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特許7199069保険契約に関する処理を実行する方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】保険契約に関する処理を実行する方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20221223BHJP
【FI】
G06Q40/08
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022048270
(22)【出願日】2022-03-24
【審査請求日】2022-04-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500061235
【氏名又は名称】ジェイアイ傷害火災保険株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514136107
【氏名又は名称】株式会社アクリート
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100223365
【弁理士】
【氏名又は名称】大町 真義
(72)【発明者】
【氏名】大西 良平
(72)【発明者】
【氏名】菊池 弘高
(72)【発明者】
【氏名】南 隆志
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-187537(JP,A)
【文献】登録実用新案第3175699(JP,U)
【文献】特開2005-242949(JP,A)
【文献】特開2019-008722(JP,A)
【文献】特開2007-243782(JP,A)
【文献】国際公開第2011/036762(WO,A1)
【文献】特開2014-116893(JP,A)
【文献】特開2012-108666(JP,A)
【文献】特開2015-099474(JP,A)
【文献】特開2002-230203(JP,A)
【文献】特開2007-272841(JP,A)
【文献】特開2003-263559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが保険契約に関する処理を実行する方法であって、
保険契約を特定する情報と前記保険契約の関係者の電話番号とを対応づけた情報を含む対応情報が記憶部に準備されており、
前記関係者のいずれかである第1の関係者によって所定の電話番号に発信された呼の発信元電話番号を取得するステップと、
前記発信元電話番号を用いて、前記対応情報を検索することで、前記保険契約を特定する情報と前記第1の関係者を検索するステップと、
前記第1の関係者に対して、特定される前記保険契約についてのあらかじめ定められた所定の意思表示を、前記呼を介して行うよう自動音声応答(IVR)装置を用いて促すステップと、
前記第1の関係者から前記意思表示が受信された場合、前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声を、前記保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録するステップと、
を有する
保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項2】
前記関係者は、前記保険契約の保険契約者、被保険者、又は加入依頼者の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項3】
前記意思表示は、前記保険契約に係る事項について同意する旨の意思表示である、
請求項1又は2に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項4】
前記意思表示は、前記保険契約に係る事項であって前記関係者のいずれかから通知されている事項について確認する旨の意思表示である、
請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項5】
前記検索するステップは、前記第1の関係者を一意に特定できない場合、前記第1の関係者を一意に特定するための第1の付加情報を、前記呼を介して提供するよう前記第1の関係者に前記自動音声応答(IVR)装置を用いて促すステップと、
前記呼を介して、前記第1の付加情報を取得するステップと、
を更に有し、
前記検索するステップは、前記第1の付加情報を更に用いて、前記第1の関係者を一意に特定する、
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項6】
所定の第1の時までに前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が記録できない場合、前記保険契約の保険契約者に前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が記録できないことを報知するステップと、
を更に有する請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項7】
所定の第2の時までに前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が記録できない場合、特定される前記保険契約ついてのあらかじめ定められた所定の処理を実行するステップ、
を更に有する請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項8】
前記意思表示に応じて、特定される前記保険契約ついてのあらかじめ定められた所定の処理を実行するステップ、
を更に有する請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項9】
前記検索するステップで特定された前記保険契約が複数個存在する場合、複数個の前記保険契約のうちのいずれかを特定する第2の付加情報を取得するステップ、
を更に有し、
前記記録するステップは、前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声を、前記第2の付加情報により特定された前記保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録する、
請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項10】
前記第1の付加情報は、前記第1の関係者の生年月日の情報を含む、
請求項5に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項11】
実行された前記所定の処理の内容を前記保険契約の保険契約者に伝えるステップ、
を更に有する請求項7又は8に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項12】
前記所定の処理は、前記保険契約の保険金額の減額又は保険金額を零に変更することを含む、
請求項7又は8に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項13】
前記記録するステップは、前記保険契約の保険金額が所定の金額を超える場合に、前記第1の関係者からの音声を記録する、
請求項1ないし12のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項14】
前記保険契約は、前記保険契約の当事者の間で口頭によりなされたものである、
請求項1ないし13のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項15】
前記保険契約は、損害保険契約である、
請求項1ないし14のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項16】
前記保険契約は、旅行保険、家財保険、又は地震保険の契約である、
請求項15に記載の保険契約に関する処理を実行する方法。
【請求項17】
請求項1ないし16のうちいずれか1項に記載の保険契約に関する処理を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険契約に関する処理を実行する方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
