IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エコロジーサイエンスの特許一覧

特許7199072循環水殺菌処理システム及びこれに用いられる循環水殺菌処理の制御方法
<>
  • 特許-循環水殺菌処理システム及びこれに用いられる循環水殺菌処理の制御方法 図1
  • 特許-循環水殺菌処理システム及びこれに用いられる循環水殺菌処理の制御方法 図2
  • 特許-循環水殺菌処理システム及びこれに用いられる循環水殺菌処理の制御方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】循環水殺菌処理システム及びこれに用いられる循環水殺菌処理の制御方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/50 20230101AFI20221223BHJP
   C02F 1/78 20230101ALI20221223BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
C02F1/50 531R
C02F1/50 510A
C02F1/50 510C
C02F1/50 520L
C02F1/50 531M
C02F1/50 540A
C02F1/50 550D
C02F1/50 550C
C02F1/50 550L
C02F1/50 560Z
C02F1/78
C02F1/50 531P
C02F1/50 532H
C02F1/50 532D
C02F1/50 532C
C02F1/50 550B
A47K3/00 M
A47K3/00 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017176336
(22)【出願日】2017-09-14
(65)【公開番号】P2019051464
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】510041935
【氏名又は名称】株式会社エコロジーサイエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】福本 純夫
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 禮二
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-118680(JP,A)
【文献】特開2001-314870(JP,A)
【文献】特開2002-301489(JP,A)
【文献】特開2006-035175(JP,A)
【文献】特開2010-069353(JP,A)
【文献】特開2005-000857(JP,A)
【文献】特開平09-072974(JP,A)
【文献】特開平09-285412(JP,A)
【文献】特開平05-293481(JP,A)
【文献】特開平10-066979(JP,A)
【文献】特開昭58-219987(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0055969(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/50
1/70 - 1/78
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽から循環水を流出させる流出管、及び、浴槽に循環水を流入させる流入管を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管の下流側に介設される循環ろ過装置と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管の上流側との間に分岐接続される薬注入装置と、
浴槽内、又は、浴槽と薬注入装置の間の流入管の管路途中、に設けられた第一のオゾンセンサと、
浴槽と循環ろ過装置の間の流出管の管路途中に設けられた第二のオゾンセンサと、を具備してなる循環水殺菌システムであって、
第一、第二のオゾンセンサはそれぞれ、浴槽循環水のオゾン濃度が第一設定値を超えた状態であるか、及び、第二設定値を下回った状態であるかを、所定の所定時間間隔で検知するものであり、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、第一、第二のオゾンセンサのいずれかで第一設定値を超えた状態が検知された場合、
オゾン注入装置の動作を停止させて、循環ろ過装置、及び混合反応装置が動作しかつオゾン注入装置及び薬注入装置が動作していない「非注入動作」に切り替え、
前記「非注入動作」への切り替えののち、第一、第二のオゾンセンサS1,S2のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された時点にて、
循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置が動作しかつオゾン注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替えることを特徴とする、循環水殺菌システム。
【請求項2】
浴槽から循環水を流出させる流出管、及び、浴槽に循環水を流入させる流入管を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管の下流側に介設される循環ろ過装置と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管の上流側との間に分岐接続される薬注入装置と、
浴槽内、又は、浴槽と薬注入装置の間の流入管の管路途中、に設けられた第一のオゾンセンサと、
浴槽と循環ろ過装置の間の流出管の管路途中に設けられた第二のオゾンセンサと、を具備してなる循環水殺菌システムであって、
第一、第二のオゾンセンサはそれぞれ、浴槽循環水のオゾン濃度が第一設定値を超えた状態であるか、及び、第二設定値を下回った状態であるかを、所定の所定時間間隔で検知するものであり、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、第一、第二のオゾンセンサのいずれかで第一設定値を超えた状態が検知された場合、
オゾン注入装置の動作を停止させて、循環ろ過装置、及び混合反応装置が動作しかつオゾン注入装置及び薬注入装置が動作していない「非注入動作」に切り替え、
前記「オゾン注入動作」から「非注入動作」への切り替えののち、第一、第二のオゾンセンサS1,S2のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された場合、或いは前記切り替えから、予め設定された10分~60分の範囲内の所定時間が経過した場合のうち、いずれかが先に発生した時点にて、循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置が動作しかつオゾン注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替えることを特徴とする、循環水殺菌システム。
【請求項3】
前記流出管、流入管のそれぞれから分岐した分岐管同士が管連通してなり、循環配管路
のうちオゾン注入部及び薬注入部の両方を含む注入管路区間をバイパスするバイパス配管路と、
