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特許7199461マルチチャネル媒体アクセス制御プロトコルのための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】マルチチャネル媒体アクセス制御プロトコルのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/06 20090101AFI20221223BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20221223BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20221223BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20221223BHJP
【FI】
H04W74/06
H04W72/04 131
H04W84/12
H04W16/14
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021041146
(22)【出願日】2021-03-15
(62)【分割の表示】P 2018504197の分割
【原出願日】2016-07-27
(65)【公開番号】P2021100278
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】62/199,896
(32)【優先日】2015-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/221,564
(32)【優先日】2015-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/220,340
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】リンハイ・ホー
(72)【発明者】
【氏名】マキシム・クラスニャンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブ・コーエン-アラジ
(72)【発明者】
【氏名】ラジェシュ・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ビブー・モハンティー
(72)【発明者】
【氏名】ラシド・アーメド・アクバル・アッタール
(72)【発明者】
【氏名】ウェンジア・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ダンヤン・コン
(72)【発明者】
【氏名】チィ・シュエ
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-082735(JP,A)
【文献】特開2006-173948(JP,A)
【文献】特開2015-073336(JP,A)
【文献】特表2013-501458(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0163349(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0163043(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する方法であって、
第1のアクセスポイントによってポーリングスケジュールを決定するステップであって、前記ポーリングスケジュールが第1のワイヤレス通信チャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信ために第1のアクセスポイントによって使用され、かつ、前記ポーリングスケジュールが前記第1のワイヤレス通信チャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で前記1つまたは複数のワイヤレス局と前記第1のアクセスポイントのタイミングと別のタイミングで通信するために第2のアクセスポイントによって使用される、ステップと、
前記第1のアクセスポイントによって、前記第1のワイヤレス通信チャネル上で、前記ポーリングスケジュールに従って少なくとも1つまたは複数のワイヤレス局に1つまたは複数のパケットを送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のアクセスポイントによって、前記第1のワイヤレス通信チャネルが前記1つまたは複数のワイヤレス局と通信することが利用不可能と決定するステップと、
前記第1のワイヤレス通信チャネルが利用不可能との決定に応答して、前記第2のワイヤレス通信チャネルにアクセスするために、前記第1のアクセスポイントと前記第2のアクセスポイントとに接続し得るスイッチを介して、前記第2のアクセスポイントに指示を送信するステップと、
前記第2のアクセスポイントによって、前記第2のワイヤレス通信チャネル上で、前記ポーリングスケジュールに従って前記1つまたは複数のワイヤレス局の少なくとも1つに送信するステップと
をさら含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のアクセスポイントによって、前記第1のワイヤレス通信チャネル上で、前記1つまたは複数のワイヤレス局に送信情報を送信するステップをさらに含み、前記送信情報は前記1つまたは複数のワイヤレス局が前記第2のワイヤレス通信チャネル上で前記第2のアクセスポイントから送信を受信するための情報を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポーリングスケジュールは、前記第1のワイヤレス通信チャネル上での通信のための第1のタイミングシーケンス、および前記第2のワイヤレス通信チャネル上での通信のための第2のタイミングシーケンスを含み、前記第2のタイミングシーケンスが前記第1のタイミングシーケンスに対して時間的にオフセットされることを除いて、前記第2のタイミングシーケンスの持続時間は、前記第1のタイミングシーケンスの持続時間と同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のアクセスポイントによる前記1つまたは複数のワイヤレス局への通信のための前記ポーリングスケジュールの時間は、前記第2のアクセスポイントによる前記1つまたは複数のワイヤレス局への通信のための前記ポーリングスケジュールの時間と重複しない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数のワイヤレス局が前記第1のアクセスポイントから前記1つまたは複数のパケットのうちの1つを受信しない場合に、前記1つまたは複数のワイヤレス局は、前記第2のワイヤレス通信チャネル上で前記第2のアクセスポイントから前記1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポーリングスケジュールは、前記第1のアクセスポイントによる先行する送信が前記第1のワイヤレス通信チャネルにおける干渉によって影響を受けているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、競合期間の持続時間を決定し、前記第1のアクセスポイントは、前記競合期間の前記持続時間の間に前記第1のワイヤレス通信チャネル上で送信しない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のアクセスポイントによって、前記1つまたは複数のワイヤレス局にポーリング情報を送信するステップであって、前記ポーリング情報は、前記1つまたは複数のワイヤレス局が前記ワイヤレス通信ネットワークにアクセスすることを求める要求を送り得るウィンドウを識別する、ステップと、
前記第1のアクセスポイントによって、前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの1つから前記ウィンドウ中に、アップリンクフレームを受信するステップであって、前記アップリンクフレームは前記要求を含む、ステップと、
前記第1のアクセスポイントによって、前記要求を受信したことに応答して、前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの前記1つに排他的に前記ポーリングスケジュール内で送信スロットを割り当てるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの1つの媒体アクセス制御(MAC)アドレスを受信するステップと、
前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの1つの暗号キーを決定するステップと、
前記MACアドレスおよび前記暗号キーを含む暗号化メッセージを生成するステップと、
前記ワイヤレス通信ネットワークにおいて前記暗号化メッセージをブロードキャストするステップと、
前記ワイヤレス通信ネットワークにおいて認証された前記1つまたは複数のワイヤレス局のリストに前記MACアドレスおよび前記暗号キーを記憶するステップと、
前記リストに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアクセスポイントにアクセスを要求しているローミング局が前記ワイヤレス通信ネットワークにおいて認証されているかどうかを判断するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のアクセスポイントによって、前記第1のワイヤレス通信チャネルが利用不可能であると判断するステップと、
前記第1のアクセスポイントによって、前記第1のワイヤレス通信チャネルが利用不可能であることに基づいて、前記第1のアクセスポイントと前記第2のアクセスポイントとに接続し得るスイッチを介して、前記第2のアクセスポイントに前記ポーリングスケジュールによって規定されているよりも早く前記第2のワイヤレス通信チャネルにアクセスするよう指示を送信するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて第1のワイヤレス通信チャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するように構成された第1のアクセスポイントであって、
前記第1のアクセスポイントがポーリングスケジュールを決定するように構成されたプロセッサであって、前記ポーリングスケジュールが前記1つまたは複数のワイヤレス局と通信するために前記第1のアクセスポイントによって使用され、かつ、前記ポーリングスケジュールが前記第1のワイヤレス通信チャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で前記1つまたは複数のワイヤレス局と前記第1のアクセスポイントのタイミングと別のタイミングで通信するために第2のアクセスポイントによって使用される、前記プロセッサと、
前記ポーリングスケジュールに従って前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの少なくとも1つに前記第1のワイヤレス通信チャネル上で1つまたは複数のパケットを送信するように構成された送信機と
を含む、
第1のアクセスポイント。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記第1のワイヤレス通信チャネルが前記1つまたは複数のワイヤレス局と通信することが利用不可能と決定するように、さらに構成され、
前記送信機は、
前記第1のワイヤレス通信チャネルが利用不可能との決定に応答して、前記第2のワイヤレス通信チャネルにアクセスするために、前記第1のアクセスポイントと前記第2のアクセスポイントとに接続し得るスイッチを介して、前記第2のアクセスポイントに指示を送信することと、
前記第2のアクセスポイントによって、前記第2のワイヤレス通信チャネル上で、前記ポーリングスケジュールに従って前記1つまたは複数のワイヤレス局の少なくとも1つに送信するように、さらに構成される、
請求項11に記載の第1のアクセスポイント。
【請求項13】
前記送信機は、前記1つまたは複数のワイヤレス局に前記第1のワイヤレス通信チャネル上で送信情報を送信するようにさらに構成され、前記送信情報は前記1つまたは複数のワイヤレス局が前記第2のワイヤレス通信チャネル上で前記第2のアクセスポイントから送信を受信するための情報を含む、
請求項11に記載の第1のアクセスポイント。
【請求項14】
前記第1のアクセスポイントによる前記1つまたは複数のワイヤレス局への通信のための前記ポーリングスケジュールのポーリング期間の時間は、前記第2のアクセスポイントによる前記1つまたは複数のワイヤレス局への通信のための前記ポーリングスケジュールのポーリング期間の時間と重複しない、請求項11に記載の第1のアクセスポイント。
【請求項15】
前記1つまたは複数のワイヤレス局が前記第1のアクセスポイントから前記パケットのうちの1つを受信しない場合に、前記1つまたは複数のワイヤレス局は、前記第2のワイヤレス通信チャネル上で前記第2のアクセスポイントから前記パケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信する、請求項11に記載の第1のアクセスポイント。
【請求項16】
前記ポーリングスケジュールは、前記第1のワイヤレス通信チャネル上で通信のための第1のタイミングシーケンスと前記第2のワイヤレス通信チャネル上で通信のための第2のタイミングシーケンスとを含み、前記第2のタイミングシーケンスが前記第1のタイミングシーケンスに対して時間的にオフセットされることを除いて、前記第2のタイミングシーケンスの持続時間は、前記第1のタイミングシーケンスの持続時間と同じであるか、または、前記ポーリングスケジュールは、先行する送信が前記第1のワイヤレス通信チャネルにおける干渉によって影響を受けているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、競合期間の持続時間を決定し、前記プロセッサは、前記競合期間の前記持続時間の間に前記第1のワイヤレス通信チャネル上で送信しないようにさらに構成される、請求項11に記載の第1のアクセスポイント。
【請求項17】
受信機をさらに含み、
前記送信機は、前記1つまたは複数のワイヤレス局にポーリング情報を送信するようにさらに構成され、前記ポーリング情報は、前記1つまたは複数のワイヤレス局が前記ワイヤレス通信ネットワークにアクセスすることを求める要求を送り得るウィンドウを識別し、
前記受信機は、前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの1つから前記ウィンドウ中にアップリンクフレームを受信するように構成され、前記アップリンクフレームは前記要求を含み、
前記プロセッサは、前記要求を受信したことに応答して、前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの前記1つに排他的に前記ポーリングスケジュール内で送信スロットを割り当てるようにさらに構成される、請求項11に記載の第1のアクセスポイント。
【請求項18】
メモリと、
前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの1つの媒体アクセス制御(MAC)アドレスを受信するように構成された受信機と
をさらに含み、
前記プロセッサは、前記1つまたは複数のワイヤレス局のうちの1つの暗号キーを決定し、前記MACアドレスおよび前記暗号キーを含む暗号化メッセージを生成するようにさらに構成され、
前記送信機は、前記ワイヤレス通信ネットワークにおいて前記暗号化メッセージをブロードキャストするようにさらに構成され、
前記プロセッサは、
前記メモリにおいて、前記ワイヤレス通信ネットワークにおいて認証された前記1つまたは複数のワイヤレス局のリストに前記MACアドレスおよび前記暗号キーを記憶することと、
前記リストに少なくとも部分的に基づいて、前記ワイヤレス通信ネットワークへのアクセスを要求しているローミング局が認証されているかどうかを判断することと
を行うようにさらに構成される、請求項11に記載の第1のアクセスポイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体的には電気通信に関し、具体的にはマルチチャネル媒体アクセス制御プロトコルに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭、オフィス、および様々な公共施設におけるワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の展開は、今日では一般的である。そのようなネットワークは通常、特定の場所(たとえば、家庭、オフィス、公共施設など)にあるいくつかのワイヤレス局(STA)をインターネットなどのような別のネットワークに接続するワイヤレスアクセスポイント(AP)を利用する。STAのセットは、基本サービスセット(BSS)と呼ばれるものにおいて、共通APを介して互いに通信することができる。近くのBSSは、重複するカバレージエリアを有してもよく、そのようなBSSは、重複BSSまたはOBSSと呼ばれることがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】ETSI EN 301 893 V1.7.1; Broadband Radio Access Networks; 5GHz High Performance RLAN; Harmonized EN covering the essential requirements of article 3.2 of the R&TTE、2012年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかのアプリケーションでは、既存のWLANのレイテンシがあまりにも高いことがある。たとえば、センサーおよび/またはロボット制御を伴う産業のアプリケーションでは、非常に低いレイテンシで制御データを送信する必要があり得る。しかしながら、既存の媒体アクセス制御(MAC)プロトコルは、レイテンシを犠牲にしてスループットを最大化するように最適化され得る。したがって、制御データは、サイズが比較的小さいことがあり、バッファリング、オーバーヘッド、および既存のMACプロトコルの他の特性によって遅延し得る。さらに、低レイテンシアプリケーションによっては、多数のワイヤレス局を組み込んでいることがある。既存のMACプロトコルは、異なる局の間の送信間の衝突を許容し得る。より多くの局が追加されるにつれて、衝突の数が増加し、結果的にレイテンシが増大する。したがって、複数のチャネルでの多数のワイヤレス局のための信頼できる低レイテンシアプリケーションをサポートするWLANを提供することが望まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付の特許請求の範囲内の方法および装置の様々な実装形態は、各々がいくつかの態様を有し、そのうちの単一の実装形態が、本明細書で説明する望ましい属性を単独で担うものではない。本明細書においては、添付の特許請求の範囲を限定することなしに、いくつかの顕著な特徴について説明する。
【0006】
本明細書で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細は、添付の図面および下の説明内に記載される。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0007】
本開示の一態様は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する方法を提供する。本方法は、第1のアクセスポイントによって、ポーリングスケジュール、すなわち、第1のアクセスポイントが第1のワイヤレスチャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するためのポーリングスケジュールであって、第2のアクセスポイントが第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するためのポーリングスケジュールを決定するステップを含む。本方法は、第1のアクセスポイントによって、第1のワイヤレス通信チャネル上で、1つまたは複数のワイヤレス局に送信情報を送信するステップをさらに含み、送信情報は、1つまたは複数のワイヤレス局が第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから送信を受信するための情報を含む。本方法は、第1のアクセスポイントによって、第1のワイヤレス通信チャネル上で、ポーリングスケジュールに従って1つまたは複数のワイヤレス局のうちの少なくとも1つに1つまたは複数のパケットを送信するステップをさらに含む。
