(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-22
(45)【発行日】2023-01-05
(54)【発明の名称】補虚損用ヘルスケア製品組成物、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
A61K 36/8962 20060101AFI20221223BHJP
A61K 36/288 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/87 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/45 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/82 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/062 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/15 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/42 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/9068 20060101ALI20221223BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20221223BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221223BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20221223BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20221223BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20221223BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221223BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20221223BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20221223BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20221223BHJP
A23G 1/42 20060101ALI20221223BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20221223BHJP
A61K 36/23 20060101ALN20221223BHJP
A61K 36/73 20060101ALN20221223BHJP
A61K 36/752 20060101ALN20221223BHJP
A61K 131/00 20060101ALN20221223BHJP
A61K 133/00 20060101ALN20221223BHJP
【FI】
A61K36/8962
A61K36/288
A61K36/87
A61K36/45
A61K36/185
A61K36/82
A61K36/062
A61K36/15
A61K36/42
A61K36/9068
A61P3/02
A61P43/00 121
A23L33/105
A23L2/00 F
A61K9/08
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/69
A23L2/38 C
A23G1/42
A61K9/19
A61K36/23
A61K36/73
A61K36/752
A61K131:00
A61K133:00
(21)【出願番号】P 2021516576
(86)(22)【出願日】2019-10-09
(86)【国際出願番号】 CN2019110142
(87)【国際公開番号】W WO2020073922
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-03-18
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(73)【特許権者】
【識別番号】521115926
【氏名又は名称】梁 蘇娥
【氏名又は名称原語表記】LEUNG, So Ngor Sally
【住所又は居所原語表記】10C, 35 Sands Street, Sai Wan Hong Kong
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 秀成
(72)【発明者】
【氏名】梁 蘇娥
【審査官】六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103622002(CN,A)
【文献】特開2011-087566(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107683929(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103960562(CN,A)
【文献】国際公開第2018/166151(WO,A1)
【文献】特開2016-188184(JP,A)
【文献】特表2017-529400(JP,A)
【文献】特開2012-097084(JP,A)
