(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】テザー付きルータの方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G08C 17/00 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
(21)【出願番号】P 2021159132
(22)【出願日】2021-09-29
(62)【分割の表示】P 2018511534の分割
【原出願日】2016-05-08
【審査請求日】2021-09-29
(32)【優先日】2015-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517396504
【氏名又は名称】エレクトリカル グリッド モニタリング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エイアル ミロン
(72)【発明者】
【氏名】ニムロッド サンドラーマン
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0119068(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0312859(US,A1)
【文献】国際公開第2013/148776(WO,A1)
【文献】特開平10-248130(JP,A)
【文献】特開2000-188773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 17/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の電気ケーブル上に搭載されており、かつ、メッシュネットワーク内で通信するように動作する通信デバイスであって、前記デバイスは、
前記電気ケーブルを囲繞する磁場から電力を抽出するように動作する電源モジュールと、
前記電気ケーブル上の前記デバイスを操作するための推進モジュールと、
前記メッシュネットワーク内の通信のために動作する送受信機と、
前記推進モジュールと前記送受信機と前記電源モジュールとに通信可能に結合されている制御モジュールと
を備え、
前記制御モジュールは、前記推進モジュールを使用して、1つ以上の通信パラメータを最適化することによって、変化する需要を受けるように前記メッシュネットワークのトポロジを最適化するように前記電気ケーブル上の前記デバイスを移動させるように動作し、前記通信パラメータは、帯域幅、待ち時間、ジッタ、信号対雑音比、周波数のうちの少なくとも1つであり、
前記通信デバイスは、移動することの間に単一の電気ケーブルから電力を導出し、前記移動することは、メッシュネットワークサービスを中断せず、メッシュネットワークサービスに悪影響を及ぼさない、通信デバイス。
【請求項2】
前記通信パラメータは、帯域幅を増加させること、信号対雑音比(SNR)を増加させること、待ち時間を減少させること、ジッタを減少させることのうちの少なくとも1つによって改善される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、送電系統および配電系統のうちの少なくとも一方の単一の電気ケーブルの周囲に搭載されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記メッシュネットワークは、無線メッシュネットワーク、PLCメッシュネットワークのうちの少なくとも一方である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
電力系統の電気ケーブル上に搭載されており、かつ、メッシュネットワーク内で通信するように動作する通信デバイスによって実装される方法であって、前記方法は、
前記電気ケーブルを囲繞する磁場から電力を抽出するように動作する電源モジュールを提供するステップと、
前記電気ケーブル上の前記デバイスを操作するための推進モジュールを提供するステップと、
前記メッシュネットワーク内の通信のために動作する送受信機を提供するステップと、
前記推進モジュールと前記送受信機と前記電源モジュールとに通信可能に結合されている制御モジュールを提供するステップと、
1つ以上の通信パラメータを最適化することによって、変化する需要を受けるように前記メッシュネットワークのトポロジを最適化するように前記電気ケーブル上の前記通信デバイスを移動させるステップと
を含み、
前記通信パラメータは、帯域幅、待ち時間、ジッタ、信号対雑音比、周波数のうちの少なくとも1つであり、
前記通信デバイスは、移動することの間に単一の電気ケーブルから電力を導出し、前記移動することは、メッシュネットワークサービスを中断せず、メッシュネットワークサービスに悪影響を及ぼさない、方法。
【請求項6】
前記通信パラメータは、帯域幅を増加させること、信号対雑音比を増加させること、待ち時間を減少させること、ジッタを減少させることのうちの少なくとも1つによって改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記デバイスは、送電系統および配電系統のうちの少なくとも一方の単一の電気ケーブルの周囲に搭載されている、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記メッシュネットワークは、無線メッシュネットワーク、PLCメッシュネットワークのうちの少なくとも一方である、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2015年5月13日に出願された米国仮特許出願第62/160,612号、および2015年11月29日に出願された米国特許出願第14/953,349号の利益を主張する。上記文献らの開示内容は、それらの全体として参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(分野)
