(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】防犯システム及びこの防犯システムを備えたマッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20221223BHJP
【FI】
A61H7/00 323S
(21)【出願番号】P 2018191621
(22)【出願日】2018-10-10
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-149096(JP,A)
【文献】特開2006-107265(JP,A)
【文献】特開2014-142742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0189496(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ機と、
通信ネットワークを介して前記マッサージ機と通信可能な外部端末と、を備えた防犯システムであって、
前記マッサージ機は、
使用者に対してマッサージを行うマッサージ部と、
前記マッサージ部を制御する制御部と、
人体や物体の動作を検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段の第1検出データを記憶する記憶部と、
通信部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1検出データに関する異常の有無を判定する異常判定部と、
前記異常判定部において異常があると判定された場合に、前記通信部により前記外部端末に異常を通知する異常通知部と、
前記第1検出手段が検出する範囲を撮像する第1撮像手段と、を有し、
前記第1撮像手段により撮像した第1撮像データは、前記記憶部に記憶され、
前記異常通知部は、前記異常判定部において異常があると判定された時の前記第1撮像データを通知
し、
前記記憶部には、使用者を特定するための使用者の身体の一部に関して一又は複数人データが予め登録されており、
使用者の身体の一部を検出する第3検出手段と、
前記一又は複数人データと前記第3検出手段で検出した第3検出データに基づいて使用者を特定する認識手段と、を有し、
前記マッサージ機は、
使用者に対して前記マッサージ部でマッサージを行うマッサージモードと、
前記異常通知部で前記外部端末に異常を通知する防犯モードと、を有し、
前記制御部は、前記認識手段により使用者を特定した場合には前記マッサージモードに変更し、使用者を特定できない場合には前記防犯モードに変更する制御を行うことを特徴とする防犯システム。
【請求項2】
前記第1検出手段は発光部と受光部を備えた赤外線センサを有し、
前記受光部は前記発光部から所定範囲に光を発光した際の反射する光を受光し、反射する光量の変化から人体や物体の動作を検出することを特徴とする請求項1に記載の防犯システム。
【請求項3】
前記第1検出手段はカメラを有し、
前記カメラにより過去に撮像した過去画像と現在に撮像した画像とを比較して、人体や物体の動作を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の防犯システム。
【請求項4】
音を出力する音出力部を有し、
前記制御部は、前記異常判定部において異常があると判定された場合に、前記音出力部で音を出力することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の防犯システム。
【請求項5】
前記マッサージ機と通信可能であり、前記マッサージ機が設置された空間と同じ空間又は異なる空間において、人体や物体の動作を検出する第2検出手段を有し、
前記異常判定部は、前記第1検出データ及び/又は第2検出手段の第2検出データに関する異常の有無を判定することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の防犯システム。
【請求項6】
前記第3検出手段は、前記マッサージ機と通信可能であり、前記マッサージ機が設置された空間の出入り口に設けられ、
前記制御部は、前記認識手段により前記空間にいる人数を判断し、前記空間に1人以上がいると判断した場合には前記マッサージモードに変更し、前記空間に1人もいないと判断した場合には前記防犯モードに変更する制御を行うことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の防犯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防犯システム及びこの防犯システムを備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介してと事業者40、通信サーバ41の他、予め登録された登録送信先へ、被施療者の身体情報を送信するようにできるマッサージ機が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたマッサージ機は、マッサージ機を使用する被施療者の身体情報を送信する機器であって、マッサージ機が設置されている空間(部屋の)の情報(例えば、無人の部屋で異常が発生した状況)を送信する機器でない。そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、マッサージ機が設置された空間の異常を外部端末に知らせることができる防犯システム及びこの防犯システムを備えたマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、マッサージ機と、通信ネットワークを介して前記マッサージ機と通信可能な外部端末と、を備えた防犯システムであって、前記マッサージ機は、使用者に対してマッサージを行うマッサージ部と、前記マッサージ部を制御する制御部と、人体や物体の動作を検出する第1検出手段と、前記第1検出手段の第1検出データを記憶する記憶部と、通信部と、を有し、前記制御部は、前記第1検出データに関する異常の有無を判定する異常判定部と、前記異常判定部において異常があると判定された場合に、前記通信部により前記外部端末に異常を通知する異常通知部と、を有することを特徴とする。
