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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】防水ブロアファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/70 20060101AFI20221223BHJP
   F04D 29/44 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
F04D29/70 M
F04D29/44 U
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018246315
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020105988
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 晶生
(72)【発明者】
【氏名】西沢 敏弥
(72)【発明者】
【氏名】羽田 格彦
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-061596(JP,A)
【文献】米国特許第05620302(US,A)
【文献】実開昭58-088000(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/70
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシングの内部に回転可能に収容された円筒状の羽根車と、
前記ケーシングに設けられた吸込み口及び吐出し口と、
前記羽根車を回転駆動する電動機と、
を備え、
前記ケーシングは、少なくとも前記羽根車の両側面に設けられた第一及び第二の側壁部と、
前記羽根車の外周面を取り囲みかつ前記羽根車の回転軸からの径方向の距離が下流に向かうにつれて次第に拡径する略らせん状又は曲線状をなす外周壁部と、
前記第一及び第二の側壁部、前記外周壁部及び前記羽根車の外周面部とで画成されかつ前記羽根車の外周面から半径方向外方に流出する気体を前記吐出し口に導く流路と、
を有する防水ブロアファンにおいて、
前記ケーシングの、前記外周壁部の前記第一及び第二の側壁部側、前記第一の側壁部及び前記第二の側壁部に、前記ケーシングの周方向に沿って不等間隔で配置されかつ前記ケーシングの内部と外部との間を連通し、前記ケーシングの内側に開口を有する少なくとも4つの排水穴を設け、
前記第一及び第二の側壁部の少なくとも4つの排水穴と、前記外周壁部の前記第一及び第二の側壁部側に設けられた相対する排水穴とは互いに連通して一体の穴空間を形成し、前記外周壁部の前記第一及び第二の側壁部側に設けられた相対する排水穴は前記径方向に外部に開口するように前記外周壁部を貫通し、
前記羽根車の回転軸線方向にみて、隣り合う2つの前記排水穴の前記開口は、前記ケーシングの最外周側に位置する開口縁の部分同士を結びかつその長さが最短となる弦をなす直線と前記羽根車とが交差しない位置になるように形成される、
ことを特徴とする防水ブロアファン。
【請求項2】
前記排水穴は、断面が等辺又は不等辺山形の形状の空間を成す、請求項に記載の防水ブロアファン。
【請求項3】
防水ブロアファンを支持するファン設置板の板面上に、前記第一の側壁部の外面又は前記第二の側壁部の外面の少なくともいずれか一方の面が当接する、請求項1又は2に記載の防水ブロアファン。
【請求項4】
記排水穴の数は5つである、請求項1~のいずれか1項に記載の防水ブロアファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水、液体又は蒸気がブロアファン内部に侵入し得る環境でも使用可能な防水ブロアファンに関し、特に、運転停止時(静止時)に防水ブロアファンのケーシング内部に滞留する水等を効果的に排出する排水穴の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防水ブロアファンは、屋外に設置される機器、悪環境下で用いられる機器、車載機器など、雨水、薬液や突発的な水等の侵入に対して耐水・耐液性を必要とする用途に用いられている。
【0003】
一般に、防水用のものに限らず、ブロアファンは、ケーシングと、ケーシングの内部に回転可能に収容された円筒状の羽根車と、ケーシングに設けられた吸込み口及び吐出し口と羽根車を回転駆動する電動機と、を備え、ケーシングは、少なくとも、前記羽根車の両側面に設けられた第一及び第二の側壁部と、羽根車の外周面を取り囲みかつ羽根車の回転軸線からの径方向の距離が下流に向かうにつれて次第に拡径する略らせん状又は曲線状をなす外周壁部と、第一及び第二の側壁部、外周壁部及び羽根車の外周面部とで画成されかつ前記羽根車の外周面から半径方向外方に流出する気体を吐出し口に導く流路を有する。