循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路と、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路とに切り替えるバイパス切り替え装置と、
前記流出管及び流入管にそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサと、
前記バイパス配管路に設けられた第三のオゾンセンサと、を具備してなり、
第一、第二、第三の各オゾンセンサでそれぞれオゾン濃度測定を所定時間間隔毎に行い、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、
第一、第二、第三のオゾンセンサのいずれかで第三設定値を超えた状態が検知された場合、
バイパス切り替え装置によって循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路から、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路に切り替えると共に、
オゾン注入装置の動作を停止させて、循環ろ過装置、及び混合反応装置が動作しかつオゾン注入装置及び薬注入装置が動作していない「非注入動作」に切り替える、請求項1に記載の循環水殺菌システム。
【請求項4】
前記流出管、流入管のそれぞれから分岐した分岐管同士が管連通してなり、循環配管路のうちオゾン注入部及び薬注入部の両方を含む注入管路区間をバイパスするバイパス配管路と、
循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路と、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路とに切り替えるバイパス切り替え装置と、
前記流出管及び流入管にそれぞれにそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサと、
前記バイパス配管路に設けられた第三のオゾンセンサと、を具備してなり、
第一、第二、第三の各オゾンセンサでそれぞれオゾン濃度測定を所定時間間隔毎に行い、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、
第一、第二、第三のオゾンセンサのいずれかで第三設定値を超えた状態が検知された場合、
バイパス切り替え装置によって循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路から、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路に切り替えると共に、
オゾン注入装置の動作を停止させて、循環ろ過装置、及び混合反応装置が動作しかつオゾン注入装置及び薬注入装置が動作していない「非注入動作」に切り替え、
上記バイパス循環経路への切り替え及び非注入動作への切り替えの後であって、
第一、第二、第三のオゾンセンサのいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された場合、或いは前記切り替えから、予め設定された10分~60分の範囲内の所定時間が経過した場合のうち、いずれかが先に発生した時点にて、
バイパス切り替え装置によって循環配管路の流通経路を、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路から、前記注入管路を通る循環経路に切り替えると共に、
循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置が動作しかつオゾン注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替える、請求項1に記載の循環水殺菌システム。
【請求項5】
浴槽から循環水を流出させる流出管、及び、浴槽に循環水を流入させる流入管を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管の下流側に介設される循環ろ過装置と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管の上流側との間に分岐接続される薬注入装置と、
システム停止またはシステム休止の指令、ないし、動作切り替えを認識する認識装置と、
システムの予定休止時刻、システムの予定再開時刻、及び、システムの予定休止時刻より予め設定された10分~60分の範囲内の所定時間前の休止前時刻、を規定すると共に、前記認識装置による、システム停止またはシステム休止の指令の認識時点から、予め設定された10分~60分の範囲内の所定時間の経過を規定するタイマーと、を具備してなる循環水殺菌システムであって、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、
予め設定されたシステムの予定休止時刻から所定時間だけ前の時刻になった場合、或いはシステム停止の指令を受けた場合、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置を動作させたままさらに薬注入装置を動作させることで、循環ろ過装置、オゾン注入装置、薬注入装置、及び混合反応装置の全てが動作している「同時注入動作」に切り替え、
「同時注入動作」にてシステム休止前の予め設定された所定時間、又はシステム停止の指令の認識時点から予め設定された所定時間が経過したのち、オゾン注入装置、循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置の順に運転を停止して、「動作停止」の状態に切り替えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の循環水殺菌システム。
【請求項6】
浴槽から循環水を流出させる流出管、及び、浴槽に循環水を流入させる流入管を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管の下流側に介設される循環ろ過装置と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管の上流側との間に分岐接続される薬注入装置と、
システム起動またはシステム再開の指令、ないし、動作切り替えを認識する認識装置と、
システムの予定休止時刻、システムの予定再開時刻、及び、システムの予定休止時刻より予め設定された10分~60分の範囲内の所定時間前の休止前時刻、を規定すると共に、前記認識装置による、システム起動またはシステム再開の指令の認識時点から、予め設定された10分~60分の範囲内の所定時間の経過を規定するタイマーと、を具備してなる循環水殺菌システムであって、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、混合反応装置、及び薬注入装置のいずれも動作していない「動作停止」中において、
予め設定されたシステムの予定再開時刻になった場合、或いはシステム起動の指令を受けた場合、
オゾン注入装置及び混合反応装置が動作しかつ循環ろ過装置及び薬注入装置が動作していない「オゾン混合動作」に一時的に切り替え、