このような構成とすることにより、マッサージ機が設置された空間の異常を外部端末に知らせることができる。
【0006】
また、前記第1検出手段は発光部と受光部を備えた赤外線センサを有し、前記受光部は前記発光部から所定範囲に光を発光した際の反射する光を受光し、反射する光量の変化から人体や物体の動作を検出することが好ましい。
このような構成とすることにより、赤外線センサによりマッサージ機の設置された空間の異常を検出することができる。
【0007】
また、前記第1検出手段はカメラを有し、前記カメラにより過去に撮像した過去画像と現在に撮像した画像とを比較して、人体や物体の動作を検出することが好ましい。
このような構成とすることにより、カメラによりマッサージ機の設置された空間の異常を検出することができる。
【0008】
また、前記第1検出手段が検出する範囲を撮像する第1撮像手段と、前記第1撮像手段により撮像した第1撮像データを記憶する記憶部と、を有し、前記異常通知部は、前記異常判定部において異常があると判定された時の前記第1撮像データを通知することが好ましい。
このような構成とすることにより、異常通知の際に、撮像した写真や動画を使用者の外部端末に送信することができる。例えば、マッサージ機が設置された部屋の状況を写真や動画でより詳細に知ることができる。
【0009】
また、音を出力する音出力部を有し、前記制御部は、前記異常判定部において異常があると判定された場合に、前記音出力部で音を出力することが好ましい。
このような構成とすることにより、音で警告することができる。例えば、マッサージ機が設置された無人の部屋に侵入した窃盗犯に対して音で警告することができる。
【0010】
また、前記マッサージ機と通信可能であり、前記マッサージ機が設置された空間と同じ空間又は異なる空間において、人体や物体の動作を検出する第2検出手段を有し、前記異常判定部は、前記第1検出データ及び/又は第2検出手段の第2検出データに関する異常の有無を判定することが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージ機が設置された空間のより精度の高い異常を検出することができる。また、マッサージ機が設置されていない空間の異常も検出することもできる。
【0011】
また、前記記憶部には、使用者を特定するための使用者の身体の一部に関して一又は複数人データが予め登録されており、前記マッサージ機と通信可能であり、前記マッサージ機が設置された空間の出入り口に設けられた使用者の身体の一部を検出する第3検出手段と、前記一又は複数人データと前記第3検出手段で検出した第3検出データに基づいて使用者を特定する認識手段と、を有し、前記マッサージ機は、使用者に対して前記マッサージ部でマッサージを行うマッサージモードと、前記異常通知部で前記外部端末に異常を通知する防犯モードと、を有し、前記制御部は、前記認識手段により前記空間にいる人数を判断し、前記空間に1人以上がいると判断した場合には前記マッサージモードに変更し、前記空間に1人もいないと判断した場合には前記防犯モードに変更する制御を行うことが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージ機が設置された空間に人がいるかを判断して、自動的にマッサージモードと防犯モードとへ切替を行うことができる。
【0012】
また、防犯システムを備えたマッサージ機であることが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージ機が設置された空間の異常を外部端末に知らせることができるマッサージ機を実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マッサージ機が設置された空間の異常を外部端末に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。
【
図4】マッサージ機の構成を示すブロック図である。
【
図5】マッサージ機の姿勢を説明する側面図である。
【
図8】検出手段の設置を示す図であり、(a)はマッサージ機が設置された空間に第1検出手段と第2検出手段の設置を示す図であり、(b)はマッサージ機が設置された空間に第1検出手段を設置し、マッサージ機が設置されていない空間に第2検出手段の設置を示す図である。
【
図11】マッサージ機が設置された空間の出入り口に第3検出手段の設置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[システムの全体構成]
実施形態に係るマッサージ機1を備えたシステム100の全体構成について、
図1に基づいて説明する。システム100は、使用者の自宅等に設置されるマッサージ機1と、事業者に設置されたクラウド型のサーバ101と、使用者に所持される外部端末102と、を有する。マッサージ機1、サーバ101、外部端末102は、公衆回線網(以下、「通信ネットワーク」ともいう)103を介して通信可能に接続されている。また、マッサージ機1は、マッサージ機1が設置された空間SP1と同じ空間SP1又は異なる空間SP2において、人体や物体を検出する第2検出手段37やマッサージ機1が設置された空間SP1の出入り口に設けられた使用者の身体の一部を検出する第3検出手段38と無線や有線通信可能に接続されている。尚、第2検出手段37及び第3検出手段38は後述で説明する。
【0016】
本実施形態では、外部端末102として、スマートフォン102を例示して説明する。外部端末102は、スマートフォン102に限定されるものではなく、マッサージ機1と物理的に分離しており、使用者が携帯できるものであればよい。例えば、タブレット端末装置であってもよい。
【0017】
上記事業者としては、マッサージ機1を貸し出す又は販売する事業者、販売したマッサージ機1を管理する事業者、契約している警備会社、などが挙げられる。
