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特許7199255テレメータシステム、情報端末、及び通信制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】テレメータシステム、情報端末、及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20221223BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20221223BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20221223BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20221223BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20221223BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20221223BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04M11/00 301
H04W84/18
H04W4/38
H04W76/10
G08C15/00 C
H04Q9/00 321D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019037882
(22)【出願日】2019-03-01
(65)【公開番号】P2020141381
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 准二
(72)【発明者】
【氏名】中原 正守
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-050746(JP,A)
【文献】特開2016-096408(JP,A)
【文献】特開2018-207250(JP,A)
【文献】特開2014-175766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
H04W 84/18
H04W 4/38
H04W 76/10
G08C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末と、第2の端末と、第3の端末と、第4の端末とを備え、
前記第1の端末は、前記第1の端末から前記第2の端末を経由して前記第3の端末に至る第1通信経路に基づいて前記第2の端末宛の起動要求を送信し、前記第2の端末から応答信号を受信しない場合に、前記第2の端末と通信不能と判断し、
前記第4の端末は、前記第2の端末宛の起動要求を受信すると、前記第4の端末のビーコンと、前記第4の端末のホップ数テーブルを前記第1の端末に送信し、前記第4の端末のホップ数テーブルは、前記第4の端末から前記第3の端末までのホップ数を含み、
前記第1の端末は、前記第1通信経路を、前記第4の端末のホップ数テーブルに基づいて、前記第1の端末から前記第4の端末を経由して前記第3の端末に至る第2通信経路に変更し、前記第2通信経路に基づいて前記第4の端末宛の起動要求を送信する、テレメータシステム。
【請求項2】
前記第4の端末は、前記第4の端末宛の起動要求を受信すると、応答信号を前記第1の端末に送信し
前記第1の端末は、前記第4の端末からの応答信号を受信すると、前記第3の端末宛の通信データを前記第4の端末に送信し、
前記第4の端末は、前記第3の端末宛の通信データを受信すると、前記第3の端末宛の起動要求を送信し、
前記第3の端末は、前記第3の端末宛の起動要求を受信すると、応答信号を前記第4の端末に送信し
前記第4の端末は、前記第3の端末からの応答信号を受信すると、前記第3の端末宛の通信データを前記第3の端末に送信する、請求項1に記載のテレメータシステム。
【請求項3】
前記第4の端末は、前記第4の端末宛の起動要求を受信すると、応答信号を前記第1の端末に送信し
前記第1の端末は、前記第4の端末からの応答信号を受信すると、前記第3の端末宛の通信データを前記第4の端末に送信し、
前記第4の端末は、前記第3の端末宛の通信データを受信すると、前記第3の端末宛の起動要求を送信し、前記第3の端末から応答信号を受信しない場合に、前記第3の端末と通信不能と判断し、
前記第2の端末は、前記第3の端末宛の起動要求を受信すると、前記第2の端末のビーコンと、前記第2の端末のホップ数テーブルを前記第4の端末に送信し、前記ホップ数テーブルは、前記第2の端末から前記第3の端末までのホップ数を含み、
前記第4の端末は、前記第2通信経路を、前記第2の端末からの前記ホップ数テーブルに基づいて、前記第4の端末から前記第2の端末を経由して前記第3の端末に至る第3通信経路に変更し、前記第3通信経路に基づいて前記第2の端末宛の起動要求を送信する、請求項1に記載のテレメータシステム。
【請求項4】
第5の端末を更に備え、
前記第4の端末は、前記第4の端末宛の起動要求を受信すると、応答信号を前記第1の端末に送信し
前記第1の端末は、前記第4の端末からの応答信号を受信すると、前記第3の端末宛の通信データを前記第4の端末に送信し、
前記第4の端末は、前記第3の端末宛の通信データを受信すると、前記第3の端末宛の起動要求を送信し、前記第3の端末から応答信号を受信しない場合に、前記第3の端末と通信不能と判断し、
前記第2の端末は、前記第3の端末宛の起動要求を受信せず、
前記第5の端末は、前記第3の端末宛の起動要求を受信すると、前記第5の端末のビーコンと、前記第5の端末のホップ数テーブルとを前記第4の端末に送信し、前記ホップ数テーブルは、前記第5の端末から前記第3の端末までのホップ数を含み、
前記第4の端末は、前記第2通信経路を、前記第5の端末のホップ数テーブルに基づいて、前記第4の端末から前記第5の端末を経由して前記第3の端末に至る第4通信経路に変更し、前記第4通信経路に基づいて前記第5の端末宛の起動要求を送信する、請求項1に記載のテレメータシステム。
【請求項5】
第2の端末、第3の端末及び第4の端末とともにテレメータシステムに備えられる情報端末であって、
前記情報端末から前記第2の端末を経由して前記第3の端末に至る第1通信経路に基づいて前記第2の端末宛の起動要求を送信する送信処理と、
前記第2の端末から応答信号を受信しない場合に、前記第2の端末と通信不能と判断する判断処理と
を備え、
前記第4の端末は、前記第2の端末宛の起動要求を受信すると、前記第4の端末のビーコンと、前記第4の端末のホップ数テーブルを前記情報端末に送信し、前記第4の端末のホップ数テーブルは、前記第4の端末から前記第3の端末までのホップ数を含み、
前記情報端末は、
