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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】遊技機用シャッター装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019042479
(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2020141969
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】320002913
【氏名又は名称】株式会社イチネン製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南川 直哉
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-160227(JP,A)
【文献】特開2009-100994(JP,A)
【文献】特開2015-223465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に対面配置された板状部に平行な遮蔽板と、
前記遮蔽板を、前記板状部の前面に平行な第1方向へスライドさせるアクチュエータと、
前記遮蔽板の端部であって、前記第1方向に垂直且つ前記板状部の前面に平行な第2方向における端部に摺接して、前記遮蔽板の前記第1方向への移動をガイドするガイド部材と、を備えた遊技機用シャッター装置であって、
前記遮蔽板の前記端部から前記第2方向へそれぞれ突出し、且つ前記第1方向に離間した第1凸部及び第2凸部を備え、
前記第1凸部の突出高さが前記第2凸部より小さく設定され、
前記ガイド部材は、前記第2方向にずれるように配置された第1ガイド部及び第2ガイド部であって、前記遮蔽板の前記端部から前記第2方向に離間した第1ガイド部と、前記第1ガイド部と前記遮蔽板の前記端部との間に配置された第2ガイド部と、を有し、
前記第1ガイド部は、前記第1方向に直線状に延びる第1直線部、及び前記第1直線部の端部から前記第1方向且つ前方又は後方へ向かって斜めに延びる第1傾斜部を有する第1溝部を備え、
前記第2ガイド部は、前記第1溝部から見て前記第1方向にずれるように配置された第2溝部であって、前記第1方向に直線状に延びる第2直線部、及び前記第2直線部の端部から前記第1方向且つ前方又は後方へ向かって斜めに延びる第2傾斜部を有する第2溝部を備え、
前記第1傾斜部の延設方向と前記第2傾斜部の延設方向とが平行であり、且つ前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との前記第1方向における距離が、前記第1凸部と前記第2凸部との距離と同一であり、
前記第1凸部が、前記第1ガイド部の前記第1溝部にガイドされ、
前記第2凸部が、前記第2溝部にガイドされる、
遊技機用シャッター装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機用シャッター装置において、
前記板状部を前記第1方向へ移動させるアクチュエータをさらに備えた、
遊技機用シャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用シャッター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載されているように、遊技機の表示装置の表示面を覆い隠す遊技機用シャッター装置は知られている。この遊技機用シャッター装置は、上下方向に延びる略長方形の複数の遮蔽板を備える。各遮蔽板は、その板厚方向が遊技盤に対して垂直な状態を維持しつつ、左右方向にスライド可能である。これらの遮蔽板が、表示装置の側方(左方及び右方)且つ少し前方(遊技者側)にて、前後方向(遊技盤の板厚方向)に重ねられている(全開状態)。各遮蔽板が、左右方向へスライドされて、表示装置を覆い隠すように並べられる(全閉状態)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許4313349号公報
【発明の概要】
【0004】
特許文献1のシャッター装置において、各遮蔽板は、左右方向にスライドするだけである。したがって、全閉状態(表示装置を覆い隠すように各遮蔽板が並べられた状態)では、隣り合う遮蔽板の境界部において、前後方向に段差が生じており、全閉状態における遊技機用シャッター装置の外観品質が低い。
【0005】
本発明の目的は、全閉状態における外観品質を向上させた遊技機用シャッター装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機用シャッター装置(1)は、遊技者に対面配置された板状部(121、122、PB)に平行な遮蔽板(111、112)と、前記遮蔽板を、前記板状部の前面に平行な第1方向へスライドさせるアクチュエータ(213、23)と、前記遮蔽板の端部であって、前記第1方向に垂直且つ前記板状部の前面に平行な第2方向における端部に摺接して、前記遮蔽板の前記第1方向への移動をガイドするガイド部材(212)と、を備えた遊技機用シャッター装置であって、前記遮蔽板の前記端部から前記第2方向へそれぞれ突出し、且つ前記第1方向に離間した第1凸部(PLa111、PRa111、PLa112、PRa112)及び第2凸部(PLb111、PRb111、PLb112、PRb112)を備え、前記第1凸