(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置及び試験方法
(51)【国際特許分類】
E02D 33/00 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
E02D33/00
(21)【出願番号】P 2022159321
(22)【出願日】2022-10-03
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】202111431236.7
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 成宝
(72)【発明者】
【氏名】蘇 淑銘
(72)【発明者】
【氏名】丁 智
(72)【発明者】
【氏名】禹 軍業
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬飛
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特許第4203566(JP,B2)
【文献】特開2002-267593(JP,A)
【文献】特開2003-139673(JP,A)
【文献】特許第4261008(JP,B2)
【文献】特開2021-009111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 33/00
E02D 5/22- 5/80
E21D 20/00-21/02
G01N 3/00- 3/62
G01N 19/00-19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置であって、
支持フレームと、モデルボックスと、巻上機とを含み、前記モデルボックス内に原土が置かれ、前記原土内にアンカープレートが埋設され、前記支持フレームは、水平頂板と、前記水平頂板を支持するための鉛直方向支持板とを含み、前記モデルボックスは、前記水平頂板の下方に位置し、前記水平頂板には、前記水平頂板を貫通した縦方向スリットが水平に設置され、前記縦方向スリットの一端は、前記水平頂板の一側を貫通し、前記縦方向スリット内には、縦方向スライドレールが水平に設置され、前記縦方向スライドレールには、少なくとも二つのプーリアセンブリがスライド嵌合され、ここで二つのプーリアセンブリは、それぞれ、第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリと定義され、前記巻上機は、前記水平頂板の頂部に接続され、前記巻上機から引き出された鋼撚線は、前記縦方向スリットを通った後に、順に前記第一のプーリアセンブリ及び前記第二のプーリアセンブリを迂回してから前記アンカープレートに接続され、前記プーリアセンブリは、前記水平頂板と相対的に固定することができる、ことを特徴とする平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置。
【請求項2】
前記プーリアセンブリは、前記縦方向スライドレールにスライド嵌合された第一のプーリを含み、前記第一のプーリの下端が第一のプーリフレームに接続され、前記第一のプーリフレームにプーリが設置され、前記第一のプーリの上端に第一のスクリューが接続され、前記第一のスクリューは、前記縦方向スリットを通り、且つ第一の裏当板及び第一のナットを介して前記水平頂板の上面に固定され、前記プーリアセンブリが前記水平頂板と相対的に固定されている時、前記第一の裏当板と第一のプーリフレームは、前記水平頂板の両側から前記水平頂板をクランプする、ことを特徴とする請求項1に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置。
【請求項3】
第三のプーリアセンブリをさらに含み、前記第三のプーリアセンブリは、前記モデルボックスの側壁に接続され、且つ前記側壁の鉛直方向に沿って前記側壁にスライド嵌合可能であり、前記第三のプーリアセンブリは、前記側壁と相対的に固定することができ、前記巻上機から引き出された前記鋼撚線は、前記縦方向スリットを通った後に、順に前記第一のプーリアセンブリ、前記第二のプーリアセンブリ及び前記第三のプーリアセンブリを迂回してから前記アンカープレートに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカープレートの実験分野、特に、平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置及び試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンカープレート基礎は、構造が簡単で、施工が容易で、経済性が良いなどの利点があるため、スロープ、土塀及び信号タワーなどの工事に広く応用されている。特に近年、中国の海洋経済は、急速に発展し、海洋掘削プラットフォームと海底石油・ガスパイプラインなどに代表される海洋工事が大量に建設され、これらの工事も一般的にアンカープレート基礎を採用し、それによって、吸力アンカー、貫入式アンカー、垂直受力アンカーなどの新規アンカープレートが発展した。アンカープレートは、引抜式部材として、主にタイバー方向に沿う引抜抵抗作用を提供する。海洋掘削プラットフォームを例にして、アンカープレートの作動原理は、以下のとおりである。海水浮力の作用で、海洋掘削プラットフォームは、全体的に鉛直方向引抜の傾向を示し、その上の引抜力をそれに接続されたタイバーを介して下部の深埋アンカープレートに伝達し、そしてアンカープレートを介して周囲の海床に分散することによって、上部の海洋掘削プラットフォームアンカーを海床に固定する役割を果たす。アンカープレートの引抜抵抗力の発揮は、埋設角度と密接に関連している。例えば、アンカープレートは、水平に埋設されている場合、構造物に鉛直方向引抜抵抗力を提供し、鉛直方向に埋設されている場合、構造物に水平引抜抵抗力を提供し、二者間に介在して埋設されている場合、水平及び鉛直方向引抜抵抗力を同時に提供する。これから分かるように、構造物の受力特徴に基づく異なる埋設角度での限界引抜抵抗耐荷力の決定は、アンカープレート工事設計の鍵である。
