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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】減速機構、及び減速機付モータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 55/17 20060101AFI20221223BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20221223BHJP
   H02K 7/108 20060101ALI20221223BHJP
   F16H 1/16 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
F16H55/17 A
H02K7/116
H02K7/108
F16H1/16 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018168762
(22)【出願日】2018-09-10
(65)【公開番号】P2020041587
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】早田 聖基
(72)【発明者】
【氏名】杉山 友康
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-147284(JP,A)
【文献】特開2014-176283(JP,A)
【文献】実開昭63-150157(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 55/17
H02K 7/116
H02K 7/108
F16H 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースのベース面に一端が固定され、他端に雌ネジ孔が形成されたシャフトと、
前記シャフトに回転可能に支持され、外部動力の回転力により回転する少なくとも1つのギヤと、
前記シャフトの前記雌ネジ孔に締結され、前記シャフトの外周面よりも径方向外側に張り出して前記ギヤの前記シャフトからの抜けを防止する頭部を有するボルト部材と、
前記ケースに固定され、前記ケースの前記ベース面に対向する側に形成された開口部を閉塞するカバーと、
を備え、
前記ケースには、取付対象に前記ケースを固定する取付面を有する複数の座部が形成されており、
前記カバーは、有底円筒状に形成され内側に前記頭部が収容される軸受ボスを有し、
前記ボルト部材の前記頭部、及び前記カバーの前記軸受ボスは、前記付面に対し、前記取付面から前記取付対象側にボルト部材の前記頭部及び前記カバーが突出しないように前記シャフトの一端側に設けられている
ことを特徴とする減速機構。
【請求項2】
前記ケースに、
前記外部動力の回転力が入力されるウォーム軸と、
前記ウォーム軸に噛合されるウォームホイールと、
前記ウォームホイールと同軸上に配置され、前記ウォームホイールと一体となって回転可能な平歯車と、
前記平歯車に噛合され、外部機器に回転力を伝達する出力部と、
が収納されており、
前記ギヤは、前記ウォームホイール及び前記平歯車である
ことを特徴とする請求項1に記載の減速機構。
【請求項3】
前記ケースに収納され、前記ウォームホイールからの回転を前記平歯車に伝達するとともに、前記平歯車からの回転が前記ウォームホイールに伝達されてしまうことを阻止するクラッチ機構をさらに備え、
前記クラッチ機構は、
前記ウォームホイールに軸方向に貫通形成された複数の係合孔と、
前記平歯車に形成され前記係合孔に挿入される係合凸部と、
前記ウォームホイールの前記平歯車とは反対側の面に配置され、前記係合凸部の先端面と突き合わされる受入れ面を有するとともに、前記ケースと摺動可能、かつ前記ケースによって軸方向への移動が規制されたロックプレートと、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の減速機構。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減速機構と、
前記減速機構に連結されたモータと、
を備え、
前記モータは、前記外部動力である
ことを特徴とする減速機付モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機構、及び減速機付モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
減速機構は、例えば複数のギヤ(歯車)により構成されており、例えばモータの回転力が入力され、モータの回転を減速して出力する。これにより、モータ自体の規定トルクよりも大きなトルクを得ることが可能になる。
ここで、この種の減速機構の中には、組立作業を容易化するために、一面が開口された箱状のケースに、モータと減速機構とを収納したものがある。また、このものは、ケースにシャフトを立設し、シャフトの先端から減速機構を構成するギヤを挿入するように構成されている。そして、ケースの一面側からモータと減速機構とを収納した後、一面の開口をカバーで閉塞する。このように、ケース内への部品の組付けを、全て一面側から行えるので、減速機構の組立作業を容易に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-225289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ケースに立設したシャフトに対し、シャフトの先端からギヤを挿入した構成において、シャフトの先端側に、シャフトからのギヤの抜けを防止するナットを締結させる場合がある。しかし、シャフトの先端側にナットを締結させる場合、シャフトの端部で雄ネジ部のネジ溝が不完全である部分を避ける必要があり、シャフトの先端をナットから突出させる。すると、減速機構の軸方向長さが増大する。その結果、カバーは、ナットから突出したシャフトの先端と干渉しないように設けなければならず、減速機構を収納したケース及びカバーが大型化してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、軸方向で小型化することのできる減速機構、及び減速機付モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の減速機構は、ケースのベース面に一端が固定され、他端に雌ネジ孔が形成されたシャフトと、前記シャフトに回転可能に支持され、外部動力の回転力により回転する少なくとも1つのギヤと、前記シャフトの前記雌ネジ孔に締結され、前記シャフトの外周面よりも径方向外側に張り出して前記ギヤの前記シャフトからの抜けを防止する頭部を有するボルト部材と、前記ケースに固定され、前記ケースの前記ベース面に対向する側に形成された開口部を閉塞するカバーと、を備え、前記ケースには、取付対象に前記ケースを固定する取付面を有する複数の座部が形成されており、前記カバーは、有底円筒状に形成され内側に前記頭部が収容される軸受ボスを有し、前記ボルト部材の前記頭部、及び前記カバーの前記軸受ボスは、前記付面に対し、前記取付面から前記取付対象側にボルト部材の前記頭部及び前記カバーが突出しないように前記シャフトの一端側に設けられていることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、シャフトの他端に形成された雌ネジ孔にボルト部材を締結すると、シャフトの他端からはボルト部材の頭部のみが突出する。つまり、シャフトの他端にナットを締結した場合のように、完全な締結確保のためナットからシャフトの他端を突出させる必要がない。したがって、ボルト部材の頭部までを含んだ減速機構の軸方向長さを小さくすることができる。
