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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】監視対象室内の環境状態監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20221226BHJP
   G06F 11/30 20060101ALI20221226BHJP
   G06F 11/32 20060101ALI20221226BHJP
   F24F 11/523 20180101ALI20221226BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G06F11/30 158
G06F11/32 199
F24F11/523
G08C15/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019080240
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020178277
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】599092790
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001346
【氏名又は名称】弁理士法人MM&A
(72)【発明者】
【氏名】浜本 次郎
(72)【発明者】
【氏名】宮田 真里
(72)【発明者】
【氏名】前田 勇太
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-174851(JP,A)
【文献】特開2012-063055(JP,A)
【文献】国際公開第2017/029755(WO,A1)
【文献】特開2011-149907(JP,A)
【文献】特開2018-162888(JP,A)
【文献】特開2011-107850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G06F 11/30
F24F 11/523
G08C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の構造物が設置されている監視対象室内を、前記複数の構造物の構造物設置位置情報、外観・形態情報に基づいて、設置されている複数の前記構造物を立体的に表示する第一の3D画像情報を表示画面上に表示する第一の画像表示手段と、
前記第一の3D画像情報において立体的に表示されている前記複数の構造物それぞれについての特有の情報を第二の3D画像情報として、前記第一の3D画像情報における前記複数の構造物に重ねて前記表示画面上に表示する第二の画像表示手段と
を備え
前記第二の画像表示手段による、前記第二の3D画像情報の表示は、前記複数の構造物それぞれについての特有の情報に対応させて、前記第一の3D画像情報における前記複数の構造物それぞれの表示される大きさを変更して表示するものである
ことを特徴とする監視対象室内の環境状態監視システム。
【請求項2】
複数の構造物が設置されている監視対象室内を、前記複数の構造物の構造物設置位置情報、外観・形態情報に基づいて、設置されている複数の前記構造物を立体的に表示する第一の3D画像情報を表示画面上に表示する第一の画像表示手段と、
前記第一の3D画像情報において立体的に表示されている前記複数の構造物それぞれについての特有の情報を第二の3D画像情報として、前記第一の3D画像情報における前記複数の構造物に重ねて前記表示画面上に表示する第二の画像表示手段と
前記監視対象室内の複数個所に設置されている複数の環境情報取得センサで取得した環境情報と、前記複数の環境情報取得センサそれぞれの設置位置に関する環境情報取得センサ設置位置情報とに基づいて、各環境情報取得センサの設置位置における前記環境情報取得センサが取得した環境情報を第三の3D画像情報として、前記第一の3D画像情報に重ねて前記表示画面上に表示する第三の画像表示手段と
を備え
前記第二の画像表示手段による、前記第二の3D画像情報の表示は、前記複数の構造物それぞれについての特有の情報に対応させて、前記第一の3D画像情報における前記複数の構造物それぞれの表示される大きさを変更して表示するものである
ことを特徴とする監視対象室内の環境状態監視システム。
【請求項3】
前記環境情報取得センサは、温度センサ、湿度センサ、電流・電圧センサから少なくとも一つ選択される
請求項2記載の監視対象室内の環境状態監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データセンターやサーバルーム等、特定の施設内の環境状態を監視する環境状態監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンターやサーバルーム等において、温度、湿度等を監視するシステムとして、データセンターインフラ管理システム(DCIM(Date Center Infrastructure Management))が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、サーバルームのグラフィック平面図上にサーバ等のネットワーク機器やIT機器等の電流、電流負荷、サーバルーム内の温度、湿度等の環境数値や、サーバ等のネットワーク機器やIT機器等の状態(正常/異常、運転/停止、ON/OFF等)を色や図形もしくは数値で表示する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-257439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サーバルーム内の上記環境数値等を監視する上で、グラフィカルに分かりやすい情報を提供するため、単一の画面で複数の情報を認識できる工夫が求められる。従来のデータセンターインフラ管理システムでは、サーバルームのフロアマップが平面で表示されるため、異なる複数種別の情報を単一の画面で同時に表示する場合、色・図形・数値だけでは限界があり、且つ数値以外は正確な値の表現になり難い。
