(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】ドアストッパ位置決め方法及びドアストッパ位置決め治具
(51)【国際特許分類】
E05C 17/56 20060101AFI20221223BHJP
E04G 21/18 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
E05C17/56
E04G21/18 A
(21)【出願番号】P 2020035497
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2022-10-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592166126
【氏名又は名称】株式会社中尾製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】嶋谷 泰毅
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特許第6112705(JP,B2)
【文献】特開2013-224527(JP,A)
【文献】特開2019-22394(JP,A)
【文献】特開2000-248808(JP,A)
【文献】特開2003-20848(JP,A)
【文献】特開2013-159966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00-21/02
E04G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開き戸の扉(1)の背面(1b)に固定される扉側部材(10)と床(F)に固定される床側部材(20)とからなるドアストッパの前記床側部材(20)の前記床(F)への固定場所及び前記扉側部材(10)の前記扉(1)への固定場所を位置決めするドアストッパの位置決め方法において、
第1屈曲部(32)を介して横方向張出部(33)と扉貼付部(34)とを有する第1片(30)と、第2屈曲部(42)を介して床面載置部(43)と起伏部(44)とを有する第2片(40)と、を用い、
前記扉貼付部(34)を前記扉(1)の背面(1b)に貼り付けて前記横方向張出部(33)を前記扉(1)と前記床(F)の隙間から前記扉(1)の前面(1a)側へ張り出させる工程と、
前記床面載置部(43)を前記横方向張出部(33)と前記床(F)との間に差し入れて前記床面載置部(43)から起立している前記起伏部(44)を前記横方向張出部(33)の先端に当接させる工程と、
前記床面載置部(43)から起立している前記起伏部(44)を第2屈曲部(42)を介して回動させて前記床(F)に貼り付ける工程と、
前記扉貼付部(34)に設けられた扉目印部(35)に対応する位置を前記背面(1b)に、前記床面載置部(43)に設けられた床目印部(45)に対応する位置を前記床(F)に印付けする工程と、
を備えるドアストッパの位置決め方法。
【請求項2】
前記扉目印部(35)は前記扉貼付部(34)を表裏に貫通する孔であり、前記床目印部(45)は前記床面載置部(43)を表裏に貫通する孔である請求項1に記載のドアストッパの位置決め方法。
【請求項3】
開き戸の扉(1)の背面(1b)に固定される扉側部材(10)と床(F)に固定される床側部材(20)とからなるドアストッパの前記床側部材(20)の前記床(F)への固定場所及び前記扉側部材(10)の前記扉(1)への固定場所を位置決めするドアストッパ位置決め治具において、
第1屈曲部(32)を介して横方向張出部(33)と扉貼付部(34)とを有する第1片(30)と、第2屈曲部(42)を介して床面載置部(43)と起伏部(44)とを有する第2片(40)とからなり、
前記扉貼付部(34)を前記扉(1)の背面(1b)に貼り付けて前記横方向張出部(33)を前記扉(1)と前記床(F)の隙間から前記扉(1)の前面(1a)側へ張り出させ、
前記床面載置部(43)を前記横方向張出部(33)と前記床(F)との間に差し入れて前記床面載置部(43)から起立している前記起伏部(44)を前記横方向張出部(33)の先端に当接させ、
前記床面載置部(43)から起立している前記起伏部(44)を第2屈曲部(42)を介して回動させて前記床(F)に貼り付け、
前記扉貼付部(34)に設けられた扉目印部(35)に対応する位置を前記背面(1b)に、前記床面載置部(43)に設けられた床目印部(45)に対応する位置を前記床(F)に印付けするドアストッパ位置決め治具。
【請求項4】