【0003】
しかし、現在のところ、異なる埋設角度(特に傾斜に埋設される)でのアンカープレートの引抜抵抗耐荷力に対する研究は、まだ珍しい。特に埋設角度が変化すると、アンカープレートの引抜無効化メカニズム、及びそれとアンカープレートの幾何的寸法及び外形、アンカーの周土特性などとの関係はあまり明確ではなく、アンカープレート基礎の、受力が比較的に複雑な工事における普及応用は制限される。そのため、異なる埋設角度でのアンカープレートの引抜抵抗耐荷力の深い研究を展開する必要がある。室内モデル試験は、過程がはっきりして直観的で、結果が真実で信頼性があるため、このような研究の最も一般的な手段となっている。試験研究には、試験を実施する予定の状況に合わせた試験装置が必要であるが、従来のアンカープレート引抜試験装置は、まだこの能力を備えておらず、具体的な不足は以下のように表現されている。
【0004】
(1)従来の試験装置は、水平又は鉛直方向に埋設される特定の状況のみに対して設計されたものであり、いずれかの埋設角度でのアンカープレート引抜試験を実現することができない。
(2)従来の設計構想を踏襲して、ある特定の埋設傾斜角を展開できるアンカープレート引抜試験装置しか得られず、異なる埋設角度でのアンカープレートの引抜抵抗耐荷力及びその発揮メカニズムの規則分析を行うのに不便であるとともに、試験装置が異なり、即ち制御変数が唯一ではないため、得られた各状況での試験データも比較性を持たない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、以下のとおりである。従来技術に存在する、従来の試験装置がアンカープレートに対して傾斜引抜試験を行うことができない問題に対して、平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置及び試験方法を提供し、アンカープレートの傾斜引抜試験を行うことができ、それによって、異なる埋設角度でのアンカープレートの破壊モード及び引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを示し、且つアンカープレートの埋設パラメータ及び土性パラメータによるアンカープレートの限界引抜抵抗耐荷力への影響の規則及び発揮過程を得ることで、アンカープレートの工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0006】
上記目的を実現するために、本発明によって採用される技術案は、以下のとおりである。
【0007】
平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置であって、支持フレームと、モデルボックスと、巻上機とを含み、前記モデルボックス内に原土が置かれ、前記原土内にアンカープレートが埋設され、前記支持フレームは、水平頂板と、前記水平頂板を支持するための鉛直方向支持板とを含み、前記モデルボックスは、前記水平頂板の下方に位置し、前記水平頂板には、水平頂板を貫通した縦方向スリットが水平に設置され、縦方向スリットの一端は、水平頂板の一側を貫通し、前記縦方向スリット内には、縦方向スライドレールが水平に設置され、前記縦方向スライドレールには、少なくとも二つのプーリアセンブリがスライド嵌合され、ここで二つのプーリアセンブリは、それぞれ、第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリと定義され、前記巻上機は、水平頂板の頂部に接続され、前記巻上機から引き出された鋼撚線は、縦方向スリットを通った後に、順に第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリを迂回してからアンカープレートに接続され、前記プーリアセンブリは、前記水平頂板と相対的に固定することができる。
【0008】
本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置では、前記水平頂板には、水平頂板を貫通した縦方向スリットが水平に設置され、縦方向スリットの一端は、水平頂板の一側を貫通し、前記縦方向スライドレールは、前記縦方向スリット内に設置されることで、プーリアセンブリを縦方向スリット内に取り付けて入れ、且つ縦方向スライドレールにスライド嵌合することができ、前記縦方向スライドレールにスライド嵌合された少なくとも二つのプーリアセンブリで補助し、試験時、まず第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリをターゲット位置に設置し、そして前記第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリをいずれも前記水平頂板と相対的に固定し、他の角度で試験する時、第二のプーリアセンブリと前記水平頂板を相対的に緩め、第二のプーリアセンブリを介して縦方向スライドレールにスライド嵌合し、位置を変更し、その後、前記第二のプーリアセンブリを前記水平頂板と相対的に固定することで、アンカープレートの鉛直方向引抜試験及び傾斜引抜試験を実現することによって、異なる埋設角度でのアンカープレートの破壊モード及び引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを示し、且つアンカープレートの埋設パラメータ及び土性パラメータによるアンカープレートの限界引抜抵抗耐荷力への影響の規則及び発揮過程を得ることで、アンカープレートの工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0009】