前記第1通信経路を、前記第4の端末のホップ数テーブルに基づいて、前記情報端末から前記第4の端末を経由して前記第3の端末に至る第2通信経路に変更する変更処理と、
前記第2通信経路に基づいて前記第4の端末宛の起動要求を送信する送信処理と
を備える、情報端末。
【請求項6】
第1の端末と、第2の端末と、第3の端末と、第4の端末との間の通信制御方法であって、
前記第1の端末が、前記第1の端末から前記第2の端末を経由して前記第3の端末に至る第1通信経路に基づいて前記第2の端末宛の起動要求を送信する工程と、
前記第2の端末から応答信号を受信しない場合に、前記第2の端末と通信不能と判断する工程と、
前記第4の端末が、前記第2の端末宛の起動要求を受信すると、前記第4の端末のビーコンと、前記第4の端末のホップ数テーブルを前記第1の端末に送信する工程と
を含み、
前記第4の端末のホップ数テーブルは、前記第4の端末から前記第3の端末までのホップ数を含み、
前記通信制御方法は、
前記第1の端末が、前記第1通信経路を、前記第4の端末のホップ数テーブルに基づいて、前記第1の端末から前記第4の端末を経由して前記第3の端末に至る第2通信経路に変更する工程と、
前記第2通信経路に基づいて前記第4の端末宛の起動要求を送信する工程と
を含む、通信制御方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレメータシステム、情報端末、及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の計測場所で計測された計測値を収集するテレメータシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のテレメータシステムは、複数の端末を備える。複数の端末の各々は、受信部と、送信部とを備える。受信部は、宛先が指定された起動信号を間欠受信する。自装置宛の起動信号を受信部が受信した場合、送信部は、起動信号の送信元の端末と通信接続を確立させるべく応答信号を返信する。受信部にて受信した起動信号が自装置宛でない場合、送信部は、自装置の識別子を含む識別子通知信号を送信する。
【0004】
起動信号が自装置宛でなく、自装置が起動信号の宛先の端末と通信可能である場合、自装置の受信部は、宛先の端末へ送信されるべきデータを起動信号の送信元の端末から受信する。そして、自装置の送信部は、起動信号を送信することにより宛先の端末との通信接続を確立させ、通信データを宛先の端末へ送信する。すなわち、通信データが、送信元の端末から自装置を迂回して宛先の端末に送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-207250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、複数の端末を順番に介して通信データが送信される通信処理が行われる場合において、複数の端末のうちの中継の端末(第2の端末)が通信不能な状態になると、通信データの送信処理が中継の端末で止まる。この場合、通信データが複数の端末以外の端末(第4の端末)を経由して中継の端末(第2の端末)に送信されるように、通信データの送信経路を複数の端末から迂回させても、中継の端末が通信不能な状態のため、中継の端末に通信データを受信させることができない。その結果、特許文献1に記載のテレメータシステムによると、通信データの送信経路を迂回させる処理が行われても、通信処理が中断される可能性があった。
【0007】
本発明は、通信処理が中断されることを抑制できるテレメータシステム、情報端末、及び通信制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の局面によれば、テレメータシステムは、第1の端末と、第2の端末と、第3の端末と、第4の端末とを備える。前記第1の端末が、前記第2の端末を介して前記第3の端末に通信データを送信する通信処理を行う際に、前記第1の端末が、前記第2の端末と通信できないが、前記第4の端末と通信でき、かつ、前記第4の端末が、前記第3の端末と通信できる場合、前記通信処理に代えて代替処理が行われる。前記代替処理は、前記第1の端末が前記第4の端末を介して前記第3の端末に前記通信データを送信する処理である。
【0009】
本発明の第2の局面によれば、情報端末は、テレメータシステムに備えられる複数の端末のうちの1の端末である。前記複数の端末は、前記情報端末である第1の端末と、第2の端末と、第3の端末と、第4の端末とを含む。前記第1の端末が、前記第2の端末を介して前記第3の端末に通信データを送信する通信処理を行う際に、前記第1の端末が、前記第2の端末と通信できないが、前記第4の端末と通信でき、かつ、前記第4の端末が、前記第3の端末と通信できる場合、前記通信処理に代えて第1代替処理が行われる。前記第1代替処理は、前記第1の端末が前記第4の端末を介して前記第3の端末に前記通信データを送信する処理である。
【0010】
本発明の第3の局面によれば、通信制御方法は、第1の端末と、第2の端末と、第3の端末と、第4の端末とを備えるテレメータシステムを制御する方法である。通信制御方法は、前記第1の端末が、前記第2の端末と通信できるか否かを判定する工程を備える。通信制御方法は、前記第1の端末が、前記第4の端末と通信できるか否かを判定する工程を備える。通信制御方法は、前記第4の端末が、前記第3の端末と通信できるか否かを判定する工程を備える。通信制御方法は、前記第1の端末が、前記第2の端末を介して前記第3の端末に通信データを送信する通信処理を行う際に、前記第1の端末が、前記第2の端末と通信できないが、前記第4の端末と通信でき、かつ、前記第4の端末が、前記第3の端末と通信できる場合、前記通信処理に代えて第1代替処理を行う工程を備える。前記第1代替処理は、前記第1の端末が前記第4の端末を介して前記第3の端末に前記通信データを送信する処理である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通信処理が中断されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るテレメータシステムの構成を示すブロック図である。
図2】親機の構成を示すブロック図である。
図3】子機の構成を示すブロック図である。
図4】通信処理を示すフロー図である。
図5】第1代替処理を示すフロー図である。
図6】第2代替処理を示すフローの第1図である。
図7】第2代替処理を示すフローの第2図である。
図8】第3代替処理を示すフローの第1図である。
図9】第3代替処理を示すフローの第2図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0014】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100の構成を示すブロック図である。テレメータシステム100は、複数の計測場所で計測された計測値を収集するシステムである。
