IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キュレクソ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7199762進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット
<>
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図1a
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図1b
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図2
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図3
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図4a
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図4b
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図5
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図6a
  • 特許-進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット 図6b
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット
(51)【国際特許分類】
   A61H 1/02 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
A61H1/02 R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021544319
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 KR2020001875
(87)【国際公開番号】W WO2020166924
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0015451
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517402229
【氏名又は名称】キュレクソ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUREXO, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヒュン・ジュン
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-521719(JP,A)
【文献】特開2012-213616(JP,A)
【文献】特開2016-158968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座型歩行リハビリテーションロボットであって、
垂直支持台と接続して昇降する昇降部と、前記昇降部と接続する着座部とを備える体重支持部と、
訓練者の歩行訓練のための左右の足を載せ置くことが可能な一対の踏み板と、前記踏み板が接続されている踏み板支持部と、前記踏み板及び前記踏み板支持部の駆動のための踏み板駆動部を備える歩行駆動部とを含み、
前記踏み板駆動部は、前記踏み板支持部の回転運動を行う支持部用回転駆動部と、前記踏み板の回転運動を行う踏み板回転駆動部と、前記踏み板支持部を並進運動させるように、前記踏み板支持部と接続する搬送機構部と、前記搬送機構部に駆動力を印加する搬送駆動部とを含む並進運動駆動部を備え、
前記搬送機構部を吊り下げて支持する駆動部用ハンガー部材をさらに含み、
前記搬送機構部は、並進運動の方向に沿ってぶら下がる形で設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと接続するスライダと、前記スライダと前記踏み板支持部が設けられる搬送ベースとを含み、
前記搬送ベースは、前記スライダが結合する垂直ベース部と、前記垂直ベース部の下部に直交する方向に配置される水平ベース部とを含み、前記踏み板支持部は前記水平ベース部に設けられる前記支持部用回転駆動部に回転可能に結合され、
前記踏み板支持部は一端部が前記搬送機構部に接続され、他端部に前記踏み板が装着される構造で形成され、前記踏み板が左右側の前記駆動部用ハンガー部材の間に形成された進入空間の進入側に向けて配置されるように、前記踏み板支持部は前記搬送機構部との結束部位が前記進入空間の内側に位置するように結合することを特徴とする進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
【請求項2】
記駆動部用ハンガー部材は、前記ガイドレールが結合する側壁体で構成されることを特徴とする請求項1に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
【請求項3】
前記ガイドレールは、前記側壁体の内側面に上下に離間するように、複数個が結合することを特徴とする請求項2に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
【請求項4】
前記搬送駆動部は、
前記搬送ベースに両端部が固定され、前記ガイドレールの配置経路に沿って移動するように設けられる搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの移動のための駆動力を発生して提供する搬送モータと、
前記搬送モータのモータ軸と接続して減速機能を行う搬送部用減速装置と、
前記搬送部用減速装置の出力端に設けられ、前記搬送ベルトの一側が掛かる搬送部用駆動プーリと、
前記搬送部用駆動プーリから離間して配置されて、前記搬送ベルトの他側が掛かる搬送部用従動プーリとを含むことを特徴とする請求項3に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
