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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】手押し車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20221223BHJP
   B62B 3/02 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
B62B3/00 F
B62B3/02 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018162353
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020032917
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】598087841
【氏名又は名称】株式会社幸和製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】城戸 遼
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-001174(JP,A)
【文献】特開2016-141237(JP,A)
【文献】特開2015-030400(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0252043(US,A1)
【文献】意匠登録第1148866(JP,S)
【文献】特開2002-067972(JP,A)
【文献】特開2017-193338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00- 5/08
A61G 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の前輪と、
前記左右の前輪を支持する左右の前輪フレームと、
左右の後輪と、
前記左右の後輪を支持する左右の後輪フレームと、
カゴと、
側面視において、鉛直方向に延びる右側縦フレームと、前記右側縦フレームの上端に一端が接続して後側に延びる右側握り部とを有する、逆L字状の右側ハンドルフレームと、
側面視において、鉛直方向に延びる左側縦フレームと、前記左側縦フレームの上端に一端が接続して後側に延びる左側握り部とを有する、逆L字状の左側ハンドルフレームと、
前記右側縦フレームと前記左側縦フレームとを架橋する、側面視において前記左右の縦フレームの前端よりも前方に位置しない第1の架橋フレームと、
前記左右の後輪フレームの下部を架橋する、前方に凸状に湾曲した第2の架橋フレームと、を備え、
前記第2の架橋フレームの前端が前記第1の架橋フレームの前端よりも前方に位置し、
前記カゴの後端部が、前記右側ハンドルフレームと前記左側ハンドルフレームよりも前方に位置する、手押し車。
【請求項2】
前記カゴは前後方向に折りたたみ可能であって、
折りたたみ時に前記左右の前輪フレームが、平面視において前記右側ハンドルフレームと前記左側ハンドルフレームとに接近してくる、請求項1に記載の手押し車。
【請求項3】
前記カゴは前記カゴの後端部を軸に回動して前後方向に折り畳み可能であって、
前記前輪フレームと前記カゴの後端部とを連結する屈曲可能な連結リンクが屈曲することにより、前記左右の前輪フレームが前記カゴの後端部に接近してくる、請求項2に記載の手押し車。
【請求項4】
前記カゴの後端部は、前記第2の架橋フレームに連結している、請求項2または3に記載の手押し車。
【請求項5】
前記カゴの蓋と、
前記蓋の上面に配置され、前記カゴの右方まで回動可能な右支持部材と、前記カゴの左方まで回動可能な左支持部材と、をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の手押し車。
【請求項6】
前記第1の架橋フレームは、平面視において、後方に凸状に湾曲している、請求項1から5のいずれか1項に記載の手押し車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手押し車の技術に関し、特にカゴを有する手押し車の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高齢者の歩行を補助するための手押し車が知られている。そのような手押し車の中には、買い物カゴを載置することが可能なものがある。たとえば、特開2017-193338号公報(特許文献1)には、手押し車が開示されている。