【0004】
そのようなブロアファンをそのまま防水ブロアファンとして用いると、上記のような環境で用いられることから、駆動源である電動機及びそれを駆動するための制御装置・回路、各種センサ等の電気機器が水等の侵入により、短絡を生じて異常や故障を発生したり、材料の劣化が生じて耐久性を損なったりするなどの様々な支障が生じるおそれがあるので、そのような装置や機器をモールディング等により耐水性を持たせることが従来から行われてきた。
【0005】
しかし、防水ブロアファンの運転に際しては、上記のような耐水性を確保するようにしても、気体を吸い込むと同時に水等の液体を同時に吸い込んだり、蒸気を多く含む気体(湿度の高い空気等)が防水ブロアファンのケーシングの中で凝縮(結露)することなどにより、ケーシング内部に水等の液体が滞留することがある。
【0006】
これは、羽根車を回転駆動している運転中は、ケーシング内部に侵入した水等が、ケーシング内を流れる気流や羽根車の回転により押し出されて吐出し口から外部に放出されるか、吸い込み口から滴出することなどにより、ケーシング内部に滞留することは少ないが、運転を停止した際(静止時)には、気流の流れが止まり、また、羽根車の回転も停止することにより、外部に放出し切れなかった水等がケーシング内部の鉛直方向下方に溜まって生じるものである。
【0007】
水等がケーシング内部に滞留した場合に、その滞留する水等の量が多いと、羽根車の一部が水等に浸漬するおそれがあり、次の運転開始時に、滞留する水等が羽根車の回転に大きな抵抗を与え、その結果、羽根車を破損したり、駆動する電動機の起動負荷が増大するなどの起動不良が生じるおそれがあった。
【0008】
このような状況を回避するために、防水ブロアファンの吐出し口が鉛直方向下向きとなるように防水ブロアファンを設置して、吐出し口から水等を排出するようにしたり、下記特許文献1にみられるような排水装置を用いることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2016-75243号公報
【0010】
特許文献1に記載された排水装置は、ファン112と該ファン112を回転させるモータ113と該モータ113を駆動するモータ駆動回路とを有し、ファンケース111で覆われた遠心送風機において、前記ファンケース111に水抜き穴101cと該水抜き穴の開閉可能なふた101dと該ふたの開閉機構101eとを備えているものである。
【0011】
かかる水抜き穴101cはファンケース112の重力方向に位置し、開閉機構101eは、ファン停止時には前記ふた101dを開くために、気流の圧力、ファンケース内外の気圧差、電磁力などを用いているものである。
【0012】
遠心送風機の運転を停止した時に、開閉機構101eによりふた101dを開いてファンケース111内に滞留した水を抜き、運転時には、開閉機構101eを作動させてふた101dを閉じ、送風性能を低下させることなく、運転できるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に記載された排水装置によって、上記した状況を回避することは可能であるが、かかる排水装置は、開閉可能なふたと開閉機構を要することから構造が複雑となり、また可動部を有することから故障の可能性が生じ、しかもコストがかかるものであった。また、開閉機構の設置スペースも必要となり、防水ブロアファンのレイアウト性の低下や設置スペースの増加にもつながっていた。
【0014】
特に、水抜き穴は、防水ブロアファンのケーシングの鉛直方向最下部に位置しているので、遠心送風機の設置方向が、水抜き穴の位置と重力方向とが合致する向きにしか取り付けることができないことから、予め設置方向に合わせた水抜き穴の位置となるように設計・製造するか、他の機器や接続管路の配置等を変更して、予め定められている方向に遠心送風機を設置しないとならないため、レイアウト性に乏しく、また設計・製造コストも増加するという課題を有していた。
【0015】
本発明は、かかる課題を解決するものであり、耐水性と送風性能を損なうことなく、可動部を有しない単純な構造で、レイアウト性が向上し、設置スペースや設計・製造コストに大きな影響を生じさせない防水ブロアファンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ケーシングと、前記ケーシングの内部に回転可能に収容された円筒状の羽根車と、前記ケーシングに設けられた吸込み口及び吐出し口と、前記羽根車を回転駆動する電動機と、を備え、前記ケーシングは、少なくとも、前記羽根車の両側面に設けられた第一及び第二の側壁部と、前記羽根車の外周面を取り囲みかつ前記羽根車の回転軸からの径方向の距離が下流に向かうにつれて次第に拡径する略らせん状又は曲線状をなす外周壁部と、前記第一及び第二の側壁部