【請求項5】
前記支持部用回転駆動部は、支持部用回転モータと、前記支持部用回転モータの回転力を減速する支持部用減速装置とを含み、
前記踏み板支持部は前記支持部用減速装置の出力端と接続する支持リンクを備え、前記水平ベース部には、前記支持リンクの接続部が収容されて回転する回動孔が形成されることを特徴とする請求項に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
【請求項6】
前記駆動部用ハンガー部材が設けられるメインベース部材と、
前記駆動部用ハンガー部材の外部に設けられるカバー部材を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項の中のいずれか一項に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットに関し、より具体的には、構造が簡潔且つ単純であり、訓練者の足が載せ置かれる踏み板の高さを最小化することにより、訓練者の進入のための別途の進入手段を備えなくても訓練者が容易に進入して便利に使用でき、踏み板の位置を訓練者の進入側に配置することにより、歩行訓練の効果を増大させることができ、衝突の危険性を減らすことができる進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、歩行リハビリテーションロボットはリハビリテーション治療などに使用する治療用ロボットとして、下半身が麻痺した脊髄損傷、脳卒中、外傷性脳損傷、筋萎縮症、パーキンソン病、多発性硬化症、脳性麻痺、直立感覚の促進訓練などに利用している。
【0003】
歩行リハビリテーションロボットは訓練者の体重の支持のためにオーバーヘッドハーネスタイプの荷重牽引装置を使用した方式が主に使用されているが、オーバーヘッドハーネスは荷重の完全な上方向の牽引が可能で、ハーネスの柔軟性により、牽引対象の重力方向以外の拘束が比較的自由であるという利点がある。
【0004】
しかし、オーバーヘッドハーネスは着用の際に過度に多くの時間がかかり、患者自らが着用することができず、他の一人または二人の医療従事者が助けなければならないので、使用が不便なだけでなく、着用の際に長時間の間の荷重支持に不適切な身体部位に荷重が集中して痛みを誘発して、長時間の間使用することができない欠点がある。特に、オーバーヘッドハーネスタイプの歩行リハビリテーションロボットは、患者をぶら下げる形であって、ハーネスの上部方向に全高が高くなるので、天井の高さが低い建築物には設けることができないという制限がある。
【0005】
このような問題を解決するための方案として、本出願人が保有している大韓民国登録第10-1623686号に開示されたような「着座型歩行リハビリテーションロボット」が提案されている。
【0006】
前記着座型歩行リハビリテーションロボット10は、図1a及び図1bに示すように、体重支持部1と、歩行駆動部2と、訓練者搬送部3で構成されている。
【0007】
体重支持部1は、垂直支持台50の内部に設けられて昇降フレームと接続する昇降部11と、昇降フレームと接続する接続フレーム6と、接続フレーム6に設けられたサドル7などを含む着座部12で構成されている。
【0008】
歩行駆動部2は、訓練者の歩行訓練が可能なように、体重支持部1の後方の両側に所定の長さを有して、並んで設けられる一対の体重支持リンク223と、踏み板233と共に体重支持リンク223と踏み板233が歩行軌跡に沿って駆動する動作を行うための第1軸駆動部21と第2軸駆動部22と第3軸駆動部23をそれぞれ含んで構成されている。
【0009】
より具体的に説明すると、第1軸駆動部21は、第1軸モータ211の駆動が第1軸減速装置212と、第1軸駆動プーリ215と、第1軸直線駆動用ベルト214などを経て、第1軸駆動テーブル213に伝達することにより、体重支持リンク223を踏み板233と一緒に前後方向に直線運動させることを可能にする。
【0010】
第2軸駆動部22は、第2軸モータ221の駆動が第2軸減速装置222を介して体重支持リンク223を経て、体重支持リンク223を踏み板233と一緒に前方が昇降する回転運動をさせる。
【0011】
第3軸駆動部23は、体重支持リンク223内の中間に設けられた第3軸モータ231と、第3軸モータ231と接続して出力端が踏み板233の側面と接続した直交型の第3軸減速機232と踏み板233を含むものであり、第3軸減速機232に踏み板233の側面が接続され、踏み板233が体重支持リンク223との相対的な回転運動をすることが可能なように構成されている。
【0012】
訓練者搬送部3は、歩行駆動部2の後端に設けられる傾斜部31と、歩行駆動部2上に設けられる位置変更部32と、位置変更部32の移動をガイドするガイド部33とで構成されている。
【0013】
そして、歩行駆動部2は、左/右の側面と前面に外観カバー15が取り付けられて歩行駆動部2を覆うカバーの役割を果たし、体重支持部1は、歩行駆動部2の前方に立設され、歩行駆動部2の後方には、訓練者を搬送するための訓練者搬送部3が設けられている。
【0014】
前述した着座型歩行リハビリテーションロボット10は、訓練者が着座部12のサドル7に着座した状態で、踏み板233に足を載せ置くと、歩行駆動部2によって踏み板が歩行軌跡に沿って運動をするため、ハーネスを訓練者に装着する必要がなくなり、前述したハーネスタイプの歩行リハビリテーションロボットのいろいろな問題を解消することができるが、以下のようないくつかの欠点を持つという制限がある。
【0015】
まず、従来の着座型歩行リハビリテーションロボット10は、図1bに示すように、第1軸モータ211の駆動力が第1軸減速装置212と、第1軸駆動プーリ215と第1軸直線駆動用ベルト214などを経て、第1軸駆動テーブル213に伝達されると、第1軸駆動テーブル213が、その下部に配置されているエルエムガイドユニット(LM GUIDE UNIT)のような並進運動案内装置を介して案内されながら前後方向に直線運動をする。この際に、エルエムガイドユニット(図面符号の図示せず)は四角棒などの型鋼材と、板材などで構成された底の支持フレームによって支持されている。
