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特許7199767レコード支持板、レコードジャケット、及びレコード製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】レコード支持板、レコードジャケット、及びレコード製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/57 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
B65D85/57 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022122061
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2022-07-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398047467
【氏名又は名称】株式会社Pヴァイン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】水谷 聡男
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真央
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05186327(US,A)
【文献】特開平09-165081(JP,A)
【文献】特開2014-051000(JP,A)
【文献】特開2016-153208(JP,A)
【文献】特開2013-173403(JP,A)
【文献】特開2001-122372(JP,A)
【文献】実開昭59-185765(JP,U)
【文献】実開平4-68861(JP,U)
【文献】実開昭58-56380(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
12インチディスク大のレコード支持板であって、
10インチディスク用ジャケット、7インチディスク用ジャケット、又はコンパクトディスク用ジャケットを固定するためのスリットが形成されており、
当該レコード支持板を折り畳むことなく、前記ジャケットを前記スリットによって当該レコード支持板に固定することが可能である、
ことを特徴とするレコード支持板。
【請求項2】
前記スリットとして、(1)前記ジャケットが第1方向に移動することを防ぐ第1スリットであって、その両端が前記ジャケットの第1辺に当接する第1スリットと、(2)前記ジャケットが前記第1方向と直交する第2方向、及び、前記第1方向の反対方向に移動することを防ぐ第2スリットであって、その一端が前記第1辺に隣接する前記ジャケットの第2辺に当接し、その他端が前記第1辺に対向する前記ジャケットの第3辺に当接する第2スリットと、が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレコード支持板。
【請求項3】
前記第1スリットは、(1)前記第1方向と直交する線分L11、(2)線分L11の前記第2方向側の端点から当該レコード支持板の中心から遠ざかる方向に伸びる線分L12であって、線分L11と鈍角的に交わる線分L12、及び、(3)線分L11の前記第2方向側と反対側の端点から当該レコード支持板の中心から遠ざかる方向に伸びる線分L13であって、線分L11と鈍角的に交わる線分L13に沿って形成されており、
前記第2スリットは、(1)前記第1方向と直交する線分L21、(2)線分L12の前記第2方向側と反対側の端点から当該レコード支持板の中心から遠ざかる方向に伸びる線分L22であって、線分L21と鈍角的に交わる線分L21に沿って形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のレコード支持板。
【請求項4】
前記スリットとして、(1)前記ジャケットが第1方向に移動することを防ぐ第1スリットであって、その両端が前記ジャケットの第1辺に当接する第1スリットと、(2)前記ジャケットが前記第1方向と直交する第2方向に移動することを防ぐ第2スリットであって、その両端が前記第1辺に隣接する前記ジャケットの第2辺に当接する第2スリットと、(3)前記ジャケットが前記第1方向と反対方向に移動することを防ぐ第3スリットであって、その両端が前記第1辺に対向する前記ジャケットの第3辺に当接する第3スリットと、が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレコード支持板。
【請求項5】
前記スリットとして、(1)前記ジャケットが第1方向、及び、前記第1方向と直交する第2方向に移動することを防ぐ第1スリットであって、その一端が前記ジャケットの第1辺に当接し、その他端が前記第1辺に隣接する前記ジャケットの第2辺に当接する第1スリットと、(2)前記ジャケットが前記第1方向、及び、前記第2方向と反対方向に移動することを防ぐ第2スリットであって、その一端が前記ジャケットの前記第1辺に当接し、その他端が前記第2辺に対向する前記ジャケットの第3辺に当接する第2スリットと、が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレコード支持板。