、前記外周壁部及び前記羽根車の外周面部とで画成されかつ前記羽根車の外周面から半径方向外方に流出する気体を吐出し口に導く流路と、を有する防水ブロアファンにおいて、前記ケーシングの、前記外周壁部の前記第一及び第二の側壁部側、前記第一の側壁部及び第二の側壁部に、前記ケーシングの周方向に沿って不等間隔で配置されかつ前記ケーシングの内部と外部との間を連通し、前記ケーシングの内側に開口を有する少なくとも4つの排水穴を設け、前記第一及び第二の側壁部の少なくとも4つの排水穴と、前記外周壁部の前記第一及び第二の側壁部側に設けられた相対する排水穴とは互いに連通して一体の穴空間を形成し、前記外周壁部の前記第一及び第二の側壁部側に設けられた相対する排水穴は前記径方向に外部に開口するように前記外周壁部を貫通し、前記羽根車の回転軸線方向にみて、隣り合う2つの前記排水穴の前記開口は、前記ケーシングの最外周側に位置する開口縁の部分同士を結びかつその長さが最短となる弦をなす直線と前記羽根車とが交差しない位置になるように形成される、防水ブロアファンの排水穴からなるものである。
【発明の効果】
【0017】
上記の構成を採用することにより、防水ブロアファンを、どの方向に設置した場合であっても、運転を停止した際(静止時)にケーシング内部の鉛直方向下側に滞留する水の水
位は、排水穴からの水の流出により、一定の水位までしか上昇せず、ブロアファンの羽根車に接することはほとんどない。そのことにより、羽根車の一部が水に浸漬することがないので、次の運転開始時に、羽根車の回転に抵抗が生じることはなく、羽根車を破損したり、駆動する電動機の起動負荷が増大するなどの起動不良が生じることもない。
【0018】
また、排水のために設けられる手段は、可動部を有しない排水穴のみであるので、単純な構造となり、レイアウト性が向上し、設置スペースや設計・製造コストに大きな影響を生じさせない。
【0019】
さらに、排水穴の大きさは、滞留した水が円滑に流出する程度の適宜の大きさで足り、排水穴の数は、少なくとも4個で足り、送風性能や静音性に与える影響も小さい。
【0020】
ここで、本発明において、「ほぼ交差しない位置」とは、数学的に厳密に交差しない位置に対して、防水ブロアファンの起動に支障を来すことのない所定の範囲及び設計公差の範囲内で、羽根車と交差する位置も含むものである。
【0021】
また、「防水」、「水」、「滞留水」等の用語における「水」は、本発明の目的の達成に適う限り、水以外の液体全般を粘性の大小を問わず含むものとする。
【0022】
なお、第一及び第二の2つの側壁部及び外周壁部を備えることは、流路を画成するためのそれら壁部が存在することを意味するだけであって、側壁部を構成する部材が2つありかつ外周壁部を構成する部材が1つであるというように、壁部を構成する部材自体の構成を限定するものではなく、例えば、それらが一体成型された一つの部材であっても良いし、複数の部材を組み合わせたものからなるものでもよい。要は、それら壁部により、気体が流れる空間が確保されるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一態様である防水ブロアファンのケーシング及び排水穴を示す斜視図及び正面図(吸込み側)。
図2】本発明の一態様である防水ブロアファンのケーシング及び排水穴を示す斜視図及び正面図(銘板側)。
図3】本発明の一態様である防水ブロアファンの羽根車、排水穴及び滞留水の水位の関係を示す断面図。
図4】本発明の一態様である防水ブロアファンの防水ブロアファンをファン設置板に設置した状態を示す斜視図。
図5図4のA-A線でみた軸方向断面図。
図6】本発明の一態様である防水ブロアファンの排水穴の配置の態様を示す正面図。
図7】本発明の防水ブロアファンの風量-静圧特性を示すグラフ。
図8】本発明の防水ブロアファンの回転速度-騒音特性を示すグラフ。
図9】従来の防水ブロアファンの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1(a)、(b)は、本発明の一実施例である防水ブロアファンのケーシング及び排水穴の配置について、吸込み側からみた斜視図及び正面図である。
【0025】
図2(a)、(b)は、本発明の一態様である防水ブロアファンのケーシング及び排水穴の配置について、銘板側からみた斜視図及び正面図である。
【0026】
図1、2に基づき、初めに、本発明の防水ブロアファンの排水穴が適用される、防水ブ
ロアファンの全体構造を説明する。
【0027】
当業者には自明であるので、すべてを図示はしていないが、本発明が適用される防水ブロアファン1は、ケーシング2と、ケーシング2の内部に回転可能に収容された複数枚の羽根7を有する円筒状の羽根車3と、ケーシング2に設けられた吸込み口4及び吐出し口5と、羽根車3を回転駆動する電動機(図示せず)とを備えている。
【0028】