【文献】特表2018-510641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補虚損用ヘルスケア製品組成物
の製造方法であって、
(1)質量部で、25部の蒲公英、35部のネギ、10部のチャイブ、8部のブドウとブルーベリーとクロスグリの混合物、3部の茶の種の金花菌、3部のマツ花粉、3部のカボチャの実とゴーヤの種とゴマの混合物、3部のショウガを粉砕し、混合し、固体混合物を得て、
(2)800mlの精製水を前記固体混合物に加え、70℃に昇温して100分間浸出し、濾過して浸出液を得て、
(3)前記浸出液を逆浸透圧が30kg/cm
2
の圧力で相対密度が1.18の濃縮液に濃縮し、
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は70%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得て、
(5)前記精製液中に濃縮液体積の0.3%のβ-シクロデキストリンを加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得て、
(6)前記抽出液中に、質量部で、3部のブドウ糖、0.01部の食塩を加え、76.6℃に昇温し、2分間殺菌し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の液体飲料を製造する、
補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造方法。
【請求項2】
ヘルスケア薬、健康飲料又はチョコレートの製造における、請求項1
に記載の補虚損用ヘルスケア製品組成物の使用。
【請求項3】
前記包埋処理ステップの後に、-70℃--35℃の温度で前記抽出液を凍結乾燥して凍結乾燥粉末を製造するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルスケア製品分野に関し、特に補虚損用ヘルスケア製品組成物、その製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活のペースが加速し続けるにつれて、仕事と生活のプレッシャーが増大し、半健康状態にある人が増えている。特に、男性は、中年になると、体力不足、肝腎陰虚、陽虚等の症状が出る場合が多い。これは患者に大きな精神的ストレスをもたらし、通常の家族生活にも影響を与える。
【0003】
そのため、患者は、しばしば薬物の助けを求める必要がある。現在市販されている補腎壮陽系薬は、種類は多いが、ほとんど性ホルモンを含んだり、顕著な副作用を有したりするため、長期間使用すると、薬物依存を引き起こし、健康を害する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような事情に鑑みて、顕著な副作用がなく、補虚損、補腎壮陽の効果を有する補虚損用ヘルスケア製品組成物が提供される必要がある。
【0005】
さらに、補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造方法及び使用が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施態様は、補虚損用ヘルスケア製品組成物であって、
前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造原料は、質量部で、蒲公英:5部-40部、鱗茎菜類:10部-120部、香辛葉菜類:10部-100部、果物:8部-16部を含み、
前記鱗茎菜類は、ネギ、タマネギ及びニンニクからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記香辛葉菜類は、チャイブ、セロリ及びコエンドロからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記果物は、ブドウ、ブルーベリー、クロスグリ、レモン、ミカン、オレンジ、ライチ、サクランボ、リュウガン、イチゴ、パイナップル、ココナッツ、ドラゴンフルーツ、ヤムイモ、ドリアン、ノニ、ツノナス及びトマトからなる群より選択される少なくとも1種である補虚損用ヘルスケア製品組成物である。
【0007】
前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の原料は、いずれもホルモンを含まず、顕著な毒性副作用を有しない一般的な野菜と果物である。発明者は、臨床試験により前記原料で製造された補虚損用ヘルスケア製品組成物が補虚損、補腎壮陽の効果を有することを実証した。
【0008】
一実施例において、前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造原料は、質量部で、0部-6部の食用種子をさらに含む。前記食用種子は、クコシ、ヨカンシ、サジー、エンバク、ダッタンソバ、納豆、ソウジンシ、クルミ、ゴマ、牡丹の実、パッションフルーツ、アーモンド、ピーチカーネル、ベニバナの実、シソの実、カボチャの実、ゴーヤの種、松の種、モリンガの種、マカの種、オクラの種、サンザシ、カカオ豆及びコーヒー豆からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0009】
一実施例において、前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造原料は、質量部で、0部-6部の茶の種の金花菌及び0部-6部のマツ花粉をさらに含む。
【0010】