【0008】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて第1のワイヤレスチャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するように構成された第1のアクセスポイントを提供する。第1のアクセスポイントは、ポーリングスケジュール、すなわち、第1のアクセスポイントが1つまたは複数のワイヤレス局と通信するためのポーリングスケジュールであって、第2のアクセスポイントが第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するためのポーリングスケジュールを決定するように構成されたプロセッサを含む。第1のアクセスポイントは、1つまたは複数のワイヤレス局に第1のワイヤレス通信チャネル上で送信情報を送信するように構成された送信機をさらに含み、送信情報は、1つまたは複数のワイヤレス局が第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから送信を受信するための情報を含む。送信機は、ポーリングスケジュールに従って1つまたは複数のワイヤレス局のうちの少なくとも1つに第1のワイヤレス通信チャネル上で1つまたは複数のパケットを送信するようにさらに構成される。
【0009】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて第1のワイヤレスチャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するように構成された別の第1のアクセスポイントを提供する。本装置は、1つまたは複数のワイヤレス局と通信するためのポーリングスケジュールであって、第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上の第2のアクセスポイントのためのポーリングスケジュールを決定するための手段を含む。本装置は、1つまたは複数のワイヤレス局に第1のワイヤレス通信チャネル上で送信情報を送信するための手段をさらに含み、送信情報は、1つまたは複数のワイヤレス局が第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから送信を受信するための情報を含む。本装置は、ポーリングスケジュールに従って1つまたは複数のワイヤレス局のうちの少なくとも1つに第1のワイヤレス通信チャネル上で1つまたは複数のパケットを送信するための手段をさらに含む。
【0010】
また別の態様では、本開示は、実行されると、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する方法を実行するコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。本方法は、第1のアクセスポイントによって、第1のワイヤレスチャネル上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するためのポーリングスケジュールであって、第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上の第2のアクセスポイントのためのポーリングスケジュールを決定するステップを含む。本方法は、第1のアクセスポイントによって、第1のワイヤレス通信チャネル上で、1つまたは複数のワイヤレス局に送信情報を送信するステップをさらに含み、送信情報は、1つまたは複数のワイヤレス局が第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから送信を受信するための情報を含む。本方法は、第1のアクセスポイントによって、第1のワイヤレス通信チャネル上で、ポーリングスケジュールに従って1つまたは複数のワイヤレス局のうちの少なくとも1つに1つまたは複数のパケットを送信するステップをさらに含む。
【0011】
本開示の一態様は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する方法を提供する。本方法は、ワイヤレス局によって、第1のワイヤレス通信チャネル上で、第1のアクセスポイントから送信情報を受信するステップを含み、送信情報は、ワイヤレス局が第1のワイヤレス通信チャネル上で第1のアクセスポイント、また第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントと通信するための情報を含む。本方法は、ワイヤレス局によって、第1のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットが受信されていないと判断するステップをさらに含む。本方法は、ワイヤレス局によって、1つまたは複数のパケットが受信されていないことに少なくとも部分的に基づいて、送信情報に少なくとも部分的に基づいて第1のワイヤレス通信チャネルから第2のワイヤレス通信チャネルに切り替える時間を決定するステップをさらに含む。本方法は、ワイヤレス局によって、第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信するステップをさらに含む。
【0012】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信するように構成されたワイヤレス局を提供する。ワイヤレス局は、第1のワイヤレス通信チャネル上で第1のアクセスポイントから送信情報を受信するように構成された受信機を含み、送信情報は、第1のワイヤレス通信チャネル上で第1のアクセスポイント、また第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントと通信するための情報を含む。ワイヤレス局は、第1のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットが受信されていないと判断することと、1つまたは複数のパケットが受信されていないことに少なくとも部分的に基づいて、送信情報に少なくとも部分的に基づいて第1のワイヤレス通信チャネルから第2のワイヤレス通信チャネルに切り替える時間を決定することとを行うように構成されたプロセッサをさらに含む。受信機は、第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信するようにさらに構成される。
【0013】
本開示の別の態様は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信するように構成された別のワイヤレス局を提供する。ワイヤレス局は、第1のワイヤレス通信チャネル上で第1のアクセスポイントから送信情報を受信するための手段を含み、送信情報は、ワイヤレス局が第1のワイヤレス通信チャネル上で第1のアクセスポイント、また第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントと通信するための情報を含む。ワイヤレス局は、第1のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットが受信されていないと判断するための手段をさらに含む。ワイヤレス局は、1つまたは複数のパケットが受信されていないことに少なくとも部分的に基づいて、送信情報に少なくとも部分的に基づいて第1のワイヤレス通信チャネルから第2のワイヤレス通信チャネルに切り替える時間を決定するための手段をさらに含む。ワイヤレス局は、第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信するための手段をさらに含む。
【0014】
また別の態様では、本開示は、実行されると、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する方法を実行するコードを含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。本方法は、ワイヤレス局によって、第1のワイヤレス通信チャネル上で、第1のアクセスポイントから送信情報を受信するステップを含み、送信情報は、ワイヤレス局が第1のワイヤレス通信チャネル上で第1のアクセスポイント、また第1のワイヤレスチャネルとは異なる第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントと通信するための情報を含む。本方法は、ワイヤレス局によって、第1のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットが受信されていないと判断するステップをさらに含む。本方法は、ワイヤレス局によって、1つまたは複数のパケットが受信されていないことに少なくとも部分的に基づいて、送信情報に少なくとも部分的に基づいて第1のワイヤレス通信チャネルから第2のワイヤレス通信チャネルに切り替える時間を決定するステップをさらに含む。本方法は、ワイヤレス局によって、第2のワイヤレス通信チャネル上で第2のアクセスポイントから1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信するステップをさらに含む。
【0015】
開示する態様について以下に添付の図面に関連して説明する。図面は、開示する態様を限定するためではなく例示するために示されており、図中の同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態による、低レイテンシワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)展開を示す機能ブロック図である。
図2】一実施形態による、複数チャネルプロトコルに従って送信される例示的なフレームを示すタイミング図である。
図3】一実施形態による、例示的なアクセスポイントを示す機能ブロック図である。
図4】一実施形態による、例示的なワイヤレス局を示す機能ブロック図である。
図5】一実施形態による、例示的なシステム更新メッセージフレームフォーマットを示すブロック図である。
図6】一実施形態による、例示的なダウンリンクメッセージフレームフォーマットを示すブロック図である。
図7】一実施形態による、例示的なアップリンクメッセージフレームフォーマットを示すブロック図である。
図8】一実施形態による、例示的なフィラーフレームフォーマットを示すブロック図である。
図9】一実施形態による、例示的なバックホールメッセージフレームフォーマットを示すブロック図である。
図10】一実施形態による、例示的なデータ交換を示すタイミング図である。
図11】一実施形態による、例示的な参加手順メッセージ送信を示すタイミング図である。
図12】一実施形態による、例示的な参加手順メッセージ交換を示すタイミング図である。
図13】一実施形態による、例示的な参加手順メッセージ交換を示すタイミング図である。
図14A】一実施形態による、反復サイクルの例示的な送信を示すタイミング図である。
図14B】一実施形態による、例示的なメッセージ交換を示すタイミング図である。
図15A】一実施形態による、フレームタイプフィールドに例示的な値を提供するテーブルである。
図15B】一実施形態による、メッセージタイプフィールドに例示的な値を提供するテーブルである。
図16】一実施形態による、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する例示的な方法を示すフローチャートである。
図17】一実施形態による、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する別の例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
慣例に従って、図面に示す様々な特徴は、一定の縮尺で描かれていないことがある。したがって、様々な特徴の寸法は、明快にするために任意に拡大または縮小され得る。さらに、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを示さないことがある。最後に、同様の参照番号が、明細書および図面全体にわたって同様の特徴を表すために使用され得る。
【0018】
添付の図面を参照しながら、新規のシステム、装置、および方法の様々な態様について以下でより十分に説明する。ただし、本開示の教示は、多くの異なる形態で具現化され得るものであり、本開示全体にわたって提示される任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように与えられるものである。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲が、本発明の何らかの他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本発明の何らかの他の態様と組み合わせられるにせよ、本明細書で開示する新規のシステム、装置、および方法のいかなる態様をも包含するものであることを、当業者は諒解されたい。たとえば、本明細書に記載される態様をいくつ使用しても、装置は実装され得、または方法は実施され得る。さらに、本発明の範囲は、本明細書に記載される本発明の様々な態様に加えて、またはそれ以外の、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施されるそのような装置または方法を包含するものとする。本明細書で開示するいかなる態様も請求項の1つまたは複数の要素によって具現化され得ることを理解されたい。
【0019】
特定の態様が本明細書において説明されるが、これらの態様の多数の変形および置換が、本開示の範囲内である。好ましい態様のいくつかの利益および利点について説明するが、本開示の範囲は特定の利益、使用、または目的に限定されるものではない。むしろ、本開示の態様は、様々なワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および送信プロトコルに広く適用可能であることが意図され、そのうちのいくつかが例として図面および好ましい態様の以下の説明において示される。発明を実施するための形態および図面は、限定的でなく、本開示の単に例示であり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0020】
「例示的な」という単語は、本明細書では、「例、実例、または例証として機能すること」を意味するために使用される。「例示的な」として本明細書で説明するいかなる実装形態も、他の実装形態よりも好ましいか、または有利であると必ずしも解釈されるべきでない。以下の説明は、いかなる当業者でも本発明を作製および使用することができるように提示される。以下の説明では、説明のために、詳細が記載される。本発明が、これらの具体的な詳細を使用することなく実施され得ることを当業者は理解するであろうことを諒解されたい。他の事例では、不要な詳細により本発明の説明を不明瞭にすることがないように、よく知られている構造およびプロセスは詳述されない。したがって、本発明は、示される実装形態によって限定されるものではなく、本明細書で開示する原理および特徴に一致する最大の範囲を与えられるものである。
【0021】
本明細書で使用する「フレーム」という用語は、幅広い様々なアクションを包含する。たとえば、「フレーム」は、MACレイヤフレーム、フレーム、アップリンクフレーム、ダウンリンクフレーム、データパケット、通信、メッセージなどと呼ばれることもある。本明細書で使用するフレームは、WLANの様々な構成要素の間で通信される命令および識別子を示す情報を含むビットの集合を指し得る。フレームは、IEEE802.11に従ってフォーマットされた他のフレームの上に、またはそのような他のフレームに加えて形成され得る。
【0022】
本明細書で説明する技法は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)ネットワークなどのような様々なWLANに使用され得る。「ネットワーク」および「システム」という語は、しばしば互換的に使用される。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(W-CDMA)および低チップレート(LCR)を含む。cdma2000は、IS-2000規格、IS-95規格およびIS-856規格を対象とする。TDMAネットワークは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)などの無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、Evolved UTRA(E-UTRA)、IEEE802.11、IEEE802.16、IEEE802.20、Flash-OFDMなどのような無線技術を実装し得る。UTRA、E-UTRA、およびGSMは、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一部である。ロングタームエボリューション(LTE)は、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、GSM、UMTS、およびLTEは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられた組織からの文書に記載されている。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた組織からの文書に記載されている。これらの様々な無線技術および規格は、当技術分野で知られている。
【0023】
開示する技法は、LTEアドバンスト、LTE、W-CDMA、TDMA、OFDMA、高速パケットデータ(HRPD)、発展型高速パケットデータ(eHRPD:Evolved High Rate Packet Data)、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMax)、GSM、GSM進化型高速データレート(EDGE:enhanced data rate for GSM evolution)などに関連する技術および関連規格にも適用可能であり得る。異なる技術に関連する用語は、変わり得る。本明細書において、異なる用語は適用可能であるとき異なる技術に当てはまることに留意されたい。
【0024】
この20年間に、ワイヤレス接続技術の開発が長足の進歩を遂げており、その努力の大半は、スループットまたは電力消費の限界を押し広げることに注がれている。別のパフォーマンスメトリック、すなわち、レイテンシは、新しいロボット工学および産業の自動化のアプリケーションに対する関心および需要の高まりを受けて、最近まであまり注目されていない。これらのアプリケーションの一部では、ワイヤレス接続は重要な技術イネーブラであり得る。様々なアプリケーションでは、ワイヤレス接続は、既存のワイヤードソリューションに対してかなりのコスト削減をもたらすことができる。
【0025】
ロボット工学および産業の自動化のアプリケーションは通常、非常に厳しい信頼性要件およびレイテンシ要件を有する。たとえば、いくつかのそのようなアプリケーションは、制御サーバとセンサーとの間の往復遅延が1ミリ秒以下であること、および接続障害が1時間に1回を超えないことを必要とし得る。そのようなパフォーマンス要件は、既存のワイヤレス技術に対して大きい課題をもたらしている。たとえば、1ミリ秒以下のレイテンシは、高いスループットを暗示的に必要とすることがあり、ペイロードサイズが100Bである場合、1msの往復送信時間は少なくとも(ヘッダを除いて)1.6Mbpsのスループットを必要とするので、IEEE802.15.4(WirelessHartとしても知られる)およびBluetoothなどの技術は除外され得る。
【0026】
Wi-Fi(たとえば、様々なIEEE802.11規格)は、高データレートを有し得るが、それを超低レイテンシアプリケーションに使用することを妨げるいくつかの欠点を有する。たとえば、Wi-Fiは、長いチャネルアクセス遅延を有し得る。Wi-Fiは免許不要帯域で動作しており、異なる管理者によって展開されたネットワークが同じチャネル上で動作することがあるので、あらゆるWi-Fiデバイス(ワイヤレス局(STA)と呼ばれる)は公正な方法でチャネルを共有しなければならない。これは、ランダムチャネルアクセスプロトコルを使用することによって達成され得る。たとえば、STAが送信する前に、STAは、アクティブな送信がないかリッスン(たとえば、監視)しなければならないことがあり、チャネルがある時間期間にわたってアイドルである場合のみ送信に進むことができる。その後、STAは、同時にチャネルにアクセスしようと試みる他のSTAとの衝突を回避するために、送信する前にランダムな時間量だけ待機する必要もあり得る。STAの送信が他のSTAと衝突した場合、STAは、再度試みる前にそれの待機時間を2倍にする必要があり得る。結果として、チャネルを共有するSTAが多いほど、衝突する可能性が高くなり、チャネルアクセス遅延が長くなり得る。
