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特許7199199情報処理装置、情報処理装置におけるユーザ管理プログラムおよびユーザ管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置におけるユーザ管理プログラムおよびユーザ管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221223BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221223BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20221223BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221223BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 127B
B41J29/00 Z
B41J29/42 F
B41J29/38
G03G21/00 388
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018203293
(22)【出願日】2018-10-29
(65)【公開番号】P2020072312
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 三樹也
(72)【発明者】
【氏名】澤野 貴
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-227048(JP,A)
【文献】特開2001-144747(JP,A)
【文献】特開2016-167111(JP,A)
【文献】特開2006-085452(JP,A)
【文献】特開2018-134760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 -29/70
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録されたユーザ情報に基づいてユーザごとに対応するとともに当該ユーザによる認証操作を受け付けるための操作子を表示する表示手段を備える情報処理装置であって、
任意の前記操作子に対応する前記ユーザ情報の削除を目的とする削除命令を受け付ける削除命令受付手段
前記削除命令に係る前記ユーザ情報にユーザパスワードが付属されている場合には当該ユーザパスワードまたは所定の管理者パスワードの入力を条件として当該ユーザ情報を削除し、当該ユーザ情報に当該ユーザパスワードが付属されていない場合には無条件で当該ユーザ情報を削除する削除手段、および
それぞれの前記ユーザによる前記情報処理装置の使用頻度に応じてそれぞれの前記操作子の表示態様を制御する表示制御手段をさらに備え
前記表示制御手段は、一定期間にわたって前記認証操作を受け付けていない前記操作子を他の前記操作子とは異なる態様で表示する、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報への前記ユーザパスワードの付属は任意である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
それぞれの前記ユーザ側のユーザ装置との間で通信を行う通信手段、および
いずれかの前記ユーザによる前記使用頻度が所定の第1頻度を下回ったときに前記通信手段を介して所定の通知情報を当該ユーザに係る前記ユーザ装置に送信する通知手段をさらに備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知情報の送信先である前記ユーザ装置から前記通信手段を介して前記通知情報に対する応答情報を受信したときに当該ユーザ装置に係る前記ユーザによる前記使用頻度が前記第1頻度を下回っていないものとして当該使用頻度を取り扱う頻度変更手段をさらに備える、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
いずれかの前記ユーザによる前記使用頻度が前記第1頻度よりも低い第2頻度を下回ったときに当該ユーザについての前記ユーザ情報を削除する削除手段をさらに備える、請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報は、任意に登録可能である、請求項1からのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
複合機である、請求項1からのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
登録されたユーザ情報に基づいてユーザごとに対応するとともに当該ユーザによる認証操作を受け付けるための操作子を表示する表示手段を備える情報処理装置におけるユーザ管理プログラムであって、
前記情報処理装置のコンピュータに、
任意の前記操作子に対応する前記ユーザ情報の削除を目的とする削除命令を受け付ける削除命令受付手順
前記削除命令に係る前記ユーザ情報にユーザパスワードが付属されている場合には当該ユーザパスワードまたは所定の管理者パスワードの入力を条件として当該ユーザ情報を削除し、当該ユーザ情報に当該ユーザパスワードが付属されていない場合には無条件で当該ユーザ情報を削除する削除手順、および
それぞれの前記ユーザによる前記情報処理装置の使用頻度に応じてそれぞれの前記操作子の表示態様を制御する表示制御手順を実行させ
前記表示制御手順においては、一定期間にわたって前記認証操作を受け付けていない前記操作子を他の前記操作子とは異なる態様で表示する、ユーザ管理プログラム。
【請求項9】
登録されたユーザ情報に基づいてユーザごとに対応するとともに当該ユーザによる認証操作を受け付けるための操作子を表示する表示手段を備える情報処理装置におけるユーザ管理方法であって、
任意の前記操作子に対応する前記ユーザ情報の削除を目的とする削除命令を受け付ける削除命令受付ステップ
前記削除命令に係る前記ユーザ情報にユーザパスワードが付属されている場合には当該ユーザパスワードまたは所定の管理者パスワードの入力を条件として当該ユーザ情報を削除し、当該ユーザ情報に当該ユーザパスワードが付属されていない場合には無条件で当該ユーザ情報を削除する削除ステップ、および
それぞれの前記ユーザによる前記情報処理装置の使用頻度に応じてそれぞれの前記操作子の表示態様を制御する表示制御ステップを含み、
前記表示制御ステップにおいては、一定期間にわたって前記認証操作を受け付けていない前記操作子を他の前記操作子とは異なる態様で表示する、ユーザ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置におけるユーザ管理プログラムおよびユーザ管理方法に関し、特に、登録されたユーザ情報に基づいてユーザごとに対応するとともに当該ユーザによる認証操作を受け付けるための操作子を表示する表示手段を備える、情報処理装置、情報処理装置におけるユーザ管理プログラムおよびユーザ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された技術によれば、情報処理装置としての画像処理装置、たとえば複合機(Multifunction Peripheral:MFP)、において、表示手段を兼ねる操作部に、操作子としてのユーザ選択用の複数のボタンが表示される。各ボタンは、登録済のユーザ情報に基づいて、ユーザごとに対応付けられている。ここでたとえば、管理者権限を持たない一般ユーザに対応するボタンが操作されると、当該一般ユーザとしての認証が行われ、当該一般ユーザとして複合機の使用が可能となる。一方、管理者に対応するボタンが操作されると、当該管理者用の認証画面が表示される。この管理者用の認証画面において、管理者用のパスワードが入力されることにより、当該管理者としての認証が行われ、当該管理者として複合機の使用が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-7893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のような認証を要する情報処理装置においては、たとえば利便性の向上を図る観点から、管理者権限を持たない一般ユーザであっても、自身のユーザ情報を任意に登録することができるように構成されるのが、望ましい。また、一般ユーザであっても、自身のユーザ情報にパスワードを設定することにより、セキュリティを確保することができるように構成されるのが、望ましい。ただし、過度に多くのユーザ情報が登録されたり、登録済のユーザ情報が長期間にわたって放置されたりすると、言わば無用なユーザ情報が存在することになり、種々の不都合が生ずる。したがって、無用なユーザ情報を削除することを含め、登録済のユーザ情報を適切に管理することが、肝要である。
【0005】
そこで、本発明は、登録済のユーザ情報を適切に管理することができる、新規な情報処理装置、情報処理装置におけるユーザ管理プログラムおよびユーザ管理方法を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、第1の発明~第の発明を含む。このうちの第1の発明は、情報処理装置に係る発明である。そして、第2発明は、情報処理装置におけるユーザ管理プログラムに係る発明である。第の発明は、当該情報処理装置におけるユーザ管理方法に係る発明である。
【0007】
情報処理装置に係る第1の発明は、当該情報処理装置が、表示手段を備えることを、前提とする。ここで、表示手段は、登録されたユーザ情報に基づいて、操作子を表示する。操作子は、ユーザによる認証操作を受け付けるための要素であり、当該ユーザごとに対応する。その上で、本第1の発明は、削除命令受付手段および削除手段を、さらに備える。削除命令受付手段は、任意の操作子に対応するユーザ情報の削除を目的とする削除命令を受け付ける。そして、削除手段は、削除命令に係るユーザ情報にユーザパスワードが付属されている場合には、当該ユーザパスワードまたは所定の管理者パスワードの入力を条件として、当該ユーザ情報を削除する。一方、削除命令に係るユーザ情報にユーザパスワードが付属されていない場合には、削除手段は、無条件で当該ユーザ情報を削除する。
【0008】
なお、本第1の発明において、ユーザ情報にユーザパスワードが付属されるかどうかは、任意である。
【0009】
また、本第1の発明においては、表示制御手段が、さらに備えられ。この表示制御手段は、それぞれのユーザによる情報処理装置の使用頻度に応じて、それぞれの操作子の表示態様を制御する。具体的には、表示制御手段は、一定期間にわたって認証操作を受け付けていない操作子を、他の操作子とは異なる態様で表示する。
【0010】
本第1の発明においては、さらに、通信手段および通知手段が、備えられてもよい。通信手段は、それぞれのユーザ側のユーザ装置との間で通信を行う。ここで言うユーザ装置としては、たとえばパーソナルコンピュータ(以下「PC」と言う。)がある。そして、通知手段は、いずれかのユーザによる情報処理装置の使用頻度が所定の第1頻度を下回ったときに、通信手段を介して所定の通信情報を当該ユーザに係るユーザ装置に送信する。
【0011】
また、通信手段および通知手段に加えて、頻度変更手段が、さらに備えられてもよい。この頻度変更手段は、通知情報の送信先であるユーザ装置から通信手段を介して当該通知情報に対する応答情報を受信したときに、当該ユーザ装置に係るユーザによる情報処理装置の使用頻度が第1頻度を下回っていないものとして、当該使用頻度を取り扱う。
【0012】
この頻度変更手段に加えて、または、当該頻度変更手段とは別に、削除手段が、さらに備えられてもよい。この削除手段は、いずれかのユーザによる情報処理装置の使用頻度が第1頻度よりも低い第2頻度を下回ったときに、当該ユーザについてのユーザ情報を削除する。
【0014】
そして、ユーザ情報は、任意に登録可能であってもよく、とりわけそれぞれのユーザによって任意に登録可能であってもよい。