一実施例において、前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造原料は、質量部で、0部-6部の香辛料をさらに含む。前記香辛料は、ショウガ、ニッケイ、ウイキョウ、トウシキミ、コショウ、センキュウ、ホアジャオ及びチョウジからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0011】
本発明の1つの実施態様は、ヘルスケア薬、健康飲料又はチョコレートの製造における、前記実施例のいずれかに記載の補虚損用ヘルスケア製品組成物の使用である。
【0012】
一実施例において、前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造方法は、前記原料を粉砕して混合した後、精製水中で70℃-80℃で浸出処理することにより浸出液を得るステップを含む。
【0013】
一実施例において、前記浸出処理ステップの後に、
前記浸出液を相対密度が1.18-1.20となるように濃縮して濃縮液を得るステップと、
濃縮液体積の0.3%-6%の包埋剤を加えて包埋処理することにより、抽出液を得るステップと、
をさらに含む。
【0014】
一実施例において、前記濃縮時の逆浸透圧は30kg/cm2-150kg/cm2であり、前記包埋剤はβ-シクロデキストリン又は多孔質澱粉である。
【0015】
一実施例において、前記濃縮処理ステップの後、前記包埋処理ステップの前に、濃縮液体積の3倍のエタノール溶液を加え、不純物を沈殿させて除去することにより、精製液を得るステップをさらに含み、前記エタノール溶液におけるエタノールの体積百分率は70%より高い。
【0016】
一実施例において、前記包埋処理のステップの後、-70℃--35℃の温度で前記抽出液を凍結乾燥して凍結乾燥粉末を製造するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施例に係るヘルスケア製品の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の理解を容易にするするために、以下、図面を参照しながらより詳しく説明する。図面には、本発明の好適な実施例が示されている。しかし、本発明は、多くの異なる態様で実現され、本明細書に記載の実施例に限定されない。これらの実施例は、本発明の開示内容の理解をより徹底的かつ包括的にするために提供されるものである。
【0019】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者が通常理解する意味と同じである。本明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0020】
図1に示すように、一実施形態に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造方法は、
質量部で、5部-40部の蒲公英、10部-120部の鱗茎菜類、10部-100部の香辛葉菜類、8部-16部の果物、0部-6部の食用種子、0部-6部の茶の種の金花菌、0部-6部のマツ花粉及び0部-6部の香辛料を粉砕し、混合し、固体混合物を得るステップS110を含む。
【0021】
蒲公英は、キク科の多年生草本植物であるタンポポの全草をいう。蒲公英:味甘、寒、無毒、帰肝、腎経。中医経典には、蒲公英の効能は、清熱解毒、利尿通淋であることが記載されている。《綱目》には、「烏鬚髮、強筋骨」が記載されている。《医林纂要》には、「補脾和胃、養陰涼血、舒筋固歯、通乳益精」、及び「潟火安土」が記載されている。《本草求真》には、「陽明胃経、厥陰肝経に入り、解熱凉血」が記載されている。希雍は、「甘味、平性の薬であり、補肝腎の効能がある」と言っている。
【0022】
鱗茎菜類は、ネギ、タマネギ及びニンニクからなる群より選択される少なくとも1種である。ネギは、辛温であり、肺経、胃経、肝経に入り、効能は通陽、解毒である。また、関節を通し、陽気が通り、風邪を発散させ、表と裏に達することができる。ネギは、温腎、明目、陰萎治療の効能を有する。ネギは、独特の香辛因子を有し、含まれるリンゴ酸及びリン酸が神経を興奮させ、血液循環を改善し促進することができる。ニンニクは、ユリ科ネギ属における鱗芽で鱗を構成する草本植物をいい、性温、味辛であり、下気、除風、散痛、消毒気の効能を有する。ニンニクには、鉄、マグネシウム、ヘリウム及びセレンに加えて、17種類のアミノ酸を含み、そのうち、アルギニンの含有量が最も多く、アミノ酸総量の20.4%である。ニンニクには、アリインがアリナーゼの作用によって形成する揮発性硫化物であるアリシンがさらに含まれる。研究によると、ニンニクは、血圧降下、抗血小板凝集、抗動脈硬化及びがんの予防などの生理学的効果を有する。ニンニクにおけるフィトンチッドは、強い殺菌作用を有する。
【0023】
なお、前記ネギ、タマネギは、特定の品種に限らず、例えば、漢葱、胡葱、茖葱、山葱、冬葱などであってもよく、特定の食用部分にも限らず、例えば、ネギの葉、葱白、ネギの花、ネギの種などであってもよい。同様に、前記ニンニクも特定の品種に限らず、例えば、オオニンニク、黒ニンニクなどであってもよく、特定の食用部分に限定されず、例えば、蒜白、蒜苗、ニンニクの芽などであってもよい。
【0024】