「オゾン混合動作」にてシステム再開後の所定時間が経過したのち、循環ろ過装置の運転を開始して、「オゾン注入動作」の状態に切り替えることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の循環水殺菌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽等の循環水を殺菌処理する殺菌処理システム及び前記循環水の殺菌処理の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プール及び浴槽水等の大腸菌・レジオネラ菌の殺菌については、人体への安全性の高い塩素殺菌が使用されてきたものの、細菌・ウイルスの耐性化や人体の抵抗力の変化等によって、充分な殺菌効果が望め無くなりつつある。
【0003】
またオゾン殺菌はこれらの細菌・ウイルスに対しても十分な酸化力を有する一方、高濃度のオゾンは人体に悪影響を与える可能性があり、濃度調整を怠ることにより、安全性にもとる場合があった。
【0004】
注入するオゾン濃度を制御する殺菌システムとして従来、オゾン処理後、被処理水の色度と大腸菌・大腸菌群数の関係から塩素注入率を決定する液体処理装置が開示される(特許文献1)。またほかに従来、微生物数に応じて塩素やオゾンの注入量を決定する消毒システムが開示される(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第05142895号公報
【文献】特開2004-290788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のシステムのように菌濃度に基づいて塩素やオゾンの注入量を決定するものは、オゾンの高濃度化による危険性を確実に回避することができない。また、塩素殺菌とオゾン殺菌とを併用するシステムにおいて、塩素とオゾンを同時注入すると、両者が化学反応してしまい、塩素殺菌の殺菌効率、オゾン殺菌の殺菌効率の両方が低下してしまう。すなわち塩素殺菌とオゾン殺菌とを併用し同時使用することで、充分な殺菌効果を継続的に得ることができない事態が生じてしまう。
【0007】
そこで本発明では、人体への安全性の高さを確保しつつ、充分な殺菌効果を継続的に得ることのできる殺菌システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく本発明では以下〔1〕~〔6〕の手段を講じている。
まず、オゾン濃度に応じたオゾン殺菌→塩素殺菌の切り替えを行うことに関して、本発明の循環水殺菌システムは、
〔1〕浴槽9から循環水を流出させる流出管P2、及び、浴槽9に循環水を流入させる流入管P1を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管P2の下流側に介設される循環ろ過装置(例えば集毛器8、濾過ポンプ1、及び濾過機2からなる)と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置(例えばオゾン発生装置3、オゾン注入管P3、エジェクター3Eからなる)と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置(例えばミキサー4、及び反応塔5からなる)と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管P1の上流側との間に分岐接続される薬注入装置(例えば薬発生装置7、及び三方電磁弁11からなる)と、
浴槽9内又は流入管P1、並びに浴槽9内又は流出管P2にそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサS1、S2と、を具備してなる循環水殺菌システムであって、
第一、第二のオゾンセンサS1、S2はそれぞれ、浴槽循環水のオゾン濃度が第一設定値を超えた状態であるか、及び、第二設定値を下回った状態であるかを、所定の設定時間間隔で検知するものであり、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、第一、第二のオゾンセンサS1,S2のいずれかで第一設定値を超えた状態が検知された場合、
オゾン注入装置の動作を停止させて、循環ろ過装置、及び混合反応装置が動作しかつオゾン注入装置及び薬注入装置が動作していない「非注入動作」に切り替え、
前記「非注入動作」への切り替えののち、第一、第二のオゾンセンサS1,S2のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された時点にて、
循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置が動作しかつオゾン注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替えることを特徴とする。
【0009】
「オゾン注入動作」から「薬注入動作」へ直接移行するのではなく、一旦「非注入動作」に切り替えて循環水中のオゾン濃度が一定以下に下がってから薬注入を行うことで、オゾン混入による注入薬との化学反応を確実に抑制することができ、オゾンと薬注入との併用による非殺菌の時間を生じさせないものとしている。また、「非注入動作」中は水循環によって循環水中のオゾン濃度が徐々に下がっていくものの、雑菌の繁殖は一定のオゾン濃度を下回らない限り盛んにはならない。このため、第二設定値を雑菌の繁殖が抑えられるオゾン濃度に設定し、かつポンプによる水循環を継続させることで、「非注入動作」中も雑菌繁殖が盛んになることがない。つまり第二設定値をオゾン殺菌による雑菌繁殖の抑制効果が低くなる限界値に設定することで、オゾン殺菌による雑菌繁殖の抑制効果がなくなったタイミングで薬注入動作に切り替え、何も注入していない「非注入動作」を動作の切り替えの間に挟んでおきながら、殺菌力の高い状態を維持することができる。
【0010】
〔2〕或いは、前記「非注入動作」から「薬注入動作」への切り替えにおいては、
前記「オゾン注入動作」から「非注入動作」への切り替えののち、第一、第二のオゾンセンサS1,S2のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された場合、或いは前記切り替えから所定時間が経過した場合のうち、いずれかが先に発生した時点にて、循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替えるものとしてもよい。
【0011】
「オゾン注入動作」から「非注入動作」への切り替えによって、循環配管内のオゾン濃度は水循環によって徐々に下がっていき、循環流量によって定まる所定時間の経過後には注入された薬が化学反応を起こさない程度となる。このような場合は、オゾン濃度がいずれかのセンサ接地箇所で第二設定値を下回らない場合であっても、注入された薬が化学反応を起こさない程度となる所定時間経過後には、自動的に薬注入動作に切り替える。これにより、注入薬を予め循環配管全体に行き渡らせ、「非注入動作」時における殺菌効果の低減時間を短くすることができる。
【0012】
また、バイパス配管路を含む3箇所でオゾン濃度測定を行うことに関して、本発明の循環殺菌システムは、
〔3〕前記流出管P2、流入管P1のそれぞれから分岐した分岐管同士が管連通してなり、循環配管路のうちオゾン注入部(例えばエジェクター3E)及び薬注入部(例えば三方電磁弁11)の両方を含む注入管路区間をバイパスするバイパス配管路BP1と、
循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路と、前記バイパス配管路BP1を通るバイパス循環経路とに切り替えるバイパス切り替え装置と、
前記流出管P2及び流入管P1にそれぞれにそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサS1、S2と、