保険会社等の保険者が、保険契約の関係者(例えば、保険契約の保険契約者、被保険者、又は加入依頼者)から保険契約に係る事項について電話を受ける場合に利用され得る、少なくとも部分的にコンピュータが保険契約に関する処理を行う技術が存在する。
【0003】
より具体的に、先行技術には、保険契約の関係者が電話機から発信した呼の発信元電話番号を取得し、その電話番号を用いて当該関係者を特定するとともに保険契約に関する情報を検索し、必要な処理を行う技術が存在する。
【0004】
特許文献1には、自動車保険等の保険契約に基づくサービス代金支払方法に関し、次の事項が記載されている。すなわち、被保険者よりコンピュータでなるコールセンターに対して、サービスの提供を求める旨の要求が被保険者の所有する電話を通じてなされると、そのコールセンターが、送信されてくる制御信号に含まれる電話番号から被保険者を特定するとともに、当該電話番号を含む被保険者個人情報に対応付けられた保険契約の契約内容を検索すること、及び、同じくコールセンターが、契約内容の検索結果に基づいて、補償可能なサービスを提供できるサービス提供者を選択すること等である。
【0005】
特許文献2には、保険会社の契約約款の変更等、変更の内容の確認を利用者に依頼する場合に用い得る、自動音声応答ステップを含むショートメッセージ送信方法に関し、次の事項が記載されている。すなわち、利用者より所定の電話番号に対して音声通話が発信されると、発信元の携帯端末装置の電話番号に基づいて、ショートメッセージ送信サーバが、その利用者を特定するとともに、当該携帯端末装置の電話番号に対応付けられた確認情報を取得すること、同じくショートメッセージ送信サーバが、確認処理ページのURLを含む「確認ショートメッセージ」を生成し携帯端末装置に送信すること、及び、携帯端末装置が当該URLの確認処理ページから確認処理を実行すると、ショートメッセージ送信サーバが確認処理の完了を記憶部に格納すること等である。
【0006】
また、先行技術には、顧客に対する電話対応業務を実行するコールセンターが、受け付けた電話の音声に係る記録を行う技術が存在する。
【0007】
特許文献3には、金融業務用のコールセンター・システムに関し、音声応答装置に音声録音装置を接続することによって、コールセンターと顧客相互間で交信された音声データの記録を行うことができるようにすることが記載されている。
【0008】
特許文献4には、電子保険サービス証書システムに関し、当該システムを構成するコールセンターが、保険契約者の音声を分析した声紋を本人認証データとして登録するように、同じく当該システムを構成する保険契約管理サーバに記録指示を送出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2001-350924号公報
【文献】特許第6338311公報
【文献】特開2000-276547号公報
【文献】特開2003-141364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
開示の技術は、保険契約の関係者によって発信された呼を介して、当該関係者から保険契約に関する所定の意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該関係者からの音声を記録することを可能にし、もって、電話による簡素な手続で保険契約に関する意思表示に係る記録を残すことを可能にする、コンピュータが保険契約に関する処理を実行する方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の技術によれば、コンピュータが保険契約に関する処理を実行する方法であって、 保険契約を特定する情報と前記保険契約の関係者の電話番号とを対応づけた情報を含む対応情報が記憶部に準備されており、前記関係者のいずれかである第1の関係者によって所定の電話番号に発信された呼の発信元電話番号を取得するステップと、前記発信元電話番号を用いて、前記対応情報を検索することで、前記保険契約を特定する情報と前記第1の関係者を検索するステップと、前記第1の関係者に対して、特定される前記保険契約についてのあらかじめ定められた所定の意思表示を、前記呼を介して行うよう自動音声応答(IVR)装置を用いて促すステップと、前記第1の関係者から前記意思表示が受信された場合、前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声を、前記保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録するステップと、を有する、保険契約に関する処理を実行する方法、並びに、当該方法をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
開示の技術によれば、保険契約の関係者によって発信された呼を介して、当該関係者から保険契約に関する所定の意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該関係者からの音声を記録することを可能にし、もって、電話による簡素な手続で保険契約に関する意思表示に係る記録を残すことを可能にする、コンピュータが保険契約に関する処理を実行する方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、開示の技術の実施形態における処理の例を示すフローチャートである。
図2図2は、実施形態において、割り込み処理によって実行され得る、所定意思表示の受付期限に関する処理の例を示すフローチャートである。
図3図3は、実施形態において、保険契約を特定する情報と第1の関係者を特定する情報とを検索する処理(サブルーチン)の例の一部分を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態において、保険契約を特定する情報と第1の関係者を特定する情報とを検索する処理(サブルーチン)の例の残り部分(図3から続く部分)を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態において、所定意思表示不受信時の処理(サブルーチン)の例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態において、意思表示及び/又は第1の関係者からの音声を保険契約及び/又は第1の関係者に対応づけて記録する処理(サブルーチン)の例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施形態の説明では、主として、保険契約が損害保険契約である場合を例にして説明を行うが、開示の技術は、かかる適用に限定されるものではない。生命保険契約を含む保険契約一般に開示の技術を適用することができることは、いうまでもない。
また、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、1つであっても複数であってもよく、異なるステップが異なるコンピュータにより実行されてもよい。複数のコンピュータは、異なる管理主体により管理されているコンピュータであってもよい。
本明細書及び図面に開示された動作フローの各ステップは、矛盾のない限り順番を入れ換えて実行されてもよく、複数のステップが同時に実行されてもよい。
各ステップは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。各ステップの全部又は一部は、オペレーティングシステムあるいはハードウェアにより実現されてもよい。
【0015】
なお、以下の説明において、「保険者」の語は、保険者自体のほか、保険者の委託を受けて事務の代行を全般的に又は部分的に行う機関も意味する。
また、「所定の」の語は、修飾される語が単一のものであることを意味せず、複数のものであることを排除しない。例えば、「所定の意思表示」というときの「意思表示」は、単一のものであるとは限らず、複数のものであってもよい。したがって、「保険契約に関する所定の意思表示を、前記呼を介して行うよう促す」ことには、例えば、所定の複数の意思表示を選択肢として提示し、選択を促すことも、含まれる。
【0016】
<実施形態の概要>
保険会社等の保険者には、保険契約の関係者から、当該保険契約に関する所定の意思表示を取得する場合、あるいは、当該保険契約に関する所定の意思表示を伝達される場合があり得る。
