(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20221223BHJP
【FI】
G16H80/00
(21)【出願番号】P 2022082475
(22)【出願日】2022-05-19
【審査請求日】2022-05-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-285033(JP,A)
【文献】特開2004-265077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
医療機関から提供された、患者の診療に関する情報を記憶部に記憶するステップと、
前記診療に関する情報に含まれる、前記患者
についての
診療で発生し得る内容、及び注意点が時系列に沿ってまとめられるスケジュールに関する情報から、当日に対応付けられている
内容又は注意点を前記患者が使用する端末に送信するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記送信するステップにおいて、前記当日に対応付けられている
内容又は注意点に、当該
内容又は注意点に関連する時刻を関連付ける請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記送信するステップにおいて、前記当日に対応付けられている
内容又は注意点に、当該
内容又は注意点に関連する医療機関の情報を関連付ける請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記送信するステップにおいて、前記患者からの要求を経ずに、前記当日に対応付けられている
内容又は注意点を前記患者に送信する請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
電子カルテに関する情報、オーダに関する情報、会計に関する情報、画像に関する情報、
前記患者についての診療で発生し得る内容及び注意点が時系列に沿ってまとめられるスケジュールに関する情報、診療に係る書面に関する情報、又はこれらのうち少なくとも2つの組み合わせを含む診療に関する情報から、前記患者が所望する情報の指定を受け付けるステップと、
前記患者から指定された情報を、前記患者が使用する端末に送信するステップと
を前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
前記診療に関する情報が更新されると、更新された情報があることを通知するステップを前記プロセッサに実行させる請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
前記診療に関する情報を、医療機関から所定の周期で受信するステップと、
受信した前記診療に関する情報を蓄積するステップと
を前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項8】
前記患者以外の者が使用する端末への情報の送信を許可するステップと、
許可された前記者の要求に応じ、当該者が使用する端末へ前記患者の診療に関する情報を送信するステップと
を前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項9】
前記者への情報の送信を許可するステップにおいて、医療機関毎、又は診療科毎に情報の送信を許可する請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のステップを実行する方法。
【請求項11】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のステップを実行する情報処理装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のステップを実行する手段を具備するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療提供者によって施される治療の有効性を改善するために実装され得る制御システムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、患者によって操作される1又は複数のモバイル処理デバイスは、定義されたスケジュールに従って治療計画の要素を実行するように患者に警告し、思い出させることができるとともに、制御システムへのフィードバックとしてタスクの完了の確認を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、患者が、自身の診療に関する情報、例えば、クリニカルパス、疾患についての説明資料等を手軽に確認できるユーザインタフェースについては記載されていない。
【0005】
本開示の目的は、患者が自身の診療に関する情報を手軽に確認可能とすることで、患者の不安を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、医療機関から提供された、患者の診療に関する情報を記憶部に記憶するステップと、診療に関する情報に含まれる、患者のスケジュールに関する情報から、当日に対応付けられている情報を患者が使用する端末に送信するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、患者が自身の診療に関する情報を手軽に確認可能とすることで、患者の不安を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
【
図3】第1サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
【
図4】ユーザ情報テーブル2021のデータ構造を示す図である。
【
図5】医療機関テーブル2022のデータ構造を示す図である。
【
図6】カルテ情報テーブル2023のデータ構造を示す図である。
【
図7】クリニカルパステーブル2024のデータ構造を示す図である。
【
図8】処方薬情報テーブル2025のデータ構造を示す図である。
【
図9】関係書類情報テーブル2026のデータ構造を示す図である。
【
図10】リハビリ管理テーブル2027のデータ構造を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るシステム1の構成の例を表す模式図である。
【
図12】
図11に示す端末装置10を操作するユーザが通う医療機関を登録する際の第1サーバ20の動作の例を表すフローチャートである。
【
図13】
図11に示す端末装置10に、ユーザが必要とする情報をプッシュ通知する際の端末装置10と第1サーバ20との動作の例を説明するための図である。
【
図14】端末装置10で表示されるプッシュ通知の例を表す模式図である。
【
図15】端末装置10で表示される、服薬を確認するための画面の例を表す模式図である。
【
図16】ユーザからの要求に応じ、診療に関する情報を端末装置10に表示する際の端末装置10と第1サーバ20との動作の例を説明するための図である。
【
図17】ユーザにより選択された医療機関についての情報を表示する画面の例を表す模式図である。
【
図18】
図17において、領域1418で表示される診療科のいずれかが選択された場合の画面の例を表す模式図である。
【
図19】クリニカルパスアイコン1414が選択された場合の画面の例を表す模式図である。
【
図20】関係書類アイコン1415が選択された場合の画面の例を表す模式図である。
【
図21】その他アイコン1416が選択された場合の画面の例を表す模式図である。
【
図22】リハビリテーションを管理する際の端末装置10と第1サーバ20との動作の例を説明するための図である。
【
図23】リハビリテーションの運動を端末装置10が撮影する際の模式図を表す。
【
図24】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態に係るシステムは、医療機関で記憶される診療に関する情報を保持し、患者が必要とする情報を、患者が必要とするタイミングで、患者が所有する端末へ提供する。患者は、自身が所望する情報を手軽に確認可能となるため、診療に対する不安が抑えられることになる。
【0011】
本実施形態において、診療に関する情報は、例えば、診療のスケジュールに関する情報、及び診療に係る書面に関する情報を含む。本実施形態において、診療のスケジュールに関する情報は、例えば、クリニカルパスを含む。クリニカルパスは、例えば、検査及び治療のスケジュールをまとめた計画書を表す。クリニカルパスは、例えば、診療において発生する内容、及び注意点が、所定の項目に分類され、時系列に沿ってまとめられている。項目には、例えば、目標、処置、治療、検査、注射、点滴、投薬、活動、安静度、リハビリ、食事、栄養、清潔、排せつ、説明、指導、注意事項等が含まれる。クリニカルパスは、例えば、入院中のスケジュールを表してもよい。クリニカルパスは、例えば、患者が手術を受ける場合には、術前のトレーニングについてのスケジュールを表してもよい。クリニカルパスは、例えば、患者が手術を受ける場合には、術後の治療又はリハビリ等のスケジュールを表してもよい。
【0012】
本実施形態において、診療に係る書面に関する情報は、例えば、診療に係って配布された書面が、内容の配置が維持された形式でファイル化された情報を含む。内容の配置が維持された形式でファイル化された情報は、例えば、PDF(登録商標)形式の情報を含む。診療に係る書面に関する情報は、請求書、明細書、所定の検査についての報告書、看護計画書、診療についての説明に用いられる資料、同意書、リハビリテーションの実施計画書、リハビリテーションの総合実施計画書、又は宣誓書等を含む。
【0013】
また、診療に関する情報は、診療において撮影された画像に関する情報を含んでもよい。診療に関する情報は、電子カルテに関する情報、オーダに関する情報、又は会計に関する情報を含んでもよい。
【0014】
また、本実施形態に係るシステムは、例えば、患者からの要求に関わらず、スケジュールに関する情報に基づき、所定の情報を患者へ提示する。これにより、患者が把握していない情報のうち、忘れてはいけない情報を、患者へ提示することが可能となる。