前記バイパス配管路に設けられた第三のオゾンセンサS3と、を具備してなり、
第一、第二、第三の各オゾンセンサS1,S2,S3でそれぞれオゾン濃度測定を所定時間間隔毎に行い、
循環ろ過装置(8,1,2)、オゾン注入装置(3)、及び混合反応装置(4,5)が動作しかつ薬注入装置(7)が動作していない「オゾン注入動作」中において、
第一、第二、第三のオゾンセンサS1,S2,S3のいずれかで第三設定値を超えた状態が検知された場合、
バイパス切り替え装置によって循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路から、前記バイパス配管路BP1を通るバイパス循環経路に切り替えると共に、
オゾン注入装置(3)の動作を停止させて、循環ろ過装置(8,1,2)、及び混合反応装置(4,5)が動作しかつオゾン注入装置(3)及び薬注入装置(4,5)が動作していない「非注入動作」に切り替えることが好ましい。
【0013】
〔4〕上記バイパス循環経路の切り替え及び非注入動作への切り替えの後であって、
第一、第二、第三のオゾンセンサS1,S2,S3のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された場合、或いは前記切り替えから所定時間が経過した場合のうち、いずれかが先に発生した時点にて、
バイパス切り替え装置によって循環配管路の流通経路を、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路から、前記注入管路を通る循環経路に切り替えると共に、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替えるものとしてもよい。
【0014】
バイパス循環経路の切り替えによって殺菌効果が落ちることを防止するために、オゾン濃度が第二設定値を下回った場合、或いは高濃度化による危険性が確実に回避される想定時間時間が経過した場合には、薬注入を行う循環経路に切り替えて薬注入殺菌を行うこととする。第二設定値としては、オゾン濃度が人体に悪影響を及ぼすことのない第一安全値を採用し設定することもできるし、オゾン濃度が薬注入に対して化学反応を起こすことのない第一安全値を採用し設定することもできる。
【0015】
また、休止/運転停止時における、非殺菌循環運転時間を調整することに関して、本発明の循環殺菌システムは、
〔5〕浴槽9から循環水を流出させる流出管P2、及び、浴槽9に循環水を流入させる流入管P1を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管P2の下流側に介設される循環ろ過装置(例えば集毛器8、濾過ポンプ1、及び濾過機2からなる)と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置(例えばオゾン発生装置3、オゾン注入管P3、エジェクター3Eからなる)と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置(例えばミキサー4、及び反応塔5からなる)と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管P1の上流側との間に分岐接続される薬注入装置(例えば薬発生装置7、及び三方電磁弁11からなる)と、
システム休止またはシステム再開の指令を受けた時点、ないし、動作切り替えを行った時点を認識する認識装置と、
システムの予定休止時刻、システムの予定再開時刻、及びシステムの予定休止時刻より所定時間前の休止前時刻を規定すると共に、前記認識装置による各認識時点からの所定時間を規定するタイマーと、を具備してなる循環水殺菌システムであって、
「システム予定休止/停止時の一連動作」として、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、
予め設定されたシステムの予定休止時刻から所定時間だけ前の時刻になった場合、或いはシステム停止の指令を受けた(システム停止のスイッチが押された)場合、
他の装置を動作させたままさらに薬注入装置を動作させることで、循環ろ過装置、オゾン注入装置、薬注入装置、及び混合反応装置の全てが動作している「同時注入動作」に切り替え、
「同時注入動作」にてシステム休止前の所定時間が経過したのち、オゾン注入装置、循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置の順に運転を停止して、「動作停止」の状態に切り替えることを特徴とする。
【0016】
「オゾン注入動作」中におけるシステムの休止前の一連動作として、「オゾン注入動作」からそのまま動作停止するのではなく、一旦、オゾンと薬の両方を注入する「同時注入動作」に切り替え、その後、オゾン注入装置、薬注入装置の順に停止させることで、循環配管路に薬を残留させた状態でシステム停止することとなる。この薬の残留性により、システム再開時までの浴槽ないし循環配管内を減菌するか菌増殖を抑制することができる。但し、「同時注入動作」中はオゾン注入を行っており、化学反応により薬濃度が極めて低い状態となっている。また「同時注入動作」中は、化学反応によりオゾン濃度も低下しており、動作停止と共にオゾン濃度はほぼ0となる。動作停止の際は先にオゾン注入装置を停止し、その後の循環を経て最後に薬注入装置を停止させるため、停止直後は薬濃度が比較的高く、時間経過とともに薬濃度が徐々に低下する。なお、動作停止時間を外気温の低下時間帯に合わせることで、動作停止中の殺菌の繁殖を抑制することもできる。
【0017】
また、運転再開時における、非殺菌循環運転時間を調整することに関して、本発明の循環殺菌システムは、
〔6〕浴槽9から循環水を流出させる流出管P2、及び、浴槽9に循環水を流入させる流入管P1を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管P2の下流側に介設される循環ろ過装置(例えば集毛器8、濾過ポンプ1、及び濾過機2からなる)と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置(例えばオゾン発生装置3、オゾン注入管P3、エジェクター3Eからなる)と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置(例えばミキサー4、及び反応塔5からなる)と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管P1の上流側との間に分岐接続される薬注入装置(例えば薬発生装置7、及び三方電磁弁11からなる)と、
システム休止またはシステム再開の指令(を受けた時点)、ないし、動作切り替え(を行った時点)を認識する認識装置と、
システムの予定休止時刻、システムの予定再開時刻、及びシステムの予定休止時刻より所定時間前の休止前時刻を規定すると共に、前記認識装置による各認識時点からの所定時間を規定するタイマーと、を具備してなる循環水殺菌システムであって、
「システムの予定再開/起動時の一連動作」として、
また、循環ろ過装置、オゾン注入装置、混合反応装置、及び薬注入装置のいずれも動作していない「動作停止」中において、
予め設定されたシステムの予定再開時刻になった場合、或いはシステム起動の指令を受けた(システム起動のスイッチが押された)場合、
他の装置を動作させたままさらに薬注入装置を動作させることで、