香辛葉菜類は、チャイブ、セロリ及びコエンドロからなる群より選択される少なくとも1種である。チャイブは、辛温であり、肝経、胃経、腎経に入る。《本草拾遺》には、「温中、下気、補虚、臟腑調和」が記載されている。《日華子本草》には、「泄精を止め、腰膝を温める」ことが記載されている。《中薬大辞典》には、「温中、行気、散血、解毒」及び「陽虚腎冷、陽道不振、腰膝冷痛、遺精夢泄を治療可能である」ことが記載されている。チャイブには、タンパク質、脂肪、炭水化物の含有量が比較的高く、ビタミンが豊富で、カルシウム、リン、鉄などのミネラルが多く含まれ、揮発性の精油及び硫化物などの成分も含まれ、神経を興奮させるなどの作用を有し、アルカロイド、サポニンも含まれ、温補肝腎、固精壮陽の効能を有する。セロリは、セリ科オランダミツバ属に属する発達した葉柄が形成されている二年生草本植物であり、中国セロリと西洋セロリの2種類に分類される。セロリは、平肝清熱の作用を有する。セロリは、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、鉄、リンなどの栄養成分を含む。セロリの鉄含有量が比較的多いため、最良の鉄分補給食品である。セロリには、アピゲニン、ベルガプテン、揮発油及びブチルフタリドなどの成分が含まれる。セロリは、平滑筋を弛緩させる物質を含むため、降圧、健脳などの作用を有する。コエンドロは、セリ科コエンドロ属に属する葉と柔らかい茎が食用部分である一年生草本植物をいう。コエンドロは、発汗透疹、消食下気、醒脾和中の効能を有する。コエンドロは、カルシウム、リン、鉄、カロチン、ビタミンC、チアミン、リボフラビン、並びにリナロール、イソフラボンA、B及びベルガプテンなどの芳香油類を含み、芳香物質の主な供給源である。
【0025】
なお、前記チャイブ、セロリ及びコエンドロは、特定の品種、特定の食用部分などに限らない。
【0026】
果物は、ブドウ、ブルーベリー、クロスグリ、レモン、ミカン、オレンジ、ライチ、サクランボ、リュウガン、イチゴ、パイナップル、ココナッツ、ドラゴンフルーツ、ヤムイモ,ドリアン、ノニ、ツノナス及トマトからなる群より選択される少なくとも1種である。ブドウは、甘酸、性平であり、肺、脾、腎経に入る。《中薬大辞典》には、「補気血、強筋骨、利小便」が記載されている。《本経》には、「主筋骨湿痺、益気倍力、強志」が記載されている。《テン南本草(テンナン ホンソウ セイリソ)》には、「大補気血、舒筋活絡」が記載されている。《随息居飲食譜》には、「補気、滋腎液、益肝陰、強筋骨、止渇安胎」が記載されている。《陸川本草》には、「滋養強壮、補血、強心利尿」が記載されている。レモンについては、《中薬大辞典》には、「生津、止渇、きょ暑、安胎」が記載されている。《食物考》には、「妊婦に良く、安胎作用を有する」ことが記載されている。《綱目拾遺》には、「下気和胃」が記載されている。レモンは、筋力を改善し、疲労を防止、解消することができる。ブルーベリーは、ペクチンの含有量が高く、ビタミンCを多く含み、微量元素マンガンを含み、アントシアニンの含有量が高い果物であり、40種類以上の果物と野菜の中で、抗酸化能力が第1位である。含まれるフラビンは、脳細胞がフリーラジカルによって破壊されるのを防ぐことができる。ブルーベリーを食用することにより、がんを予防すること、老化を遅らせること、高齢者のバランスと協調を改善することができ、特に、記憶低下及び運動神経に対して予防効果を有する。さらに、ブルーベリーは、毛細血管を保護することができ、心臓の健康に良く、含まれるポリフェノール系物質、アントシアニンなどの成分がヒトの免疫力を高めることができる。研究によると、ブルーベリーの有効成分であるアントシアニンは、血管内皮細胞を介して一酸化窒素の合成を刺激することにより、男性の勃起の質を改善する。クロスグリは、カシス旱ブドウ、紫梅、ブラックカーラントなどとも呼ばれる。その果実は、アントシアニン、フェノール物質、糖類、多種のビタミン及び有機酸などを多く含み、ビタミンCの含有量が非常に高く、リン、マグネシウム、カリウム、カルシウムを含み、そのうち、亜鉛の含有量が高い。その種は、リノール酸の含有量が高く、降圧、降血脂及び抗動脈硬化などの作用を有し、また、r-リノレン酸は、人体で合成できない成分であり、抗心血管疾患の作用を奏する。その果実は、補腎益気の作用を有し、その効能は、痛風、貧血、浮腫、関節炎、リウマチ、口腔咽頭疾患の予防を含み、心脳血管疾患、高血圧などに対して良好な効果を有する。クロスグリは、比較的高い薬用価値を有し、人体の免疫力を高め、老化を防止することができる。ミカンは、開胃理気などの作用を有し、カルシウム、リン、鉄、カリウム、カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどを含み、ミカンには多種の有機酸、ビタミンが含まれるため、心臓を興奮させ、毛細血管の脆性を低下させることができるため、高齢者及び心血管患者のヘルスケアには重要である。オレンジは、理気、消食開胃、化痰の作用を有し、多種の有機酸、ビタミンを含み、人体の新陳代謝及び心臓に非常に有益である。さらに、オレンジに含まれるフラボノイドは、冠状動脈を拡張して冠状動脈の血流を増やすことができ、心臓の健康を維持する重要な物質である。
【0027】
なお、前記各果物は、いずれもその形態に限らず、例えば、新鮮な果物、ドライフルーツまたはジュースであり得る。
【0028】
前記食用種子は、クコシ、ヨカンシ、サジー、エンバク、ダッタンソバ、納豆、ソウジンシ、クルミ、ゴマ、牡丹の実、パッションフルーツ、アーモンド、ピーチカーネル、ベニバナの実、シソの実、カボチャの実、ゴーヤの種、松の種、モリンガの種、マカの種、オクラの種、サンザシ、カカオ豆及びコーヒー豆からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0029】
香辛料は、ショウガ、ニッケイ、ウイキョウ、トウシキミ、コショウ、センキュウ、ホアジャオ及びチョウジからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0030】
ステップS120:800mlの精製水を前記固体混合物に加え、70℃-80℃に昇温し、1時間-2時間浸出した後、濾過し、浸出液を得る。
【0031】
ステップS130:前記浸出液を逆浸透圧が30kg/cm2-150kg/cm2の圧力で相対密度が1.18-1.20となるように濃縮して濃縮液を得る。