また、シャフトの他端に形成された雌ネジ孔にボルト部材を締結することによって軸方向長さを小さくした減速機構を、ケース及びカバー内に収容することで、ケース及びカバーを小型化することができる。さらに、ボルト部材の頭部及びカバーを、取付面よりもシャフトの一端側に設けることで、取付面よりも取付対象側にボルト部材の頭部及びカバーが突出しない。これにより、減速機構と取付対象との間に、ボルト部材の頭部及びカバーとの干渉を避けるためにスペースを確保する必要が無い。
【0010】
また、本発明の減速機構は、前記ケースに、前記外部動力の回転力が入力されるウォーム軸と、前記ウォーム軸に噛合されるウォームホイールと、前記ウォームホイールと同軸上に配置され、前記ウォームホイールと一体となって回転可能な平歯車と、前記平歯車に噛合され、外部機器に回転力を伝達する出力部と、が収納されており、前記ギヤは、前記ウォームホイール及び前記平歯車であるようにしてもよい。
【0011】
このように構成することで、大きな減速比を得ることができる。このような減速機構において、減速機構を軸方向で小型化することができる。
【0012】
また、本発明の減速機構は、前記ケースに収納され、前記ウォームホイールからの回転を前記平歯車に伝達するとともに、前記平歯車からの回転が前記ウォームホイールに伝達されてしまうことを阻止するクラッチ機構をさらに備え、前記クラッチ機構は、前記ウォームホイールに軸方向に貫通形成された複数の係合孔と、前記平歯車に形成され前記係合孔に挿入される係合凸部と、前記ウォームホイールの前記平歯車とは反対側の面に配置され、前記係合凸部の先端面と突き合わされる受入れ面を有するとともに、前記ケースと摺動可能、かつ前記ケースによって軸方向への移動が規制されたロックプレートと、を備えるようにしてもよい。
【0013】
このように、ロックプレートを有するクラッチ機構を備える減速機構は、シャフトの軸方向で大型化しやすいが、上記のような構成を備えることで、減速機構を軸方向で小型化することができる。
また、クラッチ機構を設けることにより、外部機器からの荷重により、減速機構が逆転、換言すれば、ウォームホイールが逆転してしまうことを確実に防止できる。さらに、クラッチ機構が、係合孔、係合凸部、受入れ面、及びロックプレートにより構成されているので、係合凸部の先端面と受入れ面との突き合わせ状態により、平歯車が浮き上がろうとしてしまう。つまり、平歯車に、シャフトの他端からの抜け方向の力が作用してしまう。しかしながら、シャフトの他端に締結したボルト部材により、平歯車のシャフトからの抜けも確実に防止できる。
【0014】
また、本発明の減速機付モータは、上記に記載の減速機構と、前記減速機構に連結されたモータと、を備え、前記モータは、前記外部動力であることを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、減速機構を軸方向で小型化可能な減速機付モータを提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、軸方向で小型化することのできる減速機構、及び減速機付モータを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態における減速機付モータの外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態における減速機付モータの部品構成を示す斜視展開図である。
図3図1のA-A線に沿う断面図である。
図4】本発明の実施形態におけるウォームホイールの斜視図である。
図5】本発明の実施形態におけるピニオンギヤの斜視図である。
図6】本発明の実施形態におけるウォーム支軸にピニオンギヤを挿入した状態を、ウォーム支軸の軸方向からみた平面図である。
図7】本発明の実施形態におけるロックプレートの斜視図である。
図8】本発明の実施形態におけるクラッチ機構の作用説明であり、(a)~(c)は、クラッチ機構を状態別に図示したものである。
図9】本発明の第二実施形態における減速機付モータの構成を示す断面図である。
図10】本発明の実施形態におけるウォーム支軸の先端側に設けたナット、コロ、及びコロホルダーを示す断面図である。
図11】本発明の実施形態におけるウォーム支軸の先端側に設けたナット、コロ、及びコロホルダーを、ウォーム支軸の軸方向からみた平面図である。
図12】本発明の実施形態におけるコロ及びコロホルダーを示す斜視図である。
図13】本発明の実施形態におけるコロホルダーを示す斜視図である。
図14】本発明の実施形態におけるコロ及びコロホルダーを、図12とは異なる方向から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態に係る減速機付モータについて、図面を参照して説明をする。
【0019】
[第一実施形態]
(減速機付モータ)
図1は、減速機付モータ1の外観を示す斜視図である。図2は、減速機付モータ1の部品構成を示す展開斜視図である。
図1図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば、車両のパワーウインドウ装置等に用いられるものである。減速機付モータ1は、モータ2と、モータ2に連結された減速機構3と、を備え、減速機構3にクラッチ機構4が内装されている。
【0020】
(モータ)
モータ2は、いわゆるブラシ付DCモータである。モータ2は、略有底筒状のヨーク5と、ヨーク5の径方向内側に回転自在に設けられたアーマチュア6と、を備えている。ヨーク5の筒部5aには、内周面に、複数の永久磁石40が周方向に並んで配置されている。ヨーク5は、開口部5bを減速機構3側に向けて配置されている。
アーマチュア6は、回転軸7と、回転軸7の永久磁石40に対応する位置に外嵌固定されているアーマチュアコア8と、回転軸7のアーマチュアコア8よりも減速機構3側に外嵌固定されているコンミテータ9と、を備えている。
【0021】
回転軸7の一端(図2における右端)は、ヨーク5の底部に回転自在に支持されている。
アーマチュアコア8には、不図示のコイルが巻回されている。コイルの端末部がコンミテータ9に接続されている。コンミテータ9は、略円柱状に形成されている。コンミテータ9は、外周面に複数の導電性のセグメント9aが周方向に並んで配置されている。これらセグメント9aに不図示のコイルが接続される。
また、セグメント9aには、ブラシユニット10の不図示のブラシが摺接される。ブラシユニット10は、コネクタ部11を介して不図示の外部電源に電気的に接続されている。このため、ブラシユニット10の不図示のブラシ、及びセグメント9aを介し、不図示のコイルの電流が供給される。
【0022】
コネクタ部11は、不図示の外部電源とブラシユニット10とを電気的に接続するものである。コネクタ部11は、減速機構3の後述するモータ収容部16に収容されるフレーム部12と、フレーム部12の一側に一体的に設けられているコネクタ受部13と、を備えている。
コネクタ受部13には、外部電源から延びる不図示のコネクタが嵌着される。コネクタ受部13の不図示の端子が、ブラシユニット10と電気的に接続される。
【0023】