【0015】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図1に示すシステム1は、例えば、端末装置10、第1サーバ20、及び病院システム30を含む。端末装置10、第1サーバ20、及び病院システム30は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。第1サーバ20と、病院システム30とは、セキュリティが特に保証された専用の回線で接続されていてもよい。
【0016】
図1において、システム1が端末装置10を2台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は、2台に限定されない。端末装置10は、例えば、患者が所持する端末である。システム1に含まれる端末装置10は、3台未満であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0017】
図1において、システム1が2つの病院システム30を含む例を示しているが、システム1に含まれる病院システム30の数は、2つに限定されない。システム1に含まれる病院システム30は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0018】
図1において、第1サーバ20が病院システム30から独立している例を示しているが、第1サーバ20は、病院システム30に含まれていてもよい。このとき、第1サーバ20は、例えば、病院システム30が有する第2サーバ31と一体であってもよい。つまり、第1サーバ20により提供されるサービスは、病院システム30により管理されていてもよい。
【0019】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係る第1サーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は第1サーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0020】
図1に示す端末装置10は、患者、又は患者と所定の関係を有する者が操作する情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現される。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。端末装置10は、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
【0021】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0022】
第1サーバ20は、例えば、ネットワークを介して病院システム30から情報を受け取り、受け取った情報を記憶する。第1サーバ20は、患者が使用する端末装置10からの接続を受け付け、記憶する情報を患者へ提供する。
【0023】
第1サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される情報処理装置である。
図1に示すように、第1サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対して情報を出力するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0024】
病院システム30は、病院内で構築されるシステムである。病院システム30は、例えば、第2サーバ31、及び端末装置32を備える。第2サーバ31と、端末装置32とは、LAN(Local Area Network)等の病院内ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。なお、病院内ネットワークへの接続は、有線接続、及び無線接続を問わない。
【0025】
第2サーバ31は、医療機関内の診療に関する情報を管理する情報処理装置である。例えば、第2サーバ31は、診療に関する情報として、電子カルテに関する情報、オーダに関する情報、会計に関する情報、画像に関する情報、診療のスケジュールに関する情報、及び診療に係る書面に関する情報等を含む。
【0026】
なお、
図1では、第2サーバ31が1台である場合を例に示しているが、これに限定されない。第2サーバ31は、複数の装置の集合体であってもよい。例えば、電子カルテに関する情報は、電子カルテシステムを構築するサーバで管理されてもよい。オーダに関する情報は、オーダリングシステムを構築するサーバで管理されてもよい。会計に関する情報は、医療会計システムを構築するサーバで管理されてもよい。電子カルテシステム、オーダリングシステム、及び医療会計システムは、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)として構築されていてもよい。
【0027】
スケジュールに関する情報、及び書面に関する情報は、例えば、電子カルテシステム等と関連付けられる所定のサーバで管理されてもよい。所定のサーバは、例えば、診療部門に設けられる、情報を蓄積するためのサーバである。情報を蓄積するためのサーバには、スケジュールに関する情報、及び書面に関する情報に加え、患者に注意事項等を説明するための動画に関する情報が記憶されていてもよい。画像に関する情報は、例えば、画像を蓄積するためのサーバで管理されてもよい。
【0028】
端末装置32は、例えば、医師、看護師、又は薬剤師等が院内LANに接続されているシステム及びサーバ等へアクセスするための情報処理装置である。端末装置32は、例えば、据え置き型のPC、ラップトップPC等により実現される。端末装置32は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現されてもよい。端末装置32は、HMD、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。医師又は看護師は、複数の端末装置32を使用してもよい。
【0029】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。端末装置10、第1サーバ20、第2サーバ31、及び端末装置32のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0030】
<1.1 端末装置の構成>
図2は、
図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0031】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、第1サーバ20)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0032】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。端末装置10がPC等である場合には、入力装置13は、リーダー、キーボード、マウス等により実現されてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0033】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0034】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0035】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0036】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
【0037】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、ユーザ情報181を記憶する。
【0038】
ユーザ情報181は、例えば、端末装置10を使用するユーザについての情報を含む。ユーザについての情報には、例えば、ユーザの氏名、年齢、住所、生年月日、連絡先、医療機関情報、共有者等が含まれる。医療機関情報は、例えば、医療機関名、当該医療機関における患者ID等を含む。共有者は、ユーザの診療に関する情報を共有する者であり、例えば、ユーザの親、子供、介護者等を含む。
【0039】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、リハビリ管理部193と、提示制御部194ととしての機能を発揮する。
【0040】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等から入力される指示、又は情報を受け付ける。
【0041】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声指示を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。操作受付部191は、例えば、受信した音声信号を分析して所定の名詞を抽出することで、ユーザからの指示を取得する。
【0042】
送受信部192は、端末装置10が、第1サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された情報、又はユーザから指示を第1サーバ20へ送信する。また、送受信部192は、第1サーバ20から提供される情報を受信する。
【0043】
リハビリ管理部193は、ユーザによるリハビリテーションを管理する。具体的には、例えば、リハビリ管理部193は、ユーザからリハビリテーションの開始が指示されると、カメラ160を起動させる。リハビリ管理部193は、ユーザの運動をカメラ160で撮影可能な位置に端末装置10を載置するように、スピーカー172、又はディスプレイ141から載置位置についての説明を提示する。運動を撮影するのに適した位置は、リハビリテーションの内容に応じて異なる。リハビリ管理部193は、ユーザに設定されているリハビリテーションについての運動を撮影するのに適した種々のパラメータが設定されている。ユーザは、運動の対象となる部位がカメラ160により撮影されるように端末装置10を載置し、自身が画角に収まるように調整する。
【0044】
リハビリ管理部193は、ユーザが運動を実施可能なように、スピーカー172、又はディスプレイ141から運動内容についての指導を提示する。運動内容についての指導は、リハビリテーションの内容に応じて異なる。リハビリ管理部193は、ユーザに設定されているリハビリテーションについての運動を指導するのに適した説明が設定されている。リハビリ管理部193は、撮影した画像に基づいて、運動を指導してもよい。
