(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】アザインドリルピリドンおよびジアザインドリルピリドン化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20221226BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221226BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20221226BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20221226BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221226BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20221226BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20221226BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20221226BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20221226BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221226BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221226BHJP
A61K 38/43 20060101ALI20221226BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20221226BHJP
A61K 38/21 20060101ALI20221226BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20221226BHJP
A61K 31/4745 20060101ALI20221226BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20221226BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20221226BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20221226BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20221226BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61P3/10
A61P29/00
A61P37/06
A61P25/28
A61P9/00
A61P31/12
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K38/43
A61K38/22
A61K38/21
A61K39/395 T
A61K31/4745
A61K31/444
A61K31/5377
A61K31/4545
C07D471/04 106C
A61K31/506
A61K31/496
(21)【出願番号】P 2020510099
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2018072785
(87)【国際公開番号】W WO2019038384
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-20
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518295129
【氏名又は名称】スプリント バイオサイエンス アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182730
【氏名又は名称】大島 浩明
(72)【発明者】
【氏名】ヨーアン リンドストレーム
(72)【発明者】
【氏名】リキャルド フォーシュブローム
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク ラーム
(72)【発明者】
【氏名】ヤンヌ ビクルンド
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-545660(JP,A)
【文献】特表2013-525354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の化合物であって、前記式(I)中、
Xは、NまたはCR
1であり;
R
1は、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、シアノ、フェニル、単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立してハロ、N-C
1~C
3アルキルアミノ、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノ、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
1~C
3アルコキシおよびC
1~C
3アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよく;
R
2は、水素、C
1~C
3ハロアルキルおよびC
1~C
3アルキルから選択され;
R
3は、A、フェニルおよび単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つ以上のR
4により置換されていてもよく;
R
4は、独立して、COR
5、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、アミノ、N-C
1~C
3アルキルアミノ、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノ、1-ピロリジニル、1-ピペリジニル、1-アゼチジニル、NHSO
2R
6、SO
2R
7、ヒドロキシ、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル、C
1~C
3シアノアルキルおよびC
1~C
6ハロアルキルから選択され;
R
5は、C
1~C
3アルコキシ、N-C
1~C
3アルキルアミノ、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノ、1-ピロリジニル、1-ピペリジニルおよび1-アゼチジニルから選択され;
R
6は、C
1~C
3ハロアルキルまたはC
1~C
3アルキルであり;
R
7は、R
8、C
1~C
6アルキル、N-C
1~C
3アルキルアミノ、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノおよびC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキルから選択され、前記C
1~C
6アルキルおよび前記C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキルは任意で1つのR
8および/または1つ以上のハロにより置換されていてもよく;
R
8は、各々任意で1つ以上のR
9により置換されていてもよいフェニル、単環式ヘテロアリール、C
3~C
6シクロアルキル、ヘテロシクリルから選択され;
R
9は、ハロ、N-C
1~C
3アルキルアミノ、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノ、C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル、アミノ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
3~C
6シクロアルキルおよびC
1~C
3アルキルから選択され;
Aは、
【化2】
であり;
R
10は、水素、ハロゲン、COR
11、C
1~C
6アルキル、C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
3シアノアルキル、C
1~C
3ハロアルキル、フェニルおよびヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つ以上のR
12により置換されていてもよく、但し、R
10がフェニルまたはヘテロアリールである場合、XはNまたはCHであり;
R
11は、C
1~C
3アルコキシ、N-C
1~C
3アルキルアミノ、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノ、1-ピロリジニル、1-ピペリジニルおよび1-アゼチジニルから選択され;
Yは、CH
2、S、SO、SO
2、
NR
13、NCOR
7、NCOOR
14、NSO
2R
7、NCOCH
2R
7、O、または結合であり;
R
12は、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、ハロゲン、N-C
1~C
3アルキルアミノ、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノ、C
1~C
3ハロアルコキシおよびC
1~C
3アルコキシから選択され;
R
13は、H、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルキル、C
3~C
6シクロアルキルから選択され;
R
14は、R
8、C
1~C
6アルキルおよびC
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキルから選択され、前記C
1~C
6アルキルおよび前記C
1~C
3アルコキシC
1~C
3アルキルは任意で1つのR
8および/または1つ以上のハロにより置換されていてもよい
化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項2】
R
2は、水素またはC
1~C
3アルキルである、請求項1に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項3】
R
1は、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、シアノ、フェニル、ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立してC
1~C
3ハロアルキル、ハロ、C
3~C
6シクロアルキルおよびC
1~C
3アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい、請求項1または請求項2に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項4】
R
1における前記ヘテロアリールは、ピリジル、オキサゾリル、チエニル、およびピリミジニルから選択され、各々は任意で独立してハロ、シクロプロピル、C
1~C
3フルオロアルキルおよびC
1~C
3アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項5】
R
1は、
【化3】
から選択される、請求項1または2に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項6】
R
1は、
【化4】
から選択される、請求項1、2または5に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項7】
R
3は、A、フェニルならびにピリジル、チエニル、フリル、ピリミジニルおよびピラゾリルから選択される単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つまたは2つのR
4により置換されていてもよい、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項8】
R
3は、A、フェニルならびにピリジル、チエニルおよびピラゾリルから選択される単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つまたは2つのR
4により置換されていてもよい、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項9】
R
3は、A、フェニルならびにピリジルから選択され、前記フェニルおよび前記ピリジルは任意で独立して1つまたは2つのR
4により置換されていてもよい、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項10】
R
4は、フルオロ、クロロ、C
1~C
3アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
1~C
3フルオロアルキルおよびSO
2R
7から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項11】
Yは、CH
2、NSO
2R
7、Oまたは結合である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項12】
R
10は、水素、C
1~C
3アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、フェニル、単環式ヘテロアリールおよびC
1~C
3ハロアルキルから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つのR
12により置換されていてもよく;ならびに
R
12は、C
1~C
3アルキル、シクロプロピル、CF
3、ハロゲン、C
1~C
3ハロアルコキシおよびC
1~C
3アルコキシから選択される、
請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項13】
R
7は、R
8、N,N-ジC
1~C
3アルキルアミノ、C
1~C
3アルキルおよびメトキシC
1~C
3アルキルから選択され、前記C
1~C
3アルキルは任意で1つのR
8により置換されていてもよい、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項14】
R
7は、C
1~C
3アルキルおよびフルオロフェニルから選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項15】
R
8は、フェニル、ピリジル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、シクロプロピル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフリルから選択され、各々は任意でシクロプロピル、メチルおよびフルオロから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項16】
R
3は、
【化5】
から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項17】
R
3は、
【化6】
から選択され;
Yは、CH
2、Oおよび結合から選択され;
R
4は、CF
3、フルオロおよびクロロ、シクロプロピルおよびメチルから選択され;ならびに
R
10は、シクロプロピル、メチル、フルオロフェニル、クロロフェニル、メトキシフェニルおよびCF
3から選択される、
請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項18】
R
3は、
【化7】
から選択され;
Yは、CH
2、O、NSO
2R
7および結合から選択され;
R
4は、CF
3、フルオロ、シクロプロピルおよびメチルから選択され;ならびに
R
10は、水素、フェニル、シクロプロピル、メチルおよびCF
3から選択される、
請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項19】
R
3は、
【化8】
から選択され;
Yは、CH
2、Oおよび結合から選択され;
R
4は、CF
3、シクロプロピル、フルオロおよびクロロから選択され;ならびに
R
10は、CF
3またはシクロプロピルである、
請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項20】
Xは、Nである、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項21】
Xは、CR
1である、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項22】
R
1は、
【化9】
であり、
R
2は、水素であり;および
R
3は、
【化10】
から選択される、
請求項1に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項23】
R
1は、
【化11】
から選択され、
R
2は、水素であり;および
R
3は、
【化12】
から選択される、
請求項1に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項24】
Xは、Nであり、
R
2は、水素であり;および
R
3は、
【化13】
から選択される、
請求項1に記載の化合物;またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項25】
前記化合物は、
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(3-メチル-4-ピリジル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-フェニルピロリジン-1-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-(3-ピリジル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-モルホリノ-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-オキサゾール-5-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-[2-(3-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-4-[2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-(5-メチル-2-チエニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-6-オキソ-1H-ピリジン-4-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリル;
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-オキソ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-4-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリル;
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
またはその薬剤的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物は、
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(3-メチル-4-ピリジル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-フェニルピロリジン-1-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-(3-ピリジル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-モルホリノ-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-オキサゾール-5-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-[2-(3-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-4-[2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-(5-メチル-2-チエニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
