(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】嵌合容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20221223BHJP
B65D 77/08 20060101ALI20221223BHJP
B65D 43/08 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
B65D77/20 C
B65D77/20 T
B65D77/08 G
B65D43/08
(21)【出願番号】P 2018143562
(22)【出願日】2018-07-31
【審査請求日】2021-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横見 知
(72)【発明者】
【氏名】服部 裕一
(72)【発明者】
【氏名】日下部 萌香
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3052893(JP,U)
【文献】特開2017-145043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 39/00-55/16
B65D 1/00- 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器側コーナー部の外縁に容器側嵌合部を有する容器本体と、当該容器本体の上に載置される中皿と、蓋側コーナー部の外縁に蓋側嵌合部を有する蓋体とを備え、
前記中皿及び前記容器本体を覆うように、前記蓋体が前記容器本体に外嵌合する嵌合容器であって、
前記中皿の中皿側コーナー部には、前記容器本体の容器側コーナー部の外縁に向けて延出すると共に、前記容器側コーナー部のフランジ部に当接可能な当接部が設けられ、
前記蓋体の蓋体側コーナー部には、当該当接部を押圧可能な押圧部が設けられて
おり、
前記当接部の先端は、前記容器側コーナー部に向けて尖った形状をしていることを特徴とする嵌合容器。
【請求項2】
前記容器本体の側壁から前記容器側コーナー部のフランジ部に膨出する膨出リブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の嵌合容器。
【請求項3】
前記容器本体の容器側コーナー部のフランジ部には、前記中皿の当接部の下端側を収容可能な収容部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の嵌合容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、容器本体と中皿と、中皿を覆うように取り付けられる蓋体とからなる嵌合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等を収容した状態で、蓋体が容器本体に外嵌合する嵌合容器が知られており、例えば、特許文献1の嵌合容器は蓋体と容器本体とから構成されるもので、蓋体を外しやすいように、蓋体のフランジ部に凸部が形成されている。そして、この凸部を指で押しながら、蓋体のフランジ部の下面に他の指を掛けて引き上げることで、蓋体が容易に外れるのである。また、特許文献2の嵌合容器は蓋体と容器本体とから構成されるもので、蓋体を外しやすいように、蓋体のフランジ部に開放押圧部を備え、当該開放押圧部の先端側には指掛け部を、根元側には屈曲部をそれぞれ備えている。そして、開放押圧部を指で押さえながら、指掛け部に他の指を掛けて引き上げることで、開放押圧部が屈曲部を起点に簡単に開放され、蓋体を容易に外すことができるのである。
【0003】
このように、蓋体と容器本体とから構成される、特許文献1や特許文献2の嵌合容器では、蓋体が外しやすい手段が備えられている。一方、特許文献3に示すような、容器本体と中皿と蓋体とからなる嵌合容器では、中皿を備えるという特殊な構造上、特許文献1や特許文献2の蓋体が外しやすい手段をそのまま採用することができなかった。そのため、蓋体が外しやすい手段を備えた、容器本体と中皿と蓋体とからなる嵌合容器の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平04-23768
【文献】特許3076819
【文献】特開2015-145285