フレーム部12は、略長方形で額縁状に形成されている。フレーム部12の開口部12aは、ヨーク5の開口部5bに連通されている。また、フレーム部12の開口部12aは、コンミテータ9を挿通可能に形成されている。モータ2の回転軸7の他端は、フレーム部12の開口部12aを介して減速機構3側に突出しており、この減速機構3に連結されている。
【0024】
(減速機構)
(ケース)
図3は、図1のA-A線に沿う断面図である。
図2図3に示すように、減速機構3は、一面に開口部14aを有する略箱状のケース14と、ケース14のモータ2側に一体成形され、ケース14の開口部14aと同じ向きで第1開口部16aを有するモータ収容部16と、ケース14の開口部14a、及びモータ収容部16の第1開口部16aを閉塞するカバー15と、ケース14内に収容された減速機部30と、ケース14内に収容されたクラッチ機構4と、を備えている。
【0025】
モータ収容部16には、モータ2が取り付けられるとともに、ブラシユニット10、及びコネクタ部11が収容される。モータ収容部16には、モータ2が取り付けられる側面にも第2開口部16bが形成されている。この第2開口部16bの外周縁に、ヨーク5の開口部5bの外周縁が当接される。そして、この当接された箇所で、モータ収容部16とヨーク5とが不図示のボルトによって締結固定される。
【0026】
また、モータ収容部16の第2開口部16bは、第1開口部16aと連通されている。そして、モータ収容部16の第1開口部16a側からコネクタ部11のフレーム部12を挿入し、このフレーム部12を第2開口部16bの内周縁に嵌合させることにより、モータ収容部16にコネクタ部11が収容される。さらに、モータ収容部16の第1開口部16aで、コネクタ部11よりもケース14側からブラシユニット10を挿入する。これにより、モータ収容部16のコネクタ部11よりもケース14側にブラシユニット10が収容される。
【0027】
ケース14は、モータ2の回転軸7の軸線上に沿って形成されたウォーム軸収容凹部17と、ウォーム軸収容凹部17を挟んで両側に配置されたウォームホイール収容凹部18、及びドライブギヤ収容凹部19と、ウォームホイール収容凹部18の底面(ベース面)18aに形成されたクラッチ収容凹部20と、を備えている。
ウォーム軸収容凹部17は、ケース14の側壁14bを貫通するように延出形成されている。ケース14の側壁14bには、ウォーム軸収容凹部17が貫通された箇所に、ケース14の開口部14aと同じ向きで開口された軸受収容凹部21a,21b(第1軸受収容凹部21a、第2軸受収容凹部21b)が形成されている。
【0028】
軸受収容凹部21a,21bのうち、モータ収容部16側の第1軸受収容凹部21aには、回転軸7の他端7bを回転自在に支持する軸受22aが圧入されて収容されている。
一方、軸受収容凹部21a,21bのうち、モータ収容部16とは反対側の第2軸受収容凹部21bには、回転軸7と一体化された後述のウォーム軸31の端部31a(図2における左端)を回転自在に支持する軸受22bが圧入されて収容されている。
【0029】
ドライブギヤ収容凹部19の底部19aには、後述のドライブギヤ35を回転自在に支持するためのドライブ支軸23が立設されている。
また、クラッチ収容凹部20の底部20aには、略円筒状の軸受部25が一体成形されている。この軸受部25に、後述のウォームホイール(ギヤ)32を回転自在に支持するためのウォーム支軸(シャフト)24の基端(一端)が圧入される。
【0030】
ドライブ支軸23、及びウォーム支軸24は、これの軸方向が回転軸7、及びウォーム軸31の軸方向と直交している。ウォーム支軸24は、基端にフランジ部24aが形成されている。一方、ウォーム支軸24の先端(他端)には、雌ネジ孔24bが形成されている。
【0031】
このような構成のもと、ウォーム支軸24は、先端をクラッチ収容凹部20の底部20aの外側(ケース14の底部14cの外側)から軸受部25に圧入される。クラッチ収容凹部20の底部20aにフランジ部24aを当接させることにより、ウォーム支軸24のクラッチ収容凹部20に対する位置決めが行われる。これにより、クラッチ収容凹部20の底部20aからウォーム支軸24が突出される。
【0032】
その他、ケース14の外側面には、ケース14を車体等の取付対象100に取り付けるための3つのボルト座27が周方向にほぼ等間隔で形成されている。各ボルト座27には、それぞれ、取付対象100に固定される取付面27fと、不図示のボルトを挿通可能な挿通孔27aが形成されている。
また、ケース14の外側面には、複数の雌ネジ座81が形成されている。この雌ネジ座81は、ケース14にカバー15を締結固定するためのものである。
また、ケース14の開口部14aの内周縁には、カバー15が嵌め込まれる段差部29が形成されている。
【0033】
(減速機部)
減速機部30は、モータ2から突出された回転軸7と一体成形され、ウォーム軸収容凹部17に収容されるウォーム軸31と、ウォーム軸31に噛合され、ウォームホイール収容凹部18に収容されるウォームホイール32と、ウォームホイール32のクラッチ収容凹部20とは反対側の上部に配置されクラッチ機構4と一体化されたピニオンギヤ(ギヤ、平歯車)33と、ピニオンギヤ33に噛合されるスパーギヤ34と、スパーギヤ34と一体化されるドライブギヤ35と、ボルト部材46と、を備えている。
【0034】
ウォーム軸31は、回転軸7と同軸上に延在されている。ウォーム軸31の回転軸7とは反対側の端部31aが、ケース14の軸受収容凹部21bに圧入された軸受22bに回転自在に支持されている。
【0035】
図4は、ウォームホイール32の斜視図である。
図2図4に示すように、ウォームホイール32は、略円板状に形成されている。ウォームホイール32の外周面には、ウォーム軸31に噛合される歯部32aが形成されている。ウォームホイール32の径方向中央には、ウォーム支軸24が挿通可能な挿通孔32bが形成されている。この挿通孔32bにウォーム支軸24を挿通することにより、ウォーム支軸24にウォームホイール32が回転自在に支持される。
【0036】
ウォームホイール32の外周部で、歯部32aよりも径方向内側には、ウォーム支軸24の軸方向の一面32c側に、ウォーム支軸24の軸方向からみて円環状の凸部36が一体成形されている。この凸部36がウォームホイール収容凹部18の底面18aに当接するように、ウォームホイール収容凹部18にウォームホイール32が位置決め収容される。ウォームホイール32は、凸部36がウォームホイール収容凹部18の底面18aに当接するだけなので、ウォームホイール収容凹部18に対するウォームホイール32の摺動抵抗を最小限に抑えることができる。
【0037】
また、ウォームホイール32には、挿通孔32bの周囲に、後述のピニオン凸部43が挿入可能な3つのピニオン係合孔(係合孔)37が周方向に等間隔で形成されている。ピニオン係合孔37は、径方向外側に向かって末広がりとなるように、ウォーム支軸24の軸方向からみて略扇状に形成されている。さらに、ウォームホイール32には、挿通孔32bの周囲で、かつ挿通孔32bの間に、それぞれ後述のロック凸部73が挿入可能な3つのロック係合孔38が周方向に等間隔で形成されている。ロック係合孔38は、径方向外側に向かって末広がりとなるように、ウォーム支軸24の軸方向からみて略扇状に形成されている。
また、ウォームホイール32の一面32cとは反対側の他面32dには、径方向中央の大部分に凹部32eが形成されている。この凹部32eにピニオンギヤ33の一部が収容される。
【0038】
図5は、ピニオンギヤ33の斜視図である。