【0006】
本発明は、既存の表現方法の情報価値を損なうことなく、色・図形・数値以外で且つ正確な値の表現を可能にする監視対象室内の環境状態監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]
複数の構造物が設置されている監視対象室内を、前記複数の構造物の構造物設置位置情報、外観・形態情報に基づいて、設置されている複数の前記構造物を立体的に表示する第一の3D画像情報を表示画面上に表示する第一の画像表示手段と、
前記第一の3D画像情報において立体的に表示されている前記複数の構造物それぞれについての特有の情報を第二の3D画像情報として、前記第一の3D画像情報における前記複数の構造物に重ねて前記表示画面上に表示する第二の画像表示手段と
を備えている監視対象室内の環境状態監視システム。
【0008】
[2]
複数の構造物が設置されている監視対象室内を、前記複数の構造物の構造物設置位置情報、外観・形態情報に基づいて、設置されている前記複数の構造物を立体的に表示する第一の3D画像情報を表示画面上に表示する第一の画像表示手段と、
前記監視対象室内の複数個所に設置されている複数の環境情報取得センサで取得した環境情報と、前記複数の環境情報取得センサそれぞれの設置位置に関する環境情報取得センサ設置位置情報とに基づいて、各環境情報取得センサの設置位置における前記環境情報取得センサが取得した環境情報を第三の3D画像情報として、前記第一の3D画像情報に重ねて前記表示画面上に表示する第三の画像表示手段と
を備えている監視対象室内の環境状態監視システム。
【0009】
[3]
複数の構造物が設置されている監視対象室内を、前記複数の構造物の構造物設置位置情報、外観・形態情報に基づいて、設置されている複数の前記構造物を立体的に表示する第一の3D画像情報を表示画面上に表示する第一の画像表示手段と、
前記第一の3D画像情報において立体的に表示されている前記複数の構造物それぞれについての特有の情報を第二の3D画像情報として、前記第一の3D画像情報における前記複数の構造物に重ねて前記表示画面上に表示する第二の画像表示手段と
前記監視対象室内の複数個所に設置されている複数の環境情報取得センサで取得した環境情報と、前記複数の環境情報取得センサそれぞれの設置位置に関する環境情報取得センサ設置位置情報とに基づいて、各環境情報取得センサの設置位置における前記環境情報取得センサが取得した環境情報を第三の3D画像情報として、前記第一の3D画像情報に重ねて前記表示画面上に表示する第三の画像表示手段と
を備えている監視対象室内の環境状態監視システム。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、既存の表現方法の情報価値を損なうことなく、色・図形・数値以外で且つ正確な値の表現を可能にする監視対象室内の環境状態監視システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の監視対象室内の環境状態監視システムの構成の一例を表す図である。
図2】本発明の監視対象室内の環境状態監視システムが備えるサーバ装置の構成の一例を表す図である。
図3】本発明の監視対象室内の環境状態監視システムで採用している第一の3D画像情報の一例を表す図である。
図4】監視対象室内に設置されている構造物についての特有の情報を、図3図示の第一の3D画像情報に重ねた状態の一例を表す図である。
図5】(a)、(b)ともに、監視対象室内に設置されている複数のセンサが取得した環境情報を、図3図示の第一の3D画像情報に重ねた状態の一例を表す図である。
図6】監視対象室内に設置されている構造物についての特有の情報と、複数のセンサが取得した環境情報とを、図3図示の第一の3D画像情報に重ねた状態の一例を表す図である。
図7】監視対象室内に設置されている構造物についての特有の情報と、複数のセンサが取得した環境情報とを、図3図示の第一の3D画像情報に重ねた状態の他の例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。本発明は、監視対象となる施設内の所定の複数個所に設置されたセンサと、前記センサと通信可能に接続されているサーバ装置と、前記サーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されているユーザ端末とを備え、前記施設内の温度、湿度、等の数値を前記センサで測定し、測定した前記数値に基づいて前記施設内の環境状態を監視する監視対象室内の環境状態監視システムである。
【0013】
本実施形態では、監視対象となる施設を、DCIMとして運営・管理するデータセンターとし、データセンターの内部の所定の複数個所に設置された環境情報取得センサと、前記環境情報取得センサと通信可能に接続されているサーバ装置と、前記サーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されているユーザ端末とを備え、データセンター内の温度、湿度、等の数値を前記環境情報取得センサで測定し、測定した前記数値に基づいて前記データセンター内の環境状態を監視する監視対象室内の環境状態監視システムの一例を説明する。