【0027】
本開示は、低レイテンシアプリケーション、すなわち、2つ以上のチャネルを利用するアプリケーションをサポートするWLANを提供するための様々な態様について説明する。一態様では、低レイテンシアプリケーションをサポートするネットワークは、たとえば、2ミリ秒未満の往復時間を有するワイヤレス通信を実現するという目標を有し得る。比較すると、単一のワイヤレス局を有するWi-Fiネットワークは、少なくとも1.5ミリ秒の往復時間を有し得る。Wi-Fi局の数が増大するにつれて、衝突の数が急速に増大し、さらに往復時間が増加することがある。簡単にするために、低レイテンシアプリケーションをサポートするWLANまたはネットワークは、それぞれ低レイテンシWLANまたは低レイテンシネットワークと呼ばれ得る。
【0028】
低レイテンシWLANを提供するための本開示の態様は、ワイヤレス通信に関連するレイテンシを低減または最小化するために使用され得る複数のシステムおよび方法を含み得る。一態様では、本明細書の本開示による実施形態は、Wi-Fiのいくつかの態様を再使用することができる。たとえば、Wi-FiのPHYレイヤ設計が、2.4GHzおよび5GHzのISM帯域中などの高データレートを利用するために使用され得る。PHYレイヤ設計を利用する非限定的な利点は、本開示によるWLANが商用Wi-Fiハードウェアに加えて開発されることを可能にし、それにより、より速くてより柔軟な開発が可能になり得ることである。別の態様は、本開示によるWLANが、Wi-FiネットワークのCSMA/CAプロトコルを、ポーリングベースのMACレイヤプロトコルに置き換えて、格段に低いチャネルアクセスレイテンシを達成することである。たとえば、様々な態様による、ポーリングプロトコルは、アクセスポイント(AP)に、ワイヤレス通信ネットワークにわたってすべての送信をスケジュールさせることができ、それにより、CSMA/CAプロトコルが直面する長いチャネルアクセス遅延を回避することができる。ポーリングベースのMACレイヤプロトコルの1つの非限定的な利点は、ワイヤレス通信に関連するレイテンシを低減または最小化するために使用される多くの特徴を可能に得ることである。たとえば、本明細書で開示するポーリングプロトコルおよび方法は、動的なポーリングリスト、省電力モード(PSM)の管理の改善、サービングAPからターゲットAPへのSTAの低レイテンシハンドオフを可能にし、本開示によるWLANと同じチャネルを共有するWi-Fiネットワークとの間の公正で効率的な共存を可能にし得る。
【0029】
図1は、一実施形態による、低レイテンシワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)100展開を示す機能ブロック図である。図示のように、WLAN100は、1つまたは複数のAP104A~F(本明細書では個別にまたはまとめてAP104と呼ばれる)およびそれぞれのAP104に関連する1つまたは複数のSTA106A~F(本明細書では個別にまたはまとめてSTA106と呼ばれる)を含み得る。AP104は一般に、STA106にバックホールサービスを提供する固定端末である。しかしながら、アプリケーションによっては、APは、モバイル端末または非固定端末であってもよい。STA106は、インターネットなどのネットワークに接続するためにそれらのそれぞれのAP104のバックホールサービスを利用する固定端末、非固定端末、またはモバイル端末であり得る。STA106は、それらの間で、および/またはバックホール(たとえば、イーサネット)を介して1つもしくは複数のAP104に接続され得る制御局と通信することもある。
【0030】
STA106は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、ユーザ機器(UE)と呼ばれるか、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。APは、基地局、基地トランシーバ局、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能と呼ばれるか、または任意の他の適切な用語で呼ばれることもある。本開示全体にわたって説明する様々な概念は、特定の名称にかかわらず、任意の適切なワイヤレス装置に当てはまるように意図されている。STA106の例は、限定はしないが、セルラーフォン、スマートフォン、産業用ロボット、製造制御システム、センサー、ドローン、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナル情報マネージャ(PIM)、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、全地球測位システム、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、オーディオデバイス、モノのインターネット(IoT)用デバイス、またはAP104の中央通信協調および/もしくはバックホールサービスを利用するワイヤレス装置を含む。
【0031】
図示のように、AP104の各々は、(それぞれ2つのAP104に接続されたセル内スイッチ108A~Cとして示される)セル内スイッチ108への接続を含み得る。同じく図示のように、各セル内スイッチ108は、セル間スイッチ110に接続され得る。いくつかの態様では、セル内スイッチ108またはセル間スイッチ110は、AP104が互いにまたは別のネットワーク(たとえば、バックホール)と通信することができるように、AP104を互いに接続するために利用され得る。AP104からそれらのそれぞれのセル内スイッチ108への接続、およびセル内スイッチ108からセル間スイッチ110への接続は、速度の上昇またはレイテンシの低下をもたらし得る、ワイヤレスの反対のワイヤードであり得る。セル間スイッチ110は、STA106にサービスを提供するために使用する情報またはソフトウェアを含み得る、アプリケーションサーバへの接続を含み得る。さらに、STA106のうちの1つまたは複数は、アプリケーションエンドデバイスへの接続を含むことができる。様々な実施形態では、STA106のうちの1つまたは複数は、アプリケーションソフトウェアを実行するように構成された電子デバイスを含むことができる。アプリケーションソフトウェアは、適切に機能するためにアプリケーションサーバからの情報を必要とすることがあり、または別途、アプリケーションサーバに情報を送信する必要があり得る。したがって、AP104は、データおよび/または制御情報(たとえば、シグナリング)を通信するために、それらのそれぞれのSTA106にフレームを送り、それらのそれぞれのSTA106からフレームを受信するように構成され得る。一態様では、STA106は、低い往復時間でネットワーク通信から恩恵を受けることができる低レイテンシアプリケーションを実行し得る。たとえば、低レイテンシアプリケーションは、リモート制御アプリケーション、協調アプリケーション、または時間に敏感な情報を伴う別のアプリケーションを含み得る。
【0032】
図示の例では、展開されているAP104の3つのセットがある。(本明細書では「ピアAP104」とも呼ばれる)AP104の各セット、たとえば、AP104Aおよび104Bは、(セル102A~Cとして示される)同じワイヤレス通信セル102に位置し得る。いくつかの態様では、同じワイヤレス通信セル102内のAP104は、基本サービスエリア(BSA)と呼ばれるエリアに対するカバレージを提供することができる。ピアAP104は、同じプロトコルに従うが、干渉に対してSTA106に追加の信頼性をもたらすために異なるチャネル上で動作することがある。同じワイヤレス通信セル102中のピアAP104は、セル内スイッチ108によって接続され得る。いくつかの実施形態では、ピアAP104およびそれらのセル内スイッチ108は、物理的に別個のデバイスではなく同じホストの中でコロケートされ得る。異なるセルにおけるAP104は、セル間スイッチ110(たとえば、イーサネットスイッチ)によって接続されてよく、それらの間にいかなるオーバージエア(OTA)通信もなくてよい。
【0033】
図示のように、セル102のうちの1つまたは複数は、重複するカバレージを提供し得る。AP104のうちの1つもしくは複数に関連付けられるか、またはさもなければAP104のうちの1つもしくは複数と通信しているSTA106は、基本サービスセット(BSS)の一部と見なされ得る。たとえば、図示のように、STA106AからSTA106Bは、AP104Aおよび/またはAP104Bに関連付けられ得る。したがって、STA106A~Bは、AP104Aおよび/またはAP104Bによってサービスされるセル102AのBSSの一部と見なされ得る。STA106C~Dも同様に、AP104CおよびAP104Dによってサービスされるセル102BのBSSの一部であり得、STA106E~Fも同様に、AP104EおよびAP104Fによってサービスされるセル102CのBSSの一部であり得る。図1のWLAN100に関連して説明するセル102、AP104、およびSTA106、ならびにAP104のカバレージエリアの数は、例示として提供され、限定としては提供されない。より多いまたはより少ないセル102、AP104、またはSTA106が、本明細書で説明する低レイテンシプロトコルに従って利用され得る。
【0034】
AP104は、AP104のセル102内にあるSTA106との通信リンクを確立することができる。これらの通信リンクは、アップリンク(UL)またはダウンリンク(DL)通信またはメッセージを可能にし得る通信チャネルを含み得る。STA106がサービングAP104にハンドオーバされているとき、STA106は、サービングAP104に関連付けられるようになり得る。関連付けられると、AP104および関連するSTA106が直接通信チャネルを介してフレームまたはメッセージを交換することができるように、AP104とSTA106との間に通信リンクが確立され得る。各AP104のための通信チャネルは、AP104に関連する任意のSTA106の間で共有され得る。AP104と重複するカバレージエリアを有する近隣AP104は、異なるチャネルを使用するように構成され得る。たとえば、AP104A~Dの各々は、異なるチャネルをそれぞれ使用し得る。追加または代替として、近隣セル102のAP104は、同一チャネル干渉を最小化するように周波数を再使用し得る。重複するカバレージエリアを有しない追加のAP104を低レイテンシWLAN100が含む態様では、追加のAP104は、低レイテンシWLAN100のAP104のチャネルを再使用し得る。
【0035】
各STA106は、本明細書で説明する低レイテンシプロトコルのうちの1つまたは複数に従って、セル102においてAP104のうちの1つもしくは複数と通信すること、またはAP104のうちの1つもしくは複数からサービスを受信することができる。いくつかの態様では、AP104のうちの1つまたは複数は、2つ以上のワイヤレス通信チャネル上で、STA106のうちの1つもしくは複数にサービスを提供すること、またはさもなければSTA106のうちの1つもしくは複数と通信することができる。たとえば、図2は、一実施形態による、複数チャネルプロトコルに従って送信される例示的なフレームを示すタイミング図200である。図示のように、送信は、2つの別個のワイヤレス通信チャネルCH1およびCH2上で発生し得る。一態様では、CH1およびCH2は、それぞれピアAP104Aおよび104Bによって利用される2つのチャネルに対応し得る。これらの送信は、低レイテンシプロトコル(本明細書では「超低レイテンシ(ULOLAT)」プロトコルとも呼ばれる)に従って送信されるフレームを含み得る。
【0036】
一態様では、ULOLATプロトコル内に2つのタイプのSTA106、すなわち、双方向STA106(本明細書ではタイプA STA106とも呼ばれる)およびリッスンのみSTA106(本明細書ではタイプB STA106とも呼ばれる)があり得る。双方向STA106は、データトラフィックを送受信するように構成され得る。これらの双方向STA106は、(図2を参照しながら以下で説明するように)システムサイクル中にSTA106がポーリングされ得るように、AP104にユニキャストスロットを要求し得る。ユニキャストスロット中またはユニキャストトランザクション中のポーリングにより、STA106は、たとえば、UL送信を使用してデータを送ることが許される。リッスンのみSTA106は、データ送信がないかDL上でリッスンするだけでよく、UL上で送信するように構成されなくてよい。しかしながら、リッスンのみSTA106は、それでも、ワイヤレス通信ネットワーク100に最初に参加するときにはAP104に認証メッセージを送ってよいが、ユニキャストスロットを割り当てられなくてよい。それ以外は、リッスンのみSTA106は一般に、ブロードキャストメッセージまたはマルチキャストメッセージを受信するだけでよい。マルチキャストメッセージは、ブロードキャストメッセージと同様であり得るが、ネットワークにおけるすべてのSTA106ではなく、たった1つのSTA106、またはSTA106のグループに制限され得る。
【0037】
STA106のうちの1つまたは複数は、プロトコルスタックにより実装され得る。プロトコルスタックは、ワイヤレスチャネルの物理的および電気的仕様に従ってデータを送信および受信するための物理レイヤと、ワイヤレスチャネルへのアクセスを管理するための媒体アクセス制御(MAC)レイヤと、ソースから宛先へのデータ転送を管理するためのネットワークレイヤと、エンドユーザ間のデータのトランスペアレントな転送を管理するトランスポートレイヤと、ネットワークへの接続を確立またはサポートするために必要なまたは望ましい任意の他のレイヤとを含むことができる。
【0038】
各AP104Aおよび104Bは、同じMACレイヤプロトコルを実行する一方、それらのそれぞれの異なるワイヤレス通信チャネルCH1およびCH2上で動作することができる。各ワイヤレス通信チャネルCH1およびCH2上で、すべての送信(たとえば、DLとULの両方)は、AP104によってポーリングスケジュールを介してスケジュールされ、システムサイクル202およびスロット201の単位で編成される。各システムサイクル202は、ULOLAT送信サイクル204および競合期間230で構成され得る。図示のように、ULOLAT送信サイクル204は、クリアチャネルアセスメント(CCA)段階212、ガードインターバル(GI)214、システム更新メッセージ(SUM)段階216、およびポーリング期間206を含む、4つの段階を含み得る。いくつかの態様では、AP104は、ポーリングスケジュールに従って、本明細書で説明するようにシステムサイクル202を決定し得る。
【0039】
CCA段階212中に、AP104Aは、システムサイクル202を開始する前に、ワイヤレス通信チャネルCH1が送信に利用可能であることを確認するためにCCAを実行する。CCA手順の結果が、チャネルCH1が空いていることを示すと、ULOLAT AP104Aおよび/またはSTA106(たとえば、STA106A~B)は、ポーリング期間段階206を完了させるまで、チャネルCH1を継続的に占有する。それ以外は、AP104Aは、チャネルCH1が利用可能になるまでCCA手順の反復を続けることができる。各CCAの持続時間は、現地の規則または他の規則に準拠し得る。ある態様では、ETSIの仕様に従うことができる(たとえば、ETSI EN 301 893 V1.7.1; Broadband Radio Access Networks; 5GHz High Performance RLAN; Harmonized EN covering the essential requirements of article 3.2 of the R&TTE、2012年)。
【0040】
AP104AがCCAの実行に費やす時間が、(ユーザ設定可能な)STA106の最大チャネル切替え時間よりも長い場合、GI214は必要とされないことがある。そうでない場合、GI214中に、CCA段階212とGI214とを合わせた持続時間が最大チャネル切替え時間以上となるような長さを有するGIがあり得る。GI214が分散フレーム間スペース(DIFS:distributed inter frame space)を上回る長さを有するときはいつでも、AP104Aは、チャネルCH1の占有を続けるためにフィラーフレームを送ることができる。
【0041】
SUM段階216の一部として、AP104Aは、セル102についての基本情報、ハンドオフのためにSTA106が必要とする情報、または他の動作を実行するために使用可能な情報を含むSUMを送信し得る。いくつかの態様では、SUMは、高い信頼性を達成するためにNSUM回送信される。SUMは、図5のSUM500のフレームフォーマットに従って送信され得る。
【0042】
ポーリング期間段階206中、Npolling_cycle個の連続ポーリングサイクルが発生し得る。たとえば、図示のように、ポーリング期間段階206は、2つのポーリングサイクル218aおよび218b(たとえば、Npolling_cycle=2)を含み得る。各ポーリングサイクルは、Tslot×Nslotに等しい持続時間(Tpolling_cycle)を有することができ、Tslotは各スロットの持続時間であり、Nslotは、システムサイクル202ごとのスロットの数である。いくつかの態様では、Tslotは、PHYにおいて使用されるシンボル時間の単位によるものであり得る。いくつかの態様では、Nslotはユーザによって、システムサイクル202の持続時間をスロット201の平均持続時間で割ったものとして計算され得る。ポーリングサイクル218内で、AP104Aは、スロット201においてSTA106と通信することができる。システムサイクル202が2つ以上のポーリングサイクル218を有するように構成される場合、各後続ポーリングサイクル218は、第1のポーリングサイクル218aの反復であり得る。いくつかの態様では、複数の反復されたポーリングサイクル218を送信することで、信頼性が高まり得る。各ポーリングサイクル218は、固定数のスロット201(Nslot)を有し得る。
【0043】
各スロット201は、異なるタイプのメッセージに利用され得る。たとえば、図示のように、各ポーリングサイクル218は、1つまたは複数のブロードキャストスロット242、1つまたは複数のユニキャストスロット244、および1つまたは複数のオープンポールスロット246を含み得る。各スロット201は、ユーザ設定可能であり得る同じ持続時間(Tslot)を有することができる。いくつかの態様では、スロット201の持続時間は、以下のうちの1つまたは複数に基づき得る。送信レート、送信レートが固定であるかどうか、すべてのSTA106で送信レートが同じであるかどうか、予想ペイロードサイズ、ブロードキャストスロット242における反復の数、ブロードキャストフレームの送信時間、ユニキャストスロット244の最悪ケース持続時間、またはオープンポールスロット246の最悪ケース持続時間。
【0044】
STA106(たとえば、タイプAまたはタイプB STA106)のグループに情報を送信するために、ブロードキャストスロット242が利用され得る。いくつかの態様では、ブロードキャストスロットにおいて送信されるブロードキャストフレームは、図6のダウンリンク(DL)メッセージ600と同様であり得る。ブロードキャストフレームの宛先アドレスは、802.11仕様において定義されているブロードキャスト/マルチキャストアドレスに設定され得る。異なるブロードキャストグループのアドレスおよびメンバーシップは、ユーザによって事前設定され得、すべてのSTA106に知られ得る。
【0045】
ポーリングサイクル218における最初のNbcast個のスロットは、ブロードキャストグループ専用であり得る。各ブロードキャストグループは、特定のブロードキャストスロット242に割り当てられ得る。ブロードキャストフレームを送るとき、AP104Aは、ショートフレーム間スペース(SIFS)によって互いに分離され得るブロードキャストフレームの送信をNbcast_rep回反復する。いくつかの態様では、ブロードキャストスロット242は、確認応答(ACK)フレームを必要としないことがある。いくつかの態様では、ブロードキャストフレームは、少なくともそれらの間のSIFSギャップは別として、それらの送信によってスロット201が完全に占有されるようにパディングされ得る。アクティブなブロードキャスト送信がないとき、AP104Aは、図8のフィラーフレーム720などのフィラーフレームを、チャネルCH1の占有を続けるためにそれらのブロードキャストスロット242において送ることができる。