【0017】
保険者が所定の意思表示を取得する一類型として、保険者が、保険契約の加入依頼者から、所定の意思表示を取得する場合があり得る。例えば、募集が行われている旅行保険に関し、加入依頼者が旅行代理店の店頭にて保険契約締結の意思表示を口頭等で行った場合において、保険者がその後、当該加入依頼者から、その旅行保険の契約の意思を確認する意思表示を取得するときが考えられる。類似の状況としては、不動産の賃貸借契約に関連して、賃借人となる加入依頼者が不動産会社の店頭にて家財の火災保険(家財保険)の契約締結の意思表示を口頭等で行った場合において、保険者がその後、当該加入依頼者から、その家財保険の契約の意思を確認する意思表示を取得するときが考えられる。
別な類型として、保険者が、保険契約の被保険者から、所定の意思表示を取得する場合があり得る。例えば、旅行保険に関し、保険契約者が指定した被保険者に保険契約者自身と異なる者が含まれる場合において、保険者が、当該被保険者として指定された者から、その旅行保険の被保険者となることについて同意する旨の意思表示を取得するときが考えられる。
さらに別な類型として、保険者が、保険契約の保険契約者から、所定の意思表示を取得する場合があり得る。例えば、種々の保険契約に関し、保険契約者から、契約約款の変更について同意する旨の意思表示を取得する場合が考えられる。
【0018】
また、保険者が、保険契約の関係者から当該保険契約に関する所定の意思表示を伝達される場合もあり得、その例としては、保険契約者又は被保険者から、保険契約に基づく保険金の給付あるいはサービスの提供を受ける旨の意思表示を伝達される場合が考えられる。
別な例としては、保険者が保険契約者から、届出事項の変更を行う旨の意思表示を伝達される場合が考えられる。
【0019】
以上例示したような種々の意思表示は、紙ベースで書面により行われ得るほか、インターネットを通じて電子的にも行われ得る。それらの方法によれば、保険者が意思表示の記録を残すことも可能である。
しかしながら、書面による手続は、記入を行う保険契約の関係者にとって煩瑣であり得るうえ、保険者にとってもデータ入力を含む事務負担が大きくなり得る。特に、書面に記入誤りを含む不備がある場合には、修正のために、保険者及び保険契約の関係者の双方に、少なからぬ対応負担が発生する。これに対し、インターネットを通じた電子的な手続に関しては、書面による手続における負担は取り除かれ得る利点があるが、情報セキュリティの確保を要するほか、手続を行う保険契約の関係者が、電子的な手続に応ずるとは限らず、また、常にインターネットを利用可能な環境にいるとは限らないという問題がある。
【0020】
他方、例示したような意思表示を、電話を介して行うことが考えられる。電話は、利用する者にとって簡便な伝達手段であるうえ、携帯電話の使用によって、時と場所を選ばずに利用可能である。そして、保険契約の関係者は、電話を介して意思表示を行うことにより、書面の記入や電子的な加入手続の遂行なしに、保険契約に関する手続を完了させ、あるいは進行させることが可能になり得る。特に、電話を介した意思表示に基づいて、コンピュータが保険契約に関する処理を実行する場合には、保険者にとっても、意思表示を自動的に取得しその記録を取ったうえで、保険契約に関する処理を終了させ、あるいは進行させることが可能となり、事務負担の除去又は軽減が実現され得、利点が一層大きい。その場合、自動音声応答(IVR)装置が利用され得る。
【0021】
しかしながら、保険契約の関係者が電話機から発信した呼に基づいて保険契約に関し処理を行う先行技術(前記特許文献1及び2を参照。)では、保険契約の関係者によって発信された呼を介して、当該関係者から保険契約に関する所定の意思表示を受信する構成、そして、その意思表示について記録を行う構成を有していない。そこで、それらの構成を実現し、もって、電話による簡素な手続で保険契約に関する意思表示に係る記録を残すことを可能にすることが望まれる。
【0022】
開示の技術の実施形態は、コンピュータが保険契約に関する処理を実行する方法又はプログラムであって、如上の背景を踏まえて構成されている。
【0023】
図1は、開示の技術の一実施形態における処理(S100)の例を示すフローチャートである。
当該実施形態においては、まず、保険契約を特定する情報とその保険契約の関係者の電話番号とを対応づけた情報を含む対応情報が、コンピュータの記憶部に準備されている。そのうえで、処理を実行するコンピュータは、電話を受ける、すなわち受呼すると(S102)、一連のステップを実行する。
【0024】
当該実施形態は、次のステップを有する。すなわち、前記関係者のいずれかである第1の関係者によって所定の電話番号に発信された呼の発信元電話番号を取得するステップ(S104)、前記発信元電話番号を用いて、前記対応情報を検索することで、前記保険契約を特定する情報と前記第1の関係者を特定する情報とを検索するステップ(S106)、前記第1の関係者に対して、前記保険契約に関する所定の意思表示を、前記呼を介して行うよう促すステップ(S116)、並びに、前記第1の関係者から前記意思表示が受信された場合、前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声を、前記保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録するステップ(S122)、である。
【0025】
この実施形態によれば、保険契約の関係者によって発信された呼を介して、当該関係者から保険契約に関する所定の意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該関係者からの音声を記録することが可能になり、もって、電話による簡素な手続で保険契約に関する意思表示に係る記録を残すことが可能になる。
保険契約の関係者は、電話を介して意思表示を行うことにより、書面の記入や電子的な手続の遂行なしに、保険契約に関する手続を進行させることが可能になり得る。保険者にとっても、コンピュータが意思表示を自動的に取得しその記録を取ったうえで、保険契約に関する処理を進行させることが可能となり、事務負担の除去又は軽減が実現され得る。
【0026】
加えて、この実施形態によれば、電話を介した意思表示を、他の意思表示ないし手続と組み合わせることにより、保険契約に関する手続を全体として大幅に合理化することも可能となる。
【0027】
この点について、まず、前述した、保険者が、保険契約の加入依頼者から、所定の意思表示を取得する場合を例に、説明する。例えば、旅行保険あるいは家財保険の場合において、加入依頼者が旅行代理店あるいは不動産会社の店頭にて保険契約の締結の意思表示を口頭で行うことにより、旅行代理店あるいは不動産会社が加入申込みを受け付けるとともに、加入依頼者に、当人が使用する電話機(通話機能を有する携帯端末を含む。)の電話番号を登録してもらう。そのうえで、当該加入依頼者に、保険者が指定する所定の電話番号に電話を掛けてもらうこととする。ここで、開示の実施形態は、その電話を介して、当該加入依頼者から保険契約の意思を確認する意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該加入依頼者からの音声を記録することを可能にする。これにより、加入依頼者は、書面の記入や電子的な手続の遂行なしに、加入手続を完了することができ、保険者も、加入依頼者の意思表示を自動的に取得しその記録を取ったうえで、契約の処理を完了させることが可能となる。
【0028】