オゾン注入装置及び混合反応装置が動作しかつ循環ろ過装置及び薬注入装置が動作していない「オゾン混合動作」に一時的に切り替え、
「オゾン混合動作」にてシステム再開後の所定時間が経過したのち、循環ろ過装置の運転を開始して、「オゾン注入動作」の状態に切り替えることを特徴とする。
【0018】
システム停止時は、経路内に薬が残留しており、そのまま定オゾンを注入開始しても、薬がオゾンと反応する間はオゾン殺菌の効果が低下してしまう。これに対応すべく、システムの休止状態から「オゾン注入動作」を開始する際の一連動作として、「動作停止」状態からそのまま「オゾン注入動作」へと移行するのではなく、一旦、オゾン注入とオゾンの混合反応のみを行って循環ろ過装置を動かさない「オゾン混合動作」に切り替えてから、その後、循環ろ過装置を起動させることとしている。これにより、オゾン濃度を或る程度まで高めた状態で循環配管路に一気にオゾン注入することとなる。高濃度化したオゾンによって注入開始直後からしばらくは残留薬との化学反応が起こり、残留薬の濃度が低下した状態となる。この状態中でも、高濃度化したオゾンの注入によってある程度のオゾン殺菌効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1のシステムの構成を示す説明図。
図2】本発明の実施例2のシステムの構成を示す説明図。
図3】本発明の実施例3のシステムの構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、実施例1,2,3として示す図1図2図3とともに説明する。なお、各構成名称の後に続けて記載する数字列乃至アルファベットと数字の組み合わせ列は、各構成を図面と共に理解するために便宜上付した符号であり、これによって構成の概念や形状、位置関係を限定するものではない。
【0021】
いずれの実施形態においても、本発明は、レジオネラ菌・大腸菌がプール及び浴槽水等で人体に影響の無い濃度範囲で殺菌可能となるオゾン殺菌(システム殺菌)をする為、人体に影響の出るオゾン殺菌濃度を越える場合、或いはオゾン殺菌濃度が対象の菌に効果が無くなった場合、自動的に薬殺菌(例えば塩素殺菌)に切り換わるシステムとなっている。
【0022】
またいずれの実施形態においても、本発明は、前記オゾン殺菌(システム殺菌)の動作を行った後、夜間等の決まった停止時間或いは手動停止後の停止時間にも殺菌効果を得るために、システム停止中に自動的に薬殺菌(例えば塩素殺菌)の残留濃度による殺菌状態に切り換わるシステムとなっている。
【0023】
またいずれの実施形態においても、本発明は、夜間等のシステム停止中の薬の残留濃度による殺菌状態から、再び前記オゾン殺菌(システム殺菌)の動作を開始する際に、速やかに適切なオゾン殺菌効果を得るために、薬殺菌状態(例えば塩素殺菌)から自動的にオゾン殺菌に切り換わるシステムとなっている。
【0024】
但し、薬殺菌とは殺菌効果が見込める注入薬を注入するものであり、具体的には例えば、塩素殺菌ないし二酸化塩素殺菌の注入を意味する。このうち塩素殺菌(塩素注入動作)を行う場合は、次亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸カルシウム又は塩素化イソシアヌル酸(ジクロルイソシアヌール酸ナトリウムないしトリクロルイソシアヌール酸ナトリウム)の注入を行うことを意味する。
【0025】
本発明はレジオネラ菌・大腸菌が、プールや浴槽水等で人体に影響の無い濃度範囲で殺菌可能となるオゾン殺菌(システム殺菌)をするシステムで、次のA~Cの主な特徴を有する。
・特徴A オゾン濃度に応じてオゾン殺菌を行う「オゾン注入動作」から薬(塩素)殺菌を行う「薬注入動作」への動作切り替えを行う。但し、前記切り替えにおいて一旦「非注入動作」ないし「バイパス循環経路への切り替え動作」を介在させる。
・特徴B バイパス配管を含む3箇所でオゾン濃度測定を行い、各箇所の値、或いはタイマーによって、オゾン注入動作から薬注入動作への切り替えを行い、オゾン殺菌と薬(塩素)殺菌との重複(オーバーラップ)時間、ないし、非重複(オーバーラップ)時間を調節する。
・特徴C 運転停止時において「同時注入動作」に一時的に切り替えることで、システム停止中の薬(塩素)殺菌効果を確保する。
・特徴D 運転再開時において「オゾン混合動作」に一時的に切り替えることで、システム再開時のオゾン殺菌効果を確保する。
【0026】
いずれの実施例においても、本発明の循環水殺菌システムは、
浴槽9から循環水を流出させる流出管P2、及び、浴槽9に循環水を流入させる流入管P1を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管P2の下流側に介設される循環ろ過装置(例えば集毛器8、濾過ポンプ1、及び濾過機2からなる)と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に分岐接続されるオゾン注入装置(例えばオゾン発生装置3、オゾン注入管P3、エジェクター3Eからなる)と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置(例えばミキサー4、及び反応塔5からなる)と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管P1の上流側との間に分岐接続される薬注入装置(例えば薬発生装置7、及び三方電磁弁11からなる)と、
浴槽9内又は流入管P1、並びに浴槽9内又は流出管P2にそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサS1、S2と、
さらに、前記流出管P2、流入管P1のそれぞれから分岐した分岐管同士が管連通して所定の注入管路区間をバイパスするバイパス配管路BP1と、
循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路と、前記バイパス配管路BP1を通るバイパス循環経路とに切り替えるバイパス切り替え装置と、
前記流出管P2及び流入管P1にそれぞれにそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサS1、S2と、
前記バイパス配管路に設けられた第三のオゾンセンサS3と、
さらに、システム休止またはシステム再開の指令を受けた時点、ないし、動作切り替えを行った時点を認識する認識装置と、
システムの予定休止時刻、システムの予定再開時刻、及びシステムの予定休止時刻より所定時間前の休止前時刻を規定すると共に、前記認識装置による各認識時点からの所定時間を規定するタイマーと、を具備してなる(図1,2,3)。
【0027】
但し、上記第一、第二、第三のオゾンセンサS1、S2、S3はそれぞれ、浴槽循環水のオゾン濃度が第一設定値を超えた状態であるか、及び、第二設定値を下回った状態であるか、及び、第三設定値を超えた状態であるかを、所定の設定時間間隔で検知確認する。
【0028】
<各動作の切り替え:その1>
薬注入装置のみが動作していない「オゾン注入動作」中において、第一、第二のオゾンセンサのいずれかで第一設定値を超えた場合、オゾン注入装置の動作を停止させて、一旦、循環ろ過装置、及び混合反応装置が動作しかつオゾン注入装置及び薬注入装置が動作していない「非注入動作」に切り替え、