本明細書に開示される方法および装置は、通信の分野に関し、より具体的には、排他的ではないが、無線通信、電力系統の分野に関し、さらにより具体的には、排他的ではないが、送電および配電ネットワークに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
非規制RFスペクトルの使用は、非常に一般的であり、したがって、都市部に、ならびに道路および高速道路に沿った、無線ローカルエリアネットワーク(Wi-Fi等)の持続的カバレッジを有する必要性が、広く認識されている。同じく、同様に都市部に、ならびに道路および高速道路に沿った、持続的遠隔感知の必要性も増加している。両必要性は、電力およびバックホールインフラストラクチャへのコネクティビティを要求し、これは、必要とされる場所で容易に利用可能ではない場合がある。したがって、前述の制限のない無線ネットワーキングおよび遠隔感知ソリューションを有することは、非常に利益となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
一実施形態によると、電気ケーブルを囲繞する磁場から電力を抽出するように動作する電源モジュールと、バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機と、無線ローカルエリアネットワークのための送受信機と遠隔感知ユニットとのうちの少なくとも1つと、送受信機および遠隔感知ユニットのうちの少なくとも1つに通信可能に結合されるコントローラモジュールとを含む、方法および/またはデバイスが提供され、デバイスは、送電系統および配電系統のうちの少なくとも1つの単一電気ケーブルの周囲に搭載され、デバイスは、電力を単一電気ケーブルから導出する。
【0005】
別の実施形態によると、バックホールネットワークは、無線メッシュネットワーク、セルラー通信ネットワーク、およびPLCネットワークのうちの少なくとも1つである、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0006】
さらに別の実施形態によると、バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機および無線ローカルエリアネットワークのための送受信機のうちの少なくとも1つは、実施形態による別のデバイスと通信するように動作する、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0007】
なおも別の実施形態によると、バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機は、無線ローカルエリアネットワークのための送受信機と通信可能に結合され、したがって、通信デバイスおよび/または通信端末および/またはノードが、該無線ローカルエリアネットワークおよび該バックホールネットワークを介して、別の通信デバイスおよび/または通信端末および/またはノードと通信することを可能にする、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0008】
さらに別の実施形態によると、遠隔感知ユニットは、カメラ、マイクロホン、ガスおよび/または汚染センサ、光センサ、ならびに温度センサのうちの少なくとも1つを含む、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0009】
なおもさらに別の実施形態によると、遠隔感知ユニットは、遠隔感知測定を提供するように構成され、バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機および無線ローカルエリアネットワークのための送受信機のうちの少なくとも1つは、遠隔感知測定を通信するように動作する、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0010】
なおもさらに別の実施形態によると、遠隔感知ユニットは、遠隔感知測定を提供するように構成され、バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機および無線ローカルエリアネットワークのための送受信機のうちの少なくとも1つは、実施形態による別のデバイスに遠隔感知測定を通信するように動作する、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0011】
なおも別の実施形態によると、加えて、電気ケーブルに沿ってデバイスを操作するための推進モジュールを含む、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0012】
さらに別の実施形態によると、コントローラモジュールは、推進モジュールを使用して、デバイスを移動させ、通信パラメータおよび遠隔感知パラメータのうちの少なくとも1つを改良するように動作する、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0013】