別な例として、保険者が、保険契約の被保険者から、所定の意思表示を取得する場合に関して説明する。例えば、旅行保険の加入手続の際、保険契約者が指定した被保険者に、保険契約者自身と異なる者が含まれる場合(特に、保険金額が所定の金額を超えるとき)において、一般的な慣行では、それら保険契約者と異なる者が被保険者となることについて同意する旨の意思表示を行った書面を、保険契約者に、提出するよう求めていた。しかしながら、そのような書面を適切な形で用意することは、手間を要し、特に、被保険者として指定する者が多数に上る場合には、負担が大きい。これに対し、開示の実施形態を用いれば、そのような書面の用意を不要とすることができる。具体的な手続の例としては、旅行保険の加入手続の際、保険契約者に、被保険者として指定する者全員の電話番号を登録してもらうとともに、それら被保険者として指定する者に、保険者が指定する所定の電話番号に電話を掛けるよう、保険契約者から伝えてもらうこととする。被保険者として指定された者が所定の電話番号に電話を掛けると、開示の実施形態は、その電話を介して、当該被保険者として指定された者から、その旅行保険の被保険者となることについて同意する旨の意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該被保険者として指定された者からの音声を記録することを可能にする。これにより、保険契約者及び被保険者として指定された者は、書面の準備や電子的な手続の遂行なしに、手続を完了することができ、保険者も、被保険者として指定された者の意思表示を自動的に取得しその記録を取ったうえで、契約の処理を完了させることが可能となる。
【0029】
さらに別な例として、保険者が、保険契約の保険契約者から、所定の意思表示を取得する場合に関して説明する。例えば、種々の保険契約に関し、契約約款の変更がある場合において、保険者から保険契約者に変更内容を郵送等の手段で通知したうえで、変更に同意する場合には、保険者が指定する所定の電話番号に電話を掛けてもらうこととする。ここで、開示の実施形態は、その電話を介して、当該保険契約者から契約約款の変更について同意する旨の意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該保険契約者からの音声を記録することを可能にする。これにより、保険契約者は、書面の記入や電子的な手続の遂行なしに、契約約款の変更に係る手続を完了することができ、保険者も、保険契約者の意思表示を自動的に取得しその記録を取ったうえで、契約約款の変更に係る処理を完了させることが可能となる。
【0030】
さらに別な例として、保険者が、保険契約の関係者から当該保険契約に関する所定の意思表示を伝達される場合に関して説明する。例えば、保険契約者又は被保険者が、保険契約に基づく保険金の給付あるいはサービスの提供を受ける旨の希望を保険者に伝達したい場合や、保険契約者が、届出事項の変更を行う旨の希望を保険者に伝達したい場合がある。このような場合においては、保険契約者又は被保険者に、保険者が指定する所定の電話番号(前記希望の内容に応じた電話番号であってもよい。)に電話を掛けてもらうよう、事前に(契約時等に)知らせておくこととする。ここで、保険契約者又は被保険者が所定の電話番号に電話を掛けると、開示の実施形態は、その電話を介して、当該保険契約者又は被保険者から前記希望に応じた意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該保険契約者からの音声を記録することを可能にする。これにより、保険契約者又は被保険者は、書面の記入や電子的な手続の遂行なしに、前記希望に応じた意思表示の伝達を行うことができ、保険者も、保険契約者又は被保険者の意思表示を自動的に取得しその記録を取ったうえで、保険契約に係る処理を進行させることが可能となる。
【0031】
以上説明したように、前記実施形態によれば、保険契約の関係者によって発信された呼を介して、当該関係者から保険契約に関する所定の意思表示を受信し、その意思表示及び/又は当該関係者からの音声を記録することが可能になり、もって、電話による簡素な手続で保険契約に関する意思表示に係る記録を残すことが可能になることから、保険契約の関係者に書面の記入や電子的な手続の遂行を求めることなしに、保険契約に関する手続を自動的な態様で進行させることを実現し得る。このことは、事務負担の除去又は軽減に資する。加えて、前記実施形態によれば、保険契約に関する手続を、全体として、大幅に合理化することも可能となる。
【0032】
前記実施形態は、図1に示すとおり、次のステップを更に有していてもよい。すなわち、前記保険契約に関する意思表示が登録されている場合、登録されている意思表示の内容を第1の関係者に伝達するステップ、保険契約に関する所定の意思表示を受け付ける期限内でない場合、所定意思表示の受付期限外に受呼した旨を第1の関係者に伝達して終呼するステップ、及び、所定の意思表示が受信されない場合、所定意思表示不受信時の処理を行うステップである。
【0033】
前記実施形態において、前記意思表示は、既に説明したとおり、前記保険契約に係る事項について同意する旨の意思表示(例えば、被保険者となることについて同意する旨の意思表示、契約約款の変更について同意する旨の意思表示)であってもよく、また、前記保険契約に係る事項であって前記関係者のいずれかから通知されている事項について確認する旨の意思表示(例えば、保険契約の意思を確認する意思表示)であってもよい。あるいは、前記意思表示は、その他の意思表示(例えば、保険契約に基づく保険金の給付あるいはサービスの提供を受ける旨の意思表示、届出事項の変更を行う旨の意思表示)であってもよい。
【0034】
具体的な実施形態では、前記検索するステップは、次のステップを更に有していてもよい。すなわち、前記第1の関係者を一意に特定できない場合、前記第1の関係者を一意に特定するための第1の付加情報を、前記呼を介して提供するよう前記第1の関係者に促すステップ、及び、前記呼を介して、前記第1の付加情報を取得するステップである。ここで、前記検索するステップは、前記第1の付加情報を更に用いて、前記第1の関係者を一意に特定する。
【0035】
当該実施形態によれば、前記第1の関係者を一意に特定できない場合、例えば、当該関係者が、保険契約の契約時に登録した電話番号に対応する電話機ないし端末とは異なる電話機ないし端末を用いて、所定の電話番号に呼を発信したような場合、あるいは、複数者が同一の電話番号を登録していたような場合にも、第1の付加情報を当該関係者から、その呼を介して取得することによって、当該関係者を一意に特定することができる。かかる第1の付加情報としては、例えば、保険契約の契約時に登録した電話番号、当該関係者の生年月日、氏名、住所、若しくは顧客ID、又は保険者に届け出済みの、当該関係者を特定するその他の情報を用いることができる。
【0036】
具体的な実施形態は、次のステップを更に有していてもよい。すなわち、所定の第1の時までに前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が記録できない場合、前記保険契約の保険契約者に前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が記録できないことを報知するステップである。
【0037】
当該実施形態によれば、例えば、被保険者として指定された者から、所定の期限までに、被保険者となることについて同意する旨の意思表示及び音声の記録が行われないと、所定の処理(例えば、当該者について、保険契約の保険金額を減額する処理)が行われるような場合に、当該期限が到来する前の、所定の第1の時の段階で、保険契約者に事前の報知がなされるようにすることができる。
【0038】
具体的な実施形態は、次のステップを更に有していてもよい。すなわち、所定の第2の時までに前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が記録できない場合、前記保険契約に係る事項について所定の処理を実行するステップである。
その所定の処理は、限定されないが、前記保険契約の保険金額の減額又は保険金額を零に変更することを含み得る。
当該実施形態は、実行された前記所定の処理の内容を前記保険契約の保険契約者に伝えるステップを更に有していてもよい。
【0039】
当該実施形態によれば、例えば、被保険者として指定された者から、所定の第2の時までに、被保険者となることについて同意する旨の意思表示及び/又は音声が記録できない場合、その状況に応じた所定の処理(例えば、当該者について、保険契約の保険金額を減額する処理)を、コンピュータにより自動的に実行することが可能となる。これにより、保険契約に関する処理について、一層、事務負担の除去又は軽減が実現され得る。
【0040】
具体的な実施形態では、次のステップを更に有していてもよい。すなわち、前記意思表示に応じて、前記保険契約に係る事項について所定の処理を実行するステップである。
その所定の処理は、限定されないが、前記保険契約の保険金額の減額又は保険金額を零に変更することを含み得る。
当該実施形態は、実行された前記所定の処理の内容を前記保険契約の保険契約者に伝えるステップを更に有していてもよい。