【0015】
テレメータシステム100は、ホストコンピュータ11と、センタ側網制御装置12と、複数の端末と、複数のメータ23とを備える。
【0016】
複数の端末は、親機21と、複数の子機22とで構成される。複数の子機22は、子機22A~子機22Fを含む。
【0017】
以下では、ホストコンピュータ11と、センタ側網制御装置12とを、センタ側と記載することがある。また、親機21と、複数の子機22と、複数のメータ23とを、端末側と記載することがある。
【0018】
メータ23は、例えば、個人宅、会社、及び各種施設のような需要家毎に設置される。メータ23は、例えば、ガス、水道、又は電気の使用量を計測し、計測値(検針値)を出力する計測器である。
【0019】
複数のメータ23は、それぞれ、複数の子機22と対応する。メータ23は、対応する子機22に対して計測値(検針値)を出力する。
【0020】
ホストコンピュータ11は、親機21、及び複数の子機22を制御する。ホストコンピュータ11は、親機21、及び複数の子機22を介して、複数のメータ23が計測した計測値を収集する。
【0021】
センタ側網制御装置12は、例えば、PHS網、及びFOMA網のような広域無線網N1に接続されている。センタ側網制御装置12は、広域無線網N1を介して親機21と無線通信を行う。なお、センタ側網制御装置12と親機21とが、有線の通信網により接続されていてもよい。
【0022】
センタ側網制御装置12は、広域無線網N1を介して端末側とデータを送受信する。センタ側網制御装置12は、広域無線網N1を介して端末側との通信を制御する機能を有する。
【0023】
ホストコンピュータ11からセンタ側網制御装置12に対してデータが入力された場合、センタ側網制御装置12は、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式を用いて端末側へデータを送信する。センタ側網制御装置12は、端末側から送信されたデータを受信した場合、受信したデータをホストコンピュータ11へ送信する。
【0024】
親機21は、広域無線網N1への接続を可能とするためにNCU(Network Control Unit)の機能を有しており、広域無線網N1を介してセンタ側と無線通信を行う。なお、親機21とセンタ側との間の通信は無線通信に限らず、有線の通信であってもよい。この場合、親機21とセンタ側網制御装置12とは有線の通信網により接続される。
【0025】
本実施形態では、親機21は、複数の子機22と共にメッシュ型の狭域無線網N2を形成する。図1において、親機21及び複数の子機22の間で、直接通信できる通信経路は破線により示されている。直接通信できることは、通信対象の端末以外の端末を経由することなく、直接に通信することができることを示す。
【0026】
本実施形態では、親機21は、子機22A、及び子機22Cの各々との間で、直接通信できる。他の子機22間の通信経路についても図1に示す通りである。
【0027】
以下では、親機21と、複数の子機22とをまとめて、無線機とも記載する場合がある。
【0028】
なお、図1に示す例では、1つの親機21と6つの子機22とを狭域無線網N2内に設置した構成としたが、狭域無線網N2内に設置される無線機の数及び各無線機の接続関係は、図1に示した例に限定されない。例えば、狭域無線網N2の通信仕様により規定される最大設置数、及び/又は、無線機1台当たりの最大接続数の範囲内で、無線機の数及び各無線機の接続関係は適宜変更され得る。
【0029】
図2を参照して、親機21について説明する。図2は、親機21の構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、親機21は、広域無線通信部210と、アンテナ210aと、狭域無線通信部211と、アンテナ211aと、表示部212と、操作部213と、記憶部214と、制御部215とを備える。
【0031】
広域無線通信部210は、アンテナ210aを通じて電波を発信又は受信することによって、センタ側網制御装置12との通信を行う。例えば、狭域無線通信部211が子機22から検針値のデータを受信すると、広域無線通信部210は、アンテナ210aから電波を発信させることより、広域無線網N1の通信規格に準拠した方式にて検針値のデータをセンタ側へ送信する。
【0032】
広域無線通信部210は、アンテナ210aにて電波を受信すると、受信した電波をデコードすることにより所定形式のデータを取得する。広域無線通信部210は、受信電波をデコードして得られるデータを制御部215へ出力する。制御部215は、広域無線通信部210から出力されたデータを取得した場合、取得したデータに基づいて各種の制御を行う。
【0033】
狭域無線通信部211は、アンテナ211aを通じて電波を発信、又は受信することによって、子機22と所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えば、920MHz帯の無線通信が採用される。親機21が送信すべきデータを有する場合、親機21の狭域無線通信部211は、宛先を指定した起動信号を送信する。宛先として指定された子機22から起動信号に応じたAck信号が返信されてきた場合、親機21は、宛先の子機22と通信接続を確立する。その結果、親機21は、子機22との間でデータ通信を行う。なお、宛先として指定されていない子機22からは、ビーコンが送信される。
【0034】
狭域無線通信部211は、本発明の送信部及び受信部の第1例である。
【0035】
表示部212は、LEDランプ(LED:Light Emitting Diode)と、液晶表示パネルとを有する。表示部212は、例えば、親機21の設置作業を示す情報、及び親機21の保守作業を行う作業員に通知すべき情報を表示する。
【0036】
操作部213は、ディップスイッチのような各種スイッチ、及びボタンを含む。操作部213は、外部からの指示を受け付ける。制御部215は、操作部213が受け付けた指示に基づいて動作する。
【0037】
記憶部214は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部214は、制御部215によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。記憶部214は、ホップ数テーブル214aを記憶する。
【0038】
ホップ数テーブル214aは、各子機22の識別子と、親機30から各子機22に至るまでのホップ数とを対応付けたテーブルである。識別子は、複数の端末(親機21及び複数の子機22)の各々に対して予め割り当てられ、複数の端末を互いに識別するための情報である。識別子は、例えば、数字、記号、及び/又は、文字を含む。親機30と直接に通信可能な子機22のホップ数は1になり、親機30と間接に通信可能な子機22のホップ数は1より大きくなる。本実施形態では、親機21と直接に通信可能な子機22は、子機22A、及び子機22Cである。本実施形態では、親機21と間接に通信可能な子機22は、子機22B、子機22D、子機22E、及び子機22Fである。
