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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】履物物品
(51)【国際特許分類】
   A43B 23/02 20060101AFI20221223BHJP
   A43B 13/04 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
A43B23/02 101Z
A43B13/04 A
A43B23/02 105Z
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017007392
(22)【出願日】2017-01-19
(65)【公開番号】P2017136364
(43)【公開日】2017-08-10
【審査請求日】2020-01-15
(31)【優先権主張番号】62/280,663
(32)【優先日】2016-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516069801
【氏名又は名称】フエースト グループ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】フエースト ローリー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】デル ビオンディ ステファノ
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-533620(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0223779(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第01055620(FR,A1)
【文献】米国特許第02143556(US,A)
【文献】特開2002-219002(JP,A)
【文献】米国特許第06701644(US,B2)
【文献】米国特許第06128835(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0071041(US,A1)
【文献】実公昭11-006005(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/00-13/12,23/00-23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物物品であって、
少なくとも一部が、少なくとも部分的に足を覆うように構成された2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードのバイトを介して形成された甲部を含み、
前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードは、前記履物物品のヒール側から前記履物物品のつま先側へ向かう方向に延びるループラインを形成し、
前記ループラインは、前記2つ以上のコードのバイトが絡み合うことで形成されており、
前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードのうち1つのコードは、前記甲部の一部の周りを横切るアンカーコードと係合しており、
前記アンカーコードは、前記ループラインに平行であり、前記甲部内であって前記ループラインとソールの間に配置されている、
履物物品。
【請求項2】
前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードの1つは、前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードの他の1つと、複数の選択された位置で係合している、
請求項1に記載の履物物品。
【請求項3】
前記複数の選択された位置は、前記甲部の一部の周りを横切る前記ループラインを含む前記ループラインに沿って配置されている、
請求項2に記載の履物物品。
【請求項4】
前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードは、任意の方向に曲がる可撓性を有するものの、少なくとも一部においてその形状を自由な状態で保持する、
請求項1に記載の履物物品。
【請求項5】
前記甲部に結合された前記ソールをさらに含み、前記ソールの底部から離れて前記アンカーコードが配置されている、
請求項1に記載の履物物品。
【請求項6】
前記甲部の繊維構成の少なくとも一部と前記ソールとの間の開放空間をさらに含み、前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードは少なくとも部分的に前記開放空間を覆う、
請求項5に記載の履物物品。
【請求項7】
前記アンカーコードは前記ソールの底部に平行ではない、
請求項5に記載の履物物品。
【請求項8】
前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードは、前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードのうち前記1つのコードで形成された複数のアンカー連結用バイトを介して前記アンカーコードと係合される、
請求項1に記載の履物物品。
【請求項9】
前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードの第1コードは第1の複数ループを形成し、