【0018】
マッサージ機1のコントローラ10(
図2及び
図6参照)とサーバ101とは通信ネットワーク103によって互いに接続可能となっている。マッサージ機1は、Wi-Fi(登録商標)を経由して通信ネットワーク103に接続することができる。また、サーバ101とスマートフォン102とは通信ネットワーク103によって互いに接続可能となっている。通信ネットワーク103としては、例えば、インターネット網、地域内のネットワーク網などが挙げられる。
【0019】
[マッサージ機の構成]
以下、本実施形態に係るマッサージ機1について説明する。
図2は本実施形態に係るマッサージ機1の正面斜視図である。
図3は本実施形態に係るマッサージ機1の模式図である。
図4はマッサージ機1の機能ブロック図である。
図5はマッサージ機1の姿勢を説明する側面図である。
図6はマッサージユニット8の正面図である。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、
図2に示すマッサージ機1に着座した使用者から見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。また、身体の表裏の定義については、起立した使用者の胸側を「表面」、背中側を「背面」として説明する。
【0020】
[マッサージ機の全体構成]
図1~
図4に示すとおり、本発明実施形態に係るマッサージ機1は、主として、使用者が着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられた使用者が凭れる背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられた使用者の下肢を支持するフットレスト4と、背凭れ部3の上部前面に設けられた使用者の頭及び/又は首を支持する枕部5と、座部2の左右両側には肘掛け部6と、背凭れ部3の左右両側には側壁部7と、を有している。座部2、背凭れ部3、フットレスト4、枕部5、及び肘掛け部6は、使用者の身体を支持する身体支持部として機能する。身体支持部2~6の各所には、使用者の身体に対してマッサージを行う後述するエアセル20や後述するバイブレータ21によるマッサージ部15が設けられている。また、マッサージ機1は、背凭れ部3に揉みマッサージ及び/又は叩きマッサージを行うマッサージ部15としてのマッサージユニット8と、マッサージ機1の各動作を制御する制御部9と、後述する使用者に各種操作を行わせるコントローラ10と、を有している。
【0021】
図2,
図4及び
図5に示すとおり、背凭れ部3は、座部2の下方に設けられた第一アクチュエータ11(
図4参照)により、座部2に対して前後にリクライニング可能に構成されており、
図2に示す起立姿勢から背凭れ面が略水平となるリクライニング姿勢(
図5参照)まで変更可能となっている。なお、肘掛け部6は背凭れ部3のリクライニングに連動して後方へ移動し、背凭れ部3の起立に連動して前方へ移動するよう構成されている。フットレスト4は、座部2の下方に設けられた第二アクチュエータ12(
図4参照)により、座部2に対して上下に揺動可能に構成されており、
図2に示す垂下姿勢から膝を伸ばした状態で下腿及び足部が支持される上昇姿勢(
図5参照)まで変更可能となっている。
【0022】
図3,
図4に示すとおり、座部2の下方には、エアセル20よりなる各マッサージ部a1~a8に対してエアを給排気するポンプ13a及びバルブ13bを有する給排気装置13と、前述した制御部9と、が設けられている。各マッサージ部a1~a8と同じ場所にモータにより駆動されるバイブレータ21を設けてもよい。エアセル20は、エアを給排気することで使用者を押圧することができる。バイブレータ21は、偏心分銅が回転することで使用者に振動を与えることができる。制御部9は、プログラマブルなマイコン等を有しており、各アクチュエータ11,12、マッサージ部15、及び給排気装置13を駆動制御する。制御部9には、後述するコントローラ10や後述する人体や物体の動作を検出する第1検出手段35の第1検出データ35aを記憶する記憶部50が電気的に接続されている。
マッサージ機1は、記憶部50に記憶された所定のプログラム(マッサージコース)に従ってマッサージ部15を動作させる他、後述する使用者によるコントローラ10からの指示に従って動作する。
【0023】
[座部の構成]
図2~4に示すとおり、座部2の左右両側には、使用者の臀部及び/又は大腿部の外側面に対向して設けられた壁部22が設けられている。この壁部22は、座部の側方において上方へ立設されている。そして、壁部22の内側面には、臀部及び/又は大腿部の外側面をマッサージする臀部マッサージ部a4が設けられている。座部2の左右両側の肘掛け部6の内側壁を壁部22として利用してもよく、臀部マッサージ部a4を肘掛け部の内側壁に設ければよい。また、座部2には、使用者の臀部及び/又は大腿部を下方(背面)からマッサージする臀部マッサージ部a5が設けられていてもよい。臀部マッサージ部a4,a5は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、臀部マッサージ部a4は左右で対をなしてマッサージ部群A4を構成し、臀部マッサージ部a5は左右で対をなしてマッサージ部群A5を構成している。
【0024】
[背凭れ部の構成]
図2~
図4に示すとおり、背凭れ部3は、硬質の背フレーム3aと、背フレーム3aに組み付けられたマッサージ部15であるマッサージユニット8の昇降をガイドするガイドレール18と、背フレーム3aを被覆するカバー部材3cと、により構成されている。背フレーム3aは、金属部材及び/又は樹脂部材により構成されている。また、背フレーム3aは、左右中央に形成された前後方向に開口する開口部3bを有し、正面視で略門型をなしている。また、カバー部材3cは、開口部3bを前方から覆っている。マッサージユニット8の施療子62(
図6参照)が開口部3bより前方へ突出しており、カバー部材3cを介して使用者の胴体を後方からマッサージできるようになっている。