なおもさらに別の実施形態によると、通信パラメータは、無線メッシュネットワークおよび無線ローカルエリアネットワークのうちの少なくとも1つと関連付けられる、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0014】
なおもさらに別の実施形態によると、通信パラメータは、帯域幅、待ち時間、ジッタ、および信号対雑音比(SNR)のうちの少なくとも1つと関連付けられる、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0015】
またさらに別の実施形態によると、遠隔感知パラメータは、標的までの近接度、および視野のうちの少なくとも1つと関連付けられる、方法および/またはデバイスが、提供される。
【0016】
別様に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同一意味を有する。本明細書に提供される材料、方法、および実施例は、例証にすぎず、限定として意図されるものではない。プロセス自体に必要または固有である範囲を除き、図を含む、本開示に説明される方法およびプロセスのステップもしくは段階の特定の順序は、意図または含意されない。多くの場合、プロセスステップの順序は、説明される方法の目的または効果を変化させずに変動し得る。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
デバイスであって、
電気ケーブルを囲繞する磁場から電力を抽出するように動作する電源モジュールと、
バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機と、
無線ローカルエリアネットワークのための送受信機と、遠隔感知ユニットとのうちの少なくとも1つと、
前記送受信機、前記電源モジュール、および前記遠隔感知ユニットのうちの少なくとも1つに通信可能に結合されたコントローラモジュールと
を備え、
前記デバイスは、送電系統および配電系統のうちの少なくとも1つの単一電気ケーブルの周囲に搭載され、
前記デバイスは、電力を前記単一電気ケーブルから導出する、デバイス。
(項目2)
前記バックホールネットワークは、
無線メッシュネットワークと、
セルラー通信ネットワークと、
PLCネットワークと
のうちの少なくとも1つである、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機と、前記無線ローカルエリアネットワークのための送受信機とのうちの少なくとも1つは、項目1に記載の別のデバイスと通信するように動作する、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
前記バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機は、前記無線ローカルエリアネットワークのための送受信機と通信可能に結合され、通信デバイスが前記無線ローカルエリアネットワークおよび前記バックホールネットワークを介して通信することを可能にする、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記遠隔感知ユニットは、カメラ、マイクロホン、ガスセンサ、汚染センサ、光センサ、および温度センサのうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記遠隔感知ユニットは、遠隔感知測定を提供するように構成され、前記バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機と、前記無線ローカルエリアネットワークのための送受信機とのうちの少なくとも1つは、前記遠隔感知測定を通信するように動作する、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
前記遠隔感知ユニットは、遠隔感知測定を提供するように構成され、前記バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機と、前記無線ローカルエリアネットワークのための送受信機とのうちの少なくとも1つは、前記遠隔感知測定を項目1に記載の別のデバイスに通信するように動作する、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
加えて、前記デバイスを前記電気ケーブルに沿って操作するための推進モジュールを備える、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記コントローラモジュールは、前記推進モジュールを使用して、前記デバイスを移動させ、
通信パラメータと、
遠隔感知パラメータと
のうちの少なくとも1つを改良するように動作する、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
前記通信パラメータは、前記無線メッシュネットワークおよび前記無線ローカルエリアネットワークのうちの少なくとも1つと関連付けられる、項目9に記載のデバイス。
(項目11)
前記通信パラメータは、帯域幅、待ち時間、ジッタ、および信号対雑音比(SNR)のうちの少なくとも1つと関連付けられる、項目9に記載のデバイス。
(項目12)
前記遠隔感知パラメータは、標的までの近接度、および視野のうちの少なくとも1つと関連付けられる、項目9に記載のデバイス。
(項目13)
方法であって、
電気ケーブルを囲繞する磁場から電力を抽出するように動作する電源モジュールを提供するステップと、
バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機を提供するステップと、
無線ローカルエリアネットワークのための送受信機と、遠隔感知ユニットとのうちの少なくとも1つのステップと、
前記送受信機および前記遠隔感知ユニットのうちの少なくとも1つに通信可能に結合されたコントローラモジュールを提供するステップと
を含み、
前記デバイスは、送電系統および配電系統のうちの少なくとも1つの単一電気ケーブルの周囲に搭載され、
前記デバイスは、電力を前記単一電気ケーブルから導出する、方法。
(項目14)
加えて、
無線メッシュネットワークと、
セルラー通信ネットワークと、
PLCネットワークと、
のうちの少なくとも1つ内において通信するように動作する前記バックホールネットワーク送受信機を提供するステップを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
加えて、前記バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機と、前記無線ローカルエリアネットワークのための送受信機とのうちの少なくとも1つを使用して、項目1に記載の別のデバイスと通信するステップを含む、項目13に記載の方法。
(項目16)
加えて、
前記バックホールネットワーク内で通信するように動作する送受信機を、前記無線ローカルエリアネットワークのための送受信機と通信可能に結合するステップと、
通信デバイスが前記無線ローカルエリアネットワークおよび前記バックホールネットワークを介して通信することを可能にするステップと
を含む、項目13に記載の方法。
(項目17)
前記遠隔感知ユニットは、カメラ、マイクロホン、ガスセンサ、汚染センサ、光センサ、および温度センサのうちの少なくとも1つを備える、項目13に記載の方法。
(項目18)
加えて、
遠隔感知測定を提供するように前記遠隔感知ユニットを構成することと、
前記バックホールネットワークおよび前記無線ローカルエリアネットワークのうちの少なくとも1つ内で前記遠隔感知測定を通信することと
を含む、項目13に記載の方法。
(項目19)
加えて、
遠隔感知測定を提供するように前記遠隔感知ユニットを構成することと、
前記バックホールネットワーク内で動作する送受信機と、前記無線ローカルエリアネットワークのための送受信機とのうちの少なくとも1つを使用して、項目1に記載の別のデバイスに前記遠隔感知測定を通信することと
を含む、項目13に記載の方法。
(項目20)
加えて、前記デバイスを前記電気ケーブルに沿って操作するための推進モジュールを提供することを含む、項目13に記載の方法。
(項目21)
加えて、前記デバイスを前記電気ケーブルに沿って操作するための前記推進モジュールを使用して、
通信パラメータと、
遠隔感知パラメータと
のうちの少なくとも1つを改良することを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記通信パラメータは、前記無線メッシュネットワークおよび前記無線ローカルエリアネットワークのうちの少なくとも1つと関連付けられる、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記通信パラメータは、帯域幅、待ち時間、ジッタ、および信号対雑音比(SNR)のうちの少なくとも1つと関連付けられる、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記遠隔感知パラメータは、標的までの近接度、および視野のうちの少なくとも1つと関連付けられる、項目21に記載の方法。
【0017】
種々の実施形態が、実施例のみとして、添付の図面を参照して本明細書に説明される。ここで、図面を具体的に詳細に参照するが、示される詳細が、実施例にすぎず、実施形態の例証的議論の目的のためだけのものであり、原理の説明および実施形態の概念的側面を最も有用かつ容易に理解されるはずであると考えられるものを提供するために提示されることを強調されたい。本点から、実施形態の構造的詳細を本主題の基本的理解のために必要なものより詳細に示すように試みられておらず、説明は、図面とともに検討されることによって、いくつかの形態および構造が実践において具現化され得る方法が当業者に明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、電気ケーブル上に搭載された無線デバイスの簡略化された例証である。
【
図2】
図2は、配電ネットワーク上に搭載された複数の無線デバイス10の簡略化された例証である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
本実施形態は、電気ケーブル上に容易に搭載可能な無線デバイスを提供する、方法およびシステムを備える。いくつかの実施形態による、無線通信および/または遠隔感知の有効カバレッジを提供するためのデバイスおよび方法の原理ならびに動作は、以下の図面および付随の説明を参照してより深く理解され得る。
【0020】
少なくとも一実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、その用途において、以下の説明に記載または図面に図示されるコンポーネントの構造および配列の詳細に限定されないことを理解されたい。他の実施形態も、種々の方法において実践または実施されてもよい。また、本明細書に採用される語句および専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定として見なされるべきではないことを理解されたい。
