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  • 特許-昆布加温装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】昆布加温装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20221226BHJP
【FI】
A23L17/60 102
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018198961
(22)【出願日】2018-10-23
(65)【公開番号】P2020065461
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】300021002
【氏名又は名称】株式会社森機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】特許業務法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】森 光典
【審査官】川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-281947(JP,A)
【文献】実開平06-038583(JP,U)
【文献】特開平09-103268(JP,A)
【文献】実開平06-046234(JP,U)
【文献】特開2009-178103(JP,A)
【文献】特開2006-158260(JP,A)
【文献】特開平07-310937(JP,A)
【文献】実開平06-078730(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 17/60
F24F 6/00- 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥した昆布を加温するための昆布加温装置であって、
昆布を加温するための電磁波を放射する発熱体を有する発熱部と、
昆布を内部に収容し、少なくとも内面全体において前記発熱体からの電磁波が反射されるように構成された、筐体と、
前記筐体の内部の温度を検出するためのセンサと、
前記センサからの情報に基づいて前記発熱体の動作を制御する制御部と
前記筐体の内部を、加温されている昆布の乾燥を防止することができる湿度に加湿するための加湿部と
を備える昆布加温装置。
【請求項2】
前記発熱体は、遠赤外線ヒータである、請求項1に記載の昆布加温装置。
【請求項3】
前記筐体の材質がアルミニウムであるか、又は、前記筐体の前記内面全体にアルミニウムの層が形成された、請求項1又は請求項2に記載の昆布加温装置。
【請求項4】
前記発熱部は、前記発熱体の昆布に対向する側とは反対側に設けられた反射体を有する、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の昆布加温装置。
【請求項5】
前記制御部は、昆布の温度が70度から150度になるように前記発熱体を制御する、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の昆布加温装置。
【請求項6】
前記加湿部によって加湿される前記筐体内の水蒸気量が、前記筐体内の温度から求められる飽和水蒸気量になるように調整された、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の昆布加温装置。
【請求項7】
前記加湿部は、水を収容するタンクと、前記タンク内の水を加熱するヒータとを有し、
前記タンク内の水が前記ヒータで加熱されて発生した蒸気によって前記装置内が加湿される、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の昆布加温装置。
【請求項8】
前記タンクは、水を収容するための平板形状の内空間を有し、前記ヒータは、前記タンクの外部において前記タンクと面で接することによって前記タンク内の水を加熱する、請求項7に記載の昆布加温装置。
【請求項9】
前記筐体は、内部に収容される昆布の大きさに対応するサイズを有し、少なくとも上面に昆布の搬入口が設けられた、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の昆布加温装置。
【請求項10】
前記筐体は、昆布の搬出口が側面に設けられた、請求項9に記載の昆布加温装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫後に乾燥状態で保管された昆布を加温するための昆布加温装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昆布は、収穫後に乾燥させて保管される。昆布は、長手方向の中央部分(図1におけるL1(葉)の部分)が高価格で取引され、幅方向の両端部(図1におけるL2(赤葉)の部分)は商品価値が低く低価格で取引されるため、乾燥状態で保管された昆布は、通常、製品化までの工程において幅方向の両端部が切除される。乾燥状態の昆布は、ほぼ全体が長手方向に波打ってしわとなっており、幅方向の両端部を切除する際には、切除作業性の観点から事前にしわ伸ばしを行う必要がある。乾燥状態でしわ伸ばしを行うと昆布が損傷するため、しわ伸ばし前の工程として、通常、昆布を加温したり加湿したりすることによって柔らかくする作業が行われる。