図2図3図5に示すように、ピニオンギヤ33は、略円板状のベース部41とベース部41のウォームホイール32とは反対側にベース部41と同軸上に配置された略円柱状のピニオン本体42と、ベース部41のピニオン本体42とは反対側の面から突出する3つのピニオン凸部(係合凸部)43と、が一体成形されたものである。
ピニオン本体42の外周面には、スパーギヤ34と噛合される歯部42aが形成されている。ベース部41、及びピニオン本体42の径方向中央には、ウォーム支軸24が挿通可能な挿通孔44が形成されている。挿通孔44にウォーム支軸24を挿通することにより、ウォーム支軸24にピニオンギヤ33が回転自在に支持される。
【0039】
3つのピニオン凸部43は、ウォームホイール32のピニオン係合孔37に対応するように、周方向に等間隔で形成されており、それぞれピニオン係合孔37に挿通される。
ピニオン凸部43は、ウォームホイール32が回転するとピニオン係合孔37と係合し、ウォームホイール32とピニオンギヤ33とが共回りする。各ピニオン凸部43の先端には、周方向中央から両端にかけて軸方向の高さが減少するように楔部45が一体成形されている。楔部45は、傾斜面45aを有している。
【0040】
図3に示すように、ボルト部材46は、ウォーム支軸24の先端に刻設された雌ネジ孔24bに締結されている。ボルト部材46は、雌ネジ孔24bにねじ込まれる雄ネジ部46aと、雄ネジ部46aの基端側に設けられた頭部46bと、を一体に有する。頭部46bは、ウォーム支軸24の外周面よりも径方向外側に張り出して、ウォーム支軸24に回転自在に支持されているウォームホイール32及びピニオンギヤ33の、ウォーム支軸24からの抜けが防止されている。ボルト部材46は、いわゆる六角穴付きボルトであり、頭部46bに工具が係合される六角形状の係合穴46cが形成されている。ボルト部材46の頭部46bは、後述する軸受ボス65の内側に嵌め込まれることで、ボルト部材46の緩みが抑えられている。なお、ここではボルト部材46を六角穴付きボルトとしたが、六角形状の頭部を有する六角ボルトであってもよい。
また、ウォーム支軸24には、ピニオン本体42とボルト部材46との間に、平ワッシャ(図示無し)を挿入してもよい。
【0041】
図2図3図6に示すように、ピニオン本体42の歯部42aに噛合されているスパーギヤ34は、略円環状に形成されている。スパーギヤ34は、ドライブギヤ収容凹部19に、ドライブ支軸23と同軸上に収容されている。
ここで、ドライブギヤ収容凹部19の深さは、ウォームホイール収容凹部18の深さと比較して浅く設定されている。具体的には、ドライブギヤ収容凹部19は、底部19aがベース部41と径方向で並ぶように形成されている。このため、ドライブギヤ収容凹部19に収容されたスパーギヤ34は、一部がウォームホイール32の一部とウォーム支軸24の軸方向で重なる。また、ピニオンギヤ33の歯部42aに、スパーギヤ34の外周面に形成された歯部34aが噛合される。
【0042】
スパーギヤ34の内周面には、ドライブ支軸23の軸方向からみて略扇状の係合凹部51が周方向に等間隔で4つ形成されている。係合凹部51は、スパーギヤ34とドライブギヤ35とを相対回転不能に係合するためのものである。
【0043】
スパーギヤ34の内周面に、ドライブギヤ35が嵌合されている。すなわち、スパーギヤ34とドライブギヤ35は、ドライブギヤ収容凹部19の底部19a側が同一平面となるように、ドライブギヤ収容凹部19に収容されている。
ドライブギヤ35は、略円板状のベース部52と、ベース部52におけるドライブギヤ収容凹部19の底部19aとは反対側に配置されたドライブ本体53と、が一体成形されたものである。
【0044】
ベース部52は、ドライブギヤ収容凹部19の底部19a側に配置された大径部54と、ドライブ本体53側に配置され、大径部54よりも縮径形成された小径部55と、が一体成形されたものである。そして、大径部54が、スパーギヤ34に内嵌される。大径部54の一部も、ウォームホイール32の一部とウォーム支軸24の軸方向で重なる。
大径部54の外周面には、スパーギヤ34の係合凹部51に対応する位置に、これら係合凹部51に嵌る係合凸部54aが、径方向外側に向かって突出形成されている。係合凹部51に係合凸部54aが嵌ることにより、スパーギヤ34とドライブギヤ35とが相対回転不能に一体化される。これらスパーギヤ34とドライブギヤ35とにより、出力部50を構成している。
【0045】
ベース部52の小径部55には、外周面に略円筒状のシール壁56がドライブ本体53側に向かって突出形成されている。シール壁56は、ドライブギヤ35とカバー15との間のシール性を確保するためのものである(詳細は後述する)。
ドライブ本体53は、略円柱状に形成されている。ドライブ本体53、及びベース部41の径方向中央には、ドライブ支軸23が挿通可能な挿通孔58が形成されている。挿通孔58にドライブ支軸23を挿通することにより、ドライブ支軸23にドライブギヤ35が回転自在に支持される。
【0046】
ドライブ本体53の外周面には、歯部53aが形成されている。この歯部53aに、不図示の外部機器(例えば、車両用窓を開閉するウィンドウレギュレータ)が噛合され、減速機付モータ1の出力が不図示の外部機器に伝達される。
また、ドライブギヤ収容凹部19の底部19aには、ドライブギヤ35のベース部52に対応する位置に、ドライブ支軸23の軸方向からみて円環状の凸部57が一体成形されている。この凸部57に、ベース部52の大径部54が当接するように、ドライブギヤ収容凹部19に出力部50が収容される。出力部50は、ドライブギヤ収容凹部19の凸部57に大径部54が当接するだけなので、ドライブギヤ収容凹部19に対する出力部50の摺動抵抗を最小限に抑えることができる。
【0047】
このように構成された減速機部30は、ドライブ本体53を除き、ケース14に装着されるカバー15によって覆われる。
【0048】
(カバー)
カバー15は、樹脂材料により略板状に形成されている。カバー15は、ケース14の開口部14aを閉塞するカバー本体61と、モータ収容部16の第1開口部16aを閉塞するモータ側カバー62と、が一体成形されている。
カバー15の外周部には、ケース14の雌ネジ座81に対応する位置に、取付座82が形成されている。取付座82には、ボルト80を挿通可能な挿通孔82aが形成されている。この挿通孔82aにケース14とは反対側からボルト80が挿入され、このボルト80がケース14に螺入される。これにより、ケース14にカバー15が締結固定される。
【0049】
モータ側カバー62は、モータ収容部16側が開口するように断面略C字状に形成されている。モータ側カバー62は、カバー15からケース14とは反対側に向かって突出するように形成されている。モータ側カバー62の側壁62aとカバー本体61との間には、これら側壁62aとカバー本体61とに跨る複数(本実施形態では3つ)のリブ66が一体成形されている。リブ66は、カバー15の機械的強度を高め、振動抑制(共振回避)するためのものである。
【0050】
カバー本体61には、ウォームホイール収容凹部18に立設されたウォーム支軸24に対応する位置に、ケース14とは反対側に向かって突出する軸受ボス65が一体成形されている。軸受ボス65は、ケース14側が開口するように略有底円筒状に形成されている。ボルト部材46の頭部46bは、軸受ボス65の内側に収容されている。