【0014】
[システムの構成]
本実施形態の監視対象室内の環境状態監視システム1(以下、監視対象室内の環境状態監視システム1を「環境状態監視システム1」という)は、図1に示すように、データセンター2の内部に設置された複数のサーバラック3と、空調機器4と、分電盤5と、サーバ装置6と、ユーザ端末7とを備えている。
【0015】
本実施形態のデータセンター2内の床部や壁部の所定箇所には、データセンター2内の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得センサ10が配備されている。本実施形態では、データセンター2内の環境に関する環境情報としてデータセンター2内の温度、湿度とし、これらを計測する環境情報取得センサ10として温度センサ、湿度センサを採用している。
【0016】
図1には、データセンター2内の床部や壁部それぞれに環境情報取得センサ10が一つ設置されている例を示しているが複数設置してもよい。環境情報取得センサ10は、図示していない測定ターミナルに接続され、所定の配線9を介してサーバ装置6と通信可能に接続されている。
【0017】
本実施形態のサーバラック3は、図1に示すように、データセンター2の内部に複数設置されている。各サーバラック3には、前記DCIMを利用する複数のユーザ(事業者)が使用する一乃至複数のサーバ等のネットワーク機器やIT機器が収容されている。図1には、各サーバラック3は同じ高さで示されているが、異なる高さの複数のサーバラック3が設置される場合もある。各サーバラック3の所定箇所には、サーバラック3の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得センサ10が配備されている。本実施形態では、サーバラック3の環境に関する環境情報として、サーバラック3又はその周辺の温度、湿度、前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器の電流、電圧、電力、電力量、等とし、これらを計測する環境情報取得センサ10として温度センサ、湿度センサ、電流・電圧センサを採用している。
【0018】
図1には各サーバラック3に環境情報取得センサ10が一つ設置されている例を示しているが複数設置してもよい。環境情報取得センサ10は、図示していない測定ターミナルに接続され、所定の配線9を介してサーバ装置6と通信可能に接続されている。
【0019】
本実施形態の空調機器4は、図1に示すように、データセンター2の内部に一つ設置されている。空調機器4には、空調機器4の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得センサ10が配備されている。本実施形態では、空調機器4の環境に関する環境情報として、空調機器4又はその周辺の温度、湿度、空調機器4の電流、電圧、電力、電力量、等とし、これらを計測する環境情報取得センサ10として温度センサ、湿度センサ、電流・電圧センサを採用している。
【0020】
図1には空調機器4がデータセンター2の内部に一つ設置され、空調機器4に環境情報取得センサ10が一つ配備されている例を示しているが、複数の空調機器4をデータセンター2の内部に設置し、各空調機器4に複数の環境情報取得センサ10を配備してもよい。環境情報取得センサ10は、図示していない測定ターミナルに接続され、所定の配線9を介してサーバ装置6と通信可能に接続されている。
【0021】
分電盤5は、サーバラック3に電源を供給する装置である。本実施形態の分電盤5は、図1に示すように、データセンター2の内部に一つ設置されている。分電盤5には、分電盤5の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得センサ10が配備されている。本実施形態では、分電盤5の環境に関する環境情報として、分電盤5又はその周辺の温度、湿度、分電盤5の電流、電圧、電力、電力量、等とし、これらを計測する環境情報取得センサ10として温度センサ、湿度センサ、電流・電圧センサを採用している。
【0022】
図1には分電盤5がデータセンター2の内部に一つ設置され、分電盤5に環境情報取得センサ10が一つ配備されている例を示しているが、複数の分電盤5をデータセンター2の内部に設置し、各分電盤5に複数の環境情報取得センサ10を配備してもよい。環境情報取得センサ10は、図示していない測定ターミナルに接続され、所定の配線9を介してサーバ装置6と通信可能に接続されている。
【0023】
各環境情報取得センサ10は、その設置位置において所定の日時にデータセンター2、サーバラック3、空調機器4及び分電盤5の温度、湿度、電流、電圧、電力、電力量、等を連続して測定する。
【0024】
ユーザ端末7は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、等のコンピュータであって、前記DCIMを利用する複数の前記ユーザ、前記DCIMを前記ユーザに提供するサービス提供者、前記ユーザから依頼を受けて当該ユーザが使用する前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器を管理する管理事業者、等が使用する端末である。ユーザ端末7は、インターネット通信網、無線通信規格で定められている無線通信網等の通信ネットワーク8を介してサーバ装置6と通信可能に接続されている。図示していないが、ユーザ端末7は、CPU等により構成され各種データの処理、演算を行う演算処理部と、メモリ等の各種データを記憶する記憶部と、液晶ディスプレイ等の情報出力部と、タッチパネル等の情報入力部と、各種データの送受信を行う通信部と、を備えている。