部の突出高さが前記第2凸部より小さく設定され、前記ガイド部材は、前記第2方向にずれるように配置された第1ガイド部(212a)及び第2ガイド部(212b)であって、前記遮蔽板の前記端部から前記第2方向に離間した第1ガイド部と、前記第1ガイド部と前記遮蔽板の前記端部との間に配置された第2ガイド部と、を有し、前記第1ガイド部は、前記第1方向に直線状に延びる第1直線部(Sa212)、及び前記第1直線部の端部から前記第1方向且つ前方又は後方へ向かって斜めに延びる第1傾斜部(Sb212)を有する第1溝部(S212U、S212D)を備え、前記第2ガイド部は、前記第1溝部から見て前記第1方向にずれるように配置された第2溝部(GU212M、GD212M)であって、前記第1方向に直線状に延びる第2直線部(Ga212)、及び前記第2直線部の端部から前記第1方向且つ前方又は後方へ向かって斜めに延びる第2傾斜部(Gb212M)を有する第2溝部を備え、前記第1傾斜部の延設方向と前記第2傾斜部の延設方向とが平行であり、且つ前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との前記第1方向における距離が、前記第1凸部と前記第2凸部との距離と同一であり、前記第1凸部が、前記第1ガイド部の前記第1溝部にガイドされ、前記第2凸部が、前記第2溝部にガイドされる。
【0007】
本発明に係る遊技機用シャッター装置において、遮蔽板が第1ガイド部及び第2ガイド部にガイドされている。つまり、遮蔽板は、第1ガイド部及び第2ガイド部に沿って第1方向へ移動する。これによれば、例えば、遮蔽板が板状部の前方(遊技者側)に重ねられるように配置された状態(全開状態)から、遮蔽板を、第1ガイド部及び第2ガイド部の直線部に沿って移動させた後、第1ガイド部及び第2ガイド部の傾斜部に沿って後方へ移動させることができる。また、例えば、遮蔽板が、板状部の後方(遊技者とは反対側)に重ねられるように配置された状態から第1ガイド部及び第2ガイド部の直線部に沿って移動させた後、第1ガイド部及び第2ガイド部の傾斜部に沿って後方へ移動させることができる。これにより、板状部と遮蔽板が第1方向に並べられ、且つ板状部の前面と遮蔽板の前面とが同一平面内に位置する状態(全閉状態)を実現できる。よって、本発明によれば、全閉状態における遊技機用シャッター装置の外観品質を向上させることができる。
【0008】
また、第1ガイド部及び第2ガイド部が、第1方向及び第2方向(板状部に平行な方向)にずれて設けられ、前後方向にはずれていない。これによれば、第1ガイド部及び第2ガイド部を前後方向にずらして設けた場合に比べて、遊技機用シャッター装置を小型化(薄型化)できる。
【0009】
さらに、本発明によれば、遮蔽板を第1方向に移動させるアクチュエータと前後方向に移動させるアクチュエータとを別々に設けた場合に比べて、装置全体としての構成を簡略化できる。
【0010】
さらに、本発明の遊技機用シャッター装置の一態様において、前記所定の板状部を前記第1方向へ移動させるアクチュエータをさらに備える。
【0011】
これによれば、全閉状態において、遮蔽板と板状部との間の空隙を減少させることができる。よって、全閉状態における遊技機用シャッター装置の外観品質をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機用シャッター装置が適用されたパチンコ機の分解斜視図である。
図2】全開状態における遊技機用シャッター装置の斜視図である。
図3】全閉状態における遊技機用シャッター装置の斜視図である。
図4】第1遮蔽板の正面図である。
図5】第2遮蔽板の正面図である。
図6】左側の直動装置の分解斜視図である。
図7図6に示したガイド板を斜め後方から見た斜視図である。
図8図6に示したガイド板の右側面図である。
図9図6に示した前側直動機構の分解斜視図である。
図10図6に示した後側直動機構の分解斜視図である。
図11】第1遮蔽板、ガイド板及び前側直動機構の係合を示す分解斜視図である。
図12】第1遮蔽板、ガイド板及び前側直動機構の係合を示す断面図である。
図13】全閉状態における第1遮蔽板及び第2遮蔽板の位置関係を示す側面図である。
図14】全開状態から全閉状態に至る途中の状態における第1遮蔽板及び第2遮蔽板の位置関係を示す側面図である。
図15】全開状態における第1遮蔽板及び第2遮蔽板の位置関係を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る遊技機用シャッター装置1について説明する。まず、遊技機用シャッター装置1が適用される遊技機としてのパチンコ機PMの概略について説明しておく。パチンコ機PMは、図1に示すように、鉛直方向に延びる略直方体状の装置である。以下の説明において、パチンコ機PMの高さ方向(鉛直方向)を上下方向と呼ぶ。また、パチンコ機PMの幅方向を左右方向と呼び、パチンコ機PMの奥行き方向を前後方向と呼ぶ。
【0014】
パチンコ機PMは、同図に示すように、遊技盤PB、遊技球発射装置BSなどを備える。遊技盤PBは、上下方向に延びる略長方形の板状部材である。遊技盤PBは、遊技者に対向するように配置されている。すなわち、遊技盤PBの板厚方向が前後方向に一致している。遊技球発射装置BSは、遊技盤PBの下方に配置されている。遊技球発射装置BSは、図示しない遊技球を1球ずつ遊技盤PBへ向けて発射する。
【0015】
