1がオフ状態になったことにより、第2光源部22に過電流(第2目標値I12よりも大きい第1目標値I11の出力電流I1)が流れることを抑制できる。なお、期間T12は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0061】
次に、短絡状態における出力電流I1の目標値(第1目標値I11)が接続状態における出力電流I1の目標値(第2目標値I12)よりも小さい場合について
図8及び
図9を参照して説明する。上記の場合とは、第1光源部21及び第2光源部22の両方が用いられるときの出力電流I1よりも、第1光源部21のみが用いられるときの出力電流I1の方が小さい場合である。
【0062】
最初に、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる際の動作について
図8を参照して説明する。切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作が行われると、
図8に示すように、まず、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t15)。このとき、出力電流I1が第2目標値I12で一定のまま、出力電圧V1が第1光源部21のみに印加されるため、出力電圧V1が低下する。その後、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第2目標値I12から第1目標値I11に切り替える(時点t16)。
【0063】
上記より、このような場合であっても、第2光源部22の状態を接続状態から短絡状態に正常に切り替えることができる。第2光源部22に過電流が流れない。なお、時点t15から時点t16までの期間T13は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0064】
次に、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる際の動作について
図9を参照して説明する。切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作が行われると、
図9に示すように、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第1目標値I11から第2目標値I12に切り替える(時点t17)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t18)。このとき、負荷が第1光源部21と第2光源部22との両方になるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1の電流値を第2目標値I12に保つ。
【0065】
上記より、このような場合であっても、第2光源部22の状態を短絡状態から接続状態に正常に切り替えることができる。第2光源部22に過電流が流れない。なお、時点t17から時点t18までの期間T14は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0066】
(3)効果
実施形態1に係る点灯装置1では、第2光源部22の状態を接続状態から短絡状態に切り替えた後に、出力電流I1の大きさを切り替える。これにより、短絡状態における出力電流I1の第1目標値I11が接続状態における出力電流I1の第2目標値I12より大きい場合であっても、出力電流I1の大きさを切り替える前に、第2光源部22の状態を短絡状態にすることができる。その結果、第2光源部22に過電流が流れることを抑制できる。
【0067】
実施形態1に係る点灯装置1では、第2光源部22の状態を短絡状態から接続状態に切り替える前に、出力電流I1の大きさを切り替える。これにより、短絡状態における出力電流I1の第1目標値I11が接続状態における出力電流I1の第2目標値I12よりも大きい場合であっても、第2光源部22に過電流が流れることを抑制できる。
【0068】
実施形態1に係る点灯装置1では、接続状態では、バイパススイッチQ1がオフ状態であり、短絡状態では、バイパススイッチQ1がオン状態である。これにより、第2光源部22における接続状態と短絡状態との切替えを容易に行うことができる。
【0069】
実施形態1に係る点灯装置1では、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替えた後に、電力制御部41が出力電流I1の大きさを切り替える。これにより、出力電流I1の大きさを容易に切り替えることができる。
【0070】
実施形態1に係る点灯装置1では、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える前に、電力制御部41が出力電流I1の大きさを切り替える。これにより、出力電流I1の大きさを容易に切り替えることができる。
【0071】
(実施形態2)
実施形態2に係る点灯装置1は、第2光源部22の状態が切り替えられる際に、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のうちのいずれか小さいほうの値とする点で、実施形態1に係る点灯装置1と相違する。なお、実施形態2に係る点灯装置1に関し、実施形態1に係る点灯装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
(1)構成
実施形態2の点灯装置1では、電力制御部41は、バイパススイッチQ1の切替以前に出力電流I1の電流値を、短絡状態における出力電流I1の第1目標値I11及び接続状態における出力電流I1の第2目標値I12のうちのいずれか小さいほうの電流値とする。ここで、「バイパススイッチQ1の切替以前」は、バイパススイッチQ1の切替よりも前のタイミングと、バイパススイッチQ1の切替と同時のタイミングとの両方を含む意味である。
【0073】
また、電力制御部41は、バイパススイッチQ1の切替以後に出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のうち、切替後の第2光源部22の状態における出力電流I1の目標値とする。ここで、「バイパススイッチQ1の切替以後」は、バイパススイッチQ1の切替と同時のタイミングと、バイパススイッチQ1の切替よりも後のタイミングとを含む意味である。
【0074】
(2)動作例
実施形態2の点灯装置1の動作例について
図10を参照して説明する。
【0075】
まず、第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる接続状態から、第1光源部21のみを点灯させる短絡状態に切り替える場合について
図10を参照して説明する。つまり、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える場合における点灯装置1の動作例について説明する。
【0076】
第2光源部22を消灯するために、運転手が、切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作を行う。切替スイッチSW2がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のいずれか小さいほうの値とする(ステップS21)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS22)。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を第1目標値I11(切替後の第2光源部22の状態における出力電流I1の目標値)とする(ステップS23)。
【0077】
次に、第1光源部21のみを点灯させる短絡状態から、第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる接続状態に切り替える場合について
図10を参照して説明する。つまり、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える場合における点灯装置1の動作例について説明する。
【0078】