またはその薬剤的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
疾病を治療するための組成物であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を含有する、組成物。
【請求項28】
がんを治療するための組成物であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を含有する、組成物。
【請求項29】
がんを治療するための組成物であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を含有し、前記がんは、トリプルネガティブ乳がんなどの乳がん、膀胱がん、肝がん、子宮頸がん、膵がん、白血病、リンパ腫、腎がん、結腸がん、グリオーマ、前立腺がん、卵巣がん、メラノーマ、および肺がんならびに酸素欠乏腫瘍からなる群から選択される、組成物。
【請求項30】
酸素欠乏腫瘍を治療するための組成物であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を含有する、組成物。
【請求項31】
がんを治療するための組成物であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を含有し、前記前記がん治療は、放射線療法を更に含む、組成物。
【請求項32】
2型糖尿病治療を治療するための組成物であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を含有する、組成物。
【請求項33】
疾病を治療するための組成物であって、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を含有し、前記疾病は、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、心血管障害およびウイルス感染からなる群から選択される、組成物。
【請求項34】
がん治療のための薬物の
製造における、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩の使用。
【請求項35】
がんは、トリプルネガティブ乳がんなどの乳がん、膀胱がん、肝がん、子宮頸がん、膵がん、白血病、リンパ腫、腎がん、結腸がん、グリオーマ、前立腺がん、卵巣がん、メラノーマ、および肺がんならびに酸素欠乏腫瘍である、前記がん治療のための薬物の
製造における、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩の使用。
【請求項36】
酸素欠乏腫瘍の治療のための薬物の
製造における、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩の使用。
【請求項37】
2型糖尿病治療のための薬物の
製造における、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩の使用。
【請求項38】
炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、心血管障害およびウイルス感染から選択される、疾病の治療のための薬物の
製造における、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩の使用。
【請求項39】
請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、もしくはその薬剤的に許容可能な塩、ならびに薬剤的に許容可能な希釈剤、担体および/または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項40】
請求項1に記載の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩の治療有効量、ならびにアルキル化剤、代謝拮抗薬、抗がんカンプトテシン誘導体、植物由来抗がん薬、抗生物質、酵素、白金配位錯体、チロシンキナーゼ阻害薬、ホルモン、ホルモン拮抗薬、モノクローナル抗体、インターフェロン、および生物応答調節剤から選択される別の抗がん薬を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規アザインドリルピリドンおよびジアザインドリルピリドン化合物、かかる化合物を含有する医薬組成物ならびにがんおよび2型糖尿病を含む疾患の治療におけるかかる化合物の使用方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ホスファチジルイノシタイド3-キナーゼ(PI3K)のファミリーに属する酵素は、いくつかの重要な細胞イベントの制御因子である。ファミリーは、3つの分類、I、IIおよびIIIから成り、分類Iグループは長年興味深い創薬ターゲットであったが、分類IIおよびIIIはあまり開発されていない。PI3K分類III、液胞タンパク質選別34(Vps34、PIK3C3)は、その調節サブユニットp150(Vps15)とヘテロ二量体を形成し、この二量体は、オートファジー、エンドサイトーシス、エキソサイトーシスおよび微飲作用などの小胞輸送イベントを調節するいくつかの複合体に参加する(Amaravadi et al.Clin Cancer Res.2011,17:654-666;Carpentier et al.2013,Traffic)。この酵素は、ホスファチジルイノシトール(PI)のホスファチジルイノシトール(3)-リン酸(PI3P)へのリン酸化に関与する。PXおよびFYVEドメインと結合するリガンドは、小胞形成、伸長および運動を引き起こすこれらのエフェクタータンパク質の補充および非局在化をもたらす(Backer et al.J Biochem.2008,410:1-17)。
【0003】
オートファジーは、二重膜小胞内に細胞成分を囲い込むことによって細胞成分を分解の標的とする分解産物反応であり、オートファゴソームはプロテアーゼを含むリソソームと融合する。これは、細胞が、傷害を受けた小器官および誤って折り畳まれたタンパク質を処理し、それによって細胞機能を維持する手段である。この経路は、新しい構成要素中に細胞内容物を再循環する方法でもある(Boya et al,Nat Cell Biol 2013,15;713-720)。オートファジーは、栄養枯渇、酸性血症および低酸素症としてのストレス状態だけでなく薬物治療に対する細胞応答である。したがって、オートファジー阻害は、抗がん薬の増強および薬剤耐性腫瘍の再感作する手段である(Nagelkerke et al,Semin Cancer Biol 2014,31;99-105)。最も進行した腫瘍は、オートファジーフラックスの高い上方制御を示す(Leone et al.Trends in Endocrin Metab 2013,24;209-217)。オートファジーフラックス研究のための実証されたマーカーは、オートファゴソーム上の脂質付加されたLC3タンパク質の形態でオートファジー点の検出である。Vps34の阻害は、点へのLC3の再分布によって測定されるオートファジーの阻害をもたらす(Dowdle et al.,Nat Cell Biol 2014,16;1069-79)。
【0004】
近年記載されているように、調節サブユニットp150のアブレーションは、インスリン受容体内部移行低減によってインビボでのインスリン感受性増大をもたらす(Nemazanyy,Nature Commun.,2015,6:8283)。キナーゼデッドヘテロ接合動物モデルは、糖耐性が増大し、インスリン感受性が増大するこの結果を確証させる(国際公開第2013/076501号パンフレット)。
【0005】
いくつかの病態は、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、心血管障害、2型糖尿病およびウイルス感染を含むVps34阻害から利益を得ることができる(Reviewed in Rubinsztein et al,Nat Rev 2012,11;709-730)。Vps34阻害から利益を得るがん型としては、トリプルネガティブ乳がんなどの乳がん、膀胱がん、肝がん、子宮頸がん、膵がん、白血病、リンパ腫、腎がん、結腸がん、グリオーマ、前立腺がん、卵巣がん、メラノーマ、および肺がんならびに酸素欠乏腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、Vps34の新規かつ強力な阻害剤のニーズがある。
【0006】
疾病に影響を及ぼすための使用におけるVps34阻害剤を記載している以前の開示としては、国際公開第2015/150555号パンフレット;国際公開第2015/150557号パンフレット;国際公開第2015/108861号パンフレット;国際公開第2015/108881号パンフレット;国際公開第2012/085815号パンフレット;国際公開第2012/085244号パンフレット;国際公開第2013/190510号パンフレット;Farkas,J.Biol.Chem.,2011 286(45)38904-12が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、Vps34の新規および強力な阻害薬を提供することである。本発明の別の目的は、がんおよび2型糖尿病などの他の疾病の治療のために使用することができるVps34の新規および強力な阻害薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの形態によれば、式(I):
【0009】
【0010】
の化合物であって、前記式(I)中、
Xは、NまたはCR1であり;
R1は、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシC1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、シアノ、フェニル、単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立してハロ、N-C1~C3アルキルアミノ、N,N-ジC1~C3アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、C1~C3アルコキシC1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3ハロアルコキシ、C1~C3アルコキシおよびC1~C3アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよく;
R2は、水素、C1~C3ハロアルキルおよびC1~C3アルキルから選択され;
R3は、A、フェニルおよび単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つ以上のR4により置換されていてもよく;
R4は、独立して、COR5、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、アミノ、N-C1~C3アルキルアミノ、N,N-ジC1~C3アルキルアミノ、1-ピロリジニル、1-ピペリジニル、1-アゼチジニル、NHSO2R6、SO2R7、ヒドロキシ、C3~C6シクロアルキル、C1~C3アルコキシC1~C3アルキル、C1~C3シアノアルキルおよびC1~C6ハロアルキルから選択され;
R5は、C1~C3アルコキシ、N-C1~C3アルキルアミノ、N,N-ジC1~C3アルキルアミノ、1-ピロリジニル、1-ピペリジニルおよび1-アゼチジニルから選択され;
R6は、C1~C3ハロアルキルまたはC1~C3アルキルであり;
R7は、R8、C1~C6アルキル、N-C1~C3アルキルアミノ、N,N-ジC1~C3アルキルアミノおよびC1~C3アルコキシC1~C3アルキルから選択され、前記C1~C6アルキルおよび前記C1~C3アルコキシC1~C3アルキルは任意で1つのR8および/または1つ以上のハロにより置換されていてもよく;
R8は、任意で各々1つ以上のR9により置換されていてもよいフェニル、単環式ヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ヘテロシクリルから選択され;
R9は、ハロ、N-C1~C3アルキルアミノ、N,N-ジC1~C3アルキルアミノ、C1~C3アルコキシC1~C3アルキル、アミノ、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C3~C6シクロアルキルおよびC1~C3アルキルから選択され;
Aは、
【0011】
【0012】
であり;
R10は、水素、ハロゲン、COR11、C1~C6アルキル、C1~C3アルコキシC1~C3アルキル、C1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、C1~C3シアノアルキル、C1~C3ハロアルキル、フェニルおよびヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つ以上のR12により置換されていてもよく、但し、R10がフェニルまたはヘテロアリールである場合、XはNまたはCHであり;
R11は、C1~C3アルコキシ、N-C1~C3アルキルアミノ、N,N-ジC1~C3アルキルアミノ、1-ピロリジニル、1-ピペリジニルおよび1-アゼチジニルから選択され;
Yは、CH2、S、SO、SO2、NR13、NCOR7、NCOOR14、NSO2R7、NCOCH2R7、O、または結合であり;
R12は、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C3アルコキシC1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、ハロゲン、N-C1~C3アルキルアミノ、N,N-ジC1~C3アルキルアミノ、C1~C3ハロアルコキシおよびC1~C3アルコキシから選択され;
R13は、H、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシC1~C3アルキル、C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキルから選択され;
R14は、R8、C1~C6アルキルおよびC1~C3アルコキシC1~C3アルキルから選択され、前記C1~C6アルキルおよび前記C1~C3アルコキシC1~C3アルキルは任意で1つのR8および/または1つ以上のハロにより置換されていてもよい、
化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R2は、水素またはC1~C3アルキルである。
【0014】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R1は、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C3~C6シクロアルキル、シアノ、フェニル、ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立してC1~C3ハロアルキル、ハロ、C3~C6シクロアルキルおよびC1~C3アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0015】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R2は、水素である。
【0016】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R1における前記ヘテロアリールは、ピリジル、オキサゾリル、チエニル、およびピリミジニルから選択され、各々は任意で独立してハロ、シクロプロピル、C1~C3フルオロアルキルおよびC1~C3アルキルから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0017】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R1は、
【0018】
【0019】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R1は、
【0020】
【0021】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、A、フェニルならびにピリジル、チエニル、フリル、ピリミジニルおよびピラゾリルから選択される単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つまたは2つのR4により置換されていてもよい。
【0022】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、A、フェニルならびにピリジル、チエニルおよびピラゾリルから選択される単環式ヘテロアリールから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つまたは2つのR4により置換されていてもよい。
【0023】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、A、フェニルおよびピリジルから選択され、前記フェニルおよび前記ピリジルは任意で1つのR4により置換されていてもよい。
【0024】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、A、フェニルおよびピリジルから選択され、前記フェニルおよび前記ピリジルは任意で独立して1つまたは2つのR4により置換されていてもよい。
【0025】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R4は、フルオロ、クロロ、C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C3フルオロアルキルおよびSO2R7から選択される。
【0026】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R4は、クロロ、C1~C3アルキル、C1~C3フルオロアルキルおよびSO2R7から選択される。
【0027】
本発明の本形態の1つの態様によれば、Yは、CH2、NSO2R7、Oまたは結合である。
【0028】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R10は、水素、C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、フェニル、単環式ヘテロアリールおよびC1~C3ハロアルキルから選択され、前記フェニルおよび前記ヘテロアリールは任意で独立して1つのR12により置換されていてもよく;ならびに
【0029】
R12は、C1~C3アルキル、シクロプロピル、CF3、ハロゲン、C1~C3ハロアルコキシおよびC1~C3アルコキシから選択される。
【0030】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R10は、水素、C1~C3アルキル、フェニル、C1~C3ハロアルキルから選択される。
【0031】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R7は、R8、N,N-ジC1~C3アルキルアミノ、C1~C3アルキルおよびメトキシC1~C3アルキルから選択され、前記C1~C3アルキルは任意で1つのR8により置換されていてもよい。
【0032】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R7は、C1~C3アルキルおよびフルオロフェニルから選択される。
【0033】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R7は、C1~C3アルキルおよびフルオロベンジルから選択される。
【0034】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R8は、フェニル、ピリジル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、シクロプロピル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフリルから選択され、各々は任意でシクロプロピル、メチルおよびフルオロから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0035】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、
【0036】
【0037】
から選択される。
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、
【0038】
【0039】
から選択される。
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、