遊技盤PBの略中央部に開口部OPが設けられている。開口部OPの後方には、表示装置DD及び遊技機用シャッター装置1が組み付けられたケースCAが配置されている。ケースCAは前方(遊技者側)へ開放された箱状部材である。ケースCAの中央部に表示装置DDが配置されている。表示装置DDとして、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが用いられる。表示装置DDは、図示しない制御装置に接続されており、制御装置から供給された制御信号に従って画像を表示する。開口部OPの周縁部には枠状の縁飾りEPが取り付けられている(図1参照)。
【0016】
遊技機用シャッター装置1は、詳しくは後述するように、左右方向に延びる遮蔽板10を、直動装置20を用いて昇降させる(図2及び図3参照)。これにより、表示装置DDの表示面を視認可能な状態と視認不能な状態とを切り替える。
【0017】
遮蔽板10は、上下一対の第1遮蔽板111,112及び上下一対の第2遮蔽板121,122から構成される。第1遮蔽板111と第1遮蔽板112とは、上下対称である。また、第2遮蔽板121と第2遮蔽板122とは、上下対称である。そこで、以下、第1遮蔽板111及び第2遮蔽板121の構成について説明し、第1遮蔽板112及び第2遮蔽板122の構成についての説明を省略する。
【0018】
第1遮蔽板111は、図4に示すように、左右方向に延びる略長方形の板状部材である。第1遮蔽板111は、その板厚方向が前後方向に一致するように配置されている。第1遮蔽板111の下半部の左右方向の寸法が、上半部の左右方向の寸法より少し小さい。すなわち、第1遮蔽板111の左端面SL111の上半部SLa111と下半部SLb111との境界部、及び第1遮蔽板111の右端面SR111の上半部SRa111と下半部SRb111との境界部に段差がそれぞれ設けられている。
【0019】
上半部SLa111及び下半部SLb111には、左方へ延びる凸部PLa111及び凸部PLb111がそれぞれ設けられている。凸部PLa111及び凸部PLb111の延設方向に垂直な断面は円形を呈する。凸部PLa111及び凸部PLb111の外径は、同一である。凸部PLb111は、凸部PLa111の下方に位置している。左端面SL111の上半部SLa111と凸部PLb111の先端面(左端面)とが、同一平面内に位置している。すなわち、下半部SLb111を基準とすると、凸部PLa111の左方への突出高さが、凸部PLb111の左方への突出高さより大きい。上半部SRa111及び下半部SRb111には、凸部PLa111及び凸部PLb111と同様の凸部PRa111及び凸部PRb111がそれぞれ設けられている。第1遮蔽板112も、第1遮蔽板111と同様の板状部材であり、凸部PLa111及び凸部PLb111並びに凸部PRa111及び凸部PRb111と同様の凸部PLa112及び凸部PLb112並びに凸部PRa112及び凸部PRb112を備える(図11参照)。
【0020】
第2遮蔽板121は、図5に示すように、左右方向に延びる長方形の板状部材である。第2遮蔽板121は、その板厚方向が前後方向に一致するように配置されている。
【0021】
直動装置20は、直動装置20L,20Rから構成されている。直動装置20Lと直動装置20Rとは左右対称である。そこで、以下、直動装置20Lの構成について説明し、直動装置20Rの説明を省略する。
【0022】
直動装置20Lは、図6に示すように、前側直動機構21、後側直動機構22及び電動モーター23を備える。
【0023】
前側直動機構21は、支持板211、ガイド板212、スライド機構213及び前蓋214を備える。支持板211は、基板部211a及び周壁部211bを備える。基板部211aは、上下方向に延びる略長方形の平板部である。基板部211aの板厚方向が前後方向に一致している。周壁部211bは、基板部211aの前面における上辺、下辺及び左辺に沿うように延設されている。周壁部211bは、基板部211aに対して垂直である。基板部211aの前面には、上下方向に延びるリブR211aが設けられている。リブR211aは、基板部211aの幅方向(左右方向)における中央部に配置されている。リブR211aは、基板部211aの上端部から、基板部211aの上下方向における中央部に亘り、上下方向に直線状に延設されている。また、基板部211aの中央部であって、リブR211aの少し下方に位置する部分に、前後方向に貫通する貫通孔TH211aが形成されている。さらに、基板部211aの右端面には、次に説明するガイド板212を支持するガイド板支持部211c,211d,211eが設けられている。ガイド板支持部211c,211d,211eは、基板部211aの右端面の上下方向における上端部、下端部及び中央部から右方へ突出している。
【0024】
ガイド板212は、上下方向に延びる略長方形の板状部材である。ガイド板212は、その板厚方向が左右方向に一致するように配置されている。ガイド板212は、支持板211のガイド板支持部211c,211d,211eに固定されている。
【0025】
ガイド板212は、第1ガイド部212aと第2ガイド部212bからなる。第1ガイド部212aは、上下方向に延びる板状部である。第2ガイド部212bは、第1ガイド部212aの右面に形成されている。
【0026】