【0045】
リハビリ管理部193は、カメラ160によりユーザの運動を撮影する。リハビリ管理部193は、ユーザがリハビリテーションを実施したことを表す情報と、撮影した画像に関する画像データとを第1サーバ20へ送信する。
【0046】
提示制御部194は、第1サーバ20から提供された情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、提示制御部194は、第1サーバ20から送信される診療に関する情報をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部194は、第1サーバ20から送信される情報をスピーカー172から出力させる。
【0047】
<1.2 第1サーバの機能的な構成>
図3は、第1サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
図3に示すように、第1サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0048】
通信部201は、第1サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0049】
記憶部202は、例えば、ユーザ情報テーブル2021と、医療機関テーブル2022と、カルテ情報テーブル2023と、クリニカルパステーブル2024と、処方薬情報テーブル2025と、関係書類情報テーブル2026と、リハビリ管理テーブル2027と、学習済みモデル2028等とを有する。記憶部202で記憶されるテーブルは、これらに限定されない。記憶部202では、例えば、会計に関する情報を記憶するテーブル、画像に関する情報を記憶するテーブルが記憶されていてもよい。
【0050】
ユーザ情報テーブル2021は、ユーザについての情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0051】
医療機関テーブル2022は、医療機関に関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0052】
カルテ情報テーブル2023は、患者の電子カルテに関する情報を記憶するテーブルである。カルテ情報テーブル2023が記憶する電子カルテに関する情報は、例えば、病院システム30で管理される電子カルテの少なくとも一部の情報である。カルテ情報テーブル2023で記憶される電子カルテに関する情報は、所定のタイミングで、病院システム30で管理される情報に基づいて更新される。所定のタイミングは、例えば、以下である。
・所定の周期
・所定の時刻
・病院システム30において、所定の患者の電子カルテに関する情報が更新されたとき
【0053】
クリニカルパステーブル2024は、患者の診療のスケジュールに関する情報を記憶するテーブルである。クリニカルパステーブル2024が記憶するスケジュールに関する情報は、例えば、病院システム30で管理されるスケジュールの少なくとも一部の情報である。クリニカルパステーブル2024で記憶されるスケジュールに関する情報は、所定のタイミングで、病院システム30で管理される情報に基づいて更新される。所定のタイミングは、例えば、以下である。
・所定の周期
・所定の時刻
・病院システム30において、所定の患者のスケジュールに関する情報が更新されたとき
【0054】
処方薬情報テーブル2025は、患者に対して処方された薬剤に関する情報を記憶するテーブルである。処方薬情報テーブル2025が記憶する情報は、例えば、病院システム30で管理される情報の少なくとも一部の情報である。処方薬情報テーブル2025で記憶される薬剤に関する情報は、所定のタイミングで、病院システム30で管理される情報に基づいて更新される。所定のタイミングは、例えば、以下である。
・所定の周期
・所定の時刻
・病院システム30において、所定の患者に薬剤が処方されたとき
【0055】
関係書類情報テーブル2026は、患者に対して配布された書面に関する情報を記憶するテーブルである。関係書類情報テーブル2026が記憶する書面に関する情報は、例えば、病院システム30で管理される書面に関する情報の少なくとも一部の情報である。関係書類情報テーブル2026で記憶される書面に関する情報は、所定のタイミングで、病院システム30で管理される情報に基づいて更新される。所定のタイミングは、例えば、以下である。
・所定の周期
・所定の時刻
・病院システム30において、所定の患者についての書面に関する情報が更新されたとき
【0056】
リハビリ管理テーブル2027は、患者が実施したリハビリテーションに関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0057】
学習済みモデル2028は、例えば、リハビリをしている患者の動作を認識するためのモデルである。学習済みモデル2028は、例えば、第1サーバ20からのサービスを提供されるにあたり、予め記憶されている。
【0058】
学習済みモデル2028は、モデル学習プログラムに従い、機械学習モデルに機械学習を行わせることで生成される。学習済みモデル2028は、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数及びパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る学習済みモデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよい。
【0059】
例えば、学習済みモデル2028が順伝播型の多層化ネットワークを用いて生成される場合、パラメータ付き合成関数は、例えば、重み行列を用いた各層間の線形関係、各層における活性化関数を用いた非線形関係(又は線形関係)、及びバイアスの組み合わせとして定義される。重み付行列、及びバイアスは、多層化ネットワークのパラメータと呼ばれる。パラメータ付き合成関数は、パラメータをどのように選ぶかで、関数としての形を変える。多層化ネットワークでは、構成するパラメータを適切に設定することで、出力層から好ましい結果を出力することが可能な関数を定義することができる。
【0060】
本実施形態に係る多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)が用いられ得る。DNNとしては、例えば、画像を対象とする畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)を用いてもよい。
【0061】
学習済みモデル2028は、例えば、入力される人の画像に対し、当該人の骨格モデルを出力するように学習されている。このとき、学習済みモデル2028をトレーニングするための学習用データは、例えば、人の画像を入力データとし、入力された人の画像に対する骨格モデルを正解出力データとする。
【0062】
学習済みモデル2028は、リハビリテーションの対象となる部位毎に生成されてもよい。例えば、学習済みモデル2028は、手(肩、肘、手首等)のリハビリテーションに適した骨格モデルを出力するようにトレーニングされていてもよい。このとき、学習済みモデル2028は、例えば、手の関節周辺の骨格モデルを出力する。また、例えば、学習済みモデル2028は、足(股関節、膝、足首等)のリハビリテーションに適した骨格モデルを出力するようにトレーニングされていてもよい。このとき、学習済みモデル2028は、例えば、足の関節周辺の骨格モデルを出力する。このように、リハビリテーションの部位に応じて学習済みモデル2028を切り替えることで、必要な部位以外の動作を計算する必要がなくなるため、計算量を抑えることが可能となる。
【0063】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、記憶モジュール2033、登録モジュール2034、抽出モジュール2035、通知モジュール2036、リハビリ管理モジュール2037、及び提示制御モジュール2038として示す機能を発揮する。
【0064】
受信制御モジュール2031は、第1サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0065】
送信制御モジュール2032は、第1サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0066】
記憶モジュール2033は、病院システム30から取得した情報を、記憶部202に記憶する。具体的には、例えば、病院システム30に記憶される種々の情報は、所定の周期、例えば、一日に一回、バックアップ等の目的で出力される。記憶モジュール2033は、病院システム30から出力される情報を取得し、取得した情報を記憶部202の各テーブルに記憶する。記憶モジュール2033は、医療機関及び患者をキーとして抽出可能に情報を記憶部202のテーブルに記憶する。
【0067】
登録モジュール2034は、ユーザに関する情報の登録を制御する。具体的には、例えば、登録モジュール2034は、新たなユーザから本サービスの利用を要求された場合、ユーザに関する情報をユーザ情報テーブル2021に記憶する。登録モジュール2034は、利用する医療機関についての登録要求があった場合、登録を要求された医療機関についての情報をユーザ情報テーブル2021に記憶する。登録モジュール2034は、ユーザに関する情報を共有する者の登録要求があった場合、登録を要求された者に関する情報をユーザ情報テーブル2021に記憶する。ユーザに関する情報を共有する者は、例えば、患者を看護、又は介護等する者、例えば、血縁者である。
【0068】
抽出モジュール2035は、患者、又は情報の共有者へ提供する情報を記憶部202から抽出する。具体的には、例えば、抽出モジュール2035は、患者、又は情報の共有者から、情報の提供が要求された場合、要求された情報を記憶部202から読み出し、読み出した情報を、情報を要求した患者又は共有者へ提示する。
【0069】