本発明が適用される防水ブロアファン1においては、ケーシング2の内部の中心軸支部8に軸受により回転可能に内挿支持される回転軸を有する電動機のロータカバー6に円筒状の羽根車3が外挿されている。
【0029】
電動機のロータカバー6の内側には電動機のマグネットからなるロータ部分(図示せず)が一体的に形成され、クリアランスを介して、ケーシングの中心軸支部の外側に嵌合された電動機の巻線部からなるステータ部分(図示せず)が配置されている。
【0030】
ケーシング2の中心軸支部8の外側に嵌合された電動機のステータ部分と制御基板はモールディングにより液密性が確保されており、電装品が短絡を生じて異常や故障を発生したり、材料の劣化が生じて耐久性を損なったりするなどの問題が生じないようにされている。
【0031】
ケーシング2は、気体の流れ(flow)方向に見て、吸込み口4、複数の羽根7がその外周部に設けられた羽根車3、羽根車3の外周面から半径方向外方に送り出される気体を吐出し口に導く流路9と、吐出し口5を備えており、これら流路9を構成するために、少なくとも、羽根車3の回転軸線Cと直交する両側面に設けられた吸込み側の側壁部(第一の側壁部)10及び銘板側の側壁部(第二の側壁部)11と、羽根車3の回転軸線Cと直交する断面において羽根車3の外周を取り囲みかつ回転軸線3からの径方向の距離が下流に向かうにつれて次第に拡径する略らせん状又は曲線状をなす外周壁部12とを有している。
【0032】
なお、銘板側とは、防水ブロアファン1の製造者、出力、形式、その他の諸元等を表示するための銘板を貼付又は設置する側であり、吸込み側の反対側をいう。
【0033】
吸込み口4は、吸込み側の側壁部に設けられた円形の開口であり、その形状は、回転軸線Cを中心とする径が、少なくとも円筒状の羽根車3の内径と略同じか、それよりも小径のものとされており、外部から吸込み側の側壁部10を貫通して回転軸線方向に流体を吸い込むためのものである。
【0034】
吐出し口5は、断面略直方体形状の開口からなり、吸込み側の側壁部10及び銘板側の側壁部11、外周壁部12並びに羽根車3の外周面部で画成される流路9と接続されている。
【0035】
図1(b)に詳細に示されているように、流路9は、気体の流れ方向に沿って、下流に向けて順に主区間14、接続区間15及び吐出し区間16から構成されている。主区間14は下流に向かうにつれて流路9の断面積が次第に大きくなっており、接続区間15は略一定の断面積とされ、吐出し区間16は、急激に断面積が増加していく断面形状を有している。これらの区間は、送り出された気体を円滑に吐出し口5に導くために連続的に接続されている。
【0036】
主区間14の最上流側と吐出し口5との間には、シール区間13が形成されており、流路9の最上流側と吐出し口5との間を遮る区間とされており、実質的に、上記流路9を構
成しない。なお、このシール区間13は、必要に応じて省略又は縮小し、羽根車3の外周面部のほぼ全体が流路9を形成するようにしてもよい。
【0037】
主区間14について詳述すると、主区間14の流路9は、防水ブロアファンの回転軸線方向にみたとき、すなわち、羽根車3の回転軸線Cと直交する断面でみたときに、その外周側が、羽根車3の外周を取り囲みかつ回転軸線Cからの径方向の距離が下流に向かう方向で回転角に応じて次第に拡径するらせん状又は曲線状の外周壁部12で画成され、その内周側は、羽根車3の外周面部で画成され、流線に直交する断面が、上記回転角に応じて次第に断面積が増加する略直方体形状に形成された流路9である。
【0038】
なお、外周壁部12の上記形状は、数学的に厳密ならせん状や曲線状である必要はなく、少なくとも一部を直線で近似したような形状であってもよい。要は、ブロアファン1の通常の設計に基づいて形成された形状であればどのような形状であってもよい。
【0039】
流路9の主区間14と後述する吐出し区間16との間には、気体の流れを円滑にするための接続区間15が設けられており、当該接続区間15の流路9は、防水ブロアファンの回転軸線方向にみたとき、すなわち、羽根車3の回転軸線Cと直交する断面でみたときに、その外周側は、羽根車3の外周を取り囲む略円弧状の外周壁部12で画成され、その内周側は、主区間14と同様に羽根車3の外周面部で画成され、流線に直交する断面が、ほぼ一定の断面積の略直方体形状に形成された流路9である。
【0040】
流路9の接続区間13と吐出し口5との間には、吐出し区間16が設けられており、防水ブロアファンの回転軸線方向にみたとき、すなわち、羽根車3の回転軸線Cと直交する断面でみたときに、その外周側は、羽根車3の外周からほぼ接線方向に延びる直線とほぼ平行な直線状の外周壁部12で画成され、その内周側は、上流側が羽根車3の外周面部で画成され、下流側は外周壁部12とほぼ平行又は吐出し口5に向けて拡開する直線状の内壁部からなり、その断面積は、吐出し口5に向けて増加する断面略直方体形状に形成された流路9である。