前記2つ以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードの第2コードは第2の複数ループを形成し、
前記第1の複数ループにおける第1ループは、前記第2の複数ループのうちの少なくとも2つのループと絡み合いかつ滑り移動可能に係合し、
前記少なくとも2つのループの第2ループは、前記第1ループを含む前記第1の複数ループの少なくとも2つのループと絡み合いかつ滑り移動可能に係合する、
請求項1に記載の履物物品。
【請求項10】
履物物品であって、
ソールと、
前記ソールと結合された甲部と、を含み、
前記甲部は、布地構造体及びコード構造体を含み、
前記コード構造体は、ループラインを介して互いに絡み合った少なくとも2つのコードを含み、前記ループラインは前記少なくとも2つのコードのバイトが絡み合うことで形成されており、前記コード構造体における前記少なくとも2つのコードのうちの1つのコードは前記ループラインに平行であって前記ループラインの下に配置されたアンカーコードと係合し、
前記アンカーコードは、前記甲部内であって前記ループラインと前記ソールの間に配置されている、
履物物品。
【請求項11】
前記アンカーコードは、前記甲部の前記布地構造体に縫い付けられる、
請求項10に記載の履物物品。
【請求項12】
前記アンカーコードは、前記甲部の少なくとも一部の周りに延びている、
請求項10に記載の履物物品。
【請求項13】
前記甲部の内側(ないそく)側には前記アンカーコードが配置され、
前記甲部の外側(がいそく)側に配置され、前記コード構造体の少なくとも1つのコードと係合する第2アンカーコードをさらに含む、
請求項10に記載の履物物品。
【請求項14】
前記ソールの第1部分は、エチレン酢酸ビニルから形成され、前記ソールの第2部分はゴムから形成される、
請求項10に記載の履物物品。
【請求項15】
履物物品であって、
足を囲むように構成された構造を形成する複数のコードを有するループ状の甲部を含み、前記甲部の前記複数のコードは互いに滑り可能に係合しており、前記複数のコードのうちの1つが、さらに、前記甲部に結合されたソールの底部から離れてかつ前記底部に平行とならないように配置されたアンカーコードと係合しており、
前記複数のコードの第1コードは第1の複数ループを形成し、
前記複数のコードの第2コードは第2の複数ループを形成し、
前記第1の複数ループの1つのループは、前記第2の複数ループのうちの少なくとも2つのループと滑り可能に係合し、
前記第2の複数ループの1つのループは、前記第1の複数ループのうちの少なくとも2つのループと滑り可能に係合し、
前記第1の複数ループと前記第2の複数ループの滑り可能な係合は、前記アンカーコードと平行なループラインを形成し、前記アンカーコードは前記甲部において前記ループラインと前記ソールとの間に配置されている、
履物物品。
【請求項16】
前記滑り可能な係合はコード界面において形成され、前記コード界面は、前記甲部の内側(ないそく)側および外側(がいそく)側を横切る前記ループラインに沿って配置され、さらに、前足およびつま先領域の少なくとも一方を横切って配置され、前記コード界面は、第2ループに対して絡み合いかつ滑り移動可能な第1ループを含み、前記第1ループおよび前記第2ループは、前記複数のコードから形成されている、
請求項15に記載の履物物品。
【請求項17】
ループ状の前記甲部は、前記ソールから離れて配置された複数の滑り可能な界面における絡み合ったパターンで形成される、
請求項15に記載の履物物品。
【請求項18】
前記構造によって少なくとも一部が囲まれたブーティーをさらに含む、
請求項15に記載の履物物品。
【請求項19】
履物物品であって、
ソールと、
前記ソールと結合された甲部と、を含み、
前記甲部は、布地構造体と、第1コード構造体及び第2コード構造体を含み、
前記第1コード構造体は、ループラインを介して互いに絡み合った少なくとも2つのコードを含み、前記第1コード構造体の前記ループラインは前記第1コード構造体の前記少なくとも2つのコードのバイトが絡み合うことで形成されており、前記第1コード構造体の前記少なくとも2つのコードの1つのコードは前記ループラインに平行なアンカーコードと係合し、
前記第2コード構造体は、前記履物物品のヒール領域に配置されると共に、ループラインを介して互いに絡み合った少なくとも2つのコードを含み、前記第2コード構造体の前記ループラインは前記第2コード構造体の前記少なくとも2つのコードのバイトが絡み合うことで形成されており、
前記アンカーコードが前記履物物品のヒール領域であって前記第2コード構造体の下側を横切るように配置されることで、前記第2コード構造体が前記アンカーコードに結合し、
前記アンカーコードは、前記甲部内であって前記ループラインと前記ソールの間に配置されている、
履物物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード構造体を有する履物物品に関する。
【背景技術】
【0002】
