(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】非接触給電装置、コイルおよびコイルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01F 27/28 20060101AFI20221223BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20221223BHJP
H01F 27/30 20060101ALI20221223BHJP
H01F 5/00 20060101ALI20221223BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20221223BHJP
【FI】
H01F27/28 K
H01F38/14
H01F27/28 123
H01F27/30 160
H01F5/00 F
H02J50/10
(21)【出願番号】P 2018133006
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-02-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】306013120
【氏名又は名称】昭和電線ケーブルシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】三浦 聖
(72)【発明者】
【氏名】野内 健太郎
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】実公昭50-031855(JP,Y1)
【文献】特開2019-012731(JP,A)
【文献】特開2019-110207(JP,A)
【文献】特開2016-186955(JP,A)
【文献】特開2014-086621(JP,A)
【文献】特開2013-208012(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0086211(US,A1)
【文献】特開2017-224791(JP,A)
【文献】特開2016-127628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/28
H01F 38/14
H01F 27/30
H01F 5/00
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リッツ線からなる電線を複数回巻回して形成する非接触給電用のコイルであって、
巻きはじめから、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線がいずれも
、前記電線の巻き目間に位置する第1の隙間を介して、離間して曲線状に配置されるコーナー区間(但し、Nは1以上の整数)と、
前記コーナー区間の巻線方向両側に、一巻きおきの第N巻き目の電線と第(N+2)巻き目の電線が
、前記電線の巻き目間に位置する一定の
第2の隙間をおいて平行に配線される平行区間であり、前記第(N+1)巻き目の電線が前記
第2の隙間内で蛇行して前記平行区間内で他の平行な巻き目の電線と離間する第1離間区間と、前記第1離間区間の両側に配置され、前記第(N+1)巻き目の電線が、平行な巻き目の電線のいずれかに当接する第1および第2当接区間とを有する直線区間と
を有
し、
前記コーナー区間の全体において、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線の間が離間するように形成されていることを特徴とするコイル。
【請求項2】
前記コーナー区間が、
巻線方向の手前に配置される前記直線区間における前記第(N+1)巻き目の電線と前記第N巻き目の電線との当接から、巻線方向の先に配置される前記直線区間における前記第(N+1)巻き目の電線と前記第(N+2)巻き目の電線との当接に切り替わる第2離間区間を有することを特徴とする請求項1記載のコイル。
【請求項3】
前記コーナー区間において前記第N巻き目の電線および前記第(N+2)巻き目の電線が描く弧(曲線)の半径または半径の中心位置と、前記第(N+1)巻き目の電線が描く弧(曲線)の半径または半径の中心位置とが異なることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
【請求項4】
内周側の電線と外周側の電線からなる一対の電線を巻回したことを特徴とする請求項1に記載のコイル。
【請求項5】
前記電線どうしが当接する部位を接着したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のコイル。
【請求項6】
金属製または樹脂製の基板と、
前記基板の上に配置した磁心コア板と、