【0015】
ここで言う情報処理装置としては、たとえば複合機がある。
【0017】
本発明のうちの第の発明に係る情報処理装置におけるユーザ管理プログラムは、当該情報処理装置が、表示手段を備えることを、前提とする。ここで、表示手段は、登録されたユーザ情報に基づいて、操作子を表示する。操作子は、ユーザによる認証操作を受け付
けるための要素であり、当該ユーザごとに対応する。その上で、本第3の発明は、情報処理装置のコンピュータに、削除命令受付手順削除手順および表示制御手順を、実行させる。このうちの削除命令受付手順では、任意の操作子に対応するユーザ情報の削除を目的とする削除命令を受け付ける。そして、削除手順では、削除命令に係るユーザ情報にユーザパスワードが付属されている場合には、当該ユーザパスワードまたは所定の管理者パスワードの入力を条件として、当該ユーザ情報を削除する。一方、削除命令に係るユーザ情報にユーザパスワードが付属されていない場合には、削除手順においては、無条件で当該ユーザ情報を削除する。そして、表示制御手順においては、それぞれのユーザによる情報処理装置の使用頻度に応じて、それぞれの操作子の表示態様を制御する。具体的には、表示制御においては、一定期間にわたって認証操作を受け付けていない操作子を、他の操作子とは異なる態様で表示する。
【0019】
本発明のうちの第の発明に係る情報処理装置におけるユーザ管理方法は、当該情報処理装置が、表示手段を備えることを、前提とする。ここで、表示手段は、登録されたユーザ情報に基づいて、操作子を表示する。操作子は、ユーザによる認証操作を受け付けるための要素であり、当該ユーザごとに対応する。その上で、本第5の発明は、削除命令受付ステップ削除ステップおよび表示制御ステップを、含む。このうちの削除命令受付ステップでは、任意の操作子に対応するユーザ情報の削除を目的とする削除命令を受け付ける。そして、削除ステップでは、削除命令に係るユーザ情報にユーザパスワードが付属されている場合には、当該ユーザパスワードまたは所定の管理者パスワードの入力を条件として、当該ユーザ情報を削除する。一方、削除命令に係るユーザ情報にユーザパスワードが付属されていない場合には、削除ステップにおいては、無条件で当該ユーザ情報を削除する。そして、表示制御ステップにおいては、それぞれのユーザによる情報処理装置の使用頻度に応じて、それぞれの操作子の表示態様を制御する。具体的には、表示ステップにおいては、一定期間にわたって認証操作を受け付けていない操作子を、他の操作子とは異なる態様で表示する。
【0021】
なお、本発明の応用例として、とりわけ情報処理装置に係る発明の応用例として、第2の通信手段、確認手段および第2の表示制御手段が備えられる構成が、考えられる。このうちの第2の通信手段は、前述の通信手段(言わば第1の通信手段)と同様、それぞれのユーザ側のユーザ装置との間で通信を行う。確認手段は、第2の通信手段を介してそれぞれのユーザ装置が作動状態にあるかどうかを確認する。そして、第2の表示制御手段は、確認手段による確認結果に基づいて、つまりそれぞれのユーザ装置が作動状態にあるかどうかに基づいて、それぞれの操作子の表示態様を制御する。
【0022】
また、情報処理装置におけるユーザ管理プログラムに係る発明の応用例として、当該情報処理装置のコンピュータに、確認手順および第2の表示制御手順を実行させる構成が、考えられる。この応用例は、情報処理装置が、通信手段を備えることを、前提とする。この通信手段は、それぞれのユーザ側のユーザ装置との間で通信を行う。その上で、確認手順では、通信手段を介してそれぞれのユーザ装置が作動状態にあるかどうかを確認する。そして、第2の表示制御手順では、確認手順による確認結果に基づいて、それぞれの操作子の表示態様を制御する。
【0023】
さらに、情報処理装置におけるユーザ管理方法に係る発明の応用例として、確認ステップおよび第2の表示制御ステップが含まれる構成が、考えられる。この応用例は、情報処理装置が、通信手段を備えることを、前提とする。この通信手段は、それぞれのユーザ側のユーザ装置との間で通信を行う。その上で、確認ステップでは、通信手段を介してそれぞれのユーザ装置が作動状態にあるかどうかを確認する。そして、第2の表示制御ステップでは、確認ステップによる確認結果に基づいて、それぞれの操作子の表示態様を制御する。
【発明の効果】
【0024】
このような本発明によれば、登録済のユーザ情報をそれぞれのユーザによる情報処理装置の使用状況などに応じて適宜に削除することを含め、当該ユーザ情報を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の第1実施例に係る複合機の電気的な構成を示すブロック図である。
図2図2は、本第1実施例に係る複合機とPCとが接続された構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施例におけるクイックログイン画面の一例を示す図である。
図4図4は、第1実施例におけるユーザ未登録時のクイックログイン画面の一例を示す図である。
図5図5は、第1実施例におけるユーザ未登録時のクイックログイン画面の別の状態の一例を示す図である。
図6図6は、第1実施例におけるユーザ未登録時のユーザ追加/編集画面の一例を示す図である。
図7図7は、第1実施例における新規登録用のユーザ登録画面が表示された状態にあるユーザ追加/編集画面の一例を示す図である。
図8図8は、第1実施例におけるユーザ登録後のユーザ追加/編集画面の一例を示す図である。
図9図9は、第1実施例におけるユーザ登録後のユーザ追加/編集画面の別の状態の一例を示す図である。
図10図10は、第1実施例におけるユーザ管理テーブルの構成を概念的に示す図である。
図11図11は、第1実施例における編集用のユーザ登録画面が表示された状態にあるユーザ追加/編集画面の一例を示す図である。
図12図12は、第1実施例におけるパスワード入力画面が表示された状態にあるユーザ追加/編集画面の一例を示す図である。
図13図13は、第1実施例における主記憶部のRAM内の構成を概念的に示すメモリマップである。
図14図14は、第1実施例におけるCPUが実行するユーザ管理タスクの流れの一部を示すフロー図である。
図15図15は、第1実施例におけるCPUが実行するユーザ管理タスクの流れの残りの部分を示すフロー図である。
図16図16は、本発明の第2実施例におけるクイックログイン画面の一例を示す図である。
図17図17は、第2実施例におけるCPUが実行するログイン管理タスクの流れを示すフロー図である。
図18図18は、第2実施例におけるCPUが実行する不使用管理タスクの流れを示すフロー図である。
図19図19は、第2実施例におけるCPUが実行するアイコン管理タスクの流れを示すフロー図である。
図20図20は、本発明の第3実施例におけるCPUが実行する通知タスクの流れを示すフロー図である。
図21図21は、本発明の第4実施例におけるCPUが実行するログイン更新タスクの流れを示すフロー図である。
図22図22は、本発明の第5実施例におけるCPUが実行する自動削除タスクの流れを示すフロー図である。
図23図23は、本発明の応用例におけるCPUが実行するPC連動タスクの流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施例]
本発明の第1実施例について、図1に示される複合機10を例に挙げて説明する。
【0027】
本第1実施例に係る複合機10は、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクシミリ機能などの複数の機能を備える。このような複合機10は、たとえばオフィスに設置される。この場合は主に、オフィスで働く者が、複合機10を使用するユーザとなる。併せて、複合機10のユーザには、当該複合機10を管理する権限を持つ管理者が含まれる。また、オフィス内においては、図2に示される如く複合機10と、1台以上のユーザ装置としてのPC30とが、ネットワーク50を介して相互に接続される場合がある。ここで言うネットワーク50は、たとえばLAN(Local Area Network)であるが、これに限定されない。なお、図示は省略するが、ネットワーク50には、PC30以外にも、ルータやサーバなどの様々な外部装置が接続される場合がある。さらに、複合機10は、公衆電話回線に接続される場合もある。
【0028】
改めて図1を参照して、複合機10は、画像読取部12と、画像形成部14と、制御部16と、補助記憶部18と、通信部20と、表示部22と、操作部24と、を備える。これらは、互いに共通のバス26を介して接続される。
【0029】
画像読取部12は、画像読取手段の一例である。すなわち、画像読取部12は、不図示の原稿の画像を読み取って、当該原稿の画像に応じた2次元の画像データを出力する、画像読取処理を担う。このような画像読取部12は、原稿が載置される不図示の原稿載置台を備える。併せて、画像読取部12は、不図示の光源、複数のミラー、結像レンズ、ラインセンサなどを含む画像読取ユニットを備える。さらに、画像読取部12は、当該画像読取ユニットを移動させる不図示の駆動機構などを備える。また、画像読取部12は、不図示の自動原稿送り装置(Auto Document Feeder:ADF)を備えることがある。この画像読取部12は、とりわけコピー機能、イメージスキャナ機能およびファクシミリ機能(ファクス送信機能)の実現に供される。
【0030】
画像形成部14は、画像形成手段の一例である。すなわち、画像形成部14は、不図示の用紙などのシート状の画像記録媒体に公知の電子写真方式により画像を形成する、画像形成処理を担う。このような画像形成部14は、不図示の感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備える。この画像形成部14による画像形成処理より画像が形成された後の用紙、言わば印刷物は、不図示の排紙トレイに排出される。なお、画像形成部14は、白黒の画像形成処理のみならず、カラーの画像形成処理をも実行可能であってもよい。また、画像形成部14は、電子写真方式に限らず、たとえばインクジェット方式を採用してもよい。この画像形成部14は、とりわけコピー機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能(ファクス受信機能)の実現に供される。
【0031】
制御部16は、複合機10の全体的な制御を司る、制御手段の一例である。このため、制御部16は、制御実行手段としてのCPU(Central Processing Unit)16aを有する。併せて、制御部16は、CPU16aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての主記憶部16bを有する。主記憶部16bは、不図示のROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むとともに、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリを含む。このうちのROMには、CPU16aの動作を制御するための制御プログラム(ファームウェア)が記憶される。RAMは、CPU16aが制御プログラムに基づく処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。そして、書き換え可能な不揮発性メモリには、後述するユーザ管理テーブル400などの書き換えられる可能性のあるデータが記憶される。
【0032】
補助記憶部18は、補助記憶手段の一例であり、たとえば不図示のハードディスクを含む。また、補助記憶部18は、主記憶部16bにおけるのとは別の書き換え可能な不揮発性メモリを含む場合がある。この補助記憶部18には、画像読取部12から出力された画像データや、次に説明する通信部20を介して受信されたデータなどの各種のデータが、必要に応じて記憶される。
【0033】