第2ガイド部212bは、第1ガイド部212aの上下方向における中間部に配置された、第1ガイド部212aに対して平行な板状の基部212M、基部212Mの前端から上方及び下方にそれぞれ延びる前縁部212UF及び前縁部212DFを有する。言い換えれば、基部212M、前縁部212UF及び前縁部212DFは、第1ガイド部212aから見て右方へ突出している。第1ガイド部212aと第2ガイド部212bとが一体的に形成されている。第1ガイド部212a及び第2ガイド部212bは、中実状ではなく、左方へ開口された中空状であって、その内部に複数のリブR212を有する(図7参照)。
【0027】
第1ガイド部212aの部分であって、ガイド板212の右方から見て露出している部分(第2ガイド部212bによって覆われていない部分)のうちの上部212U及び下部212DにスリットS212U及びスリットS212Dがそれぞれ形成されている(図8参照)。スリットS212UとスリットS212Dとは、上下対称である。そこで、以下、スリットS212Uの構成について説明し、スリットS212Dとの説明を省略する。スリットS212Uは、上下方向に直線状に延びる直線部Sa212と、直線部Sa212の下端部から下方且つ後方へ斜めに延びる傾斜部Sb212とからなる。スリットS212Uの幅は、凸部PLa111の外径より僅かに大きい。
【0028】
基部212Mには、その上端から下方へ入り込む溝部GU212M、及びその下端から上方へ入り込む溝部GD212Mが形成されている。溝部GU212Mと溝部GD212Mとは、上下対称である。そこで、以下、溝部GU212Mの構成について説明し、溝部GD212Mの説明を省略する。溝部GU212Mは、上下方向に直線状に延びる直線部Ga212と直線部Ga212の下端部から下方かつ後方へ斜めに延びる傾斜部Gb212とからなる。溝部GU212Mの幅は、凸部PLb121の外径より僅かに大きい。直線部Ga212は、スリットS212Uの直線部Sa212の下方に配置されている。傾斜部Gb212は、スリットS212Uの傾斜部Sb212の下方に配置されている。傾斜部Gb212は、傾斜部Sb212に対して平行である。傾斜部Gb212とスリットS212Uの傾斜部Sb212との距離は、凸部PLb111と凸部PLa111との距離と同一である。
【0029】
スライド機構213は、図9に示すように、基板部211aの前方に配置されている。スライド機構213は、ラック213a及びピニオンギヤ213b、並びにラック213c及びピニオンギヤ213dを備える。ラック213aは、支持板部SP213a及び歯部TP213aを備える。支持板部SP213aは、略長方形の平板部である。支持板部SP213aの板厚方向が前後方向に一致している。支持板部SP213aは、突出部PP213aを備える。突出部PP213aは、支持板部SP213aの右上の角部から後方へ突出している。突出部PP213aには、右方へ開放され、前後方向に延びる溝部GP213aが形成されている。歯部TP213aは、支持板部SP213aの右下の角部から下方へ延設されている。歯部TP213aは、支持板部SP213aに平行な長細い板状部であり、その左端面に、複数の歯T213aが形成されている。これらの歯T213aは、上下方向に並べられている。これらの歯T213aは、ピニオンギヤ213bに噛み合う。ピニオンギヤ213bは、平歯車である。
【0030】
ラック213cは、支持板部SP213c及び歯部TP213cを備える。支持板部SP213cは、略長方形の平板部である。支持板部SP213cの板厚方向が前後方向に一致している。支持板部SP213cは、突出部PP213cを備える。突出部PP213cは、支持板部SP213cの右下の角部から後方へ突出している。突出部PP213cには、右方へ開放され、前後方向に延びる溝部GP213cが形成されている。歯部TP213cは、支持板部SP213cの左上の角部から上方へ延設されている。歯部TP213cは、支持板部SP213cに平行な長細い板状部であり、その右端面に、複数の歯T213cが形成されている。これらの歯T213cは、上下方向に並べられている。これらの歯T213cは、ピニオンギヤ213dに噛み合う。ピニオンギヤ213dは、平歯車である。ピニオンギヤ213dの直径は、ピニオンギヤ213bの直径より少し小さい。ピニオンギヤ213dは、ピニオンギヤ213bの後面に設けられている。
【0031】
前蓋214は、上下方向に延びる長方形の板状部材である(図6参照)。前蓋214は、支持板211の前面に取り付けられる。
【0032】
後側直動機構22は、支持板211の後面に取り付けられている。後側直動機構22は、支持板221、ガイドシャフト222及びスライド機構223を備える。
【0033】
支持板221は、基板部221a及び周壁部221bを備える。基板部221aは、上下方向に延びる略長方形の平板部である。基板部221aの板厚方向が前後方向に一致している。周壁部221bは、基板部221aの前面における上辺、下辺及び左辺に沿うように延設されている。周壁部221bは、基板部221aに対して垂直である。また、基板部221aの中央部に、前後方向に貫通する貫通孔TH221aが形成されている。また、基板部221aには、次に説明するガイドシャフト222を支持するガイドシャフト支持部SPa221a,SPb221a,SPc221aが形成されている。これらのガイドシャフト支持部SPa221a,SPb221a,SPc221aは、基板部221aの幅方向(左右方向)における中央部にて、上下方向に離間している。すなわち、ガイドシャフト支持部SPa221aが、基板部221aの上端部に形成されている。ガイドシャフト支持部SPb221aが、基板部221aの下端部に形成されているガイドシャフト支持部SPc221aが、基板部221aの上下方向における中央部に形成されている