【0041】
吸込み口4から羽根車3の回転軸線方向に吸い込まれて羽根車内側空間に流入した流体は、回転する羽根車3の羽根7によって運動エネルギーが与えられて、回転する羽根車3の羽根7間を通過してその外周に送り出される。外周に送り出された気体は、上記流路9を流れて吐出し口5から外部に吐き出されることとなる。
【0042】
銘板側の側壁部11は、図2(a)、(b)に示すとおり、吸込み側の側壁部10と異なり、吸い込み口4を設ける代わりに銘板が貼付又は設置可能な壁面が形成されているほかは、外周壁部12の幅方向中央で切った面について吸込み側の側壁部10の構造と面対象となる構造を備えている。
【0043】
図1(a)、2(a)からわかるとおり、一個のケーシング2は、外周壁部12における回転軸線Cと直交する面を分割面として2つの割体2a、2bを組み合わせてなり、吸込み側のケーシング割体2aは、吸込み側の側壁部10と外周壁部12の一部を備えており、銘板側のケーシング割体2bは、銘板側の側壁部11と外周壁部12の残部を備えている。
【0044】
ケーシング2の分割面は、銘板側の側壁部10に近くに寄せて設けられている。これは、吸込み側の側壁部10が、大径の吸込み口4を備えている一方、銘板側の側壁部11はほぼ全面が塞がれていることから、同じ材料から構成される場合の強度等の差異を考慮したものである。もちろん、ケーシングの分割面の位置は任意であり、外周壁部12の幅方向のちょうど中央で分割面を形成しても、あるいは本実施例と逆の吸込み側の側壁部10
に近くに寄せて設けても良い。また、3以上の数のケーシング割体から構成することも可能である。
【0045】
以上の説明は、防水ブロアファン1の全体構造及びケーシング2の構成に関するものであり、本発明を実施するに当たっては、一般のブロアファンの技術分野において知られている構造であれば上記と異なる構造であっても採用できることはもちろんのことである。
【0046】
図1(b)、図2(b)には、本発明の実施例である排水穴17、18が示されている。図に示されるとおり、本実施例におけるケーシング2の両側壁部10、11が外周壁部12と接する角部には、ケーシングの内部と外部との間を連通する8個の排水穴17a~17d、18a~18dが設けられている。
【0047】
これら排水穴17a~17d、18a~18dは、ケーシングの両側壁部10、11に設けられた排水穴17、18と外周壁部12の両側壁部10、11側に設けられた排水穴17、18とが、回転軸線C周りにみて同角度位置となるように設けられ、両側壁部10、11側と外周壁部12との角部においてそれぞれ対応する排水穴17、18同士が連通する一体となった穴空間を形成するようにされている。
【0048】
上記2つの排水穴が連通されて一体となった穴空間を形成する排水穴17a~17d、18a~18dは、後述するように、前記回転軸線Cと平行であって回転軸線C及び排水穴17a~17d、18a~18dを通る断面において、等辺又は不等辺山形の形状(L字状は不等辺山形の形状に含まれる。)の穴空間を形成することとなる。
【0049】
なお、本実施例のように、吸込み側及び銘板側のケーシング割体2a、2bを組み合わせてケーシング2を構成した場合には、ケーシングの両側壁部10、11に設けられる排水穴17、18と外周壁部12に設けられる排水穴17、18を形成する製造・組み立て工程を簡素化できる。
【0050】
複数の排水穴17、18の数は、吸込み側の側壁部10と銘板側の側壁部11とに、それぞれ4個ずつ設けられ、外周壁部12には、吸込み側の側壁部10に接する側と銘板側の側壁部11に接する側に、それぞれ4個ずつ設けられ、合計で16個となるところ、上記したとおり、両側壁部10、11側と外周壁部12との角部においてそれぞれ対応する排水穴17、18同士が連通する一体となった穴空間を形成しているので、見かけ上、排水穴17、18の数は8穴の構造、すなわち排水穴17a~17d、18a~18dとなっている。
【0051】
図示する実施例においては、吐出し口の方向をその開口面の法線方向としたときに、吐出し口5の方向と平行に回転軸線Cから吐出し口5側に延びる水平線方向を基準とし、回転軸線C周りに反時計方向にみて回転角が約10度、約70度、約150度及び約250度となる付近に、8個の排水穴17a~17d、18a~18dを設けている。
【0052】
図3(a)~(c)に、このような8穴からなる排水穴17a~17d、18a~18dを設けたときの滞留水Wとの関係を示している。
【0053】
いずれも、防水ブロアファン1の運転を停止して羽根車の回転が止まり、滞留水Wの水位が安定した静止時の状態を示し、図上の上下方向を鉛直方向としたときに、ケーシング2の鉛直方向最下部に水が滞留して滞留水Wが存在する状態を示す図である。
【0054】
回転軸線Cの軸方向にみたときに、隣り合う2つの排水穴17a~17d、18a~18dの開口は、ケーシング2の最外周側に位置する開口縁の部分同士を結びかつその長さ