【0041】
当該実施形態によれば、例えば、被保険者として指定された者から、被保険者となることについて同意しない旨の意思表示が受信され記録された場合、特に、同意しない旨の意思表示が記録された状態で(その後に、同意する旨の意思表示が受信され記録されるようなことがなく)所定の期限が経過した場合において、その状況に応じた所定の処理(例えば、当該者について、保険契約の保険金額を減額する処理)を、コンピュータにより自動的に実行することが可能となる。あるいは、逆に、例えば、被保険者として指定された者全員から、被保険者となることについて同意する旨の意思表示が受信され記録された場合、その状況に応じた所定の処理(例えば、保険契約の締結完了に伴う処理、保険料の支払いについて確認する処理、暫定的に限定された額とされていた保険金額を所定の額に増額する処理)を、コンピュータにより自動的に実行することが可能となる。これにより、保険契約に関する処理について、一層、事務負担の除去又は軽減が実現され得る。
【0042】
具体的な実施形態では、次のステップを更に有していてもよい。すなわち、前記検索するステップで特定された前記保険契約が複数個存在する場合、複数個の前記保険契約のうちのいずれかを特定する第2の付加情報を取得するステップである。ここで、前記記録するステップは、前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声を、前記第2の付加情報により特定された前記保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録する。
【0043】
当該実施形態によれば、前記検索するステップで特定された保険契約が複数個存在し、それら契約のうちのいずれかを特定できない場合、例えば、保険契約者及び被保険者が共通する複数個の保険契約が存在するような場合にも、第2の付加情報を取得することによって、保険契約を特定し、意思表示及び/又は音声の記録を行うことができる。かかる第2の付加情報としては、例えば、保険契約の対象を特定する情報(例えば、旅行保険の場合における行先若しくは期間の情報、自動車保険の場合における車両の情報)、保険契約の加入申込日、若しくは保険証券の番号、又は保険契約を特定するその他の情報を用いることができる。
【0044】
具体的な実施形態において、前記記録するステップは、前記保険契約の保険金額が所定の金額を超える場合に、前記第1の関係者からの音声を記録するように構成されていてもよい。
【0045】
当該実施形態によれば、保険契約の保険金額が所定の金額を超えない場合においては、当該関係者に発声をさせないで済ますことができ、当該関係者の負担を一層軽減させることができるうえ、保険者側の記録も簡素化することができる。
【0046】
以下、図面を参照しながら、開示の実施形態について更に説明する。
以下の実施形態は、方法の発明、プログラムの発明、プログラムが処理を実行させるコンピュータからなる装置の発明、及びプログラムを記録した記憶媒体の発明などのカテゴリとして把握され得る。
なお、「実施形態の方法又はプログラム」を、適宜、「実施形態の方法」と省略して記す。
【0047】
<メインルーチンの処理>
再び図1を参照し、開示の技術の一実施形態におけるメインルーチンの処理S100を説明する。
前述のとおり、当該実施形態においては、まず、保険契約を特定する情報とその保険契約の関係者の電話番号とを対応づけた情報を含む対応情報が、コンピュータの記憶部に準備されている。そのうえで、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、電話を受ける、すなわち受呼すると(S102)、一連のステップを実行する。それらステップの実行においては、当該コンピュータにより制御されるIVR装置が用いられ得る。
ここで、記憶部は、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータの一部に存在する必要はなく、アクセス可能であれば、当該コンピュータの外部に存在していてもよい。
【0048】
実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、ステップS104において、前記関係者のいずれかである第1の関係者によって所定の電話番号に発信された呼の発信元電話番号を取得する。当該コンピュータは、受呼した際に送信されてくる信号に含まれる発信元電話番号の情報から、発信元電話番号を取得することができる。
続くステップS106では、ステップS104で取得された発信元電話番号を用いて、前記記憶部に準備されている前記対応情報が検索されることで、前記保険契約を特定する情報と前記第1の関係者を特定する情報とが検索される。
【0049】
ステップS108では、ステップS106にて特定された前記保険契約に関し、前記第1の関係者の意思表示が既に登録されているか否かの判断がなされる。かかる登録は、後述のステップS122において前記第1の関係者からの意思表示が記録されることにより、あるいは別途の手続で前記第1の関係者からの意思表示が記録されることにより、行われ得、コンピュータの記憶媒体(前記記憶部と同一の場所であっても、それとは別の場所であってもよい。)に格納され得るものである。
そのステップS108での判断の結果がYESである場合、すなわち、前記保険契約に関し、前記第1の関係者の意思表示が既に登録されているとの判断がなされた場合には、ステップS110において、登録されている意思表示の内容が、前記呼を介して第1の関係者に伝達される。例えば、第1の関係者である、旅行保険の被保険者として指定された者が、いったん、その旅行保険の被保険者となることについて同意しない旨の意思表示を行い、当該意思表示が登録されている場合において、第1の関係者が、関連した説明を聞くなどして翻意し、同意する旨の意思表示を行うべく、所定の電話番号に呼を発信したときには、その第1の関係者は、以前自身が行った意思表示の内容を確認したうえで、同意する旨の意思表示の登録に向けて進むことができる。ステップS110の後にはステップS112に進む。
ステップS108での判断の結果がNOである場合、すなわち、前記保険契約に関し、前記第1の関係者の意思表示が登録されてはいない場合には、ステップS110は実行されず、ステップS112に進む。
【0050】
ステップS112では、ステップS106にて特定された前記保険契約に関し、所定の意思表示を受け付ける期限内であるか否かの判断がなされる。かかる期限は、前記保険契約に対応づけて、コンピュータの記憶媒体(前記記憶部と同一の場所であっても、それとは別の場所であってもよい。)に格納され得るものである。
そのステップS112での判断の結果がNOである場合、すなわち、前記保険契約に関し、所定の意思表示を受け付ける期限内ではないとの判断がなされた場合には、ステップS114において、所定意思表示の受付期限外に受呼した旨が、前記呼を介して第1の関係者に伝達され、終呼される。
ステップS112での判断の結果がYESである場合には、ステップS114は実行されず、ステップS116に進む。
【0051】
実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、ステップS116において、前記第1の関係者に対して、前記保険契約に関する所定の意思表示を、前記呼を介して行うよう促す。
【0052】
例えば、旅行保険あるいは家財保険の加入依頼者が旅行代理店あるいは不動産会社の店頭にて保険契約の締結の意思表示を口頭で行うことにより、旅行代理店あるいは不動産会社が加入申込みを受け付け、当該加入依頼者に、保険者が指定する所定の電話番号に電話を掛けてもらうこととした場合について、説明する。この場合、所定の意思表示は、当該加入依頼者である第1の関係者の保険契約の意思を確認するものであって、保険契約の意思があるか否かについての意思表示である。この場合にあっては、コンピュータは、第1の関係者に対して、保険契約の意思があるときには、前記呼の発信元の電話機ないし端末において特定の番号キー等を押すように、また、保険契約の意思がないとき(保険契約の意思がなくなったときを含む。)には、別の特定の番号キー等を押すように、促すことができる。
【0053】
所定の意思表示はまた、別な例では、第1の関係者が、旅行保険の被保険者として指定された者である場合における、その旅行保険の被保険者となることについて同意するか否かについての意思表示である。