【0032】
ステップS140:前記濃縮液に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液を加えて不純物を沈殿させて除去し、精製液を得る。
ここで、エタノール溶液中のエタノールの体積百分率は70%より高い。
【0033】
ステップS150:前記精製液中に濃縮液体積の0.3%-6%の包埋剤を加え、撹拌して混合することで包埋処理を行い、抽出液を得る。
ここで、包埋剤は、β-シクロデキストリン及び多孔質澱粉からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0034】
ステップS160:前記抽出液を-70℃--35℃で凍結乾燥して、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を製造する。
【0035】
ステップS170:前記抽出液又は凍結乾燥粉末に、質量部で、0.01部-5部の甘味剤、0.01部-0.05部の食塩、0.3部-0.5部の重炭酸ナトリウム及び0.1部-0.3部の調味剤を加え、液体飲料又は固体飲料を製造する。
ここで、甘味剤は、食品加工分野で一般的に使用されている甘味剤、例えば、ブドウ糖、黒糖、ハチミツ、白糖、氷砂糖、果糖、アスパルテーム、ステビア、キシリトール、モラセス及びアセスルファムのうちの少なくとも1種である。同様に、調味剤は、一般的に使用されている調味剤製品を使用するため、ここで説明を省略する。
【0036】
なお、ステップS110-S150で得られた抽出液は、液体飲料の製造に用いられる。ステップS140は省略されてもよい。省略された場合、ステップS150によりステップS130の濃縮液を直接包埋処理する。ステップS160で得られた凍結乾燥粉末は固体飲料の製造に用いられる。つまり、固体飲料を製造する必要がない場合、ステップS160がない。ステップS170によりステップS150の抽出液をヘルスケア製品となる液体飲料に製造し、或いはステップS160の凍結乾燥粉末をヘルスケア製品となる固体飲料に製造する。
【0037】
前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造方法により、各前記原料を前記割合で粉砕し、混合した後、対応するステップにより得られた液体又は固体の補虚損用ヘルスケア製品組成物を処理する。前記補虚損用ヘルスケア製品組成物に適量の食品添加剤を添加し、食品加工プロセスを採用してヘルスケア薬、健康飲料(健康酢、健康酒、酵素など)又はチョコレートなどの製品を製造する。ここで、ヘルスケア薬の剤形は、経口液剤、カプセル、ピル剤、錠剤、蜜膏剤などの一般的な剤形である。
【0038】
前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造方法により得られた補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造原料は、いずれも野菜、果物又は薬用食材に由来し、ホルモンを含まず、顕著な毒性副作用を有しない。また、臨床試験により、前記補虚損用ヘルスケア製品組成物は補虚損、補腎壮陽の効能も有することが実証された。
【0039】
実施例1
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、25部の蒲公英、35部のネギ、10部のチャイブ、8部のブドウとブルーベリーとクロスグリの混合物、3部の茶の種の金花菌、3部のマツ花粉、3部のカボチャの実とゴーヤの種とゴマの混合物、3部のショウガを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物に加え、70℃に昇温して100分間浸出し、濾過して浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が30kg/cm2の圧力で相対密度が1.18の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は70%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の0.3%のβ-シクロデキストリンを加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液中に、質量部で、3部のブドウ糖、0.01部の食塩を加え、76.6℃に昇温し、2分間殺菌し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の液体飲料を製造した。
【0040】
実施例2
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、30部の蒲公英、10部のネギ、10部のチャイブ、8部のレモンとミカンとオレンジの混合物、3部の茶の種の金花菌、3部のマツ花粉、3部のクコシとヨカンシとサジーの混合物、及び3部のニッケイを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物に加え、70℃に昇温して100分間浸出し、濾過して浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が100kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は75%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の0.6%のβ-シクロデキストリンを加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液を-70℃で凍結乾燥し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を製造した。