前記磁心コア板の上に配置した請求項1乃至5いずれか1項に記載の前記コイルと
を具備する非接触給電装置。
【請求項7】
リッツ線からなる電線を複数回巻回してコーナー区間と、このコーナー区間の巻線方向両側に直線区間とを有する非接触給電用のコイルを形成するコイルの製造方法であって、
前記コーナー区間において、巻きはじめから、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線をいずれも
、前記電線の巻き目間に位置する第1の隙間を介して離間させて曲線状に配置する工程と、
前記直線区間に、一巻きおきの第N巻き目の電線と第(N+2)巻き目の電線が
、前記電線の巻き目間に位置する一定の
第2の隙間をおいて平行に配線される平行区間を配置する工程と、
前記第(N+1)巻き目の電線が前記
第2の隙間内で蛇行して前記平行区間内で他の平行な巻き目の電線と離間する第1離間区間を前記直線区間に配置する工程と、
前記直線区間において前記第1離間区間の両側に、前記第(N+1)巻き目の電線が平行な巻き目の電線のいずれかに当接する第1および第2当接区間を配置する工程と
を有
し、
前記コーナー区間の全体において、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線の間が離間するように形成されることを特徴とするコイルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触給電装置、コイルおよびコイルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無人搬送車や電気自動車の給電システムに非接触給電の採用が検討されている。
【0003】
非接触給電の技術は、例えば給電所の路面に埋め込むようにして設けた送電用(1次側)の平面コイル(地上側コイル)と電気自動車の底部に設けた受電用(2次側)の平面コイル(車両側コイル)とを一定の間隔、例えば数十cm程度の間隔で対向させて電力を無線送電することで電気自動車に給電する技術である。
【0004】
非接触給電においては電力の伝送効率が高いことが求められ、これに使用されるコイルについても損失が少ないことが必要とされる。よって、非接触給電に使用するコイルは銅損を小さくする、すなわち交流抵抗を小さくする必要がある。
【0005】
電気自動車の非接触給電に用いる平面コイルは、駆動周波数、コイルのずれを含めた最少伝送効率、地上側コイルと車両側コイルとの位置ずれの許容範囲などが規格化されつつあり、この規格に向けて各社が競合して、より性能のよい製品を開発することになる。
【0006】
実際にコイルを給電所や車両に設置する場合は、さらにコイルの外形、内径、巻き数なども指定されることがあり、その中でコイルの交流抵抗を小さくして損失を押さえつつ、コイル形状保持のための強度も保持したコイルを作成することが求められる。
【0007】
コイルの交流抵抗に影響を与える要因としては、次の2つの要因が考えられる。第1の要因は、巻線用線材の導体断面積に依存する直流抵抗であり、第2の要因は、周波数や線材の撚り構成、コイル形態などにより変わる近接効果と表皮効果による損失である。
【0008】
特に非接触給電においてはkHzオーダーの高周波帯で利用されるため、第2の要因の影響が大きくなる。この第2の要因の影響を軽減するには、線材にリッツ線を用い、コイルの形態としては、巻線間に隙間を設けて巻くコイル(以下これを「ギャップ巻きコイル」と称す」が適する。
【0009】
上記事情を鑑み、非接触給電に用いる従来のコイルは、細い複数のエナメル線を撚り合わせて形成したリッツ線(絶縁導体)を平面的に渦巻き状にかつ巻線間に隙間を設けて巻回して形成する。
【0010】
ところで、巻線間に隙間を設けると単純にいっても、製造現場では、コイルとしての製品を搬送したり、製造中もコイルを移送する作業を行うことやコイルのインダクタンスの変動を抑えることから、線材をコイルの形状に巻回する工程での製造性(自動巻線機での線材の巻き易さ)やその後の形状保持やハンドリング性を考慮する必要がある。
【0011】
巻線間に隙間を設ける従来の技術は、隙間を設けた溝を渦巻状に形成した支持基板を用意し、その支持基板の溝に電線を手作業ではめ込んでいく「溝はめ込み構造」、または巻線間にスペーサを設けて巻線を巻く「スペーサ構造」などの技術がある(例えば特許文献1参照)。
【0012】