【0046】
STA106(たとえば、タイプA STA106)と通信するために、ユニキャストスロット244が利用され得る。ユニキャストスロット244は、図6のDLメッセージ600と同様であり得るDLメッセージをAP104Aが特定のSTA106に送ることにより始まり得る。DLメッセージの後に、図7のULメッセージ700と同様であり得る、STA106からのUL返信が来ることがある。いくつかの態様では、このスロット201においてAP104Aに送信するようにスケジュールされる他のSTA106がないことがある。いくつかの態様では、タイプA STA106のみが、それらに割り当てられたユニキャストスロット244を有することがあり、タイプB STA106は一般に、ブロードキャストメッセージがないかリッスンするだけであり得る。そのような設計は、タイプA STA106よりも多くのタイプB STA106をシステムがサポートすることを可能にし得る。
【0047】
レイヤ2ACK(たとえば、ハードウェアACK)が、DL上とUL上の両方でのユニキャスト送信のために有効化され得る。これらのACKは、図6のDLメッセージ600または図7のULメッセージ700を使用して送信され得、いくつかの態様では、ペイロードなしで送信され得る。これらのACKの送信は、送信の信頼性を高めるのを助けることができ、(たとえば、送信エラーがあるときに)チャネルを捕捉する機会をWi-Fiデバイスに与え得るフレーム間の長時間ギャップを回避するのを助けることもできる。ユニキャストスロット244がSTA106に割り当てられないとき、AP104Aは、チャネルCH1の占有を続けるためにそのスロット201においてフィラーフレームを送信することができる。ユニキャストスロット244中の通信のための手順は、図10に関して以下でさらに詳細に説明する。
【0048】
オンデマンドでワイヤレス通信ネットワーク100にSTA106(タイプAとタイプBの両方)が参加できるようにするために、AP104Aによってオープンポールスロット246が利用され得る。オープンポールスロット246は、AP104Aがオープンポールフレームをブロードキャストすることにより始まることができ、オープンポールフレームは、図6のDLメッセージ600と同様のフォーマットで送信され得る。いくつかの態様では、オープンポールフレームは、ペイロードを有しないことがある。オープンポールスロット246中の通信のための手順およびこれらの通信の結果として発生する他のプロセスは、図11図13に関して以下でさらに詳細に説明する。
【0049】
各ポーリングサイクル218は、固定数のブロードキャストスロット242およびオープンポールスロット246を有することができ、ポーリングサイクル218における残存スロット201は、ユニキャストスロット244として割り当てられ得る。ポーリングサイクル218では、各ブロードキャストストリームおよび各タイプA STA106は、AP104Aによって1回サービスされるだけでよいが、後続のポーリングサイクル218において再びサービスされてよい。ある態様では、異なるデータが後続のシステムサイクル202においてサービスされ得る。したがって、システムサイクル202は、AP104Aがブロードキャストストリームをサービスする頻度またはSTA106と通信する頻度に関係し得る。
【0050】
ポーリング期間段階206中に、ULOLATシステム(たとえば、ULOLATデバイス)がチャネルCH1を完全に占有し得る。たとえば、AP104Aはスロット201において、それらの間にギャップがまったくない状態で継続的に送信および受信することができる。したがって、いくつかの態様では、AP104AもいずれのSTA106も、ポーリング期間206中に送信する前にCCAを実行する必要がないことがある。この措置は、ULOLATの送信サイクルの最中にチャネルCH1をWi-Fiデバイス(たとえば、非ULOLATデバイス)が捕捉することを妨げ得る。ポーリング期間段階206の持続時間(Tpolling_period)は、ポーリングサイクル218の数(Npolling_cycle)とポーリングサイクル218の持続時間(Tpolling_cycle)との積に等しくなり得る。
【0051】
競合期間230中、ULOLATデバイス(AP104とSTA106の両方)は、チャネルCH1を使用する機会を他のデバイス(たとえば、Wi-Fi)に与えるためにサイレント状態にとどまる。競合期間230のデフォルト持続時間(Tcontention)は、ユーザ設定可能であり得、CCA段階212、GI段階、SUM段階216、およびポーリング期間段階206を合わせた総持続時間以上であり得る。いくつかの態様では、この長さの競合期間230を利用することで、時間的に重複する異なるチャネル上でのポーリング期間206を有することを回避し得る。しかしながら、競合期間230の実際の持続時間は、CCA段階212がポーリング期間206のデフォルト開始時間を越えて続く場合に、デフォルトの長さよりも短いことがある。システムサイクル202の持続時間(Tsystem_cycle)は、CCA段階212の持続時間、GI段階214の持続時間、SUMの送信時間(たとえば、SUM段階216の持続時間)、Tpolling_periodおよびTcontentionの合計に等しくなり得る。
【0052】
上記の説明は、全般的に第1のワイヤレス通信チャネルCH1上でのAP104Aを参照しながら説明されているが、同じ手順がAP104Bによって、ただし、第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で反復されてよい。たとえば、いくつかの態様では、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上でのAP104AによるULOLAT送信サイクル204中のスケジュールされた送信は、AP104Bによって第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で反復され得る。AP104Bによるこれらの反復送信は、AP104Aが競合期間230にある時間中に発生し得る。いくつかの態様では、第2のワイヤレス通信チャネルCH2上でのシステムサイクル202の開始は、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上での対応するシステムサイクル202の開始から時間的にオフセットされて始まり得る。いくつかの態様では、AP104Bのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218の持続時間は、AP104Aのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218の持続時間と同じまたは同等である。いくつかの態様では、図2に示すように、AP104Aのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218の持続時間がAP104Bのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218の持続時間に対して時間的にオフセットされていることを除いて、AP104Bのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218の持続時間は、AP104Aのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218の持続時間と同じまたは同等である。いくつかの態様では、図2に示すように、AP104Bのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218のフレーム構造は、AP104Aのためのシステムサイクル202またはポーリングサイクル218のフレーム構造と同じまたは同等である。この手順に関する追加の詳細は、図14Bに関して以下で与えられる。
【0053】
追加として、全般的にたった2つのAP104および2つのワイヤレス通信チャネルが、チャネルごとに1つのAP104とともに上記で説明されているが、ULOLATシステムは、任意の数のAPおよびワイヤレス通信チャネルを含むことがあり、2つ以上のAP104が同じワイヤレス通信チャネル上で通信していることがある。一態様では、ULOLATシステムは、各々が複数のワイヤレス通信チャネルのうちの1つで動作する、複数のAP104を含み得る。
【0054】
図3は、一実施形態による、例示的なAP300を示す機能ブロック図である。AP300は、サービングAP104の一例であり得、電子通信を生成または処理するためのモデム構成要素320、バックホールネットワークと通信するためのバックホールインターフェース360、およびSTA106と通信するためのトランシーバ370を含み得る。
【0055】
モデム構成要素320は、図2のチャネル構造内でDLおよびUL送信を実現するように構成され得る。図示のように、モデム構成要素320は、ワイヤレスチャネルが利用可能であるかどうかを判断するためのリッスンビフォアトーク(LBT)構成要素322、STA106がUL方向で送信し得るかどうかを示すためのポーリング構成要素324、UL送信に確認応答するための確認応答構成要素326、およびUL送信の持続時間が終了しているかどうかを判断するためのタイマー328を含み得る。モデム構成要素320は、物理(PHY)レイヤ構成要素340およびハンドオーバ構成要素350をさらに含み得る。
【0056】
LBT構成要素322は、たとえば、CCAまたは他のチャネル感知機構を使用することによって、図2のワイヤレス通信チャネルCH1またはCH2のうちの1つなどのワイヤレスチャネルが解放されているかどうかを判断するように構成され得る。一態様では、たとえば、LBT構成要素322は、任意の他のデバイスがワイヤレスチャネル上で送信しているかどうかを確かめるために、設定された時間期間にわたってワイヤレスチャネルをリッスンすることができる。チャネルが使用中である場合、LBT構成要素322は、送信を開始する前に待機するバックオフ時間期間を決定することができる。
【0057】
ポーリング構成要素324は、UL送信を開始するためにポーリングするSTA106を選択するように構成され得る。ポーリング構成要素324は、低レイテンシネットワーク(たとえば、図1のワイヤレス通信ネットワーク100)のレイテンシおよびスループットのニーズに基づいてポーリングを決定し得る。たとえば、一態様では、ポーリング構成要素324は、各STA106を周期的にポーリングするためにラウンドロビン手法を使用し得る。別の態様では、各STA106は、(たとえば、トラフィックデューティサイクルおよび遅延バジェットに基づいて)優先度を割り当てられ、優先度に従ってポーリングされ得る。ポーリング構成要素324はまた、DLトラフィック負荷に基づいてポーリングを決定し得る。たとえば、ポーリング構成要素324は、DLデータを迅速に送る必要があるときに、ポーリング情報なしにDL送信が送られ得ると判断し得る。別の態様では、ポーリング構成要素324は、STA106によって送信されるULデータのタイプを予測し得る。たとえば、ポーリング構成要素324は、STA106が低レイテンシデータを送信する可能性が高いか、もしくは通常のデータを送信する可能性が高いかを判断すること、またはULデータが管理メッセージもしくは制御メッセージである可能性が高いかどうかを判断することができる。予測は、たとえば、STA106に関連するUL送信パターンおよび/または以前のUL送信における指示(たとえば、モアデータフィールド)に基づき得る。ポーリング構成要素324は、メッセージ、たとえば、ブロードキャストメッセージ、ユニキャストポーリングメッセージ、またはオープンポールメッセージを作成するようにDLフレームのためのヘッダのフィールドを設定することによって、ポーリングを示し得る。たとえば、ポーリング構成要素324は、メッセージのフレームタイプフィールドまたはフレーム制御フィールドを特定の値に設定し得る。一態様では、ポーリング構成要素324は、(たとえば、参加手順中に)STAから受信されたフレームに基づいて、所与のSTAのための1つまたは複数のスロット(たとえば、図2のスロット201)を指定し得る。
【0058】
確認応答構成要素326は、UL送信が正常に受信されたときに確認応答を送信するように構成され得る。確認応答構成要素326は、UL送信に確認応答するためにDLフレームを生成し得る。確認応答構成要素326は、UL送信が誤って受信されたときに否定ACK(NACK)を送信することもできる。別の態様では、確認応答構成要素326は、メッセージの正常な受信に続いてACKを生成することによってメッセージに確認応答することができる。
【0059】
タイマー328は、UL送信の許容された持続時間が終了しているかどうかを判断するように構成され得る。一態様では、たとえば、タイマー328は、開始時間、停止時間、および/または持続時間を記憶するメモリを含み得る。一態様では、UL送信の持続時間は、可変的であり得、ポーリング構成要素324および/またはレート制御構成要素344によって判断され得る。一態様では、UL送信の持続時間は、ポーリング情報において送信され得る。タイマー328の持続時間は、所与のスケジュールされたスロットウィンドウのUL送信の許容された持続時間と同じであるか、またはそれよりも若干長くなるように構成され得る。タイマー328が終了したとき、タイマー328は、ポーリングする新しいSTA106または別のDLフレーム(たとえば、後続のブロードキャストフレームまたはオープンポールフレーム)を選択するようにポーリング構成要素324をトリガし得る。
【0060】
PHYレイヤ構成要素340は、変調レートおよび復号などの物理レイヤ送信特性を処理し得る。一態様では、PHYレイヤ構成要素340は、デコーダ342およびレート制御構成要素344を含み得る。デコーダ342は、トランシーバ370から信号を受信し、MAC PDUを決定することができる。一態様では、デコーダ342は、最も可能性が高い復号経路の尤度比のほか、1つまたは複数の代替復号経路の尤度比も提供するように構成され得る軟判定ビタビデコーダであり得る。デコーダ342は、受信された送信の信号対雑音比(SNR)を推定することもできる。デコーダ342は、受信されたフレームに基づく受信信号強度インジケータ(RSSI)、ならびに基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、および/または信号対干渉雑音比(SINR)を推定することもできる。
【0061】
レート制御構成要素344は、送信に使用する変調およびコーディング方式(MCS)を決定し得る。一態様では、レート制御構成要素344は、各STA106におけるレート制御構成要素460(図4)と通信していることがあり、MCSをシグナリングすること、および/またはシグナリングされたMCSを受信することがある。たとえば、レート制御構成要素344は、チャネル品質または要求されたMCSを示すシグナリングを受信し得る。レート制御構成要素344はまた、フレームエラーレートターゲットおよびSNRなどのチャネル状態に基づいてMCSを決定し得る。
【0062】
ハンドオーバ構成要素350は、AP300と近隣AP104との間のハンドオフを管理するように構成され得る。ハンドオーバ構成要素350は、バンド内メッセージを使用して関連STA106と通信し得る。たとえば、ハンドオーバ構成要素350は、ポーリング構成要素324がスケジュールするためのDLデータとしてハンドオフシグナリングを提供し得る。ハンドオーバ構成要素350は、AP300に関連するSTA106の各々に関する情報を記憶するためのSTAリスト352を含み得る。たとえば、STAリスト352は、各STA106からチャネル品質測定値を受信し得る。ハンドオーバ構成要素350は、STA106がAP300にハンドオーバされたときにSTAリスト352にSTA106を追加し、AP300がSTA106を近隣AP104にハンドオーバしたときにSTA106を除去することができる。ハンドオーバ構成要素350はまた、各近隣AP104に関する情報を記憶するための近隣リスト354を含み得る。たとえば、近隣リスト354は、STA106が近隣AP104に接続するために使用し得るチャネル、タイミング、または他の情報など、近隣AP104の特性を含み得る。ハンドオーバ構成要素350はまた、近隣AP104と様々なメッセージを送受信するために、バックホールインターフェース360に電子的に結合され得る。たとえば、ハンドオーバ構成要素350は、AP300がハンドオーバすることを希望するSTA106を識別する転送要求を送り、近隣AP104がSTA106のハンドオーバを受け付けているかどうかを示す転送応答を受信するために、バックホールインターフェース360を使用し得る。バックホールインターフェース360はまた、STA106がハンドオーバコマンドに確認応答しており、今や近隣AP104に関連付けられるべきであることを示すハンドオーバ更新メッセージを送信するために利用され得る。
【0063】
図4は、一実施形態による、例示的なワイヤレス局(STA)400を示す機能ブロック図である。STA400は、図1のSTA106の一例であり得る。STA400は、低レイテンシアプリケーションを実行し得るアプリケーションレイヤ415、ワイヤレス通信のMACレイヤ処理を管理するためのモデム構成要素420、および信号をワイヤレスに送信および受信するためのトランシーバ490を含み得る。
【0064】
アプリケーションレイヤ415は、1つまたは複数のアプリケーションを実行するためのプロセッサによって実行可能なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。一態様では、アプリケーションは、低レイテンシ通信を必要とする低レイテンシアプリケーションであり得る。たとえば、アプリケーションは、ロボットまたはドローンのための制御アプリケーションであり得る。アプリケーションレイヤ415は、ホストプロセッサを含むこと、またはホストプロセッサ上で実行されていること、およびモデムドライバを介してモデム構成要素420と通信することがある。一態様では、アプリケーションレイヤ415は、通信のレイテンシを最小化するように構成され得る。一態様では、たとえば、アプリケーションレイヤ415は、割込み軽減およびフレームアグリゲーションを無効化するようにモデムドライバを構成し得る。すなわち、アプリケーションレイヤ415は送信のためのデータを有するとき、アプリケーションレイヤ415はデータを、送信のためのデータとアグリゲートする追加のデータを待つことなく、モデム構成要素420に直ちに転送することができる。アプリケーションレイヤ415はまた、各フレームが受信されたときに、追加のフレームとのアグリゲーションを待つのではなく、モデム構成要素420から割込みを受信し得る。別の例として、アプリケーションレイヤ415は、モデム構成要素420との生ソケットを使用し得る。アプリケーションレイヤ415はMACレイヤフレーム(たとえば、MACサービスデータユニット(SDU))を、マルチレイヤカプセル化を使用してMACレイヤフレームを生成するのではなく、アプリケーション内で直接生成し得る。アプリケーションレイヤ415はプロセッサを、低電力モードに切り替えるのではなくパフォーマンスモードで実行することを続けることもできる。一態様では、アプリケーションレイヤ415は、受信されたトラフィックがSTA400向けであるかどうかにかかわらず、受信されたトラフィックをすべてアプリケーションレイヤ415に転送するように、モデム構成要素420をプロミスキャスモードに設定することができる。トラフィックの不断のストリームは、アプリケーショントラフィックが低いデューティサイクルを有するときでも、プロセッサが低電力モードに入ることを妨げ得る。別の態様では、アプリケーションレイヤ415は、非インフラストラクチャモードを使用し得る。非インフラストラクチャモードは、ビーコンおよび他の不必要なオーバーヘッドを除去し得る。非インフラストラクチャモードはまた、STA400に関連付けられないAP104からのフレームをSTA400が受信することを可能にし得る。たとえば、モデム構成要素420は受信されたフレームを、フレームに含まれる基本サービスセット識別子(BSSI)に関係なくアプリケーションレイヤ415に提供し得る。
【0065】