第2光源部22を点灯するために、運転手が、切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作を行う。切替スイッチSW2がオフ状態からオン状態に切り替わった場合、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のいずれか小さいほうの値とする(ステップS21)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS22)。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を第2目標値I12(切替後の第2光源部22の状態における出力電流I1の目標値)とする(ステップS23)。
【0079】
次に、短絡状態における出力電流I1の目標値(第1目標値I11)が接続状態における出力電流I1の目標値(第2目標値I12)よりも大きい場合について
図11及び
図12を参照して説明する。
【0080】
最初に、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる際の動作について
図11を参照して説明する。切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作が行われると、
図11に示すように、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のいずれか小さいほうの値(第2目標値I12)とする(時点t211)。時点t211において、出力電流I1の電流値は既に第2目標値I12であるため、出力電流I1の電流値は変わらない。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t212)。このとき、出力電流I1が第2目標値I12で一定のまま、出力電圧V1が第1光源部21のみに印加されるため、出力電圧V1が低下する。その後、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第2目標値I12から第1目標値I11に切り替える(時点t22)。
【0081】
上記より、時点t212でバイパススイッチQ1がオン状態になったことにより、時点t212以降では第2光源部22には出力電流I1が流れなくなる。これにより、時点t212から時点t22までの期間T21において、第2光源部22に過電流(第2目標値I12よりも大きい第1目標値I11の出力電流I1)が流れることを抑制できる。なお、期間T21は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。また、時点t211での動作と時点t212での動作は同時に実行されてもよい。
【0082】
次に、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる際の動作について
図12を参照して説明する。切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作が行われると、
図12に示すように、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のいずれか小さいほうの値(第2目標値I12)とする(時点t23)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t241)。このとき、負荷が第1光源部21と第2光源部22との両方になるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1の電流値を第2目標値I12に保つ。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を第1目標値I11とする(時点t242)。
【0083】
上記より、時点t23で出力電流I1の電流値が第2目標値I12となり、時点t241でバイパススイッチQ1がオフ状態になったことにより、第2光源部22に過電流(第2目標値I12よりも大きい第1目標値I11の出力電流I1)が流れることを抑制できる。なお、時点t23から時点t241までの期間T22は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。また、時点t241での動作と時点t242での動作は同時に実行されてもよい。
【0084】
次に、短絡状態における出力電流I1の目標値(第1目標値I11)が接続状態における出力電流I1の目標値(第2目標値I12)よりも小さい場合について
図13及び
図14を参照して説明する。
【0085】
最初に、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる際の動作について
図13を参照して説明する。切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作が行われると、
図13に示すように、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のいずれか小さいほうの値(第1目標値I11)とする(時点t25)。つまり、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第2目標値I12から第1目標値I11に切り替える。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t261)。このとき、出力電流I1が第1目標値I11で一定のまま、出力電圧V1が第1光源部21のみに印加されるため、出力電圧V1が低下する。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を第1目標値I11とする(時点t262)。
【0086】
上記より、このような場合であっても、第2光源部22の状態を接続状態から短絡状態に正常に切り替えることができる。第2光源部22に過電流が流れない。なお、時点t25から時点t261までの期間T23は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。また、時点t261での動作と時点t262での動作は同時に実行されてもよい。
【0087】
次に、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる際の動作について
図14を参照して説明する。切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作が行われると、
図14に示すように、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のいずれか小さいほうの値(第1目標値I11)とする(時点t271)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t272)。負荷が第1光源部21と第2光源部22との両方になるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1の電流値を第1目標値I11に保つ。その後、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第1目標値I11から第2目標値I12に切り替える(時点t28)。
【0088】
上記より、このような場合であっても、第2光源部22の状態を短絡状態から接続状態に正常に切り替えることができる。第2光源部22に過電流が流れない。なお、時点t272から時点t28までの期間T24は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。また、時点t271での動作と時点t272での動作は同時に実行されてもよい。
【0089】
(3)効果
実施形態2に係る点灯装置1では、バイパススイッチQ1の切替以前に出力電流I1の電流値を第1目標値I11及び第2目標値I12のうちのいずれか小さいほうの電流値とする。これにより、第2光源部22に過電流が流れることを精度よく抑制できる。
【0090】
(実施形態3)
実施形態3に係る点灯装置1は、第2光源部22の状態を切り替える際に、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12よりも小さい値(第3目標値I13)とする点で、実施形態1に係る点灯装置1と相違する。なお、実施形態3に係る点灯装置1に関し、実施形態1に係る点灯装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