ここで、ボルト部材46の頭部46b、及びカバー15の軸受ボス65は、ケース14を車両等の取付対象100に固定するボルト座27の取付面27fに対し、ウォーム支軸24の基端側に設けられている。つまり、ボルト部材46の頭部46b、及びカバー15の軸受ボス65は、ボルト座27の取付面27fから取付対象100側に突出していない。
【0051】
また、カバー本体61には、ドライブギヤ35のドライブ本体53、及びシール壁56を挿通可能な開口部67が形成されている。この開口部67を介し、ベース部52の一部、及びドライブ本体53が外部に露出される。
さらに、カバー本体61には、開口部67の周縁に、この開口部67とシール壁56との間をシールするためのシール部68が設けられている。シール部68は、例えばゴム等により形成されている。
【0052】
この他、カバー本体61には、ケース14の各軸受収容凹部21a,21bに対応する位置に、これら軸受収容凹部21a,21bに収容された各軸受22a,22bを上から押さえつける不図示の軸受押さえが一体成形されている。この軸受押さえによって、各軸受収容凹部21a,21bに収容された各軸受22a,22bが軸受収容凹部21a,21bから脱落してしまうことを防止できる。
【0053】
(クラッチ機構)
ケース14内に収容されたクラッチ機構4は、ピニオンギヤ33のピニオン凸部43と、ウォームホイール32のピニオン係合孔37及びロック係合孔38と、ケース14のクラッチ収容凹部20と、ロックプレート70と、により構成されている。ピニオンギヤ33とウォームホイール32との間には、ウォームホイール32がウォームギヤ(図示せず)反力により浮いてくるのを防止するために平ワッシャ76が設けられている。クラッチ収容凹部20は、ウォーム支軸24の軸方向からみて略円形状に形成されている。また、クラッチ収容凹部20は、内周面20bの直径がウォームホイール32に形成されているピニオン係合孔37及びロック係合孔38の外周の直径とほぼ同等になるように形成されている。クラッチ収容凹部20の内周面20bには、底部20aからウォームホイール32側に向かうに従って徐々に拡径するように傾斜面(テーパ面)20cが形成されている。このように形成されたクラッチ収容凹部20に、ロックプレート70が収容されている。
【0054】
図7は、ロックプレート70の斜視図である。
図3図7に示すように、ロックプレート70は、略円板状に形成されたプレート本体71を有している。プレート本体71の外径は、クラッチ収容凹部20の直径よりもやや小さく設定されている。また、プレート本体71の外周面には、クラッチ収容凹部20の傾斜面20cに対応するように、クラッチ収容凹部20の底部20aに向かうに従って先細りとなるように傾斜面(テーパ面)71aが形成されている。これらクラッチ収容凹部20の傾斜面20cとプレート本体71の傾斜面71aとが摺動される。
【0055】
プレート本体71の径方向略中央には、ウォーム支軸24を挿通可能な挿通孔72が形成されている。
プレート本体71のウォームホイール32側の一面71bには、ウォームホイール32のロック係合孔38に対応する位置に、ロック係合孔38に挿入可能な3つのロック凸部73が突出形成されている。ロック凸部73は、ロック係合孔38の形状に対応するように形成されている。すなわち、ロック凸部73は、径方向外側に向かって末広がりとなるように、ウォーム支軸24の軸方向からみて略扇状に形成されている。ロック凸部73の周方向の幅は、ロック係合孔38の周方向の幅よりも小さく設定されている。ロック凸部73は、ウォームホイール32が回転するとロック係合孔38と係合し、ウォームホイール32とロックプレート70とが共回りする。
【0056】
また、プレート本体71の一面71bには、ウォームホイール32のピニオン係合孔37に対応する位置に、3つのロック凹部(受入れ面)74が形成されている。ロック凹部74は、ピニオン係合孔37に対応するように形成されている。すなわち、ロック凹部74は、径方向外側に向かって末広がりとなるように、ウォーム支軸24の軸方向からみて略扇状に形成されている。ロック凹部74は、ウォームホイール32のピニオン係合孔37に挿入されたピニオン凸部43の先端(楔部45)にウォーム支軸24の軸方向で突き当たる。
【0057】
すなわち、ロック凹部74は、ピニオン凸部43の楔部45を受け入れ可能なように、周方向中央から周方向両端にかけてウォーム支軸24の軸方向の高さが増加するように楔状に形成された傾斜面74aを有している。
【0058】
また、ロック凹部74の周方向中央には、ロックプレート70の厚さ方向に貫通する貫通孔75が形成されている。この貫通孔75は、ピニオン凸部43の楔部45における先端の稜線部とロック凹部74との干渉を回避するための逃げ部として機能する。
このような構成のもと、ケース14内に減速機構3及びクラッチ機構4を収納した状態では、ピニオン凸部43における楔部45の傾斜面45aとロックプレート70におけるロック凹部74の傾斜面74aとの間に、周方向に微小なクリアランスが形成される。
【0059】
このため、ピニオンギヤ33、又はロックプレート70の何れか一方のみが回転した場合、ピニオン凸部43の楔部45とロックプレート70のロック凹部74とが当接される。
ここで、ウォームホイール32のピニオン係合孔37、ロック係合孔38、ピニオンギヤ33のピニオン凸部43、ロックプレート70のロック凸部73、及びロック凹部74の各々の形成位置、及び周方向の幅は、以下のように設定されている。
【0060】
すなわち、ピニオンギヤ33よりもウォームホイール32が先に回転した場合、ピニオン係合孔37の周方向側面37aとピニオン凸部43の周方向側面43a(いずれも図8参照)とが当接されるタイミングと、ロック係合孔38の周方向側面とロック凸部73の周方向側面(いずれも符号なし)とが当接されるタイミングと、がほぼ同時になる。これに対し、ウォームホイール32よりもピニオンギヤ33が先に回転した場合、ピニオン係合孔37の周方向側面37aとピニオン凸部43の周方向側面43aとが当接されるよりも先に、ピニオン凸部43の傾斜面45aとロック凹部74の傾斜面74aとが当接される。これによって、外力等により、減速機付モータ1が逆転してしまうことを防止できる。以下、これについて、図面を参照しながら詳述する。
【0061】
(減速機付モータの動作、及びクラッチ機構の作用)
図8に基づいて、減速機付モータ1の動作、及びクラッチ機構4の作用について説明する。図8は、クラッチ機構4の作用説明であり、(a)~(c)は、クラッチ機構4を状態別に図示したものである。なお、以下の説明において、減速機付モータ1を、車両に搭載されているパワーウインドウ装置に用いた場合について説明する。また、以下の説明では、ウォームホイール32のロック係合孔38とロックプレート70のロック凸部73との係合状態については、図示を省略する。
【0062】
まず、モータ2のブラシユニット10の不図示のブラシ、及びセグメント9aを介し、不図示のコイルの電流が供給されると、アーマチュアコア8に所定の磁界が発生する。この磁界とヨーク5に設けられた永久磁石40との間で、磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、アーマチュア6が回転する。アーマチュア6が回転すると、アーマチュア6の回転軸7と一体化されているウォーム軸31が回転する。ウォーム軸31が回転すると、このウォーム軸31に噛合されているウォームホイール32が回転する。
【0063】