通知モジュール2036は、所定のタイミングで、患者が必要とする情報を、患者又は共有者へ通知する。例えば、通知モジュール2036は、所定の患者についてのスケジュールに関する情報で規定されるタイミングになると、対応付けられている情報を患者又は共有者へ通知する。具体的には、例えば、通知モジュール2036は、クリニカルパスにおいて規定されている所定の日に達すると、その日と対応付けられている情報を通知する。所定の日は例えば、以下である。
・検査当日(検査前、検査後)
・検査前日
・検査一日後
・手術当日(手術前、手術後)
・手術前日
・手術前X日
・手術前X日~Y日
・手術後X日
・手術後X日~Y日
【0070】
所定の日と対応付けられている情報は、例えば、以下である。
・所定の日(例えば、検査当日、手術当日等)であること
・検査、又は手術があること
・日毎(期間毎)の目標の説明
・日毎(期間毎)の処置の詳細
・日毎(期間毎)の治療の詳細
・日毎(期間毎)の検査の詳細
・日毎(期間毎)の注射の詳細
・日毎(期間毎)の点滴の詳細
・日毎(期間毎)の投薬の詳細
・日毎(期間毎)の活動(安静度)に関する目安
・日毎(期間毎)のリハビリの詳細
・日毎(期間毎)の食事(採るべき栄養)の詳細
・日毎(期間毎)の入浴等の可否についての詳細
・日毎(期間毎)の排せつに係る制限の詳細
・日毎(期間毎)の注意事項、備考内容の説明
・対応する日(期間)に担当者からの説明、指導があること
・対応する日(期間)に説明資料があること
【0071】
通知モジュール2036は、対応付けられている情報と共に、予定されている時刻を通知してもよい。
【0072】
また、例えば、通知モジュール2036は、所定の患者についての情報が更新されると、更新された情報を患者又は共有者へ通知する。更新される情報は、例えば、以下である。
・クリニカルパスの更新
・書類データ(検査報告書、同意書、リハビリテーションの実施計画書、リハビリテーションの総合実施計画書等)の更新
・治療費の更新
【0073】
リハビリ管理モジュール2037は、患者が実施するリハビリを管理する。例えば、リハビリ管理モジュール2037は、患者が実施するリハビリテーションに関する情報を端末装置10から受信し、受信した情報をリハビリ管理テーブル2027に記憶する。リハビリ管理モジュール2037は、所定のタイミングで、リハビリ管理テーブル2027に記憶する情報を送信制御モジュール2032により病院システム30へ送信する。
【0074】
リハビリ管理モジュール2037は、端末装置10から送信される情報に基づき、患者が実施するリハビリテーションにおける運動を評価する。具体的には、例えば、リハビリ管理モジュール2037は、端末装置10から送信される画像データを、画像解析する。より具体的には、例えば、リハビリ管理モジュール2037は、画像データを学習済みモデル2028に入力し、画像データに含まれる患者の骨格モデルを取得する。リハビリ管理モジュール2037は、患者の運動と連動する骨格モデルの運動に基づき、患者の運動を数値化する。リハビリ管理モジュール2037は、例えば、骨格モデルの運動から、稼働域、稼働方向、反復回数等を計測する。リハビリ管理モジュール2037は、計測値をリハビリ管理テーブル2027に記憶する。リハビリ管理モジュール2037は、例えば、カルテ情報テーブル2023に記憶されるリハビリ計画、又はクリニカルパステーブル2024に記憶されるクリニカルパス等から、対応する日の運動に対して設定されている目標を取得する。リハビリ管理モジュール2037は、計測結果と目標とを比較し、対応する日のリハビリを評価する。例えば、リハビリ管理モジュール2037は、計測結果が目標に達している場合、対応する日のリハビリが適切に実施できたと判断する。一方、リハビリ管理モジュール2037は、計測結果が目標に達しない場合、対応する日のリハビリが適切に実施できなかったと判断する。
【0075】
リハビリ管理モジュール2037は、目標に対する達成度に応じ、例えば、医師へリハビリ計画の変更を提案する。具体的には、例えば、所定の期間において目標に達成した回数が所定回数より多い場合(つまり、所定期間においてリハビリが適切に実施できたとの判断が所定回数以上あった場合)、又は計測結果が目標を大きく超えることが続く場合等において、リハビリ管理モジュール2037は、目標を高くすることを医師に提案する。また、リハビリ管理モジュール2037は、目標を高くすると共に、リハビリ期間を短くすることを医師に提案する。
【0076】
また、所定の期間において目標に達成した回数が所定回数より少ない場合(つまり、所定期間においてリハビリが適切に実施できたとの判断が所定回数未満である場合)、又は計測結果が目標を大きく下回ることが続く場合等において、リハビリ管理モジュール2037は、目標を低くすることを医師に提案する。また、リハビリ管理モジュール2037は、目標を低くすると共に、リハビリ期間を長くすることを医師に提案する。
【0077】
また、リハビリ管理モジュール2037は、機能の回復度に応じ、例えば、医師へリハビリ計画の変更を提案する。具体的には、例えば、所定の期間において機能の回復が想定よりも早い場合、リハビリ管理モジュール2037は、目標を高くすることを医師に提案する。また、リハビリ管理モジュール2037は、目標を高くすると共に、リハビリ期間を短くすることを医師に提案する。また、例えば、所定の期間において機能の回復が想定よりも遅い場合、リハビリ管理モジュール2037は、目標を低くすることを医師に提案する。また、リハビリ管理モジュール2037は、目標を低くすると共に、リハビリ期間を長くすることを医師に提案する。
【0078】
リハビリ管理モジュール2037は、リハビリテーションを実施する患者からのコメントを受け付けるようにしてもよい。リハビリ管理モジュール2037は、患者からのコメントを、リハビリ管理テーブル2027に記憶する。
【0079】
リハビリ管理モジュール2037は、患者が術前である場合には、リハビリテーションと同様に、トレーニングを管理する。これにより、術前に体力をつけるための運動を促すことが可能となる。
【0080】
提示制御モジュール2038は、記憶部202から抽出した情報を、患者又は共有者へ提示する。
【0081】
<2 データ構造>
図4~
図10は、第1サーバ20が記憶するテーブルのデータ構造を示す図である。なお、
図4~
図10は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同一のテーブルに記載されるデータであっても、記憶部202において離れた記憶領域に記憶されていることもあり得る。
【0082】
図4は、ユーザ情報テーブル2021のデータ構造を示す図である。
図4に示すユーザ情報テーブル2021は、ユーザIDをキーとして、氏名、年齢、性別、生年月日、連絡先、医療機関情報、共有者のカラムを有するテーブルである。
【0083】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。氏名は、ユーザの名前を記憶する項目である。年齢は、ユーザの年齢を記憶する項目である。性別は、ユーザの性別を記憶する項目である。生年月日は、ユーザの生年月日を記憶する項目である。連絡先は、ユーザが有している端末装置10の連絡先(例えば、電話番号、メールアドレス等)を記憶する項目である。医療機関情報は、登録している医療機関に関する情報を記憶する項目である。医療機関情報は、例えば、医療機関名、及び当該医療機関におけるユーザの患者IDを含む。共有者は、ユーザについての診療に関する情報の共有を許可された者に関する情報を記憶する項目である。共有者は、例えば、共有者として許諾された者の氏名、ユーザID等が記憶されている。
【0084】
図5は、医療機関テーブル2022のデータ構造を示す図である。
図5に示す医療機関テーブル2022は、医療機関IDをキーとして、医療機関名のカラムを有するテーブルである。
【0085】
医療機関IDは、医療機関を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。医療機関名は、医療機関の名称を記憶する項目である。
【0086】
図6は、カルテ情報テーブル2023のデータ構造を示す図である。
図6に示すカルテ情報テーブル2023は、医療機関ID及び患者IDをキーとして、カルテデータのカラムを有するテーブルでる。
【0087】
カルテデータは、カルテデータを記憶する項目である。カルテデータは、他の場所に配置されたカルテデータファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしてもよい。カルテデータには、例えば、病名、検査項目、検査値、担当医、既往歴等の情報が含まれる。病名は、患者に対して診断されている疾病の名称を表す。検査項目は、患者について測定された検査項目の名称を表す。検査値は、各検査項目についての検査で測定された値を表す。担当医は、患者の診療を担当する医師の氏名を表す。既往歴は、現在は治癒している、過去に罹患した疾病の名称を表す。
【0088】
図7は、クリニカルパステーブル2024のデータ構造を示す図である。
図7に示すクリニカルパステーブル2024は、医療機関ID及び患者IDをキーとして、クリニカルパスID、作成日、クリニカルパスデータ、作成者等のカラムを有するテーブルである。
【0089】
クリニカルパスIDは、クリニカルパスを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。作成日は、クリニカルパスを作成した日付を記憶する項目である。クリニカルパスデータは、クリニカルパスデータを記憶する項目である。クリニカルパスデータは、他の場所に配置されたクリニカルパスデータファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしてもよい。作成者は、クリニカルパスを作成した者を記憶する項目である。
【0090】
図8は、処方薬情報テーブル2025のデータ構造を示す図である。
図8に示す処方薬情報テーブル2025は、医療機関ID及び患者IDをキーとして、処方薬ID、処方日、薬データのカラムを有するテーブルでる。
【0091】
処方薬IDは、処方薬(についてのオーダ)を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。処方日は、薬を処方した日付を記憶する項目である。薬データは、薬データを記憶する項目である。薬データは、他の場所に配置された薬データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしてもよい。