通信部20は、前述のネットワーク50と接続されることで、このネットワーク50を介しての双方向の通信処理、つまりそれぞれのPC30を含む各外部装置との間での当該通信処理を担う、通信手段の一例である。この通信部20とネットワーク50との接続は、有線であってもよいし、無線であってもよい、また、通信部20は、前述の公衆電話回線と接続されることで、当該公衆電話回線を介しての双方向の通信処理をも担う。この通信部20は、とりわけプリンタ機能、イメージスキャナ機能およびファクシミリ機能の実現に供される。なお、イメージスキャナ機能においては、その拡張機能として、画像読取部12から出力された画像データをサーバなどの外部装置へ送信したり、当該画像データを電子メールで送信したりする機能があるが、通信部20は、そのような拡張機能の実現に供される。
【0034】
表示部22は、表示手段の一例としてのディスプレイ22aを有する。このディスプレイ22aは、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これに限らず、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどであってもよい。また、表示部22は、ディスプレイ22aの他に、不図示の発光ダイオード(LED)などの適宜の発光素子を有する。
【0035】
操作部24は、ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段の一例であり、とりわけシート状のタッチパネル24aを有する。このタッチパネル24aは、ディスプレイ22aの表示面上に重ねて設けられる。このタッチパネル24aは、たとえば静電容量方式のものであるが、これに限らず、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式などの他の方式のものであってもよい。また、操作部24は、タッチパネル24aの他に、不図示の押しボタンスイッチなどの適宜のハードウェアスイッチを有する。
【0036】
さて、本第1実施例に係る複合機10は、その使用に際して、ユーザ認証を行う。その一方で、このユーザ認証のための操作の手間を軽減するために、複合機10は、クイックログインモードという動作モードを有する。このクイックログインモードにおいては、ホーム画面(基本画面)として、たとえば図3に示されるようなクイックログイン画面100がディスプレイ22aに表示される。
【0037】
このクイックログイン画面100は、帯状表示領域120と、主表示領域140と、を含む。このうちの帯状表示領域120は、クイックログイン画面100における上部を占める横長の帯状の領域である。この帯状表示領域120には、たとえばコピー機能を選択するためのコピー選択ボタン(厳密にはボタンを模した図柄)122と、ファクシミリ機能を選択するためのファクシミリ選択ボタン124と、イメージスキャナ機能を選択するためのイメージスキャナ選択ボタン126と、が配される。併せて、帯状表示領域120には、管理者がログインするための管理者用ログインボタン128と、ジョブの状況を確認するためのジョブ状況確認ボタン130と、が配される。
【0038】
一方、主表示領域140は、クイックログイン画面100のうちの帯状表示領域120以外の領域であり、言わば当該クイックログイン画面100の大部分を占める矩形状の領域である。この主表示領域140の左上部には、クイックログイン画面100のタイトルを表す適当な文字列142が配される。そして、この文字列142の下方であって、主表示領域140の中央部を含む広い範囲に、それぞれのユーザごとに対応付けられた操作子としてのユーザアイコン144が配される。なお、図3は、10人のユーザに対応する10個のユーザアイコン144、144、…が、横方向へ5個、縦方向へ2個、の並びで配された例を示す。
【0039】
さらに、主表示領域140のたとえば右下部に、当該主表示領域140の表示内容を切り替えるための、言わばページを切り替えるための、ページ切替ボタン146が配される。併せて、主表示領域140の中央下部に、ページインジケータ148が配される。このページインジケータ148は、主表示領域140に表示中のページを表す表示子であり、たとえば横並びに配された2つの円形のランプ(厳密にはランプを模した図柄)148aおよび148bを含む。一方のランプ148aは、第1ページに対応し、他方のランプ148bは、第2ページに対応する。図3は、第1ページが表示中である例、つまり当該第1ページに対応するランプ148aが点灯中である例を、示す。
【0040】
なお、ユーザが10人以下である場合は、厳密には後述する要領で登録されたユーザ情報の数が10人分以下の場合は、ページ切替ボタン146およびページインジケータ148(2つのランプ148aおよび148b)は表示されない。因みに、本第1実施例では、最大で20人分のユーザ情報を登録することができる。また、ページ切替ボタン146およびページインジケータ148に代えて、たとえば公知のスクロールバーが設けられることにより、全てのユーザアイコン144、144、…が順次表示されるように構成されてもよい。さらに、ページの切り替えやスクロールではなく、全てのユーザアイコン144、144、…が一遍に表示されるように構成されてもよい。これらのユーザアイコン144、144、…の表示法や配置、ユーザ情報の最大登録数などは、ここで説明した内容に限定されない。
【0041】
加えて、それぞれのユーザアイコン144の下方に、当該ユーザアイコン144に対応するユーザの名称であるログイン名を表す文字列150が配される。そして、主表示領域140の右上部には、後述するアクションパネル154を開閉するためのタブ152が配される。
【0042】
このクイックログイン画面100において、ユーザは、自身に対応するユーザアイコン144を操作(押下(または「タップ」とも言う。))するだけで、認証を受けることができ、つまりログインすることができる。このような簡易認証(または「クイック認証」とも言う。)によれば、前述の如くユーザ認証に係る操作の手間を軽減することができる。たたし、この簡易認証では、セキュリティを確保することができない。セキュリティを確保したいユーザについては、後述する如くユーザパスワードとしての任意のパスワードを設定することができる。このパスワードを設定したユーザは、自身に対応するユーザアイコン144を操作すると、これに応答して不図示のパスワード入力画面が表示されるので、このパスワード入力画面上で当該パスワードを入力することにより、ログインすることができる。
【0043】
これとは別に、前述の管理者は、管理者用ログインボタン128を操作すると、これに応答して不図示の管理者用ログイン画面が表示されるので、この管理者用ログイン画面上で管理者パスワードを含む所定の情報を入力することにより、当該管理者としてログインすることができる。この管理者としてログインした当該管理者は、ユーザアイコン144の操作によりログインした言わば一般ユーザとは異なり、複合機10の詳細な設定を含む当該複合機10が備える全ての機能を使用することができる。言い換えれば、一般ユーザについては、複合機10が備える全ての機能のうち使用可能な機能が制限される。なお、管理者パスワードは、たとえば主記憶部16bを構成する前述の書き換え可能な不揮発性メモリに予め記憶(格納)される。この管理者パスワードは、管理者により任意に変更可能である。
【0044】
このようなクイックログイン画面100は、予め登録されたユーザ情報に基づいて表示される。このユーザ情報の登録、つまりユーザ登録は、次の要領で行われる。
【0045】
まず、何らのユーザ情報が登録されていない時点では、つまりこれから初めてユーザ登録が行われようとしている時点では、図4に示されるようなクイックログイン画面100が表示される。このユーザ未登録時のクイックログイン画面100には、ユーザアイコン144およびログイン名を表す文字列150がない。また、ページ切替ボタン146およびページインジケータ148もない。
【0046】
このユーザ未登録時のクイックログイン画面100において、タブ152が操作されると、当該クイックログイン画面100は、図5に示されるような状態に遷移する。すなわち、主表示領域140の右側部の一部を覆うように、アクションパネル154が表示される。このアクションパネル154には、次に説明するユーザ追加/編集画面200を表示させるためのユーザ追加/編集ボタン154aが含まれる。
【0047】
図5に示されるクイックログイン画面100において、アクションパネル154内のユーザ追加/編集ボタン154aが操作されると、当該クイックログイン画面100に代えて、図6に示されるユーザ追加/編集画面200が、ディスプレイ22aに表示される。このユーザ追加/編集画面200もまた、クイックログイン画面100と同様に、帯状表示領域220と、主表示領域240と、を含む。
【0048】
このユーザ追加/編集画面200における帯状表示領域220には、クイックログイン画面100におけるのと同様のコピー選択ボタン222と、ファクシミリ選択ボタン224と、イメージスキャナ選択ボタン226と、が配される。併せて、クイックログイン画面100におけるのと同様のジョブ状況確認ボタン230が配される。なお、クイックログイン画面100とは異なり、管理者用ログインボタンはない。すなわち、管理者は、クイックログイン画面100における管理者用ログインボタン128を操作することにより、当該管理者としてログインし、その上で、当該クイックログイン画面100におけるユーザ追加/編集ボタン154aの操作により、ユーザ追加/編集画面200に進むことになる。
【0049】
一方、ユーザ追加/編集画面200における主表示領域240の左上部には、当該ユーザ追加/編集画面200のタイトルを表す適当な文字列242が配される。そして、この文字列242の下方であって、主表示領域240の中央部を含む広い範囲に、適当な図柄の、たとえば“+”印を含む図柄の、10個の未登録アイコン244、244、…が、横方向へ5個、縦方向へ2個、の並びで配される。この未登録アイコン244の数および配置は、図3に示されるクイックログイン画面100におけるユーザアイコン144の数および配置に倣うが、これに限定されない。
【0050】
また、主表示領域240の右下部には、クイックログイン画面100におけるのと同様のページ切替ボタン246が配される。併せて、主表示領域240の中央下部には、クイックログイン画面100におけるのと同様のページインジケータ248が配され、つまり2つの円形のランプ248aおよび248bが横並びに配される。なお、クイックログイン画面100からユーザ追加/編集画面200へ遷移した直後は、主表示領域240の第1ページが表示され、つまり当該第1ページに対応するランプ248aが点灯する。さらに、主表示領域240の右上部には、クイックログイン画面100におけるのと同様のタブ252が配される。
【0051】
この図6に示されるユーザ未登録時のユーザ追加/編集画面200において、任意の未登録アイコン244が操作されると、当該ユーザ追加/編集画面200は、図7に示されるような状態に遷移する。すなわち、主表示領域240の左側部から略中央部に掛けての一部を覆うように、新規登録用のユーザ登録画面300という小画面が表示される。
【0052】
この新規登録用のユーザ登録画面300の左上部には、当該ユーザ登録画面300のタイトルを表す適当な文字列302が配される。併せて、新規登録用のユーザ登録画面300の右上部には、当該ユーザ登録画面300による登録内容を設定するための登録ボタン304と、当該ユーザ登録画面300を閉じるための(“×”印が記された)閉じるボタン306と、が横並びに配される。そして、これらの下方に、ユーザアイコン144の言わば原図であるアイコンイメージ308が配される。さらに、アイコンイメージ308の下方に、複数の、たとえば4つの、フィールド310、312、314および316が、縦一列に配される。一番上のフィールド310は、これから登録しようとするユーザのログイン名を入力するためのフィールドであり、2番目のフィールド312は、当該ユーザの電子メール(E-mail)アドレスを登録するためのフィールドである。そして、3番目のフィールド314は、これから登録しようとするユーザ用の任意のパスワードを入力するためのフィールドであり、一番下のフィールド316は、確認のために当該パスワードを再入力するためのフィールドである。