履物の構築は、典型的には、履物物品を形成するために、平らな材料を三次元形状する操作に依存する。布地、皮革、または他の材料は、裁断され、縫製または別の方法で取り付けられ、例えば履物の甲部のような物の所望の形を作り出すための足型の周りに巻き付けられてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、この伝統的なアプローチにおける幾つかの欠点を認識してきた。例えば、甲部を構築するために使用される材料は、柔軟性の点で限定された自由度しか有さず、それにより、甲部が着用者の足に適合する方法を制限し、快適性を低下させる。結果として、履物がかなりの時間にわたって装着された後でさえ、依然として着用者の足の実際の輪郭に完全に適合しないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の問題に少なくとも部分的に対処するために、本発明者らは、履物の構築に対する別のアプローチを取ってきた。一例では、履物物品は、繊維またはコードにより構造体に形成されたループ状の甲部を含んでいてもよい。一例では、甲部のコードは互いに滑り可能に係合していてもよく、界面においてアンカーコードと係合していてもよい。アンカーコードは、甲部において、履物物品のソールから離れてかつ平行に配置されてもよい。このようにして、コード構造体は、甲部の他の部材とは独立して引っ張られ、それにより、コード構造体における、より正確なフィットおよび機能性の向上を可能にする。さらに、履物物品を構築する方法は、コード構造体が、ソールに直接固定されるのではなく甲部に固定されるので、簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】履物物品の第1の例を示す図である。
図2】履物物品の第2の例を示す図である。
図3】履物物品の例示的なソールを示す図である。
【0006】
図1~3は、縮尺通りに示されている。しかし、必要に応じて他の相対的な寸法を使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書では、コードで構築された履物物品を説明する。履物物品は、三次元形状のフィッティング構造を提供するコード構造体における相互結合されたバイトを含むことができる。コード構造体は、柔軟性と快適性を保持しながら履物物品の甲部の可動範囲を増加させる。コード構造体は、バイトによって提供される相対的な動きのために、使用中に足の形状に高度に適合し得る。例えば、外側から内側に向かって甲部を横切りそして前足領域を横切って相互に結合されたバイト配列を提供することによって、例えば、何百もの調整が、コード構造体によって自動的に行われ、その結果、バイト間の各コード部分の適切な長さが達成される。その結果、履物の快適性が向上する。
【0008】
さらに、コード構造体は、履物物品のソールから離れてかつ平行に配置されたアンカーコードを含む。コード構造体の残りの部分は、バイト結合配列によりアンカーコードに結合されてもよい。このようにして、コード構造体は、他の甲部の部材とは独立して引っ張られ、それにより、コード構造体のより正確なフィットおよび機能性の向上を可能にする。さらに、履物物品を構築する方法は、コード構造体が、ソールに直接固定されるのではなく甲部に固定されるので、簡略化される。
【0009】
本明細書に記載されている例示的なコード構造体はまた、足型を使用する他のタイプの履物の構築と比較した場合に、履物物品の製造プロセスを簡略化することを可能にする。
【0010】
図1は、履物物品50の一例を示す。履物物品50は、ソール52を含む。ソール52は、一例では、インソール/ミッドソールであってもよい。したがって、中敷およびミッドソールは、履物物品の単一成分であってもよい。しかし、他の実施例では、中敷とミッドソールは履物物品の別個の構成要素であってもよい。さらに一例では、履物物品50は、アウトソールを含んでもよい。しかし、他の例では、履物物品50はアウトソールを含まなくてもよく、またはアウトソールはソール52に一体化してもよい。
【0011】
ソール52は、甲部67に取り付けられている。具体的には、甲部67は、第1甲部構造体112と第2甲部構造体113とを含み、ソール52は、第2甲部構造体113に取り付けられている。甲部67は、コード構造体66をさらに含む。コード構造体は、相互にかみ合う多数のコード部分から形成することができる。コードは、糸、撚糸、糸、ロープ、ケーブル、編組の糸またはねじれ材料、および/または、先に列挙した例の組み合わせを含む他のコード様の構造体を一緒にねじり合わせるかまたは他の方法で組み合わせることができる。一例では、コードは、外側がシース(sheath)で内側がより線である直径約1/8インチのナイロンコードを含む。もちろん、他のサイズを使用することもできる。別の例では、コードは、中央空隙を充填する内側編組と、内側編組と同じかまたは異なる材料であってもよい外側編組を含む二重編組ナイロンであってもよい。コードは、可撓性であるがその一部の形状を自由状態に維持するものであってもよい。さらに、コードは、幾つかのエラストマー成分を有していてもよい。さらに、異なるコード部分(例えば、ランド(rand)と比較したバンプ(vamp))は、異なる程度の柔軟性、弾性などを有してもよい。一例では、コード構造体66の異なる部分に異なる材料を使用することができる。例えば、より柔軟なタイプのコードをコード構造体66の上部に使用することができ、あまり柔軟性のないタイプのコードをコード構造体の下部に使用することができる。さらに、一例では、ソールに結合されたコード構造体の部分はソールを介して完全に覆われていてもよい。別の例では、コード構造体のソールに結合された部分は、部分的にのみ覆われていてもよい。例えば、つま先に近接するコード構造体の部分は覆われてもよく、一方、ヒールに近いコード構造体の部分は覆われていなくてもよく、またはその逆であってもよい。コード構造体の覆われた部分は、岩石、埃、および/または外部環境からの他の微粒子による摩耗によるコードの早期磨耗の可能性を低減する。結果として、履物物品の寿命が長くなる。
【0012】