【0025】
[マッサージユニットの構成]
以下、マッサージユニット8の構成について説明する。
図2~
図4,
図6に示すとおり、背凭れ部3には、使用者の上半身を後方(背面)からマッサージするマッサージユニット8が設けられている。このマッサージユニット8は、身長方向に沿って複数(本実施形態では1つ)設けられていてもよい。このマッサージユニット8は、左右で対をなすアーム61と、アーム61の上下両端部に設けられた施療子62と、により構成されており、マッサージモータM1,M2の駆動により左右の施療子62が近接離反する揉みマッサージ、及び左右の施療子62が交互に使用者側へ進退する叩きマッサージを行わせることができる。また、マッサージユニット8は、昇降モータM3の駆動により身長方向に沿って上方又は下方へ移動して、身体に対する位置を変更したり、ローリングマッサージを行わせたりすることができる。背フレーム3aには、身長方向に延設された左右で対をなすガイドレール18が設けられており、マッサージユニット8はガイドレール18に沿って移動する。マッサージユニット8が身長方向に移動可能であるため、使用者の首から腰の間を施療子62でマッサージすることができる。
【0026】
図6に示すとおり、マッサージユニット8は、ベースフレーム60aと、ベースフレーム60aに支持された可動フレーム60bと、を有している。ベースフレーム60aは、その左右両側においてガイドレール18に嵌合するガイドローラ63を有している。そして、ラックピニオン等よりなる昇降機構(図示せず)によって、身長方向に沿って移動することができる。可動フレーム60bは、左右方向の揺動軸64を介してベースフレーム60aに支持されている。ベースフレーム60aと可動フレーム60bの間には、エアセル20aよりなる進退手段65が設けられている。進退手段65であるエアセル20aを膨張収縮させて、可動フレーム60bは揺動軸64を中心として前後方向に進退することができ、使用者の特定部位を進退させることができる。なお、可動フレーム60bを進退させる構造でなくてもよく、アーム61に進退手段65を設けてアーム61のみを進退させる構造であってもよい。
【0027】
アーム61は、左右方向に延設された揉み軸66及び叩き軸67に連結されている。揉み軸66の左右両側には、傾斜軸部66bを有する傾斜カム66aが設けられており、この傾斜カム66aにアーム61が取り付けられている。左右の傾斜軸部66bは、正面視で略ハの字型となるように揉み軸66の軸心に対して傾斜している。叩き軸67の左右両側には、叩き軸67の軸心に対して偏心した偏心軸部67bを有する偏心カム67aが設けられており、この偏心カム67aにアーム61がコンロッド68を介して取り付けられている。左右の偏心軸部67bは、叩き軸67の軸心に対する位相が互いに異なっており、具体的には180度だけ異なっている。揉み軸66及び叩き軸67は、それぞれマッサージモータM1,M2の駆動により回転する。施療子62は、揉み軸66の回転により揉みマッサージを行い、叩き軸67の回転により叩きマッサージを行う。なお、施療子62が設けられたアーム61、揉み軸66、及び叩き軸67は、可動フレーム60bに支持されている。従って、施療子62は、可動フレーム60bの移動を介して使用者に対して進退可能である。
【0028】
アーム61は、前後方向に揺動自在であり、上側の施療子62が前方へ突出するようにバネ等よりなる付勢手段(図示せず)により付勢されている。また、マッサージユニット8は、使用者の身体の特定部位を検出する検出手段であるセンサ69を有している。このセンサ69は、アーム61が所定の揺動位置となったことを検出することで身体情報を得ることができる。具体的に説明すると、マッサージユニット8を身長方向に沿って上昇させる過程で、上側の施療子62が肩の上方に到達すると、施療子62に作用する負荷が解除されて、アーム61が前方へ揺動して所定の揺動位置となる。アーム61が所定の揺動位置となったことをセンサ69が検出し、その際のマッサージユニット8の上下位置に基づいて肩の位置を検出する。肩の位置を基準として、その他の部位(首、背中、腰等)の位置を計算により求める。検出された身体情報は記憶部50に記憶される。このようにすることで、使用者の特定部位(首、肩、背中、腰等)に対してマッサージを行うことができる。
【0029】
[側壁部の構成]
図2~
図4に示すとおり、背フレーム3a(背凭れ部3)の左右両側には、使用者の肩又は上腕の外側面に対向して設けられた側壁部7が設けられている。この側壁部7は、背凭れ部3の側方において前方へ立設されている。そして、側壁部7の内側面には、肩又は上腕の外側面をマッサージする肩側マッサージ部a2が設けられている。肩側マッサージ部a2は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、肩側マッサージ部a2は左右で対をなしてマッサージ部群A2を構成している。
【0030】
[枕部の構成]
図2~
図4に示すとおり、背凭れ部3の上部前面には、使用者の頭及び/又は首を支持する枕部5が設けられている。枕部5の前面には、頭及び/又は首の後面に対向して設けられた左右で対をなす頭部マッサージ部a1が設けられている。頭部マッサージ部a1は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、頭部マッサージ部a1は、左右で対をなしてマッサージ部群A1を構成している。この頭部マッサージ部a1は、頭及び/又は首の外側面に対向して設けてもよい。この場合は、前方へ立設された壁部(図示せず)の内側面に設けるとよい。また、頭部マッサージ部a1は、枕部5に設けるのではなく、背凭れ部3の上部前面に直接設けてもよい。
【0031】
[肘掛け部の構成]
図2~
図4に示すとおり、座部2の左右両側には、使用者の手先と前腕を支持する肘掛け部6が設けられている。肘掛け部6の手先と前腕の上下方向には、腕マッサージ部a3が設けられている。腕マッサージ部a3は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。このように、腕マッサージ部a3は、左右で対をなしてマッサージ部群A3を構成している。