【0053】
加えて、前述のタブ252が操作されると、アクションパネル254が表示される。このアクションパネル254には、アイコンイメージ308を変更するための、つまりユーザアイコン144を変更するための、アイコン変更ボタン254aが含まれる。
【0054】
この図7に示される新規登録用のユーザ登録画面300において、たとえばアイコンイメージ308が操作されると、不図示のアイコン選択画面が表示される。また、アクションパネル254内のアイコン変更ボタン254aが操作された場合も、アイコン選択画面が表示される。アイコン選択画面は、多数のアイコンサンプルを含む。このアイコン選択画面上で任意のアイコンサンプルが選択(操作)されると、その選択されたアイコンサンプルに応じたアイコンイメージ308が設定され、つまりユーザアイコン144が設定される。その上で、アイコン選択画面が閉じられる。
【0055】
そして、各フィールド310、312、314および316のうちの一番上のフィールド310には、前述の如くログイン名が入力されるが、このフィールド310へのログイン名の入力のみが、必須である。これ以外のフィールド312、314および316への入力、つまり電子メールアドレスおよびパスワードの入力は、必須ではなく、任意である。これらのフィールド310、312、314および316への入力に際しては、不図示のソフトウェアキーボードが表示される。
【0056】
この新規登録用のユーザ登録画面300において、少なくとも一番上のフィールド310にログイン名が入力された状態で、登録ボタン304が操作されると、当該ログイン名を含む登録内容が設定される。その上で、新規登録用のユーザ登録画面300が閉じられる。この結果、ユーザ追加/編集画面200は、図8に示されるような状態に遷移する。なお、新規登録用のユーザ登録画面300における一番上のフィールド310にログイン名が入力されない状態で、登録ボタン304が操作されると、不図示のエラーメッセージ画面という小画面が一定期間(たとえば数秒間)にわたって表示される。その上で、登録ボタン304が操作される直前の状態が再現され、つまり一番上のフィールド310にログイン名が入力されていない状態の新規登録用のユーザ登録画面300が改めて表示される。また、新規登録用のユーザ登録画面300における閉じるボタン306が操作された場合は、そのまま当該ユーザ登録画面300が閉じられ、つまり当該ユーザ登録画面300が表示される直前の状態が再現される。
【0057】
図8に示されるユーザ追加/編集画面200においては、新規登録用のユーザ登録画面300により登録された内容に基づいて、当該ユーザ登録画面300が表示される直前に操作された未登録アイコン244に代えて、ユーザアイコン264が、配される。なお、図8は、主表示領域240における左上隅部の未登録アイコン244に代えて、新規に登録されたユーザアイコン264が、配された例を示す。併せて、このユーザアイコン264の下方に、ユーザのログイン名を表す文字列250が配される。このユーザ追加/編集画面200におけるユーザアイコン264および文字列250は、クイックログイン画面100におけるユーザアイコン144および文字列150に対応し、言わば当該クイックログイン画面100におけるユーザアイコン144および文字列150の原型である。これと同様の要領で、他のユーザについても、任意に登録することができる。たとえば、10人分以上のユーザ登録が行われることにより、ユーザ追加/編集画面200は、図9に示されるような状態になる。
【0058】
この図9に示されるユーザ追加/編集画面200において、タブ252が操作されると、図示は省略するが、アクションパネル254が表示される。このアクションパネル254には、クイックログイン画面100に戻るためのもどるボタンが含まれる。このもどるボタンが操作されると、ユーザ追加/編集画面200に代えて、図3に示されるクイックログイン画面100が、ディスプレイ22aに表示される。なお、図6に示されるユーザ未登録時のユーザ追加/編集画面200においても同様に、タブ252が操作されると、もどるボタンを含むアクションパネル254が表示される。そして、このアクションパネル254内のもどるボタンが操作されると、図6に示されるユーザ追加/編集画面200に代えて、図4に示されるユーザ未登録時のクイックログイン画面100が、ディスプレイ22aに表示される。さらに、操作部24を構成する前述のハードウェアスイッチには、ホームボタンが含まれており、このホームボタンが操作されることによっても、ユーザ追加/編集画面200に代えて、クイックログイン画面100が表示される。
【0059】
このようにしてユーザ登録が行われると、図10に示されるようなユーザ管理テーブル400に、当該ユーザ登録に係るユーザ情報が記録される。具体的には、それぞれのユーザごとに、管理番号(No.)、ログイン名、電子メールアドレス、パスワード、ユーザアイコン(厳密にはアイコンサンプルの番号)などの情報が、当該ユーザ情報として記録される。ただし、電子メールアドレスおよびパスワードについては、新規登録用のユーザ登録画面300上で入力された場合にのみ、ユーザ管理テーブル400に記録される。このユーザ管理テーブル400には、最大で20人分のユーザ情報を記録することができる。このユーザ管理テーブル400は、主記憶部16bを構成する前述の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶される。
【0060】
さらに、本第1実施例においては、登録済のユーザ情報を編集することができる。たとえば、図9に示されるユーザ追加/編集画面200において、任意のユーザアイコン264が操作される、とする。併せて、この操作されたユーザアイコン264に係るユーザ情報にパスワードが付属(設定)されていない、とする。すると、ユーザ追加/編集画面200が、図11に示されるような状態に遷移する。すなわち、主表示領域240の左側部から略中央部に掛けての一部を覆うように、編集用のユーザ登録画面500という小画面が表示される。なお、図11は、図9に示されるユーザ追加/編集画面200において、「ユーザA」に対応するユーザアイコン264が操作された場合の状態を示す。
【0061】
この編集用のユーザ登録画面500においては、新規登録用のユーザ登録画面300と同様、その左上部に、当該ユーザ登録画面500のタイトルを表す適当な文字列502が配される。併せて、この編集用のユーザ登録画面500の右上部に、当該ユーザ登録画面500による登録(編集)内容を設定するための登録ボタン504と、当該ユーザ登録画面500を閉じるための閉じるボタン506と、が横並びに配される。そして、これらの下方に、アイコンイメージ508が配される。さらに、アイコンイメージ508の下方に、2つのフィールド510および512が縦一列に配される。上側のフィールド510は、ログイン名を編集するためのフィールドであり、下側のフィールド512は、電子メールアドレスを編集するためのフィールドである。
【0062】
加えて、タブ252が操作されると、アクションパネル254が表示される。ただし、編集用のユーザ登録画面500が表示されているときのアクションパネル254には、アイコン変更ボタン254aの他に、編集の対象であるユーザ情報を削除するための、つまり登録済のユーザを削除するための、削除ボタン254bが、含まれる。
【0063】
この図11に示される編集用のユーザ登録画面500において、たとえばアイコンイメージ508が操作されると、前述のアイコン選択画面が表示される。また、アクションパネル254内のアイコン変更ボタン254aが操作された場合も、アイコン選択画面が表示される。このアイコン選択画面により、アイコンイメージ508を編集(変更)することができ、つまりユーザアイコン144を編集することができる。そして、上側のフィールド510において、ログイン名を任意に編集することができ、下側のフィールド512において、電子メールアドレスを任意に編集することができる。これらのログイン名および電子メールアドレスの編集に際しては、前述のソフトウェアキーボードが表示される。なお、パスワードについては、編集することができない。
【0064】
この編集用のユーザ登録画面500において、適宜の編集が行われた上で、登録ボタン504が操作されると、当該編集後の内容が設定され、つまりユーザ管理テーブル400の記録内容が更新される。そして、編集用のユーザ登録画面500が閉じられる。この結果、ユーザ追加/編集画面200は、更新後のユーザ管理テーブル400の記録内容に基づく状態に遷移する。なおたとえば、編集用のユーザ登録画面500における上側のフィールド510にログイン名が入力されない状態で、登録ボタン504が操作されると、前述と同様のエラーメッセージ画面が一定期間にわたって表示される。その上で、登録ボタン504が操作される直前の状態が再現され、つまり上側のフィールド510にログイン名が入力されていない状態の編集用のユーザ登録画面500が改めて表示される。また、編集用のユーザ登録画面500における閉じるボタン506が操作された場合は、そのまま当該ユーザ登録画面500が閉じられ、つまり当該ユーザ登録画面500が表示される直前の状態が再現される。さらに、アクションパネル254内の削除ボタン254bが操作されると、編集の対象であるユーザ情報がユーザ管理テーブル400から削除され、つまり当該ユーザ管理テーブル400の記録内容が更新される。そして、編集用のユーザ登録画面500が閉じられる。この結果、ユーザ追加/編集画面200は、更新後のユーザ管理テーブル400の記録内容に基づく状態に遷移する。
【0065】
なお、アクションパネル254内の削除ボタン254bが操作されることは、本発明に係る削除命令の一例に対応する。そして、当該削除ボタン254bは、本発明に係る削除命令受付手段の一例に対応する。
【0066】
一方、ユーザ追加/編集画面200上で操作されたユーザアイコン264に係るユーザ情報にパスワードが付属されている場合は、当該ユーザ追加/編集画面200が、図12に示されるような状態に遷移する。すなわち、主表示領域240よりも少し小さめのパスワード入力画面600という小画面が、当該主表示領域240を覆うように表示される。
【0067】
このパスワード入力画面600においては、その左上部に、当該パスワード入力画面600のタイトルを表す適当な文字列602が配される。併せて、パスワード入力画面600の右上部に、キャンセルボタン604およびOKボタン606が横並びに配される。そして、これらの下方に、横長の矩形状のパスワード表示領域608が配される。さらに、パスワード表示領域608の下方に、ソフトウェアキーボード610が配される。ソフトウェアキーボード610は、複数の適当な操作キー610a、610a、…を含む。
【0068】
このパスワード入力画面600において、ソフトウェアキーボード610(適宜の操作キー610a、610a、…)の操作により、登録時と同じパスワードが入力される。入力されたパスワードは、パスワード表示領域608に表示される。その上で、OKボタン606が操作されると、入力されたパスワードと、登録済のパスワードと、の照合が行われる。そして、両パスワードの照合が取れた場合、つまり当該両パスワードが互いに一致した場合は、パスワード入力画面600に代えて、前述の編集用のユーザ登録画面500が表示される。これにより図11を参照しながら説明したのと同様の要領で、ユーザ情報を編集することが可能となる。ただし前述したように、パスワードについては、編集することができない。
【0069】
なお、前述の両パスワードの照合が取れない場合、つまり当該両パスワードが互いに一致しない場合は、不図示の警告画面という小画面が一定期間(たとえば数秒間)にわたって表示される。その上で、パスワード入力画面600が閉じられ、当該パスワード入力画面600が表示される直前の状態が再現される。またたとえば、複合機10が不図示のスピーカを含む音声出力手段を備える場合には、警告画面の表示に加えて、もしくは、当該警告画面の表示に代えて、パスワードの照合が取れない旨を音声で表す適当な警告メッセージが出力されてもよい。