一例では、コード構造体66は、第2甲部構造体113の開口を通って延びるアンカーコード69を含むことができる。図示のように、アンカーコード69は、ソール52に平行である。コード構造体66内の1つ以上のコードは、アンカーコード69の周りをループして、甲部とコード構造体との結合を容易にする、アンカー連結用バイト配列(array of anchor connection bights)70を含むことができる。追加的または代替的に、コード構造体の一部は、甲部とコード構造体との結合を可能にするために、甲部に対して、縫合、接着結合(例えば、接着)および/またはスナップ留めされてもよい。
【0013】
したがって、図示された例では、コード構造体は、ソールまたはミッドソールまで延びておらず、むしろ第2甲部構造体113に結合されている。幾つかの例では、本明細書における図2でさらに説明される例のように、アンカーコードは、第2甲部構造体113ではなく、履物物品のミッドソールに取り付けることができることを理解されたい。
【0014】
一例では、コード構造体66はループ状の甲部であってもよい。このような例では、ループ状の甲部は格子状のパターンで形成されるが、ソール52から離れて配置された複数の滑り可能な境界面において実質的に結び目がない。
【0015】
コード構造体66は、履物物品50の甲部であってもよい。コード構造体66は、足を少なくとも部分的に囲むことができる。コード構造体66は、ランドサブストラクチャ(rand substructure)68を含む。ランドサブストラクチャは、アンカーコード69に結合されている。具体的には、一例では、ランドサブストラクチャ68におけるアンカー連結用バイト配列70は、アンカーコード69に結合され、および/またはアンカーコード69を通って延びることができる。一例では、連結用バイトは、ランドサブストラクチャ68における単一のコードにより形成することができる。したがって、単一のコードは複数のバイトを有することができる。バイトは、コード構造体66におけるより大きなコードの湾曲した部分または箇所である。従って、バイトは、コードにおけるループの一部であってもよい。
【0016】
ランドサブストラクチャ68は、さらに、バンプ連結用バイト(vamp attachment bights)74を含む。バンプ連結用バイト74は、コード構造体66のバンプサブストラクチャ(vamp substructure)78に含まれるランド連結用バイト(rand attachment bights)76に連結されている(例えば、相互に結合され、インターロックされ、縫い合わされ、絡み合わされ、および/または滑り係合されている)。バンプ連結用バイト74とランド連結用バイト76との相互結合は、ループラインを形成する。ループラインは、ランドサブストラクチャ68とバンプサブストラクチャ78との間の界面であってもよい。ループラインは、履物物品60のヒール側60から履物物品のつま先側58に向かう方向に延びている。図示されているように、ループラインはアンカーコード69にも平行である。ループラインはまた、履物物品50のティビュラ側(tibular side)62から履物物品のフィビュラ側(fibular side)64まで延びている。アンカーコード69と同様に、ループラインは、履物物品の周りに延びることができ、一例では、甲部全体を横切ってもよい。さらに、ループラインは、履物物品50の少なくとも一部の周りに弧状に延びるのが好ましい。他のループライン構成も考えられる。例えば、ループラインは、履物物品を横切って、第1側方側から第2側方側に延びることができる。さらに別の例では、ループラインは、ヒールカウンタの第1の側からヒールカウンタの第2の側へ弧状に履物物品の周りに延びることができる。更に別の例では、ループラインは、履物物品を横切って側方に延びてもよく、履物物品の前部(例えば、つま先側)の周りに弧状に延びてもよい。さらに別の例では、ループラインは、履物物品のつま先側またはヒール側に隣接する部分のような、履物物品の一部の周りにのみ延在してもよい。さらに一例では、履物物品は、複数のループラインを含むことができる。
【0017】
バンプサブストラクチャ78は、図示のように、ソール52から離間している(例えば、垂直方向に離間している)。さらに、ランドサブストラクチャ68は、ソール52の垂直上方に配置することができ、バンプサブストラクチャ78は、バンプサブストラクチャの垂直上方に配置することができる。所望であれば、他の履物の位置付けを使用するのが好ましい。履物物品が着用されていないときに、バンプサブストラクチャ78は、ソール52から離間しているのが好ましい。コード構造体66は、コードの内部構造とともに、バンプサブストラクチャ78とランドサブストラクチャ68との間の相互結合により、その形状を維持することができる。例示的な相互結合は、本明細書においてさらに詳細に論じられる。
【0018】
バンプ連結用バイト74は、ランド連結用バイト76とインターロックして示されているのが好ましい。このようにして、必要であれば、接着剤を使用することなく、バンプサブストラクチャをランドサブストラクチャに結合することができる。同様に、アンカー連結用バイト配列70は、アンカーコード69と連結されて示されている。このようにして、接着剤を使用せずにランドサブストラクチャをアンカーコードに結合することができる。しかし、幾つかの例では、履物物品における特定の要素を結合するために接着剤を使用するのが好ましい。一例では、バンプ連結用バイトとランド連結用バイトとの滑り可能な結合は結び目のないものであってもよい。しかしながら、別の例では、バンプ連結用バイト74の少なくとも一部は、ランド連結用バイト76の少なくとも一部に固定して結合されてもよい。別の例では、部分的な滑り相互結合を提供するために縫い合わせ固定が使用されてもよい。例えば、ゆるやかにまたはぴったりと縫合された境界面が、甲部におけるコードの結合部に設けられてもよい。着用者の快適性を高めるために、履物物品の様々な部分における滑り可能な係合の量を調整することによる所望のフィッティング特性が達成される。