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、蓋体が外しやすい、容器本体と中皿と蓋体とを備えた嵌合容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る嵌合容器は、容器側コーナー部の外縁に容器側嵌合部を有する容器本体と、当該容器本体の上に載置される中皿と、蓋側コーナー部の外縁に蓋側嵌合部を有する蓋体とを備え、前記中皿及び前記容器本体を覆うように、前記蓋体が前記容器本体に外嵌合する嵌合容器であって、前記中皿の中皿側コーナー部には、前記容器本体の容器側コーナー部の外縁に向けて延出すると共に、前記容器側コーナー部のフランジ部に当接可能な当接部が設けられ、前記蓋体の蓋体側コーナー部には、当該当接部を押圧可能な押圧部が設けられており、前記当接部の先端は、前記容器側コーナー部に向けて尖った形状をしていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、中皿の中皿側コーナー部に、容器側コーナー部の外縁に向けて延出する当接部を備えているので、蓋体を取り外す際に、蓋体の押圧部を介して当接部を押圧すれば、蓋側嵌合部が、容器側コーナー部の外縁に形成された容器側嵌合部から外れやすくなり、蓋体を簡単に取り外すことができるのである。
【0008】
さらに、本願発明の請求項2に係る嵌合容器は、前記容器本体の側壁から前記容器側コーナー部のフランジ部に膨出する膨出リブが設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、蓋体を取り外す際に膨出リブを押圧すれば、蓋側嵌合部が、フランジ部の外側に形成された容器側嵌合部から外れやすくなり、蓋体を簡単に取り外すことができるのである。
【0010】
さらに、本願発明の請求項3に係る嵌合容器は、前記容器本体の容器側コーナー部のフランジ部には、前記中皿の当接部の下端側を収容可能な収容部を備えることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、当接部の下端側は容器本体のフランジ部の収容部に収容されているので、当接部が下方へ押圧されても、当接部がフランジ部から外れる事が無く、容器側コーナー部のフランジ部を確実に下方へ弾性変形させることができる。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本願発明の嵌合容器は、容器本体と中皿と蓋体とを備えていても、蓋体が外しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)は本願発明の嵌合容器の蓋体の平面図、(b)はA-A端面図、(c)はB-B端面図、(d)は
図1(a)において点線で囲んだ部分の拡大平面図である。
【
図2】(a)は本願発明の嵌合容器の蓋体の右側面図、(b)は蓋体の正面図、(c)は蓋体の底面図である。
【
図3】(a)は本願発明の嵌合容器の中皿の平面図、(b)はC-C端面図、(c)はD-D端面図、(d)は
図3(a)において点線で囲んだ部分の拡大平面図である。
【
図4】(a)は本願発明の嵌合容器の中皿の右側面図、(b)は中皿の左側面図、(c)は中皿の正面図、(d)は中皿の背面図、(e)は中皿の底面図である。
【
図5】(a)は本願発明の嵌合容器の容器本体の平面図、(b)はE-E端面図、(c)はF-F端面図、(d)は
図5(a)において点線で囲んだ部分の拡大平面図である。
【
図6】(a)は本願発明の嵌合容器の容器本体の右側面図、(b)は容器本体の正面図、(c)は容器本体の底面図である。
【
図7】(a)は、本願発明の容器本体の上に中皿を載置した状態で、蓋体が閉じられた嵌合容器を示すもので、コーナー部周辺の縦端面図、(b)は、
図7(a)に示す状態において、容器本体の上に中皿が載置された様子を概念的に示すものであって、コーナー部周辺を拡大した平面図である。
【
図8】(a)及び(b)は、
図7(a)に示す状態から蓋体を取り外す様子を示した端面図である。
【符号の説明】
【0014】
100 蓋体
110 蓋側コーナー部
111 外縁
150 蓋側嵌合部
160 押圧部
200 中皿
210 中皿側コーナー
260 当接部
300 容器本体
310 容器側コーナー部
312 外縁
340 フランジ部
350 容器側嵌合部
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、嵌合容器の容器本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことであり、「横」とは水平方向に向かう方向のことであり、「縦」とは、水平面において「横」に対して直角の方向のことである。
【0016】
まず、
図1及び
図2には、本願発明の嵌合容器400の蓋体100を示す。なお、
図1(a)は蓋体100の平面図、
図1(b)はA-A端面図、
図1(c)はB-B端面図、
図1(d)は
図1(a)において点線で囲んだ部分の拡大平面図である。また、
図2(a)は蓋体100の右側面図、
図2(b)は蓋体100の正面図、
図2(c)は蓋体100の底面図である。なお、蓋体100の左側面図は、
図2(a)に示す蓋体100の右側面図と同一に表れ、蓋体100の背面図は、
図2(b)に示す蓋体100の正面図と同一に表れるので省略する。
【0017】
図1及び