「溝はめ込み構造」のコイルの場合、支持基板を用意するため支持基板の部材コストに加え、製造上のコストアップ、さらにはコイルユニットのサイズも大きくなるため搬送費用のアップに繋がる等の問題点がある。また「スペーサ構造」のコイルについてもスペーサという間隔保持部材が必要なため、「溝はめ込み構造」とほぼ同様に部材コストや製造コストがアップするといった問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このように通電線を平面的に巻回する従来のコイル場合、コイルの形状保持のため、溝を形成した支持基板を用意したり、巻線間にスペーサを介挿して隙間を保持しつつハンドリング性を確保する必要があり、スペーサや基板などの部品コストがかかり、またその作業のため、製造効率が低下するという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、規定の性能が得られ、スペーサやテープなどの間隔保持部材や溝を切った支持基板を用いることなくハンドリング性良くコイル形状を保持できる非接触給電装置、コイルおよびコイルの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る非接触給電用のコイルは、リッツ線からなる電線を複数回巻回して形成するコイルであって、巻きはじめから、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線がいずれも、電線の巻き目間に位置する第1の隙間を介して離間して曲線状に配置されるコーナー区間(但し、Nは1以上の整数)と、コーナー区間の巻線方向両側に、一巻きおきの電線(第N巻き目の電線と第(N+2)巻き目の電線)が、電線の巻き目間に位置する一定の第2の隙間をおいて平行に配線される平行区間であり、第(N+1)巻き目の電線が第2の隙間内で蛇行して平行区間内で他の平行な巻き目の電線と離間する第1離間区間と、この第1離間区間の両側に配置され、第(N+1)巻き目の電線が、平行な巻き目の電線のいずれかに当接する第1および第2当接区間を有する直線区間とを有し、コーナー区間の全体において、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線の間が離間するように形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様に係る非接触給電装置は、金属製または樹脂製の基板と、前記基板の上に配置した磁心コア板と、この磁心コア板の上に配置した上記コイルとを具備する。
【0018】
本発明の一態様に係る非接触給電用のコイルの製造方法は、リッツ線からなる電線を複数回巻回してコーナー区間と、このコーナー区間の巻線方向両側に直線区間とを有するコイルを形成するコイルの製造方法であって、前記コーナー区間において、巻きはじめから、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線をいずれも、電線の巻き目間に位置する第1の隙間を介して離間させて曲線状に配置する工程と、直線区間に、一巻きおきの電線が、電線の巻き目間に位置する一定の第2の隙間をおいて平行に配線される平行区間を配置する工程と、第(N+1)巻き目の電線が第2の隙間内で蛇行して平行区間内で他の平行な巻き目の電線と離間する第1離間区間を直線区間に配置する工程と、直線区間において第1離間区間の両側に、第(N+1)巻き目の電線が平行な巻き目の電線のいずれかに当接する第1および第2当接区間を配置する工程とを有し、コーナー区間の全体において、第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目の電線の間が離間するように形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、規定の性能を得つつ低コストでかつ製造作業性のよい非接触給電装置、コイルおよびコイルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の渦巻き状のコイル(正方形の外形のコイル)の平面図。
【
図2】
図1のコイルの要部(コーナー区間A1、直線区間A2の部分)を示す拡大図。
【
図3】
図1のコイルにおける電線の離間区間(区間P3、P4)を示す図。
【
図4】コイルのコーナー部の半径R1、R2の中心位置をつなぐ直線を示す拡大図。
【
図5】第2実施形態の渦巻き状のコイル(長方形状の外形のコイル)の平面図。
【
図6】
図5のコイルの要部(コーナー区間A1、直線区間A2の部分)を示す拡大図。
【
図7】
図5のコイルと比較例とを対比した周波数‐交流抵抗特性図。
【
図8】第1、第2実施形態のコイルを用いた非接触給電装置を示す
図1のB-B断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
非接触給電装置は、1次側の非接触送電装置と2次側の非接触受電装置とを対向配置して構成される。電力を供給する側である1次側の非接触送電装置と電力を受ける側の2次側の非接触受電装置は、コイルの部分の要素はほぼ同じ要素で構成されており、ここでは、一方の側について説明するが、他方の側も同様であることは言うまでもない。