【0019】
バンプサブストラクチャ78は、レース連結用バイト(lace attachment bights)80をさらに含む。レース連結用バイト80は、レースコード82に結合されて示されている。具体的には、レースコード82は、レース連結用バイト80を通って延びる。レースコード82の長さは、着用者によって調整されてもよい。しかしながら、代替のレースコード構成が考えられる。例えば、履物物品は、レースコードなしで構成されてもよい。このようにして、着用者は、レースコードを結ぶ必要なしに、履物物品を素早く簡単に履くことができる。そのような例では、コード構造体の一部分における調整された拡張および収縮を可能にするために、履物物品に弾性材料が供給されてもよい。加えて、異なるレースパターンが考慮されている。例えば、コード構造体は、アイステイ(eyestays)を含むことができる。コード構造体におけるコードは、アイステイを通って延びてもよい。
【0020】
レースコード82は、幾つかの例では、コード構造体66に含まれてもよい。しかし、他の例では、レースコード82はコード構造体66に含まれなくてもよい。そのような例では、弾性または他の適切な材料を使用して履物物品にスリップオン(slip-on)機能を提供することができる。
【0021】
多数の関連したバンプコード、ランドコード、アンカーコード、および/またはレースコードの長さは熟慮される。
【0022】
本明細書に記載された構築方法は、幾つかの実施形態では、サイズをカスタマイズするためのオプションと、最小限のツール費用でサイズを調整するオプションとを可能にすることができると理解されるべきである。例えば、コード長さに基づく甲部の構築により、甲部のパターンを変えることなく、または異なるサイズのカッティングダイを得ることなく、サイズの変更を可能にする。このように、幾つかの実施形態では、コードの長さを変えることによって甲部のサイズを変更することができる。ループは、それぞれのサイズにおいて相対的位置を維持することができる。このような構成は、同じサイズのツールを利用することによりコストを削減する。
【0023】
同様に、フットウェアのカスタマイズは、特定のユーザのフィット感を改善するために適用されてもよい。足の電子スキャンによりカスタマイズされたフットウェアを作成するために、カスタマイズされた個人向けのコードを使用することができる。例えば、ループの延長(または短縮)、ループラインの位置決めおよびサイズ決め、およびコードサイズは、スキャンされた足の特定の寸法に適合するようにカスタマイズされた甲部に仕立てるために、単独で、または、組み合わせて調整されてもよい。
【0024】
図1に戻り、ランドコード84およびバンプコード86は、図1に描かれているように丸まったコードとして示されている。しかし、他の形状も考えられている。例えば、1以上のコードが平坦なコードであってもよく、または1以上のコードが平坦な端部および丸まった中間部分を有してもよい。別の例では、1以上のコードは、1以上の平坦な箇所と1以上の丸まった箇所とを有していてもよい。例えば、コードは、平坦な箇所に続く丸まった箇所等々を含み得る。さらに、アンカーコード69は、平坦であってもよいし、丸まっていてもよく、または様々な形状を有する異なる箇所を有してもよい。さらに、ランドコード84、バンプコード86およびレースコード82はすべて、同様の断面積(例えば、直径)および/または幾何学的形状を有するものとして示されている。一例では、1以上のコードの直径は、1/8インチから1/16インチの間であってもよい。しかし、他の実施例では、コードの幅が変化してもよい。一例では、アンカーコード69は、ランドコード、バンプコード、および/またはレースコードと同様の形状を有してもよいことが理解されよう。しかし、他の実施例では、ランドコード84、バンプコード86、アンカーコード69、および/またはレースコード82の断面積および/または幾何学的形状は異なっていてもよい。例えば、ランドコードの断面積は、バンプコードよりも大きくてもよい。別の例では、ランドコードは丸まっていてもよく、バンプコードは平坦であってもよい。
【0025】
さらに幾つかの実施例では、ランドコード84、バンプコード86、および/またはレースコード82は、同様の材料から構成されても良い。しかし、他の例では、前述のコードが、異なる材料で構成されていてもよい。1以上のコードは、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、アラミド、および/またはアクリレートポリマーのような合成繊維を含んでいてもよい。さらに、1以上のコードは、綿、リネン、コイアなどの天然繊維を含んでもよい。さらに一例では、1または複数のコードがポリマー材料を含んでいてもよい。
【0026】
加えて、ランドコード84、バンプコード86、アンカーコード69、および/またはレースコード82は、履物物品が所望の構造特性を有することを可能にするために、異なる材料特性で設計されてもよい。例えば、レースコード82は、ランドコード84および/またはバンプコード86よりも大きな弾性を有することができる。
【0027】
図1に示されているように、バンプ連結用バイトの垂直高さ位置は、履物物品50のヒール側60に向かって延びる方向に増加する。レースコードからランドコードへと伸びる相互結合されたバンプコード部分の幅も、履物物品50のヒール側60に向かって延びる方向に増加してもよい。
【0028】