【0039】
親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により、複数の子機22のうち親機21と直接に通信可能な子機22と適宜通信して、親機21と直接に通信可能な子機22のホップ数テーブル224a(図3参照)を受信する。その結果、親機21の制御部215は、親機21と直接又は間接に通信可能な子機22の識別子を取得すると共に、識別子を取得した子機22に至るホップ数を示す情報を取得する。そして、親機21の制御部215は、取得した情報を基に自機のホップ数テーブル214aを更新する。
【0040】
制御部215は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部215は、記憶部214に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、親機21の各要素を制御する。
【0041】
図3を参照して、子機22について説明する。図3は、子機22の構成を示すブロック図である。
【0042】
図3に示すように、子機22は、狭域無線通信部220と、アンテナ220aと、接続ポート221と、表示部222と、操作部223と、記憶部224と、制御部225とを備える。
【0043】
狭域無線通信部220は、アンテナ220aを通じて電波を発信又は受信することによって、親機21及び他の子機22との間で所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えば、920MHz帯の無線通信が採用される。本実施形態では、子機22が送信すべきデータを有する場合、子機22の狭域無線通信部220は、宛先を指定した起動信号を連続的に送信する。宛先として指定された親機21又は他の子機22から起動信号に応じたAck信号が返信されてきた場合、子機22は、宛先である親機21又は他の子機22と通信接続を確立する。その結果、子機22は、親機21又は他の子機22との間でデータ通信を行う。なお、宛先として指定されていない親機21又は他の子機22からは、ビーコンが送信される。
【0044】
狭域無線通信部220は、本発明の送信部及び受信部の第2例である。
【0045】
接続ポート221には、メータ23が接続される。子機22の制御部225は、接続ポート221を通じてメータ23の検針値を取得する。
【0046】
表示部222は、LEDランプと、液晶表示パネルとを有する。表示部222は、例えば、子機22の設置作業を示す情報、及び子機22の保守作業を行う作業員に通知すべき情報を表示する。
【0047】
操作部223は、ディップスイッチのような各種スイッチ、及びボタンを含む。操作部223は、外部からの指示を受け付ける。制御部225は、操作部223が受け付けた指示に基づいて動作する。
【0048】
記憶部224は、ROM、及びRAMのような主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部224は、制御部225によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。記憶部214は、ホップ数テーブル224aを記憶する。
【0049】
ホップ数テーブル224aは、各通信端末の識別子と、自機から各通信端末に至るまでのホップ数とを対応付けたテーブルである。通信端末は、複数の端末(親機21及び複数の子機22)のうち自機と直接又は間接に通信可能な端末である。
【0050】
子機22の制御部225は、狭域無線通信部220により、複数の端末のうち自機と直接に通信可能な端末と適宜通信して、自機と直接に通信可能な端末のホップ数テーブル214a、224aを受信する。その結果、子機22の制御部225は、自機と直接又は間接に通信可能な端末の識別子と、識別子を取得した端末に至るホップ数を示す情報とを取得する。そして、子機22の制御部225は、取得した情報を基に自機のホップ数テーブル224aを更新する。
【0051】
制御部225は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部225は、記憶部224に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、子機22の各要素を制御する。
【0052】
子機22の制御部225は、ホップ数テーブル224aと、所定のルールとに基づいて、狭域無線網N2内における通信データの送信経路を決定する。所定のルールは、例えば、宛先までのホップ数が最も小さくなる経路を通信データの送信経路として優先的に選択するルールである。しかし、所定のルールは、例えば、各子機22の稼働状況、電波状況、及び/又は、通信状況に応じて、通信データの送信経路を優先的に選択された送信経路から適宜変更するルールを含んでいてもよい。なお、親機21の制御部215も、子機22の制御部225と同様に、ホップ数テーブル214aと、所定のルールとに基づいて、狭域無線網N2内における通信データの送信経路を決定する。
【0053】
[第1例]
次に、図1図4を参照して、テレメータシステム100の動作の第1例である通信処理について説明する。図4は、通信処理を示すフロー図である。通信処理では、親機21、子機22A、及び子機22Bの順番に通信データが送信される。
【0054】
通信処理では、ホストコンピュータ11から親機21に対して、子機22Bに通信データを送信するように指示される。そして、親機21の制御部215は、ホップ数テーブル214aと、所定のルールとに基づいて、通信データの送信経路を、親機21、子機22A、及び子機22Bの順番に決定する。そして、親機21の制御部215は、親機21、子機22A、及び子機22Bの順番に通信データを送信する通信処理を行う。なお、通信処理において、親機21を経由せずに、複数の子機22の間で通信データが送信されてもよい。また、本実施形態では、通信処理における通信データの送信経路は、子機22Bで終了する。しかし、本発明はこれに限定されない。通信処理における通信データの送信経路は、子機22Bで終了せずに、子機22Bから他の子機22(例えば、子機22F)に続いていってもよい。
【0055】
通信処理で送信される通信データの内容は、特に限定されない。通信データは、例えば、子機22Bに接続されるメータ23の計測値を、親機21を介してホストコンピュータ11に送信するように、子機22Bに対して指示する制御コマンドでもよい。
【0056】