【0034】
ガイドシャフト222は、上下方向に延びる丸棒である。ガイドシャフト222の上端部、下端部及び中央部が、ガイドシャフト支持部SPa221a,SPb221a,SPc221aにそれぞれ支持されている。
【0035】
スライド機構223は、基板部221aと基板部211aとの間に配置されている。スライド機構223は、図10に示すように、ラック223a及びピニオンギヤ223b、並びにラック223c及びピニオンギヤ223dを備える。ラック223aは、支持板部SP223a及び歯部TP223aを備える。支持板部SP223aは、上下方向に延びる略長方形の平板部である。支持板部SP223aの板厚方向が前後方向に一致している。支持板部SP223aには、タブ板部BP223aが形成されている。タブ板部BP223aは、支持板部SP223aの右端面における上部から右方へ突出している。タブ板部BP223aは、上下方向に延びる長方形の板状部である。タブ板部BP223aの板厚方向が前後方向に一致している。さらに、支持板部SP223aには、筒状部CP223aが形成されている。筒状部CP223aは、支持板部SP223aの前面における左縁部にて、上下方向に延設されている。筒状部CP223aの内径は、ガイドシャフト222の外径と略同一である。歯部TP223aは、筒状部CP223aの左面に設けられている。歯部TP223aは、複数の歯T223aからなる。これらの歯T223aは、上下方向に並べられている。これらの歯T223aは、ピニオンギヤ223bに噛み合う。ピニオンギヤ223bは、平歯車である。ピニオンギヤ223bの直径は、ピニオンギヤ223dの直径より小さい。
【0036】
ラック223cは、支持板部SP223c及び歯部TP223cを備える。支持板部SP223cは、上下方向に延びる略長方形の平板部である。支持板部SP223cの板厚方向が前後方向に一致している。支持板部SP223cの板厚方向が前後方向に一致している。支持板部SP223cには、タブ板部BP223cが形成されている。タブ板部BP223cは、支持板部SP223cの右端面の下部から右方へ突出している。タブ板部BP223cは、上下方向に延びる長方形の板状部である。タブ板部BP223cの板厚方向が前後方向に一致している。さらに、支持板部SP223cには、筒状部CP223cが形成されている。筒状部CP223cは、支持板部SP223cの前面における左縁部にて、上下方向に延設されている。筒状部CP223cの内径は、ガイドシャフト222の外径と略同一である。さらに、筒状部CP223cには、アーム部AP223cが形成されている。アーム部AP223cは、左右方向に延びる略矩形の板状部である。アーム部AP223cの板厚方向が前後方向に一致している。歯部TP223cは、アーム部AP223cの左上の角部から上方へ延設されている。歯部TP223cは、アーム部AP223cの平行な長細い板状部であり、その右端面に、複数の歯T223cが形成されている。これらの歯T223cは、上下方向に並べられている。これらの歯T223cは、ピニオンギヤ223dに噛み合う。ピニオンギヤ223dは、平歯車である。ピニオンギヤ223dの直径は、ピニオンギヤ223bの直径より少し小さい。ピニオンギヤ223dは、ピニオンギヤ223bの後面に設けられている。
【0037】
電動モーター23は、ステッピングモーター及び減速装置を備える。
【0038】
ラック213aは、支持板211の前面における右上部に配置されている(図6参照)。ラック213cは、支持板211の前面における左下部に配置されている。ピニオンギヤ213b、ピニオンギヤ213d及び貫通孔TH211aが同軸配置されている。ピニオンギヤ213dは、ピニオンギヤ213bと基板部211aとの間に配置されている。ラック213aの歯T213aが、ピニオンギヤ213bに噛み合わせられ、ラック213cの歯T213cが、ピニオンギヤ213dに噛み合わせられている。そして、前蓋214が、支持板211の前面側に取り付けられている。前蓋214が支持板211に取り付けられた状態では、基板部211aの前面と前蓋214の後面との間に空間が形成される。この空間にスライド機構213が収容されている。つまり、基板部211a及び前蓋214により、スライド機構213の前後方向への移動が規制されている。なお、突出部PP213a及び突出部PP213cは、支持板211のガイド板支持部211cの上方及び下方にて上下方向にそれぞれ延びる空間を通って後方へ突出している。支持板211の上下方向における中央部から突出部PP213aまでの上下方向の距離と、支持板211の上下方向における中央部から突出部PP213cまでの上下方向の距離とが同一である。
【0039】
ラック223aは、支持板221の前面における右上部に配置されている。筒状部CP223aがガイドシャフト222の上半部(ガイドシャフト支持部SPa221aとガイドシャフト支持部SPc221aの間)に嵌め込まれている。ラック223cが、支持板221の前面における左下部に配置されている。筒状部CP223cがガイドシャフト222の下半部(ガイドシャフト支持部SPb221aとガイドシャフト支持部SPc221aの間)に嵌め込まれている。ピニオンギヤ223b、ピニオンギヤ223d及び貫通孔TH221aが同軸配置されている。ピニオンギヤ223dは、ピニオンギヤ223bと基板部221aとの間に配置されている。ラック223aの歯T223aが、ピニオンギヤ223bに噛み合わせられ、ラック223cの歯T223cが、ピニオンギヤ223dに噛み合わせられている。上記のように構成された後側直動機構22が、前側直動機構21の後側に取り付けられている。すなわち、スライド機構223が、基板部211aと基板部221aとの間の空間に収容されている。直動装置20Lにおいて、貫通孔TH221a、ピニオンギヤ223d、ピニオンギヤ223b、貫通孔TH211a、ピニオンギヤ213d、及びピニオンギヤ213bが同軸配置されている。支持板221の上下方向における中央部からタブ板部BP223aの下端までの上下方向の距離と、支持板221の上下方向における中央部からタブ板部BP223cの上端までの上下方向の距離とが略同一である。