図2に示すように、蓋体100は下方に開口した浅皿型で、四隅に蓋側コーナー部110を備えた平面視略四角形形状をしており、平坦な天板120と、当該天板120の縁部121から下方へ向けて連続する側壁130と、当該側壁130の下端から水平方向へ延びるフランジ部140とを備える。蓋側コーナー部110周辺のフランジ部140には、上方へ膨出する押圧部160が設けられており、この押圧部160の裏側には、後述する中皿の当接部が収容される。また、フランジ部140には、蓋体100の辺部に沿って段状に膨出した膨出部142が設けられており、後述する中皿のスカート部を収容できるようになっている。さらに、フランジ部140の外側には、当該フランジ部140から下方へ向けて連続する凹状の蓋側嵌合部150が設けられている。そして、側壁130、フランジ部140、及び蓋側嵌合部150は蓋体100の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
【0018】
また、
図1(d)に示すように、押圧部160は、蓋側コーナー部110の外縁111に向けて延出しており、上面側の平坦な押圧面161と、蓋側コーナー部110の外縁111に向けて互いに近接する側壁162を備えている。そして、押圧部160は、蓋側コーナー部110に向けて先端163が尖った平面視略三角形形状をしている。なお、押圧部160は、上方へ膨出する凸形状をしているが、これに限定されず、押圧部160は、後述する中皿の200の当接部260と上下に重なり、指で押さえた際に当接部260を押圧可能であれば、任意の形状とすることができ、例えば押圧部160は下方へ窪む凹形状であってもよい。
【0019】
次に、
図3に本願発明の嵌合容器400の中皿200を示す。なお、
図3(a)は中皿200の平面図、
図3(b)はC-C端面図、
図3(c)はD-D端面図、
図3(d)は
図3(a)において点線で囲んだ部分の拡大平面図である。また、
図4(a)は中皿200の右側面図、
図4(b)は中皿200の左側面図、
図4(c)は中皿200の正面図、
図4(d)は中皿200の背面図、
図4(e)は中皿200の底面図である。
【0020】
図3及び
図4に示すように、中皿200は上方に開口した浅皿型で、四隅に中皿側コーナー部210を備えた平面視略四角形形状をしており、平坦な底壁220と、当該底壁220の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁230と、食材等を個別に収容するための仕切壁221が設けられている。さらに、側壁230の上端から略水平方向へ延びるフランジ部240が設けられ、中皿側コーナー部210周辺のフランジ部240には、上方へ膨出する当接部260が設けられている。また、中皿側コーナー部210に隣接する辺部211では、フランジ部240から上方へ膨出した上端241から下方へ向けて延びるスカート部(延出部)242が形成されており、当該スカート部242は、後述する容器本体のズレ防止壁に当接する。そして、側壁230、及びフランジ部240は中皿200の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
【0021】
また、
図3(d)に示すように、当接部260は、上端面261と、中皿側コーナー部210の先端に向けて互いに近接する側壁262を備えている。そして、中皿200が容器本体300の上に載置された際に、当接部260は容器本体300の容器側コーナー部310の外縁312に向けて延出し、更に、当接部260は、先端263が容器側コーナー部310の外縁312に向けて尖った平面視略三角形の形状をしている。なお、当接部260は、上方へ膨出する凸形状をしているが、これに限定されず、当接部260は容器側コーナー部310の外縁312に向けて延出すると共に、容器側コーナー部310のフランジ部340に当接可能であれば、任意の形状とすることができる。
【0022】
次に、
図5及び
図6には、本願発明の嵌合容器400の容器本体300を示す。なお、
図5(a)は容器本体300の平面図、
図5(b)はE-E端面図、
図5(c)はF-F端面図、
図5(d)は
図5(a)において点線で囲んだ部分の拡大平面図である。また、
図6(a)は容器本体300の右側面図、
図6(b)は容器本体300の正面図、
図6(c)は容器本体300の底面図である。なお、容器本体300の左側面図は、
図6(a)に示す容器本体300の右側面図と同一に表れ、容器本体300の背面図は、
図6(b)に示す容器本体300の正面図と同一に表れるので省略する。
【0023】
図5及び
図6に示すように、容器本体300は上方に開口した浅皿型で、四隅に容器側コーナー部310を備えた平面視略四角形形状をしており、平坦な底壁320と、当該底壁320の縁部321から上方へ立ち上がるように連続する側壁330と、当該側壁330の上端から略水平方向へ延びるフランジ部340とを備える。容器側コーナー部310周辺のフランジ部340には、下方へ窪んだ収容部370が設けられており、この収容部370は中皿200の当接部260の下端側を収容できるように構成されている。