図1図4に示すように、ステップS210において、親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により子機22A宛の起動信号を送信する。その結果、子機22Aに対する起動要求が行われる。
【0057】
ステップS220において、子機22Aの狭域無線通信部220が親機21からの起動信号を受信すると、子機22Aの制御部225は、起動信号に含まれる宛先を確認して、受信した起動信号が自機(子機22A)宛の起動信号か否かを判定する。なお、子機22Aの狭域無線通信部220は、起動信号を間欠受信する。
【0058】
子機22Aの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号であると判定すると、起動信号の送信元である親機21に対して、狭域無線通信部220により自機の識別子を含むAck信号を送信する。
【0059】
親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により子機22AからのAck信号を受信すると、子機22Aとの間で通信接続を確立させる。親機21と子機22Aとの間で通信接続が確立されることで、親機21と子機22Aとの間でデータ通信が可能な状態になる。そして、親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により子機22A宛に通信データを送信する。その結果、子機22Aの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0060】
また、親機21の狭域無線通信部211は、通信データを送信する際、子機22A宛に転送先指定データを送信する。転送先指定データは、通信データの転送先を示すデータである。本実施形態では、転送先指定データにおいて、子機22Bが通信データの転送先に指定される。転送先指定データは、言い換えれば、通信データの送信経路を示すデータである。
【0061】
子機22Aの制御部225は、親機21から送信された転送先指定データを、狭域無線通信部220により受信する。そして、子機22Aの制御部225は、転送先指定データに基づいて、通信データの転送先が子機22Bであることを認識する。
【0062】
ステップS230において、子機22Aの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛の起動信号を送信する。その結果、子機22Bに対する起動要求が行われる。
【0063】
ステップS240において、子機22Bの狭域無線通信部220が子機22Aからの起動信号を受信すると、子機22Bの制御部225は、起動信号に含まれる宛先を確認して、受信した起動信号が自機(子機22B)宛の起動信号か否かを判定する。子機22Bの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号であると判定すると、起動信号の送信元である子機22Aに対して、狭域無線通信部220によりAck信号を送信する。
【0064】
子機22Aの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22BからのAck信号を受信すると、子機22Bとの間で通信接続を確立させる。そして、子機22Bの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛に通信データを送信する。その結果、子機22Bの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0065】
子機22Bの狭域無線通信部220が通信データを受信すると、通信処理が終了する。
【0066】
[第2例]
次に、図1図3、及び図5を参照して、テレメータシステム100の動作の第2例である第1代替処理について説明する。図5は、第1代替処理を示すフロー図である。第1代替処理は、親機21が子機22Cを介して子機22Bに通信データを送信する処理である。
【0067】
第2例では、第1例の通信処理に代えて第1代替処理が行われる。
【0068】
第2例は、子機22Aが親機21及び子機22Cの各々と通信不能である点が第1例と異なる。例えば、子機22Aがメンテナンスにより停止している場合、又は、子機22Aの周辺に障害物が存在することにより子機22Aに通信障害が発生している場合に、子機22Aが通信不能な状態になる。以下では、主に、第1例と異なる点を説明する。
【0069】
第2例において、親機21は、本発明の第1の端末の一例である。子機22Aは、本発明の第2の端末の一例である。子機22Bは、本発明の第3の端末の一例である。子機22Cは、本発明の第4の端末の一例である。
【0070】
図1図3、及び図5に示すように、ステップS210において、親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により子機22A宛の起動信号を送信する。
【0071】
ステップS210において、親機21から送信される起動信号は、本発明の第1起動信号の一例である。
【0072】
ステップS211において、子機22Cの狭域無線通信部220は、親機21からの起動信号を受信する。子機22Cの狭域無線通信部220が親機21からの起動信号を受信すると、子機22Cの制御部225は、起動信号に含まれる宛先を確認して、受信した起動信号が自機(子機22C)宛の起動信号か否かを判定する。
【0073】
第2例では、起動信号に含まれる宛先は子機22Aである。従って、子機22Cの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号で無いと判定する。
【0074】
子機22Cの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号で無いと判定すると、起動信号の送信元である親機21に対して、狭域無線通信部220により自機の識別子を含むビーコンを送信する。その結果、親機21の狭域無線通信部211が、子機22Cからのビーコンを受信する。
【0075】
親機21の狭域無線通信部211が子機22Cからのビーコンを受信することで、親機21の制御部215は、子機22Cと通信できることを認識する。
【0076】
子機22Cの狭域無線通信部220は、ビーコンを送信する際、子機22Cの記憶部224に記憶されるホップ数テーブル224aを送信する。その結果、親機21の狭域無線通信部211が、子機22Cのホップ数テーブル224aを受信する。そして、親機21の制御部215は、子機22Cから受信したホップ数テーブル224aに基づいて、子機22Cが子機22Bと通信できることを認識する。
【0077】
ステップS231において、親機21の狭域無線通信部211が子機22A宛の起動信号を送信してから第1所定期間内に子機22AからのAck信号を受信しない場合、親機21の制御部215は、子機22Aと通信不能であると判断する。
【0078】