前記「非注入動作」への切り替えののち、第一、第二のオゾンセンサS1,S2のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された時点にて、循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置が動作しかつオゾン注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替える。
【0029】
<各動作の切り替え:その2>
或いは、前記「非注入動作」から「薬注入動作」への切り替えにおいては、
前記各動作の切り替え:その1の「オゾン注入動作」から「非注入動作」への切り替えののち、第一、第二のオゾンセンサS1,S2のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された場合、或いは前記切り替えから所定時間が経過した場合のうち、いずれかが先に発生した時点にて、循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替える。
【0030】
<各動作の切り替え:その3>
また、(特徴B)バイパス配管路を含む3箇所でオゾン濃度測定を行うことに関して、本発明の循環殺菌システムは、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、
第一、第二、第三のオゾンセンサS1,S2,S3のいずれかで第三設定値を超えた状態が検知された場合、
バイパス切り替え装置によって循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路から、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路に切り替えると共に、
オゾン注入装置の動作を停止させて、循環ろ過装置、及び混合反応装置が動作しかつオゾン注入装置及び薬注入装置が動作していない「非注入動作」に切り替える。
【0031】
上記バイパス循環経路の切り替え及び非注入動作への切り替えの後であって、
第一、第二、第三のオゾンセンサS1,S2,S3のいずれかで第二設定値を下回った状態が検知された場合、或いは前記切り替えから所定時間が経過した場合のうち、いずれかが先に発生した時点にて、
バイパス切り替え装置によって循環配管路の流通経路を、前記バイパス配管路を通るバイパス循環経路から、前記注入管路を通る循環経路に切り替えると共に、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「薬注入動作」に切り替える。
【0032】
また、(特徴C)運転休止/運転停止時の殺菌時間調整に関して、本発明の循環殺菌システムは、
「システム予定休止/停止時の一連動作」として、
循環ろ過装置、オゾン注入装置、及び混合反応装置が動作しかつ薬注入装置が動作していない「オゾン注入動作」中において、
予め設定されたシステムの予定休止時刻から所定時間だけ前の時刻になった場合、或いはシステム停止の指令を受けた(システム停止のスイッチが押された)場合、
他の装置を動作させたままさらに薬注入装置を動作させることで、循環ろ過装置、オゾン注入装置、薬注入装置、及び混合反応装置の全てが動作している「同時注入動作」に切り替え、
「同時注入動作」にてシステム休止前の所定時間が経過したのち、オゾン注入装置、循環ろ過装置、混合反応装置、及び薬注入装置の順に運転を停止して、「動作停止」の状態に切り替える。
【0033】
<各動作の切り替え:その4>
また、(特徴D)運転再開/起動時の殺菌時間調整に関して、本発明の循環殺菌システムは、
「システムの予定再開/起動時の一連動作」として、
また、循環ろ過装置、オゾン注入装置、混合反応装置、及び薬注入装置のいずれも動作していない「動作停止」中において、
予め設定されたシステムの予定再開時刻になった場合、或いはシステム起動の指令を受けた(システム起動のスイッチが押された)場合、
他の装置を動作させたままさらに薬注入装置を動作させることで、
オゾン注入装置及び混合反応装置が動作しかつ循環ろ過装置及び薬注入装置が動作していない「オゾン混合動作」に一時的に切り替え、
「オゾン混合動作」にてシステム再開後の所定時間が経過したのち、循環ろ過装置の運転を開始して、「オゾン注入動作」の状態に切り替えることを特徴とする。
【0034】
(制御装置)
システムは、「オゾン注入動作」「薬注入動作」「同時注入動作」「非注入動作」の各動作ないし「動作停止」を切り替える制御装置を備える。制御装置は、「オゾン注入動作」「薬注入動作」「同時注入動作」「非注入動作」の各動作ないし「動作停止」の相互切り替えを自動制御する。各動作ないし動作停止への切り替えは、特定の条件を満たすことで自動的に行われる。
【0035】
(認識装置)
認識装置は、各動作指令を受けた時点ないし、システムが自動で動作切り替えを行った時点を認識する。
【0036】
(タイマー)
タイマーは、システムの予定休止時刻、システムの予定再開時刻、及びシステムの予定休止時刻より所定時間(予め設定された10分~60分の範囲内の時間)前の休止前時刻を規定すると共に、前記認識装置による各認識時点からの所定時間を規定する。
【0037】
図1に示す本発明の実施例1のシステムは、浴槽9への循環管の入口部、出口部それぞれにセンサを介在させると共に、各センサの検出結果によってオゾン発生装置と濾過ポンプを連動させ、オゾン注入量と循環流量とを相互に制御するシステムとなっている。
具体的には、浴槽9から循環水を流出させる流出管P2、及び、浴槽9に循環水を流入させる流入管P1を互いに管連通して形成される循環配管路と、
循環配管路のうち流出管P2の下流側に介設される、集毛器8、濾過ポンプ1、及び濾過機2からなる循環ろ過装置と、
循環配管路のうち循環ろ過装置の下流側に順に分岐接続される、オゾン発生装置3、オゾン注入管P3、エジェクター3Eからなるオゾン注入装置と、
循環配管路のうちオゾン注入装置の下流側に介設される混合反応装置(例えばミキサー4、及び反応塔5からなる)と、
循環配管路のうち混合反応装置の下流側と流入管P1の上流側との間に分岐接続される、薬発生装置7、及び三方電磁弁11からなる薬注入装置と、
浴槽9内又は流入管P1、並びに浴槽9内又は流出管P2にそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサS1、S2と、
さらに、前記流出管P2、流入管P1のそれぞれから分岐した分岐管同士が管連通して所定の注入管路区間をバイパスするバイパス配管路BP1と、
循環配管路の流通経路を、前記注入管路を通る循環経路と、前記バイパス配管路BP1を通るバイパス循環経路とに切り替えるバイパス切り替え装置と、
前記流出管P2及び流入管P1にそれぞれにそれぞれ設けられた第一、第二のオゾンセンサS1、S2と、
前記バイパス配管路に設けられた第三のオゾンセンサS3と、を具備する。
【0038】
さらに、システム休止またはシステム再開の指令を受けた時点、ないし、動作切り替えを行った時点を認識する認識装置と、
システムの予定休止時刻、システムの予定再開時刻、及びシステムの予定休止時刻より所定時間前の休止前時刻を規定すると共に、前記認識装置による各認識時点からの所定時間を規定するタイマーと、を具備する(図1)。これら認識装置、タイマーはオゾン発生装置の上部に設置された処理端末及びこれに接続された制御盤10に内蔵される。
【0039】
実施例1のバイパス管BP1は、循環ポンプ1の吐出分岐部と、三方電磁版11の下流側近傍の三方弁と、を繋いで配管形成される。バイパス配管経路内には三方電磁弁が設けられ、この三方電磁弁の分岐先の管路内に第三のオゾンセンサS3が設けられる。当該分妃の管路は再びバイパス管路内に流入すべく接続される。図示しない逆止弁及びゲート弁により、各管路への流通が制御される。