(1)構成
実施形態3の点灯装置1では、電力制御部41は、バイパススイッチQ1の切替以前に出力電流I1の電流値を、短絡状態における出力電流I1の第1目標値I11及び接続状態における出力電流I1の第2目標値I12の両方よりも小さい電流値(第3目標値I13)とする。ここで、「バイパススイッチQ1の切替以前」は、バイパススイッチQ1の切替よりも前のタイミングと、バイパススイッチQ1の切替と同時のタイミングとの両方を含む意味である。
【0092】
また、電力制御部41は、バイパススイッチQ1の切替以後に出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12のうち、切替後の第2光源部22の状態における出力電流I1の目標値とする。ここで、「バイパススイッチQ1の切替以後」は、バイパススイッチQ1の切替と同時のタイミングと、バイパススイッチQ1の切替よりも後のタイミングとを含む意味である。
【0093】
(2)動作例
実施形態3の点灯装置1の動作例について
図15を参照して説明する。
【0094】
まず、第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる接続状態から、第1光源部21のみを点灯させる短絡状態に切り替える場合について
図15を参照して説明する。つまり、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える場合における点灯装置1の動作例について説明する。
【0095】
第2光源部22を消灯するために、運転手が、切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作を行う。切替スイッチSW2がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12よりも低い値(第3目標値I13)とする(ステップS31)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS32)。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を切り替える(ステップS33)。つまり、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を第3目標値I13から第1目標値I11に切り替える。
【0096】
次に、第1光源部21のみを点灯させる短絡状態から、第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる接続状態に切り替える場合について
図15を参照して説明する。つまり、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える場合における点灯装置1の動作例について説明する。
【0097】
第2光源部22を点灯するために、運転手が、切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作を行う。切替スイッチSW2がオフ状態からオン状態に切り替わった場合、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を切り替える(ステップS31)。つまり、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12よりも低い値(第3目標値I13)とする。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS32)。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を切り替える(ステップS33)。つまり、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を第3目標値I13から第2目標値I12に切り替える。
【0098】
次に、短絡状態における出力電流I1の目標値(第1目標値I11)が接続状態における出力電流I1の目標値(第2目標値I12)よりも大きい場合について
図16及び
図17を参照して説明する。
【0099】
最初に、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる際の動作について
図16を参照して説明する。切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作が行われると、
図16に示すように、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12よりも小さい値(第3目標値I13)とする(時点t31)。このとき、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1が小さくなる。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t32)。このとき、出力電流I1は第3目標値I13で一定のまま、出力電圧V1が第1光源部21のみに印加されるため、出力電圧V1が低下する。その後、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第3目標値I13から第1目標値I11に切り替える(時点t33)。
【0100】
上記より、時点t32でバイパススイッチQ1がオン状態になったことにより、時点t32以降では第2光源部22には出力電流I1が流れなくなる。これにより、時点t31から時点t33までの期間T31において、第2光源部22に過電流(第2目標値I12よりも大きい第1目標値I11の出力電流I1)が流れない。なお、期間T31は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0101】
次に、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる際の動作について
図17を参照して説明する。切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作が行われると、
図17に示すように、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12よりも小さい値(第3目標値I13)とする(時点t34)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t35)。このとき、負荷が第1光源部21と第2光源部22との両方になるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1の電流値を第3目標値I13に保つ。その後、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第3目標値I13から第2目標値I12に切り替える(時点t36)。
【0102】
上記より、時点t34から時点t36までの期間T32において出力電流I1の電流値が第3目標値I13であり、時点t35でバイパススイッチQ1がオフ状態になったことにより、第2光源部22に過電流(第2目標値I12よりも大きい第1目標値I11の出力電流I1)が流れない。なお、期間T32は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0103】
次に、短絡状態における出力電流I1の目標値(第1目標値I11)が接続状態における出力電流I1の目標値(第2目標値I12)よりも小さい場合について
図18及び
図19を参照して説明する。
【0104】
最初に、第2光源部22の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる際の動作について
図18を参照して説明する。切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作が行われると、
