(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】Y字型結束補助具
(51)【国際特許分類】
B65B 67/00 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
B65B67/00 A
(21)【出願番号】P 2022037560
(22)【出願日】2022-02-22
【審査請求日】2022-02-22
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522095171
【氏名又は名称】吉田 拓叶
(73)【特許権者】
【識別番号】522095182
【氏名又は名称】福士 舜介
(73)【特許権者】
【識別番号】522095193
【氏名又は名称】山口 達成
(73)【特許権者】
【識別番号】522095207
【氏名又は名称】会田 寧生
(72)【発明者】
【氏名】福士 舜介
(72)【発明者】
【氏名】会田 寧生
(72)【発明者】
【氏名】山口 達成
(72)【発明者】
【氏名】吉田 拓叶
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-121605(JP,A)
【文献】登録実用新案第3221881(JP,U)
【文献】特開2020-169037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール及び雑誌、新聞等
の結束対象物を束ねる結束補助具であって、
本体部と、本体部の一端には、連結部によって回動可能に連結された2本の可動柱が設けられ、
前記2本の可動柱には、結束紐を固定する際に使用する前記可動柱を移動可能な紐係止棒がそれぞれ備えられ、
結束補助具としての使用時には、前記連結部を利用して前記本体部と前記2本の可動柱はY字型に展開され、
結束補助具の収納時には、前記連結部を利用して前記本体部と前記2本の可動柱を折り畳むことで、I字型に折り畳まれることを特徴とするY字型結束補助具。
【請求項3】
紐係止棒は、内部にバネを備え、前記紐係止棒に設けられた位置固定棒を操作することで前記内部のバネを圧縮、復元させ、前記位置固定棒を前記窪みに嵌合させることにより、前記紐係止棒を前記可動柱との間で固定ないし移動操作可能とすることを特徴とする請求項2記載のY字型結束補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールや雑誌、新聞を束ねるための補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボールを十字に束ねる際に、人力で束ねると緩くなったり、紐を通すために段ボールを一度ひっくり返したり、また紐が余分に余ってしまうなど、様々な不満を抱えることが多い。
【0003】
現在段ボールを束ねる器具は、下記特許文献に示されるように、種々提案されているが、使い勝手が悪く、また、工場で使用されるもののように物自体が大きく、コストが高いものが多い。そのため家庭で購入しやすく、かつコンパクトなものが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-169037号公報
【文献】実用新案登録第3221881号公報
【文献】実用新案登録第3118340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンパクトに収納できるとともに、段ボールのみならず雑誌や新聞といったさまざまなサイズの結束対象物に対応させることができ、その結束対象物のサイズに適した紐の長さを予め用意することができる結束補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明による結束補助具は、以下の構成を具備するものである。
【0007】
段ボール及び雑誌、新聞等を束ねる結束補助具であって、本体部と、本体部の一端には、連結部によって回動可能に連結された2本の可動柱が設けられ、前記2本の可動柱には、結束紐を固定する際に使用する移動可能な紐係止棒がそれぞれ備えられ、結束補助具としての使用時には、前記連結部を利用して前記本体部と前記2本の可動柱はY字型に展開され、結束補助具の収納時には、前記連結部を利用して前記本体部と前記2本の可動柱を折り畳むことで、I字型に折り畳まれることを特徴とするY字型結束補助具。
【0008】