特許文献1によると、カゴと、カゴの前面に配置され、カゴより上方まで達する抑え部材とを備える手押し車が提供される。抑え部材は、その下部がカゴの下部近傍に枢支されることによって、その上部が前方へ所定の量だけ移動可能に構成され、それによって当該上部の背面がカゴの上方に載置される買い物カゴの前面に当接可能に構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-193338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来よりも使い勝手のよい手押し車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある局面に従うと、左右の前輪と、左右の前輪を支持する左右の前輪フレームと、左右の後輪と、左右の後輪を支持する左右の後脚フレームと、カゴと、側面視において逆L字状の右側ハンドルフレームと、側面視において逆L字状の左側ハンドルフレームとを備える、手押し車が提供される。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、この発明によれば、従来よりも使い勝手のよい手押し車が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す正面斜視図である。
図2】第1の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す正面図である。
図3】第1の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す背面図である。
図4】第1の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す左側面図である。
図5】第1の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す右側面図である。
図6】第1の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す平面図である。
図7】第1の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す底面図である。
図8】第1の実施の形態にかかる手押し車100のハンドルを下げた状態を示す左側面図である。
図9】第1の実施の形態にかかる手押し車100のカゴ130の蓋120を開いた状態を示す左側面図である。
図10】第1の実施の形態にかかる手押し車100のカゴ130を持ち上げた状態すなわち手押し車100を前後方向に折り畳んだ状態を示す左側面図である。
図11】第1の実施の形態にかかる手押し車100の買い物カゴ載置可能状態を示す正面斜視図である。
図12】第1の実施の形態にかかるカゴ130の分解斜視図である。
図13】第1の実施の形態にかかる側部フレーム139を示す背面斜視図である。
図14】第1の実施の形態にかかる前フレーム135の前側プレート1351を示す背面斜視図である。
図15】第1の実施の形態にかかる前フレーム135の後側プレート1352を示す正面斜視図である。
図16】第1の実施の形態にかかる手押し車100の買い物カゴ載置可能状態を示す平面図である。
図17】第1の実施の形態にかかる手押し車100の支持部材121R,121Lの未使用時を示す(A)平面図と(B)A-A断面図である。
図18】第1の実施の形態にかかる手押し車100の支持部材121R,121Lの使用時を示す(A)平面図と(B)C-C断面図である。
図19】第2の実施の形態にかかる手押し車100の全体構成を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
【0009】
図1図7を参照して、本実施の形態にかかる手押し車100は、主に、前輪141L,141Rと、後輪142L,142Rと、左右のハンドル110L,110Rと、カゴ130と、蓋120とを有する。使用者は、左右のハンドル110L,110Rの握り部111L,111Rを握って手押し車100を押しながら歩くことができる。
【0010】
さらに本実施の形態にかかる手押し車100は、図8に示すように、左右のハンドル110L,110Rの高さを調節したり、図9に示すように、蓋120を持ち上げてカゴ130に荷物を入れたり、図10に示すように、手押し車100を前後方向に折りたたんだり、図11に示すように、蓋120から左右方向に支持部材121L,121Rを広げて蓋120の上面に買い物カゴ200を載置したりすることができる。以下では、本実施の形態にかかる手押し車100の構成について詳細に説明する。
【0011】