図18に示すように、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12よりも小さい値(第3目標値I13)とする(時点t41)。このとき、出力電流I1の電流値が第2目標値I12から第3目標値I13へ小さくなる。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t42)。このとき、負荷が第1光源部21のみとなるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1の電流値を第3目標値I13で一定とする。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を第3目標値I13から第1目標値I11に切り替える(時点t43)。
【0105】
上記より、このような場合であっても、第2光源部22の状態を接続状態から短絡状態に正常に切り替えることができる。第2光源部22に過電流が流れることを抑制できる。なお、時点t41から時点t43までの期間T41は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0106】
次に、第2光源部22の状態が短絡状態から接続状態に切り替えられる際の動作について
図19を参照して説明する。切替スイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り替える操作が行われると、
図19に示すように、まず、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を、第1目標値I11及び第2目標値I12よりも小さい値(第3目標値I13)とする(時点t44)。その後、スイッチ制御部42が、バイパススイッチQ1をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t45)。負荷が第1光源部21と第2光源部22との両方になるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1の電流値を第3目標値I13に保つ。その後、電力制御部41が、電力変換部3を制御して出力電流I1の電流値を第3目標値I13から第2目標値I12に切り替える(時点t46)。
【0107】
上記より、このような場合であっても、第2光源部22の状態を短絡状態から接続状態に正常に切り替えることができる。第2光源部22に過電流が流れることを抑制できる。なお、時点t44から時点t46までの期間T42は、一例として500μsであるが、この数値に限らない。
【0108】
(3)効果
実施形態3に係る点灯装置1では、バイパススイッチQ1の切替以前に出力電流I1の電流値を第1目標値I11及び第2目標値I12の両方よりも小さい電流値(第3目標値I13)とする。これにより、第2光源部22に過電流が流れることを精度よく抑制できる。
【0109】
(実施形態4)
実施形態4に係る点灯装置1は、
図20に示すように、第1光源部21に第1バイパススイッチQ11が並列接続されており、かつ、第2光源部22に第2バイパススイッチQ12が並列接続されている点で、実施形態1に係る点灯装置1(
図1参照)と相違する。なお、実施形態4に係る点灯装置1に関し、実施形態1に係る点灯装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】
(1)構成
実施形態4の点灯装置1は、
図20に示すように、第1バイパススイッチQ11と、第2バイパススイッチQ12とを備える。第1バイパススイッチQ11は、第1光源部21に電気的に並列接続されている。第2バイパススイッチQ12は、第2光源部22に電気的に並列接続されている。第1バイパススイッチQ11は、第2バイパススイッチQ12とは別体である。
【0111】
実施形態4のスイッチ制御部42は、第1バイパススイッチQ11及び第2バイパススイッチQ12を制御する。
【0112】
実施形態4の電力制御部41は、第1バイパススイッチQ11のオン/オフの状態及び第2バイパススイッチQ12のオン/オフの状態に応じて出力電流I1を切り替えて第1光源部21及び第2光源部22に電力を供給する。
【0113】
電力制御部41は、第1光源部21の状態が第1状態から第2状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部42が第1バイパススイッチQ11を制御して第1光源部21の状態を第1状態から第2状態に切り替えた後に、出力電流I1の大きさを切り替える機能を有する。
【0114】
電力制御部41は、第1光源部21の状態が第2状態から第1状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部42が第1バイパススイッチQ11を制御して第1光源部21の状態を第2状態から第1状態に切り替える前に、出力電流I1の大きさを切り替える機能を更に有する。
【0115】
ここで、第1状態とは、第1光源部21が第2光源部22に電気的に接続されており第1光源部21に出力電流I1が流れる接続状態をいう。第2状態とは、第1光源部21が電気的に短絡されている短絡状態をいう。
【0116】
スイッチ制御部42は、第1光源部21の状態を第1状態から第2状態に切り替える場合、第1バイパススイッチQ11がオフ状態からオン状態になるように第1バイパススイッチQ11を制御する。電力制御部41は、スイッチ制御部42が第1バイパススイッチQ11をオフ状態からオン状態に切り替えた後に、出力電流I1の大きさを切り替える。
【0117】
スイッチ制御部42は、第1光源部21の状態を第2状態から第1状態に切り替える場合、第1バイパススイッチQ11がオン状態からオフ状態になるように第1バイパススイッチQ11を制御する。電力制御部41は、スイッチ制御部42が第1バイパススイッチQ11をオン状態からオフ状態に切り替える前に、出力電流I1の大きさを切り替える。
【0118】
(2)効果
実施形態4に係る点灯装置1では、第1光源部21の状態を第1状態(接続状態)から第2状態(短絡状態)に切り替えた後に、出力電流I1の大きさを切り替える。これにより、第1光源部21の短絡状態における出力電流I1の目標値が第1光源部21の接続状態における出力電流I1の目標値より大きい場合であっても、出力電流I1の大きさを切り替える前に、第1光源部21を短絡状態にすることができる。その結果、第1光源部21に過電流が流れることを抑制できる。
【0119】
(実施形態5)
実施形態5に係る点灯装置1は、
図21に示すように、3つの光源部2を備える点で、実施形態1に係る点灯装置1(
図1参照)と相違する。なお、実施形態5に係る点灯装置1に関し、実施形態1に係る点灯装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0120】
(1)構成
実施形態5の点灯装置1は、
図21に示すように、第1光源部21及び第2光源部22と共に、第3光源部23を更に備える。なお、実施形態5の点灯装置1に関し、実施形態1の点灯装置1(
図1参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
【0121】
また、実施形態5の点灯装置1は、
図21に示すように、第1バイパススイッチQ11と、第2バイパススイッチQ12と、第3バイパススイッチQ13とを備える。第1バイパススイッチQ11は、第1光源部21に電気的に並列接続されている。第2バイパススイッチQ12は、第2光源部22に電気的に並列接続されている。第3バイパススイッチQ13は、第3光源部23に電気的に並列接続されている。第1バイパススイッチQ11は、第2バイパススイッチQ12及び第3バイパススイッチQ13とは別体である。
【0122】
また、第1バイパススイッチQ11には、第1コンデンサC21が電気的に並列接続されており、第2バイパススイッチQ12には、第2コンデンサC22が電気的に並列接続されており、第3バイパススイッチQ13には、第3コンデンサC23が電気的に並列接続されている。
【0123】
(2)動作例
次に、実施形態5の点灯装置1の動作例について
図22を参照して説明する。
【0124】