【0032】
[フットレストの構成]
図2~
図4に示すとおり、フットレスト4は、使用者の下腿を支持する左右一対の脚支持部40と、使用者の足部を支持する左右一対の足支持部41と、を有している。脚支持部40は、使用者の下腿の背面に対向して設けられた底壁40aと、底壁40aの左右両端から前方に向かって立設された側壁40bと、底壁40aの左右中央から前方に向かって立設された中央壁40cと、を有している。
【0033】
側壁40bの内側面には、下腿の外側面をマッサージする脚マッサージ部a6が設けられている。中央壁40cの両外側面には、下腿の内側面をマッサージする脚マッサージ部a6が設けられている。また、底壁40aには、使用者の下腿の背面からマッサージする脚マッサージ部a7が設けられている。脚マッサージ部a6,a7は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。脚マッサージ部a6は、下腿の内側面に対向する脚マッサージ部a6と、下腿の外側面に対向する脚マッサージ部a6、により左右で対をなしてマッサージ部群A6を構成している。脚マッサージ部a7は、中央壁40cを挟んで左側の下腿の背面に対向する脚マッサージ部a7と、中央壁40cを挟んで右側の下腿の背面に対向する脚マッサージ部a7と、により左右で対をなしてマッサージ部群A7を構成している。
【0034】
足支持部41は、使用者の足裏を置く底壁41aと、底壁41aの左右両端から上方に向かって立設された側壁41bと、底壁41aの左右中央から上方に向かって立設された中央壁41cと、底壁41aの後部から上方へ立設された足部の背面(踵付近)に対向する後壁41dと、を有している。各壁41a~41dより上方及び前方が開口した凹部42が形成されており、凹部42に足部を収容できるようになっている。
【0035】
各壁41a~41cには、使用者の足をマッサージする足マッサージ部a8が設けられ、左右で対をなしてマッサージ群A8を構成している。足マッサージ部a8は、エアの給排気により膨張収縮するエアセル20により構成されている。
【0036】
[コントローラの構成]
図1~
図2、
図4、
図7に示すとおり、肘掛け部6の上部にはコントローラ10が備えられており、使用者が着座した状態で操作することができる。このコントローラ10は、使用者が目視で確認できる画面10aと、使用者が画面10a上を指先操作するタッチパネル10bと、画面10aの表示内容や音を出力する音出力部33であるスピーカー33aと、を有している。なお、スピーカー33aはコントローラ10が有していると説明したが、これに限定されなく、前述した背凭れ部3の上部(使用者が着座した時の耳周辺)や前述した枕部5に設けてもよい。また、コントローラ10を操作することにより、リクライニングさせて背凭れ部3の姿勢を変更することができ、上下に揺動させてフットレスト4の姿勢を変更することができる。また、動作させるマッサージユニット8,各マッサージ部a1~a8を選択したり、マッサージユニット8,各マッサージ部a1~a8の動作(手技又は強さ等)を変更したりすることもできる。タッチパネル10bによる操作の代わりに、コントローラ10内に配置した物理ボタン31のみやコントローラ10内に設置されたマイク(図示せず)を使った音声認識部32による操作のみであってもよい。このようにすることで、使用者は容易に選択することができる。なお、音声認識部32であるマイク(図示せず)をコントローラ10内ではなく、背凭れ部3の上部や枕部5に設置してもよい。このようにすることで、使用者はわざわざ姿勢を変えなくても背凭れ部3に凭れたまま、音声認識部32で選択を行うことができる。
【0037】
コントローラ10には、マッサージ機1の反対方向を向き、人体や物体の動作を検出する第1検出手段35と、第1検出手段35が検出する範囲を撮像する第1撮像手段36と、後述するマッサージ機1が設置された空間SP1と同じ空間SP1又は異なる空間SP2において、人体や物体の動作を検出する第2検出手段37や後述するマッサージ機1が設置された空間SP1の出入り口に設けられ使用者の身体の一部を検出する第3検出手段38と通信する通信部34と、を有している。この通信部34は、所定の周波数帯の電波を受信するレシーバ(アンテナ)を有しており、コントローラ10に内蔵されている。コントローラ10が有する通信部34の通信可能範囲内に第2検出手段37や第3検出手段38があれば、マッサージ機1と第2検出手段37や第3検出手段38とが通信可能となる。また、通信部34は通信ネットワーク102を介して使用者のスマートフォン102と通信することで、マッサージ機1と外部端末102とが通信可能となる。
【0038】
[第1検出手段の構成]
人体や物体の動作を検出する第1検出手段35及び第1検出手段35が検出する範囲を撮像する第1撮像手段36は、コントローラ10の画面10aの反対側つまり、裏側であって、マッサージ機1の反対向きに設けられていることが好ましい。本実施形態では、第1検出手段35及び第1撮像手段36は、コントローラ10の裏面及び上方の位置に設けられている。このようにすることで、マッサージ機1は通常部屋の中央ではなく部屋の隅の方に設置されているので、部屋の隅から部屋の中央に向くように人体や物体の動作を検出や撮像することができ、広範囲の検出や撮像することができる。また、コントローラ10自体の向きを変更できるような構造にしておけば、検出範囲や撮像範囲を調整することもできる。
【0039】
第1検出手段35は、赤外線の発光部35dと受光部35eを備えた赤外線センサ35bであることが好ましい。受光部35eは発光部35dから所定範囲に赤外線を発光した際の反射する光を受光する。反射する光量は所定範囲において人体や物体の動作が無い場合は所定値となるが、人体や物体の動作があり、その所定範囲に人体や物体が入った場合には反射する光量が変化する。その反射する光量の変化から人体や物体の動作を検出することができる。このようにして、第1検出手段35は、人体や物体の動作を検出することができる。すなわち、第1検出手段35の第1検出データ35aの値を見ることで、人体や物体の動作を検出することができる。