【0070】
さらに、パスワード入力画面600におけるキャンセルボタン604が操作された場合は、当該パスワード入力画面600によるパスワードの入力操作がキャンセルされる。すなわち、パスワード入力画面600が閉じられ、当該パスワード入力画面600が表示される直前の状態が再現される。
【0071】
このパスワード入力画面600においては、ユーザのパスワードに代えて、前述の管理者パスワードが入力されることによっても、編集用のユーザ登録画面500が表示され、つまり当該パスワードが付属されたユーザ情報の編集が可能となる。すなわち、パスワードが付属されたユーザ情報については、当該パスワードを設定したユーザ本人のみならず、管理者権限を持つ管理者によっても、編集することができる。
【0072】
このように本第1実施例によれば、登録済のユーザ情報を任意に編集することができる。この編集に際して、パスワードが付属されたユーザ情報については、当該パスワードの入力、または、管理者パスワードの入力が、条件とされる。これに対して、パスワードが付属されていないユーザ情報については、無条件で編集することができる。このことは、ユーザ情報を適切に管理するのに、極めて有益である。
【0073】
たとえば、過度に多くのユーザ情報が登録されたり、登録済のユーザ情報が長期間にわたって放置されたりすると、言わば無用なユーザ情報が存在することになり、種々の不都合が生ずる。したがって、無用なユーザ情報については、適宜に削除されるのが、望ましい。その一方で、パスワードが付属されているユーザ情報については、その削除を含む編集に際して、当該パスワードの入力、または、管理者パスワードの入力が、条件とされるのが、望ましい。本第1実施例は、これらの要求に応えるのに、極めて好適である。
【0074】
ここで、図13に、主記憶部16bのRAM内の構成を概念的に表すメモリマップ700を示す。
【0075】
このメモリマップ700に示されるように、RAMは、プログラム記憶領域710およびデータ記憶領域750を有する。このうちのプログラム記憶領域710には、前述の制御プログラムが記憶される。具体的には、制御プログラムは、表示制御プログラム712、操作検出プログラム714、画像読取プログラム716、画像形成プログラム718、通信制御プログラム720、ユーザ管理プログラム722などを含む。
【0076】
表示制御プログラム712は、ディスプレイ22aにクイックログイン画面100やユーザ追加/編集画面200などの各種の画面を表示させるのに必要な表示画面データを生成するためのプログラムである。操作検出プログラム714は、タッチパネル24aへの操作状態を検出するためのプログラムである。画像読取プログラム716は、画像読取部12を制御するためのプログラムである。画像形成プログラム718は、画像形成部14を制御するためのプログラムである。通信制御プログラム720は、通信部20を制御するためのプログラムである。そして、ユーザ管理プログラム722は、CPU16aに後述するユーザ管理タスクを実行させるためのプログラムである。
【0077】
一方、データ記憶領域750には、各種のデータが記憶される。この各種のデータとしては、表示画像生成データ752や操作データ754などがある。
【0078】
表示画像生成データ752は、前述の表示制御プログラム712に基づく表示画面データの生成に用いられるポリゴンデータやテクスチャデータなどのデータである。そして、操作データ754は、タッチパネル24aに対する操作状態を表すデータであり、詳しくは当該タッチパネル24aに対するユーザのタッチ位置(座標)を表す時系列のデータである。
【0079】
前述の如く本第1実施例によれば、登録済のユーザ情報を適切に管理することができる。これを実現するために、CPU16aは、前述(図13)のユーザ管理プログラム722に従って、ユーザ管理タスクを実行する。このユーザ管理タスクの流れを、図14および図15に示す。なお、CPU16aは、クイックログイン画面100におけるアクションパネル154内のユーザ追加/編集ボタン154aの押下に応答して、このユーザ管理タスクを実行する。
【0080】
このユーザ管理タスクによれば、CPU16aは、まず、ステップS1において、ディスプレイ22aにユーザ追加/編集画面200を表示する。このユーザ追加/編集画面200の表示内容は、ユーザ管理テーブル400の記録内容に基づく。そして、CPU16aは、処理をステップS3へ進める。
【0081】
ステップS3において、CPU16aは、タッチパネル24aを含む操作部24が何らかの操作を受け付けるのを待つ(S3:NO)。そして、操作部24が何らかの操作を受け付けると(S3:YES)、CPU16aは、処理をステップS5へ進める。
【0082】
ステップS5において、CPU16aは、ステップS3で受け付けられた操作が終了操作であるかどうかを判定する。ここで言う終了操作とは、ユーザ追加/編集画面200のアクションパネル254内に設けられた前述のもどるボタンの操作、または、操作部24を構成する前述のホームボタンの操作である。このステップS5において、たとえばステップS3で受け付けられた操作が終了操作である場合(S5:YES)、CPU16aは、ユーザ管理タスクを終了する。そして、CPU16aは、不図示の別のタスク(クイックログインタスク)を実行することにより、クイックログインモードに戻り、まず、ディスプレイ22aにクイックログイン画面100を表示する。このクイックログイン画面100の表示は、ユーザ管理テーブル400の記録内容に基づく。一方、ステップS3で受け付けられた操作が終了操作でない場合は(S5:NO)、CPU16aは、処理をステップS5からステップS7へ進める。
【0083】
ステップS7において、CPU16aは、ステップS3で受け付けられた操作がユーザの新規登録操作であるかどうかを、つまりいずれかの未登録アイコン244が操作されたのかどうかを、判定する。ここでたとえば、ステップS3で受け付けられた操作がユーザの新規登録操作である場合(S7:YES)、CPU16aは、処理をステップS9へ進める。一方、ステップS3で受け付けられた操作がユーザの新規登録操作でない場合には(S7:NO)、CPU16aは、処理を後述するステップS11へ進める。
【0084】
ステップS9において、CPU16aは、ユーザ新規登録処理を実行する。このユーザ新規登録処理においては、CPU16aは、新規登録用のユーザ登録画面300を表示することを含め、ユーザの新規登録のための適宜の処理を行う。このユーザ新規登録処理の実行後、CPU16aは、処理をステップS3へ戻す。その際、CPU16aは、新規登録用のユーザ登録画面300を閉じる。なお、図示を含む詳しい説明は省略するが、このユーザ新規登録処理において、ユーザが新規登録された場合は、CPU16aは、ユーザ管理テーブル400の記録内容を更新するとともに、更新後のユーザ管理テーブル400の記録内容に基づいてユーザ追加/編集画面200を再表示する。
【0085】
ステップS11においては、CPU16aは、前述のステップS3で受け付けられた操作が登録済のユーザを選択する操作であるかどうかを、つまりいずれかのユーザアイコン264が操作されたのかどうかを、判定する。ここでたとえば、ステップS3で受け付けられた操作が登録済のユーザを選択する操作である場合(S11:YES)、CPU16aは、処理を後述するステップS15へ進める。一方、ステップS3で受け付けられた操作が要録済のユーザを選択する操作でない場合は(S11:NO)、CPU16aは、処理をステップS13へ進める。
【0086】
ステップS13において、CPU16aは、ステップS3で受け付けられた操作に応じた処理を実行する。このステップS13における処理には、ユーザ追加/編集画面200上でのページ切替ボタン246の操作に応じたページの切り替えや、タブ252の操作に応じたアクションパネル254の開閉などが含まれる。このステップS13の実行後、CPU16aは、処理をステップS3へ戻す。
【0087】
ステップS15において、CPU16aは、前述のステップS3で操作されたユーザアイコン264に係るユーザ情報に、つまり編集の対象である当該ユーザ情報に、パスワードが付属されているかどうかを判定する。この判定は、ユーザ管理テーブル400の記録内容に基づく。ここでたとえば、パスワードが付属されていない場合(S15:NO)、CPU16aは、処理を後述するステップS23へ進める。一方、パスワードが付属されている場合は(S15:YES)、CPU16aは、処理をステップS17へ進める。
【0088】
ステップS17において、CPU16aは、パスワード照合処理を実行する。このパスワード照合処理においては、CPU16aは、パスワード入力画面600を表示することを含め、パスワードの照合をするための適宜の処理を行う。このパスワード照合処理の実行後、詳しくはパスワード入力画面600におけるキャンセルボタン604またはOKボタン606の操作に応答して、CPU16aは、処理をステップS19へ進める。その際、CPU16aは、パスワード入力画面600を閉じる。
【0089】
ステップS19において、CPU16aは、ステップS17のパスワード照合処理の終了が、パスワード入力画面600におけるOKボタン606の操作による終了であるのかどうかを判定する。ここでたとえば、OKボタン606の操作による終了である場合(S19:YES)、CPU16aは、処理をステップS21へ進める。一方、OKボタン606の操作による終了でない場合、つまりキャンセルボタン604の操作による終了である場合は(S19:NO)、CPU16aは、処理をステップS3へ戻す。
【0090】
ステップS21において、CPU16aは、ステップS17のパスワード照合処理によりパスワードの照合が取れたかどうか、つまりパスワード入力画面600上で入力されたパスワードと登録済のパスワードとが互いに一致したかどうかを、判定する。ここでたとえば、パスワードの照合が取れた場合(S21:YES)、CPU16aは、処理をステップS23へ進める。一方、パスワードの照合が取れない場合は(S21:NO)、CPU16aは、処理をステップS21から後述するステップS25へ進める。
【0091】
ステップS23において、CPU16aは、ユーザ情報編集処理を実行する。このユーザ情報編集処理においては、CPU16aは、編集用のユーザ登録画面500を表示することを含め、編集の対象であるユーザ情報の当該編集をするための適宜の処理を行う。このユーザ情報編集処理の実行後、CPU16aは、処理をステップS3へ戻す。その際、CPU16aは、編集用のユーザ登録画面500を閉じる。なお、図示を含む詳しい説明は省略するが、このユーザ情報編集処理において、ユーザ情報が編集(変更)された場合は、CPU16aは、ユーザ管理テーブル400の記録内容を更新するとともに、更新後のユーザ管理テーブル400の記録内容に基づいてユーザ追加/編集画面200を再表示する。
【0092】
これに対して、ステップS25において、CPU16aは、パスワードの照合が取れない旨を表す警告を出力し、詳しくは前述の警告画面を一定期間にわたって表示する。なお、このステップS25においては、警告画面の表示に加えて、もしくは、当該警告画面の表示に代えて、前述の音声による警告メッセージが出力されてもよい。このステップS25の実行後、CPU16aは、処理をステップS3へ戻す。
【0093】
以上のように、本第1実施例によれば、簡易認証が採用されることによりユーザ操作の軽減が図られる一方、必要に応じてパスワードが設定されることによりユーザ情報の保護が図られる。その上で、無用なユーザ情報を削除することを含め、登録済のユーザ情報を適切に管理することができる。
【0094】
なお、ユーザにより設定されたパスワードについては、当該ユーザについてのユーザ情報の編集時にのみ、その入力が必要であり、ログイン時には、その入力は不必要であるように、構成されてもよい。すなわち、ユーザにより設定されたパスワードについては、当該ユーザについてのユーザ情報を保護することにのみ、用いられてもよい。