【0092】
図9は、関係書類情報テーブル2026のデータ構造を示す図である。
図9に示す関係書類情報テーブル2026は、医療機関ID及び患者IDをキーとして、書類ID、配布日、書類データのカラムを有するテーブルでる。
【0093】
書類IDは、書類を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。配布日は、書類を配布した日付を記憶する項目である。書類データは、書類データを記憶する項目である。書類データは、他の場所に配置された書類データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしてもよい。
【0094】
図10は、リハビリ管理テーブル2027のデータ構造を示す図である。
図10に示すリハビリ管理テーブル2027は、医療機関ID及び患者IDをキーとして、開始日時、計測結果、評価、患者からのコメント、管理者からのコメントのカラムを有するテーブルである。
【0095】
開始日時は、リハビリテーションを開始した日時を記憶する項目である。計測結果は、リハビリテーションにおける運動が計測された値を記憶する項目である。評価は、実施された運動についての、設定されている目標に対する達成度に基づく評価を記憶する項目である。患者からのコメントは、リハビリテーション中に患者から入力された、リハビリテーションに対するコメントを記憶する項目である。管理者からのコメントは、リハビリテーションを管理する、例えば、医師、リハビリの担当者等から、患者へ向けられたコメントを記憶する項目である。
【0096】
<3 動作>
患者が必要とする情報を提供する際の端末装置10、及び第1サーバ20の動作について説明する。
【0097】
図11は、本実施形態に係るシステム1の構成の例を表す模式図である。以下の説明では、
図11に示すように、第1サーバ20は、病院システム30から受信した情報を記憶する。第1サーバ20は、端末装置10を操作する患者からの要求に応じ、要求された情報を端末装置10へ提示する。また、第1サーバ20は、患者が必要とする情報を端末装置10へプッシュ通知する。
【0098】
(医療機関の登録処理)
図12は、
図11に示す端末装置10を操作するユーザが通う医療機関を登録する際の第1サーバ20の動作の例を表すフローチャートである。
【0099】
ユーザは、端末装置10を操作し、自身が通院する医療機関の診察券を撮影する。端末装置10は、診察券を撮影した画像を解析し、診察券に記載される情報を取得する。診察券に記載される情報には、例えば、医療機関名、登録番号、患者の氏名、患者の生年月日、患者の性別が含まれる。端末装置10は、取得した情報を第1サーバ20へ送信する。
【0100】
ステップS11において、第1サーバ20の制御部203は、受信制御モジュール2031により、端末装置10から送信される、診察券に記載される情報を受信する。
【0101】
ステップS12において、制御部203は、登録モジュール2034により、受信した情報をユーザと関連付ける。具体的には、登録モジュール2034は、受信した情報に含まれる患者の氏名、性別、生年月日を、ユーザ情報テーブル2021に記憶されているユーザの氏名、性別、生年月日と照合し、同じである場合、医療機関名と、登録番号とを、項目「医療機関情報」へ記憶する。登録モジュール2034は、ユーザ毎に、複数の医療機関情報を登録することが可能である。
【0102】
登録モジュール2034は、医療機関情報を登録する際、取得した医療機関名が、医療機関テーブル2022に記憶されているか否かを判断してもよい。登録モジュール2034は、取得した医療機関名が医療機関テーブル2022に含まれている場合、医療機関名及び登録番号をユーザ情報テーブル2021に記憶する。
【0103】
(診療に関する情報のプッシュ通知)
図13は、
図11に示す端末装置10に、ユーザが必要とする情報をプッシュ通知する際の端末装置10と第1サーバ20との動作の例を説明するための図である。
【0104】
ステップS21において、端末装置10は、診療に関する情報をユーザに表示するためのアプリケーションを実行する。なお、診療に関する情報の表示は、ウェブブラウザを介して実行されてもよい。例えば、ユーザは、端末装置10を操作し、診療に関する情報を確認するためのアプリケーションを選択し、端末装置10に実行させる。端末装置10がアプリケーションを実行すると、制御部190は、ユーザを認証するためのログイン画面をディスプレイ141に表示させる。
【0105】
ユーザは、ログイン画面において、例えば、ログインID及びパスワードを入力する。なお、ログイン画面においてユーザが入力する情報は、ログインID及びパスワードに限定されない。生体情報等を入力することで、ログインしてもよい。
【0106】
ステップS22において、制御部190は、ユーザの認証が完了すると、ユーザIDと関連付けて第1サーバ20に接続する。
【0107】
ステップS23において、第1サーバ20は、ユーザが必要とする情報を取得する。具体的には、例えば、制御部203は、通知モジュール2036により、受信したユーザIDに基づき、前回の接続日時を取得する。通知モジュール2036は、記憶部202に記憶され、ユーザIDと関連付けられている医療機関名及び患者IDと関わる情報のうち、前回の接続日時以降に更新された情報があるか否かを判断する。前回の接続日時以降に更新された情報がある場合、通知モジュール2036は、更新された情報があることを取得する。
【0108】
また、例えば、通知モジュール2036は、ユーザIDと関連付けられている医療機関名及び患者IDについてのスケジュールに関する情報に基づき、接続した日に対応付けられている情報が記憶部202に記憶されているか否かを判断する。対応付けられている情報がある場合、通知モジュール2036は、対応付けられている情報を記憶部202の所定のテーブル、例えば、クリニカルパステーブル2024から取得する。
【0109】
ステップS24において、通知モジュール2036は、取得した情報を端末装置10へ通知する。具体的には、例えば、通知モジュール2036は、前回の接続日時以降に更新された情報があることを端末装置10へ通知する。このとき、通知モジュール2036は、情報が更新された日時を端末装置10へ通知してもよいし、更新があったことを端末装置10へ通知してもよい。また、通知モジュール2036は、更新された情報があることを、医療機関を判別可能に通知してもよい。
【0110】
また、通知モジュール2036は、接続した日に対応付けられている情報を端末装置10へ通知する。このとき、情報に対して予定時刻が設定されている場合、通知モジュール2036は、設定されている時刻も端末装置10へ通知してもよい。また、通知モジュール2036は、接続した日に対応付けられている情報を、医療機関を判別可能に通知してもよい。
【0111】
ステップS25において、制御部190は、送受信部192により、第1サーバ20から送信される情報を受信する。制御部190は、提示制御部194により、受信した情報をユーザに提示する。具体的には、例えば、提示制御部194は、前回の接続日時以降に更新された情報があることをディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部194は、接続した日に対応付けられている情報をディスプレイ141に表示させる。
【0112】
図14は、端末装置10で表示されるプッシュ通知の例を表す模式図である。
図14では、プッシュ通知を表す画面が、アプリケーションのホーム画面として設定されている場合を表している。
図14に示す画面には、前回の接続日時以降に更新された情報を表示する領域1411が含まれる。
図14において、領域1411には、更新された情報として、書類が届いたこと、看護計画表が更新されたこと、治療費が更新されたことが表示されている。なお、領域1411に表示される内容はこれらに限定されない。また、領域1411に表示される内容には、その内容がどこの医療機関についての情報か認識できるように、医療機関に関する情報が記載されていてもよい。
【0113】
また、
図14に示す画面には、接続した日に対応付けられている情報を表示する領域1412が含まれる。
図14において、領域1412には、接続した日に対応付けられている情報として、夕食の確認をすること、点滴があること、検温があること、昼食の確認をすることが表示されている。昼食の確認をすることは、確認済みであるとして、チェックが付けられている。
【0114】
領域1412には、服薬を確認するためのボタン14121が表示されている。ユーザがボタン14121を押下すると、服薬を確認するための画面が表示される。
【0115】
図15は、端末装置10で表示される、服薬を確認するための画面の例を表す模式図である。
図15に示す画面では、処方薬の服薬を促す内容が表示されている。
図15に示す画面では、服薬したことを入力するためのボタン14122が表示されている。ユーザは、処方薬を服薬すると、ボタン14122を押下する。ユーザがボタン14122を押下すると、端末装置10は、ユーザが処方薬を服薬したことを医療機関等へ送信する。
【0116】
なお、
図14の領域1412に表示される内容はこれらに限定されない。例えば、上述した、所定の日と対応付けられている情報のうちいずれかが表示されていてもよい。また、領域1412に表示される内容には、医療機関に関する情報が記載されていてもよい。また、
図14に示す画面では、ユーザが接続した日についての情報に加え、接続日以前の情報も閲覧可能となっていてもよい。例えば、
図14に示す画面を上にスライド操作することで、過去の情報も表示される。
【0117】
(ユーザ要求に応じた情報の表示処理)
図16は、ユーザからの要求に応じ、診療に関する情報を端末装置10に表示する際の端末装置10と第1サーバ20との動作の例を説明するための図である。
【0118】
ステップS31において、端末装置10は、所望する医療機関についての指定をユーザから受け付ける。ユーザは、診察券を登録している医療機関のうち、診療に関する情報を確認したい医療機関を指定する。具体的には、例えば、ユーザは、