が最短となる弦の長さL1、L2、L3をなす直線と羽根車3とが交差しない位置になるように形成されている。
【0055】
これらの位置は、隣り合う2つの排水穴17a~17d、18a~18dの弦の長さL1、L2、L3をなす直線の略中央部を回転軸線Cを通る鉛直方向線上に位置するようにケーシング2を設置したときに、当該2つの排水穴17、18のいずれからも流出することができないケーシング2内に残留する滞留水Wの水位h1、h2、h3(滞留水Wの最底部h0からの水面までの高さh)が回転駆動される羽根車3に接することのない位置である。
【0056】
隣り合う2つの排水穴17a~17d、18a~18dを結びかつその長さが最短となる弦の長さL1、L2、L3をなす直線の中央部が、回転軸線Cを通る鉛直方向の線上に位置しない場合には、隣り合う2つの排水穴17a~17d、18a~18dのいずれか一方から滞留水Wが流出するので、滞留水Wの水位は、上記高さh1、h2.h3の水位より低くなり、滞留水Wが羽根車3に接することにはならない。
【0057】
このようにして、隣り合う2つの排水穴17a~17d、18a~18dの位置を特定して、一側壁部側ごとに少なくとも4個、計8個の排水穴の位置が特定されると、ケーシング2の吐出し口5の向きをどの方向に設置しても、滞留水Wの水面は羽根車3には接することがない水位となる。
【0058】
図3(a)~(c)に示す例を具体的にみると、図3(a)では、吐出し口5の向きが、図上左下を向くように設置された例である。この例においては、排水穴17a、18a及び排水穴17b、18bのそれぞれの開口縁の最外周側に位置する部分同士を結びかつその長さが最短となる弦の長さL1をなす直線が、鉛直方向にみた時の最底部h0から高さh1の水位となり、その位置より滞留水Wの水位が上がっても、滞留水Wは、排水穴17a、18a、17b、18bから外部に流出してしまうので、最大水位は高さh1の水位を超えない。
【0059】
なお、ここで弦の長さLをなす直線が開口縁の最外周側に位置する部分同士を結ぶだけでなく、最短の長さとする理由は、排水穴17、18が外周壁部12に設けられる場合には、排水穴17、18の開口が円周方向に一定の幅を有していることから、弦の長さが異なる直線が複数存在することによるものである。
【0060】
同様に、吐出し口5の向きを、時計回りに順に回転させて、図上左上又は右上を向くように設置された場合の滞留水Wの状態は、図3(b)~(c)に示されている。
【0061】
図3(b)は、吐出し口5の向きを、図上左上に設置しており、排水穴17b、18b及び排水穴17c、18cにより規定される弦の長さL2、高さh2の直線が最大水位を示す。また、図3(c)は、吐出し口5の向きを、図上右上に設置しており、排水穴17c、18c及び排水穴17d、18dにより規定される弦の長さL3、高さh3の直線が最大水位を示す。
【0062】
このように配置した排水穴17a~17d、18a~18dの位置は結果として不等間隔で設けられることになり、最大水位を示す高さhの関係は、h3>h2>h1となり、弦の長さの関係は、L3>L2>L1となる。
【0063】
これは、ケーシング2の流路9の外周壁部12が、羽根車3の回転軸線方向にみて、羽根車3の外周を取り囲みかつ回転軸線Cからの径方向の距離が下流に向けて回転角に応じて次第に拡径する略らせん状又は曲線状であることによる。
【0064】
このような外周壁部12の形状を採ることにより、流路9の下流に向かうほど、羽根車3の外周面から法線方向の外周壁部12までの距離が大きくなり、それに伴い、羽根車3に接することのない許容水位hが高くなる。
【0065】
図3(a)~(c)に示した吐出し口5の向きと異なる方向に吐出し口5を設置した場合には、防水ブロアファン1の運転を停止して羽根車の回転が止まり、滞留水Wの水位が安定した静止状態になるまでは、各排水穴17a~17d、18a~18dの一部から滞留水Wがさらに外部に流出するので、上記高さh1、h2、h3より最大水位はさらに低くなる。なお、図示していないが、吐出し口5の向きが鉛直方向の下方を向くように設置した場合には、従来と同様に、吐出し口5から滞留水Wが流出するので、ほとんど水は滞留しないこととなる。
【0066】
吐出し口5の向きは、防水ブロアファンの設置形態によって、羽根車3の回転軸線Cを中心に回転させた方向だけではなく、羽根車3の回転軸線Cに直交する軸を中心に傾斜させた方向にも変更し得る。しかし、羽根車3の外周面から法線方向の外周壁部12までの距離と比して、羽根車3と両側壁部10、11との間の距離(サイドクリアランス)は狭く、その結果、許容水位が低くなりがちであるので、傾斜が少ない方が好ましい。しかし、ある程度の傾斜であれば、本実施例の排水穴の構造は有効に作用する。
【0067】