【0016】
前述したように、第1軸駆動部21は、第1軸駆動テーブル213の直線運動のために底側に設けられるエルエムガイドユニット(図面符号の図示せず)の上部に取り付けられるのに伴って、エルエムガイドユニットの高さだけ設置位置の全高は高くなり、第1軸駆動テーブル213に設けられる体重支持リンク223と踏み板233の全高も高くなって全体の高さが高くなるので、図1aに示すように訓練者を踏み板233に近接させるためには、別の訓練者搬送3を設けるべきというような短所がある。
【0017】
また、訓練者搬送部3は、図1に示すように車椅子に乗った訓練者の移動のために傾斜部31が備えられる構造であるので、前後方向の長さが長くなって着座型歩行リハビリテーションロボットの長さを数メートルの以上に増加させるので、歩行リハビリテーションロボットをコンパクトに製作できないために、占有面積の増加に応じて空間の制限により病院などの医療機関で容易に設けられない欠点がある。
【0018】
特に、従来の着座型歩行リハビリテーションロボット10は、車椅子に乗った訓練者自らが傾斜した訓練者搬送部3を介して走行することができなくて訓練の際に医療関係者などの助けが要求されるので、使用上の不便さがもたらされ、人件費の発生などで訓練費の上昇を招く欠点がある。
【0019】
また、従来の着座型歩行リハビリテーションロボット10は、訓練者搬送部3を追加で製作されることが望まれ、訓練者搬送部3は全体の体積が大きくて型鋼材などの多くの材料が必要となり、製造人件費などにより製造費の上昇を招く欠点がある。
【0020】
また、従来の着座型歩行リハビリテーションロボット10は、訓練者の足を載せ置く踏み板233が前方に偏って配置されるのに伴い、訓練中に前方の構造物と衝突する危険性が高くなる。このような配置位置の制限により踏み板運動の軌跡の範囲を制限することに伴い、歩行リハビリテーションの効果を低下させる欠点がある。
【0021】
また、従来の着座型歩行リハビリテーションロボット10は、踏み板が前方に偏って配置されているので訓練者が後方から進入することを考慮すると、進入の際に進入距離が相対的に長いために正常な歩行が不可能な患者の進入が難しくなり、力を必要とする欠点がある。
【0022】
そのほかにも、従来の着座型歩行リハビリテーションロボット10は、図1bに示すように、歩行駆動部2を構成するモータと減速機などの露出に起因する不安全事故の防止と美観不良のためにシールベルト40などを設けるべきなので構造が複雑であり、異物の蓄積が容易になり、故障を誘発し、清潔を維持することが難しいという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、前記内容に着目して提案されたもので、構造が簡潔且つ単純であり、訓練者の足が載せ置かれる踏み板の高さを最小化することにより、訓練者の進入のための別途の進入手段を備えなくても訓練者が容易に進入して便利に使用できる進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットを提供することにその目的がある。
【0024】
本発明の他の目的は、踏み板の位置を訓練者の進入側に配置することにより、歩行軌跡の自由な設計によって歩行訓練の効果を増大させることができ、衝突の危険性を減らすことができるだけでなく、訓練者がより便利で容易に進入して使用できる進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記目的を達成するために、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは、垂直支持台と接続して昇降する昇降部と、前記昇降部と接続する着座部とを備える体重支持部と、訓練者の歩行訓練のための左右の足を載せ置くことが可能な一対の踏み板と、前記踏み板が接続されている踏み板支持部と、前記踏み板及び前記踏み板支持部の駆動のための踏み板駆動部を備える歩行駆動部とを含み、前記踏み板駆動部は、前記踏み板支持部を並進運動させるように、前記踏み板支持部と接続する搬送機構部と、前記搬送機構部に駆動力を印加する搬送駆動部とを含む並進運動駆動部を備え、前記搬送機構部を吊り下げて支持する駆動部用ハンガー部材をさらに含むことを特徴とする。
【0026】
前記搬送機構部は、並進運動の方向に沿ってぶら下がる形で設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと接続するスライダと、前記スライダと前記踏み板支持部が設けられる搬送ベースとを含み、前記駆動部用ハンガー部材は、前記ガイドレールが結合する側壁体で構成することができる。
【0027】
そして、前記ガイドレールは、前記側壁体の内側面に上下に離間するように、複数個が結合され、前記搬送ベースは、前記スライダが結合する垂直ベース部と、前記垂直ベース部の下部に直交する方向に配置される水平ベース部とを含んで構成することができる。
【0028】
好ましくは、前記搬送駆動部は、前記搬送ベースに両端部が固定され、前記ガイドレールの配置経路に沿って移動するように設けられる搬送ベルトと、前記搬送ベルトの移動のための駆動力を発生して提供する搬送モータと、前記搬送モータのモータ軸と接続して減速機能を行う搬送部用減速装置と、前記搬送部用減速装置の出力端に設けられ、前記搬送ベルトの一側が掛かる搬送部用駆動プーリと、前記搬送部用駆動プーリから離間して配置されて、前記搬送ベルトの他側が掛かる搬送部用従動プーリとを含んで構成することができる。
【0029】
一方、前記踏み板支持部は一端部が前記搬送機構部に接続され、他端部に前記踏み板が装着される構造で形成され、前記踏み板が左右側の前記駆動部用ハンガー部材の間に形成された進入空間の進入側に向けて配置されるように、前記踏み板支持部は前記搬送機構部との結束部位が前記進入空間の内側に位置するように結合することができる。
【0030】