前記扉目印部(35)は前記扉貼付部(34)を表裏に貫通する孔であり、前記床目印部(45)は前記床面載置部(43)を表裏に貫通する孔である請求項3に記載のドアストッパ位置決め治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通路や収納空間を開閉する扉を、所定の開度位置でそれ以上の開放を規制するドアストッパに関し、そのドアストッパの扉側に固定する部材、床側に固定する部材のそれぞれを適切な位置に固定するドアストッパ位置決め方法、及び、その方法に使用するドアストッパ位置決め治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通路や収納空間を開閉する扉を、所定の開度位置でそれ以上の開放を規制するドアストッパとして、例えば、特許文献1~3に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載のドアストッパは、床面に固定された戸当たり部に、扉に固定された被保持部が当接することで、扉がそれ以上開放されないようにその開度を規制するものである。また、床面側の戸当たり部と扉側の被保持部とを磁力で吸着させることにより、あるいは、床面側の戸当たり部に設けた保持部(掛け金)で扉側の被保持部を係止することにより、扉を開放状態にロックしている。
【0004】
また、特許文献2,3に記載のドアストッパは、床側に設けられたストッパ本体と、扉側に設けられた爪部とを備え、扉が所定開度の位置に達したとき、扉側に設けられた磁石の磁力で床側のストッパ本体を引き上げて、爪部とストッパ本体とを係合させることにより、扉が開放側及び閉鎖側へ移動しないようにロックしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-248808号公報
【文献】特開2003-20848号公報
【文献】特開2013-159966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記各種のドアストッパでは、扉側に固定される扉側部材と床側に固定される床側部材とが互いに吸着又は係合等することにより、協働して扉の開閉方向への動きをロックしている。この機能を発揮するために、扉側部材と床側部材とは、扉が開放されて所定開度に至った状態(以下、ロック開度と称する)で、互いに対向するように、あるいは、互いに当接するようにそれぞれ扉及び床に固定しなければならない。しかし、扉がロック開度にある状態では、扉側部材と床側部材の互いの相対的な位置関係を把握しにくい場合がある。
【0007】
例えば、本発明の実施形態の説明図である
図1に示すように、床側部材20の設置位置が、壁Wに接近している場合が挙げられる。このような場合、扉側部材10と床側部材20とを近づけるために扉1をロック開度まで開放すると、床側部材20を固定するべき場所は、扉1の背面側(壁Wに向く側)になってしまい、作業者からは視認しにくい状態である。このため、扉1の背面側の狭隘で且つ見えにくい場所に差し手を入れて、扉側部材10と床側部材20の固定すべき位置を、扉1の背面及び床Fに対して鉛筆やけがき針等により印を付けているのが実情である。このような狭隘で且つ見えにくい場所での作業は非常に煩雑であり、また、扉1の背面側の死角での作業となるため、位置のずれも生じやすい。
【0008】
そこで、この発明の課題は、ドアストッパの扉側部材と床側部材を、扉と床に対して容易に且つ正確に取り付けできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、この発明は、開き戸の扉の背面に固定される扉側部材と床に固定される床側部材とからなるドアストッパの前記床側部材の前記床への固定場所及び前記扉側部材の前記扉への固定場所を位置決めするドアストッパの位置決め方法において、第1屈曲部を介して横方向張出部と扉貼付部とを有する第1片と、第2屈曲部を介して床面載置部と起伏部とを有する第2片とを用い、前記扉貼付部を前記扉の背面に貼り付けて前記横方向張出部を前記扉と前記床の隙間から前記扉の前面側へ張り出させる工程と、前記床面載置部を前記横方向張出部と前記床との間に差し入れて前記床面載置部から起立している前記起伏部を前記横方向張出部の先端に当接させる工程と、前記床面載置部から起立している前記起伏部を第2屈曲部を介して回動させて前記床に貼り付ける工程と、前記扉貼付部に設けられた扉目印部に対応する位置を前記背面に、前記床面載置部に設けられた床目印部に対応する位置を前記床に印付けする工程と、を備えるドアストッパの位置決め方法を採用した。
【0010】