【0003】
昆布を加温する従来の方法として、例えばオイルバーナや電熱ヒータによって発生させた熱や、遠赤外線ヒータによって発生させた遠赤外線を、直接昆布に当てて加温する方法が用いられる場合がある。また、昆布を加湿する従来の方法として、例えば特許文献1(特開平7-310937)に開示される技術が提案されている。特許文献1の技術は、水槽と、その水槽内の水を加熱するオイルバーナや電熱ヒータとを備える箱の中に昆布を入れ、水槽から蒸発した湿気によって昆布を加湿するものである。さらに、昆布を加温してしわ伸ばしを行う方法として、例えば特許文献2(特開平10-66554)に開示される技術が提案されている。特許文献2の技術は、アイロンローラを有するしわ伸ばし手段によって、乾燥昆布を加熱しながらしわ伸ばしを行うものである。
【0004】
例えばオイルバーナや電熱ヒータからの熱を直接昆布に当てて加温する方法や、例えば遠赤外線ヒータから直接到達する遠赤外線で昆布Kを加温する方法は、温度管理が難しく、昆布が焼けたり、乾燥しすぎて昆布の硬化や破損を生じさせたりするおそれがあるとともに、エネルギー消費量が極めて大きい。例えば、オイルバーナを用いた従来の加温装置では、出力が約15kW~20kWである。また、これらの方法では、作業者も直接高温にさらされるため、通常は夏季に行われる昆布伸ばし作業における作業環境が劣悪となる。特許文献1に開示される技術では、オイルバーナや電熱ヒータによる熱で床全面の容器内の水を蒸発させるため、湿度を適切に制御することが難しく、昆布が過湿状態となるおそれがある。過湿状態となった昆布は、再度乾燥させる必要があり、再乾燥させると品質が低下し、さらに無駄なエネルギーも消費されることになる。特許文献2に開示される技術では、十分な加温が行われず、効果的なしわ伸ばしができないだけでなく、昆布が損傷するおそれがある。また、この技術を用いた装置は、構造が複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平7-310937
【文献】特開平10-66554
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、昆布の品質を劣化させたり作業環境を悪化させたりすることなく昆布を加温して柔らかくすることができる、省エネルギー型の昆布加温装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては、乾燥した昆布を加温するための昆布加温装置を提供する。昆布加温装置は、昆布を加温するための発熱部と、昆布を内部に収容する筐体と、筐体の内部の温度を検出するためのセンサと、センサからの情報に基づいて発熱体の動作を制御する制御部とを備える。発熱部は、昆布を加温するための電磁波を放射する発熱体を有する。筐体は、少なくとも内面全体において、発熱体からの電磁波が反射されるように構成されている。このように、筐体は、内面で電磁波を反射させるとともに、昆布以外に電磁波を吸収する物質が存在しないように構成されているため、電磁波は昆布Kに直接、無駄なく吸収され、昆布Kを効果的に短時間で温めることができる。また、本出願の発明者による研究では、乾燥された昆布は70°C~150°C程度の温度まで加温すれば十分に柔らかくすることができるとの知見が得られており、したがって、発熱体を低出力で動作させることができる。
【0008】
一実施形態においては、発熱体は遠赤外線ヒータであることが好ましい。また、筐体は、内面全体に電磁波を反射させる層が形成されているものとすることができ、又は筐体自体の材質が電磁波を反射させるものとすることもできる。一実施形態においては、筐体の材質をアルミニウムとすることができ、筐体の内面全体に形成される層をアルミニウムの層とすることもできる。発熱部は、発熱体の昆布に対向する側とは反対側に反射体を有することが好ましい。制御部は、昆布を70°C~150°Cの温度になるように発熱体を制御することが好ましい。
【0009】
一実施形態においては、昆布加温装置は、昆布の乾燥を防止することができる程度の湿度になるように、筐体内部を加湿することができる加湿部をさらに有することが好ましい。昆布の乾燥を防止することができる程度の湿度は、筐体内の温度から求められた飽和水蒸気量になるように調整されることが好ましい。
【0010】
一実施形態においては、筐体は、内部に収容される昆布の大きさに対応するサイズを有し、少なくとも上面に昆布の搬入口が設けられることが好ましい。また、筐体は、昆布の搬出口が側面に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周囲の作業環境に悪影響を与えることなく、品質を劣化させずに少ないエネルギーで効果的に多くの昆布を加温して柔らかくすることができるため、歩留まりの向上、作業コストの低減、作業者の作業負担の軽減、及び作業者の高収益化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る昆布加温装置によって加温する昆布の模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る昆布加温装置の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る昆布加温装置において、上面及び側面が開いた状態を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る昆布加温装置の発熱部を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る昆布加温装置の加湿部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態による昆布加温装置1の斜視図を示す。図2(a)は、昆布加温装置1の正面及び右側面を含む斜視図であり、図2(b)は、昆布加温装置1の左側面及び背面を含む斜視図である。また、図3は、昆布加温装置1において、上面及び正面に対応する位置の蓋と右側面に対応する位置の蓋とがいずれも開いた状態を示す斜視図である。昆布加温装置1(以下、単に装置1という)は、概ね直方体の形状の筐体10を備える。