履物物品50はまた、ヒールカウンタ97を含む。履物物品のヒールカウンタまたは他の支持構造体は、上述した甲部に含まれてもよい。ヒールカウンタ97の剛性/可撓性は、コード構造体66を所望の量で支持するように選択されてもよいことが理解されよう。具体的には、ヒールカウンタ97は、外側及び/又は下方のソールに向かう方向にコード構造体が望ましくない量たわむのを防止することができる。このようにして、コード構造体は所望の形状に維持される。結果として、履物物品の着用者は、履物物品を素早く快適に着脱することができる。ヒールカウンタ97は、皮革、合成皮革、布地などのコード構造体66とは異なる材料から構成されていてもよい。しかし、幾つかの例では、ヒールサポート構造体はコードを含んでいてもよい。幾つかの例では、ループラインはヒールカウンタ97を通って延びることができる。さらに、ヒールカウンタ97はソール52に結合されてもよい。具体的には、幾つかの例では、ヒールカウンタ構造体は、ソール52から(例えば、垂直にまたは角度を持って)延在することができる。ヒールカウンタ97は、図示の例では、ランドサブストラクチャ68に結合されている。さらに、コード構造体の一部は、ヒールカウンタ97の幅の周りに延びることができる。しかしながら、他のヒールカウンタ構成も考えられている。1つの例では、コード構造体におけるコードの端部は、ヒールカウンタに結合されてもよく、および/またはヒールカウンタ内で互いに結合されてもよい。一例では、ヒールカウンタ97は、横方向よりも長手方向に大きな剛性を有することができる。サポート構造体の垂直方向の剛性は、コード構造体を所望の量で支持することができる。しかしながら、他のヒールカウンタ97の材料特性も考慮されている。
【0029】
したがって、幾つかの実施例では、履物物品50は、バンプ構造体およびランド構造体を含むヒールコード構造体98を任意選択的に含むことができる。そのような例では、アンカーコード69は、履物物品50のヒール側60の周りに延びていてもよく、ヒールコード構造体98のランドサブストラクチャがそこに取り付けられてもよい。幾つかの例では、ヒールコード構造体98が履物物品50に含まれていなくてもよいことを理解されたい。
【0030】
図1に示された履物物品50は、さらに、アイステイ(eyestay)を含むことができる。コード構造体66におけるコードは、アイステイを通って延びることができる。1以上のコード部分がアイステイに向かって延びていることは理解されよう。しかし、他の例では、代替のアイステイのデザインが考えられている。アイステイは、所望のコード間隔およびコード支持をコード構造体に提供することができる。このようにして、アイステイは、アイステイを通って延びるコードの自由な動きを制限し得る。アイステイは第1甲部構造体112に含まれてもよい。一例では、第1甲部構造体112は、履物物品の舌部114に隣接していてもよい。一例において、甲部構造体は、コード構造体とは異なる材料で構成されていてもよい。アイステイの材料の例としては、布、皮革、合成皮革、布、ポリマー材料などが含まれる。他の例では、履物物品は、複数のアイステイを含むことができる。
【0031】
さらに、幾つかの例では、1つまたは複数のシースが、ランドコード84およびバンプコード86の少なくとも1つの一部を取り囲む(たとえば、周方向に囲む)ことができる。したがって、シースは、コード構造体におけるコードの様々な部分を囲むことができる。例えば、複数のシースが、ランドコード84の一部をバンプ連結用バイト74からランド連結用バイト76まで取り囲むことができる。したがって、シースは、コードの保護カバーとして作用することができる。幾つかの例では、シースは、コードの外面と面接触していてもよい。しかしながら、他の例では、シースは、コードの外面から離間していてもよい。一例では、シースは円筒形であってもよい。しかし、他のシース形状も考えられている。さらに、複数のシースを使用して、履物物品のつま先側の周りにつま先キャップを形成することができる。シースは、コード構造体66を所望の形状に保持することを可能にするために、コード構造体66の所望の領域において構造的な一体性を向上させることができる。シースは、バンプコードおよび/またはランドコードとは異なる材料から構成されていてもよい。一例では、シースはポリマー材料を含むことができる。シースは、コードを損傷から保護することもできる。
【0032】
履物物品は、種々の甲部の部品(コード構造体および甲部構造体)が互いに独立して作用することを可能にする、ダブルラストストロボ(double lasted stroebel)およびストリングコンストラクション(string construction)を用いて製造することができる。これらの甲部の部品は、レース連結用バイトにおけるレースによって一体化されている。
【0033】
幾つかの例では、履物物品は、図1に描かれている履物物品50に関して上で説明したように、第1甲部構造体および第2甲部構造体ではなく単一の甲部構造体を含む。さらに、幾つかの例では、コード構造体は、履物物品のつま先側の周りに延びることができる。例示的な一例として、図2は、コード構造体266が、トウキャップ257で終了するのではなく、履物物品200のつま先側258の周りに継続する、第2の実施例にかかる履物物品200の外観図を示す。図1に関して上述した履物物品50とは対照的に、履物物品200は、第1ソール構造体213および第2ソール構造体214を含むソール252に結合された甲部267を含む。
【0034】
図示されているように、甲部267は甲部構造体212またはブーティー(bootie)およびコード構造体266を含む。履物物品50の第1甲部構造体112および第2甲部構造体113と同様に、甲部構造体212は、キャンバスまたは他の適切な材料などの布地から形成されてもよい。これらの甲部の部品は、レースアタッチメントの脚部のレースによって一体化されている。