(7)質量部で、5部の黒糖を60℃下で12時間乾燥させ、粉砕後、60メッシュのふるいを通過させ、黒糖処理物を得た。0.1部の食塩を105℃で3時間乾燥させ、室温で冷却した後、16メッシュのふるいを通過させ、食塩処理物を得た。12℃で前記凍結乾燥粉末、黒糖処理物、食塩処理物及び0.1部の香料を混合し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の固体飲料を得た。
【0041】
実施例3
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、20部の蒲公英、10部のネギ、80部のチャイブ、14部のライチとリュウガンの混合物、6部の松の種とモリンガの種とマカの種の混合物、及び3部のウイキョウを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物に加え、70℃に昇温して60分間浸出し、濾過し、浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が150kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は75%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の1.5%のβ-シクロデキストリンを加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)質量部で、前記抽出液中に3部のブドウ糖、0.01部の食塩を加え、93℃に昇温して3分間殺菌し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の液体飲料を製造した。
【0042】
実施例4
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、30部の蒲公英、30部のネギ、10部のチャイブ、11部のサクランボとイチゴとトマトの混合物、6部の茶の種の金花菌、及び6部のマツ花粉を粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物に加え、75℃に昇温し、120分間浸出し、濾過し、浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が80kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は96%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の1.5%のβ-シクロデキストリンを加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液を-50℃で凍結乾燥し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を製造した。
(7)質量部で、4部の白糖を60℃下12時間乾燥させ、粉砕後、60メッシュのふるいを通過させ、白糖処理物を得た。0.05部の食塩を105℃で3時間乾燥させ、室温で冷却した後、16メッシュのふるいを通過させ、食塩処理物を得た。12℃で前記凍結乾燥粉末、白糖処理物、食塩処理物、0.5部の重炭酸ナトリウム及び0.3部の調味剤を混合し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の固体飲料を得た。
【0043】
実施例5
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、40部の蒲公英、120部のネギの実、10部の黄ニラ、16部のパイナップルとココナッツとドラゴンフルーツの混合物、3部のベニバナの実とシソの実とオクラの種の混合物、及び3部のコショウを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物に加え、75℃に昇温し、90分間浸出し、濾過し、浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が100kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は75%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の3%のβ-シクロデキストリンを加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液を-50℃で凍結乾燥し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を製造した。
(7)質量部で、3部の氷砂糖を60℃で12時間乾燥させ、粉砕後、60メッシュのふるいを通過させ、氷砂糖処理物を得た。0.2部の食塩を105℃で3時間乾燥させ、室温で冷却した後、16メッシュのふるいを通過させ、食塩処理物を得た。12℃で前記凍結乾燥粉末、氷砂糖処理物、食塩処理物、0.5部の重炭酸ナトリウム及び0.3部の調味剤を混合し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の固体飲料を得た。
【0044】
実施例6