モデム構成要素420は、ワイヤレス通信のためのMACレイヤ処理を管理するためのプロセッサによって実行可能なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。一態様では、モデム構成要素420は、AP104との通信のための低レイテンシタイムシェアリング多重アクセスMACレイヤプロトコルを提供し得る。たとえば、モデム構成要素420は、図2に関して説明したチャネル構造に従って通信を実現し得る。モデム構成要素420は、ポーリングメッセージが受信されているかどうかを判断するための監視構成要素430、ポーリングメッセージに基づいてUL送信に関する特性を判断するためのポール受信構成要素432、DL送信に確認応答するための確認応答構成要素434、およびULデータフレームを送信するためのUL構成要素436を含み得る。モデム構成要素420はまた、DL送信を受信するためのDL構成要素450、変調レートまたはMCSを制御するためのレート制御構成要素460、低レイテンシネットワークに接続するためのブートアップ構成要素470、およびAP104間の移動性を管理するためのハンドオーバ構成要素480を含み得る。
【0066】
監視構成要素430は、ブロードキャストメッセージが受信されているか、ユニキャストポーリングメッセージが受信されているか、またはオープンポールメッセージが受信されているかを判断するように構成され得る。たとえば、この判断は、受信されたパケットのフレームタイプフィールドに含まれる情報に基づいて行われ得る。監視構成要素430は、図2のワイヤレス通信チャネルCH1などのサービングAP104のワイヤレスチャネルを監視し得る。特に、監視構成要素430は、たとえば、オープンポールメッセージを示す値に設定されたフレームタイプフィールド値を有する、フレームタイプを示すヘッダを含むDLフレームがないか監視し得る。一態様では、ワイヤレスチャネルは非同期であり得、監視構成要素430はワイヤレスチャネルを常時監視し得る。別の態様では、監視構成要素430は、メッセージが受信される可能性が低い時間期間を判断することが可能であり得る。たとえば、ユニキャストポーリングメッセージは、大きいDL送信またはUL送信のための長い持続時間を有する別の局のためのユニキャストポーリングメッセージの後に来ている可能性は低いことがある。したがって、監視構成要素430は、次のポーリングメッセージが予想される前に他のアクションが実行され得ることを示し得る。たとえば、STA400は、近隣AP104の信号強度を判断するために別のワイヤレスチャネルに対する測定を実行し得る。
【0067】
ポール受信構成要素432は、受信されたユニキャストポーリングメッセージまたはオープンポールメッセージに基づいて、UL送信特性を判断するように構成され得る。一態様では、いずれのメッセージも、許容された送信持続時間および/または送信に使用するMCSを含み得る。ポール受信構成要素432は、そのようなUL送信特性を受信されたメッセージから抽出し得る。
【0068】
確認応答構成要素434は、DLフレームに確認応答するように構成され得る。たとえば、確認応答構成要素434は、ACKを生成することによって、受信されたメッセージに確認応答し得る。確認応答構成要素434はまた、NACKを生成することによって、受信されたメッセージに否定的に確認応答し得る。確認応答構成要素434はまた、ポーリング情報または任意の他のメッセージを含まないDLフレームのためのACK/NACKを生成し得る。
【0069】
UL構成要素436は、STA400のUL送信を管理するように構成され得る。UL構成要素436は、アプリケーションレイヤ415からULデータを受信し、ULデータを一時的に記憶することができる。UL構成要素436は、受信されたメッセージにおいてSTA400に割り当てられた持続時間およびレート制御構成要素460によって決定されたMCSに基づいて、時間期間(たとえば、スロット201)中にどのデータを送信するかを決定し得る。UL構成要素436は、トランシーバ490にUL送信データを提供し得る。
【0070】
DL構成要素450は、AP104からDL送信を受信するように構成され得る。DL送信は、DLフレームにおいて受信され得、これはポーリングメッセージ、およびオープンポールメッセージ、またはブロードキャストメッセージであり得る。DL構成要素450はデコーダ452を含み得る。デコーダ452は、DLフレームがSTA400向けであるかどうかを判断するために、DLフレームのヘッダ部分を最初に復号し得る。DLフレームの宛先アドレスがSTA400の宛先アドレスと合致する場合、デコーダ452はSTA400向けのDLフレームを復号し得る。
【0071】
レート制御構成要素460は、STA400のための変調レートおよび/またはMCSを決定するように構成され得る。一態様では、レート制御構成要素460は、AP300のレート制御構成要素344と通信していることがある。たとえば、レート制御構成要素460は、DLフレームにとって望ましいMCSを、以前受信されたDLフレームに基づいて決定し、レート制御構成要素344にMCSインデックスを提供し得る。レート制御構成要素460はまた、UL送信に使用するポーリング情報においてMCS情報を受信し得る。レート制御構成要素460は、DLフレームを復号するために使用するDLフレームのヘッダにおいてMCSを受信し得る。
【0072】
ブートアップ構成要素470は、低レイテンシネットワークに参加するために、STA400を認証AP104に接続するように構成され得る。ブートアップ構成要素470は、認証AP104に接続するためにブートアップチャネル上でオープンポールメッセージをSTA400が受信したことに応答して、参加メッセージを送信することによって、AP104からのオープンポールメッセージへの応答を実行し得る。ブートアップ構成要素470は、次いで、STA400が低レイテンシネットワークへのアクセスを許容されることを確認するために、認証手順を実行し得る。認証AP104は、次いで、サービングAP104にSTA400をハンドオーバし得る。STA400がサービングAP104から切り離された場合、ブートアップ構成要素470は、認証AP104を介して低レイテンシネットワークに再接続し得る。いくつかの態様では、認証AP104は、サービングAP104と同じであり得る。ブートアップ構成要素470はまた、STA400を省電力モード(PSM)に、およびPSMから切り替えるように構成され得る。省電力モード(PSM)ではワイヤレス局は低電力状態で動作する。
【0073】
ハンドオーバ構成要素480は、低レイテンシネットワーク内でSTA400の移動性を管理するように構成され得る。たとえば、ハンドオーバ構成要素480は、ハンドオフプロセスを実施するためにAP300のハンドオーバ構成要素350と通信し得る。ハンドオーバ構成要素480は、近隣AP104のチャネル品質または信号強度を測定するように構成され得る。ハンドオーバ構成要素480は、近隣AP104のうちの1つへのハンドオーバがいつ発生すべきかを判断し得、またはハンドオーバ構成要素480は、現在のサービングAP104にチャネル品質を報告し得る。一態様では、ハンドオーバ構成要素480は、測定を実行するための専用トランシーバ(図示せず)を含み得る。専用トランシーバは、STA400とサービングAP104との間の通信を中断することなく、近隣AP104によって使用されるワイヤレスチャネルに合わせられる。たとえば、ハンドオーバ構成要素480は、ターゲットAP300のポーリング構成要素324がスケジュールするためのULデータとしてハンドオフシグナリングを提供し得る。ハンドオーバ構成要素480は、チャネル品質測定に基づいてSTA400のハンドオーバを実行するかどうかを決定し得る。ハンドオーバ構成要素480はまた、各近隣AP104に関する情報を記憶するための近隣リスト482を含み得る。たとえば、近隣リスト482は、STA400が近隣AP104に接続するために使用し得るチャネル、タイミング、または他の情報など、近隣AP104の特性を含み得る。近隣リスト482はSTA400によって、受信されたSUMのMACレイヤヘッダにおいて受信され得る。
【0074】
図5は、一実施形態による、例示的なSUM500フレームフォーマットを示すブロック図である。図示のように、SUM500フレームフォーマットは、802.11PHYヘッダ502、802.11MACヘッダ504、フレームタイプ506、プロトコルバージョン508、レートパラメータ510、次のSUMまでの予想時間512、送信時間オフセット514、近隣リスト516、802.11フレームチェックシーケンス(FCS)518を含み得る。様々な実施形態では、SUM500フレームフォーマットはペイロードを含まない。
【0075】
802.11PHYヘッダ502および802.11MACヘッダ504は、802.11フォーマットに従って実装され得、SUM500自体の送信に関する情報を含み得る。フレームタイプ506は、8ビット(1バイト)を含むことができ、SUM500のフレームタイプを示し得る。いくつかの態様では、フレームタイプ506は、図15Aに記載された値に従って実装され得る。たとえば、「0x03」の値は、メッセージがSUMであることを示し得る。プロトコルバージョン508は、4ビットを含むことができ、システムによって実行されるプロトコルを示し得る。レートパラメータ510は、4ビットを含むことができ、すべてのSTA106によってそれらの送信に使用されるMCSインデックスを示し得る。いくつかの態様では、ULOLATプロトコルに従って送信されるフレームのすべてまたは少なくとも一部分は、レートパラメータ510において示される固定データレートで送信され得る。これらの態様によれば、データレートはレート制御アルゴリズムによって動的に調整されなくてよい。様々な実施形態では、MCSは、個々の展開シナリオに基づいて変更され得る。
【0076】
次のSUMまでの予想時間512は、16ビットを含むことができ、送信されている現在のSUM500の実際の開始時間に対して、PHYにおいて使用されるシンボル時間の単位で、次のSUMまでの予想時間を示し得る。送信時間オフセット514は、16ビットを含むことができ、送信されているSUM500の実際の送信時間とデフォルト送信時間との間の差を示し得る。
【0077】
図示のように、近隣リスト516は、8の倍数であり得る、可変数のビットを含み得る。近隣リスト516は、可変数のエントリを含むことができ、現在セル102によって使用されるチャネルのインデックス、ならびに基本サービスセット識別子(BSSID)および近隣セル102において使用されるチャネルのインデックスを提供し得る。図示のように、近隣リスト516は、近隣リスト516にパラメータが含まれるセルの数を示す4ビットを含み得る、セルの数562の指示を含み得る。近隣リスト516は、各セルが有するチャネルの数(Nchannel)を示す4ビットを含み得る、セルごとのチャネルの数564をさらに含み得る。近隣リスト516は、第1の現在チャネルインデックス566、および第2の現在チャネルインデックス568から第Nの現在セルチャネルインデックス570までをさらに含むことができ、NはNchannelに対応し得る。チャネルインデックス566~570の各々は、現在セル102によって使用されるチャネルへのインデックスを示す8ビットを含み得る。近隣セル102ごとに、近隣リスト516は、近隣セル102のBSSID572の48ビット指示および近隣セル102に関するNchannel個のインデックス574~578をさらに含み得る。802.11 FCS 518は、802.11規格に従って実装され得、SUMの受信側によって、送信中にフレームにおいてエラーが発生したかどうかを確認するために使用され得る。
【0078】
図6は、一実施形態による、例示的なDLメッセージ600フレームフォーマットを示すブロック図である。図示のように、DLメッセージ600フレームフォーマットは、802.11PHYヘッダ602、802.11MACヘッダ604、フレームタイプ606、シーケンス番号608、次のフレームまでの時間610、スロットインデックス612、ポーリングサイクルインデックス614、ペイロードサイズ616、ペイロード618、パディング620、および802.11FCS622を含み得る。802.11PHYヘッダ602、802.11MACヘッダ604、および802.11FCS622は、上記で説明したSUM500のそれぞれの部分と同様であり得る。
【0079】
フレームタイプ606は、長さが8ビットであり得、DLメッセージ600が含むフレームのタイプを示し得る。たとえば、フレームタイプ606は、DLメッセージ600がオープンポールメッセージであることを示す値「0x04」を含み得る。シーケンス番号608は、16ビットを含むことができ、重複メッセージを防ぐために使用され得るか、またはDLメッセージ600を識別するために受信側STA106によって利用され得る、DLメッセージ600のシーケンス番号を示し得る。いくつかの態様では、シーケンス番号608の値は、STA106に送信される第1のフレームに関して0に初期化され、各後続フレームにおいて1ずつ増分され得る。
【0080】
次のフレームまでの時間610は、16ビットを含むことができ、次のフレームが送信される前のシンボルの数を示し得る。次のフレームまでの時間610の値が0である場合、受信側STA106はそれを無視し得る。スロットインデックス612は、長さが8ビットであり得、現在のDLメッセージ600が送られているスロットへのインデックスを提供し得る。いくつかの態様では、スロットインデックス612は、0から始まり得、ポーリングサイクル218にわたって連続し得る。ポーリングサイクルインデックス614は、2ビットを含むことができ、DLメッセージ600自体が送られているポーリングサイクル218へのインデックスを提供し得る。ポーリングサイクルインデックス614およびスロットインデックス612は合わせて、システムサイクル202におけるスロット201のロケーションを一意に識別することができる。ポーリングサイクルインデックス614は、0から始まり、ポーリングサイクル218において連続し得る。
【0081】
ペイロードサイズ616は、14ビットを含むことができ、ペイロード618のサイズをバイト単位で示し得る。ペイロード618がDLメッセージ600の一部として送信されないとき、ペイロードサイズ616は、ペイロード618のサイズが0であることを示し得る。ペイロード618は、可変数のビットを含むことができ、アプリケーションデータなど、AP104がSTA106に送信しようと試みているデータを含み得る。パディング620は可変数のビットを含むことができ、これを使用してDLメッセージ600の長さを拡張して、スロット201の残存時間またはその少なくとも一部分を埋め、チャネルの完全占有を続けることができる。
【0082】
図7は、一実施形態による、例示的なULメッセージ700フレームフォーマットを示すブロック図である。図示のように、ULメッセージ700フレームフォーマットは、802.11PHYヘッダ702、802.11MACヘッダ704、フレームタイプ706、シーケンス番号708、ペイロードサイズ710、ペイロード712、パディング714、および802.11FCS716を含み得る。802.11PHYヘッダ702、802.11MACヘッダ704、および802.11FCS716は、上記で説明したSUM500のそれぞれの部分と同様であり得る。
【0083】
フレームタイプ706は、長さが8ビットであり得、ULメッセージ700が含むフレームのタイプを示し得る。たとえば、フレームタイプ706は、ULメッセージ700が(タイプA STA106の)参加メッセージであることを示す値「0x05」を含み得る。シーケンス番号708は、16ビットを含むことができ、重複メッセージを防ぐために使用され得るか、またはULメッセージ700を識別するために受信側AP104によって利用され得る、ULメッセージ700のシーケンス番号を示し得る。いくつかの態様では、シーケンス番号708の値は、AP104に送信される第1のフレームに関して0に初期化され、各後続フレームにおいて1ずつ増分され得る。
【0084】
ペイロードサイズ710は、16ビットを含むことができ、ペイロード712のサイズをバイト単位で示し得る。ペイロード712がULメッセージ700の一部として送信されないとき、ペイロードサイズ710は、ペイロード712のサイズが0であることを示し得る。ペイロード712は、可変数のビットを含むことができ、アプリケーションデータなど、STA106がAP104に送信しようと試みているデータを含み得る。パディング714は可変数のビットを含むことができ、これを使用してULメッセージ700の長さを拡張して、スロット201の残存時間またはその少なくとも一部分を埋め、チャネルの完全占有を続けることができる。
【0085】
図8は、一実施形態による、例示的なフィラーフレーム720フォーマットを示すブロック図である。図示のように、フィラーフレーム720フォーマットは、802.11PHYヘッダ722、802.11MACヘッダ724、フレームタイプ726、パディング728、および802.11FCS730を含み得る。図示のように、フィラーフレーム720はペイロードを含まなくてよい。802.11PHYヘッダ722、802.11MACヘッダ724、および802.11FCS730は、上記で説明したSUM500のそれぞれの部分と同様であり得る。
【0086】
フレームタイプ726は、長さが8ビットであり得、フィラーフレーム720が含むフレームのタイプを示し得る。たとえば、フレームタイプ726は、フィラーフレーム720がフィラーフレームであることを示す値「0x02」を含み得る。パディング728は可変数のビットを含むことができ、これを使用してフィラーフレーム720の長さを拡張して、スロット201の残存時間またはその少なくとも一部分を埋め、チャネルの完全占有を続けることができる。いくつかの態様では、フィラーフレーム720は、DIFSよりも長いチャネル時間のギャップを埋めるために送信され得る。
【0087】
図9は、一実施形態による、例示的なバックホールメッセージ740フレームフォーマットを示すブロック図である。図示のように、バックホールメッセージ740フレームフォーマットは、イーサネットフレームヘッダ742、プロトコルバージョン744、メッセージタイプ746、シーケンス番号748、パラメータ750、FCS752、および終了デリミタ754を含み得る。イーサネットフレームヘッダ742は、バックホールメッセージ740自体の送信に使用する情報を含み得る。
【0088】
プロトコルバージョン744は、長さが4ビットであり得、システムによって使用されるプロトコルのバージョンを示し得る。メッセージタイプ746は、4ビットを含むことができ、バックホールメッセージ740が含むメッセージのタイプを識別し得る。いくつかの態様では、図15Bのテーブルに記載された値が、この情報を提供するために利用され得る。たとえば、メッセージタイプ746は、バックホールメッセージ740がデータメッセージであることを示す値「0x00」を含み得る。
【0089】
シーケンス番号748は、16ビットを含むことができ、重複メッセージを防ぐために使用され得るか、またはバックホールメッセージ740を識別するために受信側AP104によって利用され得る、バックホールメッセージ740のシーケンス番号を示し得る。いくつかの態様では、シーケンス番号748の値は、AP104によって送信される各メッセージタイプ746の第1のフレームに関して0に初期化され、各後続フレームにおいて1ずつ増分され得る。いくつかの態様では、送信側AP104は、ブロードキャストメッセージを含む、各宛先アドレスに送るメッセージのタイプごとにシーケンス番号ストリームを維持することができる。パラメータ750は、ハンドオフ情報など、あるAP104が別のAP104に伝達しようと試みる情報を含み得る。FCS752は、バックホールメッセージ740の送信にエラーがあるかどうかを判断するために利用され得る。終了デリミタ754は、バックホールメッセージ740の終了を定めるために使用され得る。
【0090】
図10は、一実施形態による、例示的なデータ交換800を示すタイミング図を示す。図示のように、データ交換800は、図1のAP104とSTA106との間で発生し得る。一実施形態では、データ交換800は、図2のユニキャストスロット244内で発生し得る。
【0091】
データ交換800は、AP104による宛先STA106へのポール802の送信により始まり得る。ポール802は、図6のDLメッセージ600のフレームフォーマットに従って送信されてよく、ペイロードを含むこと、または含まないことがある。ポール802を正常に受信したことに応答して、STA106は、ACKを送信するように構成され得る。いくつかの態様では、AP104が指定時間期間(たとえば、30μs)の前に予想されるACKを受信しなかった場合、AP104は、タイムアウトすることができ、再送信ポール804として再びポール802を送信することができる。一実施形態では、再送信ポール804の送信の後に、再びACKタイムアウトの後、STA106からACKが受信されておらず、スロット201の終了までの時間がDIFSよりも長い場合、AP104は、スロット201の残存時間を埋めるためにフィラーフレームを送ることができる。