親機21の制御部215は、ステップS231において、子機22Aと通信不能であると判断し、かつ、ステップS211において、子機22Cから受信したホップ数テーブル224aに基づいて子機22Cが子機22Bと通信できることを認識した場合、通信データの送信経路を、親機21から子機22Aを経由して子機22Bに送信する経路から、親機21から子機22Cを経由して子機22Bに送信する経路に変更する。そして、親機21の制御部215は、子機22Cに通信データを送信する処理を開始する。
【0079】
ステップS232において、親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により子機22C宛の起動信号を送信する。
【0080】
ステップS232において、親機21から送信される起動信号は、本発明の第2起動信号の一例である。
【0081】
ステップS241において、子機22Cの狭域無線通信部220が親機21からの起動信号を受信すると、子機22Cの制御部225は、親機21に対して、狭域無線通信部220により自機の識別子を含むAck信号を送信する。
【0082】
ステップS241において、子機22Cから送信されるAck信号は、本発明の第1応答信号の一例である。
【0083】
親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により子機22CからのAck信号を受信すると、子機22Cとの間で通信接続を確立させる。そして、親機21の制御部215は、狭域無線通信部211により子機22C宛に通信データを送信する。その結果、子機22Cの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0084】
また、親機21の狭域無線通信部211は、通信データを送信する際、子機22C宛に転送先指定データを送信する。
【0085】
子機22Cの制御部225は、親機21から送信された転送先指定データを、狭域無線通信部220により受信する。そして、子機22Cの制御部225は、転送先指定データにおいて、子機22Aから子機22Bに転送するように設定されている通信データの送信経路を、子機22Cから子機22Bに転送する経路に書き換える。そして、子機22Cは、親機21から送信された通信データを、子機22Bに転送する処理を開始する。
【0086】
なお、転送先指定データを書き換える処理は、親機21の制御部215が行ってもよい。
【0087】
ステップS250において、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛の起動信号を送信する。
【0088】
第2例では、子機22Aは、子機22Cからの起動信号を受信できない。なお、子機22Aが、子機22Cからの起動信号を受信できた場合、子機22Aはビーコンを送信する。
【0089】
ステップS250において、子機22Cから送信される起動信号は、本発明の第3起動信号の一例である。
【0090】
ステップS260において、子機22Bの狭域無線通信部220が子機22Cからの起動信号を受信すると、子機22Bの制御部225は、子機22Cに対して、狭域無線通信部220により自機(子機22B)の識別子を含むAck信号を送信する。
【0091】
ステップS260において、子機22Bから送信されるAck信号は、本発明の第2応答信号の一例である。
【0092】
子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22BからのAck信号を受信すると、子機22Bとの間で通信接続を確立させる。そして、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛に通信データを送信する。その結果、子機22Bの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0093】
子機22Bの狭域無線通信部220が通信データを受信すると、第1代替処理が終了する。
【0094】
以上、図1図3、及び図5を参照して説明したように、親機21が通信処理を行う際に、親機21が、子機22Aと通信できないが、子機22Cと通信でき、かつ、子機22Cが、通信処理において子機22Aの一段先の端末である子機22Bと通信できる場合、テレメータシステム100は、通信処理に代えて、第1代替処理を行う。従って、子機22Aが通信不能の状態でも、子機22Aを経由すること無く、子機22Cを経由して子機22Bに通信データを送信することで、通信処理を継続させることができる。その結果、通信処理が中断されることを抑制できる。
【0095】
[第3例]
次に、図1図3図6、及び図7を参照して、テレメータシステム100の動作の第3例である第2代替処理について説明する。図6は、第2代替処理を示すフローの第1図である。図7は、第2代替処理を示すフローの第2図である。第2代替処理は、親機21が子機22Cと子機22Aとを介して子機22Bに通信データを送信する処理である。
【0096】
第3例では、第1例の通信処理に代えて、第2代替処理が行われる。
【0097】
第3例は、子機22Aが親機21と通信不能であるが、子機22Cとは通信可能であり、かつ、子機22Cが子機22Bと通信不能である点が、第1例及び第2例と異なる。以下では、主に、第1例及び第2例と異なる点を説明する。
【0098】
図1図3、及び図6に示すように、ステップS210~ステップS241に示す処理が行われることで、親機21から子機22Cに通信データが送信される。
【0099】
ステップS250において、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛の起動信号を送信する。
【0100】
子機22Bは、子機22Cからの起動信号を受信できない。その結果、起動信号に応じたAck信号が、子機22Bから子機22Cに送信されない。
【0101】
ステップS270において、子機22Aの狭域無線通信部220は、子機22Cからの起動信号を受信する。子機22Aの狭域無線通信部220が子機22Cからの起動信号を受信すると、子機22Aの制御部225は、起動信号に含まれる宛先を確認して、受信した起動信号が自機(子機22A)宛の起動信号か否かを判定する。
【0102】
第3例では、起動信号に含まれる宛先は子機22Bである。従って、子機22Aの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号で無いと判定する。
【0103】