ここで、図8(a)に示すように、減速機付モータ1のモータ2を停止させた状態では、ウォームホイール32のピニオン係合孔37に対し、ピニオン凸部43がフリーな状態になっている。また、ウォームホイール32のロック係合孔38に対し、ロックプレート70のロック凸部73がフリーな状態になっている。
【0064】
この状態から、図8(b)に示すように、モータ2を駆動させると、ウォームホイール32が回転する。すると、ピニオン係合孔37の周方向側面37aとピニオン凸部43の周方向側面43aとが当接される。これと同時に、ロック係合孔38の周方向側面とロック凸部73の周方向側面とが当接される。そして、このままの状態で、ウォームホイール32、ピニオンギヤ33、及びロックプレート70が共回りする。
ピニオンギヤ33が回転すると、これに噛合されているスパーギヤ34、及びスパーギヤ34と一体化されているドライブギヤ35(以下、総称して出力部50という場合がある)が回転する。すると、出力部50のドライブ本体53に噛合されているパワーウインドウ装置(不図示)に減速機付モータ1の回転が出力される。これによってパワーウインドウ装置が駆動し、車両のウインドガラスの開閉動作が行われる。
【0065】
一方、ウインドガラスの自重や車両走行時の振動等の外力によりウインドガラスが開こうとすると、パワーウインドウ装置を介して出力部50に回転力が作用する。
【0066】
図8(c)に示すように、モータ2が停止状態であって、かつ出力部50に回転力が作用すると、ウォームホイール32、及びロックプレート70は停止したままの状態で出力部50に噛合されるピニオンギヤ33のみが回転し始める。すると、ロックプレート70が停止したままであるので、ピニオンギヤ33に設けられているピニオン凸部43の楔部45における傾斜面45aと、ロックプレート70に設けられているロック凹部74における傾斜面74aとが当接される。
【0067】
ピニオンギヤ33は、ロック凹部74の傾斜面74aに楔部45の傾斜面45aが当接された後、さらに回転しようとする。ここで、楔部45の傾斜面45aが周方向中央から両端にかけて軸方向の高さが減少するように形成されているとともに、ロック凹部74の傾斜面74aがこれを受入れ可能なように周方向中央から周方向両端にかけて軸方向の高さが増加するように楔状に形成されている。このため、ロックプレート70に、ケース14に形成されているクラッチ収容凹部20の底部20a側に向かう力が作用する。すると、ロックプレート70の傾斜面71aがクラッチ収容凹部20の傾斜面20cを押圧する。これにより、ロックプレート70とクラッチ収容凹部20との間の摩擦力がピニオンギヤ33の回転力よりも大きくなる。これによって、ピニオンギヤ33、及びウォームホイール32の回転が阻止される。
【0068】
(減速機付モータの組立方法)
次に、減速機付モータ1の組立方法について説明する。
まず、回転軸7に、アーマチュアコア8及びコンミテータ9を組み付けてアーマチュア6を完成させておくとともに、回転軸7と一体化されたウォーム軸31に、軸受22a,22bを組み付けておく。また、ケース14のクラッチ収容凹部20の底部20aに、ウォーム支軸24を組み付けておく。さらに、ドライブギヤ35にスパーギヤ34を組み付けておく。
【0069】
次いで、ケース14の各軸受収容凹部21a,21bにウォーム軸31に組付けられた軸受22a,22bを圧入するように、ケース14の開口部14a側からウォーム軸31を組み付け、ケース14にアーマチュア6及びウォーム軸31を組み付ける。
次いで、ケース14のモータ収容部16に、第1開口部16a側からブラシユニット10及びコネクタ部11を組み付ける。この際、コネクタ部11は、フレーム部12の開口部12aにアーマチュア6を予め挿入しておく。
【0070】
次いで、モータ収容部16の第2開口部16bに、ヨーク5を組み付ける。
次いで、ウォーム支軸24に、先端側から(ケース14の開口部14a側から)ロックプレート70、平ワッシャ76、ウォームホイール32、及びピニオンギヤ33を、この順で挿入する。その後、ウォーム支軸24の先端に形成されている雌ネジ孔24bに、ボルト部材46を締結する。
【0071】
次いで、ケース14のドライブギヤ収容凹部19に立設されているドライブ支軸23に、ドライブ支軸23の先端側から(ケース14の開口部14a側から)出力部50を挿入する。
次いで、ケース14の開口部14a及びモータ収容部16の第1開口部16aを閉塞するように、これら開口部14a,16aの上からカバー15を組み付ける。この際、ウォーム支軸24の先端に取り付けられているコロホルダー90の筒状部91の外周面にカバー15に形成されている軸受ボス65を外嵌させる。そして、ケース14の雌ネジ座81にカバー15の取付座82の上からボルト80(図1参照)を締結固定する。これにより、ケース14へのカバー15の組み付けが完了する。カバー15を組み付けることにより、出力部50のドライブ支軸23からの抜けが規制される。
【0072】
(ボルトの作用)
次に、ウォームホイール32、ピニオンギヤ33、及びロックプレート70が回転自在に支持されているウォーム支軸24の先端に設けられているボルト部材46の作用について説明する。
図3に示すように、ウォーム支軸24の先端に形成された雌ネジ孔24bにボルト部材46を締結すると、ウォーム支軸24の先端からはボルト部材46の頭部46bのみが突出する。つまり、ウォーム支軸24の先端にナットを締結した場合のように、ナットからウォーム支軸24の先端を突出させる必要がない。したがって、ボルト部材46の頭部46bまでを含んだ減速機構3の軸方向長さが小さくなる。これにより、減速機構3を主要するケース14及びカバー15内が小型化される。
さらに、ボルト部材46の頭部46b及びカバー15を、取付面27fよりもウォーム支軸24の基端側に設けることで、取付面27fから取付対象100側にボルト部材46の頭部46b及びカバー15が突出しない。これにより、減速機構3と取付対象100との間に、ボルト部材46の頭部46b及びカバー15との干渉を避けるためにスペースを確保する必要が無くなる。
【0073】
このように、上述の実施形態では、ウォーム支軸24の雌ネジ孔24bに締結されるボルト部材46を備える。このような構成によれば、ウォーム支軸24の先端に形成された雌ネジ孔24bにボルト部材46を締結すると、ウォーム支軸24の先端からはボルト部材46の頭部46bのみが突出する。したがって、ボルト部材46の頭部46bまでを含んだ減速機構3の軸方向長さを小さくすることができる。
【0074】
また、ウォーム支軸24の先端に形成された雌ネジ孔24bにボルト部材46を締結することで軸方向長さを小さくした減速機構3を、ケース14及びカバー15内に収容することによって、ケース14及びカバー15を小型化することができる。さらに、ボルト部材46の頭部46b及びカバー15を、取付面27fよりもウォーム支軸24の基端側に設けることで、取付面27fから取付対象100側にボルト部材46の頭部46b及びカバー15が突出しない。これにより、減速機構3と取付対象100との間に、ボルト部材46の頭部46b及びカバー15との干渉を避けるためにスペースを確保する必要が無くなり、取付対象100における減速機構3の取付スペースを効率的に利用することができる。
【0075】
また、減速機構3は、ケース14に、外部動力の回転力が入力されるウォーム軸31と、ウォーム軸31に噛合されるウォームホイール32と、ウォームホイール32と同軸上に配置され、ウォームホイール32と一体となって回転可能なピニオンギヤ33と、ピニオンギヤ33に噛合され、外部機器に回転力を伝達する出力部50と、が収納されている。このように構成することで、大きな減速比を得ることができる。このような減速機構3において、減速機構3を軸方向で小型化することができる。