【0095】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、図16図19を参照して説明する。
【0096】
本第2実施例では、たとえば図16に示されるようなクイックログイン画面100が、表示される。この図16に示されるクイックログイン画面200においては、一定期間にわたって複合機10を使用していないユーザ、つまり当該一定期間にわたって複合機10にログインしていない言わば不使用ユーザ、に対応するユーザアイコン144(以下「144a」という符号を付して説明する場合がある。)が、他のそれぞれのユーザアイコン144と異なる態様で表示される。なお、図16は、「ユーザA」および「ユーザJ」が不使用ユーザに該当し、これら「ユーザA」および「ユーザJ」に対応する2つのユーザアイコン144aおよび144aが、他のそれぞれのユーザアイコン144と異なる態様で、たとえばグレーで、表示された例を示す。ただし、図16においては、「ユーザA」および「ユーザJ」に対応する2つのユーザアイコン144aおよび144aのそれぞれに網掛模様800を付すことによって、これら2つのユーザアイコン144aおよび144aのそれぞれがグレーで表示された状態を表している。また、ここで言う一定期間は、たとえば30日間であるが、任意に変更可能である。さらに、図示は省略するが、ユーザ追加/編集画面200においても同様に、一定期間にわたってログインしていない不使用ユーザに対応するユーザアイコン264(以下「264a」という符号を用いて説明する場合がある。)が、他のそれぞれのユーザアイコン264と異なる態様で表示され、詳しくはグレーで表示される。
【0097】
このような本第2実施例によれば、クイックログイン画面100におけるそれぞれのユーザアイコン144の表示態様から、不使用ユーザの有無、および、当該不使用ユーザに対応するユーザを、直観的に把握することができる。ユーザ追加/編集画面200においても同様に、それぞれのユーザアイコン264の表示態様から、不使用ユーザの有無、および、当該不使用ユーザに対応するユーザを、直観的に把握することができる。このことは、登録済のユーザ情報を管理するのに、とりわけ管理者にとって、極めて有益である。たとえば、いずれかのユーザ情報を削除しなければならない必要性が生じたときに、いずれのユーザ情報を削除するのが適当であるのかの判断材料となる。これにより、登録済のユーザ情報を適切かつ効率的に管理することができるとともに、管理者の負担を軽減することができる。
【0098】
そのために、図示は省略するが、本第2実施例においては、前述の制御プログラムとして、ログイン管理プログラム、不使用管理プログラムおよびアイコン管理プログラムが、追加される。併せて、ユーザ管理テーブル400に記録されるユーザ情報として、それぞれのユーザの最終ログイン時刻と、当該それぞれのユーザが不使用ユーザに該当するかどうか表す言わば不使用当否フラグと、が追加される。さらに、このユーザ管理テーブル400に記録されたユーザ情報のうち、それぞれのユーザについての不使用当否フラグの内容が、厳密には或る時点での当該不使用当否フラグの内容が、そのままコピーされる、一時記憶手段としての一時記憶レジスタが、設けられる。この一時記憶レジスタは、たとえば主記憶部16bを構成する前述の書き換え可能な不揮発性メモリ内に設けられる。加えて、現在時刻(年月日時分秒)を管理するための時刻管理手段としての時刻管理部が、設けられる。この時刻管理部は、たとえばリアルタイムクロック(RTC)を含み、バス26を介して制御部16に接続され、または、直接的に当該制御部16に接続される。
【0099】
その上で、CPU16aが、前述のログイン管理プログラムに従って、ログイン管理タスクを実行する。このログイン管理タスクの流れを、図17に示す。なお、CPU16aは、いずれかのユーザがログインしたときに、つまりクイックログイン画面100におけるいずれかのユーザアイコン144が操作されたときに、このログイン管理タスクを実行する。
【0100】
このログイン管理タスクによれば、CPU16aは、ステップS101において、ユーザがログインした時刻を当該ユーザについての最終ログイン時刻としてユーザ管理テーブル400に記録し、つまり当該ユーザ管理テーブル400の記録内容を更新する。なお、ユーザがログインした時刻は、時刻管理部から知得される現在時刻に基づいて特定される。このステップS101の実行をもって、CPU16aは、ログイン管理タスクを終了する。
【0101】
併せて、CPU16aは、前述の不使用管理プログラムに従って、不使用管理タスクを実行する。この不使用管理タスクの流れを、図18に示す。なお、CPU16aは、この不使用タスクを定期的に、たとえば数秒間~数分間という比較的に短い時間間隔(周期)で、つまり前述の30日間という一定期間よりも遥かに短い時間間隔で、繰り返し実行する。
【0102】
この不使用管理タスクによれば、CPU16aは、まず、ステップS201において、ユーザ管理テーブル400を参照し、とりわけそれぞれのユーザについての最終ログイン時刻を参照する。そして、CPU16aは、処理をステップS203へ進める。
【0103】
ステップS203において、CPU16aは、それぞれのユーザについて、最終ログイン時刻から前述の30日間という一定期間が経過したかどうかを判定し、つまり不使用ユーザに該当するかどうかを判定する。この判定に際して、CPU16aは、時刻管理部から現在時刻を知得するとともに、それぞれのユーザについての最終ログイン時刻から当該現在時刻までの期間を算出し、その上で、当該判定を行う。このステップS203の実行後、CPU16aは、処理をステップS205へ進める。
【0104】
ステップS205において、CPU16aは、前述のステップS203における判定結果に基づいて、ユーザ管理テーブル400の記録内容を更新し、とりわけそれぞれのユーザについての不使用当否フラグを設定する。たとえば、不使用ユーザに該当するユーザについての不使用当否フラグには、“1”という値が設定され、そうでないユーザについての不使用当否フラグには、“0”という値が設定される。このステップS205の実行をもって、CPU16aは、不使用管理タスクを終了する。
【0105】
さらに、CPU16aは、前述のアイコン管理プログラムに従って、アイコン管理タスクを実行する。このアイコン管理タスクの流れを、図19に示す。なお、このアイコン管理タスクについても、不使用管理タスクと同様、CPU16aは、定期的に、たとえば数秒間~数分間という比較的に短い時間間隔で、繰り返し実行する。
【0106】
このアイコン管理タスクによれば、CPU16aは、まず、ステップS301において、ユーザ管理テーブル400を参照し、とりわけそれぞれのユーザについての不使用当否フラグを参照する。そして、CPU16aは、処理をステップS303へ進める。
【0107】
ステップS303において、CPU16aは、前述の一時記憶レジスタを参照する。この一時記憶レジスタには、前述の如く不使用当否フラグの内容がそのままコピーされるが、アイコン管理タスクが初めて実行される時点、たとえば複合機10の電源がONされた直後の時点では、初期値が記憶される。この初期値としては、それぞれのユーザについて“0”という値が記憶される。このステップS303の実行後、CPU16aは、処理をステップS305へ進める。
【0108】
ステップS305において、CPU16aは、ステップS301におけるユーザ管理テーブル400の参照結果と、ステップS303における一時記憶レジスタの参照結果とを、比較する。その上で、CPU16aは、処理をステップS307へ進める。
【0109】
ステップS307において、CPU16aは、ステップS305における比較結果に基づいて、不使用ユーザの当否の状態に変化があるかどうかを判定する。言い換えれば、CPU16aは、ステップS301におけるユーザ管理テーブル400の参照結果と、ステップS303における一時記憶レジスタの参照結果とが、相違するかどうかを判定する。ここでたとえば、不使用ユーザの当否の状態に変化がない場合(S307:NO)、CPU16aは、そのままアイコン管理タスクを終了する。一方、不使用ユーザの当否の状態に変化がある場合、つまりいずれかのユーザが新たに不使用ユーザに該当することになり、あるいは、不使用ユーザであったいずれかのユーザが当該不使用ユーザに該当しなくなった場合は(S307:YES)、CPU16aは、処理をステップS309へ進める。
【0110】
ステップS309において、CPU16aは、現在表示中の画面をユーザ管理テーブル400の記録内容に基づいて再表示する。これにより、たとえばクイックログイン画面100が表示中の場合は、新たに不使用ユーザに該当することになったユーザに対応するユーザアイコン144aがグレーで表示され、あるいは、不使用ユーザに該当しなくなったユーザに対応するユーザアイコン144のグレー表示が解除される。また、ユーザ追加/編集画面200が表示中の場合も同様に、新たに不使用ユーザに該当することになったユーザに対応するユーザアイコン264aがグレーで表示され、あるいは、不使用ユーザに該当しなくなったユーザに対応するユーザアイコン264のグレー表示が解除される。そして、CPU16aは、処理をステップS311へ進める。
【0111】
ステップS311において、CPU16aは、ユーザ管理テーブル400に記録されている不使用当否フラグの内容を、そのまま一時記憶レジスタにコピーし、つまり当該一時記憶レジスタの記憶内容を更新する。このステップS311の実行をもって、CPU16aは、アイコン管理タスクを終了する。
【0112】
以上のように、本第2実施例によれば、クイックログイン画面100におけるそれぞれのユーザアイコン144、または、ユーザ追加/編集画面200におけるそれぞれのユーザアイコン264、の表示態様から、不使用ユーザの有無、および、当該不使用ユーザに該当するユーザを、直観的に把握することができる。これにより、登録済のユーザ情報を適切かつ効率的に管理するとともに、管理者の負担を軽減することができる。
【0113】
なお、本第2実施例においては、それぞれのユーザの最終ログイン時刻を基点として、前述の30日間という一定期間が経過したかどうかの判定が成されたが、これに限らない。たとえば、それぞれのユーザの最終ログアウト時刻を基点として、当該一定期間が経過したかどうかの判定が成されてもよい。
【0114】
また、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aについては、グレーで表示されることで、他のそれぞれのユーザアイコン144または264との区別化が図られたが、これに限らない。たとえば、当該不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aについては、適当なマークや模様が付されてもよいし、他のそれぞれのユーザアイコン144または264と異なる大きさや形状で表示されてもよい。要するに、それぞれのユーザによる複合機10の使用頻度に応じて、それぞれのユーザアイコン144または264の表示態様が制御されるのが、望ましい。
【0115】
さらに、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aについては、それぞれの不使用ユーザが複合機10にログインしない期間の長さに応じて、つまり使用頻度の高低(程度)に応じて、その表示態様に変化が付けられてもよい。たとえば、使用頻度の高低に応じて、これに対応するユーザアイコン144aまたは264aに付されるグレーの色の濃さや当該色そのものに変化が付けられてもよい。あるいは、当該使用頻度の高低に応じて、これに対応するユーザアイコン144aまたは264aに異なるマークや模様が付されてもよいし、当該ユーザアイコン144aまたは264aそのものの大きさや形状に変化が付けられてもよい。
【0116】