好適には、前記プーリアセンブリは、縦方向スライドレールにスライド嵌合された第一のプーリを含み、前記第一のプーリの下端が第一のプーリフレームに接続され、前記第一のプーリフレームにプーリが設置され、前記第一のプーリの上端に第一のスクリューが接続され、前記第一のスクリューは、前記縦方向スリットを通り、且つ第一の裏当板及び第一のナットを介して前記水平頂板の上面に固定され、前記プーリアセンブリが前記水平頂板と相対的に固定されている時、前記第一の裏当板と第一のプーリフレームは、水平頂板の両側から水平頂板をクランプする。
【0010】
好適には、第三のプーリアセンブリをさらに含み、前記第三のプーリアセンブリは、モデルボックスの側壁に接続され、且つ前記側壁の鉛直方向に沿って前記側壁にスライド嵌合可能であり、前記第三のプーリアセンブリは、前記側壁と相対的に固定することができ、前記巻上機から引き出された鋼撚線は、縦方向スリットを通った後に、順に第一のプーリアセンブリ、第二のプーリアセンブリ及び第三のプーリアセンブリを迂回してからアンカープレートに接続される。
【0011】
好適には、前記モデルボックスの側壁には、側壁を貫通した鉛直方向スリットが鉛直方向に設置され、前記鉛直方向スリットの下端は、アンカープレート最大の埋設深さに対応し、前記鉛直方向スリットの両側にいずれも鉛直方向スライドレールが設置され、前記第三のプーリアセンブリは、第二のプーリフレームを含み、前記第二のプーリフレームに第二のプーリが接続され、前記第二のプーリは、鉛直方向スライドレールにスライド嵌合され、前記第二のプーリフレームに第二のスクリュー及び第三のプーリが接続され、前記第二のスクリューの一端は、前記鉛直方向スリットを通り、第二の裏当板及び第二のナットを介して前記側壁に固定され、前記第三のプーリアセンブリが前記側壁と相対的に固定されている時、前記第二の裏当板と第二のプーリフレームは、側壁の厚い両側から前記側壁をクランプする。
【0012】
モデルボックスの側壁に第三のプーリアセンブリを設置することにより、試験時、前記巻上機から引き出された鋼撚線は、縦方向スリットを通った後に、順に第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリ後を迂回してからアンカープレートに接続され、又は前記巻上機から引き出された鋼撚線は、縦方向スリットを通った後に、順に第一のプーリアセンブリ、第二のプーリアセンブリ及び第三のプーリアセンブリを迂回してからアンカープレートに接続されて、アンカープレートの水平引抜試験、鉛直方向引抜試験及び傾斜引抜試験を実現することによって、異なる埋設角度でのアンカープレートの破壊モード及び引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを示し、且つアンカープレートの埋設パラメータ及び土性パラメータによるアンカープレートの限界引抜抵抗耐荷力への影響の規則及び発揮過程を得ることで、アンカープレートの工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0013】
好適には、前記鉛直方向支持板の底部には、鉛直方向孔が設置され、前記鉛直方向孔には、前記鉛直方向支持板を地面に固定するための膨張した第一のナットが嵌合される。
【0014】
本発明は、平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験方法をさらに開示し、本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置に基づき、具体的な操作ステップとして、
S1.前記鉛直方向支持板を試験場に鉛直方向に置き、膨張した第一のナットを介して地表に固定し、
S2.前記水平頂板を側辺に沿って起立させ、且つ縦方向スリット開放端を上向きにし、順に前記第二のプーリアセンブリ及び第一のプーリアセンブリを縦方向スリット開放端から前記縦方向スライドレールに滑り込ませ、その後に、前記水平頂板を蟻ほぞを介して前記鉛直方向支持板のほぞ穴内に入れ、
S3.鉛直方向支持板と水平頂板との組み立てが完了すると、前記巻上機を前記水平頂板の上面の縦方向スリット開放端に近い側に固定し、且つ巻上機鋼撚線がスリットを通るようにし、
S4.前記モデルボックスを支持フレームの下方に置き、
S5.第二のプーリフレームを一体に接続した第二のプーリを前記鉛直方向スライドレール内に置き、且つ第二のスクリューを前記第二のプーリフレームのねじ孔にねじ込み、且つ第三のプーリアセンブリの取り付けを行い、
S6.第一のプーリアセンブリを巻上機の巻き出し箇所の直下に取り付けることで、巻上機の巻き出し方向を鉛直方向とし、且つ第一のプーリアセンブリにおけるプーリを第四のプーリと、第二のプーリアセンブリにおけるプーリを第五のプーリと定義し、