まず、第1光源部21、第2光源部22、及び第3光源部23の全てを点灯させる状態(第1接続状態)から、第2光源部22及び第3光源部23のみを点灯させる状態(第2接続状態)に切り替える場合、第1バイパススイッチQ11をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t51)。このとき、負荷が第2光源部22及び第3光源部23となるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1を第1目標値I14で一定に保つ。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を大きくする(時点t52)。出力電流I1の電流値は、時点t51では第1目標値I14のままであり、時点t52で第1目標値I14から第2目標値I15に切り替わる。
【0125】
上記のように、時点t52よりも前の時点t51で第1バイパススイッチQ11がオン状態になったことにより、時点t51から時点t52までの期間T51において、第1光源部21に過電流(第2目標値I15の出力電流I1)が流れることを抑制できる。
【0126】
続いて、第2光源部22及び第3光源部23を点灯させる状態(第2接続状態)から、第2光源部22のみを点灯させる状態(第1短絡状態)に切り替える場合、第3バイパススイッチQ13をオフ状態からオン状態に切り替える(時点t53)。このとき、負荷が第2光源部22のみとなるが、電力制御部41の定電流制御により、出力電流I1を第2目標値I15で一定に保つ。その後、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を大きくする(時点t54)。出力電流I1の電流値は、時点t53では第2目標値I15のままであり、時点t54で第2目標値I15から第2目標値I16に切り替わる。
【0127】
上記のように、時点t54よりも前の時点t53で第3バイパススイッチQ13がオン状態になったことにより、時点t53から時点t54までの期間T52において、第3光源部23に過電流(第2目標値I16の出力電流I1)が流れることを抑制できる。
【0128】
その後、第2光源部22のみを点灯させる状態(第1短絡状態)から、第1光源部21及び第2光源部22を点灯させる状態(第2短絡状態)に切り替える場合、スイッチ制御部42が、第1バイパススイッチQ11をオン状態からオフ状態に切り替える前に、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を小さくする(時点t55)。その後、スイッチ制御部42が、第1バイパススイッチQ11をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t56)。出力電流I1の電流値は、時点t56よりも前の時点t55で第2目標値I16から第2目標値I15に切り替わる。
【0129】
上記のように、時点t55より後の時点t56で第1バイパススイッチQ11がオフ状態になったことにより、時点t55から時点t56までの期間T53において、第1光源部21に過電流(第2目標値I15,I16の出力電流I1)が流れることを抑制できる。
【0130】
その後、第1光源部21及び第2光源部22を点灯させる状態(第2短絡状態)から、第1光源部21、第2光源部22、及び第3光源部23を点灯させる状態(第1接続状態)に切り替える場合、スイッチ制御部42が、第3バイパススイッチQ13をオン状態からオフ状態に切り替える前に、電力制御部41が、出力電流I1の電流値を小さくする(時点t57)。ただし、
図22の例では、出力電流I1の電流値が既に小さくなっているから一定(第1目標値I14)のままである。その後、スイッチ制御部42が、第3バイパススイッチQ13をオン状態からオフ状態に切り替える(時点t58)。
【0131】
時点t57から時点t58までの期間T54においても、第3光源部23に過電流が流れることを抑制できる。
【0132】
(変形例)
実施形態1~5の変形例に係る点灯装置1の動作例について
図23を参照して説明する。
図23は、実施形態1の変形例の場合を示す。ここでは、第1光源部21及び第2光源部22の両方を点灯させる状態から、第1光源部21のみを点灯させる状態に切り替える場合について説明する。つまり、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える場合における点灯装置1の動作例について説明する。
【0133】
第2光源部22を消灯するために、運転手が、切替スイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り替える操作を行う。
【0134】
電力制御部41は、切替スイッチSW2がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、所定の停止期間T60(時点t61から時点t63までの期間)の間、電力変換部3を停止させる。具体的には、電力制御部41は、停止期間T60の間、降圧コンバータ回路32を停止させる。なお、電力制御部41は、停止期間T60の間、降圧コンバータ回路32と、昇圧コンバータ回路31との両方を停止させてもよい。
【0135】
したがって、停止期間T60において、停止期間T60の前に比べて電力変換部3の出力電流I1が低減して略ゼロとなる。電力制御部41は、停止期間T60が経過すると(時点t63)、電力変換部3(降圧コンバータ回路32)の動作を再開させ、電力変換部3の出力電流I1を停止前の状態に復帰させる。つまり、電力制御部41は、切替スイッチSW2がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、電力変換部3の出力電流I1を一時的に低減させる。停止期間T60は、一例として30μsであるが、この数値に限らない。
【0136】
スイッチ制御部42は、切替スイッチSW2がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、電力制御部41が電力変換部3の出力電流I1を低減させた状態(停止期間T60中)で、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える。言い換えれば、電力制御部41は、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える前に、電力変換部3を停止させる。本変形例では、スイッチ制御部42は、電力制御部41が電力変換部3の出力電流I1の低減を開始した時点t61から、第1期間T61が経過した時点t62において、バイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替える。第1期間T61は、一例として10μsであるが、この数値に限らない。電力変換部3は、スイッチ制御部42がバイパススイッチQ1をオフ状態からオン状態に切り替えた時点t62から、第2期間T62が経過した時点t63において、電力変換部3の動作を再開させる。第2期間T62は、一例として20μsであるが、この数値に限らない。
【0137】
本変形例の点灯装置1では、電力変換部3が停止している状態で、バイパススイッチQ1がオフ状態からオン状態に切り替えられる。したがって、電力変換部3の出力電流I1が略ゼロである状態で、平滑コンデンサC1からサージ電流が発生する。これにより、光源部2に過電流が流れることが抑制される。より具体的には、バイパススイッチQ1がオフ状態からオン状態に切り替わった際に、複数の光源部2のうちバイパススイッチQ1が並列接続されていない光源部2(第1光源部21)に過電流が流れることが抑制される。
【0138】
また、電力変換部3が停止してからバイパススイッチQ1がオンするまでの第1期間T61において、平滑コンデンサC1が放電するため、バイパススイッチQ1がオンした際のサージ電流が抑制される。したがって、第1光源部21に過電流が流れることが抑制される。第1期間T61は、平滑コンデンサC1のサージ電流が第1光源部21に流れた際における電流I2のピーク値が、第1光源部21の定常時における電流I2の電流値よりも小さくなるように設定されていることが好ましい。第1光源部21の定常時における電流I2の電流値とは、定電流制御される電力変換部3(降圧コンバータ回路32)の出力電流I1の目標値である。
【0139】
第1コンデンサC21は、第1光源部21と電気的に並列接続されている。したがって、バイパススイッチQ1がオフ状態からオン状態に切り替わっても、第1コンデンサC21の両端間における電気負荷の変化がない。そのため、第1コンデンサC21からサージ電流が発生しない。