【請求項6】
平面視形状が縦280mm以上320mm以下、横280mm以上320mm以下の正方形又は長方形である、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のレコード支持板。
【請求項7】
前記スリットの一端又は両端に、丸穴が形成されている、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のレコード支持板。
【請求項8】
12インチディスクを収容可能な少なくとも1つのスリーブを含むレコードジャケットにおいて、
請求項1~5の何れか一項に記載のレコード支持板であって、前記スリーブに収容されたレコード支持板を備えている、
ことを特徴とするレコードジャケット。
【請求項9】
請求項8に記載のレコードジャケットと、
前記レコード支持板に固定された前記ジャケットと、
前記ジャケットに収容された前記10インチディスク、前記7インチディスク、又は前記コンパクトディスクと、
を備えている、
ことを特徴とするレコード製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レコード支持板、及び、レコード支持板が収容されたレコードジャケットに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログレコードの音質が再評価され、近年、その需要が急激に高まっている。アナログレコードは、そのサイズによって、12インチディスク、10インチディスク、及び7インチディスクに分類される。12インチディスクは、主にLP盤として、10インチディスクは、主にSP盤として、7インチディスクは、主にEP盤又はシングル盤として用いられている。アナログレコードは、レコードジャケットに収容された状態で輸送されたり保管されたりする。レコードジャケットの構造を開示した文献としては、例えば、非特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】レコードジャケットについて、[令和4年6月29日検索]、インターネット<URL:http://analog.aprilrecords.jp/jacket/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アナログレコードを輸送するための箱やアナログレコードを保管するための棚は、12インチディスク用ジャケットを好適に収納することができるように設計及び製造されている。このため、12インチよりも小さいディスク(以下、「小ディスク」とも記載する)用ジャケットは、12インチディスク用ジャケットと比べて取り扱いが困難である。また、小ディスク用ジャケットは、12インチディスク用ジャケットと比べて、所有することによる満足感が所有者に生じ難い。
【0005】
このような問題を解決するために、小ディスク用ジャケットを12インチディスク用ジャケットに収容することが考えられる。これにより、小ディスク用ジャケットの取り扱いが12インチディスク用ジャケット並みに容易になることが期待される。また、小ディスク用ジャケットを所有することによる満足感が12インチディスク用ジャケット並みに高まることが期待される。
【0006】
しかしながら、小ディスク用ジャケットを12インチディスク用ジャケットに収容すると、小ディスク用ジャケットが12インチディスク用ジャケットの中で無駄に動いてしまい、小ディスク用ジャケットの角が潰れたり、12インチディスク用ジャケットの縁が破れたりするという問題が生じる。コンパクトディスク用ジャケット(所謂、紙ジャケット)を12インチディスク用ジャケットに収容する場合においても、同様の問題が生じる。
【0007】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、10インチディスク用ジャケット、7インチディスク用ジャケット、又はコンパクトディスク用ジャケットを、破損に繋がる無駄な動きが生じないように12インチディスク用ジャケットに収容するための技術を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様1に係るレコード支持板は、12インチディスク大のレコード支持板であって、10インチディスク用ジャケット、7インチディスク用ジャケット、又はコンパクトディスク用ジャケットを固定するためのスリットが形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、上記のジャケット(10インチディスク用、7インチディスク用、又はコンパクトディスク用のジャケット)を上記のレコード支持板に固定することによって、破損に繋がる無駄な動きが生じないように、上記のジャケットを12インチディスク用ジャケットに収容することができる。なお、上記のスリットは、上記のジャケットを固定することを目的とするものであるが、10インチディスク用、7インチディスク用、又はコンパクトディスク用のインナースリーブを、上記のジャケットを介さずに直接固定するために用いることもできる。10インチディスク用、7インチディスク用、又はコンパクトディスク用のインナースリーブは、それぞれ、10インチディスク用、7インチディスク用、又はコンパクトディスク用のジャケットと略同一形状且つ略同一サイズだからである。