【0092】
AP104がACK822を受信した場合、AP104は、STA106からのULフレームを待つことができる。条件付きで、ACK822の受信と予想されるULフレームの開始との間の遅延が(たとえば、40μs以上として示される)DIFSよりも長いと判断された場合、AP104は、STAのACK822の後、フィラーフレーム806を送ることができる。一実施形態では、フィラーフレーム806の送信時間は、この遅延をカバーするのにちょうど十分なものであり得る。他のデバイスは40μsを上回るCCAしきい値(たとえば、45μs)を利用し得るので、フィラーフレーム806の送信は、他のデバイスがチャネルを捕捉するのを妨げることができる。
【0093】
フィラーフレーム806を送信した後、STA106は返信824を送信しようと試み得、返信824は、図7のULメッセージ700フレームフォーマットに従って送信され得る。しかしながら、送信エラーが存在することがあり、AP104は返信824を受信しないことがある。したがって、STA106がある時間量の後、ACKを受信していない場合、STA106は、タイムアウトすることができ、再送信返信826として再び返信824を送信することができる。STA106が送るべきデータを有しない場合、STA106は、チャネルの占有を続けるために使用され得る、通常のアプリケーションデータと同じサイズであるペイロードを伴うフィラーフレームを返送することができる。AP104は、STA106から再送信返信826を受信することがあり、それを正常に受信すると、AP104は、ACK808によりSTA106に返信することができる。その後、スロット201の終了までの時間がDIFSよりも長いと予想される場合、AP104は、スロット201の残存時間を埋めるためにフィラーフレーム810を送ることができる。いくつかの態様では、再送信返信826を送信した後に、ACKタイムアウトの後、AP104からACKが受信されておらず、スロット201の終了までの時間がDIFSよりも長い場合、STA106は、スロット201の残存時間を埋めるためにフィラーフレームを送ることができる。
【0094】
STA106がULOLATシステムに参加することを望む場合、STA106は最初に、(たとえば、平均RSSIにおいて測定される)最強信号強度を有するAP104を発見するまで潜在的チャネルを走査することができる。いくつかの態様では、STA106は、動作チャネルのセットにより構成され得る(たとえば、STA106は、図2のワイヤレス通信チャネルCH1およびCH2が存在することを知っていることがある)。一実施形態では、STA106がブートアップしているとき、STA106は、それの候補動作チャネルの各々を走査し、次いで、最良の候補AP104を発見した後、参加するAP104を選択することができる。たとえば、チャネル上にあるとき、STA106は、「プロミスキャスモード」で動作し、任意のULOLAT AP104からのDLフレームまたは他のメッセージがないかリッスンし得る。AP104からメッセージが受信されたとき、STA106は、チャネルのRSSIを測定し、送信側AP104のアドレスを認識することができる。STA106は、同じチャネル上で2つ以上のAP104からメッセージを受信し得る。
【0095】
いくつかの態様では、STA106は、ブートアップ手順中にチャネルのRSSIを測定するために、少なくとも最小持続時間Tinitにわたってチャネル上にとどまることができる。一実施形態では、Tinitは、1秒、または10msを上回る任意の時間量であり得る。この期間の終了時に、STA106は、STA106がフレームを受信したあらゆるAP104の平均RSSIを計算することができる。STA106がそれの候補チャネルのすべてを走査した後、STA106は、参加手順を実行するために最高平均RSSIを有するAP104を選択することができる。一実施形態では、STA106がNrecovery個の連続するシステムサイクル202の間に、それの現在のAP104からSUMを受信しなかった場合、STA106は、STA106が現在のAP104への接続を失ったと仮定し、参加する新しいAP104を発見するために上述のブートアップ手順を実行することができる。一実施形態では、Nrecoveryは、20のデフォルトに設定されてよく、いくつかの態様では10以上であり得る。
【0096】
参加するAP104をSTA106が選択すると、STA106は、図5のSUM500などのSUMを受信するまで、選択されたAP104からのDLフレームがないかリッスンすることができる。このSUMから、STA106は、それの送信にどのMCSを使用するか、およびAP104を含むセル102のためのチャネルセットなど、システムについての基本情報を抽出することができる。SUMを受信した後、STA106は、オープンポールメッセージを受信するまで監視またはリッスンすることができる。たとえば、図11は、一実施形態による、例示的な参加手順メッセージ送信900を示すタイミング図を示す。
【0097】
参加手順の一部として、AP104は最初に、オープンポールメッセージ902を送信し得る。AP104は、オープンポールメッセージ902を送った後、長さTjoinでタイマーを開始し、STA106から返信(たとえば、参加メッセージ910)を受信するまで待つことができる。Tjoinの持続時間は、STA106における処理遅延と参加フレームの送信時間との合計よりも長くてよい。一実施形態では、Tjoinは、68μsのデフォルト値に設定されてよく、いくつかの態様では20μs以上であり得る。STA106における処理遅延がDIFSよりも長いと予想される場合、AP104は、オープンポールメッセージ902を送信した後にフィラーフレーム904を送信することができ、フィラーフレーム904の送信時間は、処理遅延をカバーするのに十分な長さである。
【0098】
確率pjoinにより、STA106は参加メッセージ910によりAP104に返信することができる。一実施形態では、pjoinは、0から1までの範囲にあり得、0.5のデフォルト値に設定されることもある。いくつかの態様では、参加メッセージ910は、STA106がタイプA STA106として参加することを要求しているか、またはタイプB STA106として参加することを要求しているかを示すように設定されたフレームタイプ706を有する図7のULメッセージ700と同様であり得る。それ以外は、STA106は、次のオープンポールフレームを受信した後に再び参加しようと試みることができる。
【0099】
Tjoinが終了するまでに参加メッセージが正常に受信されなかった場合、AP104は、スロット201の残余時間が最短フレームの送信時間またはDIFSよりも短い場合を除いて、スロット201の終了までチャネルの占有を続けるためにフィラーフレームを送信することができる。たとえば、図12は、一実施形態による、例示的な参加手順メッセージ交換920を示すタイミング図を示す。図示のように、参加手順の一部として、AP104は、上記で説明した手順と同様のオープンポールメッセージ922およびフィラーフレーム924を送信し得る。しかしながら、Tjoinに設定されたタイマーが終了した後でも、AP104は参加要求を受信していないことがある。したがって、Tjoinの終了に応答して、AP104は、スロット201の残りの間はチャネルを占有するために、フィラーフレーム926を送信し得る。
【0100】
再び図11を参照すると、参加メッセージ910がAPによって正常に受信された場合、APはレイヤ2ACK906をSTAに返送することができる。STA106が参加メッセージ910を送った後、STA106は、ACKタイムアウトの終了前にレイヤ2ACK906を受信し得、これは、STA106の参加要求が成功していることを示し得る。STA106は、現在のチャネル上にとどまり、AP104の認証要求がないかリッスンすることができる。ACKタイムアウトの終了前にACKが受信されなかった場合、STA106は、それの参加要求が失敗していると判断し得る。この場合、STA106は、参加メッセージ910を1回再送信し得る。
【0101】
たとえば、図13は、一実施形態による、例示的な参加手順メッセージ交換950を示すタイミング図を示す。メッセージ交換の一部として、AP104は、上記で説明したように、オープンポールフレーム952を送信し、(たとえば、参加要求の予想終了時間の後にSIFSを終了させるように設定される)Tjoinの持続時間を設定し、フィラーフレーム954を送信し得る。その後、2つのSTA106Aおよび106Bは、両方が参加要求962および972を送信することによって、アクセスを求めて競合し得る。この場合、AP104は、2つのSTA106がそれらの要求を同時に送っているので、いずれかの要求を復号することに失敗することがある。したがって、AP104は、Tjoinが終了するとフィラーフレーム956を送り得る。いくつかの態様では、STA106Aおよび106Bは、ACKタイムアウトの後、それらの参加メッセージを再送信964および974として再送信し得、結果として再び衝突が生じることがある。
【0102】
STA106が現在のスロット201の終了までにACKの受信に成功しなかった場合、STA106は、再試行限界(Njoin)に達するまで、次のオープンポールフレームを受信した後に再び試みることができる。一実施形態では、Njoinは、5のデフォルト値に設定されてよく、いくつかの態様では1以上であり得る。再試行限界に達したとき、(たとえば、STA106を介して)アプリケーションにエラー指示が送られ得る。
【0103】
再び図11を参照すると、STAによる参加要求が成功したが、AP104の能力を超える場合、APは、STA106への拒否メッセージをSTA106に送ることができ、拒否メッセージは、図6のDLメッセージ600のフレームフォーマットに従って送信され得る。いくつかの態様では、拒否メッセージは、次のシステムサイクル202中の割り当てられていないスロット201において送信され得、ペイロードが、拒否の理由を示すエラーコードを含み得る。そうではなく、AP104がSTA106のための能力を有する場合、AP104は、STA106の認証を実行するために予備のスロット201(割り当てられていないユニキャストスロット244またはオープンポールスロット246のいずれか)を使用することができる。一実施形態では、認証は、IEEE802.11で概説されているPSKベースの認証手順と同様であり得る。
【0104】
STA106が認証テストに失敗した場合、STA106は、エラー指示を上位レイヤアプリケーションに送ることができる。STA106がAP104の認証要求に応答することができなかった場合、たとえば、AP104がSTA106にACK906を送信したが、ACK906が失われた場合、AP104は、STA106のための参加手順を中止することができる。STA106が認証テストに無事合格した場合、AP104は、STA106に受付メッセージを送ることができ、受付メッセージは、図6のDLメッセージ600フレームフォーマットに従って送信され得る。その後、AP104は、1つまたは複数のブロードキャストスロット242および1つまたは複数のユニキャストスロット244をSTA106に割り当てることができる。これらのブロードキャストスロット242およびユニキャストスロット244は、スロットインデックスによって参照され得、これは、STA106が加入しているブロードキャストグループおよびユニキャストスロットに対応し得る。認証されたSTA106がタイプA STA106である場合、AP104は、STA106をそれのスケジューリングリストに追加し得る。
【0105】
STA106が認証された後、AP104は、(同じワイヤレス通信セル102におけるそれのピアAP104を含む)すべての他のAP104にメッセージをブロードキャストすることができる。このブロードキャストメッセージは、メッセージが受付メッセージであることを示すように設定されたメッセージタイプ746を有するバックホールメッセージ740であり得る。この受付メッセージは、STA106のMACアドレスおよび暗号キー、ならびに第1のフレームのシーケンス番号を含むことができる。STA106がタイプAである場合、受付メッセージは、STAに割り当てられたスロット201インデックスを含むこともできる。このスロット201インデックスは、同じワイヤレス通信セルにおけるピアAP104によってのみ使用されてよく、他のセル102におけるAP104は、このインデックスを無視し得る。このメッセージを受信すると、他のAP104はSTA106をそれらのアクセスリストに追加することができる。
【0106】
STA106を構成する際のユーザの努力を軽減するために、STA106によって使用される構成パラメータが、認証手順の後、かつデータ交換開始の前に、OTAプロビジョニングされ得る。OTAプロビジョニング中、STA106は、認証に使用された同じチャネル上にとどまり、AP104からのフレームがないかリッスンし続けることができる。
【0107】
OTAプロビジョニングされた構成パラメータのセットが、下のTable 1(表1)に記載されている。これらのパラメータの長さは、あらかじめ規定され得る。
【0108】
【表1A】
【0109】
【表1B】
【0110】
いくつかの態様では、STA106がタイプA STAである場合、STA106に割り当てられたユニキャストスロット244において、ユニキャストによって1つまたは複数のフレームにおいてSTA106にOTAパラメータが配信され得る。いくつかの態様では、STA106がタイプB STA106である場合、割り当てられていないスロット201においてSTA106にOTAパラメータが配信され得る。様々な態様では、メッセージがOTAプロビジョニングのためのものであることを示すように設定されたフレームタイプ606を有する図6のDLメッセージ600においてOTAパラメータが送信され得る。これらのメッセージのペイロードは、下のTable 2(表2)に従って構成され得る。
【0111】
【表2】
【0112】
OTAプロビジョニング情報を伴うメッセージを受信した後、STAは、ACKを返送することができ、ACKは、メッセージがOTAプロビジョニングACKであることを示すように設定されたフレームタイプ706を有する図7のULメッセージ700のフォーマットに従って送信され得る。OTAプロビジョニング情報を伴う送信されたメッセージのACKをAP104が受信しなかった場合、AP104は、ACKが受信されるまでメッセージを再送することができる。
【0113】
OTAプロビジョニング手順が完了すると、AP104は、同じワイヤレス通信セル102におけるそれのピアAP104に通知メッセージを送ることができ、その後、セル102におけるAP104のすべてがSTA106をポーリングし始めることができる。この通知メッセージは、メッセージがデータ開始メッセージであることを示すように設定されたメッセージタイプを有するバックホールメッセージ740であり得る。
【0114】
参加手順、後続認証、およびOTAプロビジョニング手順が同じチャネル上で実行され得る。いくつかの態様では、STA106は、手順が完了するまでこの同じチャネルをリッスンし続けることができる。その後、STA106は、それの現在セル102の1次チャネルに切り替え、チャネルアクセスプロトコルを開始することができる。
【0115】
チャネルアクセスプロトコルの一部として、AP104は、図2に関して上記で説明したように、システムサイクル202におけるCCA段階212、GI214、SUM段階216、ポーリング期間206、および競合期間230を巡回することができる。加えて、AP104は、干渉が存在しない場合のシステムサイクル202の開始時間を指し得る、各システムサイクル202のデフォルト開始時間を計算し得る。デフォルト開始時間に、1次チャネルは、システムサイクルが始まる第1のチャネルであり、次いで2次チャネルであり、以下同様である。たとえば、図2のチャネルCH1は1次チャネルであり得、チャネルCH2は2次チャネルであり得る。2次チャネル上のシステムサイクル202のデフォルト開始時間は、1次チャネル上の同じシステムサイクル202におけるポーリング期間206の終了後であり得る。デフォルト競合期間230の持続時間は、異なるチャネル上のポーリング期間206の間に重複がないように選択され得る(たとえば、それは、すべてのチャネル上のポーリング期間206の合計以上であり得る)。AP104は、構成またはプロビジョニングを通じてそれの送信順序およびそれのチャネルインデックスを知ることができる。
【0116】
システムサイクル202の実際の開始時間は、先行する競合期間230における干渉がそれの境界を越えて続く場合、システムサイクル202のデフォルト開始時間よりも遅くなり得る。「S(c, n)」という名称は、チャネルc上の第nのシステムサイクルのデフォルト開始時間を指すことができ、「T(c, n)」は、チャネルc上の第nのシステムサイクルの実際の開始時間を指すことができる。いくつかの態様では、低順位チャネル(lower-order channel)は、それらのS(c, n)をS(0, n)に基づいて計算することができる。たとえば、セル102では、1次チャネル上のAP104は、デフォルト開始時間を設定する際の先導者として機能することができる。S(0, n)において、1次AP104は、バックホールを介してそれのピアAP104に(たとえば、メッセージがシステムサイクル開始メッセージであることを示すように設定されたメッセージタイプ746を有する)バックホールメッセージ740を送ることができる。他のAP104は、このメッセージを受信したとき、それらの受信時間を使用してS(0, n)を概算する(たとえば、それを、バックホールでの予想遅延によってオフセットする)ことができる。その後、AP104は、この概算を参照として使用して、それら自体のS(c, n)を計算することができる。いくつかの態様では、メッセージがバックホールを通過したときのランダム遅延があり得る。しかしながら、この遅延がプロトコルにおける他の構成要素と比較して小さいことがあるので、またはシステムサイクル202が常に低順位チャネル上で後に始まるので、この遅延は、S(c, n)を遅らせる特別な種類の干渉として扱われてよく、したがって、プロトコルの働きに十分に影響を与えることはない。
【0117】
一実施形態では、AP104は、それらの実際の開始時間(T(c, n))の値を互いに知らせない。AP104は一般に、少なくともULOLATデバイスに関して、競合期間230中はそれらの送信を保留し得る。いくつかの態様では、競合期間230におけるWi-Fi送信が次のシステムサイクル202のULOLAT AP104のデフォルト開始時間を越えて続く場合、ULOLAT AP104は、Wi-Fi送信が終了するのを待つことを求められ得る。これらの態様によれば、ULOLAT AP104は、それの後続システムサイクル202のデフォルトスケジュールを維持するために、それの競合期間230の持続時間を減らすことができる。第nのポーリング期間の終了がS(c, n+1)を越えた場合、ULOLAT AP104は、ULOLAT送信サイクル204とULOLAT送信サイクル204との間に競合期間230なしで送信を続けることができる。
【0118】
たとえば、図14Aは、一実施形態による、反復サイクルの例示的な送信を示すタイミング図1000を示す。図示のように、ULOLAT AP104は、デフォルト開始時間に等しい実際の開始時間を有する第1のシステムサイクル1002を送信し得る。しかしながら、Wi-Fiバースト送信1004は、第2のシステムサイクル1006のデフォルト開始時間S(c, 2)をシステムサイクルの半分以上遅らせることがあり、これはひいては、第3のシステムサイクルの1008のデフォルト開始時間S(c, 3)に影響を与える。この場合、AP104は、第2のシステムサイクル1006を終えた後、競合期間を一切挟むことなく第3のシステムサイクルの1008を開始することができる。
【0119】
いくつかの態様では、第nのポーリング期間の終了とS(c, n+1)との間に短いギャップ(設定可能なしきい値)のみがある場合、AP104は、Wi-Fiデバイスがこのギャップを使用してチャネルを捕捉するのを防ぐために、このギャップ中にオープンポールスロット246および/またはフィラーフレームのいずれかを送信することができる。AP104は、DLメッセージ600を送るとき、フレームヘッダにおいて、次のフレームまでの時間610を、現在時間から次のシステムサイクル202における最も早い将来のポーリングサイクル218における同じスロット201の予想開始時間までの時間量に設定することができる。AP104がSUM500を送るとき、フレームヘッダにおける次のSUMまでの時間512は、S(c, n+1)とT(c, n)との間の差に設定され得る。いくつかの態様では、AP104は、フレームヘッダにおける送信時間オフセット514をT(c, n)-S(c, n)の値に設定し得る。