【0040】
【0041】
から選択され;
Yは、CH2、Oおよび結合から選択され;
R4は、CF3、フルオロおよびクロロ、シクロプロピルおよびメチルから選択され;ならびに
R10は、シクロプロピル、メチル、フルオロフェニル、クロロフェニル、メトキシフェニルおよびCF3から選択される。
【0042】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R
3は、
【化8】
【0043】
から選択され;
Yは、CH2、Oおよび結合から選択され;
R4は、CF3、クロロ、およびメチルから選択され;ならびに
R10は、メチル、フェニルおよびCF3から選択される。
【0044】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、
【0045】
【0046】
から選択され;
Yは、CH2、O、NSO2R7および結合から選択され;
R4は、CF3、フルオロ、シクロプロピルおよびメチルから選択され;ならびに
R10は、水素、フェニル、シクロプロピル、メチルおよびCF3から選択される。
【0047】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、
【0048】
【0049】
から選択され;
Yは、CH2、O、NSO2R7および結合から選択され;
R4は、CF3、クロロおよびメチルから選択され;ならびに
R10は、水素、フェニル、メチルおよびCF3から選択される。
【0050】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、
【0051】
【0052】
から選択され;
Yは、CH2、Oおよび結合から選択され;
R4は、CF3、シクロプロピル、フルオロおよびクロロから選択され;ならびに
R10は、CF3またはシクロプロピルである。
【0053】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R3は、
【0054】
【0055】
から選択され;
Yは、CH2、Oおよび結合から選択され;
R4は、CF3およびクロロから選択され;ならびに
R10は、CF3である。
【0056】
本発明の本形態の1つの態様によれば、Xは、Nである。
【0057】
本発明の本形態の1つの態様によれば、Xは、CR1である。
【0058】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R1は、
【0059】
【0060】
R2は、水素であり;および
R3は、
【0061】
【0062】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R1は、
【0063】
【0064】
R2は、水素であり;および
R3は、
【0065】
【0066】
本発明の本形態の1つの態様によれば、R1は、
【0067】
【0068】
R2は、水素であり;および
R3は、
【0069】
【0070】
本発明の本形態の1つの態様によれば、XはNであり;R2は水素であり;R3は、
【0071】
【0072】
本発明の本形態の1つの態様によれば、前記化合物は、
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(3-メチル-4-ピリジル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-フェニルピロリジン-1-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-(3-ピリジル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-モルホリノ-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-オキサゾール-5-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-[2-(3-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-4-[2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-(5-メチル-2-チエニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-6-オキソ-1H-ピリジン-4-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリル;
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-オキソ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-4-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリル;
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オンである。
【0073】
本発明の本形態の1つの態様によれば、前記化合物は、
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(3-メチル-4-ピリジル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-フェニルピロリジン-1-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-(3-ピリジル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-モルホリノ-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-オキサゾール-5-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-[2-(3-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-4-[2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-[2-(5-メチル-2-チエニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-1H-ピリジン-2-オン;
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン;または
6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
である。
【0074】
本発明の1つの形態では、疾病の治療または予防における使用のための、本発明による化合物を提供する。
【0075】
本発明の1つの形態では、がん治療における使用のための、本発明による化合物を提供する。通常、前記がんは、トリプルネガティブ乳がんなどの乳がん、膀胱がん、肝がん、子宮頸がん、膵がん、白血病、リンパ腫、腎がん、結腸がん、グリオーマ、前立腺がん、卵巣がん、メラノーマ、および肺がんならびに酸素欠乏腫瘍から選択される。
【0076】
本発明の1つの形態では、酸素欠乏腫瘍の治療における使用のための、本発明による化合物を提供する。
【0077】
本発明の1つの形態では、2型糖尿病治療における使用のための、本発明による化合物を提供する。
【0078】
本発明の1つの形態では、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、心血管障害およびウイルス感染から選択される疾病の治療における使用のための、本発明による化合物を提供する。
【0079】
本発明の1つの形態では、がん治療のための薬物の製剤における、本発明による化合物の使用を提供する。通常、前記がんは、トリプルネガティブ乳がんなどの乳がん、膀胱がん、肝がん、子宮頸がん、膵がん、白血病、リンパ腫、腎がん、結腸がん、グリオーマ、前立腺がん、卵巣がん、メラノーマ、および肺がんならびに酸素欠乏腫瘍から選択される。
【0080】
本発明の1つの形態では、酸素欠乏腫瘍の治療のための薬物の製剤における、本発明による化合物の使用を提供する。
【0081】
本発明の1つの形態では、2型糖尿病治療のための薬物の製剤における、本発明による化合物の使用を提供する。
【0082】
本発明の1つの形態では、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、心血管障害およびウイルス感染から選択される疾病の治療のための薬物の製剤における、本発明による化合物の使用を提供する。
【0083】
本発明の1つの形態では、本発明による化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、がんの治療方法を提供する。通常、前記がんは、トリプルネガティブ乳がんなどの乳がん、膀胱がん、肝がん、子宮頸がん、膵がん、白血病、リンパ腫、腎がん、結腸がん、グリオーマ、前立腺がん、卵巣がん、メラノーマ、および肺がんならびに酸素欠乏腫瘍から選択される。
【0084】
本発明の1つの形態では、本発明による化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、酸素欠乏腫瘍の治療方法を提供する。
【0085】
本発明の1つの形態では、前記がんは、放射線療法を更に含む、がん治療における使用のための、本発明による化合物を提供する。
【0086】
本発明の1つの形態では、放射線療法と併用して、本発明による化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、がんの治療方法を提供する。
【0087】
本発明の化合物を、放射線療法および/または外科的処置と併用してがん治療に使用してもよい。概して、本発明の化合物または組成物と併用する細胞傷害性薬物および/または細胞分裂阻害剤の使用は:
(1)薬物単独の投与と比較して、腫瘍増殖低下のより良好な有効性を得るかまたは腫瘍を排除さえすること、
(2)投与された化学療法薬のより少ない量の投与を提供すること、
(3)単剤化学療法薬および特定の他の組み合わされた療法で観察されるより、有害でない薬理的合併症を有する患者において耐容性良好である化学療法治療を提供すること、
(4)哺乳類、特にヒトにおいて種々のがん型のより広範囲の治療を提供すること、
(5)治療された患者の中でより高い奏効率を提供すること、
(6)標準的化学療法治療と比較して、治療された患者の中でより長い生存期間を提供すること、
(7)腫瘍進行までの時間を延長すること、および/または
(8)他のがん薬物の組合せが拮抗作用する公知の実例と比較して、単独で使用される薬物と少なくとも同様に良好な有効性および耐容性結果を得ること
に役立つだろう。
【0088】
本発明の1つの形態では、本発明による化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、酸素欠乏腫瘍の治療方法を提供する。
【0089】
本発明の1つの形態では、本発明による化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、2型糖尿病の治療方法を提供する。
【0090】
本発明の1つの形態では、本発明による化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、心血管障害およびウイルス感染から選択される疾病の治療方法を提供する。
【0091】
本発明の1つの形態では、本発明による化合物、ならびに薬剤的に許容可能な希釈剤、担体および/または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0092】
本発明の1つの形態では、本発明による化合物の治療有効量ならびにアルキル化剤、代謝拮抗薬、抗がんカンプトテシン誘導体、植物由来抗がん薬、抗生物質、酵素、白金配位錯体、チロシンキナーゼ阻害薬、ホルモン、ホルモン拮抗薬、モノクローナル抗体、インターフェロン、および生物応答調節剤から選択される別の抗がん薬を含む医薬組成物を提供する。
【0093】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖両方の飽和炭化水素基を意味する。C1~C6アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、4-メチルブチル基、n-ヘキシル基、2-エチルブチル基が挙げられる。非分岐鎖C1~C6アルキル基の中では、典型的なものは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基およびn-ヘキシル基である。分岐鎖アルキル基の中では、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、4-メチルブチル基および2-エチルブチル基を挙げることができる。
【0094】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C3アルキル」は、1~3個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖両方の飽和炭化水素基を意味する。C1~C3アルキルの例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。
【0095】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C6アルコキシ」は、「C1~C6アルキル」を上記のように使用する場合のO-アルキル基を意味する。C1~C6アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ヘキソキシ基、3-メチルブトキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C3アルコキシ」は、「C1~C3アルキル」を上記のように使用する場合のO-アルキル基を意味する。C1~C3アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基およびn-プロポキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C6ハロアルキル」は、1~6個の炭素原子を有し、1個~全部の水素を異なるかまたは同じ種類のハロゲンによって置換された直鎖および分岐鎖両方の飽和炭化水素基を意味する。C1~C6ハロアルキル基の例としては、1~3個のハロゲン原子により置換されたメチル基、1~5個のハロゲン原子により置換されたエチル基、1~7個のハロゲン原子により置換されたn-プロピル基またはイソプロピル基、1~9個のハロゲン原子により置換されたn-ブチル基またはイソブチル基、および1~9個のハロゲン原子により置換されたsec-ブチル基またはt-ブチル基が挙げられる。
【0098】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C3ハロアルキル」は、1~3個の炭素原子を有し、1個~全部の水素を異なるかまたは同じ種類のハロゲンによって置換された直鎖および分岐鎖両方の飽和炭化水素基を意味する。C1~C3ハロアルキル基の例としては、1~3個のハロゲン原子により置換されたメチル、1~5個のハロゲン原子により置換されたエチル、および1~7個のハロゲン原子により置換されたn-プロピルまたはイソプロピルが挙げられる。
【0099】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C3ハロアルコキシ」は、1~3個の炭素原子を有し、1個~全部の水素原子を異なるかまたは同じ種類のハロゲン原子によって置換された直鎖および分岐鎖両方の飽和アルコキシ基を意味する。C1~C3ハロアルコキシ基の例としては、1~3個のハロゲン原子により置換されたメトキシ、1~5個のハロゲン原子により置換されたエトキシ、および1~7個のハロゲン原子により置換されたn-プロポキシまたはイソプロポキシが挙げられる。
【0100】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C3フルオロアルキル」は、1~3個の炭素原子を有し、1個~全部の水素原子をフッ素原子によって置換された直鎖および分岐鎖両方の飽和炭化水素基を意味する。C1~C3フルオロアルキル基の例としては、1~3個のフッ素原子により置換されたメチル、1~5個のフッ素原子により置換されたエチル、および1~7個のフッ素原子により置換されたn-プロピルまたはイソプロピルが挙げられる。
【0101】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C3フルオロアルコキシ」は、1~3個の炭素原子を有し、1個~全部の水素原子をフッ素原子によって置換された直鎖および分岐鎖両方の飽和アルコキシ基を意味する。C1~C3フルオロアルコキシ基の例としては、1~3個のフッ素原子により置換されたメトキシ、1~5個のフッ素原子により置換されたエトキシ、および1~7個のフッ素原子により置換されたn-プロポキシまたはイソプロポキシが挙げられる。
【0102】
本明細書で使用されるとき、用語「C3~C6シクロアルキル」は、3~6個の炭素原子を有する環式飽和炭化水素基を意味する。C3~C6シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0103】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~C3アルコキシC1~C3アルキル」は、1~3個の炭素原子を有するアルコキシ基により置換された1~3個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖両方の飽和炭化水素基を意味する。C1~C3アルコキシC1~C3アルキル基の例を下記に示す。
【0104】
【0105】
本明細書で使用されるとき、「C1~C3シアノアルキル」は、シアノ基部である炭素原子を含む1~3個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖両方のシアノ(CN)誘導体を意味する。C1~C3シアノアルキルの例を下記に示す。
【0106】
【0107】
本明細書で使用されるとき、用語N-C1~C3アルキルアミノは、上記定義されているように、1つのC1~C3アルキル基を有するアミノ置換基を意味する。N-C1~C3アルキルアミノの例を下記に示す。
【0108】
【0109】
本明細書で使用されるとき、用語N,N-ジC1~C3アルキルアミノは、上記定義されているように、2つのC1~C3アルキル基を有するアミノ置換基を意味する。N,N-ジC1~C3アルキルアミノの例を下記に示す。
【0110】
【0111】
本明細書で使用されるとき、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。本明細書で使用されるとき、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0112】
本明細書で使用されるとき、用語「アリール」は、単環式芳香族炭素環式基を意味する。かかる基の例は、フェニルが挙げられる。
【0113】
本明細書で使用されるとき、用語「単環式アリール」は、単環式芳香族炭素環基を意味する。単環式アリール基の例は、フェニルが挙げられる。
【0114】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロアリール」は、1~3個の炭素原子が、独立して窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子により置換されている炭素原子の単環式または二環式芳香族基を意味する。二環式アリールでは、環の1つは部分的に飽和していてもよい。かかる基の例としては、インドリニル、ジヒドロベンゾフランおよび1,3-ベンゾジオキソリルが挙げられる。
【0115】
本明細書で使用されるとき、用語「単環式ヘテロアリール」は、1~3個の炭素原子が、独立して窒素、酸素または硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子により置換されている炭素原子の単環式芳香族基を意味する。
【0116】
単環式ヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、およびピリミジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