【0040】
また、浴槽内は第四センサS4が設置される。第四センサS4はオゾン濃度及び塩素濃度を所定の時間間隔ごとに検出する。反応塔5の上部にはドレンセパレータ51と排オゾン処理機52が順に連通管接続され、管端から排気するものとしている。この排オゾン処理機52の先に連通管接続された管端には第五のオゾンセンサS5が設置される。
【0041】
図2に示す本発明の実施例2のシステムは、浴槽9への循環管の入口部とオゾン注入部直近の上流間それぞれにセンサS1,S2を介在させると共に、各センサの検出結果によってオゾン発生装置を制御動作させ、オゾン注入量と注入時間を制御するシステムとなっている。また、実施例2ではバブル発生装置4を介してオゾン注入を行う。
【0042】
実施例2のシステムは具体的には、オゾン発生装置3に接続されたオゾン注入管P3を直接反応塔5に接続し、反応塔5の先側の反応管P5をミキサー4の側部からに介在接続させてなると共に、ミキサー4の上流及び下流近傍の短距区間をフランジFで分離可能に区画している。また、薬注入装置7及び三方電磁弁11を循環配管内に分岐接続し、第一のオゾンセンサS1を含む短距区間をフランジFで分離可能に区画している。さらにこれらフランジFによる短距区間それぞれから分岐させた三方弁の分岐管同士を繋いでバイパス管BP2を設けている。なお、バイパス管BP2は第三のオゾンセンサS3が管内に設けられると共に、図示しない逆止弁、ゲート弁によって流通が制御される。フランジFで短距区間を形成することで、既存の循環経路内に設けることが可能となり、また交換、メンテナンスを行いやすいものとなる。本実施例も実施例1と同様、浴槽9への循環管の入口部、出口部それぞれにセンサを介在させると共に、各センサの検出結果によってオゾン発生装置と濾過ポンプを連動させ、オゾン注入量と循環流量とを相互に制御するシステムとなっている。
【0043】
図3に示す本発明の実施例3のシステムは、複数の浴槽9A,9B,9Cそれぞれへの分岐循環管の入口部、出口部それぞれにセンサS3A,S3B,S3Cを介在させると共に、各分岐循環管の上流側である集合循環管にセンサS1を介在させており、センサの検出結果によってオゾン発生装置と薬注装置を連動させ、オゾン注入量と注入時間、及び、薬注量とを相互に制御するシステムとなっている。
センサは紫外線吸収測定器を用いることができる。この場合、溶存オゾン濃度、及び、微小な気相(オゾンバブル)濃度を検出する。
【0044】
実施例3のシステムは、具体的には、複数の浴槽9A,9B,9Cへの循環配管の流入管P1A,P1B,P1Cそれぞれに第四センサS4A,S4B,S4Cを介在させると共に、各センサの検出結果によってオゾン発生装置と濾過ポンプを連動させ、オゾン注入量と循環流量とを相互に制御するシステムとなっている。複数の浴槽9A,9B,9Cそれぞれからの流出管P2A,P2B,P2Cはホッパー90Hからオーバーフロータンク90内に貯水され、オーバーフロータンク90のオーバーフロー排出先として設けられた流出管P2が循環配管として接続される。
【0045】
<具体的な動作例>
オゾン殺菌から薬(塩素)殺菌への切り替え例を以下にしめす。オゾン濃度センサからの信号にて、オゾン濃度が上限値0.05ppmを超えたとき又は、オゾン濃度が下限0.03ppmを超えたとき、専用制御装置にて塩素注入に切り替える。
<システムの使用方法及び制御方法>
システム停止・使用後薬(塩素)殺菌へタイマー注入(翌朝まで残留塩素で感染防止)
0.03ppm(0,01ppmCT値)~0,05ppm オゾン殺菌0.01~0,05ppm以外塩素に切り替わる。タイマー設定で、入浴t時間はシステム装置運転でオゾン殺菌、入浴終了し、装置停止30分前に塩素が注入され浴槽に流し込まれた後、装置が停止する。
【0046】
装置停止後は残留性の無いオゾンはすぐに消える一方、浴槽に流し込まれた残留塩素で装置停止中の浴槽の菌の増殖を防止して翌朝まで塩素の殺菌効果を発揮する。
本発明は特に、薬(塩素)殺菌とオゾン殺菌を時間差で平行使用することに特徴がある。すなわち、薬(塩素)殺菌度オソ゛ン殺菌を同時に行えば、薬(塩素)殺菌とオゾン殺菌は殺菌方法が異なる為、殺菌効果が作用して半減してしまう。本発明は薬(塩素)殺菌とオゾン殺菌を時間差で動作させるため、オゾン殺菌と薬(塩素)殺菌が理想的な形で実現できる。
次の運転開始はタイマーで装置運転再開しオゾン殺菌を開始する。2時間以上オゾン殺菌を行ってから入浴開始させる。
【0047】
<オゾン殺菌から薬(塩素)殺菌への自動的切り替え>
循環水のオゾン濃度が0.03ppm以上0.05ppm以下の一定の領域を外れた場合、センター稼働で自動的に薬(塩素)殺菌に切り替わる。公衆浴場・プール等は薬(塩素)殺菌が義務つけられているが、レジオネラ菌・大腸菌等に対して、オゾン殺菌(システム方式)濃度が認可領域以外になった場合自動的に塩素に切り替わる。
【0048】
<システム運用例>
塩素とオゾンと同時殺菌すると、塩素&オソ゛ン殺菌効果が異なる為、殺菌効果が半減してしまう。これを回避するためシステム停止・使用後薬(塩素)殺菌へタイマー注入することで、翌朝までの残留塩素による感染防止を図る。具体的には、0.03ppm(0,01ppmCT値)~0,05ppm オゾン殺菌0.01~0,05ppm以外塩素に切り替わる。またタイマー設定で、入浴t時間はシステム装置運転でオゾン殺菌、入浴終了し、装置停止30分前に塩素が注入され浴槽に流し込まれた後、装置が停止する。装置停止後は残留性の無いオゾンはすぐに消えるものの、浴槽に流し込まれた残留塩素で装置停止中の浴槽の菌の増殖を防止して翌朝まで塩素の殺菌効果がある。このように、薬(塩素)殺菌とオゾン殺菌を時間差で平行使用することで、両システムの併用による悪影響を回避し適切な殺菌状態を維持することができる。
薬(塩素)殺菌度オソ゛ン殺菌を同時に行えば、薬(塩素)殺菌とオゾン殺菌は殺菌方法が異なる為、殺菌効果が作用して半減するところ、「非注入動作」ないし「バイパス配管路への切り替え動作」を一旦挟んで「オゾン注入動作」「塩素注入動作」時間差を設けることで、オゾン殺菌と薬(塩素)殺菌を実現することができる。
【0049】
次の運転開始はタイマーで装置運転再開しオゾン殺菌開始。2時間以上オゾン殺菌を行ってから入浴開始可能状態とする。バイパス配管を含む複数箇所でオゾン濃度測定を行い、各箇所の値に応じてオゾン殺菌から薬(塩素)殺菌への切り替え時の重複(オーバーラップ)時間/非重複(オーバーラップ)時間を調節する。また、オゾン殺菌と薬(塩素)殺菌の交互運転における、時間・濃度比率を短時間高濃度から長時間低濃度に移行するように調節する。
【0050】
[システム型オゾン殺菌システム]
本発明の循環水殺菌システムは1本の循環配管ラインに介設されてなり、循環水を全量一括で殺菌する。オゾン発生装置3で生成された気相のオゾンが、注入管P3からエジェクタ3Eにて循環配管内に送り込まれ、ミキサ4を経て反応塔5に送られることで、マイクロバブル化し、かつ高濃度化した液相のオゾンとして循環水と均等に接触する。余剰オゾンは加熱処理で酸素へ変換させる環境に優しいシステムです。また、活性炭が不用なためコンパクトなシステムです。薬(塩素)殺菌と異なり、有機物の分解除去も良好で、細菌・ウィルスを殺滅し耐塩素細菌を作らないため、バイオフィルムを発生させない。これにより、循環システムのろ過機や配管内はいつも清潔に保たれる。
【0051】