所定の意思表示は、更に別な例では、第1の関係者が、保険者から契約約款の変更の内容を通知されている保険契約者である場合における、その契約約款の変更について同意するか否かについての意思表示である。
【0054】
所定の意思表示は、更に別な例では、保険契約の関係者から、当該保険契約に関する希望ないし要望事項の保険者への伝達のために、行われる場合があり得る。例えば、第1の関係者が、保険契約に基づく保険金の給付あるいはサービスの提供を受ける旨の希望を保険者に伝達したい保険契約者又は被保険者の場合や、届出事項の変更を行う旨の希望を保険者に伝達したい保険契約者である場合において、所定の意思表示は、かかる希望を有している旨の意思表示である。これらの場合のため、例えば、保険者は、想定される希望の内容の種類ごとに、いくつかの所定の電話番号を用意しておくことができる。そして、そのうちの一の電話番号において呼を受信したとき、その電話番号に応じて、発信者である第1の関係者に対して希望の内容を確認するための音声メッセージを伝達することにより、第1の関係者に対して、所定の意思表示を、前記呼を介して行うよう促すことができる。
【0055】
続くステップS118では、ステップS116において前記第1の関係者に対し所定の意思表示が促されたのを受けて、前記第1の関係者から所定の意思表示が受信されたか否かの判断がなされる。
そのステップS118での判断の結果がNOである場合、すなわち、前記第1の関係者から所定の意思表示が受信されなかったとの判断がなされた場合には、ステップS120において、所定意思表示不受信時の処理が行われる。
ステップS118での判断の結果がYESである場合、すなわち前記第1の関係者から所定の意思表示が受信されたとの判断がなされた場合には、ステップS120は実行されず、ステップS122に進む。
【0056】
ステップS122では、ステップS118で前記第1の関係者から所定の意思表示が受信されたとの判断がなされたことを受け、前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が、前記保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録される。
なお、前記第1の関係者から所定の意思表示を受信するタイミングと、当該第1の関係者から音声を受信する場合においてその音声を受信するタイミングとの、前後は問わない。例えば、実施形態の方法を実行するコンピュータは、前記第1の関係者に対して、保険契約に係る事項について同意する場合には、所定の情報を発声し、続いて前記呼の発信元の電話機ないし端末において特定の番号キー等を押すよう、促すとともに、録音機能をオンにし、前記第1の関係者により発声がなされ、続いて当該特定の番号キーが押された場合、その番号キーの押下による同意の意思表示、及び、録音された前記第1の関係者が発した音声を、記録するようにしてもよい。
【0057】
ステップS122の次に、所定の意思表示に応じて、前記保険契約に係る事項について所定の処理を実行するステップを更に設けてもよい。この場合の所定の処理としては、限定されないが、例えば、保険契約の締結完了に伴う処理、保険料の支払いについて確認する処理、暫定的に限定された額とされていた保険金額を所定の額に増額する処理、あるいは、意思表示として伝達された保険契約に関する希望に応ずるための処理が含まれ得る。
以上で、メインルーチンの処理S100は終了する。
【0058】
<所定意思表示の受付期限に関する処理>
図2は、実施形態において、割り込み処理によって実行され得る、所定意思表示の受付期限に関する処理S200の例を示すフローチャートである。当該割り込み処理は、所定の時間間隔で、又は任意のタイミングで実行され得る。
図2に示される処理は、割り込み処理によって実行される代わりに、図1に示される処理を実行するコンピュータとは別のコンピュータにより実行されることもできる。当該別のコンピュータは、図1に示される処理を実行するコンピュータから独立しているコンピュータであってもよい。
図2に示される処理は、管理対象の保険契約のすべてを対象に、それら契約の各々について実行され得る。
【0059】
ステップS202では、保険契約の関係者のいずれかから所定の意思表示及び/又は音声が記録できない状態で所定の第1の時が経過したか否かの判断がなされる。かかる第1の時は、保険契約ごとに、そして必要な場合には関係者ごとに、コンピュータの記憶媒体(前記記憶部と同一の場所であっても、それとは別の場所であってもよい。)に格納され得るものである。
【0060】
そのステップS202での判断の結果がYESである場合、すなわち、保険契約の関係者のいずれかから所定の意思表示及び/又は音声が記録できない状態で所定の第1の時が経過したとの判断がなされた場合には、ステップS204に進む。当該ステップS204においては、その保険契約の保険契約者に、該当する関係者から所定の意思表示及び/又は当該関係者からの音声が記録できないことを報知するメッセージが発信される。当該メッセージは、形態を問わない。例えば、当該メッセージは、SMS(Short Messaging Service)、電子メール、電話、郵便等、種々の形態をとり得る。続いて、ステップS206に進む。
【0061】
このステップS204が実行されることにより、例えば、被保険者として指定された者から、所定の期限までに、被保険者となることについて同意する旨の意思表示及び音声の記録が行われないと、所定の処理(例えば、当該者について、保険契約の保険金額を減額する処理)が行われるような場合に、当該期限が到来する前の、所定の第1の時の段階で、保険契約者に事前の報知がなされるようにすることができる。
【0062】
ステップS202での判断の結果がNOである場合には、ステップS204は実行されず、ステップS206に進む。
【0063】
ステップS206では、保険契約の関係者のいずれかから所定の意思表示及び/若しくは音声が記録できない状態で、又は所定の意思表示を否定する意思表示が記録された状態で、所定の第2の時が経過したか否かの判断がなされる。かかる第2の時は、保険契約ごとに、そして必要な場合には関係者ごとに、コンピュータの記憶媒体(前記記憶部と同一の場所であっても、それとは別の場所であってもよい。)に格納され得るものである。
【0064】
そのステップS206での判断の結果がYESである場合、すなわち、保険契約の関係者のいずれかから所定の意思表示及び/若しくは音声が記録できない状態で、又は所定の意思表示を否定する意思表示が記録された状態で、所定の第2の時が経過したとの判断がなされた場合には、ステップS208に進む。当該ステップS208においては、その保険契約及び該当する関係者について、保険金額の減額又は保険金額を零に変更することを含む、所定の処理が行われる。
第2の時は、前記ステップS112における「所定の意思表示を受け付ける期限」と異なっていてよいが、同じでもよい。
【0065】
このステップS208が実行されることにより、例えば、被保険者として指定された者から、所定の第2の時までに、被保険者となることについて同意する旨の意思表示及び/又は音声が記録できない場合、その状況に応じた所定の処理(例えば、当該者について、保険契約の保険金額を減額する処理)を、コンピュータにより自動的に実行することが可能となる。また、例えば、被保険者として指定された者から、被保険者となることについて同意しない旨の意思表示が記録された状態で(その後に、同意する旨の意思表示が受信され記録されるようなことがなく)所定の第2の時が経過した場合においても、同様に、その状況に応じた所定の処理(例えば、当該者について、保険契約の保険金額を減額する処理)を、コンピュータにより自動的に実行することが可能となる。これにより、保険契約に関する処理について、一層、事務負担の除去又は軽減が実現され得る。
ステップS208についての更に別な例は、所定の意思表示が、保険契約の関係者から、当該保険契約に係る希望ないし要望事項の保険者への伝達のために行われる場合に関する。例えば、第1の関係者より、保険契約に基づく保険金の給付あるいはサービスの提供を受ける旨の希望が、意思表示として保険者に伝達され、記録されているが、必要とされた音声の記録は行われないまま、意思表示から起算して所定の第2の時が経過したような場合に、ステップS208が実行されることにより、その状況に応じた所定の処理(例えば、当該希望に応じないこととし、そのことを記録する処理)を、コンピュータにより自動的に実行することが可能となる。