【0010】
本発明の態様2に係るレコード支持板においては、態様1の構成に加えて、前記スリットとして、(1)前記ジャケットが第1方向に移動することを防ぐ第1スリットであって、その両端が前記ジャケットの第1辺に当接する第1スリットと、(2)前記ジャケットが前記第1方向と直交する第2方向、及び、前記第1方向の反対方向に移動することを防ぐ第2スリットであって、その一端が前記第1辺に隣接する前記ジャケットの第2辺に当接し、その他端が前記第1辺に対向する前記ジャケットの第3辺に当接する第2スリットと、が形成されている、という構成が採用されている。
【0011】
上記の構成によれば、上記のジャケットを、第1方向、第2方向、及び第1方向と反対方向に移動しないように、12インチディスク用ジャケットに収容することができる。また、上記のジャケットを第2方向と反対方向に移動することで、上記のジャケットを容易に上記のレコード支持板から外すことができる。
【0012】
本発明の態様3に係るレコード支持板においては、態様2の構成に加えて、前記第1スリットは、(1)前記第1方向と直交する線分L11、(2)線分L11の前記第2方向側の端点から当該レコード支持板の中心から遠ざかる方向に伸びる線分L12であって、線分L11と鈍角的に交わる線分L12、及び、(3)線分L11の前記第2方向側と反対側の端点から当該レコード支持板の中心から遠ざかる方向に伸びる線分L13であって、前記第1線分と鈍角的に交わる線分L13に沿って形成されており、前記第2スリットは、(1)前記第1方向と直交する線分L21、(2)線分L12の前記第2方向側と反対側の端点から当該レコード支持板の中心から遠ざかる方向に伸びる線分L22であって、線分L21と鈍角的に交わる線分L21に沿って形成されている、という構成が採用されている。
【0013】
上記の構成によれば、上記のジャケットを、第1方向、第2方向、及び第1方向と反対方向に移動しないように、12インチディスク用ジャケットに収容することができる。また、上記のジャケットを第2方向と反対方向に移動することで、上記のジャケットを容易に上記のレコード支持板から外すことができる。
【0014】
本発明の態様4に係るレコード支持板においては、態様1の構成に加えて、前記スリットとして、(1)前記ジャケットが第1方向に移動することを防ぐ第1スリットであって、その両端が前記ジャケットの第1辺に当接する第1スリットと、(2)前記ジャケットが前記第1方向と直交する第2方向に移動することを防ぐ第2スリットであって、その両端が前記第1辺に隣接する前記ジャケットの第2辺に当接する第2スリットと、(3)前記ジャケットが前記第1方向と反対方向に移動することを防ぐ第3スリットであって、その両端が前記第1辺に対向する前記ジャケットの第3辺に当接する第3スリットと、が形成されている、という構成が採用されている。
【0015】
上記の構成によれば、上記のジャケットを、第1方向、第2方向、及び第1方向と反対方向に移動しないように、12インチディスク用ジャケットに収容することができる。また、上記のジャケットを第2方向と反対方向に移動することで、上記のジャケットを容易に上記のレコード支持板から外すことができる。
【0016】
本発明の態様5に係るレコード支持板においては、態様1の構成に加えて、前記スリットとして、(1)前記ジャケットが第1方向、及び、前記第1方向と直交する第2方向に移動することを防ぐ第1スリットであって、その一端が前記ジャケットの第1辺に当接し、その他端が前記第1辺に隣接する前記ジャケットの第2辺に当接する第1スリットと、(2)前記ジャケットが前記第1方向、及び、前記第2方向と反対方向に移動することを防ぐ第2スリットであって、その一端が前記ジャケットの前記第1辺に当接し、その他端が前記第2辺に対向する前記ジャケットの第3辺に当接する第2スリットと、が形成されている、という構成が採用されている。
【0017】
上記の構成によれば、上記のジャケットを、第1方向、第2方向、及び第1方向と反対方向に移動しないように、12インチディスク用ジャケットに収容することができる。また、上記のジャケットを第2方向と反対方向に移動することで、上記のジャケットを容易に上記のレコード支持板から外すことができる。
【0018】
本発明の態様6に係るレコード支持板においては、態様1~5の何れかの構成に加えて、平面視形状が縦280mm以上320mm以下、横280mm以上320mm以下の正方形又は長方形である、という構成が採用されている。
【0019】
上記の構成によれば、上記のジャケット(10インチディスク用ジャケット、7インチディスク用ジャケット、コンパクトディスク用ジャケット)を上記のレコード支持板に固定することによって、破損に繋がる無駄な動きが生じないように、上記のジャケットを12インチディスク用ジャケットに収容することができる。
【0020】
本発明の態様7に係るレコード支持板においては、態様1~6の構成に加えて、前記スリットの一端又は両端に、丸穴が形成されている、という構成が採用されている。
【0021】
上記の構成によれば、上記のレコード支持板にスリットの一端又は両端を起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。
【0022】