【0025】
サーバ装置6は、本実施形態の環境状態監視システム1によるDCIMを前記ユーザに提供する前記サービス提供者が設置するサーバ、等のコンピュータである。
【0026】
本実施形態のサーバ装置6は、図2に示すように、情報送受信手段11、制御手段12、測定値取得手段13、第一の3D画像情報作成手段14、第一の画像表示手段15、第二の画像表示手段16、第三の画像表示手段17、記憶手段18を備えている。
【0027】
情報送受信手段11は、ユーザ端末7、環境情報取得センサ10とそれぞれ情報の送受信を行う。
【0028】
制御手段12は、サーバ装置6が備える各処理手段が行う情報処理をCPU、RAM等の演算処理部で制御する。
【0029】
測定値取得手段13は、環境情報取得センサ10である温度センサ、湿度センサ、電流・電圧センサがその設置位置において所定の日時に測定したデータセンター2、サーバラック3、空調機器4及び分電盤5の温度、湿度、電流、電圧、電力、電力量、等といった数値を取得する。
【0030】
第一の3D画像情報作成手段14は、データセンター2内に設置されているサーバラック3、空調機器4、分電盤5といった複数の構造物を、前記複数の構造物の構造物設置位置情報、外観・形態情報に基づいて、データセンター2内で立体的に表す第一の3D画像情報を作成する処理を行う。
【0031】
本実施形態では、例えば、図3に示すように、データセンター2内に設置されているサーバラック3a~3hの構造物設置位置情報19と、構造物外観・形態情報20とに基づいて、サーバラック3a~3hを、データセンター2内で立体的に表す第一の3D画像情報21を作成する処理を行う。この他、図1に示す空調機器4や、分電盤5についても、これらの構造物設置位置情報19と、構造物外観・形態情報20とに基づいて、データセンター2内で立体的に表す第一の3D画像情報21を作成する処理を行う。
【0032】
第一の画像表示手段15は、前記複数の構造物が設置されている監視対象室内を、前記複数の構造物の構造物設置位置情報19、構造物外観・形態情報20に基づいて、設置されている複数の前記構造物を立体的に表示する第一の3D画像情報21を表示画面上に表示する処理を行う。
【0033】
本実施形態では、例えば、第一の3D画像情報作成手段14が作成した図3に示す第一の3D画像情報21をユーザ端末7の画面上に画像表示させる。これにより、ユーザ端末7には、サーバラック3a~3hがデータセンター2内で立体的に表示される。
【0034】
第二の画像表示手段16は、第一の3D画像情報21において立体的に表示されている前記複数の構造物それぞれについての特有の情報を第二の3D画像情報として、第一の3D画像情報21における前記複数の構造物に重ねて前記表示画面上に表示する処理を行う。
【0035】
本実施形態では、例えば、データセンター2内に設置されているサーバラック3a~3hそれぞれの特有の情報を、複数の電流・電圧センサが測定したサーバラック3a~3hそれぞれに収容されている前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器の電流値としている。第二の画像表示手段16は、各電流・電圧センサが取得した前記電流値に対応させて、図4に示すように、第一の3D画像情報21におけるサーバラック3a~3hの高さを変更してユーザ端末7の画面上に画像表示させる。これにより、前記ユーザは、各サーバラック内に収容されている前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器の電流値を、各サーバラックの高さで正確に把握することができる。
【0036】
前記複数の構造物それぞれについての特有の情報については、上記を含め、環境情報取得センサ10である温度センサ、湿度センサ、電流・電圧センサがその設置位置において所定の日時に測定したデータセンター2、サーバラック3、空調機器4及び分電盤5の温度、湿度、電流、電圧、電力、電力量、等といった数値から適宜選択することができる。
【0037】
また、各構造物の高さで表示可能であれば、上記の他、予め取得しているサーバラック3a~3hのラック荷重、前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器の占有率や、前記ユーザが利用しているサーバラックに関連付けられている前記ユーザ毎の電力契約料、回線契約料、契約年数、資本金、株価等、種々の情報を、前記複数の構造物それぞれについての特有の情報とすることができる。
【0038】
さらに、これらの特有の情報について負の数値を表示可能にするため、当該特有の情報に係る前記構造物の高さを床部から下向きの深さで表示するように第二の画像表示手段16が処理することもできる。
【0039】
第三の画像表示手段17は、前記監視対象室内の複数個所に設置されている複数の環境情報取得センサ10で取得した環境情報23と、複数の環境情報取得センサ10それぞれの設置位置に関する環境情報取得センサ設置位置情報22とに基づいて、各環境情報取得センサ10の設置位置における環境情報取得センサ10が取得した環境情報23を第三の3D画像情報として、第一の3D画像情報21に重ねて前記表示画面上に表示する処理を行う。