【0040】
第1検出手段35は、上述した赤外線センサ35b以外にカメラ35cであってもよい。カメラ35cは、CCDやCMOS等の撮像素子を用いたカメラであることが好ましい。カメラ35cにより過去に撮像した過去画像と現在に撮像した現在画像とを比較して、人体や物体の動作を検出することができる。例えば、部屋に固定された物体(家具)等を撮像した画像(過去画像)とその固定された物体の前方や周辺を人体や物体が入り込んだ画像(現在画像)とでは画像の一部が異なっている。その異なった箇所の色データ(RGB)の値を見比べることで人体や物体の動作を検出することができる。
【0041】
[第1撮像手段の構成]
第1撮像手段36は、第1検出手段35で上述したカメラ35cであることが好ましい。また、第1撮像手段36で撮像した第1撮像データ36aは記憶部50に記憶される。また、後述する異常判定部9aにおいて異常があると判定された時に、第1撮像データ36aを後述する異常通知部9bにより外部端末102に通知することができる。このようにすることで、異常通知の際に撮像した第1撮像データ36aを使用者の外部端末102に送信することができる。例えば、マッサージ機1が設置された部屋の異常時の状況を写真や動画でより詳細に知ることができる。
【0042】
図4に示すとおり、制御部9は、第1検出手段35の第1検出データ35aに関する異常の有無を判定する異常判定部9aと、異常判定部9aにおいて異常があると判定された場合に、通信部34により外部端末102に異常を通知する異常通知部9bと、を有している。異常判定部9aは、第1検出手段35である赤外線センサ35bやカメラ35cによって検出した第1検出データ35aに関する異常の有無を判定する。赤外線センサ35bの場合であれば、反射する光量の変化から人体や物体の動作を検出した場合、異常があると判定し、人体や物体の動作を検出しなかった場合、異常が無いと判定する。カメラ35cの場合であれば、過去画像と現在画像とを比較し、人体や物体の動作を検出した場合、異常があると判定し、人体や物体の動作を検出しなかった場合、異常が無いと判定する。
【0043】
異常通知部9bは、異常判定部9aにおいて異常があると判定された場合に、通信部34から使用者の外部端末102に異常を通知する。通知方法としては、メール機能で「部屋で異常を検知しました」等のテキストを送信してもよいし、第1撮像手段36であるカメラ35cで撮像した第1撮像データ36aの画像や動画を送信してもよい。このようにすることで、外出している使用者の外部端末102に異常を通知することができ、使用者は異常を知り、すぐに対応することができる。また、異常通知部9bは異常判定部9aにおいて異常があると判定された場合に、使用者の外部端末102に異常を通知すると共にサーバ101にも異常を通知してもよい。前述したとおり、サーバ101に異常を通知することで事業者も異常を知ることができるので、警備会社に異常を通知することができる。警備会社はこの異常を知ることで、現場に向かうことができる。
【0044】
異常判定部9aにおいて異常があると判定された場合に、制御部9がコントローラ10の音出力部33であるスピーカー33aから警告音や音声で出力してもよい。このようにすることで、音で警告することができる。例えば、マッサージ機1が設置された無人の部屋に侵入した窃盗犯に対して音で警告することができる。
【0045】
[第2検出手段の構成]
図8は、第2検出手段37の設置を示す図であり、(a)はマッサージ機1が設置された空間SP1に第1検出手段35と第2検出手段37の設置を示す図であり、(b)はマッサージ機1が設置された空間SP1に第1検出手段35を設置し、マッサージ機1が設置されていない空間SP2に第2検出手段37の設置を示す図である。
【0046】
図1、
図8に示すとおり、マッサージ機1と通信可能であり、マッサージ機1が設置された空間SP1(部屋)と同じ空間SP1(
図8(a))又はマッサージ機1が設置された空間SP1(部屋)と異なる空間SP2(
図8(b))において、人体や物体の動作を検出する第2検出手段37が設けられている。第2検出手段37は、前述した第1検出手段35である赤外線センサ35b又は/及びカメラ35cであることが好ましい。第2検出手段37で検出した第2検出データ37aを記憶部50に記憶し、異常判定部9aで第1検出データ35aと同様に異常の有無を判定する。
図8(a)のマッサージ機1が設置された空間SP1と同じ空間SP1に第2検出手段37が設けられた場合は、第2検出手段37によって第1検出手段35で検出できない範囲をカバーした広範囲の異常を検出することができる。また、第1検出手段35と第2検出手段37の検出による総合的は異常の判定ができ、かつ精度の高い検出を行うことができる。
図8(b)のマッサージ機1が設置された空間SP1と異なる空間SP2に第2検出手段37が設けられた場合は、第2検出手段37によってマッサージ機1が設置されていない空間SP2の異常を検出することができる。また、第1検出手段35と第2検出手段37の検出による総合的な異常の判定ができ、かつ精度の高い検出を行うことができる。
【0047】
[モードの構成]
図4に示すとおり、本実施形態では、マッサージ機1の制御部9は、マッサージモード9c、防犯モード9dの2種類のモードを有しており、各モードによってマッサージ機1の制御方法が異なる。マッサージモード9cは、使用者に対してマッサージ部15でマッサージを行うモードであり、マッサージ機1を使用者が着座して通常に使用することができる。なお、マッサージモード中は、異常判定部9aにおいて異常の有無を判定しない。
【0048】
防犯モード9dは、異常判定部9aにおいて異常があると判定された場合に、異常通知部9bで使用者の外部端末102に異常を通知するモードである。