本発明の態様8に係るレコードジャケットは、12インチディスクを収容可能な少なくとも1つのスリーブを含むレコードジャケットであって、態様1~7の何れかに係るレコード支持板が前記スリーブに収容されている。
【0023】
上記の構成によれば、上記のジャケットが収容可能な、12インチディスク用のレコードジャケットを実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、10インチディスク用ジャケット、7インチディスク用ジャケット、コンパクトディスク用ジャケットを、破損に繋がる無駄な動きが生じないように、12インチディスク用ジャケットに収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施形態に係るレコード支持体の構成を示す斜視図である。
図2図1に示すレコード支持体の構成を示す三面図である。
図3図1に示すレコード支持体が収容されたレコードジャケットの構成を示す斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るレコード支持体の構成を示す三面図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係るレコード支持体の構成を示す三面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1の実施形態〕
(レコード支持板の構成)
本発明の第1の実施形態に係るレコード支持板1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、レコード支持板1の構成を示す斜視図である。図2は、レコード支持板1の構成を示す三面図である。なお、レコード支持板1の背面は、図2の正面図に示すレコード支持板1の正面と対称であり、レコード支持板1の左側面は、図2の右側面図に示すレコード支持板1の右側面と対称であり、レコード支持板1の底面は、図2の平面図に示すレコード支持板1の天面と対称である。このため、図1及び図2においては、レコード支持板1の背面、左側面、及び底面の図示を省略している。
【0027】
レコード支持板1は、12インチディスク大の板状部材である。本実施形態においては、レコード支持板1として、正面視形状が縦280mm以上320mm以下、横280mm以上320mm以下の正方形又は長方形である板状部材を用いる。レコード支持板1の厚みは、特に限定されないが、例えば0.5mm以上5mm以下である。また、レコード支持板1の材質は、特に限定されないが、例えば紙、或いはプラスチックである。また、レコード支持板1の正面及び背面の一方又は両方には、アートワークがプリントされていてもよい。
【0028】
レコード支持板1には、ジャケット2を固定するための2つのスリット11,12が形成されている。本実施形態においては、ジャケット2として、7インチディスク用のジャケットを想定する。ただし、ジャケット2は、7インチディスク用のジャケットに限定されない。ジャケット2は、10インチディスク用のジャケットであってもよいし、コンパクトディスク用の紙ジャケットであってもよい。
【0029】
第1スリット11は、ジャケット2が第1方向(図1における下方向)に移動することを防ぐためのスリットである。本実施形態においては、第1スリット11として、線分L11、線分L12、及び線分L13に沿って形成されたコの字型のスリットを用いる。ここで、線分L11は、第1方向と直交する線分である。また、線分L12は、第1線分L11の第2方向側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、第1線分L11と鈍角的に交わる線分である。また、線分L13は、第1線分L11の第2方向側と反対側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、線分L11と鈍角的に交わる線分である。
【0030】
第2スリット12は、ジャケット2が第1方向と直交する第2方向(図1における左方向)、及び、第1方向と反対方向(図1における上方向)に移動することを防ぐためのスリットである。本実施形態においては、第2スリット12として、線分L21、及び線分L22に沿って形成されたヘの字型のスリットを用いる。ここで、線分L21は、第1方向と直交する線分である。また、線分L22は、線分L21の第2方向側と反対側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、線分L21と鈍角的に交わる線分である。
【0031】
ジャケット2は、第1スリット11に三方向を囲まれた舌片の背面側に第1辺2a(図1における下辺)の中央部が入り込み、第2スリット12に二方向を囲まれた舌片の背面側にジャケット2の第2辺2b(図1における左辺)と第3辺2c(図1における上辺)との間の角部が入り込むように、レコード支持板1に固定される。ここで、第2辺2bは、第1辺2aに直交する辺であり、第3辺2cは、第1辺2aに対向する辺である。この際、第1スリット11の両端11a,11bは、ジャケット2の第1辺2aに当接する。また、第2スリット12の一端12aは、ジャケット2の第2辺2bに当接し、第2スリット12の他端12bは、ジャケット2の第3辺2cに当接する。ジャケット2のレコード支持板1への固定は、ジャケット2を第2方向と反対方向にスライドさせることにより簡単に解くことができる。