鋼撚線を巻上機から巻き出した後に、順に第四のプーリ及び第五のプーリを迂回してからアンカープレートに接続し、アンカープレートのタイバーと鋼撚線との間に力変位センサを接続し、
又は
鋼撚線を巻上機から巻き出した後に、順に第四のプーリ、第五のプーリ及び第三のプーリを迂回してからアンカープレートに接続し、アンカープレートのタイバーと鋼撚線との間に力変位センサを接続し、
S7.沐雨法を採用して原土をモデルボックスに充填し、充填高さがアンカープレートの埋設深さと同じになると、タイバー付きのアンカープレートを原土の表面に置いて固定させ、そして原土の充填を継続し、充填中にジオテキスタイルで鉛直方向スリットを塞ぐことで、土漏れを防止し、
S8.原土の側面の変形を観測しやすくするために、一定の高さだけ充填するごとに、モデルボックスの前壁の内側に一層のカラー砂を塗り、原土を指定された高さまで充填すると、土の充填を停止し、
S9.モデルボックスの側壁に第一のカメラ及びレーザ変位センサを配置し、且つモデルボックスの前壁の真ん前に第二のカメラを架設し、ここで、
前記第一のカメラは、巻上機の巻取過程における原土の上面部分の変形を捉えるために用いられ、
前記レーザ変位センサは、巻上機の巻取過程における原土の上面部分の変位を捉えるために用いられ、
モデルボックスの前壁は、透明な材質で製造され、
第二のカメラは、巻上機の巻取過程における原土の前側面のカラー砂部分の変形を捉えるために用いられる。
【0015】
好適には、ステップS6では、第五のプーリと第三のプーリの相対位置は、以下の関係を満たし、
(a)アンカープレートが水平に埋設されている場合、アンカープレートの水平位置を明確にした後、第五のプーリプーリレールの左側が鋼撚線に接するように、第五のプーリの位置を調整し、そして第五のプーリを水平頂板に固定し、
(b)アンカープレートが鉛直方向に埋設されている場合、アンカープレートの鉛直方向位置を明確にした後、第三のプーリプーリレールの下側が鋼撚線に接するように、第三のプーリの位置を調整し、そして第三のプーリを前記モデルボックスの左側壁に固定し、第五のプーリの鉛直方向位置を第三のプーリと一致させ、
(c)アンカープレートが一定の傾斜角で埋設されている場合、傾斜角θをアンカープレートに接続された鋼撚線と鉛直方向とのなす角と、傾斜角θ’を第三のプーリが鉛直方向スライドレールの最頂端に移動した時にアンカープレートに接続された鋼撚線と鉛直方向とのなす角と定義し、第五のプーリと第三のプーリの相対位置が以下のとおりであり、
第三のプーリは機能せず、その位置は要求されず、
第五のプーリの鉛直方向位置が第三のプーリと一致し、ここで
【0016】
本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験方法では、支持フレーム及びモデルボックスを設計し、且つ支持フレームの頂部及びモデルボックスの側壁スライドレールを開設し、プーリを装着し、モデルボックスの側壁に鉛直方向スリットを開設することで、いずれかの予め設定される角度(0°-90°)に沿ってアンカープレートを引抜することを実現し、モデルボックスの前壁が透明な強化ガラス且つ予め設定される位置決め標識点を採用し、右側壁及び前壁にカメラ及びレーザ変位センサを追加することで、アンカープレートの運動軌跡、及び、原土の変形と破壊形態をリアルタイム且つ正確に捉え、試験装置が統一され、試験コストを節約するとともに、アンカープレートの限界引抜抵抗耐荷力、引抜無効化メカニズム及びその変化規則をより正確に取得することができる。
【0017】
以上のように、上記技術案を採用するため、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0018】
1、本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置では、前記水平頂板には、水平頂板を貫通した縦方向スリットが水平に設置され、縦方向スリットの一端は、水平頂板の一側を貫通し、前記縦方向スライドレールは、前記縦方向スリット内に設置されることで、プーリアセンブリを縦方向スリット内に取り付けて入れ、且つ縦方向スライドレールにスライド嵌合することができ、前記縦方向スライドレールにスライド嵌合された少なくとも二つのプーリアセンブリで補助し、試験時、まず第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリをターゲット位置に設置し、そして前記第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリをいずれも前記水平頂板と相対的に固定し、他の角度で試験する時、第二のプーリアセンブリと前記水平頂板を相対的に緩め、第二のプーリアセンブリを介して縦方向スライドレールにスライド嵌合し、位置を変更し、その後、前記第二のプーリアセンブリを前記水平頂板と相対的に固定することで、アンカープレートの鉛直方向引抜試験及び傾斜引抜試験を実現することによって、異なる埋設角度でのアンカープレートの破壊モード及び引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを示し、且つアンカープレートの埋設パラメータ及び土性パラメータによるアンカープレートの限界引抜抵抗耐荷力への影響の規則及び発揮過程を得ることで、アンカープレートの工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0019】