【0120】
スリープモードが有効である場合、第nのシステムサイクルにおいてSUM500を送るとき、AP104は、それの次のSUMまでの時間512を、現在時間と1次チャネル上の最も早い第kのシステムサイクルのデフォルト開始時間との間の差に設定することができ、k modulo Nsleepは0に等しい。SUM500におけるフィールドに更新がある場合、AP104は、将来の最も早い第kのシステムサイクルまで更新を保留することができ、k modulo Nsleepは0に等しい。ポーリング期間206におけるブロードキャストスロット242およびユニキャストスロット244ごとに、AP104は、トラフィック活動カウンタKidleを維持することができる。このトラフィック活動カウンタは、スロットがアクティブであるときのみ更新され得る。このカウンタは、スロットにアプリケーションデータがない場合に1だけ増分され得る。ULOLAT制御メッセージは、このカウンタを増分させないことがある。このカウンタは、スロットに実際のデータ(たとえば、ブロードキャストスロット242に実際のブロードキャストフレームまたはユニキャストスロット244にDL上もしくはUL上のいずれかでアプリケーションデータ)がある場合、またはユニキャストスロット244にUL上で送信エラーがある場合に0にリセットされ得る。このカウンタがNidleに達したとき、AP104は識別されたスロット201をアイドルとしてマークすることができる。スロットがアイドルである各システムサイクル202において、AP104は、DLメッセージ600の次のフレームまでの時間610を、現在時間と1次チャネル上の将来の最も早い第kのシステムサイクルのデフォルト開始時間との間の差に設定することができ、k modulo Nsleepは0に等しい。
【0121】
現在においてアイドル状態にあるスロット201の間に新しいアプリケーションデータが到着したとき、AP104は、それを後続システムサイクル202において、STA106からの返信が受信されるまで、データがそれの期限の終了に達するまで、または1次チャネル上の将来の最も早い第kのシステムサイクル202に達するまで送り続けることができ、k modulo Nsleepは0に等しい。その後、AP104は、スロット201をアクティブとマークすることができる。
【0122】
ポーリング期間206が複数のチャネル上で反復される中、STA106のプロトコルにおける1つの重要なステップは、どのチャネル上でいつ動作するかを決定することであり得る。したがって、いくつかの態様では、STA106は、この決定を、すべてのチャネル上のすべてのスロット201の中で最も早い予想開始時間を追跡することによって行うことができる。
【0123】
スロット201の予想開始時間(EST)は、SUMまたは別のデータフレームの実際の開始時間に基づいて計算され得る。スロット201のデフォルト開始時間(DST)は、同じチャネル上の現在のシステムサイクル202のデフォルト開始時間に基づいて計算され得る。ESTが利用可能になる前に、次の予想スロットを決定するためにSTA106によってDSTが使用され得る。スロットの実際の受信時間(ART)は、1次チャネル上の現在のシステムサイクル202のDSTに関して、受信が始まる時間を指し得る。
【0124】
ULOLATプロトコルの一部として、STA106は、ブロードキャストスロット242を追跡する場合と同じ方法でSUMを追跡することができる。いくつかの態様では、STA106が(宛先がSTA106である必要がない)それのAP104からの有効なDLメッセージを受信したとき、STA106は様々な手順を実行することができる。たとえば、STA106は、DLメッセージのARTおよびESTを使用して、現在のポーリング期間206における将来のスロット201のESTを更新することができる。STA106がDLメッセージの宛先であり、現在のスロット201が正常に完了した場合、STA106は、このスロット201のESTをTnextに設定することができ、Tnextは、ARTと次のフレームまでの時間との合計に等しい。現在のスロット201の正常な完了は、受信されたDLメッセージがSUMまたはブロードキャストメッセージである場合、STA106が現在のシステムサイクル202において送るULデータを有しない場合、またはSTA106によって送信されたULデータがAP104によって正常に受信されたときを指し得る。正常な完了の後、STA106は、Tnextまで再びこのスロット201を訪問する必要はない。
【0125】
STA106のUL送信が失敗した(たとえば、ACKが受信されなかった)場合、STA106は、このスロット201のESTを、次のシステムサイクル202における最も早い将来のサイクルにおける同じスロット201のDSTに設定することができる。スロット201の予想終了時間(たとえば、ESTとTslotとの合計)において、STA106は、現在時間よりも遅いESTを有する(チャネルのすべてにわたる)スロット201のすべての中で最も早いESTを有し得る次の予想スロット201を決定することができる。ここでの現在時間は、1次チャネル上の現在のシステムサイクルのデフォルト開始時間からのオフセットとして表され得る。一実施形態では、STAは、単独の決定に基づいてフレーム間で機会主義的にスリープするべきである。
【0126】
いくつかの態様では、AP104は、ユーザ設定可能であり得るTkeyの期間でSTA106のすべてに関するユニキャストキーおよびブロードキャストキーを周期的に更新することができる。いくつかの態様では、IEEE802.11iリキープロトコルに基づく手順が利用され得る。AP104は最初に、STA106のユニキャストキーを更新し得る。この更新の一部として、AP104はすべてのSTA106にリキーメッセージをブロードキャストすることができる。このリキーメッセージは、メッセージがリキーメッセージであることを示すフレームタイプ606を有するDLメッセージ600であり得る。このリキーメッセージを受信すると、すべてのSTA106は、更新されたユニキャストキーとブロードキャストキーの両方を有するまで、1次チャネル上にとどまることができる。リキーメッセージをブロードキャストした後、AP104は、個々のSTA106に関して新しいユニキャストキーを更新することができる。タイプB STA106の場合、APは予備のユニキャストスロット244においてユニキャストキーを更新することができる。タイプA STA106に関するユニキャストキーの更新は、割り当てられたユニキャスト244において発生し得る。STA106がKrekey回の試行の後にリキー要求メッセージに応答することができなかった場合、AP104は、STA106がシステムを去っていると仮定し、それをアクセスリストおよびスケジューリングリストから除去することができる。
【0127】
ユニキャストキーを更新した後、AP104は、ブロードキャストキーを更新することができる。ブロードキャストキーの更新の一部として、AP104は、更新されたブロードキャストキーを、前のステップにおいて生成された新しいユニキャストキーを使用して、ユニキャストを通じてすべてのSTA106に1つずつ送ることができる。加えて、AP104は、新しいブロードキャストキーの発効時間を含めることができる。この時間は、非常に高い確率ですべてのSTA106が新しいブロードキャストキーをそのときまでに受信しているように選択され得る。STA106は、AP104によってシグナリングされた時間に新しいブロードキャストキーを使用し始めることができる。実装を簡単にするために、いくつかの態様では、ブロードキャストキーは、STA106がシステムを去るときに更新されなくてよい。
【0128】
送信するとき、AP104とSTA106の両方は、それらのフレームのMACレイヤヘッダにおける「持続時間」フィールドを、図14Bに示すように現在のポーリング期間206の残存持続時間に設定することができる。この持続時間フィールドは、近くのWi-Fiデバイスによって復号され、受け入れられ(honored)得、Wi-FiデバイスにULOLATの送信を知らせるのを助けることができ、デバイスはこれを利用して、それらの送信試行をしかるべく延期することができる。
【0129】
AP104またはSTA106は、それの現在のスロット201インデックスおよび現在のポーリング期間206における残存ポーリングサイクル218の数に少なくとも部分的に基づいて、残存持続時間を推定することができる。いくつかの態様では、参加フレームのために異なる計算が行われ得る。代わりに、STA106は、オープンポールフレームにおける持続時間フィールドを取ることによって残存持続時間を導出し、それをオープンポールフレームの送信時間で差し引き、残りをそれ自体の持続時間フィールド値として使用することができる。
【0130】
図15Aは、一実施形態による、フレームタイプフィールドに例示的な値を提供するテーブル1500である。いくつかの態様では、フレームタイプフィールドは、図5のフレームタイプ506、図6のフレームタイプ606、図7のフレームタイプ706、または図8のフレームタイプ726のうちの1つまたは複数であり得る。図示のように、「0x00」の値は、メッセージがデータフレームであることを示すことができ、「0x01」の値は、メッセージが管理フレームであることを示すことができ、「0x02」の値は、メッセージがフィラーフレームであることを示すことができ、「0x03」の値は、メッセージがSUMであることを示すことができ、「0x04」の値は、メッセージがオープンポールメッセージであることを示すことができ、「0x05」の値は、メッセージがタイプA STA106のための参加メッセージであることを示すことができ、「0x06」の値は、メッセージがタイプB STA106のための参加メッセージであることを示すことができ、「0x07」の値は、メッセージがハンドオフ参加メッセージであることを示すことができ、「0x08」の値は、メッセージが参加の受付メッセージであることを示すことができ、「0x09」の値は、メッセージが参加の拒否メッセージであることを示すことができ、「0x0A」の値は、メッセージが退去メッセージであることを示すことができ、「0x0B」の値は、メッセージがハンドオフメッセージであることを示すことができ、「0x0C」の値は、メッセージがリキーメッセージであることを示すことができ、「0x0D」の値は、メッセージがOTAプロビジョニングメッセージであることを示すことができ、「0x0E」の値は、メッセージがOTAプロビジョニングのACKメッセージであることを示すことができ、他の実施形態の場合には他の値が確保され得る。本明細書で説明する特定の値は例にすぎず、異なる実施形態では他の値が使用され得る。
【0131】
図15Bは、一実施形態による、メッセージタイプフィールドに例示的な値を提供するテーブル1550である。いくつかの態様では、メッセージタイプフィールドは、図9のバックホールメッセージ740のメッセージタイプ746であり得る。図示のように、「0x00」の値は、メッセージがデータメッセージであることを示すことができ、「0x01」の値は、メッセージが受付メッセージであることを示すことができ、「0x02」の値は、メッセージがデータ開始メッセージであることを示すことができ、「0x03」の値は、メッセージがSUM開始メッセージであることを示すことができ、「0x04」の値は、メッセージがシステムサイクル開始メッセージであることを示すことができ、「0x05」の値は、メッセージがハンドオフ要求メッセージであることを示すことができ、「0x06」の値は、メッセージがハンドオフ返信メッセージであることを示すことができ、他の実施形態の場合には任意の他の値が確保され得る。本明細書で説明する特定の値は例にすぎず、異なる実施形態では他の値が使用され得る。
【0132】
図16は、一実施形態による、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する例示的な方法を示すフローチャートである。いくつかの態様では、方法1600は、図1のワイヤレス通信ネットワーク100内で、AP104AなどのAP104のうちの1つまたは複数によって実行され得る。AP104Aは、図2のワイヤレス通信チャネルCH1上で動作してよく、ワイヤレス通信ネットワーク100は、図2のワイヤレス通信チャネルCH2上で動作するAP104Bをさらに含み得る。
【0133】
方法1600は、ブロック1610において始まることができ、ブロック1610では、第1のAP104Aは、たとえば、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上で1つまたは複数のワイヤレス局と通信するためのポーリングスケジュールであって、第1のワイヤレス通信チャネルCH1とは異なる第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で第2のAP104Bによって使用されるポーリングスケジュールを決定することができる。いくつかの態様では、ポーリングスケジュールは、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上での通信のための第1のタイミングシーケンス、および第2のワイヤレス通信チャネルCH2上での通信のための第2のタイミングシーケンスを含み、第2のタイミングシーケンスは、第1のタイミングシーケンスと同等であるか、または第1のタイミングシーケンスと同じ持続時間を有するが、第1のタイミングシーケンスの開始時間からオフセットされた時間に始まる。様々な実施形態では、第1のAP104Aおよび第2のAP104Bは、同じワイヤレス通信セルにある。一実施形態では、様々な決定するための手段または割り当てるための手段は、プロセッサまたはモデム構成要素320、LBT構成要素、ポーリング構成要素324、タイマー328、PHY構成要素340、ハンドオーバ構成要素350もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0134】
ブロック1620において、第1のAP104Aは、たとえば、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上で1つまたは複数のワイヤレス局に送信情報を送信することができ、送信情報は、第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で第2のAP104Bから送信を受信するために1つまたは複数のワイヤレス局によって使用される情報を含む。いくつかの態様では、第1のAP104Aによる1つまたは複数のSTA106への通信のためのポーリングスケジュールは、第2のAP104Bによる1つまたは複数のSTA106への通信のためのポーリングスケジュールと時間的に重複しない。いくつかの態様では、第1のAP104Aによる1つまたは複数のSTA106へのすべての送信は、第2のAP104Bによる1つまたは複数のワイヤレス局への送信と時間的に重複しない。一実施形態では、様々な送信するための手段は、送信機またはLBT構成要素322、ポーリング構成要素324、確認応答構成要素326、タイマー328、PHY構成要素340、ハンドオーバ構成要素、バックホールインターフェース360、トランシーバ370もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0135】
ブロック1630において、第1のAP104Aは、たとえば、ポーリングスケジュールに従って第1のワイヤレス通信チャネルCH1上で1つまたは複数のワイヤレス局のうちの少なくとも1つに1つまたは複数のパケットを送信することができる。いくつかの態様では、ポーリングスケジュールは、ワイヤレス局が第1のAP104Aからパケットのうちの1つを受信しない場合に、STA106が第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で第2のAP104Bからパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信する機会を提供する。
【0136】
いくつかの態様では、STA106に1つまたは複数のパケットを送信した後、第1のAP104Aは、競合期間の持続時間の間に(少なくともULOLAT STA106に)第1のワイヤレス通信チャネルCH1上で送信するのを控えることができる。この競合期間は、第1のAP104Aによって、他のデバイスに第1のワイヤレス通信チャネルCH1上で送信する時間を与えるために利用され得る。一実施形態では、競合期間の持続時間は、第1のAP104Aによる先行する送信が第1のワイヤレス通信チャネルCH1における干渉によって影響を受けているかどうかに少なくとも部分的に基づく。一実施形態では、利用するための手段は、プロセッサもしくは送信機、またはモデム構成要素320、LBT構成要素、ポーリング構成要素324、タイマー328、PHY構成要素340、ハンドオーバ構成要素350、バックホールインターフェース360もしくはトランシーバ370もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0137】
方法1600の一部として、第1のAP104Aは、たとえば、追加または代替として、第1のワイヤレス通信チャネルCH1を占有するためにフィラーフレームをいつ送信するかを決定し得る。いくつかの態様では、フィラーフレームをいつ送信するかの決定は、STA106のうちの1つの第1の処理遅延がDIFSよりも大きいとの判断、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上にSTA106によるアクティブな送信がないとの判断、第2の送信スロットがSTA106のいずれにも割り当てられていないとの判断、STA106のうちの1つからの確認応答フレームの受信がタイムアウトしているとの判断、またはDLメッセージの送信後に第3の送信スロットに残存している時間の量がDIFSよりも大きいとの判断に基づき得る。いくつかの態様では、ポーリングスケジュールは、フィラーフレームを含む1つまたは複数のシステムサイクルおよびSTA106と通信するための複数の送信スロットを含み、1つまたは複数のシステムサイクルの各々の持続時間および複数の送信スロットの各々の持続時間は固定されている。
【0138】
方法1600の一部として、第1のAP104Aは、たとえば、追加または代替として、ワイヤレス局にポーリング情報を送信することができ、ポーリング情報は、ワイヤレス局がワイヤレス通信ネットワーク100にアクセスすることを求める要求を送り得るウィンドウを識別する。第1のAP104Aはさらに、ウィンドウ中にワイヤレス局のうちの1つからULフレームを受信することができ、ULフレームは要求を含む。要求を受信したことに応答して、AP104Aはさらに、ワイヤレス局のうちの1つに排他的に送信スロットを割り当て得る。いくつかの態様では、この送信スロットを割り当てることで、ワイヤレス局がAP104Aと通信することが可能になり得る。一実施形態では、様々な受信するための手段は、受信機または確認応答構成要素326、PHY構成要素340、ハンドオーバ構成要素、バックホールインターフェース360、トランシーバ370もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0139】
方法1600の一部として、第1のAP104Aは、たとえば、追加または代替として、ワイヤレス局のうちの1つのMACアドレスを受信し、ワイヤレス局のうちの1つの暗号キーを決定することができる。その後、第1のAP104Aは、MACアドレスおよび暗号キーを含む暗号化メッセージを生成し、ワイヤレス通信ネットワーク100におけるすべてのAP104に暗号化メッセージをブロードキャストすることができる。いくつかの態様では、第1のAP104Aはまた、ワイヤレス通信ネットワーク100において認証されたワイヤレス局のリストにMACアドレスおよび暗号キーを記憶し得る。リストに少なくとも部分的に基づいて、第1のAP104Aは、第1のAP104Aにアクセスを要求しているローミング局がワイヤレス通信ネットワーク100においてすでに認証されているかどうかを判断することが可能であり得る。一実施形態では、ブロードキャストするための手段は、送信機またはPHY構成要素340、ハンドオーバ構成要素350、バックホールインターフェース360、トランシーバ370もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。一実施形態では、記憶するための手段は、プロセッサもしくはメモリ、またはモデム構成要素320、ハンドオーバ構成要素350、STAリスト352、近隣リスト354もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0140】