【0021】
本書では、図面の範囲内で説明されず、前の図面に説明された数字を伴って標識される、図面の要素は、前の図面におけるものと同一の使用および説明を有する。同様に、テキストによって説明された図面に現れない数字によってテキスト内で識別される要素も、それが説明された前の図面におけるものと同一の使用および説明を有する。
【0022】
本書における図面は、任意の尺度で描かれていない場合がある。異なる図は、異なる尺度を使用してもよく、異なる尺度、例えば、同一物体の異なる図のための異なる尺度または2つに隣接する物体のための異なる尺度が、同一図面内でさえ使用されることができる。
【0023】
実施形態の目的は、任意の電圧定格の電気ケーブル上に容易に搭載可能である、無線デバイスを提供することである。無線デバイスは、無線バックホールを提供し、ローカル無線ネットワーキングおよび/または遠隔感知等のローカルサービスを提供することができる。
【0024】
ここで、一実施形態による、電気ケーブル11上に搭載される無線デバイス10の簡略化された例証である、
図1を参照する。
【0025】
図1に示されるように、無線デバイス10は、それを通して電気ケーブル11が通過する、ボックスまたは本体12を含んでもよい。ボックス12は、したがって、ケーブル11の周囲で開放され、次いで、閉鎖され得る、2つの部品から構築されてもよい。代替として、ボックス12は、それを囲繞せず、ケーブル11に取り付けられ、またはケーブル11の下方に吊設される単一ブロックから構築されてもよい。
【0026】
電気ケーブル11は、電気を公共、産業工場等に提供するための電気事業者によって維持されるような送電系統または配電ネットワークの一部であってもよい。無線デバイス10は、したがって、活線ケーブル11上に搭載されてもよい。すなわち、ケーブル11が、完全に給電され、および/または、電圧および/または電流を搬送するときである。
【0027】
図1に示されるように、無線デバイス10は、少なくとも1つのコイルが巻着され、巻線14を形成する、磁気コア13を含んでもよい。磁気コア13は、電気ケーブル11の周囲に搭載されてもよい。磁気コア13は、ボックス12の2つの部品のそれぞれ内に1つずつの2つの部品から構築されてもよく、磁気コア13の2つの部品は、ボックス12が電気ケーブル11の周囲で閉鎖されると、電気ケーブル11の周囲で閉鎖される。
図1は、ボックス12の一方の部品が除去されているが、磁気コア13が電気ケーブル11の周囲で閉鎖されている、開放されている無線デバイス10を示す。
【0028】
代替として、および/または加えて、ならびに/もしくは随意に、磁気コア13は、ボックス12の外側に延在し、外側から電気ケーブル11の周囲に取り付けられ、および/または搭載されてもよい。
【0029】
磁気コア13は、典型的には、電気ケーブル11内で流動する電流から磁場を導出する。巻線14は、典型的には、電流を磁気コア13内の磁束から導出する。巻線14は、
図1に示されるように、典型的には、電圧を無線デバイス10の他のモジュールに提供する、電源モジュール15に電気的に結合されてもよい。
【0030】
無線デバイス10は、電力を単一電気ケーブル11から、より具体的には、単一電気ケーブル11内において流動する電流によって生成される電磁場から導出し得ることを理解されたい。したがって、無線デバイス10は、本単一電気ケーブル11に接続され、単一電気相のみを搬送し、中立線または接地に接続されない。
【0031】
図1に示されるように、無線デバイス10はまた、コントローラモジュール16と、バックホール通信モジュール17と、随意に、ローカルエリア通信モジュール18と、随意に、遠隔感知モジュール19と、随意に、推進制御モジュール20とを含んでもよい。
【0032】
コントローラモジュール16は、ソフトウェアプログラムおよび関連付けられたデータを記憶および/または実行し、外部デバイスと通信するために使用され得るように、プロセッサユニットと、1つ以上のメモリユニット(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等)と、1つ以上の記憶ユニット(例えば、ハードディスクドライブおよび/または可撤性記憶ドライブ等を含む)とを含んでもよい。
【0033】
バックホール通信モジュール17およびローカルエリア通信モジュール18は、それぞれおよび/または両方とも、1つ以上のアンテナ21に結合されてもよい。遠隔感知モジュール19は、温度センサ、ガスおよび/または汚染センサ、光センサ等の種々のセンサ(図示せず)、1つ以上のカメラ22、1つ以上のマイクロホン23等に結合され、それらを制御してもよい。
【0034】
無線デバイス10は、バックホール通信モジュール17を使用して、例えば、無線メッシュネットワーク、セルラー通信ネットワーク、および/または電力線搬送(PLCもしくは電力線通信)ネットワークであり得る、バックホールネットワーク内で通信してもよいことを理解されたい。バックホール通信ネットワークは、無線デバイス10が、それら間で、および/または、遠隔サーバと、および/または、中継器または集信装置等の仲介ユニットを介して遠隔サーバと通信することを可能にし得る。
【0035】
カメラが、3次元回転を提供する軸系上に搭載されることができることを理解されたい。代替として、複数の固定されたカメラまたはアレイの固定されたカメラが、必要に応じて、広視野を網羅するために搭載されることができる。