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態のコイル20を
図1、
図2を参照して説明する。
図1は本発明に係る第1実施形態の渦巻き状のコイル(コーナー蛇行巻きコイル)の平面図、
図2は要部(コーナー区間A1、直線区間A2、それぞれの一部の区間P1~P4)の拡大図である。
【0023】
図1、
図2に示すように、本発明に係る第1実施形態のコイル20は、一本の電線または絶縁導体としてのリッツ線22を、最内周の位置A0から巻線方向Cへ巻き始めて、電線が湾曲して配置されるコーナー区間A1と、電線が一巻おきに直線状に配置される直線区間A2とを設けるように渦巻き状に平らに並べて(平面的に)巻回して形成(製造)した外形がほぼ方形状(コーナー区間A1に丸みをつけている)のコイルである。
【0024】
直線区間A2は、奇数巻き目の電線n1、n3、n5、n7、n9が一巻きおきに一定の間隔をおいて平行に配置される平行区間であり、偶数巻き目の電線n2、n4、n6、n8が間隔内を蛇行し、平行な配線n1、n3、n5、n7、n9に当接および離間するように配置される。
【0025】
直線区間A2(平行区間内)には、その中央部に、偶数巻き目の電線n2、n4、n6、n8が他の平行な奇数巻き目の電線n1、n3、n5、n7、n9と離間する第1離間区間である区間P3が配置されている。
区間P3の両側には、偶数巻き目の電線n2、n4、n6、n8が、平行な奇数巻き目の電線線n1、n3、n5、n7、n9のいずれかに当接する区間P1,P2が配置されている。区間P3の左側に配置される区間P1を第1当接区間という。区間P3の右側に配置される区間を第2当接区間P2という。
【0026】
区間P1は、奇数巻き目の電線n1とその外周側の偶数巻き目の電線n2とが当接し、かつ偶数巻き目の電線n2とその外周側の奇数巻き目の電線n3が離間する区間である。
区間P2は、奇数巻き目の電線n1とその外周側の偶数巻き目の電線n2が離間し、かつ偶数巻き目の電線n2とその外周側の奇数巻き目の電線n3が当接する区間である。
【0027】
電線の巻き数をNに置き換え、電線の巻きはじめから第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目とした場合、区間P1は、第N巻き目の電線n1と第(N+1)巻き目の電線n2とが当接し、かつ第(N+1)巻き目の電線n2と第(N+2)巻き目の電線n3が離間する区間である。なお、Nは1以上の整数である。
区間P2は、第N巻き目の電線n1と第(N+1)巻き目の電線n2が離間し、かつ第(N+1)巻き目の電線n2と第(N+2)巻き目の電線n3が当接する区間である。
【0028】
コーナー区間A1は、各巻き目の電線n1、n2、n3…n7、n8、n9が離間して曲線状に配置される。つまり第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目…の電線が離間して曲線状に配置される。
【0029】
コーナー区間A1において、奇数巻き目の電線n1、n3、n5、n7、n9が描く弧(曲線)の半径R1と、偶数巻き目の電線n2、n4、n6、n8が描く弧(曲線)の半径R2は例えば40.0mm(R40と称す)であり、互いの半径R1、R2は同径である。なお、互いの半径R1、R2は異なっていてもよい。
【0030】
コーナー区間A1には、区間P4が配置される。区間P4は、巻線方向の手前に配置される直線区間A2における第(N+1)巻き目の電線(例えば電線n2)と第N巻き目の電線(例えば電線n1)との当接から、巻線方向の先に配置される区間P2における第(N+1)巻き目の電線(例えば電線n2)と第(N+2)巻き目の電線(例えば電線n3)との当接に切り替わる第2離間区間である。
【0031】
この巻き方のコイル20を、コーナー区間A1では、奇数巻き目の電線n1、n3、n5、n7、n9と偶数巻き目の電線n2、n4、n6、n8の曲線部(弧の部分)を半径R1,R2とも同径で巻き、かつ隣接する電線どうし(例えば電線n1と電線n2、電線n2と電線n3など)を離間させて、コーナー区間A1の両側の直線区間A2(コーナー区間A1の手前の区間P1とコーナー区間A1の先の区間P2)で電線どうしを当接させる構造であることから、「コーナー蛇行巻きコイル」と称す。
【0032】
コイル20の巻回には、渦巻状の溝が形成された金型(巻回治具)を用いた自動巻回装置を用いる。自動巻回装置は、リッツ線22の送り出し位置を固定し、巻回治具の溝にリッツ線22のあてがい、リッツ線22を送り出しながら巻回治具を平面的に回転させて溝にリッツ線22を順に嵌め込んでいく装置である。
【0033】
平面的に渦巻き状に巻回しただけのコイル20は、金型(巻回治具)から取り出す際や搬送時にばらけてしまうため、金型(巻回治具)に嵌め込んだ