【0024】
また、容器側コーナー部310に隣接する辺部311では、フランジ部340から上方へ膨出するズレ防止壁341が形成されおり、当該ズレ防止壁341には中皿200のスカート部242が覆い被さるように載置する。また、ズレ防止壁341の下端には溝部342が形成されており、スカート部242の下端が嵌まるようになっている。さらに、フランジ部340の外側には、当該フランジ部340から下方へ向けて連続する凸状の容器側嵌合部350が設けられている。そして、側壁330、フランジ部340、及び容器側嵌合部350は容器本体300の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
【0025】
また、
図5(d)に示すように、内側に窪んだ収容部370は、当接部260の下端側を内側に載置して収容できるように、当接部260に対応した形状をしており、具体的には、容器側コーナー部310の外縁312に向けて先端371が尖った平面視略三角形をしている。
【0026】
さらに、容器側コーナー部310には、容器側コーナー部310の外縁312に向けて直線状に膨出する膨出リブ360が形成されている。この膨出リブ360は、容器本体300の外側に膨出した凸状のもので、外力に対して変形し難く、側壁330から容器側コーナー部310のフランジ部340にかけて傾斜するように膨出している。そして、膨出リブ360の両側には、側壁330とフランジ部340に跨がるように広がる面部361が設けられている。そのため、膨出リブ360は両側の面部361によって変形しないように更に補強されている。なお、膨出リブ360は外側に膨出した凸状のものであるが、これに限定されず、内側に膨出した凹状のもの、すなわち、膨出リブ360は溝状であってもよい。
【0027】
なお、本実施形態に係る蓋体100、中皿200、及び容器本体300は、厚さが約0.1mmから1.00mm程度のシート状の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100や中皿200の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものを、容器本体300の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを発泡させたものや、タルクを混ぜたものを用いることができる。また、蓋体100、中皿200、及び容器本体300は、平面視略四角形であるが、この他にも平面視多角形など、適宜形状を変更することできる。
【0028】
では次に、
図7を参照して、本願発明の嵌合容器400について説明する。この嵌合容器400は、蓋体100、中皿200、及び容器本体300の3つの部材から構成されている。そして、実際に使用する際は、容器本体300内部に食品等を収容した状態で、容器本体300の開口を覆うように中皿200が載置され、さらにその上から、食品等が収容された中皿200を覆うように蓋体100が被せられ、蓋体100の蓋側嵌合部150と容器本体300の容器側嵌合部350とが外嵌合して、嵌合容器400は密閉される。
【0029】
なお、
図7(a)は、容器本体300の上に中皿200を載置した状態で蓋体100が閉じられた状態の嵌合容器400を示すもので、コーナー部周辺の縦端面図である。また、
図7(b)は、
図7(a)に示す状態において、容器本体300の上に中皿200が載置された様子を概念的に示すものであって、コーナー部周辺を拡大した平面図である。なお、
図7(b)では、蓋体100を省略しており、容器本体300を実線で、中皿200を点線で示している。
【0030】
図7に示すように、蓋体100が閉じられた状態では、嵌合容器400の外縁において、蓋体100の蓋側嵌合部150が容器本体300の容器側嵌合部350に外嵌合してい
る。また、当接部260の底面側が、容器本体300のフランジ部340上に載置されていると共に、収容部370内に収容された状態となっている。より具体的には、
図7(b)に示すように、当接部260の側壁262の下端は収容部370の内側に配置され、当接部260の先端263の下端は収容部370の先端371の内側に配置されているので、当接部260の底面側は、収容部370の窪んだ部分に囲まれるように安定して載置されている。
【0031】
また、
図7(a)に示すように、蓋体100の押圧部160の押圧面161の裏面には、中皿200の当接部260の上端面261が位置するように重なっている。さらに、