二環式ヘテロアリール基の例としては、キノキサリニル、キナゾリニル、ピリドピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ナフチリジニル、キノリニル、ベンゾフリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリドピリミジニル、およびイソキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロシクリル」は、1~3個の炭素原子が、独立して窒素、酸素および硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子により置換されている炭素原子の環式基を意味する。ヘテロシクリル基の例としては、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびジオキニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
式(I)の化合物中に存在する置換基に応じて、化合物は、本発明の範囲内である塩を形成してよい。医薬用途に適する式(I)の化合物の塩は、対イオンが薬剤的に許容可能であるものである。
【0120】
本発明による適切な塩としては、有機または無機酸または塩基と形成されるものが挙げられる。特に、本発明による酸と形成される適切な塩としては、鉱酸、非置換もしくは例えばハロゲンにより置換されている1~4個の炭素原子のアルカンカルボン酸などの、飽和または不飽和ジカルボン酸などの、アミノ酸などのヒドロキシカルボン酸などの強有機カルボン酸と形成されるもの、または非置換もしくは例えばハロゲンにより置換された(C1~C4)アルキルもしくはアリールスルホン酸などの有機スルホン酸と形成されるものが挙げられる。薬剤的の許容可能な酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フタル酸、およびグルタミン酸、リジンおよびアルギニンから形成されるものが挙げられる。
【0121】
薬剤的の許容可能な塩基塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、カリウムおよびナトリウムのもの、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムおよびマグネシウムのもの、ならびに有機塩基、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジニル、ピロリジニル、モノ、ジもしくはトリ低級アルキルアミン、例えば、エチル、tert-ブチル、ジエチル、ジイソプロピル、トリエチル、トリブチルもしくはジメチルプロピルアミン、またはモノ、ジもしくはトリヒドロキシ低級アルキルアミン、例えば、モノ、ジもしくはトリエタノールアミンとの塩が挙げられる。さらに対応する分子内塩を形成してもよい。
【0122】
本発明の化合物を、それ自体、または医薬組成物の形態で、予防および/または治療において使用してよい。有効成分を単独で投与することは可能であるが、有効成分を医薬組成物中に存在させることも可能である。したがって、本発明は、式(I)の化合物、ならびに薬剤的に許容可能な希釈剤、賦形剤および/または担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、下記に記載されているように、医薬組成物の形態をしていてもよい。
【0123】
経口投与用の好ましい組成物としては、例えば、容積付与のための結晶セルロース、懸濁剤としてアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてメチルセルロース、および当技術分野で公知のものなどの甘味料または香味料を含むことができる懸濁剤;ならびに、例えば、結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ソルビトール、グルコースおよび/またはラクトースおよび/または当技術分野で公知のものなどの他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および潤滑剤を含むことができる即効型錠剤が挙げられる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはβラクトースなどの天然糖類、コーン甘味料、アカシア、トラガントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、カンテン、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。式(I)の化合物を、舌下および/または口腔投与により口腔を経由して送達することもできる。成形された錠剤、圧縮された錠剤または凍結乾燥された錠剤は、使用してよい好ましい形態である。好ましい組成物としては、マンニトール、ラクトース、ショ糖および/またはシクロデキストリンなどの速溶性希釈剤を含む本化合物を製剤するものが挙げられる。かかる組成物中に、セルロース(アビセル(avicel))またはポリエチレングリコール(PEG)などの高分子量賦形剤を含んでもよい。かかる組成物は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、無水マレイン酸共重合体(例えば、ガントレッズ(Gantrez))などの粘膜接着を助ける賦形剤、およびポリアクリル共重合体(例えば、カーボポール(Carbopol)934)などの徐放剤も挙げることができる。潤滑剤、流動促進剤、香味料、着色料および安定剤を、製造および使用を容易にするために添加してもよい。これらの剤形において使用される潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。液体での経口投与のため、経口薬成分を、エタノール、グリセロール、水および同様のものなどのいずれもの経口用無毒性薬剤的に許容可能な不活性担体と組み合わせることができる。
【0124】
経口投与に適している本発明の組成物を、各々が所定量の有効成分を含有するカプセル剤、カシェ剤、丸剤もしくは錠剤などの別々の単位として、または散剤もしくは顆粒剤として;液剤もしくは水性液体もしくは非水性液体中の懸濁剤、例えば、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤もしくはシロップ剤として;または水中油型液体乳剤もしくは油中水型液体乳剤として提供してもよい。有効成分を、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として提供してもよい。
【0125】
任意で1つ以上の副成分と共に圧縮または成形によって錠剤を製剤してよい。圧縮錠剤を、適切な機械において、任意で結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、平滑面活性剤または分散剤と混合された、散剤または顆粒剤などの有効成分を易流動性形態で圧縮することによって製剤してよい。成形錠剤を、適切な機械において、加湿された粉末化された化合物と不活性液体希釈剤との混合物を成形することによって製剤してよい。錠剤を任意で被覆してもよく刻みをつけてもよく、その中の有効成分の放出を遅らせる、または制御するように製剤してもよい。本化合物を、例えば、即効または徐放に適した剤形で投与することができる。即効または徐放は、本化合物を含む適切な医薬組成物の使用、または、特に徐放型の場合、皮下移植もしくは浸透圧ポンプなどのデバイスの使用によって、達成することができる。本化合物を、リポソームによって投与することもできる。
【0126】
典型的な単位投与量組成物は、前述のような効果的用量の、またはその適切な割合の有効成分を含有するものである。
【0127】
特に上記成分に加えて、本発明の化合物は、対象の組成物の種類を考慮して当技術分野において従来の他の薬剤を含んでよいこと、例えば、経口投与に適するものは香味料を含んでよいことは理解されるべきである。
【0128】
組成物を単位剤形で提供してよく、製薬の技術分野で周知の方法のいずれかによって製剤してよい。方法は、有効成分を1つ以上の副成分の構成要素となる担体と混合する工程を含んでよい。有効成分を液体担体と均一にかつ充分に混合、もしくは固体担体を微粉化、または両方、次いで、必要に応じて、製品を成形することによって所望の組成物に製剤してよい。
【0129】
本発明の化合物を、小さい単層膜リポソーム、大きい単層膜リポソームおよび多層リポソームなどのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームを、様々なリン脂質、1,2-ジパルミトイルホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)またはホスファチジルコリン(レシチン)から形成することができる。
【0130】
非経口投与用組成物としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および組成物に目的レシピエントの血液との等張性を付与する溶質を含有してよい水性および非水性滅菌注射液剤;ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでよい水性および非水性滅菌懸濁剤が挙げられる。組成物を、単位用量または反復用量の容器、例えば、密閉されたアンプルおよびバイアルで提供してよく、滅菌液体担体、例えば、生理食塩水または注射用水を使用直前に添加することを要するだけの凍結乾燥(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))条件で貯蔵してもよい。即時注射液剤および懸濁剤を、前述された種類の滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製してよい。非経口投与用の好ましい組成物は、例えば、ポリエチレングリコール、エタノール、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液、塩化ナトリウム等張液、または合成モノ、もしくはジグリセリド、およびオレイン酸を含む脂肪酸、またはクレモフォールを含む他の適切な分散もしくは湿潤および懸濁剤などの適切な無毒性非経口的に許容できる希釈剤または溶媒を含有することができる注射液剤または懸濁剤が挙げられる。
【0131】
鼻腔、エアロゾルまたは吸入投与用の好ましい組成物としては、例えば、ベンジルアルコールもしくは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティーを増強する吸収促進剤、および/または当技術分野で公知のものなどの他の可溶化もしくは分散剤を含有することができる生理食塩水の液剤が挙げられる。
【0132】
直腸投与用の組成物を、カカオ脂、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールなどの通常の担体を含む坐薬として提供してよい。かかる担体は、常温において通常固体であるが、直腸腔内で液化および/または溶解して薬物を放出する。
【0133】
口内、例えば、口腔内または舌下へ局所投与するための組成物としては、ショ糖およびアカシアまたはトラガントなどの香味基剤中の有効成分を含むトローチ剤、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアカシアなどの基剤中に有効成分を含むパステル剤が挙げられる。局所投与用の好ましい組成物は、プラスチベース(ポリエチレンでゲル化された鉱油)などの局所用担体を含む。
【0134】
式(I)の化合物を、単独の医薬品として、または組み合わせることで許容できない悪影響を引き起こさない1つ以上の追加の治療薬を併用して投与してもよい。この医薬組成物としては、式(I)の化合物および1つ以上の追加の治療薬を含有する単回投与用医薬組成物の投与、ならびにそれ自体個別投与用医薬組成物中に式(I)の化合物および各追加の治療薬の投与が挙げられる。例えば、式(I)の化合物および治療薬を、カプセル剤もしくは錠剤などの単回経口投与用組成物で一緒に患者に投与してもよく、それぞれの薬剤を個別の投与量を含む組成物で投与してもよい。
【0135】
個別投与用組成物を使用する場合、式(I)の化合物および1つ以上の追加の治療薬を、本質的に同時に(例えば、同時に)または別々の時差的に(例えば、逐次に)投与してもよい。
【0136】
もちろん、治療効果を達成するのに要する有効成分量は、特定の化合物、投与経路、タイプ、種、年齢、体重、性別を含む治療中の対象、ならびに対象の医学的状態ならびに対象の腎機能および肝機能、ならびに治療される特定の障害または疾病、ならびにその重症度と共に変わるだろう。当業の内科医、獣医または臨床医は、病状を予防する、無効にするまたは進行を止めるのに必要な薬物効果量を容易に決定し処方することができる。
【0137】
示された効果のために使用される場合、本発明の経口用投与量は、成人ヒト用として、約0.01mg/体重kg/日(mg/kg/日)~約100mg/kg/日、好ましくは0.01mg/体重kg/日(mg/kg/日)~10mg/kg/日、最も好ましくは0.1~5.0mg/kg/日の範囲であろう。経口投与のため、組成物を、治療しようとする患者への投与量の対症調節のために、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、および500ミリグラムの有効成分を含有する別々の単位で錠剤の形態または提供される他の提供形態で提供してもよい。薬物は、通常、約0.01mg~約500mgの有効成分、好ましくは約1mg~約100mgの有効成分を含有する。静脈内に、最も好ましい投与量は、一定速度の点滴の間、約0.1~約10mg/kg/分の範囲であろう。本発明の化合物を、毎日の単回用量で投与してもよく、毎日の全用量を毎日2回、3回または4回に分けた用量で投与してもよい。さらに、本発明の化合物を、適切な鼻腔内媒体の局所使用による鼻腔内形態で投与することもでき、当業者に周知の経皮皮膚用パッチ剤の形態を使用して経皮経路により投与することもできる。経皮送達系の形態で投与するために、もちろん、投薬投与は、投与レジメン全体を通して断続的よりむしろ継続的であろう。
【0138】
化合物の製造
本発明における化合物を、下記方法によって遊離塩基またはその薬剤的に許容可能な塩として製造することができる。かかる方法の以下の説明全体を通して、必要に応じて、有機合成の当業者により容易に理解されるように、適切な保護基を様々な反応物および中間体に付加し、その後除去するだろう。かかる保護基ならびに適切な保護基の例を使用するための従来方法は、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis by T.W.Greene,P.G.M Wutz,4th Edition,Wiley-Interscience,New York,2006に記載されている。マイクロ波を、反応混合物の加熱の代わりに使用することができることは理解される。
【0139】
本発明の別の形態は、式中、R2、R3およびXは特に指定されない限り本明細書で定義されている通りである式(I)の化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩の製造のための方法を提供する。前記方法は:
【0140】
(i)対応する式(I)の化合物の生成
【0141】
【0142】
式(I)の化合物を、例えば、式中、RXはF、OCH3、OC(CH3)3、またはOSiR’R’’R’’’(式中、R’、R’’およびR’’’は独立してアリール(フェニルなど)またはアルキル(メチルまたはtert-ブチルなど)である)であり得る、式(II)の化合物から出発することによって得ることができる。RXがFである場合、HCl水溶液を使用して例えば酸性加水分解によって(I)へ転化することができる。RXがOCH3である場合、例えば、クロロホルムなどの適切な溶媒中ヨウ化トリメチルシリルとの反応によって、または酢酸などの適切な溶媒中HBrとの反応によって、またはジクロロメタンなどの適切な溶媒中BBr3との反応によって(I)へ転化することができる。RXがOC(CH3)3である場合、例えば、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中トリフルオロ酢酸との反応によって(I)へ転化することができる。RXがOSiR’R’’R’’’である場合、例えば、メタノールなどの適切な溶媒中HClによって、またはテトラヒドロフラン中フッ化テトラブチルアンモニウムの使用によって(I)へ転化することができる。この反応において鏡像異性的に純粋または豊富な化合物(II)を使用する場合、鏡像異性的に純粋または豊富な化合物(I)を得る。
【0143】
式(II)の化合物は市販化合物であるか、または文献上公知であるか、または当技術分野で公知の標準的方法によって製造する。式(I)または(II)の化合物を、例えば、キラル固定相のクロマトグラフィーによって当技術分野で公知の標準的方法によってその鏡像異性体に分離することができる。
【0144】
一般的方法
使用される全溶媒は分析用グレードであり、市販無水溶媒を反応用に常に使用した。出発物質は商業的供給源から入手するか、または文献の方法に従って製造した。室温は+20~25℃を表す。溶媒混合物組成は、体積パーセンテージまたは体積比で表す。
【0145】
マイクロ波加熱を、2.45GHzの連続照射を発生するBiotage Initiatorマイクロ波空洞内で行った。マイクロ波を、反応混合物を加熱するために使用することができることは理解される。
【0146】
順相クロマトグラフィーをMerck Silica gel 60(0.040~0.063mm)で手動により行うか、または指定された溶媒系を使用したSiliaSep(商標)順相フラッシュカラムを使用したISCO Combiflash(登録商標) Companion(商標)システムを使用して自動的に行った。
【0147】
適切な構成のプローブを取り付けた400MHz(またはより高磁場)NMR分光計でNMRを記録した。特に断りがない限り、スペクトルは周囲温度で記録した。化学シフトは、TMS(0.00ppm)に対して低磁場および高磁場をppmで表す。次の参照シグナルを使用した:DMSO-d6 δ2.5、CDCl3 δ7.26またはメタノール-d4 δ3.31。共鳴多重度を、一重線、二重線、三重線、四重線、多重線、およびブロードそれぞれに対して、s、d、t、q、mおよびbrで示す。
【0148】
逆相カラムで高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。例えば、移動相A(0.1%NH3水溶液または0.1%酢酸水溶液または0.1%ギ酸水溶液)およびB(アセトニトリルまたはメタノール)を使用して、線形勾配を適用した。エレクトロスプレーイオン化(ES+)を使用して陽イオンモードで、質量分光計(MS)分析を行った。
【0149】
逆相カラムで、ソフトウェアとしてTrilution Icを用いてGilson-PREP GX271またはGX281で分取クロマトグラフィーを行った。例えば、移動相A(0.1%NH3水溶液または0.1%酢酸水溶液または0.1%ギ酸水溶液)およびB(アセトニトリルまたはメタノール)を使用して、線形勾配を適用した。
【0150】
キラル固定相で超臨界流体クロマトグラフィーを使用してThar SFCで、鏡像異性体の分離のために分取キラルクロマトグラフィーを行った。移動相A(二酸化炭素)およびB(アセトニトリルまたはメタノールまたはエタノールまたは2-プロパノールまたはそのいずれかの混合物)を使用して、線形勾配を適用した。添加剤(ジエチルアミンまたはイソプロピルアミンまたはアンモニアまたはギ酸またはTFA)を使用してもよい。
BIOVIA Draw16.1を使用して、化合物を命名した。
【0151】
略記
Amphos (4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)ジ-tert-ブチルホスフィン
anh. 無水
aq. 水性
BuLi ブチルリチウム
DCM ジクロロメタン
DMAc N,N-ジメチルアセトアミド
DME 1,2-ジメトキシエタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HPLC 高圧(または高速)液体クロマトグラフィー
KOtBu カリウムtert-ブトキシド
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
MeCN アセトニトリル
2-MeTHF 2-メチルテトラヒドロフラン
MeOH メタノール
min. 分
NMR 各磁気共鳴
PEPPSI-iPr [1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン](3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド
Pd(OAc)2 酢酸パラジウム(II)
PdCl2(dppf) [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
quant. 定量的
rt 室温
sat. 飽和
S-Phos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【実施例】
【0152】
中間体実施例1