【0032】
第1スリット11の両端11a,11bには、丸穴が形成されている。これにより、ジャケット2の第1辺2aが当接することによって、レコード支持板1に第1スリット11の両端11a,11bを起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。同様に、第2スリット12の両端12a,12bには、丸穴が形成されている。これにより、ジャケット2の第2辺2bが当接することによって、レコード支持板1に第2スリット12の一端12aを起点する亀裂が生じる可能性、及び、ジャケット2の第3辺2cが当接することによって、レコード支持板1に第2スリット12の他端12bを起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。なお、レコード支持1の材料として、亀裂が生じる可能性が低い材料(例えば、プラスチック)を選択した場合には、これらの丸穴を省略することも可能である。
【0033】
本実施形態に係るレコード支持板1を用いれば、ジャケット2を12インチディスク用のジャケットに収容したり、ジャケット2を12インチディスク輸送用の箱に収納したり、ジャケット2を12インチディスク保管用の棚に収納したりすることができる。この際、ジャケット2がレコード支持板1に固定されていることにより、ジャケット2がジャケットの中で動いたり、ジャケット2が箱の中で動いたり、ジャケット2が棚の中で動いたりする可能性を低減することができる。その結果、ジャケット2又はジャケット2に収容された7インチディスクが破損する可能性を低減することができる。また、ジャケット2を12インチディスク用のジャケットに収容する場合には、7インチディスクを所有することに得られる満足感を、12インチディスクを所有することにより得られる満足感と同程度に高めることができる。
【0034】
なお、レコード支持板1は、(1)第1方向が重力方向に一致するように使用してもよいし、(2)第2方向が重力方向に一致するように使用してもよいし、(3)第1方向と反対方向が重力方向と一致するように使用してもよい。何れの場合であっても、ジャケット2が重力により第2方向と反対方向にスライドし、その結果、ジャケット2がレコード支持板1から脱落することを防止することができる。特に、第1方向が重力方向に一致するように使用した場合、ジャケット2の重量による負荷をスリット11の両端11a,11bに分散させることができるので、レコード支持板1に亀裂が生じる可能性を最も小さく抑えることができる。
【0035】
(レコードジャケットの構成)
レコード支持板1が収容されたレコードジャケット3の構成について、図3を参照して説明する。図3は、レコードジャケット3の構成を示す斜視図である。
【0036】
レコードジャケット3は、12インチディスクを収容可能なスリーブ31を含んでいる。レコード支持板1は、このスリーブ31に収容される。これにより、ジャケット2を遊びなくレコードジャケット3に収容することができる。
【0037】
なお、レコードジャケット3は、2つ以上のスリーブを有していてもよい。この場合、レコード支持板1を収容するスリーブ以外のスリーブには、例えば、12インチディスクを収容することができる。これにより、12インチディスクと、12インチディスクよりも小さいディスク(10インチディスク、7インチディスク、又はコンパクトディスク)とを、同時に収容可能なレコードジャケット3を実現することができる。一例として、2つのスリーブを有するゲートフォールド型のレコードジャケットにおいて、一方のスリーブに12インチディスクを収容し、他方のスリーブに12インチディスクよりも小さいディスクを収容する利用形態が考えられる。
【0038】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るレコード支持板1の構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るレコード支持板1の構成を示す三面図である。
【0039】
本実施形態に係るレコード支持板1は、スリット11,12に代えてスリット13,14,15が形成されている点で、第1の実施形態に係るレコード支持板1と相違する。以下、スリット13,14,15について説明する。なお、本実施形態に係るレコード支持板1により得られる主な効果は、第1の実施形態に係るレコード支持板1により得られる効果と同様である。
【0040】
第1スリット13は、ジャケット2が第1方向(図4における下方向)に移動することを防ぐためのスリットである。本実施形態においては、第1スリット13として、線分L11、線分L12、及び線分L13に沿って形成されたコの字型のスリットを用いる。ここで、線分L11は、第1方向と直交する線分である。また、線分L12は、第1線分L11の第2方向側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、第1線分L11と鈍角的に交わる線分である。また、線分L13は、第1線分L11の第2方向側と反対側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、線分L11と鈍角的に交わる線分である。