【0049】
[異常判定のフロー]
以下、第1の異常判定のフローについて、
図9に基づいて説明する。第1の異常判定は、第1検出手段35によるマッサージ機1が設置された空間SP1における異常判定のフローである。
【0050】
マッサージ機1が防犯モード9dである場合(ステップS0)を例示して説明する。まず、マッサージ機1が設置された空間SP1において、第1検出手段35によって所定範囲における人体や物体の動作があるか否かを検出する(ステップS1)。所定範囲において人体や物体の動作が無いと判断されると、ステップS0に戻り、所定範囲において人体や物体の動作があると判断されると、異常判定へ移行する(ステップS2)。異常判定部9aにおいて、第1検出手段35の第1検出データ35aに関する異常の有無を判定する(ステップS3)。具体的には、赤外線センサ35bにおいて通常の人体や物体の動作が無い場合は、所定範囲における反射する光量は所定値が検出されるが、人体や物体の動作がある場合、所定範囲における反射する光量は所定値とは異なる値が検出される。所定値と異なる値とを照合して、異常があると判定する。また、第1検出手段35がカメラ35cの場合は、過去画像と現在画像とを比較し、人体や物体の動作を検出した場合、異常があると判定し、人体や物体の動作を検出しなかった場合、異常が無いと判定する。ステップS3において、異常が無いと判定されると、ステップS0に戻り、異常があると判定されると、異常通知へ移行する(ステップS4)。異常通知部9bにおいて、通信部34により使用者の外部端末102に異常を通知する。具体的には、メール機能で「部屋で異常を検知しました」等のテキストを使用者のスマートフォン102にメール送信する。また、第1撮像手段36により撮像した画像や動画を使用者のスマートフォン102にメール送信してもよい。
【0051】
以下、第2の異常判定のフローについて、
図10に基づいて説明する。第2の異常判定は、第1検出手段35と第2検出手段37によるマッサージ機1が設置された空間SP1(
図8(a)参照)における異常判定のフローである。本実施形態では第1検出手段35は赤外線センサ35b、第2検出手段37はカメラ35cで説明する。
【0052】
マッサージ機1が防犯モード9dである場合(ステップS0)を例示して説明する。まず、マッサージ機1が設置された空間SP1において、第1検出手段35によって所定範囲における人体や物体の動作があるか否かを検出する(ステップS1)。ステップS1において、所定範囲において人体や物体の動作が無いと判断されると、第2検出手段37によって所定範囲における人体や物体の動作があるか否かを検出するステップ(ステップS3)へ移行し、所定範囲において人体や物体の動作があると判断されると、第2検出手段37によって所定範囲における人体や物体の動作があるか否かを検出するステップ(ステップS2)へ移行する。ステップS2において、所定範囲において人体や物体の動作が無いと判断されると、第1検出有かつ第2検出無の状態で異常判定(ステップS5)に移行し、所定範囲において人体や物体の動作があると判断されると、第1検出有かつ第2検出有の状態で異常判定(ステップS4)へ移行する。ステップS3において、所定範囲において人体や物体の動作が無いと判断されると、第1検出無かつ第2検出無の状態であるため、ステップS0に戻り、所定範囲において人体や物体の動作があると判断されると、第1検出無かつ第2検出有の状態で異常判定(ステップS6)へ移行する。
【0053】
ステップS4~S6において、各ステップは第1検出手段35の第1検出データ35a及び第2検出手段37の第2検出データ37aに関する異常の有無を判定するステップ(ステップS7~S9)に移行する。異常の有無の判定は、上述した赤外線センサ35bやカメラ35cの検出データから判定される。ステップS7において、異常が無いと判定されると、ステップS0に戻り、異常があると判定されると、異常通知へ移行する(ステップS10)。ステップS8において、異常が無いと判定されると、ステップS0に戻り、異常があると判定されると、異常通知へ移行する(ステップS11)。ステップS9において、異常が無いと判定されると、ステップS0に戻り、異常があると判定されると、異常通知へ移行する(ステップS12)。
【0054】
ステップS10においては、赤外線センサ35bの第1検出データ35aとカメラ35cの第2検出データ37aでマッサージ機1が設置された空間SP1の人体や物体の動作が検出されているので、2種類の検出データに基づいて異常通知部9bが通信部34により外部端末102に通知ができる。例えば、赤外線センサ35bの第1検出データ35aの範囲で動作した物が、カメラ35cの第2検出データ37aによって人体であるのか物体であるのかを画像や動画とテキストとを合わせた総合的な異常や詳細な異常を使用者のスマートフォン102に通知し、知らせることができる。また、ステップS11においては、赤外線センサ35bの第1検出データ35aでマッサージ機1が設置された空間SP1の人体や物体の動作が検出されているので、マッサージ機1が設置された空間SP1の異常をテキストで使用者のスマートフォン102に通知し、知らせることができる。また、ステップS12においては、カメラ35cの第2検出データ37aでマッサージ機1が設置された空間SP1の人体や物体の動作が検出されているので、マッサージ機1が設置された空間SP1の異常を画像や動画で使用者のスマートフォン102に通知し、知らせることができる。具体的には、メール機能で「部屋で異常を検知しました」等のテキストを使用者のスマートフォン102にメール送信する。また、第1撮像手段36により撮像した画像や動画を使用者のスマートフォン102にメール送信してもよい。
【0055】
[第3検出手段の構成]
図11は、マッサージ機1が設置された空間SP1の出入り口に第3検出手段38を示す図である。