図1の状態で接着剤を散布して、巻線どうしの当接部を接着し、接着剤が固化するまでの一定時間放置した後、ハンドリングするものとする。当接部の接着には、例えば熱融着繊維を巻き付けたリッツ線22を利用して加熱による接着を行ってもよく、最外層に自己融着層を設けた自己融着線を用いて熱溶着あるいは溶剤接着してもよく、また、リッツ線22にアセテート糸を巻き付けて溶剤接着してもよい。
【0034】
つまりコイル20は、リッツ線22をほぼ平らに並べながら巻回し、線間に離間部と当接部を規則的に設けて全体として渦巻き状にしたものであり、形状維持のため当接部を接着剤で接着(固着)し、さらにリッツ線22の両端に一対の圧着端子21、24を接続したものである。圧着端子21、24を両端に取り付けるのは接着する前であっても後でもよい。
【0035】
リッツ線22は、複数のエナメル線を撚り合わせて束にして形成した線材群である。なお、この例では、線の直径が例えば4.4mm程度のリッツ線22を用いている。この例以外の通電用の電線としては、例えば絶縁被覆していない導体(銅やアルミニウムを材料とする線)や、最外層に自己融着層を設けた自己融着線などを用いてもよい。
【0036】
圧着端子21は、リッツ線22の内側の一端と接続されるものであって、概略的に圧着部と、固定用の孔が設けられた固定部とから構成されている。圧着部は、筒形状の金属部材によって構成されており、リッツ線22のエナメル被覆を除去した導体部を挿入し加締め加工することで線材と金属部とを圧着一体化し、圧着端子21をリッツ線22に固定する。圧着端子24は、リッツ線22の外側の一端と接続されるものであり、圧着端子21と同じものである。
【0037】
図2に示すように、このコイル20は、巻回一周のうちに4つの電線配線区間P1~P4(以下「区間P1~P4」と称す)P1~P4を設けるように巻回されている。直線区間A2には、区間P2、区間P3、区間P1が配置されており、コーナー区間A1に区間P4が配置されている。直線区間A2からコーナー区間A1へ電線を巻き進める方向でいうと、区間P2、区間P3、区間P1、区間P4の順に繰り返すように各区間P1~P4が配置されている。
【0038】
区間P1(第1当接区間)は、巻き始めから第N巻き目の電線(内側から第一巻き目の場合は電線n1)と第(N+1)巻き目の電線(内側から第二巻き目の場合は電線n2)が当接する当接部位と、第(N+1)巻き目の電線(内側から第二巻き目の電線n2)と第(N+2)巻き目の電線(内側から第三巻き目の場合は電線n3)が離間する離間部位とを有する区間である。なおNは1以上の整数とする。
【0039】
区間P2(第2当接区間)は、第N巻き目の電線である電線n1と第(N+1)巻き目の電線である電線n2が離間し、かつ第(N+1)巻き目の電線である電線n2と第(N+2)巻き目の電線である電線n3が当接する部位を有する区間である。
【0040】
区間P3(第1離間区間)は、第(N+1)巻き目の電線である電線n2が、第(N+2)巻き目の電線n3との当接から第N巻き目の電線である電線n1との当接に切り替わる区間である。
【0041】
換言すると、この区間P3(第1離間区間)は、第2N巻き目の電線である電線n2、n4…が、自線の外側の第(2N+1)巻き目の電線である電線n3、n5…との当接部位から自線の内側の第(2N-1)巻き目の電線である電線n1、n3…の当接部位へ巻き進む向きに横切る(内側に斜めに渡る)区間である。
【0042】
区間P4(第2離間区間)は、巻線方向の手前に配置される直線区間A2における第(N+1)巻き目の電線である電線n2が、電線n1との当接から、巻線方向の先に配置される直線区間A2の区間P2における第(N+2)巻き目の電線である電線n3との当接に切り替わる区間である。
【0043】
換言すると、区間P4(第4区間)は、第2N巻き目の電線である電線n2、n4…が、図面に向かって右横側の直線区間A2における第(2N-1)巻き目の電線である電線n1、n3、n5…の当接部位から、図面に向かって左下側の直線区間A2における第(2N+1)巻き目の電線である電線n3、n5…の当接部位へ巻き進む向きに横切る(渡る)区間である。
【0044】
区間P4では、区間P4の右側の区間P1から、区間P4の左側の区間P2に向けて各巻き目の電線どうしの当接関係が切り替わるように偶数巻き目の電線n2(第2N巻き目の電線)が巻回されている。つまりこの区間P4では、奇数巻き目の電線n1、n3間の隙間を偶数巻き目の電線n2が斜めに横断するように配置されている。
【0045】
換言すると、区間P4では、偶数巻き目の電線n2、n4…が、奇数巻き目の電線n1、n3、n5…間の隙間を奇数巻き目の電線n1、n3、n5…が曲線を描く半径R1の中心位置とは異なる中心位置を持つ半径R2の曲線を描いて横切るように配置される。なお、半径の中心位置には、半径を描く中心点や中心点をつなぐ線などが含まれる。