ステップS208の後には、ステップS210に進み、ステップS208において実行された所定の処理の内容を保険契約者に伝えるメッセージが発信される。当該メッセージは、形態を問わない。例えば、当該メッセージは、SMS、電子メール、電話、郵便等、種々の形態をとり得る。
【0066】
ステップS206での判断の結果がNOである場合には、ステップS208及びステップS210は実行されない。
【0067】
上述の処理S200は、管理対象の保険契約のすべてについて繰り返される(処理S200が、管理対象の保険契約の一部について繰り返されることとしてもよい。)。
他方、所定意思表示の受付期限に関する処理として、前記ステップS204、S208、及びS210における処理を必要としない場合には、上述の処理S200は、実行されなくてもよい。あるいは、前記ステップS204、S208、及びS210のいずれかにおける処理を必要としない場合には、上述の処理S200は、その一部が実行されなくてもよい。
以上で、処理S200は終了する。
【0068】
上述の実施形態では、処理S200は、割り込み処理によって実行され得る、管理対象の保険契約のすべてについて繰り返される処理の例であったが、当該処理S200は、変形例として、メインルーチンの一部として実行される処理であって、ステップS106にて特定された前記保険契約及び前記第1の関係者についての処理、としてもよい。
具体的には、ステップS202からステップS210を、例えば、メインルーチンのステップS112の直前に置く。そのうえで、それらステップS202からステップS210において、「保険契約」をステップS106にて特定された前記保険契約と、また「保険契約の関係者のいずれか」をステップS106にて特定された前記第1の関係者とする。
このようにすることによって、変形例の処理S200は、メインルーチンの一部として組み込まれる。当該処理の後に、ステップS112に進む。
変形例の処理S200を組み込むメインルーチンの場所は、ステップS120の直前であってもよい。
なお、こうした変形例の場合も、ステップS204、S208、及びS210のいずれかにおける処理を必要としない場合には、一部が実行されなくてもよい。また、メインルーチンの一部として組み込まれた変形例の処理S200は、図2を参照して説明した、割り込み処理によって実行され得る処理S200と、併存させてもよい。
【0069】
<保険契約を特定する情報と第1の関係者を特定する情報とを検索する処理>
図3及び図4は、前記ステップS106における、保険契約を特定する情報と第1の関係者を特定する情報とを検索する処理について、更なる実施形態の例(サブルーチンであるS300)を示すフローチャートである。
実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、ステップS302において、ステップS104で取得された発信元電話番号を用いて、前記記憶部の対応情報を検索することで、保険契約を特定する情報と第1の関係者を特定する情報とを検索する。
【0070】
続くステップS304では、第1の関係者が一意に特定されたか否かの判断がなされる。
そのステップS304での判断の結果がNOである場合、すなわち、第1の関係者が一意に特定されなかった場合(取得された発信元電話番号に対応する関係者が存在しない場合も含む。)には、ステップS306に進む。当該ステップS306において、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、第1の関係者を一意に特定するための第1の付加情報を、前記呼を介して提供するよう第1の関係者に促す。かかる第1の付加情報としては、例えば、保険契約の契約時に登録した電話番号、当該関係者の生年月日、氏名、住所、若しくは顧客ID、又は保険者に届け出済みの、当該関係者を特定するその他の情報を用いることができる。前記呼を介した第1の付加情報の提供は、第1の関係者が使用する電話機ないし端末のキー操作により行われるようにしてもよく、第1の関係者の音声による応答を公知の音声認識技術で認識することにより行われるようにしてもよい。ステップS306の後は、ステップS308に進む。
ステップS304での判断の結果がYESである場合、すなわち、第1の関係者が一意に特定された場合には、ステップS306からステップS316は実行されず、ステップS402に進む。
【0071】
ステップS308では、所定の時間内に第1の付加情報が受信されたか否かの判断がなされる。
そのステップS308での判断の結果がNOである場合、すなわち、所定の時間内に第1の付加情報が受信されなかった場合には、ステップS312に進み、再呼の依頼を第1の関係者に伝達して終呼する。
ステップS308での判断の結果がYESである場合、すなわち、所定の時間内に第1の付加情報が受信された場合には、前記呼を介して前記第1の付加情報が取得されたことになる。この場合、ステップS310に進み、取得された第1の付加情報を更に用いて、第1の関係者を特定する情報の検索が行われる。実施形態においては、第1の関係者を特定する情報と第1の付加情報とを対応づけた対応情報が、前記記憶部又はコンピュータの記憶媒体における他の場所に準備されており、その記憶部又は当該他の場所を対象に、検索がなされる。ステップS310の後は、ステップS314に進む。
【0072】
ステップS314では、ステップS310での検索により第1の関係者が一意に特定されたか否かの判断がなされる。
そのステップS314での判断の結果がNOである場合、すなわち、第1の関係者が一意に特定されなかった場合(取得された第1の付加情報に対応する関係者が存在しない場合も含む。)には、ステップS316に進み、再呼の依頼を第1の関係者に伝達して終呼する。
ステップS314での判断の結果がYESである場合、すなわち、第1の関係者が一意に特定された場合には、ステップS402に進む。
【0073】
ステップS402では、ステップS302の検索の結果、対象の保険契約が1契約に特定されたか否かの判断がなされる。
そのステップS402での判断の結果がNOである場合、すなわち、対象の保険契約が1契約に特定されなかった場合には、ステップS404に進む。当該ステップS404において、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、複数個の保険契約のうちのいずれかを特定する第2の付加情報を、前記呼を介して提供するよう第1の関係者に促す。かかる第2の付加情報としては、例えば、保険契約の対象を特定する情報(例えば、旅行保険の場合における行先若しくは期間の情報、自動車保険の場合における車両の情報)、保険契約の加入申込日、若しくは保険証券の番号、又は保険契約を特定するその他の情報を用いることができる。前記呼を介した第2の付加情報の提供は、第1の関係者が使用する電話機ないし端末のキー操作により行われるようにしてもよく、第1の関係者の音声による応答を公知の音声認識技術で認識することにより行われるようにしてもよい。ステップS404の後は、ステップS406に進む。
ステップS402での判断の結果がYESである場合、すなわち、対象の保険契約が1契約に特定された場合には、ステップS404からステップS414は実行されず、サブルーチンであるS300の処理を終了する。
【0074】
ステップS406では、所定の時間内に第2の付加情報が受信されたか否かの判断がなされる。
そのステップS406での判断の結果がNOである場合、すなわち、所定の時間内に第2の付加情報が受信されなかった場合には、ステップS410に進み、再呼の依頼を第1の関係者に伝達して終呼する。
ステップS406での判断の結果がYESである場合、すなわち、所定の時間内に第2の付加情報が受信された場合には、前記呼を介して前記第2の付加情報が取得されたことになる。この場合、ステップS408に進み、取得された第2の付加情報を更に用いて、保険契約を特定する情報の検索が行われる。実施形態においては、保険契約を特定する情報と第2の付加情報とを対応づけた対応情報が、前記記憶部又はコンピュータの記憶媒体における他の場所に準備されており、その記憶部又は当該他の場所を対象に、検索がなされる。ステップS408の後は、ステップS412に進む。
【0075】
ステップS412では、ステップS408での検索により、保険契約のいずれか1契約が特定されたか否かの判断がなされる。