このような不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aおよび264aを含むそれぞれのユーザアイコン144および264の表示態様は、CPU16aによって制御されるが、この制御を担うCPU16aは、本発明に係る表示制御手段の一例である。また、それぞれのユーザによる複合機10の使用頻度は、当該それぞれのユーザについての最終ログイン時刻からの経過期間に限らず、別のパラメータにより評価されてもよい。
【0117】
本第2実施例は、前述の第1実施例と並行して(同時に)実施されてもよいし、当該第1実施例とは別個に(独立して)実施されてもよい。
【0118】
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について、図20を参照して説明する。
【0119】
本第3実施例は、前述の第2実施例の構成を前提とする。具体的には、本第3実施例では、第2実施例における不使用ユーザに対して、当該不使用ユーザに該当する旨が通知される。より具体的には、不使用ユーザに該当するユーザについてのユーザ情報に電子メールアドレスが含まれている場合に、その電子メールアドレス宛に、当該ユーザが不使用ユーザに該当する旨の内容を含む通知メールが送信される。したがって、通知メールを受信したユーザは、当該通知メールから、自身が不使用ユーザに該当することを認識することができる。そして、この通知メールを受信した不使用ユーザは、たとえば改めて複合機10にログインすることにより、当該不使用ユーザに該当しないようにしたり、あるいは、自身に対応するユーザ情報を自主的に削除したりするなどの、適宜の処置を講ずることができる。このこともまた、登録済のユーザ情報を適切に管理するのに大きく貢献する。
【0120】
そのために、図示は省略するが、本第3実施例においては、第2実施例の構成に加えて、前述の制御プログラムとして、通知プログラムが、追加される。併せて、ユーザ管理テーブル400に記録されるユーザ情報として、それぞれのユーザに対して通知メールが送信済であるかどうかを表す言わば通知済フラグが、追加される。なお、複合機10の電源がONされた直後は、それぞれのユーザについての通知済フラグには、当該それぞれのユーザに対して通知メールが未送信であることを表す“0”という初期値が設定される。
【0121】
その上で、CPU16aが、通知プログラムに従って、通知タスクを実行する。図20は、この通知タスクの流れを示す。なお、CPU16aは、この通知タスクを定期的に、たとえば前述の不使用管理タスクやアイコン管理タスクと同様、数秒間~数分間という比較的に短い時間間隔で、繰り返し実行する。
【0122】
この通知タスクによれば、CPU16aは、まず、ステップS401において、ユーザ管理テーブル400を参照し、とりわけそれぞれのユーザについての前述の不使用当否フラグ、電子メールアドレスおよび通知済フラグを参照する。そして、CPU16aは、処理をステップS403へ進める。
【0123】
ステップS403において、CPU16aは、ステップS401における参照結果に基づいて、通知メールを送信する必要があるかどうかを、換言すれば当該通知メールを送信する必要がある不使用ユーザが存在するかどうかを、判定する。さらに言い換えれば、CPU16aは、不使用ユーザのうち、電子メールアドレスが登録されており、かつ、通知メールが未送信である、当該不使用ユーザの存否を、判定する。ここでたとえば、通知メールを送信する必要がない場合(S403:NO)、CPU16aは、そのまま通知タスクを終了する。一方、通知メールを送信する必要がある場合は(S403:YES)、CPU16aは、処理をステップS405へ進める。
【0124】
ステップS405において、CPU16aは、通知メールを送信する。すなわち、CPU16aは、不使用ユーザのうち、電子メールアドレスが登録されており、かつ、通知メールが未送信である、当該不使用ユーザの電子メールアドレス宛に、当該通知メールを送信する。そして、CPU16aは、処理をステップS407へ進める。
【0125】
ステップS407において、CPU16aは、ユーザ管理テーブル400の記録内容を更新し、とりわけステップS405における通知メールの送信先となったユーザについての通知済フラグに“1”という値を設定する。この通知済フラグの“1”という値は、通知メールが送信済であることを表す。このステップS407の実行をもって、CPU16aは、通知タスクを終了する。
【0126】
以上のように、本第3実施例によれば、不使用ユーザに対して当該不使用ユーザに該当する旨が通知され、詳しくは当該不使用ユーザの電子メールアドレス宛に通知メールが送信される。このこともまた、登録済のユーザ情報を適切に管理するのに大きく貢献する。
【0127】
なお、本第3実施例における通知メールは、本発明に係る通知情報の一例である。そして、この通知メールの送信を担うCPU16a、つまり通知タスクを実行する当該CPU16aは、本発明に係る通知手段の一例である。
【0128】
本第3実施例は、前述の如く第2実施例の構成を前提とすることから、本第3実施例においても、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aが、グレーで表示される。すなわち、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aが、他のそれぞれのユーザアイコン144または264と異なる態様で表示される。
【0129】
ただし、第2実施例の構成を前提としなくてもよい。この場合、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aは、グレーで表示されずに、他のそれぞれのユーザアイコン144または264と同様の態様で表示される。その一方で、不使用ユーザに対する通知は、つまり通知メールの送信は、行われる。
【0130】
[第4実施例]
次に、本発明の第4実施例について、図21を参照して説明する。
【0131】
本第4実施例は、前述の第3実施例の構成を前提とする。具体的には、本第4実施例では、第3実施例における通知メールの送信先である不使用ユーザから、当該通知メールに対する応答としての返信メールが送られてきた場合に、この返信メールの受信時刻が、当該不使用ユーザについての最終ログイン時刻としてユーザ管理テーブル400に記録される。これにより、返信メールの送信元である不使用ユーザが、あたかも複合機10にログインしたのと同様の状態が形成され、当該不使用ユーザに該当しなくなる。そして、不使用ユーザに該当しなくなったユーザに対応するユーザアイコン144または264のグレー表示が解除される。すなわち、不使用ユーザは、複合機10を直接的に操作することなく、当該複合機10にログインしたのと同様の結果が得られる。このことは、登録済のユーザ情報を効率的に管理するのに大きく貢献する。
【0132】
そのために、図示は省略するが、本第4実施例においては、第3実施例の構成に加えて、前述の制御プログラムとして、ログイン更新プログラムが、追加される。また、前述の通知メールに対する応答としての返信メールには、当該通知メールに対する応答である旨を表す所定の情報、たとえばコードが、付属される。その上で、CPU16aが、ログイン更新プログラムに従って、ログイン更新タスクを実行する。図21は、このログイン更新タスクの流れを示す。なお、CPU16aは、ここで言う返信メールを受信したときに、ログイン更新タスクを実行する。
【0133】
このログイン更新タスクによれば、CPU16aは、ステップS501において、ユーザ管理テーブル400の記録内容を更新し、とりわけ返信メールの受信時刻を当該返信メールの送信元である不使用ユーザについての最終ログイン時刻として記録し、言わば当該最終ログイン時刻をリセットする。併せて、CPU16aは、返信メールの送信元である不使用ユーザについての通知済フラグに“0”という値を設定し、言わば当該通知済フラグについてもリセットする、このステップS501の実行をもって、CPU16aは、ログイン更新タスクを終了する。
【0134】
以上のように、本第4実施例によれば、前述の通知メールを受信した不使用ユーザは、当該通知メールに対して返信するだけで、複合機10にログインしたのと同様の結果が得られる。このことは、登録済のユーザ情報を効率的に管理するのに大きく貢献する。
【0135】
なお、本第4実施例における返信メールは、本発明に係る応答情報の一例である。そして、CPU16aが、ログイン更新タスクを実行することにより、ここで言う返信メールの送信元である不使用ユーザが、複合機10にログインしたのと同様の状態が形成されるが、このようなログイン更新タスクを実行するCPU16aは、本発明に係る頻度変更手段の一例である。さらに、前述の30日間という一定期間にわたってログインしていない不使用ユーザに対して、通知メールが送信されるが、ここで言う一定期間にわたってログインしていない、という当該通知メールが送信される契機となる基準は、本発明に係る第1頻度の一例である。
【0136】
また、本第4実施例においては、前述の返信メールが送られてきたときに、この返信メールの受信時刻が、当該返信メールの送信元である不使用ユーザについての最終ログイン時刻として記録されるが、これに限らない。たとえば、実際の最終ログイン時刻と返信メールの受信時刻との間の適当な時刻が、当該最終ログイン時刻として記録されてもよい。
【0137】
本第4実施例は、前述の如く第3実施例の構成を前提とすることから、本第4実施例においても、当該第3実施例と同様に、つまり第2実施例の如く、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aが、グレーで表示される。すなわち、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aが、他のそれぞれのユーザアイコン144または264と異なる態様で表示される。
【0138】
ただし、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aについては、グレーで表示されずに、他のそれぞれのユーザアイコン144または264と同様の態様で表示されるように、構成されてもよい。すなわち、それぞれのユーザアイコン144および264の表示態様に拘らず、前述の返信メールが送られてきたときには、この返信メールの送信元である不使用ユーザについての最終ログイン時刻が更新されるように、構成されてもよい。
【0139】
[第5実施例]
次に、本発明の第5実施例について、図22を参照して説明する。
【0140】
本第5実施例は、たとえば前述の第2実施例の構成を前提とする。具体的には、本第5実施例では、第2実施例における不使用ユーザのうち、さらに所定の猶予期間にわたってログインしていないユーザについてのユーザ情報が、自動的に削除される。このこともまた、登録済のユーザ情報を適切かつ効率的に管理するのに大きく貢献し、とりわけ管理者の負担を軽減するのに大きく貢献する。なお、ここで言う猶予期間は、たとえば10日間であるが、任意に変更可能である。
【0141】
図示は省略するが、本第5実施例においては、第2実施例の構成に加えて、前述の制御プログラムとして、自動削除プログラムが、追加される。そして、CPU16aが、この自動削除プログラムに従って、自動削除タスクを実行する。図22は、この自動削除タスクの流れを示す。なお、CPU16aは、この自動削除タスクを定期的に、たとえば前述の不使用管理タスクやアイコン管理タスクと同様、数秒間~数分間という比較的に短い時間間隔で、繰り返し実行する。
【0142】
この自動削除タスクによれば、CPU16aは、まず、ステップS601において、ユーザ管理テーブル400を参照し、とりわけそれぞれのユーザについての最終ログイン時刻を参照する。そして、CPU16aは、処理をステップS603へ進める。
【0143】
ステップS603において、CPU16aは、ステップS601における参照結果に基づいて、削除の対象となるユーザ情報が存在するかどうかを、つまり最終ログイン時刻から前述の30日間という一定期間を経過し、さらに前述の10日間という猶予期間が経過したユーザ情報の存否を、判定する。ここでたとえば、削除の対象となるユーザ情報が存在しない場合(S603:NO)、CPU16aは、そのまま自動削除タスクを終了する。一方、削除の対象となるユーザ情報が存在する場合は(S603:YES)、CPU16aは、処理をステップS605へ進める。