ここで、排水穴17d、18dのさらに下流側には、吐出し口5が位置しており、吐出し口5も排水機能を備えていることから、吐出し口5と隣り合うこれら排水穴17d、18dとの位置関係も同様に考慮する必要があるように考えられるが、実際には、吐出し口5と隣り合う排水穴17d、18dとの間の流路9は、流路9の中で最も又は相当程度断面積が大きくなる位置にあり、その結果ケーシング2の外周壁12と羽根車3の外周面部との間の距離も大きくなっているので、仮にその位置に水が滞留しても、滞留水Wの水位が上昇する前に吐出し口5から流出してしまうこととなり、ほとんど考慮する必要はない。
【0068】
排水穴17,18の数は、ケーシング2の外周壁12と羽根車3の外周面部との距離の変化に応じて羽根車3に接することのない水位が変化することから、ケーシング2の形状によって変化し得る。また、排水穴17、18の数は、水面が羽根車に接することがない範囲で適宜増加させることも差支えない。
【0069】
例えば、当該距離が短くなる(狭くなる)場合などに、4個ではなく、5個以上の排水穴17a~17e、18a~18eを設ける場合もある。排水穴17a~17e、18a~18eの構造が、上記実施例と同じように、両側壁部10、11側と外周壁部12との角部においてそれぞれ対応する排水穴17、18同士が連通する一体となった穴空間を形成している場合には、見かけ上、排水穴の数は10穴以上の構造となる。
【0070】
図4は、上記の実施例の防水ブロアファン1の吸込み側の側壁部10が板金などから構成されたファン設置板19の板面20上に設置した状態を示す。
【0071】
図上、防水ブロアファン1の吸込み側の側壁部10はファン設置板19の板面20上に当接されている。ファン設置板19には、図示されない防水ブロアファンの吸込み口4とほぼ同径の吸込み穴21が形成されており、ファン設置板19に設けられた吸込み穴21と防水ブロアファン1の吸込み口4はほぼ重なるように接続されている。防水ブロアファン1は、ファン設置板19の吸込み穴21から吸込み口4へと回転軸線方向に気体を吸込み、吐出し口5から気体を吐出すものである。
【0072】
図5は、図4の回転軸線及び排水穴を通るA-A線でみた軸方向断面図である。
【0073】
ケーシング2の両側壁部10、11と外周壁部12との角部に一体の穴空間を形成する排水穴17a~17d、18a~18dは、前記回転軸線Cと平行であって回転軸線C及び排水穴17、18を通る断面において、等辺又は不等辺山形(L字状を含む。)の穴空間を形成している。
【0074】
銘板側の側壁部11と外周壁部12に設けられた等辺又は不等辺山形(L字状を含む。)の形状に形成された排水穴18a~dは、全部分が外部に開放されている一方、吸込み側の側壁部10と外周壁部12に設けられた排水穴17a~17dは、吸込み側の側壁部10の排水穴部分がファン設置板19の板面20により塞がっているが、外周壁12側の穴部分は外部に開放されている。そのため、滞留水は、ファン設置板19側でも、排水穴17a~17dから支障なく排出される。
【0075】
本実施例では、防水ブロアファン1の吸込み側の側壁部10をファン設置板19の板面20上に設置しているが、逆に銘板側の側壁部11をファン設置板19の板面20上に設置しても、いずれの排水穴18a~18dも外部に開放されているので、滞留水Wの排出に支障はない。
【0076】
このように、両側壁部10、11側と外周壁部12との角部においてそれぞれ対応する排水穴17、18同士が連通する一体となった穴空間から形成された排水穴17a~17d、18a~18dを設けておくと、いずれの排水穴17a~17d、18a~18dからも支障なく滞留水Wが排出されるので、ファン設置板19への防水ブロアファン1の取り付けの自由度が増加する。
【0077】
このファン設置板19は、防水ブロアファン1を取り付けられるものであれば、建築物や他の機器等の構造の一部を構成するものであってもよく、また、それらに取り付けられた板状のものであっても差支えない。さらに、ファン設置板19は板金から構成されているものとして説明をしているが、その材質、製法等を何ら限定するものではない。
【0078】
図6(a)、(b)は、排水穴の数の変化による防水ブロアファンの性能の変化をみるための異なる数の排水穴を有するケーシングを示したものであり、吸込み側の側壁部10側からみた正面図である。
【0079】
図6(a)は、排水穴17、18が8穴のケーシングを示し、同図(b)は、排水穴17、18が10穴のケーシングを示す。いずれの排水穴17、18も、上記実施例と同様に、両側壁部10、11側と外周壁部12との角部においてそれぞれ対応する排水穴17、18同士が連通する一体となった穴空間から形成された断面が等辺又は不等辺山形の形状の排水穴17a~17e、18a~18eである。
【0080】
防水ブロアファンの性能の変化をみるために用いた防水ブロアファンは、定格出力約17W、最大風量約1m/min、羽根車径約70φ、防水ブロアファン外形約100mm