ここで、前記扉目印部は前記扉貼付部を表裏に貫通する孔であり、前記床目印部は前記床面載置部を表裏に貫通する孔である構成を採用することができる。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、この発明は、開き戸の扉の背面に固定される扉側部材と床に固定される床側部材とからなるドアストッパの前記床側部材の前記床への固定場所及び前記扉側部材の前記扉への固定場所を位置決めするドアストッパの位置決め装置において、第1屈曲部を介して横方向張出部と扉貼付部とを有する第1片と、第2屈曲部を介して床面載置部と起伏部とを有する第2片とからなり、前記扉貼付部を前記扉の背面に貼り付けて前記横方向張出部を前記扉と前記床の隙間から前記扉の前面側へ張り出させ、前記床面載置部を前記横方向張出部と前記床との間に差し入れて前記床面載置部から起立している前記起伏部を前記横方向張出部の先端に当接させ、前記床面載置部から起立している前記起伏部を第2屈曲部を介して回動させて前記床に貼り付け、前記扉貼付部に設けられた扉目印部に対応する位置を前記背面に、前記床面載置部に設けられた床目印部に対応する位置を前記床に印付けするドアストッパ位置決め治具を採用した。
【0012】
ここで、前記扉目印部は前記扉貼付部を表裏に貫通する孔であり、前記床目印部は前記床面載置部を表裏に貫通する孔である構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、ドアストッパの扉側部材と床側部材を、扉と床に対して容易に且つ正確に取り付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】開き戸に用いられるドアストッパの使用状態を示す斜視図
【
図4】ドアストッパ位置決め治具を示し、(a)は第1片の平面図、(b)は第1片の底面図
【
図5】ドアストッパ位置決め治具を示し、(a)は第2片の平面図、(b)は第2片の底面図
【
図6】開き戸の扉に第1片を貼り付けた状態を示す平面図
【
図7】(a)は
図6の要部拡大斜視図、(b)は
図6のVII-VII断面図
【
図8】開き戸の扉に貼り付けた第1片の下に、第2片を差し入れた状態を示す平面図
【
図12】第1片、第2片の貼付けを終えた状態を示す平面図
【
図13】第1片の扉目印部に基づいて扉側部材を取り付ける状態を示す斜視図
【
図14】第2片の床目印部に基づいて床側部材を取り付ける状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、扉1が壁Wや柱に対して蝶番3で固定された、いわゆる開き戸に用いられるドアストッパAの使用状態を示している。ノブ2を引くか又は押すことで、扉1は蝶番3の回転軸周りに回動して、通路を開閉することができる。
【0016】
この実施形態のドアストッパAは、床F側に設けられた床側部材20(戸当たり部)と、扉1側に設けられた扉側部材10(被保持部)とを備えている。扉側部材10は、
図2及び
図3に示すように、扉1の閉鎖側へ向く前面1aと開放側へ向く背面1bのうち、背面1bの下端付近に固定されている。また、床側部材20は、
図3に示すように、開き戸の扉1が開放されて所定開度に至った際に、その所定開度にある扉1の背面1bよりもやや開放側(背面1bよりも壁W側)の床Fに固定されている。
【0017】
図2に矢印aで示すように、扉1が開放方向へ移動し、図中に破線で示す所定開度に至ると、
図3に示すように、扉側部材10に設けられた磁石11の磁力で、床側部材20の爪部22を基板21から矢印bのように引き上げる。このとき、床側部材20の爪部22が、扉側部材10の係止片12に係合して、扉1が開放側及び閉鎖側へ移動しにくいようにロックされる。この扉1の開閉が規制される所定開度を、以下、ロック開度と称する。なお、このロックを解除する際には、ロック開度にある扉1を開放方向へ強く引くことにより、係止片12は押し下げられて爪部22との係合が解除される。
【0018】
このドアストッパAの床側部材20は、ビス23によって床Fに固定されている。床側部材20の固定場所は、ロック開度にある扉1に対して、その扉1の背面1b側、すなわち、壁Wと背面1bとの間の狭い空間に位置している。また、扉側部材10は、ビス13によって扉1の背面1bに固定されている。扉側部材10の固定場所は、扉1の背面1bにおいて、床側部材20に臨む場所に位置している。このため、扉側部材10と床側部材20とを近づけるために扉1をロック開度まで開放すると、床側部材20を固定するべき場所は扉1の背面側(壁Wに向く側)になってしまい、作業者からは視認しにくい状態である。また、扉側部材10を固定するべき場所も扉1の背面側であり、作業者からは視認しにくい状態である。このため、扉側部材10と床側部材20を固定すべき場所を位置決めしにくい作業環境である。
【0019】