【0076】
また、ロックプレート70を有するクラッチ機構4を備える減速機構3は、ウォーム支軸24の軸方向で大型化しやすいが、上記のような構成を備えることで、減速機構3を軸方向で小型化することができる。
さらに、クラッチ機構4は、ピニオンギヤ33のピニオン凸部43と、ウォームホイール32のピニオン係合孔37及びロック係合孔38と、ケース14のクラッチ収容凹部20と、ロック凹部74を有するロックプレート70と、により構成されている。そして、ピニオン凸部43の傾斜面45aと、ロック凹部74の傾斜面74aとが当接されることにより、ピニオンギヤ33が浮き上がろうとしてしまう。つまり、ピニオンギヤ33に、ウォーム支軸24の先端らの抜け方向の力が作用してしまう。しかしながら、ウォーム支軸24に締結されたボルト部材46により、ピニオンギヤ33のウォーム支軸24からの抜けも確実に防止できる。
【0077】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る減速機付モータについて、図面を参照して説明をする。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態とコロ47の構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図9は、本発明の第二実施形態における減速機付モータの構成を示す断面図である。図10は、本発明の実施形態におけるウォーム支軸の先端側に設けたナット、コロ、及びコロホルダーを示す断面図である。
図9図10に示すように、本実施形態の減速機構3、減速機付モータ1においては、ウォーム支軸24の雌ネジ孔24bに締結されたボルト(ボルト部材)46Bの緩み止めとして、コロ47を備える。
【0078】
ボルト部材46Bは、ボルト部材46Bは、いわゆる六角ボルトであり、六角形状の頭部46dを有する。ボルト部材46Bの頭部46dは、ボルト部材46Bと同様、ウォーム支軸24の外周面よりも径方向外側に張り出し、ウォームホイール32のウォーム支軸24からの抜けを防止する。頭部46dの外周面には、周方向に複数(六つ)の平坦面46eを有している。各平坦面46eは、ウォーム支軸24の径方向に直交(交差)して形成されている。
【0079】
図9図10に示すように、カバー本体61に形成された軸受ボス65は、ケース14側が開口するように略有底円筒状に形成され、ケース14からウォーム支軸24の中心軸方向に延びる筒状壁部65aと、筒状壁部65aの先端部を閉塞する閉塞部65bと、を一体に有している。筒状壁部65aには、周方向に一定の曲率半径で形成された円筒状内周面(円弧状面)65cが形成されている。円筒状内周面65cは、ボルト部材46Bの平坦面46eの径方向外側に間隔をあけて設けられている。
【0080】
(コロ)
図11は、本発明の実施形態におけるウォーム支軸の先端側に設けたナット、コロ、及びコロホルダーを、ウォーム支軸の軸方向からみた平面図である。
図10図11に示すように、軸受ボス65の円筒状内周面65cと、ボルト部材46Bの平坦面46eとの間には、コロ(転動部材)47が設けられている。コロ47は、ウォーム支軸24周りの周方向に間隔をあけて複数、本実施形態では3つが設けられている。各コロ47は、ウォーム支軸24の軸方向から見て円形面を有し、ウォーム支軸24の軸方向に延びる円柱状をなしている。各コロ47は、ボルト部材46Bの平坦面46eの周方向中央部と、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間に挟み込まれている。コロ47の外径は、各コロ47は、ボルト部材46Bの平坦面46eの周方向中央部と、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間隔d(図11参照)と略同一に設定され、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間で転動可能に設けられている。
【0081】
図12は、本発明の実施形態におけるコロ及びコロホルダーを示す斜視図である。
図9図10図12に示すように、これら複数のコロ47は、軸受ボス65の円筒状内周面65cと、ボルト部材46Bの平坦面46eとの間に設けられたコロホルダー90によって保持されている。
【0082】
図13は、本発明の実施形態におけるコロホルダーを示す斜視図である。図14は、本発明の実施形態におけるコロ及びコロホルダーを、図12とは異なる方向から見た斜視図である。
図10図14に示すように、コロホルダー90は、樹脂製又は金属製で、円筒状の筒状部91と、筒状部91の周方向に間隔をあけて複数形成されたコロ収容凹部(転動部材収容部)92と、コロ収容凹部92に設けられたコロ受け部(受け座部材)93と、を一体に有する。
【0083】
筒状部91は、ボルト部材46Bと軸受ボス65との間に設けられて、ウォーム支軸24の軸方向に延びている。筒状部91の中央部には、ウォーム支軸24の軸方向から見て六角形状のボルト収容穴94が形成されている。ボルト収容穴94は、ボルト部材46B側に開口し、ボルト部材46Bと反対側(軸受ボス65の閉塞部65b側)は有底状に形成されている。ボルト収容穴94には、ボルト部材46Bの頭部46dが嵌め込まれる。これにより、コロホルダー90は、ボルト部材46Bに相対回転不能に設けられる。
【0084】
コロ収容凹部92は、筒状部91の径方向内側と径方向外側に連通する連通開口92aを有し、コロ47は連通開口92aを通してコロホルダー90の径方向内側に露出している。連通開口92aの周方向両側には、コロ47の外周面に沿う湾曲面92bが形成されている。湾曲面92bは、筒状部91の外周面から径方向内側に窪むように形成され、コロ47の外周面を径方向内側から支持する。これにより、コロ収容凹部92に収容されたコロ47は、径方向内側への移動が拘束されている。また、筒状部91の外周面におけるコロ収容凹部92の湾曲面92bの周方向両端同士の間隔は、コロ47の外径よりも小さくなるよう形成されている。換言すると、湾曲面92bは、コロ47の中心軸方向から見て略C字状をなし、コロ47を中心軸回りに180°より大きい角度範囲に形成されている。これにより、コロ収容凹部92に収容されたコロ47は、径方向外側の移動が拘束されている。
【0085】
コロ受け部93は、筒状部91においてウォームホイール32側の端部に設けられ、コロ収容凹部92の周方向両側に跨がるように設けられている。コロ受け部93は、コロ47のウォームホイール32側の端部を支持し、コロ47がウォームホイール32側に移動するのを拘束する。
【0086】
このようなコロホルダー90のコロ収容凹部92に収容されるコロ47は、径方向外側が軸受ボス65の円筒状内周面65cに当接し、径方向内側が連通開口92aを通してボルト部材46Bの平坦面46eに当接する。
これにより、カバー本体61にウォーム支軸24の先端が、ボルト部材46B、コロ47、及び軸受ボス65を介し、ケース14に固定されたカバー15に支持される。
【0087】
(コロの作用)
次に、ウォームホイール32、ピニオンギヤ33、及びロックプレート70が回転自在に支持されているウォーム支軸24の先端に設けられているボルト部材46Bの作用について説明する。