【0014】
筐体10は、内部の空間に昆布Kを収容できるようになっており、収容される昆布Kの大きさに対応する寸法を有する。筐体10は、昆布Kの長さより多少長く、昆布Kの幅より多少広いことが好ましく、20~30本程度の昆布Kを重ねて収容できる高さを有することが好ましい。
【0015】
筐体10には、上面10aから広い側面(正面)10bに対応する位置にかけて、昆布Kを搬入するための搬入口10iが設けられている。搬入口10iは、2つの板状体12a、12bの各々の長辺が直角につながって構成される断面L字形状の搬入口蓋12によって、開閉することができる。搬入口蓋12は、一方の板状体12aの長辺12a1が、筐体10の広い側面(背面)10cに、例えば蝶番によって連結されており、この搬入口蓋12を上方に開くことによって、搬入口10iが開放されるようになっている。搬入口蓋12は、閉じたときに筐体10の一部を構成する。
【0016】
搬入口蓋12の板状体12aの外面に、発熱部20(詳細は後述される)が内部に収容される発熱部カバー12eが取り付けられる。板状体12aには、発熱部20から放射される電磁波を筐体10の内部に取り入れるための2つの開口12dが設けられている。搬入口蓋12の板状体12bは、その外面に、搬入口蓋12を操作するための取手12cが設けられることが好ましい。
【0017】
搬入口10iが設けられる位置は、上面10aから広い側面10bに対応する位置に限定されるものではなく、当然のことながら、上面10aから広い側面10cに対応する位置であってもよい。あるいは、上面10aに対応する位置のみが開放されて、この開口が搬入口10iとして用いられるようにしてもよい。この場合には、搬入口蓋12は、断面L字形状ではなく、開口10iを塞ぐ板状体であればよい。
【0018】
筐体10は、狭い側面(右側面)10dに対応する位置に、加温された昆布Kを取り出す搬出口10oが設けられている。搬出口10oは、板状体13aで構成される搬出口蓋13によって開閉することができる。搬出口蓋13は、板状体13aの一辺13a1が、筐体10の底面10fに、例えば蝶番によって連結されており、この搬出口蓋13を下方に開くことによって、搬出口10oが開放されるようになっている。搬出口蓋13は、閉じたときに筐体10の一部を構成する。搬出口蓋13の板状体13aは、その外面に、搬出口蓋13を操作するための取手13bが設けられることが好ましい。
【0019】
搬出口10oが設けられる位置は、狭い側面10dに対応する位置に限定されるものではなく、当然のことながら、狭い側面(左側面)10eに対応する位置であってもよい。あるいは、搬入口10iが上面10aに対応する位置に設けられている場合には、搬出口10oが広い側面10b又は10cに設けられてもよい。
【0020】
筐体10並びに筐体10の一部を構成する搬入口蓋12及び搬出口蓋13は、いずれも、発熱部20の発熱体21からの電磁波を反射する材料で作製されている。この材料は、発熱体21の種類に応じて、発熱体21から放射された電磁波を適切に反射することができるものであればよい。例えば発熱体21として遠赤外線ヒータが用いられる場合には、筐体10の材料は、アルミニウムであることが好ましい。
【0021】
昆布Kが配置される空間を、筐体10、搬入口蓋12及び搬出口蓋13によって囲むとともに、筐体10、搬入口蓋12及び搬出口蓋132を例えばアルミニウムなどの適切な電磁波反射材料で作製することによって、発熱体21から放射された電磁波が、筐体10、搬入口蓋12及び搬出口蓋13の内面全体で吸収されることなく効果的に反射され、反射された電磁波が空間内に配置された昆布Kに吸収されて、熱に変わる。したがって、熱源からの熱伝達のみで昆布Kを加温する場合や、電磁波発生源から直接到達する電磁波のみで昆布Kを加温する場合と比較して、発熱体21の出力をあまり高くすることなく(すなわち低エネルギー消費で)、昆布Kの品質の劣化(例えば、昆布の焼け、過乾燥による硬化や破損など)を生じさせずに、効果的に昆布Kを70°C~150°C程度に加熱することができる。また、発熱体21からの電磁波が筐体10の外部に漏れることがないため、作業環境を悪化させることなく昆布Kの加温が可能である。
【0022】
図4は、装置1が備える発熱部20の一部を示す。図3に示されるように、装置1においては、図4の発熱部20が2つ設けられている。発熱部20は、外部電源(図示せず)に接続された発熱体21と、昆布Kの位置とは反対方向に放射された電磁波を昆布Kの方向に向けて反射させるための反射体22とを有する。装置1においては、搬入口蓋12の板状体12aの外面に発熱部20が取り付けられ、発熱体21からの電磁波は、板状体12aに設けられた開口12dから筐体10の内部に向けて放射される。