なお、以下では、手押し車100の左側の部材には符号に「L」が付され、右側の部材には符号に「R」が付されているが、左右共通の部材を総称して「R」と「L」とを付さずに説明する場合もある。また、以下では、手押し車100の進行方向を単に前方といい、進行方向の反対を単に後方といい、手押し車100の鉛直上方向を単に上方といい、鉛直下方向を単に下方といい、手押し車100を使用中のユーザから進行方向へ向かって右方を単に右方といい、ユーザから進行方向へ向かって左方を単に左方という。
【0012】
また、以下では、ユーザが押して歩く状態を手押し車100の通常状態という。そして、蓋120の上に買い物カゴを載置する状態を載置状態という。前後方向にコンパクトに折り畳んだ状態を折り畳み状態という。
【0013】
図1図7を参照して、本実施の形態にかかる手押し車100は、一対の前輪フレーム151L,151Rと、一対の後輪フレーム152L,152Rとを有する。前輪フレーム151L,151Rのそれぞれの下端部には、一対の前輪141L,141Rが取り付けられている。後輪フレーム152L,152Rのそれぞれの下端部には、一対の後輪142L,142Rが取り付けられている。
【0014】
左側の前輪フレーム151Lの上端部は連結部材154Lの前部に回動可能に連結され、後輪フレーム152Lの上端部は連結部材154Lの後部に固定されている。同様に、右側の前輪フレーム151Rの上端部は連結部材154Rの前部に回動可能に連結され、後輪フレーム152Rの上端部は連結部材154Rの後部に固定されている。
【0015】
連結部材154Lには、略垂直方向に縦フレーム153Lが挿通されており、複数箇所で固定可能に構成されている。連結部材154Rには、略垂直方向に縦フレーム153Rが挿通されており、複数箇所で固定可能に構成されている。使用者は、連結部材154L,154Rに対する縦フレーム153L,153Rの差し込み量を調節することによって、図8に示すように、左右のハンドル110L,110Rの高さすなわち握り部111L,111Rの高さを自分に合った高さに調節することができる。
【0016】
縦フレーム153L,153Rの上端部には、握り部111L,111Rが取り付けられている。左右のにぎり部111L,111Rの下方には、ブレーキレバー112L,112Rが設けられている。本実施の形態においては、左側の縦フレーム153Lと、左側の握り部111Lと、左側のブレーキレバー112Lとを合わせてハンドル110Lという。左側のハンドル110Lは、側面視において、逆L字状に構成される。同様に、右側の縦フレーム153Rと、右側の握り部111Rと、右側のブレーキレバー112Rとを合わせてハンドル110Rという。右側のハンドル110Rは、側面視において、逆L字状に構成される。
【0017】
前輪フレーム151L,151R間には、下横フレーム159が連結されている。後輪フレーム152L,152Rの間には、架橋フレーム161が連結されている。架橋フレーム161は、後輪フレーム152L,152R同士の強度を高めながら、ユーザの歩行を妨げないように、平面視および底面視においてU字状すなわち凸形状に形成されている。
【0018】
ここで、カゴ130の構成について詳述する。カゴ130は、主に、底面132と、底面132の周囲を支持する底部フレーム131と、カゴ130の収容スペースの前面・側面・後面を囲うための水平な複数の比較的細い側部フレーム139と、カゴ130の収容スペースの上部の前面・側面・後面を囲うための水平な比較的太い上側部フレーム134と、側部フレーム139の前面を支持する前フレーム135と、側部フレーム139の後面を支持する後フレーム136とを含む。
【0019】
本実施の形態においては、カゴ130は、縦フレーム153L,153Rすなわちハンドル110L,110Rよりも前方に位置する。より詳細には、平面視および側面視において、底面132の後端は縦フレーム153L,153Rよりも前方に位置する。また、複数の側部フレーム139の後端や上側部フレーム134の後端や底部フレーム131の後端も縦フレーム153L,153Rよりも前方に位置する。
【0020】
そして、本実施の形態においては、カゴ130の上側部フレーム134の左右の後端部は、連結部材154L,154Rの前部に枢支される。なお、上側部フレーム134の連結部材154L,154Rに対する枢支軸と、前輪フレーム151L,151Rの連結部材154L,154Rに対する枢支軸とは共通の部材である。
【0021】
本実施の形態においては、上側部フレーム134の後部には、蓋120の後部が回動可能に設けられている。本実施の形態においては、使用者は、図8に示すように蓋120を前方に倒してカゴ130の上部を閉じたり、図9に示すように蓋120を後上方に持ち上げてカゴ130の上部を閉じたりすることができる。