そして、前記踏み板駆動部は、前記踏み板支持部の回転運動を行う支持部用回転駆動部と、前記踏み板の回転運動を行う踏み板回転駆動部と、前記踏み板支持部と接続する搬送機構部と、前記搬送機構部に駆動力を印加する搬送駆動部とを含む並進運動駆動部を備え、前記搬送機構部は、並進運動の方向に沿ってぶら下がる形で設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと接続するスライダと、前記スライダと前記踏み板支持部が設けられる搬送ベースとを含み、前記搬送ベースは、前記スライダが結合する垂直ベース部と、前記垂直ベース部の下部に直交する方向に配置される水平ベース部とを備え、前記踏み板支持部は前記水平ベース部に設けられる前記支持部用回転駆動部に回転可能に結合することができる。
【0031】
一方、前記支持部用回転駆動部は、支持部用回転モータと、前記支持部用回転モータの回転力を減速する支持部用減速装置とを含み、前記踏み板支持部は前記支持部用減速装置の出力端と接続する支持リンクを備え、前記水平ベース部には、前記支持リンクの接続部が収容されて回転する回動孔が形成されることができる。
【0032】
そして、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは、前記駆動部用ハンガー部材が設けられるメインベース部材と、前記駆動部用ハンガー部材の外部に設けられるカバー部材を含んで構成することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットによると、歩行駆動部が側部に位置する駆動部用ハンガー部材にぶら下がる形で設けられるのに伴い、両方の駆動部用ハンガー部材の間に車椅子や訓練者が進入できる進入空間が確保されるので、従来のように訓練者の進入のための別途の進入手段を備えたりしなくても訓練者が車椅子に乗った状態で容易に進入できて、使用上の利便性を向上させることができ、訓練者の足が載せ置かれる踏み板の高さを最小化することができて、訓練者がより便利に歩行リハビリテーションロボットに乗ることができる効果がある。
【0034】
特に、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは歩行駆動部が側部に位置する駆動部用ハンガー部材にぶら下がる形で設けられるのに伴い、車椅子の踏み板の高さと歩行駆動部の踏み板の高さが互いに類似するように設計することができるだけでなく、踏み板支持部が進入空間の内側の奥深い地点に位置した並進運動駆動部の搬送機構部に接続されるのに伴い、歩行駆動部の踏み板の位置が進入する車椅子の踏み板の位置と互いに近接するので、搭乗の際に医療関係者の助けを最小化することができて、障害の程度が低い患者の場合には、医療関係者の助けがなくても搭乗して訓練することができる利点がある。
【0035】
そして、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは踏み板の位置が訓練者の進入側である外側に配置されることに伴い、内側方向に歩行駆動部の動きのための十分な距離を確保することができる。これにより、訓練中に前方(内側)の構造物と衝突する危険性が減り、不安全事故を未然に防ぐことができ、踏み板の運動の軌跡の範囲を十分に確保することにより、歩行リハビリテーションの効果を増大させることができる。
【0036】
また、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは、従来の着座型歩行リハビリテーションロボットにおける訓練者の進入のために備えなければならない訓練者搬送部が不要となるので、訓練の際に医療関係者などの助けを最小化することができて、使用上の利便性が向上するのに伴い、訓練費を削減することができて、着座型歩行リハビリテーションロボットの構造が簡潔かつ単純であり、全体の体積と重量が小さくなって製造費、設置費とメンテナンスコストを大幅に削減することができる効果がある。
【0037】
そのほかにも、本発明に係る歩行駆動部は、側部にぶら下がる形で設けられるのに伴い、従来の歩行駆動部を覆うために設けられるシールベルトなどの複雑な装置を省略することができて、構造をさらに簡潔かつ単純化することができて、故障の要因を減らすことができて、メンテナンス作業を容易に行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1a】従来の着座型歩行リハビリテーションロボットの全体の構造を示した斜視図である。
【0039】
図1b】従来の着座型歩行リハビリテーションロボットにおいて、上部の構成要素を外して、内部の歩行駆動部を示す部分拡大斜視図である。
【0040】
図2】本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットを示す斜視図である。
【0041】
図3】本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの構成要素を分離した状態を示す斜視図である。
【0042】
図4a】本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの要部を示す斜視図である。
図4b】本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの要部を示す斜視図である。
【0043】
図5】本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの要部を示す分解斜視図である。
【0044】
図6a】本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの使用状態を説明するための斜視図である。
図6b】本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの使用状態を説明するための斜視図である。
【0045】
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付する図2乃至図6bに基づいて詳細に説明し、図2乃至図6bで同一の構成要素については同一の参照番号を付与する。一方、各図面で一般的な技術から、この分野の従事者が容易に知ることができる構成と、その作用と効果についての図示及び詳細な説明は簡略化し、あるいは省略して、本発明に関連する部分を中心に示した。