2、本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置では、モデルボックスの側壁に第三のプーリアセンブリを設置することにより、試験時、前記巻上機から引き出された鋼撚線は、縦方向スリットを通った後に、順に第一のプーリアセンブリ及び第二のプーリアセンブリを迂回してからアンカープレートに接続され、又は前記巻上機から引き出された鋼撚線は、縦方向スリットを通った後に、順に第一のプーリアセンブリ、第二のプーリアセンブリ及び第三のプーリアセンブリを迂回してからアンカープレートに接続されて、アンカープレートの水平引抜試験及び傾斜引抜試験を実現することによって、異なる埋設角度でのアンカープレートの破壊モード及び引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを示し、且つアンカープレートの埋設パラメータ及び土性パラメータによるアンカープレートの限界引抜抵抗耐荷力への影響の規則及び発揮過程を得ることで、アンカープレートの工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0020】
3、本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験方法では、支持フレーム及びモデルボックスを設計し、且つ支持フレームの頂部及びモデルボックスの側壁スライドレールを開設し、プーリを装着し、モデルボックスの側壁に鉛直方向スリットを開設することで、いずれかの予め設定される角度(0°-90°)に沿ってアンカープレートを引抜することを実現し、モデルボックスの前壁が透明な強化ガラス且つ予め設定される位置決め標識点を採用し、右側壁及び前壁にカメラ及びレーザ変位センサを追加することで、アンカープレートの運動軌跡、及び、原土の変形と破壊形態をリアルタイム且つ正確に捉え、試験装置が統一され、試験コストを節約するとともに、アンカープレートの限界引抜抵抗耐荷力、引抜無効化メカニズム及びその変化規則をより正確に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置の構造正面図(鋼撚線は、第四のプーリ及び第五のプーリを迂回し、第五のプーリは、アンカープレートの真上に位置する)である。
【
図2】本発明の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置の構造正面図(鋼撚線は、第四のプーリ及び第五のプーリを迂回し、第五のプーリは、アンカープレートの斜め上方に位置する)である。
【
図3】本発明の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置の構造正面概略図(鋼撚線は、第四のプーリ、第五のプーリ及び第三のプーリを迂回し、第三のプーリは、アンカープレートの斜め上方に位置する)である。
【
図4】本発明の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置の構造正面概略図(鋼撚線は、第四のプーリ、第五のプーリ及び第三のプーリを迂回し、第五のプーリ、第三のプーリは、アンカープレートと共線に設置される)である。
【
図5】本発明の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置の構造正面概略図(鋼撚線は、第四のプーリ、第五のプーリ及び第三のプーリを迂回し、プーリアセンブリは、アンカープレートの水平左側に位置する)である。
【
図6】本発明の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置の構造の平面視概略図である。
【
図7】本発明の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置の鉛直方向の断面左面概略図である。
【
図8】本発明の
図7におけるA部の拡大概略図である。
【
図9】本発明のプーリアセンブリの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図面を結び付けながら、本発明について詳細に説明する。
【0023】
本発明の目的、技術案及び利点をより明瞭かつ分かりやすくするために、以下、図面及び実施例を結び付けながら、本発明を詳細な説明する。理解すべきこととして、ここに記述されている具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。
【0024】
<実施例1>
図1-9に示すように、本実施例に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置は、支持フレーム1と、モデルボックス2と、巻上機5と、第三のプーリアセンブリ18とを含み、前記モデルボックス2内に原土14が置かれ、前記原土14内にアンカープレート13が埋設され、前記支持フレーム1は、水平頂板4と、前記水平頂板4を支持するための鉛直方向支持板3とを含み、前記モデルボックス2は、前記水平頂板4の下方に位置し、前記水平頂板4には、水平頂板4を貫通した縦方向スリット15が水平に設置され、縦方向スリット15の一端は、水平頂板4の一側を貫通し、前記縦方向スリット15内には、縦方向スライドレール6が水平に設置され、前記縦方向スライドレール6には、少なくとも二つのプーリアセンブリがスライド嵌合し、ここで二つのプーリアセンブリは、それぞれ、第一のプーリアセンブリ21及び第二のプーリアセンブリ22と定義され、前記巻上機5は、水平頂板4の頂部に接続され、前記巻上機5から引き出された鋼撚線17は、縦方向スリット15を通った後に、順に第一のプーリアセンブリ21及び第二のプーリアセンブリ22を迂回してからアンカープレート13に接続され、前記第一のプーリアセンブリ21及び第二のプーリアセンブリ22は、いずれも前記水平頂板4と相対的に固定することができ、モデルボックス2の上部は、開放的に設置される。