図11に示すように、ボルト部材46Bに形成された各平坦面46eと、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間隔は、平坦面46eの周方向中央部から周方向両側に向かって漸次狭くなる。コロ47は、平坦面46eと円筒状内周面65cとの径方向の間隔dが最大である平坦面46eの周方向中央部で平坦面46eに当接するよう設けられている。ウォーム支軸24に対してボルト部材46Bが回転しようとすると、平坦面46eがコロ47に対して周方向に移動し、コロ47が設けられた部分において、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間隔が狭まろうとする。しかし、コロ47が設けられた部分において、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間隔は、コロ47の直径以下にはならない。このため、コロ47によって、ボルト部材46Bの回転が拘束される。これにより、ウォーム支軸24の先端に締結されたボルト部材46Bが緩むことが防止される。
【0088】
また、減速機付モータ1を駆動すると、ピニオンギヤ33のピニオン本体42と出力部50のスパーギヤ34との噛合わせ反力により、ウォーム支軸24の先端側にラジアル荷重がかかる。ここで、ウォーム支軸24の基端は、ケース14の軸受部25に支持されている。一方、ウォーム支軸24の先端側にはボルト部材46Bが締結されており、このボルト部材46Bがコロ47を介してカバー15の軸受ボス65に嵌合されて支持されている。すなわち、ウォーム支軸24は、いわゆる両持ち支持されている。このため、ウォーム支軸24にラジアル荷重がかかった場合であっても、ウォーム支軸24が傾いてしまうことが防止される。
【0089】
このように、上述の実施形態においても、ウォーム支軸24の先端に形成された雌ネジ孔24bにボルト部材46Bを締結することによって、ボルト部材46の頭部46bまでを含んだ減速機構3の軸方向長さを小さくすることができる。
さらに、上述の実施形態では、ボルト部材46Bの平坦面46eと、軸受ボス65の円筒状内周面65cとの間に、コロ47が設けられている。これにより、ウォーム支軸24に対してボルト部材46Bが回転しようとすると、平坦面46eと円筒状内周面65cとの間に設けられたコロ47によって、ボルト部材46Bの回転が拘束される。したがって、減速機構3、及び減速機付モータ1において、ウォーム支軸24に装着したボルト部材46Bが緩むのを確実に防止することができる。
【0090】
また、コロホルダー90によって、コロ47がウォームホイール32側に移動するのを拘束することで、組み付け時にコロ47が脱落するのを抑え、減速機構3の組付作業性を向上することができる。
また、このような構成において、ウォーム支軸24の先端側からウォームホイール32を組み付けてケース14内にウォームホイール32を収納することができるので、減速機構3の組立作業を容易化できる。
【0091】
また、ウォーム支軸24の先端は、ボルト部材46Bと、コロ47と、軸受ボス65とを介してケース14に固定されることになる。これにより、ウォーム支軸24を両持ち支持にできる。このため、ウォームホイール32にかかる荷重によってウォーム支軸24が傾いてしまうことを防止できるので、ウォーム支軸24に支持されているウォームホイール32と、他のウォームホイール32との噛合わせを確実に維持できる。よって、減速機構3の動作不良を確実に防止できる。さらに、ウォーム支軸24の先端にボルト部材46Bを締結することにより、ウォーム支軸24からのウォームホイール32の抜けを確実に防止できる。
【0092】
また、コロ47を、コロホルダー90のコロ収容凹部92に収容することで、ボルト部材46Bに対するコロ47の位置を容易に位置決めするとともに、組み付け時におけるコロ47の脱落を防ぐことができる。これにより、減速機構3の組付作業性を向上することができる。
【0093】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上記第二実施形態では、コロ47によってボルト部材46の緩み止めがなされているので、緩み止め機能を備えない通常の円環状のワッシャを用いることも可能である。
【0094】
また、上述の第二実施形態では、ウォーム支軸24の先端に六角形状のボルト部材46Bを締結するようにしたが、これに限られない。外周面にコロ47が当接する平坦面46eが形成されているのであれば、例えば平坦面46e以外の部分は円周状の外周面を有する等、他の形状としてもよい。例えば、六角穴付ボルトの円形状の頭部の外周面に、周方向に間隔をあけて複数の平坦面を形成してもよい。
【0095】
また、上述の第二実施形態では、ボルト部材46Bに平坦面46eを形成するようにしたが、これに限られない。シャフトの径方向に交差する交差面であればよく、ウォーム支軸24の径方向に直交する平坦面でなくてもよい。例えば、交差面は、コロ47が当接する周方向中央部から周方向両端部に向かって、軸受ボス65の円筒状の円筒状内周面65c側に接近するように凹状に湾曲していてもよい。
【0096】
また、上述の第二実施形態では、軸受ボス65に円筒状内周面65cを形成するようにしたが、これに限られない。少なくともコロ47が当接する部分にのみ円弧状面が形成されていればよい。
また、コロ47は、円柱状に限らず、球形等であってもよい。
【0097】
また、例えば、上述の実施形態では、減速機付モータ1の組立方法について説明したが、これに限られない。例えば、ウォームホイール32や出力部50等と、ブラシユニット10やコネクタ部11等との組み付け順序を適宜変更してもよい。
また、上述の減速機付モータ1を、車両のウィンドウレギュレータ等の駆動源に適用した場合について説明したが、これに限られない。上述の減速機付モータ1は、ワイパーモータ、サンルーフ、電動シートなどの駆動源、さらには、車両以外の電装品など、さまざまな装置にも適用可能である。
【0098】
また、上述の実施形態では、減速機構3にクラッチ機構4が内装されている場合について説明したが、これに限られない。クラッチ機構4を設けていなくてもよい。また、ウォーム支軸24に、ウォームホイール32、ピニオンギヤ33、及びロックプレート70が回転自在に支持されている場合について説明した。さらに、ドライブ支軸23にスパーギヤ34とドライブギヤ35とが一体化された出力部50が回転自在に支持されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな支軸に、少なくとも1つギヤが回転自在に支持され、このギヤがボルト部材46によって支軸からの抜けが防止されている構造に、上述のコロ47やコロホルダー90の構造を採用することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0099】
1…減速機付モータ、2…モータ、3…減速機構、4…クラッチ機構、14…ケース、14a…開口部、15…カバー、18a…底面(ベース面)、24…ウォーム支軸(シャフト)、24b…雌ネジ孔、27…ボルト座(座部)、27f…取付面、31…ウォーム軸、32…ウォームホイール(ギヤ)、33…ピニオンギヤ(ギヤ、平歯車)、37…ピニオン係合孔(係合孔)、43…ピニオン凸部(係合凸部)、45a…傾斜面(先端面)、46、46B…ボルト部材、46b、46d…頭部、50…出力部、70…ロックプレート、74…ロック凹部(受入れ面)、100…取付対象
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