【0040】
電動モーター23の出力軸が、直動装置20Lの後方から貫通孔TH221a、ピニオンギヤ223d、ピニオンギヤ223b、貫通孔TH211a、ピニオンギヤ213d、及びピニオンギヤ213bに挿入されている。
【0041】
電動モーター23によって、ピニオンギヤ213b,213d,223b,223dが一体的に回転(正転又は逆転)駆動されることにより、ラック213a及びラック213cが、互いに反対方向へ移動する。その際、ラック213aの支持板部SP213aの左端面と基板部211aのリブR211aの右面とが摺接するとともに、ラック213aの右面とガイド板212の左面とが摺接する。すなわち、ラック213aは、基板部211a及びガイド板212によってガイドされて上下方向に移動する。一方、ラック213cの支持板部SP213cの右端面とガイド板212の左面とが摺接するとともに、ラック213cの歯T213cの左端面と支持板211の周壁部211bとが摺接する。すなわち、ラック213cは、周壁部211b及びガイド板212によってガイドされて上下方向に移動する。一方、ラック223a及びラック223cは、ガイドシャフト222によってガイドされて上下方向に移動する。
【0042】
図11に示すように、直動装置20L,20Rの右方及び左方から、スリットS212U,S212Uに、第1遮蔽板111の凸部PLa111,PRa111がそれぞれ挿入されている。そして、直動装置20L,20Rの溝部GP213a,GP213aに、凸部PLa111,PRa111の先端部がそれぞれ収容されて支持されている。さらに、直動装置20L,20Rの右方及び左方から、スリットS212D,S212Dに、第1遮蔽板112の凸部PLa112,PRa112がそれぞれ挿入されている。そして、直動装置20L,20Rの溝部GP213c,GP213cに、凸部PLa112,PRa112の先端部がそれぞれ収容されて支持されている。
【0043】
直動装置20L,20Rのタブ板部BP213a,BP213aの前面に、第2遮蔽板121の後面における左右の端部が固定されている。直動装置20L,20Rのタブ板部BP213c,BP213cの前面に、第2遮蔽板122の後面における左右の端部が固定されている。
【0044】
つぎに、遊技機用シャッター装置1の遮蔽板10の開閉動作について説明する。例えば、遊技中の通常状態では、遊技機用シャッター装置1が下記のような全開状態(図2及び図13参照)に設定される。
・直動装置20L,20Rのラック213a,213aが、それらの可動範囲の上端に配置されることにより、第1遮蔽板111が、その可動範囲の上端に配置される。
・直動装置20L,20Rのラック213c,213cが、それらの可動範囲の下端に配置されることにより、第1遮蔽板112が、その可動範囲の下端に配置される。
・直動装置20L,20Rのラック223a,223aが、それらの可動範囲の上端に配置されることにより、第2遮蔽板121が、その可動範囲の上端に配置される。
・直動装置20L,20Rのラック223c,223cが、それらの可動範囲の下端に配置されることにより、第2遮蔽板122が、その可動範囲の下端に配置される。
【0045】
全開状態では、第2遮蔽板121,122の前方に第1遮蔽板111,112が配置されている。第1遮蔽板111及び第2遮蔽板121は、表示装置DDの上端より少し上方に位置し、第1遮蔽板112及び第2遮蔽板122は、表示装置DDの下端より少し下方に位置している。すなわち、表示装置DDの表示面の全面を前方から視認可能である。
【0046】
なお、全開状態では、凸部PLa111,PRa111は、スリットS212U,S212Uの直線部Sa212,Sa212の上端部に挿入され、それらの先端部は、ガイド板212の外側へ突出して、溝部GP213a,GP213aの前端部に入り込んでいる(図12参照)。また、凸部PLb111,PRb111は、スリットS212U,S212Uには入り込んでおらず、直線部Sa212,Sa212の右方及び左方にそれぞれ位置している。凸部PLa112,PRa112は、スリットS212D,S212Dの直線部Sa212,Sa212の上端部に挿入され、それらの先端部は、ガイド板212の外側へ突出して、溝部GP213c,GP213cの前端部に入り込んでいる。また、凸部PLb112,PRb112は、スリットS212D,S212Dには入り込んでおらず、直線部Sa212,Sa212の右方及び左方にそれぞれ位置している。
【0047】
ここで、第1遮蔽板111,112の後方に、第2遮蔽板121,122が対面配置されている。さらに、凸部PLb111,PRb111の前方に、ガイド板212の前縁部212UF,212UFが位置している。凸部PLb112,PRb112の前方に、ガイド板212の前縁部212DF,212DFが位置している。これにより、凸部PLa111,PRa111の中心軸まわりの第1遮蔽板111の回動、及び凸部PLa112,PRa112の中心軸まわりの第1遮蔽板112の回動が規制されている。