【0023】
発熱体21は、昆布Kを適切に加温することができるものであれば限定されないが、昆布Kに効果的に吸収されて熱に変わる波長の電磁波を放射する性質を持つことから、遠赤外線ヒータであることが好ましい。装置1では、発熱体21として、2本の棒状の遠赤外線ヒータを直列に並べたものが用いられているが、これに限定されるものではなく、1本の赤外線ヒータのみを用いたり、3本以上の遠赤外線ヒータを並列に並べて用いたりしてもよい。装置1においては、発熱部20は搬入口蓋12に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、例えば筐体10の広い側面10cに取り付けてもよい。
【0024】
装置1は、昆布Kが配置される空間を囲む筐体10、搬入口蓋12及び搬出口蓋13が、電磁波(例えば遠赤外線)を反射させる材料(例えばアルミニウム)で作製されているため、発熱体21(例えば遠赤外線ヒータ)から放射された電磁波は、筐体10等の内面で反射され、昆布Kに直接、無駄なく吸収されて、昆布Kを効果的に短時間で温めることができる。したがって、装置1においては、例えば1.5kW~2.0kW程度の出力の遠赤外線ヒータを用いればよく、従来の装置と比較して大幅にエネルギー消費量を削減することができる。
【0025】
発熱体21の出力、すなわち設定温度は、温度調節つまみ24によって調節することができる。筐体10の内部には、いずれかの適切な位置に温度センサ23が設けられることが好ましい。装置1は、温度センサ23からの情報に基づいて発熱体21の出力を適切に制御するための制御部(図示せず)を備える。制御部は、例えばサーモスタットなどの装置を用いることができ、又は汎用のパーソナルコンピュータで実行可能なソフトウェアとすることもできる。
【0026】
反射体22は、発熱体21の昆布Kに対向する側とは反対側に設けられる。装置1においては、反射体22は、図4に示されるように、昆布Kの位置とは反対方向に向かって発熱体21から放射された電磁波を昆布Kの方向に向けて反射させることができるように、発熱体21の長さ方向を横切る方向の断面形状を、昆布Kの側が拡開したコの字形状とすることが好ましい。発熱体21は、コの字形状の内側部分に配置される。反射体22の材料は、発熱体21の種類に応じて、発熱体21から放射された電磁波を適切に反射することができるものであれば限定されるものではないが、筐体10、搬入口蓋12及び搬出口蓋13の材料と同じ材質のものであることが好ましい。
【0027】
筐体10の内部の昆布Kは、加熱によって乾燥する場合がある。昆布は乾燥が進むと、硬化や破損などによって劣化するため、昆布の過乾燥を防止するために筐体10の内部を適切に加湿することが好ましい。装置1においては、筐体10の狭い側面10eの内面に加湿部30が設けられている。
【0028】
図5は、装置1に用いられる加湿部30を示す。加湿部30は、外部電源(図示せず)に接続されたヒータ31と、水を収容するタンク32とを有する。ヒータ31は、限定されるものではないが、例えば薄型のシリコンラバーヒータを用いることができる。タンク32は、薄い平板形状の内空間を有し、この内空間に水を貯めることができるようになっている。ヒータ31は、タンク32と筐体10の側面10eの内面との間に挟まれており、タンク32とは面で接し、タンク32内の水を広い面積で加熱することができる。したがって、加湿部30を用いることによって、蒸発量の適切な制御が容易である。タンク32は、側面10eに固定され、上部には、タンク32内への給水時にシリコンラバーヒータに水がかからないようにするための保護板32aが設けられることが好ましい。
【0029】
ヒータ31は、筐体10の内部が概ね飽和蒸気圧に維持されるように、例えばヒータ31を直接オン/オフするスイッチ(図示せず)によって、作業者が昆布の状態(乾燥の状態や結露の有無など)を確認しながら作動又は停止させることができ、又は、筐体10内に湿度センサを配置し、湿度センサからの情報に基づいて自動で作動又は停止するようにしてもよい。ヒータ31の出力は、筐体10の内部を概ね飽和蒸気圧に維持した状態で加湿することができるようにタンク32内の水を蒸発させる程度の出力であればよい。筐体10の内部を概ね飽和蒸気圧となるように加湿することによって、昆布Kからの水分の蒸発を最小限にとどめ、昆布の過乾燥を防止することができる。
【0030】
装置1においては、筐体10の内部に加湿部30が設けられているが、この構成に限定されるものではない。例えば、加湿部30を筐体10の外部に設け、加湿部30で生成された加湿空気を、筐体10の例えば狭い側面10eに設けられた供給口から、筐体10の内部に送り込む構成としてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 昆布加温装置
10 筐体
10a 上面
10b 正面(広い側面)
10c 背面(広い側面)
10d 右側面(狭い側面)
10e 左側面(狭い側面)
10f 底面
10i 搬入口
10o 搬出口
12 搬入口蓋
12a、12b 板状体
12a1 板状体12aの長辺
12c 把手
12d 開口
12e 発熱部カバー
13 搬出口蓋
13a 板状体
13b 把手
20 発熱部
21 発熱体
22 反射体
23 温度センサ
24 温度調節つまみ
30 加湿部
31 ヒータ
31a 保護板
32 タンク

K 昆布
L1 葉
L2 赤葉
R1 根昆布
R2 根



図1
図2
図3
図4
図5