【0041】
第2スリット14は、ジャケット2が第1方向と直交する第2方向(図4における左方向)に移動することを防ぐためのスリットである。本実施形態においては、第2スリット14として、線分L21、線分L22、及び線分L23に沿って形成されたコの字型のスリットを用いる。ここで、線分L21は、第2方向と直交する線分である。また、線分L22は、第1線分L21の第1方向側と反対側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、第1線分L21と鈍角的に交わる線分である。また、線分L23は、第1線分L21の第1方向側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、線分L21と鈍角的に交わる線分である。
【0042】
第3スリット15は、ジャケット2が第1方向と反対方向(図4における上方向)に移動することを防ぐためのスリットである。本実施形態においては、第3スリット15として、線分L31、線分L32、及び線分L33に沿って形成されたコの字型のスリットを用いる。ここで、線分L31は、第1方向と直交する線分である。また、線分L32は、第1線分L31の第2方向側と反対側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、第1線分L31と鈍角的に交わる線分である。また、線分L33は、第1線分L31の第2方向側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、線分L31と鈍角的に交わる線分である。
【0043】
ジャケット2は、第1スリット13に三方向を囲まれた舌片の背面側に第1辺2a(図4における下辺)の中央部が入り込み、第2スリット14に三方向を囲まれた舌片の背面側に第2辺2a(図4における左辺)の中央部が入り込み、第3スリット15に三方向を囲まれた舌片の背面側に第3辺2c(図4における上辺)の中央部が入り込むように、レコード支持板1に固定される。ここで、第2辺2bは、第1辺2aに直交する辺であり、第3辺2cは、第1辺2aに対向する辺である。この際、第1スリット13の両端13a,13bは、ジャケット2の第1辺2aに当接する。また、第2スリット14の両端14a,14bは、ジャケット2の第2辺2bに当接する。また、第3スリット15の両端15a,15bは、ジャケット2の第3辺2cに当接する。ジャケット2のレコード支持板1への固定は、ジャケット2を第2方向と反対方向にスライドさせることにより簡単に解くことができる。
【0044】
第1スリット13の両端13a,13bには、丸穴が形成されている。これにより、ジャケット2の第1辺2aが当接することによって、レコード支持板1に第1スリット13の両端13a,13bを起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。また、第2スリット14の両端14a,14bにも、丸穴が形成されている。これにより、ジャケット2の第1辺2aが当接することによって、レコード支持板1に第2スリット14の両端14a,14bを起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。また、第3スリット15の両端15a,15bにも、丸穴が形成されている。これにより、ジャケット2の第3辺2cが当接することによって、レコード支持板1に第3スリット15の両端15a,15bを起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。なお、レコード支持1の材料として、亀裂が生じる可能性が低い材料(例えば、プラスチック)を選択した場合には、これらの丸穴を省略することも可能である。
【0045】
なお、レコード支持板1は、(1)第1方向が重力方向に一致するように使用してもよいし、(2)第2方向が重力方向に一致するように使用してもよいし、(3)第1方向と反対方向が重力方向と一致するように使用してもよい。何れの場合であっても、ジャケット2が重力により第2方向と反対方向にスライドし、その結果、ジャケット2がレコード支持板1から脱落することを防止することができる。
【0046】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係るレコード支持板1の構成について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るレコード支持板1の構成を示す三面図である。
【0047】
本実施形態に係るレコード支持板1は、スリット11,12に代えてスリット16,17が形成されている点で、第1の実施形態に係るレコード支持板1と相違する。以下、スリット16,17について説明する。なお、本実施形態に係るレコード支持板1により得られる主な効果は、第1の実施形態に係るレコード支持板1により得られる効果と同様である。
【0048】
第1スリット16は、ジャケット2が第1方向(図5における下方向)及び第1方向と直交する第2方向(図5における左方向)に移動することを防ぐためのスリットである。本実施形態においては、第1スリット16として、線分L11及び線分L12に沿って形成されたヘの字型のスリットを用いる。ここで、線分L11は、第1方向と直交する線分である。また、線分L12は、線分L11の第2方向側と反対側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、第1線分L11と鈍角的に交わる線分である。