【0022】
カゴ130の底部フレーム131は、下横フレーム159と架橋フレーム161とに支持されている。より詳細には、底部フレーム131の前部の底面は、カゴ130の使用時に、下横フレーム159の上面に載置される。底部フレーム131の後部の左右中央部は、後フレーム136の下部に支持される。底部フレーム131の後部の左部および右部は、連結部材164L,164Rを介して架橋フレーム161に連結される。
【0023】
そして、底部フレーム131の左側部と右側部はリンク部材162L,162Rを介して、前輪フレーム151L,151Rに連結される。つまり、リンク部材162L,162Rは、各々その一端が前輪フレーム151L,151Rの下部に枢支され、各々その他端が底部フレーム131の側部に枢支される。そして、左右のリンク部材162L,162Rの後部と、底部フレーム131の左側面および右側面の後端部とが、付勢部材163L,163Rによって互いに引っ張られている。
【0024】
図12に示すように、本実施の形態においては、前フレーム135は、底部フレーム131の前部と、複数の側部フレーム139の前部と、上側部フレーム134の前部とを挟み込んで枢支する。
【0025】
より詳細には、図13に示すように側部フレーム139の各々は、パイプが平面視「口」形状に形成されたものである。側部フレーム139は、一周回って、その端部同士が後部中央で互いに接触する。側部フレーム139は、前部中央部に孔部139Y,139Yが形成され、後部中央部すなわちパイプの端部に孔部139X,139Xが形成される。前部中央部の孔部139Y,139Yには前フレーム135用の軸受け1391が取り付けられ、後部中央部の孔部139X,139Xには後フレーム136用の図示しない軸受けが取り付けられる。
【0026】
前フレーム135は、図14に示すような前側プレート1351と図15に示す後側プレート1352を含む。図14に示すように、前側プレート1351には、左右の側部フレーム1351A,1351Aに複数の側部フレーム139を通すための複数の凹部1351Bが形成されている。前側プレート1351には、複数の側部フレーム139の複数の軸受け1391を受けるための複数のリブ1351Cが形成されている。前側プレート1351には、後側プレート1352を取り付けるための複数のボス1351Dが形成されている。なお、本実施の形態においては、前側プレート1351は、その上端部に握り部135Xが形成されている。
【0027】
図15に示すように、後側プレート1352には、左右の側部フレーム1352A,1352Aに複数の側部フレーム139を通すための複数の凹部1352Bが形成されている。後側プレート1352には、複数の側部フレーム139の複数の軸受け1391を受けるための複数の凹部1352Cが形成されている。後側プレート1352には、前側プレート1351を取り付けるための複数のボス1352Dが形成されている。
【0028】
このように構成されているため、前フレーム135内に複数の側部フレーム139の前部中央部が内包されるとともに、前フレーム135内で回動することができる。本実施の形態においては、前フレーム135内を、上側部フレーム134の前部中央部や底部フレーム131の前部中央部も回動可能に構成されている。
【0029】
同様に、後フレーム136内を、複数の側部フレーム139の後部中央部と、上側部フレーム134の後部中央部と、底部フレーム131の後部中央部が回動可能に構成されている。
【0030】
このように構成されているため、図10に示すように、ユーザが前フレーム135の握り部135Xを上方へ持ち上げると、前フレーム135内や後フレーム136内を底部フレーム131が回動しながら、底部フレーム131が連結部材164L,164Rや後フレーム136を軸にして後上方へ回動する。このとき、同様に、前フレーム135内や後フレーム136内を側部フレーム139が回動しながら、側部フレーム139が後フレーム136を軸にして後上方へ回動する。同様に、前フレーム135内や後フレーム136内を上側部フレーム134が回動しながら、上側部フレーム134が後フレーム136を軸にして後上方へ回動する。
【0031】
このとき、底部フレーム131とリンク部材162L,162Rとから構成される折り畳みリンク機構が屈曲する。すなわち手押し車100の使用時には、底部フレーム131に対してリンク部材162L,162Rが略平行であったが、折りたたみ時には底部フレーム131が後上方へ持ち上がるので、底部フレーム131に対してリンク部材162L,162Rが下方へ折れ曲がる。これによって、前輪フレーム151L,151Rが後輪フレーム152L,152Rに接近し、すなわち平面視において、前輪フレーム151L,151Rがカゴ130の後端部や後フレーム136や架橋フレーム161やハンドル110L,110Rの下方へと接近し、その結果、手押し車100が前後方向に折り畳まれる。