[システム型オゾン殺菌の配管ライン及び浴槽の殺菌について((薬(塩素)殺菌との比較))]
浴槽から反応塔へ入った処理水は反応塔内で飲料水レベルの水質に処理されるが、反応塔で生じた余剰オゾンは加熱処理で酸素へ返還され、反応塔から浴槽へ送水される処理水中の溶解中のオゾンは、人体へ影響の無い残留溶存オゾン0.05ppm以下<ドイツDIN規格基準>に設定しており、<システムの場合0.02ppm~0.03ppm>30分に1回の割合で浴槽とシステム内の反応塔を循環しており、常に新しい新鮮な水質を有するオゾン処理水が補給される。
【0052】
薬(塩素)殺菌の場合は浴槽の中の残留塩素の濃度管理が基準<レジオネラ属菌指針0.2ppm~0.4ppm>とされているが、塩素管理は入浴者の人数等の条件で塩素濃度管理が異なって来るので、浴槽内やろ過機器の前や浴槽の直前等常に残留塩素濃度の確認が必要となる。しかし、システム型システムは基本的に反応塔の中で有機物の除去分解ならびにレジオネラ属菌などの最近の殺滅が行われ、反応塔以降も浴槽や配管には0.02ppm~0.03ppmの溶存オゾンが存在するため配管の洗浄作用等効果があり、新しい浴槽への入浴者の付体菌等は、30分に1回の対流作用で循環システムへ吸引口から吸い込まれ常時オゾン処理され続けるため、上記<1000人以上使用した水も飲料水レベルの水質>の水質が保証されることとなる。
【0053】
〈〈ろ過機・配管洗浄は不要〉
完全オゾン処理により菌の殺菌と同時に有機物が分解されるため、バイオフィルムの生成を抑制します。これによりろ過機内部、及び配管内壁へのバイオフィルムが付着せず、ろ過機・配管の洗浄作業が不要となる。
【0054】
〈気中オゾン濃度〉
通常、オゾンは危険であるという認識がありますが、システムシステムにおいて人体に悪影響を及ぼす程の高濃度オゾンが室内等に漏洩することはなく、気中のオゾン濃度は0.05ppm※1以下を維持するよう設定している。
【0055】
〈水中オゾン濃度〉
水中にオゾンが溶け込むことでオゾン水となりますが、オゾンは人体に悪影響を与えるものではありません。しかし、システムシステムでは安全と利用者の安心を考慮し、水中溶存オゾン濃度が0.05mg/L以下になるよう設定している。
【0056】
(ろ過装置)
システムに入った浴槽水は、最初に「集毛器8」で2mm以上の毛髪、無機質物が捕集され、「ろ過ポンプ1」により「ろ過装置」に入る。ろ過装置は砂ろ過方式で、ろ過材にセラミック(粒子径φ0.6~1.4mm)を使用し長期に安定したろ過を確保する。
【0057】
(オゾン発生装置)
オゾン発生装置3は空気を原料とし窒素成分を吸着分離し、高純度のオゾンガスを発生する。オゾンガスは循環ラインの「高性能エジェクター」と「ミキサー」を通過し、発生量の80~90%を処理水に注入させてオゾンを溶解したオゾン水に変わる。残った10~20%のオゾンは、気体のままオゾン反応塔に処理水と共に入り、酸化効率を上げる助けとなる。
【0058】
(反応塔5)
「ろ過装置」で除去できなかった溶存有機物及び細菌類を含んだ全ての浴槽循環水は「反応塔5」を通過する。反応塔5では微細粒気体のオゾンを吸収し、水とオゾンが溶け込みあった状態に近い処理水は、「オゾン反応塔」の内部を旋回しながら水中の細菌類や油脂などの有機物を激しく酸化させて殺菌し、あるいは分解し飲用水と同等レベルの浄化処理水となる。
【0059】
(排オゾン処理)
「反応塔5」で殺菌や有機物の分解などの作業が済んだ後、処理水に吸収されていたオゾンはほとんど酸化に消費され残っていないものの、気体のまま残った微かなオゾンはオゾン反応塔の上部の排オゾンスペースに集められ、塔外に導かれて「気液分離器(ドレンセパレータ)」で水分を除いた後、セラミックヒーターの「排オゾン処理装置」により加熱(350℃以上)処理し、酸素に分解し空気中に放出する。
【0060】
(循環ろ過システムの停止時、起動時)
1日のシステム停止の約30 分前より、塩素注入装置を作動させ、夜間等システムの停止中に塩素によって浴槽内での細菌の殺菌、増殖の防止を行う。薬注入時間を設けることで、残留薬剤濃度により菌の減菌、増殖防止を図る。循環浄化装置運転時間と塩素注入時間は、制御盤10においてタイマーで設定されている。循環浄化装置運転中はオゾン殺菌を実施し、1 日の循環機運転停止前に薬注ポンプによってタイマーにより15~30
分間前後自動注入され、塩素の残留性により翌朝の運転開始まで浴槽水の減菌及び増殖を防止する。なお、循環浄化装置運転中はオゾン殺菌を行っているため、塩素濃度はほとんどない。塩素注入直後の濃度は比較的濃く(約0.2~0.4mg/L)、翌朝にかけて濃度は低下する。
【0061】
(オゾン濃度の測定)
通常、システムシステムにおいてはオゾンが室内等へ漏洩しない仕組みになっているものの、万が一、オゾン発生器等に故障が生じた場合など予測のできない事態に陥った場合は、オゾンが漏洩する可能性は否定できない。このため、第一、第二、第三のオゾンセンサS1,S2,S3において第三設定値を設定すると共に、第四センサS4,第五のオゾンセンサS5で液中内指揮中のオゾン濃度を一定時間間隔毎に測定し異常監視を行っている。
【0062】
<プログラム設定例1>
溶存オゾンモニターのアナログ信号を、デジタル信号に変換し,シーケンサーで制御盤内をプログラム制御する。プログラム内容は、
・溶存オゾン濃度0.03mg/L以下になると、オゾン発生器運転OFF,薬注装置運転ON。(オゾン発生器運転自動復帰は無し)
・溶存オゾン濃度0.05mg/L以上になると、オゾン発生器運転OFF,薬注装置運転ON。(オゾン発生器運転自動復帰は無し)
・シーケンサー制御開始は、システムろ過機が運転開始から浴槽水が1ターンする30分後より開始。
溶存オゾン濃度管理の帯域(0.03~0.05mg/L)を外れ、薬(塩素)殺菌に切換わった場合、浴槽水の塩素濃度を測定し0.4mg/L以上の濃度を確認の後、オゾン殺菌を手動で再開する。(このときのシーケンサーによる制御は、オゾン殺菌再開30分後より開始する。)←異常解除ボタンでオゾン殺菌再開できるよう設定した。
【0063】
<プログラム設定例2>
溶存オゾンモニターのアナログ信号を、デジタル信号に変換し,シーケンサーで制御盤内をプログラム制御する。プログラム内容は、
・溶存オゾン濃度0.05mg/L以上になると、オゾン発生器運転ON
・溶存オゾン濃度0.01mg/L以下になると、オゾン発生器運転ON
・シーケンサー制御開始は、システムろ過機が運転開始から浴槽水が1ターンする30分後より開始。
(上記終了後、シーケンサーにより制御されたオゾン発生器ON,OFFの切換え時間を、シーケンサーとPCを接続して記録を確認する。)
【0064】
本発明は浴槽及びプール及び貯水池など各種の循環システムを有する貯水場に用いるほか、殺菌が必要な、水以外の特殊液の貯水装置に用いることもできる。その他本発明は、上記各実施例の構成ないし例示に不要に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の構成変更、周知技術への置換、一部要素の抽出、ないし実施例間同士の要素の組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 ろ過ポンプ
10 制御装置
2 ろ過タンク
3 オゾン発生装置
3E 注入弁
4 バブル発生装置
5 反応塔
6 熱交換器
7 薬注装置
8 集毛器
9、9A,9B,9C 浴槽
90 オーバーフロータンク
F フランジ
S1,S2、S3A,S3B,S3C オゾンセンサ
図1
図2
図3