【0047】
図2は、本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットを示す斜視図であり、図3は本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの構成要素を分離した状態を示す斜視図である。
【0048】
図2及び図3を参照すると、本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは歩行リハビリテーションが必要な患者などの訓練者の体重を支持する体重支持部1と、体重支持部1に乗った訓練者が歩行リハビリテーションを実質的に行うように体重支持部1を基準に両側に対称の構造で配置されている歩行駆動部2を備えて、訓練者の足が載せ置かれる歩行駆動部2の踏み板21の高さは、底面から最小の高さを有するように構成されることにより、訓練者の進入のための別途の進入手段を備えなくても訓練者が便利に使用できるように構成した点に特徴がある。
【0049】
このため、本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは歩行駆動部2の並進運動駆動部31を下部に設けなくて側部にぶら下がる形で設けることにより、踏み板21の定位置の高さが低くなるようにしたものであり、従来の着座型歩行リハビリテーションロボットと比較して差を有する歩行駆動部2を中心に以下で具体的に説明して、体重支持部1と、体重支持部1と歩行駆動部2の駆動を制御する制御部(図示せず)と、駆動の状態を表示する表示部(図示せず)などの構成要素に対する説明は簡単にしたり省略する。
【0050】
図4a及び図4bは、本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの要部を示す斜視図であり、図4aは正面(訓練者の進入方向)での形状を示す斜視図であり、図4bは背面(訓練者進入方向の反対方向)での形状を示す斜視図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの要部を示す分離斜視図である。
【0051】
図4a乃至図5を参照すると、体重支持部1は、支柱の機能を行う垂直支持台11と、垂直支持台11と接続する昇降フレーム121と、垂直支持台11に内蔵されて昇降フレーム121と接続する昇降装置(図示せず)などを含む昇降部12と、昇降フレーム121に接続された接続フレーム131と、接続フレーム131に設けられたサドル132などを含む着座部13で構成されている。
【0052】
そして、着座部13には、訓練者の胸の部分を支持することができる胸支持台133が設けられ、訓練者が把持することができるハンドル部(図示せず)が設けられる。
【0053】
昇降装置(図示せず)は、着座部13に訓練者が乗った状態で、昇降部12を上下に移動させることができる構造であれば、特別な制限なしに多様に構成できるが、本実施形態では、背景技術に示されたメカニズムと類似するように、垂直支持台の内部に縦方向に設けられるガイドレール(図示せず)と、ガイドレールに乗って移動するスライダ(図示せず)を備えるエルエムガイドモジュール(図示せず)と、スライダ(図示せず)の移動のための駆動力を生成して印加するサーボモータ(図示せず)と、サーボモータと接続して回転しながらスライダを上下に移動させるボールねじ(図示せず)を含む構造で構成できる。
【0054】
一方、歩行駆動部2は、訓練者の歩行訓練のための左右の足を載せ置くことが可能な一対の踏み板21と、この踏み板21が接続する一対の踏み板支持部22と、踏み板21と踏み板支持部22の駆動のための踏み板駆動部3を備えている。
【0055】
踏み板21は、訓練者の足を安定的に載せ置くことができて、円滑な歩行リハビリテーションが可能なようにして、訓練者の強直や歩行リハビリテーションロボットの異常動作の発生の際に訓練者の足を容易に分離することができる構造であれば、形態や構造に特別な制限なしに多様に構成できる。
【0056】
例えば、踏み板21は、略長方形の板状を有する複数の踏み板部材2111が取り外し可能に構成された踏み板本体211と、踏み板本体211に訓練者の足を固定するために取り付けられた固定バンドまたは補助靴などで構成される足固定手段(図示せず)と、複数の踏み板部材2111を互いに結束または分離する作用を行うように踏み板本体の内に取り付けられる電磁石のような踏み板部材の結束手段(図示せず)と、踏み板本体211に印加される圧力や力を検出して、患者の強直などの訓練者の状態を検出する足検出手段(図示せず)などが設けられる。
【0057】
ここで、足検出手段は、代表的に前述した背景技術に開示されたロードセルを取り付ける方式を適用することができるが、静電容量式圧力センサ、ひずみゲージ式圧力センサ、ポテンショメータ式圧力センサ、圧力電気式圧力センサ、シリコンダイヤフラム圧力センサなど、様々な圧力センサの中で選択して適用することができる。
【0058】
前記足検出手段は、患者の強直、歩行リハビリテーションロボットの異常動作などの緊急状況の発生により踏み板に一定の範囲以上の力が印加される場合、制御部の制御下にある足固定手段が踏み板部材2111を拘束していた踏み板部材の結束手段の拘束力(電磁石が踏み板部材に印加する磁力)を解除することにより、不安全事故を未然に防止することができる。
【0059】
一方、踏み板支持部22は、後述する搬送機構部311に一端が接続されて他端に踏み板21が装着されるアーム形の構造で形成されたものであり、後述する支持部用減速装置322の出力端と接続する支持リンク221と、支持リンク221に結合する支持部用ハウジング222で構成される。
【0060】
そして、踏み板支持部22は、左右側の駆動部用ハンガー部材24との間に形成された進入空間に訓練者の進入が容易に行われるように踏み板支持部22の支持リンク221と搬送機構部311との結束部位が進入空間の内側である体重支持部1と近く位置するように結合することが重要である。
【0061】