そこで、この発明では、
図4(a)(b)に示すように、扉側部材10の扉1への固定場所を位置決めする第1片30と、
図5(a)(b)に示すように、床側部材20の床Fへの固定場所を位置決めする第2片40とからなるドアストッパ位置決め治具Bを用いることとしている。
【0020】
この実施形態の第1片30と第2片40は、それぞれ屈曲自在(折り曲げ自在)のシート状部材である。その素材として、この実施形態ではボール紙を採用しているが、段ボール紙等の他の紙素材であってもよい。また、屈曲自在な素材であれば、樹脂製や金属製等のシート状部材であってもよい。ただし、ある部分を屈曲させた後、その部分が元の状態に戻るのではなく、その位置で形状を保持できる素材であることが望ましい。特に、屈曲させた部分が自立する程度の剛性を有する素材であることが望ましい。
【0021】
第1片30は、
図4(a)(b)に示すように、第1屈曲部32(以下、この実施形態では第1折目線32と称する)を介して、横方向張出部33と扉貼付部34とを有している1枚のシート状部材31である。横方向張出部33と扉貼付部34とは、第1折目線32を介して屈曲自在である。
図4(a)は表面31a側、
図4(b)は裏面31b側を示している。
【0022】
第1片30は、
図6及び
図7に示すように、横方向張出部33と扉貼付部34とを第1折目線32を介して直角に屈曲させた後、扉貼付部34が扉1の背面1bに貼付けられて使用される。貼付けは、扉貼付部34の裏面31b側に設けた粘着部37によって行われる。粘着部37は、両面テープで構成されている。両面テープは、保護シート(図示せず)を剥がしてから使用する。
【0023】
このとき、横方向張出部33は、扉1の下面1cと床Fの隙間から、扉1の前面1a側へ張り出す状態となる。すなわち、横方向張出部33の第1折目線32から先端33aまでの張り出し長さは、扉1の前面1aと背面1bとの間の厚さT以上である。この実施形態では、横方向張出部33は床F上に載置された状態であるが、横方向張出部33は、部分的にあるいはその全体が床Fとの間に隙間を介在していてもよい。
【0024】
第2片40は、
図5(a)(b)に示すように、第2屈曲部42(以下、この実施形態では第2折目線42と称する。)を介して、床面載置部43と起伏部44とを有している1枚のシート状部材41である。床面載置部43と起伏部44とは、第2折目線42を介して屈曲自在である。
図5(a)は表面41a側、
図5(b)は裏面41b側を示している。
【0025】
第2片40は、
図8~
図11に示すように、床面載置部43と起伏部44とを第2折目線42を介して直角に屈曲させた後、床面載置部43が、第1片30の横方向張出部33と床Fとの間に差し入れられて使用される。このとき、起伏部44は、第2折目線42を介して床面載置部43から起立している状態である。そして、起伏部44は、第1片30の横方向張出部33の先端33aに当接している。起伏部44が第1片30の横方向張出部33の先端33aに当接した状態で、床面載置部43の先端43aは、第1片30の扉貼付部34よりも壁W側へ張り出す状態となる。
【0026】
床面載置部43から起立している起伏部44は、第2折目線42を介して回動することができ、その回動によって、起伏部44の面方向が床Fと平行になった際に、その床Fに貼付けられる。貼付けは、起伏部44の裏面41b側に設けた粘着部47によって行われる。粘着部47は、両面テープで構成されている。両面テープは、保護シート(図示せず)を剥がしてから使用する。なお、この起伏部44を床Fに貼付ける作業は、扉1がロック開度にある状態で行う必要がある。
【0027】
図12に示すように、床面載置部43には床目印部45が設けられている。床目印部45に対応する位置を、床Fに鉛筆やけがき針等で印付け(
図14の符号45’参照)することで、床側部材20の固定場所を特定することができる。また、
図13に示すように、扉貼付部34には扉目印部35が設けられている。扉目印部35に対応する位置を、扉1の背面1bに鉛筆やけがき針等で印付け(符号35’参照)することで、扉側部材10の固定場所を特定することができる。
【0028】
ここで、扉目印部35は、扉貼付部34を表裏に貫通する孔であり、その孔の位置は、扉側部材10を扉1に固定するためのビス13(
図2及び
図3参照)を挿通する孔の位置に対応している。また、床目印部45は、床面載置部43を表裏に貫通する孔であり、その孔の位置は、床側部材20を床Fに固定するためのビス23(
図2及び
図3参照)を挿通する孔の位置に対応している。なお、扉目印部35や床目印部45は、上記のようなビス孔の位置を示すものに限定されず、例えば、扉側部材10や床側部材20の外形線を示すことにより、それらの固定場所を特定するものであってもよい。