【0036】
推進制御モジュール20が、1つ以上のホイール25に結合され得る、電気モータ24等の1つ以上の作動デバイスに結合されてもよい。ホイール25は、ケーブル11上に搭載され、推進制御モジュール20が、電気モータ24を制御することによって、無線デバイス10をケーブル11に沿って移動させることを可能にしてもよい。
【0037】
除塵デバイス10の推進システム(限定ではないが、推進制御モジュール20、1つ以上の電気モータ24、1つ以上のホイール25等を含む)は、除塵デバイス10をケーブル11に沿って移動させ、および/または除塵デバイス10をケーブル11の周囲で回転させるように動作してもよいことを理解されたい。
【0038】
電気モータ24は、本明細書では、限定ではないが、ACモータ、DCモータ、ステッパモータ、空気圧ポンプおよび/またはモータ、油圧ポンプおよび/またはモータ、もしくは任意の他のタイプのアクチュエータを含む、除塵デバイス10をケーブル11に沿って、および/またはその周囲で操作するために適正な任意のタイプの技術を表すことを理解されたい。
【0039】
ここで、一実施形態による、配電ネットワーク26上に搭載される複数の無線デバイス10およびバックホールユニット27の簡略化された例証である、
図2を参照する。
【0040】
選択肢として、
図2の例証は、前の図の詳細に照らして見られ得る。しかしながら、当然ながら、
図2の例証は、任意の所望の環境に照らして見られ得る。さらに、前述の定義は、以下の説明にも等しく適用され得る。
【0041】
図2に示される配電ネットワークは、高電圧伝送系統ネットワークを含む、電力系統の任意の部分を表し得ることを理解されたい。
【0042】
図2に示されるように、無線デバイス10はそれぞれ、単一電気ケーブル11上に搭載される。無線デバイス10は、任意の相搬送電気ケーブル11上に搭載されることができることを理解されたい。無線デバイス10は、典型的には、そのモータ24を制御することによって、電気ケーブル11に沿って移動されることができることを理解されたい。
【0043】
図2に示されるように、無線デバイス10は、メッシュネットワークとしてそれら間で通信し、無線デバイス10のうちの少なくとも1つは、バックホールユニット27と通信する。
【0044】
無線デバイス10は、任意のタイプの無線通信技術を使用して、メッシュネットワーク28内で通信してもよい。そのような無線通信技術は、Wi-Fi、Zigbee(登録商標)、WiMAX等であってもよい。例えば、無線デバイス10は、免許不要スペクトル等の非規制スペクトル、または非規制帯、もしくは産業、科学、および医療(ISM)帯等を使用してもよい。代替として、または加えて、無線デバイス10は、電力線搬送(PLC)技術を使用して、メッシュネットワーク28内において通信してもよい。
【0045】
無線デバイス10は、単相搬送電気ケーブル11に結合され、電気回路を閉鎖するために中立または接地線に接続されないことを理解されたい。また、無線デバイス10は、ケーブル11によって発生される磁場を介して、直接電気接点(乾接点)を通さず、相搬送電気ケーブル11に結合され、これは、無線デバイス10の設置を迅速かつ単純にし、さらに、ケーブル11から切断せずに、無線デバイス10をケーブル11に沿って移動させることを可能にすることに留意されたい。したがって、ケーブル11は、無線デバイス10がケーブル11に沿って移動するにつれて、連続電力を無線デバイス10に提供する。
【0046】
バックホールユニット27が、有線広域ネットワーク(WAN)または都市規模ネットワーク(MAN)、もしくは無線WAN(例えば、セルラーネットワーク等)、もしくは無線MAN(例えば、WiMAX等)等の長距離ネットワーク29に接続されてもよい。
【0047】
数字30によって指定される無線デバイス10等の無線デバイス10は、遠隔サーバ31等の別のネットワークデバイスと通信してもよいことを理解されたい。例えば、無線デバイス30は、メッシュネットワーク28を使用して、近傍無線デバイス10と通信し、メッシュネットワーク28内の中継局として動作する任意の数のそのような無線デバイス10を介して、複数のバックホールユニット27の任意の1つと通信してもよい。無線デバイス30は、次いで、バックホールユニット27を介して、かつ長距離ネットワーク28を介して、遠隔サーバ31と通信してもよい。遠隔サーバ31は、任意のタイプの通信機器および/または端末の非限定的実施例であることを理解されたい。
【0048】
無線デバイス10は、その個別の自己推進能力(例えば、推進制御モジュール20、電気モータ24、ホイール25等)を使用して自らを操作し、配電ネットワーク26にわたる無線デバイス10の分布を修正し、したがって、メッシュネットワーク28のトポロジを最適化してもよいことを理解されたい。メッシュネットワーク28の最適化は、帯域幅、待ち時間、ジッタ、信号対雑音比(SNR)、周波数(帯)再利用等の1つ以上の通信パラメータを最適化することによって特徴付けられ得る。メッシュネットワーク28の最適化は、変化する需要を受け得、したがって、無線デバイス10は、持続的にもしくは繰り返し、および/またはリアルタイムで、ケーブル11に沿ってその個別の場所を変化させてもよい。
【0049】
用語「通信機器」および「通信端末」は、サーバ、通信ノード、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、無線電話(携帯電話、移動電話、スマートフォン等)、装着式通信デバイス、無線デバイス10等を含む、任意のタイプの通信ネットワークに接続可能な任意のタイプの計算ユニットを指す。