4-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【0153】
【0154】
4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.07g、3.1mmol)、2,6-ジクロロ-4-ヨードピリジン(850mg、3.1mmol)、PdCl2(PPh3)2(109mg、0.16mmol)およびK2CO3(1.07g、7.76mmol)を、DME:H2O:EtOH(6:3:1、8ml)に溶解し、得られた混合物を70℃で一夜撹拌した。室温まで冷却したら、混合物を濃縮して、得られた残渣をDCM(10ml)に溶解した。混合物をろ過し、ろ液をシリカゲルカラムにヘプタン中0~40%EtOAcを溶離液として精製して、固体の生成物(270mg、33%)を得た。MS ES+ m/z 365 [M+H]+。
【0155】
中間体実施例2
4-(2-tert-ブトキシ-6-クロロ-4-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0156】
【0157】
4-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(500mg、1.37mmol)、KOtBu(462mg、4.12mmol)およびトルエン(10ml)を混合し、100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却したら、混合物をEtOAc(20ml)で希釈し、1M HCl水溶液(10ml)を添加した。10分後、NaHCO3飽和水溶液を使用してpHを7まで調節した。有機層を分離し、水相をEtOAc(2×10ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮してゴム状物の生成物(460mg、定量的)を得た。MS ES+ m/z 302 [M+H]+。
【0158】
中間体実施例3
4-[2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0159】
【0160】
4-(2-tert-ブトキシ-6-クロロ-4-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(220mg、0.73mmol)、[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(190mg、1mmol)、PdCl2(dppf)(30mg、0.04mmol)およびK2CO3(302mg、2.19mmol)を1,4-ジオキサン:H2O:EtOH(6:3:1、4ml)に溶解し、得られた混合物を80℃で一夜撹拌した。室温まで冷却したら、EtOAc(3ml)および塩水(3ml)を添加し、有機層を分離した。水層をEtOAc(2×3ml)で抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して生成物(300mg、定量的)を得た。MS ES+ m/z 412 [M+H]+。
【0161】
実施例4
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン
【0162】
【0163】
4-[2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(300mg、0.73mmol)を、DCM(3ml)中に室温で溶解した。TFA(0.27ml、3.65mmol)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残亜をEtOAc(10ml)およびNaHCO3飽和水溶液に溶解した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×10ml)で抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、分取HPLCにより精製して固体の生成物(14mg、5%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ=12.10(br.s.,1H),11.95(br.s.,1H),8.30(d,1H),7.89(d,1H),7.83~7.76(m,1H),7.75~7.65(m,2H),7.61(t,1H),7.24(d,1H),6.75(br.s.,1H),6.58(d,1H)。MS ES+ m/z 355 [M+H]+。
【0164】
中間体実施例5
4-[2-tert-ブトキシ-6-(3-メチル-4-ピリジル)-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0165】
【0166】
(3-メチル-4-ピリジル)ボロン酸およびPd(amphos)Cl2を使用して、標題化合物を中間体実施例3に記載されているように製造して、生成物(125mg、53%)を得た。MS ES+ m/z 359 [M+H]+。
【0167】
実施例6
6-(3-メチル-4-ピリジル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0168】
【0169】
4-[2-tert-ブトキシ-6-(3-メチル-4-ピリジル)-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例4に記載されているように製造して、生成物(70mg、66%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=11.94(br.s.,1H),11.78(br.s.,1H),8.57(s.,1H),8.52(s.,1H),8.31(s.,1H),7.61(s.,1H),7.47(s.,1H),7.29(s.,1H),6.77(s.,1H),6.70(s.,1H),6.63(s.,1H),2.38(s.,3H)。MS ES+ m/z 303 [M+H]+。
【0170】
中間体実施例7
4-[2-tert-ブトキシ-6-(2-フェニルピロリジン-1-イル)-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0171】
【0172】
4-(2-tert-ブトキシ-6-クロロ-4-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(134mg、0.44mmol)および2-フェニルピロリジン(131mg、0.89mmol)をトルエン(5ml)に溶解した。Pd2(dba)3(23mg、0.03mmol)、Xphos(23mg、0.05mmol)およびKOtBu(160mg、1.43mmol)を添加し、懸濁液を100℃で2時間撹拌した。塩水およびEtOAcを添加し、有機層を分離して、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を2M HCl水溶液、水、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して生成物(92mg、50%)を得た。MS ES+ m/z 413 [M+H]+。
【0173】
実施例8
6-(2-フェニルピロリジン-1-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0174】
【0175】
4-[2-tert-ブトキシ-6-(2-フェニルピロリジン-1-イル)-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例4に記載されているように製造して、生成物(6mg、8%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.84(br.s.,1H)1.94(br.s.,2H)2.35~2.45(m,1H)3.66(d,1H)3.86(br.s.,1H)4.98(br.s.,1H)5.72~6.01(m,2H)7.02(d,1H)7.17~7.41(m,7H)8.20(d,1H)11.73(br.s.,1H)。MS ES+ m/z 357 [M+H]+。
【0176】
中間体実施例9
2-メトキシ-6-(3-ピリジル)ピリジン-4-アミン
【0177】
【0178】
2-クロロ-6-メトキシ-ピリジン-4-アミン(2g、12.61mmol)、3-ピリジルボロン酸(1.55g、0.01mol)、Pd(amphos)Cl2(0.73g、0.63mmol)およびK2CO3(3.49g、0.03mol)をMeCN(6ml)および水(2ml)中に溶解し、マイクロ波反応器内において混合物を130℃、30分間加熱した。混合物をろ過し、有機層を蒸発させた。得られた残渣をEtOAc中に溶解し、水、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮して、固体の生成物(1.2g、47%)を得た。MS ES+ m/z 202 [M+H]+。
【0179】
中間体実施例10
4-クロロ-2-メトキシ-6-(3-ピリジル)ピリジン
【0180】
【0181】
2-メトキシ-6-(3-ピリジル)ピリジン-4-アミン(1g、4.92mmol)およびクロロ銅(779mg、7.87mmol)アセトニトリル(25ml)中に懸濁し、氷浴中で冷却した。イソペンチルニトリル(1.06ml、7.87mmol)を添加し、混合物を室温で一夜撹拌した。水(60ml)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(20ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中0~30%EtOAcを溶離液として精製し、固体の生成物(403mg、37%)を得た。MS ES+ m/z 222 [M+H]+。
【0182】
中間体実施例11
1-(ベンゼンスルホニル)-4-[2-メトキシ-6-(3-ピリジル)-4-ピリジル]-2-メチル-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0183】
【0184】
4-クロロ-2-メトキシ-6-(3-ピリジル)ピリジン(90mg、0.41mmol)、1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[2,3-b]ピリジン(187mg、0.47mmol)、PdCl2(PPh3)2(14mg、0.02mmol)およびK2CO3(141mg、1.02mmol)を、MeCN(3ml)および水(0.5ml)中に熔解し、マイクロ波反応器内において得られた混合物を140℃で15分間加熱した。さらに、1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[2,3-b]ピリジン(120mg、0.3mmol)を添加し、混合物を再び140℃で15分間加熱した。混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をEtOAc(10ml)および水(10ml)中に熔解した。有機層を分離し、水層をEtOAc(10ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中0~80%EtOAcを溶離液として精製し、生成物(182mg、55%)を得た。MS ES+ m/z 457 [M+H]+。
【0185】
実施例12
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-(3-ピリジル)-1H-ピリジン-2-オン
【0186】
【0187】
1-(ベンゼンスルホニル)-4-[2-メトキシ-6-(3-ピリジル)-4-ピリジル]-2-メチル-ピロロ[2,3-b]ピリジン(287mg、0.63mmol)を、1,4-ジオキサン(2ml)中に溶解し、2M HCl水溶液(2ml)を添加した。マイクロ波反応器内において、得られた混合物を130℃で1.5時間加熱した。濃HCl(0.5ml)を添加し、混合物を再び140℃で1時間加熱した。室温まで冷却したら、2M NaOH水溶液を使用してpHを>7に調節し、生成された沈殿物を濾取して、水、EtOAcで洗浄して乾燥した。粗生成物をMeOH(4ml)中に溶解し、マイクロ波反応器内において150℃で3分間加熱した。室温まで冷却したら、得られた沈殿物を濾取して、逐次MeOH、2-プロパノール、ペンタンで洗浄し、乾燥して固体の生成物(65mg、34%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ=12.03(br.s.,1H),11.76(br.s.,1H),9.11(br.s.,1H),8.66(d,1H),8.30(d,1H),8.20(d,1H),7.59~7.48(m,1H),7.29(d,1H),7.20(br.s.,1H),6.80(br.s.,1H),6.40(s,1H),2.44(s,3H)。MS ES+ m/z 303 [M+H]+。
【0188】
中間体実施例13
4-(6-クロロ-4-ヨード-2-ピリジル)モルホリン
【0189】
【0190】
2,6-ジクロロ-4-ヨード-ピリジン(1.37g、5mmol)、モルホリン(0.56ml、6.5mmol)、L-プロリン(115mg、1mmol)、CuI(95mg、0.5mmol)およびK2CO3(1.38g、10mmol)を、DMSO(4ml)中に溶解し、得られた混合物を70℃で一夜撹拌した。室温まで冷却したら、水(25ml)およびEtOAc(10ml)を添加し、有機層を分離した。水層をEtOAc(2×10ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中20~50%EtOAcを溶離液として精製し、固体の生成物(865mg、53%)を得た。MS ES+ m/z 325 [M+H]+。
【0191】
中間体実施例14
4-[4-[1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-クロロ-2-ピリジル]モルホリン
【0192】
【0193】
1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[2,3-b]ピリジン(518mg、1.3mmol)、4-(6-クロロ-4-ヨード-2-ピリジル)モルホリン(325mg、1mmol)、Pd(PPh3)4(58mg、0.05mmol)およびK2CO3(415mg、3mmol)1,4-ジオキサン:H2O:EtOH(6:3:1、10 ml)中に溶解し、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。室温まで冷却したら、EtOAc(5ml)および塩水(5ml)を添加した。有機層を分離し、水層をEtOAc(5ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中0~50%EtOAcを溶離液として精製し、固体の生成物(470mg、定量的)を得た。MS ES+ m/z 470 [M+H]+。
【0194】
中間体実施例15
4-[6-クロロ-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-2-ピリジル]モルホリン
【0195】
【0196】
4-[4-[1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-クロロ-2-ピリジル]モルホリン(335mg、0.71mmol)、(2,4-ジメトキシフェニル)メタノール(144mg、0.86mmol)、KOtBu(400mg、3.57mmol)およびトルエン(1ml)を混合し、90℃で3時間撹拌した。室温まで冷却したら、EtOAc(10ml)、水(5ml)および塩水(5ml)を添加した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×5ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して固体の生成物(300mg、64%)を得た。MS ES+ m/z 330 [M+H]+。
【0197】
実施例16
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-モルホリノ-1H-ピリジン-2-オン
【0198】
【0199】
4-[6-クロロ-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-2-ピリジル]モルホリン(300mg、0.46mmol)、Pd2(dba)3(21mg、0.02mmol)、XPhos(22mg、0.05mmol)、2M KOH水溶液(1ml)および1,4-ジオキサン(2ml)を混合し、マイクロ波反応器内において150℃で30分間加熱した。室温まで冷却したら、混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、分取HPLCにより精製して固体の生成物(4mg、3%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ=11.66(br.s.,1H),10.43(br.s.,1H),8.14(d,1H),7.13(d,1H),6.38(br.s.,1H),6.31(s,1H),6.22(br.s.,1H),3.75~3.66(m,4H),3.43(br.s.,4H),2.42(s,3H)。MS ES+ m/z 311 [M+H]+。
【0200】
中間体実施例17
6-(2-クロロフェニル)-4-ヒドロキシ-1H-ピリジン-2-オン
【0201】
【0202】
窒素雰囲気下、-78℃において、3-オキソブタン酸エチル(6.33ml、50mmol)を、2-MeTHF(60ml)中の60%NaH(1.92g、50mmol)に滴下した。5分後、冷却浴を取り除き、混合物を室温で20分間撹拌した。混合物を冷却して-78℃まで戻し、1.6M n-BuLi(31.25ml)を20分かけてゆっくりと添加した。得られた溶液を-78℃で30分間撹拌した。それから、2-クロロベンゾニトリル(6.88g、50mmol)を固体で一度に添加し、反応混合物を解凍冷却浴で一夜撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、MeOH(15ml)をゆっくりと添加した。冷却浴を取り除き、混合物を室温で30分間撹拌してから、再び0℃まで冷却した。混合物を、濃HClをゆっくり添加することにより中和して、得られた沈殿物を濾取し、EtOH、ペンタンで洗浄し、乾燥して固体の生成物(11.08g、87%)を得た。MS ES+ m/z 222 [M+H]+。
【0203】
中間体実施例18
2,4-ジクロロ-6-(2-クロロフェニル)ピリジン
【0204】
【0205】
6-(2-クロロフェニル)-4-ヒドロキシ-1H-ピリジン-2-オン(5g、22.56mmol)POCl3(40ml)中に溶解し、N,N-ジメチルアニリン(5.5ml、43.4mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を一夜還流した。室温まで冷却したら、混合物を氷(600ml)上に注ぎ、室温で30分間撹拌した。沈殿物を濾取し、水で洗浄した。固体物をEtOAc(100ml)中に溶解し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して固体の生成物(7g、83%)を得た。MS ES+ m/z 258 [M+H]+。
【0206】
中間体実施例19
4-クロロ-6-(2-クロロフェニル)-1H-ピリジン-2-オン
【0207】
【0208】
2,4-ジクロロ-6-(2-クロロフェニル)ピリジン(5.7g、22.05mmol)およびKOtBu(6.19g、55.12mmol)をトルエン(75ml)中に溶解し、得られた混合物を100℃で2時間撹拌した。室温まで冷却したら、水(40ml)を添加し、有機層を分離した。濃HClを使用して水層を僅かに酸性にして、EtOAc(2×40ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。得られた残渣をDCM(30ml)中に溶解し、TFA(5ml、67.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、得られた残渣をMeOH(25ml)中に溶解した。30%NH4OH(20ml)および水(20ml)を添加し、混合物を室温で一夜撹拌した。生成された沈殿物を濾取し、水、EtOH、ペンタンで洗浄し、乾燥して固体の生成物(4.13g、78%)を得た。MS ES+ m/z 240 [M+H]+。
【0209】
中間体実施例20
1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボアルデヒド
【0210】
【0211】