図11に示すとおり、マッサージ機1と通信可能であり、マッサージ機1が設置された空間SP1の出入り口において、使用者の身体の一部を検出する第3検出手段38が設けられている。本実施形態では、第3検出手段38は、カメラ38bであることが好ましい。例えば、空間SP1の出入り口(例えば、ドア等)の前に設置されており、ドアの出入り口を通る人物の身体の一部(例えば、顔等)を撮像する。後述する認識手段39によって、記憶部50に予め登録された使用者の身体の一部と撮像された第3検出データ38aとに基づいて使用者を特定することができる。また、本実施形態ではカメラ38bについて説明したが、これに限定されず、使用者の身体の一部を検出できる手段であれば、他の検出手段でもよい。また、本実施形態では、身体の一部を使用者の顔について説明しているが、これに限定されず、声紋・指紋・静脈・虹彩・網膜・掌等の生体認証できるものであればよい。
【0056】
[モード切替のフロー]
図12は第1のモードの切替を説明するフロー図である。
図13は第2のモードの切替を説明するフロー図である。モード切替は、マッサージ機1が設置された空間SP1の出入り口に設けられた第3検出手段38に基づいてマッサージ機1が設置された空間SP1にいる人数を判断してマッサージモード9cか防犯モード9dかに自動的にモード切替を行う。
【0057】
以下、第1のモード切替について、
図12に基づいて説明する。
図12はマッサージモード9cから防犯モード9dに自動的に行うモード切替を説明するフロー図である。
記憶部50に使用者を特定するための使用者の身体の一部(顔)に関して予め登録された複数人(2人)がマッサージ機1が設置された空間SP1に在室し、マッサージ機1がマッサージモード9cである場合(ステップS0)を例示して説明する。マッサージ機1が設置された空間SP1に在室していた2人がマッサージ機1が設置された空間SP1から外に出る際に、マッサージ機1が設置された空間SP1の出入り口に設けられた第3検出手段38で使用者の身体の一部を検出する(ステップS1)。使用者の身体の一部を検出できない場合、ステップS0に戻り、使用者の身体の一部を検出できた場合は、記憶部50に予め登録された使用者の身体の一部と第3検出手段38で検出した第3検出データ38aに基づいて使用者を特定する認識手段39(
図4参照)へ移行する(ステップS2)。具体的には、使用者の身体の一部は顔であり、第3検出手段38はカメラ38bである。カメラ38bで検出した使用者の第3検出データ38aである顔データと記憶部50に予め登録された顔データとに基づいて使用者を特定する。認識手段39によって特定する人数は使用者が設定することができる。これにより、1人から複数人までを特定することができる。ステップS2に続いて、認識手段39によりマッサージ機1が設置された空間SP1に在室している人がマッサージ機1が設置された空間SP1から外へ出たかどうかを特定する(ステップS3)。ステップS3において、登録された人数(2人)がマッサージ機1が設置された空間SP1から外に出たと特定が完了した場合は、防犯モード9dに移行(ステップS4)し、特定が完了していない場合は、ステップS0に戻る。ステップS4において、制御部9は、マッサージモード9cから防犯モード9dにモード切替を行う制御をする。このようにすることで、使用者が手動によるマッサージモード9cから防犯モード9dへのモード切替を行わずに、自動的にモード切替を行うことができる。
【0058】
以下、第2のモード切替について、
図13に基づいて説明する。
図13は防犯モード9dからマッサージモード9cに自動的に行うモード切替を説明するフロー図である。
【0059】
記憶部50に使用者を特定するための使用者の身体の一部(顔)に関して予め登録された複数人(2人)がマッサージ機1が設置された空間SP1から外に出ており、マッサージ機1が防犯モード9dである場合(ステップS0)を例示して説明する。マッサージ機1が設置された空間SP1から外に出ている2人の内1人がマッサージ機1が設置された空間SP1から入る際に、マッサージ機1が設置された空間SP1の出入り口に設けられた第3検出手段38で使用者の身体の一部を検出する(ステップS1)。使用者の身体の一部を検出できない場合、ステップS0に戻り、使用者の身体の一部を検出できた場合は、記憶部50に予め登録された使用者の身体の一部と第3検出手段38で検出した第3検出データ38aに基づいて使用者を特定する認識手段39へ移行する(ステップS2)。具体的には、使用者の身体の一部は顔であり、第3検出手段38はカメラ38bである。カメラ38bで検出した使用者の第3検出データ38aである顔データと記憶部50に予め登録された顔データとに基づいて使用者を特定する。ステップS2に続いて、認識手段39によりマッサージ機1が設置された空間SP1の外にいる人がマッサージ機1が設置された空間SP1に入ったかどうかを特定する(ステップS3)。ステップS3において、登録された人数の内1人がマッサージ機1が設置された空間SP1の外から空間SP1内に入ったことの特定が完了した場合は、マッサージモード9cに移行(ステップS4)し、空間SP1内に入ったことの特定が完了していない場合は、ステップS0に戻る。ステップS4において、制御部9は、防犯モード9dからマッサージモード9cにモード切替を行う制御をする。このようにすることで、使用者が手動による防犯モード9dからマッサージモード9cへのモード切替を行わずに、自動的にモード切替を行うことができる。
【0060】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、マッサージ機が設置された空間の異常を外部端末に知らせることができる防犯システム及びこの防犯システムを備えたマッサージ機に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
7 側壁部
8 マッサージユニット(マッサージ部)
9 制御部
9a 異常判定部
9b 異常通知部
15 マッサージ部
20 エアセル(マッサージ部)
21 バイブレータ(マッサージ部)
34 通信部
35 第1検出手段
50 記憶部
101 サーバ
102 スマートフォン(外部端末)
103 通信ネットワーク