図14に示される診察券アイコン1413を押下する。制御部190は、診察券アイコン1413が押下されると、提示制御部194により、医療機関の選択を受け付けるための画面をディスプレイ141に表示させる。提示制御部194は、例えば、選択可能な医療機関をリスト状にして表示する。ユーザは、表示される医療機関のうち、診療に関する情報を確認したい医療機関を選択する。
【0119】
ステップS32において、制御部190は、送受信部192により、ユーザが選択した医療機関を第1サーバ20へ通知する。
【0120】
ステップS33において、第1サーバ20の制御部203は、抽出モジュール2035により、指定された医療機関についてのユーザの情報を抽出する。具体的には、例えば、抽出モジュール2035は、医療機関ID及び患者IDをキーとして、カルテ情報テーブル2023、クリニカルパステーブル2024、処方薬情報テーブル2025、関係書類情報テーブル2026から情報を抽出する。
【0121】
ステップS34において、制御部203は、提示制御モジュール2038により、抽出した情報をユーザに提示する。例えば、制御部203は、送信制御2032により、抽出した情報を表示させるための情報を端末装置10へ送信する。
【0122】
ステップS35において、制御部190は、提示制御部194により、第1サーバ20により提供された情報、つまり、ユーザにより選択された医療機関についての情報をディスプレイ141に表示させる。
【0123】
図17は、ユーザにより選択された医療機関についての情報を表示する画面の例を表す模式図である。
図17に示す画面には、医療機関を表す領域1417が含まれる。領域1417には、医療機関名、及び患者IDが表示されている。また、領域1417には、ユーザの要求を入力するためのアイコンを表す領域14171が表示されている。領域14171に表示されるアイコンは、対応する医療機関での診察を予約するためのアイコン、対応する医療機関へ電話をかけるためのアイコン、対応する医療機関のホームページへアクセスするためのアイコン、対応する医療機関についての情報を共有する者(共有者)を設定するためのアイコン等を含む。医療機関へ連絡するための情報は、例えば、医療機関テーブル2022に記憶されている情報に基づく。診察を予約するためのアイコンは、診察予約の状況を確認するためのアイコンであってもよい。
【0124】
情報の共有者を設定するためのアイコンがユーザによりタップされると、制御部190は、共有者の指定を受け付ける。ユーザは、例えば、医療機関毎に共有者を設定することが可能である。これにより、設定された共有者は、本アプリケーションから、ユーザの診療に関する情報のうち、該当する医療機関についての情報を閲覧することが可能となる。また、ユーザは、例えば、診療科毎に共有者を設定することが可能となる。これにより、設定された共有者は、本アプリケーションから、ユーザの診療に関する情報のうち、該当する診療科についての診療情報を閲覧することが可能となる。医療機関毎、又は診療科毎に共有者を設定可能とすることで、ユーザは、プライバシーを維持しつつ、適切な情報を共有することが可能となる。
【0125】
図17に示す画面には、医療機関において診察を受けている診療科を表す領域1418が含まれる。領域1418では、診察を受けている診療科が、例えば、リスト状に配列されて表示されている。領域1418における各診療科の表示には、診療科の名称、担当医、直近で設定されている予定、クリニカルパスにおける現在のステータス等が含まれている。これらの情報は、例えば、カルテ情報テーブル2023、クリニカルパステーブル2024等に記憶されている情報に基づく。
【0126】
ステップS36において、端末装置10は、所望する情報の指定をユーザから受け付ける。例えば、ユーザは、領域1418で表示される診療科のうち、診療に関する情報を確認したい診療科を指定する。また、例えば、ユーザは、現在設定されているクリニカルパスを確認したい場合、クリニカルパスアイコン1414を指定する。また、例えば、ユーザは、配布されている書類のうち、確認したい書類がある場合、関係書類アイコン1415を指定する。
【0127】
ステップS37において、制御部190は、送受信部192により、ユーザが所望する情報を第1サーバ20へ通知する。
【0128】
ステップS38において、制御部203は、抽出モジュール2035により、ユーザが所望する情報を記憶部202から抽出する。具体的には、例えば、抽出モジュール2035は、医療機関ID及び患者IDをキーとして、カルテ情報テーブル2023、クリニカルパステーブル2024、処方薬情報テーブル2025、関係書類情報テーブル2026から、ユーザが所望する情報を抽出する。
【0129】
ステップS39において、制御部203は、提示制御モジュール2038により、抽出した情報をユーザに提示する。例えば、制御部203は、送信制御モジュール2032により、抽出した情報を表示させるための情報を端末装置10へ送信する。
【0130】
ステップS310において、制御部190は、提示制御部194により、第1サーバ20により提供された情報、つまり、ユーザが所望する情報をディスプレイ141に表示させる。
【0131】
図18は、
図17において、領域1418で表示される診療科のいずれかが選択された場合の画面の例を表す模式図である。
図18に示す画面には、ユーザが項目を選択可能な領域14181が含まれる。領域14181においては、「診療情報」、「食事」、「お薬」の項目が選択可能となっている。
【0132】
また、
図18に示す画面には、領域14181の領域に対応する小項目を選択可能な領域14182が含まれる。領域14182においては、「診療情報」についての小項目である「血液検査」、「検温」が選択可能となっている。また、図示はしていないが、「お薬」についての小項目としては「注射」、「服用」が選択可能である。なお、項目、小項目は上記に限定されず、クリニカルパスで規定される情報に基づき、任意に設定可能である。
【0133】
また、
図18に示す画面には、選択した項目、又は選択した小項目と対応する内容の情報が表示される領域14183が含まれる。
図17に示す画面では、領域14183には、小項目「血液検査」についての測定値が表示されている。
【0134】
図19は、クリニカルパスアイコン1414が選択された場合の画面の例を表す模式図である。
図19に示す画面には、ユーザに対して設定されているスケジュールを表示する領域14141が含まれる。領域14141では、クリニカルパスで規定されるスケジュールが表示される。各スケジュールは、クリニカルパスに基づく期間と対応する幅を有する帯で表される。該当期間を表す帯は、対象となる項目毎に縦方向に並べられている。ユーザが帯をタップすると、提示制御部194は、詳細な情報を表示するウィンドウ141411を立ち上げる。
【0135】
図19に示す画面では、スケジュールのスケールを切り替えるための領域14142が含まれる。領域14142では、「日」、「週」、「月」が選択可能となっている。
【0136】
図20は、関係書類アイコン1415が選択された場合の画面の例を表す模式図である。
図20に示す画面では、所定のファイル形式の書面、画像がリスト状に配列されて表示されている。ユーザがいずれかの書面又は画像をタップすると、提示制御部194は、タップされた書面又は画像を記憶部202から取得し、取得した書面又は画像をディスプレイ141に表示させる。記憶部202には、患者に注意事項等を説明するための動画が記憶されていてもよい。このとき、
図20に示す画面において、例えば、動画がリスト状に配列されて表示されている。ユーザがいずれかの動画をタップすると、提示制御部194は、タップされた動画を記憶部202から取得し、取得した動画をディスプレイ141に表示させる。
【0137】
図21は、その他アイコン1416が選択された場合の画面の例を表す模式図である。
図21に示す画面には、オンライン診療を開始するためのアイコン14161、医療関係者とのチャットを開始するためのアイコン14162、売店サイトへ接続するためのアイコン14163、カメラ160により記録を取るためのアイコン14164が含まれる。アイコン14164がユーザにより押下されると、カメラ160が起動される。ユーザは、カメラ160を操作し、例えば、患部を撮影する。制御部190は、カメラ160により撮影された画像を第1サーバ20へ送信する。第1サーバ20は、受信した画像を記憶部202に記憶し、所定のタイミングで病院システム30へ送信する。
【0138】
(リハビリテーションの管理)
図22は、リハビリテーションを管理する際の端末装置10と第1サーバ20との動作の例を説明するための図である。
【0139】
ステップS41において、端末装置10は、リハビリテーションの開始の指示をユーザから受け付ける。具体的には、例えば、ユーザは、端末装置10を操作し、アプリケーションのホーム画面を確認する。ホーム画面は、例えば、
図14に示すような態様で情報を表示しており、領域1412に、「リハビリを実施すること」が実施予定時刻と共に表示されている。ユーザは、表示されている時刻に達すると、例えば、領域1412に表示される「リハビリを実施すること」をタップする。ユーザにより「リハビリを実施すること」がタップされると、提示制御部194は、リハビリの開始を受け付けるための画面をディスプレイ141に表示させる。ユーザは当該画面において、リハビリの開始を指示する。
【0140】
リハビリの実施予定時刻は、例えば、カルテ情報テーブル2023に記憶されるリハビリ計画、又はクリニカルパステーブル2024に記憶されるクリニカルパス等において設定されている。リハビリ計画、又はクリニカルパスにおいて、リハビリの実施予定時刻が設定されておらず、リハビリを実施する日付のみが設定されていることもある。このとき、ユーザは、リハビリを実施する時刻を自ら端末装置10に登録してもよい。また、領域1412に表示される、リハビリの実施を気付かせる表示、つまり「リハビリを実施すること」の表示は、実施予定時刻が表示されておらず、その日にリハビリを実施することのみが提示されてもよい。対応する日にリハビリを実施する必要があることをユーザに伝えることで、ユーザにリハビリの実施を促すことが可能となる。
【0141】
ステップS42において、制御部190は、リハビリ管理部193により、ユーザによる運動を実施させる。具体的には、例えば、リハビリ管理部193は、ユーザからリハビリテーションの開始が指示されると、カメラ160を起動させる。リハビリ管理部193は、ユーザの運動をカメラ160で撮影可能な位置に端末装置10を載置するように、スピーカー172、又はディスプレイ141から、端末装置10の載置位置についての説明を提示する。