×30mm厚のものである。排水穴17a~17e、18a~18eは、上記実施例と同じ構造で、各排水穴17、18の開口面績は約21mmのものである。
【0081】
図7は、上記の防水ブロアファン1において、排水穴が無いものと、図6(a)、(b)に示す異なる数の排水穴(17a~17d、18a~18dを有する8穴と、さらに17e、18eを有する10穴)とで、風量及び静圧について、排水穴の数を変化させた時の特性の変化を示すグラフであり、縦軸が静圧[Pa]を示し、横軸が風量[m/min]を示す。
【0082】
図7のグラフから明らかなとおり、ケーシング2の排水穴無し、排水穴の数が8穴及び10穴の場合について特性が示されており、排水穴無しが一点鎖線、排水穴の数が8穴の場合が点線、そして、排水穴の数が10穴の場合が実線で表されている。
【0083】
その結果、排水穴の数によって特性の変化は少なく、排水穴無しの場合に比べて排水穴が設けられた場合には、低風量領域においてやや静圧が低下するものの、その差は僅かである。風量が中程度から高風量の領域ではその差はほとんどない。通常の運転領域は、風量が約0.2~0.8m/minの範囲で用いられることが多いが、その範囲の前後も含め、いずれの風量領域で運転を行っても、風量-静圧特性に実質的な影響がほぼないことがわかる。
【0084】
図8は、羽根車の回転速度及び騒音について、図7と同様のものと同様に、排水穴の数を変化させた時の特性の変化を示すグラフであり、縦軸が騒音レベル[dB(A)]を示し、横軸が回転速度[RPM]を示す。
【0085】
図8のグラフから明らかなとおり、ケーシング2の排水穴無し、排水穴の数が8穴及び10穴の場合について特性が示されており、グラフ上の曲線との対応関係は、図7と同様である。
【0086】
その結果、排水穴無しの場合に比べて排水穴が設けられている場合には、排水穴の数の増加に伴って、全運転域においてやや騒音レベルがやや増加しているものの、その差は僅かである。したがって、いずれの回転速度領域で運転をおこなっても、回転速度-騒音特性に実質的な影響がほぼないことがわかる。
【0087】
以上、本発明の一実施例を用いて、防水ブロアファン1の排水穴17、18の構造について説明したが、上記実施例においては、排水穴17、18を設ける位置が、外周壁部12、吸込み側の側壁部10又は銘板側の側壁部11のすべてにそれぞれ4個又は5個の排水穴(両側壁部10、11側と外周壁部12との角部においてそれぞれ対応する排水穴17、18同士が連通する一体となった穴空間を形成するように排水穴17、18を構成したので、見かけ上、8穴又は10穴の排水穴となる。)を設けたものとして説明したが、排水穴は、それらのうちのいずれか一つ又はいずれか2つに設けてもよい。
【0088】
また、いずれか2つ又はすべてに設ける場合には、それぞれに4個又は5個の排水穴を設けなくとも、全部で4個又は5個の排水穴を設けるようにすることも可能である。例えば、外周壁部12に1つ、吸込み側の側壁部に2つ、銘板側の側壁部11に1つの計4個の排水穴を設けるといったように、本発明の目的に合致するものであれば、排水穴の数は任意である。
【0089】
いずれの場合であっても、排水穴の数は、ケーシング2の形状、運転領域、防水ブロアファンの特性等を考慮して、防水ブロアファン1として使用可能な性能が確保できる範囲で、それ以上の数とすることも可能である。上記実施例における、排水穴無し、排水穴が8穴及び排水穴が10穴の性能の変化から推定すると、見かけ上の穴数として、12穴以上、20穴程度までは実施が可能である。
【0090】
さらに、排水穴の開口形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、多角形等任意の形状を採用することができ、また、排水穴の穴空間の形状も、上記した等辺又は不等辺山形(L字状を含む。)の形状の空間に限定されるものではなく、円注状、錐体状、角柱状や、直柱状、斜柱状など、排水が可能な空間形状であれば任意の形状の穴空間を採用することができる。
【符号の説明】
【0091】
防水ブロアファン 1
ケーシング 2
ケーシング割体 2a、2b
羽根車 3
吸込み口 4
吐出し口 5
電動機(モータカバー) 6
羽根 7
回転軸支部 8
回転軸線 C
流路 9
吸込み側(第一)の側壁部 10
銘板側(第二)の側壁部 11
外周壁部 12
シール区間 13
主区間 14
接続区間 15
吐出し区間 16
排水穴 17(17a~17e)、18(18a~18e)
滞留水 W
弦の長さ L(L1、L2、L3)
水位(水面の高さ)h(h1、h2、h3)
最底部 h0
ファン設置板 19
板面 20
ファン設置板の吸込み穴 21
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9