方法1600の一部として、第1のAP104Aは、たとえば、第1のワイヤレス通信チャネルCH1が利用不可能であると判断し得る。いくつかの態様では、第1のAP104Aは、ポーリングスケジュールにおいてスケジュールされた送信時間に従ってSTA106と通信することが可能となるかどうかを判断し得る。チャネルが利用不可能であると第1のAP104Aが判断すると、第1のAP104Aは第2のAP104Bに、早く第2のワイヤレス通信チャネルCH2にアクセスするよう指示を送信し得る。いくつかの態様では、この指示を受信したことに基づいて、第2のAP104Bは、フィラーフレームにより早く第2のワイヤレス通信チャネルCH2を占有し、第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で、スケジュールされたポーリング時間にSTA106をポーリングし始めることができる。
【0141】
図17は、一実施形態による、ワイヤレス通信ネットワークにおいて通信する別の例示的な方法1700を示すフローチャートである。いくつかの態様では、方法1700は、図1のワイヤレス通信ネットワーク100内で、STA106AなどのSTA106のうちの1つまたは複数によって実行され得る。ワイヤレス通信ネットワーク100は、それぞれ図2のワイヤレス通信チャネルCH1およびワイヤレス通信チャネルCH2で動作する、AP104AおよびAP104BなどのAP104を含み得る。
【0142】
方法1700は、ブロック1710において始まることができ、ブロック1710では、STA106Aは、たとえば、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上で第1のAP104Aから送信情報を受信することができ、送信情報は、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上で第1のAP104A、また第1のワイヤレス通信チャネルCH1とは異なる第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で第2のAP104Bと通信するために使用する情報を含む。いくつかの態様では、第1のAP104Aおよび第2のAP104Bは、同じワイヤレス通信セルにある。いくつかの態様では、送信情報は、第1のワイヤレス通信チャネルCH1上でのデータ送信のためのMCSの指示、次の更新メッセージまでの予想時間の指示、送信時間オフセットの指示、または近隣AP104の識別子のリストのうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。一実施形態では、様々な受信するための手段および監視またはリッスンするための手段は、受信機またはアプリケーションレイヤ415、モデム構成要素420の少なくとも一部分、トランシーバ490もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0143】
ブロック1720において、STA106Aは、たとえば、第1のAP104Aから1つまたは複数のパケットが受信されていないかどうかを判断することができる。その後、ブロック1730において、STA106Aは、たとえば、1つまたは複数のパケットが受信されていないとの判断に応答して、送信情報に少なくとも部分的に基づいて第1のワイヤレス通信チャネルCH1から第2のワイヤレス通信チャネルCH2に切り替える時間を決定することができる。したがって、STA106Aは、レイテンシターゲットに適合するのに十分低いレイテンシによりデータを送り、またはワイヤレス通信ネットワーク100からデータを受信するために、情報のマルチチャネル送信を利用し得る。一実施形態では、様々な決定するための手段は、プロセッサまたはアプリケーションレイヤ415、モデム構成要素420の少なくとも一部分もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0144】
ブロック1740において、STA106Aは、たとえば、第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で第2のAP104Bから1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信することができる。いくつかの態様では、第1のAP104AによるSTA106Aへのすべての送信は、第2のAP104BによるSTA106A(またはすべてのULOLAT STA106)への送信と時間的に重複しない。いくつかの態様では、STA106Aは、1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つを受信した後の、追加パケットが予想されるまでの持続時間の間に、スリープモードに入ることができる。一実施形態では、スリープモードに入るための手段は、プロセッサ、受信機、送信機、またはアプリケーションレイヤ415、モデム構成要素420の少なくとも一部分、トランシーバ490もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0145】
方法1700の一部として、STA106Aは、たとえば、追加または代替として、第2のワイヤレス通信チャネルCH2上で1つまたは複数のパケットのうちの少なくとも1つからのデータを受信した後に第1のワイヤレス通信チャネルCH1をリッスンすることができる。いくつかの態様では、方法1700の一部として、STA106Aは、たとえば、追加または代替として、第1のワイヤレス通信チャネルCH1または第2のワイヤレス通信チャネルCH2を占有するためにフィラーフレームを送信することができる。フィラーフレームを送信することで、ULOLATデバイスがULOLATサイクルの持続時間の間に第1のワイヤレス通信チャネルCH1または第2のワイヤレス通信チャネルCH2を捕捉することが可能になり得る。一実施形態では、様々な送信するための手段は、送信機またはアプリケーションレイヤ415、モデム構成要素420の少なくとも一部分、トランシーバ490もしくはそれらの機能的同等物のうちの1つもしくは複数などの関連構成要素を含むことができる。
【0146】
方法1700の一部として、STA106Aは、たとえば、追加または代替として、第1のAP104Aからポーリング情報を受信することができ、ポーリング情報は、ワイヤレス局がワイヤレス通信ネットワーク100にアクセスし得るウィンドウを識別する。ウィンドウ中に、STA106Aは、第1のワイヤレス通信チャネルCH1を介して第1のAP104AからDLパケットを受信することができる。追加または代替として、ウィンドウ中に、STA106Aは、ワイヤレス通信ネットワーク100に参加するためにDLパケットに返信するULパケットを第1のAP104Aに送信することができる。追加または代替として、ウィンドウ中に、STA106Aは、STA106Aがワイヤレス通信ネットワーク100に正常に参加した場合に、第1のAP104Aから確認応答を条件付きで受信することができる。いくつかの態様では、Xの前に、STA106Aは、たとえば、追加または代替として、第1のAP104AにULパケットを送信する前に、第1のAP104Aを含む複数のAP104から複数のDLフレームを受信することができる。これらの受信されたフレームに基づいて、STA106Aは、複数のAP104の各々の信号強度を判断し、判断された信号強度を比較して、どのAP104が最高の信号強度を有するかを判断することができる。たとえば、第1のAP104Aは、最高の判断された信号強度を有し得、したがって、STA106Aは、第1のAP104Aを介してワイヤレス通信ネットワーク100に参加することを決定し得る。
【0147】
低レイテンシネットワークを提供するための態様が、WLAN展開またはIEEE802.11準拠ネットワークおよび関連技術の使用に関連して説明されているが、本開示を通して説明される様々な態様は、例として、BLUETOOTH(登録商標)(Bluetooth)、ハイパーLAN(主にヨーロッパで使用される、IEEE802.11規格に相当するワイヤレス規格のセット)、および、ワイドエリアネットワーク(WAN)、WLAN、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、または現在知られているか、もしくは後に開発される他の適切なネットワークで使用される他の技術を含む、様々な規格またはプロトコルを用いる他のネットワークに拡張され得ることを、当業者は容易に理解するであろう。したがって、近くのデバイスによる送信からの干渉または同様の影響から応答フレームまたはメッセージの受信を保護するための本開示を通して提示される様々な態様は、カバレージ範囲および利用されるワイヤレスアクセスプロトコルにかかわらず、任意の適切なワイヤレスネットワークに適用可能であり得る。
【0148】
本明細書で使用する「決定すること」という用語は、幅広い様々なアクションを包含する。たとえば、「決定すること」は、計算すること、算出すること、処理すること、導出すること、調査すること、ルックアップすること(たとえば、テーブル、データベース、または別のデータ構造においてルックアップすること)、確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、受信すること(たとえば、情報を受信すること)、アクセスすること(たとえば、メモリの中のデータにアクセスすること)などを含み得る。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含み得る。さらに、本明細書で使用する「チャネル幅」は、いくつかの態様では帯域幅を包含することがあるか、または帯域幅と呼ばれることもある。
【0149】
本明細書で使用する、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」に言及する句は、単一のメンバーを含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aと、bと、cと、a-bと、a-cと、b-cと、a-b-cとを包含するものとする。
【0150】
上記で説明した方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素、回路、および/またはモジュールなどの、動作を実行することが可能な任意の適切な手段によって実行され得る。概して、図に示された任意の動作は、その動作を実行することが可能な対応する機能的手段によって実行されてもよい。
【0151】
本開示に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装される場合もある。
【0152】
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装されてよい。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形式の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用可能であり、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含み得る。また、あらゆる接続が、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。したがって、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、有形媒体)を含んでもよい。さらに、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、信号)を含み得る。上記の組合せはまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0153】
本明細書で開示する方法は、説明した方法を実現するための1つまたは複数のステップまたはアクションを含む。方法ステップおよび/または方法アクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに入れ替えられ得る。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく変更され得る。
【0154】
説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装されてよい。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令としてコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形式の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用可能であり、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含み得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。
【0155】
したがって、いくつかの態様は、本明細書で提示した動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を含み得る。たとえば、そのようなコンピュータプログラム製品は、命令がその上に記憶(および/または符号化)されたコンピュータ可読媒体を含む場合があり、命令は、本明細書で説明した動作を実行するように1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である。いくつかの態様の場合、コンピュータプログラム製品はパッケージング材料を含んでよい。
【0156】
ソフトウェアまたは命令は、送信媒体上で送信もされ得る。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、送信媒体の定義に含まれる。
【0157】
さらに、本明細書で説明した方法および技法を実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段は、適用可能であれば、ユーザ端末および/または基地局によってダウンロードおよび/または他の方法で取得され得ることを諒解されたい。たとえば、そのようなデバイスは、本明細書で説明した方法を実行するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合され得る。代替として、本明細書で説明した様々な方法は、ユーザ端末および/または基地局が記憶手段をデバイスに結合または提供すると様々な方法を取得できるように、記憶手段(たとえば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理的記憶媒体など)を介して提供され得る。その上、本明細書で説明した方法および技法をデバイスに提供するための任意の他の適切な技法が利用され得る。
【0158】
特許請求の範囲が、上記で示された厳密な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。上記で説明した方法および装置の配置、動作および細部において、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更、改変および変形が加えられ得る。
【0159】
上記は本開示の態様を対象とするが、本開示の他の態様およびさらなる態様が、その基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0160】
100 低レイテンシワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、WLAN、ワイヤレス通信ネットワーク
102 ワイヤレス通信セル、セル
102A セル
102B セル
102C セル
104 AP
104A AP、第1のAP
104B AP、第2のAP
104C AP
104D AP
104E AP
104F AP
106 STA
106A STA
106B STA
106C STA
106D STA
106E STA
106F STA
108 セル内スイッチ
108A~C セル内スイッチ
110 セル間スイッチ
200 タイミング図
201 スロット
202 システムサイクル
204 ULOLAT送信サイクル
206 ポーリング期間、ポーリング期間段階
212 クリアチャネルアセスメント(CCA)段階
214 ガードインターバル(GI)
216 システム更新メッセージ(SUM)段階
218 ポーリングサイクル
218a ポーリングサイクル、第1のポーリングサイクル
218b ポーリングサイクル
230 競合期間
242 ブロードキャストスロット
244 ユニキャストスロット
246 オープンポールスロット
300 AP
320 モデム構成要素
322 リッスンビフォアトーク(LBT)構成要素
324 ポーリング構成要素
326 確認応答構成要素
328 タイマー
340 物理(PHY)レイヤ構成要素、PHY構成要素
342 デコーダ
344 レート制御構成要素
350 ハンドオーバ構成要素
352 STAリスト
354 近隣リスト
360 バックホールインターフェース
370 トランシーバ
400 ワイヤレス局(STA)
415 アプリケーションレイヤ
420 モデム構成要素
430 監視構成要素
432 ポール受信構成要素
434 確認応答構成要素
436 UL構成要素
450 DL構成要素
452 デコーダ
460 レート制御構成要素
470 ブートアップ構成要素
480 ハンドオーバ構成要素
482 近隣リスト
490 トランシーバ
500 SUM
502 802.11PHYヘッダ
504 802.11MACヘッダ
506 フレームタイプ
508 プロトコルバージョン
510 レートパラメータ
512 次のSUMまでの予想時間、次のSUMまでの時間
514 送信時間オフセット
516 近隣リスト
518 802.11フレームチェックシーケンス(FCS)
562 セルの数
564 セルごとのチャネルの数
566 第1の現在チャネルインデックス
568 第2の現在チャネルインデックス
570 第Nの現在セルチャネルインデックス、
566~570 チャネルインデックス
572 BSSID
574~578 インデックス
600 ダウンリンク(DL)メッセージ
602 802.11PHYヘッダ
604 802.11MACヘッダ
606 フレームタイプ
608 シーケンス番号
610 次のフレームまでの時間
612 スロットインデックス
614 ポーリングサイクルインデックス
616 ペイロードサイズ
618 ペイロード
620 パディング
622 802.11FCS
700 ULメッセージ
702 802.11PHYヘッダ
704 802.11MACヘッダ
706 フレームタイプ
708 シーケンス番号
710 ペイロードサイズ
712 ペイロード
714 パディング
716 802.11FCS
720 フィラーフレーム
722 802.11PHYヘッダ
724 802.11MACヘッダ
726 フレームタイプ
728 パディング
730 802.11FCS
740 バックホールメッセージ
742 イーサネットフレームヘッダ
744 プロトコルバージョン
746 メッセージタイプ
748 シーケンス番号
750 パラメータ
752 FCS
754 終了デリミタ
800 データ交換
802 ポール
804 再送信ポール
806 フィラーフレーム
808 ACK
810 フィラーフレーム
822 ACK
824 返信
826 再送信返信
900 参加手順メッセージ送信
902 オープンポールメッセージ
904 フィラーフレーム
906 レイヤ2ACK、ACK
910 参加メッセージ
920 参加手順メッセージ交換
922 オープンポールメッセージ
924 フィラーフレーム
926 フィラーフレーム
950 参加手順メッセージ交換
952 オープンポールフレーム
954 フィラーフレーム
956 フィラーフレーム
962 参加要求
964 再送信
972 参加要求
974 再送信
1000 タイミング図
1002 第1のシステムサイクル
1004 Wi-Fiバースト送信
1006 第2のシステムサイクル
1008 第3のシステムサイクル
1500 テーブル
1550 テーブル
1600 方法
1700 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17