また、前記可動柱には、前記紐係止棒を固定するための窪みが、複数個設けられている。
【0009】
さらに、紐係止棒は、内部にバネを備え、前記紐係止棒に設けられた位置固定棒を操作することで前記内部のバネを圧縮、復元させ、前記位置固定棒を前記窪みに嵌合させることにより、前記紐係止棒を前記可動柱との間で固定ないし可変操作可能とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ほぼ同じ長さの3本の柱から構成されることにより中央に位置する本体部の一端に設けられた連結部により2本の可動柱が回動可能に連結されることによって使用しないときにはコンパクトな形に変形することができる。また、段ボール等を束ねる際には、本体部に対して可動柱を展開することにより、束ねる対象物のサイズに紐の長さを合わせることが可能になる。また、結束対象物の自重によって補助具の下に敷かれている紐が固定されるため、紐が緩くなったり、余ってしまったりすることを防止することができる。また、十字に紐を通す際に、重ねて重みの増した対象をひっくり返す手間を省くことができる。また、サイズの異なるものを一度に束ねることができる。また、使用するパーツが比較的少ないために、家庭での購入が可能な値段になる。また、形状を使用時にはY字型、収納時にはI字型に変形可能としたことで、十字をはじめとする他形状と同等の安定性を確保しつつ、収納能力の向上を図ることができる。さらに、二つの可動柱を使用することで、紐の位置をずらすことなく対象に適した紐の長さに調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0013】
図1はY字型結束補助具を展開した状態、
図2は補助具を畳んだ状態の図を示す。Y字型結束補助具は
図1~
図6に示す部品及び構造から成り立っている。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るY字型結束補助具の使用時の全体を示している。また、
図2には、このY字型結束補助具を折りたたんだ、収納時の状態を示している。Y字型結束補助具は、本体部3と、該本体部3の一端に連結部5によって回動可能に連結された2本の可動柱1、2からなり、前記可動柱1、2には、結束紐を固定する際に使用する移動可能な紐係止棒4を備えている。そして、結束補助具としての使用時には、本体部3と可動柱1、2によってY字型に展開され、収納時には、連結部を利用して折り畳むことで、I字型に折り畳まれる。
【0015】
本体部3に対して可動柱1、2をY字型に展開するための連結部5周辺の構造を
図4A、
図4Bに示す。この連結部5は、本体部3の一端部を可動柱1、2の一端部が挟み込む構造となっている。可動柱1、2によって挟み込まれた本体部3を貫通するようにボルト5aが固定されている。ボルト5aは
図4Bに示すように、本体部3に埋められたナット5bによって固定されている。これによって可動柱1、2を本体部3に対して回動自在に連結されている。
【0016】
図2に示す可動柱1、2を本体部3に沿って折りたたんだ状態から、
図1に示す2本の可動柱1、2を本体部3から回動して展開した状態としたとき、可動柱2をY字型に位置決めするために、可動柱2の連結部5近傍には、本体部3と接触する接触面2cが設けられている(
図6参照。)。一方、本体部3には、この可動柱2の接触面2cと接触する本体部3の連結部5近傍に、可動柱2の接触面2cと対向して接触する接触面3aが設けられている。そして、可動柱2の接触面2cと本体部3の接触面3aが、接触することにより本体部3に対する可動柱2の回動が制限される。また、可動柱1についても同様に可動柱2と本体部3に対する回動を制限する構造が設けられている。
図6に示す通り、これらの本体部3に対する2本の可動柱1、2の回動を制限する構造により、本発明の結束補助具の使用時に、本体部3と可動柱1、2によってY字型を保持することができるようになっている。
【0017】
図1、2に示す可動柱1の窪み1aと可動柱2の窪み2aは、紐係止棒4の位置を固定するために複数個設けられている。
図3に示す通り、可動柱2の窪み2aは一直線の中心線上に沿って空いており、かつ等間隔に設けられている。可動柱1の窪み1aも同様の作りとなっている。
【0018】
結束時に紐を掛けるための紐係止棒4を可動柱1、2に摺動可能且つ固定するために、可動柱1及び2の側面には、