【0025】
前記プーリアセンブリは、縦方向スライドレール6にスライド嵌合された第一のプーリ7を含み、前記第一のプーリ7の下端が第一のプーリフレーム16に接続され、前記第一のプーリフレーム16にプーリが設置され、前記第一のプーリ7の上端に第一のスクリュー9が接続され、前記第一のスクリュー9は、前記縦方向スリット15を通り、且つ第一の裏当板10及び第一のナット11を介して前記水平頂板4の上面に固定され、前記プーリアセンブリが前記水平頂板4と相対的に固定されている時、前記第一の裏当板10と第一のプーリフレーム16は、水平頂板4の両側から水平頂板4をクランプし、前記第三のプーリアセンブリ18は、モデルボックス2の側壁19に接続され、且つ前記側壁19の鉛直方向に沿って前記側壁19にスライド嵌合可能である。
【0026】
前記第三のプーリアセンブリ18は、前記側壁19と相対的に固定することができ、前記巻上機5から引き出された鋼撚線17は、縦方向スリット15を通った後に、順に第一のプーリアセンブリ21、第二のプーリアセンブリ22及び第三のプーリアセンブリ18を迂回してからアンカープレート13に接続される。前記モデルボックス2の側壁19には、側壁19を貫通した鉛直方向スリット20が鉛直方向に設置され、前記鉛直方向スリット20の下端は、アンカープレート13の最大の埋設深さに対応し、前記鉛直方向スリット20の両側にいずれも鉛直方向スライドレール12が設置され、前記第三のプーリアセンブリ18は、第二のプーリフレーム23を含み、前記第二のプーリフレーム23に第二のプーリ24が接続され、前記第二のプーリ24は、鉛直方向スライドレール12にスライド嵌合され、前記第二のプーリフレーム23に第二のスクリュー29及び第三のプーリ28が接続され、前記第二のスクリュー29の一端は、前記鉛直方向スリット20を通り、第二の裏当板25及び第二のナット8を介して前記側壁19に固定され、前記第三のプーリアセンブリ18が前記側壁19と相対的に固定されている時、前記第二の裏当板25と第二のプーリフレーム23は、側壁19の厚い両側から前記側壁19をクランプする。
【0027】
モデルボックス2の側壁19に第三のプーリアセンブリ18を設置することにより、試験時、前記巻上機5から引き出された鋼撚線17は、縦方向スリット15を通った後に、順に第一のプーリアセンブリ21及び第二のプーリアセンブリ22を迂回してからアンカープレート13に接続され、又は前記巻上機5から引き出された鋼撚線17は、縦方向スリット15を通った後に、順に第一のプーリアセンブリ21、第二のプーリアセンブリ22及び第三のプーリアセンブリ18を迂回してからアンカープレート13に接続されて、アンカープレート13の水平引抜試験、鉛直方向引抜試験及び傾斜引抜試験を実現することによって、異なる埋設角度でのアンカープレート13の破壊モードと引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを示し、且つアンカープレート13の埋設パラメータ及び土性パラメータによるアンカープレート13の限界引抜抵抗耐荷力への影響の規則及び発揮過程を得ることで、アンカープレート13の工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0028】
前記鉛直方向支持板3の底部には、鉛直方向孔が設置され、前記鉛直方向孔には、前記鉛直方向支持板3を地面に固定するための膨張した第一のナット11が嵌合される。
【0029】
本実施例の有益な効果は、以下のとおりである。本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置では、前記水平頂板4には、水平頂板4を貫通した縦方向スリット15が水平に設置され、縦方向スリット15の一端は、水平頂板4の一側を貫通し、前記縦方向スライドレール6は、前記縦方向スリット15内に設置されることで、第一のプーリアセンブリ21及び第二のプーリアセンブリ22を縦方向スリット15内に取り付けて入れ、且つ縦方向スライドレール6にスライド嵌合することができ、前記縦方向スライドレール6にスライド嵌合された少なくとも二つの第一のプーリアセンブリで補助し、試験時、まず第一のプーリアセンブリ21及び第二のプーリアセンブリ22をターゲット位置に設置し、そして前記第一のプーリアセンブリを前記水平頂板4と相対的に固定し、他の角度で試験する時、第二のプーリアセンブリ22と前記水平頂板4を相対的に緩め、第二のプーリアセンブリ22を介して縦方向スライドレール6にスライド嵌合し、位置を変更し、その後、前記第二のプーリアセンブリ22を前記水平頂板4と相対的に固定することで、アンカープレート13の鉛直方向引抜試験及び傾斜引抜試験を実現することによって、異なる埋設角度でのアンカープレート13の破壊モードと引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを示し、且つアンカープレート13の埋設パラメータ及び土性パラメータによるアンカープレート13の限界引抜抵抗耐荷力への影響の規則及び発揮過程を得ることで、アンカープレート13の工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0030】