図7(b)に示すように、容器側コーナー部310に隣接する辺部311に沿ってズレ防止壁341が形成されており、中皿200のスカート部242はズレ防止壁341上に被さるように載置されている。そのため、中皿200は、容器本体300上にズレないよう安定して載置されることになる。さらに、ズレ防止壁341に沿って形成された溝部342に、中皿200のスカート部242の下端が嵌まり込んでいるので、中皿200は容器本体300上にズレないように更に安定して載置されることになる。また、ズレ防止壁341及び溝部342は、辺部311のみに設けられ、容器側コーナー部310周辺には設けられていない。そのため、後述するように、容器側コーナー部310のフランジ部340は下方へ変形し易いのである。
【0032】
では次に、
図8を参照して、本願発明の嵌合容器400の蓋体100を取り外す様子について説明する。なお、
図8(a)及び(b)は、
図7(a)に示す状態から蓋体100を取り外す様子を示した端面図である。
【0033】
まず、
図8(a)に示すように、嵌合容器400の使用者は、親指等の指F1で蓋体100の押圧部160を上から押圧する。すると、押圧部160の押圧面161の裏面に当接している当接部260が下方へ押圧され、更に、容器本体300のフランジ部340も当接部260によって押圧されて下方へ弾性変形する。特に、この当接部260は容器側コーナー部310の外縁312に向けて延出しているので、当接部260が下方へ押圧されると、容器側コーナー部310の外側に形成されている容器側嵌合部350側も下方に向けて沈むように変形する。そのため、
図8(a)に示すように、蓋側嵌合部150と容器側嵌合部350とが離れて嵌合が緩み、蓋側嵌合部150が容器側嵌合部350から外れ易い状態となる。そして、使用者が人差し指等の他の指F2で蓋側嵌合部150の下端を引っ掛けて、そのまま蓋体100を簡単に取り外すことができるのである。
【0034】
このように、本願発明の嵌合容器400によれば、中皿200の中皿側コーナー部210に、容器側コーナー部310の外縁312に向けて延出する当接部260を備えているので、蓋体100を取り外す際に、蓋体100の押圧部160を介して当接部260を押圧すれば、蓋側嵌合部150が、容器側コーナー部310の外縁312に形成された容器側嵌合部350から外れやすくなり、蓋体100を簡単に取り外すことができるのである。
【0035】
また、当接部260の下端側は容器本体300のフランジ部340の収容部370に収容されているので、当接部260が下方へ押圧されても、当接部260がフランジ部340から外れる事が無く、容器側コーナー部310のフランジ部340を確実に下方へ弾性変形させることができる。
【0036】
また、当接部260の先端263は容器側コーナー部310に向けて尖った形状をしているので、当接部260が押圧された際の応力は、当接部260の先端263側に集中することになる。そのため、容器側コーナー部310の先端側ほど、当接部260の先端263側によって、より強く押圧されることになり、容器側コーナー部310の外縁312
に形成されている容器側嵌合部350も下方に向けて沈むように変形し易くなる。その結果、蓋側嵌合部150が容器側嵌合部350から更に外れ易い状態となるのである。
【0037】
また、
図8(b)に示すように、嵌合容器400の使用者は、親指等の指F1で蓋体100の押圧部160を上から押圧した際に、人差し指等の他の指F2で容器本体300の膨出リブ360を外側から押圧してもよい。膨出リブ360が容器本体300の内側へ押圧されると、膨出リブ360は剛性が高く変形しにくいことから、膨出リブ360周辺の側壁330が内側へ窪むように弾性変形する。すると、側壁330が内側へ弾性変形したことで、側壁330の上端側に形成されたフランジ部340も下方へ向けて沈むように変形することになる。すると、
図8(b)に示すように、蓋側嵌合部150と容器側嵌合部350とがより大きく離れて嵌合が緩み、蓋側嵌合部150が容器側嵌合部350から外れた状態となる。そして、他の指F2で蓋側嵌合部150の下端を引っ掛けて、そのまま蓋体100を簡単に取り外すことができるのである。
【0038】
このように、本願発明の嵌合容器400によれば、容器本体300の側壁330から容器側コーナー部310のフランジ部340にかけて膨出する膨出リブ360を備えているので、蓋体100を取り外す際に、膨出リブ360を押圧すれば、蓋側嵌合部150が、フランジ部340の外側に形成された容器側嵌合部350から外れやすくなり、蓋体100を簡単に取り外すことができるのである。
【0039】
なお、
図5及び
図6に示すように、膨出リブ360は、容器本体300の側壁330の中腹あたり、言い換えると、容器本体300の側壁330において、容器本体300の底壁320から離れた位置から、フランジ部340へ向けて膨出している。そのため、
図8(b)に示すように、膨出リブ360が押圧された際に、膨出リブ360周辺(特に、下端側の周辺)の側壁330が、内側へ窪むように弾性変形し易くなるのである。
【0040】
なお、本願発明の容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。