【0142】
ユーザは、運動の対象となる部位がカメラ160により撮影されるように端末装置10を載置する。例えば、歩行訓練のような移動を伴う運動の場合は、ユーザは、移動の様子が撮影される位置に端末装置10を載置する。歩行訓練のための印を用意し、印がカメラ160の画角に含まれるように端末装置10の位置を調整してもよい。
【0143】
図23は、リハビリテーションの運動を端末装置10が撮影する際の模式図を表す。
図23において、運動を行う患者Aが端末装置10により撮影され、撮影された画像が端末装置10のディスプレイ141に表示されている。
【0144】
端末装置10が適当な位置に載置されると、リハビリ管理部193は、ユーザが運動を実施可能なように、スピーカー172、又はディスプレイ141から運動内容についての指導を提示する。ユーザは、指導内容に従い、運動を行う。リハビリ管理部193は、カメラ160により、運動するユーザを撮影する。また、例えば、リハビリ管理部193は、撮影した画像に基づき、ユーザの運動を指導するようにしてもよい。具体的には、例えば、リハビリ管理部193は、リハビリに係る正しい姿勢等の情報を記憶している。また、リハビリ管理部193は、ユーザについて設定された目標に基づく情報を記憶している。目標に基づく情報は、例えば、可動範囲、稼働方向、反復回数である。リハビリ管理部193は、例えば、撮影した画像を画像解析した結果と、これらの情報とを比較し、リハビリに適した運動が実施可能なようにユーザを指導する。
【0145】
ステップS43において、送受信部192は、ユーザがリハビリテーションを実施したことを表す情報、開始した時刻を表す情報、撮影した画像に関する画像データを第1サーバ20へ送信する。
【0146】
リハビリ管理部193は、予定されるリハビリテーションがユーザにより実施されない場合、リハビリテーションが実施されていないことをユーザへ通知する。具体的には、例えば、リハビリ管理部193は、予定される時刻から所定時間経過してもリハビリの開始が指示されない場合、ユーザへ、リハビリが予定されている時刻が徒過したことを通知する。また、リハビリ管理部193は、リハビリを実施する予定時刻が設定されていない場合、リハビリの実施が予定されている日の所定時刻までにリハビリが実施されたか否かを判断する。所定時刻までにリハビリが実施されていない場合、リハビリ管理部193は、リハビリが実施されていないことをユーザに通知する。リハビリ管理部193は、リハビリが継続して実施されていない場合、リハビリが実施されていないことを通知すると共に、リハビリを継続しないことによる問題を提示してもよい。
リハビリ管理部193は、例えば、リハビリが実施されないままその日が終了した場合、その日にリハビリが実施されなかったことを第1サーバ20へ送信する。
【0147】
ステップS44において、制御部203は、リハビリ管理モジュール2037により、ユーザによるリハビリテーションを管理する。例えば、リハビリ管理モジュール2037は、端末装置10から受信した情報をリハビリ管理テーブル2027に記憶する。リハビリ管理モジュール2037は、所定のタイミングで、リハビリ管理テーブル2027に記憶する情報を送信制御モジュール2032により病院システム30へ送信する。所定のタイミングは、例えば、1日に1回の情報のバックアップのタイミング等である。これにより、医師等の管理者は、患者のリハビリの状態を把握することが可能となる。また、管理者は、患者からのコメントがある場合、そのコメントを確認する。管理者は、コメントに対する回答を返信してもよいし、スケジュールを修正してもよい。これにより、リハビリに関する実際のデータに基づいて、患者と管理者との間でコミュニケーションをとることが可能となり、リハビリについての疑問を解消させることが可能となるので、正しいリハビリを実施することが可能となる。また、管理者が常に協力してくれるという感情が湧くため、患者がリハビリを実施するモチベーションが維持される。
【0148】
抽出モジュール2035は、リハビリ管理テーブル2027に記憶される情報を抽出し、患者、又は情報の共有者へ提供してもよい。具体的には、例えば、抽出モジュール2035は、患者、又は情報の共有者から、リハビリに関する情報の閲覧が要求された場合、要求された情報をリハビリ管理テーブル2027から読み出し、読み出した情報を要求元へ提供する。
【0149】
また、リハビリ管理モジュール2037は、ユーザにより実施されるリハビリテーションを評価する。例えば、リハビリ管理モジュール2037は、端末装置10から送信される画像データを、学習済みモデル2028に入力し、画像データに含まれる患者の骨格モデルを取得する。学習済みモデル2028は、リハビリテーションの対象とする部位毎に用意されていてもよい。この場合、画像データには、例えば、リハビリテーションの対象を表す識別情報が付されている。リハビリ管理モジュール2037は、識別情報に基づき、ユーザに適した学習済みモデル2028を選択する。リハビリ管理モジュール2037は、患者の運動と連動する骨格モデルの運動に基づき、患者の運動を数値化する。リハビリ管理モジュール2037は、計測結果をリハビリ管理テーブル2027に記憶する。
【0150】
リハビリ管理モジュール2037は、例えば、カルテ情報テーブル2023に記憶されるリハビリ計画、又はクリニカルパステーブル2024に記憶されるクリニカルパス等から、対応する日の運動に対して設定されている目標を取得する。リハビリ管理モジュール2037は、計測結果と目標とを比較し、対応する日のリハビリを評価する。例えば、リハビリ管理モジュール2037は、計測結果が目標に達している場合、対応する日のリハビリが適切に実施できたと判断する。一方、リハビリ管理モジュール2037は、計測結果が目標に達しない場合、対応する日のリハビリが適切に実施できなかったと判断する。
【0151】
リハビリ管理モジュール2037は、計測結果に基づき、ユーザの運動が、取得した目標に達するようにアドバイスするようにしてもよい。例えば、リハビリ管理モジュール2037は、可動範囲が目標よりも狭い場合には、目標に沿った可動範囲となるように運動を補助する情報を提示する。また、リハビリ管理モジュール2037は、稼働方向に改善の余地がある場合、正しい稼働方向となるように運動を補助する情報を提示する。また、リハビリ管理モジュール2037は、反復回数が目標よりも少ない場合には、反復回数が目標に達するように運動を促す。
【0152】
ステップS45において、リハビリ管理モジュール2037は、目標に対する達成度に応じ、例えば、医師へリハビリ計画の変更を提案する。
【0153】
以上のように、上記実施形態では、制御部203は、記憶モジュール2033により、医療機関から提供された、患者の診療に関する情報を記憶部202に記憶する。制御部203は、通知モジュール2036により、診療に関する情報に含まれる、患者のスケジュールに関する情報から、当日に対応付けられている情報を、患者が使用する端末に送信する。これにより、第1サーバ20は、患者のクリニカルパス(スケジュールに関する情報)に合わせ、患者が必要とする情報をプッシュで患者へ通知することが可能となる。
【0154】
したがって、本実施形態によれば、患者が自身の診療に関する情報を手軽に確認可能となるため、患者の不安を軽減できる。
【0155】
また、上記実施形態では、通知モジュール2036は、当日に対応付けられている情報に、当該情報に関連する時刻を関連付ける。これにより、表示される情報に対応する事象が実施される時刻、又は患者が事象を実施する時刻を患者が把握することが可能となり、第1サーバ20は、患者が当日に対応付けられている情報について失念することを防ぐことが可能となる。
【0156】
また、上記実施形態では、通知モジュール2036は、当日に対応付けられている情報に、当該情報に関連する医療機関の情報を関連付ける。これにより、患者は、登録されている医療機関が複数ある場合であっても、どの医療機関に係る情報であるかを一目で把握可能となる。このため、診療に関する情報を確認する際の利便性が向上する。
【0157】
また、上記実施形態では、通知モジュール2036は、患者からの要求を経ずに、当日に対応付けられている情報を患者に送信する。これにより、第1サーバ20は、患者が把握していない大切な情報を、患者からの要求がなくても通知することが可能となる。
【0158】
また、上記実施形態では、通知モジュール2036は、前回の情報の提示以降に更新があった情報が存在することを患者に送信する。これにより、第1サーバ20は、患者が把握していない更新情報を、患者からの要求がなくても通知することが可能となる。
【0159】
また、上記実施形態では、制御部203は、抽出モジュール2035により、電子カルテに関する情報、オーダに関する情報、会計に関する情報、画像に関する情報、診療のスケジュールに関する情報、診療に係る書面に関する情報、又はこれらのうち少なくとも2つの組み合わせを含む診療に関する情報から、患者が所望する情報の指定を受け付ける。抽出モジュール2035は、患者から指定された情報を、患者が使用する端末に送信する。これにより、第1サーバ20は、スケジュールに関する情報と合わせ、診療に関する詳細な情報を患者へ提供することが可能となる。
【0160】
また、上記実施形態では、制御部203は、受信制御モジュール2031により、診療に関する情報を、医療機関から所定の周期で受信する。制御部203は、記憶モジュール2033により、受信した診療に関する情報を記憶部202に蓄積する。これにより、第1サーバ20は、医療機関に記憶される最新の情報を蓄積することが可能となる。
【0161】
また、上記実施形態では、制御部203は、登録モジュール2034により、患者以外の者が使用する端末への情報の送信を許可する。提示制御モジュール2038は、許可された者の要求に応じ、当該者が使用する端末へ患者の診療に関する情報を送信する。これにより、患者と関わる者に対し、患者についての診療に関する情報を共有することが可能となる。
【0162】
また、上記実施形態では、登録モジュール2034は、医療機関毎、又は診療科毎に情報の送信を許可する。これにより、必要に応じて情報の共有範囲を設定可能となるため、患者のプライバシーを適切に守ることが可能となる。