このように踏み板支持部22の支持リンク接続部221aが進入空間の内側に結束すると、踏み板21は、自然に左右側の駆動部用ハンガー部材24との間に形成された進入空間の入口側に向かって配置されるので、図6aに示すように車椅子を用いて移動する訓練者の足を踏み板21に近接して位置させることができて、便利に使用することができる。
【0062】
一方、踏み板駆動部3は、踏み板支持部22を前後方向に並進運動させる並進運動駆動部31と、踏み板支持部22の回転運動を行う支持部用回転駆動部32と、踏み板21の回転運動を行う踏み板回転駆動部33で構成されて、並進運動駆動部31は、底面に設けられた構造物に持ち上げられて構成されるのではなく側部にぶら下がる形で設けられるように駆動部用ハンガー部材24が構成されている。
【0063】
並進運動駆動部31は、踏み板支持部22の前後方向の移動動作を行う駆動部として、踏み板支持部22が接続される搬送機構部311と搬送機構部311に駆動力を印加する搬送駆動部312で構成されている。
【0064】
また、搬送機構部311は、踏み板支持部22の配置の高さを下げて踏み板21が定位する高さを最小化できるように駆動部用ハンガー部材24の内側面に設けられている。
【0065】
より具体的に説明すると、前記搬送機構部311は、図4a乃至図5に示すように並進運動の方向に沿ってぶら下がる形で設けられるガイドレール311aと、ガイドレール311aと接続するスライダ311bと、スライダ311bと踏み板支持部22が設けられる搬送ベース311cが備えられている。ここで、ガイドレール311aとスライダ311bは、直線運動を効果的に導くことができる直線運動器具の案内手段であれば特に制限なく選択して適用できるが、本実施形態では、通常のエルエムガイドモジュール(LM guide module)として呼称される直線移動機構を用いて構成する。
【0066】
ガイドレール311aとスライダ311bは、訓練者が搭乗した踏み板21を含む踏み板支持部22の荷重を安定的に支えながら、搬送ベース311cの移動を案内するように、複数個で構成されたもので、駆動部用ハンガー部材24の内側面に上下に離間するようにぶら下がる形で複数のガイドレール311aが結合されており、ガイドレールと対応する搬送ベース311cにそれぞれスライダ311bが結合されている。
【0067】
搬送ベース311cは、ガイドレール311aに結合されるスライダ311bが結合される垂直ベース部311c’と、垂直ベース部311c’の下部に結合する水平ベース部311c”で構成されている。そして、搬送ベース311cは、板状の垂直ベース部311c’の下端に板状の水平ベース部311c”が直交するように形成された「L」字状の板状移動体であって、水平ベース部311c”には、支持リンク221の接続部221aが収容されて回転する回転孔311dが穿孔して形成されている。
【0068】
そして、駆動部用ハンガー部材24は、中央に配置される体重支持部1を基準に左右側に歩行駆動部2が設けられるように構成されるものであり、前記ガイドレール311aが結合する長方形の板状の側壁体241で構成されている。
【0069】
前述したように、駆動部用ハンガー部材24が板状の側壁体241で構成された場合、側壁体241が固定されて安定した直立状態を維持するように、底面に設けられるメインベース部材4と、側壁体241の外部に設けられるカバー部材5が取り付けられることが望ましい。
【0070】
ここで、カバー部材5は、側壁体241と平行に配置される側カバー板51と、側カバー板51の上部に取り付けられる上カバー板52と、側カバー板51と上カバー板52との間に取り付けられる接続カバー板53で構成されている。
【0071】
また、カバー部材5は、体重支持部1の前面方向にも取り付けられるものであって、その内部には、体重支持部1と歩行駆動部2などに電源を供給する電力供給装置などが内蔵されている。
【0072】
一方、前記搬送駆動部312は、固定ブラケット312fを媒介にして搬送ベース311cの垂直ベース部311c’に両端部が固定されてガイドレール311aの配置経路に沿って移動するように設けられる帯状の搬送ベルト312aと、搬送ベルト312bの移動のための駆動力を生成して提供する搬送モータ312bと、搬送モータ312bのモータ軸と接続して減速機能を行う搬送部用減速装置312cと、搬送部用減速装置312cの出力端に設けられて搬送ベルト312aの一側が掛かる搬送部用駆動プーリ312dと、搬送部用駆動プーリ312dから離間して配置されて搬送ベルトの他側が掛かる搬送部用従動プーリ312eで構成されている。
【0073】
そして、搬送モータ312bは、結合ブラケット312gを媒介として駆動部用ハンガー部材24に組み立てられるもので、モータ軸にモータ側の伝動プーリ312iが設けられており、搬送部用減速装置312cは、結合ブラケット312jを媒介として駆動部用ハンガー部材24と組み立てられるものであってモータ側の電動伝動プーリ312iに一側が掛かるベルト(図示せず)の他側が掛かる減速側の伝動プーリ312kが設けられており、出力端に搬送部用駆動プーリ312dが設けられる。前記搬送部用従動プーリ312eは、駆動部用ハンガー部材24と組み立てられる結合ブラケット312mに回転可能に設けられる。
【0074】
そして、前記搬送駆動部312は、スライダ(図示せず)の移動のための駆動力を印加する構成要素として、図5に図示されたベルト駆動方式のほか、ガイドレールに装着されて駆動力を生成するサーボモータ(図示せず)と、サーボモータに接続されて回転しながらスライダを前後に移動させるボールねじ(図示せず)で構成でき、これに対する具体的な図面の図示を省略する。
【0075】
一方、踏み板駆動部3の中で踏み板支持部22の回転運動を行う支持部用回転駆動部32は、図4b及び図5に示すように、歩行の際に足を持ち上げたり下げたりする運動と類似する動作を行うために正逆方向に角運動させる駆動部として、水平ベース部311c”に設けられる支持部用回転モータ321と、支持部用回転モータ321の出力端に設けられて回転力を減速する支持部用減速装置322が備えられる。
【0076】
支持部用減速装置322は、入力側が支持部用回転モータ321の出力端に設けられ、出力側が踏み板支持部22の支持リンク221の接続部221aに設けられて、決められた減速比で減少した回転力を伝達する。