【0048】
例えば、遊技機用シャッター装置1の全開状態(図13参照)において、パチンコ機PMの所定の遊技イベントが発生すると、遊技機用シャッター装置1は、以下説明するように、全閉状態に移行される。すなわち、直動装置20L,20Rの電動モーター23が、図示しない制御装置により、同期するように正転駆動される。これにより、ラック213a,213aが下降するとともに、ラック213c,213cが上昇する。つまり、第1遮蔽板111及び第2遮蔽板121が下降するとともに、第1遮蔽板112及び第2遮蔽板122が上昇する。ここで、ピニオンギヤ213bの直径に比べて、ピニオンギヤ223bの直径が小さい。したがって、第1遮蔽板111の下降速度に比べて、第2遮蔽板121の下降速度が小さい(半分程度)。また、ピニオンギヤ213dの直径に比べて、ピニオンギヤ223dの直径が小さい。したがって、第1遮蔽板112の上昇速度に比べて、第2遮蔽板122の上昇速度が小さい(半分程度)。なお、ピニオンギヤ213bの直径に比べて、ピニオンギヤ213dの直径が僅かに小さい。したがって、第1遮蔽板111の下降速度に比べて、第1遮蔽板112の上昇速度が僅かに小さい。また、ピニオンギヤ223bの直径に比べて、ピニオンギヤ223dの直径が僅かに小さい。したがって、第2遮蔽板121の下降速度に比べて、第2遮蔽板122の上昇速度が僅かに小さい。
【0049】
つぎに、第1遮蔽板111及び第2遮蔽板121の下降態様について説明する。上記のように、凸部PLa111,PRa111がラック213a,213aの溝部GP213a,GP213aにそれぞれ挿入されている。したがって、全開状態から、ラック213a,213aが下降し始めることにより、第1遮蔽板111が下降し始める。その際、凸部PLa111,PRa111の基端部がスリットS212U,S212Uの直線部Sa212,Sa212にガイドされている。よって、第1遮蔽板111は、その下降過程の初期段階において、鉛直下方へ移動する。すなわち、この段階では、第1遮蔽板111は、前後方向には移動しない。なお、第2遮蔽板121も同時に下降し始めるが、上記のように、両者の下降速度が異なる。したがって、第1遮蔽板111と第2遮蔽板121の上下方向における位置がずれ、そのずれが徐々に大きくなる。
【0050】
ラック213a,213aがさらに下降すると、凸部PLb111,PRb111が溝部GU212Mの直線部Ga212,Ga212の上端に到達する。この段階では、凸部PLa111,PRa111は、未だ、スリットS212U,S212Uの直線部Sa212,Sa212の下端に到達していない。そのため、凸部PLa111,PRa111が、直線部Sa212,Sa212にガイドされるとともに、凸部PLb111,PRb111が直線部Ga212,Ga212にガイドされながら、第1遮蔽板111が、さらに鉛直下方へ移動する。凸部PLa111,PRa111が直線部Sa212,Sa212の下端に到達すると同時に、凸部PLb111,PRb111が直線部Ga212,Ga212の下端に到達する。この時点で、第1遮蔽板111の上端が、第2遮蔽板121の下端よりも少し下方に位置している(図14参照)。
【0051】
ラック213a,213aがさらに下降すると、凸部PLa111,PRa111が、傾斜部Sb212,Sb212にガイドされるとともに、凸部PLb111,PRb111が傾斜部Gb212,Gb212にガイドされながら、第1遮蔽板111が、下方且つ後方へ斜めに移動する。その際、凸部PLa111,PRa111の先端部が、溝部GP213a,GP213aの後端部側へ移動する。
【0052】
ラック213a,213aがさらに下降すると、凸部PLa111,PRa111が、傾斜部Sb212,Sb212の先端(下端(後端))に到達するとともに、凸部PLb111,PRb111が傾斜部Gb212,Gb212の先端(下端(後端))に到達する(図15参照)。
【0053】
一方、第2遮蔽板121は、その下降過程の全過程において、鉛直下方へ移動するだけであり、前後方向には移動しない。
【0054】
また、第1遮蔽板112及び第2遮蔽板122の動作態様と、第1遮蔽板111及び第2遮蔽板121の動作態様は、略上下対称である。すなわち、第1遮蔽板112は、その上昇過程の初期段階において、鉛直上方へ移動する。第1遮蔽板112の下端が第2遮蔽板122の上端より少し上方に位置する時点から、第1遮蔽板112は上方且つ後方へ移動する。また、第2遮蔽板122は、その上昇過程の全過程において、鉛直上方へ移動するだけであり、前後方向には移動しない。
【0055】
電動モーター23の制御装置は、例えば、ラック213aの上下方向における位置を監視している。制御装置は、ラック213aの上下方向の位置に基づいて、凸部PLa111,PRa111が、傾斜部Sb212,Sb212の先端(下端(後端))に到達するとともに、凸部PLb111,PRb111が傾斜部Gb212,Gb212の先端(下端(後端))に到達したことを検出する。そして、制御装置は、電動モーター23を停止させる。これにより、遊技機用シャッター装置1の全開状態から全閉状態への移行が完了する。
【0056】