【0140】
第2コンデンサC22は、バイパススイッチQ1と電気的に並列接続されている。したがって、バイパススイッチQ1がオフ状態からオン状態に切り替わると、バイパススイッチQ1を介して第2コンデンサC22が短絡する。そのため、第2光源部22に過電流が流れることが抑制される。
【0141】
また、電力変換部3の出力端P31,P32間において、平滑コンデンサC1と、第1コンデンサC21及び第2コンデンサC22の直列回路と、が電気的に並列接続されている。平滑コンデンサC1と、第1コンデンサC21及び第2コンデンサC22の直列回路と、の合成容量によって、電力変換部3の出力電流I1のリップルを抑制することができる。したがって、本実施形態の点灯装置1では、第1コンデンサC21及び第2コンデンサC22を備えていない構成に比べて、平滑コンデンサC1の容量の低減を図ることができる。これにより、平滑コンデンサC1のサージ電流を抑制することができ、第1光源部21に過電流が流れることを抑制することができる。
【0142】
実施形態1~5の他の変形例として、点灯装置1において、電力変換部3の出力端P31,P32間に接続された平滑コンデンサC1は、必須の構成ではなく、
図24に示すように、平滑コンデンサC1が省略されていてもよい。
図24は、実施形態1の変形例の場合を示す。電力変換部3の出力端P31,P32間には、複数のコンデンサC2(第1コンデンサC21、第2コンデンサC22)が直列接続されている。したがって、平滑コンデンサC1を省略した構成であっても、複数のコンデンサC2(第1コンデンサC21、第2コンデンサC22)の合成容量により、電力変換部3の出力電流I1のリップルを抑制することができる。これにより、点灯装置1と複数の光源部2とを電気的に接続するケーブル等から放射される輻射ノイズを抑制することができる。また、
図25に示すように、電力変換部3の出力電流I1を低減させず、バイパススイッチQ1がオフ状態からオン状態に切り替えても(時点t71)、平滑コンデンサC1が省略されていることにより、第1光源部21に過電流が流れることが抑制される。
【0143】
実施形態1~5の他の変形例として、点灯装置1は、コンピュータシステム(制御部4)を含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、点灯装置1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリにあらかじめ記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、電力制御部41とスイッチ制御部42とは、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。
【0144】
また、点灯装置1における複数の構成要素(又は機能)が、1つの筐体内に集約されていることは点灯装置1に必須の構成ではない。点灯装置1の構成要素(又は機能)は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。
【0145】
(まとめ)
以上説明した実施形態及び変形例より以下の態様が開示されている。
【0146】
第1の態様に係る点灯装置(1)は、電力変換部(3)と、バイパススイッチ(Q1)と、スイッチ制御部(42)と、電力制御部(41)とを備える。電力変換部(3)は、第1光源部(21)及び第2光源部(22)を含む光源ユニット(10)に出力電流(I1)を出力して電力を供給する。第1光源部(21)及び第2光源部(22)は、互いに電気的に直列接続されている。バイパススイッチ(Q1)は、第2光源部(22)に電気的に並列接続されている。スイッチ制御部(42)は、バイパススイッチ(Q1)を制御する。電力制御部(41)は、電力変換部(3)を制御する。電力変換部(3)は、バイパススイッチ(Q1)のオン/オフの状態に応じて出力電流(I1)の大きさを切り替えて光源ユニット(10)に電力を供給する。電力制御部(41)は、第2光源部(22)の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)がバイパススイッチ(Q1)を制御して第2光源部(22)を接続状態から短絡状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を有する。接続状態は、第2光源部(22)が第1光源部(21)に電気的に接続されており第2光源部(22)に出力電流(I1)が流れる状態である。短絡状態は、第2光源部(22)が電気的に短絡されている状態である。
【0147】
第1の態様に係る点灯装置(1)によれば、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)より大きい場合であっても、出力電流(I1)の大きさを切り替える前に、第2光源部(22)を短絡状態にすることができる。その結果、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0148】
第2の態様に係る点灯装置(1)は、第1の態様において、電力制御部(41)は、第2光源部(22)が短絡状態から接続状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)がバイパススイッチ(Q1)を制御して第2光源部(22)を短絡状態から接続状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を更に有する。
【0149】
第2の態様に係る点灯装置(1)によれば、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)よりも大きい場合であっても、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0150】
第3の態様に係る点灯装置(1)は、第2の態様において、接続状態では、バイパススイッチ(Q1)がオフ状態である。短絡状態では、バイパススイッチ(Q1)がオン状態である。
【0151】
第3の態様に係る点灯装置(1)によれば、第2光源部(22)における接続状態と短絡状態との切替えを容易に行うことができる。
【0152】
第4の態様に係る点灯装置(1)は、第3の態様において、スイッチ制御部(42)は、第2光源部(22)を接続状態から短絡状態に切り替える場合、バイパススイッチ(Q1)がオフ状態からオン状態になるようにバイパススイッチ(Q1)を制御する。電力制御部(41)は、第2光源部(22)が接続状態から短絡状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)がバイパススイッチ(Q1)をオフ状態からオン状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替える。
【0153】
第4の態様に係る点灯装置(1)によれば、出力電流(I1)の大きさを容易に切り替えることができる。
【0154】
第5の態様に係る点灯装置(1)は、第3又は4の態様において、スイッチ制御部(42)は、第2光源部(22)を短絡状態から接続状態に切り替える場合、バイパススイッチ(Q1)がオン状態からオフ状態になるようにバイパススイッチ(Q1)を制御する。電力制御部(41)は、第2光源部(22)が短絡状態から接続状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)がバイパススイッチ(Q1)をオン状態からオフ状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替える。
【0155】
第5の態様に係る点灯装置(1)によれば、出力電流(I1)の大きさを容易に切り替えることができる。
【0156】
第6の態様に係る点灯装置(1)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、電力制御部(41)は、バイパススイッチ(Q1)の切替以前に出力電流(I1)の電流値を、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)及び接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)のうちのいずれか小さいほうの電流値とする。電力制御部(41)は、バイパススイッチ(Q1)の切替以後に出力電流(I1)の電流値を、第1目標値(I11)及び第2目標値(I12)のうち、切替後の第2光源部(22)の状態における出力電流(I1)の目標値とする。