【0077】
一方、踏み板駆動部3の中で踏み板21の回転運動を行う踏み板回転駆動部33は、図5に示すように、歩行の際にかかとがまず地面に当たって、続いてつま先が地面に当たる運動と類似する動作を行うために踏み板を正逆方向に旋回させる駆動部であり、支持リンク221の自由端に設けられる踏み板回転モータ331と、踏み板回転モータ331の出力端に設けられて回転力を減速する踏み板減速装置332が備えられている。ここで、踏み板減速装置332は、一側が踏み板回転モータ331の出力端に接続されて、他側が踏み板21の側面に接続されるように設けられる。
【0078】
一方、添付の図4a及び図4bで未説明符号26は、歩行駆動部2などに電力を供給する各種のケーブルを入れて保護しながら一緒に移動するように構成されたケーブルベイヤー(cableveyor)であり、未説明符号27は、歩行駆動部2の各モータ312b、321,331の駆動のためのモータドライバである。
【0079】
以下、本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの作用を簡単に説明する。
【0080】
図6a及び図6bは、本発明の第1実施形態に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットの使用状態を説明するための斜視図であり、図6aは訓練者が車椅子に乗った状態で進入する過程を示したものであり、図6bは訓練者が踏み板に上って訓練する過程を示したものである。
【0081】
図6aに示すように挙動が不便な訓練者が歩行訓練を受けようとする場合、車椅子に乗った状態で左右側の歩行駆動部2が位置するカバー部材5との間の進入空間の入口部分に移動し、踏み板21と近接した位置で停止してから、図6aに示すように臀部がサドル132に位置する形態で着座部13に乗って、歩行駆動部2の踏み板21に足を定位して固定した後、所定のプログラムに従って動作される歩行駆動部2により歩行リハビリテーションを行うことができる。
【0082】
より具体的に説明すると、訓練者が着座部13に乗って歩行駆動部2の踏み板21に足が定位すると、入力信号に応じて制御部の制御下に並進運動駆動部31の搬送モータ312bが作動しながら踏み板支持部22を前後方向に並進運動させて、支持部用回転駆動部32の支持部用回転モータ321が作動しながら踏み板支持部22の回転運動を行う一方で、踏み板回転駆動部33の踏み板回転モータ331が作動しながら踏み板21の回転運動を行うことにより、訓練者が歩行を練習することができる。
【0083】
一方、前記支持部用回転駆動部32と踏み板回転駆動部33の詳細な動作は、背景技術で示した本出願人の登録特許(大韓民国登録特許登録番号第10-1623686号)と類似するので、差を有する並進運動駆動部31にのみもっと見てみることにする。
【0084】
並進運動駆動部31は、搬送モータ312bが駆動すると、モータ側伝動プーリ312iの回転力が図示しないベルトを媒介にして減速側伝動プーリ312kに伝達されて、回転力が搬送部用減速装置312cによって減速された後、搬送部用駆動プーリ312dに出力されて、搬送部用従動プーリ312eとの間に巻きされた搬送ベルト312aに伝達される。これにより、搬送ベルト312aが正逆軌道運動を行うと、固定ブラケット312fを媒介にして搬送ベルト312aに固定された搬送ベース311cが前後に移動して、搬送ベース311cに結合された踏み板21を含む踏み板支持部22が前後に移動する。
【0085】
前述したように、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは歩行駆動部2の並進運動駆動部31が底に配置されるのではなく側部に位置する駆動部用ハンガー部材24にぶら下がる形で設けられることに伴い、両方の駆動部用ハンガー部材24との間に車椅子や訓練者が進入することができる進入空間が確保されるので、従来のように訓練者の進入のための別途の搬送部や進入手段を備えたりしなくても、訓練者が車椅子に乗った状態で容易に進入することができて、使用上の利便性が著しく向上する効果がある。
【0086】
そして、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは歩行駆動部2の並進運動駆動部31が駆動部用ハンガー部材24にぶら下がる形で設けられることに伴い、訓練者の足が載せ置かれる踏み板21の高さを最小化することができて、訓練者がより便利に歩行リハビリテーションロボットに乗ることができる。
【0087】
特に、車椅子の踏み板の高さと歩行駆動部2の踏み板21の高さが互いに類似するように配置できるだけでなく、踏み板支持部22が進入空間の内側に位置する並進運動駆動部31の搬送機構部311に接続されることに伴い、歩行駆動部2の踏み板21の位置と、進入する車椅子の踏み板の位置が互いに向かい合う形で近接するので、医療関係者の助けを最小化することができて、障害の程度が低い患者の場合には、医療関係者の助けがなくても搭乗して訓練することができる利点がある。
【0088】
また、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは踏み板21の位置が訓練者の進入側に配置されることに伴い、歩行駆動部2の動きのための十分な軌跡が確保されて、訓練中に前方の構造物と衝突する危険性がなくなるため、不安全事故を未然に防止することができ、踏み板運動の軌跡の範囲を十分に確保することに伴い、歩行リハビリテーションの効果を増大させることができる長所がある。
【0089】
そのほかにも、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットは、従来の着座型歩行リハビリテーションロボットにおいて訓練者の進入のために備えなければならない訓練者搬送部が不要となるので、訓練の際に医療関係者などの助けを最小化することができて、使用上の便利性が向上するのに伴い、訓練費を削減することができる利点がある。併せて、着座型歩行リハビリテーションロボットの構造が簡潔かつ単純であり、全体の体積と重量が小さくなって製造費、設置費とメンテナンスコストを大幅に削減することができる利点がある。