【0035】
履物物品50のコード構造体66と同様に、コード構造体266は、ランドコード284、バンプコード286、およびレースコード282を含む。ランドコード284はランドサブストラクチャ268を形成し、バンプコード286はバンプサブストラクチャ278を形成する。ランドサブストラクチャ268およびバンプサブストラクチャ278は、複数のバンプ連結用バイト274および複数のランド連結用バイト276を介して、互いに滑り可能に係合し、互いに絡み合っている。バンプコード286は、レースコード282が通って織り交ぜられることができる複数のレース連結用バイト280がさらに形成されていてもよい。履物物品200は、履物物品200のヒール領域260に配置された第2コード構造体298をさらに含むことができる。
【0036】
図示されているように、アンカーコード269は履物物品200の第1ソール構造体213の一部を横切るが、代わりにアンカーコードが上述の第2甲部構造体に結合されてもよいことを理解されたい。具体的には、アンカーコード269は、第1ソール構造体213の周りの周経路に沿う。ランドサブストラクチャ268は、複数のアンカー連結用バイト270を介してアンカーコード269に結合する。
【0037】
履物物品50と同様に、バンプ連結用バイト274とランド連結用バイト276との間の相互結合はループラインを形成する。ループラインは、ランドサブストラクチャ268とバンプサブストラクチャ278との間の界面であってもよい。ループラインは、履物物品200のヒール側(ヒール領域)260から履物物品のつま先側258の方向に延びる。図示されているように、アンカーコード269は、ランドサブストラクチャ268とバンプサブストラクチャ278によって形成されるループラインと平行である。
【0038】
図示のように、アンカーコード269は、ソール252の底部255と平行ではない。代わりに、アンカーコード269は、コード構造体266によって画定されるループラインと平行である。
【0039】
明確に示されていないが、アンカーコード269は、ヒールコード構造体298のランドサブストラクチャがアンカーコード269に結合され得るように、ヒールコード構造体298の下の、履物物品200のヒール部分(ヒール領域)260を横切ることができる。
【0040】
さらに、アンカーコード269は履物物品200のミッドソールに結合される。しかしながら、アンカーコード269はミッドソールではなく甲部267に連結されてもよいことを理解されたい。履物物品200の甲部267は、コード構造体の少なくとも一部によって横断された、甲部267とソール252との間の開放空間265のような1以上の開放空間を含む。リースを締め付けることによって、コード構造体266の張力を調節することができる。
【0041】
幾つかの例では、アンカーコード269はランドコード284を含むことができる。すなわち、ランドコード284の一部は、ランドコード284がアンカーコード269を形成するように履物物品の一部に縫い付けられ、ランドコード284の残りはランドサブストラクチャ268を形成する。他の例では、アンカーコード269は、ランドコード284とは独立した別個のコードから構成されてもよい。さらに、幾つかの例では、履物物品は、少なくとも2つのアンカーコードを含み、一方のアンカーコードは履物物品の内側に配置され、他方のアンカーコードは履物物品の外側に配置される。
【0042】
図3は、例えば履物物品50または履物物品200のような、例示的な履物物品のソール300の底面図を示す。ソール300は、異なる材料を含み得る。非限定的な例として、ソール300の部分315はエチレン-酢酸ビニル(EVA)を含み、ソール300の部分305はゴムを含んでいてもよい。このようにして、ソール300は、市街における性能および耐久性と、オフロードにおける性能および耐久性とのバランスを可能にする。ソール300、特にゴムから形成されたソール300の部分305は、複数の隆起表面またはトレッド307をさらに含む。さらに、幾つかの例では、ソール300は、ゴムで形成された部分305に複数の溝317を含むことができ、追加の静止摩擦を可能にする。
【0043】
一実施形態では、履物物品は、足の少なくとも一部を覆うように構成された1以上の滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードにより少なくとも一部が形成された甲部を含み、前記コードの少なくとも1つは、前記甲部の一部の周りを横切るアンカーコードと係合している。
【0044】
一実施形態にかかる履物物品の第1の実施例において、前記甲部は、自身で係合している1以上の中断されていないコード、および/または、複数の位置で絡み合っているが選択された位置では少なくとも一部分が滑り可能に係合された1以上の追加コードを含む。任意に第1の実施例を含む履物物品の第2の実施例において、滑り可能に係合された前記選択された位置は、1以上のループラインに沿って配置され、前記ループラインは、前記甲部の一部の周りを横切るものを含む。任意選択で第1および第2の実施例の1つまたは複数を含む履物物品の第3の実施例において、前記アンカーコードは、1以上の前記ループラインに平行である。任意選択的に、第1~第3の実施例のうちの1つ以上を含む履物物品の第4の実施例において、1以上の前記絡み合ったコードは、任意の方向に曲がる可撓性であるが少なくとも一部においてその形状を自由状態に維持する。