2.5Mブチルリチウム(2.8ml、7mmol)を、2-MeTHF(15ml)中のN-イソプロピルプロパン-2-アミン(1ml、7.14mmol)の溶液に0℃でゆっくり添加した。得られた混合物を0℃で5分間撹拌してから、-78℃まで冷却した。2-MeTHF(10ml)中の1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.5g、5.12mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を-78℃で20分間撹拌してから、冷却浴を取り除いた。混合物を室温で10分間撹拌して懸濁液を得て、それから、再び-78℃まで冷却した。DMF(1.2ml、15.6mmol)を滴下し、得られた混合物を解凍冷却浴で30分間撹拌してから、室温で30分間撹拌した。NH4Cl飽和水溶液(12ml)を添加し、有機層を分離した。水層をEtOAc(2×10ml)で抽出し、合わせた有機層を0.5M HCl水溶液(20ml)、塩水(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮してゴム状の生成物(1.7g、定量的)を得た。MS ES+ m/z 321 [M+H]+。
【0212】
中間体実施例21
5-(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)オキサゾール
【0213】
【0214】
1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボアルデヒド(1g、3.12mmol)、TosMIC(609mg、3.12mmol)およびK2CO3(431mg、3.12mmol)をMeOH(40ml)に溶解し、得られた混合物を70℃で2時間撹拌した。室温まで冷却したら、混合物をろ過し、沈殿物をMeOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をEtOHから再結晶化して固体の生成物(120mg、18%)を得た。MS ES+ m/z 220 [M+H]+。
【0215】
中間体実施例22
5-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル]オキサゾール
【0216】
【0217】
5-(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)オキサゾール(120mg、0.55mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(208mg、0.82mmol)およびKOAc(161mg、1.64mmol)を1,4-ジオキサン(10ml)中に溶解し、混合物全体にわたって窒素を5分間バブリングした。それから、S-Phos(22mg、0.06mmol)およびPd(OAc)2(6mg、0.03mmol)を添加し、得られた混合物を100℃で一夜撹拌した。さらに4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(208mg、0.82mmol)、KOAc(161mg、1.64mmol)、S-Phos(22mg、0.06mmol)およびPd(OAc)2(6mg、0.03mmol)を添加し、得られた混合物を100℃で一夜撹拌した。Pd-118(25mg)を添加し、100℃で一夜、撹拌を続けた。室温まで冷却したら、混合物をろ過し、ろ液に水(10ml)、塩水(10ml)およびEtOAc(10ml)を添加した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×10ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムにDCM中0~10%MeOHを溶離液として精製し、固体の生成物(160mg、66%)を得た。MS ES+ m/z 312 [M+H]+。
【0218】
実施例23
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-オキサゾール-5-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0219】
【0220】
5-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル]オキサゾール(160mg、0.36mmol)、4-クロロ-6-(2-クロロフェニル)-1H-ピリジン-2-オン(75mg、0.31mmol)、PdCl2(PPh3)2(11mg、0.02mmol)およびK2CO3(130mg、0.94mmol)を1,4-ジオキサン:H2O:EtOH(6:3:1;3ml)中に溶解し、マイクロ波反応器内において得られた混合物を140℃で15分間加熱した。室温まで冷却したら、水(2ml)を添加し、混合物を室温で15分間撹拌した。得られた沈殿物を濾取し、逐次、水、1,4-ジオキサンで洗浄し、乾燥した。粗生成物を、沸騰している2-プロパノール(5ml)中に懸濁した。室温まで冷却したら、沈殿物を濾去して捨てた。ろ液を濃縮し、得られた残渣を少量のEtOH中に懸濁し、ろ過し、濃縮して固体の生成物(11mg、9%)を得た。MS ES+ m/z 389 [M+H]+。
【0221】
中間体実施例24
1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-(3-ピリジル)ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0222】
【0223】
1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-ヨード-ピロロ[2,3-b]ピリジン(2.97g、7.09mmol)、3-ピリジルボロン酸(0.87g、7.09mmol)、Pd(PPh3)4(0.41g、0,35mmol)およびK2CO3(1.96g、14.2mmol)をMeCN(6ml)および水(2ml)中に溶解し、マイクロ波反応器内において混合物を130℃で30分間加熱した。混合物をろ過し、有機層を蒸発させた。得られた残渣をEtOAc中に溶解し、水、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中50%EtOAcを溶離液として精製し、固体の生成物(500mg、19%)を得た。MS ES+ m/z 370 [M+H]+。
【0224】
中間体実施例25
1-(ベンゼンスルホニル)-2-(3-ピリジル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0225】
【0226】
5-(4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)オキサゾールの代わりに1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-(3-ピリジル)ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例22に記載されているように製造して、生成物(100mg、16%)を得た。MS ES+ m/z 462 [M+H]+。
【0227】
中間体実施例26
4-[1-(ベンゼンスルホニル)-2-(3-ピリジル)ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-(2-クロロフェニル)-1H-ピリジン-2-オン
【0228】
【0229】
5-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル]オキサゾールの代わりに1-(ベンゼンスルホニル)-2-(3-ピリジル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例23に記載されているように製造した。シリカゲルカラムにDCM中0~10%MeOHを溶離液として精製を行い、固体の生成物(140mg、78%)を得た。MS ES+ m/z 462 [M+H]+。
【0230】
実施例27
6-(2-クロロフェニル)-4-[2-(3-ピリジル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0231】
【0232】
4-[1-(ベンゼンスルホニル)-2-(3-ピリジル)ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-(2-クロロフェニル)-1H-ピリジン-2-オン(140mg、0.26mmol)を、1,4-ジオキサン(2ml)および2M HCl水溶液(1ml)中に溶解し、マイクロ波反応器内において得られた混合物を130℃で30分間加熱した。2M NaOH水溶液(1ml)および水(3ml)を添加し、得られた沈殿物を濾取し、水で洗浄した。粗生成物を、沸騰している2-プロパノール(5ml)中に溶解し、室温まで冷却したら、沈殿物を濾取し、乾燥して固体の生成物(15mg、15%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.59(br.s.,1H),9.27~9.19(m,1H),8.56(d,1H),8.41~8.30(m,2H),7.72~7.58(m,2H),7.57~7.43(m,4H),7.35~7.24(m,2H),6.81(d,1H)。MS ES+ m/z 399 [M+H]+。
【0233】
中間体実施例28
4-[1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-(2-クロロフェニル)-1H-ピリジン-2-オン
【0234】
【0235】
5-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル]オキサゾールの代わりに1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例23に記載されているように製造した。シリカゲルカラムにヘプタン中50~100%EtOAcを溶離液として精製を行い、固体の生成物(140mg、88%)を得た。MS ES+ m/z 476 [M+H]+。
【0236】
実施例29
6-(2-クロロフェニル)-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0237】
【0238】
4-[1-(ベンゼンスルホニル)-2-(3-ピリジル)ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-(2-クロロフェニル)-1H-ピリジン-2-オンの代わりに4-[1-(ベンゼンスルホニル)-2-メチル-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-(2-クロロフェニル)-1H-ピリジン-2-オンを使用して、標題化合物を実施例27に記載されているように製造して、固体の生成物(25mg、25%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.03(br.s.,1H),11.75(br.s.,1H),8.18(d,1H),7.65~7.58(m,2H),7.54~7.42(m,3H),7.20(d,1H),6.71(br.s.,1H),6.35(s,1H),2.43(s,3H)。MS ES+ m/z 336 [M+H]+。
【0239】
中間体実施例30
4-ベンジルオキシ-2,6-ジクロロ-ピリジン
【0240】
【0241】
60%NaH(945mg、24.7mmol)を、DMF(25ml)中の2,4,6-トリクロロピリジン(4.5g、24.7mmol)の溶液に、0℃において分割添加した。20分後、フェニルメタノール(2.7g、24.7mmol)を滴下し、混合物を3時間撹拌した。水(30ml)を添加し、沈殿物を濾取した。固体物をEtOAc中に溶解し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して固体の生成物(5g、80%)を得た。MS ES+ m/z 254 [M+H]+。
【0242】
中間体実施例31
4-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシ-6-クロロ-ピリジン
【0243】
【0244】
4-ベンジルオキシ-2,6-ジクロロ-ピリジン(5g、19.7mmol)およびKOtBu(2.2g、19.7mmol)を2-MeTHF(25ml)中に溶解し、混合物を70℃で2時間撹拌した。室温まで冷却したら、混合物をろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中30%EtOAcを溶離液として精製し、生成物(4g、70%)を得た。MS ES+ m/z 292 [M+H]+。
【0245】
中間体実施例32
4-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]ピリジン
【0246】
【0247】
4-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシ-6-クロロ-ピリジン(4g、13.7mmol)、2-(トリフルオロメチル)ピペリジン(2.3g、15.1mmol)、PEPPSI-iPr(146mg、1.37mmol)およびKOtBu(3.85g、34.3mmol)を1,4-ジオキサン(30ml)中に溶解し、混合物を90℃で2時間撹拌した。室温まで冷却したら、水およびEtOAcを添加し、有機層を分離し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中30%EtOAcを溶離液として精製し、生成物(4.1g、73%)を得た。MS ES+ m/z 409 [M+H]+。
【0248】
中間体実施例33
2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]ピリジン-4-オール
【0249】
【0250】
MeOHおよびEtOAc中の4-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]ピリジン(3.5g、8.57mmol)および10%Pd/C(600mg、0.56mmol)の混合物を、室温で2時間水素化(1.5バール(1.5×105Pa))した。混合物をセライトによりろ過し、濃縮して生成物(2.7g、定量的)を得た。MS ES+ m/z 319 [M+H]+。
【0251】
中間体実施例34
トリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-ピリジル]
【0252】
【0253】
2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]ピリジン-4-オール(2.7g、8.48mmol)およびEt3N(1.66ml、11.9mmol)をDCM(20mL)中に0℃で溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸トリフルオロメチルスルホニル(2.54ml、11.9mmol)を5分かけて滴下し、1時間撹拌した。混合物をNaHCO3飽和水溶液(2×20mL)で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中20%EtOAcを溶離液として精製し、生成物(3.5g、92%)を得た。MS ES+ m/z 451 [M+H]+。
【0254】
中間体実施例35
2-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]ピリジン
【0255】
【0256】
4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(2.96g、11.7mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-ピリジル](3.5g、7.77mmol)、KOAc(1.14g、11.7mmol)およびPdCl2(dppf)(215mg、0.29mmol)をトルエン(10ml)中に溶解し、90℃で5時間撹拌した。室温まで冷却したら、混合物を濃縮し、残渣をEtOAc中に溶解し、水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中0~60%EtOAcを溶離液として精製し、生成物(2.15g、65%)を得た。MS ES+ m/z 347 [M+H]+。
【0257】
実施例36
4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン
【0258】
【0259】
2-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]ピリジン(110mg、0.26mmol)、4-クロロ-2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(95mg、0.57mmol)、K2CO3(89mg、0.64mmol)およびPdCl2(dppf)(14mg、0.02)を1,4-ジオキサンおよび水中に溶解し、混合物を90℃で2時間撹拌した。室温まで冷却したら、EtOAcを添加し、混合物をろ過した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をDCM中に溶解し、TFA(0.11ml、1.54mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌し、濃縮し、分取HPLCにより精製して固体の生成物(3.4mg、3%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.62~1.70(m,1H),1.76~1.94(m,4H),2.07~2.16(m,1H),2.51(d,3H),3.19~3.28(m,1H),3.85~4.06(m,1H),5.37(br d,1H),6.32(d,1H),6.36(d,1H),6.39~6.47(m,1H),7.17(d,1H),8.06~8.27(m,1H)。MS ES+ m/z 377 [M+H]+。
【0260】
実施例37
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン
【0261】
【0262】
4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(43mg、0.28mmol)、2-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]ピリジン(100mg、0.23mmol)、K2CO3(81mg、0.58mmol)およびPdCl2(dppf)(13mg、0.02mmol)を1,4-ジオキサンおよび水中に溶解し、マイクロ波反応器内において混合物120℃で1時間加熱した。室温まで冷却したら、EtOAcを添加し、混合物をろ過した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、濃縮し、分取HPLCにより精製して固体の生成物(3.4mg、4%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.57~1.69(m,1H),1.77~1.95(m,4H),2.07~2.18(m,1H),3.20~3.31(m,1H),3.98(br d,1H),5.27~5.57(m,1H),6.34(d,1H),6.46(s,1H),6.67(d,1H),7.28(s,1H),7.49(d,1H),8.15~8.39(m,1H)。MS ES+ m/z 363 [M+H]+。
【0263】
中間体実施例38
4-(4-ベンジルオキシ-6-tert-ブトキシ-2-ピリジル)-3-(トリフルオロメチル)モルホリン
【0264】
【0265】
2-(トリフルオロメチル)ピペリジンの代わりに3-(トリフルオロメチル)モルホリンを使用して、標題化合物を中間体実施例32に記載されているように製造して、油状生成物(1g、50%)を得た。MS ES+ m/z 411 [M+H]+。
【0266】
中間体実施例39
2-tert-ブトキシ-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]ピリジン-4-オール
【0267】
【0268】
標題化合物を中間体実施例33に記載されているように製造して、生成物(780mg、99%)を得た。MS ES+ m/z 321 [M+H]+。
【0269】
中間体実施例40
トリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-4-ピリジル]
【0270】
【0271】
標題化合物を中間体実施例34に記載されているように製造して、油状生成物(800mg、81%)を得た。MS ES+ m/z 453 [M+H]+。
【0272】
中間体実施例41
4-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-3-(トリフルオロメチル)モルホリン