【0032】
次に、図16図18を参照して、カゴ130の蓋120に買い物カゴを載置するための構成について説明する。本実施の形態においては、蓋120の上面には、買い物カゴの支持部材121L,121Rが取り付けられる。より詳細には、支持部材121L,121Rは、図17に示すように、未使用時においては、左右中央部に互いに寄った位置に収納される。本実施の形態においては、蓋120の上方を通って左方へ回動する支持部材121Lと、上方を通って右方へ回動する支持部材121Rとが蓋120に枢支される。つまり、本実施の形態においては、支持部材121L,121Rは、平面視において、未使用状態から、観音開きのようにして、左右外側に回動し、使用状態へと移行する。
【0033】
支持部材121L,121Rは、各々が、図18(B)に示すように、基部1211と係止部1212と把持部1213とを含む。図18(A)(B)に示すように、蓋120には、基部1211,1211を収容するための凹部120X,120Xと、係止部1212,1212を収容するための凹部120Y,120Yとが形成されている。これによって、図17に示すように、買い物カゴを載せないときは、蓋120から把持部1213,1213だけが上方へ突出している。ユーザは、把持部1213,1213を掴んで、容易に、支持部材121L,121Rを上方へ引っ張り出して、手押し車100の外側に回動させることができる。その結果、図18に示すように、係止部1212,1212が上方へ突出するようになる。これによって、買い物カゴの左右端部が係止されやすくなる。
[第2の実施の形態]
【0034】
上記の実施の形態においては、底部フレーム131の後部が連結部材164L,164Rを介して架橋フレーム161に連結されるものであったが、図19に示すように、別の支持部材262によって、底部フレーム131の後部が支持されてもよい。たとえば、連結部材154L,154Rから下方に向けて延設される支持部材を利用してもよいし、後輪フレーム152L,152Rから前方に向けて延設される支持部材を利用するものであってもよい。
【0035】
同様に、上記の実施の形態においては、付勢部材163L,163Rの後端部が架橋フレーム161に連結されるものであったが、付勢部材163L,163Rも当該支持部材262に連結されてもよい。
[第3の実施の形態]
【0036】
上記の実施の形態においては、カゴ130の蓋120の上面に、買い物カゴを支持するための支持部材121L,121Rが取り付けられるものであったが、蓋120から把持部1213,1213が上方へ突出していない形態であってもよいし、蓋120の側方や前方などから外側へ支持部材がスライドする形態であってもよい。あるいは、蓋120は単なる座部であってもよい。あるいは、蓋120は、剛性を有さずに、布地や巾着などであってもよい。
[その他の形態]
【0037】
ハンドルフレーム110の形状は、逆L字状とされる。上記の実施形態では、縦フレーム153が連結部材154に対して略垂直方向に立設しているが、当該垂直方向から傾斜したものでもよいし、屈曲したものでもよい。また、握り部111は、縦フレーム153に対して略垂直方向に位置しているが、当該垂直方向から傾斜したものでもよいし、屈曲したものでもよい。さらに、左右のハンドルフレーム110L,110Rには、連結フレーム113が架橋されているが、連結フレーム113が架橋する位置は特に限定されず、縦フレーム153の上端から下端の位置のいずれかであればよい。例えば、縦フレームの上端において左右の握り部111L,111Rに連結するものでもよい。また、連結フレーム113の形状は、特に限定されず、例えば、X字状や屈曲形状でもよい。さらに、連結フレーム113の材質も特に限定されず、本実施形態ではアルミニウム材料を用いているが、他の金属や合金材料でもよいし、有機材料でもよい。
【0038】
カゴ130の後端部が、左右のハンドルフレーム110L,110Rよりも前方に位置しているが、側面視(図4など参照)において後端部が縦フレーム153L,153Rに跨る位置でもよいし、後端部が握り部111L,11Rの下方に位置してもよい。ただし、カゴの上方の空間を、例えば背高の収納物の利用空間として構成部材を配置しない仕様とするならば、カゴ130の後端部は、左右のハンドルフレーム110L,110Rよりも前方に位置させるのが良好である。
【0039】