全閉状態では、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122が、表示装置DDの前方にて上下方向に並んでおり、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122により、表示装置DDの前面が覆われている。すなわち、前方から表示装置DDの表示面を視認不能である。また、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122の前面が同一平面内に位置している。つまり、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122の境界部に段差は生じていない。また、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122の間に、空隙がほとんど生じていない。
【0057】
上記のように、全開状態から全閉状態へ移行する過程において、第1遮蔽板111,112が、第2遮蔽板121と第2遮蔽板122との間にて後方へ引き込まれる。これにより、最終的に、全閉状態において、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122の前面が同一平面内に位置する。よって、本実施形態によれば、全閉状態における遮蔽板10の外観品質が向上する。
【0058】
さらに、全開状態から、第2遮蔽板121を、第1遮蔽板111よりも低速で下降させるとともに、第2遮蔽板122を、第1遮蔽板112よりも低速で上昇させている。これにより、後方へ引き込まれた第1遮蔽板111の上端に、第2遮蔽板121の下端が略当接し、且つ後方へ引き込まれた第1遮蔽板112の下端に、第2遮蔽板121の上端が略当接する。よって、全閉状態において、第1遮蔽板111と第2遮蔽板121との間の空隙(上下方向の隙間)、及び第1遮蔽板112と第2遮蔽板122との間の空隙(上下方向の隙間)がほとんど生じない。これによれば、全閉状態における遊技機用シャッター装置1の外観品質をさらに向上させることができる。
【0059】
また、第1遮蔽板111,112が後方へ引き込まれる際、第1遮蔽板111,112と、第2遮蔽板121,122とが平行に保たれる。この動作態様を実現するために、例えば、凸部PLa111及び凸部PLb111をそれぞれガイドするスリットS212U及び溝部GU212Mが設けられている。これらのスリットS212U及び溝部GU212Mは、上下方向及び左右方向にずれて設けられ、前後方向にはずれていない。これによれば、第1遮蔽板111の端面における上端部及び下端部をガイドするガイド機構を前後方向にずらして設けた場合に比べて、遊技機用シャッター装置1を小型化(薄型化)できる。
【0060】
さらに、全開状態から、ラック213a,213aを下降させるとともに、ラック213c,213cを上昇させるだけで、その動作過程の終期において、第1遮蔽板111,112が傾斜部に沿って移動して後方へ引き込まれる。よって、本実施形態によれば、第1遮蔽板111を上下方向に移動させるアクチュエータと前後方向に移動させるアクチュエータとを別々に設けた場合に比べて、装置全体としての構成を簡略化できる。
【0061】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0062】
例えば、第2遮蔽板121,122を省略してもよい。この場合、例えば、全閉状態において、第1遮蔽板111,112と遊技盤PBとが同一平面内に位置するように構成するとよい。
【0063】
また、上記実施形態では、全開状態において、第1遮蔽板111,112が、第2遮蔽板121,122の前方に重ねられるように配置されている。そして、第1遮蔽板111,112が斜め後方へ引き込まれて、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122の前面が同一平面内に位置するように構成されている。これに代えて、全開状態において、第1遮蔽板111,112が、第2遮蔽板121,122の後方に重ねられるように配置され、第1遮蔽板111,112が斜め前方へ押し出されて、第1遮蔽板111,112及び第2遮蔽板121,122の前面が同一平面内に位置するように構成されていてもよい。この場合、スリットS212Uの傾斜部Sb212及び溝部GU212Mの傾斜部Gb212を前方且つ下方へ斜めに延設し、スリットS212Dの傾斜部Sb212及び溝部GD212Mの傾斜部Gb212を前方且つ上方へ斜めに延設すればよい。
【0064】
また、例えば、遊技機用シャッター装置1を、前後方向に延びる中心軸のまわりに90°だけ回転させて配置してもよい。すなわち、第1遮蔽板11,112及び第2遮蔽板121,122を左右方向に移動させてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…遊技機用シャッター装置、10…遮蔽板、11…第1遮蔽板、20…直動装置、21…前側直動機構、22…後側直動機構、23…電動モーター、111…第1遮蔽板、112…第1遮蔽板、121…第2遮蔽板、122…第2遮蔽板、211…支持板、212…ガイド板、212a…第1ガイド部、212b…第2ガイド部、213…スライド機構、221…支持板、222…ガイドシャフト、223…スライド機構、GD212M…溝部、GU212M…溝部、Ga212…直線部、Gb212…傾斜部、PLa111…凸部、PLa112…凸部、PLb111…凸部、PLb112…凸部、PM…パチンコ機、S212D…スリット、S212U…スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15