【0273】
【0274】
標題化合物を中間体実施例35に記載されているように製造して、生成物(270mg、33%)を得た。MS ES+ m/z 431 [M+H]+。
【0275】
実施例42
4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0276】
【0277】
4-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-3-(トリフルオロメチル)モルホリンおよび4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、生成物(20mg、22%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ ppm 3.44~3.51(m,1H),3.63(td,2.99Hz,1H),3.72~3.83(m,2H),3.99(dd,1H),4.26(d,1H),5.18(qd,1H),6.35~6.39(m,1H),6.37(s,1H),6.41(s,1H),6.65(d,1H),7.20(d,1H),7.43(d,1H),8.23(d,1H)。MS ES+ m/z 365 [M+H]+。
【0278】
中間体実施例43
1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0279】
【0280】
[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸から出発して、標題化合物を中間体実施例24に記載されているように製造し、生成物(1.5g、29%)を得た。MS ES+ m/z 437 [M+H]+。
【0281】
中間体実施例44
4-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0282】
【0283】
MeOH中の5M NaOH(1.37ml、6.88mmol)を、MeOH(10ml)中の1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.5g、3.44mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、シリカゲルカラムで精製して、固体の生成物(510mg、50%)を得た。MS ES+ m/z 297 [M+H]+。
【0284】
実施例45
6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-4-[2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0285】
【0286】
4-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-3-(トリフルオロメチル)モルホリンおよび4-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、生成物(7mg、7%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ ppm 3.46~3.53(m,1H),3.67(td,3.00Hz,1H),3.81~3.93(m,2H),4.03(dd,1H),4.30(d,1H),5.21~5.28(m,1H),6.46(d,1H),6.54(s,1H),7.14(s,1H),7.28(d,1H),7.66~7.70(m,2H),8.14~8.18(m,1H),8.21(s,1H),8.31(d,1H)。MS ES+ m/z 509 [M+H]+。
【0287】
中間体実施例46
1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-(5-メチル-2-チエニル)ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0288】
【0289】
1,4-ジオキサン(25mL)中トリブチル-(5-メチル-2-チエニル)スタンナン(6g、15.46mmol)、1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-ヨード-ピロロ[2,3-b]ピリジン(5.1g、12.88mmol)、Pd(PPh3)4(1.7g、0.64mmol)および2M Na2CO3水溶液(12mL)の混合物をアルゴンでパージし、100℃で一夜撹拌した。室温まで冷却したら、混合物をEtOAcで希釈し、水、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムで精製して固体の生成物(2g、33%)を得た。MS ES+ m/z 389 [M+H]+。
【0290】
中間体実施例47
4-クロロ-2-(5-メチル-2-チエニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0291】
【0292】
1-(ベンゼンスルホニル)-4-クロロ-2-(5-メチル-2-チエニル)ピロロ[2,3-b]ピリジンから出発して、標題化合物を中間体実施例44に記載されているように製造して、生成物(835mg、59%)を得た。MS ES+ m/z 249 [M+H]+。
【0293】
実施例48
4-[2-(5-メチル-2-チエニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-6-[3-(トリフルオロメチル)モルホリン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0294】
【0295】
4-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-3-(トリフルオロメチル)モルホリンおよび4-クロロ-2-(5-メチル-2-チエニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、生成物(5mg、5%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4) δ ppm 2.51(s,3H),3.43~3.55(m,1H),3.64(br d,1H),3.73(br s,1H),3.81(br d,1H),4.02(br d,1H),4.28(br d,1H),5.11(br s,1H),6.40(br d,2H),6.65~6.71(m,1H),6.76(br s,1H),7.12~7.16(m,1H),7.25~7.31(m,1H),8.17(br d,1H)。MS ES+ m/z 461 [M+H]+。
【0296】
実施例49
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-1H-ピリジン-2-オン
【0297】
【0298】
4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造して、生成物(6mg、7%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.65(br d,1H),1.78(br s,1H),1.80~1.91(m,3H),2.12(br d,1H),3.24(br t,1H),4.07(br d,1H),5.47(br s,1H),6.38(s,1H),6.53(s,1H),7.33~7.48(m,1H),8.26(s,1H),8.61(d,1H)。MS ES+ m/z 461 [M+H]+。
【0299】
中間体実施例50
2-[[4-クロロ-2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン
【0300】
【0301】
1,4-ジオキサン(30mL)中[4-クロロ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-イル]ボロン酸(2g、12.26mmol)、5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリミジン(2.6g、12.26mmol)、Pd(PPh3)4(1.4g、1.22mmol)および2M Na2CO3水溶液(2mL)の混合物をアルゴンでパージし、100℃で一夜撹拌した。室温まで冷却したら、混合物を濃縮し、シリカゲルカラムで精製して生成物(1.5g、28%)を得た。MS ES+ m/z 429 [M+H]+。
【0302】
中間体実施例51
4-クロロ-2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0303】
【0304】
THF中の1M TBAF(20.8ml、20.8mmol)を、THF(10ml)中の2-[[4-クロロ-2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン(2g、4.16mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を一夜還流した。室温まで冷却したら、混合物を濃縮し、シリカゲルカラムで精製した後、分取HPLCにより精製して固体の生成物(530mg、43%)を得た。MS ES+ m/z 299 [M+H]+。
【0305】
実施例52
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0306】
【0307】
4-クロロ-2-[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造して、生成物(8mg、6%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.46~1.60(m,1H),1.70(br s,2H),1.76(br d,2H),2.02(br d,1H),3.07(br s,1H),4.15~4.30(m,1H),5.50~5.68(m,1H),6.34(s,1H),6.62(br s,1H),7.32(d,1H),7.55(s,1H),8.42(d,1H),9.65(s,2H),10.45(br s,1H),12.78(br s,1H)。MS ES+ m/z 509 [M+H]+。
【0308】
中間体実施例53
2-[[4-クロロ-2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン
【0309】
【0310】
5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジンを使用して、標題化合物を中間体実施例50に記載されているように製造し、生成物(1.5g、79%)を得た。MS ES+ m/z 428 [M+H]+。
【0311】
中間体実施例54
4-クロロ-2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0312】
【0313】
標題化合物を中間体実施例51に記載されているように製造して、生成物(520mg、50%)を得た。MS ES+ m/z 298 [M+H]+。
【0314】
実施例55
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0315】
【0316】
4-クロロ-2-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造して、生成物(6mg、5%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.53(br d,1H),1.69(br s,2H),1.72~1.86(m,2H),2.02(br d,1H),3.07(br t,1H),4.23(br d,1H),5.58(br s,1H),6.35(s,1H),6.61(br s,1H),7.30(d,1H),7.40(s,1H),8.02(d,1H),8.39(d,1H),8.64(dd,1H),9.40(d,1H),10.44(br s,1H),12.68(br s,1H)。MS ES+ m/z 508 [M+H]+。
【0317】
中間体実施例56
2-[[4-クロロ-2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-イル]メトキシ]エチル-トリメチル-シラン
【0318】
【0319】
3-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピリジンを使用して、標題化合物を中間体実施例50に記載されているように製造し、生成物(800mg、30%)を得た。MS ES+ m/z 428 [M+H]+。
【0320】
中間体実施例57
4-クロロ-2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0321】
【0322】
標題化合物を中間体実施例51に記載されているように製造して、生成物(300mg、43%)を得た。MS ES+ m/z 298 [M+H]+。
【0323】
実施例58
6-[2-(トリフルオロメチル)-1-ピペリジル]-4-[2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0324】
【0325】
4-クロロ-2-[5-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造して、生成物(7mg、6%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.47~1.63(m,1H),1.69(br s,2H),1.72~1.86(m,2H),2.02(br d,1H),3.06(br t,1H),4.24(br d,1H),5.58(br s,1H),6.36(s,1H),6.61(br s,1H),7.29(d,1H),7.46(s,1H),8.38(d,1H),8.82(s,1H),8.93(d,1H),9.52(d,1H),10.43(br s,1H),12.63(br s,1H)。MS ES+ m/z 508 [M+H]+。
【0326】
中間体実施例59
1-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-3-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0327】
【0328】
2-(トリフルオロメチル)-ピペラジン(2g、13mmol)およびTEA(2.17ml、15.6mmol)をDCM(30ml)中に溶解した。塩化(4-フルオロフェニル)メタンスルホニル(2.71g、13mmol)を、0℃において小分けして添加し、混合物を室温で一夜撹拌した。水(45ml)を添加し、混合物をDCM(2×80ml)で抽出した。合わせた有機層を塩水で2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して固体の生成物(3.5g、83%)を得た。MS ES+ m/z 327 [M+H]+。
【0329】
中間体実施例60
1-(4-ベンジルオキシ-6-tert-ブトキシ-2-ピリジル)-4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0330】
【0331】
脱気された無水1,4-ジオキサン(50ml)中の1-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-3-(トリフルオロメチル)ピペラジン(1.2g、3.68mmol)、4-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシ-6-クロロ-ピリジン(1.34g、4.6mmol)、Cs2CO3(2.4g、7.35mmol)、XantPhos(206mg、0.37mmol)およびPd(OAc)2(83mg、0.37mmol)の混合物をアルゴン下一夜還流した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中0~100%EtOAcを溶離液として精製し、生成物(1.25g、58%)を得た。MS ES+ m/z 582 [M+H]+。
【0332】
中間体実施例61
2-tert-ブトキシ-6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-4-オール
【0333】
【0334】
標題化合物を中間体実施例33に記載されているように製造して、生成物(1.22g、96%)を得た。MS ES+ m/z 492 [M+H]+。
【0335】
中間体実施例62
トリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-ピリジル]
【0336】
【0337】
標題化合物を中間体実施例34に記載されているように製造して、生成物(700mg、45%)を得た。MS ES+ m/z 624 [M+H]+。
【0338】
中間体実施例63
1-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0339】
【0340】
標題化合物を中間体実施例35に記載されているように製造して、生成物(490mg、73%)を得た。MS ES+ m/z 602 [M+H]+。
【0341】
中間体実施例64
4-[2-tert-ブトキシ-6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【0342】
【0343】
1-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジンから出発して、標題化合物を中間体実施例3に記載されているように製造し、生成物(70mg、49%)を得た。MS ES+ m/z 592 [M+H]+。
【0344】
実施例65
6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0345】
【0346】
4-[2-tert-ブトキシ-6-[4-[(4-フルオロフェニル)メチルスルホニル]-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-ピリジル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例4に記載されているように製造して、生成物(15mg、24%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 2.85~3.00(m,1H),3.10~3.28(m,2H),3.58~3.66(m,1H),3.86~3.92(m,1H),4.28~4.35(m,1H),4.47~4.56(m,1H),4.50~4.52(m,1H),5.56(br s,1H),6.33~6.40(m,1H),6.54~6.60(m,1H),6.61~6.66(m,1H),7.16~7.26(m,3H),7.45~7.51(m,2H),7.55~7.61(m,1H),8.27~8.32(m,1H),10.61(br s,1H),11.85(br s,1H)。MS ES+ m/z 536 [M+H]+。
【0347】
中間体実施例66
1-エチルスルホニル-3-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0348】
【0349】
塩化エタンスルホニルを使用して、標題化合物を中間体実施例59に記載されているように製造して、固体の生成物(3g、98%)を得た。MS ES+ m/z 247 [M+H]+。
【0350】
中間体実施例67
1-(4-ベンジルオキシ-6-tert-ブトキシ-2-ピリジル)-4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0351】
【0352】
1-エチルスルホニル-3-(トリフルオロメチル)ピペラジンを使用して、標題化合物を中間体実施例60に記載されているように製造し、固体の生成物(2.53g、67%)を得た。MS ES+ m/z 502 [M+H]+。
【0353】
中間体実施例68
2-tert-ブトキシ-6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-4-オール
【0354】
【0355】
標題化合物を中間体実施例33に記載されているように製造して、生成物(1.94g、85%)を得た。MS ES+ m/z 412 [M+H]+。
【0356】
中間体実施例69
トリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-ピリジル]
【0357】
【0358】
標題化合物を中間体実施例34に記載されているように製造して、生成物(1.56g、62%)を得た。MS ES+ m/z 544 [M+H]+。
【0359】
中間体実施例70
1-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0360】