子機22Aの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号で無いと判定すると、起動信号の送信元である子機22Cに対して、狭域無線通信部220により自機の識別子を含むビーコンを送信する。その結果、子機22Cの狭域無線通信部220が、子機22Aからのビーコンを受信する。なお、子機22Aの制御部225は、狭域無線通信部220によりビーコンを送信する際、自機のホップ数テーブル224aを送信する。その結果、子機22Cの狭域無線通信部220は、子機22Aのホップ数テーブル224aを受信する。そして、子機22Cの制御部225は、子機22Aから受信したホップ数テーブル224aに基づいて子機22Aが子機22Bと通信できることを認識する。
【0104】
子機22Cの狭域無線通信部220が子機22Aからのビーコンを受信することで、子機22Cの制御部225は、子機22Aと通信できることを認識する。
【0105】
ステップS270において、子機22Aから送信されるビーコンは、本発明の第1通知信号の一例である。
【0106】
ステップS271において、子機22Cの狭域無線通信部220が子機22B宛の起動信号を送信してから第2所定期間内に子機22BからのAck信号を受信しない場合、子機22Cの制御部225は、子機22Bと通信不能であると判断する。
【0107】
子機22Cの制御部225は、ステップS271において、子機22Bと通信不能であると判断し、かつ、ステップS270において、子機22Aから受信したホップ数テーブル224aに基づいて子機22Aが子機22Bと通信できることを認識した場合、通信データの送信経路を、子機22Cから子機22Bに送信する経路から、子機22Cから子機22Aを経由して子機22Bに送信する経路に変更する。そして、子機22Cの制御部225は、子機22Aに通信データを送信する処理を開始する。
【0108】
図1図3、及び図7に示すように、ステップS272において、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部211により子機22A宛の起動信号を送信する。
【0109】
ステップS272において、子機22Cから送信される起動信号は、本発明の第4起動信号の一例である。
【0110】
ステップS273において、子機22Aの狭域無線通信部220が子機22Cからの起動信号を受信すると、子機22Aの制御部225は、子機22Cに対して、狭域無線通信部220により自機の識別子を含むAck信号を送信する。
【0111】
ステップS273において、子機22Aから送信されるAck信号は、本発明の第3応答信号の一例である。
【0112】
子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22AからのAck信号を受信すると、子機22Aとの間で通信接続を確立させる。そして、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22Cに通信データを送信する。その結果、子機22Aの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0113】
また、子機22Cの狭域無線通信部220は、通信データを送信する際、子機22A宛に転送先指定データを送信する。
【0114】
子機22Aの制御部225は、子機22Cから送信された転送先指定データを、狭域無線通信部220により受信する。そして、子機22Aの制御部225は、転送先指定データにおいて、子機22Cから子機22Bに転送するように設定されている通信データの送信経路を、子機22Aから子機22Bに転送する経路に書き換える。そして、子機22Aは、子機22Cから送信された通信データを、子機22Bに転送する処理を開始する。
【0115】
なお、転送先指定データを書き換える処理は、子機22Cの制御部225が行ってもよい。
【0116】
ステップS274において、子機22Aの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛の起動信号を送信する。
【0117】
ステップS275において、子機22Bの狭域無線通信部220が子機22Aからの起動信号を受信すると、子機22Bの制御部225は、子機22Aに対して、狭域無線通信部220により自機(子機22B)の識別子を含むAck信号を送信する。
【0118】
子機22Aの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22BからのAck信号を受信すると、子機22Bとの間で通信接続を確立させる。そして、子機22Aの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛に通信データを送信する。その結果、子機22Bの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0119】
子機22Bの狭域無線通信部220が通信データを受信すると、第2代替処理が終了する。
【0120】
以上、図1図3図6、及び図7を参照して説明したように、親機21が通信処理を行う際に、親機21が、子機22Aと通信できないが、子機22Cと通信でき、かつ、子機22Cが、子機22Bと通信できないが、子機22Aと通信できる場合、テレメータシステム100は、通信処理に代えて、第2代替処理を行う。従って、子機22Cが子機22Bとの通信接続を確立させることができない場合でも、子機22Cと子機22Aとの通信接続を確立させることで、通信処理を継続させることができる。その結果、通信処理が中断されることを抑制できる。
【0121】
[第4例]
次に、図1図3図8、及び図9を参照して、テレメータシステム100の動作の第4例である第3代替処理について説明する。図8は、第3代替処理を示すフローの第1図である。図9は、第3代替処理を示すフローの第2図である。第3代替処理は、親機21が子機22Cと子機22Dとを介して子機22Bに通信データを送信する処理である。
【0122】
第4例では、第1例の通信処理に代えて、第3代替処理が行われる。
【0123】
第4例は、子機22Cが子機22A及び子機22Bの各々と通信不能である点が、第1例~第3例と異なる。以下では、主に、第1例~第3例と異なる点を説明する。
【0124】
第4例において、子機22Dは、本発明の第5の端末の一例である。
【0125】
図1図3、及び図8に示すように、ステップS210~ステップS241に示す処理が行われることで、親機21から子機22Cに通信データが送信される。
【0126】
ステップS250において、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛の起動信号を送信する。
【0127】
子機22Aは、子機22Cからの起動信号を受信できない。その結果、起動信号に応じたビーコンが、子機22Aから子機22Cに送信されない。また、子機22Bは、子機22Cからの起動信号を受信できない。その結果、起動信号に応じたAck信号が、子機22Bから子機22Cに送信されない。
【0128】