【0049】
第2スリット17は、ジャケット2が第1方向と反対方向(図5における上方向)及び第2方向(図5における左方向)に移動することを防ぐためのスリットである。本実施形態においては、第2スリット17として、線分L21及び線分L22に沿って形成されたヘの字型のスリットを用いる。ここで、線分L21は、第1方向と直交する線分である。また、線分L22は、第1線分L21の第2方向側と反対側の端点から、レコード支持板1の中心から遠ざかる方向に伸びる線分であって、第1線分L21と鈍角的に交わる線分である。
【0050】
ジャケット2は、第1スリット16に二方向を囲まれた舌片の背面側に第1辺2a(図5における下辺)と第2辺2b(図5における左辺)との間の角部が入り込み、第2スリット17に二方向を囲まれた舌片の背面側に第3辺2c(図5における上辺)と第2辺2bとの間の角部が入り込むように、レコード支持板1に固定される。ここで、第2辺2bは、第1辺2aに直交する辺であり、第3辺2cは、第1辺2aに対向する辺である。この際、第1スリット16の一端16aは、ジャケット2の第2辺2bに当接し、第1スリット16の他端16bは、ジャケット2の第1辺2aに当接する。また、第2スリット17の一端17aは、ジャケット2の第2辺2bに当接し、第2スリット17の他端17bは、ジャケット2の第3辺2cに当接する。ジャケット2のレコード支持板1への固定は、ジャケット2を第2方向と反対方向にスライドさせることにより簡単に解くことができる。
【0051】
第1スリット16の両端16a,16bには、丸穴が形成されている。これにより、ジャケット2の第2辺2bが当接することによって、レコード支持板1に第1スリット16の一端16aを起点する亀裂が生じる可能性、及び、ジャケット2の第1辺2aが当接することによって、レコード支持板1に第1スリット16の他端16bを起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。また、第2スリット17の両端17a,17bには、丸穴が形成されている。これにより、ジャケット2の第2辺2bが当接することによって、レコード支持板1に第2スリット17の一端17aを起点する亀裂が生じる可能性、及び、ジャケット2の第3辺2cが当接することによって、レコード支持板1に第2スリット17の他端17bを起点とする亀裂が生じる可能性を低減することができる。なお、レコード支持1の材料として、亀裂が生じる可能性が低い材料(例えば、プラスチック)を選択した場合には、これらの丸穴を省略することも可能である。
【0052】
なお、レコード支持板1は、(1)第1方向が重力方向に一致するように使用してもよいし、(2)第2方向が重力方向に一致するように使用してもよいし、(3)第1方向と反対方向が重力方向と一致するように使用してもよい。何れの場合であっても、ジャケット2が重力により第2方向と反対方向にスライドし、その結果、ジャケット2がレコード支持板1から脱落することを防止することができる。特に、第2方向が重力方向に一致するように使用した場合、ジャケット2の重量による負荷を第1スリット16の一端16aと第2スリット17の一端17aとに分散させることができるので、レコード支持板1に亀裂が生じる可能性を最も小さく抑えることができる。
【0053】
〔付記事項〕
なお、上述した各実施形態において、レコード支持板1に形成されるスリット11~17は、7インチディスク用、10インチディスク用、又はコンパクトディスク用のジャケットを固定することを目的とするものであるが、7インチディスク用、10インチディスク用、又はコンパクトディスク用のインナースリーブ(例えば、中央に丸穴が形成された紙製の袋)を固定するために用いることもできる。7インチディスク用インナースリーブは、7インチディスク用ジャケットと略同形且つ略同サイズであり、10インチディスク用インナースリーブは、10インチディスク用ジャケットと略同形且つ略サイズであり、コンパクトディスク用インナースリーブは、コンパクトディスク用ジャケットと略同形且つ略同サイズであるからである。
【0054】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 レコード支持板
11~17 スリット
2 ジャケット
(10インチディスク、7インチディスク、又はコンパクトディスク用)
3 レコードジャケット(12インチディスク用)
【要約】
【課題】10インチディスク用ジャケット、7インチディスク用ジャケット、コンパクトディスク用ジャケットを、破損に繋がる無駄な動きが生じないように12インチディスク用ジャケットに収容する。
【解決手段】12インチディスク大のレコード支持板(1)を用いる。レコード支持板(1)には、ジャケット(2)を固定するためのスリット(11,12)を形成する。ジャケット(2)は、10インチディスク用ジャケット、7インチディスク用ジャケット、又はコンパクトディスク用ジャケットである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5