そのステップS412での判断の結果がNOである場合、すなわち、保険契約のいずれか1契約が特定されなかった場合(取得された第2の付加情報に対応する保険契約が存在しない場合も含む。)には、ステップS414に進み、再呼の依頼を第1の関係者に伝達して終呼する。
ステップS412での判断の結果がYESである場合、すなわち、保険契約のいずれか1契約が特定された場合には、サブルーチンであるS300の処理を終了する。第2の付加情報を用いたステップS408での検索により、保険契約のいずれか1契約が特定されたことによって、前記ステップS122では、前記意思表示及び/又は前記第1の関係者からの音声が、第2の付加情報により特定された保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録されることとなる。
【0076】
<所定意思表示不受信時の処理>
図5は、前記ステップS120における、所定意思表示不受信時の処理について、更なる実施形態の例(サブルーチンであるS500)を示すフローチャートである。
ステップS502では、所定の意思表示を否定する意思表示が受信されたか否かの判断がなされる。ここで、所定の意思表示を否定する意思表示は、例えば、保険契約の意思を有しない旨の意思表示、被保険者となることについて同意しない旨の意思表示、あるいは、契約約款の変更について同意しない旨の意思表示である。
【0077】
そのステップS502での判断の結果がYESである場合、すなわち、所定の意思表示を否定する意思表示が受信された場合には、ステップS504に進む。当該ステップS504において、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、所定の意思表示を否定する意思表示を、保険契約及び/又は第1の関係者に対応づけて記録する。続いてステップS506に進み、コンピュータは、所定の意思表示を否定する意思表示を受け付けた旨を第1の関係者に伝達して終呼する。
【0078】
ステップS502での判断の結果がNOである場合、すなわち、所定の意思表示を否定する意思表示が受信されない場合には、所定の意思表示が受信されず、所定の意思表示を否定する意思表示も受信されない場合に該当することから、ステップS508に進み、コンピュータは、再呼の依頼を第1の関係者に伝達して終呼する。
【0079】
<意思表示及び/又は第1の関係者からの音声を記録する処理>
図6は、前記ステップS122における、意思表示及び/又は第1の関係者からの音声を保険契約及び/又は第1の関係者に対応づけて記録する処理について、更なる実施形態の例(サブルーチンであるS600)を示すフローチャートである。
そのステップS122は、「メインルーチンの処理」にて前述のとおり、ステップS118での判断の結果がYESである場合、すなわち前記第1の関係者から所定の意思表示が受信されたとの判断がなされた場合に進むステップであり、サブルーチンS600では、そのように前記第1の関係者から所定の意思表示が受信されたことを受けて、一連の処理が行われる。
【0080】
実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、ステップS602において、所定の意思表示を、前記保険契約及び/又は前記第1の関係者に対応づけて記録する。
ステップS604では、前記保険契約の保険金額が所定の金額を超えるか否かの判断がなされる。
そのステップS604での判断の結果がNOである場合、すなわち、保険金額が所定の金額を超えない場合には、ステップS606からステップS612は実行されず、ステップS614に進む。
ステップS604での判断の結果がYESである場合、すなわち、保険金額が所定の金額を超える場合には、第1の関係者からの音声を記録するため、ステップS606に進む。
当該ステップS606において、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータは、個人を特定する所定の情報を発声するよう第1の関係者に促す。
【0081】
続くステップS608では、所定の情報の発声がなされたか否かの判断がなされる。
そのステップS608での判断の結果がYESである場合、すなわち、所定の情報の発声がなされた場合には、ステップS610に進む。当該ステップS610においては、第1の関係者からの音声が、前記保険契約及び/又は第1の関係者に対応づけて記録される。次いで、ステップS614に進む。
ステップS608での判断の結果がNOである場合、すなわち、所定の情報の発声がなされない場合には、ステップS612に進み、コンピュータは、再呼の依頼を第1の関係者に伝達して終呼する。
【0082】
ステップS614において、コンピュータは、所定の意思表示を受け付けた旨を第1の関係者に伝達して終呼する。
以上で、サブルーチンであるS600の処理を終了する。
【0083】
なお、この実施形態の例(サブルーチンS600)では、保険契約の保険金額が所定の金額を超える場合に、第1の関係者からの音声を記録するようにしているが、保険金額によらず第1の関係者からの音声を記録するようにしてもよいことは、いうまでもない。また、実施形態が、音声の記録が不要な分野に適用される場合には、音声の記録は行わず、ステップS602をもって処理を終了するようにしてもよい。さらに、保険金額以外の他の条件によって、第1の関係者からの音声を記録するか否かを場合分けしてもよい。例えば、第1の関係者が被保険者として指定された者である場合において、その指定された者としての第1の関係者が保険契約者と異なるときに、当該第1の関係者からの音声を記録するようにし、第1の関係者が保険契約者と一致するときには、当該第1の関係者に音声を求めないようにしてもよい。
【0084】
<ハードウェア構成>
図7は、実施形態の方法又はプログラムを実行するコンピュータ700のハードウェア構成例を示す図である。
当該コンピュータ700は、CPU702、ROM704、RAM706、キー操作部708、通信部710、表示部712、及び外部記憶制御部714を有する。当該コンピュータ700は、外部記憶制御部714により、メモリ716に記憶された実施形態のプログラムを読み込んで動作することが可能である。実施形態のプログラムは、ROM704及びRAM706にも保存され得る。すなわち、実施形態のプログラムは、一時的でない(non-transitory)、実体のある(tangible)、そして機械可読の(machine-readable)記憶媒体であるメモリ716、ROM704、及び/又はRAM706に記憶される。
前記記憶部は、記憶媒体であるメモリ716、ROM704、及び/又はRAM706に形成され得る。また、前記記憶部は、通信部710を介してアクセス可能な、コンピュータ700とは別のコンピュータに制御される記憶媒体に形成されていてもよい。
当該コンピュータ700は、さらに、IVR装置制御部718を有する。コンピュータ700は、IVR装置制御部718を介してIVR装置720を制御し、動作させることが可能である。
当該コンピュータ700が他の構成要素も有し得ることは、いうまでもない。
当該コンピュータ700は、実施形態の方法又はプログラムを実行するCPU702の管理のもとに動作する。
【0085】
以上、実施形態に基づいて説明を行ってきたが、本明細書に記載されている実施形態は一例であって、特許請求の範囲において特定された発明を限定するためのものと解釈してはならない。

【要約】      (修正有)
【課題】電話による簡素な手続で保険契約に関する意思表示に係る記録を残すコンピュータが保険契約に関する処理を実行する方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータが保険契約に関する処理を実行する方法であって、保険契約の関係者のいずれかである第1の関係者によって所定の電話番号に発信された呼の発信元電話番号を取得S104、発信元電話番号を用いて、保険契約を特定する情報と第1の関係者を特定する情報とを検索しS106、第1の関係者に対して、保険契約に関する所定の意思表示を、前記呼を介して行うよう促しS116、第1の関係者から意思表示を受信した場合、意思表示及び/又は第1の関係者からの音声を記録するS122。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7