ステップS280において、子機22Dの狭域無線通信部220は、子機22Cからの起動信号を受信する。子機22Dの狭域無線通信部220が子機22Cからの起動信号を受信すると、子機22Dの制御部225は、起動信号に含まれる宛先を確認して、受信した起動信号が自機(子機22D)宛の起動信号か否かを判定する。
【0129】
第4例では、起動信号に含まれる宛先は子機22Bである。従って、子機22Dの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号で無いと判定する。
【0130】
子機22Dの制御部225は、受信した起動信号が自機宛の起動信号で無いと判定すると、起動信号の送信元である子機22Cに対して、狭域無線通信部220により自機の識別子を含むビーコンを送信する。その結果、子機22Cの狭域無線通信部220が、子機22Dからのビーコンを受信する。
【0131】
子機22Cの狭域無線通信部220が子機22Dからのビーコンを受信することで、子機22Cの制御部225は、子機22Dと通信できることを認識する。
【0132】
子機22Dの狭域無線通信部220は、ビーコンを送信する際、子機22Dの記憶部224に記憶されるホップ数テーブル224aを送信する。その結果、子機22Cの狭域無線通信部220が、子機22Dのホップ数テーブル224aを受信する。そして、子機22Cの制御部225は、子機22Dから受信したホップ数テーブル224aに基づいて、子機22Dが子機22Bと通信できることを認識する。
【0133】
ステップS280において、子機22Dから送信されるビーコンは、本発明の第2通知信号の一例である。
【0134】
ステップS281において、子機22Cの制御部225は、第3所定期間内に子機22BからのAck信号を受信しない場合、子機22Bと通信不能であると判断する。
【0135】
また、子機22Cの制御部225は、第3所定期間内に子機22Aからのビーコンを受信しない場合、子機22Aと通信不能であると判断する。
【0136】
子機22Cの制御部225は、ステップS281において、子機22A及び子機22Bの各々と通信不能であると判断し、かつ、ステップS280において、子機22Dから受信したホップ数テーブル224aに基づいて子機22Dが子機22Bと通信できることを認識した場合、通信データの送信経路を、子機22Cから子機22Bに送信する経路から、子機22Cから子機22Dを経由して子機22Bに送信する経路に変更する。そして、子機22Cの制御部225は、子機22Dに通信データを送信する処理を開始する。
【0137】
図1図3、及び図9に示すように、ステップS282において、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部211により子機22D宛の起動信号を送信する。
【0138】
ステップS282において、子機22Cから送信される起動信号は、本発明の第5起動信号の一例である。
【0139】
ステップS283において、子機22Dの狭域無線通信部220が子機22Cからの起動信号を受信すると、子機22Dの制御部225は、子機22Cに対して、狭域無線通信部220により自機の識別子を含むAck信号を送信する。
【0140】
ステップS283において、子機22Dから送信されるAck信号は、本発明の第4応答信号の一例である。
【0141】
子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22DからのAck信号を受信すると、子機22Dとの間で通信接続を確立させる。そして、子機22Cの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22Dに通信データを送信する。その結果、子機22Dの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0142】
また、子機22Cの狭域無線通信部220は、通信データを送信する際、子機22D宛に転送先指定データを送信する。
【0143】
子機22Dの制御部225は、子機22Cから送信された転送先指定データを、狭域無線通信部220により受信する。そして、子機22Dの制御部225は、転送先指定データにおいて、子機22Cから子機22Bに転送するように設定されている通信データの送信経路を、子機22Dから子機22Bに転送する経路に書き換える。そして、子機22Dは、子機22Cから送信された通信データを、子機22Bに転送する処理を開始する。
【0144】
なお、転送先指定データを書き換える処理は、子機22Cの制御部225が行ってもよい。
【0145】
ステップS284において、子機22Dの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛の起動信号を送信する。
【0146】
ステップS285において、子機22Bの狭域無線通信部220が子機22Dからの起動信号を受信すると、子機22Bの制御部225は、子機22Dに対して、狭域無線通信部220により自機(子機22B)の識別子を含むAck信号を送信する。
【0147】
子機22Dの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22BからのAck信号を受信すると、子機22Bとの間で通信接続を確立させる。そして、子機22Dの制御部225は、狭域無線通信部220により子機22B宛に通信データを送信する。その結果、子機22Bの狭域無線通信部220は、通信データを受信する。
【0148】
子機22Bの狭域無線通信部220が通信データを受信すると、第3代替処理が終了する。
【0149】
以上、図1図3図8、及び図9を参照して説明したように、親機21が通信処理を行う際に、親機21が、子機22Aと通信できないが、子機22Cと通信でき、子機22Cが、子機22A及び子機22Bの各々と通信できないが、子機22Dと通信でき、かつ、子機22Dが子機22Cと通信できる場合、テレメータシステム100は、通信処理に代えて、第3代替処理を行う。従って、子機22Cが子機22A及び子機22Bの各々との通信接続を確立させることができない場合でも、子機22Cと子機22Dとの通信接続を確立させることで、通信処理を継続させることができる。その結果、通信処理が中断されることを抑制できる。
【0150】
以上、図面(図1図9)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、テレメータシステム、情報端末、及び通信制御方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0152】
21 親機(第1の端末)
22A 子機(第2の端末)
22B 子機(第3の端末)
22C 子機(第4の端末)
22D 子機(第5の端末)
100 テレメータシステム
図1
図2
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図9