【0050】
無線デバイス10は、そのローカルエリア通信モジュール18を使用して、無線ローカルエリア通信ネットワーク(WLAN)32を提供し、端末33等の任意のタイプの通信端末と通信し、またはそれにネットワークコネクティビティを提供してもよい。
【0051】
端末33は、限定ではないが、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、無線電話(携帯電話、移動電話、スマートフォン等)、装着式通信デバイス、無線デバイス10等を含む、任意のタイプの計算デバイス、および/または通信機器であってもよいことを理解されたい。
【0052】
端末33は、WLAN(WLAN)32、無線デバイス10、メッシュネットワーク28、バックホールユニット27、長距離ネットワーク29、およびサーバ31のうちの任意の1つ以上、またはそれらの組み合わせを介して、任意の他の無線デバイス10および/または端末33を含む、任意の他の通信機器および/または通信端末と通信してもよいことを理解されたい。
【0053】
無線デバイス10は、その個別の自己推進能力を使用して自らを操作し、特定のローカルエリア内の端末33の要件に従って、配電ネットワーク26にわたる無線デバイス10の分布を修正してもよいことを理解されたい。そのような変化する要件は、特定のローカルエリア内の端末33の数、または帯域幅等のその累積通信要件から生じ得る。
【0054】
WLAN(WLAN)32の分布またはトポロジの最適化は、帯域幅、待ち時間、ジッタ、信号対雑音比(SNR)、周波数(帯)再利用等の1つ以上の通信パラメータを最適化することによって特徴付けられ得る。WLAN(WLAN)32トポロジの最適化は、変化する需要を受け得、したがって、無線デバイス10は、持続的にもしくは繰り返し、および/またはリアルタイムで、ケーブル11に沿ってその個別の場所を変化させてもよい。
【0055】
無線デバイス10は、その遠隔感知モジュール19および関連付けられたセンサ(例えば、温度センサ、カメラ、マイクロホン、ガスおよび/または汚染センサ、光センサ等)を使用して、その環境の遠隔感知を提供してもよい。
【0056】
無線デバイス10は、その個別の自己推進能力を使用して自らを操作し、特定のローカルエリア内の遠隔感知要件に従って、配電ネットワーク26にわたる無線デバイス10の分布を修正してもよいことを理解されたい。そのような変化する要件は、特定の角度または距離からの特定の景色を撮影し、または特定の音を記録することの必要性から生じ得る。ケーブル11に沿ってその個別の場所を変化させることによる1つ以上の無線デバイス10の場所の最適化は、変化する遠隔感知要件を受け、したがって、持続的にもしくは繰り返し、および/またはリアルタイムで、実行される。
【0057】
無線デバイス10は、ケーブル11に沿って手動で(例えば、デバイス10を手動で押動または引動させることによって)、および/またはその自己推進能力(例えば、電気モータ24を用いて)を使用して、移動されてもよいことを理解されたい。ケーブル11に沿って無線デバイス10を移動させることの決定は、無線デバイス10のコントローラモジュール16によって、および/またはバックホールユニット27のプロセッサによって、および/または遠隔サーバ31等の中央サーバによって、および/または無線デバイス10の分布、ならびに/もしくはWLAN(WLAN)32、ならびに/もしくは任意のタイプの遠隔感知サービスを制御するオペレータのようなユーザによって、行われてもよいことを理解されたい。
【0058】
無線デバイス10は、WLAN(WLAN)32等を提供するサービス、および/または任意のタイプの遠隔感知サービスを中断もしくは悪影響を及ぼさずに、ケーブル11に沿って移動され得ることを理解されたい。無線デバイス10は、運動中、主要供給源を主源とし、したがって、無線通信および遠隔感知等の連続サービスを提供することに留意されたい。無線デバイス10は、バッテリまたはポータブル発電機等のポータブル電源に依拠せずに、無線通信および遠隔感知等の連続サービス、ならびにメッシュネットワークトポロジの再構成を提供することに留意されたい。
【0059】
明確にするために、別個の実施形態に照らして説明される、ある特徴はまた、単一実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを理解されたい。逆に言えば、簡潔にするために、単一実施形態に照らして説明される、種々の特徴はまた、別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて提供されてもよい。
【0060】
説明は、その具体的実施形態と併せて上記で提供されたが、多くの代替、修正、および変形例が、当業者に明白となることが明白である。故に、添付の請求項の精神および広範囲内にある、全てのそのような代替、修正、ならびに変形例を包含することが意図される。本明細書に記載の全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個々に、参照することによって本明細書に組み込まれるように示される場合と同程度に、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。加えて、本願における任意の参考文献の引用または識別は、そのような参考文献が先行技術として利用可能であることの許可として解釈されるものではない。