【0361】
標題化合物を中間体実施例35に記載されているように製造して、生成物(1.2g、86%)を得た。MS ES+ m/z 440 [M+H]+ (ボロン酸)。
【0362】
実施例71
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0363】
【0364】
1-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジンおよび4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、生成物(6mg、7%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.23(t,3H),2.97~3.05(m,1H),3.13(q,2H),3.22~3.30(m,2H),3.66(br d,1H),3.95(br d,1H),4.34(br d,1H),5.62(br s,1H),6.37(s,1H),6.59(dd,1H),6.65(br s,1H),7.24(d,1H),7.58(s,1H),8.30(d,1H),10.58(br s,1H),11.85(br s,1H)。MS ES+ m/z 456 [M+H]+。
【0365】
実施例72
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-1H-ピリジン-2-オン
【0366】
【0367】
1-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジンおよび4-クロロ-2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、生成物(6mg、6%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ ppm 0.84~0.94(m,2H),1.04~1.09(m,2H),1.36(t,3H),2.07~2.13(m,1H),3.03~3.16(m,3H),3.29(br s,1H),3.45(br t,1H),3.80(br d,1H),4.10~4.21(m,2H),5.57(br s,1H),6.28(s,1H),6.40(s,1H),6.55(s,1H),7.17(d,1H),8.14(d,1H)。MS ES+ m/z 496 [M+H]+。
【0368】
実施例73
6-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0369】
【0370】
1-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジンおよび4-クロロ-2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、固体の生成物(10mg、11%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.20~1.29(m,3H),2.43(s,3H),2.97~3.03(m,1H),3.09~3.18(m,2H),3.21~3.30(m,2H),3.58~3.79(m,1H),3.95(br d,1H),4.32(br d,1H),5.55~5.76(m,1H),6.23~6.42(m,2H),6.63(br s,1H),7.17(d,1H),8.17(d,1H),10.54(br s,1H),11.67(s,1H)。MS ES+ m/z 470 [M+H]+。
【0371】
実施例74
4-[2-[4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-6-オキソ-1H-ピリジン-4-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリル
【0372】
【0373】
1-[6-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]-4-エチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジンおよび4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリルを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、固体の生成物(6mg、6%)を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ ppm 1.36(t,3H),3.11(d,3H),3.27~3.32(m,1H),3.42~3.50(m,1H),3.72~3.89(m,1H),4.10~4.17(m,1H),4.17~4.25(m,1H),5.64(br d,1H),6.39(d,1H),6.57(s,1H),7.36~7.42(m,2H),8.51~8.56(m,1H)。MS ES+ m/z 481 [M+H]+。
【0374】
中間体実施例75
4-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン
【0375】
【0376】
4-ベンジルオキシ-2-tert-ブトキシ-6-クロロ-ピリジン(1.46g、5mmol)、[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(950mg、5mmol)、K2CO3(1.73g、12.5mmol)およびPdCl2(dppf)(366mg、0.5mmol)を1,4-ジオキサン(25ml)および水(5ml)中に溶解し、得られた混合物を90℃で2時間撹拌した。室温まで冷却したら、混合物を水およびEtOAcで希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をセライトによりろ過し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中0~80%EtOAcを溶離液として精製し、固体の生成物(1.58g、79%)を得た。MS ES+ m/z 402 [M+H]+。
【0377】
中間体実施例76
2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-4-オール
【0378】
【0379】
標題化合物を中間体実施例33に記載されているように製造して、生成物(948mg、72%)を得た。MS ES+ m/z 312 [M+H]+。
【0380】
中間体実施例77
トリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ピリジル]
【0381】
【0382】
標題化合物を中間体実施例34に記載されているように製造して、生成物(720mg、54%)を得た。MS ES+ m/z 388 [M-tBu]+。
【0383】
中間体実施例78
2-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン
【0384】
【0385】
標題化合物を中間体実施例35に記載されているように製造して、生成物(450mg、76%)を得た。MS ES+ m/z 340 [M+H]+ (ボロン酸)。
【0386】
実施例79
4-(2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン
【0387】
【0388】
2-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジンおよび4-クロロ-2-シクロプロピル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、固体の生成物(10mg、10%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 0.84~0.91(m,2H),0.98~1.05(m,2H),2.04~2.12(m,1H),6.23~6.29(m,1H),6.44~6.65(m,1H),6.69~6.78(m,1H),7.12~7.17(m,1H),7.66~7.70(m,1H),7.71~7.76(m,1H),7.78~7.83(m,1H),7.88~7.92(m,1H),8.13~8.19(m,1H),11.74(br s,1H),11.66~11.79(m,1H)。MS ES+ m/z 396 [M+H]+。
【0389】
実施例80
4-[2-オキソ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-4-イル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリル
【0390】
【0391】
2-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジンおよび4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-カルボニトリルを使用して、標題化合物を実施例36に記載されているように製造し、固体の生成物(5mg、3%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 6.44~6.69(m,1H),6.74~6.82(m,1H),7.38~7.44(m,1H),7.46~7.52(m,1H),7.68~7.76(m,2H),7.76~7.83(m,1H),7.86~7.91(m,1H),8.54~8.59(m,1H),11.34~12.51(m,1H),12.64~13.76(m,1H)。MS ES+ m/z 381 [M+H]+。
【0392】
中間体実施例81
4-[2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ピリジル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【0393】
【0394】
1,4-ジオキサン(3ml)および水(0.75ml)中の4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(61mg、0.4mmol)、2-tert-ブトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン(211mg、0.5mmol)、K2CO3(111mg、0.8mmol)およびPdCl2(Amphos)(15mg、0.02mmol)inの混合物を90℃で2.5時間撹拌した。室温まで冷却したら、塩水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにヘプタン中0~50%EtOAcを溶離液として精製し、固体の生成物(52mg、32%)を得た。MS ES+ m/z 413 [M+H]+。
【0395】
実施例82
4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピリジン-2-オン
【0396】
【0397】
TFA(0.66ml、8.83mmol)をDCM(6ml)中の4-[2-tert-ブトキシ-6-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ピリジル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(52.0mg、0.13mmol)の溶液に0℃で添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、トルエンで追い出し、分取HPLCより精製して固体の生成物(28mg、62%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 6.67(br s,1H),6.87(br s,1H),7.43(d,1H),7.69~7.77(m,2H),7.79~7.83(m,1H),7.90(d,1H),8.27(s,1H),8.62(d,1H),11.61~12.46(m,1H),13.95(br s,1H)。MS ES+ m/z 357 [M+H]+。
【0398】
中間体実施例83
1-メチルスルホニル-3-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0399】
【0400】
塩化メタンスルホニルを使用して、標題化合物を中間体実施例59に記載されているように製造して、固体の生成物(2.2g、97%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 2.66~2.74(m,1H),2.76~2.85(m,2H),2.93(s,3H),2.96~3.02(m,2H),3.28~3.34(m,2H),3.45~3.52(m,2H)。
【0401】
中間体実施例84
1-(4-ベンジルオキシ-6-tert-ブトキシ-2-ピリジル)-4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン
【0402】
【0403】
1-メチルスルホニル-3-(トリフルオロメチル)ピペラジンを使用して、標題化合物を中間体実施例60に記載されているように製造し、固体の生成物(900mg、33%)を得た。MS ES+ m/z 488 [M+H]+。
【0404】
中間体実施例85
2-tert-ブトキシ-6-[4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-4-オール
【0405】
【0406】
共溶媒としてDMFを用いて、標題化合物を中間体実施例33に記載されているように製造して、生成物(750mg、92%)を得た。MS ES+ m/z 398 [M+H]+。
【0407】
中間体実施例86
トリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-ピリジル]
【0408】
【0409】
1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミドをトリフルオロメタンスルホン酸トリフルオロメチルスルホニルに置き換えて、標題化合物を中間体実施例34に記載されているように製造して、固体の生成物(680mg、69%)を得た。MS ES+ m/z 530 [M+H]+。
【0410】
中間体実施例87
4-[2-tert-ブトキシ-6-[4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-ピリジル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【0411】
【0412】
1,4-ジオキサン(4ml)中のトリフルオロメタンスルホン酸[2-tert-ブトキシ-6-[4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-ピリジル](265mg、0.5mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(152mg、0.6mmol)、KOAc(98mg、1mmol)およびPdCl2(dppf)(37mg、0.05mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下加熱し、95℃で一夜撹拌した。室温まで冷却したら、4-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(99mg、0.5mmol)、K2CO3(138mg、1mmol)、PdCl2(dppf)(18mg、0.03mmol)および水(1ml)を添加し、得られた混合物を加熱し、95℃で3時間撹拌した。室温まで冷却したら、水および塩水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラムにDCM中0~6%MeOHを溶離液として精製し、固体の生成物(210mg、84%)を得た。MS ES+ m/z 499 [M+H]+。
【0413】
実施例88
6-[4-メチルスルホニル-2-(トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル]-4-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピリジン-2-オン
【0414】
【0415】
標題化合物を中間体実施例82に記載されているように製造して、固体の生成物(65mg、37%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 2.90~2.96(m,4H),3.15~3.24(m,1H),3.31~3.45(m,2H),3.62(br d,1H),3.89(br d,1H),4.44(br d,1H),5.70(br s,1H),6.44(d,1H),6.76(s,1H),7.43(d,1H),8.29(s,1H),8.62(d,1H),10.56~11.30(m,1H)。MS ES+ m/z 443 [M+H]+。
【0416】
実施例89
Vps34生化学アッセイ
【0417】
本発明の化合物の希釈系列を最終アッセイ濃度の100倍でDMSO中に調製した(n1=n0/3、10点)。化合物をアッセイ緩衝液(Life technologies 緩衝液Q、PV5125、2mM DTTおよび2mM MnCl2を添加し5倍希釈)のアッセイ濃度の4倍までさらに希釈した。希釈された化合物2.5μlを384ウェルアッセイプレートに添加し、次いで、16.5nM Vps34酵素(Life technologies、PV5126)2.5μlを添加した。酵素および化合物を室温で15分間プレインキュベートした。それから、アッセイ緩衝液中20μM ATP(Life technologies、PV3227)および200μM PI:PS基質(Life technologies、PV5122)を含有する基質ミックス5μlを、化合物および酵素を含むウェルに添加した。数回のピペット操作によって混合を行った。反応物を室温で1時間インキュベートした。それから、TR-FRET緩衝液中、Adapta Eu抗ADP抗体(2.3nM)、Alexa Fluor 647 ADPトレーサー(9nM)およびEDTA(30mM)を含有する、Adaptaキナーゼアッセイキット使用説明書(Life technologies、PV5099)に記載されている通りに調製された停止検出ミックス5μlを添加して反応をクエンチした。数回のピペット操作によって混合を行った。それから、アッセイを室温で30分間インキュベートし、Artemisマイクロプレートリーダーで読んだ。DMSO処理したコントロールサンプルと比較した化合物の阻害パーセントを算出した。Dotmaticsソフトウェアを使用することによって、阻害パーセントに対する化合物濃度をフィットしてIC50値を得た。
【0418】
実施例の化合物はVps34を効果的に阻害し、アッセイの結果を表1に示す(IC50メジアン nM Adapta)。
【0419】
【0420】
実施例90
高含有量スクリーニングオートファジーアッセイ
LC3(GFP-LC3)タグされた緑色蛍光タンパク質(GFP)を安定に発現するヒト骨肉腫細胞(HOS)を使用して、独占所有権のある化合物のオートファジーに対する阻害効果を決定した。この目的のため、5nMバフィロマイシンA1(Sigma-Aldrich)の存在下、500nM mTOR阻害剤KU-0063794の使用によって、オートファジーを活性化した。直ちに、DMEM-高改変培地(Hi-Clone カタログ#SH30285.01)中透明底96ウェルプレート中に細胞を一夜入れた。実験の開始時、培地を取り出し、mTOR阻害剤、バフィロマイシンA1および媒体または指定の試験化合物を含有する新しい培地と入れ換えた。6時間後、培地を取り出し、細胞を氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、室温で20分間、4%パラホルムアルデヒドで固定した。それから、細胞を氷冷PBSで2回洗浄した後、核染色を行うためにPBS中1μg/mlのHoechst33342を添加した。4℃で一夜インキュベートした後、細胞をPBSで1回洗浄して、過剰の染料を取り除き、PBS100μlを各ウェルに添加した。ImageXpress自動顕微鏡(Molecular Devices Inc.)を使用して、ウェル当たり6画像、20倍の拡大倍率で画像を撮影して、MetaXpressソフトウェアを用いて解析してLC3-GFP病巣を特定した。細胞値当たりの病巣面積を使用して用量反応曲線を作成し、GraphPad Prismソフトウェアの非線形フィッティング解析を使用して、IC50値を算出した。
【0421】
被験実施例化合物は、HOS細胞内のオートファジーを効果的に阻害した。アッセイの結果を表2に示す(IC50メジアン nM HOS-LC3)。
【0422】