【0144】
ステップS605において、CPU16aは、削除の対象となるユーザ情報をユーザ管理テーブル400から削除し、つまり当該ユーザ管理テーブルの記録内容を更新する。このステップS605の実行をもって、CPU16aは、自動削除タスクを終了する。
【0145】
以上のように、本第5実施例によれば、不使用ユーザのうち、さらに所定の猶予期間にわたってログインしていないユーザについてのユーザ情報が、自動的に削除される。このことは、登録済のユーザ情報を適切かつ効率的に管理するのに大きく貢献し、とりわけ管理者の負担を軽減するのに大きく貢献する。
【0146】
なお、本第5実施例においては、不使用ユーザのうち、さらに所定の猶予期間にわたってログインしていないユーザについてのユーザ情報が、自動的に削除されるが、ここで言う猶予期間にわたってログインしていない、という当該ユーザ情報の削除の契機となる基準は、本発明に係る第2頻度の一例である。そして、そのようなユーザ情報を削除するべく、自動削除タスクを実行するCPU16aは、本発明に係る削除手段の一例である。
【0147】
本第5実施例は、前述の如く第2実施例の構成を前提とすることから、本第5実施例においても、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aが、グレーで表示される。すなわち、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aが、他のそれぞれのユーザアイコン144または264と異なる態様で表示される。
【0148】
ただし、第2実施例の構成を前提としなくてもよい。この場合、不使用ユーザに対応するユーザアイコン144aまたは264aは、グレーで表示されずに、他のそれぞれのユーザアイコン144または264と同様の態様で表示される。その一方で、前述の如く不使用ユーザのうち、さらに所定の猶予期間にわたってログインしていないユーザについてのユーザ情報は、自動的に削除される。
【0149】
また、本第5実施例は、前述の第3実施例の構成を前提としてもよい。この場合は、ユーザ情報が削除される前に、不使用ユーザに対して、当該不使用ユーザに該当する旨が通知され、詳しくは前述の通知メールが送信される。したがって、通知メールを受信した不使用ユーザは、たとえば自身についてのユーザ情報が自動的に削除される前に、改めて複合機10にログインすることにより、当該ユーザ情報が自動的に削除されるのを回避することができる。また、通知メールを受信した不使用ユーザは、自身についてのユーザ情報が削除される前に、自主的に当該ユーザ情報を削除することもできる。
【0150】
さらに、本第5実施例は、前述の第4実施例の構成を前提としてもよい。この場合、前述の通知メールを受信した不使用ユーザは、たとえば自身についてのユーザ情報が自動的に削除される前に、当該通知メールに対して返信するだけで、当該ユーザ情報が自動的に削除されるのを回避することができる。
【0151】
[応用例]
次に、本発明の応用例について、図23を参照して説明する。
【0152】
本応用例は、たとえば第1実施例の構成を前提とし、とりわけ図2に示される如く複合機10と、1台以上のPC30とが、ネットワーク50を介して相互に接続される構成を前提とする。具体的には、本応用例では、前述のクイックログイン画面100において、作動状態(起動された状態)にあるPC30に対応するユーザアイコン144のみが表示され(言わばアクティブとなり)、それ以外のユーザアイコン144は非表示となる。ユーザ追加/編集画面200においても同様に、作動状態にあるPC30に対応するユーザアイコン264のみが表示され、それ以外のユーザアイコン264は非表示となる。したがってたとえば、作動していないPC30に対応するユーザ情報、とりわけ不在中のユーザの当該ユーザ情報については、削除を含め、編集することができない。ゆえに、そのようなユーザ情報が不本意に編集されるのを防止することができる。このこともまた、登録済のユーザ情報を適切に管理するのに大きく貢献する。
【0153】
このような本応用例においては、図示は省略するが、第1実施例の構成に加えて、前述の制御プログラムとして、PC確認プログラムおよびPC連動プログラムが、追加される。併せて、ユーザ管理テーブル400に記録されるユーザ情報として、それぞれのユーザが所持するPC30を識別するための識別情報としてのIP(Internet Protocol)アドレスと、当該PC30が作動状態にあるかどうかを表す言わばPCフラグと、が追加される。さらに、このユーザ管理テーブル400に記録されたユーザ情報のうち、それぞれのユーザ(PC30)についてのPCフラグの内容が、厳密には或る時点での当該PCフラグの内容が、そのままコピーされる、第2の一時記憶手段としての第2記憶レジスタが、設けられる。この第2記憶レジスタは、たとえば主記憶部16bを構成する前述の書き換え可能な不揮発性メモリ内に設けられる。
【0154】
その上で、CPU16aが、前述のPC確認プログラムに従って、PC確認タスクを実行する。図示は省略するが、このPC確認タスクによれば、CPU16aは、たとえばポーリングにより、それぞれのPC30が作動状態にあるかどうかを確認する。そして、CPU16aは、この確認結果に基づいて、ユーザ管理テーブル400の記録内容を更新し、とりわけそれぞれのユーザ(PC30)についてのPCフラグを設定する。たとえば、作動状態にあるPC30についてのPCフラグには、“1”という値が記録され、作動していないPC30についてのPCフラグには、“0”という値が設定される。これをもって、CPU16aは、PC確認タスクを終了する。このPC確認タスクは、定期的に実行され、たとえば数秒間~数分間という比較的に短い時間間隔で繰り返し実行される。なお、このPC確認タスクを実行するCPU16aは、本発明に係る確認手段の一例である。
【0155】
このPC確認タスクと並行して、CPU16aは、前述のPC連動プログラムに従って、PC連動タスクを実行する。図23は、このPC連動タスクの流れを示す。このPC連動タスクについても、PC確認タスクと同様、CPU16aは、定期的に、たとえば数秒間~数分間という比較的に短い時間間隔で、繰り返し実行する。このPC連動タスクを実行するCPU16aは、本発明に係る第2の表示制御手段の一例である。
【0156】
このPC連動タスクによれば、CPU16aは、まず、ステップS701において、ユーザ管理テーブル400を参照し、とりわけそれぞれのユーザについてのPCフラグを参照する。そして、CPU16aは、処理をステップS703へ進める。
【0157】
ステップS703において、CPU16aは、前述の第2記憶レジスタを参照する。この第2記憶レジスタには、前述の如くPCフラグの内容がそのままコピーされるが、PC連動タスクが初めて実行される時点、たとえば複合機10の電源がONされた直後の時点では、初期値が記憶される。この初期値としては、それぞれのユーザについて“0”という値が記憶される。このステップS703の実行後、CPU16aは、処理をステップS705へ進める。
【0158】
ステップS705において、CPU16aは、ステップS701におけるユーザ管理テーブル400の参照結果と、ステップS703における第2記憶レジスタの参照結果とを、比較する。その上で、CPU16aは、処理をステップS707へ進める。
【0159】
ステップS707において、CPU16aは、ステップS705における比較結果に基づいて、いずれかのPC30の作動状態に変化があるかどうかを判定する。言い換えれば、CPU16aは、ステップS701におけるユーザ管理テーブル400の参照結果と、ステップS703における第2記憶レジスタの参照結果とが、相違するかどうかを判定する。ここでたとえば、それぞれのPC30の作動状態に変化がない場合(S707:NO)、CPU16aは、そのままPC連動タスクを終了する。一方、いずれかのPC30の作動状態に変化がある場合、つまりいずれかのPC30が新たに起動され、あるいは、作動状態にあったいずれかのPC30が当該作動状態でなくなった場合はは(S707:YES)、CPU16aは、処理をステップS709へ進める。
【0160】
ステップS709において、CPU16aは、現在表示中の画面をユーザ管理テーブル400の記録内容に基づいて再表示する。これにより、たとえばクイックログイン画面100が表示中の場合は、新たに起動されたPC30に対応するユーザアイコン144が表示され、あるいは、作動状態でなくなったPC30に対応するユーザアイコン144の表示が消える。また、ユーザ追加/編集画面200が表示中の場合も同様に、新たに起動されたPC30に対応するユーザアイコン264が表示され、あるいは、作動状態でなくなったPC30に対応するユーザアイコン264の表示が消える。そして、CPU16aは、処理をステップS711へ進める。
【0161】
ステップS711において、CPU16aは、ユーザ管理テーブル400に記録されているPCフラグの内容を、そのまま第2記憶レジスタにコピーし、つまり当該第2記憶レジスタの記憶内容を更新する。このステップS711の実行をもって、CPU16aは、PC連動タスクを終了する。
【0162】
以上のように、本応用例によれば、たとえばクイックログイン画面100において、作動状態にあるPC30に対応するユーザアイコン144のみが表示され、それ以外のユーザアイコン144は非表示となる。ユーザ追加/編集画面200においても同様に、作動状態にあるPC30に対応するユーザアイコン264のみが表示され、それ以外のユーザアイコン264は非表示となる。したがって特に、不在中のユーザについてのユーザ情報が不本意に編集されるのを防止することができる。このこともまた、登録済のユーザ情報を適切に管理するのに大きく貢献する。
【0163】
なお、本応用例においては、作動していないPC30に対応するユーザアイコン144または264については、非表示とされたが、これに限らない。たとえば、作動していないPC30に対応するユーザアイコン144または264については、操作を受け付けないグレーアウトの態様で表示されてもよい。
【0164】
また、本応用例は、第1実施例の構成を前提としたが、これに限らず、当該第1実施例以外の第2実施例~第5実施例のいずれかの構成を前提としてもよい。さらに、本応用例は、第1実施例~第5実施例のいずれの構成をも前提とせず、単独で実施されてもよい。
【0165】
[その他の適用例]
以上の各実施例および応用例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら以外の局面にも、本発明を適用することができる。
【0166】
たとえば、操作子としてのユーザアイコン144または264に代えて、ボタンなどの他の態様の操作子が採用されてもよい。
【0167】
また、複合機10本体の操作ではなく、それぞれのPC30の操作によって、ユーザ情報の登録を可能としてもよい。そして、ユーザ情報の削除を含む編集についても、それぞれのPC30の操作により可能としてもよい。
【0168】
さらに、各実施例および応用例では、複合機10に本発明が適用される例を説明したが、これに限らない。複合機10以外の情報処理装置にも当然に、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0169】
10 …複合機
16 …制御部
16a …CPU
20 …通信部
22 …表示部
22a …ディスプレイ
24 …操作部
24a …タッチパネル
144、264 …ユーザアイコン
100 … クイックログイン画面
200 … ユーザ追加/編集画面
254 … アクションパネル
254b … 削除ボタン
500 … 編集用のユーザ登録画面
600 … パスワード入力画面
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