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、40部の蒲公英、10部の葱白、100部のチャイブの種、9部のヤムイモとドリアンの混合物、3部のエンバクとダッタンソバと牡丹の実の混合物、及び6部のセンキュウを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物中に加え、75℃に昇温し、90分間浸出し、濾過し、浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が100kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は80%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の1.5%の多孔質澱粉を加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液を-60℃で凍結乾燥し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を製造した。
(7)質量部で、3部の黒糖を60℃で12時間乾燥させ、粉砕後、60メッシュのふるいを通過させ、黒糖処理物を得た。0.3部の食塩を105℃で3時間乾燥させ、室温で冷却した後、16メッシュのふるいを通過させ、食塩処理物を得た。12℃で前記凍結乾燥粉末、黒糖処理物、食塩処理物、0.5部の重炭酸ナトリウム及び0.2部の調味剤を混合し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の固体飲料を得た。
【0045】
実施例7
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、10部の蒲公英、15部のタマネギ、25部のセロリ、8部のノニ、6部の茶の種の金花菌、6部のマツ花粉、6部のソウジンシとパッションフルーツとサンザシの混合物、及び3部のホアジャオを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物中に加え、80℃に昇温し、120分間浸出し、濾過し、浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が100kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は85%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の濃縮液体積の5%の多孔質澱粉を加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液を-35℃で凍結乾燥し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を製造した。
(7)質量部で、4部の果糖を60℃で12時間乾燥させ、粉砕後、60メッシュのふるいを通過させ、果糖処理物を得た。0.15部の食塩を105℃で3時間乾燥させ、室温で冷却した後、16メッシュのふるいを通過させ、食塩処理物を得た。12℃で前記凍結乾燥粉末、果糖処理物、食塩処理物、0.3部の重炭酸ナトリウム及び0.3部の調味剤を混合し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の固体飲料を得た。
【0046】
実施例8
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、5部の蒲公英、10部のニンニク、30部の白ニラ、6部のツノナス、6部の茶の種の金花菌、6部のマツ花粉、3部のクルミとアーモンドとトウニンの混合物、及び6部のチョウジを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物中に加え、80℃に昇温し60分間浸出し、濾過し、浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が100kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は96%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の5%の多孔質澱粉を加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液を-35℃で凍結乾燥し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を得た。
(7)質量部で、0.05部のアスパルテームを60℃で12時間乾燥させ、粉砕後、60メッシュのふるいを通過させ、アスパルテーム処理物を得た。0.05部の食塩を105℃で3時間乾燥させ、室温で冷却した後、16メッシュのふるいを通過させ、食塩処理物を得た。12℃で前記凍結乾燥粉末、アスパルテーム処理物、食塩処理物、0.4部の重炭酸ナトリウム及び0.2部の調味剤を混合し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の固体飲料を得た。
【0047】
実施例9
本実施例に係る補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造プロセスは以下の通りである。
(1)質量部で、5部の蒲公英、25部の漢葱、10部のコエンドロ、8部のドリアン、6部の茶の種の金花菌、6部のマツ花粉、3部の納豆とカカオ豆とコーヒー豆の混合物、及び2部のトウシキミを粉砕し、混合し、固体混合物を得た。
(2)800mlの精製水を前記固体混合物中に加え、80℃に昇温し、60分間浸出し、濾過し、浸出液を得た。
(3)前記浸出液を逆浸透圧が100kg/cm2の圧力で相対密度が1.20の濃縮液に濃縮した。
(4)前記濃縮液中に濃縮液体積の3倍のエタノール溶液(エタノールの体積百分率は75%)を加え、不純物を沈殿させて除去し、精製液を得た。