<実施例2>
図1-9に示すように、本実施例に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置は、支持フレーム1とモデルボックス2とを含み、
前記支持フレーム1は、鉛直方向支持板3と水平頂板4とを含み、前記鉛直方向支持板3は、逆「T」字型の中空鋼板であり、前記水平頂板4を支持するために用いられ、前記水平頂板4は、「一」字型の中空鋼板であり、アンカープレート13の引抜方向を調整し、巻上機5を固定するために用いられ、
前記鉛直方向支持板3の底部には、鉛直方向孔が設置されることで、膨張した第一のナット11を介して前記鉛直方向支持板3を地面に容易に固定し、
前記水平頂板4の上面右側には、駆動力を印加する巻上機5が取り付けられ、下面には、右端を起点として縦方向スライドレール6が設置され、且つレールの直上には、水平頂板4の上面を貫通した縦方向スリット15が予め設けられ、
前記縦方向スライドレール6内には、並進自在な四つの第一のプーリ7が設置され、前記第一のプーリ7の下端がプーリに接続され、上端が第一のスクリュー9に接続され、前記第一のスクリュー9は、前記縦方向スリットを通り、第一の裏当板10及び第一のナット11を介して前記水平頂板4の上面に固定され、
前記巻上機5の鋼撚線は、前記縦方向スリット15を通って第四のプーリ26、第五のプーリ27及び第三のプーリ28の凹型ガイドレール内に置かれ、
前記鉛直方向支持板3と水平頂板4との接続方式は、鎌継ぎであり、鉛直方向支持板3の上部には、ほぞ穴が設置され、水平頂板4の端部には、前記ほぞ穴に適合する蟻ほぞが設置され、
前記モデルボックス2は、前記支持フレーム1の内部に位置し、左側壁、右側壁、前壁、後壁及び底板を含み、前記側壁間、及び側壁と底板との間がリベットを介して密封されて、頂部が開口したボックスとなり、
前記左側壁19の縦方向対称軸には、完全に貫通した一本の鉛直方向スリット20が開設されることにより、前記巻上機5の鋼撚線は、前記鉛直方向スリット20を通ることができ、前記鉛直方向スリット20の起点は、前記アンカープレート13の最大の埋設深さに対応する位置と一致し、終点は、前記左側壁19の上縁であり、
縦方向対称軸を境界線として、前記左側壁19の外側には、二本の鉛直方向スライドレール12が設置され、前記鉛直方向スライドレール12の規格は、前記縦方向スライドレール6の規格と同様であり、起終点は、前記鉛直方向スリット20の起終点と一致し、
前記鉛直方向スライドレール12の各々に一つの第二のプーリ24が設置され、鋼質板を採用して前記鉛直方向スライドレール12内のプーリを一体に接続し、前記鋼質板の幾何学的中心には、ねじ孔が開設され且つ第二のスクリュー29が穿設され、前記第二のスクリュー29の左端が第三のプーリ28に接続され、右端が前記鉛直方向スリット20を通ることによって、前記第三のプーリ28を前記左側壁19の指定された位置に固定し、
前記右側壁の上縁の中点には、ハイビジョンカメラが配置され、且つ前記ハイビジョンカメラの両側には、それぞれ前記モデルボックス2内の原土の表面破壊形態及び変位を捉えるための二つのレーザ変位センサが配置され、
前記前側壁の材質は、透明な強化ガラスであり、外側に位置決め標識点が設けられ、正前方にハイビジョンカメラが設けられることで、前記モデルボックス2内の原土の側面変形をリアルタイムに撮影し、且つ光滑粒子流技術に基づいて原土の変位ベクトル図を取得する。
【0031】
<実施例3>
図1-9に示すように、本発明は、平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験方法をさらに開示し、実施例1又は2に記載の海底アンカープレート引抜無効化の試験装置に基づき、具体的な操作ステップとして、
S1.前記鉛直方向支持板3を逆「T」字型で試験場に置き、膨張した第一のナット11を介して地表に固定し、
S2.前記水平頂板4を側辺に沿って起立させ、且つ縦方向スリット15の開放端を上向きにし、順に前記第二のプーリアセンブリ22及び第一のプーリアセンブリ21を縦方向スリット15の開放端から前記縦方向スライドレール6に滑り込ませ、その後に、前記水平頂板4を蟻ほぞを介して前記鉛直方向支持板3のほぞ穴内に入れ、
S3.鉛直方向支持板3と水平頂板4との組み立てが完了すると、前記巻上機5を前記水平頂板4の上面の縦方向スリット15の開放端に近い側に固定し、且つ巻上機5の鋼撚線がスリット15を通るようにし、
S4.前記モデルボックス2を支持フレーム1の下方右側に置き、モデルボックス2と鉛直方向支持板3との水平間隔距離を試験の状況に応じて自在に調整し、
S5.第二のプーリフレーム23を一体に接続した第二のプーリ24を前記モデルボックス2の左側壁の外側の鉛直方向スライドレール12内に置き、且つ第二のスクリュー29を前記第二のプーリフレーム23のねじ孔にねじ込み、且つ第三のプーリアセンブリ18の取り付けを行い、
S6.第一のプーリアセンブリ21を巻上機5の巻き出し箇所の直下に取り付けることで、巻上機5の巻き出し方向を鉛直方向とし、且つ第一のプーリアセンブリ21におけるプーリを第四のプーリ26と、第二のプーリアセンブリ22におけるプーリを第五のプーリ27と定義し、
鋼撚線17を巻上機5から巻き出した後に、順に第四のプーリ26及び第五のプーリ27を迂回してからアンカープレート13に接続し、アンカープレート13のタイバーと鋼撚線との間に力変位センサを接続し、
又は