【0046】
図2に示すように、区間P4の偶数巻目の電線n2…は、区間P4の片側(右側)に隣接する第1区間P1の第1当接部位31と、区間P4の他の片側(左下側)に隣接する区間P1の第2当接部位32とを結ぶような弧の中心を持つ半径R2で巻回される。
【0047】
例えば電線n1、n2、n3を例にしてコイル20の巻回構造を説明すると、コーナー区間A1と直線区間A2とを有する外形がほぼ方形状のコイル20を4つの区間P1~P4に分けて、区間P1、P2では平行な奇数巻き目の電線n1、n3の間で偶数巻き目の電線n2を蛇行させて当接および離間させる。
【0048】
また、区間P3、P4では、電線n1、n2、n3の当接または離間の関係を切り替えるよう偶数巻き目の電線n2を斜めに横断させる。
【0049】
このように巻き目の異なる電線を直線区間A2の区間P3とコーナー区間A1の区間P4で離間させて、その間の区間P1,P2では隣接する電線どうしをほぼ一定の間隔で当接させ、その当接部分を接着することで、コイルとしての形状保持力を向上することができる。
【0050】
なお、この例では、コイル全体の巻き数を9巻きとしたが、これ以外の巻き数や巻き方にも本願発明は適用可能である。この例では、巻き数の総数を奇数としたが、偶数としてもよく、巻き数自体も増減してもよい。
【0051】
この例では、外形が四角形(この例のように外形がほぼ方形状の場合は四隅のコーナー区間A1に丸みをつけている)になるようにリッツ線22を渦巻き状に巻回したが、この他、外形をほぼ三角形、ほぼ五角形、ほぼ六角形、ほぼ八角形などの多角形の形状や、ほぼD形状、ほぼ長方形状などにしてもよい。
【0052】
以下、
図1に示したコイル20の製造方法を説明する。
この場合、最内周を1巻き目として、リッツ線22を内周側から外周側に向けて複数回巻回してコイル20を形成する。この際、リッツ線22を巻き進めながら区間P1~P4の配線の状態を形成する。なお、この実施形態では、電線の巻きはじめを最内周側からとしているが、最外周側から巻き始めてもよい。
【0053】
この場合、リッツ線22を、位置A0から巻回方向Cに沿って巻回してゆく上で、初めの一周目(第1巻き目の電線n1)は、コーナー区間A1を除き、リッツ線22を折り曲げることなく、直線的に巻いてゆく。
【0054】
二周目に入ると、第2巻き目の電線n2は、第1巻き目の電線n1と当接して直ぐにコーナー区間A1に入るため、コーナー区間A1では電線n2を電線n1から分離(分岐)させて半径R2で曲線状に配線する。
【0055】
コーナー区間A1を通過したその先の直線区間A2の区間P2では、電線n2を次の周で巻く電線n3と当接するように配線する。
【0056】
直線区間A2の区間P3では、電線n3との当接位置から電線n2を屈折させることで離間させて電線n1の側へ斜めに巻き進める。
【0057】
そして、区間P1では、電線n2は電線n1と当接し、電線n1に沿って巻き進める。
【0058】
直線区間A2に入る前に、電線n2を電線n1から分離させて、電線n3の側へ半径R2の弧を描くように巻き進める。このように電線n2を残りの半周蛇行させて二周目を終える。
【0059】
次に、三周目(第3巻き目の電線n3)は、初めの一周目(第1巻き目の電線n1)と同様の軌跡でリッツ線22を折り曲げることなく、直線的に巻いてゆく。これで第3巻き目の電線n3は第2巻き目の電線n2と区間P2で当接するようになる。
【0060】
このようにして、コーナー区間A1に各巻き目の電線を離間して曲線状に配置し、コーナー区間A1の巻線方向両側に配置した直線区間A2において、奇数巻きの電線n1、n3、n5、n7、n9を一巻きおきに一定の間隔をおいて平行に配置すると共に、奇数巻き目の電線n1、n3、n5、n7、n9の間隔内を偶数巻き目の電線n2、n4、n6、n8が蛇行し、平行な配線n1、n3、n5、n7、n9に当接および離間するように配置する。
【0061】
このように第1実施形態の非接触給電装置によれば、各巻き目の電線を離間して曲線状に湾曲して配置するコーナー区間A1と、内周側から奇数巻き目の電線n1、n3…を平行に巻回し、内周側から偶数巻き目の電線n2、n4…を奇数巻き目の電線n1、n3…に当接・離間するように蛇行させる直線区間A2とを形成し、
図3に示すように、渦巻状のコイルにほぼ一定の間隔で他の巻き目の電線への切り替える区間(直線区間A2の中央部の区間P3とコーナー区間A1の区間P4)を設け、これら区間P3、P4の両側で他の巻き目との当接部位を形成しそれぞれの当接部位を接着することで、コイルとしての形状保持力が向上し、スペーサや支持基板などを設けることなく、電線間に規則的な隙間(ギャップ)を設けた状態のコイルをハンドリングできるようになり、規定の性能を得つつ低コストでかつコイル製造の作業性のよい非接触給電装置、コイルおよびコイルの製造方法を提供することができる。