【0029】
以下、このドアストッパ位置決め治具Bを使ったドアストッパの位置決め方法、ドアストッパの固定方法について説明する。
【0030】
まず、上記構成からなる第1片30を扉1に貼り付ける工程である。
図6に矢印aで示すように、扉1を開放方向へ移動し、作業がしやすい任意の開度の位置において、第1片30を扉1に対して矢印cの方向へ差し入れる。ここで、横方向張出部33と扉貼付部34とは第1折目線32を介して直角に屈曲した状態とし、扉貼付部34を扉1の背面1bに貼り付ける。貼付箇所は、扉側部材10を固定すべき場所に設定する。この状態で、
図7に示すように、横方向張出部33を、扉1と床Fの隙間から扉1の前面1a側へ張り出させる。
【0031】
つぎに、上記構成からなる第2片40を床Fの所定位置に載置する工程である。
図8に示すように、さらに扉1を開放方向へ移動し、ドアストッパで扉1をロックする位置(前記ロック開度)において、第2片40を扉1に対して矢印dの方向へ差し入れる。ここで、床面載置部43と起伏部44とは第2折目線42を介して直角に屈曲した状態とし、床面載置部43から起立している起伏部44を、横方向張出部33の先端33aに当接させる。なお、床面載置部43を第1片30の下に差し入れて、起伏部44を横方向張出部33の先端33aに当接させる作業を、扉1の任意の開度の位置(例えば、
図6の位置)で行い、その後、起伏部44を横方向張出部33の先端33aに当接させた状態を維持しながら、扉1をロック開度まで移動させてもよい。
【0032】
続いて、第2片40を床Fに貼り付ける工程である。
図10に矢印eで示すように、床面載置部43から起立している起伏部44を、第2折目線42を介して回動させて、水平な状態、すなわち、床Fに平行な状態にする。そして、
図11に示すように、起伏部44を床Fに貼り付ける。
【0033】
最後に、扉側部材10及び床側部材20の固定場所を特定する工程である。
図12に示すように、扉1の開度を閉鎖方向に移動させた後、扉貼付部34に設けられた扉目印部35に対応する位置を、扉1の背面1bに印付けする。また、床面載置部43に設けられた床目印部45に対応する位置を、床Fに印付けする。その後、
図13に符号35’で示すように、その印付けした位置にビス用の下穴を明けて、扉側部材10をビス13で固定する。また、
図14に符号45’で示すように、印付けした位置にビス用の下穴を明けて、床側部材20をビス23で固定する。
【0034】
上記の実施形態では、第1片30は、横方向張出部33と扉貼付部34とが、第1屈曲部32(第1折目線32)を介して屈曲自在であり、フラットな第1片30を、第1屈曲部32を介して屈曲するように変形させた後に使用する態様としたが、この実施形態には限定されない。例えば、横方向張出部33と扉貼付部34とが、予め第1屈曲部32を介して屈曲した状態に成型、あるいは、屈曲した状態に保持されている樹脂製、又は、金属製等の第1片30を採用することもできる。
【0035】
同様に、上記の実施形態では、第2片40は、床面載置部43と起伏部44とが、第2屈曲部42(第2折目線42)を介して屈曲自在であり、フラットな第2片40を、第2屈曲部42を介して屈曲するように変形させた後に使用する態様としたが、この実施形態には限定されない。例えば、床面載置部43と起伏部44とが、予め第2屈曲部42を介して屈曲した状態に成型、あるいは、屈曲した状態に保持されている樹脂製、又は、金属製等の第2片40を採用することもできる。ただし、第2片40は、第2屈曲部42において、床面載置部43と起伏部44とが同一面状(フラットな状態)になるように、床面載置部43と起伏部44との回動を許容する柔軟な素材で構成されるか、あるいは、その回動を許容する構造(例えば、ヒンジ構造等)を第2屈曲部42に備えていることが必要である。
【0036】
また、上記の実施形態では、ドアストッパAとして、
図1~
図3に示すように、床側部材20の爪部22が、扉側部材10の係止片12に係合するものを採用したが、ドアストッパAは、この
図1~
図3に示す態様に限定されず、扉1の開放方向への移動や閉鎖方向への移動を所定の開度で規制する各種のドアストッパにも、この発明を適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 扉
1a 前面
1b 背面
10 扉側部材
20 床側部材
30 第1片
32 第1折目線(第1屈曲部)
33 横方向張出部
34 扉貼付部
35 扉目印部
40 第2片
42 第2折目線(第2屈曲部)
43 床面載置部
44 起伏部
45 床目印部
F 床
W 壁