また、カゴ130の後端部の位置に対応して、側面視(図4など参照)における架橋フレーム161L,161Rの位置は任意に採用されればよい。側面視において、架橋フレーム161L,161Rは、縦フレーム153L,153Rに対して進行方向に向かって跨って位置しているが、縦フレーム153,153Rに跨らない位置でもよい。架橋フレーム161の形状は、前方(進行方向)に向けて凸状に湾曲したものであるが、連結部材164L,164R(例えば、係合部材)を介して底部フレーム131を機械的に結合するものであれば特に限定されない。例えば、前方に向けて凸状に湾曲しているU字状でもよいし、U字状の山が2つあるW字状でもよいし、台形状でもよい。
【0040】
カゴ130を構成する側部フレーム139は、パイプが平面視で長方形状とされるが、特に限定されず、正方形状でも三角形状などの多角形状でもよい。また、側部フレーム139は、一周回って、その端部同士が後部中央で互いに接触しているが、離間したものでもよい。さらに、側部フレーム139には、その孔部139Xが形成されて、軸受1391などの軸受が取り付けられるが、その他の構成として、孔部139Xを設けずに、軸受1391と同様の形状からなる部材を側部フレーム139に溶接するなどして物理的に結合させてもよい。
<まとめ>
【0041】
以上のように、上記の実施の形態にかかる左右の前輪141L,141Rと、左右の前輪を支持する左右の前輪フレーム151L,151Rと、左右の後輪142L,142Rと、左右の後輪を支持する左右の後輪フレーム152L,152Rと、カゴ130と、側面視において逆L字状の右側ハンドルフレーム110Rと、側面視において逆L字状の左側ハンドルフレーム110Lとを備える、手押し車100が提供される。
【0042】
好ましくは、カゴ130の後端部が、右側ハンドルフレーム110Rと左側ハンドルフレーム110Lよりも前方に位置する。
【0043】
好ましくは、カゴ130は前後方向に折りたたみ可能である。折りたたみ時に左右の前輪フレーム151L,151Rが、平面視において右側ハンドルフレーム110Rと左側ハンドルフレーム110Lとに接近してくる。
【0044】
好ましくは、カゴ130はカゴ130の後端部を軸に回動して前後方向に折り畳み可能である。前輪フレーム151L,151Rとカゴ130の後端部とを連結する屈曲可能な連結リンク162L,162Rが屈曲することにより、左右の前輪フレーム151L,151Rがカゴ130の後端部に接近してくる。
【0045】
好ましくは、手押し車100は、左右の後輪フレーム152L,152Rを架橋する、前方に凸状に湾曲した架橋フレーム161を備える。カゴ130の後端部は、架橋フレーム161に連結されている。
【0046】
好ましくは、手押し車100は、カゴ130の蓋120と、蓋120の上面に配置され、カゴ130の右方まで回動可能な右支持部材121Rと、カゴ130の左方まで回動可能な左支持部材121Lと、をさらに備える。
【0047】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
100 :手押し車
110L :ハンドル(左側ハンドルフレーム)
110R :ハンドル(右側ハンドルフレーム)
111L :握り部
111R :握り部
112L :ブレーキレバー
112R :ブレーキレバー
120 :蓋
120X :凹部
120Y :凹部
121L :左支持部材
121R :右支持部材
130 :カゴ
131 :底部フレーム
132 :底面
134 :上側部フレーム
135 :前フレーム
135X :握り部
136 :後フレーム
139 :側部フレーム
139X :孔部
139Y :孔部
141L :前輪
141R :前輪
142L :後輪
142R :後輪
151L :前輪フレーム
151R :前輪フレーム
152L :後輪フレーム
152R :後輪フレーム
153L :縦フレーム
153R :縦フレーム
154L :連結部材
154R :連結部材
159 :下横フレーム
161 :架橋フレーム
162L :リンク部材
162R :リンク部材
163L :付勢部材
163R :付勢部材
164L :連結部材
164R :連結部材
200 :買い物カゴ
262 :支持部材
1211 :基部
1212 :係止部
1213 :把持部
1351 :前側プレート
1351A :側部フレーム
1351B :凹部
1351C :リブ
1351D :ボス
1352 :後側プレート
1352A :側部フレーム
1352B :凹部
1352C :凹部
1352D :ボス
1391 :軸受け
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