【0040】
本実施形態では、例えば、データセンター2内の所定の箇所に設置されている複数の温度センサがそれぞれの設置位置において所定の日時に測定したサーバラック3a~3h又はその周辺の温度を環境情報23とし、図5(a)に示すように、測定された各温度を、各温度センサの設置位置に対応させてユーザ端末7の画面上に温度分布として画像表示させる。図5(b)では、データセンター2内の所定の箇所に設置されている複数の温度センサがそれぞれの設置位置において所定の日時に測定したサーバラック3a~3h又はその周辺の温度と、データセンター2内の所定の箇所に設置されている複数の湿度センサがそれぞれの設置位置において所定の日時に測定したデータセンター2内の湿度とを環境情報23とし、測定された各温度、各湿度を、各温度センサ、各湿度センサの設置位置に対応させてユーザ端末7の画面上に温度分布、湿度分布として画像表示させている。図5(b)では、データセンター2内の床部の色の濃い部分(図5(b)の右側部分)が、色の薄い部分(図5(b)の左側部分)よりもデータセンター2全体の湿度が低いことを示している。
【0041】
環境情報23については、上記を含め、環境情報取得センサ10である温度センサ、湿度センサ、電流・電圧センサがその設置位置において所定の日時に測定したデータセンター2、サーバラック3、空調機器4及び分電盤5の温度、湿度、電流、電圧、電力、電力量、等といった数値から適宜選択することができる。
【0042】
本実施形態では、第一の画像表示手段15、第二の画像表示手段16、第三の画像表示手段17それぞれの処理を組み合わせた形態とすることができる。
【0043】
例えば、図6では、データセンター2内に設置されているサーバラック3a~3hそれぞれの特有の情報を、複数の電流・電圧センサが測定したサーバラック3a~3hそれぞれに収容されている前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器の電流値とし、データセンター2内の所定の箇所に設置されている複数の湿度センサがそれぞれの設置位置において所定の日時に測定したデータセンター2内の湿度を環境情報23としている。
【0044】
第二の画像表示手段16は、各電流・電圧センサが取得した前記電流値に対応させて、図6に示すように、第一の3D画像情報21におけるサーバラック3a~3hの高さを変更してユーザ端末7の画面上に画像表示させる。また、第三の画像表示手段17は、測定された各湿度を、各湿度センサの設置位置に対応させてユーザ端末7の画面上に湿度分布として画像表示させている。
【0045】
また、図7では、データセンター2内に設置されているサーバラック3a~3hそれぞれの特有の情報を、複数の電流・電圧センサが測定したサーバラック3a~3hそれぞれに収容されている前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器の電流値とし、データセンター2内の所定の箇所に設置されている複数の温度センサがそれぞれの設置位置において所定の日時に測定したサーバラック3a~3h又はその周辺の温度と、データセンター2内の所定の箇所に設置されている複数の湿度センサがそれぞれの設置位置において所定の日時に測定したデータセンター2内の湿度とを環境情報23としている。
【0046】
第二の画像表示手段16は、各電流・電圧センサが取得した前記電流値に対応させて、図7に示すように、第一の3D画像情報21におけるサーバラック3a~3hの高さを変更してユーザ端末7の画面上に画像表示させる。また、第三の画像表示手段17は、測定された各温度、各湿度を、各温度センサ、各湿度センサの設置位置に対応させてユーザ端末7の画面上に温度分布、湿度分布として画像表示させている。
【0047】
前記ユーザは、各サーバラック内に収容されている前記サーバ等のネットワーク機器やIT機器の電流値を、各サーバラックの高さで正確に把握することができるとともに、データセンター2内の湿度やサーバラック3a~3h又はその周辺の温度も単一の画面上で同時に把握することができる。
【0048】
記憶手段18には、上述した構造物設置位置情報19、構造物外観・形態情報20、第一の3D画像情報21、環境情報取得センサ設置位置情報22、環境情報23が記憶されている。
【0049】
このように、本実施形態の環境状態監視システム1は、監視対象となる室内の環境に関する情報等を、色・図形・数値だけでなく、監視対象室内に設置されている構造物の高さで表現したシステムとなっている。そのため、本実施形態の環境状態監視システム1を利用する前記ユーザは、単一の画面上でこれらの情報を同時に、かつ、正確に把握することができる。
【0050】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 環境状態監視システム
2 データセンター
3(3a、・・・、3h) サーバラック
4 空調機器
5 分電盤
6 サーバ装置
7 ユーザ端末
8 通信ネットワーク
9 配線
10 環境情報取得センサ
11 情報送受信手段
12 制御手段
13 測定値取得手段
14 第一の3D画像情報作成手段
15 第一の画像表示手段
16 第二の画像表示手段
17 第三の画像表示手段
18 記憶手段
19 構造物設置位置情報
20 構造物外観・形態情報
21 第一の3D画像情報
22 環境情報取得センサ設置位置情報
23 環境情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7