任意選択的に、第1~第4の実施例のうちの1つ以上を含む履物物品の第5の実施例において、前記甲部に結合されたソールをさらに含み、前記ソールの底部から離れて前記アンカーコードが配置されている。任意選択的に、第1~第5の実施例のうちの1つ以上を含む履物物品の第6の実施例において、前記甲部の少なくとも一部と前記ソールとの間の隙間をさらに含み、1以上の前記滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードは前記隙間の少なくとも一部を覆い、前記アンカーコードは前記隙間に平行である。任意選択的に、第1~第6の実施例の1つ以上を含む履物物品の第7の実施例において、前記アンカーコードは前記ソールに平行ではない。第1~第7実施例の1つ以上を任意に含む履物物品の第8実施例において、1以上の前記滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードは、1以上の前記滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードで形成された複数のアンカー連結用バイトにより前記アンカーコードと係合される。第1~第8実施例のうちの1つ以上を任意に含む履物物品の第9実施例において、1以上の前記滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードにおける第1コードは第1の複数ループを形成し、1以上の前記滑り可能に係合しかつ絡み合ったコードにおける第2コードは第2の複数ループを形成し、前記第1の複数ループにおける第1ループは、前記第2の複数ループのうちの少なくとも2つのループと絡み合いかつ滑り可能に係合し、第2の複数のループのうちの少なくとも2つのループにおける第2ループは、前記第1の複数ループのうちの少なくとも2つのループと絡み合いかつ滑り可能に係合する。
【0045】
別の実施形態において、履物物品は、ソールと、前記ソールと結合された甲部と、を含み、前記甲部は、布地構造体およびコード構造体を含み、前記コード構造体は、ループラインを形成する複数のループにより互いに絡み合った少なくとも2つのコードを含み、前記コード構造体における前記少なくとも2つのコードのうちの一方のコードが、前記ループラインに平行なアンカーコードと係合する。
【0046】
別の実施形態にかかる履物物品の第1の実施例おいて、前記アンカーコードは、前記甲部における前記布地構造体に縫い付けられる。任意に第1の実施例を含む履物物品の第2の実施例において、前記アンカーコードは、前記アンカーコードと係合された、前記コード構造体における前記少なくとも2つのコードのうちの一方のコードを含む。任意選択で第1および第2の実施例の1つまたは複数を含む履物物品の第3の実施例において、前記アンカーコードは、前記甲部の少なくとも一部の周りに延びている。任意選択的に、第1~第3の実施例のうちの1つ以上を含む履物物品の第4の実施例において、前記甲部の内側には前記アンカーコードが配置され、前記甲部の外側に配置され、前記コード構造体における少なくとも1つのコードと係合する第2アンカーコードをさらに含む。任意選択的に、第1~第4の実施例のうちの1つ以上を含む履物物品の第5の実施例において、前記ソールの第1部分は、エチレン酢酸ビニルから形成され、前記ソールの第2部分はゴムから形成される。
【0047】
さらに別の実施形態において、履物物品は、足を囲む構造を形成するコードを有するループ状の甲部を含み、前記甲部における前記コードは、互いに滑り可能に係合しており、前記コードのうちの1つが、さらに、前記甲部に結合されたソールの底部から離れてかつ前記底部に平行でなく配置されたアンカーコードと係合しており、前記コードのうちの第1コードは第1の複数ループを形成し、前記コードのうちの第2コードは第2の複数ループを形成し、前記第1の複数ループにおける1つのループは、前記第2の複数ループのうちの少なくとも2つのループと滑り可能に係合し、前記第2の複数ループにおける1つのループは、前記第1の複数ループのうちの少なくとも2つのループと滑り可能に係合している。
【0048】
さらに別の実施形態にかかる履物物品の第1の実施例おいて、滑り可能な係合はコード界面において形成され、前記コード界面は、前記甲部の内側および外側を横切るループラインに沿って配置され、さらに、前足およびつま先領域の少なくとも一方を横切って配置され、前記コード界面は、第2ループに対して絡み合いかつ滑り可能に動く第1ループを含み、前記第1ループおよび前記第2ループは、前記コードから形成されている。任意に第1の実施例を含む履物物品の第2の実施例において、ループ状の前記甲部は、絡み合ったパターンで形成されるが、前記ソールから離れて配置された複数の滑り可能な界面においては実質的に結び目がない。任意選択で第1および第2の実施例の1つまたは複数を含む履物物品の第3の実施例において、1以上の滑り可能に係合しかつ絡み合った前記コードによって少なくとも一部が囲まれたブーティーをさらに含む。
【0049】
本明細書に記載された構成および/またはアプローチは本質的に例示的であり、これらの特定の実施形態または例は、多くの変形が可能であるため、限定的な意味で考慮されるべきではないことが理解される。本開示の主題は、本明細書に開示された様々な特徴、機能、動作、および/または特性の全ての新規かつ自明でない組合せおよび部分的組合せ、ならびにその任意のおよび全ての等価な物を含む。
【0050】
本出願は、2016年1月19日に提出された発明の名称が「コード構造体を有するソール物品」である米国仮特許出願62/280663の優先権を主張し、その全体の内容が全ての目的のために本明細書に援用される。
図1
図2
図3