(5)前記精製液中に濃縮液体積の6%の多孔質澱粉を加え、撹拌して混合することで包埋処理し、抽出液を得た。
(6)前記抽出液を-35℃で凍結乾燥し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の凍結乾燥粉末を製造した。
(7)質量部で、0.01部のステビアを60℃で12時間乾燥させ、粉砕後、60メッシュのふるいを通過させ、ステビア処理物を得た。0.02部の食塩を105℃で3時間乾燥させ、室温で冷却した後、16メッシュのふるいを通過させ、食塩処理物を得た。12℃で前記凍結乾燥粉末、ステビア処理物、食塩処理物、0.3部の重炭酸ナトリウム及び0.3部の調味剤を混合し、補虚損用ヘルスケア製品組成物の固体飲料を得た。
【0048】
試験
実施例、漢方薬参茸三鞭粉剤及び喜得康粉剤に対して以下のように臨床試験を行った。
1.試験対象
全ての観察対象(合計36例)は、臨床で腎不全と確定診断された半健康集団であり、いずれも男性であり、年齢は、最年少21歳、最年長66歳、平均44歳である。
半健康集団を12人/グループでグループ1、グループ2及びグループ3の3グループに分け、SPSS統計ソフトウェアにより3グループの年齢、TCM(伝統中国医学)症状をスコアして比較したところ、P>0.05であったため、差が統計的に有意ではなく、この3グループは比較可能であることを示している。
【0049】
2.試験対象の選択基準
2.1 症例採取基準
(1)臨床で確定診断された半健康集団
(2)満年齢が18-75の者
(3)同意書に署名した者
2.2 症例排除基準
(1)アレルギー既往歴がある者
(2)肝臓、腎臓、造血系、心臓、脳血管などの原発性疾患を伴う患者及び精神障害患者
(3)肝機能異常の者
(4)他の臓器病変がある者。
【0050】
3.試験方法
グループ1の半健康集団には、実施例1で製造された本発明の組成物の固体粉剤を投与し、グループ2及びグループ3には、それぞれ対照1、対照2で製造された中薬参茸三鞭粉剤及び喜得康粉剤を投与し、いずれも15g/回、2回/日で投与し、検査して試験対象の身体反応を記録した。
【0051】
4.TCM症候群に対する治療効果の評価基準
腎不全、気と血液の欠乏、不眠、健忘、腰腿酸軟、目眩と耳鳴りなどの症状を、無、軽、重の3つのレベルに分け、それぞれ0点、2点、4点とし、投与の20日後、観察対象にスコアした。
治療効果指数(n)=[(治療前の得点-治療後の得点)÷治療前の得点]×100%
顕著な効果:症候群における前記症状がほとんどなくなり、有効率がn≧70%である。
効果有り:症候群における前記症状が基本的になくなり、有効率が30%n≦n<70%である。
効果無し:症候群における前記症状がある程度改善され、有効率がn<30%である。
有効率=[顕著な効果の例数+効果有りの例数/総例数]×100%。
【0052】
5.試験結果
表1の結果から分かるように、本発明で製造された補虚損用ヘルスケア製品組成物は、腎不全による半健康状態に対して良好な補虚損、補腎壮陽の効果を有し、有効率が91.66%に達した。
【0053】
6.症例フィードバック
症例1:周某(男性、60歳)は、過去1年間、体が弱くて病気勝ちであり、全身の倦怠感を感じ、疲れやすく、ちょっとした仕事でも疲れ、動悸、脚の脱力感が生じ、耳鳴りを伴う場合もあった。本発明の組成物の液体飲料を6本服用したところ、元気になり、疲労感が減軽され、体が快適になった。1コース(20日)服用したところ、体質が改善され、現れた症状が回復し、エネルギーに満ち、精力が旺盛になり、体力が回復した。
症例2:張某(男性、24歳)は、彼女と付き合ってからの半年の間、性生活は良くなく、勃起不全で早漏の症状を伴い、彼女と付き合う前にオナニー既往歴があった。本発明の組成物の粉剤を1コース服用したところ、性機能が回復し、彼女との性生活は約40分間続くようになり、性欲が強くなった。
症例3:朱某(男性、29歳)は、性欲が減退し、夜間頻尿で、疲労感、脱力感を伴った。本発明の組成物の粉剤を1本だけ服用したところ、性衝動があり、連続して5-6本服用したところ、勃起時にペニスが硬くなり、夜間頻尿が顕著に減少し、考える力が顕著に向上し、1週間後もこのような状態にあり、運動力も以前より敏感で速くなり、夜仕事しても疲れることがなく、特に性欲が旺盛で、セックス後に疲労感がない。
【0054】
以上のことから、前記補虚損用ヘルスケア製品組成物は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
(1)前記補虚損用ヘルスケア製品組成物の製造原料は、日常生活で一般的な野菜、果物及び食用種子などであるため、前記補虚損用ヘルスケア製品組成物には性ホルモンが含まれておらず、顕著な毒性副作用を有しない。
(2)前記補虚損用ヘルスケア製品組成物は、臨床試験により良好な補虚損、補腎壮陽の効果を有することが実証された。
以上の実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができるが、説明を簡潔にするために、前記実施例の各技術的特徴の全ての可能な組み合わせは列挙されていなない。これらの技術的特徴の組み合わせは、矛盾しない限り、本発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【0055】
前記実施例は、本発明のいくつかの実施形態の単なる例示であり、それらの説明は具体的で詳しいが、特許請求の範囲を制限するものではない。本発明の思想を逸脱しない限り、当業者であれば、本発明にいくつかの変形及び改良を加えることができ、これらの変形及び改良は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。従って、本発明の保護範囲は、添付する特許請求の範囲に従うべきである。