【0062】
また、上記実施形態では、半径R1、R2を同径とし、中心位置を異ならせたが、
図4に示すように、奇数巻き目の電線n1、n3…の半径R1の中心位置をつなぐ直線の位置と偶数巻き目の電線n2、n4…の半径R2の中心位置をつなぐ直線の位置とが異なるように(具体的には半径R1、R2の中心位置をつなぐ直線が平行になるように)各巻き目の電線を配置してもよい。互いの半径R1、R2を例えば40.0mm(R40)などにすることが考えられる。このように半径R1、R2を同径とすることで、自動巻き機による電線の自動巻きがしやすくなるという効果が得られる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、
図5、
図6を参照して第2実施形態を説明する。
図6は第2実施形態のコイル(2線1対の長方形状のコイル)を示す平面図、
図7はその要部拡大図である。なお第2実施形態において第1実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0064】
図5に示すように、第2実施形態のコイル20は、コーナー区間A1とその両側に直線区間A2とを有するものの、外形(縦幅と横幅)が上記第1実施形態と異なるほぼ長方形状である。このコイル20は、内周側の電線22aと外周側の電線22bからなる一対のリッツ線22a、22bを外形がほぼ長方形状(コーナー区間A1が丸みを帯びている)になるように巻回したものであり、電線自体が第1実施形態と同じ径の線を2本1対で使用したパラレルタイプのものである。
【0065】
それぞれの線の直径が例えば4.4mmのものを2本使用すると、2本分の断面積はおおよそ16.0mm2となり、これは1本のリッツ線22の2倍の導体断面積が得られ、直流抵抗が半減し、損失及び発熱を抑えることができる。また、コイルの磁界分布をより均一化することにも寄与する。
【0066】
この第2実施形態では、区間P1、区間P2、区間P3を直線区間A2に配置し、区間P4をコーナー区間A1に配置しており、第1実施形態と同じように区間P1~P4が配置されている。
【0067】
詳述すると、
図6に示すように、コーナー区間A1は、この区間A1の巻線方向C手前に配置される直線区間A2内の区間P1における第(N+1)巻き目の電線n5と第(N)巻き目の電線n4との当接から、この区間A1の巻線方向Cの先に配置される区間P2における第(N+1)巻き目の電線n5と第(N+2)巻き目の電線n6との当接に切り替わる第2離間区間である区間P4を有する。
【0068】
このコーナー区間A1において、第N巻き目の電線n4および第(N+2)巻き目の電線n6などの外周側の電線22bが描く弧(曲線)の半径R1は、例えば72.4mm(以下R72.4と称す)である。一方、第(N+1)巻き目の電線n5(内周側の電線22a)が描く弧(曲線)の半径R2は、例えば68.0mm(R68.0)であり、互いの半径R1、R2は異なる。
【0069】
このように2本で一対の電線22a、22bのうち、外側の電線22bと内側の電線22aとを異なる半径にすることで、直線区間の距離が長くなり、当接部位が増えることで、コイルの形状保持力をより向上することができる。なお、内周側と外周側の隣り合う電線どうしの関係でいうと、内周側に位置する電線22aの半径R2よりも外周側に位置する電線22bの半径R1を大きくするものとする。R2(内周側)<R1(外周側)
【0070】
直線区間A2は、一巻きおきの電線(例えば第N巻き目の電線n4と第(N+2)巻き目の電線n6)が一定の間隔をおいて平行に配線される平行区間を有する。この平行区間には、3つの区間(区間P1、P2、P3)が設けられており、巻線方向Cに区間P2、P3、P1…の順に配置されている。
【0071】
区間P3は、平行区間内の中央部に配置されており、第(N+1)巻き目の電線n5が、上記間隔内で斜めに蛇行して他の平行な巻き目の電線(電線n4や電線n6)と離間する第1離間区間である。
【0072】
区間P3の両側に区間P1と区間P2が配置されている。これら区間P1、P2は、第(N+1)巻き目の電線n5が、隣接する平行な巻き目の電線n4、n6のいずれかに当接する当接区間である。区間P3の左側に配置される区間P1を第1当接区間という。区間P3の右側に配置される区間を第2当接区間P2という。
【0073】
区間P1は、第N巻き目の電線n4と第(N+1)巻き目の電線n5とが当接し、かつ第(N+1)巻き目の電線n5と第(N+2)巻き目の電線n6が離間する区間である。
【0074】
区間P2は、第N巻き目の電線n4と第(N+1)巻き目の電線n5が離間し、かつ第(N+1)巻き目の電線n5と第(N+2)巻き目の電線n6が当接する区間である。