【0157】
第6の態様に係る点灯装置(1)によれば、第2光源部(22)に過電流が流れることを精度よく抑制できる。
【0158】
第7の態様に係る点灯装置(1)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、電力制御部(41)は、バイパススイッチ(Q1)の切替以前に出力電流(I1)の電流値を、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)及び接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)の両方よりも小さい電流値(第3目標値I13)とする。電力制御部(41)は、バイパススイッチ(Q1)の切替以後に出力電流(I1)の電流値を、第1目標値(I11)及び第2目標値(I12)のうち、切替後の第2光源部(22)の状態における出力電流(I1)の目標値とする。
【0159】
第7の態様に係る点灯装置(1)によれば、第2光源部(22)に過電流が流れることを精度よく抑制できる。
【0160】
第8の態様に係る点灯装置(1)は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、第1バイパススイッチ(Q11)を更に備える。第1バイパススイッチ(Q11)は、第1光源部(21)に電気的に並列接続されている。第1バイパススイッチ(Q11)は、第2バイパススイッチとは別体である。第2バイパススイッチ(Q12)は、第2光源部(22)に電気的に並列接続されている。スイッチ制御部(42)は、第1バイパススイッチ(Q11)を制御する。電力変換部(3)は、第1バイパススイッチ(Q11)のオン/オフの状態に応じて出力電流(I1)の大きさを切り替えて光源ユニット(10)に電力を供給する。電力制御部(41)は、第1光源部(21)の状態が第1状態から第2状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)が第1バイパススイッチ(Q11)を制御して第1光源部(21)を第1状態から第2状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を更に有する。第1状態は、第1光源部(21)が第2光源部(22)に電気的に接続されており第1光源部(21)に出力電流(I1)が流れる状態である。第2状態は、第1光源部(21)が電気的に短絡されている状態である。
【0161】
第8の態様に係る点灯装置(1)によれば、第1光源部(21)の短絡状態における出力電流(I1)の目標値が第1光源部(21)の接続状態における出力電流(I1)の目標値より大きい場合であっても、出力電流(I1)の大きさを切り替える前に、第1光源部(21)を短絡状態にすることができる。その結果、第1光源部(21)に過電流が流れることを抑制できる。
【0162】
第9の態様に係る点灯装置(1)では、第8の態様において、電力制御部(41)は、第1光源部(21)が第2状態から第1状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)が第1バイパススイッチ(Q11)を制御して第1光源部(21)を第2状態から第1状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を更に有する。
【0163】
第9の態様に係る点灯装置(1)によれば、第1光源部(21)の短絡状態(第2状態)における出力電流(I1)の目標値が第1光源部(21)の接続状態(第1状態)における出力電流(I1)の目標値よりも大きい場合であっても、第1光源部(21)に過電流が流れることを抑制できる。
【0164】
第10の態様に係る点灯装置(1)では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、光源ユニット(10)は、第1光源部(21)及び第2光源部(22)に直列接続された第3光源部(23)を更に含む。点灯装置(1)は、第3光源部用バイパススイッチ(第3バイパススイッチQ13)を更に備える。第3光源部用バイパススイッチは、第3光源部(23)に電気的に並列接続されている。スイッチ制御部(42)は、第3光源部用バイパススイッチを制御する。電力変換部(3)は、第3光源部用バイパススイッチのオン/オフの状態に応じて出力電流(I1)の大きさを切り替えて光源ユニット(10)に電力を供給する。電力制御部(41)は、第3光源部(23)の状態が第3光源部(23)の接続状態から第3光源部(23)の短絡状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)が第3光源部用バイパススイッチを制御して第3光源部(23)を第3光源部(23)の接続状態から第3光源部(23)の短絡状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を更に有する。第3光源部(23)の接続状態は、第3光源部(23)が第1光源部(21)及び第2光源部(22)の少なくとも一方に電気的に接続されており第3光源部(23)に出力電流(I1)が流れる状態である。第3光源部(23)の短絡状態は、第3光源部(23)が電気的に短絡されている状態である。
【0165】
第10の態様に係る点灯装置(1)によれば、光源部2の数が3つ以上である場合であっても、第2光源部(22)だけでなく、第3光源部(23)に過電流が流れることを抑制できる。
【0166】
第11の態様に係る点灯装置(1)では、第10の態様において、電力制御部(41)は、第3光源部(23)が第3光源部(23)の短絡状態から第3光源部(23)の接続状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)が第3光源部用バイパススイッチ(第3バイパススイッチQ13)を制御して第3光源部(23)を第3光源部(23)の短絡状態から第3光源部(23)の接続状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を更に有する。
【0167】
第11の態様に係る点灯装置(1)によれば、第3光源部(23)の短絡状態における出力電流(I1)の目標値が第3光源部(23)の接続状態における出力電流(I1)の目標値よりも大きい場合であっても、第3光源部(23)に過電流が流れることを抑制できる。
【0168】
第12の態様に係る灯具(100)は、第1~11の態様のいずれか1つの点灯装置(1)と、第1光源部(21)と、第2光源部(22)と、ハウジング(101)とを備える。ハウジング(101)は、第1光源部(21)及び第2光源部(22)を収納する。
【0169】
第12の態様に係る灯具(100)によれば、点灯装置(1)において、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)より大きい場合であっても、出力電流(I1)の大きさを切り替える前に、第2光源部(22)を短絡状態にすることができる。その結果、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0170】
第13の態様に係る車両(200)は、第12の態様の灯具(100)と、車体(201)とを備える。車体(201)は、灯具(100)を搭載する。
【0171】
第13の態様に係る車両(200)によれば、点灯装置(1)において、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)より大きい場合であっても、出力電流(I1)の大きさを切り替える前に、第2光源部(22)を短絡状態にすることができる。その結果、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0172】