【0163】
<変形例>
上記実施形態では、第1サーバ20がユーザのリハビリテーションにおける運動を評価する場合を説明したが、ユーザの運動を評価するのは、第1サーバ20に限定されない。端末装置10がユーザの運動を評価してもよい。
【0164】
例えば、制御部190は、画像を解析することでユーザの運動を評価する機能を有していてもよい。制御部190は、例えば、カメラ160で撮影した運動についての画像を解析し、画像に含まれるユーザを認識し、認識したユーザにより実施される運動を数値化する。具体的には、例えば、記憶部180は、ユーザの画像に基づき、ユーザの骨格モデルを作成する学習済みモデルを記憶している。この学習済みモデルは、例えば、記憶部202に記憶される学習済みモデル2028と同様のモデルである。
【0165】
記憶部180に記憶される学習済みモデルは、ユーザのリハビリ計画に応じたモデルであってよい。例えば、リハビリテーションにおいて運動の対象となる部位は、疾患によって異なる。学習済みモデルは、例えば、それぞれの部位に応じた骨格モデルを出力するように学習されている。学習済みモデルは、例えば、リハビリが開始される際に、第1サーバ20からダウンロード可能になっている。学習済みモデルが、疾患に応じた骨格モデルを出力するため、端末装置10での計算量を抑えることが可能となる。
【0166】
制御部190は、患者の運動を数値化した結果を第1サーバ20へ送信する。
【0167】
制御部190は、計測結果に基づいて患者の運動を評価する。例えば、制御部190は、カルテ情報テーブル2023に記憶されるリハビリ計画、又はクリニカルパステーブル2024に記憶されるクリニカルパス等から、対応する日の運動に対して設定されている目標を取得する。制御部190は、計測結果と目標とを比較し、対応する日のリハビリを評価する。制御部190は、評価結果を第1サーバ20へ送信する。
【0168】
制御部190が、患者の運動を数値化した結果、運動の評価結果、又はこれらの両方を第1サーバ20へ送信する場合、例えば、端末装置10は、リハビリテーションに関する運動を撮影した画像を第1サーバ20へ送信しなくてもよい。これにより、端末装置10と、第1サーバ20との通信量が抑えられる。
【0169】
また、上記実施形態では、端末装置10のディスプレイ141における領域1412に、リハビリの実施を気付かせる内容が表示される場合を説明した。しかしながら、リハビリの実施を気付かせる内容と共に、リハビリにかかる時間が表示されてもよい。また、領域1412には、トレーニングの実施を気付かせる内容が表示されてもよく、トレーニングの実施を気付かせる内容と共に、トレーニングにかかる時間が表示されてもよい。
【0170】
また、上記実施形態では、リハビリ管理モジュール2037は、目標に対する達成度に応じ、医師へリハビリ計画の変更を提案する場合を説明した。しかしながら、リハビリ管理モジュール2037がリハビリ計画の変更を提案するのは、目標に対する達成度に限定されない。第1サーバ20は、端末装置10を介して、ユーザの生活に関する情報を取得することが可能である。例えば、端末装置10は、ユーザが生活する際に取得される所定のセンシング情報を取得する。所定のセンシング情報は、例えば、ウェアラブルデバイスによって取得された情報、端末装置10に設けられたデバイスにより取得された情報等を含む。また、端末装置10は、ユーザの生活における所定の情報を、ユーザ自身の入力から取得する。所定の情報は、例えば、ユーザの家の間取り、居住環境、ユーザの移動環境(自動車、電車等)、家族構成等を含む。リハビリ管理モジュール2037は、端末装置10から取得した、ユーザの生活に関する情報に基づいて医師へリハビリ計画の変更を提案する。リハビリ管理モジュール2037は、例えば、生活において足らない運動を把握し、足らないと推定される運動と対応する運動を追加するように医師へ提案する。また、リハビリ管理モジュール2037は、例えば、生活において足りている運動を把握し、割愛してもよいと推定される運動を削減するように医師へ提案する。
【0171】
<4 コンピュータの基本ハードウェア構成>
図24は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらはバスにより相互に電気的に接続される。
【0172】
プロセッサ91とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ91は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0173】
主記憶装置92とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0174】
補助記憶装置93とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0175】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0176】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0177】
<コンピュータ90の基本機能構成>
図24に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0178】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0179】
制御部は、プロセッサ91が補助記憶装置93に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0180】
記憶部は、主記憶装置92、補助記憶装置93により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0181】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0182】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0183】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0184】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、医療機関から提供された、患者の診療に関する情報を記憶部に記憶するステップと、診療に関する情報に含まれる、患者のスケジュールに関する情報から、当日に対応付けられている情報を患者が使用する端末に送信するステップとを実行させるプログラム。
(付記2)
送信するステップにおいて、当日に対応付けられている情報に、当該情報に関連する時刻を関連付ける(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
送信するステップにおいて、当日に対応付けられている情報に、当該情報に関連する医療機関の情報を関連付ける(付記1)又は(付記2)に記載のプログラム。
(付記4)
送信するステップにおいて、患者からの要求を経ずに、当日に対応付けられている情報を患者に送信する(付記1)乃至(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
(付記5)
送信するステップにおいて、前回の情報の提示以降に更新があった情報が存在することを患者に送信する(付記1)乃至(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
電子カルテに関する情報、オーダに関する情報、会計に関する情報、画像に関する情報、診療のスケジュールに関する情報、診療に係る書面に関する情報、又はこれらのうち少なくとも2つの組み合わせを含む診療に関する情報から、患者が所望する情報の指定を受け付けるステップと、患者から指定された情報を、患者が使用する端末に送信するステップとをプロセッサに実行させる(付記1)乃至(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
(付記7)
診療に関する情報を、医療機関から所定の周期で受信するステップと、受信した診療に関する情報を蓄積するステップとをプロセッサに実行させる(付記1)乃至(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
患者以外の者が使用する端末への情報の送信を許可するステップと、許可された者の要求に応じ、当該者が使用する端末へ患者の診療に関する情報を送信するステップとをプロセッサに実行させる(付記1)乃至(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
者への情報の送信を許可するステップにおいて、医療機関毎、又は診療科毎に情報の送信を許可する(付記8)に記載のプログラム。
(付記10)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、(付記1)乃至(付記9)のいずれかに記載のステップを実行する方法。
(付記11)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部が、(付記1)乃至(付記9)のいずれかに記載のステップを実行する情報処理装置。
(付記12)
(付記1)乃至(付記9)のいずれかに記載のステップを実行する手段を具備するシステム。
【符号の説明】
【0185】
1…システム
10…端末装置
120…通信部
13…入力装置
131…タッチ・センシティブ・デバイス
14…出力装置
15…メモリ
16…ストレージ
19…プロセッサ
20…第1サーバ
22…通信IF
23…入出力IF
25…メモリ
26…ストレージ
29…プロセッサ
【要約】
【課題】患者が自身の診療に関する情報を手軽に確認可能とすることで、患者の不安を軽減する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、医療機関から提供された、患者の診療に関する情報を記憶部に記憶するステップと、診療に関する情報に含まれる、患者のスケジュールに関する情報から、当日に対応付けられている情報を患者が使用する端末に送信するステップとを実行させる。
【選択図】
図11