【0075】
このコイル20では、直線区間A2のほぼ中央の区間P3とコーナー区間A1(区間P4)で、平行な電線間(例えば電線n4と電線n6の間)を電線n5が斜めに横切るように配線される。
【0076】
続いて、第2実施形態のコイル20の製造方法を説明する。
この第2実施形態では、最内周を1巻き目として、内周側のリッツ線22aを内周側から外周側に向けて複数回巻いた後、内周側のリッツ線22aに沿わせるようにして外周側のリッツ線22bを内周側から外周側に向けて複数回巻いて、
図5のようなコーナー区間A1と、このコーナー区間A1の巻線方向C両側に直線区間A2とを有するコイル20を形成する。この例では、巻きはじめを最内周側からとしたが、最外周側から巻き始めてもよい。
【0077】
この際、
図6に示すように、コーナー区間A1(区間P4)には、例えば電線n4、電線n5、電線n6などの各巻き目(第N、第(N+1)、第(N+2)巻き目)の電線を離間させて曲線状に配置する。
【0078】
続いて、直線区間A2では、一巻きおきの電線(第N巻き目の電線n4と第(N+2)巻き目の電線n6)が一定の間隔をおいて平行に配線される平行区間を配置する。
【0079】
第(N+1)巻き目の電線n5が電線n4と電線n6と間隔内で蛇行して平行区間内の中央部で他の平行な巻き目の電線と離間する区間P3を直線区間A2に配置する。
【0080】
また、直線区間A2では、区間P3の両側に、第(N+1)巻き目の電線n5が平行な巻き目の電線n4、n6のいずれかに当接する区間P1,P2を配置する。
【0081】
このようにこの第2実施形態によれば、直線区間A2の中央部の区間P3とコーナー区間A1の区間P4で、巻回により隣接する内側のリッツ線22aと外側のリッツ線22bどうしの当接部位を切り替え、特に線どうしが離間するコーナー部A1の両脇に巻き目の異なる線どうしが当接する当接区間(区間P1、P2)を配置し、コイル20の各巻き目の電線どうしを接着する部位(当接部)をコイル20の中心から放射方向に均等に配置し、その当接部位を接着することで、隙間のあるコイルの形状維持力を高めることができる。
【0082】
ここで、
図7を参照してこの第2実施形態のコイル20(
図5のコーナー蛇行巻きコイル)と比較例(リッツ線を一定間隔の隙間を設けながら渦巻き状に巻回したコイル(以下、これを「ギャップ巻きコイル」と称す)とを対比して性能を説明する。
【0083】
ギャップ巻きコイルは、リッツ線を一定間隔の隙間を設けながら渦巻き状に巻回したコイルである。ギャップ巻きコイルは、リッツ線一巻き毎に所定間隔の隙間を空けた試料としてスタンダードなコイルであり、このギャップ巻きコイルのコイル性能(特性)を規定値としてこれにできるだけ近付けることが望ましい。
【0084】
試験条件としては、上記の2つの試料(ギャップ巻きコイルとコーナー蛇行巻きコイル)それぞれについて、コイル両端を既存のLCRメータに接続して、周波数を0~200kHzまで変化させて交流抵抗を測定したものである。この
図7において周波数が0の位置の値(およそ14mΩ)は直流抵抗である。
【0085】
計測結果の
図7を参照すると、どの周波数においても、本発明のコーナー蛇行巻きコイルは、ギャップ巻きコイルと近似した特性が得られており、規定の性能が得られていることがわかる。
【0086】
上記第1、2実施形態に示したコイル20(コーナー蛇行巻きコイル)を用いた非接触給電装置は、
図8に示すように、アルミニウム板などの基板1と、この基板1の上面に配置された磁心コア板2と、この磁心コア板2の上面に載置(配置)されたコイル20とを備える。
【0087】
これにより、例えば1次側の非接触送電装置または2次側の非接触受電装置とすることができる。さらに、磁心コア板2におけるコイル20の位置を固定するために、磁心コア板2の上面をモールド樹脂などにより皮膜してもよい。また磁心コア板2自体にコイル20の形状を保持するための溝を設けてもよい。基板1としては、アルミニウム板などの金属板以外に樹脂板などの絶縁物の板材であってもよい。
【0088】
このようにコイル20を磁心コア板2の上に移動するときに、予め線どうしの当接部を接着しておくことで、溝を形成した支持基板(ボビン)やスペーサなどを必要とすること無く形状が維持された状態でコイル20をハンドリングでき、インダクタンスの変動が少なく、良好なハンドリング性(コイル製造時の作業性)が得られる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記した実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1…アルミニウム板(基板)、2…磁心コア板、20…コイル、21、24…圧着端子、22、22a、22b…リッツ線。