【0090】
以上で説明したのは、本発明に係る進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボットを実施するための一つの実施形態に過ぎないものであり、本発明は、前記実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求する様のように、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当該発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的思想が及ぶ。
【0091】
前記実施形態で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明らかに別に意味ない限り、複数の表現を含んでいる。本出願では、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするのであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
以下に本出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
着座型歩行リハビリテーションロボットであって、
垂直支持台と接続して昇降する昇降部と、前記昇降部と接続する着座部とを備える体重支持部と、
訓練者の歩行訓練のための左右の足を載せ置くことが可能な一対の踏み板と、前記踏み板が接続されている踏み板支持部と、前記踏み板及び前記踏み板支持部の駆動のための踏み板駆動部を備える歩行駆動部とを含み、
前記踏み板駆動部は、前記踏み板支持部を並進運動させるように、前記踏み板支持部と接続する搬送機構部と、前記搬送機構部に駆動力を印加する搬送駆動部とを含む並進運動駆動部を備え、
前記搬送機構部を吊り下げて支持する駆動部用ハンガー部材をさらに含むことを特徴とする進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
[2]
前記搬送機構部は、並進運動の方向に沿ってぶら下がる形で設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと接続するスライダと、前記スライダと前記踏み板支持部が設けられる搬送ベースとを含み、
前記駆動部用ハンガー部材は、前記ガイドレールが結合する側壁体で構成されることを特徴とする[1]に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
[3]
前記ガイドレールは、前記側壁体の内側面に上下に離間するように、複数個が結合され、
前記搬送ベースは、前記スライダが結合する垂直ベース部と、前記垂直ベース部の下部に直交する方向に配置される水平ベース部とを含むことを特徴とする[2]に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
[4]
前記搬送駆動部は、
前記搬送ベースに両端部が固定され、前記ガイドレールの配置経路に沿って移動するように設けられる搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの移動のための駆動力を発生して提供する搬送モータと、
前記搬送モータのモータ軸と接続して減速機能を行う搬送部用減速装置と、
前記搬送部用減速装置の出力端に設けられ、前記搬送ベルトの一側が掛かる搬送部用駆動プーリと、
前記搬送部用駆動プーリから離間して配置されて、前記搬送ベルトの他側が掛かる搬送部用従動プーリとを含むことを特徴とする[3]に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
[5]
前記踏み板支持部は一端部が前記搬送機構部に接続され、他端部に前記踏み板が装着される構造で形成され、前記踏み板が左右側の前記駆動部用ハンガー部材の間に形成された進入空間の進入側に向けて配置されるように、前記踏み板支持部は前記搬送機構部との結束部位が前記進入空間の内側に位置するように結合することを特徴とする[1]に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
[6]
前記踏み板駆動部は、前記踏み板支持部の回転運動を行う支持部用回転駆動部と、前記踏み板の回転運動を行う踏み板回転駆動部と、前記踏み板支持部と接続する搬送機構部と、前記搬送機構部に駆動力を印加する搬送駆動部とを含む並進運動駆動部を備え、
前記搬送機構部は、並進運動の方向に沿ってぶら下がる形で設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと接続するスライダと、前記スライダと前記踏み板支持部が設けられる搬送ベースとを含み、
前記搬送ベースは、前記スライダが結合する垂直ベース部と、前記垂直ベース部の下部に直交する方向に配置される水平ベース部とを備え、前記踏み板支持部は前記水平ベース部に設けられる前記支持部用回転駆動部に回転可能に結合することを特徴とする[5]に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
[7]
前記支持部用回転駆動部は、支持部用回転モータと、前記支持部用回転モータの回転力を減速する支持部用減速装置とを含み、
前記踏み板支持部は前記支持部用減速装置の出力端と接続する支持リンクを備え、前記水平ベース部には、前記支持リンクの接続部が収容されて回転する回動孔が形成されることを特徴とする[6]に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
[8]
前記駆動部用ハンガー部材が設けられるメインベース部材と、
前記駆動部用ハンガー部材の外部に設けられるカバー部材を含むことを特徴とする[1]乃至[7]の中のいずれか一項に記載の進入特性が向上した着座型歩行リハビリテーションロボット。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b