図5に示す凹部2bと窪み2aが設けられている(図は可動柱2側を示している。)。この凹部2bに紐係止棒4のスライディングパーツ4dが嵌合し紐係止棒4を可動柱1及び2に対して摺動自在に保持している。また、窪み2aに紐係止棒4の位置固定棒4bが嵌め込まれることにより紐係止棒4は、可動柱1、2に対して移動不能に固定される。
【0019】
紐係止棒4の詳細な構造を
図5に示す。紐係止棒4は紐係止棒本体4a、位置固定棒4b、内部のバネ4c、スライディングパーツ4dの4つの部品で構成されている。スライディングパーツ4dは可動柱1及び2の側面に設けた凹部に摺動自在且つ脱落しないようにかみ合っていることから、外れることなく紐係止棒4を動かすことができる。
図5において、正面から見て左側にバネ4cを圧縮するように位置固定棒4bを動かす操作を行うことで、可動柱2に空いている窪み2aから位置固定棒4bが外れ、紐係止棒4が可動柱2をスライドする可変操作ができるようになる。また逆に位置固定棒4bを右側へバネ4cの復元力で戻し、可動柱2の窪み2aにはまることで紐係止棒4を可動柱2に固定することができる。可動柱1に設けられた紐係止棒4においても、同様の構造を備え、紐係止棒4は、可動柱1に対してスライド可能或いは固定状態となる。
【0020】
紐係止棒4は可動柱1、2に対して摺動可能であればよく、可動柱1、2に窪み1a、2aを必ずしも設ける必要はない。可動柱1、2に窪み1a、2aを設けない場合にあっても、位置固定棒4bのバネ4cによる可動柱1、2への押圧力による位置固定棒4bの端面と可動柱1、2との摩擦力により、紐係止棒4を可動柱1、2に対してスライド可能或いは固定状態とすることができる。また、紐係止棒4のスライディングパーツ4dと可動柱1、2の側面に設けた凹部との間の摩擦力のみでも、紐係止棒4を可動柱1、2に対してスライド可能或いは固定状態とすることができる。さらに、可動柱1、2に対して紐係止棒4を移動可能で、且つ可動柱1,2上の任意の位置に固定可能であれば、その他の構造を採用しても良い。
【0021】
段ボールや雑誌、新聞などといった物を結ぶための作業を行うにあたっては、本発明の結束補助具を
図1のように展開する必要がある。展開する際には、本体部3を基準に可動柱1及び2を回動させ、Y字の形状とする。また展開した際に、結びたい対象物の大きさに合わせられるように紐係止棒4をスライド移動させる。
【0022】
本発明の結束補助具を収納する時には、
図2のように本発明の結束補助具を展開したY字型状態からI字型に折り畳み、コンパクトに収納することができる。
【0023】
紐を結ぶ手順を
図7に示す。まず、Y字型に展開した本発明の結束補助具の上に結びたい段ボール及び雑誌、新聞などといった結びたい対象物7を載せ、当該対象物7に合わせて紐係止棒4を、その外周に位置するように移動させる(7a)。次に、いったん対象物7を結束補助具から外し、紐を可動柱の周りを囲うように通し(7b)、この通した紐の上に対象物7を再度載せる(7c)。その後、紐の一方の先端を紐係止棒4の間に通されている紐の下をくぐらせ(7d)、本体部3方向に持ってくる(7e)。最後に紐の他端と結んで、当該対象物7の結束が終了する(7f)。
【産業上の利用可能性】
【0024】
形状をY字型にしたことで、十字をはじめとする他形状と同等の安定性を確保しつつ、使用後はコンパクトな形へ格納することができるため、収納のスペースを最小限にすることができる。また、束ねる対象の規格に紐の長さを合わせることが可能になる。また、結ぶ物の自重によって補助具の下に敷かれている紐が固定されるため、紐が緩くなったり、余ってしまったりすることを防止することができる。
【符号の説明】
【0025】
1、2 可動柱
1a、2a 窪み
2b 凹部
2c 展開した時に本体部と接触する可動柱の接触面
3 本体部
3a 展開した時に第2の可動柱と接触する本体部の接触面
4 紐係止棒
4a 紐係止棒本体
4b 位置固定棒
4c バネ
4d スライディングパーツ
5 連結部
5a ボルト
5b ナット
7 結びたい対象物
【要約】
【課題】コンパクトに収納できるとともに、さまざまなサイズの結束対象物に対応させることができる結束補助具を提供する。
【解決手段】本体部3の端部に回動可能な連結部5に2本の可動柱1、2が設けられている。この2本の可動柱1、2には、結束紐を固定する際に使用する移動可能な紐係止棒4がそれぞれ備えられている。2本の可動柱1、2は、収納時には、本体3に沿ってI字型に折りたたまれ、結束補助具としての使用時には、Y字型に展開される。
【選択図】
図1