第14の態様に係る制御方法は、電力変換部(3)と、バイパススイッチ(Q1)とを制御する制御方法である。電力変換部(3)は、互いに電気的に直列接続された第1光源部(21)及び第2光源部(22)を含む光源ユニット(10)に出力電流(I1)を出力して電力を供給する。バイパススイッチ(Q1)は、第2光源部(22)に電気的に並列接続されている。制御方法は、第2光源部(22)の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる場合、バイパススイッチ(Q1)を制御して第2光源部(22)を接続状態から短絡状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替えるステップを有する。接続状態は、第2光源部(22)が第1光源部(21)に電気的に接続されており第2光源部(22)に出力電流(I1)が流れる状態である。短絡状態は、第2光源部(22)が電気的に短絡されている状態である。制御方法は、第2光源部(22)が短絡状態から接続状態に切り替えられる場合、バイパススイッチ(Q1)を制御して第2光源部(22)を短絡状態から接続状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替えるステップを有する。
【0173】
第14の態様に係る制御方法によれば、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)より大きい場合であっても、出力電流(I1)の大きさを切り替える前に、第2光源部(22)を短絡状態にすることができる。その結果、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0174】
また、第14の態様に係る制御方法によれば、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)よりも大きい場合であっても、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0175】
第15の態様に係る制御方法では、第14の態様において、光源ユニット(10)は、第1光源部(21)及び第2光源部(22)に直列接続された第3光源部(23)を更に含む。制御方法は、第3光源部(23)の状態が第3光源部(23)の接続状態から第3光源部(23)の短絡状態に切り替えられる場合、第3光源部(23)に電気的に並列接続された第3光源部用バイパススイッチ(第3バイパススイッチQ13)を制御して第3光源部(23)を第3光源部(23)の接続状態から第3光源部(23)の短絡状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替えるステップを更に有する。第3光源部(23)の接続状態は、第3光源部(23)が第1光源部(21)及び第2光源部(22)の少なくとも一方に電気的に接続されており第3光源部(23)に出力電流(I1)が流れる状態である。第3光源部(23)の短絡状態は、第3光源部(23)が電気的に短絡されている状態である。制御方法は、第3光源部(23)が第3光源部(23)の短絡状態から第3光源部(23)の接続状態に切り替えられる場合、第3光源部用バイパススイッチを制御して第3光源部(23)を第3光源部(23)の短絡状態から第3光源部(23)の接続状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替えるステップを更に有する。
【0176】
第15の態様に係る制御方法によれば、第3光源部(23)の短絡状態における出力電流(I1)の目標値が第3光源部(23)の接続状態における出力電流(I1)の目標値よりも大きい場合であっても、第3光源部(23)に過電流が流れることを抑制できる。
【0177】
第16の態様に係る制御装置(制御部4)は、電力変換部(3)と、バイパススイッチ(Q1)とを制御する。電力変換部(3)は、互いに電気的に直列接続された第1光源部(21)及び第2光源部(22)を含む光源ユニット(10)に出力電流(I1)を出力して電力を供給する。バイパススイッチ(Q1)は、第2光源部(22)に電気的に並列接続されている。スイッチ制御部(42)は、バイパススイッチ(Q1)を制御する。電力制御部(41)は、電力変換部(3)を制御する。電力制御部(41)は、第2光源部(22)の状態が接続状態から短絡状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)がバイパススイッチ(Q1)を制御して第2光源部(22)を接続状態から短絡状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を有する。接続状態は、第2光源部(22)が第1光源部(21)に電気的に接続されており第2光源部(22)に出力電流(I1)が流れる状態である。短絡状態は、第2光源部(22)が電気的に短絡されている状態である。電力制御部(41)は、第2光源部(22)が短絡状態から接続状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)がバイパススイッチ(Q1)を制御して第2光源部(22)を短絡状態から接続状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を有する。
【0178】
第16の態様に係る制御装置(制御部4)によれば、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値より大きい場合であっても、出力電流(I1)の大きさを切り替える前に、第2光源部(22)を短絡状態にすることができる。その結果、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0179】
また、第16の態様に係る制御装置によれば、短絡状態における出力電流(I1)の第1目標値(I11)が接続状態における出力電流(I1)の第2目標値(I12)よりも大きい場合であっても、第2光源部(22)に過電流が流れることを抑制できる。
【0180】
第17の態様に係る制御装置(制御部4)では、第16の態様において、光源ユニット(10)は、第1光源部(21)及び第2光源部(22)に直列接続された第3光源部(23)を更に含む。スイッチ制御部(42)は、第3光源部(23)に電気的に並列接続された第3光源部用バイパススイッチ(第3バイパススイッチQ13)を制御する。電力制御部(41)は、第3光源部(23)の状態が第3光源部(23)の接続状態から第3光源部(23)の短絡状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)が第3光源部用バイパススイッチを制御して第3光源部(23)を第3光源部(23)の接続状態から第3光源部(23)の短絡状態に切り替えた後に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を更に有する。第3光源部(23)の接続状態は、第3光源部(23)が第1光源部(21)及び第2光源部(22)の少なくとも一方に電気的に接続されており第3光源部(23)に出力電流(I1)が流れる状態である。第3光源部(23)の短絡状態は、第3光源部(23)が電気的に短絡されている状態である。電力制御部(41)は、第3光源部(23)が第3光源部(23)の短絡状態から第3光源部(23)の接続状態に切り替えられる場合、スイッチ制御部(42)が第3光源部用バイパススイッチを制御して第3光源部(23)を第3光源部(23)の短絡状態から第3光源部(23)の接続状態に切り替える前に、出力電流(I1)の大きさを切り替える機能を更に有する。
【0181】
第17の態様に係る制御装置(制御部4)によれば、第3光源部(23)の短絡状態における出力電流(I1)の目標値が第3光源部(23)の接続状態における出力電流(I1)の目標値よりも大きい場合であっても、第3光源部(23)に過電流が流れることを抑制できる。
【符号の説明】
【0182】
1 点灯装置
21 第1光源部
22 第2光源部
23 第3光源部
3 電力変換部
4 制御部(制御装置)
41 電力制御部
42 スイッチ制御部
10 光源ユニット
100 灯具
101 ハウジング
200 車両
201 車体
Q1 バイパススイッチ
Q11 第1バイパススイッチ
Q13 第3バイパススイッチ(第3光源部用バイパススイッチ)
I1 出力電流
I11,I14 第1目標値
I12,I15,I16 第2目標値
I13 第3目標値