鋼撚線17を巻上機5から巻き出した後に、順に第四のプーリ26、第五のプーリ27及び第三のプーリ28を迂回してからアンカープレート13に接続し、アンカープレート13のタイバーと鋼撚線との間に力変位センサを接続する。
【0032】
第五のプーリ27と第三のプーリ28の相対位置は、以下の関係を満たし、
(a)アンカープレート13が水平に埋設されている場合、アンカープレート13の水平位置を明確にした後、第五のプーリ27のプーリレールの左側が鋼撚線17に接するように、第五のプーリ27の位置を調整し、そして第五のプーリ27を水平頂板4に固定し、
(b)アンカープレート13が鉛直方向に埋設されている場合、アンカープレート13の鉛直方向位置を明確にした後、第三のプーリ28のプーリレールの下側が鋼撚線17に接するように、第三のプーリ28の位置を調整し、そして第三のプーリ28を前記モデルボックス2の左側壁に固定し、第五のプーリ27の鉛直方向位置を第三のプーリ28と一致させ、
(c)アンカープレート13が一定の傾斜角で埋設されている場合、傾斜角θをアンカープレート13に接続された鋼撚線17と鉛直方向とのなす角と、傾斜角θ’を第三のプーリ28が鉛直方向スライドレール12の最頂端に移動した時にアンカープレート13に接続された鋼撚線17と鉛直方向とのなす角と定義し、第五のプーリ27と第三のプーリ28の相対位置が以下のとおりであり、
第三のプーリ28は機能せず、その位置は要求されず、
S7.沐雨法を採用して原土14をモデルボックス2に充填し、充填高さがアンカープレート13の埋設深さと同じになると、タイバー付きのアンカープレート13を原土の表面に置いて固定させ、そして原土14の充填を継続し、充填中にジオテキスタイルで鉛直方向スリット20を塞ぐことで、土漏れを防止し、
S8.原土の側面の変形を観測しやすくするために、一定の高さだけ充填するごとに、モデルボックス2の前壁の内側に一層のカラー砂を塗り、原土を指定された高さまで充填すると、土の充填を停止し、
S9.荷重中の原土の側面と上面の変形と変位を捉えるために、モデルボックス2の側壁にカメラ及びレーザ変位センサを配置し、且つモデルボックス2の前壁の真ん前にカメラを架設し、引抜力を測定するために、アンカープレート13のタイバーと鋼撚線との間に力変位センサを接続する。
【0033】
S10.試験装置及び荷重、テスト装備を検出し、潜在的な危険性を排除した後、巻上機5を起動して荷重し、カメラをオンにして原土の変形を捉える。
【0034】
本実施例の有益な効果は、以下のとおりである。本出願に記載の平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験方法では、支持フレーム1及びモデルボックス2を設計し、且つ支持フレーム1の頂部及びモデルボックス2の側壁にスライドレールを開設し、プーリを装着し、モデルボックス2の側壁に鉛直方向スリットを開設することで、いずれかの予め設定される角度(0°-90°)に沿ってアンカープレート13を引抜することを実現し、モデルボックス2の前壁が透明な強化ガラス且つ予め設定される位置決め標識点を採用し、右側壁及び前壁にカメラ及びレーザ変位センサを追加することで、アンカープレート13の運動軌跡、及び、原土の変形と破壊形態をリアルタイム且つ正確に捉え、引抜角度の設置方式が柔軟であり、試験装置が統一され、試験コストを節約するとともに、アンカープレート13の限界引抜抵抗耐荷力、引抜無効化メカニズム及びその変化規則をより正確に取得することができる。
【0035】
上述したのは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、本発明の精神及び原則内に行われる任意の修正、同等の置き換え及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲の内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0036】
1 支持フレーム
2 モデルボックス
3 鉛直方向支持板
4 水平頂板
5 巻上機
6 縦方向スライドレール
7 第一のプーリ
8 第二のナット
9 第一のスクリュー
10 第一の裏当板
11 第一のナット
12 鉛直方向スライドレール
13 アンカープレート
14 原土
15 縦方向スリット
16 第一のプーリフレーム
17 鋼撚線
18 第三のプーリアセンブリ
19 側壁
20 鉛直方向スリット
21 第一のプーリアセンブリ
22 第二のプーリアセンブリ
23 第二のプーリフレーム
24 第二のプーリ
25 第二の裏当板
26 第四のプーリ
27 第五のプーリ
28 第三のプーリ
29 第二のスクリュー
【要約】 (修正有)
【課題】アンカープレート実験の分野、特に平面内海底アンカープレートの引抜無効化を模擬する試験装置及び試験方法に関する。
【解決手段】海底アンカープレート引抜無効化の試験装置は、支持フレームと、モデルボックスと、巻上機(5)を含み、支持フレームは、水平頂板(4)と、鉛直方向支持板(3)とを含み、縦方向スリット内には、縦方向スライドレールが設置され、縦方向スライドレールには、プーリアセンブリ(21,22)がスライド嵌合され、巻上機(5)から引き出された鋼撚線は、縦方向スリットを通った後に、順に第一のプーリアセンブリ(21)及び第二のプーリアセンブリ(22)を迂回してからアンカープレートに接続され、第一のプーリアセンブリ(21)は、水平頂板(4)と相対的に固定される。海底アンカープレート引抜無効化の試験装置は、アンカープレート(13)の鉛直方向引抜試験及び傾斜引抜試験を実現することができる。
【選択図】
図2